JP2004336567A - 画像作成装置及び方法、立体画像表示システム並びにコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば輝度変調型の表示装置に表示される複数の画像を比較的容易に作成可能とする。
【解決手段】画像作成装置(1)は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置(100)に表示される複数の画像を作成するための画像作成装置であって、表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段(12)と、表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段(16)と、観察パラメータに応じて、基本画像情報より、表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段(15)と、観察パラメータに応じて定まる元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と元画像とに基づいて、複数の画像を作成する表示画像作成手段(17、18)とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】画像作成装置(1)は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置(100)に表示される複数の画像を作成するための画像作成装置であって、表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段(12)と、表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段(16)と、観察パラメータに応じて、基本画像情報より、表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段(15)と、観察パラメータに応じて定まる元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と元画像とに基づいて、複数の画像を作成する表示画像作成手段(17、18)とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば輝度変調型の表示装置において重ねて表示される複数の画像を作成可能な画像作成装置及び方法、立体画像表示システム並びに該画像作成装置において用いられるコンピュータプログラムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、観察者の視線上に相前後して複数の画像を重ねて表示することで、観察者は、奥行方向には離散的であるが、それら複数の画像を立体的な画像として視覚することが可能とされている。又、その離散的な状態を改善するために、複数の画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体的な画像を表示することが可能となる。そして、これら複数の画像を表示可能な表示装置として、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここに、上述の複数の画像は、該複数の画像により実現される立体的な画像の奥行の位置に応じて、適切な輝度の状態を有する必要がある。しかしながら、このような適切な輝度の状態を有する複数の画像を作成することは現実には困難であるという技術的な問題点を有している。例えば、複数の画像の夫々が表示されるディスプレイ毎に、奥行の位置及び複数の画像が相前後する間隔等に基づいて、適切な輝度を算出(或いは、計算)する必要がある。加えて、カラー表示の場合には、RGB各色について、適切な輝度を算出する必要がある。
【0005】
即ち、例えば、複数のディスプレイの夫々について、各ディスプレイの画素毎に、RGB各色の夫々について、その奥行の位置に応じた適切な輝度を算出する必要がある。このような適切な輝度の算出は、例えばコンピュータによる大量の計算を必要とし、その結果、立体表示用の複数の画像を容易に作成することが困難という技術的な問題点を有している。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えば輝度変調型の表示装置に表示される複数の画像を比較的容易に作成可能な画像作成装置及び方法、該画像作成装置を用いた立体画像表示システム並びに該画像作成装置において用いられるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像作成装置は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成手段とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項8に記載の画像作成装置は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得手段と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項17に記載の画像作成方法は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得工程と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得工程と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成工程と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成工程とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項18に記載の画像作成方法は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得工程と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成工程と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成工程とを備える。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項19に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項1から7のいずれか一項に記載の画像作成装置における前記画像取得手段、前記パラメータ取得手段、前記元画像作成手段及び表示画像作成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項20に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項8から16のいずれか一項に記載の画像作成装置における前記画像取得手段、前記フィルター作成手段及び前記画像合成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項21に記載の立体画像表示システムは、請求項1から16のいずれか一項に記載の画像作成装置及び前記表示装置を具備してなる。
【0014】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0016】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成手段とを備える。
【0017】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態によれば、観察パラメータにより指定される観察条件を反映した適切な立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0018】
具体的には、先ず、画像取得手段が基本画像情報を取得する。ここに、基本画像情報とは、立体表示の対象たる表示対象物を特定することが可能な画像情報である。係る基本画像情報は、例えば3次元の画像情報を有していることが好ましい。そして、基本画像情報は、例えば表示対象物をスチルカメラ、ビデオカメラ等により撮影した画像情報であってもよいし、或いはユーザ等が例えばコンピュータ等を用いて作成した画像情報であってもよい。これらの基本画像情報は、本実施形態に係る画像作成装置が備える、例えばハードディスク等の記録媒体に予め格納されており、使用の都度読み込むように構成してもよい。或いは、基本画像情報を使用する都度、例えば外部より(例えば、ネットワーク経由や衛星放送又は地上放送経由で、或いはリムーバルな情報記録媒体から)入力されるように構成してもよい。
【0019】
その後、パラメータ取得手段が観察パラメータを取得する。この観察パラメータは、仮想観察者が表示対象物を観察する際の観察条件を示すものであって、例えば後述の如く、表示対象物を観察する仮想観察者の視線、視野(或いは、視野角)、或いは表示対象物が配置されている空間等を指定する値を含んでなるものである。ここに、本発明における「仮想観察者」とは、表示対象物が配置されている空間上において、仮想的に該表示対象物を視覚する者を示す。対して、本発明に係る「観察者」とは、視線上で重ねて表示される複数の画像により実現される立体的な画像を視覚する者を示す趣旨である。即ち、例えば仮想観察者の視点から見た(或いは、撮影等した)表示対象物を立体的に表示し、観察者が係る立体的に表示された表示対象物を視覚することとなる。尚、「仮想観察者」と「観察者」とは一般には、表示対象物を基準として同一位置に存在しないが、理想的な「観察者」であれば、両者は同一位置に存在してもよく、この場合には両者を同一物扱いしてもよい。
【0020】
そして、係る観察パラメータは、例えば基本画像情報を作成するコンテンツ業者等のオーサ側にて予め作成された或いは指定されたパラメータであってもよいし、本実施形態に係る画像作成装置のユーザ(或いは、観察者)が独自に作成した或いは設定したパラメータであってもよい。更に、該観察パラメータは、基本画像情報に含まれた状態で(或いは、基本画像情報の一部として)当該画像作成装置に入力される構成であってもよい。この場合、パラメータ取得手段は、当該画像作成装置に入力される基本画像情報に係る、例えば入力信号を解析等して、観察パラメータに関する情報を取得する。或いは、観察パラメータと基本画像情報とは、夫々独立の情報として入力される構成であってもよい。或いは、後述の如く、観察パラメータは、外部入力手段によって、例えばユーザが随時入力する構成であってもよい。
【0021】
そして、元画像作成手段の動作によって、該取得された観察パラメータの示す条件に応じて、基本画像情報より例えば2次元の画像情報たる元画像が作成される。即ち、例えば3次元の画像情報たる基本画像情報から、観察パラメータの示す条件(例えば、特定の視点から或いは特定の観察位置から等の条件)により特定される表示対象物を示す元画像を作成する。
【0022】
その後、奥行情報及び元画像に基づいて、表示画像作成手段によって、表示対象物に係ると共に立体表示用に重ねて表示されるべき、例えば輝度を適切に夫々反映した複数の画像が作成される。
【0023】
ここに、奥行情報は、仮想観察者から元画像までの距離等により特定される、元画像の奥行位置を示しており、パラメータ取得手段により取得された観察パラメータの示す条件に応じて定まる。即ち、仮想観察者から元画像に対応する表示対象物の部分までの距離等により特定される、元画像の奥行位置を示している。
尚、表示画像作成手段は、元画像を所定の大きさを有する部分単位で細分化した場合の、少なくとも一部の部分毎(例えば、後述の如く表示手段の画素毎)に定まる奥行情報に基づいて立体表示用の複数の画像を作成することが好ましい。
【0024】
そして、奥行情報は例えば奥行方向の座標により示されてもよい。このとき、仮想観察者から見て近くにある表示対象物を示す元画像(或いは、その部分)については、係る座標は相対的に小さな座標値を示し、一方仮想観察者から見て遠くにある表示対象物を示す元画像(或いは、その部分)については、係る座標は相対的に大きな座標値を示すこととなる。
【0025】
このような表示画像作成手段は、例えば、後述のように奥行情報及び元画像に基づいてフィルター画像を作成するフィルター画像作成部と、該フィルター画像と元画像とを合成する画像合成部とからなる。いずれの場合であっても、例えば従来例の如く奥行の位置及び複数の画像が相前後する間隔等に基づいて適切な輝度を算出するような複雑高度な処理を必要とすることなく、比較的容易にして奥行情報が適切に反映された立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0026】
以上の結果、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態によれば、例えば3次元の画像情報たる基本画像情報から、立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。即ち、例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に輝度変調型の表示装置において表示出力される立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0027】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の一の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として前記仮想観察者の観察位置に関する情報を取得する。
【0028】
この態様によれば、観察パラメータとして、表示対象物を観察する仮想観察者の観察位置に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る観察位置を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る観察位置に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。
【0029】
例えば、元画像作成手段は、観察位置から観察される表示対象物の態様を元画像として作成する。或いは、表示画像作成手段は、観察位置から近い或いは遠いことを示す奥行情報に基づいて複数の画像を作成する。
【0030】
従って、観察位置を観察パラメータとして取得することで、観察位置により示される条件を反映した適切な立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0031】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記仮想観察者の視線に関する情報を取得する。
【0032】
この態様によれば、観察パラメータとして、表示対象物を観察する仮想観察者の視線に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る仮想観察者の視線を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る観察者の視線に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。例えば、表示画像作成手段は、視線に沿った奥行方向において適切に定まる奥行情報に基づいて複数の画像を作成することが可能となる。
【0033】
これにより、仮想観察者の観察している方向(即ち、視線)により示される条件を反映した適切な立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0034】
或いは、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記仮想観察者の視野に関する情報を取得するように構成してもよい。
【0035】
このように構成すれば、観察パラメータとして、表示対象物を観察する仮想観察者の視野(或いは、視野角)に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る仮想観察者の視野を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る仮想観察者の視野に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。
【0036】
例えば、表示対象物のある部分が仮想観察者の視野に含まれていなければ、元画像作成手段は、仮想観察者の視野に含まれない部分に対応する元画像を作成しない構成であってもよい。又、表示画像作成手段も同様に、仮想観察者の視野に含まれない部分に対応する元画像に係る奥行情報を考慮することなく複数の画像を作成する構成であってもよい。これにより、元画像作成手段或いは表示画像作成手段は、必要最低限の部分に係る表示対象物を考慮するのみで足り、その結果、処理パフォーマンスを向上させることが可能となる。
【0037】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記表示対象物が配置される座標系に関する情報を取得する。
【0038】
この態様によれば、観察パラメータとして、表示対象物が配置されている空間の座標系に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る座標系を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る座標系に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。
【0039】
例えば、表示対象物が3次元の直交座標系に配置されていることを観察パラメータが示していれば、元画像作成手段は、係る座標系により特定される表示対象物の座標に基づいて元画像を作成することが可能となる。又、表示画像作成手段は、係る座標系により特定される表示対象物の座標に応じて定まる奥行情報に基づいて、複数の画像を作成する。従って、表示対象物が配置される座標系に関する条件も反映した適切な立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0040】
尚、観察パラメータにより特定可能な座標系は、例えば極座標系であってもよいし、或いはこれらに限らず、表示対象物が配置されている空間或いは該表示対象物の配置位置を特定可能な座標系であればよい。
【0041】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記観察パラメータを外部より指定可能な外部入力手段を更に備えており、前記パラメータ取得手段は、該外部入力手段により指定された観察パラメータを取得する。
【0042】
この態様によれば、例えばリモコン等を含んでなる外部入力手段を用いて、例えばユーザ(或いは、観察者)が観察パラメータ(即ち、仮想観察者の観察条件)を所望の値に指定することが可能となる。例えば上述の如く、仮想観察者の観察位置、視線、視野或いは表示対象物が配置されている座標系等を示す観察パラメータの値を、ユーザの所望の値に設定することが可能となる。
【0043】
従って、例えばユーザ毎に、元画像の態様を変化させ、更にこれに加えて或いは代えて元画像の奥行情報に適宜変更を加えることが可能となる。従って、例えば後述の如く、立体表示用の複数の画像を作成する場合において、ユーザの所望の立体感を有する3次元画像を作成することが可能となる。
【0044】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記表示画像作成手段は、前記複数の画像を夫々表示出力する表示手段の画素毎に定まる前記奥行情報に基づいて、前記複数の画像を作成する。
【0045】
この態様によれば、画素毎に奥行の位置を特定することが可能となるため、より微細な部分に至る立体感を、例えばブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示手段上において再現することが可能となる。
【0046】
尚、複数の画素が集合してなる画素ブロック毎に定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する構成であってもよい。係る奥行情報により、例えば後述の如く実現される立体的な画像に相応の立体感を与えることが可能となる。加えて、表示画像作成手段の処理パフォーマンスを向上させることが可能という実践上大きな利点を有することとなる。
【0047】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記表示画像作成手段は、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備えている。
【0048】
この態様によれば、フィルター作成手段と画像合成手段とを備えた表示画像作成手段により、例えば2次元の画像情報たる元画像と該元画像の3つ目の次元に相当する情報(例えば、座標等)を示す奥行情報とを用いて、例えば輝度変調型の表示装置において表示される、立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0049】
具体的には、フィルター作成手段は、奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成するための複数のフィルター画像を作成する。この複数のフィルター画像は、例えば、奥行情報と、観察者の側から見た場合の複数の画像の表示順序とに基づいて作成される。そして、複数のフィルター画像は、該複数のフィルター画像の夫々を、元画像上に重ねて合成する(或いは、マージする)ことで、立体表示用の複数の画像が作成されるように作成されることが好ましい。そして、このような複数のフィルター画像は、例えば、後述の如く所定の透過率を有するフィルター画像であってもよいし、或いは白黒の階調を有するモノクロ画像であってもよい。更に、観察者の視線上において重ねて表示される複数の画像と同数のフィルター画像が作成されることが好ましい。
【0050】
その後、画像合成手段により、元画像上に複数のフィルター画像を夫々重ねて合成することで、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。例えば、一のフィルター画像と他のフィルター画像の2つのフィルター画像が作成されていれば、元画像上に一のフィルター画像を重ねて合成すると共に、元画像上に他のフィルター画像を重ねて合成することで、立体表示用の2つの画像を作成することが可能である。そして、画像合成手段により作成された複数の画像を、例えば観察者の視線上において相前後して配置された複数のディスプレイを備えた輝度変調型の表示装置に表示することで、観察者は立体的な画像として視覚することが可能となる。
【0051】
これにより、フィルター画像を元画像に重ねて合成することで立体表示用の複数の画像を作成できるため、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に輝度変調型の表示装置において表示される複数の画像を作成することが可能となる。
【0052】
本発明の画像作成装置に係る第2実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得手段と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備える。
【0053】
本発明の表示装置に係る第2実施形態によれば、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態のフィルター作成手段及び画像合成手段を備えた態様の場合と概ね同様に、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0054】
第2実施形態では特に、画像取得手段が取得する元画像には予め奥行情報が付加されている。係る奥行情報は、上述の如く立体表示用の画像たる複数の画像を表示する表示手段の画素毎に対応する元画像の奥行位置を示していてもよい。このため、奥行情報を改めて作成することなく、比較的容易に複数の画像を作成することが可能となる。尚、この場合も、予め付加されている奥行情報は、例えば観察者の観察位置、視線、視野或いは表示対象物の配置されている座標系等を考慮して作成されていてもよい。
【0055】
この元画像は、例えばユーザ自身が作成するものであってもよいし、或いは例えばコンテンツ業者等のオーサ側にて予め作成されるものであってもよい。そして、係る元画像は、本実施形態に係る画像作成装置が備える、例えばハードディスク等の記録媒体に予め格納されていてもよいし、元画像を使用する都度、例えば外部より入力されるように構成してもよい。
【0056】
以上の結果、第2実施形態に係る画像作成装置によれば、2次元の画像情報たる元画像を取得する形態であっても、第1実施形態と同様の利益を享受することが可能となる。
【0057】
本発明の画像作成装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、白黒の階調を有するモノクロ画像を作成する。
【0058】
この態様によれば、白黒の階調によって表現されているモノクロ画像を元画像に重ねることで、元画像の輝度(即ち、明るさ)を変化させることが可能となる。これにより、比較的容易に輝度変調型の表示装置に用いられる立体表示用の画像を作成することが可能となる。
【0059】
本発明の画像作成装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、該少なくとも一つのフィルター画像の少なくとも一部の領域を示す部分単位毎に所定の透過率を有する画像を作成する。
【0060】
この態様によれば、所定の透過率を有するフィルター画像を元画像に重ねることで、元画像の輝度を比較的容易に変化させることが可能となる。例えば、フィルター画像のうち50パーセントの透過率を有する部分単位が重ねられた元画像は、その部分の輝度が当初の輝度と比較して半分の(即ち、50パーセントの)輝度となる。或いは、例えばフィルター画像のうち100パーセントの透過率を有する部分単位が重ねられた元画像は、その部分の輝度を変化させることはない。従って、相前後して表示出力される複数の画像の輝度を適切に且つ比較的容易に調整することが可能となる。
【0061】
これにより、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、より容易に立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0062】
上述の如く所定の透過率を有するフィルター画像を作成する画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、前記複数の画像のうち少なくとも一つを表示出力する表示手段の画素毎に、前記所定の透過率を有する画像を作成する。
【0063】
このように構成すれば、画素毎に適切に輝度調整された複数の画像を作成することが可能となる。従って、観察者は、より高精度に立体感のある立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0064】
尚、複数の画素が集合してなる画素ブロック毎に所定の透過率を有するフィルター画像を作成する構成であっても、例えば後述の如く実現される立体的な画像に相応の立体感を与えることが可能となる。加えて、フィルター作成手段の処理パフォーマンスを向上させることが可能という実践上大きな利点を有することとなる。
【0065】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち相対的に前記観察者に近い側に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像を作成する場合には、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に手前側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を高くし、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に奥側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも他の一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を低くして前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0066】
このように構成すれば、観察者の視線上において相前後して表示出力される複数の画像のうち、相対的に観察者に近い側に表示出力される画像を作成することが可能となる。
【0067】
具体的には、フィルター作成手段は、奥行情報から、表示対象物の少なくとも一部が、仮想観察者の側から見て相対的に手前側にあるか、或いは奥側にあるかを認識する。そして、相対的に手前側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を高くし、一方相対的に奥側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を低くすることで、フィルター画像を作成する。
【0068】
従って、透過率が高いフィルター画像の部分単位が重ねられた元画像の少なくとも一部は、観察者の側から見てより近い側にあるかのように視覚されることとなる。又、透過率が低いフィルター画像の部分単位が重ねられた元画像のうち少なくとも一部は、観察者の側から見てより遠い側にあるかのように視覚されることとなる。
【0069】
そして、このように作成された複数の画像により、観察者はより適切に立体感のある立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0070】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち相対的に前記観察者から遠い側に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像を作成する場合には、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に手前側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を低くし、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に奥側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも他の一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を高くして前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0071】
このように構成すれば、相前後して表示出力される複数の画像のうち、相対的に観察者に遠い側に表示出力される画像を作成することが可能となる。
【0072】
具体的には、フィルター作成手段は、奥行情報から、表示対象物の少なくとも一部が、仮想観察者の側から見て相対的に手前側にあるか、或いは奥側にあるかを認識する。そして、相対的に手前側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を低くし、一方相対的に奥側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を高くすることで、フィルター画像を作成する。
【0073】
そして、このように作成された複数の画像(即ち、相対的に観察者から遠い側に表示出力される画像)と、例えば上述のように作成された相対的に観察者に近い側に表示出力される画像とを観察者の視線上において重ねて表示することで、観察者はより適切に立体感のある立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0074】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記元画像に、前記表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分が含まれているか否かを判定する判定手段と、該判定手段により前記他の画像部分が含まれていると判定された場合には、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち、前記観察者の側から見たときの表示順序と、前記観察者の側とは反対の側から見たときの表示順序とが相等しい2つの画像を作成するための前記複数のフィルター画像のうち2つのフィルター画像を作成する場合、該2つのフィルター画像の対応する前記部分単位の透過率が相互に反転した関係にあるように作成するよう構成してもよい。
【0075】
このように構成すれば、例えば元画像が表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分を含んでいるか否か(即ち、表示対象物が表示されていない部分が存在するか否か)を判定することが可能となる。そして、当該他の画像部分が存在していれば、フィルター作成手段は、上述の2つのフィルター画像を作成する場合には、2つのフィルター画像のうち一のフィルター画像を作成すれば、該フィルター画像の所定の透過率が相互の反転した関係にある画像を作成することで、2つのフィルター画像のうち他のフィルター画像も作成することが可能となる。
【0076】
従って、フィルター作成手段のフィルター画像作成に要する処理コストを低減することが可能となる。このため、フィルター作成手段の処理パフォーマンスを向上させることが可能という大きな利点を有することとなる。
【0077】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記奥行情報を入力データとして、前記所定の透過率を出力データとする関数による演算を行うことで、前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0078】
このように構成すれば、奥行情報を変数とする関数を用いた演算により、比較的容易に所定の透過率を有する複数のフィルター画像を作成することが可能となる。これにより、フィルター作成手段の処理パフォーマンスの向上を図ることで、例えばフィルター画像の作成においてリアルタイム処理が要求される場合であっても、その要求を満たすことが可能であるという大きな利点を有することとなる。
【0079】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記所定の透過率は、前記奥行情報が示す奥行の位置に比例してその値を変化させるように構成してもよい。
【0080】
このように構成すれば、例えば比較的容易な関数を用いることで、透過率の演算に係る処理コストを低減することが可能となる。この場合、複数のフィルター画像のうち、元画像の同一部分に重なる夫々の部分単位の透過率の合計は、例えば100パーセントになっていることが好ましい。但し、合計が100パーセントでなくともよい。
【0081】
更に、所定の透過率が奥行情報に比例しなくとも、奥行情報により所定の透過率が一義的に定まればよい。
【0082】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記奥行情報に対応付けられた前記所定の透過率を示すテーブルに基づいて前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0083】
このように構成すれば、奥行情報と所定の透過率が対応付けられたテーブルを参照することで、比較的容易に複数のフィルター画像を作成することが可能となる。
【0084】
本発明の画像作成方法に係る第1実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得工程と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得工程と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成工程と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成工程とを備える。
【0085】
本発明の画像作成方法に係る第1実施形態によれば、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態と同様に、観察パラメータの値に応じて作成される元画像及び該元画像の奥行位置を示す奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0086】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の各種態様に対応して、本発明の画像作成方法に係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0087】
本発明の画像作成方法に係る第2実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得工程と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成工程と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成工程とを備える。
【0088】
本発明の画像作成方法に係る第2実施形態によれば、本発明の画像作成装置に係る第2実施形態と同様に、予め奥行情報が付加された元画像を用いて複数のフィルター画像を作成し、該複数のフィルター画像の夫々を元画像に重ねることで、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0089】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態の各種態様に対応して、本発明の画像作成方法に係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0090】
本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態は、コンピュータを上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態(各種態様を含む)における前記画像取得手段、前記パラメータ取得手段、前記元画像作成手段及び前記表示画像作成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0091】
本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態を比較的容易に実現できる。
【0092】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0093】
本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態によれば、コンピュータを上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態(各種態様を含む)における前記画像取得手段、前記フィルター作成手段及び前記画像合成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0094】
本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態を比較的容易に実現できる。
【0095】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0096】
本発明の立体画像表示システムに係る実施形態の態様は、上述の第1又は第2実施形態の各種態様に記載の画像作成装置及び前記表示装置を具備してなる。
【0097】
本発明の立体表示システムに係る実施形態の態様によれば、適切な立体表示用の画像を作成し、且つ該作成した立体表示用の画像を表示することが可能となる。
【0098】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされよう。
【0099】
以上、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態によれば、画像取得手段、パラメータ取得手段、元画像作成手段及び表示画像作成手段を備えている。又、本発明の画像作成装置に係る第2実施形態によれば、画像取得手段、フィルター作成手段及び画像合成手段を備えている。又、本発明の画像作成方法に係る第1実施形態によれば、画像取得工程、パラメータ取得工程、元画像作成工程及び表示画像作成工程を備えている。又、本発明の画像作成方法に係る第2実施形態によれば、画像取得工程、フィルター作成工程及び画像合成工程を備えている。
【0100】
このため、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に輝度変調型の表示装置において表示出力される立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0101】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の画像作成装置に係る実施例を説明する。
【0102】
(画像作成装置の基本構成)
先ず、図1を参照して本発明の画像作成装置に係る実施例の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の画像作成装置に係る実施例の基本構成を示すブロック図である。
【0103】
図1に示すように、画像作成装置1は、CPU10、RAM11、ハードディスク12、入力部13、ディスプレイ14、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17、画像合成部18、画像出力部19及びデータバス20から構成されている。
【0104】
CPU10は、画像作成装置1全体の動作を制御するものであって、係るCPU10の制御の下で、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17、画像合成部18及び画像出力部19の夫々は動作を実行する。加えて、CPU10は、ハードディスク12、入力部13及びディスプレイ14の動作を制御可能に構成されていてもよい。
【0105】
RAM11は、CPU10が動作をする場合にその作業領域を提供するものである。更に、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17及び画像合成部18の夫々が動作する場合においても、その作業領域を提供するものであってもよい。
【0106】
ハードディスク12は、例えば表示対象物を特定する3次元の画像情報たる基本画像を記録する磁気記録媒体であって、該基本画像を随時読込可能に構成されている。即ち、本発明に係る「画像取得手段」の一例としての作用を有する。元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17或いは画像合成部18は、必要に応じて当該ハードディスク12より基本画像を読み込み、夫々の動作(即ち、処理)を行う。
【0107】
尚、ハードディスク12には、該基本画像に対応した観察パラメータが記録されていてもよい。この場合、観察パラメータ取得部16は、ハードディスク12より観察パラメータを取得する。
【0108】
入力部13は、ユーザの操作を画像作成装置1に入力可能に構成されている。
例えば、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネル或いはボタン等を含んで構成されている。例えば、上述の観察パラメータを入力可能であってもよいし、或いはこれに限らず画像作成装置1の動作を制御する指示を入力可能であってもよい。
【0109】
ディスプレイ14は、例えば画像作成装置1の動作をユーザに視覚的に認識されうるように表示するものであって、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶表示ディスプレイ等の各種ディスプレイを含んで構成されている。そして、ユーザは、ディスプレイ14に表示されている動作内容を確認して、例えば入力部13より画像作成装置1の動作を制御する指示を入力してもよい。
【0110】
元画像作成部15は、ハードディスク12に記録されている基本画像より、例えば2次元の画像情報であって、立体表示用の複数の画像作成時にフィルター画像と重ねて合成される元画像を作成可能に構成されている。更に、元画像作成部15は、観察パラメータに基づいて特定される元画像を作成可能に構成されていることが好ましい。
【0111】
観察パラメータ取得部16は、元画像及びフィルター画像作成の際に用いられる各種観察パラメータを取得可能に構成されている。ここに、観察パラメータは、表示対象物が配置されている座標系空間において、該表示対象物を視覚する仮想的な観察者の観察条件を示すものである。そして、該取得された観察パラメータを、元画像作成部15及びフィルター画像作成部17の夫々へ出力可能に構成されている。この観察パラメータは、例えばハードディスク12に予め記録されているパラメータを取得してもよいし、入力部13からユーザによって入力されるパラメータを取得してもよい。
【0112】
フィルター画像作成部17は、観察パラメータに応じて定まる奥行情報に基づき、立体表示用の複数の画像を作成するために用いられるフィルター画像を作成することが可能なように構成されている。そして、該作成したフィルター画像を、例えば画像合成部18へ出力可能に構成されている。尚、その動作内容については、後に詳述する(図4等参照)。
【0113】
更に、フィルター画像作成部17は、元画像から奥行情報を作成することが可能に構成されていてもよい。この場合、観察パラメータ取得部16から取得した観察パラメータの値に応じて、奥行情報の作成が可能なように構成されていることが好ましい。
【0114】
画像合成部18は、例えば元画像作成部15により作成された元画像と、フィルター画像作成部17により作成された複数のフィルター画像とを合成し、立体表示用の画像を作成することが可能なように構成されている。そして、該合成した立体表示用の画像を、画像出力部19へ出力可能に構成されている。
【0115】
画像出力部19は、画像合成部18にて作成した立体表示用の画像を、例えば輝度変調型の表示装置(例えば、後述の立体表示システム100)へ出力可能に構成されている。
【0116】
尚、上述の元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17及び画像合成部18の夫々は、マイコン等のハードウェアにより実現されてもよいし、或いはCPU10上で動作するコンピュータプログラムによりCPU10内に論理的に構成されてもよい。
【0117】
データバス20は、CPU10、RAM11、ハードディスク12、入力部13、ディスプレイ14、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17、画像合成部18及び画像出力部19の夫々が相互に入出力するデータの伝送経路を提供する。
【0118】
以上説明した画像作成装置1により、後述の動作が実行されることで、例えば輝度変調型の表示装置に表示される複数の画像たる立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0119】
(画像作成装置の動作原理)
続いて、図2から図10を参照して、本発明の画像作成装置に係る実施例の動作原理について説明する。尚、本実施例では、観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力される立体表示用の2つの画像を作成するための動作について説明する。即ち、後述の如く作成された2つの画像は、例えば2つのディスプレイを有する表示装置に表示されることで、観察者は該2つの画像を立体的な画像として視覚することとなる。
【0120】
先ず、図2及び図3を参照して、表示対象物に係る具体的な元画像について説明する。ここに、図2は、表示対象物を概念的に示す模式図であり、図3は、図2に示す表示対象物に係る元画像を概念的に示す模式図である。
【0121】
図2に示すように、表示対象物としてその表面に線状の模様を有する球が存在しているとする。係る球は、3次元の直交座標系上において示されており、仮想的な観察者は、z軸に平行な視線Lによりこの球100全体を観察している。即ち、この場合、後述の観察パラメータとして、直交座標系に対する球の位置関係及び視線Lを示す情報が、観察パラメータ取得部16により取得されることとなる。
【0122】
尚、観察パラメータとして、例えば、仮想的な観察者の視野、観察位置等を取得可能な構成であってもよい。そして、表示対象物が示される座標系は、直交座標系に限らず、例えば極座標系等の任意の座標系を利用可能である。
【0123】
従って、係る観察パラメータに基づいて、元画像作成部15の動作により、図3に示すような元画像が作成される。即ち、視線Lより仮想的な観察者に視覚される表示対象物を平面的に示した画像が、元画像として作成される。
【0124】
続いて、図4から図10を参照して、画像作成装置1が、図2に示す表示対象物を用いて立体表示用の画像を作成する場合の動作について説明する。
【0125】
先ず、図4から図6を参照して、立体表示用の画像作成の全体動作について説明する。ここに、図4は、本発明の画像作成装置に係る実施例の動作を示すフローチャートであり、図5は、本発明の画像作成装置に係る実施例の動作のうち、フィルター画像の作成に係る動作を示すフローチャートであり、図6は、基本画像より奥行情報を作成する動作例を概念的に示す模式図である。
【0126】
図4に示すように、画像作成装置1は、基本画像を取得する(ステップS11)。ここでは、例えばCPU10の動作によりハードディスク12に記録されている基本画像が例えば元画像作成部15或いはパラメータ取得部16等に出力される。
【0127】
そして、CPU10の制御の下で、観察パラメータ取得部16は観察パラメータを取得する(ステップS12)。係る観察パラメータは基本画像の内容に応じて例えば画像作成装置1のユーザにより指定されたものであってもよいし、オーサ側により予め指定されたものであってもよいし、そのいずれもがハードディスク12に記録されていてもよい。或いは、入力部13より入力される観察者の指示を、観察パラメータとして随時取得してもよい。
【0128】
具体的には、この場合、上述の如く3次元の直交座標系と表示対象物との位置関係及び仮想的な観察者の視線Lを示す情報が観察パラメータとして取得されることとなる。
【0129】
そして、観察パラメータにより定まる観察条件に基づき、表示対象物に係る元画像を作成する(ステップS13)。この場合、元画像作成部15により、図3に示す元画像が作成される。
【0130】
その後、フィルター画像作成部17が、ステップ13において作成された元画像と、観察パラメータに応じて定まる元画像の奥行位置を示す奥行情報とに基づいて、複数のフィルター画像(本実施例においては、2つのフィルター画像)を作成する(ステップS14)。尚、このフィルター画像の作成については、後に詳述する(図5等参照)。
【0131】
そして、CPU10の制御の下で画像合成部18が、元画像上に2つのフィルター画像を夫々重ね合わせて合成することで、立体表示用の画像(本実施例においては、2つの画像)を作成する(ステップS15)。尚、係る重ね合わせは、フィルター画像及び元画像の対応する部分単位毎或いは画素毎に適切に重ねられることが好ましい。
【0132】
そして、ステップS15にて作成された立体表示用の2つの画像は、画像出力部19により、表示装置へ出力され、立体的な画像として観察者に視覚されることとなる。
【0133】
続いて、図5を参照して、図4のステップS14におけるフィルター画像作成動作について説明する。
【0134】
図5に示すように、例えばCPU10の制御の下で、フィルター画像作成部17は、元画像の少なくとも一部の領域の奥行位置を示す奥行情報を作成する(ステップS21)。即ち、図3に示す元画像について、例えば後述の前画面101及び後画面102の画素毎に、いずれの奥行位置に存在するかを判断する。例えば、図3に示す元画像においては、その中心部は手前側に存在し、周辺部に行くに従って相対的に奥側に存在する元画像であると、フィルター画像作成部17は認識する。このため、係る位置関係を適切に示す奥行情報が作成される。
【0135】
このとき、フィルター画像作成部17は、図6に示すように、観察者の視線Lに沿って、図2に示す表示対象物を奥行方向に、その奥行位置をスキャンしていくようにして奥行情報を作成してもよい。尚、図6は、図2に示す表示対象物をy軸と平行な視線より見た場合の画像を示すものである。この場合、例えば、仮想観察者の側から一定の幅を取りながら、スキャン面を徐々に奥側へ移動させる。そして、観察者に近い側のスキャン面と接する元画像から順に奥行情報(例えば、z軸における座標値)を付与していく。例えば、観察者に近い側のスキャン面に接する元画像に対して、より小さなz座標値を付与し、視線Lの奥側へ進むにつれ、より大きなz座標値を付与することが好ましい。
【0136】
尚、この奥行情報は、立体表示用の画像を表示するためのディスプレイの画素単位で分割した元画像の部分単位毎に作成されることが好ましい。これにより、画素毎に適切にその奥行位置を特定することが可能となる。従って、後述の如く、観察者に対してより立体感を感じさせることの可能な立体表示用の画像を作成することが可能となる。尚、一の表示画面内の複数の画素が集合してなる画素ブロック毎に奥行情報を作成する構成であっても、後述の如く、観察者に対して相応に立体感を感じさせることの可能な立体表示用の画像を作成することが可能となる。
【0137】
尚、ステップS11にて取得する画像情報は、3次元の画像情報たる基本画像に限らず、奥行情報が付加された元画像を示す情報であってもよい。この場合、図4に示すステップS12及びステップS13、並びに図5に示すステップS21は実行されることなく、元画像に付加されている奥行情報に基づいて、直接フィルター画像を作成することが可能となる。
【0138】
再び図5において、ステップS21にて作成した奥行情報を透過率に変換し、例えば画素毎に所定の透過率を有したフィルター画像を作成する(ステップS22)。このとき、フィルター画像作成部17は、例えばRAM21に記録されている奥行情報と透過率の対応付けを示す関数に基づいて、例えば演算により奥行情報を透過率に変換することが好ましい。そして、CPU10の制御により、前画面或いは後画面の画素単位で透過率への変換が終了しているか否かを判定する(ステップS23)。
【0139】
この判定の結果、全ての画素単位で透過率への変換が終了していなければ(ステップS23:No)、透過率の変換が行われていない画素の変換を行う。他方、全ての画素単位で透過率への変換が終了していれば(ステップS23:Yes)、フィルター画像作成処理を終了し、図4のステップS15へ進む。
【0140】
ここで、奥行情報から透過率の変換動作について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、奥行情報に対応している透過率の一の例を示すグラフであり、図8は、奥行情報に対応している透過率の他の例を示すグラフである。
【0141】
図7に示すように、観察者に近い側のディスプレイ(即ち、後述の前画面101)に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像作成用の関数と、観察者から遠い側のディスプレイ(即ち、後述の後画面102)に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像作成用の関数とを示すグラフに基づいて、フィルター画像作成部17は、奥行情報を透過率に変換可能である。尚、図7においては、奥行情報の座標の値に応じて、観察者に最も近い側の奥行を0%とし、観察者から最も遠い側の奥行を100%として示している。即ち、本実施例に係る画像作成装置により作成される立体表示用の画像を表示する二つのディスプレイのうち、観察者に近い側にあるディスプレイ(以下、適宜“前画面”と称する)の位置を0%とし、観察者から遠い側にあるディスプレイ(以下、適宜“後画面”と称する)の位置を100%としている。但し、横軸を奥行情報(例えば、z軸上における座標値)として当該関数を示していてもよい。
【0142】
例えば、奥行情報が、「元画像の所定の部分単位(例えば、画素単位)は奥行30%の位置において立体的に表示される」ということを示しているとする。即ち、当該所定の部分の前画面からの距離と後画面からの距離との比が3:7の位置に存在することを示しているとする。この場合、前画面における立体表示用の画像を作成するためのフィルター画像を作成するために、元画像の所定の部分単位に対応するフィルター画像の所定の部分単位の透過率は70%として算出される。一方、後画面における立体表示用の画像を作成するためのフィルター画像を作成するために、元画像の所定の部分単位に対応するフィルター画像の所定の部分単位の透過率は30%として算出される。
【0143】
係る奥行情報の透過率への変換を、例えば元画像の部分単位毎に(即ち、例えば立体表示用の画像が表示されるディスプレイの画素単位毎に)行ない、前画面に表示される画像作成用のフィルター画像と、後画面に表示される画像作成用のフィルター画像とを作成する。
【0144】
尚、奥行情報と透過率との対応付けを示す関数は、図7に示すような一次関数に限られず、例えば図8に示すようにその変化が一定でなくとも、任意の変化率を有する関数を組み合わせてもよい。即ち、透過率と奥行との対応付けが可能な関数であればよい。加えて、同一の奥行情報における前画面用のフィルター画像の透過率と、後画面用のフィルター画像の透過率との和が100%となることが好ましい。但し、例えばディスプレイのガンマカーブ等の特性によっては、その和が100%になるものでなくともよい。
【0145】
更に、フィルター画像作成部17は、図7及び図8に示す関数に基づかなくとも、例えば奥行情報と透過率との対応付けを示すテーブルに基づいて複数のフィルター画像を作成してもよい。係るテーブルは、例えばRAM11等に記録されていることが好ましい。
【0146】
加えて、フィルター画像作成部17は、図5のステップS21における奥行情報の作成と同時に、該奥行情報を透過率に変換しフィルター画像を作成する構成であってもよい。
【0147】
このようにして作成された2つのフィルター画像の具体例を図9及び図10
を参照して説明する。ここに、図9(a)及び図9(b)は、作成されたフィルター画像の一の例を概念的に示す模式図であり、図10(a)及び図10(b)は、作成されたフィルター画像の他の例を概念的に示す模式図である。
【0148】
図9(a)及び図9(b)に示すように、図3に示す元画像に対して、2つのフィルター画像が作成される。前画面用のフィルター画像は、元画像の奥行情報が相対的に手前側にあることを示している部分についての透過率を高く、逆に元画像の奥行情報が相対的に奥側にあることを示している部分についての透過率を低くして作成されている。
【0149】
一方、後画面用のフィルター画像は、元画像の奥行情報が相対的に手前側に有ることを示している部分についての透過率を低く、逆に元画像の奥行情報が相対的に奥側にあることを示している部分についての透過率を高くして作成されている。
【0150】
尚、図3に示す元画像においては、その表示対象物が存在しない部分については、当該部分に対応するフィルター画像の透過率は、前画面用のフィルター画像及び後画面用のフィルター画像のいずれについても、0%となっている。
【0151】
従って、図9(c)に示す元画像(即ち、図3と同一画像)に、図9(a)に示す前画面用のフィルター画像を重ねて合成することで、図9(d)に示す前画面に表示される立体表示用の画像が作成される。
【0152】
一方、図9(c)に示す元画像に、図9(b)に示す後画面用のフィルター画像を重ねて合成することで、図9(e)に示す後画面に表示される立体表示用の画像が作成される。
【0153】
そして、このようにして作成された2つの立体表示用の画像を、対応する前画面或いは後画面に表示することで、後述の如く観察者は、立体的な画像として視覚することが可能となる(図14等参照)。
【0154】
但し、図10(a)及び図10(b)に示すように、後画面用のフィルター画像のうち、表示対象物たる球に係る画像部分を除く他の画像部分の透過率を100%としてもよい。加えて、例えば元画像中に、表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分が存在する場合には、図10(b)に示すように、後画面用のフィルター画像のうち他の画像部分の透過率を100%とすることが好ましい。このように、他の画像部分の透過率を100%とすることで、例えば前画面用のフィルター画像を作成すれば、該前画面用のフィルター画像の透過率が反転した画像を、後画面用のフィルター画像として利用可能となる。従って、フィルター画像作成部17の処理コストを低減し、画像作成装置1全体として処理パフォーマンスを向上することが可能となる。
【0155】
加えて、元画像が表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分を含んでいるか否かを判定することが可能な判定部を更に備えた構成であってもよい。これにより、判定部によって、元画像中に、表示対象物に係る画像を除く他の画像部分が存在していると判定されれば、自動的に上述の如く透過率が相互に反転した2つのフィルター画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0156】
尚、図9及び図10に示されるフィルター画像を用いて作成される立体表示用の画像については、後に詳述する(図14等参照)。
【0157】
ここで、上述の2つの画像が表示されるディスプレイの画素毎に、各画素のRGBの各色について奥行情報を元に適切に輝度計算をし、立体表示用の二つの画像を作成する構成について、本実施例の比較例として説明する。
【0158】
比較例においては、画素毎に、例えば表示対象物の奥行の位置に応じて、RGB各色毎に輝度の計算を行う。
【0159】
例えば、表示対象物の所定の部分が前画面より30%の位置に存在するとする。この場合、前画面に表示する立体表示用の画像のうち当該部分における輝度レベルは、赤色光の輝度レベルがr×0.7であって、緑色光の輝度レベルがg×0.7であって、青色光の輝度レベルがb×0.7であると算出される(但し、r、g、bは夫々各色光の元画像の輝度を示す)。一方、後画面に表示する立体表示用の画像のうち当該部分における輝度レベルは、赤色光の輝度レベルがr×0.3であって、緑色光の輝度レベルがg×0.3であって、青色光の輝度レベルがb×0.3であると算出される。そして、この奥行情報に基づく輝度レベルの計算を、例えばディスプレイの画素毎に行うことで、適切に輝度調整された2つの画像を作成することが可能である。
【0160】
しかしながら、上述の比較例では、RGBの各色について且つディスプレイの画素毎に輝度計算をする必要があり、その処理コストは大きな負担となるものである。
【0161】
しかるに本実施例によれば、RGB各色について考慮することなく、奥行の位置に応じた所定の透過率を有するフィルター画像を作成することで、適切に輝度調整された画像(或いは、当該画像と概ね同等に輝度調整された画像)を作成することが可能となる。従って、その処理コストを低減すると共に、比較的容易に立体表示用の画像を作成することが可能である。
【0162】
続いて、図11及び図12を参照して、本実施例に係る画像作成装置1が作成するフィルター画像の他の具体例について説明する。ここに、図11(a)は、本実施例に係る元画像の他の具体例を概念的に示す模式図であり、図11(b)及び図11(c)は、本実施例に係る画像作成装置が作成するフィルター画像の他の具体例を概念的に示す模式図であり、図12は、図11のフィルター画像により実現される立体表示を概念的に示す模式図である。
【0163】
図11(a)に示すように、元画像が存在しており、当該元画像に対して上述の動作によりフィルター画像が作成される(図4等参照)。尚、当該元画像は、黒色の背景に表示される斜線の四角部分に係る画像部分が、右側の列から左側の列に行くにつれて、より仮想観察者に近い側に存在することを示す奥行情報が付加されているとする。
【0164】
この場合、図11(b)及び図11(c)に示すような2つのフィルター画像が作成される。即ち、前画面用のフィルター画像については、図11(b)に示す如く、元画像の斜線の四角部分に対応する部分のうち左側の列ほど透過率が高く(例えば、透過率100%)、右側の列に進むにつれて透過率は低くなる(例えば、60%から、30%、0%へと低くなる)。
【0165】
一方、後画面用のフィルター画像については、図11(c)に示す如く、元画像の斜線の四角部分に対応する部分のうち左側の列ほど透過率が低く(例えば、透過率0%)、右側の列に進むにつれて透過率は高くなる(例えば、30%から、60%、100%へと高くなる)。
【0166】
そして、図11(a)に示す元画像を、図11(b)及び図11(c)の夫々に重ねて合成することで、立体表示用の2つの画像を作成することが可能となる。係る2つの画像を、例えば2つのディスプレイを有する表示装置において、観察者の視線上において重ねて表示出力することで、観察者は図12に示すような立体的な画像を視覚することとなる。
【0167】
即ち、図12に示すように、斜線の四角部分に係る画像部分が、右側の列から左側の列に行くにつれて、観察者の側に飛び出してくるような立体的な画像として視覚することとなる。
【0168】
以上説明したように、本発明の画像作成装置に係る実施例によれば、例えば3次元の画像情報たる基本画像から、観察パラメータにより指定される観察条件に応じた立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。即ち、所定の透過率を有するフィルター画像を元画像に重ねて合成することで、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。言い換えれば、奥行(即ち、奥行情報)という3つ目の次元に相当する情報をフィルター画像に置き換えることによって、例えば立体表示用の複数の画像を、元画像と同一の次元で比較的容易に扱うことが可能という大きな利点を有する。従って、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に、例えば輝度変調型の表示装置において表示出力される立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0169】
(輝度変調型の立体表示システム)
最後に、以上説明した画像作成装置により作成された立体表示用の複数の画像を用いて、実際に輝度変調型の立体表示或いは3次元表示を行う表示装置(或いは、立体表示システム)の実施例について図13及び図14を参照して、説明する。ここに図13は、本実施例に係る表示装置のブロック図であり、図14は、これによる立体表示の一例を示す平面図である。
【0170】
図13に示すように、表示装置100は、上述した画像作成装置1、前画面101、後画面102、画像入力部104、第1駆動部105、第2駆動部106及び制御部107を含んで構成されている。
【0171】
前画面101及び前画面102は、表示装置100の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面101は、前方に配置され、後画面102は後方に配置されている。前画面101は、後方にある後画面102の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやEL表示デバイスが用いられる。他方、後方に配置される後画面102は、液晶表示デバイスやEL表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスであってもよい。更に、前画面101及び後画面102は観察者の視線に対して前方或いは後方に移動可能であり、その間隔を広げ或いは狭めることが可能である。
【0172】
これら前画面101及び後画面102の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面101及び後画面102の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。即ち、輝度変調方式の立体表示も可能である。
【0173】
尚、前画面101として液晶表示デバイスやEL表示デバイスを用いる他に、光透過性のないブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスを用いる構成を採ることも可能である。即ち、前画面101を後画面102に対して視線Lを遮らないように配置し、観察者の視線上にハーフミラー(但し、図示されていない)を設け、このハーフミラーの角度を前画面101に表示される画像が後画面102に表示される画像に重なるように定めることで、光透過性のない表示装置を画像表示部に導入することが可能となる。
【0174】
画像入力部104は、画像作成装置1から入力される画像(即ち、前画面101及び後画面102に表示される画像)を、画像作成装置1より取得し、第一駆動部105及び第二駆動部106に出力する。又、画像作成装置1より取得した画像を記憶しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面101及び後画面102の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ、色相、表示形態、画像変形等についても個別に制御可能である。
【0175】
第一駆動部105及び第二駆動部106は、前画面101及び後画面102を夫々表示駆動するためのものであり、画像作成装置1で作成された前画面101又は後画面102用の画像(或いは、当該画像に係る画像信号)に基づいて表示駆動する。制御部107の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0176】
制御部107は、表示装置100の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面101及び後画面102の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像入力部104に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。
又、第一駆動部105及び第二駆動部106の動作を制御する。
【0177】
続いて、図14を参照して、表示装置100に表示される画像について説明する。
【0178】
図14に示すように例えば、図13の如き構成を有する表示装置100によれば、図9及び図10のフィルター画像に対応する立体表示用の画像の表示が適切に行われる。即ち、図14(a)に示すように、図9(d)及び図9( e)に示す立体表示用の画像が、対応する前画面101及び後画面102に表示される。従って、図14(b)に示すように、視線Lにて観察する観察者は、球に係る立体的な画像を視覚することとなる。このため、輝度を計算したのと同様の画質を有する3次元表示を、上述の画像作成装置に係る実施例の如く、比較的簡単な作成処理によって実現可能となる。
【0179】
尚、本実施例においては、立体表示用の画像として2つの画像を具体例として説明したが、3つ以上の画像を立体表示用の画像として作成する場合であっても同様の動作を行うことで、本実施例における効果を得ることが可能である。
【0180】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像作成装置及び方法、並びに立体表示システムもまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像作成装置に係る実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像作成装置に係る実施例において、画像作成の対象となる表示対象物の具体例を概念的に示す模式図である。
【図3】本発明の画像作成装置に係る実施例において、図2の表示対象物の元画像に係る具体例を概念的に示す模式図である。
【図4】本発明の画像作成装置に係る実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の画像作成装置に係る実施例の動作における、フィルター画像作成の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の画像作成装置に係る実施例において、奥行情報の作成動作を概念的に示す模式図である。
【図7】本発明の画像作成装置に係る実施例において用いられる、奥行情報と透過率との対応付けを示す関数の一の例を図式的に示すグラフである。
【図8】本発明の画像作成装置に係る実施例において用いられる、奥行情報と透過率との対応付けを示す関数の他の例を図式的に示すグラフである。
【図9】本発明の画像作成装置に係る実施例において作成される、フィルター画像の一の具体例を概念的に示す模式図である。
【図10】本発明の画像作成装置に係る実施例において作成される、フィルター画像の他の具体例を概念的に示す模式図である。
【図11】本発明の画像作成装置に係る実施例において用いられる元画像の他の具体例及び作成されるフィルター画像の他の具体例を概念的に示す模式図である。
【図12】本発明の画像作成装置に係る実施例において、図11に示す元画像及びフィルター画像の具体例により実現される立体的な画像を概念的に示す模式図である。
【図13】本発明の立体表示システムに係る実施例の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【図14】本発明の立体表示システムに係る実施例の表示動作時の表示画面を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・画像作成装置
10・・・CPU
11・・・RAM
12・・・ハードディスク
13・・・入力部
14・・・ディスプレイ
15・・・元画像作成部
16・・・観察パラメータ取得部
17・・・フィルター画像作成部
18・・・画像合成部
19・・・画像出力部
20・・・データバス
100・・・表示装置
101・・・前画面
102・・・後画面
104・・・画像入力部
105・・・第一駆動部
106・・・第二駆動部
107・・・制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば輝度変調型の表示装置において重ねて表示される複数の画像を作成可能な画像作成装置及び方法、立体画像表示システム並びに該画像作成装置において用いられるコンピュータプログラムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、観察者の視線上に相前後して複数の画像を重ねて表示することで、観察者は、奥行方向には離散的であるが、それら複数の画像を立体的な画像として視覚することが可能とされている。又、その離散的な状態を改善するために、複数の画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体的な画像を表示することが可能となる。そして、これら複数の画像を表示可能な表示装置として、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここに、上述の複数の画像は、該複数の画像により実現される立体的な画像の奥行の位置に応じて、適切な輝度の状態を有する必要がある。しかしながら、このような適切な輝度の状態を有する複数の画像を作成することは現実には困難であるという技術的な問題点を有している。例えば、複数の画像の夫々が表示されるディスプレイ毎に、奥行の位置及び複数の画像が相前後する間隔等に基づいて、適切な輝度を算出(或いは、計算)する必要がある。加えて、カラー表示の場合には、RGB各色について、適切な輝度を算出する必要がある。
【0005】
即ち、例えば、複数のディスプレイの夫々について、各ディスプレイの画素毎に、RGB各色の夫々について、その奥行の位置に応じた適切な輝度を算出する必要がある。このような適切な輝度の算出は、例えばコンピュータによる大量の計算を必要とし、その結果、立体表示用の複数の画像を容易に作成することが困難という技術的な問題点を有している。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えば輝度変調型の表示装置に表示される複数の画像を比較的容易に作成可能な画像作成装置及び方法、該画像作成装置を用いた立体画像表示システム並びに該画像作成装置において用いられるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像作成装置は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成手段とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項8に記載の画像作成装置は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得手段と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項17に記載の画像作成方法は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得工程と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得工程と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成工程と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成工程とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項18に記載の画像作成方法は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得工程と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成工程と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成工程とを備える。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項19に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項1から7のいずれか一項に記載の画像作成装置における前記画像取得手段、前記パラメータ取得手段、前記元画像作成手段及び表示画像作成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項20に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項8から16のいずれか一項に記載の画像作成装置における前記画像取得手段、前記フィルター作成手段及び前記画像合成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項21に記載の立体画像表示システムは、請求項1から16のいずれか一項に記載の画像作成装置及び前記表示装置を具備してなる。
【0014】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0016】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成手段とを備える。
【0017】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態によれば、観察パラメータにより指定される観察条件を反映した適切な立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0018】
具体的には、先ず、画像取得手段が基本画像情報を取得する。ここに、基本画像情報とは、立体表示の対象たる表示対象物を特定することが可能な画像情報である。係る基本画像情報は、例えば3次元の画像情報を有していることが好ましい。そして、基本画像情報は、例えば表示対象物をスチルカメラ、ビデオカメラ等により撮影した画像情報であってもよいし、或いはユーザ等が例えばコンピュータ等を用いて作成した画像情報であってもよい。これらの基本画像情報は、本実施形態に係る画像作成装置が備える、例えばハードディスク等の記録媒体に予め格納されており、使用の都度読み込むように構成してもよい。或いは、基本画像情報を使用する都度、例えば外部より(例えば、ネットワーク経由や衛星放送又は地上放送経由で、或いはリムーバルな情報記録媒体から)入力されるように構成してもよい。
【0019】
その後、パラメータ取得手段が観察パラメータを取得する。この観察パラメータは、仮想観察者が表示対象物を観察する際の観察条件を示すものであって、例えば後述の如く、表示対象物を観察する仮想観察者の視線、視野(或いは、視野角)、或いは表示対象物が配置されている空間等を指定する値を含んでなるものである。ここに、本発明における「仮想観察者」とは、表示対象物が配置されている空間上において、仮想的に該表示対象物を視覚する者を示す。対して、本発明に係る「観察者」とは、視線上で重ねて表示される複数の画像により実現される立体的な画像を視覚する者を示す趣旨である。即ち、例えば仮想観察者の視点から見た(或いは、撮影等した)表示対象物を立体的に表示し、観察者が係る立体的に表示された表示対象物を視覚することとなる。尚、「仮想観察者」と「観察者」とは一般には、表示対象物を基準として同一位置に存在しないが、理想的な「観察者」であれば、両者は同一位置に存在してもよく、この場合には両者を同一物扱いしてもよい。
【0020】
そして、係る観察パラメータは、例えば基本画像情報を作成するコンテンツ業者等のオーサ側にて予め作成された或いは指定されたパラメータであってもよいし、本実施形態に係る画像作成装置のユーザ(或いは、観察者)が独自に作成した或いは設定したパラメータであってもよい。更に、該観察パラメータは、基本画像情報に含まれた状態で(或いは、基本画像情報の一部として)当該画像作成装置に入力される構成であってもよい。この場合、パラメータ取得手段は、当該画像作成装置に入力される基本画像情報に係る、例えば入力信号を解析等して、観察パラメータに関する情報を取得する。或いは、観察パラメータと基本画像情報とは、夫々独立の情報として入力される構成であってもよい。或いは、後述の如く、観察パラメータは、外部入力手段によって、例えばユーザが随時入力する構成であってもよい。
【0021】
そして、元画像作成手段の動作によって、該取得された観察パラメータの示す条件に応じて、基本画像情報より例えば2次元の画像情報たる元画像が作成される。即ち、例えば3次元の画像情報たる基本画像情報から、観察パラメータの示す条件(例えば、特定の視点から或いは特定の観察位置から等の条件)により特定される表示対象物を示す元画像を作成する。
【0022】
その後、奥行情報及び元画像に基づいて、表示画像作成手段によって、表示対象物に係ると共に立体表示用に重ねて表示されるべき、例えば輝度を適切に夫々反映した複数の画像が作成される。
【0023】
ここに、奥行情報は、仮想観察者から元画像までの距離等により特定される、元画像の奥行位置を示しており、パラメータ取得手段により取得された観察パラメータの示す条件に応じて定まる。即ち、仮想観察者から元画像に対応する表示対象物の部分までの距離等により特定される、元画像の奥行位置を示している。
尚、表示画像作成手段は、元画像を所定の大きさを有する部分単位で細分化した場合の、少なくとも一部の部分毎(例えば、後述の如く表示手段の画素毎)に定まる奥行情報に基づいて立体表示用の複数の画像を作成することが好ましい。
【0024】
そして、奥行情報は例えば奥行方向の座標により示されてもよい。このとき、仮想観察者から見て近くにある表示対象物を示す元画像(或いは、その部分)については、係る座標は相対的に小さな座標値を示し、一方仮想観察者から見て遠くにある表示対象物を示す元画像(或いは、その部分)については、係る座標は相対的に大きな座標値を示すこととなる。
【0025】
このような表示画像作成手段は、例えば、後述のように奥行情報及び元画像に基づいてフィルター画像を作成するフィルター画像作成部と、該フィルター画像と元画像とを合成する画像合成部とからなる。いずれの場合であっても、例えば従来例の如く奥行の位置及び複数の画像が相前後する間隔等に基づいて適切な輝度を算出するような複雑高度な処理を必要とすることなく、比較的容易にして奥行情報が適切に反映された立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0026】
以上の結果、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態によれば、例えば3次元の画像情報たる基本画像情報から、立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。即ち、例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に輝度変調型の表示装置において表示出力される立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0027】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の一の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として前記仮想観察者の観察位置に関する情報を取得する。
【0028】
この態様によれば、観察パラメータとして、表示対象物を観察する仮想観察者の観察位置に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る観察位置を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る観察位置に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。
【0029】
例えば、元画像作成手段は、観察位置から観察される表示対象物の態様を元画像として作成する。或いは、表示画像作成手段は、観察位置から近い或いは遠いことを示す奥行情報に基づいて複数の画像を作成する。
【0030】
従って、観察位置を観察パラメータとして取得することで、観察位置により示される条件を反映した適切な立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0031】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記仮想観察者の視線に関する情報を取得する。
【0032】
この態様によれば、観察パラメータとして、表示対象物を観察する仮想観察者の視線に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る仮想観察者の視線を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る観察者の視線に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。例えば、表示画像作成手段は、視線に沿った奥行方向において適切に定まる奥行情報に基づいて複数の画像を作成することが可能となる。
【0033】
これにより、仮想観察者の観察している方向(即ち、視線)により示される条件を反映した適切な立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0034】
或いは、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記仮想観察者の視野に関する情報を取得するように構成してもよい。
【0035】
このように構成すれば、観察パラメータとして、表示対象物を観察する仮想観察者の視野(或いは、視野角)に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る仮想観察者の視野を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る仮想観察者の視野に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。
【0036】
例えば、表示対象物のある部分が仮想観察者の視野に含まれていなければ、元画像作成手段は、仮想観察者の視野に含まれない部分に対応する元画像を作成しない構成であってもよい。又、表示画像作成手段も同様に、仮想観察者の視野に含まれない部分に対応する元画像に係る奥行情報を考慮することなく複数の画像を作成する構成であってもよい。これにより、元画像作成手段或いは表示画像作成手段は、必要最低限の部分に係る表示対象物を考慮するのみで足り、その結果、処理パフォーマンスを向上させることが可能となる。
【0037】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記表示対象物が配置される座標系に関する情報を取得する。
【0038】
この態様によれば、観察パラメータとして、表示対象物が配置されている空間の座標系に関する情報を取得することが可能となる。そして、元画像作成手段は、係る座標系を考慮して元画像を作成し、表示画像作成手段は、係る座標系に応じて定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する。
【0039】
例えば、表示対象物が3次元の直交座標系に配置されていることを観察パラメータが示していれば、元画像作成手段は、係る座標系により特定される表示対象物の座標に基づいて元画像を作成することが可能となる。又、表示画像作成手段は、係る座標系により特定される表示対象物の座標に応じて定まる奥行情報に基づいて、複数の画像を作成する。従って、表示対象物が配置される座標系に関する条件も反映した適切な立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0040】
尚、観察パラメータにより特定可能な座標系は、例えば極座標系であってもよいし、或いはこれらに限らず、表示対象物が配置されている空間或いは該表示対象物の配置位置を特定可能な座標系であればよい。
【0041】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記観察パラメータを外部より指定可能な外部入力手段を更に備えており、前記パラメータ取得手段は、該外部入力手段により指定された観察パラメータを取得する。
【0042】
この態様によれば、例えばリモコン等を含んでなる外部入力手段を用いて、例えばユーザ(或いは、観察者)が観察パラメータ(即ち、仮想観察者の観察条件)を所望の値に指定することが可能となる。例えば上述の如く、仮想観察者の観察位置、視線、視野或いは表示対象物が配置されている座標系等を示す観察パラメータの値を、ユーザの所望の値に設定することが可能となる。
【0043】
従って、例えばユーザ毎に、元画像の態様を変化させ、更にこれに加えて或いは代えて元画像の奥行情報に適宜変更を加えることが可能となる。従って、例えば後述の如く、立体表示用の複数の画像を作成する場合において、ユーザの所望の立体感を有する3次元画像を作成することが可能となる。
【0044】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記表示画像作成手段は、前記複数の画像を夫々表示出力する表示手段の画素毎に定まる前記奥行情報に基づいて、前記複数の画像を作成する。
【0045】
この態様によれば、画素毎に奥行の位置を特定することが可能となるため、より微細な部分に至る立体感を、例えばブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示手段上において再現することが可能となる。
【0046】
尚、複数の画素が集合してなる画素ブロック毎に定まる奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成する構成であってもよい。係る奥行情報により、例えば後述の如く実現される立体的な画像に相応の立体感を与えることが可能となる。加えて、表示画像作成手段の処理パフォーマンスを向上させることが可能という実践上大きな利点を有することとなる。
【0047】
本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記表示画像作成手段は、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備えている。
【0048】
この態様によれば、フィルター作成手段と画像合成手段とを備えた表示画像作成手段により、例えば2次元の画像情報たる元画像と該元画像の3つ目の次元に相当する情報(例えば、座標等)を示す奥行情報とを用いて、例えば輝度変調型の表示装置において表示される、立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0049】
具体的には、フィルター作成手段は、奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を作成するための複数のフィルター画像を作成する。この複数のフィルター画像は、例えば、奥行情報と、観察者の側から見た場合の複数の画像の表示順序とに基づいて作成される。そして、複数のフィルター画像は、該複数のフィルター画像の夫々を、元画像上に重ねて合成する(或いは、マージする)ことで、立体表示用の複数の画像が作成されるように作成されることが好ましい。そして、このような複数のフィルター画像は、例えば、後述の如く所定の透過率を有するフィルター画像であってもよいし、或いは白黒の階調を有するモノクロ画像であってもよい。更に、観察者の視線上において重ねて表示される複数の画像と同数のフィルター画像が作成されることが好ましい。
【0050】
その後、画像合成手段により、元画像上に複数のフィルター画像を夫々重ねて合成することで、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。例えば、一のフィルター画像と他のフィルター画像の2つのフィルター画像が作成されていれば、元画像上に一のフィルター画像を重ねて合成すると共に、元画像上に他のフィルター画像を重ねて合成することで、立体表示用の2つの画像を作成することが可能である。そして、画像合成手段により作成された複数の画像を、例えば観察者の視線上において相前後して配置された複数のディスプレイを備えた輝度変調型の表示装置に表示することで、観察者は立体的な画像として視覚することが可能となる。
【0051】
これにより、フィルター画像を元画像に重ねて合成することで立体表示用の複数の画像を作成できるため、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に輝度変調型の表示装置において表示される複数の画像を作成することが可能となる。
【0052】
本発明の画像作成装置に係る第2実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得手段と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備える。
【0053】
本発明の表示装置に係る第2実施形態によれば、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態のフィルター作成手段及び画像合成手段を備えた態様の場合と概ね同様に、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0054】
第2実施形態では特に、画像取得手段が取得する元画像には予め奥行情報が付加されている。係る奥行情報は、上述の如く立体表示用の画像たる複数の画像を表示する表示手段の画素毎に対応する元画像の奥行位置を示していてもよい。このため、奥行情報を改めて作成することなく、比較的容易に複数の画像を作成することが可能となる。尚、この場合も、予め付加されている奥行情報は、例えば観察者の観察位置、視線、視野或いは表示対象物の配置されている座標系等を考慮して作成されていてもよい。
【0055】
この元画像は、例えばユーザ自身が作成するものであってもよいし、或いは例えばコンテンツ業者等のオーサ側にて予め作成されるものであってもよい。そして、係る元画像は、本実施形態に係る画像作成装置が備える、例えばハードディスク等の記録媒体に予め格納されていてもよいし、元画像を使用する都度、例えば外部より入力されるように構成してもよい。
【0056】
以上の結果、第2実施形態に係る画像作成装置によれば、2次元の画像情報たる元画像を取得する形態であっても、第1実施形態と同様の利益を享受することが可能となる。
【0057】
本発明の画像作成装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、白黒の階調を有するモノクロ画像を作成する。
【0058】
この態様によれば、白黒の階調によって表現されているモノクロ画像を元画像に重ねることで、元画像の輝度(即ち、明るさ)を変化させることが可能となる。これにより、比較的容易に輝度変調型の表示装置に用いられる立体表示用の画像を作成することが可能となる。
【0059】
本発明の画像作成装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、該少なくとも一つのフィルター画像の少なくとも一部の領域を示す部分単位毎に所定の透過率を有する画像を作成する。
【0060】
この態様によれば、所定の透過率を有するフィルター画像を元画像に重ねることで、元画像の輝度を比較的容易に変化させることが可能となる。例えば、フィルター画像のうち50パーセントの透過率を有する部分単位が重ねられた元画像は、その部分の輝度が当初の輝度と比較して半分の(即ち、50パーセントの)輝度となる。或いは、例えばフィルター画像のうち100パーセントの透過率を有する部分単位が重ねられた元画像は、その部分の輝度を変化させることはない。従って、相前後して表示出力される複数の画像の輝度を適切に且つ比較的容易に調整することが可能となる。
【0061】
これにより、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、より容易に立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0062】
上述の如く所定の透過率を有するフィルター画像を作成する画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、前記複数の画像のうち少なくとも一つを表示出力する表示手段の画素毎に、前記所定の透過率を有する画像を作成する。
【0063】
このように構成すれば、画素毎に適切に輝度調整された複数の画像を作成することが可能となる。従って、観察者は、より高精度に立体感のある立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0064】
尚、複数の画素が集合してなる画素ブロック毎に所定の透過率を有するフィルター画像を作成する構成であっても、例えば後述の如く実現される立体的な画像に相応の立体感を与えることが可能となる。加えて、フィルター作成手段の処理パフォーマンスを向上させることが可能という実践上大きな利点を有することとなる。
【0065】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち相対的に前記観察者に近い側に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像を作成する場合には、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に手前側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を高くし、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に奥側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも他の一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を低くして前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0066】
このように構成すれば、観察者の視線上において相前後して表示出力される複数の画像のうち、相対的に観察者に近い側に表示出力される画像を作成することが可能となる。
【0067】
具体的には、フィルター作成手段は、奥行情報から、表示対象物の少なくとも一部が、仮想観察者の側から見て相対的に手前側にあるか、或いは奥側にあるかを認識する。そして、相対的に手前側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を高くし、一方相対的に奥側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を低くすることで、フィルター画像を作成する。
【0068】
従って、透過率が高いフィルター画像の部分単位が重ねられた元画像の少なくとも一部は、観察者の側から見てより近い側にあるかのように視覚されることとなる。又、透過率が低いフィルター画像の部分単位が重ねられた元画像のうち少なくとも一部は、観察者の側から見てより遠い側にあるかのように視覚されることとなる。
【0069】
そして、このように作成された複数の画像により、観察者はより適切に立体感のある立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0070】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち相対的に前記観察者から遠い側に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像を作成する場合には、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に手前側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を低くし、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に奥側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも他の一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を高くして前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0071】
このように構成すれば、相前後して表示出力される複数の画像のうち、相対的に観察者に遠い側に表示出力される画像を作成することが可能となる。
【0072】
具体的には、フィルター作成手段は、奥行情報から、表示対象物の少なくとも一部が、仮想観察者の側から見て相対的に手前側にあるか、或いは奥側にあるかを認識する。そして、相対的に手前側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を低くし、一方相対的に奥側にある部分に対応して作成される元画像(或いは、その部分)に重ねて合成されるフィルター画像の部分単位に係る透過率を高くすることで、フィルター画像を作成する。
【0073】
そして、このように作成された複数の画像(即ち、相対的に観察者から遠い側に表示出力される画像)と、例えば上述のように作成された相対的に観察者に近い側に表示出力される画像とを観察者の視線上において重ねて表示することで、観察者はより適切に立体感のある立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0074】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記元画像に、前記表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分が含まれているか否かを判定する判定手段と、該判定手段により前記他の画像部分が含まれていると判定された場合には、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち、前記観察者の側から見たときの表示順序と、前記観察者の側とは反対の側から見たときの表示順序とが相等しい2つの画像を作成するための前記複数のフィルター画像のうち2つのフィルター画像を作成する場合、該2つのフィルター画像の対応する前記部分単位の透過率が相互に反転した関係にあるように作成するよう構成してもよい。
【0075】
このように構成すれば、例えば元画像が表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分を含んでいるか否か(即ち、表示対象物が表示されていない部分が存在するか否か)を判定することが可能となる。そして、当該他の画像部分が存在していれば、フィルター作成手段は、上述の2つのフィルター画像を作成する場合には、2つのフィルター画像のうち一のフィルター画像を作成すれば、該フィルター画像の所定の透過率が相互の反転した関係にある画像を作成することで、2つのフィルター画像のうち他のフィルター画像も作成することが可能となる。
【0076】
従って、フィルター作成手段のフィルター画像作成に要する処理コストを低減することが可能となる。このため、フィルター作成手段の処理パフォーマンスを向上させることが可能という大きな利点を有することとなる。
【0077】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記奥行情報を入力データとして、前記所定の透過率を出力データとする関数による演算を行うことで、前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0078】
このように構成すれば、奥行情報を変数とする関数を用いた演算により、比較的容易に所定の透過率を有する複数のフィルター画像を作成することが可能となる。これにより、フィルター作成手段の処理パフォーマンスの向上を図ることで、例えばフィルター画像の作成においてリアルタイム処理が要求される場合であっても、その要求を満たすことが可能であるという大きな利点を有することとなる。
【0079】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記所定の透過率は、前記奥行情報が示す奥行の位置に比例してその値を変化させるように構成してもよい。
【0080】
このように構成すれば、例えば比較的容易な関数を用いることで、透過率の演算に係る処理コストを低減することが可能となる。この場合、複数のフィルター画像のうち、元画像の同一部分に重なる夫々の部分単位の透過率の合計は、例えば100パーセントになっていることが好ましい。但し、合計が100パーセントでなくともよい。
【0081】
更に、所定の透過率が奥行情報に比例しなくとも、奥行情報により所定の透過率が一義的に定まればよい。
【0082】
上述の如くフィルター画像が所定の透過率を有する画像に係る画像作成装置の態様では、前記フィルター作成手段は、前記奥行情報に対応付けられた前記所定の透過率を示すテーブルに基づいて前記複数のフィルター画像を作成するように構成してもよい。
【0083】
このように構成すれば、奥行情報と所定の透過率が対応付けられたテーブルを参照することで、比較的容易に複数のフィルター画像を作成することが可能となる。
【0084】
本発明の画像作成方法に係る第1実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得工程と、前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得工程と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成工程と、前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成工程とを備える。
【0085】
本発明の画像作成方法に係る第1実施形態によれば、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態と同様に、観察パラメータの値に応じて作成される元画像及び該元画像の奥行位置を示す奥行情報に基づいて、立体表示用の複数の画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0086】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態の各種態様に対応して、本発明の画像作成方法に係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0087】
本発明の画像作成方法に係る第2実施形態は、表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得工程と、前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成工程と、前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成工程とを備える。
【0088】
本発明の画像作成方法に係る第2実施形態によれば、本発明の画像作成装置に係る第2実施形態と同様に、予め奥行情報が付加された元画像を用いて複数のフィルター画像を作成し、該複数のフィルター画像の夫々を元画像に重ねることで、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0089】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態の各種態様に対応して、本発明の画像作成方法に係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0090】
本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態は、コンピュータを上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態(各種態様を含む)における前記画像取得手段、前記パラメータ取得手段、前記元画像作成手段及び前記表示画像作成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0091】
本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態を比較的容易に実現できる。
【0092】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第1実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0093】
本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態によれば、コンピュータを上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態(各種態様を含む)における前記画像取得手段、前記フィルター作成手段及び前記画像合成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0094】
本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態を比較的容易に実現できる。
【0095】
尚、上述した本発明の画像作成装置に係る第2実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0096】
本発明の立体画像表示システムに係る実施形態の態様は、上述の第1又は第2実施形態の各種態様に記載の画像作成装置及び前記表示装置を具備してなる。
【0097】
本発明の立体表示システムに係る実施形態の態様によれば、適切な立体表示用の画像を作成し、且つ該作成した立体表示用の画像を表示することが可能となる。
【0098】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされよう。
【0099】
以上、本発明の画像作成装置に係る第1実施形態によれば、画像取得手段、パラメータ取得手段、元画像作成手段及び表示画像作成手段を備えている。又、本発明の画像作成装置に係る第2実施形態によれば、画像取得手段、フィルター作成手段及び画像合成手段を備えている。又、本発明の画像作成方法に係る第1実施形態によれば、画像取得工程、パラメータ取得工程、元画像作成工程及び表示画像作成工程を備えている。又、本発明の画像作成方法に係る第2実施形態によれば、画像取得工程、フィルター作成工程及び画像合成工程を備えている。
【0100】
このため、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に輝度変調型の表示装置において表示出力される立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0101】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の画像作成装置に係る実施例を説明する。
【0102】
(画像作成装置の基本構成)
先ず、図1を参照して本発明の画像作成装置に係る実施例の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の画像作成装置に係る実施例の基本構成を示すブロック図である。
【0103】
図1に示すように、画像作成装置1は、CPU10、RAM11、ハードディスク12、入力部13、ディスプレイ14、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17、画像合成部18、画像出力部19及びデータバス20から構成されている。
【0104】
CPU10は、画像作成装置1全体の動作を制御するものであって、係るCPU10の制御の下で、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17、画像合成部18及び画像出力部19の夫々は動作を実行する。加えて、CPU10は、ハードディスク12、入力部13及びディスプレイ14の動作を制御可能に構成されていてもよい。
【0105】
RAM11は、CPU10が動作をする場合にその作業領域を提供するものである。更に、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17及び画像合成部18の夫々が動作する場合においても、その作業領域を提供するものであってもよい。
【0106】
ハードディスク12は、例えば表示対象物を特定する3次元の画像情報たる基本画像を記録する磁気記録媒体であって、該基本画像を随時読込可能に構成されている。即ち、本発明に係る「画像取得手段」の一例としての作用を有する。元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17或いは画像合成部18は、必要に応じて当該ハードディスク12より基本画像を読み込み、夫々の動作(即ち、処理)を行う。
【0107】
尚、ハードディスク12には、該基本画像に対応した観察パラメータが記録されていてもよい。この場合、観察パラメータ取得部16は、ハードディスク12より観察パラメータを取得する。
【0108】
入力部13は、ユーザの操作を画像作成装置1に入力可能に構成されている。
例えば、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネル或いはボタン等を含んで構成されている。例えば、上述の観察パラメータを入力可能であってもよいし、或いはこれに限らず画像作成装置1の動作を制御する指示を入力可能であってもよい。
【0109】
ディスプレイ14は、例えば画像作成装置1の動作をユーザに視覚的に認識されうるように表示するものであって、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶表示ディスプレイ等の各種ディスプレイを含んで構成されている。そして、ユーザは、ディスプレイ14に表示されている動作内容を確認して、例えば入力部13より画像作成装置1の動作を制御する指示を入力してもよい。
【0110】
元画像作成部15は、ハードディスク12に記録されている基本画像より、例えば2次元の画像情報であって、立体表示用の複数の画像作成時にフィルター画像と重ねて合成される元画像を作成可能に構成されている。更に、元画像作成部15は、観察パラメータに基づいて特定される元画像を作成可能に構成されていることが好ましい。
【0111】
観察パラメータ取得部16は、元画像及びフィルター画像作成の際に用いられる各種観察パラメータを取得可能に構成されている。ここに、観察パラメータは、表示対象物が配置されている座標系空間において、該表示対象物を視覚する仮想的な観察者の観察条件を示すものである。そして、該取得された観察パラメータを、元画像作成部15及びフィルター画像作成部17の夫々へ出力可能に構成されている。この観察パラメータは、例えばハードディスク12に予め記録されているパラメータを取得してもよいし、入力部13からユーザによって入力されるパラメータを取得してもよい。
【0112】
フィルター画像作成部17は、観察パラメータに応じて定まる奥行情報に基づき、立体表示用の複数の画像を作成するために用いられるフィルター画像を作成することが可能なように構成されている。そして、該作成したフィルター画像を、例えば画像合成部18へ出力可能に構成されている。尚、その動作内容については、後に詳述する(図4等参照)。
【0113】
更に、フィルター画像作成部17は、元画像から奥行情報を作成することが可能に構成されていてもよい。この場合、観察パラメータ取得部16から取得した観察パラメータの値に応じて、奥行情報の作成が可能なように構成されていることが好ましい。
【0114】
画像合成部18は、例えば元画像作成部15により作成された元画像と、フィルター画像作成部17により作成された複数のフィルター画像とを合成し、立体表示用の画像を作成することが可能なように構成されている。そして、該合成した立体表示用の画像を、画像出力部19へ出力可能に構成されている。
【0115】
画像出力部19は、画像合成部18にて作成した立体表示用の画像を、例えば輝度変調型の表示装置(例えば、後述の立体表示システム100)へ出力可能に構成されている。
【0116】
尚、上述の元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17及び画像合成部18の夫々は、マイコン等のハードウェアにより実現されてもよいし、或いはCPU10上で動作するコンピュータプログラムによりCPU10内に論理的に構成されてもよい。
【0117】
データバス20は、CPU10、RAM11、ハードディスク12、入力部13、ディスプレイ14、元画像作成部15、観察パラメータ取得部16、フィルター画像作成部17、画像合成部18及び画像出力部19の夫々が相互に入出力するデータの伝送経路を提供する。
【0118】
以上説明した画像作成装置1により、後述の動作が実行されることで、例えば輝度変調型の表示装置に表示される複数の画像たる立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0119】
(画像作成装置の動作原理)
続いて、図2から図10を参照して、本発明の画像作成装置に係る実施例の動作原理について説明する。尚、本実施例では、観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力される立体表示用の2つの画像を作成するための動作について説明する。即ち、後述の如く作成された2つの画像は、例えば2つのディスプレイを有する表示装置に表示されることで、観察者は該2つの画像を立体的な画像として視覚することとなる。
【0120】
先ず、図2及び図3を参照して、表示対象物に係る具体的な元画像について説明する。ここに、図2は、表示対象物を概念的に示す模式図であり、図3は、図2に示す表示対象物に係る元画像を概念的に示す模式図である。
【0121】
図2に示すように、表示対象物としてその表面に線状の模様を有する球が存在しているとする。係る球は、3次元の直交座標系上において示されており、仮想的な観察者は、z軸に平行な視線Lによりこの球100全体を観察している。即ち、この場合、後述の観察パラメータとして、直交座標系に対する球の位置関係及び視線Lを示す情報が、観察パラメータ取得部16により取得されることとなる。
【0122】
尚、観察パラメータとして、例えば、仮想的な観察者の視野、観察位置等を取得可能な構成であってもよい。そして、表示対象物が示される座標系は、直交座標系に限らず、例えば極座標系等の任意の座標系を利用可能である。
【0123】
従って、係る観察パラメータに基づいて、元画像作成部15の動作により、図3に示すような元画像が作成される。即ち、視線Lより仮想的な観察者に視覚される表示対象物を平面的に示した画像が、元画像として作成される。
【0124】
続いて、図4から図10を参照して、画像作成装置1が、図2に示す表示対象物を用いて立体表示用の画像を作成する場合の動作について説明する。
【0125】
先ず、図4から図6を参照して、立体表示用の画像作成の全体動作について説明する。ここに、図4は、本発明の画像作成装置に係る実施例の動作を示すフローチャートであり、図5は、本発明の画像作成装置に係る実施例の動作のうち、フィルター画像の作成に係る動作を示すフローチャートであり、図6は、基本画像より奥行情報を作成する動作例を概念的に示す模式図である。
【0126】
図4に示すように、画像作成装置1は、基本画像を取得する(ステップS11)。ここでは、例えばCPU10の動作によりハードディスク12に記録されている基本画像が例えば元画像作成部15或いはパラメータ取得部16等に出力される。
【0127】
そして、CPU10の制御の下で、観察パラメータ取得部16は観察パラメータを取得する(ステップS12)。係る観察パラメータは基本画像の内容に応じて例えば画像作成装置1のユーザにより指定されたものであってもよいし、オーサ側により予め指定されたものであってもよいし、そのいずれもがハードディスク12に記録されていてもよい。或いは、入力部13より入力される観察者の指示を、観察パラメータとして随時取得してもよい。
【0128】
具体的には、この場合、上述の如く3次元の直交座標系と表示対象物との位置関係及び仮想的な観察者の視線Lを示す情報が観察パラメータとして取得されることとなる。
【0129】
そして、観察パラメータにより定まる観察条件に基づき、表示対象物に係る元画像を作成する(ステップS13)。この場合、元画像作成部15により、図3に示す元画像が作成される。
【0130】
その後、フィルター画像作成部17が、ステップ13において作成された元画像と、観察パラメータに応じて定まる元画像の奥行位置を示す奥行情報とに基づいて、複数のフィルター画像(本実施例においては、2つのフィルター画像)を作成する(ステップS14)。尚、このフィルター画像の作成については、後に詳述する(図5等参照)。
【0131】
そして、CPU10の制御の下で画像合成部18が、元画像上に2つのフィルター画像を夫々重ね合わせて合成することで、立体表示用の画像(本実施例においては、2つの画像)を作成する(ステップS15)。尚、係る重ね合わせは、フィルター画像及び元画像の対応する部分単位毎或いは画素毎に適切に重ねられることが好ましい。
【0132】
そして、ステップS15にて作成された立体表示用の2つの画像は、画像出力部19により、表示装置へ出力され、立体的な画像として観察者に視覚されることとなる。
【0133】
続いて、図5を参照して、図4のステップS14におけるフィルター画像作成動作について説明する。
【0134】
図5に示すように、例えばCPU10の制御の下で、フィルター画像作成部17は、元画像の少なくとも一部の領域の奥行位置を示す奥行情報を作成する(ステップS21)。即ち、図3に示す元画像について、例えば後述の前画面101及び後画面102の画素毎に、いずれの奥行位置に存在するかを判断する。例えば、図3に示す元画像においては、その中心部は手前側に存在し、周辺部に行くに従って相対的に奥側に存在する元画像であると、フィルター画像作成部17は認識する。このため、係る位置関係を適切に示す奥行情報が作成される。
【0135】
このとき、フィルター画像作成部17は、図6に示すように、観察者の視線Lに沿って、図2に示す表示対象物を奥行方向に、その奥行位置をスキャンしていくようにして奥行情報を作成してもよい。尚、図6は、図2に示す表示対象物をy軸と平行な視線より見た場合の画像を示すものである。この場合、例えば、仮想観察者の側から一定の幅を取りながら、スキャン面を徐々に奥側へ移動させる。そして、観察者に近い側のスキャン面と接する元画像から順に奥行情報(例えば、z軸における座標値)を付与していく。例えば、観察者に近い側のスキャン面に接する元画像に対して、より小さなz座標値を付与し、視線Lの奥側へ進むにつれ、より大きなz座標値を付与することが好ましい。
【0136】
尚、この奥行情報は、立体表示用の画像を表示するためのディスプレイの画素単位で分割した元画像の部分単位毎に作成されることが好ましい。これにより、画素毎に適切にその奥行位置を特定することが可能となる。従って、後述の如く、観察者に対してより立体感を感じさせることの可能な立体表示用の画像を作成することが可能となる。尚、一の表示画面内の複数の画素が集合してなる画素ブロック毎に奥行情報を作成する構成であっても、後述の如く、観察者に対して相応に立体感を感じさせることの可能な立体表示用の画像を作成することが可能となる。
【0137】
尚、ステップS11にて取得する画像情報は、3次元の画像情報たる基本画像に限らず、奥行情報が付加された元画像を示す情報であってもよい。この場合、図4に示すステップS12及びステップS13、並びに図5に示すステップS21は実行されることなく、元画像に付加されている奥行情報に基づいて、直接フィルター画像を作成することが可能となる。
【0138】
再び図5において、ステップS21にて作成した奥行情報を透過率に変換し、例えば画素毎に所定の透過率を有したフィルター画像を作成する(ステップS22)。このとき、フィルター画像作成部17は、例えばRAM21に記録されている奥行情報と透過率の対応付けを示す関数に基づいて、例えば演算により奥行情報を透過率に変換することが好ましい。そして、CPU10の制御により、前画面或いは後画面の画素単位で透過率への変換が終了しているか否かを判定する(ステップS23)。
【0139】
この判定の結果、全ての画素単位で透過率への変換が終了していなければ(ステップS23:No)、透過率の変換が行われていない画素の変換を行う。他方、全ての画素単位で透過率への変換が終了していれば(ステップS23:Yes)、フィルター画像作成処理を終了し、図4のステップS15へ進む。
【0140】
ここで、奥行情報から透過率の変換動作について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、奥行情報に対応している透過率の一の例を示すグラフであり、図8は、奥行情報に対応している透過率の他の例を示すグラフである。
【0141】
図7に示すように、観察者に近い側のディスプレイ(即ち、後述の前画面101)に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像作成用の関数と、観察者から遠い側のディスプレイ(即ち、後述の後画面102)に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像作成用の関数とを示すグラフに基づいて、フィルター画像作成部17は、奥行情報を透過率に変換可能である。尚、図7においては、奥行情報の座標の値に応じて、観察者に最も近い側の奥行を0%とし、観察者から最も遠い側の奥行を100%として示している。即ち、本実施例に係る画像作成装置により作成される立体表示用の画像を表示する二つのディスプレイのうち、観察者に近い側にあるディスプレイ(以下、適宜“前画面”と称する)の位置を0%とし、観察者から遠い側にあるディスプレイ(以下、適宜“後画面”と称する)の位置を100%としている。但し、横軸を奥行情報(例えば、z軸上における座標値)として当該関数を示していてもよい。
【0142】
例えば、奥行情報が、「元画像の所定の部分単位(例えば、画素単位)は奥行30%の位置において立体的に表示される」ということを示しているとする。即ち、当該所定の部分の前画面からの距離と後画面からの距離との比が3:7の位置に存在することを示しているとする。この場合、前画面における立体表示用の画像を作成するためのフィルター画像を作成するために、元画像の所定の部分単位に対応するフィルター画像の所定の部分単位の透過率は70%として算出される。一方、後画面における立体表示用の画像を作成するためのフィルター画像を作成するために、元画像の所定の部分単位に対応するフィルター画像の所定の部分単位の透過率は30%として算出される。
【0143】
係る奥行情報の透過率への変換を、例えば元画像の部分単位毎に(即ち、例えば立体表示用の画像が表示されるディスプレイの画素単位毎に)行ない、前画面に表示される画像作成用のフィルター画像と、後画面に表示される画像作成用のフィルター画像とを作成する。
【0144】
尚、奥行情報と透過率との対応付けを示す関数は、図7に示すような一次関数に限られず、例えば図8に示すようにその変化が一定でなくとも、任意の変化率を有する関数を組み合わせてもよい。即ち、透過率と奥行との対応付けが可能な関数であればよい。加えて、同一の奥行情報における前画面用のフィルター画像の透過率と、後画面用のフィルター画像の透過率との和が100%となることが好ましい。但し、例えばディスプレイのガンマカーブ等の特性によっては、その和が100%になるものでなくともよい。
【0145】
更に、フィルター画像作成部17は、図7及び図8に示す関数に基づかなくとも、例えば奥行情報と透過率との対応付けを示すテーブルに基づいて複数のフィルター画像を作成してもよい。係るテーブルは、例えばRAM11等に記録されていることが好ましい。
【0146】
加えて、フィルター画像作成部17は、図5のステップS21における奥行情報の作成と同時に、該奥行情報を透過率に変換しフィルター画像を作成する構成であってもよい。
【0147】
このようにして作成された2つのフィルター画像の具体例を図9及び図10
を参照して説明する。ここに、図9(a)及び図9(b)は、作成されたフィルター画像の一の例を概念的に示す模式図であり、図10(a)及び図10(b)は、作成されたフィルター画像の他の例を概念的に示す模式図である。
【0148】
図9(a)及び図9(b)に示すように、図3に示す元画像に対して、2つのフィルター画像が作成される。前画面用のフィルター画像は、元画像の奥行情報が相対的に手前側にあることを示している部分についての透過率を高く、逆に元画像の奥行情報が相対的に奥側にあることを示している部分についての透過率を低くして作成されている。
【0149】
一方、後画面用のフィルター画像は、元画像の奥行情報が相対的に手前側に有ることを示している部分についての透過率を低く、逆に元画像の奥行情報が相対的に奥側にあることを示している部分についての透過率を高くして作成されている。
【0150】
尚、図3に示す元画像においては、その表示対象物が存在しない部分については、当該部分に対応するフィルター画像の透過率は、前画面用のフィルター画像及び後画面用のフィルター画像のいずれについても、0%となっている。
【0151】
従って、図9(c)に示す元画像(即ち、図3と同一画像)に、図9(a)に示す前画面用のフィルター画像を重ねて合成することで、図9(d)に示す前画面に表示される立体表示用の画像が作成される。
【0152】
一方、図9(c)に示す元画像に、図9(b)に示す後画面用のフィルター画像を重ねて合成することで、図9(e)に示す後画面に表示される立体表示用の画像が作成される。
【0153】
そして、このようにして作成された2つの立体表示用の画像を、対応する前画面或いは後画面に表示することで、後述の如く観察者は、立体的な画像として視覚することが可能となる(図14等参照)。
【0154】
但し、図10(a)及び図10(b)に示すように、後画面用のフィルター画像のうち、表示対象物たる球に係る画像部分を除く他の画像部分の透過率を100%としてもよい。加えて、例えば元画像中に、表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分が存在する場合には、図10(b)に示すように、後画面用のフィルター画像のうち他の画像部分の透過率を100%とすることが好ましい。このように、他の画像部分の透過率を100%とすることで、例えば前画面用のフィルター画像を作成すれば、該前画面用のフィルター画像の透過率が反転した画像を、後画面用のフィルター画像として利用可能となる。従って、フィルター画像作成部17の処理コストを低減し、画像作成装置1全体として処理パフォーマンスを向上することが可能となる。
【0155】
加えて、元画像が表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分を含んでいるか否かを判定することが可能な判定部を更に備えた構成であってもよい。これにより、判定部によって、元画像中に、表示対象物に係る画像を除く他の画像部分が存在していると判定されれば、自動的に上述の如く透過率が相互に反転した2つのフィルター画像を比較的容易に作成することが可能となる。
【0156】
尚、図9及び図10に示されるフィルター画像を用いて作成される立体表示用の画像については、後に詳述する(図14等参照)。
【0157】
ここで、上述の2つの画像が表示されるディスプレイの画素毎に、各画素のRGBの各色について奥行情報を元に適切に輝度計算をし、立体表示用の二つの画像を作成する構成について、本実施例の比較例として説明する。
【0158】
比較例においては、画素毎に、例えば表示対象物の奥行の位置に応じて、RGB各色毎に輝度の計算を行う。
【0159】
例えば、表示対象物の所定の部分が前画面より30%の位置に存在するとする。この場合、前画面に表示する立体表示用の画像のうち当該部分における輝度レベルは、赤色光の輝度レベルがr×0.7であって、緑色光の輝度レベルがg×0.7であって、青色光の輝度レベルがb×0.7であると算出される(但し、r、g、bは夫々各色光の元画像の輝度を示す)。一方、後画面に表示する立体表示用の画像のうち当該部分における輝度レベルは、赤色光の輝度レベルがr×0.3であって、緑色光の輝度レベルがg×0.3であって、青色光の輝度レベルがb×0.3であると算出される。そして、この奥行情報に基づく輝度レベルの計算を、例えばディスプレイの画素毎に行うことで、適切に輝度調整された2つの画像を作成することが可能である。
【0160】
しかしながら、上述の比較例では、RGBの各色について且つディスプレイの画素毎に輝度計算をする必要があり、その処理コストは大きな負担となるものである。
【0161】
しかるに本実施例によれば、RGB各色について考慮することなく、奥行の位置に応じた所定の透過率を有するフィルター画像を作成することで、適切に輝度調整された画像(或いは、当該画像と概ね同等に輝度調整された画像)を作成することが可能となる。従って、その処理コストを低減すると共に、比較的容易に立体表示用の画像を作成することが可能である。
【0162】
続いて、図11及び図12を参照して、本実施例に係る画像作成装置1が作成するフィルター画像の他の具体例について説明する。ここに、図11(a)は、本実施例に係る元画像の他の具体例を概念的に示す模式図であり、図11(b)及び図11(c)は、本実施例に係る画像作成装置が作成するフィルター画像の他の具体例を概念的に示す模式図であり、図12は、図11のフィルター画像により実現される立体表示を概念的に示す模式図である。
【0163】
図11(a)に示すように、元画像が存在しており、当該元画像に対して上述の動作によりフィルター画像が作成される(図4等参照)。尚、当該元画像は、黒色の背景に表示される斜線の四角部分に係る画像部分が、右側の列から左側の列に行くにつれて、より仮想観察者に近い側に存在することを示す奥行情報が付加されているとする。
【0164】
この場合、図11(b)及び図11(c)に示すような2つのフィルター画像が作成される。即ち、前画面用のフィルター画像については、図11(b)に示す如く、元画像の斜線の四角部分に対応する部分のうち左側の列ほど透過率が高く(例えば、透過率100%)、右側の列に進むにつれて透過率は低くなる(例えば、60%から、30%、0%へと低くなる)。
【0165】
一方、後画面用のフィルター画像については、図11(c)に示す如く、元画像の斜線の四角部分に対応する部分のうち左側の列ほど透過率が低く(例えば、透過率0%)、右側の列に進むにつれて透過率は高くなる(例えば、30%から、60%、100%へと高くなる)。
【0166】
そして、図11(a)に示す元画像を、図11(b)及び図11(c)の夫々に重ねて合成することで、立体表示用の2つの画像を作成することが可能となる。係る2つの画像を、例えば2つのディスプレイを有する表示装置において、観察者の視線上において重ねて表示出力することで、観察者は図12に示すような立体的な画像を視覚することとなる。
【0167】
即ち、図12に示すように、斜線の四角部分に係る画像部分が、右側の列から左側の列に行くにつれて、観察者の側に飛び出してくるような立体的な画像として視覚することとなる。
【0168】
以上説明したように、本発明の画像作成装置に係る実施例によれば、例えば3次元の画像情報たる基本画像から、観察パラメータにより指定される観察条件に応じた立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。即ち、所定の透過率を有するフィルター画像を元画像に重ねて合成することで、立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。言い換えれば、奥行(即ち、奥行情報)という3つ目の次元に相当する情報をフィルター画像に置き換えることによって、例えば立体表示用の複数の画像を、元画像と同一の次元で比較的容易に扱うことが可能という大きな利点を有する。従って、例えば画素毎の奥行の位置に応じて、且つ例えばRGB各色毎に適切に輝度計算された複数の画像を作成する場合と比較して、比較的容易に、例えば輝度変調型の表示装置において表示出力される立体表示用の複数の画像を作成することが可能となる。
【0169】
(輝度変調型の立体表示システム)
最後に、以上説明した画像作成装置により作成された立体表示用の複数の画像を用いて、実際に輝度変調型の立体表示或いは3次元表示を行う表示装置(或いは、立体表示システム)の実施例について図13及び図14を参照して、説明する。ここに図13は、本実施例に係る表示装置のブロック図であり、図14は、これによる立体表示の一例を示す平面図である。
【0170】
図13に示すように、表示装置100は、上述した画像作成装置1、前画面101、後画面102、画像入力部104、第1駆動部105、第2駆動部106及び制御部107を含んで構成されている。
【0171】
前画面101及び前画面102は、表示装置100の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面101は、前方に配置され、後画面102は後方に配置されている。前画面101は、後方にある後画面102の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやEL表示デバイスが用いられる。他方、後方に配置される後画面102は、液晶表示デバイスやEL表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスであってもよい。更に、前画面101及び後画面102は観察者の視線に対して前方或いは後方に移動可能であり、その間隔を広げ或いは狭めることが可能である。
【0172】
これら前画面101及び後画面102の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面101及び後画面102の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。即ち、輝度変調方式の立体表示も可能である。
【0173】
尚、前画面101として液晶表示デバイスやEL表示デバイスを用いる他に、光透過性のないブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスを用いる構成を採ることも可能である。即ち、前画面101を後画面102に対して視線Lを遮らないように配置し、観察者の視線上にハーフミラー(但し、図示されていない)を設け、このハーフミラーの角度を前画面101に表示される画像が後画面102に表示される画像に重なるように定めることで、光透過性のない表示装置を画像表示部に導入することが可能となる。
【0174】
画像入力部104は、画像作成装置1から入力される画像(即ち、前画面101及び後画面102に表示される画像)を、画像作成装置1より取得し、第一駆動部105及び第二駆動部106に出力する。又、画像作成装置1より取得した画像を記憶しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面101及び後画面102の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ、色相、表示形態、画像変形等についても個別に制御可能である。
【0175】
第一駆動部105及び第二駆動部106は、前画面101及び後画面102を夫々表示駆動するためのものであり、画像作成装置1で作成された前画面101又は後画面102用の画像(或いは、当該画像に係る画像信号)に基づいて表示駆動する。制御部107の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0176】
制御部107は、表示装置100の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面101及び後画面102の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像入力部104に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。
又、第一駆動部105及び第二駆動部106の動作を制御する。
【0177】
続いて、図14を参照して、表示装置100に表示される画像について説明する。
【0178】
図14に示すように例えば、図13の如き構成を有する表示装置100によれば、図9及び図10のフィルター画像に対応する立体表示用の画像の表示が適切に行われる。即ち、図14(a)に示すように、図9(d)及び図9( e)に示す立体表示用の画像が、対応する前画面101及び後画面102に表示される。従って、図14(b)に示すように、視線Lにて観察する観察者は、球に係る立体的な画像を視覚することとなる。このため、輝度を計算したのと同様の画質を有する3次元表示を、上述の画像作成装置に係る実施例の如く、比較的簡単な作成処理によって実現可能となる。
【0179】
尚、本実施例においては、立体表示用の画像として2つの画像を具体例として説明したが、3つ以上の画像を立体表示用の画像として作成する場合であっても同様の動作を行うことで、本実施例における効果を得ることが可能である。
【0180】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像作成装置及び方法、並びに立体表示システムもまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像作成装置に係る実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像作成装置に係る実施例において、画像作成の対象となる表示対象物の具体例を概念的に示す模式図である。
【図3】本発明の画像作成装置に係る実施例において、図2の表示対象物の元画像に係る具体例を概念的に示す模式図である。
【図4】本発明の画像作成装置に係る実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の画像作成装置に係る実施例の動作における、フィルター画像作成の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の画像作成装置に係る実施例において、奥行情報の作成動作を概念的に示す模式図である。
【図7】本発明の画像作成装置に係る実施例において用いられる、奥行情報と透過率との対応付けを示す関数の一の例を図式的に示すグラフである。
【図8】本発明の画像作成装置に係る実施例において用いられる、奥行情報と透過率との対応付けを示す関数の他の例を図式的に示すグラフである。
【図9】本発明の画像作成装置に係る実施例において作成される、フィルター画像の一の具体例を概念的に示す模式図である。
【図10】本発明の画像作成装置に係る実施例において作成される、フィルター画像の他の具体例を概念的に示す模式図である。
【図11】本発明の画像作成装置に係る実施例において用いられる元画像の他の具体例及び作成されるフィルター画像の他の具体例を概念的に示す模式図である。
【図12】本発明の画像作成装置に係る実施例において、図11に示す元画像及びフィルター画像の具体例により実現される立体的な画像を概念的に示す模式図である。
【図13】本発明の立体表示システムに係る実施例の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【図14】本発明の立体表示システムに係る実施例の表示動作時の表示画面を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・画像作成装置
10・・・CPU
11・・・RAM
12・・・ハードディスク
13・・・入力部
14・・・ディスプレイ
15・・・元画像作成部
16・・・観察パラメータ取得部
17・・・フィルター画像作成部
18・・・画像合成部
19・・・画像出力部
20・・・データバス
100・・・表示装置
101・・・前画面
102・・・後画面
104・・・画像入力部
105・・・第一駆動部
106・・・第二駆動部
107・・・制御部
Claims (21)
- 表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、
前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得手段と、
前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得手段と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成手段と、
前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成手段とを備えたことを特徴とする画像作成装置。 - 前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として前記仮想観察者の観察位置に関する情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像作成装置。
- 前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記仮想観察者の視線に関する情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像作成装置。
- 前記パラメータ取得手段は、前記観察パラメータの少なくとも一部として、前記表示対象物が配置される座標系に関する情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像作成装置。
- 前記観察パラメータを外部より指定可能な外部入力手段を更に備えており、
前記パラメータ取得手段は、該外部入力手段により指定された観察パラメータを取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像作成装置。 - 前記表示画像作成手段は、前記複数の画像を夫々表示出力する表示手段の画素毎に定まる前記奥行情報に基づいて、前記複数の画像を作成することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像作成装置。
- 前記表示画像作成手段は、
前記奥行情報と、前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、
前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像作成装置。 - 表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置であって、
前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得手段と、
前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成手段と、
前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成手段とを備えたことを特徴とする画像作成装置。 - 前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、白黒の階調を有するモノクロ画像を作成することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像作成装置。
- 前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、該少なくとも一つのフィルター画像の少なくとも一部の領域を示す部分単位毎に所定の透過率を有する画像を作成することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の画像作成装置。
- 前記フィルター作成手段は、前記複数のフィルター画像のうち少なくとも一つとして、前記複数の画像のうち少なくとも一つを表示出力する表示手段の画素毎に、前記所定の透過率を有する画像を作成することを特徴とする請求項10に記載の画像作成装置。
- 前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち相対的に前記観察者に近い側に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像を作成する場合には、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に手前側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を高くし、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に奥側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも他の一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を低くして前記複数のフィルター画像を作成することを特徴とする請求項10又は11に記載の画像作成装置。
- 前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち相対的に前記観察者から遠い側に表示出力される画像を作成するためのフィルター画像を作成する場合には、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に手前側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を低くし、前記表示対象物のうち前記仮想観察者の側から見て相対的に奥側にある部分に対応する前記元画像のうち少なくとも他の一部に重ねて合成される前記複数のフィルター画像の前記部分単位に係る透過率を高くして前記複数のフィルター画像を作成することを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の画像作成装置。
- 前記元画像に、前記表示対象物に係る画像部分を除く他の画像部分が含まれているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により前記他の画像部分が含まれていると判定された場合には、前記フィルター作成手段は、前記複数の画像のうち、前記観察者の側から見たときの表示順序と、前記観察者の側とは反対の側から見たときの表示順序とが相等しい2つの画像を作成するための前記複数のフィルター画像のうち2つのフィルター画像を作成する場合、該2つのフィルター画像の対応する前記部分単位の透過率が相互に反転した関係にあるように作成することを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の画像作成装置。 - 前記フィルター作成手段は、前記奥行情報を入力データとして、前記所定の透過率を出力データとする関数による演算を行うことで、前記複数のフィルター画像を作成することを特徴とする請求項10から14のいずれか一項に記載の画像作成装置。
- 前記フィルター作成手段は、前記奥行情報に対応付けられた前記所定の透過率を示すテーブルに基づいて前記複数のフィルター画像を作成することを特徴とする請求項10から14のいずれか一項に記載の画像作成装置。
- 表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、
前記表示対象物を特定可能な基本画像情報を取得する画像取得工程と、
前記表示対象物が配置されている空間上における仮想観察者が、前記表示対象物を観察する際の条件を示す観察パラメータを取得するパラメータ取得工程と、該取得された観察パラメータに応じて、前記基本画像情報より前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像を作成する元画像作成工程と、
前記取得された観察パラメータに応じて定まる前記元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報と前記元画像とに基づいて、前記複数の画像を作成する表示画像作成工程とを備えたことを特徴とする画像作成方法。 - 表示対象物に係る複数の画像を観察者の視線上において相前後して重ねて表示出力することで立体表示する表示装置に表示される前記複数の画像を作成するための画像作成装置における画像作成方法であって、
前記表示対象物を2次元の画像情報として特定可能な元画像及び該元画像のうち少なくとも一部の奥行位置を示す奥行情報を取得する画像取得工程と、
前記奥行情報と前記観察者の側から見た場合の前記複数の画像の表示順序とに基づいて、前記元画像上に夫々重ねて合成することで前記複数の画像として表示出力可能な複数のフィルター画像を作成するフィルター作成工程と、
前記元画像上に前記複数のフィルター画像を夫々重ねて合成し、前記表示装置に表示出力する前記複数の画像を作成する画像合成工程とを備えたことを特徴とする画像作成方法。 - コンピュータを請求項1から7のいずれか一項に記載の画像作成装置における前記画像取得手段、前記パラメータ取得手段、前記元画像作成手段及び前記表示画像作成手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- コンピュータを請求項8から16のいずれか一項に記載の画像作成装置における前記画像取得手段、前記フィルター作成手段及び前記画像合成手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 請求項1から16のいずれか一項に記載の画像作成装置及び前記表示装置を具備してなることを特徴とする立体画像表示システム。
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JP2003132205A JP2004336567A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 画像作成装置及び方法、立体画像表示システム並びにコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003132205A JP2004336567A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 画像作成装置及び方法、立体画像表示システム並びにコンピュータプログラム |
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Family Applications (1)
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JP2003132205A Abandoned JP2004336567A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 画像作成装置及び方法、立体画像表示システム並びにコンピュータプログラム |
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- 2003-05-09 JP JP2003132205A patent/JP2004336567A/ja not_active Abandoned
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