【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウターチューブ内に倒立型のダンパーが出没自在に挿入されたストラット型ショックアブソーバに関わり、詳しくは、スプリングシートの溶接時における熱影響がアウターチューブ内周面に及ばないようにした構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、この種のストラット型ショックアブソーバとしては、非特許文献１に示すものを例示することができる。
【０００３】
このストラット型ショックアブソーバは、外周面にスプリングシートを溶接固定したアウターチューブと、このアウターチューブ内に摺動自在に挿入された倒立型のダンパーとからなり、ダンパーは、ダンパーシリンダと、ダンパーシリンダ内にピストンを介して出没自在に挿入されたピストンロッドとからなっている。
【０００４】
即ち、外周面にスプリングシート及びナックルブラケットが溶接固定されたアウターチューブ内に取付部を有する倒立状態のダンパーシリンダが出没自在に挿入されるとともに、ダンパーシリンダ内に出没自在に挿入されたピストンロッドの基端がアウターチューブのロア部に固定されている。
【０００５】
そして、スプリングシートにコイルスプリングを着座させた状態で、アウターチューブをナックルブラケットを介して車軸側に、又、ダンパーを取付部を介して車体側に夫々連結することによって自動車のサスペンションを構成するリンクの一部として使用されている。
【０００６】
従って、このサスペンションの作動状態では、路面の凹凸状況に応じてアウターチューブからダンパーが出没動作を繰り返し、所定の減衰力を発生することによって路面からの振動が車体側に伝達することを防止している。
【０００７】
【非特許文献１】
駒村 清二 外１１名、「自動車のサスペンション」、第１版、株式会社山海堂、１９９１年３月、Ｐ１２５、 図４−６６
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したストラット型ショックアブソーバにあっては、以下に示すような問題点が考えられる。
【０００９】
即ち、サスペンションの作動状態では、ダンパーシリンダがアウターチューブ内周面に摺接した状態で出没動作を繰り返し、そのことによって所定の減衰力を発生するので、このアウターチューブ内周面及びダンパーシリンダ外周面はスムーズな動作を確保するために平滑化されている必要がある。
【００１０】
従って、一般には、これらアウターチューブ内周面及びダンパーシリンダ外周面は予め平滑化処理が施されている。
【００１１】
ところが、このアウターチューブには構造上、そのダンパーの出没動作行う範囲内となる外周面にスプリングシートが溶接固定されるので、その溶接時に発生する熱が平滑化されたアウターチューブ内周面を凹凸にする等の悪影響を及ぼすことが考えられる。
【００１２】
この場合には、例えば、アウターチューブ外周面にスプリングシートが溶接固定された後、この内周面を切削工具等の加工手段によって後加工し、この内周面を再度、平滑化することが考えられる。
【００１３】
しかしながら、この方法によれば、予め内周面が平滑化されているアウターチューブ内周面をもう一度、平滑化すると言った後加工が必要となるので、その分、加工工程が増加してストラット型ショックアブソーバ自体のコストアップに繋がる。
【００１４】
そこで、本発明の目的は、スプリングシートを溶接固定する際、特別な後加工等を必要なく安価に製造可能なストラット型ショックアブソーバの構造を提供することである。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の一つの手段は、車軸側に連結されると共に外周面にスプリングシートが溶接固定されたアウターチューブと、このアウターチューブ内に挿入された倒立型のダンパーとからなり、ダンパーは車体側に連結されると共にアウターチューブ内に摺動自在に挿入されたダンパーシリンダと、ダンパーシリンダ内に出没自在に挿入されて基端をアウターチューブ側のロア部に結合したピストンロッドとからなるストラット型ショックアブソーバにおいて、スプリングシートの溶接部と対向するアウターチューブ内周面にダンパーシリンダを摺接自在に支持する軸受け部材を配置したことを特徴とするものである。
【００１６】
このとき、軸受け部材はスプリングシートの溶接部よりも幅広となる円筒状に形成され、アウターチューブ内周面に圧入固定されていることが好ましい。
【００１７】
又、本発明の他の手段は、車軸側に連結されると共に外周面にスプリングシートが溶接固定されたアウターチューブと、このアウターチューブ内に挿入された倒立型のダンパーとからなり、ダンパーは車体側に連結されると共にアウターチューブ内に摺動自在に挿入されたダンパーシリンダと、ダンパーシリンダ内に出没自在に挿入されて基端をアウターチューブ側のロア部に結合したピストンロッドとからなるストラット型ショックアブソーバにおいて、アウターチューブ内周面にダンパーシリンダを摺接自在に支持する軸受け部材を設ける一方、スプリングシートの溶接部と対向するアウターチューブ内周面に変形防止部材を設けたことを特徴とするものである。
【００１８】
このとき、変形防止部材は、溶接部よりも幅広となる円筒状に形成され、アウターチューブ内周面に圧入固定されていることが好ましい。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を自動車のストラット型ショックアブソーバに具体化した一実施の形態を図に基づいて説明する。
【００２０】
本発明のストラット型ショックアブソーバは、図１に示すように、車軸側に連結されるアウターチューブ３と、このアウターチューブ３内に挿入された倒立型のダンパーＤとからなり、ダンパーＤは車体側に連結される共にアウターチューブ３内に任意の摺動隙間Ｓを持って摺動自在に挿入されたダンパーシリンダ５と、ダンパーシリンダ５内にピストンＰを介して出没自在に挿入されたピストンロッド６とからなっており、ピストンロッド６の基端はアウターチューブ３のロア部７にねじ８により締付け固定されている。
【００２１】
又、ダンパーシリンダ５内にはフリーピストンＦが移動自在に挿入され、フリーピストンＦはダンパーシリンダ５内をガス室Ｇと油室Ｒとに区画しており、所謂、単筒型油圧緩衝器の構造を採用している。
【００２２】
以下、更に詳しく説明すると、有底筒状をなすアウターチューブ３の上部外周にはスプリングシート２が溶接固定され、同アウターチューブ３の下部外周にはナックルブラケット１が溶接固定されている。
【００２３】
スプリングシート２は、筒状をなすアウターチューブ側取付部２ａと、この取付部２ａの上端に連設すると共に、端部に図示しないコイルスプリングを着座させるコイルスプリング側取付部２ｂとから構成されており、アウターチューブ側取付部２ａの内周面がアウターチューブ３外周面に密着した状態でこの取付部２ａの下端とアウターチューブ３外周面との境界部分が全周に渡って溶接固定されている。
【００２４】
この溶接部Ｙと対向するアウターチューブ３内周面には本発明の軸受け部材としての上部側ベアリング１２が圧入固定され、同じくアウターチューブ３の略中央部となる内周面には中央側ベアリング１１が圧入固定されている。
【００２５】
そして、これらのベアリング１１，１２の内周面とダンパーシリンダ５外周面との間に微小な摺動隙間Ｓを形成することでダンパーシリンダ５のスムーズな出没動作を可能としている。
【００２６】
又、上部側ベアリング１２は、スプリングシート２の溶接部Ｙよりも幅広となる円筒状に形成されており、スプリングシート２をアウターチューブ３外周面に溶接固定する際、その溶接時における熱影響がアウターチューブ３内周面に及ばないようにしている。
【００２７】
中央側ベアリング１１の下部となるアウターチューブ３内周面にはＯリング１３が圧入され、このＯリング１３は、ベアリング１１の下端と、Ｏリング１３の下部に圧入されたリング状の固定部材１４の上端とによってその位置が固定されている。
【００２８】
このＯリング１３は、内径が中央側ベアリング１１の内径よりも小さく設定されており、常にＯリング１３の内周側がダンパーシリンダ５の外周面と摺接することにより、中央側ベアリング１１にダンパーシリンダ５の外周面が衝突する際にＯリング１３の弾性力で緩衝作用を行って衝突音が発生しないようにしている。
【００２９】
上部側ベアリング１２の上部となるアウターチューブ３内周面には消音リング１５が圧入固定されている。
【００３０】
この消音リング１５は、環状をなす基板１６と、その内周に接合された天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂よりなる環状の弾性体１７とから構成されている。
【００３１】
この消音リング１５もその弾性体１７の内径が、上部側ベアリング１２内径よりも小さく設定されており、常に弾性体１７の内周面がダンパーシリンダ５の外周面と摺接することにより、上部側ベアリング１２にダンパーシリンダ５の外周面が衝突する際に弾性体１７の弾性力で緩衝作用を行って衝突音が発生しないようにしている。
【００３２】
アウターチューブ３の上部開口端には、上部内周面２１ａにダストシール２１が圧入固定された筒状をなすダストシールケース２２がその下部内周面２１ｂをアウターチューブ３の外周面に圧入させることによってこのアウターチューブ３に対して固定されており、ダストシール２１によってダンパーシリンダ５の外周面に付着した塵、埃等がアウターチューブ３内に侵入しないようになっている。
【００３３】
尚、図中、２３は、ダンパーシリンダ５とアウターチューブ３のロア部７との直接の衝突を防止する緩衝ゴムである。
【００３４】
このように構成されたストラット型ショックアブソーバにおいては、スプリングシート２に図示しないコイルスプリングを着座させた状態で、アウターチューブ３をナックルブラケット１を介して車軸側に、又、ダンパーシリンダ５を取付部を介して車体側に夫々連結すると、自動車のサスペンションを構成するリンクの一部となる。
【００３５】
従って、このサスペンションの作動状態では、路面の凹凸状況に応じてアウターチューブ３からダンパーシリンダ５が出没動作を繰り返し、所定の減衰力を発生することによって路面からの振動が車体側に伝達することを防止している。
【００３６】
次に、このストラット型ショックアブソーバにおけるスプリングシート２の溶接固定方法を含めた組立方法について説明する。
【００３７】
先ず、図２に示すように、ナックルブラケット１が予め溶接固定された状態のアウターチューブ３内に固定部材１４、Ｏリング１３及び中央側ベアリング１１を所定位置まで圧入して固定する。
【００３８】
その後、上部側ベアリング１２をアウターチューブ３内に圧入し、スプリングシート２が溶接固定される位置と対向する位置に配置する。
【００３９】
次に、図３に示すように、アウターチューブ３外周面の所定位置に図示しない治具等を用いてスプリングシート２を配置する。
【００４０】
この状態では、スプリングシート２が溶接固定されるアウターチューブ３外周面、即ち、アウターチューブ側取付部２ａの下端が接触するアウターチューブ３外周面と対向するアウターチューブ３内周面には上部側ベアリング１２が接触配置され、内側から外側に向って圧接した状態となっている。
【００４１】
ついで、上記のアウターチューブ側取付部２ａの下端と、アウターチューブ３外周面との境界部分に溶接装置Ｍを近接させて両者を溶接固定する。
【００４２】
このとき、溶接時の熱影響でアウターチューブ３内周面が凹凸状態に変形して平滑状態を損なうことが考えられるが、本実施の形態では熱影響が及ぶ可能性のあるアウターチューブ３内周面に上部側ベアリング１２が配置され、外側に向って圧接しているので、上述した熱影響による変形を防止することができる。
【００４３】
所定時間経過後、消音リング１５をアウターチューブ３内の所定位置まで圧入して固定し、このアウターチューブ内にダンパーシリンダを挿入してピストンロッド６の基端をロアブ７にねじ８によって締付け固定し、最後にアウターチューブ３先端にダストシールケース２２を圧入すると、図１に示す本実施の形態のストラット型ショックアブソーバが組立てられる。
【００４４】
以上、本実施の形態によれば、スプリングシート２をアウターチューブ３外周面に溶接固定する際、この溶接部Ｙと対向するアウターチューブ３内周面に配置されるよう上部側ベアリング１２が圧入固定されているので、この溶接時の熱による内周面への悪影響を確実に防止することができる。
【００４５】
従って、この構造によれば、従来のような後加工を必要としないので、その分、加工工程を省略してストラット型ショックアブソーバ自体を安価に製造することができる。
【００４６】
特に、本実施の形態では、上部側ベアリング１２をスプリングシート２の溶接部Ｙよりも幅広となる円筒状に形成したので、溶接時の熱影響がアウターチューブ３内周面に及ぶことを更に確実に防止することができる。
【００４７】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように変更することも可能である。
【００４８】
▲１▼本実施の形態では、スプリングシート２の溶接部Ｙと対向するアウターチューブ３内周面に上部側ベアリング１１を圧入固定するようにしたが、アウターチューブ３に対するスプリングシート２の溶接固定位置によっては中央側ベアリング１１を配置するようにしても良い。
【００４９】
▲２▼本実施の形態では、スプリングシート２の溶接部Ｙと対向するアウターチューブ３内周面に中央側ベアリング１２を配置するようにしたが、軸受け部材とは異なった別部材を変形防止部材として使用しても良い。
【００５０】
即ち、図４に示すように、この変形防止部材２５はスプリングシート２の溶接部Ｙよりも幅広となる円筒状に形成されており、上部側ベアリング１１と中央側ベアリング１２との間となるスプリングシート２の溶接部Ｙと対向するアウターチューブ３内周面に圧入固定されている。
【００５１】
この場合も、上記と同様の作用・効果を発揮し、スプリングシート２の溶接部Ｙと対向するアウターチューブ３内周面に軸受け部材を配置すると、構造上、軸受け部材としての作用を発揮しにくい場合には有効である。
【００５２】
▲３▼上記実施の形態では、軸受け部材及び変形防止部材をアウターシリンダに対して圧入させて固定させているが、必ずしも圧入で固定させる必要はなく接着により固定させても良い。
【００５３】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果がある。
【００５４】
請求項１の発明によれば、スプリングシートの溶接部と対向するアウターチューブ内周面に軸受け部材を配置したので、アウターチューブ外周面にスプリングシートを溶接固定する際、この溶接時の熱によるアウターチューブ内周面への悪影響を確実に防止することができる。
【００５５】
請求項２の発明によれば、軸受け部材をスプリングシートの溶接部よりも幅広となる円筒状に形成したので、溶接時の熱影響がアウターチューブ内周面に及ぶことを更に確実に防止することができる。
【００５６】
請求項３の発明によれば、スプリングシートの溶接部位と対向するアウターチューブ内周面に変形防止部材を配置したので、アウターチューブ外周面にスプリングシートを溶接固定する際、この溶接時の熱による内周面への悪影響を確実に防止することができる。
【００５７】
請求項４の発明によれば、変形防止部材をスプリングシートの溶接部よりも幅広となる円筒状に形成したので、溶接時の熱影響がアウターチューブ内周面に及ぶことを更に確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態を示すストラット型ショックアブソーバの中心線から左側部分のみを示す要部断面図である。
【図２】アウターチューブ内周面に固定部材、Ｏリング、中央側ベアリング及び上部側ベアリングを圧入させた状態を示す中心線から左側部分のみを示す要部断面図である。
【図３】図２にスプリングシートを配置し、このスプリングシートとアウターチューブとを溶接固定する状態を示す中心線から左側部分のみを示す要部断面図である。
【図４】本発明の別例を示し、中心線から左側部分のみを示す要部断面図である。
【符号の説明】
２ スプリングシート
３ アウターチューブ
５ ダンパーシリンダ
６ ピストンロッド
７ ロア部
１１ 中央側ベアリング（軸受け部材）
１２ 上部側ベアリング（軸受け部材）
２５ 変形防止部材
Ｄ ダンパー
Ｙ 溶接部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a strut type shock absorber in which an inverted damper is inserted into and retracted from an outer tube, and more particularly, to a structure in which a thermal influence during welding of a spring seat does not reach an inner peripheral surface of the outer tube. About.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of strut type shock absorber, the one shown in Non-Patent Document 1 can be exemplified.
[0003]
This strut type shock absorber is composed of an outer tube with a spring seat welded and fixed to the outer peripheral surface, and an inverted damper slidably inserted into the outer tube. The damper is a damper cylinder and a damper cylinder. And a piston rod inserted and retracted through a piston.
[0004]
That is, an inverted damper cylinder having a mounting portion is inserted into the outer tube to which the spring seat and the knuckle bracket are welded and fixed on the outer peripheral surface, and the piston rod is inserted and retracted into the damper cylinder. The base end is fixed to the lower part of the outer tube.
[0005]
Then, with the coil spring seated on the spring seat, the outer tube is connected to the axle side via a knuckle bracket, and the damper is connected to the vehicle body side via a mounting portion, thereby forming a link constituting a vehicle suspension. Used as part of
[0006]
Therefore, in the operation state of the suspension, the damper repeatedly moves up and down from the outer tube in accordance with the unevenness of the road surface, and by generating a predetermined damping force, the vibration from the road surface is prevented from being transmitted to the vehicle body side. I have.
[0007]
[Non-patent document 1]
Seiji Komamura Eleven, "Automobile Suspension", 1st edition, Sankaido Co., Ltd., March 1991, P125, Fig. 4-66
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the strut-type shock absorber described above has the following problems.
[0009]
That is, in the operating state of the suspension, the damper cylinder repeats the retracting operation while sliding on the inner peripheral surface of the outer tube, thereby generating a predetermined damping force. Therefore, the outer peripheral surface of the outer tube and the outer peripheral surface of the damper cylinder are generated. Must be smoothed to ensure smooth operation.
[0010]
Therefore, generally, the inner peripheral surface of the outer tube and the outer peripheral surface of the damper cylinder are previously subjected to a smoothing process.
[0011]
However, due to the structure of the outer tube, the spring seat is welded and fixed to the outer peripheral surface within the range where the damper moves in and out, so that the heat generated during welding is smoothed. Adverse effects such as
[0012]
In this case, for example, after the spring seat is fixed to the outer peripheral surface of the outer tube by welding, the inner peripheral surface may be post-processed by a processing means such as a cutting tool, and the inner peripheral surface may be smoothed again. Can be
[0013]
However, according to this method, the outer peripheral surface of the outer tube whose inner peripheral surface has been smoothed beforehand is required to be processed once again by saying that the outer peripheral surface is smoothed. This leads to an increase in the cost of the shock absorber itself.
[0014]
Therefore, an object of the present invention is to provide a strut type shock absorber structure which can be manufactured at low cost without special post-processing or the like when welding and fixing a spring seat.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, one means of the present invention is an outer tube connected to the axle side and having a spring seat welded to the outer peripheral surface, and an inverted damper inserted into the outer tube. A damper cylinder connected to the vehicle body side and slidably inserted into the outer tube, and a piston inserted into the damper cylinder so as to protrude and retract so that the base end is connected to the lower portion of the outer tube side. In a strut type shock absorber comprising a rod, a bearing member for slidably supporting a damper cylinder is disposed on an inner peripheral surface of an outer tube facing a welded portion of a spring seat.
[0016]
At this time, it is preferable that the bearing member is formed in a cylindrical shape that is wider than the welded portion of the spring seat, and is press-fitted and fixed to the inner peripheral surface of the outer tube.
[0017]
Another means of the present invention comprises an outer tube connected to the axle side and having a spring seat welded to the outer peripheral surface, and an inverted damper inserted into the outer tube. Strut type consisting of a damper cylinder connected to the outer side and slidably inserted into the outer tube, and a piston rod inserted into the damper cylinder so as to be able to protrude and retract so that the base end is connected to the lower part of the outer tube side In the shock absorber, a bearing member for slidably supporting the damper cylinder is provided on the inner peripheral surface of the outer tube, while a deformation preventing member is provided on the inner peripheral surface of the outer tube facing the welded portion of the spring seat. Things.
[0018]
At this time, it is preferable that the deformation preventing member is formed in a cylindrical shape having a width larger than that of the welded portion, and is press-fitted and fixed to the inner peripheral surface of the outer tube.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is embodied in a strut type shock absorber of an automobile will be described with reference to the drawings.
[0020]
As shown in FIG. 1, the strut type shock absorber of the present invention includes an outer tube 3 connected to the axle side, and an inverted damper D inserted into the outer tube 3, and the damper D is mounted on the vehicle body. A damper cylinder 5 slidably inserted into the outer tube 3 with an arbitrary sliding gap S, and a piston rod 6 inserted and retracted into the damper cylinder 5 via a piston P. The base end of the piston rod 6 is fixedly fastened to a lower portion 7 of the outer tube 3 by a screw 8.
[0021]
A free piston F is movably inserted into the damper cylinder 5, and the free piston F divides the inside of the damper cylinder 5 into a gas chamber G and an oil chamber R, which is a so-called single cylinder type hydraulic shock absorber. The structure is adopted.
[0022]
More specifically, the spring seat 2 is welded and fixed to the upper outer periphery of the outer tube 3 having a bottomed cylindrical shape, and the knuckle bracket 1 is fixed to the lower outer periphery of the outer tube 3 by welding.
[0023]
The spring seat 2 includes a cylindrical outer tube-side mounting portion 2a, and a coil spring-side mounting portion 2b that is connected to an upper end of the mounting portion 2a and seats a coil spring (not shown) at the end. The boundary between the lower end of the mounting portion 2a and the outer peripheral surface of the outer tube 3 is welded and fixed over the entire circumference in a state where the inner peripheral surface of the outer tube side mounting portion 2a is in close contact with the outer peripheral surface of the outer tube 3. .
[0024]
An upper bearing 12 as a bearing member of the present invention is press-fitted and fixed to an inner peripheral surface of the outer tube 3 facing the welded portion Y, and a central bearing 11 is formed on an inner peripheral surface which is also a substantially central portion of the outer tube 3. Is press-fitted and fixed.
[0025]
A small sliding gap S is formed between the inner peripheral surfaces of the bearings 11 and 12 and the outer peripheral surface of the damper cylinder 5 to enable the damper cylinder 5 to smoothly move in and out.
[0026]
The upper bearing 12 is formed in a cylindrical shape wider than the welded portion Y of the spring seat 2, and when the spring seat 2 is fixed to the outer peripheral surface of the outer tube 3 by heat, the influence of heat during the welding is reduced. It does not reach the inner peripheral surface of the outer tube 3.
[0027]
An O-ring 13 is press-fitted into the inner peripheral surface of the outer tube 3 which is a lower portion of the center-side bearing 11. The position is fixed by the upper end of the.
[0028]
The inner diameter of the O-ring 13 is set smaller than the inner diameter of the center-side bearing 11, and the inner-peripheral side of the O-ring 13 is always in sliding contact with the outer peripheral surface of the damper cylinder 5. When the outer peripheral surface collides, the elastic force of the O-ring 13 performs a buffering action so that no collision sound is generated.
[0029]
A muffling ring 15 is press-fitted and fixed to the inner peripheral surface of the outer tube 3 which is the upper part of the upper bearing 12.
[0030]
The muffling ring 15 is composed of an annular substrate 16 and an annular elastic body 17 made of natural rubber, synthetic rubber or synthetic resin joined to the inner periphery thereof.
[0031]
Also in this silencing ring 15, the inner diameter of the elastic body 17 is set to be smaller than the inner diameter of the upper bearing 12, and the inner circumferential surface of the elastic body 17 is always in sliding contact with the outer circumferential surface of the damper cylinder 5, so that the upper bearing When the outer peripheral surface of the damper cylinder 5 collides with the damper cylinder 12, a shock-absorbing action is performed by the elastic force of the elastic body 17 so that no collision sound is generated.
[0032]
At the upper open end of the outer tube 3, a cylindrical dust seal case 22 in which the dust seal 21 is press-fitted and fixed to the upper inner peripheral surface 21a is pressed into the outer peripheral surface of the outer tube 3 by pressing the lower inner peripheral surface 21b into the outer peripheral surface. The dust tube 21 is fixed to the outer tube 3 so that dust and dirt attached to the outer peripheral surface of the damper cylinder 5 by the dust seal 21 do not enter the outer tube 3.
[0033]
In the drawing, reference numeral 23 denotes a cushion rubber for preventing a direct collision between the damper cylinder 5 and the lower portion 7 of the outer tube 3.
[0034]
In the strut type shock absorber configured as described above, the outer tube 3 is mounted on the axle side via the knuckle bracket 1 and the damper cylinder 5 is mounted on the spring seat 2 with the coil spring (not shown) seated on the spring seat 2. When they are connected to the vehicle body via the vehicle, they become a part of a link constituting a suspension of the vehicle.
[0035]
Therefore, in the operating state of the suspension, the damper cylinder 5 repeats the operation of protruding and retracting from the outer tube 3 in accordance with the unevenness of the road surface, and the vibration from the road surface is transmitted to the vehicle body side by generating a predetermined damping force. It is preventing.
[0036]
Next, an assembling method including a welding and fixing method of the spring seat 2 in the strut type shock absorber will be described.
[0037]
First, as shown in FIG. 2, the fixing member 14, the O-ring 13, and the center bearing 11 are press-fitted to a predetermined position and fixed in the outer tube 3 in a state where the knuckle bracket 1 is fixed by welding in advance.
[0038]
Thereafter, the upper bearing 12 is press-fitted into the outer tube 3 and arranged at a position facing the position where the spring seat 2 is fixed by welding.
[0039]
Next, as shown in FIG. 3, the spring seat 2 is disposed at a predetermined position on the outer peripheral surface of the outer tube 3 using a jig or the like (not shown).
[0040]
In this state, an upper bearing is provided on the outer peripheral surface of the outer tube 3 to which the spring seat 2 is fixed by welding, that is, the inner peripheral surface of the outer tube 3 opposed to the outer peripheral surface of the outer tube 3 with which the lower end of the outer tube side mounting portion 2a contacts. 12 are in contact with each other, and are in pressure contact from the inside to the outside.
[0041]
Next, the welding device M is brought close to the boundary between the lower end of the outer tube-side mounting portion 2a and the outer peripheral surface of the outer tube 3, and both are welded and fixed.
[0042]
At this time, it is conceivable that the inner peripheral surface of the outer tube 3 is deformed into an uneven state due to the thermal influence at the time of welding, thereby impairing the smooth state. Since the upper-side bearing 12 is disposed on the surface and is pressed against the outside, deformation due to the above-described thermal influence can be prevented.
[0043]
After a lapse of a predetermined time, the muffling ring 15 is press-fitted and fixed to a predetermined position in the outer tube 3, a damper cylinder is inserted into the outer tube, and the base end of the piston rod 6 is fastened and fixed to the lower tub 7 with a screw 8. Finally, when the dust seal case 22 is pressed into the distal end of the outer tube 3, the strut type shock absorber of the present embodiment shown in FIG. 1 is assembled.
[0044]
As described above, according to the present embodiment, when the spring seat 2 is fixed to the outer peripheral surface of the outer tube 3 by welding, the upper bearing 12 is press-fitted and fixed so as to be disposed on the inner peripheral surface of the outer tube 3 facing the welded portion Y. Therefore, it is possible to reliably prevent the inner peripheral surface from being adversely affected by the heat during welding.
[0045]
Therefore, according to this structure, since post-processing as in the prior art is not required, the strut type shock absorber itself can be manufactured at a low cost by omitting the processing step.
[0046]
In particular, in the present embodiment, since the upper bearing 12 is formed in a cylindrical shape having a width wider than the welded portion Y of the spring seat 2, it is further ensured that the thermal influence during welding reaches the inner peripheral surface of the outer tube 3. Can be prevented.
[0047]
Note that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and may be modified as follows, for example.
[0048]
{Circle around (1)} In the present embodiment, the upper bearing 11 is press-fitted and fixed to the inner peripheral surface of the outer tube 3 facing the welded portion Y of the spring seat 2. Depending on the case, the central bearing 11 may be arranged.
[0049]
(2) In the present embodiment, the center bearing 12 is arranged on the inner peripheral surface of the outer tube 3 facing the welded portion Y of the spring seat 2. However, another member different from the bearing member is used as a deformation preventing member. You may use as.
[0050]
That is, as shown in FIG. 4, the deformation preventing member 25 is formed in a cylindrical shape wider than the welded portion Y of the spring seat 2, and is provided between the upper bearing 11 and the center bearing 12. The seat 2 is press-fitted and fixed to the inner peripheral surface of the outer tube 3 facing the welded portion Y.
[0051]
Also in this case, the same operation and effect as described above are exhibited, and if the bearing member is arranged on the inner peripheral surface of the outer tube 3 facing the welded portion Y of the spring seat 2, it is difficult to exhibit the function as the bearing member in terms of structure. It is effective in the case.
[0052]
{Circle around (3)} In the above embodiment, the bearing member and the deformation preventing member are press-fitted and fixed to the outer cylinder, but need not necessarily be fixed by press-fitting and may be fixed by bonding.
[0053]
【The invention's effect】
According to the present invention, the following effects can be obtained.
[0054]
According to the first aspect of the present invention, since the bearing member is disposed on the inner peripheral surface of the outer tube facing the welded portion of the spring seat, when the spring seat is welded and fixed to the outer peripheral surface of the outer tube, the outer part is heated by the welding. An adverse effect on the inner peripheral surface of the tube can be reliably prevented.
[0055]
According to the second aspect of the present invention, since the bearing member is formed in a cylindrical shape wider than the welded portion of the spring seat, it is possible to more reliably prevent the thermal influence during welding from reaching the inner peripheral surface of the outer tube. Can be.
[0056]
According to the third aspect of the present invention, since the deformation preventing member is arranged on the inner peripheral surface of the outer tube facing the welding portion of the spring seat, when the spring seat is welded and fixed to the outer peripheral surface of the outer tube, heat generated by the welding is used. Adverse effects on the inner peripheral surface can be reliably prevented.
[0057]
According to the fourth aspect of the present invention, since the deformation preventing member is formed in a cylindrical shape wider than the welded portion of the spring seat, it is possible to more reliably prevent the influence of heat during welding from reaching the inner peripheral surface of the outer tube. be able to.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part of a strut type shock absorber according to an embodiment of the present invention, showing only a left portion from a center line.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part showing only a left part from a center line showing a state in which a fixing member, an O-ring, a center side bearing, and an upper side bearing are pressed into an inner peripheral surface of an outer tube.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a main part showing only a left portion from a center line showing a state in which a spring seat is arranged in FIG. 2 and the spring seat and an outer tube are fixed by welding.
FIG. 4 shows another example of the present invention, and is a cross-sectional view of main parts showing only a left portion from a center line.
[Explanation of symbols]
2 Spring seat 3 Outer tube 5 Damper cylinder 6 Piston rod 7 Lower part 11 Central bearing (bearing member)
12 Upper bearing (bearing member)
25 Deformation prevention member D Damper Y Weld
