JP2004332945A - 潜熱冷却構造 - Google Patents
潜熱冷却構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004332945A JP2004332945A JP2003124820A JP2003124820A JP2004332945A JP 2004332945 A JP2004332945 A JP 2004332945A JP 2003124820 A JP2003124820 A JP 2003124820A JP 2003124820 A JP2003124820 A JP 2003124820A JP 2004332945 A JP2004332945 A JP 2004332945A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- latent heat
- water
- temperature
- storage material
- heat storage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
Abstract
【解決手段】所定の温度で相変移する潜熱蓄熱材を構造体外表面下部に配置して潜熱冷却構造を構成した。
これにより、構造体の外表面が日射により温度上昇すると、外表面下部に配置された潜熱蓄熱材が熱を吸収し温度上昇を抑制し、さらに潜熱により所定の温度で熱量を大きく吸収する。したがって、所望の路面や建物の外表面温度を低く保持でき、ヒートアイランド化を防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車道や歩道などの舗装面や建造物の壁面等構造体の外表面内部に潜熱蓄熱材を設け、潜熱蓄熱材の相変移等を利用して構造体外表面の温度上昇を緩和させる潜熱冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年都市部近郊でのヒートアイランド現象が問題となっている。これは、都市部ではビル等の建造物が多く建てられ、また地表面のほとんどがコンクリートやアスファルトにより舗装されて裸地等の蒸発面が少なくなっており、しかも地中に蓄積されている水分が少なく、太陽光の照射により建造物の外表面や地表面の温度が短時間で高温になり、また建造物外壁面や舗装路面内に蓄熱されて夜間も冷えにくいことが原因の一つとなっていた。
【0003】
そこで、路面表面や建物の壁面に高反射塗料剤を塗布して表面の日射反射率を高め、路面や建物への日射の吸収量を低下させてヒートアイランド化を防止することが考えられている。
【0004】
更に、舗装面に保水性をもたせ、雨水等を舗装面に保持させて、その水分を日中の高温時に路面から蒸発させて路面表面の温度上昇を防止しようとした発明がある。この発明によれば、路面下部に水分を蓄えることができ、高温時には水分蒸発による冷却が行われるので、効率良く冷却することができる。(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、吸水機能を有する透水性舗装材と、透水性舗装材に導水する貯水槽とを備え、舗装材を常に湿潤状態にして夏季の路面温度を低下させるようにした発明がある。(例えば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願2000−109699号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平11−100803号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら高反射塗料剤を外壁面等に塗布し反射率を高めてヒートアイランド化を防止した場合には、壁面や路面等からの日射の照り返しが増大してしまい、歩行者等には却って体感温度が上昇したり、ビルの壁面に用いた場合には、ビル間の多重反射を招き、逆に周辺の外気温を上昇させてしまう危惧があった。
【0009】
また、水分を用いた舗装等の冷却構造は、夏季の水不足が懸念される時期に多量の水を冷却のために消費することから好ましくなく、雨水を用いたとしてもその時期に十分に降雨があるとは限らず、晴天が連続した状態では貯水した雨水はすぐに不足してしまう。また、路面等に散水した水が大気中に蒸散されることから湿度の増加を招き、高温多湿の地域では、不快感が増加したり、空調機器の負荷が増加して電力需要を逼迫させることも考えられる。
【0010】
また、散水した水が大気中に蒸散されることから、少なくともその蒸気を吸引しても支障がない程度に浄化された清水を用いて散水しなければならず、使用できる水に制限があった。舗装ブロックなどの毛管現象を利用した場合には、毛管作用を維持するためにメンテナンスが必要となり、維持コストがかかるという問題もあった。
【0011】
更に、散水するために揚水ポンプを使用すると、そのポンプ使用時がクーラーの使用など夏季の電力消費のピーク時と重なり、電力の最大消費量を更に増大させる点から好ましくなかった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決し、日射による路面等の温度上昇を防止し、効率的に温度上昇を抑制できる構造体の冷却構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するため、構造体の冷却構造を次のように構成した。
【0014】
請求項1に記載の発明は、所定の温度で相変移する潜熱蓄熱材を構造体外表面下部に配置して潜熱冷却構造を構成した。これにより、日中温度が上昇したとき、構造体の外表面下部に設けられた潜熱蓄熱材の吸熱作用により外気温を低下させることができ、そして、潜熱蓄熱材の温度が相変移温度に達すると潜熱蓄熱材は固相から液相に変移し、その際温度変化を伴わずに大きな熱量を吸収して、構造体の外表面温度を低下させ、周辺の外気温を低下させる。そして液相に変移した潜熱蓄熱材は、夜間の温度低下等により冷却され、再び固相に変移し、翌日同様に作用する。
【0015】
潜熱冷却構造に用いられる潜熱蓄熱材としては、例えば、塩化カルシウムの水和物やパラフィン系有機物があり、所定の温度で相変移し、かつ潜熱が大きいものが好ましい。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の潜熱冷却構造において、構造体を舗装路面とし、潜熱蓄熱材を舗装材の下部に配置した。これにより、歩道、広場、車道等の舗装面の表面温度の上昇を防止でき、これら舗装面に接する外気温度を低下させ、ヒートアイランド化を防止できる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の潜熱冷却構造において、構造体をビル等の建築物とし、外表面は該建造物の水平壁面、垂直壁面及び傾斜壁面を含むこととした。これにより、日射によるビルの外壁面の温度上昇を防止し、建物内の冷房効果の上昇、及び建造物周辺のヒートアイランド化を防止できる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の潜熱冷却構造において、潜熱蓄熱材の内部に通水用配管を設置し、この通水用配管に冷却水を夜間通水循環させ前記潜熱蓄熱材を冷却することとした。冷却水は潜熱蓄熱材の温度を低下させること及び相変移に用いるのみであり、循環して使用し水を消費しないことから、水不足の原因となることはなく、また水を外気に放散させないことから、水の汚濁に関係なく冷却水として使用することができる。また通水用ポンプを夜間作動させることから、日中の電力消費ピークを押し上げることはなく、電力負荷を増大させることがない。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の潜熱冷却構造において、冷却水を、雨水、地下水、河川水、上水、中水のいずれか、あるいはいずれかの組み合わせとしたことを特徴とする。これにより、潜熱蓄熱材を効率良く冷却でき、また種類を問わず冷却水として使用でき、また冷却水を消費しないことから水不足に関係なく通水できる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の潜熱冷却構造において、潜熱蓄熱材の相変移温度を、20℃〜35℃の範囲内とした。これにより、夏季など高温時に潜熱蓄熱材の潜熱を作用させ、外気温を効率よく低下できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる潜熱冷却構造の一実施形態について説明する。
【0022】
図1に構造体としての歩道の横断面を示す。歩道2は、路床4の上面に舗装用タイル6を敷き詰めて形成され、更に歩道2の一部に仕切り板7を設け、仕切り板7により側面及び底面が仕切られた溝8が形成してある。また溝8の前後には仕切り板9が設けられ、仕切り板9を貫通して通水管12が配管してあるとともに溝8の内部に潜熱蓄熱材としての潜熱材10が充填されている。
【0023】
溝8は、潜熱材10が液化したとき潜熱材10が流出しないよう液密構造となっている。尚、潜熱材10を予めカプセル化し、溝8内に充填してもよい。
【0024】
潜熱材10は、相変移温度が30℃の塩化カルシウムの水和物やパラフィン系有機物などからなる潜熱蓄熱材で、溝8の内部にタイル6の下面に接するように充填されている。潜熱材10は、温度が30℃以下では固相であり、30℃を越えると相変移して液相となり、単位重量あたりの潜熱は約180J/kgである。尚、潜熱材10はこれに限るものではない。
【0025】
次に、潜熱材10の必要量を求める。例えば、夏季の平均的な1日の日射量を15MJ/m2とし、地表面には10MJ/m2が届くとする。10MJ≒300W×10hとなり、時間当り300Wとなる。
【0026】
外気温の日中平均温度を32℃とすると、タイルの温度をTとしたとき、タイルから外気に放出される熱量と、タイル裏面から潜熱材に吸収される熱量が日射によりタイルが吸収する熱量に等しくなる関係から次の式が成立する。
300×0.8=23(T−32)+(1.0/0.02)×(T−30)。ここで、タイルから外気温への温度差あたりの伝熱量は、23W/m2℃であり、タイルから潜熱材へとの温度差あたりの伝熱量は、1.0/0.02W/m2℃であり、タイルの熱吸収率が0.8である。
【0027】
するとT=34が得られ、このときタイル裏面から潜熱材への熱流量は、1.0/0.02×(34−30)=200Wとなる。これを一日あたりに換算すると、200W×10h=7.2MJとなり、よって潜熱のみで吸熱するとすれば一平方メートルあたりの潜熱材の必要量は、7.2×1000/180(kJ/kg)=40kgとなる。そして潜熱材の比重を例えば0.9とすれば、必要な潜熱材10の厚さは4.4cmとなる。
【0028】
通水管12は熱伝導性の高い材質からなり、送出用の管12aと還流用の管12bの2本の管が溝8内のほぼ上下中間位置に平行に配管され、溝8の終端付近で管12aと管12bが連結して、折り返されている。
【0029】
送出用の管12aには図2に示すようにポンプ16が連結してあり、ポンプ16により貯水槽14内の水が送出される。貯水槽14には、流入管18等を介して雨水、地下水、あるいは河川水などを導入するようになっており、貯水槽14内の水温はほぼ一定に保たれている。ポンプ16から送出され送出用の管12aを通った水は、管12aの先端で折り返され、還流用の管12bを通って貯水槽14内に還流する。
【0030】
例えば貯水槽14内の水の温度を25℃とすれば、溝8の一平方メートルあたり必要とされる水量aは、潜熱材10がタイル裏面から吸熱する熱量を通水によって冷却する関係から式(30−25)×a×4.186=180×40が得られ、この式からaは約350(kg/m2)とわかる。
【0031】
次に、潜熱冷却構造の冷却作用について説明する。
【0032】
夏季の朝では、潜熱材10は前日からの通水管12内の通水により冷却され、温度が低下し、かつ固相に変移している。時間の経過とともに日射が強くなり徐々にタイル6の表面の温度が上昇すると、潜熱材10がタイル6の熱を吸収する。これにより、タイル6の温度上昇率は潜熱材10を備えない従来の場合より低下される。
【0033】
更に日射が強くなりタイル6からの熱の吸収により潜熱材10の温度が上昇し、潜熱材10の温度が30℃の相変移温度に達すると、潜熱材10は相変移を開始し、液相に変移する。その際、タイル6の裏面から多量の熱を吸収し、相変移が終了し完全に潜熱材10が液相となるまで、タイル6の温度を30℃に保持する。その後さらに日射が続くときは、タイル6の温度上昇に伴って潜熱材10の温度が上昇するが、潜熱材10に蓄熱作用があるため、タイル6の温度上昇率は通常より低く抑えられる。
【0034】
したがって、日中の日射によるタイル6の温度上昇率を抑制し、タイル6の周辺の外気温を低下させることができる。
【0035】
そして夜間になったらポンプ16を作動させ、貯水槽14から水を通水管12内に送出する。通水管12内の水温は25℃程度であるので、通水管12を通して潜熱材10が冷却され、潜熱材10は温度が低下されるとともに相変移を起こし固相になる。水は通水管12内を循環し貯水槽14に戻るので消費されることはなく、また、貯水槽14の貯水量が循環量に比較して充分にあれば、潜熱材10からの吸熱により温度が上昇した戻り水が貯水槽14に流入しても、貯水槽14の水温はほとんど上昇することはなく、貯水槽14から送出される水温をほぼ一定に保持できる。
【0036】
図3に潜熱冷却構造の一日の熱の移動を示す。図3は横軸に時刻、縦軸に冷熱量を示し、縦軸の上側が冷熱量の放熱、下側が吸熱である。すなわち18時から8時までの夜間に通水等で蓄熱された冷熱は、8時から18時までの日中にタイル、及びタイルを介して外気等を冷却する冷熱として用いられ、夜間潜熱材10を冷却した冷熱量の合計(A+C)と、日中の冷却に用いられた冷熱量の合計(B)とは、正負逆で値が等しい。
【0037】
尚、貯水槽14から通水管12に送水するのではなく、河川からの水を送水したり、地下水を直接送水してもよい。その場合には通水管12に送水される水の温度が低く、また水温の変化をより小さくでき潜熱材10の冷却には好ましい。通水により潜熱材10の温度が低下し、固相に変移したならポンプ16を停止させ、通水管12への通水を停止する。
【0038】
また、通水管12を潜熱材10の内部に配管しない場合や、夜間の外気温の低下が大きく通水を行わない場合には、自然冷却によって潜熱材10の冷却を行い、潜熱材10を固相に変移させるようにしてもよい。
【0039】
図4に本発明の他の例を示す。これは、歩道ではなく、広場のような空間を有するところに潜熱材10を設けたもので、路床4上に比較的広い凹部20を形成し、潜熱材10を凹部20内に充填する。また、通水管12を凹部20の全体を巡るように屈曲して設ける。
【0040】
凹部20を覆うタイル6は、1枚でなく複数のタイル6を組み合せてもよい。タイル6を組み合せた場合や1枚のタイルの強度が充分でない場合には、凹部20内に土台(図示せず。)等を適宜配置してタイルが凹部20内に落下しないよう支持する。また凹部20内に、通水管12を支持する支持台を設け、通水管12が潜熱材10の上下中間点に位置するように保持させてもよい。
【0041】
このように潜熱冷却構造を構成すると、広場などにおいて面として冷却でき、高い冷却効果が得られ、外気温の低下がより効果的となり快適空間が形成される。
【0042】
更に、潜熱材10をビル等の外壁面に用いてもよい。この場合は、ビルの屋上など水平面では上述したと同様な構成でよいが、傾斜面や垂直な壁面に用いる場合は、潜熱材10を収容する収容箇所を、仕切り(図示せず。)を有する升目構造としたり、あるいはカプセル内に潜熱材10を収納して、収容箇所にカプセルを収容して潜熱蓄熱材が自重で落下したり、下方に片寄ることのないようにする。
【0043】
またかかる場合でも通水管12を潜熱材10内に配管することにより、潜熱材10の冷却を効率良く行える。
【0044】
更に、貯水槽14に放熱器や冷却器等を設置し、貯水槽14内の水温を低下させて、水温の上昇を防止するようにしてもよい。
【0045】
尚、上記例では潜熱材を直接溝内に収容したが、潜熱材をマイクロカプセル化して収容してもよい。また、歩道ではなく車道に用いてもよく、外表面もタイルでなく、アスファルト舗装その他の舗装構造でよい。また、冬期に、潜熱蓄熱材の蓄熱作用、及び通水管12を用いた加温によって路面の凍結防止を行ってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果を有する。
【0047】
請求項1に記載の発明は、所定の温度で相変移する潜熱蓄熱材を構造体外表面下部に配置して潜熱冷却構造を構成した。
【0048】
潜熱冷却構造はこのように構成されていることから、日中温度が上昇したとき、構造体の外表面下部に設けられた温度が低い潜熱蓄熱材が構造体から吸熱するとともに、潜熱蓄熱材の温度が相変移温度に達すると潜熱蓄熱材は固相から液相に変移して更に吸熱する。また液相に変移した潜熱蓄熱材は、夜間の温度低下等により冷却されて固相に変移し、翌日再び構造体を冷却する。
【0049】
したがって、潜熱冷却構造は、潜熱蓄熱材が夜間蓄熱した冷熱により日中構造体や外気温度を低下させるとともに潜熱により温度変化を伴わずにより多くの熱量を吸収して、構造体の外表面温度、および構造体周辺の外気温度を低下させることができ、しかもかかる作用を動力を用いることなく継続して行わせることができる。
【0050】
更に潜熱冷却構造は、一連の吸、放熱サイクルにおいて水分の蒸発を伴わないため、周辺空気の湿度上昇がなく、不快感や空調負荷を増大させるおそれがない。また冷却に際してポンプ等の動力を用いないため、電力消費量を増大させず、また振動、騒音等を発生させない。更に、冷熱の吸収を夜間行うことから、日中の吸熱時に放熱器等からの放熱がなく、周囲の温度を上昇させることがなく環境負荷が小さい。
【0051】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の潜熱冷却構造において、構造体を舗装路面とし、潜熱蓄熱材を舗装材の下部に配置したことを特徴とする。これにより、歩道、広場、車道等の舗装面の温度上昇を防止でき、ヒートアイランド化を防止できる。また、施工やメンテナンスが容易で、タイルの清掃や潜熱蓄熱材の交換等の際、舗装タイルを路面から取り外して、作業を容易に行うことができる。
【0052】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の潜熱冷却構造において、構造体を建築物とし、外表面は建造物の水平壁面、垂直壁面及び傾斜壁面を含むことを特徴とする。これにより、ビルなどの外壁面が日射を受けたことによる温度上昇を防止し、建物内の冷房効果の上昇、及び周辺のヒートアイランド化を防止できる。
【0053】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の潜熱冷却構造において、潜熱蓄熱材の内部に通水用配管を設置し、通水用配管に夜間冷却水を通水循環させ潜熱蓄熱材を冷却することを特徴とする。冷却水は潜熱蓄熱材の温度低下及び相変移に用い、循環させて消費しないことから、水不足に関係がなく使用でき、また水分を外気に放出しないことから、水の汚濁に関係なく通水に使用することができる。また夜間にポンプを作動させ通水することから、ポンプの使用によって日中の電力消費ピークを押し上げることはなく、最大電力負荷を増大させることがない。
【0054】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の潜熱冷却構造において、冷却水を、雨水、地下水、河川水、上水、中水のいずれか、あるいはいずれかの組み合わせとしたことを特徴とする。これにより、潜熱蓄熱材を効率良く冷却でき、また冷却水の種類を問わず、また冷却作用において水を循環させ消費しないことから水不足に関係なく使用できる。
【0055】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の潜熱冷却構造において、潜熱蓄熱材の相変移温度は、20℃〜35℃の範囲内であることを特徴とする潜熱冷却構造。これにより、夏季など高温時に潜熱蓄熱材の潜熱が作用し、かかる作用を用いて構造体の温度、及び構造体周囲の外気温を低下できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる潜熱冷却構造の一実施形態を示す断面斜視図である。
【図2】通水管の全体を示す図である。
【図3】熱の移動を示す図である。
【図4】本発明にかかる潜熱冷却構造の他の実施形態を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
2 ; 歩道
4 ; 路床
6 ; タイル
7、9 ; 仕切り板
8 ; 溝
10; 潜熱蓄熱材
12; 通水管
14; 貯水槽
16; ポンプ
18; 流入管
Claims (6)
- 所定の温度で相変移する潜熱蓄熱材を構造体外表面下部に配置したことを特徴とする潜熱冷却構造。
- 前記構造体は舗装路面であり、前記潜熱蓄熱材を舗装材の下部に配置したことを特徴とする請求項1に記載の潜熱冷却構造。
- 前記構造体は建築物であり、前記外表面は該建造物の水平壁面、垂直壁面及び傾斜壁面を含むことを特徴とする請求項1に記載の潜熱冷却構造。
- 前記潜熱蓄熱材の内部に通水用配管を設置し、該通水用配管に夜間冷却水を通水循環させ前記潜熱蓄熱材を冷却することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の潜熱冷却構造。
- 前記冷却水は、雨水、地下水、河川水、上水、中水のいずれか、あるいはいずれかの組合わせであることを特徴とする請求項4に記載の潜熱冷却構造。
- 前記潜熱蓄熱材の相変移温度は、20℃〜35℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の潜熱冷却構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124820A JP2004332945A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 潜熱冷却構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124820A JP2004332945A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 潜熱冷却構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004332945A true JP2004332945A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33502256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003124820A Pending JP2004332945A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 潜熱冷却構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004332945A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100841012B1 (ko) | 2007-10-26 | 2008-06-24 | (주)월드비텍 | 증발 기능을 가진 건물용 타일 |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003124820A patent/JP2004332945A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100841012B1 (ko) | 2007-10-26 | 2008-06-24 | (주)월드비텍 | 증발 기능을 가진 건물용 타일 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Mousa et al. | Experimental study and analysis of solar still desalination using phase change materials | |
US8443794B2 (en) | Systems and methods for operating environmental equipment utilizing energy obtained from manufactured surface coverings | |
US20130299123A1 (en) | Geothermal System | |
JP2007333295A (ja) | 蓄熱システム | |
US3683152A (en) | Means for preventing the formation of ice, particularly on roads | |
Hendel | Cool pavements | |
JP2007333296A (ja) | 蓄熱システム | |
Dincer et al. | Thermal Energy Storage (TES) | |
JP2004332945A (ja) | 潜熱冷却構造 | |
JP2885085B2 (ja) | 保水性舗装ブロック | |
JP2005315476A (ja) | 複合熱利用方法及び装置 | |
CN103328894A (zh) | 冷却装置 | |
JP4530174B2 (ja) | コンクリート構造物の蓄熱システム | |
JPS60233204A (ja) | 融雪用コンクリ−トパネル | |
KR100854075B1 (ko) | 도로의 온도 상승 방지용 포장 시스템 | |
JP2008031813A (ja) | 太陽熱の地中内熱備蓄方法と装置 | |
JPH04189906A (ja) | 大陽熱蓄熱型路面融雪装置 | |
JP5518411B2 (ja) | 屋上部の冷却装置 | |
JP4868579B2 (ja) | 傾斜路システム | |
KR100394555B1 (ko) | 지열을 이용한 노면 결빙 방지장치 | |
KR102622913B1 (ko) | 도로 포장체의 계간 지중 축열 및 방열 장치 및 이를 이용한 도로 융설 시스템 | |
JP2013002237A (ja) | 路面融雪構造 | |
Yang et al. | Unintended consequences | |
KR100991085B1 (ko) | 온도에 따라 형성되는 액체의 성층을 이용한 노면 온도조절장치 | |
JP2007132182A (ja) | 冷却・保温用舗装工法および舗装材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060330 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090209 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090421 |