JP2004345384A - 二輪車用車載通信装置 - Google Patents

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一朝 伊藤
Hisashi Chiba
久 千葉
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Abstract

【課題】車載通信装置の盗難や悪戯に関わる問題を改善し、また、二輪車を野外に放置したような場合であっても車載通信装置本体に損傷が生じることのない二輪車用車載通信装置を提供する。
【解決手段】ケーシング本体5とミラー実装部4とによってバックミラー本体1を構成し、ミラー実装部4をケーシング本体5に対して開閉自在とすると共に、二輪車2側に固設されたステー3からバックミラー本体1を着脱可能とする。車載通信装置本体10とアンテナ20をバックミラー本体1に内蔵し、車載通信装置本体10をバックミラー本体1から着脱自在とすると共に、車載通信装置本体10に対する情報記憶媒体11の着脱も許容する。必要に応じてバックミラー本体1の全体または車載通信装置本体10の部分あるいは情報記憶媒体11のみを取り外して携行することで車載通信装置に関わる盗難や悪戯を防止する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速道路の料金徴収システムや道路情報の伝達システム等を初めとする走行支援システムの地上設備あるいはGPS等の衛星との間で無線データ通信を行なう二輪車用車載通信装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行支援システムとしては、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)が既に公知であり、この他にも、地上設備と車両との間で無線データ通信を行なってドライバーに危険警告を行うAHS−iや運転補助制御を行なうAHS−c等のシステムが研究されている。衛星通信等を利用したGPSも走行支援システムの一つの態様である。
【0003】
この種のシステムを利用するためには、走行支援システムの地上設備、例えば、通信センターや通信基地局および路上アンテナ、あるいは、GPS等の衛星通信システムの他、車両側に実装する車載通信装置やアンテナが必要となる。
【0004】
四輪自動車の場合においては、エンジンルームやダッシュボード周辺に車載通信装置やアンテナの設置に十分な余剰スペースがあるので格別な問題はないが、自動二輪等を初めとする二輪車の場合では、車載通信装置やアンテナの設置に必要とされる十分な余剰スペースがなく、また、スペース自体はあったとしても、そのスペースが外部と隔絶されているわけではないので、装置の盗難や埃あるいは雨滴の侵入といった問題がある。
【0005】
二輪車に車載通信装置やアンテナを実装するための工夫としては、例えば、特許文献1に開示されるように、バックミラーのケーシングの内部にGPS受信装置およびGPSアンテナと表示装置とを一体に組み込んだものが提案されている。
また、特許文献2では、スピードメータやタコメータのメータケース内に通信ユニットや通信アンテナを内蔵したものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−203640号公報(段落番号0021,0022,図7)
【特許文献2】
特開平10−278865号公報(段落番号0025,図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バックミラーは二輪車に後付けされる構造が一般的であり、これを強制的に取り外すことも比較的容易であるため、バックミラーのケーシングに車載通信装置を組み込んだだけでは、盗難や悪戯に対するセキュリティの面で問題がある。
また、二輪車を野外に放置した場合に埃や雨滴が侵入するといった可能性もあるため、耐候性の問題も十分には改善されない。
【0008】
一方、メータケース内に車載通信装置を内蔵した場合においては、メータケースそれ自体に十分な防滴性があるので、耐候性の問題については改善され得るが、やはり、メータケースそれ自体が後付け構造であるため、車載通信装置に関連する盗難や悪戯等の点で問題が残る。
【0009】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、車載通信装置の盗難や悪戯に関わる問題を改善し、また、車両を野外に放置したような場合であっても車載通信装置本体に損傷が生じることのない二輪車用車載通信装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、走行支援システムとの間で無線データ通信を行なう二輪車用車載通信装置であり、前記目的を達成するため、特に、
後方確認ミラーを装着した中空のバックミラー本体に車載通信装置本体とアンテナとを内蔵し、バックミラー本体を二輪車に固定するステーに挿通された配線を介して二輪車の車載バッテリーから車載通信装置本体に電力を供給すると共に、少なくとも、車載通信装置本体の主要部を二輪車から着脱自在としたことを特徴とする構成を有する。
【0011】
バックミラー本体に車載通信装置本体とアンテナとを内蔵する構成とし、かつ、車載通信装置本体の主要部を二輪車から着脱自在としたので、搭乗者が二輪車から離れる際に装置の主要部を携行することが可能となり、装置の盗難や悪戯および二輪車を野外に放置した場合の埃や雨滴の侵入による装置の損傷を確実に防止することができる。
また、車載通信装置本体に対する電力供給源としては二輪車の車載バッテリーを利用しているので、電力の消耗によって車載通信装置の作動に異常が生じることはなく、車載通信装置を常に安定して利用することができる。
【0012】
ここで、車載通信装置本体の主要部を二輪車から着脱自在とするための具体的な構成として、二輪車に固設されたステーとバックミラー本体との間、もしくは、バックミラー本体に固設されたステーと二輪車との間に、配線用の電気コネクタを備えたバックミラー着脱機構を設け、車載通信装置本体とアンテナとを内蔵したバックミラー本体それ自体を二輪車から着脱自在とした構成を提案する。
【0013】
このような構成を適用した場合、車載通信装置本体の主要部を含め、車載通信装置本体の全ての部分とアンテナとがバックミラー本体と共に着脱可能とされるので、盗難や悪戯および二輪車を野外に放置した場合の埃や雨滴の侵入による装置の損傷を完全に防止することができる。また、車載通信装置本体に対する電力供給は、バックミラー着脱機構に設けられた配線用の電気コネクタを介して、前記と同様、二輪車の車載バッテリーによって行なわれる。
二輪車にステーを固設してバックミラー本体を着脱自在とするか、バックミラー本体にステーを固設してバックミラー本体とステーとを一体的に二輪車から着脱自在とするかは何れでも構わないが、携行の容易性の観点から、二輪車にステーを固設してバックミラー本体を着脱自在とする方が望ましい。
バックミラー本体のデザイン上、バックミラー本体がカウリングと一体化されたように見えるものもあるが、そのような場合は、ステーはカウリングの一部あるいはバックミラー本体の一部と見做すものとする。
【0014】
また、車載通信装置本体の主要部を二輪車から着脱自在とするための具体的な構成として、中空のケーシング本体と、ケーシング本体の開口部を覆うミラー実装部と、該ミラー実装部に装着された後方確認ミラーとによってバックミラー本体を構成し、ミラー実装部をケーシング本体に対して開閉自在としてケーシング本体とミラー実装部との間に防水パッキンを配備し、車載通信装置本体をケーシング本体内もしくはミラー実装部の裏面側に着脱自在に装着した構成を提案する。
【0015】
この構成は、バックミラー本体を二輪車に対して着脱自在とするか、あるいは、バックミラー本体を二輪車と実質的に一体的に構成するかの別に関わりなく適用することが可能である。
前記と同様、車載通信装置本体の主要部を含めた車載通信装置本体を取り外して携行することになるが、バックミラー本体を二輪車に残したまま車載通信装置本体のみを携行すことができるので、装置を携行する搭乗者の負担が軽減される。
車載通信装置本体を着脱するためにミラー実装部をケーシング本体に対して開閉自在とする必要があるが、ケーシング本体とミラー実装部との間には防水パッキンが配備されているので、走行中に雨滴や埃が侵入する心配はない。
なお、バックミラー本体を二輪車に対して着脱自在とした場合においては、前記と同様、バックミラー本体それ自体を二輪車から取り外して携行してもよい。
【0016】
更に、車載通信装置本体の主要部を二輪車から着脱自在とするための具体的な構成として、中空のケーシング本体と、ケーシング本体の開口部を覆うミラー実装部と、該ミラー実装部に装着された後方確認ミラーとによってバックミラー本体を構成し、ミラー実装部をケーシング本体に対して開閉自在としてケーシング本体とミラー実装部との間に防水パッキンを配備し、車載通信装置本体の作動を制限する情報記憶媒体が車載通信装置本体に対して着脱自在となるように、この車載通信装置本体をケーシング本体内もしくはミラー実装部の裏面側に装着した構成を提案する。
【0017】
この構成は、バックミラー本体を二輪車に対して着脱自在とするか、あるいは、バックミラー本体を二輪車と実質的に一体的に構成するか、更には、車載通信装置本体をバックミラー本体に対して着脱自在とするか、あるいは、車載通信装置本体をバックミラー本体に対して実質的に一体的に装着するかの別に関わりなく適用することが可能である。
このような構成は、特に、ETCの車載通信装置等のように課金あるいは個人情報等を取り扱う情報記憶媒体、例えば、ETCカード等を利用した走行支援システムに有用である。
車載通信装置本体は言うまでもなく重要であるが、情報記憶媒体を利用したシステムの場合では、情報記憶媒体の盗難や悪戯による被害が重大な問題となるため、少なくとも、重要度の点から見て車載通信装置本体の主要部となる情報記憶媒体を二輪車から着脱自在な構成とすることが望ましい。
このような構成を適用した場合、情報記憶媒体のみを取り外して携行することで、情報記憶媒体の不正使用によって発生する課金の問題や個人情報の盗用を確実に防止することができる。また、バックミラー本体や車載通信装置本体を二輪車に残して情報記憶媒体のみを携行するだけでも盗難や悪戯に対する一定の安全対策を施すことができるため、装置の主要部を携行する搭乗者の負担が大幅に軽減される。
なお、車載通信装置本体をバックミラー本体に対して着脱自在とした場合においては、周辺の治安環境等に応じて車載通信装置本体をバックミラー本体から取り外して携行してもよいし、また、バックミラー本体を二輪車に対して着脱自在とした場合においては、バックミラー本体の全てを二輪車から取り外して携行することも可能である。
【0018】
また、課金に関連する情報を表示する必要のあるETCや道路情報に関連する危険警告を表示する必要のあるAHS−i等に関連して本発明を適用する場合においては、後方確認ミラーをハーフミラーによって構成し、車載通信装置本体が備える情報表示用モニタの表示面をハーフミラーの裏面に重合させて設置することが望ましい。
【0019】
この場合、課金や危険警告等に関わる情報が車載通信装置本体の情報表示用モニタに表示され、この情報がハーフミラーを介して搭乗者によって読み取られることになる。専用の表示スペースを設けなくても情報表示を行なうことができるため、二輪車のデザインの観点から有利である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の二輪車用車載通信装置を搭載した二輪車の一例について外観を示した側面図である。この実施形態では、ステー3が二輪車2の側に固設され、バックミラー本体1の部分がステー3から取り外されるようになっている。
【0021】
図2はバックミラー本体1の一部を構成するミラー実装部4を開いた状態でケーシング本体5およびミラー実装部4の構造を示した正面図、また、図3は其の平面図である。
【0022】
バックミラー本体1の一部を構成する中空のケーシング本体5の一面には、図2に示されるような開口部6が設けられ、この開口部6の一側に設けられたヒンジ7を介してミラー実装部4が開閉自在に取り付けられている。
【0023】
図4(a)はミラー実装部4を裏面側から示した図、図4(b)と図4(c)は、各々、図4(a)に対応した平面図と右側面図である。
【0024】
ミラー実装部4は、図4(b)に示されるように、後方確認ミラーを構成するハーフミラー8と、このハーフミラー8を装着したミラー取付板9とによって構成され、ミラー実装部4の一部を構成するミラー取付板9の裏面側には、車載通信装置本体10が装着されている。
【0025】
車載通信装置本体10は、ETCカード等の情報記憶媒体11に対して情報の読み書きを行なうためのカードリード&ライタ12を備え、ハーフミラー8と重合する側のカードリード&ライタ12の表面には、バックライト付の液晶表示器等によって構成される情報表示用モニタ13が表示面をハーフミラー8に向けて一体的に固設されている。
【0026】
そして、情報表示用モニタ13と重合するミラー取付板9の部分には、情報表示用モニタ13の表示面の形状に対応した略矩形状の開口部が形成され、情報表示用モニタ13の表示面に表示された各種の情報が、図5に示されるように、ハーフミラー8を介して二輪車2の搭乗者に読み取られるようになっている。
【0027】
なお、ハーフミラーと情報表示用モニタとを利用した情報表示に関しては、既に特開平7−267002号公報や特開平7−266928号公報等で公知となっているので、詳細な説明は省略する。
【0028】
そして、ミラー取付板9の裏面側には、図4(a)および図4(c)に示されるように、断面略L字型の通信装置装着片14が固設され、この通信装置装着片14を介して車載通信装置本体10が取り付けられており、通信装置装着片14と車載通信装置本体10との嵌合を係脱することで、ミラー実装部4の裏面側から車載通信装置本体10を自在に着脱できるようになっている。
【0029】
具体的には、図4(a)に示す嵌合状態から車載通信装置本体10を通信装置装着片14の横幅分だけ図中右方向にスライドさせ、車載通信装置本体10の切欠部15の位置を図中右側に位置する2つの通信装置装着片14の位置に合わせて車載通信装置本体10を手前に引き出すことで、ミラー実装部4から車載通信装置本体10を取り外すことができる。車載通信装置本体10を取り付ける場合には、これとは逆の手順を踏めばよい。
【0030】
この車載通信装置本体10の一側には、電力供給端子および情報通信用端子からなる端子群16とアンテナ接続端子17とが設けられている。
【0031】
また、図4(a)に示されるように、ミラー取付板9の裏面の外周部には、ミラー実装部4を閉じてケーシング本体5の開口部6を覆った際に、ミラー実装部4とケーシング本体5の開口部6との間に介在して雨滴や埃の侵入を防止するための防水パッキン18が固着され、ヒンジ7の装着部と反対する側のミラー取付板9の裏面側の位置には、図4(b)に示されるように、ミラー実装部4を閉じてケーシング本体5に固定するための係合突起19が固設されている。
【0032】
一方、ケーシング本体5の側には、図2に示されるように、ミラー取付板9の係合突起19と嵌合してミラー実装部4を閉鎖位置に保持するための係合部材21が固設されており、この係合部材21に形成された凹部に係合突起19を嵌合させることで、ミラー実装部4の閉鎖状態が保持されるようになっている。少なくとも、係合突起19と係合部材21の何れか一方、もしくは、其の両方を弾性部材によって形成し、係合突起19と係合部材21との嵌合が走行中の振動等によって容易に外れないように、しかも、グローブ等をはめた手でミラー実装部4を把持して容易にミラー実装部4を開閉できるように、係合突起19および係合部材21の嵌合部の嵌め合いを調整する必要がある。
【0033】
ETCカード等の情報記憶媒体11は、図3に示される矢印a方向に押し引きすることで車載通信装置本体10のカードスロット10aに挿抜されるようになっており、ミラー実装部4を半開きとした状態および全開とした状態の何れにおいても着脱自在である。つまり、車載通信装置本体10は、ミラー実装部4に対し、情報記憶媒体11が着脱自在となるようにして取り付けられていることになる。情報記憶媒体11がETCカード等である場合、この情報記憶媒体11には、高速道路の使用料金の課金等に必要とされる搭乗者の個人情報が記憶される。情報記憶媒体11がカードスロット10aに指し込まれていない車載通信装置本体10は作動しないので、この情報記憶媒体11には、車載通信装置本体10の作動を制限する機能がある。
【0034】
一方、地上の通信センターや通信基地局等に接続された路上アンテナやGPS等の衛星通信システムとの間で無線データ通信を行なう際に使用されるアンテナ20は、図2に示されるように、ケーシング本体5の天板5aの下面、つまり、ケーシング本体5の内部に固設されている。アンテナ20にはアンテナ端子22が設けられており、ミラー実装部4を閉鎖した状態で、ミラー実装部4の裏面に装着された車載通信装置本体10のアンテナ接続端子17がアンテナ端子22に圧接されて電気的に接続されるようになっている。
【0035】
板状の金属からなるアンテナ20をケーシング本体5の天板5aの下面に沿わせるようにして設置しているので、特に、高速道路のゲート等で比較的高い位置に設置された路上アンテナとの間でのデータ通信に有利であり、また、搭乗者の上体あるいは頭部等が干渉して通信の障害が引き起こされる可能性も低い。
【0036】
また、ケーシング本体5には、電力供給端子および情報通信用端子からなる端子群23が設けられており、ミラー実装部4を閉鎖することにより、端子群23に車載通信装置本体10側の端子群16が圧接されて電気的に接続されるようになっている。
【0037】
端子群23から引き出された電力供給線24aおよび情報通信線24bはケーシング側コネクタ25に纏められている。
【0038】
前述した通り、この実施形態では、ステー3を二輪車2の側に固設し、バックミラー本体1の部分をステー3から取り外すようにしているので、バックミラー着脱機構はステー3とケーシング本体5との間に設ける必要がある。
【0039】
このバックミラー着脱機構26は、図2に示されるように、ステー3の先端部に取り付けられるケーシング本体5側のパイプ状突起27と、パイプ状突起27に対して回転自在かつ軸方向移動不能に外嵌された回転スリーブ28と、ステー3の先端に固設されたステー側コネクタ29(雌)、および、パイプ状突起27に埋め込まれた前述のケーシング側コネクタ25(雄)とによって構成される。このうち、ステー側コネクタ29とケーシング側コネクタ25は配線用の電気コネクタである。
【0040】
そして、回転スリーブ28の先端部内周面には雌ネジ部28aが螺刻される一方、ステー3の先端部外周面には雄ネジ部3aが刻設されている。従って、回転スリーブ28をステー3の先端に差し込んで、回転スリーブ28の雌ネジ部28aをステー3の雄ネジ部3aに螺合させることによってステー3にケーシング本体5が固定され、同時に、ステー側コネクタ29とケーシング側コネクタ25との電気的な接続がなされる。ケーシング本体5をステー3から取り外す際には、これとは逆の手順を踏めばよい。
【0041】
ステー側コネクタ29から引き出された電力供給線30aおよび情報通信線30bは、中空のステー3に挿通されて二輪車2の側に導かれ、このうち、電力供給線30aは、イグニッションキーでON/OFFされる電源スイッチ等を介して二輪車2の車載バッテリーに接続され、また、情報通信線30bは、二輪車2のエンジン等を制御するエンジンコントロールユニット31(図6参照)に接続される。
【0042】
図2に示されるように、ステー3の先端部と係合する回転スリーブ28の内周面に刻設された周溝にOリング32が内嵌されてステー3と回転スリーブ28との間からの雨滴や埃の侵入を防止し、また、パイプ状突起27と係合する回転スリーブ28の内周面に刻設された周溝にはOリング33が内嵌されて、パイプ状突起27と回転スリーブ28との間からの雨滴や埃の侵入を防止している。
【0043】
また、ケーシング本体5の空きスペースには、一対のキャップ支持部材34に挟まれるようにして、ゴム等の弾性材料からなる防水キャップ35が取り付けられている。この防水キャップ35は、ステー3からバックミラー本体1を取り外した際に、ステー側コネクタ29が雨滴や埃をかぶることを防止するためのもので、必要に応じてキャップ支持部材34から取り外してステー3の先端に被せて利用する。
【0044】
図6は車載通信装置本体10の構成の概略について示した機能ブロック図である。車載通信装置本体10は、この車載通信装置本体10を全体的に制御するCPU36と、該CPU36の制御プログラム等を記憶したROM37、および、送受信データや演算データ等の一時記憶等に利用されるRAM38と、二輪車2のエンジンコントロールユニット31との間で通信を行なうためのインターフェイス回路39とを備える。
【0045】
インターフェイス回路39とエンジンコントロールユニット31との間の電気的な接続については、既に述べた通り、端子群16,23およびコネクタ25,29と情報通信線24b,30bを介して行なわれる。
【0046】
また、二輪車2に設けられた方向指示器のスイッチ操作の状態は、エンジンコントロールユニット31およびインターフェイス回路39を介してCPU36に認識され、CPU36からの指令に基き、インターフェイス回路39およびエンジンコントロールユニット31を経由して方向指示器の動作状態を制御できるようになっている。なお、方向指示器のスイッチは、中央部にニュートラルポジションを有する自動復帰式のもので、このスイッチを左方向または右方向に押し付けている間だけ、左側または右側の方向指示器を作動させるための信号が出力される。
【0047】
バックライト付の液晶表示器等によって構成されるバックミラー本体1側の情報表示用モニタ13はドライバ40を介してCPU36によって駆動制御され、カードリード&ライタ12は、入出力回路41を介してCPU36によって駆動制御されるようになっている。
【0048】
また、地上の通信センターや通信基地局あるいはGPSの衛星等からアンテナ20を介して入力された通信データは送受信回路42および入出力回路41を介してCPU36に読み込まれ、CPU36からの送信データは、入出力回路41および送受信回路42を介してアンテナ20に出力される。
アンテナ20と送受信回路42との間の電気的な接続については、既に述べた通り、アンテナ接続端子17,アンテナ端子22を介して行なわれる。
【0049】
なお、GPSシステム等の場合においては車載通信装置本体10が通信データを受信するのみであり、双方向の通信は行なわれないので、送受信回路42に代えて受信回路を設置すれば済む。
【0050】
CPU36,ROM37,RAM38,インターフェイス回路39,ドライバ40,入出力回路41,送受信回路42と情報表示用モニタ13は、車載通信装置本体10のケーシングを兼ねるカードリード&ライタ12のケーシングに一体的に配備され、このうち駆動電力を必要とする電気部品に対しては、電力供給線30a,24aとコネクタ29,25ならびに端子群23,16を介して車載バッテリーから電力が供給される。
【0051】
また、二輪車2に配備される他方のバックミラー、つまり、左側のバックミラーは、ハーフミラーおよび情報表示用モニタ13’のみが配備された固定式である。左側のバックミラーの情報表示用モニタ13’も、車載通信装置本体10内のドライバ40’を介してCPU36によって駆動制御される。ドライバ40’と情報表示用モニタ13’との間の電気的な接続は、端子群16,23およびコネクタ25,29と情報通信線24b,30bを介して行なわれる。つまり、情報通信線30bは複数の導線を有する集合ケーブルであって、その一部がエンジンコントロールユニット31に接続されるのみならず、その他部は情報表示用モニタ13’に接続されている。
【0052】
ETC,AHS−i,AHS−c等のシステムから無線データ通信によって入力される情報は情報表示用モニタ13や13’に定常的に表示することも可能であるが、本実施形態では、搭乗者の注意が逸らされて運転に支障を来たすことを未然に防止するため、情報表示用モニタ13や13’への情報表示を方向指示器のスイッチ操作によって制限している。
【0053】
情報表示用モニタ13や13’への情報表示が許容されるのは、方向指示器が作動している場合、あるいは、方向指示器のスイッチ操作が針路変更等を目的とする通常のスイッチ操作よりも意図的に長く行なわれた場合、つまり、搭乗者による意識的な表示要求があった場合である。
【0054】
図7は車載通信装置本体10のCPU36によって所定周期毎のタスク処理として実行される受信データ表示処理の概略を示したフローチャートである。
【0055】
ここで、図7を参照して情報表示用モニタ13や13’への情報表示のタイミングについて説明する。
【0056】
受信データ表示処理を開始したCPU36は、まず、方向指示器のスイッチ操作が行なわれているか否かを判定し(ステップS1)、スイッチ操作が行なわれていなければ、更に、RAM38内の状態記憶フラグFの現在値について判定する(ステップS6,S14,S20)。
【0057】
状態記憶フラグFの初期値は0であるから、この段階ではステップS6,S14,S20の判定結果は何れも偽となる。
【0058】
次いで、CPU36は、送受信回路42によってETC,AHS−i,AHS−c等からの情報が受信されているか否かを判定し(ステップS25)、何等かの情報が入力されていれば、この情報をRAM38に更新して記憶する一方(ステップS26)、何らの情報も入力されていなければ、この時点でRAM38に記憶されている情報をそのまま保持する。
【0059】
搭乗者が方向指示器のスイッチ操作を実行しない限り、所定周期毎の受信データ表示処理においてステップS1,S6,S14,S20,S25の判定処理のみが繰り返し実行され、ETC,AHS−i,AHS−c等からの最新の情報が入力される度に、この情報がRAM38に更新して記憶されることになる(ステップS26)。
【0060】
このような処理が繰り返し実行される間に搭乗者が方向指示器のスイッチ操作を実行すると、CPU36は、ステップS1の判定処理でこの操作を検出してスイッチの操作方向を一時記憶すると共に、状態記憶フラグFの現在値が0に保持されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0061】
状態記憶フラグFの現在値が0であれば、当該周期の受信データ表示処理において方向指示器のスイッチ操作が初めて検出されたことを意味するので、CPU36は、計時用のタイマとして機能するカウンタtの値を0に初期化し(ステップS3)、状態記憶フラグFにスイッチの操作中を示す値1をセットして(ステップS4)、当該周期の受信データ表示処理を終了する。
【0062】
搭乗者が方向指示器のスイッチ操作を継続して行なった場合には、次周期の受信データ表示処理におけるステップS1の判定結果が真となり、また、この段階では既に状態記憶フラグFにスイッチの操作中を示す値1がセットされているので、ステップS2の判定結果は偽となる。従って、CPU36は、計時用のタイマとして機能するカウンタtの値を1処理周期の所要時間に相当する時間Δtだけインクリメントして(ステップS5)、当該周期の受信データ表示処理を終了する。
【0063】
搭乗者が方向指示器のスイッチ操作を継続して行なえば、所定周期毎の受信データ表示処理においてステップS1,S2の判定処理とステップS5の処理のみが繰り返し実行され、カウンタtには、方向指示器のスイッチ操作の継続時間が逐次更新して記憶されることになる。
【0064】
そして、搭乗者が方向指示器のスイッチから手を放すとスイッチは自動的にニュートラルポジションに復帰し、この操作が受信データ表示処理におけるステップS1の判定処理でCPU36によって検出される。この段階では状態記憶フラグFにスイッチの操作中を示す値1がセットされているので、ステップS6の判定結果が真となり、CPU36は、カウンタtの現在値つまり方向指示器のスイッチ操作の継続時間tが、設定値T1の範囲内に収まっているか否かを判定する(ステップS7)。
【0065】
スイッチ操作の継続時間tが設定値T1の範囲内に収まっていれば、CPU36は、方向指示器のスイッチ操作が針路変更等を目的とした通常のスイッチ操作であると解釈し、スイッチ操作の方向に応じて方向指示器を作動させると共に(ステップS8)、RAM38に記憶されている最新の表示情報を読み出して、スイッチの操作方向に対応する側の情報表示用モニタ13あるいは13’に表示する(ステップS9)。
【0066】
具体的には、スイッチの操作方向が右側の方向指示器を作動させるものであれば右側の情報表示用モニタ13に、また、スイッチの操作方向が左側の方向指示器を作動させるものであれば左側の情報表示用モニタ13’に情報が表示されることになる。
【0067】
左右両側の情報表示用モニタ13,13’に並列的に情報を表示させるようにしても構わないが、針路変更の方向と逆側の情報表示用モニタ13や13’のみに情報を表示しても、搭乗者がこれを見ることは殆どないので無意味である。
【0068】
次いで、CPU36は、状態記憶フラグFに方向指示器の作動中を示す値2をセットし(ステップS10)、計時用のタイマとして機能するカウンタtの値を0に初期化して(ステップS11)、当該周期の受信データ表示処理を終了する。
【0069】
一方、当該周期におけるステップS7の判定結果が偽となり、方向指示器のスイッチ操作が針路変更等を目的とする通常のスイッチ操作よりも長く行なわれていることが確認された場合には、CPU36は、方向指示器のスイッチ操作が針路変更等を目的とした通常のスイッチ操作ではなく情報に対する表示要求であると解釈し、方向指示器を非作動としたまま、RAM38に記憶されている最新の表示情報を読み出して、例えば、情報表示用モニタ13に表示する(ステップS12)。
【0070】
この場合、左右両側の情報表示用モニタ13,13’に並列的に情報を表示させるようにしても構わないし、あるいは、スイッチの操作方向に対応する側の情報表示用モニタ13あるいは13’のみに情報を表示するようにしても構わない。
【0071】
つまり、この場合のスイッチ操作は方向指示器の作動や針路変更とは関連しない行為であるから、予め決められた何れか一方の情報表示用モニタ13または13’のみに情報を表示するか、あるいは、左右の情報表示用モニタ13および13’に並列的に情報を表示するか、更には、スイッチの操作方向に応じて情報を表示すべき情報表示用モニタ13または13’を1つのみ選択するように構成するかといったことは、単に、設計上の問題に過ぎない。(方向指示器の動作と情報表示とを連動させる場合には、安全確保の観点から、針路変更する側の情報表示用モニタ13または13’に情報を表示すべきである。)
【0072】
このようにして情報表示用モニタ13や13’に対する情報表示のみが実行された場合には、CPU36は、状態記憶フラグFに情報表示の実行中を示す値3をセットし(ステップS13)、計時用のタイマとして機能するカウンタtの値を0に初期化して(ステップS11)、当該周期の受信データ表示処理を終了する。
【0073】
方向指示器の作動に伴って針路変更の方向に対応した情報表示用モニタ13または13’に情報が表示された場合には、状態記憶フラグFの値が2となっているので、次周期の受信データ表示処理では、ステップS1,S6の判定処理実行後、ステップS14の判定結果が真となり、CPU36は、計時用のタイマとして機能するカウンタtの値を1処理周期の所要時間に相当する時間Δtだけインクリメントし(ステップS15)、カウンタtの現在値つまり方向指示器の作動継続時間tが設定値T2に達しているか否かを判定する(ステップS16)。
【0074】
方向指示器の作動継続時間tが設定値T2に達していなければ、このまま方向指示器を作動させておく必要があるので、CPU36は、このまま当該周期の受信データ表示処理を終了し、次周期以降の受信データ表示処理でステップS1,S6,S14,S15,S16の処理のみを繰り返し実行してカウンタtの現在値を更新し、カウンタtの現在値が設定値T2に達するのを待機する。
【0075】
この間、方向指示器の作動と情報表示用モニタ13や13’の情報表示が継続して行なわれることになる。
【0076】
そして、このような処理が繰り返し実行される間にカウンタtの現在値が設定値T2に達したことがステップS16の判定処理で確認されると、CPU36は、方向指示器の作動を停止させると共に(ステップS17)、情報表示用モニタ13や13’の情報表示を終了して(ステップS18)、状態記憶フラグFの値を0にリセットし(ステップS19)、当該周期の受信データ表示処理を終了して初期状態に復帰する。
【0077】
一方、方向指示器の作動や針路変更とは無関係に情報表示用モニタ13や13’に対する情報表示のみが実行された場合には、状態記憶フラグFの値が3となっているので、次周期の受信データ表示処理では、ステップS1,S6,S14の判定処理実行後、ステップS20の判定結果が真となり、CPU36は、計時用のタイマとして機能するカウンタtの値を1処理周期の所要時間に相当する時間Δtだけインクリメントし(ステップS21)、カウンタtの現在値つまり情報の表示継続時間tが設定値T3に達しているか否かを判定することになる(ステップS22)。
【0078】
情報の表示継続時間tが設定値T3に達していなければ、このまま情報を表示しておく必要があるので、CPU36は、このまま当該周期の受信データ表示処理を終了し、次周期以降の受信データ表示処理でステップS1,S6,S14,S20,S21,S22の処理のみを繰り返し実行してカウンタtの現在値を更新し、カウンタtの現在値が設定値T3に達するのを待機する。
【0079】
この間、情報表示用モニタ13や13’の情報表示が継続して行なわれることになる。
【0080】
そして、このような処理が繰り返し実行される間にカウンタtの現在値が設定値T3に達したことがステップS22の判定処理で確認されると、CPU36は、情報表示用モニタ13や13’の情報表示を終了して(ステップS23)、状態記憶フラグFの値を0にリセットし(ステップS24)、当該周期の受信データ表示処理を終了して初期状態に復帰する。
【0081】
ここで、設定値T2は1回のスイッチ操作に対応する方向指示器の作動時間、また、設定値T3は1回の表示要求に対応する情報表示の継続時間であり、必要に応じて任意に設定するものとする。
また、設定値T1は方向指示器の作動要求とデータの表示要求とを識別するための設定値であり、この値を余りにも短い時間に設定すると、方向指示器の作動要求を出したつもりであるにも関わらず、方向指示器が作動せずにデータ表示が行なわれるといった可能性もあるので、例えば、数秒といった程度に比較的長い時間を設定すべきである。
【0082】
この実施形態では、方向指示器の作動に連動させて情報表示を行なうようにしているので、進路変更に際して使用する側のバックミラーに情報を表示する必要上、左右両側のバックミラーに情報表示用モニタ13,13’を配備し、方向指示器のスイッチの操作方向に応じて情報を表示すべき情報表示用モニタ13,13’を自動的に選択するようにしているが、方向指示器のスイッチの長押しのみによって表示を実行するようにした場合には、左右何れのバックミラーに情報を表示しても差し支えない。従って、このような構成を適用する場合には左側のバックミラーのための情報表示用モニタ13’やドライバ40’は不要である。
【0083】
また、この他にも、情報表示用モニタ13や13’への情報表示を制限して運転の安全性を保障する方法としては、例えば、低速運転時にのみ情報の表示を許容する、あるいは、AHS−iから送信される危険警告等を参照し、運転環境が安全な状態においてのみ情報の表示を許容する等のことが考えられる。
前者に関してはエンジンコントロールユニット31あるいはスピードメータからの情報を参照してCPU36が判定処理を行うことで実現可能であり、また、後者についても、AHS−iからのデータを参照してCPU36が判定処理を行うことで実現可能である。
【0084】
更に、前照灯のオン/オフ状態を検出し、前照灯のオン時(夜またはトンネル内)に情報表示用モニタ13のバックライトの輝度を低めに調整し、また、前照灯のオフ時(昼間)に情報表示用モニタ13のバックライトの輝度を高めに調整するといったことも可能である。
これと同様、二輪車2の前方からの光を受ける受光素子と後方からの光を受ける受光素子とを配備して逆光を検知し、両受光素子によって検出される輝度の差分、つまり、逆光の強度に応じて情報表示用モニタ13のバックライトの輝度を調整するようにしてもよい。
【0085】
また、ETCカード等の情報記憶媒体11を取り扱う車載通信装置本体10の場合においては、情報記憶媒体11の識別コードと車載通信装置本体10の識別コードとをCPU36により比較して情報記憶媒体11の真贋を判定するといった機能もあるので、この機能を利用して、例えば、車載通信装置本体10に適正な情報記憶媒体11が挿入された場合にのみ二輪車2のイグニッションの作動やハンドルロックの解除を許容するように構成することも可能である。これは二輪車2の盗難防止に有効である。
【0086】
また、車載通信装置本体10のCPU36とエンジンコントロールユニット31との間での通信が可能であるため、エンジンコントロールユニット31のROMに記憶されている走行距離等を読み出して情報表示用モニタ13に表示することも可能である。
【0087】
ミラー実装部4とケーシング本体5の開口部6との間には防水パッキン18が配備され、また、バックミラー着脱機構26を構成する回転スリーブ28とステー3およびパイプ状突起27との間には各々Oリング32,33が介装されて雨滴や埃の侵入を防止しているので、雨天時の走行等で雨滴等が侵入して車載通信装置本体10の各部に損傷が生じることはない。
【0088】
二輪車用車載通信装置の主要部である車載通信装置本体10とアンテナ20を内蔵したバックミラー本体1の全体をステー3から取り外せる構造であるため、搭乗者が二輪車2から離れる場合には二輪車用車載通信装置の全ての部分をステー3から取り外して携行することが可能であり、二輪車用車載通信装置に関わる盗難や悪戯を完全に防止することができる。
また、バックミラー本体1それ自体が搭乗者によって携行され保管されるので、野外放置等に起因する車載通信装置の損傷等の問題は全くない。
なお、バックミラー本体1をステー3から取り外して携行する場合には、バックミラー本体1から防水キャップ35を取り出し、この防水キャップ35をステー3の先端に被せてステー側コネクタ29に対する雨滴や埃の侵入を防止することが望ましい。
【0089】
また、搭乗者が持ち運ばなければならない荷物が他にもあるような場合には、バックミラー本体1をステー3に装着したままミラー実装部4を開いて、主要部としての車載通信装置本体10のみを取り外して携行するようにしてもよい。
本実施形態では情報表示用モニタ13が車載通信装置本体10と一体化されているので、二輪車2の側に残されるのはケーシング本体5やミラー実装部4とアンテナ20の部分のみであり、盗難や悪戯等の問題が発生したとしても損害は軽微である。
ケーシング本体5とミラー実装部4との間は防水パッキン18によって密閉されているので、野外に放置されたバックミラー本体1に残されたアンテナ20やアンテナ端子22および端子群23等が雨滴等の侵入で腐食したり埃をかぶったりして接触不良を起こすといった心配は全くない。
【0090】
更に、二輪車2を短時間だけ駐車するような場合あるいは周辺の治安環境等に問題のないような状況下においては、車載通信装置本体10を取り付けたバックミラー本体1をステー3に装着したままミラー実装部4を開いて、車載通信装置本体10から主要部としての情報記憶媒体11のみを取り外して携行するだけでも安全対策は十分である。
前述した通り、野外に放置されるバックミラー本体1は密閉構造であるため、その内部に車載通信装置本体10を放置しても、突然の雨等で車載通信装置本体10に損傷が生じる心配はない。
【0091】
また、通信ユニットや通信アンテナを内蔵したメータケースにカードスロットを配備して情報記憶媒体を着脱自在とした従来装置の場合では、カードスロット部分の防水性を確保する必要上、情報記憶媒体とカードリーダとの間に防水隔壁を設けて両者間の情報伝達を通信コイル等の非接触式の通信手段に依存しなければならず、更に、情報記憶媒体自体も外付けとなるために防水性が要求されるが、本実施形態では、車載通信装置本体10それ自体を密閉式のバックミラー本体1の内部に設置しているので、車載通信装置本体10や情報記憶媒体11に格別の防水性能は必要なく、しかも、車載通信装置本体10と情報記憶媒体11との間の通信も接触式の電気接点を利用することができ、装置の製造コストの軽減化の面で有利である。
【0092】
この実施形態では車載通信装置本体10をミラー実装部4の側に取り付けるようにしているが、車載通信装置本体10をケーシング本体5の内部に着脱自在に取り付けることも可能である。
【0093】
更には、車載通信装置本体10やアンテナ20を内蔵したバックミラー本体1を完全な密閉構造としてステー3からバックミラー本体1の着脱のみを可能とする構成、または、ケーシング本体5をステー3と一体構造としてミラー実装部4の開閉を可能とした上で車載通信装置本体10の着脱のみを可能とする構成、あるいは、車載通信装置本体10を固設したケーシング本体5をステー3と一体の構造としてミラー実装部4の開閉を可能とした上で車載通信装置本体10からの情報記憶媒体11の着脱のみを可能とする構成も、上記実施形態に基いて容易に実施可能である。
【0094】
この発明は、基本的には、車載通信装置や其の主要部(車載通信装置本体10または情報記憶媒体11)を二輪車2から取り外して搭乗者が携行することによって盗難や悪戯を防止するもの、つまり、盗難や悪戯の対象となる物品を二輪車2と共に放置しないことによって盗難や悪戯を防止するものであるが、バックミラー着脱機構26の着脱操作やミラー実装部4の開閉操作を制限する施錠手段を併設して予備的な盗難防止手段としても差し支えない。その場合、施錠手段はイグニッションキーに適合するように構成するものとする。
【0095】
【発明の効果】
本発明の二輪車用車載通信装置は、バックミラー本体に車載通信装置本体とアンテナとを内蔵する構成とし、かつ、車載通信装置本体の主要部を二輪車から着脱自在としたので、搭乗者が二輪車から離れる際に装置の主要部を携行することが可能となり、装置の盗難や悪戯および二輪車を野外に放置した場合の埃や雨滴の侵入による装置の損傷を確実に防止することができる。
また、車載通信装置本体に対する電力供給源としては二輪車の車載バッテリーを利用しているので、電力の消耗によって車載通信装置の作動に異常が生じることはなく、車載通信装置を常に安定して利用することができる。
【0096】
特に、車載通信装置本体の主要部を含め、車載通信装置本体の全ての部分をバックミラー本体と共に二輪車から着脱可能とした構成を適用することにより、盗難や悪戯および二輪車を野外に放置した場合の埃や雨滴の侵入による装置の損傷を完全に防止することができる。
【0097】
また、中空のケーシング本体とケーシング本体の開口部を覆うミラー実装部とによってバックミラー本体を構成し、ミラー実装部をケーシング本体に対して開閉自在とすることでバックミラー本体から車載通信装置本体を着脱自在とした構成においては、バックミラー本体を二輪車に残したまま車載通信装置本体を携行することができ、装置を携行する搭乗者の負担が軽減される。ケーシング本体とミラー実装部との間には防水パッキンが配備されているので、走行中にバックミラー本体に雨滴や埃が侵入する心配はなく、また、バックミラー本体を二輪車に残したまま野外に放置した場合であってもバックミラー本体に雨滴や埃が侵入することはない。
【0098】
更に、車載通信装置本体の作動を制限する情報記憶媒体は車載通信装置本体に対して着脱自在とされているので、特に、ETCの車載通信装置等のように課金あるいは個人情報等に関わる情報記憶媒体を取り扱う車載通信装置において、情報記憶媒体の不正使用によって発生する課金の問題や個人情報の盗用を確実に防止することができる。しかも、バックミラー本体や車載通信装置本体をそのまま二輪車に残して情報記憶媒体のみを携行することで盗難や悪戯に対する一定の安全対策を施すことができるため、車載通信装置本体の主要部を携行する搭乗者の負担が大幅に軽減される。
【0099】
また、後方確認ミラーをハーフミラーによって構成し、車載通信装置本体が備える情報表示用モニタの表示面をハーフミラーの裏面に重合させて設置するようにしているので、課金に関連する情報を表示する必要のあるETCや道路情報に関連する危険警告を表示する必要のあるAHS−i等の車載通信装置において、課金や危険警告等に関わる情報をバックミラーに表示することができ、専用の表示スペースを二輪車に設けなくても情報表示を行なうことができるため、二輪車のデザインの観点から有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二輪車用車載通信装置を適用した自動二輪の一例について外観を示した側面図である。
【図2】バックミラー本体の一部を構成するミラー実装部を開いた状態でケーシング本体およびミラー実装部の構造を示した正面図である。
【図3】ミラー実装部を開いた状態でケーシング本体およびミラー実装部の構造を示した平面図である。
【図4】図4(a)はミラー実装部4を裏面側から示した正面図、図4(b)は其の平面図、図4(c)は右側面図である。
【図5】ハーフミラーと情報表示用モニタとを利用した情報表示について示した概念図である。
【図6】車載通信装置本体の構成の概略について示した機能ブロック図である。
【図7】車載通信装置本体のCPUによる受信データ表示処理の概略を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 バックミラー本体
2 二輪車
3 ステー
3a 雄ネジ部
4 ミラー実装部
5 ケーシング本体
5a 天板
6 開口部
7 ヒンジ
8 ハーフミラー(後方確認ミラー)
9 ミラー取付板
10 車載通信装置本体
10a カードスロット
11 情報記憶媒体
12 カードリード&ライタ(車載通信装置本体の主要部)
13,13’ 情報表示用モニタ
14 通信装置装着片
15 切欠部
16 端子群(電力供給端子,情報通信用端子)
17 アンテナ接続端子
18 防水パッキン
19 係合突起
20 アンテナ
21 係合部材
22 アンテナ端子
23 端子群(電力供給端子,情報通信用端子)
24a 電力供給線
24b 情報通信線
25 ケーシング側コネクタ
26 バックミラー着脱機構
27 パイプ状突起
28 回転スリーブ
28a 雌ネジ部
29 ステー側コネクタ
30a 電力供給線
30b 情報通信線
31 エンジンコントロールユニット
32 Oリング
33 Oリング
34 キャップ支持部材
35 防水キャップ
36 CPU
37 ROM
38 RAM
39 インターフェイス回路
40,40’ ドライバ
41 入出力回路
42 送受信回路

Claims (5)

  1. 走行支援システムとの間で無線データ通信を行なう二輪車用車載通信装置において、
    後方確認ミラーを装着した中空のバックミラー本体に車載通信装置本体とアンテナとを内蔵し、前記バックミラー本体を二輪車に固定するステーに挿通された配線を介して前記二輪車の車載バッテリーから前記車載通信装置本体に電力を供給すると共に、少なくとも、前記車載通信装置本体の主要部を前記二輪車から着脱自在としたことを特徴とする二輪車用車載通信装置。
  2. 二輪車に固設された前記ステーと前記バックミラー本体との間、もしくは、前記バックミラー本体に固設されたステーと前記二輪車との間に、配線用の電気コネクタを備えたバックミラー着脱機構を設け、前記車載通信装置本体とアンテナとを内蔵したバックミラー本体それ自体を前記二輪車から着脱自在にしたことを特徴とする請求項1記載の二輪車用車載通信装置。
  3. 中空のケーシング本体と、前記ケーシング本体の開口部を覆うミラー実装部と、該ミラー実装部に装着された後方確認ミラーとによって前記バックミラー本体を構成し、前記ミラー実装部を前記ケーシング本体に対して開閉自在として前記ケーシング本体と前記ミラー実装部との間に防水パッキンを配備し、前記車載通信装置本体を前記ケーシング本体内もしくは前記ミラー実装部の裏面側に着脱自在に装着したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の二輪車用車載通信装置。
  4. 中空のケーシング本体と、前記ケーシング本体の開口部を覆うミラー実装部と、該ミラー実装部に装着された後方確認ミラーとによって前記バックミラー本体を構成し、前記ミラー実装部を前記ケーシング本体に対して開閉自在として前記ケーシング本体と前記ミラー実装部との間に防水パッキンを配備し、前記車載通信装置本体の作動を制限する情報記憶媒体が前記車載通信装置本体に対して着脱自在となるように、前記車載通信装置本体を前記ケーシング本体内もしくは前記ミラー実装部の裏面側に装着したことを特長とする請求項1,請求項2または請求項3記載の二輪車用車載通信装置。
  5. 前記後方確認ミラーがハーフミラーによって構成され、前記車載通信装置本体が備える情報表示用モニタが、その表示面を前記ハーフミラーの裏面に重合させて設置されていることを特徴とした請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載の二輪車用車載通信装置。
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