JP2004348285A - 人事制度マネジメント支援システム - Google Patents

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JP2004348285A JP2003142588A JP2003142588A JP2004348285A JP 2004348285 A JP2004348285 A JP 2004348285A JP 2003142588 A JP2003142588 A JP 2003142588A JP 2003142588 A JP2003142588 A JP 2003142588A JP 2004348285 A JP2004348285 A JP 2004348285A
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Abstract

【課題】人事制度の円滑な運用を図ることができ、併せて公正かつ公平な評価の実現を図ることができるようにする。
【解決手段】通信回線により、サーバ10、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40、社員端末50を相互に接続し、ビジネスプロ機能部100により、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供し、ナビゲーション機能部200により、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40、社員端末50による人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援をWebページで提供し、さらに少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準をWebページで提供し、シミュレーション機能部300により、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションをWebページ上で行うようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人の知的創造活動を価業(Intellectual Activities)という具体的な価業単位でマネジメントし、経営改革に直結する人事制度を構築する人事制度マネジメント支援システムに関する。ここで、価業とは、ある単位の遂行業務のことであり、顧客受付から戦略的提携の契約締結まで、幅広い範囲の意味を持つものである。また、自分が行うべきミッション(中期計画目標等)や成果目標(短期結果目標等)も価業としての意味を持つものである。
【0002】
【従来の技術】
人事評価等を行うようにしたものとして、特許文献1に示されているシステムがある。これは、企業内に企業、組織、他の従業員の計画、業務内容等の情報が格納される一元的なデータベースを構築し、各従業員がネットワーク端末によりそのデータベース内の情報の閲覧と、自己の業務に対する評価の受信とを行うことができるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−297842
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した特許文献1では、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とを提供する機能を備えていないばかりか、価業毎の客観的な評価の基準を備えていないため、人事制度の円滑な運用が図れないばかりか、公正かつ公平な評価の実現が不可能となるものと予測される。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、人事制度の円滑な運用を図ることができ、併せて公正かつ公平な評価の実現を図ることができる人事制度マネジメント支援システムを提供することができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の人事制度マネジメント支援システムは、人事制度マネジメントを支援するための機能が搭載されているサーバと、通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている管理端末と、通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている人事スタッフ端末と、通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている社員端末と、サーバ、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末を相互に接続する通信回線とを備え、人事制度マネジメントを支援するための機能は、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供する機能を有するビジネスプロ機能部と、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末による人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援をWebページで提供する機能と、少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準をWebページで提供する機能を有するナビゲーション機能部とを備えることを特徴とする。
また、ビジネスプロ機能部は、実務と制度とが1対1で結びつく環境を提供する機能を有しているものであって、個人の価業毎に割り当てられ、価業の内容及び評価が入力されるバリューカードの提供を行う機能を有しているようにすることができる。
また、ビジネスプロ機能部は、期首、期末、四半期のいずれかに、複数のバリューカードに入力された情報を集約したマネジメントレポートの提供を行う機能を有しているようにすることができる。
また、人事制度マネジメントを支援するための機能は、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションをWebページ上で行う機能を有するシミュレーション機能部を備えるようにすることができる。
また、役割基準は、少なくとも価業に対する等級別の必要要件が文書で記載されたものであり、付加情報として見本となる代表価業と、知識、経験、技量の観点からの必要要件とを有するものであるようにすることができる。
本発明の人事制度マネジメント支援方法は、通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている管理端末と、通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている人事スタッフ端末と、通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている社員端末と、サーバ、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末を相互に接続する通信回線とを備え、人事制度マネジメントを支援するための機能は、ビジネスプロ機能部により、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供する工程と、ナビゲーション機能部により、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末による人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援をWebページで提供し、少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準をWebページで提供する工程とを有することを特徴とする。
また、ビジネスプロ機能部は、実務と制度とが1対1で結びつく環境を提供する機能を有しているものであって、個人の価業毎に割り当てられ、価業の内容及び評価が入力されるバリューカードの提供を行う工程を有しているようにすることができる。
また、ビジネスプロ機能部は、期首、期末、四半期のいずれかに、複数のバリューカードに入力された情報を集約したマネジメントレポートの提供を行う工程を有しているようにすることができる。
また、人事制度マネジメントを支援するための機能は、シミュレーション機能部により、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションをWebページ上で行う工程を有するようにすることができる。
また、役割基準は、少なくとも価業に対する等級別の必要要件が文書で記載されたものであり、付加情報として見本となる代表価業と、知識、経験、技量の観点からの必要要件とを有するものであるようにすることができる。
本発明に係る人事制度マネジメント支援システムにおいては、通信回線により、サーバ、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末を相互に接続し、サーバに人事制度マネジメントを支援するためのビジネスプロ機能部、ナビゲーション機能部からなる機能を搭載し、ビジネスプロ機能部により、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供し、ナビゲーション機能部により、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末による人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援をWebページで提供し、さらに少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準をWebページで提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の人事制度マネジメント支援システムの一実施の形態を説明するための図、図2は、図1のビジネスプロ機能部を中心とした機能モデルを示す図、図3〜図8は、図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図、図9〜図11は、図1の人事制度マネジメント支援システムの動作を説明するための図、図12は、役割基準にて用いられる価業等級の決定方法を説明するための図である。なお、以下に示す価業(Intellectual Activities)とは、ある単位の遂行業務のことであり、顧客受付から戦略的提携の契約締結まで、幅広い範囲の意味を持つものである。また、自分が行うべきミッション(中期計画目標等)や成果目標(短期結果目標等)も価業としての意味を持つものである。
【0008】
図1に示す人事制度マネジメント支援システムは、サーバ10、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40、社員端末50を備え、これらは通信回線60を介して相互に通信できるようになっている。ここで、通信回線60としては、LAN、インターネット、専用回線等を用いることができる。また、管理端末としては、経営者端末20及び管理者端末30であってもよいし、管理者端末30のみであってもよい。
サーバ10は、社内に設置される社内サーバであってもよいし、社外に設置される社外サーバであってもよい。サーバ10には、人事制度マネジメントを支援するための機能(プログラム)がインストールされている。その機能は、大きく分けて、ビジネスプロ機能部100、ナビゲーション機能部200、シミュレーション機能部300によって構成されている。これらビジネスプロ機能部100、ナビゲーション機能部200、シミュレーション機能部300の詳細については、後述する。また、サーバ10は、ビジネスプロ機能部100によって作成及び変更された情報が格納されるデータベース11を備えている。
【0009】
経営者端末20は、通信機能、表示機能、情報入力機能を有している。経営者端末20には、後述のバリューカード120やマネジメントレポート130等をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている。ここで、Webブラウザとしては、Microsoft社のInternet Explorer、Netscape Communications社のNetscape Communicator(Navigator)、Opera Software社のOpera等を用いることができる。管理者端末30は、通信機能、表示機能、情報入力機能を有している。管理者端末30には、上述したWebブラウザがインストールされている。人事スタッフ端末40は、通信機能、表示機能、情報入力機能を有している。人事スタッフ端末40には、上述したWebブラウザがインストールされている。社員端末50は、通信機能、表示機能、情報入力機能を有している。社員端末50には、上述したWebブラウザがインストールされている。なお、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40及び社員端末50にあっては、ディスクトップパソコン、ノートパソコン、PDA、携帯電話等の端末を用いることができる。
【0010】
次に、上述したビジネスプロ機能部100、ナビゲーション機能部200、シミュレーション機能部300の詳細について説明する。
ビジネスプロ機能部100は、期首、期末、四半期等の一括処理の概念をある程度取り去り、常に価業のアサインと評価とが繰り返される、実務と制度が1対1で結びつく環境をWebページで提供する機能を有している。ビジネスプロ機能部100は、図4に示すマネジメントレポート130で扱う複数の価業リストを価業にまでブレークダウンし、図3及び図4に示すバリューカード120という単位で取り扱い、価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供する機能を有する。マネジメントレポート130には、バリューカード120に入力された情報を集約したものが持たされている。情報の集約は、たとえば期首、期末、四半期毎に行われる。ちなみに、バリューカード120は、図3に示すように、入力用カード画面121、確認用カード画面122、完了用カード画面123から構成されている。このようなバリューカード120を用いることで、たとえば期首又は期中に遂行すべき価業の設定が行われると、期中又は期末価業の自己評価と上司評価とを行うことができる。
【0011】
ナビゲーション機能部200は、本システムを使用するユーザに対して操作支援をWebページで提供する機能を有している。ここで、ユーザとは、経営者、管理者、人事スタッフ、社員等である。ナビゲーション機能部200は、少なくとも価業の格付けや、評価の際の精度向上を目的とする役割基準の提供のほか、本システムの使用中に発生するエラーやヘルプボタン等に応答し、適切な操作ガイダンスを表示する機能を有している。操作方法や制度の案内は、本システムの導入会社毎に異なることから、学習機能により情報の検索精度がコントロールされるようにしてもよい。また、役割基準とは、少なくとも価業に対する等級別の必要要件が文書で記載されたものであり、付加情報として見本となる代表価業と、知識、経験、技量の観点からの必要要件とを有するものである。この役割基準を用いることで、価業毎に自己評価を客観的に判断することができる。また、この役割基準を用いることで、上司評価も客観的に判断することができる。なお、役割基準の役割は、評価の判断基準のみならず、JOB編成や組織編成の基準ともなるものとすることができる。
【0012】
シミュレーション機能部300は、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションをWebページ上で行う機能を有している。また、シミュレーション機能部300は、被評価者が昇格するためには、次にどのような価業を遂行し評価されなければならないのか、などの個人向け昇格シミュレーションをWebページ上で行う機能を有している。
【0013】
次に、ビジネスプロ機能部100を中心とした機能モデルを、図2に示す。
ビジネスプロ機能部100は、操作画面101と管理画面116との間に、組織管理機能102、個人情報管理機能103、バリューカード管理機能104、ACL(アクセスコントロール)管理機能105、公開情報管理機能106、組織&評価パスデータ107、マネジメントレポートデータ108、アクセス権限データ109、役割基準データ110、役割基準管理機能111、考課管理機能112、人事モニタリング機能113、ACL(アクセスコントロール)設定機能114、公開情報設定機能115を有する構成となっている。なお、組織&評価パスデータ107、マネジメントレポートデータ108、アクセス権限データ109、役割基準データ110等は、上述したデータベース11に格納されているものである。
【0014】
操作画面101は、上述した社員端末50の画面に相当するが、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40の画面の何れかに相当する場合があってもよい。管理画面116は、人事スタッフ端末40の画面に相当するが、経営者端末20、管理者端末30の画面の何れかに相当する場合があってもよい。操作画面101は、ビジネスプロ機能部100から見て外部インタフェースに相当する。操作画面101からバリューカード120にアクセスすると、その操作画面101に図3に示したバリューカード120が表示される。なお、バリューカード120へのアクセスにあっては、その内容表示や入力に対する権限が制御されるが、その詳細は後述する。
ナビゲーション機能部200は、操作画面101にリンクしている。シミュレーション機能部300は、管理画面116にリンクしている。
組織管理機能102は、会社の組織情報から、評価者と被評価者との関係について管理する。たとえば、評価者である上司が被評価者である部下のバリューカード120を参照する場合、組織管理機能102から被評価者である部下のアクセスキーを取得し、バリューカード管理機能104に対して表示を依頼することにより、部下のバリューカード120が操作画面101に表示される。
【0015】
個人情報管理機能103は、社員の役職や等級、さらには個人申告情報といった個人情報を管理する。これらの情報は、図4に示したマネジメントレポート130とは時間的な管理単位が異なり、不定期に更新される個人事情や、役職や等級といった個人のステータスを示す。個人情報管理機能103は、マネジメントレポート130及び個人のステータス情報を同時に取り扱い、個人という単位で情報をまとめる機能を有している。
ここで、個人情報の基本的な構造は、たとえば図5の通りである。つまり、個人情報の主な要素は、社員オブジェクト、個人申告情報、マネジメントレポートオブジェクト、評価パスオブジェクトである。社員オブジェクトは、その社員に関する基本的な情報を属性として持ち、年度毎のマネジメントレポートオブジェクトと不定期に申告している個人申告情報とを複数所有する。また、自分に対して育成責任を持つ評価者は、評価パスオブジェクトを介してn次分所有することができる。
【0016】
また、社員オブジェクトは、組織管理機能102により管理されている組織データとの関連を持つ。社員は正式な所属として一つのハード組織と、兼務として複数のハード組織に所属することができる。また、同時に複数の機能組織にも所属できる。ハード組織とは通常の部署を指し、機能組織とはプロジェクトに代表されるようなターゲット業務(実務)に即した組織である。また、組織と社員には評価者を示す関連があり、ある組織を統括し部下の育成責任を持つ評価者を特定することができる。もし、自分が評価者である場合は、直上組織の評価者がそれにあたる。また、本人が行う個人情報の入力や更新は、個人申告情報の他、資格の取得や研修履歴等の一部の情報に限られる。その他の情報更新は本人ではなく人事部等により行われ、たとえば昇格による等級の更新は考課管理機能112が行い、マネジメントレポート130の情報追加はバリューカード管理機能104が行う。また、入社、退職時の処理は、組織管理機能102により更新される。
【0017】
バリューカード管理機能104は、バリューカード120に入力される情報を管理する機能を有している。バリューカード120に入力される情報の主な入力項目としては、次のようなものがある。
・ミッション(評価指標を含む)
・成果目標(ウェイト、格付け、評価指標を含む)
・価業(格付け、価値指標を含む)
・コンピテンシー(開発要素を含む)
・キャリア開発目標
・目標達成度評価と達成状況
・価業評価とコメント(部下の評価も含む)
・コンピテンシー評価(部下の評価も含む)
・役割遂行度評価
【0018】
また、バリューカード120には、価業の特性に合わせた評価軸が指定される。評価軸とは、業務処理度、情報調査度、指導統括度などであり、その内容は会社毎に設定される。また、評価軸は、社員の等級や職種によって使用する評価ウェイト表が異なる。昇格時には昇進昇格の評価ウェイト配分表を使用する。同様にミッションやコンピテンシーの評価軸も会社の個性に合わせて異なる。バリューカード120に設定すべき要素やウェイトは、役割遂行度の評価に関わる事項であり、制度設計の段階で決定される。
ACL管理機能105は、情報の閲覧や編集に対するユーザ別のアクセス権限を管理し、アクセス権限のあるユーザに対してアクセスのあった情報の閲覧や編集を許可する機能を有している。
【0019】
公開情報管理機能106は、柔軟な情報提供を行うために書庫機能や情報ポータルとしての掲示機能を有している。たとえば、人事部より全社の評価者に対して「平成14年度の評価に関するポイント」と言う文書が公開される場合、人事部は人事スタッフ端末40から公開情報管理機能106の機能により文書を書庫に登録し、操作画面101に表示される初期画面である情報ポータルのWhat’s Newに「平成14年度の評価に関するポイントを公開しました。」と設定することができる。そして、評価者が操作画面101にアクセスすると、What’s Newの表示にリンクが現れ、ワンクリックにより配布ドキュメントを参照することができる。ここで、書庫は、上述したデータベース11の所定のテーブルに持たせることができる。
組織&評価パスデータ107は、所属組織に存在する評価者の関連を探索するためのデータである。所属組織に存在する評価者の関連を探索することにより、n次評価者まで特定できるデータ構造を有している。ただし、必ずしも評価者と被評価者間との関係がその通りになっているとは限らないので、デフォルトの探索ルート以外のケースがある場合、評価パスオブジェクトを社員オブジェクトに関連させることにより優先的に評価パスを切り替えるデータ構造を有している。
【0020】
マネジメントレポートデータ108は、社員に関連付けられたデータではあるが、役割基準の視点に立った考え方から、それは会社のミッション遂行履歴であり、かつ補充要員によって遂行されるべき役割に関する継続的なデータの意味を持つ。具体的には、社員が退職し社員オブジェクトと組織との関連が切れたり、削除されたとしてもマネジメントレポートデータ108は削除されずに残る。マネジメントレポートデータ108は別途明示的に削除されない限り残り、格付けの参考や価業配分例としての参照目的に活用される。
アクセス権限データ109は、ACL管理機能105による情報の閲覧や編集を許可する際のアクセス権限を示すデータである。
役割基準データ110は、役割基準を示すデータである。
【0021】
役割基準管理機能111は、役割の分析により格付けされた全社共通価業、部署代表価業及び価業パッケージと、バリューカード120により登録される個別価業を管理する機能を有している。本システムでは、全ての価業データを価業DBと呼び、個々の価業には知識要件、経験要件、技量要件など、遂行に必要な知識情報を含めその登録や参照の仕組みが提供される。また、人事部が承認した価業を登録価業と呼ぶ。登録価業は、下位等級であるほど再利用率が高く、その分布は等級別価業の再利用率カーブを描き、機能組織に与えられた役割に応じてカーブの特徴は異なる。この特徴を有効に利用した仕組みが職務群向けの価業パッケージであり、定型業務のアサインを迅速に行える操作性が実現される。
考課管理機能112は、卒業要件から昇格候補者を検索し昇格処理を行うこと、及び抜擢による飛び級昇格者を管理する機能を有している。つまり、考課管理機能112の第一の役割は、昇格候補者をリストアップし昇格を承認することにある。昇格候補者のリストアップには2通りの方法がある。第一に卒業要件と入学要件によるリストアップがある。昇格するためには、卒業要件と入学要件とを満たす必要がある。卒業要件とは業績(プロフェッショナル)評価であり、在位中の等級により計算される結果がたとえばAA(通期で連続A)又は350点以上でかつ在位年数が3年以上を満たす必要があるといったようなことである。入学要件とは遂行能力(プロモーション)評価であり、たとえば昇格等級による計算結果が250点以上を満たす必要があるといったようなことである。考課管理機能112は、以上のような条件を充足する社員オブジェクトをリストアップする。
【0022】
考課管理機能112の第二の役割は、抜擢者のリストアップにある。抜擢コースは制度設計の段階で予め決められている。どんなに優秀な人材でも、無闇な抜擢で未経験な業務を担当させるわけには行かないので、予めパスしてもよい箇所を制度として決めておく必要がある。抜擢者の検索では、たとえば現在の在位等級が6等級であり、7等級への卒業要件及び入学要件を満たし、評語がSAの者について行われる。抜擢コースは予め決められていることから、抜擢対象者検索としてカスタマイズの段階で考課管理機能112には検索条件が設定される。考課管理機能112は、リストアップの他に昇格を承認するためのインタフェースを提供する機能を有する。昇格の承認は自動ではなく手動のインタフェースとし、人事部の責任者が一人ずつ承認することが原則となる。
また、考課オブジェクトは、社員オブジェクトへのバウンダリー又はフィルタの役割を果たす。考課管理機能112には、昇格者検索と抜擢者検索メソッドがあり、両メソッドは社員オブジェクトを検索しリストの形式を戻り値とする。たとえば、デフォルトの抜擢者検索対象が6、8等級であったとする。A社の制度では7等級でかつ挑戦群のみであった場合、A社向けのシステムでは考課オブジェクトを派生し、A社向け考課オブジェクトとして抜擢者検索メソッドをオーバーライドする。
【0023】
人事モニタリング機能113は、期首、期中、期末の入力業務の進捗度合、評価の甘辛分析、価業の等級別配分状況など、会社全体を俯瞰する視点に立ったモニタリング機能を有している。人事モニタリング機能113は、情報を様々な角度で表現することができる。ただし、その結果については、情報が更新されることはない。そのため、人事部の制度管理担当者は、人事モニタリング機能113を使用し、必要な情報を得た後、その情報を使った人的な業務を行うことになる。ここで、人事モニタリング機能113は、「人事制度の円滑な運用」と「公正かつ公平な評価の実現」の2つの目的を有している。
人事制度の円滑な運用にあっては、人事部におけるモニタリング業務において、制度運用が適切に行われているか否かを監視できることが基本となる。本システムは、バリューカード120を媒体とした本人と上司ならびに上位評価者とのコミュニケーションを支援するものであり、ミッション、成果目標、価業を、マネジメントレポート130というまとまった単位ではなく、各項目1単位を明記したバリューカード120が両者間を飛び交うことになる。人事モニタリング機能113は、各バリューカード120の設定から評価までの進捗状況を参照できるので、制度運用状況が、「差し戻し」や「停滞」を含めて一目瞭然となる。
【0024】
進捗状況表示するバリューカード120のカテゴリは、次のA.〜E.の通りである。
A.ミッション(設定)
B.成果目標(設定と評価)
C.価業(設定と評価)
D.役割遂行度(評価)
E.コンピテンシー目標(設定と評価)
また、進捗状況表示にあっては、人事スタッフ端末40により、部署単位や個人単位でバリューカード120の状態を件数表示することができる。価業の期首登録の場合は、総入力数、相互承認数、自己評価数、上司評価数、本人確認数の5項目について数値を表示すると、相互承認数が総入力数と同じ数字になっていれば入力価業が全て相互承認まで完了したことを把握できる。また、価業は上司が部下にアサインすることや、部下が上司にアサインするケースもあるが、基本理念は相互承認にあることから、図6に示すように、5区分の表示で全てのアサイン形態を満足することができる。
【0025】
また、評価の進捗に関しても共通表示となるが、部下が上司にアサインした場合の、部下によるアップワード評価は本人確認の項目に反映される。同表示では、ワークフロー中に長期停滞(n日以上の停滞:nは予め設定された日数)しているバリューカード120がある場合は、たとえば色付きの表示によりアラートが表示され、人事部からの指導対象となるようにすることができる。このようなデータは、図7に示すように、マネジメントレポートオブジェクトの進捗状況を取得するメソッドにより算出され、人事モニタリング機能113によって表示用のデータに加工され表示される。
公正かつ公平な評価の実現にあっては、評価が公正にかつ公平に行われるために、本人及び評価が基準やルールにのっとり、人事制度に適用することが必須となるため、ナビゲーション機能部200によるナビ機能等により、評価の適切性が保たれるようになっている。
【0026】
ACL設定機能114は、情報の閲覧や編集に対するユーザ別のアクセス権限を付与する機能を有している。たとえば、人事考課マニュアルを公開する場合、人事部の管理者はマニュアルの文書ファイルを書庫にアップロードすると同時に、この文書ファイルへのアクセス権限を”評価者のみ”とすると、ACL設定機能114がそのアクセス権限を設定する。また、What’s Newを登録する場合、このメッセージ表示は、”7等級以上”や”○○部”などの条件を設定することができる。
公開情報設定機能115は、全社に対して広く情報を公開する役割を持ち、情報ポータルとしての掲示告知機能と、書庫機能とからなる。掲示告知機能では、幹部社員や特定の部署といった限定されたユーザグループ別に異なる情報を伝えたいことが多くあるため、ACL管理機能105の機能を利用した情報の振り分け配信を行うことができる。このように、ACL管理機能105によって情報を全て公開するのではなく、ユーザグループ別に整理して提供することは書庫機能でも利用できる。両機能ともにACL管理機能105と密に連携して、ログイン中のユーザ権限を判定し情報の表示制御を行う。
【0027】
ここで、書庫機能は、文書ファイルを保存すること、及び文書ファイルを参照する機能を有している。書庫の構造は、コンピュータのファイルシステムに準拠し、ディレクトリとファイルの概念を持つ。公開情報設定機能115では、ディレクトリにあたる入れ物機能をキャビネットと呼び、ファイルを文書ファイルと呼ぶ。アップロードされた文書ファイルの物理的な位置と、キャビネット内の論理的な位置は必ずしも一致するものではないので、ファイルオブジェクトを介して管理する。ファイルオブジェクトは、キャビネットもファイルであると位置付け、キャビネットが入れ子になるツリー構造を実現する。また、全てのファイルオブジェクトにはACL管理機能105が関連して、ユーザに対するアクセス権限を設定することができる。
掲示告知機能は、ユーザがログインするとWhat’s Newを表示させる機能である。通常は、人事部からのお知らせやトピックなどを、テキストで100文字程度にまとめて表示することができる。告知情報が100文字程度に収まらないことや、書庫に重要な文書ファイルを追加した場合は、告知文字列と書庫の文書ファイルをハイパーリンクでつなげることができ、ユーザはWhat’s Newをクリックすると本文を読むことができる。また、What’s Newオブジェクトもファイルと同様にアクセス権限オブジェクトを所有する。これにより、たとえば8等級以上といったような社員へ限った告知などが可能になる。
【0028】
なお、上述したバリューカード120は、その入力内容に応じて、図8に示すように、ミッションカード120a、成果目標カード120b、価業カード120c、コンピテンシーカード120d、キャリア開発目標カード120e、役割遂行度カード120fといったような使い分けが可能である。つまり、バリューカード120をオブジェクトと見れば、これらミッションカード120a、成果目標カード120b、価業カード120c、コンピテンシーカード120d、キャリア開発目標カード120e、役割遂行度カード120fは、派生の関係を持つと捉えることができる。ただし、成果目標カード120b、価業カード120c、コンピテンシーカード120d、キャリア開発目標カード120e、役割遂行度カード120fは、評価を伴うが、ミッションカード120aは評価を伴わない。
【0029】
次に、人事制度マネジメント支援システムの動作について説明する。
なお、ユーザである上述した経営者、管理者、人事スタッフ、社員等が本システムを使用する場合、使用者個人を特定する必要がある。そのため、使用に際しては、ユーザID及びパスワードの入力によるログインを行い、使用後や席を離れる場合は他人のなりすましを防止するために、ログアウト処理を行うことが必要となる。そこで、ログイン時の認証処理ではユーザID及びパスワードの比較を行い、セッションをログイン状態に切り替え、ログアウト時にはセッションをログアウト状態に切り替えるようになっている。また、ユーザIDに対するパスワードは、社員による積極的な変更を推奨し、パスワードの変更画面を提供するようにもなっている。
【0030】
まず、価業自己アサインの状態遷移を示す図9において、たとえば社員が社員端末50により、自己のバリューカード120にアクセスすると、社員端末50には、図3に示した入力用カード画面121が表示される。この入力用カード画面121には、上述した
・ミッション(評価指標を含む)
・成果目標(ウェイト、格付け、評価指標を含む)
・価業(格付け、価値指標を含む)
・コンピテンシー(開発要素を含む)
・キャリア開発目標
・目標達成度評価と達成状況
・価業評価とコメント(部下の評価も含む)
・コンピテンシー評価(部下の評価も含む)
・役割遂行度評価
のいずれか、又は複数の内容を入力することができる(ステップS1)。
【0031】
入力用カード画面121への入力を終えると、社員端末50には、図3に示した確認用カード画面122が表示される。その内容を確認した後、図3に示した完了用カード画面123が表示された後、バリューカード120に対する入力作業が完了する。次いで、上司承認待ちとなる(ステップS2)。ここで、上司承認が得られなければバリューカード120が差し戻される。その際、社員は、上司の承認が得られるまで再度、バリューカード120への入力内容を変更する。
上司の承認が得られると、バリューカード120に入力した本人の承認待ちとなり(ステップS3)、本人がバリューカード120に自己評価を入力する(ステップS4)。その際、ナビゲーション機能部200によって与えられる役割基準を参照することで、客観的に自己評価を入力することができる。本人がバリューカード120に自己評価を入力すると、1次評価待ちとなる(ステップS5)。ここで、バリューカード120の評価は、ミッションを除き、全てについて存在するもので、評価者が複数(1〜3次及び最終評価者まで)存在することがある。また、バリューカード120には評価軸として、評価要素やコンピテンシー開発要素などの区分が設定される。たとえば、価業には評価要素の他に、ミッションの価値指標と関連する要素もあり、コンピテンシーを導入した会社では曖昧なコンピテンシー評価を避けるために価業とコンピテンシーを関連することもある。このようにバリューカード120に関連する評価要素は必ずしも一つとは限らない。
【0032】
ここで、1次評価が得られなければ、差し戻しとなり、本人の1次評価が得られるまで、バリューカード120への自己評価の入力内容を変更する。そして、1次評価が得られると、本人評価確認待ちとなり(ステップS6)、本人が評価を確認することで終了となる。
次に、上司から部下へ価業をアサインする状態遷移を示す図10において、たとえば評価者である上司が社員端末50により、いずれかの部下のバリューカード120にアクセスし、そのバリューカード120に部下への価業を示す内容が入力されると(ステップS7)、本人確認待ちとなる(ステップS8)。ここで、本人が社員端末50により、バリューカード120にアクセスし、そのバリューカード120に自己評価を入力すると(ステップS9)、1次評価待ちとなる(ステップS10)。ここで、1次評価が得られなければ、差し戻しとなり、本人の1次評価が得られるまで、バリューカード120への自己評価の入力内容を変更する。そして、1次評価が得られると、本人評価確認待ちとなり(ステップS11)、本人が評価を確認することで終了となる。
【0033】
次に、部下から上司へ価業をアサインする状態遷移を示す図11において、たとえば社員端末50により、自己のバリューカード120にアクセスし、そのバリューカード120にいずれかの価業を示す内容が入力されると(ステップS12)、上司了解待ちとなる(ステップS13)。ここで、上司の了解が得られなければ終了となるが、上司の了解が得られると、上司自己評価待ちとなる(ステップS14)。上司自己の評価が得られると、部下アップワード評価待ちとなる(ステップS15)。ここで、部下アップワード評価が得られると、上司の1次評価者による評価待ちとなり(ステップS16)、1次評価者による評価が得られると、上司評価確認待ちとなり(ステップS17)、上司評価確認が得られることで、終了となる。
【0034】
次に、役割基準にて用いられる価業等級の決定方法について説明する。
汎用役割基準に準拠した価業等級は、その価業の持つ多様な性質要素の組み合わせによって決定される。また、価業等級は、価業の分類や必要能力に応じて、その困難度を示すたとえば1等級〜10等級で示すことができる。
例)
9等級価業 :クレーム処理A
クレームレベル:社会的問題
影響 :信用損失
経験レベル :判断の選択肢あり
7等級価業 :クレーム処理B
クレームレベル:担当者による謝罪
影響 :顧客損失
経験レベル :判断の選択肢あり
両価業は同じクレーム処理であるが、格付けには2等級の差がある。仮に3要素で内容を表現してみると等級差の理由が見えてくることから、要素の組み合わせを使うと等級差を論理的に説明できることが判る。ちなみに、コンサルタントはこれら要素の組み合わせを的確に選び、質問としてぶつけることにより、効率的な価業分析を行う能力を持っている。
【0035】
また、コンサルタントは業務特性に見合った質問要素を知っているから、適切でかつ効率的な価業分析を行うことができる。質問は価業の要素にあたり、回答は要素に対する程度であるといえる。
例)要素の種類
・目的
・リスクレベル
・新規性
・対象範囲
・対象者のレベル
・対象者との信頼関係
・知識質
・知識量
・遂行後のインパクト
・経験のレベル
・情報ネットワーク
【0036】
また、コンサルタントは業務特性によって適切な質問を選択する。このことから価業は業務特性別に等級判断要素の種類や数、さらには回答の幅(スケール)が異なると考えられる。
例)業務特性別等級判断要素の違い
企画立案 要素A,B,C,D
調査分析 要素A,B,C,D,E
対人折衝 要素A,B,C,F,G
判断対応 要素A,B,C,D
補助提携 要素A,B,C
管理 要素A,C,D,H
インタビューによる価業等級判断を行うプロセスでは、質問をして回答を得ながら困難度に対する認識を共有していく。コンサルタントは質問の順番を考慮し困難度を絞り込むアプローチをとる。このとき、同じ質問の組み合わせであっても最初の回答によっては、後の質問で選択される困難度の範囲が違うことがある(マルコフ過程)。そこで、自己組織化マップ(SOM)の手法を用い、サンプルが作るクラスタ分布の確認及びクラスタ判定を同時に行うことを考える。
【0037】
自己組織化マップ(SOM)は、ヘルシンキ大学のコホネンにより考案された多次元刺激を2次元にマッピングする手法である。このアルゴリズムは、入力データを格子状のノードに結合して、入力データの特長に対して最大出力を与えるノードとその近傍について、入力データとの結合係数を変更する学習則である。これまでに、多くの分野での応用事例が報告されており、音声認識や検索エンジン、また遺伝子研究分野におけるクラスタリングへの応用も盛んである。
ここで、標準等級サンプルを学習データとして等級マップを生成する。この段階で数百万通りの組み合わせはSOMにより数百通り程度の2次元空間に射影され、サンプルデータを使用し2次元マップに対するラベル付けを行う。以上で等級マップの生成は完成する。等級判定では、判定したい価業の回答ベクトルと等級マップのノードベクトルの結合度を比較し最小距離のノードを選択する。そして、ノードに付けられた等級ラベルを結果として返す。このとき、回答ベクトルとノードベクトルの距離は標準等級サンプルとの適合の程度と考えられるので、適合率として利用する。
【0038】
ここで、SOMの構造は、たとえば図12に示すようなものである。
コホネンによって提案された自己組織化マップ(Self−Organizing Map)は、高次元(n次元)のデータ群を2次元平面上に写像して可視化するツールである。SOMへの入力は、高次元空間上でのデータ間の距離関係ができるだけ保たれるように平面上に写像される。入力データが高次元空間で近くにあるなら2次元面上でも近傍に写像されるという性質をSOMは持っている。
2次元平面上に配列されたノードを出力層、入力ベクトル(参照ベクトルと呼ぶ)を受け取るノード群を入力層と呼ぶ。入力層のノードは、価業等級を決定する際に必要となる属性の数(n)だけ存在することになる。すなわち、入力ベクトルの次元がnということである。一方、出力層のノード数は任意であるが、価業等級の数の数倍〜10倍くらいとなると予測される。出力層の各ノードは、入力ベクトルと対応したn次元の属性を持っている。出力層のノードは図12のように2次元に配列される。全てのノードは、パラメータとして参照ベクトルm=[ui1,ui2…uin]を保有し、質問による回答は入力ベクトルx=[v,v…v] として表現され、参照ベクトルの次元数はクラス分けに使用する質問に対する回答の組み合わせの数となる(次元数を決定するとき、1質問1次元とになるケースが殆どであるが、質問形式によって複数回答となり得る場合は、1質問1次元ではなく回答の個数分の次元が必要になる点に注意)。
【0039】
SOMを使った価業等級のクラス分けとは、価業等級を出力層に配置されているノードのうち適切なノードと結びつけることである。質問に対する回答をある確率データベクトルとすると、SOMは高次元入力ベクトルの2次元ノードへの非線形射影処理を行うと考えられる。
クラス分けとは、出力層のノードの参照ベクトルが類似のものを分類し、それら類似ノードに対して等級ラベルを付与する処理である。出力層のノードのうちには、参照ベクトルがまったく異なるものも存在する(おそらくは直交している)。そのようなノードは、この後の等級を決めたい新たな未知等級の参照ベクトルとの類似度を決めるときに小さな類似度となり、いわば反応していないノードとなる。図12では白抜きのノードがそれにあたる。一方、反応が高いノード(図12で着色となっている)が存在するので、それが属する等級クラスを見極めることで、目的の等級を特定することが可能になる。
【0040】
前半の類似の参照ベクトルを持つノードを分類する処理を学習と呼ぶ。ノードの初期分布を一様にするために、最初にノードのパラメータである参照ベクトルm を乱数により初期化しておく。標準等級サンプルを1つ選び学習用の入力ベクトルxとする。
【式1】
Figure 2004348285
最整合ノードm を発見したら、最整合ノードm とその近傍ノードの参照ベクトルを対象の入力ベクトルxに近づけるように更新する。更新は次式通り行う。
(t+1)=m(t)+hci(t)[x(t)−m(t)]
tは0,1,2,3・・・の整数値で学習回数を示す離散時間座標である。学習用の入力ベクトルの数が全部でn個あったとすると、n個分の最整合ノードm が検索され、検索された最整合ノードm を含む近傍ノードの参照ベクトルm が更新される。このプロセスを1回のカウントと考え、tが加算される。仮にhci(t)が1の場合、1回の更新処理でm(t+1)はx(t)となる。式からも明らかの通り、hci(t)の値はm(t+1)に与える影響度合いであることが判る。hci(t)は近傍関数と呼ばれ、0から1までの間の値をとり、tが無限大のときにhci(t)はゼロとなる必要がある。
【式2】
Figure 2004348285
σ(t)は最整合ノードm からの半径として影響度合いの強い近傍領域を定義する関数で、α(t)は学習係数を返す関数である。σ(t)とα(t)はともに時間tの単調減少関数である。総学習回数をtmax として、最大ノード間距離をrmax としσ(t)を次式で表す。
σ(t)=rmax ・(1−t/tmax
【0041】
学習し始めの近傍への影響範囲はノードの全領域をカバーし、学習が進むにつれて近傍を絞り込むようにする(σ(t)については、ガウス関数の標準偏差が経過時間に従って小さくなると考えるとイメージしやすい)。同様にα(t)を次式で表す。α は最初に与えられる最大の学習係数で、学習が進むにつれて影響度を減少させ最後はゼロになる。
α(t)=α ・(1−t/tmax
一連の参照ベクトルm に対する更新処理をtmax 回行うことによりクラス分けが完了する。参照ベクトルm の更新が全て終了したら、最整合ノードm に対して入力ベクトルxの等級をラベルとして付与しマップは完成する。
学習を終えたノードは参照ベクトルm が等級毎に量子化(代表ベクトル化)された状態で領域分割されている。すなわち、出力層で予め配置されたノードは、その参照ベクトルを伴って、適切に領域を占めるようになる。
【式3】
Figure 2004348285
最整合ノードm に等級ラベルが付与されている場合は、その等級ラベルを判定結果とする。このとき、選択されたノードによってはラベルが付与されていない場合もある。その場合は、2次元マップ上のノード間距離を計算し、最も近い順にラベル付きノードを検索する。2次元マップ上の一番近いラベル付きノードから順に3等級分の表示を判定結果とする。
【0042】
このように、本実施の形態では、通信回線により、サーバ10、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40、社員端末50を相互に接続し、サーバ10に人事制度マネジメントを支援するためのビジネスプロ機能部100、ナビゲーション機能部200、シミュレーション機能部300からなる機能を搭載し、ビジネスプロ機能部100により、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供し、ナビゲーション機能部200により、経営者端末20、管理者端末30、人事スタッフ端末40、社員端末50による人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援をWebページで提供し、さらに少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準をWebページで提供し、シミュレーション機能部300により、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションをWebページ上で行うようにした。
これにより、上司への価業毎の報告と、上司からの価業毎の客観的な評価とがリアルタイムに行われるため、人事制度の円滑な運用を図ることができる。また、評価は、価業の分類や必要能力に応じた困難度を示す複数の価業等級を有する役割基準に基づいて行われるため、客観的な判断が可能となり、公正かつ公平な評価の実現を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の如く本発明に係る人事制度マネジメント支援システムによれば、通信回線により、サーバ、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末を相互に接続し、サーバに人事制度マネジメントを支援するためのビジネスプロ機能部、ナビゲーション機能部からなる機能を搭載し、ビジネスプロ機能部により、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とをWebページで提供し、ナビゲーション機能部により、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末による人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援をWebページで提供し、さらに少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準をWebページで提供することができるようにしたので、人事制度の円滑な運用を図ることができ、併せて公正かつ公平な評価の実現を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人事制度マネジメント支援システムの一実施の形態を説明するための図である。
【図2】図1のビジネスプロ機能部を中心とした機能モデルを示す図である。
【図3】図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図である。
【図4】図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図である。
【図5】図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図である。
【図6】図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図である。
【図7】図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図である。
【図8】図1のビジネスプロ機能部の詳細を説明するための図である。
【図9】図1の人事制度マネジメント支援システムの動作を説明するための図である。
【図10】図1の人事制度マネジメント支援システムの動作を説明するための図である。
【図11】図1の人事制度マネジメント支援システムの動作を説明するための図である。
【図12】役割基準にて用いられる価業等級の決定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 サーバ
11 データベース
20 経営者端末
30 管理者端末
40 人事スタッフ端末
50 社員端末
60 通信回線
100 ビジネスプロ機能部
120 バリューカード
120a ミッションカード
120b 成果目標カード
120c 価業カード
120d コンピテンシーカード
120e キャリア開発目標カード
120f 役割遂行度カード
121 入力用カード画面
122 確認用カード画面
123 完了用カード画面
130 マネジメントレポート
200 ナビゲーション機能部
300 シミュレーション機能部

Claims (10)

  1. 人事制度マネジメントを支援するための機能が搭載されているサーバと、
    通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、前記サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている管理端末と、
    通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、前記サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている人事スタッフ端末と、
    通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、前記サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている社員端末と、
    前記サーバ、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末を相互に接続する通信回線とを備え、
    前記人事制度マネジメントを支援するための機能は、
    個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とを前記Webページで提供する機能を有するビジネスプロ機能部と、
    前記管理端末、人事スタッフ端末、社員端末による前記人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援を前記Webページで提供する機能と、少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準を前記Webページで提供する機能を有するナビゲーション機能部とを備える
    ことを特徴とする人事制度マネジメント支援システム。
  2. 前記ビジネスプロ機能部は、実務と制度とが1対1で結びつく環境を提供する機能を有しているものであって、個人の価業毎に割り当てられ、価業の内容及び評価が入力されるバリューカードの提供を行う機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の人事制度マネジメント支援システム。
  3. 前記ビジネスプロ機能部は、期首、期末、四半期のいずれかに、複数の前記バリューカードに入力された情報を集約したマネジメントレポートの提供を行う機能を有していることを特徴とする請求項2に記載の人事制度マネジメント支援システム。
  4. 前記人事制度マネジメントを支援するための機能は、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションを前記Webページ上で行う機能を有するシミュレーション機能部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人事制度マネジメント支援システム。
  5. 前記役割基準は、少なくとも価業に対する等級別の必要要件が文書で記載されたものであり、付加情報として見本となる代表価業と、知識、経験、技量の観点からの必要要件とを有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人事制度マネジメント支援システム。
  6. 通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、前記サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている管理端末と、
    通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、前記サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている人事スタッフ端末と、
    通信機能、表示機能、情報入力機能を有し、前記サーバ内の情報をWebページで閲覧するためのWebブラウザがインストールされている社員端末と、
    前記サーバ、管理端末、人事スタッフ端末、社員端末を相互に接続する通信回線とを備え、
    前記人事制度マネジメントを支援するための機能は、
    ビジネスプロ機能部により、個々の価業のアサインから評価までのワークフローとデータ管理とを前記Webページで提供する工程と、
    ナビゲーション機能部により、前記管理端末、人事スタッフ端末、社員端末による前記人事制度マネジメントを支援するための機能を使用する際の操作支援を前記Webページで提供し、少なくとも価業の格付けや、評価の際の判断基準となる役割基準を前記Webページで提供する工程とを有する
    ことを特徴とする人事制度マネジメント支援方法。
  7. 前記ビジネスプロ機能部は、実務と制度とが1対1で結びつく環境を提供する機能を有しているものであって、個人の価業毎に割り当てられ、価業の内容及び評価が入力されるバリューカードの提供を行う工程を有していることを特徴とする請求項6に記載の人事制度マネジメント支援方法。
  8. 前記ビジネスプロ機能部は、期首、期末、四半期のいずれかに、複数の前記バリューカードに入力された情報を集約したマネジメントレポートの提供を行う工程を有していることを特徴とする請求項7に記載の人事制度マネジメント支援方法。
  9. 前記人事制度マネジメントを支援するための機能は、シミュレーション機能部により、昇給を伴う人事発令を行う場合の人件費シミュレーションを前記Webページ上で行う工程を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の人事制度マネジメント支援方法。
  10. 前記役割基準は、少なくとも価業に対する等級別の必要要件が文書で記載されたものであり、付加情報として見本となる代表価業と、知識、経験、技量の観点からの必要要件とを有するものであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の人事制度マネジメント支援方法。
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