JP2004352522A - 光ファイバ用母材の製造方法及び光ファイバ - Google Patents

光ファイバ用母材の製造方法及び光ファイバ Download PDF

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Abstract

【課題】内付けするガラス層の、純シリカに対する比屈折率を大きく下げることができる光ファイバ用母材の製造方法、及び所望の屈折率分布を有する光ファイバを提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバ用母材の製造方法は、出発ガラスパイプGの内側にガラス原料ガスとフッ素を含有するガスとを導入し、G出発ガラスパイプの長手方向へ一度熱源10をトラバースすることにより、出発ガラスパイプGの内側にガラス微粒子G1を堆積させつつ、ガラス微粒子堆積体G2を透明化処理する内付けCVD法の工程を含むものであり、一度の透明化処理により形成されるガラス層G2の厚さが5μm以上である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出発ガラスパイプの内側にフッ素を含有するガラス層を形成して光ファイバ用母材を製造する光ファイバ用母材の製造方法及びその光ファイバ用母材を用いて製造された光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた近年の光通信システムでは、大容量の伝送技術として波長分割多重(WDM)伝送が広く実用化されている。このWDM伝送では、使用する波長帯域内の波長分散差を小さく抑えて使用波長毎の伝送特性を均一化することが重要であることから、波長依存性のある分散特性(分散スロープ)を厳密に調節することが強く望まれている。
【0003】
このような光ファイバを製造する際に、所望の分散特性を良好に得るためには、光ファイバの断面構造を精密に形成することが重要である。光ファイバを製造するための光ファイバ母材の製造過程では、例えばMCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法等の内付けCVD法が好適に用いられている。MCVD法は、種々の文献(例えば、非特許文献1参照)に開示されているように、高品質な光ファイバ母材を比較的容易に得やすいため、広く用いられている。
【0004】
例えば、ガラス微粒子の堆積(いわゆるスス付け)と透明化処理とを同工程で行う内付けCVD法では、内付けの基板となる出発ガラスパイプの内側に、ガラス微粒子(SiO)を生成するためのガラス原料ガスを導入し、出発ガラスパイプの外側に設けた熱源を出発ガラスパイプの長手方向に沿ってトラバースさせて出発ガラスパイプを加熱する。このように出発ガラスパイプを加熱することにより、出発ガラスパイプの内側に導入されたガラス原料ガスが酸化反応してガラス微粒子が生成される。そして、ガラス微粒子は、ガラス原料ガスの流れの下流側における出発ガラスパイプの内周面に付着して堆積していく。また、堆積したガラス微粒子は、ガラス微粒子の堆積と同工程の熱源のトラバースによって加熱されて透明化し、順次ガラス層が形成される。
【0005】
このような内付け工程を繰り返し行い、出発ガラスパイプの肉厚が所望の厚さとなるまでガラス層を複数層形成して、光ファイバ用母材の中間体をなすガラスパイプを形成することができる。
【0006】
また、内付けCVD法では、出発ガラスパイプの内側に導入するガスに屈折率調整用のドーパントを適宜混合することで、内付けするガラス層毎に屈折率を変えることができる。この屈折率調整により、得ようとする光ファイバの伝送特性に合わせた所望の屈折率分布を有する光ファイバ用母材を製造することができる。
【0007】
例えば、上述したようなWDM伝送において要求される分散特性を得ようとする場合には、純シリカに対する比屈折率の高いコア部の外側に、純シリカに対する比屈折率の低い領域(ディプレスト部)を形成することが有効である。このディプレスト部を形成することのできる手段として、出発ガラスパイプの内周面にガラス微粒子を堆積させた後、出発ガラスパイプの内側に屈折率を下げるためのフッ素を含有するガスを導入してガラス微粒子の堆積体を透明化し、フッ素を含むガラス層を形成することが開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開昭53−57846号公報
【非特許文献1】
「光ファイバ通信 国際版1991年(Optical Fiber Communications International Edition 1991)」,マクグローヒル出版社(McGraw−Hill Book Co.),p.66−67
【非特許文献2】
Journal of Lightwave Technology, vol.LT−3, No5, Oct.1985
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の方法によりディプレスト部の比屈折率をより低くしようとする場合には、形成するガラス層に対するフッ素濃度を高くする必要が生じる。そのためには、出発ガラスパイプの内側に導入するフッ素の量を多くして、ガラス微粒子堆積体にフッ素をできるだけ多く含ませることが考えられる。
しかしながら、ガラス微粒子堆積体にフッ素を多く含ませても、透明化する際の加熱によって、一旦ガラス微粒子堆積体の内側に入り込んだフッ素がガラス微粒子堆積体の外側に揮散しやすいため、形成されるガラス層のフッ素濃度を所定の値以上に上げることは困難であった。特に、スス付けと透明化処理とを同工程で行う内付けCVD法では、フッ素を含有するガスとガラス原料ガスとを同時に出発ガラスパイプ内に導入するため、出発ガラスパイプ内のフッ素濃度を高くしにくく、形成するガラス層のフッ素濃度を上げにくい。
そのため、所望の分散特性を得るための屈折率分布を有する光ファイバ用ガラス母材及び光ファイバを製造することが難しい状況にあった。
【0010】
本発明は、内付けするガラス層の、純シリカに対する比屈折率を大きく下げることができる光ファイバ用母材の製造方法、及び所望の屈折率分布を有する光ファイバを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできる本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法は、出発ガラスパイプの内側にガラス原料ガス及びフッ素を含有するガスを導入し、出発ガラスパイプの外側に設けた熱源を出発ガラスパイプの長手方向に一度トラバースして出発ガラスパイプを加熱することにより、出発ガラスパイプの内側にガラス微粒子を堆積させつつ、堆積したガラス微粒子を透明化させてフッ素を含有するガラス層を形成する工程を有する光ファイバ用母材の製造方法であって、ガラス層を形成する工程は、形成されたガラス層の厚さが5μm以上となるように行うことを特徴としている。
なお、フッ素を含有するガスとは、フッ素分子またはフッ素原子を含有する化合物を含むガスのことを指す。
【0012】
また、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法において、ガラス微粒子の堆積は、ガラス微粒子が堆積して形成されるガラス微粒子堆積体の嵩密度が0.1g/cmから0.5g/cmの範囲内となるように行うことが好ましい。
また、ガラス微粒子の堆積は、堆積させるガラス微粒子の粒径が0.05μmから5.00μmの範囲内となるように行うことが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法において、出発ガラスパイプに対するガラス層の比屈折率差を0.40%以上とすることが好ましい。
【0014】
上記目的を達成することのできる本発明に係る光ファイバは、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法により製造された光ファイバ用母材を線引きして製造されたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法及び光ファイバの実施の形態の例を図面を参照して説明する。
本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法は、出発ガラスパイプの内側にガラス原料ガスとフッ素を含有するガスとを導入し、出発ガラスパイプの長手方向へ一度熱源をトラバースすることにより、出発ガラスパイプの内側にガラス微粒子を堆積させつつ、堆積したガラス微粒子を透明化処理する内付けCVD法の工程を含むものであり、一度の透明化処理により形成されるガラス層の厚さが5μm以上であることを特徴としている。
【0016】
図1に、本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法の特徴部分となる内付け工程を実施する内付け装置の一例を示す。
図1に示す内付け装置1は、両端付近に支持部11が立設された基台12を有している。支持部11は、それぞれ回動可能なチャック13を有しており、これらチャック13は、出発ガラスパイプGの端部をそれぞれ把持し、出発ガラスパイプGを水平に支持する。
チャック13によって支持される出発ガラスパイプGの下方には、出発ガラスパイプGを加熱するための熱源10が設けられている。この熱源10には、酸水素バーナやプラズマトーチを用いることができる。
熱源10は、支持レール17に装着された移動台18上に支持され、移動台18は、ラック・ピニオン機構により支持レール17の長手方向に沿って移動することができる。支持レール17と、出発ガラスパイプGとは、それぞれの長手方向が平行になるように配設されている。
【0017】
また、支持部11には、一方側(図中左側)に、供給管22が接続され、他方側(図中右側)に排気管23が接続されている。これらの供給管22と排気管23は、出発ガラスパイプGの内部の空間と連続した流路を形成している。
また、供給管22には、出発ガラスパイプGの内部の空間へガスを導入するためのガス導入手段(図示せず)が接続されている。ガス導入手段は、四塩化ケイ素(SiCl)や四フッ化ケイ素(SiF)、酸素(O)、ヘリウム(He)等を、単一のガスもしくは適宜混合したガスとして導入することができるように構成されている。
【0018】
次に、図1に示した内付け装置1を用いて出発ガラスパイプGに内付けを行う方法について説明する。
なお、出発ガラスパイプGは、純シリカで形成されたものを用いることが好ましいが、例えば純シリカで形成されたガラスパイプの内側にゲルマニウムを含むガラス層が内付けされたものであっても良い。
(第1工程)
まず、ガス導入手段により、四塩化ケイ素と酸素を含むガラス原料ガスを出発ガラスパイプGの内側に導入する。ガラス原料ガスには、ガラス原料ガス中の四塩化ケイ素の分圧を調整するためにヘリウムが含まれていても良い。また、酸素の量によっても四塩化ケイ素の分圧を調整することができる。
また、この工程では、ガラス原料ガスとともに、四フッ化ケイ素を含むフッ素ガスを出発ガラスパイプGの内側に導入する。このフッ素ガスには、酸素やヘリウムが含まれていても良い。このガラス原料ガスとフッ素ガスは、それぞれ混合した際の四塩化ケイ素と四フッ化ケイ素の分圧が所望の値となるように調整される。
【0019】
なお、ガラス原料ガスとともにフッ素ガスを導入する以外の方法としては、ケイ素を含むガラス原料ガスの一部がフッ素に置換された化合物のガス(例えば、SiClFやSiCl等)を導入するようにしても良い。
このように、出発ガラスパイプGの内側に適宜ガスを導入しつつ、出発ガラスパイプGをその中心軸周りに回転させる。回転速度は、例えば40rpmとする。
【0020】
(第2工程)
次に、出発ガラスパイプGの表面温度が、例えば1950℃から2050℃程度の範囲内の所望の温度となるように、熱源10の温度を昇温させる。熱源10として酸水素バーナを用いる場合には、酸水素の量を調節して昇温させる。熱源10としてプラズマトーチを用いる場合には、プラズマを発生させるガスの流量の調節や、そのガスに印加する電磁波のパワーの調節を行って昇温させる。
【0021】
そして、熱源10を出発ガラスパイプGの一端側から他端側に向けて(すなわち、長手方向に沿って)トラバースを開始する。このとき、トラバースを開始する位置は、ガラス原料ガスが供給される供給管22が設置された側とする。なお、トラバースする速度は、数十mm/分から数百mm/分程度の範囲内に設定する。
【0022】
(第3工程)
図2に示すように、ガラス原料ガスが導入されている状態で熱源10が出発ガラスパイプGの長手方向にトラバースされると、加熱された領域における出発ガラスパイプGの内側では、四塩化ケイ素が酸化反応を起こして、シリカ(SiO)であるガラス微粒子(ススと呼ばれる)G1が生成される。そして、このガラス微粒子G1は、熱泳動効果によって、ガラス原料ガスの流れの下流側における出発ガラスパイプGの内側に付着して堆積(スス付けと呼ばれる)していく。そして、ガラス微粒子G1が堆積した部分には多孔質状のガラス微粒子堆積体G2が形成されるとともに、熱源10のトラバースによって加熱されて透明化し、順次ガラス層G3が形成される。
【0023】
なお、ガラス微粒子G1の粒径が0.05μmから5.00μmの範囲内となるように、熱源10の温度や四塩化ケイ素の導入量等を調節すると良い。
また、ガラス微粒子堆積体G2の嵩密度が0.1g/cmから0.5g/cmの範囲内となるように、熱源10の温度や四塩化ケイ素の導入量等を調節すると良い。
【0024】
このように、この第3工程では、出発ガラスパイプGの長手方向へ一度熱源をトラバースすることにより、出発ガラスパイプGの内側にガラス微粒子G1を堆積させつつ、ガラス微粒子堆積体G2を透明化処理するものである。そして、一度の透明化処理により形成されるガラス層G3の厚さtが5μm以上となるように、四塩化ケイ素の導入量を多くするか、または熱源10のトラバース速度を遅くする等して、ガラス微粒子G1の堆積厚さを調節する。
【0025】
なお、ガラス微粒子G1は、フッ素を含む雰囲気中で生成されるため、フッ素が含まれたシリカである。
また、ガラス微粒子堆積体G2が透明化される際には、出発ガラスパイプGの内側に導入された四フッ化ケイ素が加熱されてフッ素とケイ素に分離し、分離したフッ素が多孔質状のガラス微粒子堆積体G2内に入り込む。
これらの要因により、本実施形態ではフッ素を含んだガラス層G3が形成される。その際、一度の透明化処理により形成されるガラス層G3の厚さtが5μm以上となるように、ガラス微粒子堆積体G2が厚く形成される。そのため、ガラス微粒子G1が連鎖して形成された多孔質状の構造内にフッ素が留まりやすく、ガラス微粒子堆積体G2は、従来よりもフッ素が多い割合で含まれた状態で透明化する。したがって、純シリカに対するガラス層G3の比屈折率差を、従来に比べて大きい0.40%以上とすることが可能となる。すなわち、通常、純シリカで形成されている出発ガラスパイプGに対するガラス層G3の比屈折率差を0.40%以上とすることができる。
【0026】
また、第3工程で堆積させたガラス微粒子G1の粒径が小さいほど、ガラス微粒子堆積体G2の表面積が大きくなるため、ガラス微粒子堆積体G2を透明化する際にフッ素をより留まりやすくしてフッ素の揮散量を抑え、ガラス層G3のフッ素含有量を多くすることができる。好ましくは、ガラス微粒子G1の粒径が0.05μmから5.00μmの範囲内であると良い。
また、第3工程で形成したガラス微粒子堆積体G2の嵩密度が0.1g/cmから0.5g/cmの範囲内であると、ガラス微粒子堆積体G2を透明化する際にフッ素をより留まりやすくしてフッ素の揮散量を抑え、ガラス層G3のフッ素含有量を多くすることができる。
【0027】
(第4工程)
ガラス層G3を5μm以上の厚さで堆積させ、熱源10を出発ガラスパイプGの他端側(排気管23側)までトラバースした後、熱源10の温度を、出発ガラスパイプGの内側でガラス微粒子G1が生成しない程度の温度(例えば、出発ガラスパイプGの表面温度が500℃程度となる温度)まで下げる。そして、温度を下げた熱源10を、スス付けを開始した供給管22側までトラバースして戻す。
【0028】
(第5工程)
さらに第1工程から第4工程を複数回繰り返して、所望の厚さのガラス層G3を形成する。
その後、出発ガラスパイプGにガラス層G3が形成されたガラスパイプの内側へのガラス原料ガス等の導入を停止し、代わりに窒素ガスを導入し、ガラスパイプの内側を窒素雰囲気に置換する。
【0029】
(第6工程)
熱源10の稼動を停止し、得られたガラスパイプを空冷する。
【0030】
このように、第1工程から第6工程までを行って得られた、フッ素が添加されたガラスパイプは、その後公知の方法を採用して光ファイバ用母材として加工する。その方法について一例を説明する。
例えば、ガラス層G3の内側にさらにゲルマニウムを含むガラス層を内付けした後、熱源10によってガラスパイプを加熱して縮径させる(コラプスする)ことで中実化する。もしくは、ガラスパイプの中心にVAD法等で作製されたガラスロッドを挿入し、ガラスパイプを加熱して縮径させ、ガラスロッドと一体化させる(ロッドインコラプスする)ことで中実化する。
そして、中実化されたガラス体の外周にガラス微粒子を外付けして透明化処理するか、もしくは中実化されたガラス体を延伸した後に他のガラスパイプの内側に挿入してロッドインコラプスを実施する。これにより、光ファイバ用母材が製造される。
【0031】
このようにして製造された光ファイバ用母材は、フッ素を含有する層が形成されている。この光ファイバ用母材を線引きして得られた光ファイバは、純シリカより屈折率が小さいディプレスト部を有するものとなるが、上述したガラス層G3に添加するフッ素の濃度を適宜調節することで、従来よりも屈折率が小さいディプレスト部を形成することができる。例えば、純シリカに対するディプレスト部の比屈折率差を0.40%以上とすることが可能である。
したがって、光ファイバの伝送特性を調整する設計自由度が向上し、上記の光ファイバ用母材を用いて製造した光ファイバを、例えばノンゼロ分散シフトファイバ(NZ−DSF)の分散を補償する分散補償用光ファイバ(DCF)として使用することができる。
【0032】
【実施例】
本発明の光ファイバ用母材の製造方法に係る実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示した内付け装置1を用いて、四塩化ケイ素の流量を0.2slm、1slm、2slm、4slmにそれぞれ設定し、ガラス層G3を形成した。そのとき、熱源10の一度のトラバースで形成されたガラス層G3の厚さt(図2参照)は1μm、5μm、10μm、40μmとなった。この厚さtは、得られたガラスパイプを径方向に切断し、その切断面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、測定した。
そして、得られたガラスパイプをコラプスした後、純シリカに対するガラス層G3に該当する部分の比屈折率差Δをプリフォームアナライザで測定した。
その他の共通する製造条件は下記の通りである。
・出発ガラスパイプGの内径:10mm, 外径:30mm
・熱源10のトラバース速度:100mm/分
・四フッ化ケイ素の流量:1slm
・四塩化ケイ素とともに導入するヘリウムの流量:200sccm〜2000sccm(sccm:standard cm/min)
・四塩化ケイ素とともに導入する酸素の流量:0〜5000sccm
・出発ガラスパイプGの表面温度:2050℃
なお、出発ガラスパイプGの表面温度はパイロメータにて測定した。
【0033】
この実施例1の試験結果を図3に示す。なお、図中に矢印で示した温度は、四塩化ケイ素の流量を示す。
図5に示すように、ガラス層G3の厚さtが5μm、10μm、40μmである場合に、比屈折率差Δが際立って大きく(例えば0.40%以上)なり、フッ素の含有量が多くなっていることが判る。このことから、ガラス層G3の厚さtが5μm以上であると、純シリカに対する比屈折率が大きく下がることが確認できた。
【0034】
(実施例2)
図1に示した内付け装置1を用いて、出発ガラスパイプGの表面温度を1930℃から2010℃の範囲内に設定し、熱源10の一度のトラバースでガラス層G3を5μm以上の厚さで形成した。その際、熱源10のトラバースを一旦途中で停止して、ガラス微粒子G1の比重と、堆積したガラス微粒子G1の重量との関係から、透明化の前のガラス微粒子堆積体G2の嵩密度を算出した。
また、得られたガラスパイプをコラプスした後、純シリカに対するガラス層G3に該当する部分の比屈折率差Δをプリフォームアナライザで測定した。
その他の共通する製造条件は下記の通りである。
・出発ガラスパイプGの内径:20mm, 外径:30mm
・熱源10のトラバース速度:100mm/分
・四塩化ケイ素の導入量:1slm
・四塩化ケイ素とともに導入するヘリウムの流量:200sccm〜2000sccm(sccm:standard cm/min)
・四塩化ケイ素とともに導入する酸素の流量:0〜5000sccm
・四フッ化ケイ素の流量:1slm
なお、出発ガラスパイプGの表面温度はパイロメータにて測定した。
【0035】
この実施例2の試験結果を図4に示す。なお、図中に矢印で示した温度は、出発ガラスパイプGの表面温度を示す。
図4に示すように、ガラス微粒子堆積体G2の嵩密度が0.1g/cmから0.5g/cmの範囲内である場合に、ガラス層G3の比屈折率差Δが際立って大きくなっていることが判る。このことから、ガラス微粒子堆積体G2の嵩密度が0.1g/cmから0.5g/cmの範囲内であると、ガラス微粒子堆積体G2へのフッ素の含有量が多くなって、純シリカに対するガラス層G3の比屈折率が大きく下がることが確認できた。
【0036】
(実施例3)
図1に示した内付け装置1を用いて、出発ガラスパイプGの表面温度を1930℃から2050℃の範囲内に設定し、熱源10の一度のトラバースでガラス層G3を5μm以上の厚さで形成した。その際、堆積させたガラス微粒子G1の粒径を、SEMにて測定した。
また、得られたガラスパイプをコラプスした後、純シリカに対するガラス層G3に該当する部分の比屈折率差Δをプリフォームアナライザで測定した。
その他の共通する製造条件は下記の通りである。
・出発ガラスパイプGの内径:18mm, 外径:30mm
・熱源10のトラバース速度:100mm/分
・四塩化ケイ素の導入量:1slm
・四塩化ケイ素とともに導入するヘリウムの流量:200sccm〜2000sccm(sccm:standard cm/min)
・四塩化ケイ素とともに導入する酸素の流量:0〜5000sccm
・四フッ化ケイ素の流量:1slm
なお、出発ガラスパイプGの表面温度はパイロメータにて測定した。
【0037】
この実施例3の試験結果を図5に示す。なお、図中に矢印で示した温度は、出発ガラスパイプGの表面温度を示す。また、グラフ中に示した最も左側の測定点(出発ガラスパイプGの表面温度が1950℃)、すなわち、最も粒径の小さいものの粒径は、0.05μmである。また、グラフ中に示した左から2番目の測定点の粒径は0.5μmである。また、グラフ中に示した左から3番目の測定点の粒径は1.0μmである。
図5に示すように、ガラス微粒子G1の粒径が0.05μmから5.00μmの範囲内である場合に、ガラス層G3の比屈折率差Δが際立って大きくなっていることが判る。このことから、堆積させるガラス微粒子G1の粒径が0.05μmから5.00μmの範囲内であると、ガラス微粒子堆積体G2へのフッ素の含有量が多くなって、純シリカに対するガラス層G3の比屈折率が大きく下がることが確認できた。
【0038】
(実施例4)
図1に示した内付け装置1を用いて、出発ガラスパイプG内に導入するガスにおける四フッ化ケイ素の分圧を、0から0.65の範囲内に設定し、熱源10の一度のトラバースでガラス層G3を5μm以上の厚さで形成した。そして、得られたガラスパイプをコラプスした後、純シリカに対するガラス層G3に該当する部分の比屈折率差Δをプリフォームアナライザで測定した。
その他の共通する製造条件は下記の通りである。
・出発ガラスパイプGの内径:10mm, 外径:30mm
・熱源10のトラバース速度:100mm/分
・四塩化ケイ素の導入量:1slm
・四塩化ケイ素とともに導入するヘリウムの流量:200sccm〜2000sccm(sccm:standard cm/min)
・四塩化ケイ素とともに導入する酸素の流量:0〜5000sccm
・四フッ化ケイ素の流量:1slm
・出発ガラスパイプGの表面温度:2000℃
なお、出発ガラスパイプGの表面温度はパイロメータにて測定した。
【0039】
この実施例4の試験結果を図6に示す。
図6に示すように、四フッ化ケイ素の分圧を適宜設定することにより、ガラス層G3の比屈折率差Δを0から0.44の範囲内の所望の値に調節できることが判る。このことから、ガラス層G3を5μm以上の厚さで形成することにより、ガラス層G3へのフッ素の含有量を広範囲で調節することができ、光ファイバの伝送特性を調整する設計自由度が従来(非特許文献2によれば比屈折率差Δが0.39まで)に比べて向上していることが確認できた。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内付けするガラス層の、純シリカに対する比屈折率を大きく下げることができる光ファイバ用母材の製造方法、及び所望の屈折率分布を有する光ファイバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法を実施する際に用いる内付け装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】ガラス層を形成する工程を示す模式図である。
【図3】実施例1の試験結果を示すグラフである。
【図4】実施例2の試験結果を示すグラフである。
【図5】実施例3の試験結果を示すグラフである。
【図6】実施例4の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内付け装置
10 熱源
22 供給管
23 排出管
G 出発ガラスパイプ
G1 ガラス微粒子
G2 ガラス微粒子堆積体
G3 ガラス層

Claims (5)

  1. 出発ガラスパイプの内側にガラス原料ガス及びフッ素を含有するガスを導入し、前記出発ガラスパイプの外側に設けた熱源を前記出発ガラスパイプの長手方向に一度トラバースして前記出発ガラスパイプを加熱することにより、前記出発ガラスパイプの内側にガラス微粒子を堆積させつつ、堆積した前記ガラス微粒子を透明化させて前記フッ素を含有するガラス層を形成する工程を有する光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記ガラス層を形成する工程は、形成された前記ガラス層の厚さが5μm以上となるように行うことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記ガラス微粒子の堆積は、前記ガラス微粒子が堆積して形成されるガラス微粒子堆積体の嵩密度が0.1g/cmから0.5g/cmの範囲内となるように行うことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記ガラス微粒子の堆積は、堆積させる前記ガラス微粒子の粒径が0.05μmから5.00μmの範囲内となるように行うことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記出発ガラスパイプに対する前記ガラス層の比屈折率差を0.40%以上とすることを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光ファイバ用母材の製造方法により製造された光ファイバ用母材を線引きして製造されたことを特徴とする光ファイバ。
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