JP2004352819A - ブロックポリマー化合物、ポリマー含有組成物、インク組成物、液体付与方法および液体付与装置 - Google Patents

ブロックポリマー化合物、ポリマー含有組成物、インク組成物、液体付与方法および液体付与装置 Download PDF

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Keiichiro Tsubaki
圭一郎 椿
Koichi Sato
公一 佐藤
Ikuo Nakazawa
郁郎 中澤
Sakae Suda
栄 須田
Masayuki Ikegami
正幸 池上
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Abstract

【課題】顔料等の機能物質を溶媒に均一分散可能なブロックポリマー化合物を提供すること。
【解決手段】ポリビニルエーテル主鎖で構成され、2種以上のブロックセグメントを持つブロックポリマー化合物であって、前記ブロックセグメントは、疎媒性ブロックセグメントと式(1)で表される繰り返し単位構造を有するブロックセグメントを含有する。
【化1】
Figure 2004352819

(式中、Aは置換されていても良いポリビニル基、Bは炭素原子数1〜15の直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基、mは1〜50の整数(mが2以上のときはそれぞれのBは異なっていても良い)、Rは炭素原子数3〜15の直鎖状または分岐状または環状の置換されていても良いアルキレン基を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機能材料として有用な新規なブロックポリマー化合物、ポリマー含有組成物、インク組成物、液体付与方法および液体付与装置に関する。
【0002】
【背景技術】
機能物質を含有する水性分散材料には、従来から機能性材料として、除草剤、殺虫剤等の農薬、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬、また着色剤を有するインク、トナー等の色材が良く知られている。近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術、インクジェット技術と言われるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めてきている。
【0003】
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで蒸発発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。他の例はピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。
【0004】
これらの方法に使用されるインクは通常染料水溶液が用いられるため、色の重ね合わせ時ににじみが生じたり、記録媒体上の記録箇所に紙の繊維方向にフェザリングと言われる現象が現れたりする場合があった。これらを改善するために、顔料分散インクを使用することが検討されている(米国特許第5085698号明細書(特許文献1))。しかしながら、未だなお多くの改善が望まれている状況である。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5085698号明細書
【特許文献2】
特開平11−080221号公報
【特許文献3】
特開平11−322942号公報
【特許文献4】
特開平11−322866号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、顔料等の機能物質を溶媒に均一分散可能なブロックポリマー化合物を提供するものである。また、そのブロックポリマー化合物を含有し、顔料等の機能物質を溶媒に均一分散したポリマー含有組成物およびインク組成物を提供するものである。また、本発明は、ポリマー含有組成物を付与する液体付与方法および液体付与装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第一の発明は、ポリビニルエーテル主鎖で構成され、2種以上のブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物であって、前記ブロックセグメントは、疎媒性ブロックセグメントと
下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有するブロックセグメントを含有するブロックポリマー化合物である。
【0009】
【化3】
Figure 2004352819
(式中、Aは置換されていても良いポリビニル基を表す。Bは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基を表す。また、mは1から50までの整数を表す。mが2以上のときはそれぞれのBは異なっていても良い。Rは炭素原子数3から15までの直鎖状または分岐状または環状のアルキル基を表す。前記アルキル基は置換されていても良い。)
前記式(1)が、下記式(2)で表されることが好ましい。
【0010】
【化4】
Figure 2004352819
(式中、nは1から50までの整数を表す。Rは炭素原子数3から15までの直鎖状または分岐状または環状のアルキル基を表す。前記アルキル基は置換されていても良い。)
本発明のブロックポリマー化合物は、疎水性のブロックセグメントと、親水性のブロックセグメントとを有することが好ましい。
【0011】
また、本発明のブロックポリマー化合物は、順に並ぶ相違なるブロックセグメントA,B,Cを持つブロックポリマーであって、A成分が疎水性のブロックセグメント、B成分が前記式(2)で表される繰り返し単位構造を含有するブロックセグメント、C成分が親水性のブロックセグメントであることが好ましい。
【0012】
本発明の第二の発明は、前記のブロックポリマー化合物と、溶媒または分散媒と、機能物質とを含有するポリマー含有組成物である。好ましくは前記機能物質が前記ブロックポリマーに内包されている方が良い。また、前記機能物質は色材であることが好ましい。
【0013】
本発明の第三の発明は、前記のブロックポリマー化合物と、溶媒と、色材とを含有するインク組成物である。
【0014】
また、本発明の第四の発明は、前記ポリマー含有組成物を被記録媒体に付与する方法を有する液体付与方法である。
【0015】
本発明の第五の発明は、前記ポリマー含有組成物を被記録媒体に付与する手段を有する液体付与装置である。
【0016】
以上のような本発明によれば、顔料等の機能物質を溶媒に均一分散可能なブロックポリマー化合物を提供できる。また、そのブロックポリマー化合物を含有し、顔料等の機能物質を溶媒に均一分散したポリマー含有組成物およびインク組成物を提供できる。また、本発明は、ポリマー含有組成物を付与する液体付与方法および液体付与装置を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
すなわち、本発明の第一の発明は、ポリビニルエーテル主鎖で構成する、2種以上のブロックセグメントを持つブロックポリマー化合物であって、前記ブロックセグメントは、疎媒性ブロックセグメントと下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有するブロックセグメントを含有するブロックポリマー化合物である。前記の疎媒性とは、後述するポリマー含有組成物などで用いられる主たる溶媒に対して親和性が小さいという性質を表しており、例えば溶媒が水、またはエタノールなどの水溶性溶媒である場合には疎水性、溶媒がトルエンなどの非水溶性溶媒である場合には親水性を示す。
【0019】
【化5】
Figure 2004352819
式(1)中、Aは置換されていても良いポリビニル基を表し、主鎖部の炭素原子数が2つであり、一つの炭素原子には−O−(BO)−Rが結合していることを示す。その他の炭素原子の結合部は、水素原子、ハロゲン原子、あるいは、置換基として、炭素原子数1から4までの直鎖状または分岐状の、水素原子がハロゲン原子に置換されていても良いアルキル基である。置換基としては、例えばメチル基、エチル基などが挙げられる。
【0020】
Bは炭素原子数1から15、好ましくは2から10までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基を表す。前記アルキレン基としては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ハロゲン原子、フェニル基などが挙げられる。また、Bに含まれる炭素原子に結合している水素原子はハロゲン原子に置換されていても良い。
【0021】
mは1から50まで、好ましくは1から10までの整数を表す。mが2以上のときはそれぞれのBは独立して上記の基を表す。好ましくはそれぞれのBが同一の構造を表す。
【0022】
は、炭素原子数3から15までの直鎖状または分岐状または環状の、置換されていても良いアルキル基を表す。置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1から5までのアルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、あるいはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていても良いフェニル基などが挙げられる。また、R中の炭素原子に結合している水素原子はハロゲン原子に置換されていても良い。
【0023】
式(1)で表される繰り返し単位構造は、好ましくは以下の式(2)で表される繰り返し単位構造が挙げられる。この式(2)で表される繰り返し単位構造は、式(1)のAが(CH−CH)、Bが(CHCH)で表されたものであり、Aが(CH−CH)となることでブロックポリマー化合物の合成時に好適な重合性となり、さらにBが(CHCH)となることでこのブロックポリマー化合物は特に紙に対して好適な親和性を持ち、各種機能材料として有用である。
【0024】
【化6】
Figure 2004352819
式(2)中、nは1から50まで、好ましくは1から10までの整数を表す。Rは、炭素原子数3から15までの直鎖状または分岐状または環状の、置換されていても良いアルキレン基を表す。置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1から5までのアルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、あるいはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていても良いフェニル基などが挙げられる。また、R中の炭素原子に結合している水素原子はハロゲン原子に置換されていても良い。
【0025】
本発明のブロックポリマー化合物の好ましい一形態は、両親媒性のブロックポリマー化合物である。本発明のブロックポリマー化合物中の少なくとも一つのブロックセグメントが疎水性で、少なくとも一つのブロックセグメントが親水性であることで両親媒性が発現する。なお、親水性とは水に対する親和性が大きく水に溶解しやすい性質であり、疎水性とは水に対して親和性が小さく水に溶解しにくい性質である。例えば、親水性ブロックとしては、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、または水酸基などの親水性ユニットを持つ繰り返し単位構造を含有するブロックセグメントが挙げられる。疎水性ブロックとしては、イソブチル基、t−ブチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などの疎水性ユニットを持つ繰り返し単位構造を含有するブロックセグメントが挙げられる。なお、これら疎水性ユニットを繰り返し単位構造に含むブロックセグメントであっても、前記の親水性ユニットを置換基として含んでいる場合には親水性ブロックとなる場合がある。また、前記以外にも例えば、オキシアルキレン基の場合、オキシエチレン(CHCHO)ユニットを含む繰り返し単位構造を含有している場合は親水性ブロック、オキシプロピレン(CHCHCHO)ユニット、またはオキシブチレン(CHCHCHCHO)ユニットなどを含有している場合は疎水性ブロックとなる。このように炭素数によって親水性と疎水性が変化する場合や、例えば前記のカルボン酸基のように溶液のpHなどの外的要因によって親水性と疎水性が変化する場合もある。そのため、式(1)で表される繰り返し単位構造を含有するブロックセグメントは親水性と疎水性のバランスを制御することで紙などの被記録媒体に対する好適な定着性を有することが可能となり、同時に好適な刺激応答性を有することも可能となる。
【0026】
本発明は式(1)で表される繰り返し単位構造を含有するブロックセグメントの親水性、疎水性のバランスによって紙などの被記録媒体に対する好適な定着性と同時に好適な刺激応答性を有することを特徴とする。
【0027】
本発明のブロックポリマー化合物のブロックセグメントとしては、AB型ジブロックポリマーが挙げられる。上記式(2)を含む繰り返し単位構造を含むブロックセグメントは構造によっては親水性ブロックセグメントとしても良いが、好ましくは、疎水性ブロックセグメントと親水性ブロックセグメントの他に上記式(2)を含む繰り返し単位構造を含有するブロックセグメントを有する3つ以上のブロックセグメントからなるブロックポリマー化合物である。
【0028】
3つ以上のブロックセグメントからなるブロックポリマー化合物のブロック構造の形としては、次のような例が挙げられる。2種類のブロックセグメントのABA型トリブロックポリマー、また、ABCというそれぞれのブロックセグメントが異なるトリブロックポリマー、さらにはそれらトリブロック構造に他のポリマーユニットが結合したものも本発明には含まれる。例えばABCDという4つの異なるブロックセグメントを持つものや、ABCAという形のもの、さらにはそれ以上の個数のブロックセグメントを持つブロックポリマーも本発明に含有される。
【0029】
本発明のブロックポリマー化合物のさらに好ましい一形態は、相違なる順に並ぶ3つのブロックセグメントA成分、B成分、C成分を持つブロックポリマーであって、A成分が疎水性のブロックセグメント、B成分が上記式(2)を含む繰り返し単位構造を有するブロックセグメント、C成分が親水性のブロックセグメントからなるブロックポリマー化合物である。
【0030】
また、本発明のブロックポリマー化合物は、疎水性のブロックセグメント及び親水性のブロックセグメントを有する、3つ以上のブロックセグメントからなるブロックポリマーであって、少なくとも一つの刺激応答性ブロックセグメントを有する化合物であることが好ましい。
【0031】
ここでいう刺激応答性とは、例えば電磁波への暴露、電場印加、温度変化、pH変化、化学物質の添加、組成物の濃度変化などの刺激を付与することにより、この刺激(環境変化)に応じて組成物の形状や物性が著しく変化することを意味する。
【0032】
本発明のブロックポリマー化合物の好ましい一形態は、式(2)で表される繰り返し単位構造を有するブロックセグメントが刺激応答性を有するブロックポリマー化合物である。式(2)の繰り返し単位構造としては、例えば刺激によってゲル化などの形態変化を引き起こしやすい構造であることが好ましい。
【0033】
式(2)で表される繰り返し単位構造の具体的例としては、以下に示す構造が挙げられる。
【0034】
【化7】
Figure 2004352819
【0035】
【化8】
Figure 2004352819
また、本発明のブロックポリマー化合物の各ブロックセグメントは、単一のモノマー由来の繰り返し単位からなるものでもよく、複数のモノマー由来の繰り返し単位を有する構造でもよい。複数のモノマー由来の繰り返し単位を有するブロックセグメントの例としては、ランダム共重合体や徐々に組成比が変化する傾斜型共重合体がある。また、本発明のブロックポリマー化合物は、上述のようなブロックポリマーが他のポリマーにグラフト結合したポリマーであっても良い。
【0036】
本発明において、ブロックポリマー化合物中に含有される式(1)で表される繰り返し単位構造の含有量は、ブロックポリマー化合物全体に対して0.01〜99mol%、好ましくは1〜90mol%の範囲が望ましい。0.01mol%未満では高速定着の効果が不充分な場合があり、99mol%を越えると分散安定性が悪くなるので好ましくない。
【0037】
本発明のブロックポリマー化合物の数平均分子量(Mn)は、400以上10000000以下であり、好ましく用いられる範囲としては1000以上1000000以下である。10000000を越えると高分子鎖内、高分子鎖間の絡まりあいが多くなりすぎ、溶剤に分散しにくかったりする。400未満である場合、分子量が小さく高分子としての立体効果が出にくかったりする場合がある。各ブロックセグメントの好ましい重合度はそれぞれ独立して2以上10000以下である。さらに好ましくは2以上5000以下である。さらに好ましくは2以上4000以下である。
【0038】
本発明のブロックポリマー化合物の重合には主にカチオン重合を用いることができる。開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等のプロトン酸や、BF、AlCl、TiCl、SnCl、FeCl、RAlCl、R1.5AlCl1.5(Rはアルキルを示す)等のルイス酸とカチオン源の組み合わせ(カチオン源としてはプロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などが挙げられる。)が例として挙げられる。これらの開始剤を重合性化合物(モノマー)と共存させることにより重合反応が進行し、ブロックポリマー化合物を合成することができる。
【0039】
本発明にさらに好ましく用いられる重合方法について説明する。ポリビニルエーテル構造を含むポリマーの合成法は多数報告されているが(特開平11−080221号公報(特許文献2))、青島らによるカチオンリビング重合による方法(特開平11−322942号公報(特許文献3)、特開平11−322866号公報(特許文献4))が代表的である。カチオンリビング重合でポリマー合成を行うことにより、ホモポリマーや2成分以上のモノマーからなる共重合体、さらにはブロックポリマー、グラフトポリマー、グラジェントポリマー等の様々なポリマーを、長さ(分子量)を正確に揃えて合成することができる。また、他にHI/I系、HCl/SnCl系等でリビング重合を行うこともできる。
【0040】
本発明で好んで用いられるトリブロックブロックポリマー化合物は、高分子の主鎖に直結する形でなく、何らかの連結基を介してカルボン酸またはカルボン酸エステルまたはカルボン酸塩を持つ繰り返し単位構造を含有するブロックセグメントを有することから、高次構造体や高安定分散体を形成するに好適な相互作用を発揮することが出来る。また、3つ以上のブロックセグメントを有することで3つ以上の機能を発揮することが可能である。このため、2つ以下のブロックセグメントからなる高分子化合物に比べより高次で精緻な構造体を形成することも可能である。また、複数のブロックセグメントに似た性質を保持させることにより、その性質をより安定なものとすることも可能である。
【0041】
本発明の第一の発明は前記式(1)の繰り返し単位構造を有するブロックセグメントを含有することを特徴としており、親水性の高い(BO)と疎水性の高いRが含まれることで、後述のインク組成物は紙に対する好適な親和性を持つ。
【0042】
本発明の第二の発明について説明する。
【0043】
本発明の第二の発明は、溶媒または分散媒、機能物質および前記本発明のブロックポリマー化合物を含有することを特徴とするポリマー含有組成物である。上記のブロックポリマー化合物と、色材などの有用な所定の機能を奏する機能物質を含有し、前記ブロックポリマー化合物は機能物質等を良好に分散するのに好適に用いることができる。機能物質は液体、固体である場合が好ましく、液媒体に対して溶解性の物質であってもよい。例えばオイル、顔料、金属、除草剤、殺虫剤、生体材料、薬、染料や分子性触媒等も用いることができる。
【0044】
また、本発明のポリマー含有組成物中に含有される第一の発明のブロックポリマー化合物は、本発明のポリマー含有組成物の質量に対して、0.1〜99質量%であり、好ましくは0.3〜70質量%である。0.1質量%未満の場合、機能物質の分散性が充分でない場合が有り、99質量%を越える場合、粘度が高くなりすぎたりする場合がある。また、本発明中のポリマー含有組成物中に含有される機能性物質の含有量は、0.1質量%以上、80質量%以下である。好ましくは0.5質量%以上60質量%以下である。0.1質量%未満の場合、機能性が充分に発現しない場合があり、80質量%を越える場合、分散が充分でない場合がある。
【0045】
さらに、本発明のポリマー含有組成物には、溶媒または分散媒が含有され、分散媒としてバインダー樹脂を用いることも可能である。溶媒または分散媒としては、水、水溶性溶剤、非水溶性有機溶剤等を用いることができる。もちろんそれらの混合物も用いることができる。
【0046】
水溶性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。非水溶性有機溶剤としては、ヘキサン、へプタン、オクタン、デカン、トルエン等の炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の溶剤も使用可能である。また、オリーブオイル、大豆油、牛脂、豚脂等の天然油脂を使用することもできる。バインダー樹脂としては、スチレンアクリル共重合体、ポリエステル等が例として挙げられる。
【0047】
本発明のポリマー含有組成物中の溶媒、分散媒の含有量は、0.9質量%以上99質量%以下である。好ましくは10質量%以上95質量%以下である。0.9質量%未満の場合や99質量%を越える場合、機能物質の分散が充分でない場合がある。
【0048】
また、本発明のポリマー含有組成物中には、上記以外の成分を含有することを妨げず、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤等の添加剤を含有することも可能である。
【0049】
本発明のポリマー含有組成物には、2種以上のブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物を使用する。このため、高次で精緻な構造体を形成することも可能である。また、複数のブロックセグメントに似た性質を保持させることにより、その性質をより安定なものとすることも可能である。例えば前述したABCトリブロックポリマーを使用して、色材と分散媒としての水を使用して分散液を作成すると、色材をABCブロックポリマーが形成するミセル中に内包させることが可能であり、そのように色材内包型のポリマー含有組成物を形成することも可能となる。また、そのポリマー含有組成物の粒子の粒径も非常に揃った均一なものとすることも可能である。さらにはその分散状態を極めて安定なものとすることも可能である。
【0050】
さらに、本発明の組成物の好ましい一形態であるインク組成物について説明する。
【0051】
本発明のインク組成物は、第1の発明のブロックポリマー化合物と、溶媒と、色剤とを含むものである。その他に添加剤を含んでも良い。本発明のインク組成物における第1の発明のブロックポリマー化合物の含有量は、0.1質量%以上90質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは0.3質量%以上80質量%以下である。特にインクジェットプリンター用としては、好ましくは0.3質量%以上30質量%以下で用いられる。ブロックポリマーの量が0.1質量%未満となると、本発明のインク組成物中に含まれる顔料を十分に分散させることができない場合があり、90質量%を超えると粘性が大きくなりすぎる場合がある。
【0052】
本発明のインク組成物として用いられる第1の発明のブロックポリマー化合物は、好ましくは疎水性ブロックA、及び式(1)で表される繰り返し単位構造を持つ親水性ブロックBからなる両親媒性ブロックポリマー化合物であるABジブロックポリマーが用いられる。さらに好ましくはABCトリブロックポリマーが用いられる。前述のABジブロックポリマーのそれぞれのブロックの重合度としては好ましくは各ブロックの重合度がそれぞれ独立して2から1000であり、その合計が4から2000である。さらに好ましくは各ブロックの重合度がそれぞれ独立して2から800、合計が4から1500である。また、前述のABCトリブロックポリマーの各ブロックの重合度として好ましくは各ブロックの重合度がそれぞれ独立して2から1000、その合計が6から2500である。さらに好ましくは各ブロックの重合度がそれぞれ独立して2から800、合計が6から2000である。
【0053】
次に、本発明のインク組成物に含有される高分子化合物以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、有機溶剤、水、水性溶媒、色材、添加剤等が含まれる。
【0054】
[有機溶剤]
炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等が挙げられる。
【0055】
[水]
本発明に含まれる水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
【0056】
[水性溶媒]
水性溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、水性分散物の記録媒体上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
【0057】
本発明のインク組成物において、上記、有機溶剤、水および水性溶媒の含有量は、インク組成物の全質量に対して、20〜95質量%の範囲で用いるのが好ましい。さらに好ましくは30〜90質量%の範囲である。これらの有機溶剤および水性溶媒は複数種類が併用されていても良い。
【0058】
[色材]
本発明のインク組成物には、顔料および染料等の色材が含有され、好ましくは顔料が用いられる。
【0059】
以下にインク組成物に使用する顔料および染料の具体例を示す。
【0060】
顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれでもよく、インクに用いられる顔料は、好ましくは黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いることができる。なお、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
【0061】
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
【0062】
黒色の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Black PearlsL、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0063】
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.PigmentRed−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
イエロー色の顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.Pigment Yellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
また、本発明のインク組成物では、水に自己分散可能な顔料も使用できる。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがあり、市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)等が挙げられる。
【0067】
本発明のインク組成物に用いられる顔料は、インク組成物の質量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。顔料の量が、0.1質量%未満となると、十分な画像濃度が得られなくなり、50質量%を超えると画像の定着性が悪化する場合がある。さらに好ましい範囲としては0.5質量%から30質量%の範囲である。
【0068】
また、本発明のインク組成物では染料も使用することができる。以下に述べるような直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食品用色素の水溶性染料、又は分散染料の不溶性色素、脂溶性染料を用いることができる。
以下に、各色の市販されている油溶性染料を例示する。
【0069】
黒色の油溶性染料としては、C.I.Solvent Black −3,−5,−6, −7,−8,−13,−22,−22:1,−23,−26,−27,−28,−29,−33,−34,−35,−39,−40,−41,−42,−43,−45,−46,−47,−48,−49,−50等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
イエローの油溶性染料としては、C.I.Solvent Yellow−1,−2,−3,−4,−6,−7,−8,−10,−12,−13,−14,−16,−18,−19,−21,−25,−25:1,−28,−29,−30,−32,−33,−34,−36,−37,−38,−40,−42,−43,−44,−47,−48,−55,−56,−58,−60,−62,−64,−65,−72,−73,−77,−79,−81,−82,−83,−83:1,−85,−88,−89,−93,−94,−96,−98,−103,−104,−105,−107,−109,−112,−114,−116,−117,−122,−123,−124,−128,−129,−130,−131,−133,−134,−135,−138,−139,−140,−141,−143,−146,−147,−148,−149,−150,−151,−152,−153,−157,−158,−159,−160:1,−161,−162,−163,−164,−165,−167,−168,−169,−170,−171,−172等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
オレンジの油溶性染料としては、C.I.Solvent Orange−1,−2,−3,−4,−4:1,−5,−6,−7,−11,−16,−17,−19,−20,−23,−25,−31,−32,−37,−37:1,−38,−40,−40:1,−41,−45,−54,−56,−59,−60,−62,−63,−67,−68,−71,−72,−73,−74,−75,−76,−77,−79,−80,−81,−84,−85,−86,−91,−94,−95,−98,−99等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
レッドの油溶性染料としては、C.I.Solvent Red−1,−2,−3,−4,−7,−8,−13,−14,−17,−18,−19,−23,−24,−25,−26,−27,−29,−30,−33,−35,−37,−39,−41,−42,−43,−45,−46,−47,−48,−49,−49:1,−52,−68,−69,−72,−73,−74,−80,−81,−82,−83,−83:1,−84,−84:1,−89,−90,−90:1,−91,−92,−106,−109,−111,−117,−118,−119,−122,−124,−125,−127,−130,−132,−135,−138,−140,−143,−145,−146,−149,−150,−151,−152,−155,−160,−164,−165,−166,−168,−169,−172,−175,−176,−177,−179,−180,−181,−182,−185,−188,−189,−195,−198,−202,−203,−204,−205,−206,−207,−208,−209,−210,−212,−213,−214,−215,−216,−217,−218,−219,−220,−221,−222,−223,−224,−225,−226,−227,−228,−229等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
バイオレットの油溶性染料としては、C.I.Solvent Violet−2,−3,−8,−9,−10,−11,−13,−14,−21,−21:1,−24,−31,−32,−33,−34,−36,−37,−38,−45,−46,−47等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
ブルーの油溶性染料としては、C.I.Solvent Blue−2,−4,−5,−7,−10,−11,−12,−14,−22,−25,−26,−35,−36,−37,−38,−43,−44,−45,−48,−49,−50,−51,−59,−63,−64,−66,−67,−68,−70,−72,−79,−81,−83,−91,−94,−95,−97,−98,−99,−100,−102,−104,−105,−111,−112,−116,−117,−118,−122,−127,−128,−129,−130,−131,−132,−133,−134等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、水溶性染料としては、例えばC.I.ダイレクトブラック,−17,−19,−22,−32,−38,−51,−62,−71,−108,−146,−154;C.I.ダイレクトイエロー,−12,−24,−26,−44,−86,−87,−98,−100,−130,−142;C.I.ダイレクトレッド,−1,−4,−13,−17,−23,−28,−31,−62,−79,−81,−83,−89,−227,−240,−242,−243;C.I.ダイレクトブルー,−6,−22,−25,−71,−78,−86,−90,−106,−199;C.I.ダイレクトオレンジ,−34,−39,−44,−46,−60;C.I.ダイレクトバイオレット,−47,−48;C.I.ダイレクトブラウン,−109;C.I.ダイレクトグリーン,−59等の直接染料、C.I.アシッドブラック,−2,−7,−24,−26,−31,−52,−63,−112,−118,−168,−172,−208;C.I.アシッドイエロー,−11,−17,−23,−25,−29,−42,−49,−61,−71;C.I.アシッドレッド,−1,−6,−8,−32,−37,−51,−52,−80,−85,−87,−92,−94,−115,−180,−254,−256,−289,−315,−317;C.I.アシッドブルー,−9,−22,−40,−59,−93,−102,−104,−113,−117,−120,−167,−229,−234,−254;C.I.アシッドオレンジ,−7,−19;C.I.アシッドバイオレット,−49等の酸性染料、C.I.リアクティブブラック,−1,−5,−8,−13,−14,−23,−31,−34,−39;C.I.リアクティブイエロー,−2,−3,−13,−15,−17,−18,−23,−24,−37,−42,−57,−58,−64,−75,−76,−77,−79,−81,−84,−85,−87,−88,−91,−92,−93,−95,−102,−111,−115,−116,−130,−131,−132,−133,−135,−137,−139,−140,−142,−143,−144,−145,−146,−147,−148,−151,−162,−163;C.I.リアクティブレッド,−3,−13,−16,−21,−22,−23,−24,−29,−31,−33,−35,−45,−49,−55,−63,−85,−106,−109,−111,−112,−113,−114,−118,−126,−128,−130,−131,−141,−151,−170,−171,−174,−176,−177,−183,−184,−186,−187,−188,−190,−193,−194,−195,−196,−200,−201,−202,−204,−206,−218,−221;C.I.リアクティブブルー,−2,−3,−5,−8,−10,−13,−14,−15,−18,−19,−21,−25,−27,−28,−38,−39,−40,−41,−49,−52,−63,−71,−72,−74,−75,−77,−78,−79,−89,−100,−101,−104,−105,−119,−122,−147,−158,−160,−162,−166,−169,−170,−171,−172,−173,−174,−176,−179,−184,−190,−191,−194,−195,−198,−204,−211,−216,−217;C.I.リアクティブオレンジ,−5,−7,−11,−12,−13,−15,−16,−35,−45,−46,−56,−62,−70,−72,−74,−82,−84,−87,−91,−92,−93,−95,−97,−99;C.I.リアクティブバイオレット,−1,−4,−5,−6,−22,−24,−33,−36,−38;C.I.リアクティブグリーン,−5,−8,−12,−15,−19,−23;C.I.リアクティブブラウン,−2,−7,−8,−9,−11,−16,−17,−18,−21,−24,−26,−31,−32,−33等の反応染料;C.I.ベーシックブラック,−2;C.I.ベーシックレッド,−1,−2,−9,−12,−13,−14,−27;C.I.ベーシックブルー,−1,−3,−5,−7,−9,−24,−25,−26,−28,−29;C.I.ベーシックバイオレット,−7,−14,−27;C.I.フードブラック,−1,−2等が挙げられる。
【0075】
なお、これら上記の色材の例は、本発明のインクに対して好ましいものであるが、本発明のインク組成物に使用する色材は上記色材に特に限定されるものではない。本発明のインク組成物に用いられる染料は、インクの質量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。
【0076】
上述のような顔料と染料を併用する場合は、その合計量がインク組成物中に0.1〜50質量%であることが好ましい。
【0077】
[添加剤]
本発明のインク組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明のインク組成物は、ポリビニルエーテル構造を含むポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
【0078】
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
【0079】
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または 前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
【0080】
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
【0081】
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて水性溶媒を添加することができる。特にインクジェット用インクに用いる場合、水性溶媒は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、単独または混合して用いることができる。水性溶媒は、上述のものがそのまま当てはまる。その含有量としては、インクの場合、インクの全質量の0.1〜60質量%、好ましくは1〜40質量%の範囲である。
【0082】
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
【0083】
上記インク組成物は刺激に対する応答性を有することが好ましい。その刺激応答性によって、画像を形成する過程で刺激を与えることにより、インク特性を増粘したりすることで良好な定着性を付与することも可能である。その刺激は、温度変化、電磁波への暴露、pHの変化、濃度の変化等のなかから画像を形成する上で適当なものが選択される。
【0084】
本発明の好ましい一形態は、刺激により特性が変化するインク組成物として利用される場合であり、顔料の分散安定性が高く、被記録媒体に付着させたときのにじみやフェザリングが改善され、さらには定着性、擦過性に優れた顔料分散インク材料として使用することができる。このため、本発明の顔料分散インク材料としてのインク組成物は、高画質、低消費エネルギー、高速の画像形成材料として利用することができる。
【0085】
本発明のポリマー含有組成物は、種々の刺激に応答してその状態(特性)を変化させることが可能である。本発明では、「刺激」としては、温度の変化;電場の印加;紫外線、可視光線または赤外線のような光(電磁波)への暴露;組成物のpHの変化;化学物質の添加;および組成物の濃度変化などを挙げることができる。
【0086】
本発明のインク組成物は好ましくインクジェット用インクとしても使用することができる。
【0087】
次に、本発明におけるインクジェット用インクの作成方法について説明する。
【0088】
[インクジェット用インクの作成方法]
本発明のインクジェット用インクの作成方法としては、顔料、本発明のブロックポリマー化合物、及び添加剤等をイオン交換水中に加え、分散機を用いて分散させた後、遠心分離機等により粗大粒子を除去し、次いで水または溶剤および添加剤等を添加し、攪拌、混合、濾過を行うものを例として挙げることができる。
【0089】
分散機としては、例えば、超音波ホモジナイザー、ラボラトリーホモジナイザー、コロイドミル、ジェットミル、ボールミル等があり、これらを単独もしくは組み合わせて用いてもよい。
【0090】
また、自己分散顔料を用いた場合においても、上記の方法と同様の操作により作成することができる。
【0091】
次に、本発明の液体付与方法について説明する。
【0092】
[液体付与方法]
本発明の液体付与方法は、本発明のポリマー含有組成物を被記録媒体に付与する工程を有するものである。具体的にはインクジェット法などの方法により画像形成やパターン形成を行うことができる。好ましくは本発明のポリマー含有組成物は、インク組成物として各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像形成方法により描画することであり、さらに好ましくはインクジェット法において用いることである。
【0093】
用いられるインクジェット法は、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行う熱インクジェット方式のような周知の方法であってもよい。また、コンティニュアス型またはオンデマンド型のいずれの方法を用いてもよい。また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の最終被記録媒体に転写する記録方式に用いることもできる。
【0094】
次に、本発明の液体付与装置について説明する。
【0095】
[液体付与装置]
本発明の液体付与装置は、本発明のポリマー含有組成物を被記録媒体に付与する手段を有するものである。具体的には、インクジェット法などのパターン形成方法を利用したパターン形成装置や、インク組成物として各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像形成方法を利用した画像形成装置などの液体タンクに本発明のポリマー含有組成物を配置した液体付与装置が挙げられ、インクジェット法によるインクジェット記録装置が特に好ましい。
【0096】
本発明のポリマー含有組成物を用いるインクジェット記録装置は、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行う熱インクジェット方式等のようなインクジェット記録装置を含む。
【0097】
以下このインクジェット記録装置について図1を参照して概略を説明する。但し、図1はあくまでも構成の一例であり、本願発明を限定するものではない。
【0098】
図1は、インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【0099】
図1は、ヘッドを移動させて被記録媒体に記録をする場合を示した。図1において、製造装置の全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58が駆動され、ヘッド70の被記録媒体に対する位置が決定される。
【0100】
図1に示されるように、ヘッド70には、X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58に加え、ヘッド駆動回路60が接続されており、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド70の駆動、即ちインクジェット用インクの吐出等を行う。さらに、CPU50には、ヘッドの位置を検出するためのXエンコーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラムメモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU50は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびYエンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移動させ、被記録媒体上の所望の位置にヘッドを配置してインクジェット用インクを吐出する。このようにして被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。また、複数のインクジェット用インクを装填可能な画像記録装置の場合、各インクジェット用インクに対して上記のような操作を所定回数行うことにより、被記録媒体上に所望の描画を行うことができる。
【0101】
また、インクジェット用インクを吐出した後、必要に応じて、ヘッド70を、ヘッドに付着した余剰のインクを除去するための除去手段(図示せず)の配置された位置に移動し、ヘッド70をワイピング等して清浄化することも可能である。清浄化の具体的方法は、従来の方法をそのまま使用することができる。
【0102】
描画が終了したら、図示しない被記録媒体の搬送機構により、描画済みの被記録媒体を新たな被記録媒体に置き換える。
【0103】
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能である。例えば、上記説明ではヘッド70をXY軸方向に移動させる例を示したが、ヘッド70は、X軸方向(またはY軸方向)のみに移動するようにし、被記録媒体をY軸方向(またはX軸方向)に移動させ、これらを連動させながら描画を行うものであってもよい。
【0104】
本発明は、インクジェット用インクの吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギーによりインクジェット用インクを吐出させるヘッドが優れた効果をもたらす。かかる方式によれば描画の高精細化が達成できる。本発明のインクジェット用インクを使用することにより、更に優れた描画を行うことができる。
【0105】
上記の熱エネルギーを発生する手段を備えた装置の代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
【0106】
ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればインクジェット用インクの吐出を確実に効率よく行うことができる。
【0107】
さらに、本発明の画像形成装置で被記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドとしては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0108】
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプのヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0109】
さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を更に有していてもよい。このような手段を付与した場合、更に優れた吐出効果を実現できる。
【0110】
また、本発明の装置の構成として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定化できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、または、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、インクの吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出手段などを挙げることができる。
【0111】
本発明に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0112】
本発明の装置では、インクジェット用インクの吐出ヘッドの各吐出口から吐出されるインクの量が、0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であることが好ましい。
【0113】
また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
【0114】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0115】
実施例1
<ジブロックポリマーの合成>
イソブチルビニルエーテル(IBVE)とビフェニルオキシエチルビニルエーテル(VEEtPhPh)とのランダム共重合体のブロックセグメント(Aブロック)と、2−プロポキシエチルビニルエーテル(POVE)の重合体のブロックセグメント(Bブロック)からなるジブロックポリマーの合成。
【0116】
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、IBVE2.5mmol(ミリモル)、VEEtPhPhを2.5mmol、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.05mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割にゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。なお、重合完了は、GPCによりモニタリングし、所定の分子量に達した時間で判断した(以下同様の判断とした)。この段階でのMn=9600、Mw/Mn=1.18であった。
【0117】
次いで、BブロックのモノマーであるPOVEを10mmol添加し、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、Bブロックの重合の完了を確認した後、重合反応を停止した重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固し、真空乾燥させたものを、セルロースの半透膜を用いてメタノール溶媒中透析を繰り返し行い、モノマー性化合物を除去し、目的物であるジブロックポリマーを得た。このジブロックポリマーの同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。Mn=37800、Mw/Mn=1.20であった。各ブロックの重合度比(モノマーユニット比)はA:B=100:200であった。Aブロック内の2種のモノマーの重合度比は1:1であった。
【0118】
実施例2
<トリブロックポリマーの合成>
イソブチルビニルエーテル(IBVE)とビフェニルオキシエチルビニルエーテル(VEEtPhPh)とのランダム共重合体のブロックセグメント(Aブロック)と、2−プロポキシエチルビニルエーテル(POVE)の重合体のブロックセグメント(Bブロック)と、6−{(2−ビニルオキシ)エトキシ}カプロン酸エチル(VEEtPenCOOEt)の重合体のブロックセグメント(Cブロック)からなるトリブロックポリマーの合成。
【0119】
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、IBVE2.5mmol(ミリモル)、VEEtPhPhを2.5mmol、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.05mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割にゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合の完了を確認した。この段階でのMn=10100、Mw/Mn=1.20であった。
【0120】
次いで、BブロックのモノマーであるPOVEを10mmol添加し、重合を続行した。GPCを用いるモニタリングによって、Bブロックの重合の完了を確認した後(この段階でのMn=38400、Mw/Mn=1.17)、10mmolのCブロックのモノマーであるVEEtPenCOOEtを添加して、重合を続行した。24時間後、重合反応を停止した(VEEtPenCOOEtの重合率:39%)。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール水溶液を加えて行った。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固し、真空乾燥させたものより、目的物であるトリブロックポリマーを単離した。このトリブロックポリマーの同定は、NMRおよびGPCを用いて行った。Mn=48500、Mw/Mn=1.14であった。重合度比はA:B:C=100:200:40であった。Aブロック内の2種のモノマーの重合度比は1:1であった。
【0121】
さらに、ここで得られたトリブロックポリマーをジメチルフォルムアミドと水酸化ナトリウム水混合溶液中で加水分解し、Cブロックのエステル部が加水分解され、ナトリウム塩となったトリブロックポリマーを得た。
【0122】
実施例3
実施例2で得たナトリウム塩となったトリブロックポリマー8質量部と脂溶性染料オイルブルーN(商品名、アルドリッチ社製)5質量部をジメチルフォルムアミド100質量部に共溶解し、蒸留水400質量部を用いて水相へ変換しインク組成物を得た。10日間放置したが、染料は分離沈殿しなかった。
【0123】
実施例4
インクジェットプリンター(商品名BJF800、キヤノン社製)の印刷ヘッドに実施例3で作成したインク組成物を充填し、高品位専用紙(商品名HR−101N、キヤノン社製)へ文字画像を記録した。記録1分後に印刷部をラインマーカーで強く3回こすったが、青色の尾引きは無く、非常に定着性がよいことがわかった。
【0124】
比較例1
黒色の自己分散顔料(商品名CAB−0−JET300、キャボット社製)5質量部、界面活性剤(ノニオンE−230、日本油脂社製)0.5質量部、エチレングリコール5質量部、ポリビニルアルコール(PVA)2質量部、及びイオン交換水87.5質量部を混合し、インク組成物を調製した。前記インク組成物を用いて、実施例3と同様に高品位専用紙(商品名HR−101N、キヤノン社製)へ文字画像を記録し、記録1分後に印刷部を強くラインマーカーで一回こすったところ、黒色の尾引きが観察された。さらに、親水性ポリマー化合物(PVA)の添加によって印字部を指で触れるとポリマーと色材が粘着する結果となった。
【0125】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、顔料等の機能物質を溶媒に均一分散可能なブロックポリマー化合物を提供できる。また、そのブロックポリマー化合物を含有し、顔料等の機能物質を溶媒に均一分散したポリマー含有組成物およびインク組成物を提供できる。また、本発明は紙に対する好適な定着性を有するインク組成物を提供できる。また、本発明は、ポリマー含有組成物を付与する液体付与方法および液体付与装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体付与装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
20 インクジェット記録装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

Claims (10)

  1. ポリビニルエーテル主鎖で構成され、2種以上のブロックセグメントを有するブロックポリマー化合物であって、
    前記ブロックセグメントは、疎媒性ブロックセグメントと
    下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有するブロックセグメントを含有するブロックポリマー化合物。
    Figure 2004352819
    (式中、Aは置換されていても良いポリビニル基を表す。Bは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基を表す。また、mは1から50までの整数を表す。mが2以上のときはそれぞれのBは異なっていても良い。Rは炭素原子数3から15までの直鎖状または分岐状または環状のアルキル基を表す。前記アルキル基は置換されていても良い。)
  2. 前記式(1)が、下記式(2)で表される請求項1記載のブロックポリマー化合物。
    Figure 2004352819
    (式中、nは1から50までの整数を表す。Rは炭素原子数3から15までの直鎖状または分岐状または環状のアルキル基を表す。前記アルキル基は置換されていても良い。)
  3. 疎水性のブロックセグメントと、親水性のブロックセグメントとを有する請求項1記載のブロックポリマー化合物。
  4. 順に並ぶ相違なるブロックセグメントA成分、B成分及びC成分を有するブロックポリマー化合物であって、
    前記A成分が疎水性のブロックセグメント、前記B成分が前記式(2)で表される繰り返し単位構造を含有するブロックセグメント、前記C成分が親水性のブロックセグメントである請求項1記載のブロックポリマー化合物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のブロックポリマー化合物と、溶媒または分散媒と、機能物質とを含有するポリマー含有組成物。
  6. 前記機能物質が、前記ブロックポリマー化合物に内包された請求項5記載のポリマー含有組成物。
  7. 前記機能物質が、色材である請求項5または6記載のポリマー含有組成物。
  8. 請求項1乃至4のいずれかに記載のブロックポリマー化合物と、溶媒と、色材とを含有するインク組成物。
  9. 請求項5乃至7のいずれかに記載のポリマー含有組成物を被記録媒体に付与する工程を有する液体付与方法。
  10. 請求項5乃至7のいずれかに記載のポリマー含有組成物を被記録媒体に付与する手段を有する液体付与装置。
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