JP2004351904A - 発泡成形部材の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡体の発泡圧が加わっても付属部品の変形を規制するようにする。
【解決手段】エアアウトレット40における筒状本体部42の内側空間に、該筒体本体部42の内壁に当接可能な形状に形成した変形規制部材96,96をセットしたもとで、このエアアウトレット40を取付開口部18にセットする。これにより、発泡体16の発泡反応時に発生する発泡圧が表皮材14を介してエアアウトレット40に加わっても、変形規制部材96,96により筒状本体部42の変形が規制されるので、取付開口部18に対するエアアウトレット40の適切な収容保持がなされる。
【選択図】 図15
【解決手段】エアアウトレット40における筒状本体部42の内側空間に、該筒体本体部42の内壁に当接可能な形状に形成した変形規制部材96,96をセットしたもとで、このエアアウトレット40を取付開口部18にセットする。これにより、発泡体16の発泡反応時に発生する発泡圧が表皮材14を介してエアアウトレット40に加わっても、変形規制部材96,96により筒状本体部42の変形が規制されるので、取付開口部18に対するエアアウトレット40の適切な収容保持がなされる。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡成形部材の成形方法に関し、更に詳細には、所要形状に成形した基材と、枠体状を呈する取付部品を設置するための取付開口部を設けた表皮材との間で、発泡材料を発泡させて発泡体を成形するに際し、予め前記取付部品を前記取付開口部にセットしておくようにした発泡成形部材の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両における乗員室内には、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアパネル、ピラーガーニッシュ等をはじめとする種々の車両内装部材が設置されている。例えばインストルメントパネル10は、図18に部分的に例示するように、所要形状に成形した合成樹脂製のパネル基材(基材)12の外側に、所要形状に成形した合成樹脂製の表皮材14を配設すると共に、これらパネル基材12および表皮材14の間に弾力性を有するウレタンフォーム等の発泡体16を介在させた3層構造のものが実施されている。このような3層構造のインストルメントパネル10は、パネル基材12と表皮材14との間で成形した発泡体16を有していることから、一般的には「発泡成形部材」と称することができる。但し、インストルメントパネル10は、前述した3層構造タイプだけでなく、前記発泡体16を有さない2層構造タイプや、該発泡体16および前記表皮材14を有さない単層構造タイプも実施されている。
【0003】
また、前記インストルメントパネル10の外面所要位置には、該パネル10に装着される取付部品の1つであって、乗員室の前方等に搭載したエアコンユニット(図示せず)とダクトDを介して連通接続されるエアアウトレット40が、所要数設置されるようになっている。このエアアウトレット40は、矩形、円形たまは楕円形等の枠体形状に形成された合成樹脂製の成形部材であって、前記エアコンユニットから送出される調温空気を、乗員室内の後方側に向けて吹出し案内するために供される(図18では、矩形枠体形状を呈したエアアウトレットを例示している)。従って前記インストルメントパネル10には、前記エアアウトレット40を収容保持するための取付開口部(設置部)18が、前記表皮材14および発泡体16により開設されている(図19、図20)。
【0004】
ここで、発泡成形部材である3層構造の前記インストルメントパネル10を製造するには、従前の製造方法によれば、先ず予備成形したパネル基材12および表皮材14の間で発泡体16を発泡成形し、この際に形成された前記取付開口部18に対して取付部品としての前記エアアウトレット40を後付け装着するようになっており、発泡体16の発泡成形工程とエアアウトレット40の装着工程とが各々別工程とされていた。しかしながら近年に至っては、予備成形した前記表皮材14に形成された前記取付開口部18へ前記エアアウトレット40を予めセットしたもとで、前記パネル基材12および該表皮材14の間において前記発泡体16を発泡成形するようにして、発泡体16の発泡成形工程とエアアウトレット40の装着工程とを同一工程で同時に行なう製造方法も採用されている。なお、後者の製造方法に関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実公平06−14984号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記エアアウトレット40は、枠体形状(筒体形状)に形成された筒状本体部42を前記取付開口部18内へ収容することで該取付開口部18に収容保持されるようになっており、該筒状本体部42が風向制御板等で内側から支持されない構造となっている場合や、該筒状本体部42の壁厚が小さく(薄く)設定されている場合には、外側から外力が加わると比較的容易に変形してしまう。このため図20に例示するように、前記表皮材14に形成した取付開口部18へ前記エアアウトレット40をセットしたもとで、発泡成形金型100により前記発泡体16の成形を行なう場合には、発泡反応中の発泡体16による発泡圧が前記表皮材14を介して直接的に作用して、前記筒状本体部42が内側へ湾曲的に変形するようになる。このように、エアアウトレット40が変形した状態のままで前記発泡体16が硬化する場合には、前記取付開口部18の形状が変形してしまうばかりか、見栄えが悪くなったり表皮材14に皺等が形成され、インストルメントパネル10の質感低下を招来する問題が発生していた。殊に、前記エアアウトレット40の設置位置は、インストルメントパネル10の前面側であって乗員席側から常に視認可能な部位であるから、該エアアウトレット40の設置態様がインストルメントパネル10の質感を大きく左右することになる。
【0007】
また場合によっては、パネル基材12と表皮材14とのシール状態が不適切となり、前記発泡体16の一部が前記取付開口部18の側へ漏出する不都合が発生することもある。このように、エアアウトレット40が変形することでシール状態が不適切となり、発泡体16の一部が取付開口部18の側へ漏出するようになると、図20に例示したように、該取付開口部18の周辺部位が陥凹的に形成されるようになり、これによりインストルメントパネル10の質感の低下を招来することもあり得る。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、枠体形状を呈する付属部品の内側に変形規制部材をセットしたもとで発泡体の発泡成形を行なうことで、該発泡体の発泡圧が加わっても該付属部品の変形を規制するようにした発泡成形部材の成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、所要形状に成形した基材と、枠体形状を呈する取付部品を設置するための取付開口部を設けた表皮材との間で、発泡材料を発泡させて発泡体を成形するに際し、予め前記取付部品を前記取付開口部にセットしておくようにした発泡成形部材の成形方法において、
前記取付部品における本体部の内側に当接可能な形状に形成した変形規制部材を、該取付部品の内側空間へセットしておき、
前記発泡体の発泡反応時に発生する発泡圧が前記表皮材を介して前記取付部品に加わった際に、前記変形規制部材により前記本体部の変形を規制したもとで該本体部の外側へ該表皮材を密着させ、これにより前記取付開口部に対する前記取付部品の収容保持を行なうようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る発泡成形部材の成形方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、発泡成形部材として前記3層構造のインストルメントパネル10を例示し、また取付部品として該インストルメントパネル10に開設した取付開口部18に装着される前記エアアウトレット40を例示する。従って、図18〜図20を基に説明した従来技術の項で既出の部材と同一部材は、同一の符号を付して説明する。
【0011】
図1は、本発明の好適実施例に係る発泡成形部材の成形方法により成形されたインストルメントパネル10の部分斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図である。実施例のインストルメントパネル10は、基本的には図18に例示した従来のものと同一構造であって、所要形状に成形したパネル基材(基材)12と、所要形状に成形した表皮材14と、これらパネル基材12および表皮材14で画成された空間内で発泡して介在させた発泡体16とから構成されている。そして、インストルメントパネル10の所要部位には、別体をなす前記エアアウトレット40を前側から収容保持する取付開口部18が開設されている。
【0012】
前記パネル基材12は、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂素材を、例えば図示しない基材成形型を使用してインジェクション成形した樹脂成形部材であって、当該インストルメントパネル10の意匠形状を考慮した外面形状に形成されている。そして、前記取付開口部18に対する対応部位には、該取付開口部18より一回り大きな輪郭形状で略台形状に陥凹した陥凹部22が形成されており、また該陥凹部22の底部には、前記ダクトDの先端部の挿通を許容する略矩形状の挿通口24が形成されている。なお前記陥凹部22において、前記挿通口24に周囲に臨むようになる周辺部位は、適度の角度が付与された傾斜状態で前記取付開口部18の周囲に臨んでおり、後述するように、該取付開口部18に装着したエアアウトレット40に前側から押圧力が加わった際に、該エアアウトレット40が後方側へ変位するのを防止するよう機能する支持壁部26とされている。
【0013】
前記表皮材14は、図8(a)に例示した電鋳技術により製作された表皮成形型(電鋳型)80を使用して、例えば図9(a)に例示するようにスプレー成形技術に基づいて成形されたウレタン製であって、全体的には1mm程度の均一な厚みに成形されていて柔軟性を有していると共に、表面には本革等に似せたシボ模様が形成されている。そして、前記エアアウトレット40の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状とされた前記取付開口部18が、所要位置に略矩形状に陥設されている。また前記取付開口部18の底部は、パネル基材12に形成した前記陥凹部22に臨んでおり、前記挿通口24に整合する略矩形状の挿通口28が形成されている。更に、取付開口部18における上壁部分、下壁部分および左・右側壁部分の各々には、エアアウトレット40に突設した後述の係合凸部(第1係合部)64が対応的に整合する2組ずつの係合凹部(第2係合部)30が、前記発泡体16へ突入して食い込んだ状態で形成されている。一方、前記表皮材14に開設された前記取付開口部18における外部周縁20は、その全周に亘って角張らせた表皮綾縁部32として形成されており、エッジが効いたシャープな形状となっている。
【0014】
前記表皮材14を成形するために製作された前記表皮成形型80は、前記インストルメントパネル10の外面意匠形状を反転した形状の表皮成形面82を有し、かつ該表皮成形面82の所要位置には、前記取付開口部18の形状を反転した外部輪郭形状の凸部84が突設されている。すなわち前記凸部84は、前記エアアウトレット40の外部輪郭形状と同一輪郭形状に突設されており、前記係合凹部30を形成するための突出部86が側面に突設されている。そして、前記凸部84の上面には、図8(b)に例示したように、前記挿通口28の輪郭形状に合致するよう突出した突片88が延設されており、表皮材14に一体成形された取付開口部18の底部に薄肉の切断予定ラインを形成するようになっている(図9(a))。更に、前記凸部84と表皮成形面82との境界部に延在する基部輪郭縁90は、図8(b)に例示したように角張らせた凹角形状に形成してあり、これにより前記取付開口部18における外部周縁20を、角張らせた前記表皮綾縁部32として形成することが可能となっている。なお、表皮成形面82および凸部84の裏側には、該表皮成形面82の温度制御を図るために供される温調パイプ92が配管されている。
【0015】
従って前記表皮材14は、図9(a)に例示したように、表皮成形型80の表皮成形面82および凸部84に対してスプレーガンSGで発泡材料(ポリウレタン等)Uを吹付け塗布し、この発泡材料Uが硬化することで成形される。従って、成形された表皮材14の所要位置には、前記凸部84の外部輪郭形状が反転された取付開口部18が一体的に形成されると共に、該取付開口部18における外部周縁20は、前記基部輪郭縁90により角張った表皮綾縁部32として形成される。また、前記突片88により形成された切断予定ラインに沿って切れ目を入れ、その内側の不要部分を表皮材14から切除することにより、取付開口部18の底面に前記挿通口28が形成される。
【0016】
前記発泡体16は、図15等に例示した発泡成形型100を利用して発泡成形される。具体的な成形方法は後述するが、発泡成形型100の第1成形型102に前記表皮材14およびエアアウトレット40をセットすると共に、該発泡成形型100の第2成形型104に前記パネル基材12をセットし、このもとで第1成形型102および第2成形型104を型閉めした際にパネル基材12と表皮材14との間に画成される空間34内で発泡材料を発泡・硬化させて成形したものである(図13、図15)。このような発泡体16は、5〜10mm程度の厚みに形成されているので適度の弾力性を有しており、表皮材14の適宜位置を外側から指先等で押圧すると当該押圧部位が適宜陥凹的に弾性変形するようになり、インストルメントパネル10の触感向上に寄与する。
【0017】
実施例のエアアウトレット40は、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂素材を、図示しない成形型を使用してインジェクション成形した樹脂成形部材であって、図4(a)および図4(b)に例示するように、略矩形筒体状に形成されて前記取付開口部18の内側へ収容される筒状本体部(本体部)42と、略矩形枠形状に形成されて該取付開口部18の前側に露出する前面パネル部44とを一体成形した構造となっている。すなわち実施例のエアアウトレット40は、縦フィンおよび/または横フィンからなる風向制御板74や風量調節用の風量ダイヤル76を、前記筒状本体部42内に配設して構成されたユニット構造としたものではなく、前記取付開口部18の質感向上を図るための所謂装飾部材となっている。なお、図1および図2に図示した風向制御板74および風量ダイヤル76は、前記ダクトDの先端内側に配設されており、前記筒状本体部42内へ該ダクトDを臨ませた際に、前記前面パネル部44に形成した空気吹出口60および操作口62へ各々臨むようになっている。
【0018】
前記筒状本体部42は、垂直に延在するように形成された仕切壁46により、内部が前記ダクトDの先端部が整合する第1空間(内側空間)48と、該ダクトDに装備される前記風量ダイヤル76に整合する第2空間(内側空間)50とに区画されている。また、筒状本体部42を形成する外周壁52における少なくとも一部、具体的には該外周壁52における上部および下部が、後方側に向けて適宜角度で傾斜した傾斜壁部54とされており、当該筒状本体部42の縦サイズは後方に向かって徐々に小さくなっている。なお外周壁52は、何れの部位でも厚みが1mm以下に設定されており、厚み方向(前記第1空間48または第2空間50の側)への撓曲的な弾性変形が可能に形成されている。
【0019】
前記前面パネル部44は、前記筒状本体部42よりも一回り大きく設定されていて、該筒状本体部42の外周縁より1〜2mm程度突出しており、かつ前記取付開口部18の開口形状・サイズと同一の形状・サイズに形成されている。また、エアアウトレット40を前記取付開口部18に取付けた際に、該取付開口部18から前側を指向するようになる前記前面パネル部44の外部周縁56を、角張らせた部品綾縁部58として形成してあり、当該前面パネル部44の前側はエッジが効いてシャープな形状となっている。なお、前記空気吹出口60は前記第1空間48に対応した領域に形成されている一方、前記操作口62は前記第2空間50に対応した領域に形成されている。
【0020】
前記筒状本体部42を形成する外周壁52には、図4(a)および図4(b)に例示した如く、その上面、下面、左側面および右側面の各々に、夫々2組ずつの係合凸部64が突設されている。各々の係合凸部64は、所要間隔(1mm程度)毎に突設した複数(実施例では3枚)のリブ片66から構成されており、前記表皮材14に形成した対応の係合凹部30に対してこれら3枚のリブ片66が同時に係合するようになっている。そして、前記各係合凸部64には、前記各リブ片66毎に、前記取付開口部18に対する当該エアアウトレット40の装着方向(後側)を指向した第1傾斜面68と、該取付開口部18に対する当該エアアウトレット40の離脱方向(前側)を指向した第2傾斜面70とを有しており、側方からみた形状は略三角形となっている。
【0021】
前記取付開口部18に形成した前記各々の係合凹部30は、対応する前記係合凸部64の形状に合致した形状に形成されており、該係合凸部64の第1傾斜面68に整合する第1傾斜受面36と、第2傾斜面70に合致する第2傾斜受面38とを有している。そして各々の係合凹部30は、前述したように前記発泡体16に突入した状態となっているため、該発泡体16にが具有する弾力性を伴って形状保持されている。
【0022】
従って、実施例のインストルメントパネル10では、図2および図3に例示したように、前記エアアウトレット40に突設した各々の係合凸部64が、取付開口部18に陥設した各々の係合凹部30へ対応的に係合することで、該取付開口部18に対する該エアアウトレット40の安定的な取付けが図られるようになっている。そして、取付開口部18に対する収容保持位置(定位置)へ前記エアアウトレット40が収容されている状態では、前記前面パネル部44に形成された前記部品綾縁部58が、該取付開口部18における表皮綾縁部32へ密着的に整合するようになり、当該エアアウトレット40と取付開口部18との境界部が隙間なく無段差状態で整列するよう構成されている。また、前記部品綾縁部58が前記表皮綾縁部32へ密着的に整合した際には、エアアウトレット40の前面パネル部44における前面40Aが前記表皮材14の外面14Aに一致するように設定されており、該エアアウトレット40が表皮材14より前方へ突出した状態または後方へ後退したした状態にならないので、インストルメントパネル10の質感向上が図られるようになっている。
【0023】
なお、前記表皮綾縁部32が前記部品綾縁部58に密着的に整合するのは、後述するように、前記発泡体16の発泡成形時に発生する発泡圧を該表皮綾縁部32に付与させることで実現され(図16)、これによりこれら部品綾縁部58と表皮綾縁部32との密着度合が好適に向上するようになっている。
【0024】
すなわち実施例のインストルメントパネル10では、前記表皮材14に開設された前記取付開口部18における外部周縁20を、角張らせた表皮綾縁部32として形成すると共に、前記エアアウトレット40の前面パネル部44における外部周縁56を、同じく角張らせた部品綾縁部58として形成したことにより、該エアアウトレット40の前面パネル部44における前面40Aが前記表皮材14の外面に一致するように収容保持位置を設定しても、前記部品綾縁部58と前記表皮綾縁部32とを密着的に整合させることが可能となる。従って、これらエアアウトレット40と取付開口部18との境界部に溝が画成されることがないと共に、該エアアウトレット40の前面40Aおよび表皮材14の外面14Aに段差が形成されることがないので、インストルメントパネル10の質感向上を図り得る。また、取付開口部18の外部周縁20が全く露出しないため、該外部周縁20に沿って汚れが付着したり損耗による表面剥離が起こることもなく、インストルメントパネル10の美観を損ねることもない。
【0025】
また、実施例のインストルメントパネル10では、▲1▼エアアウトレット40における筒状本体部42の外周壁52が撓曲的に弾性変形可能である、▲2▼取付開口部18の周囲に臨む発泡体16が適度の弾力性を有しているため、該取付開口部18が弾性変形可能である、▲3▼前記各々の係合凸部64に第1傾斜面68および第2傾斜面70を形成したこと、等の諸条件のもとに、取付開口部18に対するエアアウトレット40の脱着を許容するようになっている。そこで次に、エアアウトレット40の脱着態様につき簡単に説明する。
【0026】
先ず、前記取付開口部18に収容保持して装着されているエアアウトレット40を取外す場合には、前記前面パネル部44における空気吹出口60の内周縁等を把持しながら、該エアアウトレット40をインストルメントパネル10の前側へ強く引張ればよい。このとき、前記各係合凸部64の前記第2傾斜面70と対応の各係合凹部30の第2傾斜受面38との摺接作用に基づき、前記外周壁52の内側への弾性変形および前記発泡体16の圧縮的な弾性変形が各々発現するようになり、前記各係合凸部64は対応の各係合凹部30から脱離するようになる(図6(a))。これにより、エアアウトレット40が前側へ移動することが許容され、取付開口部18に対するエアアウトレット40の取外しが可能となる(図6(b))。但し、前記外周壁52の内側への弾性変形だけが発現してもエアアウトレット40の取外しが可能な場合もあり、また前記発泡体16の圧縮的な弾性変形だけが発現しても該エアアウトレット40の取外しが可能な場合もある。
【0027】
一方、エアアウトレット40を前記取付開口部18に装着する場合には、筒状本体部42の後側を取付開口部18に整合させたもとで(図7(a))、該エアアウトレット40をインストルメントパネルの後側へ強く押し込めばよい。このとき、取付開口部18の前縁に接触した前記各係合凸部64の前記第1傾斜面68に押圧力が作用することに基づき、前記外周壁52の内側への弾性変形および前記発泡体16の圧縮的な弾性変形が各々発現するようになり、各係合凸部64が取付開口部18の内側に接触するようになる(図7(b))。これにより、エアアウトレット40が後側へ移動することが許容され、各係合凸部64が対応の各係合凹部30へ係合することで、取付開口部18の収容保持位置に対するエアアウトレット40の装着が可能となる。但し、前記外周壁52の内側への弾性変形だけが発現してもエアアウトレット40の装着が可能な場合もあり、また前記発泡体16の圧縮的な弾性変形だけが発現しても該エアアウトレット40の装着が可能な場合もある。
【0028】
このように実施例のインストルメントパネル10では、該インストルメントパネル10に形成した取付開口部18に対するエアアウトレット40の脱着が可能となっているため、例えば前記風向制御板74や風量ダイヤル76等の破損または作動不良が発生した際に、これらの修理または部品交換作業を簡易に行ない得るようになる。また、前記エアアウトレット40の空気吹出口60からダクトD内へ入り込んでしまった小間物(硬貨、指輪、カード等)を取出すことが可能となると共に、該ダクトD内の掃除やメンテナンス等も可能である。一方、エアアウトレット40の筒状本体部42を弾性変形可能に形成してあるため、取付開口部18に対する脱着作業を容易になし得る。また、エアアウトレット40に形成した各係合凸部64を複数のリブ片66から構成してあるため、対応の係合凹部30に対する当接面積が増加して係合力が増大するようになる。従って、エアアウトレット40の脱着作業に際しては、取付開口部18(表皮材14)の内側に対して広い面積で当接するようになるため、該表皮材14への局部的な食込みによる裂けや皺等が形成されることも防止し得る。
【0029】
また、実施例のインストルメントパネル10では、図3から明らかなように、前記エアアウトレット40の外周壁52における上・下部に設けた前記傾斜壁部54に対して、取付開口部18に臨んでいるパネル基材12の前記支持壁部26が、該傾斜壁部54の後方側へ適宜間隔をおいてオーバーラップするように延出している。そして、パネル基材12に設けた前記陥凹部22が略ハ字形状の縦断側面形状を呈していると共に、同様にエアアウトレット40の筒状本体部42も略ハ字形状の縦断側面形状を呈しているので、前記支持壁部26に対して前記傾斜壁部54が、パネル基材12後方側へ傾斜した状態で対面的に位置している。このため、前記取付開口部18に収容保持された前記エアアウトレット40が前側から押圧された際(図3の矢印方向から押圧された際)には、前記傾斜壁部54に作用する押圧力を前記支持壁部26で受けることで、該エアアウトレット40が後方側(図3の左方向)へ変位すること(インストルメントパネル10の外面から陥没するように変位すること)を防止し得るようになっている。
【0030】
すなわち、実施例のインストルメントパネル10では、例えば乗員が乗降するに際してエアアウトレット40を手で押圧してしまった場合等、前記取付開口部18に収容保持されている該エアアウトレット40が前側から押圧されたとしても、その押圧力が前記パネル基材12の支持壁部26で受け止められるようになっているため、該エアアウトレット40が後方側へ変位する不都合を好適に回避し得る。従って、インストルメントパネル10が乗員室内に設置された実施期間において、前記エアアウトレット40が陥没してしまう不都合が発生することを防止できる。
【0031】
なお、図2および図3等の表示した符号72はシール部材であって、前記パネル基材12と表皮材14との間で前記発泡体16を発泡成形する際に、取付開口部18に臨む部位のシールを行なって該発泡体16の漏出を防止するためのものである。このシール部材72は、後述するように、発泡体16の成形工程に先立ち、例えばパネル基材12に対して接着剤または両面テープ等を利用して取着される。
【0032】
図示しないエアコンユニットに連結される前記ダクトDは、図2に例示したように、その先端部内側に前記風向制御板74を揺動可能に支持すると共に、その先端外側に前記風量ダイヤル76を回動可能に支持して構成されている。このようなダクトDは、パネル基材12に形成した前記挿通口24を介してエアアウトレット40の筒状本体部42における第1空間48内へ先端部を突入することで該エアアウトレット40に連結され、これにより前記風向制御板74が前記空気吹出口60に臨むようになると共に、前記風量ダイヤル76が前記操作口62へ臨むようになる。
【0033】
(インストルメントパネルの成形方法)
次に、前述のように構成された本実施例に係るインストルメントパネル10の成形方法につき、図9〜図17を引用して概略的に説明する。本実施例のインストルメントパネル10では、前述したように、予備成形した前記表皮材14に一体成形された前記取付開口部18へ前記エアアウトレット40を予めセットしたもとで、該表皮材14および前記パネル基材12の間において前記発泡体16を発泡成形するようにして、発泡体16の発泡成形工程とエアアウトレット40の装着工程とを、同一工程で同時に行なうことで成形するようになっている。
【0034】
前記パネル基材12は、前述したように、図示しない成形型を使用した前工程においてインジェクション成形され、この成形工程において前記陥凹部22および挿通口24が同時に成形される。またエアアウトレット40は、図示しない成形型を使用した前工程においてインジェクション成形され、この成形工程において前記前面パネル部44における外部周縁56を角張らせた部品綾縁部58として形成する一方、筒状本体部42における外周壁52の上・下部を傾斜壁部54として形成し、更に該外周壁52の外面所要位置に前記各係合凸部64を同時に形成する。
【0035】
一方、前記表皮材14は、前述すると共に図9(a)に例示したように、表皮成形型80における凸部84を突設した表皮成形面82に対し、スプレーガンSGで発泡材料(ポリウレタン等)Uを吹付け塗布して、該発泡材料Uを硬化させることで成形される。これにより成形された表皮材14には、前記凸部84の外部輪郭形状が反転された前記取付開口部18が一体に形成され、かつ該取付開口部18における外部周縁20が角張った表皮綾縁部32として形成される。そして図9(b)に例示したように、切断予定ラインに沿って切れ目を入れ、その内側の不要部分を表皮材14から切除することにより、取付開口部18の底面に挿通口28を形成する。
【0036】
前工程において予備成形されたエアアウトレット40、表皮材14およびパネル基材12を、前記発泡体16を発泡成形するための発泡成形型100にセットする。ここで、本実施例の成形方法における前記発泡体16の成形工程では、図10および図11に例示するように、前記エアアウトレット40の第1空間48および第2空間50内に収容可能で、前記外周壁52を内側から当接支持可能な形状に形成した変形規制部材96,96を準備し、これら変形規制部材96,96を対応の第1空間48および第2空間50に収容してセットしたもとで、前記発泡体16の成形を行なうようになっている。これは、実施例のエアアウトレット40が、前述したように、前記筒状本体部42の外周壁52を弾性変形可能としてあるため、前記発泡体16の発泡成形時に発生する発泡圧が前記表皮材14を介して該筒状本体部42に加わった際に、前記外周壁52が弾性変形するのを規制するためである。すなわち前記変形規制部材96は、前記発泡体16の発泡圧が前記エアアウトレット40に加わった際に、少なくとも前記筒状本体部42における外周壁52の変形する可能性のある部位に当接して支持する形状となっていればよい。なお、実施例の変形規制部材96は、その高さ寸法H1が、前記エアアウトレット40の高さ寸法H2と略同一に設定されている。
【0037】
前述のように形成された変形規制部材96,96を第1空間48および第2空間50へセットしたエアアウトレット40を、第1成形型102にセットする前の表皮材14の前記取付開口部18へセットする(図10(a))。このとき、取付開口部18は表皮材14が具有する柔軟性により形状が不安定となっているものの、前記各係合凸部64が前記対応の各係合凹部30に係合するため、エアアウトレット40は容易に脱落しない程度に保持力をもって該取付開口部18に保持される。そして、取付開口部18に対してエアアウトレット40のセットが完了したら、該エアアウトレット40と表皮材14とを、前記第1成形型102のセット面102Aにセットする(図10(b))。すなわちエアアウトレット40は、表皮材14にセットされて該表皮材14に対して位置決めされていて、第1成形型102のセット面102Aには直接的に固定されてはおらず、該セット面102Aに対する動きが許容された状態となっている。このため表皮材14は、セット面102Aにセットする際の位置決め箇所が少なくなるため、部分的な引張り或いは部分的な弛み等が殆ど発生することがなく、該セット面102Aに対して適切にセットされるようになる。
【0038】
なお、前記第1成形型102のセット面102Aに対する前記エアアウトレット40および表皮材14のセット手順は、先ず前記エアアウトレット40だけをセット面102Aに置き、次いで該エアアウトレット40を載置した該セット面102Aに対して前記表皮材14をセットするようにしてもよい。この場合でも、前記エアアウトレット40がセット面102A上を動くようになっているので、該セット面102Aに対する表皮材14の適切なセットが可能である。
【0039】
一方、予備成形した前記パネル基材12を、前記発泡成形型100における第2成形型104のセット面104Aにセットする(図12(a))。なお、パネル基材12における前記陥凹部22には、接着剤または両面テープ等を利用して、前記挿通口24を囲繞するように前記シール部材72を予め固定しておく。
【0040】
前記第1成形型102に対する表皮材14およびエアアウトレット40のセット作業と、前記第2成形型104に対する前記パネル基材12のセット作業が各々完了したら、第1成形型102に対して第2成形型104を近接移動させて発泡成形型100の型閉めを行なう(図13)。これにより前記シール部材72は、パネル基材12およびエアアウトレット40に密着した表皮材14により挟まれて圧縮的に変形し、前記挿通口24および挿通口28に臨む部位(取付開口部18に臨む部位)のシール状態を形成する(図14)。なお、発泡成形型100の型閉めが完了した状態では、前記挿通口24を介して突出した前記第2成形型104の凸部106が、エアアウトレット40にセットした前記変形規制部材96,96の上面に当接するようになり、該エアアウトレット40は第1成形型102のセット面102Aに軽く押付け固定されるように設定されている。
【0041】
そして、前記発泡成形型100の型閉めに先立ち、前記第1成形型102にセットした表皮材14の上面へ所定量の発泡材料を注入しておくことにより、型閉め後に該発泡材料の発泡反応が始まる。従って所要時間経過後には、図15に例示するように、発泡しながら膨張する発泡体16が、前記パネル基材12と表皮材14との間に画成された空間34内へ充満するようになる。このとき、前記取付開口部18に臨んだ部位は、前記シール部材72によりシールされているので、この部位から発泡体16が漏出することが好適に防止される(図16)。
【0042】
一方、発泡反応中の発泡体16が前記空間34内に充満すると、該発泡体16の発泡圧が、表皮材14に形成した取付開口部18に対しても全面的に付与されるようになる。しかしながら前記エアアウトレット40には、前記変形規制部材96,96を収容セットしてあるため、発泡体16の発泡圧が前記筒状本体部42の外周壁52に加わっても、該外周壁52の撓曲的な弾性変形が好適に規制される。従って取付開口部18は、変形が規制されているエアアウトレット40における筒状本体部42の外周壁52および前面パネル部44の外部周縁56へ全面的に押付けられて密着するようになり、表皮材14とエアアウトレット40との間には隙間が何等画成されなくなる。殊に、図16に例示するように、発泡体16の発泡圧が前記表皮綾縁部32にも付与されるため、前記部品綾縁部58と該表皮綾縁部32との密着度合が向上するようになり、エアアウトレット40と表皮材14との境界部が隙間なく無段差状態(連続状態)で整列するようになる。
【0043】
従って前記発泡体16は、前記取付開口部18を前記エアアウトレット40の外面へ全面的に押付けた状態で硬化するようになり、該取付開口部18にセットされた該エアアウトレット40は、実質的には硬化した発泡体16により支持されるようになる。これによりエアアウトレット40は、前記各々の係合凸部64が対応の各々係合凹部30に係合した状態となると共に、前記前面パネル部44の部品綾縁部58と前記表皮綾縁部32とが密着的に整合するようになるので、該取付開口部18に対して何等がたつくことなく適切に収容保持される。
【0044】
前記発泡体16の成形作業およびエアアウトレット40の装着作業が完了したら、前記発泡成形型100を型開きして第2成形型104を第1成形型102から離間させ、成形されたインストルメントパネル10の脱型作業を行なう(図17)。そして、前記エアアウトレット40の第1空間48および第2空間50に収容セットしてあった前記各々の変形規制部材96,96を、前記挿通口28および挿通口24を介して取外すことで一連の作業が完了する。
【0045】
このように本実施例の成形方法では、エアアウトレット40の第1空間48および第2空間50内へ変形規制部材96,96を夫々収容してセットし、該変形規制部材96,96を前記筒状本体部42の外周壁52の内側に当接させてこれを支持したもとで、当該エアアウトレット40を取付開口部18にセットした表皮材14とパネル基材12との間で発泡体16を発泡成形するようにしたため、該発泡体16の発泡圧が前記エアアウトレット40に加わっても該エアアウトレット40の変形が規制される。従って、エアアウトレット40が正規の形状に保持された状態で前記発泡体16の硬化が完了するので、前記取付開口部18が適正な形状に形成されると共に、エアアウトレット40の適切な収容保持が図られるようになる。また、エアアウトレット40が変形した状態で前記発泡体16が硬化しないため、見栄えが悪くなったり表皮材14に皺等が形成されることもなく、よってインストルメントパネル10の質感低下を招来することもない。
【0046】
また図16に例示したように、エアアウトレット40が変形しないので前記取付開口部18も変形せず、よって前記シール部材72によるパネル基材12と表皮材14とのシール状態が適切に保持されるため、前記発泡体16の一部が前記取付開口部18の側へ漏出することがない。従って、発泡体16の漏出を起因として、取付開口部18の周辺部位が陥凹的に形成されることにより、インストルメントパネル10の質感低下を招来することもない。
【0047】
なお、前記第1空間48にセットされる前記変形規制部材96および第2空間50にセットされる前記変形規制部材96は、図11に例示した形状のものに限定されるものではなく、少なくとも前記筒状本体部42における外周壁52の変形する可能性のある部位に当接し得る形状となっていればよい。
【0048】
また前記実施例では、取付開口部18に収容保持される取付部品としてエアアウトレット40を例示したが、この取付部品はこれに限定されるものではなく、例えばオーナメント、前面パネル等の種々装飾部品等も対象とされる。
【0049】
また前記実施例では、発泡成形部材としてインストルメントパネル10を例示したが、この発泡成形部材はこれに限定されるものではなく、例えばフロアコンソール、ドアパネル、ピラーガーニッシュ等の種々の車両内装部材や、家具等の種々成形部材も対象とされる。
【0050】
更に前記実施例では、スプレー成形技術に基づいて成形される表皮材14を例示したが、この表皮材14はこれに限定されるものではなく、例えば公知のパウダースラッシュ成形技術に対応した表皮成形型を使用して成形された表皮材等も実施することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る発泡成形部材の成形方法によれば、取付部品の内側空間内へ変形規制部材セットし、該変形規制部材を本体部の内側に当接させてこれを支持したもとで、表皮材と基材との間で発泡体を発泡成形するようにしたため、該発泡体の発泡圧が当該取付部品に加わっても該取付部品の変形が好適に規制される。従って、取付部品が正規の形状に保持された状態で前記発泡体の硬化が完了するので、前記取付開口部が適正な形状に形成されると共に、取付部品の適切な収容保持が図られるようになる利点がある。また、取付部品が変形した状態で前記発泡体が硬化しないため、見栄えが悪くなったり表皮材に皺等が形成されることもなく、よって発泡成形部材の質感低下を招来することもない等の有益な効果を奏する。
【0052】
また、取付部品が変形することによりシール状態が不適切となって、発泡体の一部が取付開口部の側へ漏出することがないため、該発泡体の漏出を起因として、取付開口部の周辺部位が陥凹的に形成されることにより発泡成形部材の質感低下を招来することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る成形方法により成形されたインストルメントパネルの部分斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】(a)は、エアアウトレットを前側から見た概略斜視図であり、(b)は、該エアアウトレットを後側から見た概略斜視図である。
【図5】インストルメントパネルに設けた取付開口部に対してエアアウトレットが脱着可能であることを例示した斜視図である。
【図6】(a)は、取付開口部に収容保持されていたエアアウトレットを引張って取外す際の途中状態を示した説明断面図であり、(b)は、取付開口部からエアアウトレットを取外した状態を示した説明断面図である。
【図7】(a)は、エアアウトレットを取付開口部に装着するに際して位置決めした状態を示した説明断面図であり、(b)は、取付開口部へエアアウトレットを押込んで装着する際の途中状態を示した説明断面図である。
【図8】(a)は、表皮材を成形するための表皮成形型の構造を示した部分断面図であり、(b)は、要部拡大断面図である。
【図9】(a)は、図8(a)に例示した表皮成形型の表皮成形面へ発泡材料を吹付け塗布して表皮材を成形している状態を示した説明断面図であり、(b)は、成形された表皮材の不要部分を切除する状態を示した説明断面図である。
【図10】(a)は、取付開口部にエアアウトレットをセットした表皮材を、発泡成形型における第1成形型のセット面に装着する状態を示した説明断面図であり、(b)は、表皮材をセット面にセットした状態を示した説明断面図である。
【図11】発泡体の発泡成形に際して、エアアウトレットの空間に変形規制部材をセットすることを示した説明斜視図である。
【図12】発泡成形型における第2成形型のセット面にパネル基材を装着した後、該発泡成形型を型閉めすることを示した説明断面図である。
【図13】表皮材およびエアアウトレットをセットした第1成形型およびパネル基材をセットした第2成形型を近接移動させることで、発泡成形型を型閉めした状態を示した説明断面図である。
【図14】図13の部分拡大断面図である。
【図15】パネル基材と表皮材との間に画成された空間で発泡体を発泡成形した状態を示した説明断面図である。
【図16】図15の部分拡大断面図である。
【図17】発泡体の成形完了後に発泡成形型を型開きすることで、成形されたインストルメントパネルを脱型すると共に、エアアウトレットから変形規制部材を取外す状態を示した説明断面図である。
【図18】インストルメントパネルの部分斜視図である。
【図19】図18のX−X線断面図である。
【図20】図19の部分拡大図であって、発泡体の発泡成形時の発泡圧により、エアアウトレットの筒状本体部が変形した状態で該発泡体が硬化してしまう不都合を示している。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(発泡成形部材)
12 パネル基材(基材)
14 表皮材
16 発泡体
18 取付開口部
40 エアアウトレット(取付部品)
42 筒状本体部(本体部)
48 第1空間(内側空間)
50 第2空間(内側空間)
96 変形規制部材
H1 高さ寸法(変形規制部材の)
H2 高さ寸法(取付部品の)
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡成形部材の成形方法に関し、更に詳細には、所要形状に成形した基材と、枠体状を呈する取付部品を設置するための取付開口部を設けた表皮材との間で、発泡材料を発泡させて発泡体を成形するに際し、予め前記取付部品を前記取付開口部にセットしておくようにした発泡成形部材の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両における乗員室内には、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアパネル、ピラーガーニッシュ等をはじめとする種々の車両内装部材が設置されている。例えばインストルメントパネル10は、図18に部分的に例示するように、所要形状に成形した合成樹脂製のパネル基材(基材)12の外側に、所要形状に成形した合成樹脂製の表皮材14を配設すると共に、これらパネル基材12および表皮材14の間に弾力性を有するウレタンフォーム等の発泡体16を介在させた3層構造のものが実施されている。このような3層構造のインストルメントパネル10は、パネル基材12と表皮材14との間で成形した発泡体16を有していることから、一般的には「発泡成形部材」と称することができる。但し、インストルメントパネル10は、前述した3層構造タイプだけでなく、前記発泡体16を有さない2層構造タイプや、該発泡体16および前記表皮材14を有さない単層構造タイプも実施されている。
【0003】
また、前記インストルメントパネル10の外面所要位置には、該パネル10に装着される取付部品の1つであって、乗員室の前方等に搭載したエアコンユニット(図示せず)とダクトDを介して連通接続されるエアアウトレット40が、所要数設置されるようになっている。このエアアウトレット40は、矩形、円形たまは楕円形等の枠体形状に形成された合成樹脂製の成形部材であって、前記エアコンユニットから送出される調温空気を、乗員室内の後方側に向けて吹出し案内するために供される(図18では、矩形枠体形状を呈したエアアウトレットを例示している)。従って前記インストルメントパネル10には、前記エアアウトレット40を収容保持するための取付開口部(設置部)18が、前記表皮材14および発泡体16により開設されている(図19、図20)。
【0004】
ここで、発泡成形部材である3層構造の前記インストルメントパネル10を製造するには、従前の製造方法によれば、先ず予備成形したパネル基材12および表皮材14の間で発泡体16を発泡成形し、この際に形成された前記取付開口部18に対して取付部品としての前記エアアウトレット40を後付け装着するようになっており、発泡体16の発泡成形工程とエアアウトレット40の装着工程とが各々別工程とされていた。しかしながら近年に至っては、予備成形した前記表皮材14に形成された前記取付開口部18へ前記エアアウトレット40を予めセットしたもとで、前記パネル基材12および該表皮材14の間において前記発泡体16を発泡成形するようにして、発泡体16の発泡成形工程とエアアウトレット40の装着工程とを同一工程で同時に行なう製造方法も採用されている。なお、後者の製造方法に関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実公平06−14984号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記エアアウトレット40は、枠体形状(筒体形状)に形成された筒状本体部42を前記取付開口部18内へ収容することで該取付開口部18に収容保持されるようになっており、該筒状本体部42が風向制御板等で内側から支持されない構造となっている場合や、該筒状本体部42の壁厚が小さく(薄く)設定されている場合には、外側から外力が加わると比較的容易に変形してしまう。このため図20に例示するように、前記表皮材14に形成した取付開口部18へ前記エアアウトレット40をセットしたもとで、発泡成形金型100により前記発泡体16の成形を行なう場合には、発泡反応中の発泡体16による発泡圧が前記表皮材14を介して直接的に作用して、前記筒状本体部42が内側へ湾曲的に変形するようになる。このように、エアアウトレット40が変形した状態のままで前記発泡体16が硬化する場合には、前記取付開口部18の形状が変形してしまうばかりか、見栄えが悪くなったり表皮材14に皺等が形成され、インストルメントパネル10の質感低下を招来する問題が発生していた。殊に、前記エアアウトレット40の設置位置は、インストルメントパネル10の前面側であって乗員席側から常に視認可能な部位であるから、該エアアウトレット40の設置態様がインストルメントパネル10の質感を大きく左右することになる。
【0007】
また場合によっては、パネル基材12と表皮材14とのシール状態が不適切となり、前記発泡体16の一部が前記取付開口部18の側へ漏出する不都合が発生することもある。このように、エアアウトレット40が変形することでシール状態が不適切となり、発泡体16の一部が取付開口部18の側へ漏出するようになると、図20に例示したように、該取付開口部18の周辺部位が陥凹的に形成されるようになり、これによりインストルメントパネル10の質感の低下を招来することもあり得る。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、枠体形状を呈する付属部品の内側に変形規制部材をセットしたもとで発泡体の発泡成形を行なうことで、該発泡体の発泡圧が加わっても該付属部品の変形を規制するようにした発泡成形部材の成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、所要形状に成形した基材と、枠体形状を呈する取付部品を設置するための取付開口部を設けた表皮材との間で、発泡材料を発泡させて発泡体を成形するに際し、予め前記取付部品を前記取付開口部にセットしておくようにした発泡成形部材の成形方法において、
前記取付部品における本体部の内側に当接可能な形状に形成した変形規制部材を、該取付部品の内側空間へセットしておき、
前記発泡体の発泡反応時に発生する発泡圧が前記表皮材を介して前記取付部品に加わった際に、前記変形規制部材により前記本体部の変形を規制したもとで該本体部の外側へ該表皮材を密着させ、これにより前記取付開口部に対する前記取付部品の収容保持を行なうようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る発泡成形部材の成形方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、発泡成形部材として前記3層構造のインストルメントパネル10を例示し、また取付部品として該インストルメントパネル10に開設した取付開口部18に装着される前記エアアウトレット40を例示する。従って、図18〜図20を基に説明した従来技術の項で既出の部材と同一部材は、同一の符号を付して説明する。
【0011】
図1は、本発明の好適実施例に係る発泡成形部材の成形方法により成形されたインストルメントパネル10の部分斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図である。実施例のインストルメントパネル10は、基本的には図18に例示した従来のものと同一構造であって、所要形状に成形したパネル基材(基材)12と、所要形状に成形した表皮材14と、これらパネル基材12および表皮材14で画成された空間内で発泡して介在させた発泡体16とから構成されている。そして、インストルメントパネル10の所要部位には、別体をなす前記エアアウトレット40を前側から収容保持する取付開口部18が開設されている。
【0012】
前記パネル基材12は、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂素材を、例えば図示しない基材成形型を使用してインジェクション成形した樹脂成形部材であって、当該インストルメントパネル10の意匠形状を考慮した外面形状に形成されている。そして、前記取付開口部18に対する対応部位には、該取付開口部18より一回り大きな輪郭形状で略台形状に陥凹した陥凹部22が形成されており、また該陥凹部22の底部には、前記ダクトDの先端部の挿通を許容する略矩形状の挿通口24が形成されている。なお前記陥凹部22において、前記挿通口24に周囲に臨むようになる周辺部位は、適度の角度が付与された傾斜状態で前記取付開口部18の周囲に臨んでおり、後述するように、該取付開口部18に装着したエアアウトレット40に前側から押圧力が加わった際に、該エアアウトレット40が後方側へ変位するのを防止するよう機能する支持壁部26とされている。
【0013】
前記表皮材14は、図8(a)に例示した電鋳技術により製作された表皮成形型(電鋳型)80を使用して、例えば図9(a)に例示するようにスプレー成形技術に基づいて成形されたウレタン製であって、全体的には1mm程度の均一な厚みに成形されていて柔軟性を有していると共に、表面には本革等に似せたシボ模様が形成されている。そして、前記エアアウトレット40の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状とされた前記取付開口部18が、所要位置に略矩形状に陥設されている。また前記取付開口部18の底部は、パネル基材12に形成した前記陥凹部22に臨んでおり、前記挿通口24に整合する略矩形状の挿通口28が形成されている。更に、取付開口部18における上壁部分、下壁部分および左・右側壁部分の各々には、エアアウトレット40に突設した後述の係合凸部(第1係合部)64が対応的に整合する2組ずつの係合凹部(第2係合部)30が、前記発泡体16へ突入して食い込んだ状態で形成されている。一方、前記表皮材14に開設された前記取付開口部18における外部周縁20は、その全周に亘って角張らせた表皮綾縁部32として形成されており、エッジが効いたシャープな形状となっている。
【0014】
前記表皮材14を成形するために製作された前記表皮成形型80は、前記インストルメントパネル10の外面意匠形状を反転した形状の表皮成形面82を有し、かつ該表皮成形面82の所要位置には、前記取付開口部18の形状を反転した外部輪郭形状の凸部84が突設されている。すなわち前記凸部84は、前記エアアウトレット40の外部輪郭形状と同一輪郭形状に突設されており、前記係合凹部30を形成するための突出部86が側面に突設されている。そして、前記凸部84の上面には、図8(b)に例示したように、前記挿通口28の輪郭形状に合致するよう突出した突片88が延設されており、表皮材14に一体成形された取付開口部18の底部に薄肉の切断予定ラインを形成するようになっている(図9(a))。更に、前記凸部84と表皮成形面82との境界部に延在する基部輪郭縁90は、図8(b)に例示したように角張らせた凹角形状に形成してあり、これにより前記取付開口部18における外部周縁20を、角張らせた前記表皮綾縁部32として形成することが可能となっている。なお、表皮成形面82および凸部84の裏側には、該表皮成形面82の温度制御を図るために供される温調パイプ92が配管されている。
【0015】
従って前記表皮材14は、図9(a)に例示したように、表皮成形型80の表皮成形面82および凸部84に対してスプレーガンSGで発泡材料(ポリウレタン等)Uを吹付け塗布し、この発泡材料Uが硬化することで成形される。従って、成形された表皮材14の所要位置には、前記凸部84の外部輪郭形状が反転された取付開口部18が一体的に形成されると共に、該取付開口部18における外部周縁20は、前記基部輪郭縁90により角張った表皮綾縁部32として形成される。また、前記突片88により形成された切断予定ラインに沿って切れ目を入れ、その内側の不要部分を表皮材14から切除することにより、取付開口部18の底面に前記挿通口28が形成される。
【0016】
前記発泡体16は、図15等に例示した発泡成形型100を利用して発泡成形される。具体的な成形方法は後述するが、発泡成形型100の第1成形型102に前記表皮材14およびエアアウトレット40をセットすると共に、該発泡成形型100の第2成形型104に前記パネル基材12をセットし、このもとで第1成形型102および第2成形型104を型閉めした際にパネル基材12と表皮材14との間に画成される空間34内で発泡材料を発泡・硬化させて成形したものである(図13、図15)。このような発泡体16は、5〜10mm程度の厚みに形成されているので適度の弾力性を有しており、表皮材14の適宜位置を外側から指先等で押圧すると当該押圧部位が適宜陥凹的に弾性変形するようになり、インストルメントパネル10の触感向上に寄与する。
【0017】
実施例のエアアウトレット40は、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂素材を、図示しない成形型を使用してインジェクション成形した樹脂成形部材であって、図4(a)および図4(b)に例示するように、略矩形筒体状に形成されて前記取付開口部18の内側へ収容される筒状本体部(本体部)42と、略矩形枠形状に形成されて該取付開口部18の前側に露出する前面パネル部44とを一体成形した構造となっている。すなわち実施例のエアアウトレット40は、縦フィンおよび/または横フィンからなる風向制御板74や風量調節用の風量ダイヤル76を、前記筒状本体部42内に配設して構成されたユニット構造としたものではなく、前記取付開口部18の質感向上を図るための所謂装飾部材となっている。なお、図1および図2に図示した風向制御板74および風量ダイヤル76は、前記ダクトDの先端内側に配設されており、前記筒状本体部42内へ該ダクトDを臨ませた際に、前記前面パネル部44に形成した空気吹出口60および操作口62へ各々臨むようになっている。
【0018】
前記筒状本体部42は、垂直に延在するように形成された仕切壁46により、内部が前記ダクトDの先端部が整合する第1空間(内側空間)48と、該ダクトDに装備される前記風量ダイヤル76に整合する第2空間(内側空間)50とに区画されている。また、筒状本体部42を形成する外周壁52における少なくとも一部、具体的には該外周壁52における上部および下部が、後方側に向けて適宜角度で傾斜した傾斜壁部54とされており、当該筒状本体部42の縦サイズは後方に向かって徐々に小さくなっている。なお外周壁52は、何れの部位でも厚みが1mm以下に設定されており、厚み方向(前記第1空間48または第2空間50の側)への撓曲的な弾性変形が可能に形成されている。
【0019】
前記前面パネル部44は、前記筒状本体部42よりも一回り大きく設定されていて、該筒状本体部42の外周縁より1〜2mm程度突出しており、かつ前記取付開口部18の開口形状・サイズと同一の形状・サイズに形成されている。また、エアアウトレット40を前記取付開口部18に取付けた際に、該取付開口部18から前側を指向するようになる前記前面パネル部44の外部周縁56を、角張らせた部品綾縁部58として形成してあり、当該前面パネル部44の前側はエッジが効いてシャープな形状となっている。なお、前記空気吹出口60は前記第1空間48に対応した領域に形成されている一方、前記操作口62は前記第2空間50に対応した領域に形成されている。
【0020】
前記筒状本体部42を形成する外周壁52には、図4(a)および図4(b)に例示した如く、その上面、下面、左側面および右側面の各々に、夫々2組ずつの係合凸部64が突設されている。各々の係合凸部64は、所要間隔(1mm程度)毎に突設した複数(実施例では3枚)のリブ片66から構成されており、前記表皮材14に形成した対応の係合凹部30に対してこれら3枚のリブ片66が同時に係合するようになっている。そして、前記各係合凸部64には、前記各リブ片66毎に、前記取付開口部18に対する当該エアアウトレット40の装着方向(後側)を指向した第1傾斜面68と、該取付開口部18に対する当該エアアウトレット40の離脱方向(前側)を指向した第2傾斜面70とを有しており、側方からみた形状は略三角形となっている。
【0021】
前記取付開口部18に形成した前記各々の係合凹部30は、対応する前記係合凸部64の形状に合致した形状に形成されており、該係合凸部64の第1傾斜面68に整合する第1傾斜受面36と、第2傾斜面70に合致する第2傾斜受面38とを有している。そして各々の係合凹部30は、前述したように前記発泡体16に突入した状態となっているため、該発泡体16にが具有する弾力性を伴って形状保持されている。
【0022】
従って、実施例のインストルメントパネル10では、図2および図3に例示したように、前記エアアウトレット40に突設した各々の係合凸部64が、取付開口部18に陥設した各々の係合凹部30へ対応的に係合することで、該取付開口部18に対する該エアアウトレット40の安定的な取付けが図られるようになっている。そして、取付開口部18に対する収容保持位置(定位置)へ前記エアアウトレット40が収容されている状態では、前記前面パネル部44に形成された前記部品綾縁部58が、該取付開口部18における表皮綾縁部32へ密着的に整合するようになり、当該エアアウトレット40と取付開口部18との境界部が隙間なく無段差状態で整列するよう構成されている。また、前記部品綾縁部58が前記表皮綾縁部32へ密着的に整合した際には、エアアウトレット40の前面パネル部44における前面40Aが前記表皮材14の外面14Aに一致するように設定されており、該エアアウトレット40が表皮材14より前方へ突出した状態または後方へ後退したした状態にならないので、インストルメントパネル10の質感向上が図られるようになっている。
【0023】
なお、前記表皮綾縁部32が前記部品綾縁部58に密着的に整合するのは、後述するように、前記発泡体16の発泡成形時に発生する発泡圧を該表皮綾縁部32に付与させることで実現され(図16)、これによりこれら部品綾縁部58と表皮綾縁部32との密着度合が好適に向上するようになっている。
【0024】
すなわち実施例のインストルメントパネル10では、前記表皮材14に開設された前記取付開口部18における外部周縁20を、角張らせた表皮綾縁部32として形成すると共に、前記エアアウトレット40の前面パネル部44における外部周縁56を、同じく角張らせた部品綾縁部58として形成したことにより、該エアアウトレット40の前面パネル部44における前面40Aが前記表皮材14の外面に一致するように収容保持位置を設定しても、前記部品綾縁部58と前記表皮綾縁部32とを密着的に整合させることが可能となる。従って、これらエアアウトレット40と取付開口部18との境界部に溝が画成されることがないと共に、該エアアウトレット40の前面40Aおよび表皮材14の外面14Aに段差が形成されることがないので、インストルメントパネル10の質感向上を図り得る。また、取付開口部18の外部周縁20が全く露出しないため、該外部周縁20に沿って汚れが付着したり損耗による表面剥離が起こることもなく、インストルメントパネル10の美観を損ねることもない。
【0025】
また、実施例のインストルメントパネル10では、▲1▼エアアウトレット40における筒状本体部42の外周壁52が撓曲的に弾性変形可能である、▲2▼取付開口部18の周囲に臨む発泡体16が適度の弾力性を有しているため、該取付開口部18が弾性変形可能である、▲3▼前記各々の係合凸部64に第1傾斜面68および第2傾斜面70を形成したこと、等の諸条件のもとに、取付開口部18に対するエアアウトレット40の脱着を許容するようになっている。そこで次に、エアアウトレット40の脱着態様につき簡単に説明する。
【0026】
先ず、前記取付開口部18に収容保持して装着されているエアアウトレット40を取外す場合には、前記前面パネル部44における空気吹出口60の内周縁等を把持しながら、該エアアウトレット40をインストルメントパネル10の前側へ強く引張ればよい。このとき、前記各係合凸部64の前記第2傾斜面70と対応の各係合凹部30の第2傾斜受面38との摺接作用に基づき、前記外周壁52の内側への弾性変形および前記発泡体16の圧縮的な弾性変形が各々発現するようになり、前記各係合凸部64は対応の各係合凹部30から脱離するようになる(図6(a))。これにより、エアアウトレット40が前側へ移動することが許容され、取付開口部18に対するエアアウトレット40の取外しが可能となる(図6(b))。但し、前記外周壁52の内側への弾性変形だけが発現してもエアアウトレット40の取外しが可能な場合もあり、また前記発泡体16の圧縮的な弾性変形だけが発現しても該エアアウトレット40の取外しが可能な場合もある。
【0027】
一方、エアアウトレット40を前記取付開口部18に装着する場合には、筒状本体部42の後側を取付開口部18に整合させたもとで(図7(a))、該エアアウトレット40をインストルメントパネルの後側へ強く押し込めばよい。このとき、取付開口部18の前縁に接触した前記各係合凸部64の前記第1傾斜面68に押圧力が作用することに基づき、前記外周壁52の内側への弾性変形および前記発泡体16の圧縮的な弾性変形が各々発現するようになり、各係合凸部64が取付開口部18の内側に接触するようになる(図7(b))。これにより、エアアウトレット40が後側へ移動することが許容され、各係合凸部64が対応の各係合凹部30へ係合することで、取付開口部18の収容保持位置に対するエアアウトレット40の装着が可能となる。但し、前記外周壁52の内側への弾性変形だけが発現してもエアアウトレット40の装着が可能な場合もあり、また前記発泡体16の圧縮的な弾性変形だけが発現しても該エアアウトレット40の装着が可能な場合もある。
【0028】
このように実施例のインストルメントパネル10では、該インストルメントパネル10に形成した取付開口部18に対するエアアウトレット40の脱着が可能となっているため、例えば前記風向制御板74や風量ダイヤル76等の破損または作動不良が発生した際に、これらの修理または部品交換作業を簡易に行ない得るようになる。また、前記エアアウトレット40の空気吹出口60からダクトD内へ入り込んでしまった小間物(硬貨、指輪、カード等)を取出すことが可能となると共に、該ダクトD内の掃除やメンテナンス等も可能である。一方、エアアウトレット40の筒状本体部42を弾性変形可能に形成してあるため、取付開口部18に対する脱着作業を容易になし得る。また、エアアウトレット40に形成した各係合凸部64を複数のリブ片66から構成してあるため、対応の係合凹部30に対する当接面積が増加して係合力が増大するようになる。従って、エアアウトレット40の脱着作業に際しては、取付開口部18(表皮材14)の内側に対して広い面積で当接するようになるため、該表皮材14への局部的な食込みによる裂けや皺等が形成されることも防止し得る。
【0029】
また、実施例のインストルメントパネル10では、図3から明らかなように、前記エアアウトレット40の外周壁52における上・下部に設けた前記傾斜壁部54に対して、取付開口部18に臨んでいるパネル基材12の前記支持壁部26が、該傾斜壁部54の後方側へ適宜間隔をおいてオーバーラップするように延出している。そして、パネル基材12に設けた前記陥凹部22が略ハ字形状の縦断側面形状を呈していると共に、同様にエアアウトレット40の筒状本体部42も略ハ字形状の縦断側面形状を呈しているので、前記支持壁部26に対して前記傾斜壁部54が、パネル基材12後方側へ傾斜した状態で対面的に位置している。このため、前記取付開口部18に収容保持された前記エアアウトレット40が前側から押圧された際(図3の矢印方向から押圧された際)には、前記傾斜壁部54に作用する押圧力を前記支持壁部26で受けることで、該エアアウトレット40が後方側(図3の左方向)へ変位すること(インストルメントパネル10の外面から陥没するように変位すること)を防止し得るようになっている。
【0030】
すなわち、実施例のインストルメントパネル10では、例えば乗員が乗降するに際してエアアウトレット40を手で押圧してしまった場合等、前記取付開口部18に収容保持されている該エアアウトレット40が前側から押圧されたとしても、その押圧力が前記パネル基材12の支持壁部26で受け止められるようになっているため、該エアアウトレット40が後方側へ変位する不都合を好適に回避し得る。従って、インストルメントパネル10が乗員室内に設置された実施期間において、前記エアアウトレット40が陥没してしまう不都合が発生することを防止できる。
【0031】
なお、図2および図3等の表示した符号72はシール部材であって、前記パネル基材12と表皮材14との間で前記発泡体16を発泡成形する際に、取付開口部18に臨む部位のシールを行なって該発泡体16の漏出を防止するためのものである。このシール部材72は、後述するように、発泡体16の成形工程に先立ち、例えばパネル基材12に対して接着剤または両面テープ等を利用して取着される。
【0032】
図示しないエアコンユニットに連結される前記ダクトDは、図2に例示したように、その先端部内側に前記風向制御板74を揺動可能に支持すると共に、その先端外側に前記風量ダイヤル76を回動可能に支持して構成されている。このようなダクトDは、パネル基材12に形成した前記挿通口24を介してエアアウトレット40の筒状本体部42における第1空間48内へ先端部を突入することで該エアアウトレット40に連結され、これにより前記風向制御板74が前記空気吹出口60に臨むようになると共に、前記風量ダイヤル76が前記操作口62へ臨むようになる。
【0033】
(インストルメントパネルの成形方法)
次に、前述のように構成された本実施例に係るインストルメントパネル10の成形方法につき、図9〜図17を引用して概略的に説明する。本実施例のインストルメントパネル10では、前述したように、予備成形した前記表皮材14に一体成形された前記取付開口部18へ前記エアアウトレット40を予めセットしたもとで、該表皮材14および前記パネル基材12の間において前記発泡体16を発泡成形するようにして、発泡体16の発泡成形工程とエアアウトレット40の装着工程とを、同一工程で同時に行なうことで成形するようになっている。
【0034】
前記パネル基材12は、前述したように、図示しない成形型を使用した前工程においてインジェクション成形され、この成形工程において前記陥凹部22および挿通口24が同時に成形される。またエアアウトレット40は、図示しない成形型を使用した前工程においてインジェクション成形され、この成形工程において前記前面パネル部44における外部周縁56を角張らせた部品綾縁部58として形成する一方、筒状本体部42における外周壁52の上・下部を傾斜壁部54として形成し、更に該外周壁52の外面所要位置に前記各係合凸部64を同時に形成する。
【0035】
一方、前記表皮材14は、前述すると共に図9(a)に例示したように、表皮成形型80における凸部84を突設した表皮成形面82に対し、スプレーガンSGで発泡材料(ポリウレタン等)Uを吹付け塗布して、該発泡材料Uを硬化させることで成形される。これにより成形された表皮材14には、前記凸部84の外部輪郭形状が反転された前記取付開口部18が一体に形成され、かつ該取付開口部18における外部周縁20が角張った表皮綾縁部32として形成される。そして図9(b)に例示したように、切断予定ラインに沿って切れ目を入れ、その内側の不要部分を表皮材14から切除することにより、取付開口部18の底面に挿通口28を形成する。
【0036】
前工程において予備成形されたエアアウトレット40、表皮材14およびパネル基材12を、前記発泡体16を発泡成形するための発泡成形型100にセットする。ここで、本実施例の成形方法における前記発泡体16の成形工程では、図10および図11に例示するように、前記エアアウトレット40の第1空間48および第2空間50内に収容可能で、前記外周壁52を内側から当接支持可能な形状に形成した変形規制部材96,96を準備し、これら変形規制部材96,96を対応の第1空間48および第2空間50に収容してセットしたもとで、前記発泡体16の成形を行なうようになっている。これは、実施例のエアアウトレット40が、前述したように、前記筒状本体部42の外周壁52を弾性変形可能としてあるため、前記発泡体16の発泡成形時に発生する発泡圧が前記表皮材14を介して該筒状本体部42に加わった際に、前記外周壁52が弾性変形するのを規制するためである。すなわち前記変形規制部材96は、前記発泡体16の発泡圧が前記エアアウトレット40に加わった際に、少なくとも前記筒状本体部42における外周壁52の変形する可能性のある部位に当接して支持する形状となっていればよい。なお、実施例の変形規制部材96は、その高さ寸法H1が、前記エアアウトレット40の高さ寸法H2と略同一に設定されている。
【0037】
前述のように形成された変形規制部材96,96を第1空間48および第2空間50へセットしたエアアウトレット40を、第1成形型102にセットする前の表皮材14の前記取付開口部18へセットする(図10(a))。このとき、取付開口部18は表皮材14が具有する柔軟性により形状が不安定となっているものの、前記各係合凸部64が前記対応の各係合凹部30に係合するため、エアアウトレット40は容易に脱落しない程度に保持力をもって該取付開口部18に保持される。そして、取付開口部18に対してエアアウトレット40のセットが完了したら、該エアアウトレット40と表皮材14とを、前記第1成形型102のセット面102Aにセットする(図10(b))。すなわちエアアウトレット40は、表皮材14にセットされて該表皮材14に対して位置決めされていて、第1成形型102のセット面102Aには直接的に固定されてはおらず、該セット面102Aに対する動きが許容された状態となっている。このため表皮材14は、セット面102Aにセットする際の位置決め箇所が少なくなるため、部分的な引張り或いは部分的な弛み等が殆ど発生することがなく、該セット面102Aに対して適切にセットされるようになる。
【0038】
なお、前記第1成形型102のセット面102Aに対する前記エアアウトレット40および表皮材14のセット手順は、先ず前記エアアウトレット40だけをセット面102Aに置き、次いで該エアアウトレット40を載置した該セット面102Aに対して前記表皮材14をセットするようにしてもよい。この場合でも、前記エアアウトレット40がセット面102A上を動くようになっているので、該セット面102Aに対する表皮材14の適切なセットが可能である。
【0039】
一方、予備成形した前記パネル基材12を、前記発泡成形型100における第2成形型104のセット面104Aにセットする(図12(a))。なお、パネル基材12における前記陥凹部22には、接着剤または両面テープ等を利用して、前記挿通口24を囲繞するように前記シール部材72を予め固定しておく。
【0040】
前記第1成形型102に対する表皮材14およびエアアウトレット40のセット作業と、前記第2成形型104に対する前記パネル基材12のセット作業が各々完了したら、第1成形型102に対して第2成形型104を近接移動させて発泡成形型100の型閉めを行なう(図13)。これにより前記シール部材72は、パネル基材12およびエアアウトレット40に密着した表皮材14により挟まれて圧縮的に変形し、前記挿通口24および挿通口28に臨む部位(取付開口部18に臨む部位)のシール状態を形成する(図14)。なお、発泡成形型100の型閉めが完了した状態では、前記挿通口24を介して突出した前記第2成形型104の凸部106が、エアアウトレット40にセットした前記変形規制部材96,96の上面に当接するようになり、該エアアウトレット40は第1成形型102のセット面102Aに軽く押付け固定されるように設定されている。
【0041】
そして、前記発泡成形型100の型閉めに先立ち、前記第1成形型102にセットした表皮材14の上面へ所定量の発泡材料を注入しておくことにより、型閉め後に該発泡材料の発泡反応が始まる。従って所要時間経過後には、図15に例示するように、発泡しながら膨張する発泡体16が、前記パネル基材12と表皮材14との間に画成された空間34内へ充満するようになる。このとき、前記取付開口部18に臨んだ部位は、前記シール部材72によりシールされているので、この部位から発泡体16が漏出することが好適に防止される(図16)。
【0042】
一方、発泡反応中の発泡体16が前記空間34内に充満すると、該発泡体16の発泡圧が、表皮材14に形成した取付開口部18に対しても全面的に付与されるようになる。しかしながら前記エアアウトレット40には、前記変形規制部材96,96を収容セットしてあるため、発泡体16の発泡圧が前記筒状本体部42の外周壁52に加わっても、該外周壁52の撓曲的な弾性変形が好適に規制される。従って取付開口部18は、変形が規制されているエアアウトレット40における筒状本体部42の外周壁52および前面パネル部44の外部周縁56へ全面的に押付けられて密着するようになり、表皮材14とエアアウトレット40との間には隙間が何等画成されなくなる。殊に、図16に例示するように、発泡体16の発泡圧が前記表皮綾縁部32にも付与されるため、前記部品綾縁部58と該表皮綾縁部32との密着度合が向上するようになり、エアアウトレット40と表皮材14との境界部が隙間なく無段差状態(連続状態)で整列するようになる。
【0043】
従って前記発泡体16は、前記取付開口部18を前記エアアウトレット40の外面へ全面的に押付けた状態で硬化するようになり、該取付開口部18にセットされた該エアアウトレット40は、実質的には硬化した発泡体16により支持されるようになる。これによりエアアウトレット40は、前記各々の係合凸部64が対応の各々係合凹部30に係合した状態となると共に、前記前面パネル部44の部品綾縁部58と前記表皮綾縁部32とが密着的に整合するようになるので、該取付開口部18に対して何等がたつくことなく適切に収容保持される。
【0044】
前記発泡体16の成形作業およびエアアウトレット40の装着作業が完了したら、前記発泡成形型100を型開きして第2成形型104を第1成形型102から離間させ、成形されたインストルメントパネル10の脱型作業を行なう(図17)。そして、前記エアアウトレット40の第1空間48および第2空間50に収容セットしてあった前記各々の変形規制部材96,96を、前記挿通口28および挿通口24を介して取外すことで一連の作業が完了する。
【0045】
このように本実施例の成形方法では、エアアウトレット40の第1空間48および第2空間50内へ変形規制部材96,96を夫々収容してセットし、該変形規制部材96,96を前記筒状本体部42の外周壁52の内側に当接させてこれを支持したもとで、当該エアアウトレット40を取付開口部18にセットした表皮材14とパネル基材12との間で発泡体16を発泡成形するようにしたため、該発泡体16の発泡圧が前記エアアウトレット40に加わっても該エアアウトレット40の変形が規制される。従って、エアアウトレット40が正規の形状に保持された状態で前記発泡体16の硬化が完了するので、前記取付開口部18が適正な形状に形成されると共に、エアアウトレット40の適切な収容保持が図られるようになる。また、エアアウトレット40が変形した状態で前記発泡体16が硬化しないため、見栄えが悪くなったり表皮材14に皺等が形成されることもなく、よってインストルメントパネル10の質感低下を招来することもない。
【0046】
また図16に例示したように、エアアウトレット40が変形しないので前記取付開口部18も変形せず、よって前記シール部材72によるパネル基材12と表皮材14とのシール状態が適切に保持されるため、前記発泡体16の一部が前記取付開口部18の側へ漏出することがない。従って、発泡体16の漏出を起因として、取付開口部18の周辺部位が陥凹的に形成されることにより、インストルメントパネル10の質感低下を招来することもない。
【0047】
なお、前記第1空間48にセットされる前記変形規制部材96および第2空間50にセットされる前記変形規制部材96は、図11に例示した形状のものに限定されるものではなく、少なくとも前記筒状本体部42における外周壁52の変形する可能性のある部位に当接し得る形状となっていればよい。
【0048】
また前記実施例では、取付開口部18に収容保持される取付部品としてエアアウトレット40を例示したが、この取付部品はこれに限定されるものではなく、例えばオーナメント、前面パネル等の種々装飾部品等も対象とされる。
【0049】
また前記実施例では、発泡成形部材としてインストルメントパネル10を例示したが、この発泡成形部材はこれに限定されるものではなく、例えばフロアコンソール、ドアパネル、ピラーガーニッシュ等の種々の車両内装部材や、家具等の種々成形部材も対象とされる。
【0050】
更に前記実施例では、スプレー成形技術に基づいて成形される表皮材14を例示したが、この表皮材14はこれに限定されるものではなく、例えば公知のパウダースラッシュ成形技術に対応した表皮成形型を使用して成形された表皮材等も実施することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る発泡成形部材の成形方法によれば、取付部品の内側空間内へ変形規制部材セットし、該変形規制部材を本体部の内側に当接させてこれを支持したもとで、表皮材と基材との間で発泡体を発泡成形するようにしたため、該発泡体の発泡圧が当該取付部品に加わっても該取付部品の変形が好適に規制される。従って、取付部品が正規の形状に保持された状態で前記発泡体の硬化が完了するので、前記取付開口部が適正な形状に形成されると共に、取付部品の適切な収容保持が図られるようになる利点がある。また、取付部品が変形した状態で前記発泡体が硬化しないため、見栄えが悪くなったり表皮材に皺等が形成されることもなく、よって発泡成形部材の質感低下を招来することもない等の有益な効果を奏する。
【0052】
また、取付部品が変形することによりシール状態が不適切となって、発泡体の一部が取付開口部の側へ漏出することがないため、該発泡体の漏出を起因として、取付開口部の周辺部位が陥凹的に形成されることにより発泡成形部材の質感低下を招来することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る成形方法により成形されたインストルメントパネルの部分斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】(a)は、エアアウトレットを前側から見た概略斜視図であり、(b)は、該エアアウトレットを後側から見た概略斜視図である。
【図5】インストルメントパネルに設けた取付開口部に対してエアアウトレットが脱着可能であることを例示した斜視図である。
【図6】(a)は、取付開口部に収容保持されていたエアアウトレットを引張って取外す際の途中状態を示した説明断面図であり、(b)は、取付開口部からエアアウトレットを取外した状態を示した説明断面図である。
【図7】(a)は、エアアウトレットを取付開口部に装着するに際して位置決めした状態を示した説明断面図であり、(b)は、取付開口部へエアアウトレットを押込んで装着する際の途中状態を示した説明断面図である。
【図8】(a)は、表皮材を成形するための表皮成形型の構造を示した部分断面図であり、(b)は、要部拡大断面図である。
【図9】(a)は、図8(a)に例示した表皮成形型の表皮成形面へ発泡材料を吹付け塗布して表皮材を成形している状態を示した説明断面図であり、(b)は、成形された表皮材の不要部分を切除する状態を示した説明断面図である。
【図10】(a)は、取付開口部にエアアウトレットをセットした表皮材を、発泡成形型における第1成形型のセット面に装着する状態を示した説明断面図であり、(b)は、表皮材をセット面にセットした状態を示した説明断面図である。
【図11】発泡体の発泡成形に際して、エアアウトレットの空間に変形規制部材をセットすることを示した説明斜視図である。
【図12】発泡成形型における第2成形型のセット面にパネル基材を装着した後、該発泡成形型を型閉めすることを示した説明断面図である。
【図13】表皮材およびエアアウトレットをセットした第1成形型およびパネル基材をセットした第2成形型を近接移動させることで、発泡成形型を型閉めした状態を示した説明断面図である。
【図14】図13の部分拡大断面図である。
【図15】パネル基材と表皮材との間に画成された空間で発泡体を発泡成形した状態を示した説明断面図である。
【図16】図15の部分拡大断面図である。
【図17】発泡体の成形完了後に発泡成形型を型開きすることで、成形されたインストルメントパネルを脱型すると共に、エアアウトレットから変形規制部材を取外す状態を示した説明断面図である。
【図18】インストルメントパネルの部分斜視図である。
【図19】図18のX−X線断面図である。
【図20】図19の部分拡大図であって、発泡体の発泡成形時の発泡圧により、エアアウトレットの筒状本体部が変形した状態で該発泡体が硬化してしまう不都合を示している。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(発泡成形部材)
12 パネル基材(基材)
14 表皮材
16 発泡体
18 取付開口部
40 エアアウトレット(取付部品)
42 筒状本体部(本体部)
48 第1空間(内側空間)
50 第2空間(内側空間)
96 変形規制部材
H1 高さ寸法(変形規制部材の)
H2 高さ寸法(取付部品の)
Claims (5)
- 所要形状に成形した基材(12)と、枠体形状を呈する取付部品(40)を設置するための取付開口部(18)を設けた表皮材(14)との間で、発泡材料を発泡させて発泡体(16)を成形するに際し、予め前記取付部品(40)を前記取付開口部(18)にセットしておくようにした発泡成形部材(10)の成形方法において、
前記取付部品(40)における本体部(42)の内側に当接可能な形状に形成した変形規制部材(96,96)を、該取付部品(40)の内側空間(48,50)へセットしておき、
前記発泡体(16)の発泡反応時に発生する発泡圧が前記表皮材(14)を介して前記取付部品(40)に加わった際に、前記変形規制部材(96,96)により前記本体部(42)の変形を規制したもとで該本体部(42)の外側へ該表皮材(14)を密着させ、これにより前記取付開口部(18)に対する前記取付部品(40)の収容保持を行なうようにした
ことを特徴とする発泡成形部材の成形方法。 - 前記変形規制部材(96,96)は、前記発泡体(16)の発泡圧が前記取付部品(40)に加わった際に、少なくとも前記本体部(42)の変形する可能性のある部位に当接するようになっている請求項1記載の発泡成形部材の成形方法。
- 前記変形規制部材(96,96)の高さ寸法(H1)は、前記取付部品(40)の高さ寸法(H2)と略同一に設定されている請求項1または2記載の発泡成形部材の成形方法。
- 前記取付部品(40)は、前記取付開口部(18)に対して脱着可能に装着される請求項1〜3の何れかに記載の発泡成形部材の成形方法。
- 前記発泡成形部材(10)はインストルメントパネルであり、前記取付部品(40)はエアアウトレットである請求項1〜4の何れかに記載の発泡成形部材の成形方法。
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