JP2004350635A - 釣り用リールの電子回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁性能を維持しつつリール本体の大型化を防止するとともに、光センサの誤動作を生じにくくする。
【解決手段】スプール制御ユニット42は、両軸受リールのリール本体に配置されるユニットであって、回路基板70と、複数の電気部品と、絶縁被膜90とを備えている。回路基板は、リール本体の外壁に装着可能であり、少なくとも表面に印刷回路72aを有する基板である。複数の電気部品は、釣り用リールを制御プログラムにより制御するマイクロコンピュータ59並びにスプールの回転を制御するための投光部56c,及び受光部56dを有する1対の投受光型の光電センサ56a,56bを含み、印刷回路72aに電気的に接続されるように回路基板に配置された部品である。絶縁被膜90は、受光部の受光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで形成された遮光部と一体の被膜である。
【選択図】 図5B

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路装置、特に、リール本体とリール本体に回転自在に装着されたスプールとを有する釣り用リールのリール本体に配置される釣り用リールの電子回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣り用リールの電子回路装置として、リール本体に回転自在に装着されたスプールの糸繰り出し方向の回転を電子的に制御して制動する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。従来の電子回路装置は、リール本体の内部に設けられた回路基板と、マイクロコンピュータやスプールの回転速度等を検出する光センサとしてのフォトインタラプタを含み回路基板に配置された複数の電気部品とを備えている。スプールには、回転方向に並べて配置された複数の磁石が装着されており、回路基板には、磁石の内周に配置されたコイルが接続されている。
また、スプールが回転不能に装着されたスプール軸の端部には、フォトインタラプタで回転を検出するための放射状のスリットを有する検出円板が装着されている。検出円板はフォトインタラプタの隙間に挿入されている。このように電子回路装置をリール本体の内部に配置することにより、電子回路装置が水濡れしにくくなり絶縁不良が生じにくくなる。
【0003】
このような構成の前記従来の電子回路装置は、スプールが回転すると、光センサからの入力によりスプールの速度を検出し、検出した速度に応じて磁石とコイルとの作用によりコイルから発生する電流をマイクロコンピュータ内のメモリに格納された制御プログラムにより制御してスプールを制動している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−217478号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、光センサとしてのフォトインタラプタでスプールの回転を検出しているので、スプールの回転と連動する検出円板をフォトインタラプタの隙間に配置しなければならない。このため、フォトインタラプタの配置がスプール軸の近傍に制限される。そこで、絶縁被膜で回路基板を覆う場合、フォトインタラプタより配置の制限を緩和でき、かつ絶縁被膜も形成しやすい透過型や反射型の光センサを用いてスプールの回転を検出することが考えられる。
【0006】
しかし、上記のような光センサを回路基板に装着すると、光センサの受光部の周囲から受光部にスプールの回転に連動する光信号以外の外乱光が入射して光センサの受光部が誤動作するおそれがある。また、投光部及び受光部を有する反射型の光センサの場合は、基板の小型化を図るために投光部と受光部とを近接して配置すると、投光部から受光部に光が直接入射して光センサの受光部が誤動作するおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、受光部を有する光センサが装着された回路基板を有する電子回路装置において、光センサの受光部の誤動作を可及的に抑えることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの電子回路装置は、リール本体とリール本体に回転自在に装着されたスプールとを有する釣り用リールのリール本体に配置される装置であって、回路基板と、複数の電気部品と、遮光部とを備えている。回路基板は、リール本体の外壁に装着可能であり、少なくとも表面に印刷回路を有する基板である。複数の電気部品は、釣り用リールを制御プログラムにより制御するマイクロコンピュータ並びに前記スプールの回転を制御するための受光部を有する1又は複数の光センサを含み、印刷回路に電気的に接続されるように回路基板に配置された部品である。遮光部は、受光部の受光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで形成されたものである。
【0009】
この電子回路装置では、回路基板はリール本体の外壁に装着される。この回路基板にはマイクロコンピュータ並びにスプールの回転を制御するための受光部を有する1又は複数の光センサを含む複数の電気部品が配置されている。この受光部の受光部分の周囲は、先端が開口するように遮光部により筒状に囲まれている。ここでは、受光部の受光部分の周囲が遮光部により筒状に囲まれているので、外乱交が受光部に入射しにくくなり、制御に関連する光信号だけが受光部に入りやすくなる。このため、光センサの誤動作を可及的に抑えることができる。
【0010】
発明2に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1に記載の装置において、遮光部の内周側及び受光部の受光部分は撥水処理されている。この場合には、撥水処理により、筒状部分の内周面に水分が付着しても、水分が残留しにくくなる。したがって、水分の残留や水分中に含まれる不純物の析出による汚れを抑えることができ、それによる受光部分での受光効率の低下を抑えることができる。
【0011】
発明3に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1又は2に記載の装置において、光センサは、投光部をさらに有する投受光型の光電センサであり、遮光部は、投光部の投光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで形成されている。この場合には、投光部の投光部分も遮光されるので、投光部から受光部に光が直接入射するのを抑えてセンサの誤動作をさらに防止することができる。
【0012】
発明4に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明3に記載の装置において、遮光部の内周側及び投光部の投光部分は撥水処理されている。この場合には、撥水処理により、筒状部分の内周面に水分が付着しても、水分が残留しにくくなる。したがって、水分の残留や水分中に含まれる不純物の析出による汚れを抑えることができ、それによる投光部分での投光効率の低下を抑えることができる。
【0013】
発明5に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、回路基板の少なくとも一部を電気部品とともに覆う絶縁被覆をさらに備え、遮光部は絶縁被膜の一部を構成している。この場合には、絶縁被膜を形成することにより、回路基板をリール本体の外壁に装着しても絶縁性能を高く維持できるとともに、絶縁被膜と遮光部とを一体形成できるので、物に形成する場合に比べて構成が簡素になる。
【0014】
発明6に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明5に記載の装置において、絶縁被覆は、電気部品が装着された前記回路基板をセットした金型に樹脂基材を注入するホットメルトモールディング法により形成されている。この場合には、回路基板及びそれに配置された電気部品が低温、低圧力で実施されるホットメルトモールディング法により形成された絶縁被膜で覆われているので、電気部品を傷めることなく絶縁性能を高く維持できる。また、回路基板をリール本体の外壁に装着可能であるので、リール本体の大型化を防止できる。さらに、金型を用いたホットメルトモールディング法により絶縁被膜の寸法精度高く維持することができるとともに凹凸が少なくなり美観を高く維持できる。
【0015】
発明7に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明5又は6に記載の装置において、回路基板は、表裏両面に印刷回路を有しており、絶縁被膜は、表裏両面を覆うように形成されている。この場合には、回路基板の表裏両面に電気部品を配置できるので装置をコンパクトにできるとともに、表裏両面を絶縁被膜で覆うので、絶縁性能をさらに高めることができる。
【0016】
発明8に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1から7のいずれかに記載の装置において、釣り用リールは、リール本体と、スプールと、スプールの回転軸に回転不能に装着されスプールに連動して回転し回転方向に複数の磁極を有する磁石とを有する両軸受リールであり、磁石の周囲に配置され印刷回路に接続される複数のコイルをさらに備え、マイクロコンピュータは、制御プログラムにより光センサからの出力に応じてコイルと磁石との相対回転によりコイルに発生する電力をスイッチング制御してスプールを制動する。この場合には、スプールに作用する制動力を電子制御できる。
【0017】
発明9に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1から8のいすれかに記載の装置において、スプールは、釣り糸が巻き付けられる筒状の糸巻胴部と、糸巻胴部の両端に糸巻胴部より大径に形成された1対のフランジ部を有し、回路基板は、スプールの回転軸と同芯にかつ前記フランジ部の一方に対向して配置されたワッシャ形状の基板である。この場合には、外形が円形のワッシャ形状の回路基板がスプールのフランジ部と対向しかつスプールの回転軸と同芯に配置されているので、回路基板をリール本体の外壁とスプールのフランジ部との間にコンパクトに配置することができ、リール本体の大型化をさらに防止できる。
【0018】
発明10に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明9に記載の装置において、フランジ部の回路基板に対向する面には、回転読み取りパターンが形成されており、光センサの少なくともひとつは、回路基板の回転読み取りパターンに対向する位置に配置されている。この場合には、光センサが回転読み取りパターンからの反射光を検出することにより、スプールの回転速度を検出できる。
【0019】
発明11に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明9又は10に記載の装置において、リール本体の前記回路基板に対向する位置には、外部に露出する円板状の操作つまみが回転自在に装着されており、操作つまみの回路基板に対向する面には、つまみ回転位置読み取りパターンが形成されており、光センサの少なくともひとつは、回路基板のつまみ回転位置読み取りパターンに対向する位置配置されている。この場合には、操作つまみの回転位置を光センサで検出できる。また、この操作つまみにより複数の制御パターンからひとつを選択することができる。
発明12に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明8から11のいずれかに記載の装置において、電気部品は、コイルで発生した電力を蓄えてその他の電気部品を動作させる蓄電素子をさらに有する。この場合には、回路基板を電気部品とともに絶縁被膜で覆っても、スプールの回転によりコイルに発生する電力を蓄電素子に蓄えて電気部品に供給することにより他の電気部品を動作させることができる。
【0020】
発明13に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1から12のいずれかに記載の装置において、回路基板は、頭部を有する複数本のねじ部材によりリール本体の外壁に装着可能であり、絶縁被膜は、頭部が配置される領域を除いて回路基板を電気部品とともに覆っている。この場合には、ねじ部材の頭部が配置される領域が成形絶縁被膜で覆われていないので、ねじ部材をねじ込むときに頭部が絶縁被膜に接触しない。このため、ねじ部材をねじ込んでも絶縁被膜が剥離しなくなり、剥離による絶縁不良が生じにくくなる。
【0021】
発明14に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明3から13のいずれかに記載の装置において、遮光部は、光センサの投光部及び受光部を一括して覆うように回路基板に突出して形成され、かつ投光部及び受光部の投光部分及び受光部分の周囲をそれぞれ筒状に囲むように形成されている。この場合には、遮光部が投光部及び受光部を一括して覆っているので、遮光部を形成する金型の形状を簡素化できる。
【0022】
発明15に係る釣り用リールの電子回路装置は、発明1から13のいずれかに記載の装置において、遮光部は、複数の光センサを一括して覆うように回路基板から突出して形成され、かつ受光部分の周囲をそれぞれ筒状に囲むように形成されている。この場合には、遮光部が複数の光センサを一括して覆っているので、遮光部を形成する金型の形状を簡素化できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔リールの構成〕
図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、ベイトキャスト用の丸形の両軸受リールである。このリールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
【0024】
ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有するダブルハンドル形のものである。アーム部2aは、図2に示すように、ハンドル軸30の先端に回転不能に装着されており、ナット28によりハンドル軸30に締結されている。
リール本体1は、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金などの金属製の部材であり、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7とを有している。リール本体1の内部には糸巻用のスプール12がスプール軸20(図2)を介して回転自在に装着されている。第1側カバー6は、スプール軸方向外方から見て円形であり、第2側カバー7は、交差する2つの円で構成されている。
【0025】
フレーム5内には、図2に示すように、スプール12と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチレバー17と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構18とが配置されている。またフレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構18に伝えるためのギア機構19と、クラッチ機構21と、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構21を制御するためのクラッチ制御機構22と、スプール12を制動するドラグ機構23と、スプール12の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構24とが配置されている。また、フレーム5と第1側カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための電気制御式のブレーキ機構(制動装置の一例)25が配置されている。
【0026】
フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を一体で連結する上下の連結部10a,10b(図1)とを有している。側板8の中心部よりやや上方には、段差を有する円形の開口8aが形成されている。この開口8aには、リール本体1を構成するスプール支持部13がねじ止め固定されている。
【0027】
スプール支持部13は、図3及び図4に示すように、開口8aに着脱自在に装着される扁平な略有底筒状の部材である。スプール支持部13の壁部13aの中心部には、内方に向けて突出する筒状の軸受収納部14が一体形成されている。軸受収納部14の内周面には、スプール軸20の一端を回転自在に支持するための軸受26bが装着されている。また、軸受収納部14の底部にはキャスティングコントロール機構24の摩擦プレート51を装着されている。軸受26bは、線材製の止め輪26cにより軸受収納部14に係止されている。
【0028】
上側の連結部10aは、図1に示すように、側板8,9の外形と同一面に配置されており、下側の連結部10bは、前後に1対設けられており、外形より内側に配置されている。下側の連結部10bには、リールを釣り竿に装着するための前後に長い、たとえばアルミニウム合金等の金属製の竿装着脚部4がリベット止めされている。
【0029】
第1側カバー6は、第2側カバー7側から挿入されたねじ部材(図示せず)により側板8にねじ止め固定されている。第1側カバー6には、後述するブレーキ切換つまみ43が配置される円形の開口部6aが形成されている。
スプール12は、図2に示すように、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状の糸巻胴部12bを有している。図2左側のフランジ部12aの外周面は、糸噛みを防止するために開口8aの内周側に僅かな隙間をあけて配置されている。スプール12は、糸巻胴部12bの内周側を貫通するスプール軸20にたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。この固定方法はセレーション結合に限定されず、キー結合やスプライン結合等の種々の結合方法を用いることができる。
【0030】
スプール軸20は、たとえばSUS304等の非磁性金属製であり、側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第2側カバー7に装着されたボス部7bに軸受26aにより回転自在に支持されている。またスプール軸20の他端は前述したように軸受26bにより回転自在に支持されている。スプール軸20の中心には、大径部20aが形成されており、両端に軸受26a,26bに支持される小径部20b,20cが形成されている。なお、軸受26a,26bは、たとえばSUS440Cに特殊耐食性被膜をコーティングしたものである。
【0031】
さらに、図1左側の小径部20cと大径部20aとの間には両者の中間の外径を有する、後述する磁石61を装着するための磁石装着部20dが形成されている。磁石装着部20dには、たとえば、SUM(押出・切削)等の鉄材の表面に無電解ニッケルめっきを施した磁性体製の磁石保持部27がたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。磁石保持部27は、断面が正方形で中心に磁石装着部20dが貫通する貫通孔27aが形成された四角柱状の部材である。磁石保持部27の固定方法はセレーション結合に限定されず、キー結合やスプライン結合等の種々の結合方法を用いることができる。
【0032】
スプール軸20の大径部20aの右端は、側板9の貫通部分に配置されており、そこにはクラッチ機構21を構成する係合ピン29が固定されている。係合ピン29は、直径に沿って大径部20aを貫通しており、その両端が径方向に突出している。
クラッチレバー17は、図2に示すように、1対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置されている。クラッチレバー17は側板8,9間で上下方向にスライドする。クラッチレバー17のハンドル装着側には、係合軸17aが側板9を貫通して一体形成されている。この係合軸17aは、クラッチ制御機構22に係合している。
【0033】
レベルワインド機構18は、図2に示すように、スプール12の前方で両側板8,9間に配置され、外周面に交差する螺旋状溝46aが形成された螺軸46と、螺軸によりスプール軸方向に往復移動して釣り糸を案内する釣り糸案内部47とを有している。螺軸46は、両端が側板8,9に装着された軸支持部48,49により回転自在に支持されている。螺軸46の図2右端には、ギア部材36aが装着されており、ギア部材36aは、ハンドル軸30に回転不能に装着されたギア部材36bに噛み合っている。このような構成により、螺軸46は、ハンドル軸30の糸巻取方向の回転に連動して回転する。
【0034】
釣り糸案内部47は螺軸46の周囲に配置され一部が軸方向の全長にわたって切り欠かれたパイプ部材53と、螺軸の上方に配置されたガイド軸(図示せず)とによりスプール軸20方向に案内されている。釣り糸案内部47には、螺旋状溝46aに係合する係止部材(図示せず)が回動自在に装着されており、螺軸46の回転によりスプール軸方向に往復移動する。
【0035】
ギア機構19は、ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32とを有している。ハンドル軸30は、側板9及び第2側カバー7に回転自在に装着されており、ローラ型のワンウェイクラッチ86及び爪式のワンウェイクラッチ87により糸繰り出し方向の回転(逆転)が禁止されている。ワンウェイクラッチ86は、第2側カバー7とハンドル軸30との間に装着されている。メインギア31は、ハンドル軸30に回転自在に装着されており、ハンドル軸30とドラグ機構23を介して連結されている。
【0036】
ピニオンギア32は、側板9の外方から内方に延び、中心にスプール軸20が貫通する筒状部材であり、スプール軸20に軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオンギア32の図2左端側は、軸受33により側板9に回転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。ピニオンギア32の図2左端部には係合ピン29に噛み合う噛み合い溝32aが形成されている。この噛み合い溝32aと係合ピン29とによりクラッチ機構21が構成される。また中間部にはくびれ部32bが、右端部にはメインギア31に噛み合うギア部32cがそれぞれ形成されている。
【0037】
クラッチ制御機構22は、ピニオンギア32のくびれ部32bに係合してピニオンギア32をスプール軸20方向に沿って移動させるクラッチヨーク35を有している。また、クラッチ制御機構22は、スプール12の糸巻取方向の回転に連動してクラッチ機構21をクラッチオンさせるクラッチ戻し機構(図示せず)を有している。
【0038】
キャスティングコントロール機構24は、スプール軸20の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プレート51によるスプール軸20の挟持力を調節するための制動キャップ52とを有している。左側の摩擦プレート51は、スプール支持部13内に装着されている。
〔スプール制動機構の構成〕
スプール制動機構25は、図3、図4及び図8に示すように、スプール12とリール本体1とに設けられたスプール制動ユニット40と、釣り糸に作用する張力を検出するための回転速度センサ41と、スプール制動ユニット40を8段階の制動モードのいずれかで電気的に制御するスプール制御ユニット42と、8つの制動モードを選択するためのブレーキ切換つまみ43とを有している。
【0039】
スプール制動ユニット40は、スプール12を発電により制動する電気的に制御可能なものである。スプール制動ユニット40は、スプール軸20に回転方向に並べて配置された4つの磁石61を含む回転子60と、回転子60の外周側に対向して配置され直列接続されたたとえば4つのコイル62と、直列接続された複数のコイル62の両端が接続されたスイッチ素子63とを備えている。スプール制動ユニット40は、磁石61とコイル62との相対回転により発生する電流を、スイッチ素子63によりオンオフすることによりスプール12を制動する。
スプール制動ユニット40で発生する制動力はスイッチ素子63のオン時間が長さに応じて大きくなる。
【0040】
回転子60の4つの磁石61は、周方向に並べて配置され極性が交互に異なっている。磁石61は、磁石保持部27と略同等の長さを有する部材であり、その外側面61aは断面円弧状の面であり、内側面61bは平面である。この内側面61bがスプール軸20の磁石保持部27の外周面に接触して配置されている。
磁石61の両端部は、たとえばSUS304等の非磁性体製の円形皿状のキャップ部材65a,65bにより挟持され、スプール軸20に対して回転不能に磁石保持部27に装着されている。このようにキャップ部材65a,65bにより磁石61を保持することにより、キャップ部材65a,65bが非磁性体製であるので、磁力を弱めることなくスプール軸20上での磁石の組立を容易にできるとともに、組立後の磁石の比強度を高めることができる。
【0041】
磁石61の図4左端面と軸受26bとの距離は2.5mm以上離れている。図4右側のキャップ部材65aは、スプール軸20の大径部20aと磁石装着部20dとの段差と磁石保持部27とに挟まれてそれより右方への移動が規制されている。
軸受26bとの間に配置された左側のキャップ部材65bには、たとえば、SPCC(板材)等の鉄材の表面に無電解ニッケルめっきを施した磁性体製のワッシャ部材66が装着されている。ワッシャ部材66は、スプール軸20に装着されたたとえばE型止め輪67により抜け止めされている。このワッシャ部材66の厚みは0.5mm以上2mm以下であり、外径は軸受26bの外径の60%以上120%以下である。このような磁性体製のワッシャ部材66を設けることにより、磁石61の近くに配置される軸受26bが磁化されにくくなる。このため、磁石61の近くに軸受26bを配置してもスプール12の自由回転時の回転性能に影響を与えにくくなる。また、磁石61と軸受26bとの距離を2.5mm以上離したことも軸受26bを磁化しにくくしている。
【0042】
糸巻胴部12bの内周面の磁石61に対向する位置には、たとえば、SUM(押出・切削材)等の鉄材の表面に無電界ニッケルめっきを施した磁性体製のスリーブ68が装着されている。スリーブ68は、糸巻胴部12bの内周面に圧入又は接着などの適宜の固定手段により固定されている。このような磁性体製のスリーブ68を磁石61に対向して配置すると、磁石61からの磁束がコイル62を集中して通過するので、発電及びブレーキ効率が向上する。
【0043】
コイル62は、コギングを防止してスプール12の回転をスムーズにするためにコアレスタイプのものが採用されている。さらにヨークも設けていない。コイル62は、巻回された芯線が磁石61に対向して磁石61の磁場内に配置されるように略矩形に巻回されている。4つのコイル62は直列接続されており、その両端がスイッチ素子63に接続されている。コイル62は、磁石61の外側面61aとの距離が略一定になるようにスプール軸芯に対して実質的に同芯の円弧状にスプール12の回転方向に沿って湾曲して成形されている。このため、コイル62と回転中の磁石61との隙間を一定に維持することができる。4つのコイル62は、たとえば合成樹脂製の鍔付き円形皿状のコイルホルダ69によりまとめられており、表面はニスなどの絶縁被膜により覆われている。コイルホルダ69は、スプール制御ユニット42を構成する後述する回路基板70に固定されている。なお図3ではコイル62を主に描くためにコイルホルダ69は、二点鎖線で図示している。このように、4つのコイル62が合成樹脂製製のコイルホルダ69に装着されているので、コイル62を回路基板70に装着しやすくなるとともに、コイルホルダ69が合成樹脂製製であるので、磁石61による磁束を乱すことがない。
【0044】
スイッチ素子63は、たとえば高速でオンオフ制御できる並列接続された2つのFET(電界効果トランジスタ)63aを有している。FET63aの各ドレイン端子に、直列接続されたコイル62が接続されている。このスイッチ素子63は図5Bに示すように、回路基板70の裏面(フランジ部12aと対向する表面と逆側の面)に装着されている。
【0045】
回転速度センサ41は、たとえば、投光部44aと受光部44bとを有する反射型の光電センサ44を用いており、回路基板70のスプール12のフランジ部12aに対向する表面に配置されている。フランジ部12aの外側面には、投光部44aから照射された光を反射する読み取りパターン71が印刷やシール貼り付けや反射板の取付などの適宜の方法により形成されている。この回転速度センサ41の受光部44bからの信号によりスプール12の回転速度を検出して釣り糸に作用する張力を検出する。
【0046】
ブレーキ切換つまみ43は、8段階の制動モードのいずれかを設定するために設けられている。ブレーキ切換つまみ43は、図4、図6及び図7に示すように、スプール支持部13に回動自在に装着されている。ブレーキ切換つまみ43は、たとえば合成樹脂製の円盤状のつまみ本体73と、つまみ本体73の中心に位置する金属製の回動軸74とを有している。回動軸74とつまみ本体73とはインサート成形により一体形成されている。つまみ本体73の開口部6aに臨み外部に露出する外側面には、外側に脹らむつまみ部73aが形成されている。つまみ部73aの周囲は凹んでおりブレーキ切換つまみ43を操作しやすくなっている。
【0047】
つまみ部73aの一端には僅かに凹んで指針73bが形成されている。指針73bに対向する第1側カバー6の開口部6aの周囲には、8つのマーク75が等間隔に印刷やシールなどの適宜の形成方法により形成されている。ブレーキ切換つまみ43を回して指針73bをマーク75のいずれかに合わせることにより制動モードのいずれかを選択して設定できる。また、つまみ本体73の背面には、ブレーキ切換つまみ43の回動位置、すなわち制動モードのいずれが選択されたかを検出するための識別パターン76が等間隔に印刷やシールなどの適宜の形成方法により形成されている。識別パターン76は、回転方向に3種10個の扇形の第1〜第3パターン76a,76b,76cにより構成されている。第1パターン76aは、図7に左下がりのハッチングで描かれており、たとえば鏡面の光を反射するパターンである。第2パターン76bは、図7に右下がりのハッチングで描かれており、たとえば黒色の光を反射しにくいパターンである。第3パターン76cは、図7にクロスハッチングで描かれており、たとえば灰色の光を略半分だけ反射するパターンである。この3種のパターン76a〜76cの組み合わせにより8段階の制動モードのいずれかが選択されたかを識別できる。なお、いずれかのパターン76a〜76cのひとつがつまみ本体73と同色の場合には、つまみ本体73の背面をそのまま利用してパターンを別に形成しなくてもよい。
【0048】
回動軸74は、スプール支持部13の壁部13aに形成された貫通孔13bに装着され、止め輪78により壁部13aに係止されている。
つまみ本体73とスプール支持部13の壁部13aの外側面との間には位置決め機構77が設けられている。位置決め機構77は、ブレーキ切換つまみ43を制動モードに応じた8段階の位置で位置決めするとともに、回動操作時に発音する機構である。位置決め機構77は、つまみ本体73の背面に形成された凹部73cに装着された位置決めピン77aと、位置決めピン77aの先端が係合する8つの位置決め穴77bと、位置決めピン77aの位置決め穴77bに向けて付勢する付勢部材77cとを有している。位置決めピン77aは、小径の頭部とそれより大径の鍔部と小径の軸部とを有する軸状の部材であり、頭部は半球状に形成されている。位置決めピン77aは、凹部73cに進退自在に装着されている。8つの位置決め穴77bは、スプール支持部13の壁部13aの外側面に貫通孔13bの周囲に固定された扇形の補助部材13cに周方向に間隔を隔てて形成されている。位置決め穴77bは、指針73bが8つのマーク75のいずれかに一致するように形成されている。
【0049】
スプール制御ユニット42は、スプール支持部13のスプール12のフランジ部12aに対向する外壁面に装着された回路基板70と、回路基板70に搭載された制御部55とを有している。
回路基板70は、中心が円形に開口する座金形状のリング状の基板であり、軸受収納部14の外周側にスプール軸20と実質的に同芯に配置されている。回路基板70は、図5A及び図5Bに示すように、コイル62が装着される表面と逆側の裏面とに印刷回路72を有するものである。なお、図5A及び5Bでは、印刷回路72は一部のみを示している。表裏の印刷回路72の一部は、スルーホール72aにより電気的に接続されている。回路基板70の外周側には、たとえば電子回路が正常に動作するか否かを検査する検査機器(外部機器の一例)を接続するための外部機器接続部96が形成されている。外部機器接続部96には、検査機器と電気的に接続可能なたとえば4つの接点96a〜96dが形成されている。
【0050】
回路基板70は、スプール支持部13の壁部13aの内側面に3本のビス92により固定されている。この回路基板70をビス92により固定する際には、たとえば、軸受収納部14に仮置きされた治具を利用して芯出しし、回路基板70がスプール軸芯に対して実質的に同芯に配置されるようにしている。これにより、回路基板70をスプール支持部13に装着すると、回路基板70に固定されたコイル62がスプール軸芯と実質的に同芯に配置される。
【0051】
ここでは、回路基板70がリール本体1を構成するスプール支持部13の開放された外壁面に装着されているので、第1側カバー6との間の空間に装着する場合に比べてリール本体1のスプール軸方向の寸法を小さくすることができ、リール本体1の小型化を図れる。また、回路基板70がスプール支持部13のスプール12のフランジ部12aと対向する面に装着されているので、回転子60の周囲に配置されたコイル62を回路基板70に直接取り付けることができる。このため、コイル62と回路基板70とを接続するリード線が不要になり、コイル62と回路基板70との絶縁不良を軽減できる。しかも、コイル62がスプール支持部13に取り付けられた回路基板70に装着されているので、回路基板70をスプール支持部13に取り付けるだけでコイル62もスプール支持部13に装着される。このため、スプール制動機構25を容易に組み立てできる。
【0052】
制御部55は、たとえばCPU55a,RAM55b,ROM55c及びI/Oインターフェイス55d等が搭載され回路基板70に配置されたマイクロコンピュータ59から構成されている。制御部55のROM55cには、制御プログラムが格納されるとともに、後述する3つの制動処理にわたる制動パターンがそれぞれ8段階の制御モードに応じて格納されている。また、各制御モード時の張力の設定値や回転速度の設定値なども格納されている。制御部55には、スプール12の回転速度を検出する回転速度センサ41と、ブレーキ切換つまみ43の回動位置を検出するためのパターン識別センサ45とが接続されている。また、制御部55には、スイッチ素子63の各FET63aのゲートが接続されている。制御部55は、各センサ41,45からのパルス信号によりスプール制動ユニット40のスイッチ素子63を後述する制御プログラムにより、たとえば周期1/1000秒のPWM(パルス幅変調)信号によりオンオフ制御する。具体的には、制御部55は、8段階の制動モードにおいて、異なるデューティ比Dでスイッチ素子63をオンオフ制御する。制御部55には電源としての蓄電素子57からの電力が供給される。この電力は回転速度センサ41とパターン識別センサ45にも供給される。
【0053】
パターン識別センサ45は、ブレーキ切換つまみ43のつまみ本体73の背面に形成された識別パターン76の3種のパターン76a〜76cを読み取るために設けられている。パターン識別センサ45は、投光部56cと受光部56dとを有する2組の光電センサ56a,56bから構成されている。図5Bに示すように光電センサ56a,56bは回路基板70のスプール支持部13の壁部13aに面する裏面に並べて対称に配置されている。すなわち、光電センサ56aの受光部56dが並べて配置され、その外側に投光部56cが配置されている。これにより、受光部56dを離して配置することができ、逆の投光部56cからの光を誤検出しにくくなる。スプール支持部13の壁部13aには、光電センサ56a,56bが各パターン76a〜76cを臨み得るように透孔13d,13eが上下に並べて形成されている。ここでは、回転方向に並べて配置された3種のパターン76a〜76bを読み取ることにより、たとえば下記に説明するようにして8段階の制動モードを識別する。
【0054】
いま、指針73bが最も弱い位置にあるとき、図7に示すように、2つの第1パターン76aからの反射光をパターン識別センサ45は読み取る。この場合、両光電センサ56a,56bは双方とも最も大きな光量を検出する。続いて、次のマークに指針73bを合わせると、図5B左側の光電センサ56bは第1パターン76aに位置し強い光量を検出するが、右側の光電センサ56aは第2パターン76bに位置しほとんど検出しない。これらの検出光量の組み合わせによりブレーキ切換つまみ43が何れの位置にあるかを識別する。
【0055】
電源としての蓄電素子57は、たとえば電解コンデンサを用いており、整流回路58に接続されている。整流回路58はスイッチ素子63に接続されており、回転子60とコイル62とを有し発電機として機能するスプール制動ユニット40からの交流電流を直流に変換しかつ電圧を安定化して蓄電素子57に供給する。
【0056】
なお、これらの整流回路58及び蓄電素子57も回路基板70に搭載されている。この回路基板70は、図4及び図5にドットで示すように、表裏面に搭載されたマイクロコンピュータ59などを含む電気部品とともに光を透過しにくいように着色された合成樹脂絶縁体製の成形絶縁被膜90により覆われている。成形絶縁被膜90は、マイクロコンピュータ59や光電センサ44,56a,56b等の電気部品が装着された回路基板70をセットした金型101(図13)に樹脂基材を注入するホットメルトモールディング法により形成されている。ただし、ビス92の頭部92aが配置される領域95の表裏や光電センサ44,56a,56bの投光部44a,56cの投光部分及び受光部44b,56dの受光部分には、成形絶縁被膜90が形成されていない。また、外部機器接続部96が形成された領域にも成形絶縁被膜90は形成されていない。これは、製造時に外部機器接続部96の各接点96a〜96dを利用して回路が正常か否かを検査する際に成形絶縁被膜90を除去する手間を省けるようにするためである。なお、回路の検査が終了すると、外部機器接続部96が形成された領域には、たとえば、ホットメルトスプレー法により絶縁被膜が形成される。
【0057】
回路基板70の表面では図5Aに示すように、光電センサ44が配置された傾斜した第1領域97aと、蓄電素子57や整流回路58などが配置された厚みがたとえば3.3mmの第2領域97bと、コイルの周囲のたとえば厚みが2.5mmの第3領域97cと、その他のたとえば厚みが1mmの第4領域97dとの4つの領域で異なる厚みに絶縁被膜90が形成されている。
【0058】
光電センサ44の投光部44aの投光部分及び受光部44bの受光部分が配置された第1領域97aでは、成形絶縁被膜90は、図4及び図13に示すように、投光部44a及び受光部44bを一括して覆うように第3領域97cから回路基板70の外周縁に向けて傾斜して形成されている。
回路基板79の裏面では、図5Bに示すように、2つの光電センサ56a,56bが配置された厚みがたとえば2.2mm及び1.8mmの第1領域98aと、マイクロコンピュータ59及びスイッチ素子63が配置された厚みがたとえば2.8mmの2つの分割された第2領域98bと、その他のたとえば厚みが1mmの第3領域98cとの4つの領域で異なる厚みに絶縁被膜90が形成されている。
【0059】
成形絶縁被膜90は、光電センサ56a,56bの投光部56cの投光部分及び受光部56dの受光部分では、投光部56cと受光部56dとで異なる厚み(投光部56cの厚みが2.2mm、受光部56dの厚みがたとえば1.8mm)の第1領域98aで2つのセンサ56a,56bを一括して覆うように回路基板70から第3領域98cより突出して形成されている。このように、投受光部44a,56c、44b,56dや2つの光センサ56a,56bなどを一括して覆うことにより、投光部44a,56c、受光部44b,56d、マイクロコンピュータ59及びスイッチ素子63など電気部品を覆うように成形絶縁被膜90を形成するための金型101の形状が簡素化し金型コストを低減できる。
【0060】
さらに、第1領域97a,98aでの成形絶縁被膜90は、投光部44a,56c及び受光部44b,56dの投受光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで形成されている。投受光部44a,56c、44b,56dの投受光部分を筒状に囲んだ成形絶縁被膜90の一部は、投受光部に対して遮光部として機能する。
【0061】
この成形絶縁被膜90の筒状部分の内周面及び投受光部分には、たとえば撥水スプレーにより撥水処理が施されて撥水層が形成されている。これにより、投受光部分を筒状に囲んだために筒状部分の内周面に水分が付着しても、水分が残留しにくくなる。したがって、水分の残留や水分中に含まれる不純物の析出による汚れを抑えることができ、それによる投受光部分での投受光効率の低下を抑えることができる。
【0062】
なお、ビス92の頭部92aが配置される領域95に成形絶縁被膜90を形成しないのは、ビス92の頭部92aが配置される領域95に成形絶縁被膜90を形成すると、ビス92をねじ込むときに、頭部92aの成形絶縁被膜90への接触により成形絶縁被膜90が剥離し、それが全体に及ぶおそれがあるからである。しかし、ビス92の頭部が配置される領域95を成形絶縁被膜90で覆わなければ、ビス92をねじ込むときに頭部92aが成形絶縁被膜90に接触しなくなる。このため、成形絶縁被膜90が剥離しなくなり、剥離による絶縁不良が生じにくくなる。
【0063】
また、光電センサ44,56a,56bの投光部44a,56cの投光部分及び受光部44b,56dの受光部分を成形絶縁被膜90で覆うと、仮に透明な成形絶縁被膜で覆っても投光部44a,56cから投光され読み取りパターンや識別パターンから反射した光の光量が受光部44b,56dまでの間で減衰して受光部で正確に検出できないようになるおそれがある。
【0064】
しかし、本実施例では、投受光部分が成形絶縁被膜90で覆われていないので、投光部44a,56cから照射されパターンで反射した光の減衰を抑えることができる。このため、光量の減衰や他の光による光電センサ44,56a,56bの誤作動が生じにくくなる。また、成形絶縁被膜90として有色の光を透過しにくい合成樹脂を用いるとともに、光電センサ44,56a,56bの投光部44a,56cの投光部分及び受光部44b,56dの受光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで成形絶縁被膜90を形成しているので、投受光部分の周囲が遮光され、投受光部分で周囲への光の照射及び周囲からの光の入射が生じにくくなる。したがって、投光部44a,56cと受光部44b,56dとを近接して配置しても、投光部44a,56cから受光部44b,56dに直接光が入射しにくくなり、さらに誤動作を防止できる。
【0065】
回路基板70を覆うように成形絶縁被膜90を形成する工程を、図13〜図15により説明する。
図13に示すように、成形絶縁被膜90をホットメルトモールディング法により形成する場合、ホットメルト処理装置を使用する。ホットメルト処理装置では、樹脂基材としてのたとえば可塑性ポリアミド樹脂製のホットメルト封止剤をアプリケータ105で溶融してホース106を介して封止剤を低温、低圧力で金型101に供給する。
【0066】
金型101は、図14に示すように上金型101aと下金型101bとを有するドーナツ型のものである。上金型101aとした金型101bとの間にマイクロコンピュータ59などの電気部品を装着した回路基板70を位置決めして装着可能な形成空間102を有しており、形成空間102には、回路基板70や電気部品との間に成形絶縁被膜90を形成可能な隙間が形成されている。ここで、回路基板70のビス92の頭部92aが形成される領域95には、成形絶縁被膜90を形成しないようにするために隙間は形成されていない。コイル62はすでに絶縁被膜が形成されているため、この成形工程では成形絶縁被膜は形成されていない。また、コイルホルダ69が金型101との位置決め及び隙間の封止のために利用されている。さらに、金型101には、光電センサ44及び光電センサ56a,56bの投受光部分を先端が開口する筒状の空間で囲むために投受光部分に接触する突起部101cが複数設けられている。さらに、光電センサ44の投受光部44a,44bや2つの光電センサ56a,56bやマイクロコンピュータ59やスイッチ素子63など電気部品の周囲には、それらが一括して成形絶縁被膜90により覆われるように大きく凹んだ部分が形成されている。この凹んだ部分に表面の第1〜第3領域97a〜97c及び裏面の第1及び第2領域98a,98bが形成されている。これにより、金型形状が簡素化して金型コストを低減できる。
【0067】
図15に示すように、成形絶縁被膜90を形成する際には、下金型101bにコイル62や電気部品が装着された回路基板70を位置決めしてセットする。続いて上金型101aを下金型101bに装着しクランプする。この状態でアプリケータ105からホース106を介してたとえは摂氏140〜200度程度の低温で2〜5MPa程度の低圧力で溶融したホットメルト封止剤を上下の金型101a,101bに供給する。この結果、回路基板70や電気部品と上下の金型101a,101bとの隙間にホットメルト封止剤が供給される。そして、ホットメルト封止剤が冷却すると、金型101から回路基板70を取り出す。すると、回路基板70の表裏面に成形絶縁被膜90が形成される。このとき、領域95や光電センサ44,56a,56bの投受光部分やビス92の頭部92aが配置される領域95や外部機器接続部96が配置される領域は金型101によりマスクされ成形絶縁被膜90が形成されていない。
【0068】
成形絶縁被膜90が形成された状態で電子回路の検査を行う。検査を行う際には、外部機器接続部96の各端子96a〜96dに検査装置の4本のピンを接続して検査する。この測定結果が所望の値になっているか否かをチェックし、回路の検査と絶縁性能の検査とを同時に行う。検査が終わると、外部機器接続部96をホットメルトスプレー法により絶縁被膜を形成する。
【0069】
このように回路基板70を含む各部を絶縁体製の合成樹脂の成形絶縁被膜90で覆うことによりマイクロコンピュータ59等の電気部品への液体の浸入を防止できる。しかも、この実施形態では、発電された電力を蓄電素子57に蓄え、その電力で制御部55等を動作させているので、電源の交換が不要になる。このため、成形絶縁被膜90による封止を永続させることができ、絶縁不良によるトラブルをさらに低減できる。
【0070】
〔実釣時のリールの操作及び動作〕
キャスティングを行うときには、クラッチレバー17を下方に押圧してクラッチ機構21をクラッチオフ状態にする。このクラッチオフ状態では、スプール12が自由回転状態になり、キャスティングを行うと仕掛けの重さにより釣り糸がスプール12から勢いよく繰り出される。このキャスティングによりスプール12が回転すると、磁石61がコイル62の内周側を回転して、スイッチ素子63をオンするとコイル62に電流が流れスプール12が制動される。キャスティング時にはスプール12の回転速度は徐々に速くなり、ピークを越えると徐々に減速する。
【0071】
ここでは、磁石61を軸受26bの近くに配置しても、その間に磁性体製のワッシャ部材66を配置しかつ軸受26bとの間隔を2.5mm以上離したので、軸受26bが磁化しにくくなりスプール12の自由回転性能が向上する。また、コイル62をコアレスコイルとしたので、コギングが生じにくくなり、さらに自由回転性能が向上する。
【0072】
仕掛けが着水すると、ハンドル2を糸巻取方向に回転させて図示しないクラッチ戻し機構によりクラッチ機構21をクラッチオン状態にし、リール本体1をパーミングしてアタリを待つ。
〔制御部の制御動作〕
次に、キャスティング時の制御部55のブレーキ制御動作について、図9及び図10の制御フローチャート並びに図11及び図12のグラフを参照しながら説明する。
【0073】
キャスティングによりスプール12が回転して蓄電素子57に電力が蓄えられ制御部55に電源が投入されると、ステップS1で初期設定が行われる。ここでは、各種のフラグや変数がリセットされる。ステップS2では、ブレーキ切換つまみ43により何れの制動モードBMn(nは1〜8の整数)が選択されたか否かを判断する。ステップS3では、制動モードを選択された制動モードBMnに設定する。これにより、以降の制御で制御部55内のROMから制動モードBMnに応じたデューティ比Dが読み出される。ステップS5では、回転速度センサ41からのパルスによりキャスティング当初のスプール12の回転速度Vを検出する。ステップS7では、スプール12から繰り出される釣り糸に作用する張力Fを算出する。
【0074】
ここで、張力Fは、スプール12の回転速度の変化率(Δω/Δt)とスプール12の慣性モーメントJとで求めることができる。ある時点でスプール12の回転速度が変化すると、このとき、もしスプール12が釣り糸からの張力を受けずに単独で自由回転していた場合の回転速度との差は釣り糸からの張力により発生した回転駆動力(トルク)によるものである。このときの回転速度の変化率を(Δω/Δt)とすると、駆動トルクTは、下記(1)式で表すことができる。
【0075】
T=J×(Δω/Δt)・・・・・(1)
(1)式から駆動トルクTが求められれば、釣り糸の作用点の半径(通常は15〜20mm)から張力を求めることができる。この張力が所定以下になったときに大きな制動力を作用させると、回転速度のピークの手前で仕掛け(ルアー)の姿勢が反転して安定して飛行することを本発明者等は知見した。この回転速度のピークの手前で制動して安定した姿勢で仕掛けを飛行させるために以下の制御を行う。すなわち、キャスティング当初に短時間強い制動力を作用させて仕掛けを反転させ、その後徐々に弱くなりかつ途中で一定になる制動力で徐々に制動していく。最後に、所定回転数まで下がるまでさらに徐々に弱くなる制動力でスプール12を制動する。この3つの制動処理を制御部55は行う。
【0076】
ステップS8では、回転速度の変化率(Δω/Δt)と慣性モーメントJとにより算出された張力Fが所定値Fs(たとえば、0.5〜1.5Nの範囲のいずれかの値)以下か否か判断する。所定値Fsを超えている場合にはステップS9に移行してデューティ比Dを10に、つまり周期の10%だけスイッチ素子63をオンするように制御し、ステップS2に戻る。これにより、スプール制動ユニット40はスプール12を僅かに制動するが、スプール制動ユニット40が発電するため、スプール制御ユニット42が安定して動作する。
【0077】
張力Fが所定値Fs以下になるとステップS10に移行する。ステップS10では、タイマT1をスタートさせる。このタイマT1は、強い制動力で制動する第1制動処理の処理時間を定めるタイマである。ステップS11では、タイマT1がタイムアップしたか否かを判断する。タイムアップしていない場合には、ステップS13に移行し、タイマT1がアップするまで遠投の時の第1制動処理を行う。この第1制動処理では、図10に左下がりのハッチングで示すように、一定の第1デューティ比Dn1で時間T1だけスプール12を制動する。この第1デューティ比Dn1は、たとえば50〜100%デューティ(全体の周期の50%から100%がオン時間)、好ましくは70〜90%デューティの範囲であり、ステップS5で検出された回転速度Vによって変化する。すなわち、第1デューティ比Dn1は、たとえばキャスティング当初のスプール回転速度Vの関数f1(V)に制動モードに応じて所定のデューティ比DnSを掛けた値である。また、時間T1は、0.1〜0.3秒の範囲が好ましい。このような範囲で制動すると回転速度のピークの前にスプール12を制動しやすくなる。
【0078】
第1デューティ比Dn1は、制動モードBMnよって上下にシフトし、この実施形態では、制動モードが最大の時(n=1)、デューティ比D11が最も大きくそれから徐々に小さくなる。このように仕掛けに合わせて強い制動力を短時間作用させると仕掛けの姿勢が釣り糸係止部分から反転して釣り糸係止部分が手前になって仕掛けが飛行する。これにより仕掛けの姿勢が安定して仕掛けがより遠くに飛ぶようになる。
【0079】
一方、タイマT1がタイムアップしたときは、ステップS11からステップS12に移行する。ステップS12では、タイマT2がすでにスタートしているか否かを判断する。タイマT2がスタートしている場合にはステップS17に移行する。タイマT2スタートしていない場合はステップS14に移行してタイマT2をスタートさせる。このタイマT2は、第2制動処理の処理時間を定めるタイマである。
【0080】
ステップS17では、タイマT2がタイムアップしたか否かを判断する。タイムアップしていない場合には、ステップS18に移行し、タイマT2がアップするまで第2制動処理を行う。この第2制動処理では、図10に右下がりのハッチングで示すように、最初急激に下降しその後徐々に下降し最後に一定の値になる変化するデューティ比Dn2で第2所定時間T2の間スプール12を制動する。
このデューティ比Dn2の最小値は、たとえば30〜70%の範囲が好ましい。
また、第2所定時間T2は、0.3〜2秒の間が好ましい。この第2所定時間T2も第1デューティ比Dn1と同様にキャスティング当初のスプール回転速度Vに応じて変化する。たとえばキャスティング当初のスプール回転速度Vの関数f2(V)に所定時間TSを掛けた値である。
【0081】
また、第2及び第3制動処理では余分な制動力をカットすること目的とした図10に示すような制動補正処理も行われる。図10のステップS31では、補正張力Faが設定される。この補正張力Faは、図12に二点鎖線で示すように時間の関数であり、時間とともに徐々に減少するように設定されている。なお、図12では、第3制動処理における補正処理のグラフを示している。
【0082】
ステップS32では速度Vを読み込む。ステップS33では、ステップS7と同様な手順で張力Fを算出する。ステップS34では、得られた張力から下記(2)式に示す判定式を算出する。ステップS35では判定式から補正の要否を判断する。
C=SSa×(F−SSd×回転速度)−(ΔF/Δt)・・・・(2)
ここで、SSa,SSdは、回転速度(rpm)に対する係数であり、たとえば50である。また、SSdは、0.000005である。
【0083】
この(2)式の結果が正の時、つまり検出された張力Fが設定張力Faを大きく超えていると判断すると、ステップS35での判断がYesとなり、ステップS36に移行する。ステップS36では、予め設定された第2デューティ比Dn2から一定量Da減算したデューティ比(Dn2−Da)に次のサンプリング周期(通常は1回転毎)まで補正する。
【0084】
ステップS21では、速度Vが制動終了速度Ve以下になったか否かを判断する。速度Vが制動終了速度Veを超えている場合にはステップS22に移行する。ステップS22では第3制動処理を行う。
第3制動処理では、図11に縦縞のハッチングで示すように徐々に下降割合が小さくなる第2制動処理と同様な時間とともに変化するデューティ比Dn3で制御する。そして、ステップS11に戻りステップS21で、速度Vが制動終了速度Ve以下となるまで処理を続けるまた、第3制御処理でも制動補正処理は実行される。
【0085】
速度Vが制動終了速度Ve以下となると、ステップS2に戻る。
ここでは、回転速度のピーク前に強い制動力で制動すると、第1所定値Fs以下であった張力が急激に大きくなりバックラッシュを防止できるとともに、仕掛けが安定して飛行する。このため、バックラッシュを防止しつつ仕掛けの姿勢を安定させてより遠くに仕掛けをキャスティングできるようになる。
【0086】
また、キャスティング当初のスプールの回転速度に応じて3つの制動処理において異なるデューティ比及び制動時間で制御されるので、同じ設定であってもスプールの回転速度によって異なるデューティ比及び制動時間でスプールが制動される。このため、スプールの回転速度が異なるキャスティングを行っても制動力の調整操作が不要になり、制動力の調整操作にかかる釣り人の負担を軽減できる。
【0087】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ホットメルトモールディング処理により絶縁被膜を形成したが、絶縁被膜の形成方法はホットメルトモールディング処理に限定されず、ホットメルト接着剤のノズルによる塗布処理や浸漬処理などにより絶縁被膜を形成してもよい。浸漬処理により絶縁被膜90を形成する工程は以下の通りである。
【0088】
回路基板70にコイル62やマイクロコンピュータ59を含む各電気部品を搭載して配線を終わると、ビス92の頭部92aが配置される領域及び光電センサ44,56a,56bの投光部44a,56cの投光部分及び受光部44b,56dの受光部分をテープや印刷によりマスクする。そしてマスクされた回路基板70を合成樹脂液体が入れられたタンクに浸けて浸漬処理し、その後タンクから取り出して硬化処理を行い、表面に絶縁被膜90を形成する。このように浸漬処理により絶縁被膜90を形成してもよい。
【0089】
(b)前記実施形態では、両軸受リールのスプール制動機構を制御するスプール制御ユニットの電子回路装置に本発明を適用したが、光センサを使用する釣り用リールの水深表示装置などの他の釣り用リールの電子回路装置にも本発明を適用できる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、受光部の受光部分の周囲が遮光部により筒状に囲まれているので、外乱交が受光部に入射しにくくなり、制御に関連する光信号だけが受光部に入りやすくなる。このため、光センサの誤動作を可及的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】その平面断面図。
【図3】スプール制動機構の分解斜視図。
【図4】スプール制動機構の断面拡大図。
【図5A】回路基板における部品を配置を示す平面図。
【図5B】回路基板における部品を配置を示す背面図。
【図6】両軸受リールの右側面図。
【図7】ブレーキ切換つまみの背面図。
【図8】スプール制動機構の制御ブロック図。
【図9】制御部の主制御処理を示すフローチャート。
【図10】第2制動処理を示すフローチャート。
【図11】各制動処理でのデューティ比の変化を模式的に示すグラフ。
【図12】第3制動処理での補正処理を模式的に示すグラフ。
【図13】ホットメルト処理装置の模式図。
【図14】金型の構成を示す断面図。
【図15】ホットメルト処理工程を示す図。
【符号の説明】
1 リール本体
12 スプール
12a 糸巻胴部
12b フランジ部
20 スプール軸
25 スプール制動機構
40スプール制動ユニット
41 回転速度センサ
42 スプール制御ユニット
43 ブレーキ切換つまみ
44,56a,56b 光電スイッチ
44a,56c 投光部
44b,56d 受光部
45 パターン識別センサ
59 マイクロコンピュータ
60 回転子
61 磁石
62 コイル
63 スイッチ素子
70 回路基板
71 読み取りパターン
72 印刷回路
76 識別パターン
76a,76b,76c 第1〜第3パターン
90 絶縁被膜
95 領域

Claims (15)

  1. リール本体とリール本体に回転自在に装着されたスプールとを有する釣り用リールの前記リール本体に配置される釣り用リールの電子回路装置であって、
    前記リール本体の外壁に装着可能であり、少なくとも表面に印刷回路を有する回路基板と、
    前記釣り用リールを制御プログラムにより制御するマイクロコンピュータ並びに前記スプールの回転を制御するための受光部を有する1又は複数の光センサを含み、前記印刷回路に電気的に接続されるように前記回路基板に配置された複数の電気部品と、
    前記受光部の受光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで形成された遮光部と、を備えた釣り用リールの電子回路装置。
  2. 前記遮光部の内周側及び前記受光部の受光部分は撥水処理されている、請求項1に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  3. 前記光センサは、投光部をさらに有する投受光型の光電センサであり、
    前記遮光部は、前記投光部の投光部分の周囲を先端が開口するように筒状に囲んで形成されている、請求項1又は2に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  4. 前記遮光部の内周側及び前記投光部の投光部分は撥水処理されている、請求項3に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  5. 前記回路基板の少なくとも一部を前記電気部品とともに覆う絶縁被覆をさらに備え、
    前記遮光部は前記絶縁被膜の一部を構成している、請求項1から4のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
  6. 前記絶縁被覆は、前記電気部品が装着された前記回路基板をセットした金型に樹脂基材を注入するホットメルトモールディング法により形成されている、請求項5に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  7. 前記回路基板は、表裏両面に前記印刷回路を有しており、
    前記絶縁被膜は、前記表裏両面を覆うように形成されている、請求項5又は6に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  8. 前記釣り用リールは、前記リール本体と、前記スプールと、前記スプールの回転軸に回転不能に装着され前記スプールに連動して回転し回転方向に複数の磁極を有する磁石とを有する両軸受リールであり、
    前記磁石の周囲に配置され前記印刷回路に接続される複数のコイルをさらに備え、
    前記マイクロコンピュータは、前記制御プログラムにより前記光センサからの出力に応じて前記コイルと磁石との相対回転により前記コイルに発生する電力をスイッチング制御して前記スプールを制動する、請求項1から7のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
  9. 前記スプールは、釣り糸が巻き付けられる筒状の糸巻胴部と、前記糸巻胴部の両端に前記糸巻胴部より大径に形成された1対のフランジ部を有し、
    前記回路基板は、前記スプールの回転軸と同芯にかつ前記フランジ部の一方に対向して配置されたワッシャ形状の基板である、請求項1から8のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
  10. 前記フランジ部の前記回路基板に対向する面には、回転読み取りパターンが形成されており、
    前記光センサの少なくともひとつは、前記回路基板の前記回転読み取りパターンに対向する位置に配置されている、請求項9に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  11. 前記リール本体の前記回路基板に対向する位置には、外部に露出する円板状の操作つまみが回転自在に装着されており、前記操作つまみの前記回路基板に対向する面には、つまみ回転位置読み取りパターンが形成されており、
    前記光センサの少なくともひとつは、前記回路基板の前記つまみ回転位置読み取りパターンに対向する位置に配置されている、請求項9又は10に記載の釣り用リールの電子回路装置。
  12. 前記電気部品は、前記コイルで発生した電力を蓄えてその他の電気部品を動作させる蓄電素子をさらに有する、請求項8から11のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
  13. 前記回路基板は、頭部を有する複数本のねじ部材により前記リール本体の外壁に装着可能であり、
    前記絶縁被膜は、前記頭部が配置される領域を除いて前記電気部品とともに前記回路基板を覆っている、請求項1から12のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
  14. 前記遮光部は、前記光センサの投光部及び受光部を一括して覆うように前記回路基板から突出して形成され、かつ前記投光部及び受光部の前記投光部分及び受光部分の周囲をそれぞれ筒状に囲むように形成されている、請求項3から13のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
  15. 前記遮光部は、前記複数の光センサを一括して覆うように前記回路基板から突出して形成され、かつ前記受光部分の周囲をそれぞれ筒状に囲むように形成されている、請求項1から13のいずれかに記載の釣り用リールの電子回路装置。
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