JP2004333311A - 材料物性の高電圧測定方法とその高電圧測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定材料の、例えば電流特性、電気抵抗、抵抗率等の高電圧物性を高精度に測定する材料物性の高電圧測定方法とその装置。
【解決手段】主軸基台2に支持され上下に可動可能な上部電極部3と、基台4に固定された下部電極部5との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材33を介在すると共に、加圧機構6により所定の圧力で測定材料S加圧し両電極3、5の面に密着させ、かつ上部電極部3に高電圧を印加し、測定材料Sを貫通して流れる電流を計測する構成で、沿面放電の発生を抑制して測定材料Sの高電圧物性を高精度に測定することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】主軸基台2に支持され上下に可動可能な上部電極部3と、基台4に固定された下部電極部5との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材33を介在すると共に、加圧機構6により所定の圧力で測定材料S加圧し両電極3、5の面に密着させ、かつ上部電極部3に高電圧を印加し、測定材料Sを貫通して流れる電流を計測する構成で、沿面放電の発生を抑制して測定材料Sの高電圧物性を高精度に測定することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定材料として、例えば樹脂製プレートの電気特性(電流、電気抵抗、抵抗率等)の測定に用いる材料物性の高電圧測定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電流を流して装置を動作させるためには、電圧を維持しておかなければならない。そのためには必ず絶縁体が必要となる。従来の高電圧機器においても、電極の支持部材として絶縁体が広く用いられている。しかし、取扱う電圧が高くなるほど高電圧を発生する電極まわりの絶縁体は、帯電、放電が発生し易くなり、これによって測定系への影響が問題とされてくる。電圧を印加する電極の支持部材、すなわち絶縁体は、電圧値や取扱う環境・条件により種類が様々であるが、取扱う電圧が高い程、ポリエチレンやテフロン(登録商標、以下同じ)など固有抵抗率の高い材料が絶縁体として用いられる。
【0003】
しかしながら、一般には絶縁体として用いる固有抵抗率が高い材料ほど高電界にさらされると帯電し易く、材料の表面電位は様々な分布を持って電位的に不安定な状態となる。そして、表面の電位が著しく上昇してしまった部位では、ブラシ放電あるいはストリーマ放電(これらの放電を沿面放電と称する)が発生し、これが電磁ノイズとなって測定系に悪影響を与えるという問題がでてくる。
【0004】
また、沿面放電が発生すると次第に局所的な絶縁破壊へと進展し、材料の本質的な特性を変化させ、強いては絶縁特性を劣化させるという問題もある。沿面放電は、絶縁体の表面に発生進展する放電であり、絶縁体に電圧を印加中あるいは電圧を取り去った直後でも発生すると考えられている。
【0005】
このため、従来は、図12、図13に示すようにポリエチレン、テフロンなどの絶縁体を用いて、沿面放電が発生しても電界集中を緩和させるだけの絶縁距離を確保していた。すなわち、絶縁体の側面が波面あるいは両電極間と平行とした鍔面を有するなど絶縁距離を確保する形状とする方法が取られていた。しかし、このような方法は、高電圧になればなるほど、絶縁体を含む両電極が大型化してしまい、実用上、問題となることが多い。
【0006】
このように高電圧環境下では、絶縁体は、絶縁距離を確保するために絶縁体の側面が波面あるいは両電極間と平行とした鍔面を有した形状とすることが一般的に取られる方法である。また、沿面放電は、使用者が絶縁体を手で触れる際に付着する皮脂、あるいは塵、埃などにも強く依存することから、アルコール類などによる表面改質を行うメンテナンス作業が必要になってくる。このようなメンテナンスを容易に行えるようにするためにも、電極は大型化せざるを得なくなってくる。
【0007】
すなわち、図14に示すごとくJISに準拠して体積抵抗率、表面抵抗率を測定する装置(特開平5−232166号公報)においては、電極80あるいは電極81の絶縁支持部材は高電圧になるほど絶縁距離を確保しなければならないため、電極ユニットを大型化せざるを得ない。この理由から一般には、図14に基づく測定装置においては、1kV〜3kVまでが容易に測定を可能とする範囲とされている。すなわち、それ以上の高電圧で、特にpA〜nA領域での微小電流の測定において不都合を来すこととなる。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−232166号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の課題を解決するために案出されたものである。すなわち、本発明の目的は、高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する電気物性を有する絶縁性高分子材を電極の支持部として構成することにより、電極部の小型化を実現した上で、測定材料を流れる正規の電流を高精度に測定でき、測定材料の高電圧物性を測定し得る材料物性の高電圧測定方法とその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の材料物性の高電圧測定方法は、基台に配設され測定材料の一方の部位に圧接される第1の電極と、基台に配設され測定材料の他方の部位に圧接される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高電圧を印加して両電極に圧接された測定材料に流れる電流を計測する材料物性の高電圧測定方法であって、第1の電極は測定材料への高電圧印加用の主電極と接地用の接地電極とからなり、主電極と接地電極との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材を介在すると共に、主電極を電源装置に接続し、かつ接地電極を接地したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の材料物性の高電圧測定装置は、基台に配設され測定材料の一方の部位に圧接される第1の電極と、基台に配設され測定材料の他方の部位に圧接される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高電圧を印加して両電極に圧接された測定材料に流れる電流を計測する材料物性の高電圧測定装置であって、第1の電極は測定材料への高電圧印加用の主電極と接地用の接地電極とからなり、主電極と接地電極との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材を介在すると共に、主電極を電源装置に接続し、かつ接地電極を接地したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明の材料物性の高電圧測定装置は、第1の電極において、絶縁性高分子材、接地電極は同心上に円筒状の開口穴が設けられると共に、高電圧を印加するためのケーブルが電源装置より接地電極、絶縁性高分子材の開口穴を通して主電極に接続されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明の材料物性の高電圧測定装置は、第1の電極において、主電極と同心の絶縁ラバーが絶縁性高分子材に設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明の材料物性の高電圧測定装置は、第2の電極は測定材料への高電圧印加用の対電極とガード電極とからなり、対電極を電流計測手段に接続すると共に、ガード電極が接地された電極において、ガード電極と測定材料との接触面に導電性ラバーが設けられたことを特徴とする。
【0016】
第1の電極は、主電極と接地電極とからなる。主電極は、高電圧を印加するための電極で、高電圧を発生するための電源装置に接続されている。接地電極は、主電極とで絶縁性高分子材を介在して挟圧するようにして接地されるている。
【0017】
第2の電極は、第1の電極と対向するように配設され、対電極とガード電極とからなる。主電極としての対電極は、高電圧印加時に測定材料に流れる電流を吸収するための電極で、外部の電流計測手段に接続され測定材料を流れる電流を計測可能に構成されている。
【0018】
ガード電極は、高電圧を印加したときに測定誤差となる測定材料の表面を流れる電流を吸収するための電極である。具体的には、例えばリング形状の電極と測定材料の接触部に弾力性のある導電性ラバーを有した構成とすることができる。測定材料は、代表的なものとして樹脂製プレート、例えば、高分子材自体が導電性を有するもの、あるいは、高分子材にカーボンなどを練り込んだ複合材料などである。
【0019】
絶縁性高分子材とは、高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制するものである。絶縁性高分子材は、例えば、主電極と接地電極とが対向する空間を満たすように介在して設けことにより、絶縁距離を短くし得るものである。
【0020】
ここで、第1の電極に印加する高電圧の形態は、直流電圧、交流電圧、高周波電圧などがある。直流的な電気特性測定に対しては直流高電圧を、インピーダンス特性の測定には交流高電圧を、また誘電特性を測定する場合は高周波高電圧を適時利用することができる。
【0021】
【発明の作用・効果】
(1)第1の電極においては、固有抵抗率が1014Ωcm以上で、かつテフロン、ポリエチレンなどに代表される例えば、高分子材に比べ、高電圧環境下において、表面で発生した電荷は電位の低い方へと移動し易い。すなわち、具体的には、高分子材の表面層に電荷が残留していても高分子材の表面層に沿って高電圧を加えることで、電位の低い方へ電荷が移動しやすく、かつ高電圧を印加することで発生する絶縁材表面の蓄積電荷を少なくできる電気物性を有する絶縁性高分子材(例えば商品名PEEK材、固有抵抗率6.5×1016Ωcm)を、主電極と接地電極とが対向する空間を満たすように介在させる。これにより、主電極上部の絶縁性高分子材の表面の電界を接地電極に向かって一様に安定させることができるため、絶縁性高分子材の表面での沿面放電を抑制する効果を持たせることができる。
【0022】
ちなみに、本発明者等は、絶縁体にテフロンを用いて電極に高電圧を印加し沿面放電の有無確認の実験解析を行い、図17に示す測定材料に流れる電流波形を得た。また、同様にして例えばPEEK材を用いて電極に高電圧を印加し沿面放電の有無確認の実験解析を行い、図18に示す測定材料に流れる電流波形を得た。これからも明らかなように、絶縁体がテフロンの場合に、図17に示す電流波形図中には顕著な沿面放電が生じて、測定や精度などに支障を来たすことがあり、実用上解決しなければならない多大の問題を有することが解った。これに対して、絶縁体がPEEK材の場合には、図18に示すように、沿面放電の発生を抑制する効果により沿面放電が生じなく、実用上の測定や精度などに支障を来たすことがないことを確認できた。
【0023】
(2)第1の電極においては、固有抵抗率が1014Ωcm以上で、かつテフロン、ポリエチレンなどに代表される例えば、高分子材に比べ、高電圧環境下において、表面で発生した電荷は電位の低い方へと移動し易い。すなわち、具体的には、高分子材の表面層に電荷が残留していても高分子材の表面を沿って高電圧を加えることで、電位の低い方へ電荷が移動し、かつ高電圧を印加することで発生する絶縁材表面の蓄積電荷を少なくできる電気物性を有する絶縁性高分子材(例えば商品名PEEK材、固有抵抗率6.5×1016Ωcm)を、主電極と接地電極とが対向する空間を満たすように介在して固定する。これにより、テフロン、ポリエチレンなどに比べて絶縁距離を短く、かつシンプルな形状で小型化を実現した上で、沿面放電を抑制する効果を持たせることができる。このため、放電による測定系への影響を発生させることなく、測定材料の断面に流れる微少な電流(pA〜nA)を高精度に測定することができる。
【0024】
これは、高い固有抵抗率を持ちながらも、高電界環境下においても、表面の電荷が移動し易い電気物性を有することを効果的に利用することによって達成されるものである。
【0025】
(3)第1の電極部の主電極と接地電極とで介在し、かつ固定する絶縁性高分子材は、これを、電気抵抗率が1014Ωcm以上で、かつ表面で発生する部分放電を抑制できる帯電・除電特性に優れた電気物性を有する絶縁性高分子材(例えば、PEEK材)とする。これにより、高電圧が印加されても絶縁性高分子材の表面での部分放電が抑制されるため、ノイズ源となりうる電磁ノイズを発生させることなくサンプルに(貫通して)流れる微小な電流(pA〜nA)を高精度に測定することができる。
【0026】
(4)第1の電極の主電極と接地電極とで介在し、かつ固定する絶縁性高分子材において、これを、テフロン、ポリエチレンなどに代表される絶縁材に比べ、表面で発生する沿面放電を抑制できる絶縁性高分子材(例えば、PEEK材)を、主電極と接地電極とが対向する空間の全てを満たすように介在して固定する。これにより、テフロン、ポリエチレンなどに比べて絶縁距離を短くかつシンプルな形状で小型にできるため、主電極、接地電極を含めた電極ユニットがコンパクトにできる。
【0027】
(5)第1の電極において、主電極と同心の絶縁ラバーを主電極と同一面に絶縁性高分子材に設け、絶縁ラバーが主電極より先に測定材料に接触するようにすることで、主電極に高電圧が印加されたときに表面に流れる電流を抑制する効果が得られる。
【0028】
(6)第2の電極のガード電極において測定材料との接触部に弾力性のある導電ラバーを設けて測定材料との密着性を良好なものとすることにより、第1電極の絶縁ラバーの効果に加えて、測定誤差となる測定材料の表面に流れる電流をガード電極で確実に吸収することで、測定材料の断面に流れる電流を高精度に測定できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明における実施形態の材料物性の高電圧測定方法とその装置1は、図1ないし図10に示すように構成されている。すなわち、材料物性の高電圧測定装置1は、図1ないし図5に示すように、主軸基台2に支持され上下方向に可動可能な第1の電極としての上部電極部3と、基台4に固定された第2の電極としての下部電極部5と、上部電極部3と下部電極部5との間に介在させた測定材料であるサンプルSを所定の圧力でサンプルSを加圧し両電極部3、5の間に密着させる圧力調整手段としての加圧機構6と、両電極3、5の間に高電圧を印加したときのサンプルSを貫通して流れる電流を測定する手段7と、から構成されている。
【0030】
上部電極部3は、高電圧を印加するための主電極31と接地電極32とからなる。両電極31、32の間には絶縁性高分子材33を気密性良好に介在させてなる。主電極31は、図6ないし図8に示すように、高電圧を印加するための高圧ケーブル34、コネクタ35を介接して外部の電源装置36に導電性良好に接続されている。接地電極32の上部には、図1ないし図3に示すように、所定圧力で上部電極部3をサンプルSに加圧する加圧機構6のバネゲージ60が配設されている。
【0031】
バネゲージ60は、図1ないし図3に示すように、加圧回転ノブ61が、これと一体とした加圧主軸62と軸方向の所定の位置で加圧主軸62と相対回転可能な主軸フランジ63を有する。アーム支持部64は、これを支点として主軸アーム65の端部に設置したフランジクランプ66が上下方向に可動できるように構成されている。フランジクランプ66は、これの作動によって主軸フランジ63および加圧主軸62と一体とした加圧回転ノブ61を上下方向に可動可能とするのである。さらに、加圧主軸62の軸方向の一部位と上部基台40とがネジによって噛み合いするようにすることで、加圧主軸62が主軸アーム65によって下部に位置した場合のみ加圧回転ノブ61を回転させることにより、加圧主軸62が加圧回転ノブ61の回転量に応じて下降可能に構成されている。
これにより、上部電極部3に設けられた加圧バネゲージ6を押し下げ、上部電極部3が所定の圧力でサンプルSを加圧するように構成されている。
【0032】
上部電極部3は、図6ないし図8に示すように、絶縁性高分子材33を主電極31と接地電極32とで上下に介在する構成とされている。主電極31は、高電圧を印加するための高圧ケーブル34を通じて外部に取り出す手段としてのコネクタ35に導電性良好に設けられている。高圧コネクタ35は、接地電極32との微小な放電を防止するためにテフロンケース39に取り付けられている。主電極31は取替え可能とするために電極基台37にネジ固定される。また、主電極31と同心円上には絶縁ラバーとしてドーナッツ形状を有したシリコンラバー30が絶縁性高分子材33に接着されている。
【0033】
シリコンラバー30は、サンプルSとの密着性を増すために主電極31の接触面より先にサンプルSに接触できるように、主電極31より+0.5mm程度の厚みで、突出形態に構成されている。一般には、高電圧になるほど、主電極31からサンプル表面に沿って下部電極部5に流れる電流が発生し測定に影響を与えると考えられている。シリコンラバー30はこれを抑制する効果を実現するのである。
【0034】
コネクタ35から主電極31までを導電性良好に接続する高圧ケーブル34は、上部接地電極32および絶縁性高分子材33の中心部を貫通して主電極31の支持部に接続されている。さらに、高圧ケーブル34と接地電極32との間でミクロな放電を防止するために、主電極31からテフロンケース39までの間をシリコンシューブ38で多重絶縁し、シリコンチューブ38と高電圧ケーブル34との隙間にシリコン樹脂を充填している。これにより高電圧ケーブル34から発生する電界を中心部より対象となるようにし、多重絶縁により電界強度を緩和するように構成されている。
【0035】
上部電極部3を以上のように構成することにより、絶縁性高分子材33の表面に電荷が残留していても絶縁性高分子材33の表面層に沿って高電圧を印加するので上部接地電極32に電荷が移動し易く、かつ高電圧を印加することによって発生する表面の蓄積電荷を少なくすることができる。このため、主電極31の上部に設けた絶縁性高分子材33の表面の電界を接地電極32に向かって一様に安定させる。これによって、絶縁性高分子材33の表面での沿面放電を抑制する効果を持たせることにより、ノイズ発生を低減し、サンプルSに流れる微少な電流を高精度に測定できる上部電極部3を実現するのである。
【0036】
図9、図10に示すように下部電極部5は、JISで規定されている主電極31と対向してサンプルSを介在されるための対電極51とガード電極52からなる。対電極51は、対電極51の土台となる接地されたシールドポット53に固定されたテフロン製絶縁ポット54とこの絶縁ポット54に固定された金属性カップリングポット55にネジによって固定される。
【0037】
サンプルSとの接触面は1Ωcm以下の導電性シートを張り付けることで上部電極部3の加圧と併せてサンプルSとの密着性を良好なものとし、安定した測定を実現している。ガード電極52は、サンプルSの表面から裏面へと流れる電流が対電極に至る前にガード電極52で吸収することが目的とされている。しかし、実用問題として、サンプルSが若干反っている場合あるいは表面の粗度が粗い場合においては、ガード電極52とサンプルSとの密着性が悪くなり、サンプルSの表面から裏面に流れる電流を十分吸収できない。このため、ここでは、対電極51と同じ1Ωcm以下で対電極51より+0.5mm程度厚い弾力性のある導電性ラバー56をサンプルSとの接触面に配設することにより、上部より加圧されたときにサンプルSとの密着性を確保し高精度な測定を実現することができる。
【0038】
上記構成からなる本発明における実施形態の材料物性の高電圧測定装置1は、主軸基台2に支持され上下に移動可能な上部電極部3と、下部基台4に固定された下部電極5との間にサンプルSを介在させて上部電極部3に設けられた加圧機構6によりサンプルSを所定の圧力で加圧密着させ上部電極部3に最大10kVを印加してサンプルSを貫通して流れる電流を測定する装置であって、上部電極部3がコンパクトで、かつ放電ノイズの影響を皆無としサンプルSに流れる微小な電流を高精度に測定できる作用効果を有する。
【0039】
図1において、下部基台4から側板A82、側板B83を介して支持される主軸基台2の上部には加圧回転ノブ61が設けられこの加圧回転ノブ61を回転させることで、この加圧回転ノブ61と一体で回転する加圧主軸62が主軸基台2に対してネジ機構により上下に可動する。加圧主軸62のネジ部は軸方向の一部のみを雄ネジとし、加圧主軸62が主軸基台2の雌ネジに填め合うまでは、主軸基台2に設けたフランジガイド67と主軸フランジ63に設けたリニアブッシュ68によって上下に可動できる機構とし、アーム支持部64を支点として主軸アーム65を上げ下げにすることで加圧主軸62を上下に移動することができる。
【0040】
加圧主軸62が最下部においては、フランジクランプ66が主軸基台2の上面に設けた主軸ダンパーにて停止するものとし、その位置よりさらに降下させるために下部方向への若干の圧力で加圧回転ノブ61をまわすことで、ネジ機構により加圧回転ノブ61の回転量に応じて加圧主軸が下降することができる。
主軸アーム65のグリップ部に対向した端部には、加圧主軸62の軸方向に所定の部位に取り付けられた加圧主軸62と相対回転を可能とする主軸フランジ63を、主軸アーム65に連結したフランジクランプ66が設けてあり、これを上げ下げすることで主軸フランジ63を上下に移動させることができる。このフランジクランプ66には樹脂製ローラが設けてあり主軸フランジの上下移動をアシストしている。
【0041】
主軸アーム65の操作によってフランジクランプ66は、上方向には主軸基台2に設けたアームラッチまで上昇し、下方向には主軸基台2に設けた主軸ダンパーに接触するまで降下することができる。また、フランジクランプ66が主軸ダンパーまで下降すると加圧回転ノブ61をまわすことでネジ機構により加圧主軸62を降下させることができる。そして、フランジダンパーは、加圧主軸62が下降すると若干の力で反発するようように設けてあるため、ネジ機構により降下させるときに雄ネジ雌ネジとの始めの填め合いをアシストする役割を果たす。
【0042】
上部電極部3は加圧支持板に取付けられ、さらに加圧支持板の上部には加圧バネゲージ6が設けられ加圧支持板の両端部にはローラ機構を有したアームが設けられ、側板Aにはこのアームが上下に移動できることを可能とするガイドが設けられている。加圧支持板は、主軸アーム65により加圧主軸62が最上部に押し上げられた状態において、最上部に位置できる構造とし、さらには、最上部では加圧支持板両端部に設けた電極ラッチにより側板Aに固定することができる。電極ラッチの爪はローラが設けられており加圧支持板が下降する際にはローラが側板Aに対してガイドとなる。このローラによりラッチのセット/リセットを容易にしている。
【0043】
サンプルSを加圧するには、加圧支持板の電極ラッチを外し上部電極部3をサンプルSに接触させ、主軸アーム65にて主軸フランジ63を最下部まで下降させ、加圧回転ノブ61により加圧主軸62を下降させる。このときに加圧主軸62の下方端部に位置する加圧バネゲージ6を押し下げ、これに刻まれたスケールを目視しながら所定の圧力まで加圧するのである。このような状態で電流測定が行われる。サンプルSを交換する場合は、加圧バネゲージ6が無加圧になるまで、すなわち、加圧主軸62のネジが上部基台から外れるまで加圧回転ノブ61を緩めた後、主軸アーム65がラッチされるまで主軸フランジ63を最上部に押し上げるのである。さらに、加圧支持板を上部にスライドさせ側板Aの所定の位置でラッチさせる。この状態でサンプルSを交換するのである。
【0044】
図15は、本実施例に基づき最大−10kVまでの直流電圧を印加したときにサンプルSに流れる電流を測定し、これを基にしてサンプルSの体積抵抗率を求めた例を示すものである。ここでは、高分子材に導電性の発現物質として数ミクロンのカーボンブラック(CB)のフィラーを添加したプレートをサンプルSとして使用した。このような、高分子複合樹脂材は、電圧を印加するとサンプルSに流れる電流は、図16に示すような特性を示す。
【0045】
パルス駆動にてサンプルSに電圧を印加しても基本的な特性は同じであり、この場合は、特に充電電流域を測定することが重要となり、抵抗率を測定するような直流電圧駆動時では、直流的に安定した定常電流域を測定することが重要となる。また、印加電圧を増していくとサンプルSに流れる電流は指数関数的に増加する。このときの電流特性は、導電性を発現させる物質とその分散性、成形条件によって決まる。
【0046】
図15は、このような電流特性の定常電流域の値を基にして体積抵抗率を求めたものである。この結果、図15に示すごとく、印加電圧を増していくとサンプルSに流れる電流が増すことで体積抵抗率が低くなることを示している。同時にCBの添加量(2%、4%)の多い方は、体積抵抗率が低い特性であることを示している。
【0047】
【その他の実施の形態】
本発明の実施の形態は、上記実施の形態の他に、第1の電極における主電極と接地電極、あるいは第2の電極における対電極としての主電極とガード電極が上部基台または下部基台のいずれに配設してもよく、前記と同様な作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態例を示す材料物性の高電圧測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の構造を示す平面図である。
【図3】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の構造を示す側面図である。
【図4】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の要部構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の要部構造を示す平面図である。
【図6】本発明の代表的な実施の形態例における上部電極部の要部構造を示す側面図である。
【図7】本発明の代表的な実施の形態例における上部電極部の要部構造を示す平面図である。
【図8】本発明の代表的な実施の形態例における上部電極部の要部構造を示す側面図である。
【図9】本発明の代表的な実施の形態例における下部電極部の要部構造を示す側面図である。
【図10】本発明の代表的な実施の形態例における下部電極部の要部構造を示す平面図である。
【図11】本発明の代表的な実施形態例における装置の概要を示す説明図である。
【図12】従来の各電極部の要部構造を示す側面図である。
【図13】従来の各電極部の要部構造を示す側面図である。
【図14】従来の装置の概要を示す説明図である。
【図15】本発明の代表的な実施形態においてサンプルに流れる電流を基にして体積抵抗率を測定した結果を示す図である。
【図16】本発明の代表的な実施形態においてサンプルに流れる電流特性を示す図である。
【図17】絶縁材がテフロンの場合の電極での測定材料に流れる電流波形を示す図である。
【図18】絶縁材がPEEK材の場合の電極での測定材料に流れる電流波形を示す図である。
【符号の説明】
2…主軸基台
3…上部電極部
4…基台
5…下部電極部
S…サンプル
6…加圧機構
7…電流計測手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定材料として、例えば樹脂製プレートの電気特性(電流、電気抵抗、抵抗率等)の測定に用いる材料物性の高電圧測定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電流を流して装置を動作させるためには、電圧を維持しておかなければならない。そのためには必ず絶縁体が必要となる。従来の高電圧機器においても、電極の支持部材として絶縁体が広く用いられている。しかし、取扱う電圧が高くなるほど高電圧を発生する電極まわりの絶縁体は、帯電、放電が発生し易くなり、これによって測定系への影響が問題とされてくる。電圧を印加する電極の支持部材、すなわち絶縁体は、電圧値や取扱う環境・条件により種類が様々であるが、取扱う電圧が高い程、ポリエチレンやテフロン(登録商標、以下同じ)など固有抵抗率の高い材料が絶縁体として用いられる。
【0003】
しかしながら、一般には絶縁体として用いる固有抵抗率が高い材料ほど高電界にさらされると帯電し易く、材料の表面電位は様々な分布を持って電位的に不安定な状態となる。そして、表面の電位が著しく上昇してしまった部位では、ブラシ放電あるいはストリーマ放電(これらの放電を沿面放電と称する)が発生し、これが電磁ノイズとなって測定系に悪影響を与えるという問題がでてくる。
【0004】
また、沿面放電が発生すると次第に局所的な絶縁破壊へと進展し、材料の本質的な特性を変化させ、強いては絶縁特性を劣化させるという問題もある。沿面放電は、絶縁体の表面に発生進展する放電であり、絶縁体に電圧を印加中あるいは電圧を取り去った直後でも発生すると考えられている。
【0005】
このため、従来は、図12、図13に示すようにポリエチレン、テフロンなどの絶縁体を用いて、沿面放電が発生しても電界集中を緩和させるだけの絶縁距離を確保していた。すなわち、絶縁体の側面が波面あるいは両電極間と平行とした鍔面を有するなど絶縁距離を確保する形状とする方法が取られていた。しかし、このような方法は、高電圧になればなるほど、絶縁体を含む両電極が大型化してしまい、実用上、問題となることが多い。
【0006】
このように高電圧環境下では、絶縁体は、絶縁距離を確保するために絶縁体の側面が波面あるいは両電極間と平行とした鍔面を有した形状とすることが一般的に取られる方法である。また、沿面放電は、使用者が絶縁体を手で触れる際に付着する皮脂、あるいは塵、埃などにも強く依存することから、アルコール類などによる表面改質を行うメンテナンス作業が必要になってくる。このようなメンテナンスを容易に行えるようにするためにも、電極は大型化せざるを得なくなってくる。
【0007】
すなわち、図14に示すごとくJISに準拠して体積抵抗率、表面抵抗率を測定する装置(特開平5−232166号公報)においては、電極80あるいは電極81の絶縁支持部材は高電圧になるほど絶縁距離を確保しなければならないため、電極ユニットを大型化せざるを得ない。この理由から一般には、図14に基づく測定装置においては、1kV〜3kVまでが容易に測定を可能とする範囲とされている。すなわち、それ以上の高電圧で、特にpA〜nA領域での微小電流の測定において不都合を来すこととなる。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−232166号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の課題を解決するために案出されたものである。すなわち、本発明の目的は、高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する電気物性を有する絶縁性高分子材を電極の支持部として構成することにより、電極部の小型化を実現した上で、測定材料を流れる正規の電流を高精度に測定でき、測定材料の高電圧物性を測定し得る材料物性の高電圧測定方法とその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の材料物性の高電圧測定方法は、基台に配設され測定材料の一方の部位に圧接される第1の電極と、基台に配設され測定材料の他方の部位に圧接される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高電圧を印加して両電極に圧接された測定材料に流れる電流を計測する材料物性の高電圧測定方法であって、第1の電極は測定材料への高電圧印加用の主電極と接地用の接地電極とからなり、主電極と接地電極との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材を介在すると共に、主電極を電源装置に接続し、かつ接地電極を接地したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の材料物性の高電圧測定装置は、基台に配設され測定材料の一方の部位に圧接される第1の電極と、基台に配設され測定材料の他方の部位に圧接される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高電圧を印加して両電極に圧接された測定材料に流れる電流を計測する材料物性の高電圧測定装置であって、第1の電極は測定材料への高電圧印加用の主電極と接地用の接地電極とからなり、主電極と接地電極との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材を介在すると共に、主電極を電源装置に接続し、かつ接地電極を接地したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明の材料物性の高電圧測定装置は、第1の電極において、絶縁性高分子材、接地電極は同心上に円筒状の開口穴が設けられると共に、高電圧を印加するためのケーブルが電源装置より接地電極、絶縁性高分子材の開口穴を通して主電極に接続されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明の材料物性の高電圧測定装置は、第1の電極において、主電極と同心の絶縁ラバーが絶縁性高分子材に設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明の材料物性の高電圧測定装置は、第2の電極は測定材料への高電圧印加用の対電極とガード電極とからなり、対電極を電流計測手段に接続すると共に、ガード電極が接地された電極において、ガード電極と測定材料との接触面に導電性ラバーが設けられたことを特徴とする。
【0016】
第1の電極は、主電極と接地電極とからなる。主電極は、高電圧を印加するための電極で、高電圧を発生するための電源装置に接続されている。接地電極は、主電極とで絶縁性高分子材を介在して挟圧するようにして接地されるている。
【0017】
第2の電極は、第1の電極と対向するように配設され、対電極とガード電極とからなる。主電極としての対電極は、高電圧印加時に測定材料に流れる電流を吸収するための電極で、外部の電流計測手段に接続され測定材料を流れる電流を計測可能に構成されている。
【0018】
ガード電極は、高電圧を印加したときに測定誤差となる測定材料の表面を流れる電流を吸収するための電極である。具体的には、例えばリング形状の電極と測定材料の接触部に弾力性のある導電性ラバーを有した構成とすることができる。測定材料は、代表的なものとして樹脂製プレート、例えば、高分子材自体が導電性を有するもの、あるいは、高分子材にカーボンなどを練り込んだ複合材料などである。
【0019】
絶縁性高分子材とは、高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制するものである。絶縁性高分子材は、例えば、主電極と接地電極とが対向する空間を満たすように介在して設けことにより、絶縁距離を短くし得るものである。
【0020】
ここで、第1の電極に印加する高電圧の形態は、直流電圧、交流電圧、高周波電圧などがある。直流的な電気特性測定に対しては直流高電圧を、インピーダンス特性の測定には交流高電圧を、また誘電特性を測定する場合は高周波高電圧を適時利用することができる。
【0021】
【発明の作用・効果】
(1)第1の電極においては、固有抵抗率が1014Ωcm以上で、かつテフロン、ポリエチレンなどに代表される例えば、高分子材に比べ、高電圧環境下において、表面で発生した電荷は電位の低い方へと移動し易い。すなわち、具体的には、高分子材の表面層に電荷が残留していても高分子材の表面層に沿って高電圧を加えることで、電位の低い方へ電荷が移動しやすく、かつ高電圧を印加することで発生する絶縁材表面の蓄積電荷を少なくできる電気物性を有する絶縁性高分子材(例えば商品名PEEK材、固有抵抗率6.5×1016Ωcm)を、主電極と接地電極とが対向する空間を満たすように介在させる。これにより、主電極上部の絶縁性高分子材の表面の電界を接地電極に向かって一様に安定させることができるため、絶縁性高分子材の表面での沿面放電を抑制する効果を持たせることができる。
【0022】
ちなみに、本発明者等は、絶縁体にテフロンを用いて電極に高電圧を印加し沿面放電の有無確認の実験解析を行い、図17に示す測定材料に流れる電流波形を得た。また、同様にして例えばPEEK材を用いて電極に高電圧を印加し沿面放電の有無確認の実験解析を行い、図18に示す測定材料に流れる電流波形を得た。これからも明らかなように、絶縁体がテフロンの場合に、図17に示す電流波形図中には顕著な沿面放電が生じて、測定や精度などに支障を来たすことがあり、実用上解決しなければならない多大の問題を有することが解った。これに対して、絶縁体がPEEK材の場合には、図18に示すように、沿面放電の発生を抑制する効果により沿面放電が生じなく、実用上の測定や精度などに支障を来たすことがないことを確認できた。
【0023】
(2)第1の電極においては、固有抵抗率が1014Ωcm以上で、かつテフロン、ポリエチレンなどに代表される例えば、高分子材に比べ、高電圧環境下において、表面で発生した電荷は電位の低い方へと移動し易い。すなわち、具体的には、高分子材の表面層に電荷が残留していても高分子材の表面を沿って高電圧を加えることで、電位の低い方へ電荷が移動し、かつ高電圧を印加することで発生する絶縁材表面の蓄積電荷を少なくできる電気物性を有する絶縁性高分子材(例えば商品名PEEK材、固有抵抗率6.5×1016Ωcm)を、主電極と接地電極とが対向する空間を満たすように介在して固定する。これにより、テフロン、ポリエチレンなどに比べて絶縁距離を短く、かつシンプルな形状で小型化を実現した上で、沿面放電を抑制する効果を持たせることができる。このため、放電による測定系への影響を発生させることなく、測定材料の断面に流れる微少な電流(pA〜nA)を高精度に測定することができる。
【0024】
これは、高い固有抵抗率を持ちながらも、高電界環境下においても、表面の電荷が移動し易い電気物性を有することを効果的に利用することによって達成されるものである。
【0025】
(3)第1の電極部の主電極と接地電極とで介在し、かつ固定する絶縁性高分子材は、これを、電気抵抗率が1014Ωcm以上で、かつ表面で発生する部分放電を抑制できる帯電・除電特性に優れた電気物性を有する絶縁性高分子材(例えば、PEEK材)とする。これにより、高電圧が印加されても絶縁性高分子材の表面での部分放電が抑制されるため、ノイズ源となりうる電磁ノイズを発生させることなくサンプルに(貫通して)流れる微小な電流(pA〜nA)を高精度に測定することができる。
【0026】
(4)第1の電極の主電極と接地電極とで介在し、かつ固定する絶縁性高分子材において、これを、テフロン、ポリエチレンなどに代表される絶縁材に比べ、表面で発生する沿面放電を抑制できる絶縁性高分子材(例えば、PEEK材)を、主電極と接地電極とが対向する空間の全てを満たすように介在して固定する。これにより、テフロン、ポリエチレンなどに比べて絶縁距離を短くかつシンプルな形状で小型にできるため、主電極、接地電極を含めた電極ユニットがコンパクトにできる。
【0027】
(5)第1の電極において、主電極と同心の絶縁ラバーを主電極と同一面に絶縁性高分子材に設け、絶縁ラバーが主電極より先に測定材料に接触するようにすることで、主電極に高電圧が印加されたときに表面に流れる電流を抑制する効果が得られる。
【0028】
(6)第2の電極のガード電極において測定材料との接触部に弾力性のある導電ラバーを設けて測定材料との密着性を良好なものとすることにより、第1電極の絶縁ラバーの効果に加えて、測定誤差となる測定材料の表面に流れる電流をガード電極で確実に吸収することで、測定材料の断面に流れる電流を高精度に測定できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明における実施形態の材料物性の高電圧測定方法とその装置1は、図1ないし図10に示すように構成されている。すなわち、材料物性の高電圧測定装置1は、図1ないし図5に示すように、主軸基台2に支持され上下方向に可動可能な第1の電極としての上部電極部3と、基台4に固定された第2の電極としての下部電極部5と、上部電極部3と下部電極部5との間に介在させた測定材料であるサンプルSを所定の圧力でサンプルSを加圧し両電極部3、5の間に密着させる圧力調整手段としての加圧機構6と、両電極3、5の間に高電圧を印加したときのサンプルSを貫通して流れる電流を測定する手段7と、から構成されている。
【0030】
上部電極部3は、高電圧を印加するための主電極31と接地電極32とからなる。両電極31、32の間には絶縁性高分子材33を気密性良好に介在させてなる。主電極31は、図6ないし図8に示すように、高電圧を印加するための高圧ケーブル34、コネクタ35を介接して外部の電源装置36に導電性良好に接続されている。接地電極32の上部には、図1ないし図3に示すように、所定圧力で上部電極部3をサンプルSに加圧する加圧機構6のバネゲージ60が配設されている。
【0031】
バネゲージ60は、図1ないし図3に示すように、加圧回転ノブ61が、これと一体とした加圧主軸62と軸方向の所定の位置で加圧主軸62と相対回転可能な主軸フランジ63を有する。アーム支持部64は、これを支点として主軸アーム65の端部に設置したフランジクランプ66が上下方向に可動できるように構成されている。フランジクランプ66は、これの作動によって主軸フランジ63および加圧主軸62と一体とした加圧回転ノブ61を上下方向に可動可能とするのである。さらに、加圧主軸62の軸方向の一部位と上部基台40とがネジによって噛み合いするようにすることで、加圧主軸62が主軸アーム65によって下部に位置した場合のみ加圧回転ノブ61を回転させることにより、加圧主軸62が加圧回転ノブ61の回転量に応じて下降可能に構成されている。
これにより、上部電極部3に設けられた加圧バネゲージ6を押し下げ、上部電極部3が所定の圧力でサンプルSを加圧するように構成されている。
【0032】
上部電極部3は、図6ないし図8に示すように、絶縁性高分子材33を主電極31と接地電極32とで上下に介在する構成とされている。主電極31は、高電圧を印加するための高圧ケーブル34を通じて外部に取り出す手段としてのコネクタ35に導電性良好に設けられている。高圧コネクタ35は、接地電極32との微小な放電を防止するためにテフロンケース39に取り付けられている。主電極31は取替え可能とするために電極基台37にネジ固定される。また、主電極31と同心円上には絶縁ラバーとしてドーナッツ形状を有したシリコンラバー30が絶縁性高分子材33に接着されている。
【0033】
シリコンラバー30は、サンプルSとの密着性を増すために主電極31の接触面より先にサンプルSに接触できるように、主電極31より+0.5mm程度の厚みで、突出形態に構成されている。一般には、高電圧になるほど、主電極31からサンプル表面に沿って下部電極部5に流れる電流が発生し測定に影響を与えると考えられている。シリコンラバー30はこれを抑制する効果を実現するのである。
【0034】
コネクタ35から主電極31までを導電性良好に接続する高圧ケーブル34は、上部接地電極32および絶縁性高分子材33の中心部を貫通して主電極31の支持部に接続されている。さらに、高圧ケーブル34と接地電極32との間でミクロな放電を防止するために、主電極31からテフロンケース39までの間をシリコンシューブ38で多重絶縁し、シリコンチューブ38と高電圧ケーブル34との隙間にシリコン樹脂を充填している。これにより高電圧ケーブル34から発生する電界を中心部より対象となるようにし、多重絶縁により電界強度を緩和するように構成されている。
【0035】
上部電極部3を以上のように構成することにより、絶縁性高分子材33の表面に電荷が残留していても絶縁性高分子材33の表面層に沿って高電圧を印加するので上部接地電極32に電荷が移動し易く、かつ高電圧を印加することによって発生する表面の蓄積電荷を少なくすることができる。このため、主電極31の上部に設けた絶縁性高分子材33の表面の電界を接地電極32に向かって一様に安定させる。これによって、絶縁性高分子材33の表面での沿面放電を抑制する効果を持たせることにより、ノイズ発生を低減し、サンプルSに流れる微少な電流を高精度に測定できる上部電極部3を実現するのである。
【0036】
図9、図10に示すように下部電極部5は、JISで規定されている主電極31と対向してサンプルSを介在されるための対電極51とガード電極52からなる。対電極51は、対電極51の土台となる接地されたシールドポット53に固定されたテフロン製絶縁ポット54とこの絶縁ポット54に固定された金属性カップリングポット55にネジによって固定される。
【0037】
サンプルSとの接触面は1Ωcm以下の導電性シートを張り付けることで上部電極部3の加圧と併せてサンプルSとの密着性を良好なものとし、安定した測定を実現している。ガード電極52は、サンプルSの表面から裏面へと流れる電流が対電極に至る前にガード電極52で吸収することが目的とされている。しかし、実用問題として、サンプルSが若干反っている場合あるいは表面の粗度が粗い場合においては、ガード電極52とサンプルSとの密着性が悪くなり、サンプルSの表面から裏面に流れる電流を十分吸収できない。このため、ここでは、対電極51と同じ1Ωcm以下で対電極51より+0.5mm程度厚い弾力性のある導電性ラバー56をサンプルSとの接触面に配設することにより、上部より加圧されたときにサンプルSとの密着性を確保し高精度な測定を実現することができる。
【0038】
上記構成からなる本発明における実施形態の材料物性の高電圧測定装置1は、主軸基台2に支持され上下に移動可能な上部電極部3と、下部基台4に固定された下部電極5との間にサンプルSを介在させて上部電極部3に設けられた加圧機構6によりサンプルSを所定の圧力で加圧密着させ上部電極部3に最大10kVを印加してサンプルSを貫通して流れる電流を測定する装置であって、上部電極部3がコンパクトで、かつ放電ノイズの影響を皆無としサンプルSに流れる微小な電流を高精度に測定できる作用効果を有する。
【0039】
図1において、下部基台4から側板A82、側板B83を介して支持される主軸基台2の上部には加圧回転ノブ61が設けられこの加圧回転ノブ61を回転させることで、この加圧回転ノブ61と一体で回転する加圧主軸62が主軸基台2に対してネジ機構により上下に可動する。加圧主軸62のネジ部は軸方向の一部のみを雄ネジとし、加圧主軸62が主軸基台2の雌ネジに填め合うまでは、主軸基台2に設けたフランジガイド67と主軸フランジ63に設けたリニアブッシュ68によって上下に可動できる機構とし、アーム支持部64を支点として主軸アーム65を上げ下げにすることで加圧主軸62を上下に移動することができる。
【0040】
加圧主軸62が最下部においては、フランジクランプ66が主軸基台2の上面に設けた主軸ダンパーにて停止するものとし、その位置よりさらに降下させるために下部方向への若干の圧力で加圧回転ノブ61をまわすことで、ネジ機構により加圧回転ノブ61の回転量に応じて加圧主軸が下降することができる。
主軸アーム65のグリップ部に対向した端部には、加圧主軸62の軸方向に所定の部位に取り付けられた加圧主軸62と相対回転を可能とする主軸フランジ63を、主軸アーム65に連結したフランジクランプ66が設けてあり、これを上げ下げすることで主軸フランジ63を上下に移動させることができる。このフランジクランプ66には樹脂製ローラが設けてあり主軸フランジの上下移動をアシストしている。
【0041】
主軸アーム65の操作によってフランジクランプ66は、上方向には主軸基台2に設けたアームラッチまで上昇し、下方向には主軸基台2に設けた主軸ダンパーに接触するまで降下することができる。また、フランジクランプ66が主軸ダンパーまで下降すると加圧回転ノブ61をまわすことでネジ機構により加圧主軸62を降下させることができる。そして、フランジダンパーは、加圧主軸62が下降すると若干の力で反発するようように設けてあるため、ネジ機構により降下させるときに雄ネジ雌ネジとの始めの填め合いをアシストする役割を果たす。
【0042】
上部電極部3は加圧支持板に取付けられ、さらに加圧支持板の上部には加圧バネゲージ6が設けられ加圧支持板の両端部にはローラ機構を有したアームが設けられ、側板Aにはこのアームが上下に移動できることを可能とするガイドが設けられている。加圧支持板は、主軸アーム65により加圧主軸62が最上部に押し上げられた状態において、最上部に位置できる構造とし、さらには、最上部では加圧支持板両端部に設けた電極ラッチにより側板Aに固定することができる。電極ラッチの爪はローラが設けられており加圧支持板が下降する際にはローラが側板Aに対してガイドとなる。このローラによりラッチのセット/リセットを容易にしている。
【0043】
サンプルSを加圧するには、加圧支持板の電極ラッチを外し上部電極部3をサンプルSに接触させ、主軸アーム65にて主軸フランジ63を最下部まで下降させ、加圧回転ノブ61により加圧主軸62を下降させる。このときに加圧主軸62の下方端部に位置する加圧バネゲージ6を押し下げ、これに刻まれたスケールを目視しながら所定の圧力まで加圧するのである。このような状態で電流測定が行われる。サンプルSを交換する場合は、加圧バネゲージ6が無加圧になるまで、すなわち、加圧主軸62のネジが上部基台から外れるまで加圧回転ノブ61を緩めた後、主軸アーム65がラッチされるまで主軸フランジ63を最上部に押し上げるのである。さらに、加圧支持板を上部にスライドさせ側板Aの所定の位置でラッチさせる。この状態でサンプルSを交換するのである。
【0044】
図15は、本実施例に基づき最大−10kVまでの直流電圧を印加したときにサンプルSに流れる電流を測定し、これを基にしてサンプルSの体積抵抗率を求めた例を示すものである。ここでは、高分子材に導電性の発現物質として数ミクロンのカーボンブラック(CB)のフィラーを添加したプレートをサンプルSとして使用した。このような、高分子複合樹脂材は、電圧を印加するとサンプルSに流れる電流は、図16に示すような特性を示す。
【0045】
パルス駆動にてサンプルSに電圧を印加しても基本的な特性は同じであり、この場合は、特に充電電流域を測定することが重要となり、抵抗率を測定するような直流電圧駆動時では、直流的に安定した定常電流域を測定することが重要となる。また、印加電圧を増していくとサンプルSに流れる電流は指数関数的に増加する。このときの電流特性は、導電性を発現させる物質とその分散性、成形条件によって決まる。
【0046】
図15は、このような電流特性の定常電流域の値を基にして体積抵抗率を求めたものである。この結果、図15に示すごとく、印加電圧を増していくとサンプルSに流れる電流が増すことで体積抵抗率が低くなることを示している。同時にCBの添加量(2%、4%)の多い方は、体積抵抗率が低い特性であることを示している。
【0047】
【その他の実施の形態】
本発明の実施の形態は、上記実施の形態の他に、第1の電極における主電極と接地電極、あるいは第2の電極における対電極としての主電極とガード電極が上部基台または下部基台のいずれに配設してもよく、前記と同様な作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態例を示す材料物性の高電圧測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の構造を示す平面図である。
【図3】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の構造を示す側面図である。
【図4】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の要部構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の代表的な実施の形態例における加圧機構の要部構造を示す平面図である。
【図6】本発明の代表的な実施の形態例における上部電極部の要部構造を示す側面図である。
【図7】本発明の代表的な実施の形態例における上部電極部の要部構造を示す平面図である。
【図8】本発明の代表的な実施の形態例における上部電極部の要部構造を示す側面図である。
【図9】本発明の代表的な実施の形態例における下部電極部の要部構造を示す側面図である。
【図10】本発明の代表的な実施の形態例における下部電極部の要部構造を示す平面図である。
【図11】本発明の代表的な実施形態例における装置の概要を示す説明図である。
【図12】従来の各電極部の要部構造を示す側面図である。
【図13】従来の各電極部の要部構造を示す側面図である。
【図14】従来の装置の概要を示す説明図である。
【図15】本発明の代表的な実施形態においてサンプルに流れる電流を基にして体積抵抗率を測定した結果を示す図である。
【図16】本発明の代表的な実施形態においてサンプルに流れる電流特性を示す図である。
【図17】絶縁材がテフロンの場合の電極での測定材料に流れる電流波形を示す図である。
【図18】絶縁材がPEEK材の場合の電極での測定材料に流れる電流波形を示す図である。
【符号の説明】
2…主軸基台
3…上部電極部
4…基台
5…下部電極部
S…サンプル
6…加圧機構
7…電流計測手段
Claims (5)
- 基台に配設され測定材料の一方の部位に圧接される第1の電極と、基台に配設され測定材料の他方の部位に圧接される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高電圧を印加して両電極に圧接された測定材料に流れる電流を計測する材料物性の高電圧測定方法であって、第1の電極は測定材料への高電圧印加用の主電極と接地用の接地電極とからなり、主電極と接地電極との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材を介在すると共に、主電極を電源装置に接続し、かつ接地電極を接地したことを特徴とする材料物性の高電圧測定方法。
- 基台に配設され測定材料の一方の部位に圧接される第1の電極と、基台に配設され測定材料の他方の部位に圧接される第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に高電圧を印加して両電極に圧接された測定材料に流れる電流を計測する材料物性の高電圧測定装置であって、第1の電極は測定材料への高電圧印加用の主電極と接地用の接地電極とからなり、主電極と接地電極との間に高電圧を印加して表面層に電荷移動が生ずることにより表面電荷の蓄積を抑制する絶縁性高分子材を介在すると共に、主電極を電源装置に接続し、かつ接地電極を接地したことを特徴とする材料物性の高電圧測定装置。
- 第1の電極において、絶縁性高分子材、接地電極は同心上に円筒状の開口穴が設けられるとともに、高電圧を印加するためのケーブルが電源装置より接地電極、絶縁性高分子材の開口穴を通して主電極に接続されたことを特徴とする請求項2に記載の材料物性の高電圧測定装置。
- 第1の電極において、主電極と同心の絶縁ラバーが絶縁性高分子材に設けられたことを特徴とする請求項2または請求項3の一に記載の材料物性の高電圧測定装置。
- 第2の電極は測定材料への高電圧印加用で第1電極と対向して対電極とガード電極とからなり、対電極を電流計測手段に接続すると共に、ガード電極は接地された電極において、ガード電極と測定材料との接触面に導電性ラバーが設けられたことを特徴とする請求項2ないし請求項4の一に記載の材料物性の高電圧測定装置。
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