JP2004349854A - 通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とする。
【解決手段】ゲートウェイ装置は、端末装置が発信したパケットを補足すると、補足されたパケットをデータとみなし、パケットヘッダを付与することにより新たなパケットを生成する。生成されたパケットに対して移動性の付与を行い、外部ネットワーク上に設置されたプロトコル変換サーバに送出する。プロトコル変換サーバは、移動性の付与されたパケットを解釈する機能を備えており、受信したパケットを解釈し、そのパケットに内包されたパケットを取り出して通信対象端末に再送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】ゲートウェイ装置は、端末装置が発信したパケットを補足すると、補足されたパケットをデータとみなし、パケットヘッダを付与することにより新たなパケットを生成する。生成されたパケットに対して移動性の付与を行い、外部ネットワーク上に設置されたプロトコル変換サーバに送出する。プロトコル変換サーバは、移動性の付与されたパケットを解釈する機能を備えており、受信したパケットを解釈し、そのパケットに内包されたパケットを取り出して通信対象端末に再送信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自端末装置が属するネットワーク以外のネットワークに属する通信相手と通信を行う通信システムに利用する。特に、端末装置の通信対象の制限を除去し、特定の移動性付与プロトコルに依存することなく、端末装置の移動性を実現する技術に関する。
【0002】
なお、「移動性付与プロトコル」とは、例えば、MobileIPv6のようなモバイル通信を実現するために用いるプロトコルをいう。また、「移動性を付与する」とは、MobileIPv6などの移動性付与プロトコルが適用可能となるようにパケットのヘッダを構成することをいう。また、「移動性を解釈する」とは、パケットに適用されている移動性付与プロトコルの種別を判別することをいう。したがって、「解釈された移動性に基づきパケットを転送する」とは、当該パケットが、例えば、MobileIPv6によって移動性が与えられていることを判別した場合には、MobileIPv6によって当該パケットを転送することをいう。
【0003】
【従来の技術】
異なるサブネットワークに移動することができる移動端末装置と移動できない固定端末装置とが存在する移動体パケット通信システムにおいて、固定端末装置に変更を加えることなく、移動端末装置間、固定端末装置間、移動端末装置と固定端末装置との間の通信を実現する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
これによれば、移動対応ルータは、移動端末装置の固有アドレスと位置アドレスとの対応を示すアドレス対応表と、サブネットワークが移動対応であるか否かを示す移動対応ネットワーク表とを有し、移動対応ルータがこれらの表を用いて、パケットを中継する際に、移動端末装置、固定端末装置のそれぞれが処理できるパケット形式に変換することによって、移動端末装置間、固定端末装置間、移動端末装置と固定端末装置との間の通信を可能にする。
【0005】
また、インターネット上で、サブネットワークを移動できるようにするための技術が、例えば、特許文献2に開示されている。これによれば、サブネットワーク内の移動ルータは、インターネットに接続されているルータに接続されると、ルータから新たなIPアドレス(例えば、133.4.34.10)を取得し、サブネットワーク用のIPアドレスブロック(例えば、133.4.200.0ないし133.4.200.255)を取得する。移動ルータは、そのアドレスブロックをインターネットに接続されているホームルータに通知し、ホームルータは、そのアドレスブロックの値を受け取ると、サブネットワークに対応するIPアドレス(例えば、133.4.200.0)を、ネットマスク(例えば、0xffffff00)と共に登録し、宛先VIPアドレスが、例えば、133.138.194.0ないし133.138.194.255であるデータを受け取ると、登録内容を参照し、宛先IPアドレスを133.4.200.0ないし133.4.200.255にそれぞれ書き換えた後、サブネットワークの端末装置に転送する。これにより、インターネット上でサブネットワークを移動することができる。
【0006】
また、移動端末装置を広域にサポートするネットワークの通信システムを提供する技術が、例えば、特許文献3に開示されている。これによれば、端末装置と直接対応するホームエージェントと当該端末装置との間に、ルータであるプロキシを設ける。当該プロキシは、MobilIPのサービス制御を行う。端末装置は、MobilIPを使ったサービスを受ける場合、プロキシにアクセスし、サービスプロファイルデータベースを参照するリンクレイヤ認証サーバによって認証を受け、ネットワークへの接続を行う。通信相手である移動端末装置との通信は、プロキシを介して行われ、トンネリングによるパケットの送信もプロキシによって行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−2377717号公報
【特許文献2】
特開平9−172451号公報
【特許文献3】
特開2001−224070号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記、特許文献1〜3では、ゲートウェイ装置が、その配下に接続されている複数の端末装置に対して移動性の付与を試みている。ゲートウェイ装置が、端末装置が持つべき移動機能を代行して備えることが目的である。これらの既存システムでは、ゲートウェイ装置に接続される端末装置のアドレスと、ゲートウェイ装置に割り当てられた固有アドレスとの対応部を有している。ゲートウェイ装置が対応表を用いてパケットの変換を行うことにより端末装置に対して移動性の付与を行っている。そのため端末装置は移動性を持つ必要がない。
【0009】
しかしながら次の問題点を持つ。第一の問題点は、ゲートウェイ装置と通信対象端末装置とが同一の移動性付与プロトコルの処理機能を備える必要がある。その理由は、ゲートウェイ装置により、移動性が付与されたパケットが、通信対象端末装置に直接送信されるためである。
【0010】
第二の問題点は、ゲートウェイ装置は、通信対象端末装置が備える移動性解釈機能の有無を示す表を保持する必要があり、それを通信対象端末装置の出現または消滅と共に更新しなければならない。その理由は、ゲートウェイ装置により移動性を付与されたパケットを用いると、移動性の解釈機能を持たない端末装置とは通信ができないため、通信相手に応じて処理を変更する必要があるためである。
【0011】
第三の問題点は、多数の通信対象が存在した場合、第二の問題点で指摘した表が大きくなり処理速度を劣化させる恐れがある。その理由は、1つの通信対象端末装置に対して1項目の対応を必要とするような対応表の構成であり、通信対象の数が大きくなると、表が大きくなり、ゲートウェイ装置の処理が増大するためである。
【0012】
本発明は、このような背景に行われたものであって、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のゲートウェイ装置は、端末装置が発信したパケットを捕捉すると、捕捉されたパケットをデータとみなし、パケットヘッダを付与することにより新たなパケットを生成する。生成されたパケットに対して端末装置が発信したパケットの宛先のネットワークに対応する移動性の付与を行い、外部ネットワーク上に設置されたプロトコル変換サーバに送出する。
【0014】
外部ネットワーク上に設置されたプロトコル変換サーバは、移動性の付与されたパケットを解釈する機能を備えており、受信したパケットを解釈し、そのパケットに内包されたパケットを取り出す。プロトコル変換サーバは取り出したパケットをその宛先アドレスおよび解釈した移動性に基づき通信対象端末装置に再送信する。
【0015】
このように、ゲートウェイ装置において新しいヘッダと、移動性の付与を行うことによりゲートウェイ装置に接続される端末装置とその通信対象端末装置との間に移動性を有した通信を実現する。さらにゲートウェイ装置は端末装置が発信したパケットをデータとみなすことにより、任意の移動性付与プロトコルを用いることが可能となる。また通信対象の端末装置に応じて処理を変更する必要はないため、本発明では通信対象端末装置の個別の情報を保持した表を管理する必要がない。
【0016】
これにより、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを提供することができる。
【0017】
すなわち、本発明の第一の観点は、通信システムであって、本発明の特徴とするところは、複数の端末装置が接続されたゲートウェイ装置と、このゲートウェイ装置が属するネットワークとは異なる他ネットワークに接続され、このゲートウェイ装置と通信可能に接続されたプロトコル変換サーバとを備え、前記ゲートウェイ装置は、前記端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが前記他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットを前記プロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自ゲートウェイ装置のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする手段と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する手段とを備え、前記プロトコル変換サーバは、前記ゲートウェイ装置から送出された前記カプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された前記移動性を解釈する手段と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す手段と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する手段により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する手段とを備えたところにある(請求項1)。
【0018】
本発明の第二の観点は、ゲートウェイ装置であって、本発明の特徴とするところは、自己に接続された端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自己のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする手段と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する手段とを備えたところにある(請求項2)。
【0019】
本発明の第三の観点は、プロトコル変換サーバであって、本発明の特徴とするところは、ゲートウェイ装置から送出されたカプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された移動性を解釈する手段と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す手段と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する手段により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する手段とを備えたところにある(請求項3)。
【0020】
本発明の第四の観点は、プログラムであって、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、ゲートウェイ装置に相応する機能として、自己に接続された端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自己のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする機能と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する機能とを実現させるところにある(請求項4)。
【0021】
あるいは、本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、プロトコル変換サーバに相応する機能として、ゲートウェイ装置から送出されたカプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された移動性を解釈する機能と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す機能と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する機能により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する機能とを実現させることを特徴とする(請求項5)。
【0022】
本発明の第五の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である(請求項6)。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【0023】
これにより、情報処理装置を用いて、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明実施形態の通信システムを図1ないし図4を参照して説明する。図1は本実施形態の通信システムの構成図である。図2は本実施形態のゲートウェイ装置のブロック構成図である。図3は本実施形態のゲートウェイ装置が備えるインタフェース(以下I/Fと記す)の識別表を示す図である。図4は本実施形態のプロトコル変換サーバのブロック構成図である。
【0025】
本実施形態の通信システムの特徴とするところは、図1に示すように、複数の端末装置101、102、103が接続されたゲートウェイ装置104と、このゲートウェイ装置104が属するゲートウェイ内部ネットワーク109とは異なる外部ネットワーク108に接続され、このゲートウェイ装置104と通信可能に接続されたプロトコル変換サーバ105とを備え、ゲートウェイ装置104は、図2に示すように、端末装置101〜103から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが外部ネットワーク108に属する通信対象端末装置107を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバ105のアドレス(3ffe:1800:1000:0105::100)を宛先アドレスとし自ゲートウェイ装置104のアドレス(3ffe:1800:1000::100)を送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングするヘッダ付与器208と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて外部ネットワーク108に対応する移動性を付与する移動性付与器203とを備え、プロトコル変換サーバ105は、図4に示すように、ゲートウェイ装置104から送出された前記カプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された前記移動性を解釈する移動性解釈器402と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出すヘッダ除去器407と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび移動性解釈器402により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する出力I/F405とを備えたところにある(請求項1、2、3)。
【0026】
本発明は、汎用の情報処理装置にインストールすることにより、上述の通信システムとして機能させるプログラムとして実現することができる(請求項4、5)。このプログラムは、記録媒体に記録されて情報処理装置にインストールされ(請求項6)、あるいは通信回線を介して情報処理装置にインストールされることにより当該情報処理装置をそれぞれゲートウェイ装置104、プロトコル変換サーバ105として機能させ、ゲートウェイ装置104の配下に接続される端末装置101〜103に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバ105を用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを実現することができる。
【0027】
以下では、本実施形態を図面を参照して詳細に説明する。まず本発明の実施形態のネットワーク構成が図1に示されている。端末装置101〜103がゲートウェイ装置104の配下に接続されている。ゲートウェイ装置104の配下には複数の端末装置101〜103を接続することができるようにネットワーク109が構成されている。またゲートウェイ装置104はアクセス回線111を通じて外部ネットワーク108に接続されており、通信対象端末装置107との通信を行う。
【0028】
ゲートウェイ装置104には固有アドレス3ffe:1800:1000:105::100が付与されており、ゲートウェイ装置104が他のアクセス回線111に接続されていてもゲートウェイ装置104への到達性が保証されている。これを実現するためネットワーク上には位置管理サーバ106が接続されており、ゲートウェイ装置104の位置情報を管理している。
【0029】
ゲートウェイ装置104はあらかじめ、固有アドレスとプロトコル変換サーバ105の2つのアドレスを通信の端点とした仮想通信路110を生成しておく。ゲートウェイ装置104から仮想通信路110へ送信されたパケットは、宛先アドレスがプロトコル変換サーバ105のアドレス3ffe:1800:1000:105::100、送信元アドレスが固有アドレス3ffe:1800:1000::100である新たなヘッダが付与されてプロトコル変換サーバ105まで届けられる。
【0030】
この状況において、端末装置101〜103と通信対象端末装置107の通信の詳細な手順は次のとおりである。図2はゲートウェイ装置104の内部構成を示したものである。例えば、複数の入力I/F201、211、212を備えているときに、その内の1つの入力I/F201により端末装置101が送信したパケットを受信したとする。
【0031】
まず、パケットは宛先アドレス検査器202へ入力される。宛先アドレスの検査を行った結果、位置管理サーバ106を示すアドレスの場合は、移動性も、新たなヘッダも付与せずパケットを出力I/F204〜206のいずれかに与え位置管理サーバ106に送信する。また、宛先アドレスがプロトコル変換サーバ105を示す場合は移動性付与器203に入力する。最後に、これらの条件に該当しない宛先アドレスを持ったパケットは、仮想I/F207を通じてヘッダ付与器208に送られる。ヘッダ付与器208では、入力パケットをデータとみなした新しいパケットが生成される。このとき新たに生成されたパケットは宛先アドレスをプロトコル変換サーバ105、送信元アドレスをゲートウェイ装置104に付与された固有アドレスとし、かつプロトコル種別として新たなヘッダ付与が行われたことを示す特定の番号を記したパケットを外殻パケットとし、端末装置101から送信されたパケットを内包してカプセリングされたパケットである。
この後、宛先アドレス検査器202に再入力させることにより移動性付与器203に新しいパケットを入力させる。
【0032】
本実施形態では移動性付与器203にMobileIPv6プロトコルを用いているが、任意のプロトコルが利用可能である。移動性の確保処理が行われたパケットは出力I/F204〜206の宛先に応じて選択されたいずれかに出力されネットワークに送出される。
【0033】
また、ゲートウェイ装置104自身が生成したパケットを通信対象端末装置107に送出する場合の手順を示す。図3はI/F名に対して、ゲートウェイ装置104から外部ネットワーク108に向けて接続するI/Fと、端末装置101〜103を接続するゲートウェイ内部ネットワーク109向けのI/Fの区別を記したものである。ゲートウェイ装置104はI/Fを構成する際に、この表も併せて作成し保持する。宛先アドレス検査器202がゲートウェイ装置104内部から発生したパケットに対しては、出力I/Fに応じて送信アドレスを変更する。図3に示した表を参照し出力I/Fの種別が内部である場合は、送信元アドレスとして入力I/Fに付与されているアドレスを用いる。また種別が外部の場合は、送信元アドレスとして固有アドレスを用いる。
【0034】
図2で示した手順で処理されたパケットを受信したプロトコル変換サーバ105は、付与されている移動性の解釈とパケットの変換を行う。図4はプロトコル変換サーバ105の内部処理を示したものである。入力I/F401から受信されたパケットは移動性解釈器402に入力され、パケットに移動性が付与されている場合はその解釈を行う。その後、宛先アドレス検査器404に入力され、宛先アドレスがプロトコル変換サーバ105の場合はプロトコル種別判定器403へ処理が引き渡される。ゲートウェイ装置104は、前述したように、パケットをプロトコル変換サーバ105に送信する際にプロトコル種別を示す番号を付与している。検査の結果、当該プロトコル変換サーバ105が扱っているプロトコル種別を示す番号の値に一致する場合は、仮想I/F406を通じて、ヘッダ除去器407へ送られる。
【0035】
ここで入力されたパケットのデータ部分を取り出し、そのデータ部分は新たなパケットとみなし移動性解釈器402へ再入力を行う。再入力されたパケットには移動性の付与は行われておらず、また、宛先アドレスが通信対象端末装置107を示しているので、宛先アドレス検査器202がパケットを出力I/F405に送る。出力I/F405では、移動性解釈器402により解釈された移動性と当該パケットの宛先アドレスとに基づき端末装置101が送信したパケットを通信対象端末装置107へ向けて再送信する。このように、プロトコル変換サーバ105が、受信したパケットに対して移動性の解釈とヘッダの除去を行い再送出を行うことで、端末装置101および通信対象端末装置107が移動性を有していなくてもパケットを送信することが可能となる。
【0036】
なお、本実施形態または本明細書は、端末装置101→ゲートウェイ装置104→プロトコル変換サーバ105→通信対象端末装置107という一方向の通信について述べられている。この反対方向の通信については、以上説明した通信手順をそのまま反対方向から行うことにより実現できる。
【0037】
この際に、例えば、プロトコル変換サーバ105にゲートウェイ装置104と等価の機能を併せて持たせ、ゲートウェイ装置104にプロトコル変換サーバ105と等価の機能を併せて持たせれば、通信対象端末装置107から端末装置101へ向かう通信においては、プロトコル変換サーバ105がゲートウェイ装置104に相当する動作を行い、ゲートウェイ装置104がプロトコル変換サーバ105に相当する動作を行うことにより、以上の説明を反対方向の通信手順に置き換えて説明することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の通信システムの構成図
【図2】本実施形態のゲートウェイ装置のブロック構成図。
【図3】本実施形態のゲートウェイ装置が備えるI/Fの識別表を示す図。
【図4】本実施形態のプロトコル変換サーバのブロック構成図。
【符号の説明】
101〜103 端末装置
104 ゲートウェイ装置
105 プロトコル変換サーバ
106 位置管理サーバ
107 通信対象端末装置
108 外部ネットワーク
109 ゲートウェイ内部ネットワーク
110 仮想通信路
111、112 アクセス回線
201、211、212、401 入力I/F
202 宛先アドレス検査器
203 移動性付与器
204〜206、405 出力I/F
207、406 仮想I/F
208 ヘッダ付与器
209 出力I/F選択器
402 移動性解釈器
403 プロトコル種別判定器
404 宛先アドレス検査器
407 ヘッダ除去器
【発明の属する技術分野】
本発明は、自端末装置が属するネットワーク以外のネットワークに属する通信相手と通信を行う通信システムに利用する。特に、端末装置の通信対象の制限を除去し、特定の移動性付与プロトコルに依存することなく、端末装置の移動性を実現する技術に関する。
【0002】
なお、「移動性付与プロトコル」とは、例えば、MobileIPv6のようなモバイル通信を実現するために用いるプロトコルをいう。また、「移動性を付与する」とは、MobileIPv6などの移動性付与プロトコルが適用可能となるようにパケットのヘッダを構成することをいう。また、「移動性を解釈する」とは、パケットに適用されている移動性付与プロトコルの種別を判別することをいう。したがって、「解釈された移動性に基づきパケットを転送する」とは、当該パケットが、例えば、MobileIPv6によって移動性が与えられていることを判別した場合には、MobileIPv6によって当該パケットを転送することをいう。
【0003】
【従来の技術】
異なるサブネットワークに移動することができる移動端末装置と移動できない固定端末装置とが存在する移動体パケット通信システムにおいて、固定端末装置に変更を加えることなく、移動端末装置間、固定端末装置間、移動端末装置と固定端末装置との間の通信を実現する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
これによれば、移動対応ルータは、移動端末装置の固有アドレスと位置アドレスとの対応を示すアドレス対応表と、サブネットワークが移動対応であるか否かを示す移動対応ネットワーク表とを有し、移動対応ルータがこれらの表を用いて、パケットを中継する際に、移動端末装置、固定端末装置のそれぞれが処理できるパケット形式に変換することによって、移動端末装置間、固定端末装置間、移動端末装置と固定端末装置との間の通信を可能にする。
【0005】
また、インターネット上で、サブネットワークを移動できるようにするための技術が、例えば、特許文献2に開示されている。これによれば、サブネットワーク内の移動ルータは、インターネットに接続されているルータに接続されると、ルータから新たなIPアドレス(例えば、133.4.34.10)を取得し、サブネットワーク用のIPアドレスブロック(例えば、133.4.200.0ないし133.4.200.255)を取得する。移動ルータは、そのアドレスブロックをインターネットに接続されているホームルータに通知し、ホームルータは、そのアドレスブロックの値を受け取ると、サブネットワークに対応するIPアドレス(例えば、133.4.200.0)を、ネットマスク(例えば、0xffffff00)と共に登録し、宛先VIPアドレスが、例えば、133.138.194.0ないし133.138.194.255であるデータを受け取ると、登録内容を参照し、宛先IPアドレスを133.4.200.0ないし133.4.200.255にそれぞれ書き換えた後、サブネットワークの端末装置に転送する。これにより、インターネット上でサブネットワークを移動することができる。
【0006】
また、移動端末装置を広域にサポートするネットワークの通信システムを提供する技術が、例えば、特許文献3に開示されている。これによれば、端末装置と直接対応するホームエージェントと当該端末装置との間に、ルータであるプロキシを設ける。当該プロキシは、MobilIPのサービス制御を行う。端末装置は、MobilIPを使ったサービスを受ける場合、プロキシにアクセスし、サービスプロファイルデータベースを参照するリンクレイヤ認証サーバによって認証を受け、ネットワークへの接続を行う。通信相手である移動端末装置との通信は、プロキシを介して行われ、トンネリングによるパケットの送信もプロキシによって行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−2377717号公報
【特許文献2】
特開平9−172451号公報
【特許文献3】
特開2001−224070号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記、特許文献1〜3では、ゲートウェイ装置が、その配下に接続されている複数の端末装置に対して移動性の付与を試みている。ゲートウェイ装置が、端末装置が持つべき移動機能を代行して備えることが目的である。これらの既存システムでは、ゲートウェイ装置に接続される端末装置のアドレスと、ゲートウェイ装置に割り当てられた固有アドレスとの対応部を有している。ゲートウェイ装置が対応表を用いてパケットの変換を行うことにより端末装置に対して移動性の付与を行っている。そのため端末装置は移動性を持つ必要がない。
【0009】
しかしながら次の問題点を持つ。第一の問題点は、ゲートウェイ装置と通信対象端末装置とが同一の移動性付与プロトコルの処理機能を備える必要がある。その理由は、ゲートウェイ装置により、移動性が付与されたパケットが、通信対象端末装置に直接送信されるためである。
【0010】
第二の問題点は、ゲートウェイ装置は、通信対象端末装置が備える移動性解釈機能の有無を示す表を保持する必要があり、それを通信対象端末装置の出現または消滅と共に更新しなければならない。その理由は、ゲートウェイ装置により移動性を付与されたパケットを用いると、移動性の解釈機能を持たない端末装置とは通信ができないため、通信相手に応じて処理を変更する必要があるためである。
【0011】
第三の問題点は、多数の通信対象が存在した場合、第二の問題点で指摘した表が大きくなり処理速度を劣化させる恐れがある。その理由は、1つの通信対象端末装置に対して1項目の対応を必要とするような対応表の構成であり、通信対象の数が大きくなると、表が大きくなり、ゲートウェイ装置の処理が増大するためである。
【0012】
本発明は、このような背景に行われたものであって、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のゲートウェイ装置は、端末装置が発信したパケットを捕捉すると、捕捉されたパケットをデータとみなし、パケットヘッダを付与することにより新たなパケットを生成する。生成されたパケットに対して端末装置が発信したパケットの宛先のネットワークに対応する移動性の付与を行い、外部ネットワーク上に設置されたプロトコル変換サーバに送出する。
【0014】
外部ネットワーク上に設置されたプロトコル変換サーバは、移動性の付与されたパケットを解釈する機能を備えており、受信したパケットを解釈し、そのパケットに内包されたパケットを取り出す。プロトコル変換サーバは取り出したパケットをその宛先アドレスおよび解釈した移動性に基づき通信対象端末装置に再送信する。
【0015】
このように、ゲートウェイ装置において新しいヘッダと、移動性の付与を行うことによりゲートウェイ装置に接続される端末装置とその通信対象端末装置との間に移動性を有した通信を実現する。さらにゲートウェイ装置は端末装置が発信したパケットをデータとみなすことにより、任意の移動性付与プロトコルを用いることが可能となる。また通信対象の端末装置に応じて処理を変更する必要はないため、本発明では通信対象端末装置の個別の情報を保持した表を管理する必要がない。
【0016】
これにより、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを提供することができる。
【0017】
すなわち、本発明の第一の観点は、通信システムであって、本発明の特徴とするところは、複数の端末装置が接続されたゲートウェイ装置と、このゲートウェイ装置が属するネットワークとは異なる他ネットワークに接続され、このゲートウェイ装置と通信可能に接続されたプロトコル変換サーバとを備え、前記ゲートウェイ装置は、前記端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが前記他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットを前記プロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自ゲートウェイ装置のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする手段と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する手段とを備え、前記プロトコル変換サーバは、前記ゲートウェイ装置から送出された前記カプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された前記移動性を解釈する手段と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す手段と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する手段により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する手段とを備えたところにある(請求項1)。
【0018】
本発明の第二の観点は、ゲートウェイ装置であって、本発明の特徴とするところは、自己に接続された端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自己のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする手段と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する手段とを備えたところにある(請求項2)。
【0019】
本発明の第三の観点は、プロトコル変換サーバであって、本発明の特徴とするところは、ゲートウェイ装置から送出されたカプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された移動性を解釈する手段と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す手段と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する手段により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する手段とを備えたところにある(請求項3)。
【0020】
本発明の第四の観点は、プログラムであって、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、ゲートウェイ装置に相応する機能として、自己に接続された端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自己のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする機能と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する機能とを実現させるところにある(請求項4)。
【0021】
あるいは、本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、プロトコル変換サーバに相応する機能として、ゲートウェイ装置から送出されたカプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された移動性を解釈する機能と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す機能と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する機能により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する機能とを実現させることを特徴とする(請求項5)。
【0022】
本発明の第五の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である(請求項6)。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【0023】
これにより、情報処理装置を用いて、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明実施形態の通信システムを図1ないし図4を参照して説明する。図1は本実施形態の通信システムの構成図である。図2は本実施形態のゲートウェイ装置のブロック構成図である。図3は本実施形態のゲートウェイ装置が備えるインタフェース(以下I/Fと記す)の識別表を示す図である。図4は本実施形態のプロトコル変換サーバのブロック構成図である。
【0025】
本実施形態の通信システムの特徴とするところは、図1に示すように、複数の端末装置101、102、103が接続されたゲートウェイ装置104と、このゲートウェイ装置104が属するゲートウェイ内部ネットワーク109とは異なる外部ネットワーク108に接続され、このゲートウェイ装置104と通信可能に接続されたプロトコル変換サーバ105とを備え、ゲートウェイ装置104は、図2に示すように、端末装置101〜103から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが外部ネットワーク108に属する通信対象端末装置107を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバ105のアドレス(3ffe:1800:1000:0105::100)を宛先アドレスとし自ゲートウェイ装置104のアドレス(3ffe:1800:1000::100)を送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングするヘッダ付与器208と、この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて外部ネットワーク108に対応する移動性を付与する移動性付与器203とを備え、プロトコル変換サーバ105は、図4に示すように、ゲートウェイ装置104から送出された前記カプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された前記移動性を解釈する移動性解釈器402と、当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出すヘッダ除去器407と、この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび移動性解釈器402により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する出力I/F405とを備えたところにある(請求項1、2、3)。
【0026】
本発明は、汎用の情報処理装置にインストールすることにより、上述の通信システムとして機能させるプログラムとして実現することができる(請求項4、5)。このプログラムは、記録媒体に記録されて情報処理装置にインストールされ(請求項6)、あるいは通信回線を介して情報処理装置にインストールされることにより当該情報処理装置をそれぞれゲートウェイ装置104、プロトコル変換サーバ105として機能させ、ゲートウェイ装置104の配下に接続される端末装置101〜103に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバ105を用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる通信システムを実現することができる。
【0027】
以下では、本実施形態を図面を参照して詳細に説明する。まず本発明の実施形態のネットワーク構成が図1に示されている。端末装置101〜103がゲートウェイ装置104の配下に接続されている。ゲートウェイ装置104の配下には複数の端末装置101〜103を接続することができるようにネットワーク109が構成されている。またゲートウェイ装置104はアクセス回線111を通じて外部ネットワーク108に接続されており、通信対象端末装置107との通信を行う。
【0028】
ゲートウェイ装置104には固有アドレス3ffe:1800:1000:105::100が付与されており、ゲートウェイ装置104が他のアクセス回線111に接続されていてもゲートウェイ装置104への到達性が保証されている。これを実現するためネットワーク上には位置管理サーバ106が接続されており、ゲートウェイ装置104の位置情報を管理している。
【0029】
ゲートウェイ装置104はあらかじめ、固有アドレスとプロトコル変換サーバ105の2つのアドレスを通信の端点とした仮想通信路110を生成しておく。ゲートウェイ装置104から仮想通信路110へ送信されたパケットは、宛先アドレスがプロトコル変換サーバ105のアドレス3ffe:1800:1000:105::100、送信元アドレスが固有アドレス3ffe:1800:1000::100である新たなヘッダが付与されてプロトコル変換サーバ105まで届けられる。
【0030】
この状況において、端末装置101〜103と通信対象端末装置107の通信の詳細な手順は次のとおりである。図2はゲートウェイ装置104の内部構成を示したものである。例えば、複数の入力I/F201、211、212を備えているときに、その内の1つの入力I/F201により端末装置101が送信したパケットを受信したとする。
【0031】
まず、パケットは宛先アドレス検査器202へ入力される。宛先アドレスの検査を行った結果、位置管理サーバ106を示すアドレスの場合は、移動性も、新たなヘッダも付与せずパケットを出力I/F204〜206のいずれかに与え位置管理サーバ106に送信する。また、宛先アドレスがプロトコル変換サーバ105を示す場合は移動性付与器203に入力する。最後に、これらの条件に該当しない宛先アドレスを持ったパケットは、仮想I/F207を通じてヘッダ付与器208に送られる。ヘッダ付与器208では、入力パケットをデータとみなした新しいパケットが生成される。このとき新たに生成されたパケットは宛先アドレスをプロトコル変換サーバ105、送信元アドレスをゲートウェイ装置104に付与された固有アドレスとし、かつプロトコル種別として新たなヘッダ付与が行われたことを示す特定の番号を記したパケットを外殻パケットとし、端末装置101から送信されたパケットを内包してカプセリングされたパケットである。
この後、宛先アドレス検査器202に再入力させることにより移動性付与器203に新しいパケットを入力させる。
【0032】
本実施形態では移動性付与器203にMobileIPv6プロトコルを用いているが、任意のプロトコルが利用可能である。移動性の確保処理が行われたパケットは出力I/F204〜206の宛先に応じて選択されたいずれかに出力されネットワークに送出される。
【0033】
また、ゲートウェイ装置104自身が生成したパケットを通信対象端末装置107に送出する場合の手順を示す。図3はI/F名に対して、ゲートウェイ装置104から外部ネットワーク108に向けて接続するI/Fと、端末装置101〜103を接続するゲートウェイ内部ネットワーク109向けのI/Fの区別を記したものである。ゲートウェイ装置104はI/Fを構成する際に、この表も併せて作成し保持する。宛先アドレス検査器202がゲートウェイ装置104内部から発生したパケットに対しては、出力I/Fに応じて送信アドレスを変更する。図3に示した表を参照し出力I/Fの種別が内部である場合は、送信元アドレスとして入力I/Fに付与されているアドレスを用いる。また種別が外部の場合は、送信元アドレスとして固有アドレスを用いる。
【0034】
図2で示した手順で処理されたパケットを受信したプロトコル変換サーバ105は、付与されている移動性の解釈とパケットの変換を行う。図4はプロトコル変換サーバ105の内部処理を示したものである。入力I/F401から受信されたパケットは移動性解釈器402に入力され、パケットに移動性が付与されている場合はその解釈を行う。その後、宛先アドレス検査器404に入力され、宛先アドレスがプロトコル変換サーバ105の場合はプロトコル種別判定器403へ処理が引き渡される。ゲートウェイ装置104は、前述したように、パケットをプロトコル変換サーバ105に送信する際にプロトコル種別を示す番号を付与している。検査の結果、当該プロトコル変換サーバ105が扱っているプロトコル種別を示す番号の値に一致する場合は、仮想I/F406を通じて、ヘッダ除去器407へ送られる。
【0035】
ここで入力されたパケットのデータ部分を取り出し、そのデータ部分は新たなパケットとみなし移動性解釈器402へ再入力を行う。再入力されたパケットには移動性の付与は行われておらず、また、宛先アドレスが通信対象端末装置107を示しているので、宛先アドレス検査器202がパケットを出力I/F405に送る。出力I/F405では、移動性解釈器402により解釈された移動性と当該パケットの宛先アドレスとに基づき端末装置101が送信したパケットを通信対象端末装置107へ向けて再送信する。このように、プロトコル変換サーバ105が、受信したパケットに対して移動性の解釈とヘッダの除去を行い再送出を行うことで、端末装置101および通信対象端末装置107が移動性を有していなくてもパケットを送信することが可能となる。
【0036】
なお、本実施形態または本明細書は、端末装置101→ゲートウェイ装置104→プロトコル変換サーバ105→通信対象端末装置107という一方向の通信について述べられている。この反対方向の通信については、以上説明した通信手順をそのまま反対方向から行うことにより実現できる。
【0037】
この際に、例えば、プロトコル変換サーバ105にゲートウェイ装置104と等価の機能を併せて持たせ、ゲートウェイ装置104にプロトコル変換サーバ105と等価の機能を併せて持たせれば、通信対象端末装置107から端末装置101へ向かう通信においては、プロトコル変換サーバ105がゲートウェイ装置104に相当する動作を行い、ゲートウェイ装置104がプロトコル変換サーバ105に相当する動作を行うことにより、以上の説明を反対方向の通信手順に置き換えて説明することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ゲートウェイ装置の配下に接続される複数の端末装置に対して変更を加えることなく移動性を付与し、また、プロトコル変換サーバを用いることにより、移動性の実現機能を端末装置間の通信からは隠蔽し、特定の移動性付与プロトコルに依存せず、任意の端末装置との通信を可能とすることができ、また、個別の通信対象端末装置に対して状態を保持する必要がなく、これらの機能を高速かつ簡易に実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の通信システムの構成図
【図2】本実施形態のゲートウェイ装置のブロック構成図。
【図3】本実施形態のゲートウェイ装置が備えるI/Fの識別表を示す図。
【図4】本実施形態のプロトコル変換サーバのブロック構成図。
【符号の説明】
101〜103 端末装置
104 ゲートウェイ装置
105 プロトコル変換サーバ
106 位置管理サーバ
107 通信対象端末装置
108 外部ネットワーク
109 ゲートウェイ内部ネットワーク
110 仮想通信路
111、112 アクセス回線
201、211、212、401 入力I/F
202 宛先アドレス検査器
203 移動性付与器
204〜206、405 出力I/F
207、406 仮想I/F
208 ヘッダ付与器
209 出力I/F選択器
402 移動性解釈器
403 プロトコル種別判定器
404 宛先アドレス検査器
407 ヘッダ除去器
Claims (6)
- 複数の端末装置が接続されたゲートウェイ装置と、
このゲートウェイ装置が属するネットワークとは異なる他ネットワークに接続され、このゲートウェイ装置と通信可能に接続されたプロトコル変換サーバとを備え、
前記ゲートウェイ装置は、
前記端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが前記他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットを前記プロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自ゲートウェイ装置のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする手段と、
この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する手段とを備え、
前記プロトコル変換サーバは、
前記ゲートウェイ装置から送出された前記カプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された前記移動性を解釈する手段と、
当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す手段と、
この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する手段により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する手段とを備えたことを特徴とする通信システム。 - 自己に接続された端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自己のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする手段と、
この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する手段とを備えたことを特徴とするゲートウェイ装置。 - ゲートウェイ装置から送出されたカプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された移動性を解釈する手段と、
当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す手段と、
この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する手段により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する手段とを備えたことを特徴とするプロトコル変換サーバ。 - 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、ゲートウェイ装置に相応する機能として、
自己に接続された端末装置から送出されたパケットを受信しその宛先アドレスが他ネットワークに属する通信相手を示すときには、当該パケットをプロトコル変換サーバのアドレスを宛先アドレスとし自己のアドレスを送信元アドレスとするパケットを外殻パケットとしてカプセリングする機能と、
この外殻パケットに対し所定の移動性付与プロトコルを用いて前記他ネットワークに対応する移動性を付与する機能とを実現させることを特徴とするプログラム。 - 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、プロトコル変換サーバに相応する機能として、
ゲートウェイ装置から送出されたカプセリングされたパケットを受信しその外殻パケットに付与された移動性を解釈する機能と、
当該カプセリングされたパケットに内包されていたパケットを取り出す機能と、
この内包されていたパケットの宛先アドレスおよび前記移動性を解釈する機能により解釈された前記移動性に基づき当該内包されていたパケットをその宛先アドレスが示す通信相手に転送する機能とを実現させることを特徴とするプログラム。 - 請求項4または5記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体。
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Cited By (1)
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2003
- 2003-05-20 JP JP2003142312A patent/JP2004349854A/ja active Pending
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