JP2004352651A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】油中水型乳化化粧料は、高温での保存において、油性成分が褐色等に変色してしまい外観が悪くなる傾向にある。特にアスコルビン酸誘導体を配合した油中水型乳化化粧料は褐色化が著しい。
【解決手段】銅クロロフィルとL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを油中水型乳化化粧料に配合することにより、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】銅クロロフィルとL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを油中水型乳化化粧料に配合することにより、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年、敏感肌やアトピー性皮膚炎等のアレルギー性体質の増加に伴い、皮膚や眼粘膜に対して極めて低刺激性で、安全性の高い化粧料が要求されている。
【0003】
乳化化粧料、特に油中水型乳化化粧料は長期保存、高温での保存において油性成分が褐色等に変色してしまい外観が悪くなる傾向にある。特にアスコルビン酸誘導体を配合した油中水型乳化化粧料は褐色化が著しい。
【0004】
こういった外観の悪化を防ぐためにタール色素もしくは天然色素といった各種色素が配合されることが多い。
【0005】
油中水型乳化化粧料に配合されるタール色素として赤色225号、紫色201号、緑色202号等が挙げられるが、これらタール色素の配合は敏感肌やアトピー性皮膚炎等の人には刺激の原因になることが多かった。
【0006】
安全性が高く、着色力の良い天然色素として銅クロロフィリンナトリウムもしくは銅クロロフィルが挙げられる。しかしながら、銅クロロフィリンナトリウムは水溶性であり、熱に弱いために、油中水型乳化化粧料に配合するには適さない。また、その性質から乳化状態を壊してしまう傾向にある。一方、油溶性である銅クロロフィルは油中水型乳化化粧料に配合するには適しているが、酸化されやすく、加熱を受けたり光照射を受けたりすると退色しやすいといった欠点を有するために、着色料としての使用はかなり制限されている。
【0007】
油溶性である銅クロロフィルの分解を防止する手段としては、トコフェロール、BHT等の酸化防止剤を添加して安定化を図る方法が知られている。しかしながら、トコフェロールにおいては多量に添加しなければその効果が現れず、多量に添加すれば刺激、変臭の原因となる。また、BHTも刺激の原因となることが多い。
【0008】
そこで、刺激がなく、有効性を持つ酸化防止剤として、ビタミンC及びリン酸−L−アスコルビルナトリウム等のビタミンC誘導体が用いられているが、これらの成分はほとんどが水溶性であるため、油中水型乳化化粧料には、銅クロロフィリンナトリウムと同様、その性質から乳化を壊してしまう傾向があり、油中水型乳化化粧料に配合するには困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため、銅クロロフィルと同じく油溶性であるL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを油中水型乳化化粧料に配合することにより、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を発明した。
【0011】
すなわち、本発明の油中水型乳化化粧料は、銅クロロフィルとL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、上記において、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルがテトライソパルミチン酸L−アスコルビルであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる各成分について具体的に説明する。
【0014】
本発明における銅クロロフィルは化粧料、食品及び外用剤に使用できるものであれば特に限定されるものではない。油中水型乳化化粧料への含有量は、好ましくは0.0001〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜1重量%である。この範囲であれば外観がよく、より安定である乳化化粧料が得られる。
【0015】
L−アスコルビン酸脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の直鎖アルキル脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等のアルケニル脂肪酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分岐アルキル脂肪酸を挙げることができる。また、そのエステル化度については、モノエステルからテトラエステルまで、種々のものが挙げられる。
【0016】
本発明に使用するL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとしては、脂肪酸残基が分岐アルキルであり、エステル化度は2、3、5、6位の水酸基がアシル化されたテトラエステル体が常温で液状のため乳化化粧料に配合しやすく、外観の安定性が高いという点で好適に使用できる。具体的にはテトライソパルミチン酸L−アスコルビルが好ましい。
【0017】
L−アスコルビン酸脂肪酸エステルの乳化化粧料への含有量は、好ましくは0.001〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜10重量%である。0.001重量%以下ではその効果が十分ではなく、また20重量%を超える高濃度にしても効果が向上するわけではないので使用効率が悪い。
【0018】
本発明で用いられる界面活性剤としては、通常化粧料W/O型乳化剤として用いられるものであり、特に限定されない。具体的にはペンタオレイン酸ポリグリセリル、ペンタステアリン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビットミツロウ;ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン等のポリオキシエチレントリメチルプロパン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンヒマシ油;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ラウロイルグルタミン酸ジポリオキシエチレンステアリルエーテル等のN−アシルグルタミン酸エステル;レシチン誘導体;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体;ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体;アクリル酸・メタクリル酸アルキルエーテル共重合体を挙げることができる。
【0019】
これら界面活性剤は、一種又は二種以上組み合せて用いることができ、全組成中に0.005〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7重量%である。この範囲であれば安定な油中水型乳化化粧料が得ることができ、使用感も良好である。
【0020】
本乳化化粧料に用いられる油分は化粧品、医薬品等で用いられる一般的な油分は全て用いることができ、その範囲も極性油から非極性油まで幅広く用いることができる。例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン等の炭化水素油、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。また、マイクロクリスタリン、ビーズワックス等のワックス類も本発明の効果を損わない範囲で配合可能である。これらは一種又は二種以上用いられることができる。これら油分の配合量は5〜90重量%程度であり、好ましくは10〜70重量%である。
【0021】
本発明の油中水型乳化化粧料には上記の成分に加えて、必要に応じて、本発明の目的、効果を損わない質的、量的範囲内で通常の化粧品に配合される成分を配合できる。このような成分としては、例えば、精製水、水溶性及び油溶性ポリマー、無機及び有機顔料、カオチン性活性剤、アニオン性活性剤等の界面活性剤、エタノール、防腐剤、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、乳化安定剤、薬効成分等が挙げられる。
【0022】
本発明の油中水型乳化化粧料は、常法により種々の剤型にすることができ、例えば、クリーム、乳液、下地化粧料等にすることができる。
【0023】
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらの実施例によって何等限定されるものでないことはもちろんである。なお、以下の実施例及び比較例における配合量の単位はいずれも全量に対する重量%である。
【0024】
表1に示す組成のクリームを常法により製造し、外観、使用感、皮膚刺激性、色調の変化について評価した。
【0025】
外観、使用感、皮膚刺激性については健常な20〜60代の男女25名に同意を得、目視による外観、皮膚に塗布したときの使用感、皮膚刺激性について官能により次の基準で評価した。
【0026】
目視による外観
◎:25名中20名以上が外観が良いと評価。
○:25名中15名以上20名未満が外観が良いと評価。
△:25名中10名以上15名未満が外観が良いと評価。
×:25名中10名未満が外観が良いと評価。
【0027】
使用感
◎:25名中20名以上が使用感が良いと評価。
○:25名中15名以上20名未満が使用感が良いと評価。
△:25名中10名以上15名未満が使用感が良いと評価。
×:25名中10名未満が使用感が良いと評価。
【0028】
皮膚刺激性
◎:25名中0〜2名が皮膚刺激性を認めた。
○:25名中3〜5名が皮膚刺激性を認めた。
△:25名中6〜8名が皮膚刺激性を認めた。
×:25名中8名以上が皮膚刺激性を認めた。
【0029】
色調の変化については、調整したクリームを室外に置き経日での光によるクリームの色調変化及び50℃の恒温槽に保存したときの色調変化を専門パネラーが下記評価基準に基づき目視評価した。色調の目視評価は、調整直後の色調を基準とし行った。判断基準としては以下のとおりである。
◎:変化なし ○:僅かに退色・変色 △:退色・変色
×:著しく退色・変色
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示したように、実施例1〜5、いずれの本発明のクリームも、外観も良く、使用感に優れ、安全性の高いものであり、調整時の色調を保持していた。
【0032】
つぎに、表2に示す組成のクリームを常法により製造し、上記した評価方法と同じ評価方法を用いて、使用感、皮膚刺激性、50℃高温保存及び光照射による色調変化について評価した。
【0033】
【表2】
【0034】
表2に示したように、実施例6の本発明のクリームも、調整時の色調を保持し、外観も良く、使用感に優れ、安全性の高いものであった。
【0035】
比較例1は銅クロロフィル及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを配合していないために、調整時の外観も悪く、使用感も優れないものであった。比較例2及び3では銅クロロフィルもしくはL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを配合していないため、褐色化等の現象が起こり、経日的に外観の悪いものとなってしまう。比較例4及び5においては酸化防止剤を配合しているが、それぞれ効果を期待できる配合量では、感触が悪くなり皮膚刺激性も出てしまう。比較例6はタール系色素である緑色202号を配合しているが、経日的な外観も不安定であり、皮膚刺激性において問題点がある。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上述のようにしてなるので、つぎの効果を有する。
【0037】
銅クロロフィル及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを配合することにより、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年、敏感肌やアトピー性皮膚炎等のアレルギー性体質の増加に伴い、皮膚や眼粘膜に対して極めて低刺激性で、安全性の高い化粧料が要求されている。
【0003】
乳化化粧料、特に油中水型乳化化粧料は長期保存、高温での保存において油性成分が褐色等に変色してしまい外観が悪くなる傾向にある。特にアスコルビン酸誘導体を配合した油中水型乳化化粧料は褐色化が著しい。
【0004】
こういった外観の悪化を防ぐためにタール色素もしくは天然色素といった各種色素が配合されることが多い。
【0005】
油中水型乳化化粧料に配合されるタール色素として赤色225号、紫色201号、緑色202号等が挙げられるが、これらタール色素の配合は敏感肌やアトピー性皮膚炎等の人には刺激の原因になることが多かった。
【0006】
安全性が高く、着色力の良い天然色素として銅クロロフィリンナトリウムもしくは銅クロロフィルが挙げられる。しかしながら、銅クロロフィリンナトリウムは水溶性であり、熱に弱いために、油中水型乳化化粧料に配合するには適さない。また、その性質から乳化状態を壊してしまう傾向にある。一方、油溶性である銅クロロフィルは油中水型乳化化粧料に配合するには適しているが、酸化されやすく、加熱を受けたり光照射を受けたりすると退色しやすいといった欠点を有するために、着色料としての使用はかなり制限されている。
【0007】
油溶性である銅クロロフィルの分解を防止する手段としては、トコフェロール、BHT等の酸化防止剤を添加して安定化を図る方法が知られている。しかしながら、トコフェロールにおいては多量に添加しなければその効果が現れず、多量に添加すれば刺激、変臭の原因となる。また、BHTも刺激の原因となることが多い。
【0008】
そこで、刺激がなく、有効性を持つ酸化防止剤として、ビタミンC及びリン酸−L−アスコルビルナトリウム等のビタミンC誘導体が用いられているが、これらの成分はほとんどが水溶性であるため、油中水型乳化化粧料には、銅クロロフィリンナトリウムと同様、その性質から乳化を壊してしまう傾向があり、油中水型乳化化粧料に配合するには困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため、銅クロロフィルと同じく油溶性であるL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを油中水型乳化化粧料に配合することにより、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を発明した。
【0011】
すなわち、本発明の油中水型乳化化粧料は、銅クロロフィルとL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、上記において、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルがテトライソパルミチン酸L−アスコルビルであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の油中水型乳化化粧料に用いられる各成分について具体的に説明する。
【0014】
本発明における銅クロロフィルは化粧料、食品及び外用剤に使用できるものであれば特に限定されるものではない。油中水型乳化化粧料への含有量は、好ましくは0.0001〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜1重量%である。この範囲であれば外観がよく、より安定である乳化化粧料が得られる。
【0015】
L−アスコルビン酸脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の直鎖アルキル脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等のアルケニル脂肪酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分岐アルキル脂肪酸を挙げることができる。また、そのエステル化度については、モノエステルからテトラエステルまで、種々のものが挙げられる。
【0016】
本発明に使用するL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとしては、脂肪酸残基が分岐アルキルであり、エステル化度は2、3、5、6位の水酸基がアシル化されたテトラエステル体が常温で液状のため乳化化粧料に配合しやすく、外観の安定性が高いという点で好適に使用できる。具体的にはテトライソパルミチン酸L−アスコルビルが好ましい。
【0017】
L−アスコルビン酸脂肪酸エステルの乳化化粧料への含有量は、好ましくは0.001〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜10重量%である。0.001重量%以下ではその効果が十分ではなく、また20重量%を超える高濃度にしても効果が向上するわけではないので使用効率が悪い。
【0018】
本発明で用いられる界面活性剤としては、通常化粧料W/O型乳化剤として用いられるものであり、特に限定されない。具体的にはペンタオレイン酸ポリグリセリル、ペンタステアリン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビットミツロウ;ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン等のポリオキシエチレントリメチルプロパン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンヒマシ油;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ラウロイルグルタミン酸ジポリオキシエチレンステアリルエーテル等のN−アシルグルタミン酸エステル;レシチン誘導体;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体;ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体;アクリル酸・メタクリル酸アルキルエーテル共重合体を挙げることができる。
【0019】
これら界面活性剤は、一種又は二種以上組み合せて用いることができ、全組成中に0.005〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7重量%である。この範囲であれば安定な油中水型乳化化粧料が得ることができ、使用感も良好である。
【0020】
本乳化化粧料に用いられる油分は化粧品、医薬品等で用いられる一般的な油分は全て用いることができ、その範囲も極性油から非極性油まで幅広く用いることができる。例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン等の炭化水素油、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。また、マイクロクリスタリン、ビーズワックス等のワックス類も本発明の効果を損わない範囲で配合可能である。これらは一種又は二種以上用いられることができる。これら油分の配合量は5〜90重量%程度であり、好ましくは10〜70重量%である。
【0021】
本発明の油中水型乳化化粧料には上記の成分に加えて、必要に応じて、本発明の目的、効果を損わない質的、量的範囲内で通常の化粧品に配合される成分を配合できる。このような成分としては、例えば、精製水、水溶性及び油溶性ポリマー、無機及び有機顔料、カオチン性活性剤、アニオン性活性剤等の界面活性剤、エタノール、防腐剤、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、乳化安定剤、薬効成分等が挙げられる。
【0022】
本発明の油中水型乳化化粧料は、常法により種々の剤型にすることができ、例えば、クリーム、乳液、下地化粧料等にすることができる。
【0023】
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらの実施例によって何等限定されるものでないことはもちろんである。なお、以下の実施例及び比較例における配合量の単位はいずれも全量に対する重量%である。
【0024】
表1に示す組成のクリームを常法により製造し、外観、使用感、皮膚刺激性、色調の変化について評価した。
【0025】
外観、使用感、皮膚刺激性については健常な20〜60代の男女25名に同意を得、目視による外観、皮膚に塗布したときの使用感、皮膚刺激性について官能により次の基準で評価した。
【0026】
目視による外観
◎:25名中20名以上が外観が良いと評価。
○:25名中15名以上20名未満が外観が良いと評価。
△:25名中10名以上15名未満が外観が良いと評価。
×:25名中10名未満が外観が良いと評価。
【0027】
使用感
◎:25名中20名以上が使用感が良いと評価。
○:25名中15名以上20名未満が使用感が良いと評価。
△:25名中10名以上15名未満が使用感が良いと評価。
×:25名中10名未満が使用感が良いと評価。
【0028】
皮膚刺激性
◎:25名中0〜2名が皮膚刺激性を認めた。
○:25名中3〜5名が皮膚刺激性を認めた。
△:25名中6〜8名が皮膚刺激性を認めた。
×:25名中8名以上が皮膚刺激性を認めた。
【0029】
色調の変化については、調整したクリームを室外に置き経日での光によるクリームの色調変化及び50℃の恒温槽に保存したときの色調変化を専門パネラーが下記評価基準に基づき目視評価した。色調の目視評価は、調整直後の色調を基準とし行った。判断基準としては以下のとおりである。
◎:変化なし ○:僅かに退色・変色 △:退色・変色
×:著しく退色・変色
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示したように、実施例1〜5、いずれの本発明のクリームも、外観も良く、使用感に優れ、安全性の高いものであり、調整時の色調を保持していた。
【0032】
つぎに、表2に示す組成のクリームを常法により製造し、上記した評価方法と同じ評価方法を用いて、使用感、皮膚刺激性、50℃高温保存及び光照射による色調変化について評価した。
【0033】
【表2】
【0034】
表2に示したように、実施例6の本発明のクリームも、調整時の色調を保持し、外観も良く、使用感に優れ、安全性の高いものであった。
【0035】
比較例1は銅クロロフィル及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを配合していないために、調整時の外観も悪く、使用感も優れないものであった。比較例2及び3では銅クロロフィルもしくはL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを配合していないため、褐色化等の現象が起こり、経日的に外観の悪いものとなってしまう。比較例4及び5においては酸化防止剤を配合しているが、それぞれ効果を期待できる配合量では、感触が悪くなり皮膚刺激性も出てしまう。比較例6はタール系色素である緑色202号を配合しているが、経日的な外観も不安定であり、皮膚刺激性において問題点がある。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上述のようにしてなるので、つぎの効果を有する。
【0037】
銅クロロフィル及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを配合することにより、外観が美しく、またその外観が退色もしくは変色することなく、安定性、使用感に優れ、刺激のない油中水型乳化化粧料を提供することができる。
Claims (2)
- 銅クロロフィルとL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料。
- L−アスコルビン酸脂肪酸エステルがテトライソパルミチン酸L−アスコルビルであることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
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---|---|---|---|
JP2003151957A JP2004352651A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 油中水型乳化化粧料 |
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---|---|---|---|
JP2003151957A JP2004352651A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 油中水型乳化化粧料 |
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---|---|
JP2004352651A true JP2004352651A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34047294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003151957A Pending JP2004352651A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 油中水型乳化化粧料 |
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JP (1) | JP2004352651A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007297295A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Kao Corp | 歯磨剤 |
JP2011079753A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Fancl Corp | 油中水型乳化皮膚外用剤 |
EP2490542A4 (en) * | 2009-10-20 | 2015-12-30 | Discovery Partners Llc | DERMATOLOGICAL AND COSMETIC COMPOSITIONS |
-
2003
- 2003-05-29 JP JP2003151957A patent/JP2004352651A/ja active Pending
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JP2007297295A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Kao Corp | 歯磨剤 |
JP2011079753A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Fancl Corp | 油中水型乳化皮膚外用剤 |
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