JP2004337177A - 脂質代謝改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、脂質代謝改善剤および機能性食品を提供することにある。
【解決手段】
結合リン脂質の含有量が10重量%以上である、タンパク質とリン脂質との結合物もしくはタンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物、該結合物からなる脂質代謝改善剤または該結合物を含有してなる機能性食品を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂質代謝改善剤および機能性食品に関する。
脂質代謝は、食物由来のトリグリセリドを主体とする脂肪を生体内で異化(分解)、同化(蓄積)する過程を指し、広義には脂質のエネルギー化反応、脂肪酸の生合成、アシルグリセロールの生合成、リン脂質の代謝、コレステロールの代謝等を含むものである(非特許文献1参照)。
近年、成人病、中でも心臓血管系の疾患による死亡率が急増している。そして、その発症の危険率と血中コレステロール濃度の相関が指摘されている。このような中、食品成分により血中コレステロール濃度を下げようという試みがなされている。例えば、血中のコレステロール濃度を下げるタンパク質として、ホエータンパク質(非特許文献2参照)、大豆タンパク質(非特許文献3参照)、乳清タンパク質(特許文献1参照)、大豆タンパク加水分解物(非特許文献4参照)等が知られている。
また、卵黄リン脂質が血中のコレステロール濃度を低下させることが知られている(非特許文献5参照)。
さらに、ラクトアルブミン、コラーゲン、大豆タンパク質または小麦グルテンと大豆レシチン(0、2.5および5%)との組み合わせにより血中のコレステロール濃度を低下させる試みがされている(非特許文献6参照)。
6%の大豆レシチンを含む組織状の大豆タンパク質を用いて血中のコレステロール濃度を低下させる方法が知られている(非特許文献7参照)。
特開平5-176713号公報 栄養学のための生化学、三崎旭著、朝倉書店、1993年、p.123-134 Agric. Biol. Chem., 1991年、第55巻, p.813 Atherosclerosis, 1988年、第72巻、p.115 J. Nutr., 1990年、第120巻, p.977 Agric. Biol. Chem., 1989年、第53巻, p.2469 Nutr. Rep. Int., 1983年、第28巻, p.621 Ann. Nutr. Metab., 1985年、第29巻, p.348
本発明の目的は、脂質代謝改善剤および機能性食品を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(16)に関する。
(1) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有してなる脂質代謝改善用食品。
(2) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有し、かつ脂質代謝改善のために用いられるものである旨の表示を付した食品。
(3) 結合物の含有量が0.1重量%以上である上記(1)または(2)の食品。
(4) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を添加してなる脂質代謝改善用食品。
(5) 本体、包装、説明書、宣伝物または宣伝用電子的情報に脂質代謝改善作用を表示した、上記(1)〜(4)のいずれか1つの食品。
(6) 食品が、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食またはドリンク栄養食である、上記(1)〜(5)のいずれか1つの食品。
(7) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有してなるコレステロール代謝改善用食品。
(8) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有し、かつコレステロール代謝改善のために用いられるものである旨の表示を付した食品。
(9) 結合物の含有量が0.1重量%以上である上記(7)または(8)の食品。
(10) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を添加してなるコレステロール代謝改善用食品。
(11) 本体、包装、説明書、宣伝物または宣伝用電子的情報にコレステロール代謝改善作用を表示した、上記(7)〜(10)のいずれか1つの食品。
(12) 食品が、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食またはドリンク栄養食である、上記(7)〜(11)のいずれか1つの食品。
(13) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を食品原料に添加することを特徴とする脂質代謝改善用食品の製造法。
(14) 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を食品原料に添加することを特徴とするコレステロール代謝改善用食品の製造法。
(15) 脂質代謝改善用食品の製造のための、結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の使用。
(16) コレステロール代謝改善用食品の製造のための、結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の使用。
本発明により、脂質代謝改善剤および機能性食品を提供することができる。
本発明は、結合リン脂質の含有量が10重量%以上である、タンパク質とリン脂質との結合物もしくはタンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物、該結合物からなる脂質代謝改善剤または該結合物を含有してなる機能性食品に関する。
タンパク質としては、動物、植物、微生物に由来するもの、好ましくは小麦、大豆、トウモロコシ、牛乳に由来するもの、より好ましくは小麦、大豆に由来するものが用いられる。このうち、小麦に由来するタンパク質としては、小麦グルテンがあげられる。小麦グルテン、大豆タンパク等は市販されていて容易に入手できる。
リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸等の他、これらの混合物であるレシチン等が用いられる。
レシチンとしては、動物、植物、微生物に由来するもの、好ましくは脳、肝臓、卵黄、大豆、酵母に由来するもの、より好ましくは大豆、卵黄に由来するものが用いられる。
レシチンは、そのままのものを用いてもよいが、ホスホリパーゼ等の酵素で処理して得られる酵素処理レシチンが好適に用いられる。これらは市販されていて容易に入手できる。
本発明で結合リン脂質とは、石油エーテル等の非極性有機溶媒で処理してもタンパク質と結合しているリン脂質をいう。
結合リン脂質量は、タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の総リン脂質量、および該結合物を石油エーテル等の非極性有機溶媒で処理すると該有機溶媒中に抽出されるリン脂質(以下、遊離リン脂質という)量をそれぞれ定量し、得られる総リン脂質量と遊離リン脂質量との差として算出する。
結合リン脂質の含有量は、結合物中に含まれる結合リン脂質量の割合(重量%)として算出する。
本発明の結合物は、結合リン脂質を10%以上、好ましくは10〜50%、より好ましくは20〜50%含有する。
タンパク質とリン脂質との結合物は、市販されているものを用いてもよいが、タンパク質とリン脂質とを、好ましくは水の存在下にて、混合攪拌機を用いて、タンパク質100重量部に対してリン脂質10〜100重量部の割合で混合することにより製造される。タンパク質100重量部に対して、リン脂質20〜50重量部、好ましくは30〜40重量部の割合で混合して本発明の結合物を製造すると、結合物中の結合リン脂質の含有量が高くなり、かつ結合リン脂質量が総リン脂質量に占める割合が高くなり、好ましい。この製造方法としては、タンパク質に、水に分散させたリン脂質分散液を添加し、室温にて、強力混合機(50〜200rpm)またはホモジナイザー(5,000〜15,000rpm )等を用いる混合する方法が例示される。
タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物は、タンパク質の加水分解物とリン脂質とを混合するか、タンパク質とリン脂質とを混合して得られる結合物のタンパク質部分を水性媒体中で加水分解して製造される。
タンパク質の加水分解物としては、タンパク質を水性媒体中でタンパク質加水分解活性を有する酵素または酸による処理等をして加水分解したものがあげられ、好ましくは加水分解物の中で分子量が5,000〜30,000、さらに好ましくは10,000〜20,000の水難溶性物があげられる。
この水難溶性物は、例えば、次の方法で得られる。タンパク質を水に分散させた後、塩酸または苛性ソーダにてタンパク質加水分解活性を有する酵素の至適pH域に調整する。タンパク質加水分解活性を有する酵素を基質タンパク質に対して0.5〜2%添加し、酵素の至適pH、至適温度で20〜30時間反応させる。反応後、85〜95℃で1時間程度加熱し、酵素反応を停止させた後、苛性ソーダまたは塩酸で中和する。ついで、遠心分離することにより水難溶性物を得る。
水性媒体としては、水、緩衝液、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類等があげられるが、水が好適に用いられる。
タンパク質加水分解活性を有する酵素としては、ペプシン、トリプシン、パンクレアチン、パパイン等があげられる。
タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物は、好ましくは水の存在下にて、混合攪拌機を用いてタンパク質の加水分解物とリン脂質とを、タンパク質の加水分解物100重量部に対してリン脂質10〜100重量部の割合で混合することにより製造できる。タンパク質100重量部に対して、リン脂質20〜50重量部、好ましくは30〜40重量部の割合で混合して本発明の結合物を製造すると、結合リン脂質の含有量が多くなり、かつ結合リン脂質量が総リン脂質量に占める割合が高くなり、好ましい。この製造方法としては、タンパク質の加水分解物に、水に分散させたリン脂質分散液を添加し、室温にて、強力混合機(50〜200rpm)またはホモジナイザー(5,000〜15,000rpm )等を用いる混合する方法が例示される。
タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物は、タンパク質の加水分解物の代わりにタンパク質とリン脂質との結合物を用いる以外は、タンパク質の加水分解物を製造するのと同様な方法を用いて該結合物のタンパク質部分を加水分解することにより、分子量5,000〜30,000、好ましくは10,000〜20,000の水難溶性物として製造することができる。この際、結合物のタンパク質部分の加水分解は、水性媒体中でタンパク質加水分解活性を有する酵素で処理して行うことが好ましい。
タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の製造方法としては、タンパク質とリン脂質とを混合して得られる結合物のタンパク質部分を水性媒体中で加水分解して製造する方法の方が、タンパク質の加水分解物とリン脂質とを混合して製造する方法よりも、タンパク質の回収率がよいなど好ましい。
本発明の結合物は、反応混合物としてそのまま、または反応混合物から結合物を単離、精製してこれを用いてもよいし、該反応混合物または該結合物を乾燥(凍結乾燥、噴霧乾燥等)処理した後に粉砕し、これを用いてもよい。
本発明の結合物のうち、タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の方が、タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物よりも脂質代謝を改善する効果において良好である。
本発明の脂質代謝改善剤は、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、腸溶剤、トローチ剤、ドリンク剤等いずれの剤形のものでもよい。
本発明の剤の投与形態は特に限定されないが、経口投与が好ましい。経口投与の場合は、本発明の組成物を、そのまま剤として投与してもよいが、食品または医薬として許容できる賦形剤とともに、一般的な製剤方法を用いて製剤化したものを投与してもよい。
賦形剤としては、ソルビトール、ラクトース、グルコース、乳糖等の糖類、デキストリン、澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等、一般に使用されているものであれば、いずれも用いることができる。
製剤化する際には、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることができる。
投与量は、年齢、性別、疾患の程度、投与形態、投与回数、剤形等により異なるが、成人を対象とする経口投与の場合、2〜100g/ 日を1 〜4 回に分けて投与するのが適当である。また、必要に応じて上記制限外の投与量を用いることもできる。
本発明の脂質代謝改善剤は、コレステロール代謝改善剤として用いられる他、脂肪肝、高血圧、高脂血症、動脈硬化症、肥満症、糖尿病、心筋梗塞等の疾患の治療および予防に用いることができる。
本発明の機能性食品は、結合リン脂質の含有量が10%以上であるタンパク質とリン脂質との結合物またはタンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を、食品原料に0.1%以上、好ましくは0.1〜50%、より好ましくは0.5〜30%含有するように添加し、一般的な食品の製造方法を用いることにより、加工、製造することができる。本発明の機能性食品には、さらに蛋白質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料等を配合してもよい。
本発明で機能性食品とは、食品成分の持つ生体防御、体調リズム調節、疾病の防止と回復等にかかる体調調節機能を生体に対して充分に発現できるように設計し、加工された食品をいう。
食品の種類としては、ジュース類、清涼飲料水、茶類、乳酸菌飲料、冷菓、乳、乳製品(バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂乳等)、畜肉、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ハンバーグ等)、魚肉、魚肉製品(蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、ソーセージ等)、卵、卵製品(だし巻き、卵豆腐等)、菓子類(クッキー、ゼリー、スナック菓子等)、パン類、麺類、漬物類、燻製品、干物、佃煮、塩蔵品、スープ類、調味料等があげられる。
本発明の機能性食品の形態としては、通常の食品の形態の他、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク栄養食等の形態があげられる。
本発明の機能性食品は、脂質代謝、特にコレステロール代謝を改善させるために用いる他、脂肪肝、高血圧、高脂血症、動脈硬化症、肥満症、糖尿病、心筋梗塞等の疾患の治療、予防または改善のために用いてもよい。この場合、成人の摂取量としては、2〜100g/ 日が好ましい。
次に、本発明の組成物の効果についての試験例を示す。
試験例1
試験方法
5週令のwistar系雄ラットを用い、市販の固形飼料(MF:オリエンタル酵母工業社製)を3日間与え、体重に有意差が生じないように1群6匹に分けて行った。各試験群に用いる飼料は、第1表に示すように、タンパク質はタンパク質レベルが20%となるように配合し、さらに各試験群の総重量が等しくなるようにシュークロースを添加して調製した。各試験群ともに飼料を等量ずつ与えて10日間飼育後、血清総コレステロール、血清HDL(High Density Lipoprotein) コレステロール、肝臓総コレステロールを測定した。
Figure 2004337177
結果を第2表に示す。
Figure 2004337177
表から明らかな如く、血清総コレステロールについては、試験群3および4は試験群2とほぼ同じ値であるが、血清HDLコレステロールについては、試験群1および2に比べて増加している。これら血清総コレステロールおよび血清HDLコレステロールの関係を動脈硬化指数で見ると、試験群3および4の動脈硬化指数は試験群1および2のそれに比べて大きくなっており、血清中のコレステロールが代謝改善されていた。さらに、肝臓総コレステロールについても、試験群3および4は試験群1および2に比べて減少していた。なお、試験群間で摂食量および体重増に有意な差は見られなかった。
試験例2
各試験群に用いる飼料として第3表に示す飼料を用いる以外は試験例1と同様に試験を行い、第4表に示す結果を得た。
Figure 2004337177
Figure 2004337177
表から明らかな如く、試験群6は試験群5と動脈硬化指数は同じであるが、肝臓総コレステロールは減少していた。なお、試験群間で摂食量および体重増に有意な差は見られなかった。
試験例3
各試験群に用いる飼料として第5表に示す飼料を用いる以外は試験例1と同様に試験を行い、第6表に示す結果を得た。
試験例1において、第5表に示す飼料を用いる以外は試験例1と同様に行い、第6表に示す結果を得た。
Figure 2004337177
Figure 2004337177
表から明らかな如く、試験群8および9は試験群7に比べて動脈硬化指数が大きくなっており、血清中のコレステロールが代謝改善されていた。さらに、肝臓総コレステロールについても、試験群8および9は試験群7に比べて非常に減少しており、また試験群8は試験群9より減少していた。なお、試験群間で摂食量および体重増に有意な差は見られなかった。
試験例4
試験例1において、第7表に示す飼料を用いる以外は試験例1と同様にして第8表に示す結果を得た。
Figure 2004337177
Figure 2004337177
表から明らかな如く、試験群12〜14は試験群10および11に比べて動脈硬化指数が大きくなっており、血清中のコレステロールが代謝改善さていた。さらに、肝臓総コレステロールについても、試験群12〜14は試験群10および11に比べて減少しているが、中でも特に試験群13は顕著に減少していた。なお、試験群間で摂食量および体重増に有意な差は見られなかった。
以下に、実施例および比較例によって本発明の態様を説明する。
レギュラーグルテンA(小麦グルテン:ブンゲ社製、結合リン脂質含量:0.3%)1kgにエルマイザーAC(酵素処理レシチン:協和発酵工業社製)の5%水分散液2.4Lを加えた。これをパン用ミキサーにて室温で10分間混捏(100r.p.m.) して反応混合物を製造した。これを凍結乾燥した後粉砕して、約1.1kgのタンパク質・リン脂質結合体(結合リン脂質含量:10%、遊離リン脂質含量:1.0%)を得た。
プロミックP(分離大豆タンパク質:協和発酵工業社製、結合リン脂質含量:1.0%)1kgに、エルマイザーACの2.5%分散液10Lを加えた。これを室温にて10分間高速攪拌(10,000r.p.m.) して反応混合物を製造した。これを凍結乾燥した後粉砕して、1.1kgのタンパク質・リン脂質結合体(結合リン脂質含量:20%、遊離リン脂質含量:1.0%)を得た。
実施例2において、エルマイザーACの代わりにSLP−ホワイト(精製大豆レシチン:ツルーレシチン社製)を用いる以外は実施例2と同様にして、約1.1kgのタンパク質・リン脂質結合体(結合リン脂質含量:20%、遊離リン脂質含量:1.0%)を得た。
実施例1で得られたタンパク質・リン脂質結合体1kgを9Lの水に分散した後、2N塩酸でpH2に調整した。ペプシン[活性度;1:10,000(活性度1:10,000とは塩酸酸性、50℃において2時間に本品1gが10,000gの卵白タンパク質を加水分解する活性をあらわす)、ナカライテスク社]をタンパク質・リン脂質結合体に対して1%添加し、37℃で24時間反応した後、90℃で1時間加熱して反応を停止した。この液を2N苛性ソーダで中和した後、遠心分離した。得られた沈殿物に水を加え再び遠心分離した。この操作を2回繰り返して沈殿物の洗浄を行った。これを凍結乾燥した後に粉砕して、水に難溶性を示すタンパク質・リン脂質結合体のタンパク質加水分解物(分子量:約15,000、結合リン脂質含量:10%、遊離リン脂質含量:0.3%)を200g得た。分子量の測定はソジウムドデシルスルフェート(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による(以下、分子量の測定は同方法による)。
実施例4において、実施例1で得られたタンパク質・リン脂質結合体の代わりに実施例2で得られたタンパク質・リン脂質結合体を用いる以外は実施例4と同様に行い、水に難溶性を示すタンパク質・リン脂質結合体のタンパク質加水分解物(分子量:約15,000、結合リン脂質含量:20%、遊離リン脂質含量:0.5 %)を200g得た。
原料タンパク質および得られたタンパク質・リン脂質結合体のタンパク質加水分解物に含まれるタンパク質について、それぞれケルダール法を用いて含窒素含量を測定した。これに換算計数として6.25を乗じてタンパク質の重量とし、原料タンパク質に対する該タンパク質加水分解物に含まれるタンパク質の回収率を算出したところ、19.1%であった。
実施例4において、実施例1で得られたタンパク質・リン脂質結合体の代わりに実施例3で得られたタンパク質・リン脂質結合体を用いる以外は実施例4と同様に行い、水に難溶性を示すタンパク質・リン脂質結合体のタンパク質加水分解物(分子量:約15,000、結合リン脂質含量:20%、遊離リン脂質含量:0.5 %)を200g得た。
レギュラーグルテンA(結合リン脂質含量:0.3%)1kgを9Lの水に分散した後、2N塩酸でpH2に調整した。ペプシン(活性度;1:10,000、ナカライテスク社)をレギュラーグルテンAに対して1%添加し、37℃で24時間反応した後、90℃で1時間加熱して反応を停止した。この液を2N苛性ソーダで中和した後、遠心分離した。得られた沈殿物に水を加え再び遠心分離した。この操作を2回繰り返して沈殿物の洗浄を行った。これを凍結乾燥した後、粉砕し200gのタンパク質加水分解物(分子量:約15,000)を得た。このタンパク質加水分解物200gにエルマイザーACの2.5%分散液、1.0 Lを加え、高速攪拌(10,000r.p.m.) して反応混合物を製造した。これを凍結乾燥した後粉砕して、220gのタンパク質加水分解物・リン脂質結合体(結合リン脂質含量:10%、遊離リン脂質含量:1.0 %)を得た。
プロミックP(結合リン脂質含量:1.0 %)1kgを9Lの水に分散した後、2N塩酸でpH2に調整した。ペプシン(活性度;1:10,000、ナカライテスク社)をプロミックPに対して1%添加し、37℃で24時間反応した後、90℃で1時間加熱して反応を停止した。この液を2N苛性ソーダで中和した後、遠心分離した。得られた沈殿物に水を加え再び遠心分離した。この操作を2回繰り返して沈殿物の洗浄を行った。これを凍結乾燥した後、粉砕し200gのタンパク質加水分解物(分子量:約15,000)を得た。このタンパク質加水分解物200gにエルマイザーACの2.5%分散液、2.0 Lを加え、高速攪拌(10,000r.p.m.) して反応混合物を製造した。これを凍結乾燥した後粉砕して、250gのタンパク質加水分解物・リン脂質結合体(結合リン脂質含量:20%、遊離リン脂質含量:1.0 %)を得た。
原料タンパク質および得られたタンパク質加水分解物・リン脂質結合体に含まれるタンパク質について、実施例5と同様な方法を用いて原料タンパク質に対するタンパク質加水分解物・リン脂質結合体に含まれるタンパク質の回収率を算出したところ、12.4%であった。
実施例8において、エルマイザーACの代わりにSLP−ホワイトを用いる以外は実施例8と同様にして250gのタンパク質加水分解物・リン脂質結合体(結合リン脂質含量:20%、遊離リン脂質含量:1.0%)を得た。
比較例1
プロミックP(結合リン脂質含量:1.0 %)1kgとSLP−ホワイト250gを混合し、1250gのタンパク質とリン脂質との混合物(結合リン脂質含量:0.8%,遊離リン脂質含量:20%)を得た。
比較例2
レギュラーグルテンA(結合リン脂質含量:0.3%)1kgとエルマイザーAC110gを混合し、1110gのタンパク質と酵素処理レシチンとの混合物(結合リン脂質含量:0.3%,遊離リン脂質含量:10%)を得た。
比較例3
プロミックP(結合リン脂質含量:1%)1kgを9Lの水に分散した後、2N塩酸でpH2に調整した。ペプシン(活性度;1:10,000、ナカライテスク社))をプロミックPに対して1%添加し、37℃で24時間反応した後、90℃で1時間加熱して反応を停止した。この液を2N苛性ソーダで中和した後、遠心分離した。得られた沈殿物に水を加え再び遠心分離した。この操作を2回繰り返して沈殿物の洗浄を行った。これを凍結乾燥した後、粉砕し200gのタンパク質加水分解物(分子量約15,000)を得た。ついで、得られたタンパク質加水分解物1kgとSLP−ホワイト250gとを混合してタンパク質加水分解物とリン脂質との混合物1250g(結合リン脂質含量:0.8 %,遊離リン脂質含量:20%)を得た。
次の配合によりハンバーグ(2人前)を製造する。
たまねぎ : 1/2個
挽き肉 : 100g
水 : 29.2g
ラード : 11.8g
実施例5で得られた水難溶性物: 9g
卵 : 1個
パン粉 : 少量
調味料 : 少量
次の配合によりクッキー(30個分)を製造する。
薄力粉 : 100g
澱粉 : 74g
水 : 14g
実施例5で得られた水難溶性物: 9g
ベーキングパウダー: 小さじ2
塩 : 小さじ1/2
卵 : 1個
バター : 80g
牛乳 : 大さじ2
ハチミツ : 少量
次の配合により飲料用粉末プロティンを製造する。
実施例5で得られた水難溶性物: 80g
カゼインナトリウム: 17.5g
L−バリン: 0.5g
ピロリン酸第2鉄(鉄源): 0.1g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ社)
: 1g
ビタミンミックス(メルク社): 1g
飲料にする場合には、本品20gを水180mlに分散させる。
次の配合により錠剤(タブレット錠)を製造する。
実施例5で得られた水難溶性物: 2 g
粉糖: 2.6g
アスコルビン酸: 150mg
クエン酸: 0.1g
ショ糖ステアリン酸エステル: 150mg
香料: 15mg
本発明によれば、脂質代謝改善剤および機能性食品を提供することができる。

Claims (16)

  1. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有してなる脂質代謝改善用食品。
  2. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有し、かつ脂質代謝改善のために用いられるものである旨の表示を付した食品。
  3. 結合物の含有量が0.1重量%以上である請求項1または2記載の食品。
  4. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を添加してなる脂質代謝改善用食品。
  5. 本体、包装、説明書、宣伝物または宣伝用電子的情報に脂質代謝改善作用を表示した、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品。
  6. 食品が、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食またはドリンク栄養食である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品。
  7. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有してなるコレステロール代謝改善用食品。
  8. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を含有し、かつコレステロール代謝改善のために用いられるものである旨の表示を付した食品。
  9. 結合物の含有量が0.1重量%以上である請求項7または8記載の食品。
  10. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を添加してなるコレステロール代謝改善用食品。
  11. 本体、包装、説明書、宣伝物または宣伝用電子的情報にコレステロール代謝改善作用を表示した、請求項7〜10のいずれか1項に記載の食品。
  12. 食品が、自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食またはドリンク栄養食である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の食品。
  13. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を食品原料に添加することを特徴とする脂質代謝改善用食品の製造法。
  14. 結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物を食品原料に添加することを特徴とするコレステロール代謝改善用食品の製造法。
  15. 脂質代謝改善用食品の製造のための、結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の使用。
  16. コレステロール代謝改善用食品の製造のための、結合リン脂質の含有量が20〜50重量%である、植物タンパク質とリン脂質との結合物または植物タンパク質の加水分解物とリン脂質との結合物の使用。
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