JP2004344833A - オゾン水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象水にオゾンを効率よく溶存させ、凝集剤を用いることなく、溶存基質を除去する。
【解決手段】二相流気液混合ポンプ3によってオゾン含有気泡が混入されて吐出される処理対象水を、気液接触管4に導き、吐出圧を維持したままオゾン含有気泡を微細化する。気泡が微細化された処理対象水をラジカル反応槽5に導き、吐出圧を維持したまま所定時間だけ滞留させることにより、オゾン含有ガスを溶存させるとともに、オゾンをヒドロキシラジカルに変化させる。これをスカム浮上槽6に導いて減圧することにより、ヒドロキシラジカルによって酸化し、凝集した処理対象水中の基質をスカムとして浮上させ、除去する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理対象水にオゾンを効率よく溶存させるオゾン水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
殺菌力を持った水を製造する装置として、処理対象水にオゾンを混合するオゾン水製造装置が知られている(下記特許文献1)。
【0003】
この装置は、ハウジング内に設置された混合手段により導入した処理対象水とオゾンとの混合流体を混合させるとともに、加圧手段によって加圧するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−227529号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のオゾン水製造装置では、大気圧下の体積比でオゾンをせいぜい5%程度しか混入させることができず、改良の余地があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、処理対象水にオゾンを効率よく溶存させることのできるオゾン水処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかるオゾン水処理装置は、処理対象水およびオゾン含有ガスが供給され、前記処理対象水にオゾン含有気泡を混入して大気圧以上の吐出圧で吐出する二相流気液混合ポンプと、前記二相流気液混合ポンプから吐出される前記処理対象水が導入され、前記吐出圧を維持したまま、導入された前記処理対象水中に混入されている前記オゾン含有気泡を微細化する気液接触管と、前記気液接触管を通過した前記処理対象水が導入され、前記吐出圧を維持したまま、導入された前記処理対象水を所定時間だけ滞留させることにより、前記オゾン含有ガスを前記処理対象水中に溶存させるとともに、前記オゾン含有ガスに含まれるオゾンをヒドロキシラジカルに変化させるラジカル反応槽と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
このようなオゾン水処理装置によると、二相流気液混合ポンプによって処理対象水中に混入されたオゾン含有気泡が気液接触管によって微細化されるため、二相流気液混合ポンプに対するオゾン含有気泡の微細化の要求が抑えることができ、これにより、二相流気液混合ポンプにおいてより多くのオゾン含有気泡を処理対象水に混入することができる。
【0009】
そして、ラジカル反応槽においては、二相流気液混合ポンプの吐出圧という高圧条件を維持したまま処理対象水を所定時間だけ滞留させるため、微細気泡として処理対象水に混入されたオゾンを効率的に処理対象水中に溶存させ、さらにヒドロキシラジカルに変化させることができる。
【0010】
したがって、処理対象水自体に含まれる基質等を無機化し、細菌等が含まれている場合にはこれを殺菌することができる。
【0011】
また、得られた処理対象水をヒドロキシラジカルによる高い殺菌力を持った洗浄水等として利用することもできる。この際、大気圧以上の高圧の処理対象水が得られるため、別途のポンプ等によらずに容易に得られた処理対象水を配送することができ、配送圧を得るためのポンプの弁等がヒドロキシラジカルによって損傷するトラブル等を未然に防止することができる。
【0012】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記二相流気液混合ポンプは、ポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内に前記処理対象水を導入する処理対象水供給口と、前記ポンプケーシング内に前記オゾン含有ガスを導入するオゾン含有ガス供給口と、前記ポンプケーシング内に設けられたインペラと、前記インペラを回転駆動する回転駆動手段と、を備え、前記インペラは、前記処理対象水供給口および前記オゾン含有ガス供給口を負圧にして前記処理対象水および前記オゾン含有ガスをポンプケーシング内に吸い込んで混合するとともに、吸い込まれたオゾン含有ガスからなる粗大気泡を前記オゾン含有気泡に破砕して前記処理対象水を混濁化するように構成されていることが望ましい。
【0013】
このようにすると、二相流気液混合ポンプにおいて、オゾン含有気泡をある程度小さくしながら、より多くのオゾン含有気泡を処理対象水に混入することができる。
【0014】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記二相流気液混合ポンプは、大気圧下における体積比で、前記処理対象水に対して5%以上の前記オゾン含有ガスをオゾン含有気泡として混入することが望ましい。
【0015】
このようにすると、従来以上に多くのオゾンを処理対象水に混入することができる。
【0016】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記二相流気液混合ポンプの吐出圧は、0.2MPa以上であることが望ましい。
【0017】
このようにすると、微細気泡として処理対象水に混入されたオゾンを効率的に処理対象水中に溶存させることができる。
【0018】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記気液接触管における処理対象水の滞留時間は、1秒以上、3秒以下であることが望ましい。
【0019】
このようにすると、二相流気液混合ポンプによって処理対象水中に混入されたオゾン含有気泡を十分に微細化することができる。
【0020】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記気液接触管は、処理対象水の流れ方向についての流路長が600mm以上、1800mm以下であることが望ましい。
【0021】
このようにすると、二相流気液混合ポンプによって処理対象水中に混入されたオゾン含有気泡を十分に微細化することができる。
【0022】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記ラジカル反応槽における前記処理対象水の滞留時間は、2分以上、5分以下であることが望ましい。
【0023】
このようにすると、処理対象水に溶存したオゾンの多くを確実にヒドロキシラジカルに変化させることができるとともに、処理対象水中に含まれる基質がヒドロキシラジカルによって酸化され、ラジカル反応槽内においてスカムとして浮上してしまうことを防止することができる。
【0024】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記ラジカル反応槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、検出された前記ラジカル反応槽内の圧力に応じて前記二相流気液混合ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御手段を備えることが望ましい。
【0025】
このようにすると、二相流気液混合ポンプ、気液接触管およびラジカル反応槽の各圧力を適正に維持して、多くのオゾンを効率的に処理対象水中に溶存させ、さらにヒドロキシラジカルに変化させることができる。
【0026】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記ラジカル反応槽において前記処理対象水から分離したオゾンガスを収集して前記二相流気液混合ポンプに再供給する循環経路を備えたことが望ましい。
【0027】
このようにすると、処理対象水に混入されながら処理対象水に溶存しなかったオゾンを再利用することができる。
【0028】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記ラジカル反応槽を通過した前記処理対象水が導入され、前記処理対象水中に含有される基質を前記処理対象水中に溶存した前記ヒドロキシラジカルによって酸化し、凝集させるとともに、導入された前記処理対象水を減圧することにより、前記処理対象水中に溶存している前記オゾン含有ガスを気泡化し、凝集した前記基質をスカムとして浮上させるスカム浮上槽を備えることが望ましい。
【0029】
このようにすると、特に凝集剤等を用いることなく、処理対象水自体に溶存させたオゾン含有ガスにより、処理対象水に含まれる基質をスカムとして浮上分離させることができるため、浄水処理や排水処理等の様々な用途において、環境問題の観点からも好適に使用することができる。
【0030】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記スカム浮上槽は、導入された前記処理対象水を大気圧に減圧することが望ましい。
【0031】
このようにすると、スカム浮上槽を簡素に構成することができる。
【0032】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記スカム浮上槽における前記処理対象水の滞留時間が30分以上、60分以下であることが望ましい。
【0033】
このようにすると、処理対象水に含まれる基質に対する凝集作用およびスカム浮上作用を必要十分に得ることができる。
【0034】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記スカム浮上槽において前記処理対象水から分離したオゾンガスを収集して前記二相流気液混合ポンプに再供給する循環経路を備えたことが望ましい。
【0035】
このようにすると、処理対象水の酸化処理等に寄与しなかったオゾンを再利用することができる。
【0036】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記スカム浮上槽における酸化電位を検出する酸化電位検出手段と、検出された酸化電位に応じて前記二相流気液混合ポンプにおけるオゾンの混合率を制御するオゾン混入率制御手段と、
を備えたことが望ましい。
【0037】
このようにすると、処理対象水の処理に求められる適切なオゾン量に応じて処理対象水にオゾンを混入させることができるため、オゾンの過剰供給を未然に防止して効率的に処理を行うことができる。
【0038】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記スカム浮上槽において浮上した前記スカムを収集するスカム収集部を備えたことが望ましい。
【0039】
このようにすると、浮上分離したスカムをスカム浮上槽から除去することができる。
【0040】
また、このようなオゾン水処理装置においては、前記スカム収集部により収集されたスカムを脱水する脱水処理部を備えたことが望ましい。
【0041】
このようにすると、スカムの水分含有量を調整して、発酵や焼却等のスカムの後処理を容易に行うことができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態にかかるオゾン水処理装置の全体構成説明図である。図2は、このオゾン水処理装置が備える各機器の配置を示す正面図、図3は、同平面図である。
【0044】
この実施形態は、下水等の汚水を処理対象水として処理するオゾン水処理装置1を例としている。
【0045】
図1に示すように、このオゾン水処理装置1は、オゾン発生機2と、二相流気液混合ポンプ3と、気液接触管(気液接触塔)4と、ラジカル反応槽(オゾン反応槽)5と、スカム浮上槽6と、脱水機7と、排オゾン塔8と、運転コントローラ9を備えている。以下、各部について順に説明する。
【0046】
(オゾン発生器)
オゾン発生器2は、原料空気からオゾンを含むオゾン含有ガスを生成するものである。このオゾン発生機2としては、図1に示したチラーユニットを備えた構成など、公知の種々の構成のものを採用することができる。具体的には、たとえば、原料空気から、まず、たとえば酸素95%、窒素5%の濃縮酸素ガスを生成し、このガス中で放電を行うことによって、酸素の一部をオゾンに化学変化させることによりオゾン含有ガスを生成する構成を挙げることができる。このオゾン含有ガスにおけるオゾンの量は、たとえば体積率で3.8%程度である。
【0047】
この実施形態のオゾン発生器2は、後述するように、生成するオゾン含有ガスにおけるオゾン量(濃度)を所定の範囲で制御することができるようになっている。
【0048】
(二相流気液混合ポンプ)
二相流気液混合ポンプ3は、図示しない原水槽等から供給される処理対象水(汚水)に、前記オゾン発生器2から供給されるオゾン含有ガスを混入するものである。
【0049】
図4は、この二相流気液混合ポンプおよび気液接触管の正面図である。
【0050】
図4に示すように、この二相流気液混合ポンプ3は、ポンプケーシング31と、前記原水槽等からポンプケーシング31内に処理対象水を導入する処理対象水供給口32と、前記オゾン発生器2からポンプケーシング31内にオゾン含有ガスを導入するオゾン含有ガス供給口33と、ポンプケーシング31内に設けられたインペラ34と、インペラ34を回転駆動する回転駆動モータ(回転駆動手段)35と、処理対象水とオゾン含有ガスの混合流体を吐出する吐出口36とを備えている。
【0051】
インペラ34は、回転駆動モータ35により回転駆動されることによって、処理対象水供給口32およびその反対側のオゾン含有ガス供給口33の両方を負圧にして処理対象水およびオゾン含有ガスをポンプケーシング31内に吸い込んで混合するとともに、吸い込まれたオゾン含有ガスからなる粗大気泡をオゾン含有気泡に破砕して処理対象水を混濁化するように構成されている。
【0052】
このような構成により、この二相流気液混合ポンプ3は、オゾン含有気泡を混入した処理対象水を大気圧以上の吐出圧で吐出することができるようになっている。具体的には、0.2MPa以上で、0.4MPa以下程度の吐出圧を得ることができる。
【0053】
また、この二相流気液混合ポンプ3は、大気圧下における体積比で、処理対象水に対して5%以上のオゾン含有ガスをオゾン含有気泡として処理対象水中に混入することができる。最大で大気圧下の体積比で23%程度のオゾン含有ガスを混入することができる。そして、このように23%程度のオゾン含有ガスを混入するときであっても、ポンプキャビテーションによる不連続回転を生じることなく、0.2〜0.4MPa程度の吐出圧が実現できるものとなっている。
【0054】
この二相流気液混合ポンプ3の具体的性能の例としては、最小の二相流気液混合事例として、ポンプサクション口径50mm、吐出口径32mm、駆動モータ2.2kW、吐出圧力0.35MPaであって、処理対象水流量12m/hr、オゾン含有ガスの混入量(ポンプの吸入量)は2.4m/hrを挙げることができる。
【0055】
なお、この二相流気液混合ポンプ3は、処理対象水中に体積比で5%以上の大量のオゾン含有ガスを混入することができるが、後述するように、混入されるオゾン含有気泡はそのままではまもなく互いに合体して浮上してしまう程度に粗く、安定性に欠けるものであってもよい。
【0056】
(気液接触管)
気液接触管4は、二相流気液混合ポンプ3から吐出される処理対象水中に混入されているオゾン含有気泡を微細化するものである。
【0057】
この気液接触管4は、図4に示すように、二相流気液混合ポンプ3の吐出直後に配置されている。具体的には、気液接触管4の下端部の導入管41のフランジ部411が二相流気液混合ポンプ3の吐出口36のフランジ部361にボルト結合によって直結している。
【0058】
図5は、気液接触管4の内部構造を示す構成説明図である。この図5に示すように、気液接触管4は、内部を密閉状態に維持する外殻をなす外筒部42を備えている。
【0059】
外筒部42は、その上端部および下端部が球面状に窄まっており、下端部には上記導入管41が接続されている。この導入管41の上端面は塞き止め板413によって閉塞されており、導入管41に入った処理対象水は、その上側周面に設けられた導入開口412…から外筒部42内の全体に拡がる流れを形成しながら吐出される。
【0060】
外筒部42の上端部には内筒部43が接続されている。この内筒部43は外筒部42の下部近くまで延びており、その周面に多数の微細孔431…が形成された微細孔管となっている。導入管41から外筒部42内に拡がった処理対象水は外筒部42を上向きに流れ、内筒部43の微細孔431…を通過して内筒部43内に抜け、内筒部43の上部から排出される。そして、処理対象水に含まれれるオゾン含有気泡は、内筒部43の微細孔431を通過する際に機械的に破砕されて、微細気泡となる。
【0061】
この気液接触管4は、その内部において、二相流気液混合ポンプ3の吐出圧を維持したまま、処理対象水を所定時間だけ滞留させてから通過させるようになっている。具体的には、この実施形態では、気液接触管4における処理対象水の滞留時間は2秒に設定されており、これにより、混合が多面であり、より微細化気泡が実現でき、後述するラジカル反応に適した微細なオゾン含有気泡が実現できるようになっている。なお、気液接触管4における滞留時間は、混合性が直線上とならないために1秒以上であることが好適であり、また気泡の膨張性が始まらないために3秒以下であることが好適である。
【0062】
また、この実施形態では、気液接触管4は、処理対象水の流れ方向についての流路長が1200mmになるように構成されており、この流路長を上記所定の滞留時間をかけて通過することで、後述するラジカル反応に適したオゾン含有気泡の微細化が実現できるようになっている。この作用を得るために気液接触管4の流路長は600mm以上、1800mm以下であることが好適である。
【0063】
なお、装置の規模により求められる処理対象水の流量に対しては、気液接触管4の断面サイズで対応し、流路長および滞留時間は上記各範囲内に設定することが、好適なオゾン含有気泡の微細化のためには好ましい。
【0064】
また、こうして二相流気液混合ポンプ3から吐出直後にオゾン含有気泡が微細化され、オゾン含有気泡が処理対象水中で安定して存在できるようになるため、二相流気液混合ポンプ3において処理対象水中に混入されるオゾン含有気泡が粗く安定性に欠けるものであることを許容することができる。ひいては、二相流気液混合ポンプ3に、気泡サイズが粗くてもより大量のオゾン含有ガスを混入することができるものを採用することが可能となる。
【0065】
次の表1は、求められる処理対象水の水量に対して、オゾン発生器2、二相流気液混合ポンプ3および気液接触管4の能力及びサイズを設定した例である。
【0066】
【表1】
Figure 2004344833
【0067】
(ラジカル反応槽)
ラジカル反応槽(オゾン反応槽)5は、気液接触管4を通過した処理対象水が導入され、オゾン含有ガスを処理対象水中に溶存させ、処理対象水中に溶存したオゾンをヒドロキシラジカル(・OH)に変化させるものである。
【0068】
このヒドロキシラジカルは、オゾンの酸化電圧2.07Vよりも高い2.85Vの酸化電位を有し、高い酸化力により、酸化促進、殺菌、基質を構成している高分子を低分子化する作用、凝集作用、難分解物を易分解性物に変質させる作用等の各種作用を発揮するものである。
【0069】
図6は、ラジカル反応槽5の内部構造を示す構成説明図である。この図6に示すように、ラジカル反応槽5は、密閉状態の外殻51を備えており、その内部において、二相流気液混合ポンプ4の吐出圧が維持されるようになっている。すなわち、このラジカル反応槽5内は、0.2〜0.4MPaの高圧が維持されている。
【0070】
このラジカル反応槽5の側壁上部には導入管52が貫通しており、気液接触管4を通過した処理対象水がラジカル反応槽5の内部に導入されるようになっている。ラジカル反応槽5の水平断面のほぼ中央には内筒部53が立設されており、導入管52はこの内筒部53内に処理対象水を導くようになっている。この内筒管53の下端部はラジカル反応槽5の底部近傍で開口しており、この開口531から処理対象水をラジカル反応槽5内に開放するようになっている。
【0071】
また、このラジカル反応槽5から処理対象水を排出する排出管54は、前記内筒管53の下端とほぼ同じ高さ位置で開口し、ここからラジカル反応槽5外に処理対象水を排出するようになっている。
【0072】
このラジカル反応槽5は、導入された処理対象水が所定時間だけ滞留してから排出される大きさ(容量)に設定されている。
【0073】
この処理対象水の滞留時間(HRT)は、導入された処理対象水において、オゾン含有気泡のほとんどを処理対象水中に溶存させるとともに、処理対象水中に溶存したオゾンの大部分をヒドロキシラジカル(・OH)に変化させるための時間である。上述した気液接触管4によってオゾン含有気泡は十分に微細化されており、また、二相流気液混合ポンプ3の吐出圧という高圧が維持されているため、十分に速いヒドロキシラジカルへの変化速度を得ることができる。
【0074】
具体的には、ラジカル反応槽5において2分以上の処理対象水の滞留時間が設定され、これにより二相流気液混合ポンプ3において混入されたオゾン含有ガスに含まれるオゾンの90〜95%を水中に溶け込ませることができ、溶け込んだオゾンのほぼ100%をヒドロキシラジカル(・OH)に変化させることができるようになっている。なお、ヒドロキシラジカルによる殺菌作用はほぼ1分以内に完了するため、ラジカル反応槽5での滞留時間を経た処理対象水は十分に殺菌が完了したものとなっている。
【0075】
一方、ラジカル反応槽5における処理対象水の滞留時間が長すぎると、処理対象水中の基質が凝集し、処理対象水中の気泡等によってスカム浮上を生じてしまうため、好ましくない。そこで具体的には、ラジカル反応槽5における処理対象水の滞留時間は、5分以下に設定されている。
【0076】
なお、従来のオゾン水処理装置のように処理対象水に混入できるオゾン量が少ないと、ヒドロキシラジカルへの反応時間として5分以上を要し、ラジカル反応槽においてスカム浮上を招いてしまうという問題が生じるものである。
【0077】
本実施形態のラジカル反応槽5には、内部の圧力を検出する圧力計(圧力検出手段)55が設けられている。この圧力計55によって検出されるラジカル反応槽5の圧力は、後述する運転コントローラ9に送られ、運転コントローラ9は、この圧力に応じて、二相流気液混合ポンプ3の駆動を制御し、このラジカル反応槽5および上述した気液接触管4等の圧力が適正に維持されるようになっている。
【0078】
(スカム浮上槽)
スカム浮上槽6は、ラジカル反応槽5を通過した処理対象水に含有される基質を酸化、凝集させ、スカムとして浮上除去するものである。
【0079】
図7は、スカム浮上槽6の内部構造を示す構成説明図である。この図7に示すように、スカム浮上槽6は、基質の処理等に利用されなかった排オゾン等が外部に漏れることを防止するため、内部を密閉可能な外殻61を備えている。
【0080】
この外殻61の内部には、底部から立設され、天井面との間に隙間を有する仕切り壁62が設けられており、スカム浮上槽6の下側空間を第1室63と、第2室64とに区分けしている。
【0081】
第1室63の下部には、上記ラジカル反応槽5を通過した処理対象水が導かれる導入管65が接続されており、この第1室63の水位が上昇すると、その上部の水が仕切り壁62を越えて第2室に移動するようになっている。
【0082】
このスカム浮上槽6では、ラジカル反応槽5で生成されたヒドロキシラジカルが酸化電位を有する基質にアタックし、無機化を進める。また、電位が定まらず高分子化している基質が低分子化され、同一凝集を形成する。
【0083】
スカム浮上槽6の外殻61は、上述したように反応に利用されなかった排オゾン等が外部に漏れることを防止するため密閉されているが、その内部圧力は大気圧となっている。すなわち、二相流気液混合ポンプ3の吐出圧が維持されていたラジカル反応槽5の圧力から減圧されるようになっている。このため、スカム浮上槽6では、処理対象水の内部に溶存していたオゾン含有ガスが気泡となって順次浮上する。オゾンの大部分はヒドロキシラジカルとなって酸化反応に消費されており、気泡となって浮上するオゾン含有ガスの大部分は酸素である。
【0084】
ヒドロキシラジカルによって酸化され、凝集した基質(凝集物)は、このスカム浮上槽6で発現する気泡によって浮上する。
【0085】
第2室64には、その水面に浮かぶスカムを収集するスカム収集部66を備えている。このスカム収集部66は、水面高さに追従できる3つの浮力体661…に支えられた水中ポンプ662を備えており、水面に浮上したスカムを収集する。そして、収集したスカムをスカム排出管663を通してスカム浮上槽6外の脱水機7に排出するようになっている。
【0086】
また、このスカム浮上槽6は、導入された処理対象水が所定時間だけ滞留してから排出される大きさ(容量)に設定されている。
【0087】
この処理対象水の滞留時間(HRT)は、処理対象水中に含有される基質を処理対象水中に溶存させたヒドロキシラジカルによって酸化し、凝集させるとともに、導入された処理対象水を減圧することにより、処理対象水中に溶存しているオゾン含有ガスを気泡化し、凝集した基質をスカムとして浮上させるための時間である。具体的には、このスカム浮上槽6では、第1室63および第2室64の滞留時間を合わせて、30分以上、60分以下の滞留時間を設定することが好ましい。この実施形態では、酸化電位がほぼ平衡となる40分の処理対象水の滞留時間が設定されている。
【0088】
第2室64の水面に近い上部には、このスカム浮上槽6に所定時間滞留して処理が完了した水を、後工程の処理水槽等に順次排出する排出管671が設けられている。
【0089】
また、第2室64の底部近くには、このスカム浮上槽6で処理された処理対象水の一部を二相流気液混合ポンプ3に戻し、再度処理を行うための処理対象水循環経路681が設けられている。
【0090】
また、スカム浮上槽6の第2室64上方の天井部には、スカム浮上槽6から排出される排オゾン等の排ガスを排オゾン塔8に送る排オゾン排出管672が設けられている。
【0091】
また、スカム浮上増6の第1室63上方の天井部には、スカム浮上増6において処理対象水から分離したオゾンガスを収集して二相有機駅混合ポンプに再供給するためのオゾンガス循環経路682が設けられている。
【0092】
また、スカム浮上槽6には、内部に滞留する処理対象水における酸化電位(ORP:Oxidation Reduction Potential)を検出する酸化電位計69(酸化電位検出手段)が設けられている。
【0093】
この酸化電位計69によって検出されるスカム浮上槽6内の酸化電位は、後述する運転コントローラ9に送られ、運転コントローラ9は、この酸化電位に応じて、オゾン発生器2において生成されるオゾン含有ガスのオゾン濃度を制御し、ひいては二相流気液混合ポンプ3における処理対象水に対するオゾンの混合率を制御して、このスカム浮上槽6における酸化電位が適正に維持されるようになっている。
【0094】
また、このような酸化電位計69を具備することによって、各処理工程における処理対象水の状態把握も容易となる。
【0095】
(脱水機)
脱水機7は、スカム浮上槽6で水面に浮かび、スカム収集部66で収集されたスカムを脱水処理する脱水処理部として機能するものである。スカム収集部66で収集されたスカムは含水率が97%程度もあるため、水分率を低下させて運搬、発酵、焼却などの扱いを容易にするためである。
【0096】
図8は、脱水機7の内部構造を示す構成説明図である。この図8に示すように、脱水機7は、本体部71と内筒部72とドレン部73と圧力計74とエアーベント75とを備えている。
【0097】
内筒部72は、本体71内に設けられ、その周面が濾過フィルター721として構成されている。この濾過フィルター721は、図9に示すような三角形断面ワイヤーの集合体から構成され、図9(a)に示すように目づまりを軽減できるとともに、図9(b)に示すように大きな逆洗効果が得られるようになっている。
【0098】
本体部71には、スカム浮上槽6のスカム収集部66からスカムが送り込まれる受け入れ口711が接続されている。本体部71内に送り込まれたスカムは、内筒部72の濾過フィルター721によって濾過され、濾過水は内筒部72に入って濾過水出口722から排出される。一方、濾過水が除去されて水分量が減少したスカムは本体部71下部のドレン部73のドレン出口731から排出される。
【0099】
この脱水機7を経たスカム(汚泥)は、含水率が80%程度となっている。この残る水分と炭素/窒素比(C/N比)を調整すれば発酵が容易となり、堆肥等の用途にも容易に活用することができる。
【0100】
また、このオゾン水処理装置1によれば、凝集剤を用いることなく、処理対象水から基質を分離しているため、分離された基質(スカム)を堆肥等に利用するにあたっても植物成長の障害を与えてしまうことを防止することができる。
【0101】
(排オゾン塔)
排オゾン塔8は、スカム浮上槽6から排出された排オゾンを含む排ガスを無害化処理するものである。この排オゾン塔8としては、公知の各種処理器を採用すればよい。
【0102】
(運転コントローラ)
運転コントローラ9は、CPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータから構成され、オゾン水処理装置1全体の動作を統括的に制御するものである。
【0103】
この運転コントローラ9は、ラジカル反応槽5に設けられた圧力計(圧力検出手段)55の出力を受け、このラジカル反応槽5内の圧力に応じて二相流気液混合ポンプ3の駆動を制御するポンプ駆動制御手段として機能する。
【0104】
また、この運転コントローラ9は、スカム浮上槽6に設けられた酸化電位計(酸化電位検出手段)69の出力を受け、このスカム浮上槽6における酸化電位に応じてオゾン発生機2によって生成されるオゾン含有ガスのオゾンの混合率を制御するオゾン混入率制御手段として機能する。
【0105】
また、この運転コントローラ9は、二相流気液混合ポンプ3等の駆動部分の運転状態を監視し、異常をもたらした場合には予め設定された管理本部に異常事態を伝達する通信機能を備えている。これにより、異常事態が生じた場合であっても、迅速に対応することができ、全国のどこでも設置が可能であるとともに、メンテナンスも容易に行うことができるものとなっている。
【0106】
(作用効果)
以上のように構成されたオゾン水処理装置1によると、二相流気液混合ポンプ3によって処理対象水中に混入されたオゾン含有気泡が気液接触管4によって微細化されるため、二相流気液混合ポンプ3に対するオゾン含有気泡の微細化の要求が抑えることができ、これにより、二相流気液混合ポンプ3においてより多くのオゾン含有気泡を処理対象水に混入することができる。
【0107】
そして、ラジカル反応槽5においては、二相流気液混合ポンプ3の吐出圧という高圧条件を維持したまま処理対象水を所定時間だけ滞留させるため、微細気泡として処理対象水に混入されたオゾンを効率的に処理対象水中に溶存させることができる。
【0108】
これは、オゾンガスを散気管で曝気させても0.05MPaにおいて30%程度の溶解効率しかない得られないことと比較して非常に効率的である。
【0109】
また、処理対象水中に溶存したオゾンをさらにヒドロキシラジカルに変化させるため、このヒドロキシラジカルにより、処理対象水自体に含まれる基質等を無機化し、細菌等が含まれている場合にはこれを殺菌することができる。
【0110】
具体的には、処理対象水に含まれる基質のうち浮遊物質の60%以上、BOD・CODの25〜30%を除去することができる。また、処理対象水中で粒状物質と結合している栄養塩類、疎水性成分、金属、ウイルス不活性、レジオネラ菌やクリプトスポリジュウムを含む微生物なども殺菌した上で除去することができ、有機体窒素の約10〜20%、リンの約10%も除去することができる。
【0111】
また、特に凝集剤等を用いることなく、処理対象水自体に溶存させたオゾン含有ガスにより、処理対象水に含まれる基質をスカムとして浮上分離させることができるため、浄水処理や排水処理等の様々な用途において、環境問題の観点からも好適に使用することができる。
【0112】
また、このオゾン水処理装置1では0.1〜100μmの粒径範囲の有機物を効率的に除去し、微生物による分解が困難な難分解性の基質を微生物によって分解しやすい状態に変化させることができるため、汚水処理の一次処理装置として好適に用いることができ、後工程の生物分解処理における負荷を大幅に削減することができる。とくに、そのままでは微生物処理されない環境ホルモンに有効である。
【0113】
また、従来の浮上処理法では、処理対象水からスクリーンで粗大固形物を除去し、さらにpH調整、凝集剤の添加、凝集剤反応、加圧、浮上処理という各処理段階を経るのが一般的であることに比較して、本実施形態にかかるオゾン水処理装置1では、簡素な設備で処理対象水から基質の浮上処理を実現することができる。
【0114】
とくに、従来は基質の沈殿または浮上にポリ塩化アルミニウム、塩化鉄あるいは高分子の薬剤等を凝集剤として多量に用いなければならなかったのに対し、本実施形態にかかるオゾン処理装置では、凝集剤を使用しないので、ランニングコスト面で有利であるとともに、除去されたスカムの再利用にあたって環境へ与える影響を小さく抑えることができる。
【0115】
以上、本発明にかかるオゾン水処理装置を一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように構成することもできる。
【0116】
(1)上記実施形態においては、下水処理を行う装置を例としたが、上水道用の原水の浄水装置にも適用することができる。
【0117】
また、ラジカル反応槽5を経た処理対象水をヒドロキシラジカルによる高い殺菌力のある洗浄水等として供給するオゾン水供給装置として利用することもできる。このような用途では、スカム浮上槽6は備えなくてもよい。具体的には、農業産品や漁獲類の殺菌水供給装置として好適に使用することができる。この場合、ラジカル反応槽5では大気圧以上の高圧が維持されており、高圧の処理対象水が得られるため、別途のポンプ等によらずに容易に得られた処理対象水を配送することができる。したがって、配送圧を得るためのポンプの弁等がヒドロキシラジカルによって損傷するトラブル等を未然に防止することができる。
【0118】
具体的に、上記実施形態の構成でオゾン殺菌水を製造する場合、市水を原水に用いた場合は約5分後から、殺菌やウイルス不活性に必要とする酸化電位650mV以上、1000mV以下を備えた殺菌水の供給を行うことができる。
【0119】
(2)上記実施形態においては、気液接触管4の下部に処理対象水が供給されて上向きに流れるように構成したが、逆に上部から下向きに流れるように構成しても、あるいは水平方向に流れるように構成してもよい。また、気液接触管内の管状の微細孔管に対して処理対象水が外側から内側に抜けるように構成したが、逆に内側から外側に抜けるように構成してもよい。また、オゾン含有気泡を機械的に粉砕する構造として微細孔を有する管体(内筒管)を用いたが、多孔質のフィルターや板材等、処理対象水の流れを阻害する抵抗体であれば、種々の構成を採用することができる。
【0120】
(3)上記実施形態では、スカム浮上槽6に酸化電位計69を設けたが、ラジカル反応槽5に酸化電位計を設け、この出力に応じて二相流気液混合ポンプ3へ供給するオゾン含有ガスのオゾン濃度等を制御するようにしてもよい。
【0121】
(4)上記実施形態では、スカム浮上槽6にのみオゾンガスの再循環経路682を設けたが、ラジカル反応槽5において処理対象水から分離したオゾンガスを収集して二相流気液混合ポンプ3に再供給する循環経路を設けてもよい。またラジカル反応槽5およびスカム浮上槽6の両方にオゾンガスの循環経路を設けてもよい。
【0122】
(5)上記実施形態では、スカム浮上槽6では処理対象水を大気圧に減圧するようにしたが、その前工程であるラジカル反応槽5よりも減圧されるのであれば、スカム浮上槽6の圧力は大気圧以上あるいは大気圧以下であってもよい。
【0123】
(6)上記実施形態では、スカム収集部66を浮力体661…で支持される水中ポンプ662によって構成したが、水面に浮上したスカムを収集できる手段であればこれに限定されるものではなく、たとえば、水面に浮かんだスカムをかき集めるスクレーパー等によって構成してもよい。
【0124】
(7)上記実施形態では、オゾン水処理装置1が二相流気液混合ポンプ3にオゾン含有ガスを供給するオゾン発生器2を備えた構成としたが、遠隔地にあるオゾン発生源から配管等を介してオゾンの供給を受けるように構成してもよい。
【0125】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるオゾン水処理装置によれば、二相流気液混合ポンプによって処理対象水中に混入されたオゾン含有気泡が気液接触管によって微細化されるため、二相流気液混合ポンプに対するオゾン含有気泡の微細化の要求が抑えることができ、これにより、二相流気液混合ポンプにおいてより多くのオゾン含有気泡を処理対象水に混入することができる。
【0126】
そして、ラジカル反応槽においては、二相流気液混合ポンプの吐出圧という高圧条件を維持したまま処理対象水を所定時間だけ滞留させるため、微細気泡として処理対象水に混入されたオゾンを効率的に処理対象水中に溶存させ、さらにヒドロキシラジカルに変化させることができる。
【0127】
したがって、処理対象水自体に含まれる基質等を無機化し、細菌等が含まれている場合にはこれを殺菌することができる。
【0128】
また、得られた処理対象水をヒドロキシラジカルによる高い殺菌力を持った洗浄水等として利用することもできる。この際、大気圧以上の高圧の処理対象水が得られるため、別途のポンプ等によらずに容易に得られた処理対象水を配送することができ、配送圧を得るためのポンプの弁等がヒドロキシラジカルによって損傷するトラブル等を未然に防止することができる。
【0129】
さらに、ラジカル反応槽を通過した処理対象水が導入され、処理対象水中に含有される基質をヒドロキシラジカルによって酸化し、凝集させるとともに、処理対象水を減圧することによりオゾン含有ガスを気泡化して、凝集した基質をスカムとして浮上させるスカム浮上槽を備えると、特に凝集剤等を用いることなく、処理対象水自体に溶存させたオゾン含有ガスにより、処理対象水に含まれる基質をスカムとして浮上分離させることができるため、浄水処理や排水処理等の様々な用途において、環境問題の観点からも好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるオゾン水処理装置の全体構成説明図である。
【図2】オゾン水処理装置が備える各機器の配置を示す正面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】二相流気液混合ポンプおよび気液接触管の正面図である。
【図5】気液接触管の内部構造を示す構成説明図である。
【図6】ラジカル反応槽の内部構造を示す構成説明図である。
【図7】スカム浮上槽の内部構造を示す構成説明図である。
【図8】脱水機の内部構造を示す構成説明図である。
【図9】濾過フィルターの断面説明図である。
【符号の説明】
1 オゾン水処理装置
2 オゾン発生機
3 二相流気液混合ポンプ
4 気液接触管(気液接触塔)
5 ラジカル反応槽(オゾン反応槽)
6 スカム浮上槽
7 脱水機
8 排オゾン塔
9 運転コントローラ

Claims (16)

  1. 処理対象水およびオゾン含有ガスが供給され、前記処理対象水にオゾン含有気泡を混入して大気圧以上の吐出圧で吐出する二相流気液混合ポンプと、
    前記二相流気液混合ポンプから吐出される前記処理対象水が導入され、前記吐出圧を維持したまま、導入された前記処理対象水中に混入されている前記オゾン含有気泡を微細化する気液接触管と、
    前記気液接触管を通過した前記処理対象水が導入され、前記吐出圧を維持したまま、導入された前記処理対象水を所定時間だけ滞留させることにより、前記オゾン含有ガスを前記処理対象水中に溶存させるとともに、前記オゾン含有ガスに含まれるオゾンをヒドロキシラジカルに変化させるラジカル反応槽と、
    を備えたことを特徴とするオゾン水処理装置。
  2. 前記二相流気液混合ポンプは、ポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内に前記処理対象水を導入する処理対象水供給口と、前記ポンプケーシング内に前記オゾン含有ガスを導入するオゾン含有ガス供給口と、前記ポンプケーシング内に設けられたインペラと、前記インペラを回転駆動する回転駆動手段と、を備え、前記インペラは、前記処理対象水供給口および前記オゾン含有ガス供給口を負圧にして前記処理対象水および前記オゾン含有ガスをポンプケーシング内に吸い込んで混合するとともに、吸い込まれたオゾン含有ガスからなる粗大気泡を前記オゾン含有気泡に破砕して前記処理対象水を混濁化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水処理装置。
  3. 前記二相流気液混合ポンプは、大気圧下における体積比で、前記処理対象水に対して5%以上の前記オゾン含有ガスをオゾン含有気泡として混入することを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン水処理装置。
  4. 前記二相流気液混合ポンプの吐出圧は、0.2MPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  5. 前記気液接触管における処理対象水の滞留時間は、1秒以上、3秒以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  6. 前記気液接触管は、処理対象水の流れ方向についての流路長が600mm以上、1800mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  7. 前記ラジカル反応槽における前記処理対象水の滞留時間は、2分以上、5分以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  8. 前記ラジカル反応槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、検出された前記ラジカル反応槽内の圧力に応じて前記二相流気液混合ポンプの駆動を制御するポンプ駆動制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  9. 前記ラジカル反応槽において前記処理対象水から分離したオゾンガスを収集して前記二相流気液混合ポンプに再供給する循環経路を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  10. 前記ラジカル反応槽を通過した前記処理対象水が導入され、前記処理対象水中に含有される基質を前記処理対象水中に溶存した前記ヒドロキシラジカルによって酸化し、凝集させるとともに、導入された前記処理対象水を減圧することにより、前記処理対象水中に溶存している前記オゾン含有ガスを気泡化し、凝集した前記基質をスカムとして浮上させるスカム浮上槽を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  11. 前記スカム浮上槽は、導入された前記処理対象水を大気圧に減圧することを特徴とする請求項10に記載のオゾン水処理装置。
  12. 前記スカム浮上槽における前記処理対象水の滞留時間が30分以上、60分以下であることを特徴とする請求項10または11に記載のオゾン水処理装置。
  13. 前記スカム浮上槽において前記処理対象水から分離したオゾンガスを収集して前記二相流気液混合ポンプに再供給する循環経路を備えたことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  14. 前記スカム浮上槽における酸化電位を検出する酸化電位検出手段と、
    検出された酸化電位に応じて前記二相流気液混合ポンプにおけるオゾンの混合率を制御するオゾン混入率制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  15. 前記スカム浮上槽において浮上した前記スカムを収集するスカム収集部を備えたことを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のオゾン水処理装置。
  16. 前記スカム収集部により収集されたスカムを脱水する脱水処理部を備えたことを特徴とする請求項15に記載のオゾン水処理装置。
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