JP2004347833A - クリーニング装置、クリーニング方法及び画像形成装置 - Google Patents
クリーニング装置、クリーニング方法及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を解消することにより、感光体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うこと。
【解決手段】像担持体5に係合し像担持体5を清掃するためのクリーニング部材22であって、画像形成動作時の像担持体5の回転方向Aにおける下流側のエッジで像担持体5に係合したクリーニング部材22と、所定のタイミングで像担持体5に対するクリーニング部材22の係合圧を調整する係合圧調整手段28を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体5に係合し像担持体5を清掃するためのクリーニング部材22であって、画像形成動作時の像担持体5の回転方向Aにおける下流側のエッジで像担持体5に係合したクリーニング部材22と、所定のタイミングで像担持体5に対するクリーニング部材22の係合圧を調整する係合圧調整手段28を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体をクリーニングするクリーニング装置、これを備えた画像形成装置、これらを用いた像担持体のクリーニング方法であって、像担持体と、クリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部に滞留した異物をクリーニングすることを可能としたかかるクリーニング装置、画像形成装置及びクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機等の複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ等のプリンタ等の画像形成装置は一般に、感光体等の像担持体をクリーニングするクリーニング装置を有している。かかるクリーニング装置として、像担持体に所定の圧力で係合し像担持体に付着した残留トナー、トナー塊、紙粉等の異物を像担持体から掻き取るためのクリーニングブレード等のクリーニング部材を備えたものが知られている。
【0003】
クリーニング部材の像担持体に当接している側のエッジと像担持体との係合部であるエッジ部には、クリーニングの過程で、異物が付着、堆積して滞留する。異物はクリーニング部材により像担持体に押し付けられる作用を受けるため、異物が継続してエッジ部に滞留し続けると、異物の摺擦により、像担持体が磨耗してしまう。異物は、クリーニング部材の幅方向にわたって均一に滞留するものではないため、異物が滞留しているところとそうでないところが存在し、像担持体に対する異物の摺擦条件が異なる。
【0004】
したがって、像担持体は、その幅方向において偏磨耗することとなる。磨耗している部分とそうでない部分とでは画像形成性能が異なるため、異常画像の原因となる。また、偏磨耗は、次に述べるように、通常画像形成装置において行われているトナー濃度制御の不具合の原因となるという問題がある。
【0005】
すなわち、電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、画像濃度制御用の反射型フォトセンサ(以下Pセンサという)を設けているものが広く普及している。Pセンサは像担持体表面に付着したトナー量を検出し、現像装置におけるトナー補給量制御にフィードバックするものである。したがって、転写紙上の画像の濃度を制御する観点から、電子写真プロセスの中で、より最終工程に近い像担持体上のトナー量に関する状態を検出できるものであるため、安定した画像濃度制御をする有効な手段である。
【0006】
ここで、Pセンサ制御に関して簡単に述べる。Pセンサは、発光素子と受光素子とを有している。発光素子は、像担持体表面のトナーが付着していない地肌部分における受光素子のセンサ出力(VSG)が4.0Vとなるように発光光量を調整する。Pセンサの発光光量を調整するには、発光素子に流れる電流値を制御しており、この電流値を自動的に振って、VSG=4.0VになったところでVSG調整動作が終了する。そして、Pセンサ検知用の像担持体上に形成されるトナー付着パターン部を検知した出力(VSP)と、地肌部検知出力(VSG)との出力比(VSP/VSG)によってトナー補給量が決定される。その後は次回のVSG調整実行まで、調整された電流値に固定される。
【0007】
VSG調整の実行タイミングは、画像形成装置の本体電源投入時、予熱モードからの復帰時や、予め設定された画像形成枚数経過後の画像形成動作終了時などであるが、通常は、100枚毎のコピー動作終了後に、Pセンサによる像担持体上のトナー付着量検知が実行される。通常安価なPセンサに用いる発光素子における光源はフォトトランジスタやフォトダイオードであり、レーザー光と違ってある程度拡散する。従って、主に正反射光を受光するような構成ではあるが、一部乱反射光も受光している。
【0008】
偏摩耗した像担持体でPセンサのVSG調整を実行した場合には、摩耗していない像担持体や均一に摩耗している像担持体と比べて、正反射光が著しく減少してしまうため、Pセンサの発光光量すなわち電流値を大幅増加させる必要がある。この電流値の大幅増加分が限界を超えてしまった場合には、PセンサのVSG調整不良という不具合が発生してしまう。この不具合が発生すると、トナー量が適正に調整されず、画像濃度が不適切となる異常画像が発生する。
【0009】
偏磨耗は、次の場合に特に顕著となる。現像に使用されるトナーには一般に、定着時における離型性を向上し、またオフセットを防止するため、ワックスが含まれており、トナー中に含まれるワックス含有量が多い場合は、トナーの外側へのシミ出しが多くなる。このシミ出しが多くなると像担持体の摩耗を減らす効果が有る。しかし、この効果によって磨耗が進みにくくなる部分がある一方で、かかるシミ出しによる効果がない場合と同様に依然としてエッジ部に滞留した異物によって摩耗が生じる部分もあるため、結果として、摩耗が進みにくい部分と磨耗が生じる部分とでの磨耗の進行の差を増幅させてしまい、像担持体の表面の偏摩耗を増幅させる原因にもなっている。特に、トナー中に含まれるWAXの添加量が5重量%以上になるとこの現象が顕著になってくる。また特に、像担持体の摩擦係数が0.2以上であるとさらに偏摩耗が悪化することが知られている。
【0010】
このように、偏磨耗は画像形成に支障を生じるため、従来より、偏磨耗を防止すべく、偏磨耗の原因である、エッジ部における異物の滞留を解消する技術が種々提案されている。たとえば、像担持体上のトナー像の転写が終了した後、像担持体を逆回転させるとともに、像担持体の外周面に対するクリーニング部材の当接エッジを同一部分としたままその当接角度を変化させる手段を設けた技術や、像担持体のかかる逆回転時にクリーニング部材を像担持体から離間するとともに逆回転停止時にクリーニング部材を像担持体にスプリング作用で衝撃的に再接触させるクリーニングブレード移動機構を設けた技術が提案されている。またたとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕などのように、クリーニング部材のエッジに弾性板を摺擦させて清掃を行なうクリーニング装置を提案したもの、〔特許文献3〕のようにクリーニング部材のエッジにブラシローラの外周を摺擦させるクリーニング装置を提案したものがある。
【0011】
【特許文献1】
実開平3−58668号
【特許文献2】
特開平5−323846号公報
【特許文献3】
特許第2759813号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕で開示されている、クリーニング部材のエッジに弾性板を摺擦させて清掃を行なう技術は何れも、クリーニング部材の像担持体への当接が、像担持体の回転方向の上流側のエッジで行なわれるトレーリング当接方式のクリーニング装置に適用可能なブレードエッジの清掃方法であり、現在主流である、クリーニング部材の像担持体への当接が、像担持体の回転方向の下流側のエッジで行なわれるカウンター当接方式のクリーニング装置には適用できない。
【0013】
また、〔特許文献3〕で開示されているブレードエッジにブラシローラの外周を摺擦させるクリーニング装置は、現在主流である、カウンター当接方式のクリーニング装置に適用できる方法ではあるものの、クリーニング部材の厚さが通常2mm程度あることと、ブラシローラは経時で毛倒れが発生し外径が縮小して変動することとが障害となり、エッジ部の清掃を保証することは困難である。したがって、現在主流であるカウンター当接方式のクリーニング装置においてエッジ部の異物の滞留を解消する技術が望まれているところである。
【0014】
なお、エッジ部での異物の滞留を解消するために像担持体を逆回転させる上述した技術は、トレーリング当接方式のクリーニング装置を用いる画像形成装置においては、有効とはいえない。トレーリング当接方式のクリーニング装置を用いる画像形成装置において像担持体を逆方向に回転すると、クリーニング部材の像担持体への当接が、像担持体の回転方向の下流側のエッジで行なわれることとなり、像担持体との間に摩擦によりクリーニング部材が像担持体に食い込む作用を受け、クリーニング部材と像担持体との間に挟まれた異物が除去されず、それどころか、この挟まれた異物により像担持体が磨耗することで偏磨耗が助長されてしまうためである。
【0015】
本発明は、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を解消することにより、感光体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うための技術の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、像担持体に係合し像担持体を清掃するためのクリーニング部材であって、画像形成動作時の像担持体の回転方向における下流側のエッジで像担持体に係合したクリーニング部材を有するクリーニング装置において、所定のタイミングで像担持体に対する上記クリーニング部材の係合圧を調整する係合圧調整手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクリーニング装置において、上記所定のタイミングが、同所定のタイミングより後に像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に所定時間回転するタイミングであり、上記係合圧調整手段が同所定のタイミングで上記係合圧を画像形成時よりも低下させることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のクリーニング装置において、上記所定のタイミングが、像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に回転を開始する前、または、同回転を行っている途中であることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によりクリーニングが行われる像担持体とを有する画像形成装置にある。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、少なくとも上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体化し、画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の画像形成装置において、ワックス添加量が5.0重量%以上のトナーを用いて上記像担持体の現像を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体の摩擦係数が0.2以上であることを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項4ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置を用い、像担持体のクリーニングを行うクリーニング方法にある。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を適用した実施の形態に係る画像形成装置を示す。本実施例において画像形成装置は複写機であるが、本発明を適用する画像形成装置としては、複写機の他、プリンタ、ファクシミリ等、何れの装置であってもよい。画像形成装置1は単色画像を形成するものであるが、2色画像、フルカラー画像等のカラー画像を形成することが可能なものであっても良い。
【0025】
画像形成装置1は、画像形成を行う画像形成部4と、画像形成部4の上方に配設された図示しない原稿読み取り部と、画像形成部4の下方に配設された図示しない給紙装置とを有している。画像形成部4は、ドラム状の潜像担持体である像担持体としての感光体ドラムである感光体5を備えている。
【0026】
感光体5の摩擦係数は、0.2以上とされている。感光体5は、図示しない駆動源によって画像形成動作時において図中矢印Aで示す時計方向に回転される。感光体5は駆動源によってA方向と逆の方向であるB方向にも回転駆動されることがある。駆動源によるこのような回転の制御は、CUP等の図示しない制御手段によって行われる。
【0027】
感光体5の周囲には、回転方向Aに沿って、感光体5を帯電させる帯電手段としての帯電チャージャである帯電装置6と、帯電装置6によって帯電された感光体5に、原稿読み取り部によって読み取った原稿情報に応じた露光による潜像を形成するためのレーザー光7を照射する図示しない書き込み装置と、帯電装置6によって帯電され書き込み装置によって潜像を形成された感光体5にトナーを担持させて現像を行なう現像手段としての、本体の図示を省略した現像装置に備えられた、感光体5との間に現像ニップ部を形成する現像スリーブ8とが配設されている。
【0028】
また、感光体5の周囲には、回転方向Aに沿って、現像装置の下流側に、感光体5に対向して配設され感光体5上のトナー像を被転写材であるシート状の記録媒体としての用紙に転写するための転写装置20と、転写装置20によってトナー像が転写された用紙を感光体5から分離するための分離爪9と、転写装置20によって転写が行われた後に感光体5上に残留している残留トナーを感光体5上から掻き取ってクリーニングを行うクリーニング手段としてのクリーニング装置2と、クリーニング装置2によってクリーニングされた感光体5上の残留電荷を除電により除く除電手段としての除電装置3とが配設されている。
【0029】
画像形成部4はまた、給紙装置から搬送されてきた用紙をトナー像の位置に合わせた所定のタイミングで感光体5と転写装置20との対向位置である転写ニップ部に給紙するレジストローラ19と、レジストローラ19によって送り出された用紙を感光体5と転写装置20との対向位置に向けてガイドするガイド板10と、転写装置20により感光体5上のトナー像を転写されトナー像を担持した用紙に、そのトナー像を定着するための定着手段としての図示しない定着装置とを有している。
【0030】
原稿読み取り部には、原稿載置台上に載置された原稿を走査するための光源および光路変換用反射鏡が装備され、原稿からの反射光が読み取り光学系を介してCCDなどの光学素子に入射され、光学素子によって原稿の画像情報として制御部に出力される。書き込み装置は、制御部に入力された原稿の画像情報等に応じて照射を行う半導体レーザと、結像光学系をなす反射鏡および結像レンズとを介してポリゴンミラーからの走査光を感光体5上に照射して静電潜像を形成するようになっている。
【0031】
半導体レーザは、制御部からの画像信号に基づいて発光制御されるようになっており、制御部では、原稿読み取り部からの画像情報だけでなく、プリンタとして用いられる場合の印字信号およびファクシミリ装置として用いられる場合の送信信号に応じた画像信号によって半導体レーザの駆動制御を行う。ここに、制御部によって、画像形成装置1は、複写機だけでなくプリンタおよびファクシミリ装置としての機能を持つデジタル複合機としての性格を持っている。給紙装置は、周知構造の給紙トレイと、繰り出しローラとを備えたものである。
【0032】
現像装置において用いられているトナーは、定着装置における定着工程での離型性、オフセット等を良好にするため、ワックス添加量が5.0重量%以上とされている。画像形成装置1は、画像濃度制御用の図示しない反射型フォトセンサ(以下Pセンサという)を備えている。Pセンサは像担持体表面に付着したトナー量を検出し、現像装置におけるトナー補給量制御にフィードバックするものである。このフィードバック制御は、用紙上の画像の濃度を制御する観点から、電子写真プロセスの中で、より最終工程に近い感光体5上のトナー量に関する状態を検出するものであるため、安定した画像濃度制御を行うことができるようになっている。
【0033】
Pセンサは、発光素子と受光素子とを有している。発光素子は、感光体5表面のトナーが付着していない地肌部分における受光素子のセンサ出力(VSG)が4.0Vとなるように発光光量を調整する。Pセンサの発光光量を調整するには、発光素子に流れる電流値を制御しており、この電流値を自動的に振って、VSG=4.0VになったところでVSG調整動作が終了する。そして、Pセンサ検知用の像担持体上に形成されるトナー付着パターン部を検知した出力(VSP)と、地肌部検知出力(VSG)との出力比(VSP/VSG)によってトナー補給量が決定される。その後は次回のVSG調整実行まで、調整された電流値に固定される。
【0034】
VSG調整の実行タイミングは、画像形成装置1の本体電源投入時、予熱モードからの復帰時や、予め設定された画像形成枚数経過後の画像形成動作終了時などであるが、通常は、100枚毎のコピー動作終了後に、Pセンサによる感光体5上のトナー付着量検知が実行される。Pセンサに用いる発光素子における光源は安価なフォトトランジスタまたはフォトダイオードである。
【0035】
転写装置20は、ゴム材料よりなる転写ベルトとしての中抵抗のベルト31と、ベルト31を巻き掛けられ、ベルト31の駆動を行うための図示しない駆動ローラと、駆動ローラとともにベルト31を巻き掛けられた従動ローラ34と、ベルト31を感光体5に対し、転写に適した所定のタイミングで接離する図示しない接離手段とを有する、転写ベルト方式の転写装置である。転写装置20は、ベルト31を備えたベルト方式であるが、転写チャージャを備えたチャージャ方式、転写ローラを備えたローラ方式等、他の方式であっても良い。
【0036】
クリーニング装置2は、図示しない駆動源により感光体5に摺擦しつつ回転駆動される回転部材であるクリーニングブラシとしてのブラシ21と、ブラシ21のA方向下流側に配設され感光体5に係合するクリーニング部材としてのクリーニングブレードであるブレード22と、ブレード22を固定され支軸24を中心に搖動可能なブレードブラケットとしてのブラケット23と、ブラケット23に係合しブレード22を感光体5に圧接させる図示しない加圧スプリングとを有している。回転部材としては、感光体5の清掃を行うものであれば、ブラシ21のほか、駆動源により回転駆動される、軸に剛体または弾性版を取り付けたスクレーパ、角棒等を用いても良い。
【0037】
クリーニング装置2はまた、加圧スプリングによる付勢力に抗して通電によりブレード22を感光体5から離間する向きの応力をブラケット23に与え感光体5に対するブレード22の係合圧すなわち当接圧を減じるソレノイド25と、ソレノイド25に通電を行うための電源と、ブラシ21やブレード22によって感光体5から除去された残留トナーを現像装置に向けて搬送するトナー排出コイルとしてのコイル26と、コイル26を回転駆動する図示しない駆動源とを有している。コイル26によって現像装置に搬送された残留トナーは、新規のトナーと攪拌混合された上で再び現像に使用される。
【0038】
コイル26は、クリーニング装置2と現像装置とを接続するトナー搬送パイプとしてのパイプ27の内部に挿入されており、駆動源によって回転駆動されることにより、残留トナーをクリーニング装置2の外に排出するとともに現像装置に向けてC方向に移動させる。ソレノイド25の電源の通電に関する制御は制御手段によって行われる。
【0039】
ブレード22は感光体5に係合し感光体5を清掃するための部材である。感光体5上のトナー像は転写装置20によりすべてが用紙に転写されるべきであるが、トナー像を構成するトナーの一部は転写装置20による転写後も感光体5上に残留し残留トナーとなる。残留トナーは、感光体5がA方向に回転しブラシ21に係合する位置においてブラシ21の回転によりブラシ21に摺擦され感光体5上から除去されるが、その一部は依然として感光体5上に残留する。ブレード22は、ブラシ21によっても感光体5上から除去されなかった残留トナーを感光体5上から除去するためのものである。なお、残留トナーには、感光体5に付着した紙粉等、トナー以外の不純物も含まれる。
【0040】
ブレード22は、A方向下流側のエッジで感光体5に当接している。すなわちクリーニング装置2はブレード22がカウンター当接したタイプの装置である。ブレード22によって感光体5から除去された残留トナーは、ブラシ21によって感光体5から除去された残留トナーとともに、コイル26によって現像装置に向けて搬送される。
【0041】
しかし、ブレード22によって感光体5表面から剥離された残留トナーの一部は感光体5から除去されずに、ブレード22の先端と感光体5の表面とで形成される楔形状の空間に滞留する。この滞留した残留トナーは、すでに述べたように、感光体5の偏磨耗の原因となり、不良画像を引き起こす。
【0042】
そこで、本発明にかかる画像形成装置1においては、画像形成動作終了後、感光体5を画像形成動作時における回転方向Aと逆の方向であるB方向に回転駆動し、残留トナーの滞留を解消するようになっている。さらに、本発明にかかる画像形成装置1においては、かかる滞留の解消を良好に行うべく、所定のタイミングで感光体5に対するブレード22の当接圧を調整する係合圧調整手段28を有している。係合圧調整手段28は、ブラケット23と、支軸24と、ソレノイド25と、電源と、制御手段とを有している。
【0043】
係合圧調整手段28においては、制御手段が電源によりソレノイド25への通電を行うと、ソレノイド25が、加圧スプリングによる付勢力に抗して、ブラケット23の一端を矢印D方向に引き上げ、これによりブラケット23は支軸24を中心に矢印Eで示す方向に搖動するモーメントを与えられてE方向に搖動し、感光体5に対するブレード22の当接圧を減じ、低下させるようになっている。
【0044】
ブレード22の当接圧が低下すると、ブレード22に付着、堆積してブレード22のエッジと感光体5との間に挟まれた残留トナーの拘束力が小さくなるため、残留トナーはブレード22のエッジから引き剥がされる作用等を受けてブレード22から分離され、ブレード22の清掃が行われる。ブレード22から分離された残留トナーは、分離されるときに受ける力そのものまたはブラシ21に係合することで感光体5から分離され、コイル26によって現像装置に搬送される。
【0045】
制御手段が電源によりソレノイド25への通電を行うタイミングは、ソレノイド25に通電を行い感光体5に対するブレード22の当接圧を減じた後に、感光体5が、残留トナーの滞留を解消するに必要な時間の間、B方向に回転するタイミングである。具体的には、感光体5が、画像形成動作時における回転方向Aと逆の方向であるB方向に回転を開始する前か、B方向への回転を行っている途中である。何れにしても、ソレノイド25への通電による減圧後、感光体5は残留トナーの滞留を解消するに必要な所定の時間の間、B方向に回転駆動されるので、残留トナーの滞留は解消され、感光体5及びブレード22の清掃が行われる。制御手段は、感光体5を残留トナーの滞留を解消するに必要な所定の時間B方向に回転駆動させた後、B方向への回転駆動を停止させてから、ソレノイド25への通電を停止させ、減圧を終了して、清掃動作を終了する。
【0046】
感光体5の正転方向すなわち作像方向であるA方向への回転は、少なくとも画像形成動作を行っている間、制御手段による制御によって行われる。感光体5の逆転方向であるB方向への回転は、制御手段による制御により、画像形成動作終了後に行われる。ソレノイド25への通電による減圧のタイミングが、感光体5がB方向に回転を開始する前である場合には、かかる減圧のタイミングには、画像形成走査終了後、B方向への回転開始前であって、感光体5がA方向への回転を終了する前から後のうちの何れかが選択される。
【0047】
制御手段によって行われる、ブレード22の減圧及び感光体5の逆回転によるブレード22及び感光体5のかかる清掃動作は、残留トナーの滞留を解消し感光体5の偏磨耗を防止するに十分な間隔を持って行われる。すなわち、具体的には所定枚、たとえば用紙100枚への画像形成動作が終了するごとに行われても良いし、ユーザーによる画像形成装置1の利用状況を考慮して、画像形成装置1の待機突入時に行われても良いし、これら両条件を満たすときに行われても良い。
【0048】
感光体5と、帯電装置6と、除電装置3と、クリーニング装置2と、分離爪9と、パイプ27とは一体化されて、図2に示すように、矢印F方向に引き出すことで画像形成装置1本体から引き出し可能とされた、画像形成装置1本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ29を構成している。F方向は図1における紙面手前方向と一致する。なお、プロセスカートリッジ29を画像形成装置1本体に対して離脱させる際には、これに先立ってねじ30をプロセスカートリッジ29及び画像形成装置1本体から離脱させることが必要であり、プロセスカートリッジ29を画像形成装置1本体に対して装着する際には、プロセスカートリッジ29を画像形成装置1本体に対して所定の位置に位置決めした後、ねじ30をプロセスカートリッジ29及び画像形成装置1本体に対して固定することが必要となっている。
【0049】
本発明を適用した画像形成装置1は以上のような構成であるから、ブレード22の減圧及び感光体5の逆回転によるブレード22及び感光体5に対するかかる清掃動作により、感光体5の偏磨耗が防止される。画像形成装置1においては、感光体5の摩擦係数が0.2以上であること、及びワックス添加量が5.0重量5以上のトナーを用いていることにより、感光体5の偏磨耗が生じやすいにもかかわらず、これが防止される。
【0050】
したがって、偏磨耗自体に起因する画像形成不良が生じることがない。また、トナー濃度制御に関し、受光素子により検出される正反射光が著しく減少してしまうことがないため、発光光量を大幅増加させる必要がなく、発光光量が限界を超えることがないので、PセンサのVSG調整不良という不具合が発生することもない。よって、トナー補給量が適正に調整され、画像濃度が不適切となることに起因する異常画像が発生することがない。
【0051】
このように、感光体5の偏磨耗が防止されることで、画像形成装置1においては、経時的に良好な画像形成装置が行われる。また、感光体5は偏磨耗防止により長寿命化され、これを含むプロセスカートリッジ29の交換寿命が長くなっていることから、ランニングコストが低減されユーザーによる高い信頼性が得られる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、像担持体としての感光体はドラム状に限らずベルト状のものであってもよい。また、本発明にかかるクリーニング装置、クリーニング方法によるクリーニングの対象となる像担持体は、感光体に限らず、中間転写ベルト等の中間転写体であっても良い。プロセスカートリッジ29は、少なくとも像担持体とクリーニング装置とを一体化すればよく、帯電装置6、除電装置3、分離爪9、パイプ27等は必ずしも一体化されていなくとも良いし、一方で他の構成たとえば現像装置等を一体化しても良い。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、像担持体に係合し像担持体を清掃するためのクリーニング部材であって、画像形成動作時の像担持体の回転方向における下流側のエッジで像担持体に係合したクリーニング部材を有するクリーニング装置において、所定のタイミングで像担持体に対する上記クリーニング部材の係合圧を調整する係合圧調整手段を有するので、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態が復帰することにより、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与し得るクリーニング装置を提供することができる。
【0054】
所定のタイミングが、同所定のタイミングより後に像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に所定時間回転するタイミングであり、係合圧調整手段が同所定のタイミングで係合圧を画像形成時よりも低下させることとすれば、クリーニング部材の像担持体に対する係合圧を低下させた状態で像担持体が画像形成時と逆の方向に回転することで、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態を復帰させることができ、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0055】
所定のタイミングが、像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に回転を開始する前、または、同回転を行っている途中であることとすれば、かかるタイミングでクリーニング部材の像担持体に対する係合圧を低下させた状態で像担持体が画像形成時と逆の方向に回転することで、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態を復帰させることができ、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0056】
本発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によりクリーニングが行われる像担持体とを有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏するクリーニング装置を有し、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態が復帰することにより、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行い得る画像形成装置を提供することができる。
【0057】
少なくとも像担持体とクリーニング装置とを一体化し、画像形成装置本体に着脱自在としたこととすれば、像担持体が偏磨耗防止により長寿命化され、一体化された像担持体とクリーニング装置との交換寿命が長くなっていることから、ランニングコストが低減されユーザーによる高い信頼性が得られる画像形成装置を提供することができる。
【0058】
ワックス添加量が5.0重量%以上のトナーを用いて上記像担持体の現像を行うこととすれば、ワックス添加量が比較的多いことで定着における離型性やオフセット防止を達成しつつ、ワックス添加量が多いほど発生しやすい像担持体の偏磨耗を防止し、経時においても良好な画像形成を行い得る画像形成装置を提供することができる。
【0059】
像担持体の摩擦係数が0.2以上であることとすれば、ワックス偏磨耗を生じやすい、摩擦係数が0.2以上の像担持体を用いても、その偏磨耗を防止し、経時においても良好な画像形成を行い得る画像形成装置を提供することができる。
【0060】
本発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項4ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置を用い、像担持体のクリーニングを行うクリーニング方法にあるので、上述の各効果を奏するクリーニング装置または画像形成装置を用いて、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態が復帰することにより、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与し得るクリーニング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の要部の模式図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられたプロセスカートリッジを画像形成装置本体から離脱する様子を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 クリーニング装置
5 像担持体
22 クリーニング部材
28 係合圧調整手段
29 像担持体とクリーニング装置とを一体化した構成
A 画像形成時における像担持体の回転方向
B 画像形成時における像担持体の回転方向と逆の回転方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体をクリーニングするクリーニング装置、これを備えた画像形成装置、これらを用いた像担持体のクリーニング方法であって、像担持体と、クリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部に滞留した異物をクリーニングすることを可能としたかかるクリーニング装置、画像形成装置及びクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機等の複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ等のプリンタ等の画像形成装置は一般に、感光体等の像担持体をクリーニングするクリーニング装置を有している。かかるクリーニング装置として、像担持体に所定の圧力で係合し像担持体に付着した残留トナー、トナー塊、紙粉等の異物を像担持体から掻き取るためのクリーニングブレード等のクリーニング部材を備えたものが知られている。
【0003】
クリーニング部材の像担持体に当接している側のエッジと像担持体との係合部であるエッジ部には、クリーニングの過程で、異物が付着、堆積して滞留する。異物はクリーニング部材により像担持体に押し付けられる作用を受けるため、異物が継続してエッジ部に滞留し続けると、異物の摺擦により、像担持体が磨耗してしまう。異物は、クリーニング部材の幅方向にわたって均一に滞留するものではないため、異物が滞留しているところとそうでないところが存在し、像担持体に対する異物の摺擦条件が異なる。
【0004】
したがって、像担持体は、その幅方向において偏磨耗することとなる。磨耗している部分とそうでない部分とでは画像形成性能が異なるため、異常画像の原因となる。また、偏磨耗は、次に述べるように、通常画像形成装置において行われているトナー濃度制御の不具合の原因となるという問題がある。
【0005】
すなわち、電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、画像濃度制御用の反射型フォトセンサ(以下Pセンサという)を設けているものが広く普及している。Pセンサは像担持体表面に付着したトナー量を検出し、現像装置におけるトナー補給量制御にフィードバックするものである。したがって、転写紙上の画像の濃度を制御する観点から、電子写真プロセスの中で、より最終工程に近い像担持体上のトナー量に関する状態を検出できるものであるため、安定した画像濃度制御をする有効な手段である。
【0006】
ここで、Pセンサ制御に関して簡単に述べる。Pセンサは、発光素子と受光素子とを有している。発光素子は、像担持体表面のトナーが付着していない地肌部分における受光素子のセンサ出力(VSG)が4.0Vとなるように発光光量を調整する。Pセンサの発光光量を調整するには、発光素子に流れる電流値を制御しており、この電流値を自動的に振って、VSG=4.0VになったところでVSG調整動作が終了する。そして、Pセンサ検知用の像担持体上に形成されるトナー付着パターン部を検知した出力(VSP)と、地肌部検知出力(VSG)との出力比(VSP/VSG)によってトナー補給量が決定される。その後は次回のVSG調整実行まで、調整された電流値に固定される。
【0007】
VSG調整の実行タイミングは、画像形成装置の本体電源投入時、予熱モードからの復帰時や、予め設定された画像形成枚数経過後の画像形成動作終了時などであるが、通常は、100枚毎のコピー動作終了後に、Pセンサによる像担持体上のトナー付着量検知が実行される。通常安価なPセンサに用いる発光素子における光源はフォトトランジスタやフォトダイオードであり、レーザー光と違ってある程度拡散する。従って、主に正反射光を受光するような構成ではあるが、一部乱反射光も受光している。
【0008】
偏摩耗した像担持体でPセンサのVSG調整を実行した場合には、摩耗していない像担持体や均一に摩耗している像担持体と比べて、正反射光が著しく減少してしまうため、Pセンサの発光光量すなわち電流値を大幅増加させる必要がある。この電流値の大幅増加分が限界を超えてしまった場合には、PセンサのVSG調整不良という不具合が発生してしまう。この不具合が発生すると、トナー量が適正に調整されず、画像濃度が不適切となる異常画像が発生する。
【0009】
偏磨耗は、次の場合に特に顕著となる。現像に使用されるトナーには一般に、定着時における離型性を向上し、またオフセットを防止するため、ワックスが含まれており、トナー中に含まれるワックス含有量が多い場合は、トナーの外側へのシミ出しが多くなる。このシミ出しが多くなると像担持体の摩耗を減らす効果が有る。しかし、この効果によって磨耗が進みにくくなる部分がある一方で、かかるシミ出しによる効果がない場合と同様に依然としてエッジ部に滞留した異物によって摩耗が生じる部分もあるため、結果として、摩耗が進みにくい部分と磨耗が生じる部分とでの磨耗の進行の差を増幅させてしまい、像担持体の表面の偏摩耗を増幅させる原因にもなっている。特に、トナー中に含まれるWAXの添加量が5重量%以上になるとこの現象が顕著になってくる。また特に、像担持体の摩擦係数が0.2以上であるとさらに偏摩耗が悪化することが知られている。
【0010】
このように、偏磨耗は画像形成に支障を生じるため、従来より、偏磨耗を防止すべく、偏磨耗の原因である、エッジ部における異物の滞留を解消する技術が種々提案されている。たとえば、像担持体上のトナー像の転写が終了した後、像担持体を逆回転させるとともに、像担持体の外周面に対するクリーニング部材の当接エッジを同一部分としたままその当接角度を変化させる手段を設けた技術や、像担持体のかかる逆回転時にクリーニング部材を像担持体から離間するとともに逆回転停止時にクリーニング部材を像担持体にスプリング作用で衝撃的に再接触させるクリーニングブレード移動機構を設けた技術が提案されている。またたとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕などのように、クリーニング部材のエッジに弾性板を摺擦させて清掃を行なうクリーニング装置を提案したもの、〔特許文献3〕のようにクリーニング部材のエッジにブラシローラの外周を摺擦させるクリーニング装置を提案したものがある。
【0011】
【特許文献1】
実開平3−58668号
【特許文献2】
特開平5−323846号公報
【特許文献3】
特許第2759813号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕で開示されている、クリーニング部材のエッジに弾性板を摺擦させて清掃を行なう技術は何れも、クリーニング部材の像担持体への当接が、像担持体の回転方向の上流側のエッジで行なわれるトレーリング当接方式のクリーニング装置に適用可能なブレードエッジの清掃方法であり、現在主流である、クリーニング部材の像担持体への当接が、像担持体の回転方向の下流側のエッジで行なわれるカウンター当接方式のクリーニング装置には適用できない。
【0013】
また、〔特許文献3〕で開示されているブレードエッジにブラシローラの外周を摺擦させるクリーニング装置は、現在主流である、カウンター当接方式のクリーニング装置に適用できる方法ではあるものの、クリーニング部材の厚さが通常2mm程度あることと、ブラシローラは経時で毛倒れが発生し外径が縮小して変動することとが障害となり、エッジ部の清掃を保証することは困難である。したがって、現在主流であるカウンター当接方式のクリーニング装置においてエッジ部の異物の滞留を解消する技術が望まれているところである。
【0014】
なお、エッジ部での異物の滞留を解消するために像担持体を逆回転させる上述した技術は、トレーリング当接方式のクリーニング装置を用いる画像形成装置においては、有効とはいえない。トレーリング当接方式のクリーニング装置を用いる画像形成装置において像担持体を逆方向に回転すると、クリーニング部材の像担持体への当接が、像担持体の回転方向の下流側のエッジで行なわれることとなり、像担持体との間に摩擦によりクリーニング部材が像担持体に食い込む作用を受け、クリーニング部材と像担持体との間に挟まれた異物が除去されず、それどころか、この挟まれた異物により像担持体が磨耗することで偏磨耗が助長されてしまうためである。
【0015】
本発明は、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を解消することにより、感光体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うための技術の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、像担持体に係合し像担持体を清掃するためのクリーニング部材であって、画像形成動作時の像担持体の回転方向における下流側のエッジで像担持体に係合したクリーニング部材を有するクリーニング装置において、所定のタイミングで像担持体に対する上記クリーニング部材の係合圧を調整する係合圧調整手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクリーニング装置において、上記所定のタイミングが、同所定のタイミングより後に像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に所定時間回転するタイミングであり、上記係合圧調整手段が同所定のタイミングで上記係合圧を画像形成時よりも低下させることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のクリーニング装置において、上記所定のタイミングが、像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に回転を開始する前、または、同回転を行っている途中であることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によりクリーニングが行われる像担持体とを有する画像形成装置にある。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、少なくとも上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体化し、画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の画像形成装置において、ワックス添加量が5.0重量%以上のトナーを用いて上記像担持体の現像を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体の摩擦係数が0.2以上であることを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項4ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置を用い、像担持体のクリーニングを行うクリーニング方法にある。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を適用した実施の形態に係る画像形成装置を示す。本実施例において画像形成装置は複写機であるが、本発明を適用する画像形成装置としては、複写機の他、プリンタ、ファクシミリ等、何れの装置であってもよい。画像形成装置1は単色画像を形成するものであるが、2色画像、フルカラー画像等のカラー画像を形成することが可能なものであっても良い。
【0025】
画像形成装置1は、画像形成を行う画像形成部4と、画像形成部4の上方に配設された図示しない原稿読み取り部と、画像形成部4の下方に配設された図示しない給紙装置とを有している。画像形成部4は、ドラム状の潜像担持体である像担持体としての感光体ドラムである感光体5を備えている。
【0026】
感光体5の摩擦係数は、0.2以上とされている。感光体5は、図示しない駆動源によって画像形成動作時において図中矢印Aで示す時計方向に回転される。感光体5は駆動源によってA方向と逆の方向であるB方向にも回転駆動されることがある。駆動源によるこのような回転の制御は、CUP等の図示しない制御手段によって行われる。
【0027】
感光体5の周囲には、回転方向Aに沿って、感光体5を帯電させる帯電手段としての帯電チャージャである帯電装置6と、帯電装置6によって帯電された感光体5に、原稿読み取り部によって読み取った原稿情報に応じた露光による潜像を形成するためのレーザー光7を照射する図示しない書き込み装置と、帯電装置6によって帯電され書き込み装置によって潜像を形成された感光体5にトナーを担持させて現像を行なう現像手段としての、本体の図示を省略した現像装置に備えられた、感光体5との間に現像ニップ部を形成する現像スリーブ8とが配設されている。
【0028】
また、感光体5の周囲には、回転方向Aに沿って、現像装置の下流側に、感光体5に対向して配設され感光体5上のトナー像を被転写材であるシート状の記録媒体としての用紙に転写するための転写装置20と、転写装置20によってトナー像が転写された用紙を感光体5から分離するための分離爪9と、転写装置20によって転写が行われた後に感光体5上に残留している残留トナーを感光体5上から掻き取ってクリーニングを行うクリーニング手段としてのクリーニング装置2と、クリーニング装置2によってクリーニングされた感光体5上の残留電荷を除電により除く除電手段としての除電装置3とが配設されている。
【0029】
画像形成部4はまた、給紙装置から搬送されてきた用紙をトナー像の位置に合わせた所定のタイミングで感光体5と転写装置20との対向位置である転写ニップ部に給紙するレジストローラ19と、レジストローラ19によって送り出された用紙を感光体5と転写装置20との対向位置に向けてガイドするガイド板10と、転写装置20により感光体5上のトナー像を転写されトナー像を担持した用紙に、そのトナー像を定着するための定着手段としての図示しない定着装置とを有している。
【0030】
原稿読み取り部には、原稿載置台上に載置された原稿を走査するための光源および光路変換用反射鏡が装備され、原稿からの反射光が読み取り光学系を介してCCDなどの光学素子に入射され、光学素子によって原稿の画像情報として制御部に出力される。書き込み装置は、制御部に入力された原稿の画像情報等に応じて照射を行う半導体レーザと、結像光学系をなす反射鏡および結像レンズとを介してポリゴンミラーからの走査光を感光体5上に照射して静電潜像を形成するようになっている。
【0031】
半導体レーザは、制御部からの画像信号に基づいて発光制御されるようになっており、制御部では、原稿読み取り部からの画像情報だけでなく、プリンタとして用いられる場合の印字信号およびファクシミリ装置として用いられる場合の送信信号に応じた画像信号によって半導体レーザの駆動制御を行う。ここに、制御部によって、画像形成装置1は、複写機だけでなくプリンタおよびファクシミリ装置としての機能を持つデジタル複合機としての性格を持っている。給紙装置は、周知構造の給紙トレイと、繰り出しローラとを備えたものである。
【0032】
現像装置において用いられているトナーは、定着装置における定着工程での離型性、オフセット等を良好にするため、ワックス添加量が5.0重量%以上とされている。画像形成装置1は、画像濃度制御用の図示しない反射型フォトセンサ(以下Pセンサという)を備えている。Pセンサは像担持体表面に付着したトナー量を検出し、現像装置におけるトナー補給量制御にフィードバックするものである。このフィードバック制御は、用紙上の画像の濃度を制御する観点から、電子写真プロセスの中で、より最終工程に近い感光体5上のトナー量に関する状態を検出するものであるため、安定した画像濃度制御を行うことができるようになっている。
【0033】
Pセンサは、発光素子と受光素子とを有している。発光素子は、感光体5表面のトナーが付着していない地肌部分における受光素子のセンサ出力(VSG)が4.0Vとなるように発光光量を調整する。Pセンサの発光光量を調整するには、発光素子に流れる電流値を制御しており、この電流値を自動的に振って、VSG=4.0VになったところでVSG調整動作が終了する。そして、Pセンサ検知用の像担持体上に形成されるトナー付着パターン部を検知した出力(VSP)と、地肌部検知出力(VSG)との出力比(VSP/VSG)によってトナー補給量が決定される。その後は次回のVSG調整実行まで、調整された電流値に固定される。
【0034】
VSG調整の実行タイミングは、画像形成装置1の本体電源投入時、予熱モードからの復帰時や、予め設定された画像形成枚数経過後の画像形成動作終了時などであるが、通常は、100枚毎のコピー動作終了後に、Pセンサによる感光体5上のトナー付着量検知が実行される。Pセンサに用いる発光素子における光源は安価なフォトトランジスタまたはフォトダイオードである。
【0035】
転写装置20は、ゴム材料よりなる転写ベルトとしての中抵抗のベルト31と、ベルト31を巻き掛けられ、ベルト31の駆動を行うための図示しない駆動ローラと、駆動ローラとともにベルト31を巻き掛けられた従動ローラ34と、ベルト31を感光体5に対し、転写に適した所定のタイミングで接離する図示しない接離手段とを有する、転写ベルト方式の転写装置である。転写装置20は、ベルト31を備えたベルト方式であるが、転写チャージャを備えたチャージャ方式、転写ローラを備えたローラ方式等、他の方式であっても良い。
【0036】
クリーニング装置2は、図示しない駆動源により感光体5に摺擦しつつ回転駆動される回転部材であるクリーニングブラシとしてのブラシ21と、ブラシ21のA方向下流側に配設され感光体5に係合するクリーニング部材としてのクリーニングブレードであるブレード22と、ブレード22を固定され支軸24を中心に搖動可能なブレードブラケットとしてのブラケット23と、ブラケット23に係合しブレード22を感光体5に圧接させる図示しない加圧スプリングとを有している。回転部材としては、感光体5の清掃を行うものであれば、ブラシ21のほか、駆動源により回転駆動される、軸に剛体または弾性版を取り付けたスクレーパ、角棒等を用いても良い。
【0037】
クリーニング装置2はまた、加圧スプリングによる付勢力に抗して通電によりブレード22を感光体5から離間する向きの応力をブラケット23に与え感光体5に対するブレード22の係合圧すなわち当接圧を減じるソレノイド25と、ソレノイド25に通電を行うための電源と、ブラシ21やブレード22によって感光体5から除去された残留トナーを現像装置に向けて搬送するトナー排出コイルとしてのコイル26と、コイル26を回転駆動する図示しない駆動源とを有している。コイル26によって現像装置に搬送された残留トナーは、新規のトナーと攪拌混合された上で再び現像に使用される。
【0038】
コイル26は、クリーニング装置2と現像装置とを接続するトナー搬送パイプとしてのパイプ27の内部に挿入されており、駆動源によって回転駆動されることにより、残留トナーをクリーニング装置2の外に排出するとともに現像装置に向けてC方向に移動させる。ソレノイド25の電源の通電に関する制御は制御手段によって行われる。
【0039】
ブレード22は感光体5に係合し感光体5を清掃するための部材である。感光体5上のトナー像は転写装置20によりすべてが用紙に転写されるべきであるが、トナー像を構成するトナーの一部は転写装置20による転写後も感光体5上に残留し残留トナーとなる。残留トナーは、感光体5がA方向に回転しブラシ21に係合する位置においてブラシ21の回転によりブラシ21に摺擦され感光体5上から除去されるが、その一部は依然として感光体5上に残留する。ブレード22は、ブラシ21によっても感光体5上から除去されなかった残留トナーを感光体5上から除去するためのものである。なお、残留トナーには、感光体5に付着した紙粉等、トナー以外の不純物も含まれる。
【0040】
ブレード22は、A方向下流側のエッジで感光体5に当接している。すなわちクリーニング装置2はブレード22がカウンター当接したタイプの装置である。ブレード22によって感光体5から除去された残留トナーは、ブラシ21によって感光体5から除去された残留トナーとともに、コイル26によって現像装置に向けて搬送される。
【0041】
しかし、ブレード22によって感光体5表面から剥離された残留トナーの一部は感光体5から除去されずに、ブレード22の先端と感光体5の表面とで形成される楔形状の空間に滞留する。この滞留した残留トナーは、すでに述べたように、感光体5の偏磨耗の原因となり、不良画像を引き起こす。
【0042】
そこで、本発明にかかる画像形成装置1においては、画像形成動作終了後、感光体5を画像形成動作時における回転方向Aと逆の方向であるB方向に回転駆動し、残留トナーの滞留を解消するようになっている。さらに、本発明にかかる画像形成装置1においては、かかる滞留の解消を良好に行うべく、所定のタイミングで感光体5に対するブレード22の当接圧を調整する係合圧調整手段28を有している。係合圧調整手段28は、ブラケット23と、支軸24と、ソレノイド25と、電源と、制御手段とを有している。
【0043】
係合圧調整手段28においては、制御手段が電源によりソレノイド25への通電を行うと、ソレノイド25が、加圧スプリングによる付勢力に抗して、ブラケット23の一端を矢印D方向に引き上げ、これによりブラケット23は支軸24を中心に矢印Eで示す方向に搖動するモーメントを与えられてE方向に搖動し、感光体5に対するブレード22の当接圧を減じ、低下させるようになっている。
【0044】
ブレード22の当接圧が低下すると、ブレード22に付着、堆積してブレード22のエッジと感光体5との間に挟まれた残留トナーの拘束力が小さくなるため、残留トナーはブレード22のエッジから引き剥がされる作用等を受けてブレード22から分離され、ブレード22の清掃が行われる。ブレード22から分離された残留トナーは、分離されるときに受ける力そのものまたはブラシ21に係合することで感光体5から分離され、コイル26によって現像装置に搬送される。
【0045】
制御手段が電源によりソレノイド25への通電を行うタイミングは、ソレノイド25に通電を行い感光体5に対するブレード22の当接圧を減じた後に、感光体5が、残留トナーの滞留を解消するに必要な時間の間、B方向に回転するタイミングである。具体的には、感光体5が、画像形成動作時における回転方向Aと逆の方向であるB方向に回転を開始する前か、B方向への回転を行っている途中である。何れにしても、ソレノイド25への通電による減圧後、感光体5は残留トナーの滞留を解消するに必要な所定の時間の間、B方向に回転駆動されるので、残留トナーの滞留は解消され、感光体5及びブレード22の清掃が行われる。制御手段は、感光体5を残留トナーの滞留を解消するに必要な所定の時間B方向に回転駆動させた後、B方向への回転駆動を停止させてから、ソレノイド25への通電を停止させ、減圧を終了して、清掃動作を終了する。
【0046】
感光体5の正転方向すなわち作像方向であるA方向への回転は、少なくとも画像形成動作を行っている間、制御手段による制御によって行われる。感光体5の逆転方向であるB方向への回転は、制御手段による制御により、画像形成動作終了後に行われる。ソレノイド25への通電による減圧のタイミングが、感光体5がB方向に回転を開始する前である場合には、かかる減圧のタイミングには、画像形成走査終了後、B方向への回転開始前であって、感光体5がA方向への回転を終了する前から後のうちの何れかが選択される。
【0047】
制御手段によって行われる、ブレード22の減圧及び感光体5の逆回転によるブレード22及び感光体5のかかる清掃動作は、残留トナーの滞留を解消し感光体5の偏磨耗を防止するに十分な間隔を持って行われる。すなわち、具体的には所定枚、たとえば用紙100枚への画像形成動作が終了するごとに行われても良いし、ユーザーによる画像形成装置1の利用状況を考慮して、画像形成装置1の待機突入時に行われても良いし、これら両条件を満たすときに行われても良い。
【0048】
感光体5と、帯電装置6と、除電装置3と、クリーニング装置2と、分離爪9と、パイプ27とは一体化されて、図2に示すように、矢印F方向に引き出すことで画像形成装置1本体から引き出し可能とされた、画像形成装置1本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ29を構成している。F方向は図1における紙面手前方向と一致する。なお、プロセスカートリッジ29を画像形成装置1本体に対して離脱させる際には、これに先立ってねじ30をプロセスカートリッジ29及び画像形成装置1本体から離脱させることが必要であり、プロセスカートリッジ29を画像形成装置1本体に対して装着する際には、プロセスカートリッジ29を画像形成装置1本体に対して所定の位置に位置決めした後、ねじ30をプロセスカートリッジ29及び画像形成装置1本体に対して固定することが必要となっている。
【0049】
本発明を適用した画像形成装置1は以上のような構成であるから、ブレード22の減圧及び感光体5の逆回転によるブレード22及び感光体5に対するかかる清掃動作により、感光体5の偏磨耗が防止される。画像形成装置1においては、感光体5の摩擦係数が0.2以上であること、及びワックス添加量が5.0重量5以上のトナーを用いていることにより、感光体5の偏磨耗が生じやすいにもかかわらず、これが防止される。
【0050】
したがって、偏磨耗自体に起因する画像形成不良が生じることがない。また、トナー濃度制御に関し、受光素子により検出される正反射光が著しく減少してしまうことがないため、発光光量を大幅増加させる必要がなく、発光光量が限界を超えることがないので、PセンサのVSG調整不良という不具合が発生することもない。よって、トナー補給量が適正に調整され、画像濃度が不適切となることに起因する異常画像が発生することがない。
【0051】
このように、感光体5の偏磨耗が防止されることで、画像形成装置1においては、経時的に良好な画像形成装置が行われる。また、感光体5は偏磨耗防止により長寿命化され、これを含むプロセスカートリッジ29の交換寿命が長くなっていることから、ランニングコストが低減されユーザーによる高い信頼性が得られる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、像担持体としての感光体はドラム状に限らずベルト状のものであってもよい。また、本発明にかかるクリーニング装置、クリーニング方法によるクリーニングの対象となる像担持体は、感光体に限らず、中間転写ベルト等の中間転写体であっても良い。プロセスカートリッジ29は、少なくとも像担持体とクリーニング装置とを一体化すればよく、帯電装置6、除電装置3、分離爪9、パイプ27等は必ずしも一体化されていなくとも良いし、一方で他の構成たとえば現像装置等を一体化しても良い。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、像担持体に係合し像担持体を清掃するためのクリーニング部材であって、画像形成動作時の像担持体の回転方向における下流側のエッジで像担持体に係合したクリーニング部材を有するクリーニング装置において、所定のタイミングで像担持体に対する上記クリーニング部材の係合圧を調整する係合圧調整手段を有するので、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態が復帰することにより、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与し得るクリーニング装置を提供することができる。
【0054】
所定のタイミングが、同所定のタイミングより後に像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に所定時間回転するタイミングであり、係合圧調整手段が同所定のタイミングで係合圧を画像形成時よりも低下させることとすれば、クリーニング部材の像担持体に対する係合圧を低下させた状態で像担持体が画像形成時と逆の方向に回転することで、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態を復帰させることができ、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0055】
所定のタイミングが、像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に回転を開始する前、または、同回転を行っている途中であることとすれば、かかるタイミングでクリーニング部材の像担持体に対する係合圧を低下させた状態で像担持体が画像形成時と逆の方向に回転することで、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態を復帰させることができ、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与することができるクリーニング装置を提供することができる。
【0056】
本発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によりクリーニングが行われる像担持体とを有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏するクリーニング装置を有し、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態が復帰することにより、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行い得る画像形成装置を提供することができる。
【0057】
少なくとも像担持体とクリーニング装置とを一体化し、画像形成装置本体に着脱自在としたこととすれば、像担持体が偏磨耗防止により長寿命化され、一体化された像担持体とクリーニング装置との交換寿命が長くなっていることから、ランニングコストが低減されユーザーによる高い信頼性が得られる画像形成装置を提供することができる。
【0058】
ワックス添加量が5.0重量%以上のトナーを用いて上記像担持体の現像を行うこととすれば、ワックス添加量が比較的多いことで定着における離型性やオフセット防止を達成しつつ、ワックス添加量が多いほど発生しやすい像担持体の偏磨耗を防止し、経時においても良好な画像形成を行い得る画像形成装置を提供することができる。
【0059】
像担持体の摩擦係数が0.2以上であることとすれば、ワックス偏磨耗を生じやすい、摩擦係数が0.2以上の像担持体を用いても、その偏磨耗を防止し、経時においても良好な画像形成を行い得る画像形成装置を提供することができる。
【0060】
本発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項4ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置を用い、像担持体のクリーニングを行うクリーニング方法にあるので、上述の各効果を奏するクリーニング装置または画像形成装置を用いて、像担持体と、カウンター方式のクリーニング装置に備えられたクリーニング部材との係合部での異物の滞留を効率よく解消し、クリーニング部材の像担持体に対する当接が均一に行われる状態が復帰することにより、像担持体の偏摩耗を防ぎ、経時においても良好な画像形成を行うことに寄与し得るクリーニング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の要部の模式図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられたプロセスカートリッジを画像形成装置本体から離脱する様子を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 クリーニング装置
5 像担持体
22 クリーニング部材
28 係合圧調整手段
29 像担持体とクリーニング装置とを一体化した構成
A 画像形成時における像担持体の回転方向
B 画像形成時における像担持体の回転方向と逆の回転方向
Claims (8)
- 像担持体に係合し像担持体を清掃するためのクリーニング部材であって、画像形成動作時の像担持体の回転方向における下流側のエッジで像担持体に係合したクリーニング部材を有するクリーニング装置において、
所定のタイミングで像担持体に対する上記クリーニング部材の係合圧を調整する係合圧調整手段を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1記載のクリーニング装置において、上記所定のタイミングは、同所定のタイミングより後に像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に所定時間回転するタイミングであり、上記係合圧調整手段が同所定のタイミングで上記係合圧を画像形成時よりも低下させることを特徴とするクリーニング装置。
- 請求項2記載のクリーニング装置において、上記所定のタイミングは、像担持体が画像形成動作時における回転方向と逆の方向に回転を開始する前、または、同回転を行っている途中であることを特徴とするクリーニング装置。
- 請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によりクリーニングが行われる像担持体とを有する画像形成装置。
- 請求項4記載の画像形成装置において、少なくとも上記像担持体と上記クリーニング装置とを一体化し、画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4または5記載の画像形成装置において、ワックス添加量が5.0重量%以上のトナーを用いて上記像担持体の現像を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体の摩擦係数が0.2以上であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし3の何れか1つに記載のクリーニング装置、または、請求項4ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置を用い、像担持体のクリーニングを行うクリーニング方法。
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---|---|---|---|
JP2003144420A JP2004347833A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | クリーニング装置、クリーニング方法及び画像形成装置 |
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JP2012189981A (ja) * | 2011-02-24 | 2012-10-04 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
-
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- 2003-05-22 JP JP2003144420A patent/JP2004347833A/ja active Pending
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