JP2004339492A - 1コート艶消しメタリック塗料 - Google Patents

1コート艶消しメタリック塗料 Download PDF

Info

Publication number
JP2004339492A
JP2004339492A JP2004121686A JP2004121686A JP2004339492A JP 2004339492 A JP2004339492 A JP 2004339492A JP 2004121686 A JP2004121686 A JP 2004121686A JP 2004121686 A JP2004121686 A JP 2004121686A JP 2004339492 A JP2004339492 A JP 2004339492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
resin
pigment
weight
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004121686A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Kato
隆顕 加藤
Toru Iwamoto
亨 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2004121686A priority Critical patent/JP2004339492A/ja
Publication of JP2004339492A publication Critical patent/JP2004339492A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 1回の塗装にて艶消し塗膜を得ることができて素材の隠蔽性に優れ、顔料の摩耗や脱落がなく意匠性が持続し、高耐候性、耐薬品性、耐ガソリン性、チッピング性に優れた艶消しメタリック塗料を提供すること。
【解決手段】 水酸基価が5〜200mgKOH/gであり且つ酸価が0〜100mgKOH/gである水酸基含有樹脂、硬化剤、及び水酸基含有樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対して、平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)
を3〜30重量部、紫外線吸収剤(B)を0.1〜10重量部含有する1コート艶消しメタリック塗料。
【選択図】なし

Description

本発明は、1回の塗装にて艶消し塗膜を得ることができ、素材の隠蔽性に優れ、顔料の摩耗や脱落がなく意匠性が持続し、耐候性に優れ、かつ耐ガソリン性、耐薬品性、耐チッピング性に優れた塗膜を形成可能な1コート艶消しメタリック塗料、及び該塗料を用いた塗膜形成方法に関する。
二輪車や自動車ボディの部品には新規な意匠性が求められており、艶消しメタリック塗膜もその1つである。しかし1回の塗装では素材を隠蔽できなかったり、塗膜表面に突出した顔料が洗車やワックス磨きによって研磨されて脱落し、経時で意匠性が変化する問題点があった。
従来アルミニウム顔料に有機又は無機の顔料を化学吸着させて着色し、さらに樹脂を被覆した着色アルミニウム顔料に関する発明[特許文献1]がある。
また特許文献1には、平均粒径が20μmを超えるアルミニウム顔料を使用して得られた着色アルミニウム顔料を塗料中に含有して得られるメタリック塗料は、華麗な色感の塗膜を形成することが記載されている。
しかし単に平均粒径が20μmを越える着色アルミニウム顔料を含有したメタリック塗料は、アルミニウム顔料が塗膜から突出することがあり、そのためアルミニウム顔料が摩耗したり、脱落したりして艶消し感の持続性に欠けるものであり、経時で光沢変化のない艶消し塗膜を維持できるものではない。
また平均粒径20〜100μmのアルミニウム系光輝性顔料を含有した艶消しベース塗料に関する発明[特許文献2]がある。特許文献2では、[0034]の「塗膜の形成」に記載されているように、ベース塗膜とクリヤ塗料の複層塗膜にて艶消し性を得るものであり、2回以上の塗膜が必要である。
他に、樹脂コートした平均粒径20〜100μmのアルミニウム系光輝性顔料を含有した艶消し複合塗膜形成用クリヤ塗料に関する発明[特許文献3]がある。特許文献3でも特許文献2と同様に、ベース塗膜とクリヤ塗料の複層塗膜にて艶消し性を得るものであり、2回以上の塗装が必要であって、二輪車や部品ラインにおける、省工程化、省スペース化には課題として残っていた。
たとえ、[特許文献2]のベース塗膜、又は[特許文献3]のクリヤ塗膜を単独で用いたとしても、洗車やワックス掛けの際に平均粒径20〜100μmのアルミニウム顔料などの光輝性顔料が脱落したり、塗膜から突出した部分が研磨されて、艶消し感が変化する。塗膜中で、アルミニウム顔料と樹脂との間にガソリンやワックスなどが侵入すると、塗膜劣化があった。
特公平6−92546号公報 特開2001−181573号公報 特開2001−200213号公報
1回の塗装にて艶消し塗膜を得ることができて素材の隠蔽性に優れ、顔料の摩耗や脱落がなく意匠性が持続し、耐候性、耐薬品性、耐ガソリン性、及びチッピング性に優れた艶消しメタリック塗料が求められていた。
本発明者らは鋭意検討した結果、水酸基含有樹脂、及び硬化剤に対して、平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)、紫外線吸収剤(B)を所定量含
有する1コート艶消しメタリック塗料によって、上記の課題を解決することを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.水酸基価が5〜200mgKOH/gであり且つ酸価が0〜100mgKOH/gである水酸基含有樹脂、硬化剤、及び該水酸基含有樹脂と該硬化剤の固形分合計100重量部に対して、平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)を3〜
30重量部、及び紫外線吸収剤(B)を0.1〜10重量部含有する1コート艶消しメタリック塗料、
2.水酸基含有樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対して、光安定剤(C)を0.1〜10重量部含有する1項に記載の1コート艶消しメタリック塗料、
3.樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)が、アルミニウム顔料の表面に重合性不飽和基を有するカルボン酸を熱重合して化学吸着させた後、着色顔料を吸着させてなる着色アルミニウム顔料(a)に共重合体樹脂を被覆してなる着色アルミニウム顔料である1項に記載の1コート艶消しメタリック塗料、
4.1項〜3項のいずれか1項に記載の1コート艶消しメタリック塗料を被塗物に1回塗装して、60度鏡面光沢値が60未満の塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法、5.1項〜3項のいずれか1項に記載の1コート艶消しメタリック塗料を被塗物に1回塗装して、60度鏡面光沢値が40未満の塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法、6.4項又は5項の塗膜形成方法にて得られた塗装物品、
に関する。
本発明の1コート艶消しメタリック塗料は、水酸基含有樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対して、平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)
を3〜30重量部、紫外線吸収剤(B)を0.1〜10重量部、好ましくは光安定剤(C)を含有する塗料であり、1回の塗装にて、意匠性、高耐候性、耐薬品性、耐ガソリン性、チッピング性に優れ、かつ60度鏡面光沢値が60未満、好ましくは40未満の艶消しメタリック塗膜が得られる。
従来のように、20μmを越える着色アルミニウム顔料を用いたのでは、塗膜の仕上り
性の目安である2次元表面粗度は、通常の塗装条件では、Ra=0.6を越える範囲であったが、本発明方法によれば、膜厚10〜50μm、好ましくは膜厚15〜40μmにて、Ra=0.1〜0.5の範囲の平準(フラット)で、かつ艶消し塗膜を形成することができた。
塗膜性能としては、艶消しメタリック感が持続し、耐ガソリン性、耐チッピング性、耐候性に優れる効果を見出せた。このことは、例えば、バイクのタンク部において、人の乗り降りによって塗膜が摩耗を受けても意匠性が持続し、ガソリンの飛散や石跳ね、及び太陽光の照射にも耐久性がある。
平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)を用いると本発明のような効果が見られることの理由として、アルミニウム顔料に被覆された共重合体樹脂の表面が、凹凸状となり(反応溶媒がミネラルスピリットなどで、共重合体樹脂にとって貧溶媒中であり、十分に溶解出来ずに粒子状になって重合するため凹凸状となる)、顔料粒子のお互いが噛み合うことから、顔料粒子の脱落が少なく意匠性を維持できる、紫外線吸収剤や光安定剤が流出しない、ガソリンが塗膜中に浸入し難い、チッピングに対する弾性を付与できる等の効果が挙げられる。
本発明の1コート艶消しメタリック塗料は、水酸基含有樹脂、硬化剤のほか、平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)、及び紫外線吸収剤(B)を含有し、さらに好ましくは光安定剤(C)を含有するものであり、有機溶剤型、又は水性のいずれでもかまわない。
樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A):
本発明の1コート艶消しメタリック塗料の組成を、以下に詳細に説明する。
まず樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)は、例えば、以下の工程1〜工程2によって得ることができる。
工程1:アルミニウム顔料に、重合性不飽和基を有するカルボン酸を熱重合(熱重合カルボン酸吸着処理)して化学吸着させた後、有機又は無機の着色顔料(例えば、銅フタロシアニン(青、緑)、ジケトピロロピロール(赤)、アゾメチン金属錯体(黄色)、酸化鉄、カーボンブラック、チタン白など)を吸着させて着色アルミニウム顔料(a)を得る工程である。
工程2:得られた着色アルミニウム顔料(a)に、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体を含有するラジカル重合性不飽和単量体類を重合開始剤とともに重合反応して得られたラジカル共重合性樹脂を着色アルミニウム顔料(a)に被覆する工程である。
以下、工程1および工程2について、さらに説明する。
上記工程1において、基材となるアルミニウム顔料の形状は、主として鱗片フレーク状の粉末または球状のアトマイズ粉末で、各粒の表面が平滑で乱反射の少ないものが望ましい。平均粒径は20μm未満、好ましくは5〜19μm、さらに好ましくは7〜18μmのものがよい。平均粒径が20μm以上となると塗膜表面における顔料の摩耗や脱落して、経時で意匠性が変化し易くなる。
上記樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)に用いる着色顔料は、水や有機溶剤に溶解しないものであれば、有機顔料、無機顔料のいずれでも良いが、熱重合カルボン酸を吸着処理をしたアルミニウム顔料に、安定的に吸着される着色顔料であることが必要である。
上記有機顔料の具体例としては、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ボルドー10B等のアゾレーキ系顔料;ブリリアントファストスカーレット、ファストイエローER、ナフトールレッドHFG、ファストイエローFGL、ジスアゾイエローHR、ピラゾイロンオレンジ等の不溶性アゾ系顔料;クロモフタルイエローGR、クロモフタルオレンジ4R、クロモフタルレッド144、クロモフタルスカーレッドRN、ク
ロモフタルブラウン5R等の縮合アゾ系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;アンスラピリジンイエロー,フラバントロンイエロー,アシルアミドイエロー、ピラントロンオレンジ、アントラントロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、イシビオランドロンブルー、インダントロンブルー等のスレン系顔料;インジゴブルー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ等のインジゴ系顔料;ペリノンオレンジ,ペリノンレッド等のペリノン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット、ペリレンマルーン、ペリレンブラウン等のペリレン系顔料;キノフタロンイエローその他のフタロン系顔料;ジオキサジンバイオレットその他のジオキサジン系顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ,キナクリドンスカーレット,キナクリドンマリーン等のキナクリドン系顔料;イソインドリノンイエロー,イソインドリノンレッド,イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料;ニッケルジオキシンイエロー,銅アゾメチンイエロー,ニッケルアゾイエロー等の金属錯体顔料等が挙げられる。
上記、無機顔料の例として、黄鉛、黄色酸化鉄、べんがら、コバルトブルー、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。
上記、有機溶剤として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、ゾルベンナトフサ、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
上記重合性不飽和基を有するカルボン酸は、重合性不飽和基とカルボキシル基とを有するものであり、例えば、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、メタクリル酸、アクリル酸;及びこれらの酸を熱重合させてなる重合物を挙げることができる。
上記重合物としては、例えば、アクリル酸と大豆油脂肪酸との重合物を挙げることができる。このような重合性不飽和基を有するカルボン酸を熱重合してアルミニウム顔料表面に化学吸着させる。
具体例としては、アルミニウム顔料10〜70重量部、重合性不飽和基を有するカルボン酸0.1〜10重量部、有機溶剤100重量部を配合し、温度50〜150℃の範囲で、アルミニウム顔料表面に重合性不飽和基を有するカルボン酸を化学吸着させ、次いで着色顔料を吸着させて着色アルミニウム顔料(a)を得ることができる。
工程2において、着色アルミニウム顔料(a)に、カルボキシル基含有ラジカル共重合性不飽和単量体を含有するラジカル共重合性不飽和単量体類を重合開始剤とともに添加して重合させて得られる共重合体樹脂を被覆することによって、樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)を得ることができる。
カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸、及びこれらの無水物やハーフエステル化物などのカルボキシル基含有単量体などが挙げられ、これらの一種、また二種以上を混合して用いる。
ラジカル共重合性不飽和単量体としてカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体と併用できる単量体としては、その他のラジカル重合性不飽和単量体、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物;
(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコールとのモノエステル化物があり、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート;他に、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のアルコキシエステル;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアクリル系単量体;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、「べオバ9」、「べオバ10」(いずれも油化シェルエポキシ)、塩化ビニル;例えば、イソシアネートエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の多官能単量体などを挙げることができる。
また重合開始剤としては、一般にラジカル発生剤として知られているものであればよく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等のパーオキサイド類、及びアゾビスイソブチロニトリル等があげられる。
樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)は、例えば、前記の着色アルミニウム顔料(a)100重量部に対して400〜2,000重量部の有機溶剤を添加し、攪拌しながらカルボキシル基含有ラジカル共重合性不飽和単量体を0.1〜30重量部、その他のラジカル共重合性不飽和単量体を5〜20重量部、重合開始剤0.1〜5重量部を添加してラジカル重合反応させることにより得られる。ラジカル重合反応の温度は、重合開始剤の種類によって異なるが、通常、30〜150℃の間で、反応時間は温度によって適宜選ばれるが30分〜10時間の範囲である。
本発明のメタリック塗料は、非架橋型(ラッカータイプ)及び架橋型のいずれのタイプであってもよい。
架橋型としては、例えば、熱硬化型、常温硬化型のいずれであってもよい。熱硬化型としては、例えば、水酸基含有樹脂(アクリル、ウレタン、エポキシ、ポリエステル等)と硬化剤(アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物)との組み合わせ、ポリカルボン酸樹脂とエポキシ硬化剤との組合わせ、エポキシ基体樹脂とポリカルボン酸硬化剤との組み合わせなどを挙げることができる。
これらの中でも水酸基含有樹脂を用い、硬化剤として、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂などを用いるものが一般的であり、以下に説明する。
水酸基含有樹脂は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有し且つ好ましくはさらに少なくとも1個のカルボキシル基を有する、水酸基価が5〜200mgKOH/g、好ましくは10〜120mgKOH/gであり且つ酸価が0〜100mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKOH/gである樹脂である。
水酸基価が5mgKOH/g未満では塗膜の付着性が低下し、200mgKOH/gを越えると塗料安定性が低下する傾向がある。また酸価が100mgKOH/gを越えると耐薬品性や耐ガソリン性などの塗膜性能が低下する傾向がある。
水酸基含有樹脂として、具体的には、水酸基及び場合によりカルボキシル基を含有する、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、などの樹脂が挙げられ、中でも耐候性の面から水酸基含有アクリル樹脂が好適である。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有ビニル系単量体を含有するラジカル共重合性ビニル系不飽和単量体類を通常の条件で(共)重合せしめることによって製造することができ、数平均分子量(注1)が1,000〜50,000、特に2,000〜20,000であるものが好ましい。
(注1)数平均分子量:JIS K 0124−83に準じて行ない、分離カラムに
TSK GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL
(東洋曹達(株)製)を用いて40℃で流速1.0ml/分、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレン
の検量線から計算により求めたものである。
上記水酸基含有重合性ビニル系単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20の2価のアルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物が挙げられる。
また、該水酸基含有重合性ビニル系単量体と共重合可能なその他のビニル系単量体には、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコールとのモノエステル化物;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和モノマー;イソシアネートエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート基含有不飽和モノマー;が包含され、具体的には、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
水酸基含有樹脂は、水性塗料として用いる場合には、水分散化又は水溶化を容易に行なうために、そこに含まれることがあるカルボキシル基の一部もしくはすべてを中和剤で中和することができる。
中和剤としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、エチレンジアミン、モルホリン、ピリジン、イソプロパノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどのアミン化合物が好適に使用できる。
次に、硬化剤について説明する。ポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中に2個以上の
遊離のイソシアネ−ト基を有する化合物および該ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がブロックされたブロック化ポリイソシアネート化合物を包含する。
メラミン樹脂としては、例えば、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコ−ルでエーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂があげられ、これらはトリアジン核は1〜5核体で、数平均分子量が300〜2000であることが好ましい。
これらは、メチロ−ル基がすべてエーテル化されているか、又は部分的にエーテル化され、メチロール基やイミノ基が残存しているものも使用できる。メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メラミン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化メラミンを挙げることができ、1種のみ、又は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明のメタリック塗料は、さらに紫外線吸収剤(B)を含有するものであり、本発明塗料から高耐候性でかつ艶消しのメタリック塗膜を得ることができる。
紫外線吸収剤(B)としては、例えば、ベンゾトリアゾ−ル系として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキ
シ−3′−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、イソオクチル−3[3−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−5tブチル−4ヒドロキシフェニルプロピオネートなど;
トリアジン系として、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−[4((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)−オキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−[4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンン2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなど;
他に、サリチル酸誘導体として、フェニルサリシレ−ト、p−オクチルフェニルサリシレ−ト、4−tert−ブチルフェニルサリシレ−トなど;
ベンゾフェノン系として、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2´−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレ−ト、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノ−ルモノベンゾエ−ト、2,4−ジベンゾイルレゾルシノ−ル、4,6−ジベンゾイルレゾルシノ−ル、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明塗料は、さらに必要に応じて、光安定剤(C)を含有することもでき、光安定剤(C)としては、具体的には、ヒンダードアミン系の光安定剤 (HALS) として、例えば、ヒンダードピペリジン類が挙げられ、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル) セバケート 、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(N−メチル−2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジニル) セバケート 、4−ベン
ゾイルオキシ−2,2´,6,6´−テトラメチルピペリジン、オリゴマー型のHALSであるポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) イミノ−1,3,5 −トリアジン−2,4 −ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ] ヘキサメチレン[(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル) イミノール]] (チバガイギー製 CHIMASSORB 944LD)
、4−ヒドロキシ−2,2,6,6 −テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとコハク酸とのポリエステル結合系を主構成成分とする光安定剤(C)(チバガイギー製 TINUVIN 622LD)
などが挙げられる。
また樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)との組み合わせにおいて、塗膜中の紫外線吸収剤(B)や光安定剤(C)が流出しないことから、耐候性の向上に寄与する効果も見出せた。
上記紫外線吸収剤(B)の配合量は、水酸基含有樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部あたり、紫外線吸収剤(B)の固形分合計で0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは0.8〜3重量部の範囲内が適当である。配合量が0.1重量部未満では耐候性の向上に効果がなく、10重量部を越えると塗料安定性を損なう。
必要に応じてその他の顔料(例えば、アルミニウムフレーク、銅ブロンズフレーク、雲母状酸化鉄、マイカフレーク、パール粉、金属酸化物を被覆した雲母状酸化等;着色顔料として、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、カーボンブラック等
の如き無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、アントラビリミジンイエロー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダスロンブルー、キナクリドンバイオレット等の如き有機顔料)、 クレー、マ
イカ、バリタ、タルク、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄などの防錆顔料、流動調整剤、顔料分散剤、顔料分散剤、可塑剤、硬化触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。
本発明のメタリック塗料が有機溶剤型塗料である場合、この有機溶剤型塗料で使用する溶剤として、塗料種によって適宜選択すれば良いが、具体的には炭化水素系(ヘキサン、ヘプタンなど)、アルコール系(プロパノール、ブタノールなど)、エーテル系(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル系(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブなど)などが挙げられる。上記塗料中の有機溶剤の含有量は約10〜95重量%、好ましくは約20〜90重量%が良い。
本発明のメタリック塗料が水性である場合は、樹脂を中和して得られる水分散体やエマルションを含有することが可能であり、耐候性の面から水分散性アクリル樹脂やアクリルエマルションを含有することが好ましい。
上記した有機溶剤型塗料や水性塗料以外にも無溶剤型液状塗料、活性エネルギー線硬化型塗料や粉体塗料の形態のものも使用することができる。本発明の1コート艶消しメタリック塗料を被塗物に塗布し、次いで室温乾燥、加熱乾燥もしくは活性エネルギー線照射を行うことによって硬化塗膜を形成することができる。
本発明のメタリック塗料の被塗物としては、特に制限はないが、アルミニウム、鉄鋼、亜鉛、錫、銅、ステンレスなどの金属基材、鉄鋼表面に亜鉛、錫、アルミニウム、クロムなどをメッキしたメッキ処理金属基材、鉄鋼などの表面をクロム酸、リン酸などで処理した化成処理金属基材などが挙げられる。具体的には、二輪車などの部品として、ガソリンタンク、タイヤカバーなどが挙げられ自動車部品として、バンパー、ドアミラーなどが挙げられる。
本発明の1コート艶消しメタリック塗料の塗装方法は、例えば刷毛塗り、スプレー吹き付け塗り、ローラー塗り、浸漬塗り、静電粉体塗装、または電着塗装などの手段などの手段で基材表面に塗布することができる。塗布量は塗料種、塗装手段、使用目的などによって異なる。
本発明方法において、塗膜を加熱して硬化乾燥する場合には、塗膜を加熱して硬化乾燥する場合には、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱等により、約80〜約170℃、好ましくは約120〜約160℃の温度で、約20分間〜約40分間程度加熱して同時に硬化させることができる。
本発明の1コート艶消しメタリック塗料は、1回の塗装にて、膜厚10〜50μm、好ましくは膜厚15〜40μmにて、60度鏡面光沢値が60未満、さらには60度鏡面光沢値が40未満の艶消し塗膜が得られる。得られた被塗物は、素材の隠蔽性に優れ、顔料の摩耗や脱落がなく意匠性が持続する。塗膜性能としては、耐候性、耐ガソリン性、耐チッピング性に優れるものである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例1 着色アルミニウム顔料No.1の製造
1,000mlのフラスコにミネラルスピリット400mlを入れ、これにアルミニウム顔料としてアルミニウムペースト574PS、(昭和アルミパウダー株式会社製、商品名、高輝度グレードフレーク状アルミニウムペースト、金属分75%、平均粒径13μm)105g、およびダイアシッド(播磨化成工業株式会社製、商品名、アクリル酸と大豆
油脂肪酸とを熱重合したカルボン酸(カルボン酸の重合体を含む))3.6gを加えた。
ガスを導入しながら90℃の温度を保持して1時間、攪拌した後、常温まで冷却し、これをろ過して、熱重合カルボン酸処理アルミニウム顔料を得た。
このアルミニウム顔料に吸着したダイアシッドは3.2gであった。また、250ml
のガラス瓶に径6mmのクロム鋼球を入れたポットミルに、ミネラルスピリット30ml、及びGREEN L8730(BASF社製、HELIOGEN、緑顔料)24g、及び顔料分散剤(花王株式会社製ホモゲノールL−100)0.5gを入れ、緑顔料を分散粉
砕した。
次いで、前記ダイアシッドを吸着したアルミニウム顔料508.6gおよび分散粉砕した着色顔料54.5gを三ツ口フラスコに700mlのミネラルスピリットとともに入れ、Nガスを導入しながら常温で10分間攪拌して着色顔料をダイアシッドの表面に吸着させて緑色アルミニウム顔料溶液を得た。
得られた緑色アルミニウム顔料溶液(緑色アルミニウム顔料として150gとなる量)をミネラルスピリット1600gの入った3つ口フラスコに入れ、さらにアクリル酸1.5gを添加して60°の温度で15分間攪拌した。
次いでトリメチロールプロパントリメタクリレート15g及びアゾビスイソブチロニトリル2.1gをそれぞれミネラルスピリット170gに溶解したものを添加して3時間かけて100℃に昇温して重合させ、緑色アルミニウム顔料の表面を樹脂で被覆した。これを濾過によって余分なミネラルスピリットを除去し、着色アルミニウム顔料No.1を製造した。
製造例2
製造例1のアルミニウムペースト574PS 105gに代えて、アルミニウムペースト725N(昭和アルミパウダー社製、商品名、高輝度グレードフレーク状アルミニウムペースト、金属分85.5%、平均粒径22μm)を140g用いる以外は、同様の操作にて、着色アルミニウム顔料No.2を得た。
製造例3
製造例1のアルミニウムペースト574PS 105gに代えて、アルミニウムペーストLB586N(昭和アルミパウダー社製、商品名、高輝度グレードフレーク状アルミニウムペースト、金属分77%、平均粒径27μm)を132g用いる以外は、同様の操作にて、着色アルミニウム顔料No.3を得た。
有機溶剤系の艶消しメタリック塗料
実施例1 艶消しメタリック塗料No.1の製造 (有機溶剤系)
水酸基含有アクリル樹脂(注2)70部(固形分)、ユーバン28−60(注3)30部(固形分)、着色アルミニウム顔料No.1 15部、チヌビン384(注9) 1部、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、芳香族炭化水素系溶剤)に混合し、粘度15秒/フォードカップ#4/20℃に調整することによって、艶消しメタリック塗料No.1を得た。
(注2)水酸基含有アクリル樹脂:攪拌機、温度計、還流冷却機等の備わった通常のアクリル樹脂反応槽に、スワゾール1000 55部、及びn−ブタノール5部を仕込み、加熱攪拌し、130℃に達してから下記の単量体混合物を3時間で滴下した。
スチレン 70部
ラウリルメタクリレート 7部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部
アクリル酸 3部
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル 6部
上記単量体混合物を滴下終了後、更に30分、130℃に保持した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.5部、及びスワゾール1000 20部の混合物を1時間要して滴
下した。その後1時間125℃に保ったまま攪拌を続けた後に冷却した。このものにスワゾール1000を35部、及びn−ブタノールを5部加え希釈し、固形分濃度50%、数平均分子量50000、水酸基価54mgKOH/gの水酸基含有アクリル樹脂を得た。
(注3)ユ−バン28−60:(三井サイテック社製、商品名、ブチルエーテル化
メラミン樹脂)
実施例2〜6 艶消しメタリック塗料No.2〜No.6の製造
表1の配合内容として、実施例1と同様の操作にて艶消しメタリック塗料No.2〜6を得た。
比較例1〜5 艶消しメタリック塗料No.7〜No.11の製造
表1の配合内容として、実施例1と同様の操作にて艶消しメタリック塗料No.7〜No.11を得た。
Figure 2004339492
(注4)フレンドカラーF500GR:昭和アルミパウダー社製、商品名、樹脂被覆された着色アルミニウム顔料、グリーン系着色アルミニウム顔料、平均粒径17μm
(注5)フレンドカラーF500BL:昭和アルミパウダー社製、商品名、樹脂被覆され
た着色アルミニウム顔料、ブルー系の着色アルミニウム顔料、平均粒径17μm
(注6)Pariocrom Orange L2800:BASF社製、商品名、オレンジ系の着色アルミニウム顔料、平均粒径18μm
(注7)アルペースト1950N:東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムペースト、平均粒径52μm
(注8)アルペーストTCR3010:東洋アルミニウム社製、商品名、アルミニウムペースト、平均粒径31μm
(注9)チヌビン384:チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名、紫外線吸収剤
(注10)サノールLS292:三共株式会社製、商品名、光安定剤
水性の艶消しメタリック塗料
製造例4 アクリルエマルションの製造
温度計、温度調節器、攪拌器、還流冷却器、および滴下装置、反応容器内に脱イオン水300部、25%リアソープSE−1025(界面活性剤、旭電化(株)製、商品名)4.8部を窒素気流中で攪拌混合し、82℃に昇温した。次いで下記組成の「モノマー乳化物1)」の3%分および1%過硫酸ナトリウム水溶液を60部反応容器内に導入し、20分間82℃で保持した。
次に、以下の「モノマー乳化物(1)」の残りに1%過硫酸ナトリウム水溶液を120部加え、これを4時間かけて定量ポンプで反応容器内に滴下した。滴下終了2時間熟成を行った後、1%ジメチルエタノールアミン水溶液282部を加え30分間82℃で保持した。30℃に冷却、200メッシュのナイロンクロスでろ過、排出し、脱イオン水で調整することによって、固形分40%、水酸基価48mgKOH/g、酸価31mgKOH/gのアクリルエマルションを得た。
「 モノマー乳化物 (1)」
脱イオン水 300部
25%SE−1025 43.2部
スチレン 180部
n−ブチルアクリレート 336部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 60部
アクリル酸 24部
製造例5 アクリル樹脂水溶液の製造
115℃に保ったブチルセロソルブ35部が入った反応容器中に、アクリル酸n-ブチ
ル16.7部、メタクリル酸メチル15部、スチレン30部、アクリル酸2−エチルヘキシル20部、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル12部、アクリル酸6.3部及びアゾイソブチロニトリル1部を加え、通常の条件で重合反応を行った。得られたアクリル樹脂は酸価が50mgKOH/g、水酸基価が50mgKOH/g、数平均分子量が45,000であった。
ついでこのアクリル樹脂のカルボキシル基をジメチルアミノエタノールで当量中和し、固形分が55%のアクリル樹脂水溶液を得た。
実施例7 艶消しメタリック塗料No.12の製造
製造例4で得られたアクリルエマルション30部(固形分)、製造例5で得られたアクリル樹脂水溶液35部(固形分)、サイメル325(注11)25部(固形分)、 及び
フレンドカラーF500BL(注5)15部の混合液を脱イオン水で調整し、粘度15秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整することによって、艶消しメタリック塗料No.9を得た。
実施例8、9
表2の配合にて、艶消しメタリック塗料No.13、No.14を得た。
比較例6〜10
表2の配合にて、艶消しメタリック塗料No.15〜No.19を得た。
Figure 2004339492
(注11)サイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基含有メラミン樹
脂)
試験用塗板の作成
パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、りん酸亜鉛処理)を施した亜鉛メッキ鋼板に、エレクロンGT−10LF(関西ペイント株式会社製、商品名、鉛フリー系のカチオン電着塗料)で、塗膜が20μmの電着塗板を用いた。
上記の試験用塗板に、艶消しメタリック塗料No.1〜No.19を30μm塗装し、10分間セッティングした。次に、140℃で20分間焼き付けて硬化させた。表3に、有機溶剤系塗料の試験結果を、表4に、水性塗料の試験結果を示す。
Figure 2004339492
Figure 2004339492
(注12)60度鏡面光沢値:塗膜の光沢の程度を、JIS K−5400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表した。
(注13)2次元表面粗度(Ra):電着塗膜の表面粗度でRa値を、サーフテスト301(MITSUTOYO社製、商品名、表面粗度計)でRa値を測定した。
(注14)耐摩耗性:試験塗板上に磨き砂(ダルマクレンザー)を水で混ぜたものをのせ、ネルを挟んだ摩擦試験機(スガ試験機株式会社社製、型式FR−2S)の試験機端子で押さえ、0.5kgの荷重をかけて25往復した後、塗面を観察した。評価基準は以下の通りである。
○は、塗面のツヤに変化が認められない、
△は、ツヤが認められる、
×は、ツヤが著しく認められる。
(注15)耐ガソリン性:試験板を水平に固定し、4つ折りにしたガーゼ(50×50mm)にレギュラーガソリンを約5ml染み込ませ、そのまま3分間放置する。その後、ガーゼを取り除き、ガソリンを別のガーゼでふきとった後の塗面の状態を観察する。
○は、異常なし
△は、塗膜の光沢に変化あり
×は、塗膜の光沢低下および塗膜の溶解が発生
(注16)耐チッピング性:飛石試験機 JA−400型(スガ試験機社製、商品名、
チッピング試験装置)の試片保持台に試験板を設置し、−20℃において、0.392MPa(4kgf/cm)の圧縮空気により粒度7号の花崗岩砕石50gを塗面に吹き付け、これによる塗膜のキズの発生程度などを目視で観察し評価した。
評価:塗膜状態
○は、キズの大きさは小さく、艶消しメタリック塗膜にキズがある程度
△は、キズは小さいが、電着塗膜が露出している
×は、キズは大きく、素地の鋼板も露出している
(注17)耐候性:促進耐候性試験には、JIS B 7754に規定されたスーパーキセノンウェザオメーター(商品名、スガ試験機社製)を使用し、1時間42分間のキセノンアークランプの照射と、18分間の降雨条件における同ランプの照射による2時間を1サイクルとして、300サイクル(600時間)の繰り返し試験の終了後に、実験室内に保管しておいた控え試験板との色差(ΔE)をカラービュー分光光度計(BYKガードナー
製)を用いて測定した。
1回の塗装にて艶消し塗膜を得ることができ、素材の隠蔽性、意匠性かつその意匠性が顔料の摩耗や脱落がなく持続し、さらには耐ガソリン性、耐チッピング性などの塗膜性能に優れた1コート艶消しメタリック塗料が得られる。

Claims (6)

  1. 水酸基価が5〜200mgKOH/gであり且つ酸価が0〜100mgKOH/gである水酸基含有樹脂、硬化剤、及び該水酸基含有樹脂と該硬化剤の固形分合計100重量部に対して、平均粒径20μm未満の樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)を3〜3
    0重量部、及び紫外線吸収剤(B)を0.1〜10重量部含有する1コート艶消しメタリック塗料。
  2. 水酸基含有樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部に対して、光安定剤(C)を0.1〜10重量部含有する請求項1に記載の1コート艶消しメタリック塗料。
  3. 樹脂被覆された着色アルミニウム顔料(A)が、アルミニウム顔料の表面に重合性不飽和基を有するカルボン酸を熱重合して化学吸着させた後、着色顔料を吸着させてなる着色アルミニウム顔料(a)に共重合体樹脂を被覆してなる着色アルミニウム顔料である請求項1に記載の1コート艶消しメタリック塗料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の1コート艶消しメタリック塗料を被塗物に1回塗装して、60度鏡面光沢値が60未満の塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の1コート艶消しメタリック塗料を被塗物に1回塗装して、60度鏡面光沢値が40未満の塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  6. 請求項4又は5の塗膜形成方法にて得られた塗装物品。
JP2004121686A 2003-04-23 2004-04-16 1コート艶消しメタリック塗料 Pending JP2004339492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004121686A JP2004339492A (ja) 2003-04-23 2004-04-16 1コート艶消しメタリック塗料

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003118099 2003-04-23
JP2004121686A JP2004339492A (ja) 2003-04-23 2004-04-16 1コート艶消しメタリック塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004339492A true JP2004339492A (ja) 2004-12-02

Family

ID=33543155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004121686A Pending JP2004339492A (ja) 2003-04-23 2004-04-16 1コート艶消しメタリック塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004339492A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013053235A (ja) * 2011-09-03 2013-03-21 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法
CN114466705A (zh) * 2019-10-14 2022-05-10 巴斯夫涂料有限公司 具有哑光和/或结构化金属效果的高光泽、可抛光的涂层及其制备方法
CN115260797A (zh) * 2022-08-12 2022-11-01 山东大学 一种彩色铝粉颜料的制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013053235A (ja) * 2011-09-03 2013-03-21 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法
CN114466705A (zh) * 2019-10-14 2022-05-10 巴斯夫涂料有限公司 具有哑光和/或结构化金属效果的高光泽、可抛光的涂层及其制备方法
CN115260797A (zh) * 2022-08-12 2022-11-01 山东大学 一种彩色铝粉颜料的制备方法
CN115260797B (zh) * 2022-08-12 2023-09-22 山东大学 一种彩色铝粉颜料的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5491865B2 (ja) 水性塗料組成物及び複層塗膜形成方法
KR101424410B1 (ko) 크로메이트 프리 도장 금속판
AU776925B2 (en) Method of forming composite coating film
JP6851329B2 (ja) 光輝性顔料含有水性ベースコート塗料、及びこれを用いた複層塗膜形成方法
JP7213085B2 (ja) 複層塗膜形成方法
CA2572854A1 (en) Thermosetting water-based coating composition and method of forming coating film
JP6037506B2 (ja) 多成分系の水性塗料組成物
WO2008013290A1 (fr) Composition aqueuse de revêtement
JP5950392B2 (ja) 水性塗料組成物
WO2011040640A1 (en) Aqueous coating composition
JP7318109B2 (ja) 光輝コート層を含む多層コーティングの生成方法及び前記方法で得られる多層コーティング
JP2007138089A (ja) アニオン電着塗料
JP6654331B2 (ja) 複層塗膜形成方法
AU2003200454B2 (en) Water-borne base coating composition for automobiles
JP2009114392A (ja) 水性中塗り塗料
US6726961B2 (en) Method of forming coating
CA2620913A1 (en) Method of forming a multi-layer coating on automobile bodies without a primer bake
JP5674601B2 (ja) 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2001311035A (ja) 塗膜形成方法
JP2004339492A (ja) 1コート艶消しメタリック塗料
CA2227843A1 (en) Aqueous coating and method for film formation using the same
JP4235476B2 (ja) 顔料分散用樹脂及びこれを含む水性顔料分散体
JP6696714B2 (ja) クリヤーコート塗料、及びこれを用いた複層塗膜形成方法
JP5920975B2 (ja) 顔料分散用樹脂
JP2009275170A (ja) ビニル系重合体の製造方法、該ビニル系重合体を含有する塗料及び該塗料を用いた塗膜の形成方法。