JP2004333167A - 微小センサによる近傍界測定方法および近傍界測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の近傍界測定方法及び装置は、被測定アンテナと検出手段との間に生ずる電磁界伝送特性たる振幅及び位相を測定する方法及び装置であって、該検出手段が微小電気アンテナとして電界を検出し、また微小磁気アンテナとして磁界を検出し、前記検出手段から、前記電磁界伝送特性を分析する分析手段へ、実質的であるか否かを問わずに金属線より電磁波に対する感応性が大幅に低い手段を用いて信号通信することを特徴としている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信工学の分野におけるアンテナの伝送特性測定技術、特にアンテナ近傍界測定技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波以上のアンテナの電磁界伝送特性を近傍界測定法により測定する際、プローブとして先端が開放された導波管を使用し、平面、球または円筒上で走査すると、その測定データから遠方界などのアンテナ特性を求めることができた。
【0003】
一般に、近傍界測定法では、プローブとして先端が開放された導波管を使用している。このために、実際に測定される量は被測定アンテナの特性とプローブの特性との内積であることから、被測定アンテナの特性を厳密に求めるには、プローブの特性を補正する必要がある。このプローブの特性を補正することが可能なプローブの走査面の種類として平面上、球面上、円柱側面上の3種類が知られている。
【0004】
【非特許文献1】
スレーター・ディー(Slater,D.)著, 「近傍界アンテナ測定法(Near−Field Antenna Measurements)」,アーテック・ハウス(Artech House),1991年.
【非特許文献2】
カーンズ・ディー・エム(Kerns,D.M.),「アンテナ及びアンテナ間相互作用に対する平面波散乱行列理論(Plane−Wave Scattering−Matrix Theory of Antennas and Antenna−Antenna Interactions)」,エヌ・ビー・エス モノグラフ(NBS Monograph)162,1981年
【非特許文献3】
戸叶,小林,宮川,「小型光電界センサの開発」,トーキン テクニカル レビュー 2000年(Tokin Technical Review 2000),第27巻(Vol. 27),55−60頁(pp.55−60)
【非特許文献4】
田島(K. Tajima),小林(R. Kobayashi),桑原(N. Kuwabara),徳田(M. Tokuda), 「マッハ−ツェンダー干渉計を使用した10ギガ・ヘルツ以上で動作する光学等方性電界センサの開発(Development of Optical Isotropic E−Field Sensor Operating More than 10GHz Using Mach−Zehnder Interferometers)」,電子情報通信学会英文誌エレクトロニクス(IEICE Trans. Electronics),第E85−C巻(Vol.E85−C),第4版(No.4),961−968頁(pp.961−968),2002年4月(April 2002).
【非特許文献5】
大沢隆二、鳥畑成典、「光電界センサの開発と測定」電磁環境工学情報(EMC)、第15巻、第12号、56−65頁、2003年4月月号No.180
【非特許文献6】
廣瀬雅信,小宮山浩二「光電界センサを使用したXバンド標準利得ホーン・アンテナのパターン測定および平面近傍界測定法(Pattern Measurement of X−Band Standard Gain Horn Antenna using Photonic Sensor and Planar Near Field Scanning Technique)」,米国アンテナ測定技術協会会報第24周年シンポジウム2002年11月284−288頁(pp.284−288,AMTA2002 Proceedings,Nov.2002)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、図1に示すように、従来はプローブとして先端が開放された導波管を使用しており、プローブ全体が金属であるためにプローブが近接すると被測定アンテナとの間に多重反射が生じてしまう。この現象によって被測定電磁界が乱れるという問題点があった。上記のように、従来の導波管による電磁界の測定では、多重反射による被測定電磁界の乱れが生じるため、それを避けるためにプローブと被測定アンテナ間を数波長以上離すことにより、被測定アンテナの電磁界特性をできるだけ厳密に得る必要がある。ここで注意すべきは、多重反射が発生しなくてもプローブ補正はする必要性があることである。すなわち、被測定電磁界はプローブにより乱されることは無いのにもかかわらず、プローブ補正は必要である。その理由は、プローブ開口長が被測定アンテナの電磁界の波長程度であると、プローブ開口面上の点で被測定電磁界が異なるので測定される量はプローブ開口面の等価電磁流と被測定電磁界のベクトル内積の開口面での面積分となり、面積分された測定量から空間の一点の電磁界を求めるためにプローブ補正が必要になる。逆に、プローブ開口長が波長に比べて充分小さいと開口における被測定電磁界がほとんど変化しないので、近似的に空間の一点での電磁界が求まることになる。開口が小さいと被測定電磁界が反射される割合も小さくなるので多重反射が小さくなり、被測定アンテナとプローブ間の距離が小さくでき、かつプローブ補正も不要になる。
【0006】
さらに、プローブとしての導波管と被測定アンテナとの間の電磁波の多重反射を避けるためには、被測定波の数波長分の距離が必要であり、長波長である低周波の場合は、それだけ長距離が必要になる。その実現のためには、被測定アンテナのアンテナパターンが広くなる低周波の場合は、プローブの測定走査面の面積を大きくしなければならないという欠点があった。一方、導波管の開口部も、被測定電磁波の波長と同じ程度の大きさの場合には、プローブ補正が必要となるが、プローブ補正が可能な走査面は限定されているという欠点があった。
【0007】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、通信工学におけるアンテナの電磁界伝送特性をプローブ補正することなしに、かつ、徒にアンテナパターンと測定周波数に左右された大きな電波無響室(電波暗室)を用いる必要もなく、低周波領域の電磁界伝送特性でさえも小型化された微小電磁界センサによって、アンテナ近傍界測定をすることにより、従来のアンテナ近傍界測定法と同様なアンテナの諸特性を求めることができる方法および装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電磁界伝送特性である電磁波の振幅および位相を測定する技術、特に、微小光電界素子のようなセンサによる近傍界測定方法および装置であって、アンテナ近傍界測定装置のプローブとして、電気的特性が微小電気アンテナと、また、磁気的特性が微小磁気アンテナと、等価になる素子を用いることにより、被測定電磁界を乱さないで測定できるようにした。
【0009】
そして、この素子を任意閉曲面上で走査し、その曲面上の電界または磁界の接線成分を求め、電磁界の等価定理により任意閉曲面外部における電磁界を求める。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の近傍界測定方法は、被測定アンテナと検出手段との間に生ずる電磁界伝送特性たる振幅及び位相を測定する方法であって、該検出手段が微小電気アンテナとして電界を検出する工程と、また微小磁気アンテナとして磁界を検出する工程と、前記検出手段から、前記電磁界伝送特性を分析する分析手段へ、実質的であるか否かを問わずに金属線より電磁波に対する感応性が大幅に低い手段を用いて信号通信する工程と、を有することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項2記載の近傍界測定方法は、請求項1記載の近傍界測定方法において、前記検出手段は前記被測定アンテナを内包する閉曲面上を走査することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3記載の近傍界測定方法は、請求項1または2のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記被測定アンテナが発生させる電磁界のベクトルと前記検出手段の電磁気的な等価ベクトルとの内積に対し、前記電磁界伝送特性の測定値が比例する程度に、前記検出手段が微小なことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4記載の近傍界測定方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記検出手段が光電界素子からなり、該光電界素子のプローブ部分周辺に、前記被測定アンテナの金属及び前記光電界素子の金属以外に前記被測定アンテナが発生させる電磁界の波長程度に近接した金属が、実質的か否かを問わずにないことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5記載の近傍界測定方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記検出手段と前記分析手段との信号通信をレーザ光により伝送することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6記載の近傍界測定方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記金属線以外の手段として光ファイバーを用いることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7記載の近傍界測定方法は、請求項1または3乃至6のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記被測定アンテナを内包する閉曲面の一部の開曲面上を前記検出手段が走査をすることにより、前記測定における全方位の電磁界伝送特性を測定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項8記載の近傍界測定方法は、請求項2乃至7のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記閉曲面が直方体表面であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項9記載の近傍界測定方法は、請求項2乃至7のいずれかに記載の近傍界測定方法において、前記閉曲面が蓋付き円筒体表面、いわゆる茶筒状であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の請求項10記載の近傍界測定装置は、被測定アンテナとの間に生ずる電磁界伝送特性たる振幅または位相を検出する検出手段と、前記電磁界伝送特性を分析する分析手段と、該分析手段と前記検出手段との間を信号通信する手段と、からなり、前記検出手段は微小電気アンテナとして電界を検出し、また微小磁気アンテナとして磁界を検出し、前記信号通信する手段が実質的であるか否かを問わずに金属線より電磁波に対する感応性が大幅に低いことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項11記載の近傍界測定装置は、請求項10記載の近傍界測定装置において、前記検出手段は前記被測定アンテナを内包する閉曲面上を走査することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項12記載の近傍界測定装置は、請求項10または11のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記被測定アンテナが発生させる電磁界のベクトルと前記検出手段の電磁気的な等価ベクトルとの内積に対し、前記電磁界伝送特性の測定値が比例する程度に、前記検出手段が微小なことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項13記載の近傍界測定装置は、請求項10乃至12のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記検出手段が光電界素子からなり、該光電界素子のプローブ部分周辺に、前記被測定アンテナの金属及び前記光電界素子の金属以外に前記被測定アンテナが発生させる電磁界の波長程度に近接した金属が、実質的か否かを問わずにないことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項14記載の近傍界測定装置は、請求項10乃至13のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記検出手段と前記分析手段との間の信号通信をレーザ光により伝送することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項15記載の近傍界測定装置は、請求項10乃至14のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記金属線以外の手段として光ファイバーを用いることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項16記載の近傍界測定装置は、請求項10または12乃至15のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記被測定アンテナを内包する閉曲面の一部の開曲面上を前記検出手段が走査をすることにより、前記測定における全方位の電磁界伝送特性を測定することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項17記載の近傍界測定装置は、請求項11乃至16のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記閉曲面が直方体表面であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項18記載の近傍界測定装置は、請求項11乃至16のいずれかに記載の近傍界測定装置において、前記閉曲面が蓋付き円筒体表面、いわゆる茶筒状であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図、数式等を使って、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
はじめに、平面走査型の近傍界測定装置において、被測定アンテナの電磁界特性を測定する方法について説明する。マイクロ波以上の標準利得ホーンアンテナに対向して、箱枠の平行な二辺上を両端がスライドする移動体上を当該二辺に垂直な方向に動くプローブにより、前記箱枠の内側の平面を縦横に走査する実質的に平面角型データ格子を設置し、振幅と位相を測定する。この作業を、被測定アンテナたる標準利得ホーンアンテナの当該走査平面に対する向きを変えることにより、当該被測定アンテナが内包されるような閉曲面上を走査するように構成する。たとえば、当該被測定アンテナを回転させて6回繰り返して走査することにより、実質的に直方体表面走査を実現できる。
【0030】
光電界センサを利用した平面走査は、平面近傍界測定におけるプローブ補正の際、理想的な測定プローブが、任意の測定点における電磁界ベクトル成分を測定でき、理想的なアンテナが、基本電磁気ダイポール(elementary electric and magnetic dipole)を含んでいることを測定により示したが、従来から存在していた光電界センサのアンテナ素子を取り外すこと、またはできるだけ小さくすることにより測定周波数の波長に比べて出来るだけ小さくした点が、本測定の特徴点である。
【0031】
最初に平面走査を測定した理由は、最も普及した測定装置であったことと、まず何より本発明が提供する構造の光電界センサがプローブ補正を不要とする理想的な測定プローブであることを示すためである。
【0032】
次に、本発明によると、近傍界測定法にはプローブ補正が可能であるという点から走査面の形状が平面、球表面、円柱側面の3種類しか知られていないという制限が無くなる。
【0033】
更に、被測定アンテナが発生させる電磁界特性を測定する方法について説明する。
【0034】
被測定アンテナから発生する電磁界をベクトルE1として、微小電界素子の電磁気的等価ベクトルをpとすると、被測定アンテナと微小電界素子の電磁界伝送特性S21は下式のようになる。この式はベクトルE1とベクトルpの内積を表す。
【0035】
【数1】
【0036】
この電磁界伝送の測定から上記ベクトルE1を求めて、これらから求まる等価磁流ベクトルMから、以下に示す電界ベクトルEの式により、閉曲面外部の任意の点での電界ベクトルEが求まる。高周波ネットワークアナライザで測定された情報をデータ収集・解析器で処理する。電磁界の等価定理により走査閉曲面外部の任意の点での電磁界分布を計算により求めるが、その具体的な計算式を示す。つまり、微小電気ダイポールアンテナで測定した電界E1から等価磁流を求めて、閉曲面Sの外の任意の位置での電界Eは下式で求まる。
【0037】
【数2】
【0038】
一方、微小磁気ダイポールアンテナの場合には測定した磁界H1から等価電流を求めて、閉曲面Sの外の任意の位置での電界Eは下式となる。磁界についても同様に表すことができる。
【0039】
【数3】
【0040】
実は、このGmやGeが解析的に求まる場合が平面、球、円筒である。プローブ補正ができるのもこれが解析的に表すことができるという点が重要となっている。微小ダイポールアンテナではプローブ補正がいらないので解析的に表せる必要はなく、等価の問題を数値計算的に求めることにより、閉曲面Sの外部の任意の点での電磁界を求めることができる。
【0041】
例えば、微小電界ダイポールアンテナで閉曲面S上の電界を求めて、これから表面上の等価磁流を計算し、閉曲面S内部がPEC(Perfect Electric Conductor:完全電気導体)として等価磁流Mが存在するときのPEC上に誘起される等価磁流M2乃至等価電流J2の双方またはいずれか一方を求め、両者の等価磁流MとM2乃至等価電流J2の双方またはいずれか一方から閉曲面Sの外部の電磁界を計算する。微小磁界ダイポールアンテナを使った場合も同様な手順(等価電流の場合、PMC(Perfect Magnetic Conductor:完全磁気導体))で求められる。
【0042】
検出手段としてのプローブに微小電気アンテナたる光電界センサを用いた測定装置の原理図を図2に示す。その他の微小センサ、すなわち、プローブとして、微小電気ダイポールアンテナ、微小磁気ダイポールアンテナ、微小磁気ループアンテナ及びこれらと電磁気的に等価なアンテナが、通常の金属で作るアンテナで実現する方法であり、これらも原理的に同様である。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
先ず、図2を使って、ひとつの測定装置を説明する。高周波ネットワークアナライザ24から送信される高周波信号は高周波ケーブル25を通して被測定アンテナ21に送られ、電磁波として放出される。被測定アンテナ21を内包する走査閉曲面23の上で光電界センサ22を動かすことにより、走査閉曲面23上の電界接線成分を測定する。走査閉曲面23は、一般的には、任意の閉曲面であるが、ここでは、直方体である。その電界は光電界センサ22によって光振幅変調されて光ケーブル27を介して光検出器28で高周波信号に復調されて高周波ネットワークアナライザ24で受信される。これから走査閉曲面23上の電界の接線成分の相対振幅・相対位相が測定される。この情報をデータ収集・解析器26で、電磁界の等価定理により、走査閉曲面23外部の任意の点での電磁界分布を計算により求める。これにより遠方界のアンテナパターンも求めることができる。光電界センサ22の振幅・位相を基準点での感度校正により求めておけば、基準点からの電磁界の振幅・位相が求まる。
【0044】
(実施例2)
次に、別の測定方法を図3に示す。電界または磁界センサを複数個使うことにより測定時間を短縮したものである。ここでは、32x,32y,32zの3個であるが、光スイッチ39によりレーザ発信器・光検出器38を共用している。尤も、各センサ毎に個別にレーザ発信器・光検出器を取り付けても良い。複数個のセンサは予め相対振幅・相対位相の感度校正をしておくことにより、走査閉曲面33上の電界の接線成分が比例定数を除き正しく求まる。
【0045】
(実施例3)
更に、プローブの走査面を蓋付き円筒体表面、いわゆる茶筒状にした場合の測定方法を図4に示す。プローブが円筒体の蓋の部分を走査するときは、平面走査である平面角形データ格子、平面極データ格子、二極(バイポーラ)データ格子等の走査方法がある。円筒体側面の部分を走査するときは、円筒の軸を中心に回転させながら、軸方向にスライドさせる。
【0046】
【発明の効果】
プローブとして電磁気的特性が微小電気アンテナまたは微小磁気アンテナである素子を用いることにより、素子の存在する位置における電界または磁界を測定できるようになった。先ず、任意閉曲面走査装置で当該素子を走査することにより任意閉曲面上の電界または磁界が測定可能となり、次に、電磁界の等価定理により任意閉曲面外部の電磁界を求めることができるようになった。また、被測定電磁界を乱さない素子を用いることにより、被測定アンテナとプローブとの間の距離を近接させることが可能となった。更に、周波数に依らずに、アンテナ・プローブ間距離を一定に保つことができる。従って、これらの理由で、測定周波数に拘わらず測定装置を小型にできるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術たる導波管プローブによる平面上を走査した近傍界測定装置である。
【図2】微小電磁界素子をプローブとして直方体表面上を走査した近傍界測定装置である。
【図3】複数の微小電磁界素子をプローブとして直方体表面上を同時に走査した近傍界測定装置である。
【図4】微小電磁界素子をプローブとして蓋付き円筒体表面上を走査した近傍界測定装置である。
【符号の説明】
11,21,31,41:被測定アンテナ
12:導波管プローブ
22,32x,32y,32z,42:光電界センサ
13:走査平面
23,33:走査閉曲面(直方体表面)
43:走査閉曲面(蓋付き円筒体表面、茶筒表面)
14,24,34,44:高周波ネットワークアナライザ
15,25,35,45:高周波ケーブル
16,26,36,46:データ収集・解析器
27,37x,37y,37z,47:光ケーブル
28,38,48:レーザ発振器・光検出器
39:光スイッチ
Claims (18)
- 被測定アンテナと検出手段との間に生ずる電磁界伝送特性たる振幅または位相を測定する方法であって、該検出手段が微小電気アンテナとして電界を検出する工程と、また微小磁気アンテナとして磁界を検出する工程と、前記検出手段から、前記電磁界伝送特性を分析する分析手段へ、実質的であるか否かを問わずに金属線より電磁波に対する感応性が大幅に低い手段を用いて信号通信する工程と、を有することを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項1において、前記検出手段は前記被測定アンテナを内包する閉曲面上を走査することを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項1または2のいずれかにおいて、前記被測定アンテナが発生させる電磁界のベクトルと前記検出手段の電磁気的な等価ベクトルとの内積に対し、前記電磁界伝送特性の測定値が比例する程度に、前記検出手段が微小なことを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記検出手段が光電界素子からなり、該光電界素子のプローブ部分周辺に、前記被測定アンテナの金属及び前記光電界素子の金属以外に前記被測定アンテナが発生させる電磁界の波長程度に近接した金属が、実質的か否かを問わずにないことを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記検出手段と前記分析手段との間の信号通信をレーザ光により伝送することを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記金属線以外の手段として光ファイバーを用いることを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項1または3乃至6のいずれかにおいて、前記被測定アンテナを内包する閉曲面の一部の開曲面上を前記検出手段が走査をすることにより、前記測定における全方位の電磁界伝送特性を測定することを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項2乃至7のいずれかにおいて、前記閉曲面が直方体表面であることを特徴とする近傍界測定方法。
- 請求項2乃至7のいずれかにおいて、前記閉曲面が蓋付き円筒体表面であることを特徴とする近傍界測定方法。
- 被測定アンテナとの間に生ずる電磁界伝送特性たる振幅または位相を検出する検出手段と、前記電磁界伝送特性を分析する分析手段と、該分析手段と前記検出手段との間を信号通信する手段と、からなり、前記検出手段は微小電気アンテナとして電界を検出し、また微小磁気アンテナとして磁界を検出し、前記信号通信する手段が実質的であるか否かを問わずに金属線より電磁波に対する感応性が大幅に低いことを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項10において、前記検出手段は前記被測定アンテナを内包する閉曲面上を走査することを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項10または11のいずれかにおいて、前記被測定アンテナが発生させる電磁界のベクトルと前記検出手段の電磁気的な等価ベクトルとの内積に対し、前記電磁界伝送特性の測定値が比例する程度に、前記検出手段が微小なことを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項10乃至12のいずれかにおいて、前記検出手段が光電界素子からなり、該光電界素子のプローブ部分周辺に、前記被測定アンテナの金属及び前記光電界素子の金属以外に前記被測定アンテナが発生させる電磁界の波長程度に近接した金属が、実質的か否かを問わずにないことを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項10乃至13のいずれかにおいて、前記検出手段と前記分析手段との間の信号通信をレーザ光により伝送することを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項10乃至14のいずれかにおいて、前記金属線以外の手段として光ファイバーを用いることを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項10または12乃至15のいずれかにおいて、前記被測定アンテナを内包する閉曲面の一部の開曲面上を前記検出手段が走査をすることにより、前記測定における全方位の電磁界伝送特性を測定することを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項11乃至16のいずれかにおいて、前記閉曲面が直方体表面であることを特徴とする近傍界測定装置。
- 請求項11乃至16のいずれかにおいて、前記閉曲面が蓋付き円筒体表面であることを特徴とする近傍界測定装置。
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- 2003-04-30 JP JP2003125579A patent/JP2004333167A/ja active Pending
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