JP2004352973A - 生分解性樹脂用可塑剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生分解性樹脂の透明性を阻害せずに柔軟性を付与することができる生分解性樹脂用可塑剤の提供。
【解決手段】 下記(i)〜(iii)から選ばれる化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤、この可塑剤を含有する生分解性樹脂組成物。
(i)ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル及びヒドロキシ脂環族カルボン酸エステルから選ばれるエステル
(ii)スルホンアミド基を有する化合物
(iii)構造単位(I)を含み、両末端が水酸基であるポリカーボネートジオールと、芳香族モノカルボン酸(II)、縮合多環式芳香族モノカルボン酸等とのエステル。
【化1】
Figure 2004352973

【化2】
Figure 2004352973

(式中、nは2〜6の整数、X1はH、OH、C1-22のアルキル基等、mは1〜5の整数を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性、更には耐熱性に優れ、更には生分解性に優れた生分解性樹脂組成物に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の石油を原料とする汎用樹脂は、軽量であることや、良好な加工性、物性及び耐久性等の性質から、日用雑貨、家電製品、自動車部品、建築材料あるいは食品包装等の様々な分野に使用されている。しかしながらこれらの樹脂製品は、役目を終えて廃棄する段階で良好な耐久性が欠点となり、自然界における分解性に劣るため、生態系に影響を及ぼす可能性がある。
このような問題を解決するために、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導される脂肪族ポリエステル及びそれらのユニットを含むコポリマー等の生分解性ポリエステル樹脂が開発されている。
これらの生分解性ポリマーは、土壌、海水中、あるいは動物の体内等に置かれた場合、自然に生息する微生物の産出する酵素の働きによって、数週間で分解が始まり、約1年から数年の間に消滅する。さらに分解物は、人体に無害な乳酸、二酸化炭素、水等になる。脂肪族ポリエステルの中でもポリ乳酸系樹脂は、トウモロコシ、芋等からとれる糖分から、発酵法によりL−乳酸が大量に作られ安価になってきたこと、原料が自然農作物なので総二酸化炭素排出量が極めて少ない、また得られたポリマーの性能として剛性が強く透明性が良いという特徴があるので、現在その利用が期待され、フラットヤーン、ネット、園芸資材、育苗用ポット等の農業土木資材分野、窓付き封筒、買い物袋、コンポストバッグ、文具、雑貨等に使用されている。しかしながらポリ乳酸の場合は、脆く、硬く、可撓性に欠ける特性のためにいずれも硬質成形品分野に限られ、フィルム等に成形した場合は、柔軟性が不足したり、折り曲げたとき白化等の問題があり、軟質または半硬質分野に使用されていないのが現状である。軟質、半硬質分野に応用する技術として可塑剤を添加する方法が種々提案されている。例えばグリセリンジアセチルモノ脂肪酸エステル等の可塑剤を添加する技術(特許文献1)が開示されているが、透明性、耐折り曲げ白化性等の性能が満足いくものではなく、また、夏場を想定した高温保存を行うと、透明性及び柔軟性が著しく低下し、シート表面に可塑剤がブリードアウトする等の問題がある。
特開2000−302956号公報
本発明の課題は、生分解性樹脂の透明性を阻害せずに柔軟性を付与することができる生分解性樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性及び耐ブリード性、更には耐熱性に優れた生分解性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、下記(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤、並びにこの可塑剤と、生分解性樹脂を含有する生分解性樹脂組成物を提供する。
(i)ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル及びヒドロキシ脂環族カルボン酸エステルから選ばれるエステル
(ii)スルホンアミド基を有する化合物
(iii)下記(a)成分と(b)成分とのエステル
(a)一般式(I)
Figure 2004352973
(式中、nは2〜6の整数を示す。)
で表される繰り返し構造単位(以下構造単位(I)という)を含み、両末端が水酸基であるポリカーボネートジオール。
(b)一般式(II)
Figure 2004352973
(式中、X1は水素原子、水酸基、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示し、mは1〜5の整数を示し、m個のX1は同一でも異なっていてもよい。)
で表される芳香族モノカルボン酸、縮合多環式芳香族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、1分子中に1個以上の水酸基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族モノカルボン酸、ヒドロキシ脂環族モノカルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
本発明の可塑剤は、生分解性樹脂の透明性を阻害させずに柔軟性を付与することができ、また、本発明の生分解性樹脂組成物からなるシートやフィルムを折り曲げた時の白化を防止することもでき、更に高温で保存した時も柔軟性と透明性の変化はなく、耐熱性が良好であり、更に可塑剤自身が生分解性に優れるため、本発明の生分解性樹脂組成物の生分解性も良好となる。
[可塑剤]
本発明の可塑剤は上記(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。
(i)のエステルとしては、下記(c)成分と(d)成分とのエステルが好ましい。
(c) 一般式(III)
Figure 2004352973
(式中、X2は水素原子、水酸基、炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示し、q及びrはそれぞれ1以上の整数で、q+r=5である。pは0〜3の整数を示す。)
で表されるヒドロキシ芳香族カルボン酸、1分子中に1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族カルボン酸、ヒドロキシ脂環族カルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
(d)脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール、フェノール及びアルキルフェノールから選択されるヒドロキシ化合物、あるいはこれらヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、アルキレンオキサイド平均付加モル数0より大きく30以下)から選ばれる少なくとも1種。
上記(c)成分において、一般式(III)で表されるヒドロキシ芳香族カルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、4−ヒドロキシメチル安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸等が挙げられ、ヒドロキシ縮合多環式芳香族カルボン酸としては、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等が挙げられ、ヒドロキシ脂環族カルボン酸としては、4−ヒドロキシシクロヘキサン酸等が挙げられる。
これら(c)成分の中では、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、4−ヒドロキシメチル安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸又はこれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルが好ましく、特にp−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸又はこれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルが好ましい。
また、(c)成分の中では、耐熱性の観点から、p−ヒドロキシ安息香酸及び3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸又はこれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルが好ましい。
上記(d)成分において、生分解性樹脂との相溶性の観点から、脂肪族アルコールとしては、炭素数1〜22、特に1〜18のアルキル基又はアルケニル基を有する1価アルコール、炭素数3〜30の多価アルコールが好ましい。また脂環族アルコールとしては、シクロヘキシルアルコール、シクロヘキサンメタノール、シクロペンチルアルコール、シクロへプチルアルコール等の脂環族1価アルコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロペンタンジオール、シクロペンタンジメタノール、シクロヘプタンジオール、シクロヘプタンジメタノール等の脂環族ジオールが挙げられ、芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール等が挙げられる。アルキルフェノールとしては、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルフェノールが好ましく、ノニルフェノール、オクチルフェノールが更に好ましい。
これら(d)成分の中では、生分解性樹脂との相溶性の観点から、一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
1O(AO)yH (IV)
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基、フェニル基、ベンジル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルフェニル基又はアルキルベンジル基であり、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、yはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜30の数であり、y個のAは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(IV)において、R1は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基が更に好ましい。Aはエチレン基又はプロピレン基が好ましく、yは0〜10の数が好ましい。また、耐熱性の観点から、yは0〜4の数が好ましい。
(i)のエステルを構成する(d)成分において、耐水白化の観点からは、一般式(IV)中のAは炭素数3及び4が好ましく、炭素数2の場合は、(i)のエステル/生分解性樹脂(重量比)=5/100以上、20/100未満の範囲では、以下の式で示されるエチレンオキサイド(EO)付加分率が0〜50%が好ましく、0〜40%が更に好ましい。
EO付加分率(%)=(44×EO付加モル数/可塑剤の分子量)×100
また、(i)のエステル/生分解性樹脂(重量比)=20/100〜30/100の範囲では、EO付加分率は、0〜40%が好ましく、0〜30%が更に好ましい。
(i)のエステルを構成する(d)成分において、柔軟性、耐水白化性及び耐熱性の観点からは、一般式(IV−1)で表される化合物が好ましい。
1-1OH (IV−1)
(式中、R1-1は炭素数3〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基、ベンジル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルベンジル基である。)
一般式(IV−1)において、R1-1は炭素数3〜22のアルキル基が好ましく、炭素数6〜16のアルキル基が更に好ましい。
ここでいう耐水白化性とは、生分解性樹脂に本発明の可塑剤を添加して得られた組成物が水と長時間接触したときに、その表面が白く変化し透明性が損なわれることを防止する性質をいう。
また、(i)のエステルを構成する(d)成分において、耐熱性の観点から、一般式(IV)で表される化合物であって、R1が水素原子、y=1である脂肪族2価アルコール、一般式(V)
Figure 2004352973
(式中、Y及びZは炭素数1〜8のアルキル基又はアルケニル基を示し、同一でも異なっていてもよい。)
で表される脂肪族2価アルコール、炭素数5〜12の直鎖脂肪族2価アルコール、1分子中に3個以上の水酸基を有する炭素数3〜30の多価アルコール、1分子中に2個の水酸基あるいはメチロール基を有する脂環族ジオールから選択されるヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、水酸基1個当たりのアルキレンオキサイド平均付加モル数0より大きく10以下)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
一般式(IV)で表される化合物であって、R1が水素原子、y=1である脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等が挙げられる。一般式(V)で表される脂肪族2価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。炭素数5〜12の直鎖脂肪族2価アルコールとしては、ヘキシレングリコール等が挙げられる。1分子中に3個以上の水酸基を有する炭素数3〜30の多価アルコールとしては、炭素数3〜30、好ましくは3〜12のグリセリン又はポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。また、1分子中に2個の水酸基あるいはメチロール基を有する脂環族ジオールとしては、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロペンタンジオール、シクロペンタンジメタノール、シクロヘプタンジオール、シクロヘプタンジメタノール等が挙げられ、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
またアルキレンオキサイド付加物としては、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物が好ましく、エチレンオキサイド付加物が特に好ましい。水酸基1個当たりのアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、0より大きく10以下であり、1〜8が好ましく、1〜6が特に好ましい。
(i)のエステルは上記のような(c)成分と(d)成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって得られるが、具体的な製造法としては、例えば、(c)成分と(d)成分とを、酸化ジブチルスズ等の有機金属系触媒を、(c)成分と(d)成分の合計仕込量に対して0.01〜0.5重量%使用し、(d)成分を(c)成分より過剰に仕込み、190〜230℃でエステル化反応を行い、反応後に水蒸気蒸留を行って過剰の(d)成分を留去する方法、一般式(III)で表される芳香族モノカルボン酸のメチルエステルである(c)成分と(d)成分とを、酸化ジブチルスズ等の有機金属系触媒を、(c)成分と(d)成分の合計仕込量に対して0.01〜0.5重量%使用し、160〜210℃でエステル交換反応を行う方法、またメタンスルホン酸等の酸触媒を、(c)成分と(d)成分の合計仕込量に対して0.1〜1重量%使用し、(d)成分を(c)成分より過剰に仕込み、100〜150℃でエステル化反応を行い、反応後に酸触媒と当量の水酸化ナトリウムで中和処理を行い、後に水蒸気蒸留を行って過剰の(d)成分を留去し、ろ過を行う方法等が挙げられる。エステルは部分エステルでも全エステルでも良く、樹脂との相溶性及び耐熱性の観点から全エステルが好ましい。
(i)のエステルは、樹脂との相溶性及び耐水白化性の観点から、(c)成分がp−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸であり、(d)成分が一般式(IV−1)で表される化合物である組合せから得られるエステルが好ましく、特に(c)成分がp−ヒドロキシ安息香酸であり、(d)成分が2−エチルヘキサノール又はn−オクタノールである組合せから得られるエステルが好ましい。また、生分解性の観点から、(c)成分がp−ヒドロキシ安息香酸であり、(d)成分が一般式(IV)で表される化合物である組合せから得られるエステルが好ましい。また、生分解性の観点から、一般式(IV)で表される化合物としては、R1が炭素数6〜18の直鎖アルキル基又はアルケニル基、あるいは炭素数6〜18の1つの分岐鎖を有するアルキル基又はアルケニル基が好ましく、Aはエチレン基、yは0〜10の数が好ましい。
(ii)のスルホンアミド基を有する化合物としては、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド、ドデシルベンゼンスルホンアミド、ナフタレンスルホンアミド等の芳香族スルホンアミド、オクチルスルホンアミド、ドデシルスルホンアミド等の脂肪族スルホンアミド、及びこれらスルホンアミドのN−アルキル化物、N−フェニル化物,N−ベンジル化物等のN−置換化合物等が挙げられる。中でも生分解性樹脂との相溶性の観点からスルホンアミド基を有する芳香族化合物が好ましい。
スルホンアミド基を有する芳香族化合物として更に好ましいものは、一般式(VI)で表される化合物である。
Figure 2004352973
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基、脂環族アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基から選ばれる脂肪族基又は脂環族基、あるいはフェニル基、フェニル基の少なくとも1つの水素原子が炭素数1〜22のアルキル基で置換されたアルキルフェニル基、ベンジル基又は縮合多環式芳香族基から選ばれる芳香族基を示し、R2及びR3のうち少なくとも1つは芳香族基である。)
一般式(VI)において、生分解性樹脂との相溶性、透明性、耐ブリード性、耐熱性の観点から、R2はフェニル基、アルキル基の炭素数が1〜22のアルキルフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等の芳香族基、あるいは炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基が好ましく、フェニル基、アルキル基の炭素数が1〜22のアルキルフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等の芳香族基が更に好ましく、フェニル基、アルキル基の炭素数が1〜22のアルキルフェニル基が特に好ましい。R3は、R2が芳香族基である場合、柔軟性、相溶性の観点から、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基あるいは脂環族アルキル基が好ましく、炭素数2〜18の直鎖又は分岐鎖アルキル基が更に好ましく、炭素数4〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基が最も好ましい。また、R3は、R2が炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基である場合、相溶性の観点から、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基、ベンジル基が更に好ましい。
(iii)のエステルを構成する(a)成分としては、nが2〜6から選ばれる1種の構造単位(I)、好ましくはnが4〜6から選ばれる1種の構造単位(I)を含む化合物、nが2〜6から選ばれる2種の構造単位(I)、好ましくはn=5と6、又はn=4と6の構造単位(I)を含む化合物、nが2〜6から選ばれる3種の構造単位(I)、好ましくはn=4、5及び6の3種の構造単位(I)を含む化合物等が挙げられる。これらの中では、生分解性樹脂との相溶性と柔軟性付与の観点から、n=4〜6の構造単位(I)を含むものが好ましく、異なる整数nを有する2種以上の構造単位(I)を含むものが更に好ましく、n=4〜6から選ばれる2種以上の構造単位(I)を含むものが特に好ましい。また、異なる整数nを有する2種以上の構造単位(I)を含む場合、これらはランダム状に結合していても、あるいはブロック状に結合していてもよい。更に、生分解性樹脂との相溶性の観点から、1種の構造単位(I)のモル分率は85%以下が好ましく、更に70%以下が好ましく、特に60%以下が好ましい。
(iii)のエステルを構成する(a)成分の平均分子量は、生分解性樹脂との相溶性の観点から400〜3000が好ましく、更に600〜2500が好ましく、特に800〜2000が好ましい。尚、この平均分子量は、(a)成分の水酸基価から求めた数平均分子量である。
(iii)のエステルを構成する(b)成分において、一般式(II)で表される芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、置換基として水酸基、炭素数1〜22、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を1〜5個、好ましくは1〜2個有する安息香酸が挙げられる。具体的には安息香酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、メチル安息香酸、n−デシル安息香酸、イソデシル安息香酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸等が挙げられる。縮合多環式芳香族モノカルボン酸としては、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。脂環族モノカルボン酸としては、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸等が挙げられる。1分子中に1個以上の水酸基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族モノカルボン酸としては、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。ヒドロキシ脂環族モノカルボン酸としては、4−ヒドロキシシクロヘキサン酸等が挙げられる。
これら(b)成分の中では、安息香酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸又はそれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルが好ましく、特に耐熱性の観点から、サリチル酸が好ましい。
(iii)のエステルは上記のような(a)成分と(b)成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって得られるが、具体的な製造法としては、例えば、(a)成分と(b)成分とを、酸化ジブチルスズ等の有機金属系触媒を、(a)成分と(b)成分の合計仕込量に対し0.01〜0.5重量%使用し、190〜230℃でエステル化反応を行う方法、過剰の一般式(II)で表される芳香族モノカルボン酸のメチルエステルである(b)成分と(a)成分とを、酸化ジブチルスズ等の有機金属系触媒を、(a)成分と(b)成分の合計仕込量に対し0.01〜0.50重量%使用し、170〜230℃でエステル交換反応を行い、反応後に水蒸気蒸留を行って過剰の(b)成分を留去する方法等が挙げられる。エステルは部分エステルでも全エステルでも良く、生分解性樹脂との相溶性及び耐熱性の観点から全エステルが好ましい。
(iii)のエステルは、生分解性樹脂との相溶性の観点から、(a)成分がn=4〜6から選ばれる2種以上の構造単位(I)を含むポリカーボネートジオールであり、(b)成分が安息香酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸である組み合わせから得られるエステルが好ましく、特に(a)成分がn=4〜6から選ばれる2種以上の構造単位(I)を含み、1種の構造単位のモル分率が85%以下のポリカーボネートジオールであり、(b)成分がサリチル酸である組み合わせから得られるエステルが好ましい。
本発明の可塑剤は、上記(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するが、耐熱性の観点から、(i)又は(ii)の化合物を含有する可塑剤が好ましく、(i)のエステルを含有する可塑剤が更に好ましい。また、生分解性の観点から、(i)のエステルを含有する可塑剤が好ましい。
本発明の可塑剤は、上記(i)〜(iii)から選ばれる化合物以外に、これらの化合物の製造における未反応分や、(i)及び(iii)のエステル以外のエステルや上記(i)〜(iii)の化合物以外の可塑剤等を含有することができる。
(i)及び(iii)のエステル以外のエステルとしては、ジプロピレングリコールジベンゾエート、エチレングリコールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ポリオキシエチレンメチルエーテルアジピン酸ジエステル等が挙げられる。上記(i)〜(iii)の化合物以外の可塑剤としては、アセチル化モノグリセライド、アセチル化トリブチルサイトレート等が挙げられる。
本発明の可塑剤中の、上記(i)〜(iii)から選ばれる化合物の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
[生分解性樹脂]
本発明で使用される生分解性樹脂とは、JIS K6953(ISO14855)「制御された好気的コンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度試験」に基づいた生分解性を有するポリエステル樹脂である。
本発明で使用される生分解性樹脂は、自然界において微生物が関与して低分子化合物に分解される生分解性を有していればよく、特に限定されるものではない。例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸系樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の脂肪族ポリエステル;ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート等の脂肪族芳香族コポリエステル;デンプン、セルロース、キチン、キトサン、グルテン、ゼラチン、ゼイン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチン等の天然高分子と上記の脂肪族ポリエステルあるいは脂肪族芳香族コポリエステルとの混合物等が挙げられる。
これらのなかで加工性、経済性、大量に入手できることなどから、脂肪族ポリエステルが好ましく、物性の点からポリ乳酸系樹脂がさらに好ましい。ここで、ポリ乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。好ましいポリ乳酸の分子構造は、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位20〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜20モル%からなるものである。また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものである。これらの乳酸系樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。但し、主原料は、D−ラクチド又はL−ラクチドが好ましい。
市販されている生分解性樹脂としては、例えば、デュポン社製、商品名バイオマックス;BASF社製、商品名Ecoflex;EastmanChemicals社製、商品名EasterBio;昭和高分子(株)製、商品名ビオノーレ;日本合成化学工業(株)製、商品名マタービー;島津製作所(株)製、商品名ラクティ;三井化学(株)製、商品名レイシア;日本触媒(株)製、商品名ルナーレ;チッソ(株)製、商品名ノボン;カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、商品名EcoPLA等が挙げられる。
これらの中では、好ましくはポリ乳酸系樹脂(例えば三井化学(株)製、商品名レイシア;カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、商品名EcoPLA)、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル(例えば昭和高分子(株)製、商品名ビオノーレ)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)等の脂肪族芳香族コポリエステル(デュポン社製、商品名バイオマックス)が挙げられる。
耐熱性の観点では、L−乳酸純度が高い結晶性生分解性樹脂が好ましく、延伸により配向結晶化させることが好ましい。結晶性生分解性樹脂としては、三井化学(株)製、レイシアH−100、H−400、H−440等が挙げられる。
[生分解性樹脂組成物]
本発明の生分解性樹脂組成物は、本発明の可塑剤と生分解性樹脂とを含有する。本発明の可塑剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、柔軟性、耐ブリード性及び経済性の観点から、好ましくは1〜70重量部、更に好ましくは3〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
本発明の組成物は、上記可塑剤以外に、滑剤等の他の成分を含有することができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワックス類、ステアリン酸等の脂肪酸類、グリセロールエステル等の脂肪酸エステル類、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、モンタン酸ワックス等のエステルワックス類、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の芳香環を有するアニオン型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアルキレンオキサイド付加部分を有するアニオン型界面活性剤等が挙げられる。これら滑剤の含有量は、生分解性樹脂100重量部に対し、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
本発明の組成物は、上記以外の他の成分として、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤、上記本発明の可塑剤以外の可塑剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
本発明の組成物は、加工性が良好で、例えば130〜190℃等の低温で加工することができるため、カレンダー加工も可能であり、また可塑剤の分解も起こりにくい。本発明の組成物は、フィルムやシートに成形して、各種用途に用いることができる。
実施例1〜9及び比較例1〜3
生分解性樹脂として、50℃で24時間真空乾燥したポリ乳酸系樹脂(三井化学(株)製 レイシアH−280)100重量部、表1に示す種類と量の可塑剤からなる組成物を、130℃の6インチロールにて15分間混練し、160℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
得られたテストピースについて下記の方法で柔軟性、透明性及び表面状態を評価した。また、このテストピースを手で180°折り曲げ、白化の有無を肉眼で観察した。これらの結果を表1に示す。
更に実施例1〜5,9及び比較例1〜3のテストピースについては耐熱性を評価するために、50℃で管理したオーブンにテストピースを入れ、1週間放置し、室温で冷却した後に、同様に柔軟性、透明性及び表面状態を評価した。これらの結果も表1に示す。
<柔軟性の評価法>
テストピースを3号ダンベルで打ち抜き、温度23℃、湿度50%RHの恒温室に24時間放置し、引張速度200mm/minで引張試験を行い、100%モジュラスで示した。
<透明性の評価法>
ヘイズメーターにてテストピースのヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性が良好であることを示す。
<表面状態(ブリードの有無)>
熱処理前のテストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)については、40℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。また、50℃1週間の熱処理を行ったものについては室温で放冷した後に、表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
Figure 2004352973
*1:POE(n)はポリオキシエチレンnモル付加物を示す。
*2:PCDL(5650)(旭化成工業(株)製、構造単位(I)において、n=5のものとn=6のもののモル分率が50/50、平均分子量が814のポリカーボネートジオール)とサリチル酸とのジエステル
*3:伸度25%以下で破断するため測定不可
実施例10〜12
表2に示す可塑剤について、下記の方法で可塑剤自身の生分解性評価を行った。その結果を表2に示す。
<生分解性の評価法>
JIS K6950に従い、生分解性試験を行った。測定はクーロメータにて行い、微生物源として都市下水処理場活性汚泥を使用した。試験濃度として、被験物質は100mg/L、活性汚泥は30mg/Lに調整した。結果は試験期間28日間でのBOD分解度及びDOC分解度で示した。
Figure 2004352973

Claims (6)

  1. 下記(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する生分解性樹脂用可塑剤。
    (i)ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル及びヒドロキシ脂環族カルボン酸エステルから選ばれるエステル
    (ii)スルホンアミド基を有する化合物
    (iii)下記(a)成分と(b)成分とのエステル
    (a)一般式(I)
    Figure 2004352973
    (式中、nは2〜6の整数を示す。)
    で表される繰り返し構造単位を含み、両末端が水酸基であるポリカーボネートジオール。
    (b)一般式(II)
    Figure 2004352973
    (式中、X1は水素原子、水酸基、炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示し、mは1〜5の整数を示し、m個のX1は同一でも異なっていてもよい。)
    で表される芳香族モノカルボン酸、縮合多環式芳香族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、1分子中に1個以上の水酸基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族モノカルボン酸、ヒドロキシ脂環族モノカルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
  2. (i)のエステルが、下記(c)成分と(d)成分とのエステルである請求項1記載の可塑剤。
    (c) 一般式(III)
    Figure 2004352973
    (式中、X2は水素原子、水酸基、炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示し、q及びrはそれぞれ1以上の整数で、q+r=5である。pは0〜3の整数を示す。)
    で表されるヒドロキシ芳香族カルボン酸、1分子中に1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族カルボン酸、ヒドロキシ脂環族カルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
    (d)脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール、フェノール及びアルキルフェノールから選択されるヒドロキシ化合物、あるいはこれらヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、アルキレンオキサイド平均付加モル数0より大きく30以下)から選ばれる少なくとも1種。
  3. (c)成分が、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、4−ヒドロキシメチル安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸又はこれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルであり、(d)成分が、一般式(IV)
    1O(AO)yH (IV)
    (式中、R1は水素原子、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基、フェニル基、ベンジル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルフェニル基又はアルキルベンジル基であり、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、yはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜30の数であり、y個のAは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される化合物であるか、又は一般式(V)
    Figure 2004352973
    (式中、Y及びZは炭素数1〜8のアルキル基又はアルケニル基を示し、同一でも異なっていてもよい。)
    で表される脂肪族2価アルコール、炭素数5〜12の直鎖脂肪族2価アルコール、1分子中に3個以上の水酸基を有する炭素数3〜30の多価アルコール、1分子中に2個の水酸基あるいはメチロール基を有する脂環族ジオールから選択されるヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、水酸基1個当たりのアルキレンオキサイド平均付加モル数0より大きく10以下)から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の可塑剤。
  4. (ii)のスルホンアミド基を有する化合物が、一般式(VI)で表される化合物である請求項1記載の可塑剤。
    Figure 2004352973
    (式中、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖アルキル基、脂環族アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基から選ばれる脂肪族基又は脂環族基、あるいはフェニル基、フェニル基の少なくとも1つの水素原子が炭素数1〜22のアルキル基で置換されたアルキルフェニル基、ベンジル基又は縮合多環式芳香族基から選ばれる芳香族基を示し、R2及びR3のうち少なくとも1つは芳香族基である。)
  5. (iii)のエステルの(a)成分が、平均分子量400〜3000のポリカーボネートジオールであり、(b)成分が、安息香酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸又はそれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルである請求項1記載の可塑剤。
  6. 生分解性樹脂と、請求項1〜5のいずれかの項記載の可塑剤とを含有する生分解性樹脂組成物。
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