JP2004345525A - ヘリコプタ - Google Patents

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Toshiyuki Hagi
俊之 萩
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Abstract

【課題】ロータの共振を抑制して飛行中における機体振動を低減させ、乗り心地を向上させることができる制振材を備えるヘリコプタを提供する。
【解決手段】ブレード11及びハブ13を有するロータを備えたヘリコプタ1において、ブレード11及び/又はハブ13の表面に設けられた第1CFRP層16aと、第1CFRP層16aに所定の間隔をおいて配置された第2CFRP層16bと、第1CFRP層16aと第2CFRP層16bとの間に形成された空間に封入された電気粘性流体17と、を有する制振材15を備える。電気粘性流体17には、第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bを介して所定の電圧が印加される。制振材15は、第2CFRP層16bの表面に、印加電圧により伸縮する圧電素子19をさらに備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリコプタに関し、特に、ロータブレードの剛性を変化させて、ロータの共振による振動を抑制するヘリコプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリコプタのロータの回転に起因する強制振動力の振動数(以下、「強制振動数」という)と、地上又は空中における機体の固有振動数と、が一致した場合には、地上共振又は空中共振と呼ばれる不安定現象が発生することが知られている。
【0003】
かかる地上共振や空中共振の発生を防止するため、ロータの常用回転数域における強制振動数と固有振動数とが一致しないようにロータや機体を設計するという手法が一般に採用されている。
【0004】
また、地上共振を抑制するための従来の技術として、機体固有振動数を変化させるための電気粘性流体ダンパをヘリコプタの降着装置に設けるとともに、強制振動数を検出するセンサを設け、検出した強制振動数に基づいて電気粘性流体ダンパを制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、空中共振を抑制するための従来の技術として、ヘリコプタのブレード等に埋設される機能材、強制振動数を検出するセンサ、検出された強制振動を抑制するための制振振動を機能材を介してブレード等に積極的に発生させるコントローラ、等を備えた振動低減装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−226396号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−240353号公報(第3頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ロータの常用回転数域における強制振動数と固有振動数とが一致しないようにロータや機体を設計するという一般的手法を採用すると、機体設計に種々の制限が課されるという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献1に記載の技術を採用すると、地上での機体固有振動数を変化させて地上共振を抑制することはできるが、空中での機体固有振動数を適切に変化させることが困難であるため、空中共振を十分に抑制することができないという問題があった。
【0009】
すなわち、空中での機体固有振動数は、主としてブレードの剛性によって定められるので、降着装置の剛性を電気粘性流体ダンパによって変化させるだけでは、空中での機体固有振動数を適切に変化させることが困難であり、空中共振を十分に抑制することができない。
【0010】
また、前記特許文献2に記載の技術においては、機能材をブレード等に埋設する作業に手間がかかる上に、ブレード強度が低下するという問題があった。また、前記特許文献2に記載の技術においては、検出した強制振動を抑制するための制振振動を、機能材を介してブレード等に積極的に発生させる必要がある。このため、高精度のコントローラや、交流電圧を発生させる可変電圧発生装置や、高度な制御則が必要となり、装置が高価となるという問題があった。
【0011】
本発明の課題は、ロータの共振を抑制して飛行中における機体振動を低減させ、乗り心地を向上させるとともに、ロータの常用回転数域を拡大して機体設計の自由度を高めることができる制振材を備えるヘリコプタを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ブレード及びハブを有するロータを備えたヘリコプタにおいて、前記ブレード及び/又は前記ハブの表面に設けられた第1CFRP層と、前記第1CFRP層に所定の間隔をおいて配置された第2CFRP層と、前記第1CFRP層と前記第2CFRP層との間に形成された空間に封入された電気粘性流体と、を有する制振材を備え、前記第1CFRP層及び前記第2CFRP層を介して前記電気粘性流体に所定の電圧が印加されることを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、第1CFRP層及び第2CFRP層が電極として機能し、これら第1CFRP層及び第2CFRP層を介して電気粘性流体に所定の電圧が印加される。そして、印加電圧の値を適切な値に設定することにより電気粘性流体の粘性を変化させて、ブレード及び/又はハブの剛性を変化させることができる。
【0014】
従って、ロータの固有振動数を適切に変化させることができるので、ロータの共振を効果的に抑制することができる。この結果、飛行中における機体振動を低減させ、乗り心地を向上させるとともに、ロータの常用回転数域を拡大して機体設計の自由度を高めることができる。
【0015】
しかも、第1CFRP層、第2CFRP層及び電気粘性流体を有する制振材は、ブレード及び/又はハブの表面に設けられるので、従来のようにブレード等に埋設される機能材と比較して取り付けが容易である。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘリコプタにおいて、前記制振材は、前記第2CFRP層の表面に所定の絶縁材を介して接着され、印加電圧により前記第2CFRP層の表面に沿う方向に伸縮する圧電素子を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、制振材は、印加電圧により第2CFRP層の表面に沿う方向に伸縮する圧電素子をさらに有するので、印加電圧による電気粘性流体の粘性の変化と、圧電素子の伸縮作用と、の相乗効果により、ブレード及び/又はハブの剛性を容易かつ確実に変化させることができる。この結果、ロータの共振を一層確実に抑制することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のヘリコプタにおいて、前記ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記制振材の前記電気粘性流体及び/又は前記圧電素子に印加する電圧を発生させる電圧発生手段と、前記ロータの回転数が所定値に達した場合に、前記電気粘性流体及び/又は前記圧電素子に印加する電圧の値を指示する制御信号を前記電圧発生手段に出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、制振材の電気粘性流体及び/又は圧電素子に印加する電圧を発生させる電圧発生手段と、ロータの回転数が所定値に達した場合に、電気粘性流体及び/又は圧電素子に印加する電圧の値を指示する制御信号を電圧発生手段に出力する制御手段と、を備えるので、ロータの回転数が所定値に達すると、電気粘性流体及び/又は圧電素子に印加する電圧を設定することができる。従って、例えば、ロータの回転に起因する強制振動数と、ロータの固有振動数と、が近付きすぎないように印加電圧を設定して、ロータの共振を効果的に抑制することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載のヘリコプタにおいて、前記電圧発生手段は、直流電圧を発生させることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、電圧発生手段は直流電圧を発生させるので、従来の振動低減装置のような高精度のコントローラや、交流電圧を発生させる可変電圧発生装置が不要となる。このため、比較的安価に制振効果を達成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
まず、図1を用いて、本実施の形態に係るヘリコプタ1の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係るヘリコプタ1の概略図である。ヘリコプタ1は、ロータ10、胴体20、スキッド30、テイルブーム40、尾翼50、テイルロータ60、等を備えて構成される。
【0024】
ロータ10は、図示されていないエンジンによって回転運動を行って機体の重量を支える揚力及び推進力を発生させるものである。ロータ10は、図1に示すように、4枚のブレード11、これらブレード11をシャフト12に結合させるためのハブ13、等を有している。
【0025】
ブレード11及びハブ13は、繊維強化樹脂等の複合材で調製されており、その表面には、本発明の主要部である制振材15が装着されている。後述する可変電圧発生装置22で発生した電圧は、シャフト12に取り付けられたスリップリング14を介して、ブレード11及びハブ13に装着された制振材15の電気粘性流体17及び/又は圧電素子19に印加される。制振材15については、図2及び図3を用いて後述する。
【0026】
胴体20は、操縦者や乗務員を搭乗させるとともに各種装置を搭載するキャビン21を備えている。キャビン21内には、図1に示すように、制振材15の電気粘性流体17や圧電素子19に印加する電圧を発生させる可変電圧発生装置22や、ロータ10の回転数が所定値に達した場合に、制振材15の電気粘性流体17や圧電素子19に印加する電圧の値を指示する制御信号を可変電圧発生装置22に出力するコントローラ23が備えられている。可変電圧発生装置22は、本発明における電圧発生手段であり、コントローラ23は、本発明における制御手段である。
【0027】
可変電圧発生装置22で発生した電圧は、導線24及びスリップリング14を介して、ロータ10のブレード11及びハブ13に装着された制振材15の電気粘性流体17及び/又は圧電素子19に印加される。また、コントローラ23から出力された制御信号は、導線25を介して可変電圧発生装置22に伝送される。本実施の形態における可変電圧発生装置22から発生する電圧は、直流電圧とする。
【0028】
また、胴体20の上部には、ロータ10の回転数を検出する回転数センサ26が設けられている。回転数センサ26によって検出されたロータ10の回転数に係る信号は、導線27を介してコントローラ23に伝送される。回転数センサ26は、本発明における回転数検出手段である。
【0029】
次に、図2及び図3を用いて、本発明の主要部である制振材15について説明する。図2は、制振材15の斜視図であり、図3は、図2のIII−III部分の断面図である。
【0030】
制振材15は、ロータ10のブレード11及びハブ13に装着され、これらブレード11及びハブ13の剛性を変化させてロータ10の固有振動数を変化させることにより、ロータ10の共振を抑制するという機能を果たすものである。なお、図2及び図3においては、ブレード11(ハブ13)の表面に制振材15を1個だけ装着した状態を示しているが、ブレード11(ハブ13)の翼幅方向や翼弦方向に複数個装着することができる。
【0031】
制振材15は、ブレード11(ハブ13)の表面に設けられた第1CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)層16a、第1CFRP層16aに所定の間隔をおいて配置された第2CFRP層16b、第1CFRP層16aと第2CFRP層16bとの間に形成された空間に封入された電気粘性流体17、第2CFRP層16bの表面に絶縁材18を介して接着された圧電素子19、等を備えて構成されている。
【0032】
第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bは、反りや捩りが発生しない範囲で可能な限り薄く成形された電極である。これら第1CFRP層16aと第2CFRP層16bとの間に封入された電気粘性流体17には、図1に示した導線24及びスリップリング14を介して、可変電圧発生装置22で発生した電圧が印加される。
【0033】
電気粘性流体17は、印加電圧によってその粘性が増加する流体である。印加電圧を変化させることにより、電気粘性流体17の粘性を広範囲にわたって変化させることができる。また、印加電圧を変化させた場合の電気粘性流体17の粘性変化率(応答速度)は高い。電気粘性流体17としては、シリコン油等の絶縁性の油に炭素質粉末や金属微粒子等を分散させたコロイド懸濁液を採用することができる。
【0034】
電気粘性流体17は、封印材17aによって、第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bの間に形成された空間に封入され、第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bを介して、可変電圧発生装置22で発生した電圧が印加される。かかる印加電圧によって電気粘性流体17の粘性が増加することにより、ブレード11(ハブ13)の剛性を高め、ロータ10の固有振動数を大きくすることができる。また、印加電圧を変化させることによって電気粘性流体17の粘性を変化させ、ロータ10の固有振動数を変化させることができる。
【0035】
本実施の形態においては、ブレード11(ハブ13)をオートクレーブで成形する際に、その表面に第1CFRP層16aを一体的に積層・成形しておく。そして、第1CFRP層16a上に、封印材17aで調製された所定の枠を接着又は機械的結合手段により固定し、その枠内に電気粘性流体17を充填し、その枠の上部に第2CFRP層16bを接着又は機械的結合手段により固定する。この際、第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bは、電気粘性流体17と接触するように配置される。封印材17aとしては、シーラントやゴム等を採用することができる。
【0036】
圧電素子19は、絶縁材18を介して第2CFRP層16bの表面に接着され、印加電圧により、第2CFRP層16bの表面に沿う方向に伸縮するものであり、ブレード11(ハブ13)の剛性を変化させることによって、ロータ10の固有振動数を変化させるという機能を果たす。絶縁材18は、剛性が高く薄手のものを採用するのが好ましく、本実施の形態においてはGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)を採用している。
【0037】
圧電素子19の伸縮方向は、ブレード11(ハブ13)の曲げ振動や捩り振動を抑制する方向に設定される。例えば、ブレード11(ハブ13)の上下に撓む曲げ振動を抑制する場合には、圧電素子19の伸縮方向をブレード11(ハブ13)の長手方向に設定する。また、ブレード11(ハブ13)の捩り振動を抑制する場合には、圧電素子19の伸縮方向を捩り振動の軸線に対して略45°の方向に設定する。
【0038】
次に、本実施の形態に係るヘリコプタ1の制振動作について説明する。
【0039】
まず、回転数センサ26によってヘリコプタ1のロータ10の回転数を検出し、検出されたロータ10の回転数に係る信号を、導線27を介してコントローラ23に伝送する。
【0040】
コントローラ23は、ロータ10の共振を発生させるロータ回転数(以下、「臨界回転数」という)を記憶しておき、検出されたロータ10の回転数が臨界回転数より所定の値だけ低い回転数に達した場合に、可変電圧発生装置22に制御信号を伝送して所定の電圧を発生させ、制振材15の電気粘性流体17及び/又は圧電素子19に電圧を印加させる。
【0041】
なお、臨界回転数とは、ロータ10の回転に起因する強制振動数が、ロータ10の固有振動数とほぼ一致する場合のロータ10の回転数である。ロータ10の回転数が臨界回転数より低くなるように制御することにより、機体の振動レベルが乗り心地や強度に影響を与えないようにする。
【0042】
前記したように制振材15の電気粘性流体17及び/又は圧電素子19に所定の電圧を印加することにより、ブレード11(ハブ13)の剛性を高めて、ヘリコプタ1のロータ10の固有振動数を大きくすることができる。この結果、ロータ10の回転に起因する強制振動数がロータ10の固有振動数に近付いてロータ10が共振するのを回避することができ、ロータ10の共振による振動の増大を阻止することができる。
【0043】
また、ロータ10の回転数がさらに上昇することにより強制振動数が変化し、この変化後の強制振動数が、前記した制御動作により変化したロータ10の固有振動数に近付き、ロータ10の共振による振動の増大が再び発生する場合がある。かかる事態を回避するために、コントローラ23は、ロータ10の回転数が上昇した場合に、可変電圧発生装置22に制御信号を伝送してより高い電圧を発生させる。そして、この高い電圧を制振材15の電気粘性流体17及び圧電素子19に印加することにより、ロータ10の固有振動数をさらに変化させて、共振による振動の増大を回避することができる。
【0044】
なお、可変電圧発生装置22から発生させる電圧の値は、ブレード11(ハブ13)の材料や重量、電気粘性流体17の組成、圧電素子19の種類、等の種々の要因を勘案して設定される。本実施の形態においては、あらかじめ試験を実施することによってロータ10の回転数に応じた電圧の最適値を求め、この電圧の最適値をコントローラ23に記憶させて、制御動作に利用している。
【0045】
本実施の形態に係るヘリコプタ1においては、第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bが電極として機能し、これら第1CFRP層16a及び第2CFRP層16bを介して電気粘性流体17に所定の電圧が印加される。そして、印加電圧の値を適切な値に設定することにより電気粘性流体17の粘性を変化させて、ブレード11(ハブ13)の剛性を変化させることができる。
【0046】
従って、ヘリコプタ1のロータ10の固有振動数を適切に変化させることができるので、ロータ10の共振を効果的に抑制することができる。この結果、飛行中における機体振動を低減させ、乗り心地を向上させるとともに、ロータ10の常用回転数域を拡大して機体設計の自由度を高めることができ、なおかつ、騒音の発生の抑制や高速飛行の実現が可能となる。
【0047】
しかも、制振材15はブレード11(ハブ13)の表面に設けられるので、従来のようにブレード等に埋設される機能材と比較して取り付けが容易である。
【0048】
また、本実施の形態に係るヘリコプタ1の制振材15は、印加電圧により第2CFRP層16bの表面に沿う方向に伸縮する圧電素子19を有するので、印加電圧による電気粘性流体17の粘性の変化と、圧電素子19の伸縮作用と、の相乗効果により、ブレード11(ハブ13)の剛性を容易かつ確実に変化させることができる。この結果、ロータ10の共振を一層確実に抑制することができる。
【0049】
また、本実施の形態に係るヘリコプタ1においては、ロータ10の回転数を検出する回転数センサ26と、制振材15の電気粘性流体17及び圧電素子19に印加する電圧を発生させる可変電圧発生装置22と、ロータ10の回転数が所定値(臨界回転数より所定の値だけ低い回転数)に達した場合に、電気粘性流体17及び/又は圧電素子19に印加する電圧の値を指示する制御信号を可変電圧発生装置22に出力するコントローラ23と、を備えるので、検出されたロータ10の回転数に基づいて、電気粘性流体17及び/又は圧電素子19に印加する電圧を設定することができる。従って、ロータ10の回転に起因する強制振動数がロータ10の固有振動数に近付きすぎないように印加電圧を設定して、ロータ10の共振を効果的に抑制することができる。
【0050】
また、本実施の形態に係るヘリコプタ1の可変電圧発生装置22は直流電圧を発生させるので、従来の振動低減装置のような高精度のコントローラや、交流電圧を発生させる可変電圧発生装置が不要となる。このため、比較的安価に制振効果を達成することができる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、第1CFRP層、第2CFRP層及び電気粘性流体を有する制振材を備えるので、第1CFRP層及び第2CFRP層を介して電気粘性流体に所定の電圧を印加することによりブレード及び/又はハブの剛性を変化させることができる。
【0052】
この結果、ロータの共振を効果的に抑制することができ、飛行中における機体振動を低減させ、乗り心地を向上させるとともに、ロータの常用回転数域を拡大して機体設計の自由度を高めることができる。また、制振材はブレード及び/又はハブの表面に設けられるので、従来のようにブレード等に埋設される機能材と比較して取り付けが容易である。
【0053】
請求項2に記載の発明によれば、制振材は、印加電圧により第2CFRP層の表面に沿う方向に伸縮する圧電素子をさらに有するので、印加電圧による電気粘性流体の粘性の変化と、圧電素子の伸縮作用と、の相乗効果により、ロータの共振を一層確実に抑制することができる。
【0054】
請求項3に記載の発明によれば、回転数検出手段、電圧発生手段及び制御手段を備えるので、検出されたロータの回転数に基づいて、電気粘性流体及び/又は圧電素子に印加する電圧を設定することができる。従って、例えば、ロータの回転に起因する強制振動数がロータの固有振動数に近付きすぎないように印加電圧を設定して、共振を効果的に抑制することができる。
【0055】
請求項4に記載の発明によれば、電圧発生手段は直流電圧を発生させるので、従来の振動低減装置のような高精度のコントローラや、交流電圧を発生させる可変電圧発生装置が不要となる。このため、比較的安価に制振効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るヘリコプタの概略図である。
【図2】図1に示したヘリコプタに備えられる制振材の斜視図である。
【図3】図2のIII−III部分の断面図である。
【符号の説明】
1 ヘリコプタ
10 ロータ
11 ブレード
12 シャフト
13 ハブ
14 スリップリング
15 制振材
16a 第1CFRP層
16b 第2CFRP層
17 電気粘性流体
17a 封印材
18 絶縁材
19 圧電素子
20 胴体
21 キャビン
22 可変電圧発生装置
23 コントローラ
24 導線
25 導線
26 回転数センサ
27 導線
30 スキッド
40 テイルブーム
50 尾翼
60 テイルロータ

Claims (4)

  1. ブレード及びハブを有するロータを備えたヘリコプタにおいて、
    前記ブレード及び/又は前記ハブの表面に設けられた第1CFRP層と、
    前記第1CFRP層に所定の間隔をおいて配置された第2CFRP層と、
    前記第1CFRP層と前記第2CFRP層との間に形成された空間に封入された電気粘性流体と、を有する制振材を備え、
    前記第1CFRP層及び前記第2CFRP層を介して前記電気粘性流体に所定の電圧が印加されることを特徴とするヘリコプタ。
  2. 前記制振材は、
    前記第2CFRP層の表面に所定の絶縁材を介して接着され、印加電圧により前記第2CFRP層の表面に沿う方向に伸縮する圧電素子を有することを特徴とする請求項1に記載のヘリコプタ。
  3. 前記ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記制振材の前記電気粘性流体及び/又は前記圧電素子に印加する電圧を発生させる電圧発生手段と、
    前記ロータの回転数が所定値に達した場合に、前記電気粘性流体及び/又は前記圧電素子に印加する電圧の値を指示する制御信号を前記電圧発生手段に出力する制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘリコプタ。
  4. 前記電圧発生手段は、
    直流電圧を発生させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のヘリコプタ。
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