JP2004344371A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に優れた吸収性物品を提供する。
【解決手段】物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
【選択図】なし
【解決手段】物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体との接触面を乾燥させて清潔に保つための吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物体との接触面を乾燥させて清潔に保つための吸収性物品として、洗面化粧台、台所の流し、風呂場等に置かれる石鹸台やその他の家庭用品、日用品、トイレタリー用品がある。
【0003】
従来の石鹸台(石鹸入れ、石鹸置き)にはポリプロピレン等のプラスチックでできた蓋状のものや底蓋と上蓋とからなるケース状のものがある。これら従来の石鹸台では底蓋に水抜き孔が空けられているが、石鹸使用後の水切りが悪く、石鹸が付着水分で溶け出してしまい早く消耗するため経済性があまり良くない。そして底蓋の裏面では水が蒸発しにくいため、水あかやぬめりが生じたりカビや雑菌が繁殖しやすい環境となる。また、洗面化粧台や台所の流しでは水が飛散していたり汚れが目立つので清潔に保つため、傍らに雑巾やスポンジがよく置かれている。
【0004】
特開平9−103386号公報(特許文献1)ではスポンジ材から成る石鹸載置部と、該石鹸載置部を取付部位に着脱簡易に取り付け自在な固定手段とを少なくとも備えて成ることを特徴とする石鹸置きが開示されている。
【0005】
また特開2003−102442号公報(特許文献2)では異なる性質を有する2種以上の部分からなり、少なくとも一つの部分が他の部分より高い吸水性を有し、前記他の部分は、前記一つの部分より高い排水性を有する可撓性の吸・排水体であって、該吸・排水体が吸水後、圧縮されることにより高い排水性を有する部分から主に排水することを特徴とする吸・排水体が開示されている。
【特許文献1】
特開平9−103386号公報
【特許文献2】
特開2003−102442号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来技術における問題点を解決するものであり、物体との接触面を乾燥させて清潔に保つための吸収性物品、好ましくは洗面化粧台、台所の流し、風呂場等に置かれて清潔で便利な石鹸台を提供するものである。特に、水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に優れ、また汚れや水を拭くための雑巾やスポンジの代用品となる石鹸台を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の諸目的は、下記の(1)から(8)により達成される。
(1)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(2)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料を含んでなることを特徴とする、該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(3)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はHIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(4)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はメラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(5)前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品の構造が積層体構造であり、積層体間がポイント固定により接合されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品。
(6)(1)から(5)に記載の吸収性物品を用いることを特徴とする、物体表面の乾燥方法。
(7)前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品が石鹸台である(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品。
(8)セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームのいずれか1種類の材料を主成分として含んでなることを特徴とする、石鹸台。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品に関するものであり、本発明の技術思想は清潔で便利な石鹸台を鋭意検討した結果、見出し完成させるに至ったものである。接触面を乾燥させるとは本発明の吸収性物品の吸水作用、吸湿作用により、水分を含む物体における接触面の水分量を低減すること、または完全に水分を除去することを意味する。特に外部からの圧縮作用を必須とするものではない。以下、本発明の技術思想について石鹸台を中心に詳細に説明する。
【0009】
本発明に係る石鹸台は、洗面化粧台、台所の流し、風呂場等にて使用される固形石鹸を収容するものである。石鹸台を構成する材料としてポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)を適宜組み合わせることができる。構成する材料は、吸水性のある材料が好ましく、特に吸水性のフォーム材料が好ましい。それらの吸水性材料の組み合わせとしては、吸水性の低いものと高いものを必須としており、吸水性の低い材料から吸水性の高い材料への水の移動が本発明の石鹸台の効果を出すために重要である。好ましい形態としては積層体の構造をしており、各層が部分的に接着(ポイント固定)されていて液が移動しやすいものが良い。全面が接着されていると層間の液の移動が困難となるため、液の移動がスムーズで、かつ各材料が容易に脱離しないようにする必要がある。そのため100cm2の面積当たり1〜30個、好ましくは1〜20個、さらに好ましくは2〜10個の割合でポイント固定を施すのが好ましい。その際、接着部分は1cm角程度、好ましくは5mm角程度であれば良い。また接着にはマジックテープ(登録商標)により脱着が簡単なものも適用できる。また、テープによるポイント固定では接着部分は細長い形でも良い。また、凸部と凹み部をつくり、それらをかみ合わせる形態もある。この形態では全面での液の移動が可能となる。
【0010】
以下、本発明の石鹸台の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1の石鹸台において、図中符号1は軟質ポリウレタンフォームであり、従来から食器を洗うスポンジ体として汎用的に使われている材料である。その下面に符号2のHIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)という高吸水シートを接合している。接合にはエポキシ樹脂等の接着剤や両面テープが用いられたり、縫い付けられたりする。接合では部分的に接着(ポイント固定)するのが好ましい。ポイント固定でなく全体を接着すると上層から下層への液の移動がスムーズにいかない。
【0011】
図2は石鹸使用後の石鹸台であり、水を吸収したためHIPEフォームは縦方向に膨張している。濡れた石鹸を置いても軟質ポリウレタンフォームからHIPEフォームへ水の移動があり、石鹸や石鹸に接する軟質ポリウレタンフォームは乾いていく(水分量が低減されていく)。また適用するHIPEフォームは圧縮加工した縦方向に大きく膨張するものが好ましい。膨張が大きいと表面積が大きくなり水分が蒸発しやすくなる。
【0012】
本発明品の特徴として下面(洗面台等)にカビや雑菌が繁殖しにくいメカニズムは次のようであると考えている。
石鹸台の構成材料として、プラスチックの蓋状のものや吸水性の低いポリウレタンフォーム単独では、石鹸使用時の水は、底部に集中するようになり底部の濡れの度合いが非常に大きくなる(カビや雑菌の繁殖に好適な環境)のに対して、本発明品のように下層に吸水性の高いHIPEフォームを設けることにより局所的では無く、下層全体で水を保持するので底部の濡れの度合いが非常に低減されるようになる。また上記で記したように膨張の度合いが大きいHIPEフォームについては、表面積が大きくなり水分が蒸発しやすくなる。膨張の度合いが大きいものほどその効果が大きくなる。その他、効果を上げるために、製造時に抗菌性のある界面活性剤等を添加しても良い。このように下層の吸水性の高い材料は石鹸と接する上層の材料の濡れの度合い(べたつき)と洗面台等に接する底部の濡れの度合い(べたつき)の両方を低減する役割を果たすことができるのでカビや雑菌の繁殖が抑制される。ここで構成材料の吸水性は材料の特性、製造時の発泡倍率が関与していると思われる。
【0013】
使用時には、HIPEフォームを手で押して脱水することもできる、吸収した水が容易に脱水されるので、吸水して膨張しても乾いた布の上で押してやると脱水した水が布に吸収されて元の薄いシートへもどる。
【0014】
図3は図1の石鹸台の横断面図であり、符号5では石鹸を置くための凹み加工が施されている。この凹み加工により石鹸はきちんと収納されるので石鹸台から落ちにくくなる。厚み{中心点断面における厚さの比―軟質ポリウレタンフォーム:HIPEフォーム―}は5:1である。厚みは使用環境に適するように適宜調整すれば良い。厚みとしては、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1程度で良い。
【0015】
次に図4の石鹸台は図1〜図3のタイプと異なり、HIPEフォームが軟質ポリウレタンフォームの中に差し込まれている。フロッピー(登録商標)ディスクのように差し込みが自由にでき取替えが簡単な形態である。この形態でも差し込まれたHIPEフォームが軟質ポリウレタンフォームの水分を吸収するので石鹸に接する軟質ポリウレタンフォームは使用後、乾いていく(水分量が低減されていく)。また掃除に使う雑巾やスポンジたわしの代用品となる。
図5は図4のタイプの横断面、図6は縦断面である。この差し込みタイプの石鹸台は外側の材料に切り込みを入れたり、上下でサンドイッチのように挟み込むことによって作られる。
【0016】
以上ポリウレタンフォームとHIPEフォームの組み合わせを中心に説明したが、その他にもポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームについて吸水性の高い材料と低い材料を適宜組み合わせることができる。例えばイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料(セルローススポンジ、メラミンフォーム等)との組み合わせ、HIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低いセルローススポンジ等との組み合わせ、メラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料(ポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、HIPEフォーム等)との組み合わせが挙げられる。HIPEフォーム、メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低いものとして、各々に対して2(g/g)以上低いものが好ましく、さらに好ましくは10(g/g)以上低いものが好ましい。ここで、各吸水性フォーム材料の製造時の発泡倍率はイオン交換水の吸水倍率の規定(ポリウレタンフォームは吸水倍率25(g/g)未満、セルローススポンジ、HIPEフォーム、メラミンフォームは吸水倍率25(g/g)以上)を外れないものである。
その他にもイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上、好ましくは35(g/g)以上の吸水性材料との組み合わせ、また、ポリウレタンフォームと該ポリウレタンフォームよりイオン交換水の吸水倍率2(g/g)以上、好ましくは12(g/g)以上高い吸水性材料との組み合わせ、さらにはイオン交換水の吸水倍率の差が2(g/g)以上、好ましくは10(g/g)以上、さらに好ましくは12(g/g)以上である異なる2種の吸水性材料の組み合わせが挙げられる。
【0017】
また、原料が異なる吸水性材料の組み合わせだけでなく、原料が同じ吸水性材料においても吸水倍率が異なれば組み合わせることができる。例えば、孔径の異なる材料同士、親水化処理をしたものとしていないもの同士等が挙げられる。特に本願では孔径に差をつけることで、液の移動がスムーズになるので孔径に差をつけることが好ましい。それは孔径の大きい軟質ポリウレタンフォームから孔径の小さいHIPEフォームへの水の移動がスムーズにいくことからも予測できる。孔径は被接触物の重量にもよるが、直径5mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下、さらに特に好ましくは5000μm以下、最も好ましくは2000μm以下、最も特に好ましくは1000μm以下である。特にHIPEフォームでは、平均直径が0.5〜100μmと孔径が小さく、乾燥密度は0.1g/cm3以下で、9cm3/g以上の細孔容積の連続細孔からなっている。軟質ポリウレタンフォームでは平均直径が100〜1000μm、乾燥密度が0.01〜0.03g/cm3、メラミンフォームでは平均直径が800μm以下、乾燥密度が0.01g/cm3程度のものが適用できる。
【0018】
一般的に孔径が小さいものほど毛細管力が大きくなり水の引き込み性が高くなるが、吸水倍率は孔径や親水性の程度に加えフォームの空孔率に大きく関係するので、製造時の発泡倍率を適宜調整する必要がある。
積層体の形態としては、吸水性の低い材料(上層)と吸水性の高い材料(下層)を重ねたもの(二層)や吸水性の高い材料を吸水性の低い材料で挟んだ形態(三層)等が挙げられる。
さらに、これらの吸水性フォーム材料以外にも吸水性樹脂粉体を含有させることもできる。吸水性樹脂(高吸水性樹脂、吸水性ポリマーとも呼ばれる)は、例えば日本工業規格(JIS)K7223−1996に記載されており、例えばポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉―アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
【0019】
次に石鹸台を構成する材料について説明する。
まず、本発明でHIPEフォームとは、油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体を意味する。詳しく述べると、油中水滴型高分散相エマルションは英語でWater in Oil type High Internal Phase Emulsion(HIPE)と表され、このエマルションを重合して表面も内部も連通孔の形成されている連続気泡(open cell;オープンセルとも略す)を有する多孔質重合体(HIPEフォーム)を得ることができる。 HIPEフォームには、圧縮して乾燥すると圧縮体を保つものと、圧縮が解放されて膨張体に戻るものがある。これは、孔径、W/O比、ポリマーの弾性によって決まる。
【0020】
HIPEは、分散相(内相)である水相と外相である油相の比率(W/O比)が約3/1以上のエマルションであり、このHIPEを重合させて、多孔質重合体を製造することは公知である(特開昭57−198713号公報、特開2002−20408号公報など)。そして、HIPE化することなく発泡剤を用いて製造される多孔質重合体(フォーム)は、比較的大孔径の独立気泡のフォームが得られやすいのに比べ、HIPEから多孔質重合体を製造する方法(HIPE法)は、孔径の微細な連続気泡の低密度のフォームの製法として優れている。本発明で用いるHIPEフォームは公知のものの中でも吸水倍率が25(g/g)以上、好ましくは35(g/g)以上、さらに好ましくは50(g/g)以上であり、縦方向へ圧縮したものが好ましい。(製造時に圧縮した方向へきわめて吸収・膨張性能が高いものである。)またHIPEフォームの原料である重合性単量体、架橋性単量体、界面活性剤、重合開始剤は特開2002−20408号に例示されているものを使用できる。
本発明における好適なHIPEフォームの製造例(特開2002−20408号の実施例1,2)を以下に示す。
【0021】
(製造例1)
2−エチルヘキシルアクリレート5.1質量部(以下、単に「部」と称する)、42%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)3.1部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.1部からなる単量体成分、界面活性剤としてのグリセリンモノオレエート0.6部、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート0.1質量部を加え、均一に溶解して、油相混合物溶液(以下、「油相」と称する)を調製した。一方、塩化カルシウム18部をイオン交換水425部に溶解して、水相水溶液(以下、「水相」と称する)を調製し、85℃に加温した。油相と水相を上記比で連続的に攪拌混合機内に供給し連続的に油中水滴型高分散エマルション(HIPE)を形成させた。水相と油相の比は44.3/1であり、HIPEの形成温度Toは85℃であった。
【0022】
得られたHIPEを連続的に攪拌混合機より抜き出し、あらかじめ85℃に加熱し、周囲に加熱、保温部材を具備したスタティックミキサーに供給した。スタティックミキサーの入り口より別途水溶性重合開始剤としての過硫酸ナトリウム0.5部を6部のイオン交換水に溶解した液を送り、HIPEと重合開始剤を連続的に混合した。これにより最終的に水相と油相の比は45/1になった。
【0023】
このHIPEを、保温、加熱したフレキシブルチューブを通して搬送し、長さ1100mm、巾100mm、厚さ5mmのあらかじめ85℃に保温したステンレス製角型重合容器に流し込み成形した。HIPEの成形温度T1は81℃であった。上ブタをし、HIPEの重合温度T2が85℃の水浴に浸した。加熱開始から15分後に容器を引き上げ、硬化した含水多孔質重合体を得た。なお重合時間15分間に分解し終わる重合開始剤量は0.314モル%と求められた。この多孔質重合体を脱水、圧縮することにより多孔質重合体(HIPEフォーム)を得た。
(製造例2)
製造例1において得られたのと同様の、重合開始剤を含有したHIPE(形成温度To=85℃)を、保温、加熱したフレキシブルチューブを通して搬送し、85℃に加熱されかつ水平に設置された一定速度で走行するベルト上に、幅約50cm、厚み約5mmのシート状に連続的に成形した。HIPEの成形温度T1は82℃であった。このHIPEを重合温度T2が85℃に制御された重合ゾーンを約15分で通過させて連続的に重合し、硬化した含水多孔質重合体を得た。なお重合時間15分間に分解し終わる重合開始剤量は0.314モル%と求められた。この多孔質重合体を脱水、圧縮することにより多孔質重合体(HIPEフォーム)を得た。
【0024】
次にポリウレタンフォームは家庭用の洗浄用のスポンジとして汎用的に使われているものである。オープンセル構造を有し圧縮の硬さが極めて小さい軟質フォームが好ましい。例えば、住友スリーエム株式会社製、抗菌ウレタンスポンジたわし、販売名;スコッチ・ブライト(登録商標)、カタログ番号;S−21Kのポリウレタンフォーム部分などがある。ポリウレタンとは分子中にウレタン結合基(―NH−CO―O―)を含有するポリマーの通称である。通常はポリイソシアネートと水酸基など活性水素原子を有する化合物との反応によって得られる。例えばポリイソシアネートとポリオールを反応させて製造される。ポリウレタンフォームは原料配合などポリウレタン生成系に発泡剤を加え、重付加反応によるポリマー生成と共に発泡を行わせて得られるものである。その他の疎水性の発泡体としてポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等も挙げられる。
【0025】
次にセルローススポンジは比較的親水性が高い天然高分子(植物繊維)でできている。本発明品の実施例では(住友スリーエム株式会社製、抗菌セルローススポンジたわし、販売名;スコッチ・ブライト(登録商標)、カタログ番号;F−31)のセルローススポンジの部分を切り取って使用する。
【0026】
次にメラミンフォームはメラミン樹脂を素材とした軟質フォームで、洗剤のいらないスポンジなど家庭用のスポンジとして販売されている(ワコー株式会社、販売名;ピカ王、レック株式会社、販売名;激落ちくん、など)。メラミン樹脂の非常に微細な網目構造(ミクロ三次元構造)や柱の部分の細かい突起が汚れの粒子を削り取るので、いわゆるミクロのやすりの役目を果たす。
これらの材料に芳香剤、洗浄剤、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、着色剤などの添加剤を加えることにより機能性を付与することもできる。また生成したフォームに特殊処理を施すことにより親水性の調整をすることもできる。さらにはフォームを作るためのモノマーとしてブタジエンやその変性物等を含有させることによりゴム弾性を付与することもできる。そしてガラス転移温度(Tg)もモノマーの構成によって調整できる。
【0027】
石鹸台の使用形態としてナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン等のネットで包んでいるものもある。ネットで包んでいると多少スポンジが欠けても散らばらない。廃棄されたスポンジを洗浄・粉砕してネットで包むことによりリサイクル品も使用可能である。
【0028】
本発明の材料の機能を損なわない程度に他の材料を併用しても良い。その他の材料としてビスコース系スポンジ、ポリビニルアルコール系スポンジ、グルコマンナンフォーム、ポリエチレンフォーム、ゴム系(ブタジエンスチレンゴム、二トリルブタジエンゴム)スポンジ、ポリビニルアセタール系スポンジ、ポリアセタール系スポンジ、金属スポンジ、不織布など繊維材料やペーパータオル等を挙げることができる。
【0029】
本発明の石鹸台を構成する材料の組み合わせは以下の5つの吸収性物品として、吸水ないし吸湿を目的とする他の用途にも適用できる。例えば結露吸水シート、土木用止水剤、ベッドパッド、メディカルシーツ、食品用鮮度保持剤等の用途が挙げられる。
(1)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(2)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料を含んでなることを特徴とする、該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(3)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はHIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(4)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はメラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(5)前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品の構造が積層体構造であり、積層体間がポイント固定により接合されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品。
実施例の1〜8、比較例1,2では使用して濡れた固形石鹸を置き、石鹸台の乾きの程度を観察しているが、濡れた固形石鹸を濡れた物体、石鹸台を上記の吸収性物品と想定してモデル実験と考えた。つまり濡れた物体が上記の5つの吸収性物品に接触している実験と考えた。
物体との接触面を乾燥させる効果が大きいと予測できるので他の用途として以下のものが挙げられる。いずれも使用後や作業後に濡れることが頻繁に生じるので改善が求められる(吸水または吸湿して被接触物を乾燥させることが必要)。
1、プラスチックの石鹸台やハンドソープのボトル、シャンプーボトルの下敷き
2、洗った食器を置くための乾燥させる台や入れ物の上に敷くシート
3、洗浄後の実験器具を置くための乾燥させる台や入れ物の上に敷くシート
4、水漏れで不衛生になるところに貼るシート
(具体例:台所の流しの下の排水菅での水漏れや、洗濯機の排水ホースでの水漏れ等への応急処置として使用する)
5、結露しやすい窓や壁に貼るシート
6、トイレの便座付近に貼るシート
(具体例:公衆トイレにおける男性の小便用便器の足元は尿の飛散がよく見られる。本願の吸収性物品のシートを置いておくと、そのシートが尿を吸収し、尿を内部に取り込み表面は乾いていくので悪臭が低減されたり靴底が濡れず、きれいに保てる。シートに抗菌剤や消臭剤を添加しておくと効果がさらに大きくなる)
7、おむつを取り替える場所に敷く吸収性物品(シート)
8、敷き布団の上に置く吸収性物品(シート)
(具体例:子供が夜寝ている時に排尿してもそのシートがあれば尿を吸収するので布団がきれいに保てる、図4の様な3層のシートが好ましい)
9、口にあてるマスク
(具体例:花粉症等による多量の鼻水で口元がべたついても本願の吸水性物品を備えたマスクを着けているとべたつき感が低減される)
10、母乳もれを吸収するためのパッド
(具体例:母乳もれが生じると長時間下着を着ける際、衛生上あまり良くない。そのために、授乳前に洗浄が必要で、拭いたりするのにのに手間がかかる。これらの対策として本発明の吸収性物品を下着に装着することにより、下着の胸に触れる部分のべたつき感が低減される)
【0030】
【実施例】
(1)吸水倍率の測定方法
(サンプル作成)
2.5cm×1.5cm角(厚み0.5cm)位(重量;0.02〜0.06g―比重によって変わる―)に切り取ったシートをアルミカップ容器中に置いて、イオン交換水を加える。この時全体が水に漬かるように浮くものは金網等で抑える。そして常温(18±2℃)程度にて30分間浸漬する。次にシートを引き上げピンセットの上で1分間風乾して余分な水を落として吸水したシートの重量(A)を測定する。
次に吸水したシートを95℃に設定した熱風乾燥機(TABAI製、PERFECT OVEN−ORIGINAL、PS−112)に入れ、充分乾燥させて乾燥後の重量(B)を測定する。
【0031】
乾燥時間はシートの吸水倍率によって水の含有量が異なるので、重量の経時変化を追跡して落ち着くところとする、目安として30分〜50分位乾燥機の中に入れる。
乾燥させるシートの耐熱温度が95℃より低い場合は、乾燥温度を下げる必要があり、その際は乾燥時間が長くなる。ポイントは含水していないシートについて、何倍のイオン交換水を吸水するか(飽和吸水倍率)を測定すれば良い。
以下の式に従い、吸水倍率を算出する。
吸水倍率(g/g)= 吸水後の重量(A) / 乾燥後重量(B)
以下に各種の石鹸台を洗面台の上で使用した時の様子について示す。各材料の吸水倍率は以下の通りである。
HIPEフォーム;37(g/g)
軟質ポリウレタンフォーム;24(g/g)
セルローススポンジ;26(g/g)
メラミンフォーム;117(g/g)
また各材料の孔径の大きさは
HIPEフォーム<メラミンフォーム<軟質ポリウレタンフォームとHIPEフォームが最も小さい。セルローススポンジは孔径分布が広く、メラミンフォーム程度の孔径と軟質ポリウレタンフォーム以上の孔径とが混在する。
(実施例1)
厚さ1mmのHIPEフォームの石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例2)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ1mmのHIPEフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例3)
厚さ1mmのHIPEフォーム(上層)と厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例4)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ1mmのHIPEフォーム(中間層)と厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例5)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ5mmのセルローススポンジ(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例6)
厚さ約7mmのメラミンフォーム(ワコー株式会社製、販売名;ピカ王、品番;KE−007)
の石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例7)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ約7mmのメラミンフォーム(ワコー株式会社製、販売名;ピカ王、品番;KE−007)(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例8)
厚さ約7mmのメラミンフォーム(ワコー株式会社製、販売名;ピカ王、品番;KE−007)(上層)と厚さ1mmのHIPEフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(比較例1)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォームの石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(比較例2)
厚さ約3mmのプラスチック製(水抜き孔有り)石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
実施例1〜8、比較例1,2の観察した様子を表1に示す。
使用して濡れた固形石鹸を石鹸台に置き、しばらく放置してから観察したものである。良く乾いている方が、水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に効果がある。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
ポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品が水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】石鹸使用(吸水)前の石鹸台。
【図2】石鹸使用(吸水)後の濡れた石鹸台。
【図3】図1の石鹸台の横断面図。
【図4】吸水性の高い材料が吸水性の低い材料に差し込まれたタイプの石鹸台。
【図5】図4のタイプの石鹸台の横断面図。
【図6】図4のタイプの石鹸台の縦断面図。
【符号の説明】
1・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
2・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
3・・・軟質ポリウレタンフォーム
4・・・吸水したHIPEフォーム
5・・・石鹸を置くための凹み加工
6・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
7・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
8・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
9・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
10・・・石鹸を置くための凹み加工
11・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
12・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
13・・・石鹸を置くための凹み加工
14・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
15・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体との接触面を乾燥させて清潔に保つための吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物体との接触面を乾燥させて清潔に保つための吸収性物品として、洗面化粧台、台所の流し、風呂場等に置かれる石鹸台やその他の家庭用品、日用品、トイレタリー用品がある。
【0003】
従来の石鹸台(石鹸入れ、石鹸置き)にはポリプロピレン等のプラスチックでできた蓋状のものや底蓋と上蓋とからなるケース状のものがある。これら従来の石鹸台では底蓋に水抜き孔が空けられているが、石鹸使用後の水切りが悪く、石鹸が付着水分で溶け出してしまい早く消耗するため経済性があまり良くない。そして底蓋の裏面では水が蒸発しにくいため、水あかやぬめりが生じたりカビや雑菌が繁殖しやすい環境となる。また、洗面化粧台や台所の流しでは水が飛散していたり汚れが目立つので清潔に保つため、傍らに雑巾やスポンジがよく置かれている。
【0004】
特開平9−103386号公報(特許文献1)ではスポンジ材から成る石鹸載置部と、該石鹸載置部を取付部位に着脱簡易に取り付け自在な固定手段とを少なくとも備えて成ることを特徴とする石鹸置きが開示されている。
【0005】
また特開2003−102442号公報(特許文献2)では異なる性質を有する2種以上の部分からなり、少なくとも一つの部分が他の部分より高い吸水性を有し、前記他の部分は、前記一つの部分より高い排水性を有する可撓性の吸・排水体であって、該吸・排水体が吸水後、圧縮されることにより高い排水性を有する部分から主に排水することを特徴とする吸・排水体が開示されている。
【特許文献1】
特開平9−103386号公報
【特許文献2】
特開2003−102442号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来技術における問題点を解決するものであり、物体との接触面を乾燥させて清潔に保つための吸収性物品、好ましくは洗面化粧台、台所の流し、風呂場等に置かれて清潔で便利な石鹸台を提供するものである。特に、水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に優れ、また汚れや水を拭くための雑巾やスポンジの代用品となる石鹸台を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の諸目的は、下記の(1)から(8)により達成される。
(1)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(2)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料を含んでなることを特徴とする、該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(3)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はHIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(4)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はメラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(5)前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品の構造が積層体構造であり、積層体間がポイント固定により接合されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品。
(6)(1)から(5)に記載の吸収性物品を用いることを特徴とする、物体表面の乾燥方法。
(7)前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品が石鹸台である(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品。
(8)セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームのいずれか1種類の材料を主成分として含んでなることを特徴とする、石鹸台。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品に関するものであり、本発明の技術思想は清潔で便利な石鹸台を鋭意検討した結果、見出し完成させるに至ったものである。接触面を乾燥させるとは本発明の吸収性物品の吸水作用、吸湿作用により、水分を含む物体における接触面の水分量を低減すること、または完全に水分を除去することを意味する。特に外部からの圧縮作用を必須とするものではない。以下、本発明の技術思想について石鹸台を中心に詳細に説明する。
【0009】
本発明に係る石鹸台は、洗面化粧台、台所の流し、風呂場等にて使用される固形石鹸を収容するものである。石鹸台を構成する材料としてポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)を適宜組み合わせることができる。構成する材料は、吸水性のある材料が好ましく、特に吸水性のフォーム材料が好ましい。それらの吸水性材料の組み合わせとしては、吸水性の低いものと高いものを必須としており、吸水性の低い材料から吸水性の高い材料への水の移動が本発明の石鹸台の効果を出すために重要である。好ましい形態としては積層体の構造をしており、各層が部分的に接着(ポイント固定)されていて液が移動しやすいものが良い。全面が接着されていると層間の液の移動が困難となるため、液の移動がスムーズで、かつ各材料が容易に脱離しないようにする必要がある。そのため100cm2の面積当たり1〜30個、好ましくは1〜20個、さらに好ましくは2〜10個の割合でポイント固定を施すのが好ましい。その際、接着部分は1cm角程度、好ましくは5mm角程度であれば良い。また接着にはマジックテープ(登録商標)により脱着が簡単なものも適用できる。また、テープによるポイント固定では接着部分は細長い形でも良い。また、凸部と凹み部をつくり、それらをかみ合わせる形態もある。この形態では全面での液の移動が可能となる。
【0010】
以下、本発明の石鹸台の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1の石鹸台において、図中符号1は軟質ポリウレタンフォームであり、従来から食器を洗うスポンジ体として汎用的に使われている材料である。その下面に符号2のHIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)という高吸水シートを接合している。接合にはエポキシ樹脂等の接着剤や両面テープが用いられたり、縫い付けられたりする。接合では部分的に接着(ポイント固定)するのが好ましい。ポイント固定でなく全体を接着すると上層から下層への液の移動がスムーズにいかない。
【0011】
図2は石鹸使用後の石鹸台であり、水を吸収したためHIPEフォームは縦方向に膨張している。濡れた石鹸を置いても軟質ポリウレタンフォームからHIPEフォームへ水の移動があり、石鹸や石鹸に接する軟質ポリウレタンフォームは乾いていく(水分量が低減されていく)。また適用するHIPEフォームは圧縮加工した縦方向に大きく膨張するものが好ましい。膨張が大きいと表面積が大きくなり水分が蒸発しやすくなる。
【0012】
本発明品の特徴として下面(洗面台等)にカビや雑菌が繁殖しにくいメカニズムは次のようであると考えている。
石鹸台の構成材料として、プラスチックの蓋状のものや吸水性の低いポリウレタンフォーム単独では、石鹸使用時の水は、底部に集中するようになり底部の濡れの度合いが非常に大きくなる(カビや雑菌の繁殖に好適な環境)のに対して、本発明品のように下層に吸水性の高いHIPEフォームを設けることにより局所的では無く、下層全体で水を保持するので底部の濡れの度合いが非常に低減されるようになる。また上記で記したように膨張の度合いが大きいHIPEフォームについては、表面積が大きくなり水分が蒸発しやすくなる。膨張の度合いが大きいものほどその効果が大きくなる。その他、効果を上げるために、製造時に抗菌性のある界面活性剤等を添加しても良い。このように下層の吸水性の高い材料は石鹸と接する上層の材料の濡れの度合い(べたつき)と洗面台等に接する底部の濡れの度合い(べたつき)の両方を低減する役割を果たすことができるのでカビや雑菌の繁殖が抑制される。ここで構成材料の吸水性は材料の特性、製造時の発泡倍率が関与していると思われる。
【0013】
使用時には、HIPEフォームを手で押して脱水することもできる、吸収した水が容易に脱水されるので、吸水して膨張しても乾いた布の上で押してやると脱水した水が布に吸収されて元の薄いシートへもどる。
【0014】
図3は図1の石鹸台の横断面図であり、符号5では石鹸を置くための凹み加工が施されている。この凹み加工により石鹸はきちんと収納されるので石鹸台から落ちにくくなる。厚み{中心点断面における厚さの比―軟質ポリウレタンフォーム:HIPEフォーム―}は5:1である。厚みは使用環境に適するように適宜調整すれば良い。厚みとしては、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1程度で良い。
【0015】
次に図4の石鹸台は図1〜図3のタイプと異なり、HIPEフォームが軟質ポリウレタンフォームの中に差し込まれている。フロッピー(登録商標)ディスクのように差し込みが自由にでき取替えが簡単な形態である。この形態でも差し込まれたHIPEフォームが軟質ポリウレタンフォームの水分を吸収するので石鹸に接する軟質ポリウレタンフォームは使用後、乾いていく(水分量が低減されていく)。また掃除に使う雑巾やスポンジたわしの代用品となる。
図5は図4のタイプの横断面、図6は縦断面である。この差し込みタイプの石鹸台は外側の材料に切り込みを入れたり、上下でサンドイッチのように挟み込むことによって作られる。
【0016】
以上ポリウレタンフォームとHIPEフォームの組み合わせを中心に説明したが、その他にもポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームについて吸水性の高い材料と低い材料を適宜組み合わせることができる。例えばイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料(セルローススポンジ、メラミンフォーム等)との組み合わせ、HIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低いセルローススポンジ等との組み合わせ、メラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料(ポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、HIPEフォーム等)との組み合わせが挙げられる。HIPEフォーム、メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低いものとして、各々に対して2(g/g)以上低いものが好ましく、さらに好ましくは10(g/g)以上低いものが好ましい。ここで、各吸水性フォーム材料の製造時の発泡倍率はイオン交換水の吸水倍率の規定(ポリウレタンフォームは吸水倍率25(g/g)未満、セルローススポンジ、HIPEフォーム、メラミンフォームは吸水倍率25(g/g)以上)を外れないものである。
その他にもイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上、好ましくは35(g/g)以上の吸水性材料との組み合わせ、また、ポリウレタンフォームと該ポリウレタンフォームよりイオン交換水の吸水倍率2(g/g)以上、好ましくは12(g/g)以上高い吸水性材料との組み合わせ、さらにはイオン交換水の吸水倍率の差が2(g/g)以上、好ましくは10(g/g)以上、さらに好ましくは12(g/g)以上である異なる2種の吸水性材料の組み合わせが挙げられる。
【0017】
また、原料が異なる吸水性材料の組み合わせだけでなく、原料が同じ吸水性材料においても吸水倍率が異なれば組み合わせることができる。例えば、孔径の異なる材料同士、親水化処理をしたものとしていないもの同士等が挙げられる。特に本願では孔径に差をつけることで、液の移動がスムーズになるので孔径に差をつけることが好ましい。それは孔径の大きい軟質ポリウレタンフォームから孔径の小さいHIPEフォームへの水の移動がスムーズにいくことからも予測できる。孔径は被接触物の重量にもよるが、直径5mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下、さらに特に好ましくは5000μm以下、最も好ましくは2000μm以下、最も特に好ましくは1000μm以下である。特にHIPEフォームでは、平均直径が0.5〜100μmと孔径が小さく、乾燥密度は0.1g/cm3以下で、9cm3/g以上の細孔容積の連続細孔からなっている。軟質ポリウレタンフォームでは平均直径が100〜1000μm、乾燥密度が0.01〜0.03g/cm3、メラミンフォームでは平均直径が800μm以下、乾燥密度が0.01g/cm3程度のものが適用できる。
【0018】
一般的に孔径が小さいものほど毛細管力が大きくなり水の引き込み性が高くなるが、吸水倍率は孔径や親水性の程度に加えフォームの空孔率に大きく関係するので、製造時の発泡倍率を適宜調整する必要がある。
積層体の形態としては、吸水性の低い材料(上層)と吸水性の高い材料(下層)を重ねたもの(二層)や吸水性の高い材料を吸水性の低い材料で挟んだ形態(三層)等が挙げられる。
さらに、これらの吸水性フォーム材料以外にも吸水性樹脂粉体を含有させることもできる。吸水性樹脂(高吸水性樹脂、吸水性ポリマーとも呼ばれる)は、例えば日本工業規格(JIS)K7223−1996に記載されており、例えばポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉―アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
【0019】
次に石鹸台を構成する材料について説明する。
まず、本発明でHIPEフォームとは、油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体を意味する。詳しく述べると、油中水滴型高分散相エマルションは英語でWater in Oil type High Internal Phase Emulsion(HIPE)と表され、このエマルションを重合して表面も内部も連通孔の形成されている連続気泡(open cell;オープンセルとも略す)を有する多孔質重合体(HIPEフォーム)を得ることができる。 HIPEフォームには、圧縮して乾燥すると圧縮体を保つものと、圧縮が解放されて膨張体に戻るものがある。これは、孔径、W/O比、ポリマーの弾性によって決まる。
【0020】
HIPEは、分散相(内相)である水相と外相である油相の比率(W/O比)が約3/1以上のエマルションであり、このHIPEを重合させて、多孔質重合体を製造することは公知である(特開昭57−198713号公報、特開2002−20408号公報など)。そして、HIPE化することなく発泡剤を用いて製造される多孔質重合体(フォーム)は、比較的大孔径の独立気泡のフォームが得られやすいのに比べ、HIPEから多孔質重合体を製造する方法(HIPE法)は、孔径の微細な連続気泡の低密度のフォームの製法として優れている。本発明で用いるHIPEフォームは公知のものの中でも吸水倍率が25(g/g)以上、好ましくは35(g/g)以上、さらに好ましくは50(g/g)以上であり、縦方向へ圧縮したものが好ましい。(製造時に圧縮した方向へきわめて吸収・膨張性能が高いものである。)またHIPEフォームの原料である重合性単量体、架橋性単量体、界面活性剤、重合開始剤は特開2002−20408号に例示されているものを使用できる。
本発明における好適なHIPEフォームの製造例(特開2002−20408号の実施例1,2)を以下に示す。
【0021】
(製造例1)
2−エチルヘキシルアクリレート5.1質量部(以下、単に「部」と称する)、42%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)3.1部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.1部からなる単量体成分、界面活性剤としてのグリセリンモノオレエート0.6部、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート0.1質量部を加え、均一に溶解して、油相混合物溶液(以下、「油相」と称する)を調製した。一方、塩化カルシウム18部をイオン交換水425部に溶解して、水相水溶液(以下、「水相」と称する)を調製し、85℃に加温した。油相と水相を上記比で連続的に攪拌混合機内に供給し連続的に油中水滴型高分散エマルション(HIPE)を形成させた。水相と油相の比は44.3/1であり、HIPEの形成温度Toは85℃であった。
【0022】
得られたHIPEを連続的に攪拌混合機より抜き出し、あらかじめ85℃に加熱し、周囲に加熱、保温部材を具備したスタティックミキサーに供給した。スタティックミキサーの入り口より別途水溶性重合開始剤としての過硫酸ナトリウム0.5部を6部のイオン交換水に溶解した液を送り、HIPEと重合開始剤を連続的に混合した。これにより最終的に水相と油相の比は45/1になった。
【0023】
このHIPEを、保温、加熱したフレキシブルチューブを通して搬送し、長さ1100mm、巾100mm、厚さ5mmのあらかじめ85℃に保温したステンレス製角型重合容器に流し込み成形した。HIPEの成形温度T1は81℃であった。上ブタをし、HIPEの重合温度T2が85℃の水浴に浸した。加熱開始から15分後に容器を引き上げ、硬化した含水多孔質重合体を得た。なお重合時間15分間に分解し終わる重合開始剤量は0.314モル%と求められた。この多孔質重合体を脱水、圧縮することにより多孔質重合体(HIPEフォーム)を得た。
(製造例2)
製造例1において得られたのと同様の、重合開始剤を含有したHIPE(形成温度To=85℃)を、保温、加熱したフレキシブルチューブを通して搬送し、85℃に加熱されかつ水平に設置された一定速度で走行するベルト上に、幅約50cm、厚み約5mmのシート状に連続的に成形した。HIPEの成形温度T1は82℃であった。このHIPEを重合温度T2が85℃に制御された重合ゾーンを約15分で通過させて連続的に重合し、硬化した含水多孔質重合体を得た。なお重合時間15分間に分解し終わる重合開始剤量は0.314モル%と求められた。この多孔質重合体を脱水、圧縮することにより多孔質重合体(HIPEフォーム)を得た。
【0024】
次にポリウレタンフォームは家庭用の洗浄用のスポンジとして汎用的に使われているものである。オープンセル構造を有し圧縮の硬さが極めて小さい軟質フォームが好ましい。例えば、住友スリーエム株式会社製、抗菌ウレタンスポンジたわし、販売名;スコッチ・ブライト(登録商標)、カタログ番号;S−21Kのポリウレタンフォーム部分などがある。ポリウレタンとは分子中にウレタン結合基(―NH−CO―O―)を含有するポリマーの通称である。通常はポリイソシアネートと水酸基など活性水素原子を有する化合物との反応によって得られる。例えばポリイソシアネートとポリオールを反応させて製造される。ポリウレタンフォームは原料配合などポリウレタン生成系に発泡剤を加え、重付加反応によるポリマー生成と共に発泡を行わせて得られるものである。その他の疎水性の発泡体としてポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等も挙げられる。
【0025】
次にセルローススポンジは比較的親水性が高い天然高分子(植物繊維)でできている。本発明品の実施例では(住友スリーエム株式会社製、抗菌セルローススポンジたわし、販売名;スコッチ・ブライト(登録商標)、カタログ番号;F−31)のセルローススポンジの部分を切り取って使用する。
【0026】
次にメラミンフォームはメラミン樹脂を素材とした軟質フォームで、洗剤のいらないスポンジなど家庭用のスポンジとして販売されている(ワコー株式会社、販売名;ピカ王、レック株式会社、販売名;激落ちくん、など)。メラミン樹脂の非常に微細な網目構造(ミクロ三次元構造)や柱の部分の細かい突起が汚れの粒子を削り取るので、いわゆるミクロのやすりの役目を果たす。
これらの材料に芳香剤、洗浄剤、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、着色剤などの添加剤を加えることにより機能性を付与することもできる。また生成したフォームに特殊処理を施すことにより親水性の調整をすることもできる。さらにはフォームを作るためのモノマーとしてブタジエンやその変性物等を含有させることによりゴム弾性を付与することもできる。そしてガラス転移温度(Tg)もモノマーの構成によって調整できる。
【0027】
石鹸台の使用形態としてナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン等のネットで包んでいるものもある。ネットで包んでいると多少スポンジが欠けても散らばらない。廃棄されたスポンジを洗浄・粉砕してネットで包むことによりリサイクル品も使用可能である。
【0028】
本発明の材料の機能を損なわない程度に他の材料を併用しても良い。その他の材料としてビスコース系スポンジ、ポリビニルアルコール系スポンジ、グルコマンナンフォーム、ポリエチレンフォーム、ゴム系(ブタジエンスチレンゴム、二トリルブタジエンゴム)スポンジ、ポリビニルアセタール系スポンジ、ポリアセタール系スポンジ、金属スポンジ、不織布など繊維材料やペーパータオル等を挙げることができる。
【0029】
本発明の石鹸台を構成する材料の組み合わせは以下の5つの吸収性物品として、吸水ないし吸湿を目的とする他の用途にも適用できる。例えば結露吸水シート、土木用止水剤、ベッドパッド、メディカルシーツ、食品用鮮度保持剤等の用途が挙げられる。
(1)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(2)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料を含んでなることを特徴とする、該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(3)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はHIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(4)物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はメラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
(5)前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品の構造が積層体構造であり、積層体間がポイント固定により接合されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品。
実施例の1〜8、比較例1,2では使用して濡れた固形石鹸を置き、石鹸台の乾きの程度を観察しているが、濡れた固形石鹸を濡れた物体、石鹸台を上記の吸収性物品と想定してモデル実験と考えた。つまり濡れた物体が上記の5つの吸収性物品に接触している実験と考えた。
物体との接触面を乾燥させる効果が大きいと予測できるので他の用途として以下のものが挙げられる。いずれも使用後や作業後に濡れることが頻繁に生じるので改善が求められる(吸水または吸湿して被接触物を乾燥させることが必要)。
1、プラスチックの石鹸台やハンドソープのボトル、シャンプーボトルの下敷き
2、洗った食器を置くための乾燥させる台や入れ物の上に敷くシート
3、洗浄後の実験器具を置くための乾燥させる台や入れ物の上に敷くシート
4、水漏れで不衛生になるところに貼るシート
(具体例:台所の流しの下の排水菅での水漏れや、洗濯機の排水ホースでの水漏れ等への応急処置として使用する)
5、結露しやすい窓や壁に貼るシート
6、トイレの便座付近に貼るシート
(具体例:公衆トイレにおける男性の小便用便器の足元は尿の飛散がよく見られる。本願の吸収性物品のシートを置いておくと、そのシートが尿を吸収し、尿を内部に取り込み表面は乾いていくので悪臭が低減されたり靴底が濡れず、きれいに保てる。シートに抗菌剤や消臭剤を添加しておくと効果がさらに大きくなる)
7、おむつを取り替える場所に敷く吸収性物品(シート)
8、敷き布団の上に置く吸収性物品(シート)
(具体例:子供が夜寝ている時に排尿してもそのシートがあれば尿を吸収するので布団がきれいに保てる、図4の様な3層のシートが好ましい)
9、口にあてるマスク
(具体例:花粉症等による多量の鼻水で口元がべたついても本願の吸水性物品を備えたマスクを着けているとべたつき感が低減される)
10、母乳もれを吸収するためのパッド
(具体例:母乳もれが生じると長時間下着を着ける際、衛生上あまり良くない。そのために、授乳前に洗浄が必要で、拭いたりするのにのに手間がかかる。これらの対策として本発明の吸収性物品を下着に装着することにより、下着の胸に触れる部分のべたつき感が低減される)
【0030】
【実施例】
(1)吸水倍率の測定方法
(サンプル作成)
2.5cm×1.5cm角(厚み0.5cm)位(重量;0.02〜0.06g―比重によって変わる―)に切り取ったシートをアルミカップ容器中に置いて、イオン交換水を加える。この時全体が水に漬かるように浮くものは金網等で抑える。そして常温(18±2℃)程度にて30分間浸漬する。次にシートを引き上げピンセットの上で1分間風乾して余分な水を落として吸水したシートの重量(A)を測定する。
次に吸水したシートを95℃に設定した熱風乾燥機(TABAI製、PERFECT OVEN−ORIGINAL、PS−112)に入れ、充分乾燥させて乾燥後の重量(B)を測定する。
【0031】
乾燥時間はシートの吸水倍率によって水の含有量が異なるので、重量の経時変化を追跡して落ち着くところとする、目安として30分〜50分位乾燥機の中に入れる。
乾燥させるシートの耐熱温度が95℃より低い場合は、乾燥温度を下げる必要があり、その際は乾燥時間が長くなる。ポイントは含水していないシートについて、何倍のイオン交換水を吸水するか(飽和吸水倍率)を測定すれば良い。
以下の式に従い、吸水倍率を算出する。
吸水倍率(g/g)= 吸水後の重量(A) / 乾燥後重量(B)
以下に各種の石鹸台を洗面台の上で使用した時の様子について示す。各材料の吸水倍率は以下の通りである。
HIPEフォーム;37(g/g)
軟質ポリウレタンフォーム;24(g/g)
セルローススポンジ;26(g/g)
メラミンフォーム;117(g/g)
また各材料の孔径の大きさは
HIPEフォーム<メラミンフォーム<軟質ポリウレタンフォームとHIPEフォームが最も小さい。セルローススポンジは孔径分布が広く、メラミンフォーム程度の孔径と軟質ポリウレタンフォーム以上の孔径とが混在する。
(実施例1)
厚さ1mmのHIPEフォームの石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例2)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ1mmのHIPEフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例3)
厚さ1mmのHIPEフォーム(上層)と厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例4)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ1mmのHIPEフォーム(中間層)と厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例5)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ5mmのセルローススポンジ(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例6)
厚さ約7mmのメラミンフォーム(ワコー株式会社製、販売名;ピカ王、品番;KE−007)
の石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例7)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォーム(上層)と厚さ約7mmのメラミンフォーム(ワコー株式会社製、販売名;ピカ王、品番;KE−007)(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(実施例8)
厚さ約7mmのメラミンフォーム(ワコー株式会社製、販売名;ピカ王、品番;KE−007)(上層)と厚さ1mmのHIPEフォーム(下層)をスポンジ両面テープ(株式会社モリトク製、基材;ポリエチレンフォーム、粘着剤;アクリル系粘着剤)により接合(部分的に接着:ポイント固定)した石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(比較例1)
厚さ5mmの軟質ポリウレタンフォームの石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
(比較例2)
厚さ約3mmのプラスチック製(水抜き孔有り)石鹸台に石鹸(花王株式会社製、販売名;花王石鹸ホワイトc)を置いて1週間使用したときの様子を観察する。
実施例1〜8、比較例1,2の観察した様子を表1に示す。
使用して濡れた固形石鹸を石鹸台に置き、しばらく放置してから観察したものである。良く乾いている方が、水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に効果がある。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
ポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品が水あかやぬめりの低減、カビや雑菌繁殖の抑制に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】石鹸使用(吸水)前の石鹸台。
【図2】石鹸使用(吸水)後の濡れた石鹸台。
【図3】図1の石鹸台の横断面図。
【図4】吸水性の高い材料が吸水性の低い材料に差し込まれたタイプの石鹸台。
【図5】図4のタイプの石鹸台の横断面図。
【図6】図4のタイプの石鹸台の縦断面図。
【符号の説明】
1・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
2・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
3・・・軟質ポリウレタンフォーム
4・・・吸水したHIPEフォーム
5・・・石鹸を置くための凹み加工
6・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
7・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
8・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
9・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
10・・・石鹸を置くための凹み加工
11・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
12・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
13・・・石鹸を置くための凹み加工
14・・・軟質ポリウレタンフォーム<吸水性の低い材料>
15・・・HIPEフォーム(油中水滴型高分散相エマルションを重合した連続気泡を有する多孔質重合体)<吸水性の高い材料>
Claims (8)
- 物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はポリウレタンフォーム、セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームの中から選ばれる異なる2種以上の材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。 - 物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はイオン交換水の吸水倍率25(g/g)未満のポリウレタンフォームとイオン交換水の吸水倍率25(g/g)以上の吸水性材料を含んでなることを特徴とする、該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。
- 物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はHIPEフォームと該HIPEフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。 - 物体と接触して用いられる吸収性物品であって、該吸収性物品はメラミンフォームと該メラミンフォームよりイオン交換水の吸水倍率が低い吸水性材料を含んでなることを特徴とする、
該物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品。 - 前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品の構造が積層体構造であり、積層体間がポイント固定により接合されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
- 請求項1から5に記載の吸収性物品を用いることを特徴とする、物体表面の乾燥方法。
- 前記物体との接触面を乾燥させるための吸収性物品が石鹸台である請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品。
- セルローススポンジ、メラミンフォーム、HIPEフォームのいずれか1種類の材料を主成分として含んでなることを特徴とする、石鹸台。
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