JP2004332072A

JP2004332072A - Method of forming chromiumless film for grain oriented magnetic steel sheet

Info

Publication number: JP2004332072A
Application number: JP2003131968A
Authority: JP
Inventors: Makoto Watanabe; 誠渡辺; Toshito Takamiya; 俊人高宮; Mineo Muraki; 峰男村木
Original assignee: JFE Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 2003-05-09
Filing date: 2003-05-09
Publication date: 2004-11-25
Anticipated expiration: 2023-05-09
Also published as: JP4305040B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method of forming a chromiumless film for obtaining a steel sheet having high moisture absorbing resistance and low iron loss on levels the same as those of a steel on which a chromium-containing film is formed even in the case where a film free from chromium is applied as a grain oriented magnetic steel sheet. <P>SOLUTION: The arithmetic average roughness of the surface of a grain oriented magnetic steel sheet subjected to final finish annealing is controlled to ≤0.4 μm, and thereafter, a phosphate based tension-imparted steel sheet free from chromium is formed on the surface of the steel sheet. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、クロムを含まない被膜を方向性電磁鋼板の表面に形成するに際し、不可避的に発生する被膜欠陥を防止し、表面被膜性状を改善する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、方向性電磁鋼板においては、絶縁性、加工性、防錆性等を付与するために、その表面に被膜を施している。かかる表面被膜は、最終仕上焼鈍時に形成されるフォルステライトを主体とする下地被膜と、その上に被成されるりん酸塩系の上塗り被膜からなる。
【０００３】
また、これらの被膜は高温で形成され、しかも低い熱膨張率を持つことから、温度が室温まで下がったときの鋼板とコーティングとの熱膨張率の違いにより鋼板に張力を付与し、鉄損を低減させる効果があるため、被膜によって、できるだけ高い張力を鋼板に付与することが望まれている。
【０００４】
このような諸特性を満たすために、従来、種々のコーティング被膜が提案されている。例えば、特許文献１には、りん酸マグネシウム、コロイド状シリカおよび無水クロム酸を主体とするコーティングが、また特許文献２には、りん酸アルミニウム、コロイド状シリカおよび無水クロム酸を主体とするコーティングが、それぞれ提案されている。
【０００５】
一方、近年の環境保全への関心の高まりにより、クロムや鉛等の有害物質を含まない製品に対する要望が強まっており、方向性電磁鋼板においてもクロムを含まない被膜を形成させる方法の開発が望まれていた。しかし、クロムを用いないと著しい耐吸湿性の劣化や、張力低下による鉄損改善効果の消失等、品質上の問題が発生するため、クロムを無添加とすることができなかった。ここに、被膜における耐吸湿性の劣化とは、被膜が大気中の水分により吸湿し、部分的に液化して膜厚が薄くなったり被膜のない部分ができたりして、絶縁や防錆性が劣化してしまうことである。
【０００６】
この問題を解決する方法として、特許文献３に記載された、コロイド状シリカ、りん酸アルミニウム、ホウ酸および硫酸塩からなるコーティング液を塗布する方法が開発された。この方法により、従来のクロム含有被膜に近い張力効果による鉄損改善と耐吸湿性の改善とがもたらされた。しかしながら、この方法による鉄損並びに耐吸湿性の改善は、得られる効果にばらつきがあり、場合によっては問題となるレベルまで鉄損や耐吸湿性が劣化することがあった。
【０００７】
また、これ以外にもクロムを含まないコーティングとして、例えば特許文献４にはクロム化合物の代りにホウ酸化含物を添加する方法が、特許文献５には酸化物コロイドを添加する方法が、特許文献６には金属有機酸塩を添加する方法が、それぞれ開示されている。ところが、いずれの技術を用いても、耐吸湿性および鉄損の改善効果に生じるばらつきは依然として大きく、完全に解決するには到らなかった。
【０００８】
【特許文献１】
特公昭５６−５２１１７号公報
【特許文献２】
特公昭５３−２８３７５号公報
【特許文献３】
特公昭５７−９６３１号公報
【特許文献４】
特開２０００−１６９９７３号公報
【特許文献５】
特開２０００−１６９９７２号公報
【特許文献６】
特開２０００−１７８７６０号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、方向性電磁鋼板にクロムを含まない被膜を適用した場合にあっても、クロム含有被膜を被成した鋼板と同レベルの高い耐吸湿性並びに低鉄損を有する鋼板を得るための、クロムレス被膜の形成方法について提案することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、クロムを含まない被膜によってもクロム含有被膜と同程度の効果を得るための方策を鋭意究明したところ、最終仕上焼鈍後の鋼板の表面粗さを規制するのが極めて有効であることを見出し、この発明を完成するに到った。
【００１１】
すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
（１）最終仕上焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面を算術平均粗さで０．４μｍ以下とし、その後鋼板表面にクロムを含まないりん酸塩系の張力付与被膜を形成することを特徴とする方向性電磁鋼板用クロムレス被膜の形成方法。
【００１２】
（２）最終仕上焼鈍済みの方向性電磁鋼板の表面を算術平均粗さで０．４μｍ以下とした後、クロムを含まないりん酸塩系のコーティング液を鋼板表面に塗布し、次いで２００〜７００℃までの昇温速度が１０〜６０℃／ｓである焼付けを行うことを特徴とする方向性電磁鋼板用クロムレス被膜の形成方法。
【００１３】
【発明の実施の形態】
発明者らは、特許文献３に記載された、クロムを含まない被膜において、耐吸湿性並びに鉄損の改善効果にばらつきが生じるのは、何らかの外乱要因があって所望の特性が達成できないものと考え、この原因を究明するために膨大な実験を実施した。その結果、最終仕上焼鈍後の鋼板の表面粗さが、このばらつきを生じさせる主要因であることをつきとめた。以下に、この知見を得るに至った実験について述べる。
【００１４】
Ｃ：０．０４５ｍａｓｓ％、Ｓｉ：３．２５ｍａｓｓ％、Ｍｎ：０．０７ｍａｓｓ％およびＳｅ：０．０２ｍａｓｓ％を含み、残部実質的にＦｅよりなる珪素鋼スラブを、１３８０℃で３０分間加熱後熱間圧延にて２．２ｍｍ厚とし、その後９５０℃で１分間の熱延板焼鈍を施し、１０００℃で１分間の中間焼鈍を挟む冷間圧延にて０．２３ｍｍの最終板厚に仕上げたのち、鋼板表面をサンドペーパーで研磨し、表面粗さを調整した。次いで、８５０℃で２分、雰囲気酸化性（雰囲気における水素分圧に対する水蒸気分圧の比）が０．５５の脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に酸化マグネシウム１００質量部、酸化チタン２質量部および硫酸ストロンチウム１質量部よりなる焼鈍分離剤を、鋼板表面に両面で１２ｇ／ｍ^２塗布そして乾燥して二次再結晶焼鈍を施し、引続き乾Ｈ_２中で１２００℃で１０時間の純化焼鈍を兼ねた最終仕上焼鈍を行った後、未反応の焼鈍分離剤を除去した。
【００１５】
このようにして得られた鋼板を３００ｍｍ×１００ｍｍのサイズにせん断し、ＳＳＴ試験器（単板磁気試験器）で磁気測定を行った。また、最終仕上焼鈍後の鋼板の表面粗さについても測定を行った。その後、りん酸酸洗を行った後に、コーティング処理液として、特許文献３に記載のりん酸アルミニウムを５０質量部、コロイド状シリカを４０質量部、ホウ酸を５質量部および硫酸マグネシウムを１０質量部の配合割合になるコーティング剤を鋼板両面に対して乾燥重量で１０ｇ／ｍ^２塗布したのち、乾Ｎ_２雰囲気において２００℃〜７００℃の温度域を２０℃／Ｓの速度で昇温して８００℃で２分間保持する焼付けを行った。
【００１６】
また、比較として、第一りん酸アルミニウム５０質量部、コロイド状シリカ４０質量部および無水クロム酸１０質量部からなるコーティング液を同様に塗布して同様に焼付けを行った。
【００１７】
かくして得られた鋼板に対して再びＳＳＴ試験器で磁気測定を行った。また、Ｐの溶出試験も行った。すなわち、Ｐ溶出試験は、５０ｍｍ×５０ｍｍの試験片３枚を１００℃蒸留水中で５分間浸漬煮沸することによって被膜表面からＰを溶出させ、そのＰを定量分析した。このＰの溶出量によって、被膜の水分による溶解のしやすさを判別することにより、耐吸湿性が評価できる。
【００１８】
以上の測定並びに評価結果について、磁気特性およびＰ溶出量と最終仕上焼鈍後の鋼板の表面粗さの平均値との関係として整理し、図１（ａ）および（ｂ）にそれぞれ示す。
図１（ｂ）に示すように、クロム含有被膜を形成した鋼板では、表面粗さに大きく影響されることなく良好な耐吸湿性が得られている。また、図１（ａ）に示すように、磁気特性についても、クロム含有被膜を用いると、表面粗さが大きくなるに従って若干の鉄損劣化が認められるものの、大きな鉄損の劣化は認められない。これに対し、クロムを含有しない被膜を形成した鋼板では、表面粗さの高い領域では十分な耐吸湿性および磁気特性が得られていないが、表面粗さの低い領域、とりわけ算術平均粗さで０．４を超えると磁気特性および耐吸湿性がともに改善し、クロム含有被膜を形成した鋼板と同等の良好な特性が得られている。
【００１９】
このように、最終仕上焼鈍後の鋼板の表面粗さにより、耐吸湿性や磁気特性の変化が起こるメカニズムについて明確にするために、上記実験で被膜を形成した鋼板の表面を、走査型電子顕微鏡（ＳＥＭ）にて観察した。図２に、このＳＥＭによる画像を示す。鋼板の表面粗さ自体は被膜で隠されるために、両サンプル間でさほど大きな差はないが、耐吸湿性の良好なサンプルでは平坦で均一な表面となっているのに対し、耐吸湿性の劣ったサンプルでは、表面に膨れやクラックが多数発生していることがわかる。
【００２０】
以上の点から、クロムを含有しない被膜において、表面粗さが耐吸湿性や磁気特性に影響を及ぼすメカニズムについて、発明者らは以下のように考えた。
まず、通常のクロムを含有した被膜では、りん酸塩とコロイド状シリカとの反応後に残った、フリーのりん酸分をクロムがトラップすることにより吸湿性が改善され、また、これにより強固な被膜となるために鋼板への張力効果が高まり、磁気特性が改善される。
【００２１】
一方、今回用いた特許文献３に記載されたクロムを含まない被膜では、クロムの代わりに金属硫酸塩およびホウ酸にフリーのりん酸分をトラップさせる働きを持たせているが、表面粗さが高い場合には、このような効果が不十分になると考えられる。
すなわち、クロムを含まない被膜では、表面粗さが高いとコーティング液が高温で蒸発したり、りん酸塩が脱水したりする際に、激しく気泡が発生し、一部が膨れとなったり、割れとなってクラックを生じる、原因となる。また、このような膨れを分析すると、多くの場合、りんが強く濃化しＳｉの濃化量が少なくなっており、フリーのりん酸分が強く濃化したと考えられることから、このような膨れやクラックから、フリーのりん酸分が溶出していく。また、このようなクラックは被膜自体の強度を弱めることになり、張力効果を低下させて鉄損の改善をもたらさないものと考えられる。
【００２２】
これに対し、表面粗さが低いと膨れやクラック自体の発生が抑えられるために、これに起因するフリーのりん酸分と、これが溶出する起点が無くなる結果、耐吸湿性は改善される。また、クラックが少なくなることにより、本来の張力効果が発揮されて、鉄損も効果的に低減されるのである。
【００２３】
なお、クロムを含むコーティングでは、例え粗度が高い場合に乾燥中に例えクラックが発生したとしても、クロムの修復機能により最終的にはクラックは少なくなるため、吸湿性の劣化はなく、また粗度が大きいとヒステリシス損は劣化するものの、被膜の強度は保たれるために渦電流損の低下量が損なわれず、鉄損改善効果は保たれるものと考えられる。
【００２４】
次に、本発明の各要件の限定理由について述べる。
この発明の素材である含珪素鋼は、方向性珪素鋼用素材であれば、特に鋼種を問わない。例えば、次の成分組成の鋼を用いることができる。
Ｃ：０．０２〜０．１ｍａｓｓ％、
Ｓｉ：２．０〜４．５ｍａｓｓ％および
Ｍｎ：０．０２〜０．３ｍａｓｓ％を含有し、さらに
インヒビターとしてＡｌＮを用いる場合は、Ａｌ、Ｎに関して
Ａｌ：０．０１〜０．０４ｍａｓｓ％
Ｎは、途中窒化させない場合０．００６〜０．０１ｍａｓｓ％で、途中窒化させる場合は特に限定されない。
また、インヒビターとしてＭｎＳｅ、ＭｎＳを用いる場合は、
Ｓｅ、Ｓ：合計で０．０１〜０．０３ｍａｓｓ％。
その他、磁気特性を改善する目的で、
Ｂ：０．００２〜０．００７ｍａｓｓ％、
Ｃｕ：０．０５〜０．２ｍａｓｓ％、
Ｂｉ：０．００５〜０．０３ｍａｓｓ％、
Ｔｅ：０．０５〜０．２ｍａｓｓ％、
Ｓｂ：０．０１〜０．０５ｍａｓｓ％、
Ｓｎ：０．０５〜０．３ｍａｓｓ％および
Ｎｉ：０．０５〜０．２ｍａｓｓ％
の１種または２種以上を含有してもよい。
【００２５】
次いで、含珪素鋼スラブを公知の方法で熱間圧延し、１回もしくは中間焼鈍を挟む複数回の冷間圧延により最終板厚に仕上げたのち、一次再結晶焼鈍を施してから、焼鈍分離剤を塗布して最終仕上焼鈍する。このとき、最終仕上焼鈍後の鋼板の表面を、その粗さが０．４μｍＲａ以下の平滑にすることが、図１に示したように肝要である。すなわち、クロムレス被膜を施す鋼板の表面粗さが、０．４μｍＲａを超えると、クロムを含まないコーティング液を塗布、そして焼付けした場合に、所望の耐吸湿性や磁気特性が得られない。
【００２６】
ここで、０．４μｍＲａ以下とする鋼板の表面とは、最終仕上焼鈍後にフォルステライト被膜を有する場合はフォルステライト被膜表面の粗さであり、最終仕上焼鈍後にフォルステライト被膜を持たない、いわゆる鏡面仕上げ材の場合は、地鉄表面の粗さを意味する。なお、鏡面仕上げ材は、焼鈍分離剤にアルミナを用いたり、マグネシアに塩化物を添加した粉体を用いたりして、表面に被膜をほとんど形成させないようにして打抜性や磁気特性を改善することを意図したものである。
【００２７】
また、鋼板の表面粗さを０．４μｍＲａ以下とするための方法は、特に限定するものではないが、例えば、一次再結晶焼鈍前の冷間圧延におけるロ一ル粗度を小さくしたり、一次再結晶焼鈍前に鋼板表面を研磨したり、一次再結晶焼鈍後に塗布する焼鈍分離剤に、表面を平滑にする効果をもたらす薬剤、例えば水酸化カルシウムや水酸化ストロンチウム等、を添加したりする方法を用いることができる。特に、一次再結晶焼鈍前の冷間圧延におけるロ一ル粗度を小さくしたり、一次再結晶焼鈍前に鋼板表面を研磨したりする方法は、最終仕上焼鈍後にフォルステライト被膜を有する場合および同フォルステライト被膜を持たない場合のいずれにも適用できる。また、焼鈍分離剤に水酸化カルシウムや水酸化ストロンチウム等の、表面を平滑にする効果をもたらす薬剤を添加する手法は、フォルステライト被膜を有する場合に有効である。一方、フォルステライト被膜を持たない場合には、焼鈍分離剤の主成分であるマグネシアに塩化物を添加する際に、その添加量や塩化物の種類の選択により、表面粗さを低減することができる。
【００２８】
このような表面粗さを規定した、最終仕上焼鈍済の方向性電磁鋼板に、クロムを含まないコーティング液を塗布する。このコーティング液の成分としては、従来公知のもの、例えば特許文献３に記載されたコロイド状シリカ、りん酸アルミニウム、ホウ酸及び硫酸塩からなるコーティング液、特許文献４に記載されたホウ酸化合物を添加したもの、特許文献５に記載された酸化物コロイドを添加したもの、特許文献６に記載された金属有機酸塩を添加したもの等、いずれのコーティング液も使用可能である。また、これらに、さらにシリカやアルミナ等の無機鉱物粒子を添加して、耐スティッキング性を改善することも可能である。被膜の目付け量は、鋼板両面で４〜１５ｇ／ｍ^２とする。すなわち、４ｇ／ｍ^２より少ないと層間抵抗が低下し、一方１５ｇ／ｍ^２より多いと占積率が低下するため、この範囲内とする。
【００２９】
このコーティング液を塗布、そして乾燥した後、焼付けを兼ねて平坦化焼鈍を行う。表面粗さが低い鋼板であれば、クロムを含まないコーティング液を塗布した場合に、この平坦化焼鈍中にクラックや膨れが発生することなく、良好な被膜が得られる。
【００３０】
なお、平坦化焼鈍の条件は特に限定されるものではないが、望ましくは２００℃〜７００℃の温度域での昇温速度を１０〜６０℃／ｓとする。この昇温速度が遅すぎると、水蒸気等のガスが発生した時に、これが膨れとして残りやすい。また、この昇温速度が６０℃／ｓを超えると、クラックが残りやすくなる。この昇温後の焼鈍温度は７００℃〜９５０℃の温度範囲で２〜１２０秒程度の均熱時間とするのが望ましい。この温度が低すぎ、また時間が短すぎると、平坦化が不十分で形状不良のために歩留まりが低下し、一方温度が高すぎて時間が長すぎると、平坦化焼鈍の効果が強すぎてクリープ変形して磁気特性が劣化するため、この範囲とすることが好ましい。
【００３１】
【実施例】
実施例１
ｍａｓｓ％で、Ｃ：０．０６％、Ｓｉ：３．３％、Ｍｎ：０．０６％、Ａｌ：０．０２３％、Ｎ：０．００７％、Ｓｅ：０．０２０％、Ｓｂ：０．０２６％、Ｃｕ：０．０８％を含有する鋼スラブを熱間圧延そして冷間圧延し、次いで脱炭焼鈍を施して得た、板厚０．２３ｍｍの脱炭焼鈍板に、焼鈍分離剤として、凹凸を増大させることを狙いとして１００質量部のマグネシア、６質量部の酸化チタン及び０．０５質量部の塩化マグネシウムを添加した粉体と、鋼板表面の凹凸を低下させることを狙いとして１００質量部のマグネシア、６質量部の酸化チタン及び０．０５質量部の水酸化バリウムを添加した粉体とを、それぞれ塗布して、９００〜１０５０℃までの昇温速度を２０℃／ｈ、雰囲気を７５％Ｈ_２と７５％Ｎ_２とする最終仕上焼鈍を行い、引き続き１１５０℃，１０ｈの純化焼鈍を行った。その後未反応の焼鈍分離剤を除去することにより、表面粗さが０．３２μｍＲａと０．４２μｍＲａの２種類の鋼板を準備した。これをりん酸酸洗処理した後に、成分組成が乾固固形分比率で、コロイド状シリカ：５０ｍａｓｓ％、りん酸マグネシウム：４０ｍａｓｓ％、硫酸マンガン９．５ｍａｓｓ％および微粉末シリカ粒子：０．５ｍａｓｓ％である、コーティング液を鋼板の両面で１０ｇ／ｍ^２で施した。なお、最終仕上焼鈍後の鋼板の磁束密度はいずれもＢ_８で１．９２（Ｔ）であった。その後、２００〜７００℃までの昇温速度を５〜１００℃／ｓの各昇温速度で８５０℃、３０秒、乾Ｎ_２雰囲気の焼付け処理を施した。
【００３２】
このようにして得られた鋼板の諸特性について調査した結果を、表１に示す。特許文献３に記載の方法に従って、ホウ酸を用いずに硫酸Ｍｎのみを用いたが、昇温速度１０〜６０℃／ｓの範囲で、良好な耐吸湿性と鉄損が得られた。特に、表面粗さが０．３２μｍＲａの鋼板を用いたときに、この昇温速度域で焼付けすることにより、優れた特性が得られている。
【００３３】
【表１】

【００３４】
実施例２
実施例１と同様に最終冷間圧延を終了した後、部分的にエッチング処理を施すことにより、最終仕上焼鈍後の鋼板の表面粗さを０．２７μｍＲａ及び０．４５μｍＲａに変更した。なお、最終仕上焼鈍後の鋼板の磁束密度はＢ_８でいずれも１．８９（Ｔ）であった。その後、未反応の焼鈍分離剤を除去してりん酸酸洗処理した後に、成分組成が乾固固形分比率で、コロイド状シリカ：５０ｍａｓｓ％、各種第１りん酸塩化合物：４０ｍａｓｓ％、無機化合物：９．５ｍａｓｓ％および微粉末シリカ粒子：０．５ｍａｓｓ％である、コーティング液を鋼板の両面で１０ｇ／ｍ^２施した。その後、２００〜７００℃までの昇温速度を８℃／ｓまたは２００℃／ｓの昇温速度で８５０℃および３０秒の乾Ｎ_２雰囲気の焼付け処理を施した。このようにして得られた鋼板の諸特性を調査した結果を、表２に示す。
【００３５】
【表２】

【００３６】
特許文献３、４、５および６に記載のいずれのクロムを含まないコーティング液に対しても、鋼板の表面粗さを低下させ、より好ましくは焼付け時の昇温速度を適切な範囲内に収めることにより優れた磁気特性並びに被膜特性が得られている。
【００３７】
【実施例３】
実施例１と同様に得られた、板厚０．２３ｍｍの最終冷延後を、サンドペーパーで研磨した後脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤として１００質量部のマグネシアおよび３質量部の塩化ニッケルを添加した焼鈍分離剤を塗布して、実施例１と同様の条件で最終仕上焼鈍を行い、その後未反応の焼鈍分離剤を除去することにより、表面粗さが０．３０μｍＲａおよび０．４６μｍＲａの２種類の下地被膜を有しない鋼板を準備した。なお、最終仕上焼鈍後の鋼板の磁束密度はいずれもＢ_８で１．９４（Ｔ）であった。これにコロイド状シリカ：５０ｍａｓｓ％、りん酸マグネシウム：４０ｍａｓｓ％、硫酸鉄：６ｍａｓｓ％およびホウ酸４ｍａｓｓ％となるコーティング液を、鋼板両面で１０ｇ／ｍ^２施した。その後、２００〜７００℃までの昇温速度を２０℃／ｓとして８５０℃で３０秒の保持を乾Ｎ_２雰囲気で行う焼付け処理を施した。
【００３８】
このようにして得られた鋼板の諸特性を調査した結果を、表３に示すように、下地被膜を持たない鋼板においても表面粗さを低下させ、焼付け時の昇温速度を適切な範囲内に収めることにより、優れた磁気特性並びに被膜特性が得られていることがわかる。
【００３９】
【表３】

【００４０】
【発明の効果】
この発明によれば、クロムを含まない被膜を適用した場合にあっても、磁気特性および被膜特性ともに優れた電磁鋼板を安定して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】最終仕上焼鈍板の表面粗さと被膜形成後の鉄損、そして耐吸湿性との関係を示した図である。
【図２】表面粗さの異なる最終仕上焼鈍板にクロムを含まない被膜を形成したときの鋼板表面のＳＥＭ像を示す写真である。[0001]
[Industrial applications]
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a method for preventing inevitable coating defects when forming a coating containing no chromium on the surface of a grain-oriented electrical steel sheet and improving the surface coating properties.
[0002]
[Prior art]
Generally, in order to provide insulation, workability, rust prevention, etc., a coating is applied to the surface of a grain-oriented electrical steel sheet. Such a surface coating comprises a base coating mainly composed of forsterite formed at the time of final finish annealing, and a phosphate-based top coating formed thereon.
[0003]
In addition, since these films are formed at a high temperature and have a low coefficient of thermal expansion, the difference in the coefficient of thermal expansion between the steel sheet and the coating when the temperature drops to room temperature imparts tension to the steel sheet to reduce iron loss. Since it has an effect of reducing, it is desired that the steel sheet be given as high a tension as possible.
[0004]
In order to satisfy such properties, various coating films have been proposed. For example, Patent Document 1 discloses a coating mainly composed of magnesium phosphate, colloidal silica and chromic anhydride, and Patent Document 2 discloses a coating mainly composed of aluminum phosphate, colloidal silica and chromic anhydride. , Has been proposed respectively.
[0005]
On the other hand, with the growing interest in environmental protection in recent years, there has been an increasing demand for products that do not contain harmful substances such as chromium and lead, and the development of a method for forming a coating that does not contain chromium on grain-oriented electrical steel sheets is also expected. Had been rare. However, if chromium is not used, quality problems such as remarkable deterioration of moisture absorption resistance and loss of iron loss improvement effect due to decrease in tension occur, so that chromium could not be added without addition. Here, the deterioration of the moisture absorption resistance of the coating means that the coating absorbs moisture due to the moisture in the atmosphere and is partially liquefied, resulting in a thinner film or the formation of a portion without a coating. Is deteriorated.
[0006]
As a method for solving this problem, a method for applying a coating liquid composed of colloidal silica, aluminum phosphate, boric acid and sulfate described in Patent Document 3 has been developed. According to this method, an improvement in iron loss and an improvement in moisture absorption resistance due to a tension effect close to that of a conventional chromium-containing coating were obtained. However, improvements in iron loss and moisture absorption resistance by this method vary in the obtained effects, and in some cases, the iron loss and moisture absorption resistance may deteriorate to a problematic level.
[0007]
In addition, as a coating containing no chromium, for example, Patent Document 4 discloses a method of adding a boride-containing substance instead of a chromium compound, and Patent Document 5 discloses a method of adding an oxide colloid. No. 6 discloses a method of adding a metal organic acid salt. However, no matter which technique is used, the variation in the effect of improving the moisture absorption resistance and the iron loss is still large, and has not been completely solved.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-B-56-52117 [Patent Document 2]
JP-B-53-28375 [Patent Document 3]
JP-B-57-9631 [Patent Document 4]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-169973 [Patent Document 5]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-169972 [Patent Document 6]
JP 2000-178760 A
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and even when a chromium-free coating is applied to a grain-oriented electrical steel sheet, the moisture absorption resistance is as high as that of a steel sheet coated with a chromium-containing coating. It is an object of the present invention to propose a method of forming a chromium-less coating to obtain a steel sheet having low iron loss and heat resistance.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The inventors have intensively investigated a method for obtaining the same effect as a chromium-containing coating even with a chromium-free coating, and it is extremely effective to regulate the surface roughness of the steel sheet after final finish annealing. This led to the completion of the present invention.
[0011]
That is, the gist configuration of the present invention is as follows.
(1) The surface of the grain-oriented electrical steel sheet subjected to the final finish annealing is made to have an arithmetic average roughness of 0.4 μm or less, and then a chromium-free phosphate-based tension-imparting coating is formed on the steel sheet surface. A method for forming a chromeless coating for grain-oriented electrical steel sheets.
[0012]
(2) After making the surface of the grain-oriented electrical steel sheet after the final finish annealing have an arithmetic average roughness of 0.4 μm or less, a phosphate-based coating solution containing no chromium is applied to the steel sheet surface, and then 200 to 700 A method for forming a chromeless coating for grain-oriented electrical steel sheets, comprising performing baking at a rate of temperature increase to 10 ° C / s from 10 to 60 ° C / s.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The inventors have found that, in the chromium-free coating described in Patent Document 3, the variation in the effect of improving moisture absorption resistance and iron loss is caused by the fact that desired characteristics cannot be achieved due to some disturbance factors. Thinking and conducting extensive experiments to determine the cause. As a result, it has been found that the surface roughness of the steel sheet after the final finish annealing is the main factor causing this variation. Hereinafter, an experiment which led to this finding will be described.
[0014]
A silicon steel slab containing 0.045 mass% of C, 3.25 mass% of Si, 0.07 mass% of Mn and 0.02 mass% of Mn, and substantially consisting of Fe, is heated at 1380 ° C. for 30 minutes and then heated. After hot rolling at 950 ° C. for 1 minute, hot rolling is performed at 950 ° C. for 1 minute, followed by cold rolling with intermediate annealing at 1000 ° C. for 1 minute to finish to a final thickness of 0.23 mm. The surface of the steel sheet was polished with sandpaper to adjust the surface roughness. Then, after performing decarburizing annealing at 850 ° C. for 2 minutes and an atmosphere oxidizing property (ratio of a partial pressure of water vapor to a partial pressure of hydrogen in the atmosphere) of 0.55, 100 parts by mass of magnesium oxide and 2 parts by mass of titanium oxide are applied to the surface of the steel sheet. Separator and 1 part by mass of strontium sulfate were coated on the surface of the steel sheet at 12 g / m ² on both sides, dried and subjected to secondary recrystallization annealing, followed by purification annealing at 1200 ° C. for 10 hours in dry H _2. After performing the final finish annealing also serving as, the unreacted annealing separating agent was removed.
[0015]
The steel sheet thus obtained was sheared to a size of 300 mm × 100 mm, and a magnetic measurement was performed using an SST tester (single-plate magnetic tester). Further, the surface roughness of the steel sheet after the final finish annealing was also measured. Then, after phosphoric acid pickling was performed, 50 parts by mass of aluminum phosphate described in Patent Document 3, 40 parts by mass of colloidal silica, 5 parts by mass of boric acid, and 10 parts by mass of magnesium sulfate were used as a coating solution. Parts of the coating agent in a dry weight of 10 g / m ^{2 were} applied to both sides of the steel sheet, and then the temperature was increased from 200 ° C. to 700 ° C. in a dry N ₂ atmosphere at a rate of 20 ° C./S. Baking was performed at 800 ° C. for 2 minutes.
[0016]
For comparison, a coating solution comprising 50 parts by mass of aluminum phosphate, 40 parts by mass of colloidal silica and 10 parts by mass of chromic anhydride was similarly applied and baked in the same manner.
[0017]
The steel sheet thus obtained was again subjected to magnetic measurement with an SST tester. Further, a dissolution test of P was also performed. That is, in the P elution test, three test pieces of 50 mm × 50 mm were immersed and boiled in distilled water at 100 ° C. for 5 minutes to elute P from the coating surface, and the P was quantitatively analyzed. The moisture absorption resistance can be evaluated by judging the ease of dissolution of the coating film by moisture based on the amount of P eluted.
[0018]
The above measurement and evaluation results are arranged as a relationship between the magnetic properties and the P elution amount and the average value of the surface roughness of the steel sheet after the final finish annealing, and are shown in FIGS. 1 (a) and 1 (b), respectively.
As shown in FIG. 1 (b), in the steel sheet on which the chromium-containing film is formed, good moisture absorption resistance is obtained without being largely affected by the surface roughness. Further, as shown in FIG. 1 (a), with respect to the magnetic properties, when the chromium-containing coating is used, the iron loss is slightly deteriorated as the surface roughness is increased, but the iron loss is not largely deteriorated. . On the other hand, in a steel sheet with a coating containing no chromium, sufficient moisture absorption resistance and magnetic properties are not obtained in a region with a high surface roughness, but in a region with a low surface roughness, especially in an arithmetic average roughness. When it exceeds 0.4, both the magnetic properties and the moisture absorption resistance are improved, and good properties equivalent to those of the steel sheet on which the chromium-containing film is formed are obtained.
[0019]
Thus, in order to clarify the mechanism by which the change in the moisture absorption resistance and the magnetic properties occurs due to the surface roughness of the steel sheet after the final annealing, the surface of the steel sheet on which the film was formed in the above experiment was scanned. (SEM). FIG. 2 shows an image by this SEM. Since the surface roughness of the steel sheet itself is hidden by the coating, there is not much difference between the two samples, but the sample with good moisture absorption has a flat and uniform surface, whereas the sample with good moisture absorption has In the inferior sample, it can be seen that a large number of blisters and cracks have occurred on the surface.
[0020]
In view of the above, the inventors considered the mechanism by which the surface roughness affects the moisture absorption resistance and the magnetic properties of a chromium-free film as follows.
First, in the case of ordinary chromium-containing coatings, chromium traps free phosphate remaining after the reaction between phosphate and colloidal silica, thereby improving the hygroscopicity. Therefore, the effect of tension on the steel sheet is increased, and the magnetic properties are improved.
[0021]
On the other hand, the chromium-free coating described in Patent Document 3 used this time has a function of trapping free phosphoric acid in metal sulfate and boric acid instead of chromium. When it is high, such an effect is considered to be insufficient.
In other words, in the case of a film containing no chromium, if the surface roughness is high, when the coating solution evaporates at a high temperature or when the phosphate is dehydrated, vigorous bubbles are generated, and some of the film becomes swollen or cracked As a result, cracks may be caused. In addition, when such swelling is analyzed, in many cases, phosphorus is strongly concentrated and the amount of Si is reduced, and it is considered that free phosphoric acid is strongly concentrated. Free phosphoric acid elutes from the cracks. In addition, it is considered that such cracks weaken the strength of the coating film itself, reduce the tension effect, and do not bring about an improvement in iron loss.
[0022]
On the other hand, if the surface roughness is low, the occurrence of blisters and cracks themselves is suppressed, and as a result, free phosphoric acid due to this and the starting point of elution thereof are eliminated, resulting in improved moisture absorption resistance. In addition, by reducing the number of cracks, the original tension effect is exhibited, and the iron loss is effectively reduced.
[0023]
In the case of a coating containing chromium, even if cracks occur during drying when the roughness is high, cracks will eventually be reduced by the chromium repair function, so there is no deterioration in hygroscopicity, and If the degree is large, the hysteresis loss is deteriorated, but the strength of the coating is maintained, so that the reduction amount of the eddy current loss is not impaired, and it is considered that the iron loss improving effect is maintained.
[0024]
Next, the reasons for limiting the requirements of the present invention will be described.
The silicon-containing steel as the material of the present invention is not particularly limited as long as it is a material for oriented silicon steel. For example, steel having the following composition can be used.
C: 0.02 to 0.1 mass%,
Si: 2.0 to 4.5 mass% and Mn: 0.02 to 0.3 mass%, and when AlN is used as an inhibitor, Al: 0.01 to 0.04 mass% for Al and N
N is 0.006 to 0.01 mass% when not being nitrided in the middle, and is not particularly limited when being nitrided in the middle.
When MnSe or MnS is used as an inhibitor,
Se, S: 0.01 to 0.03 mass% in total.
In addition, for the purpose of improving magnetic properties,
B: 0.002 to 0.007 mass%,
Cu: 0.05 to 0.2 mass%,
Bi: 0.005 to 0.03 mass%,
Te: 0.05 to 0.2 mass%,
Sb: 0.01 to 0.05 mass%,
Sn: 0.05-0.3 mass% and Ni: 0.05-0.2 mass%
May be contained.
[0025]
Next, the silicon-containing steel slab is hot-rolled by a known method, and finished to a final thickness by one or a plurality of times of cold rolling sandwiching intermediate annealing, and then subjected to primary recrystallization annealing, and then subjected to an annealing separator. Is applied and final finish annealing is performed. At this time, it is important to smooth the surface of the steel sheet after the final finish annealing to have a roughness of 0.4 μmRa or less, as shown in FIG. That is, if the surface roughness of the steel sheet on which the chromeless coating is applied exceeds 0.4 μmRa, the desired moisture absorption resistance and magnetic properties cannot be obtained when a coating solution containing no chromium is applied and baked.
[0026]
Here, the surface of the steel sheet having a thickness of 0.4 μmRa or less is the roughness of the forsterite film surface when the forsterite film is formed after the final finish annealing, and has no forsterite film after the final finish annealing. In the case of material, it means the roughness of the surface of the ground iron. The mirror-finished material uses alumina as an annealing separating agent, or uses powder obtained by adding chloride to magnesia to improve punching properties and magnetic properties by hardly forming a coating on the surface. It is intended.
[0027]
Further, the method for reducing the surface roughness of the steel sheet to 0.4 μmRa or less is not particularly limited. For example, the roll roughness in cold rolling before primary recrystallization annealing is reduced, A method of polishing the surface of a steel sheet before recrystallization annealing or adding an agent having an effect of smoothing the surface, such as calcium hydroxide or strontium hydroxide, to an annealing separator applied after primary recrystallization annealing. Can be used. In particular, the method of reducing the roll roughness in the cold rolling before the primary recrystallization annealing or polishing the steel sheet surface before the primary recrystallization annealing is the same as the method having a forsterite coating after the final finish annealing. It can be applied to any case without a forsterite film. Further, a method of adding an agent having an effect of smoothing the surface, such as calcium hydroxide or strontium hydroxide, to the annealing separator is effective when a forsterite film is provided. On the other hand, when the forsterite film is not provided, when chloride is added to magnesia, which is the main component of the annealing separator, the surface roughness can be reduced by selecting the amount of addition and the type of chloride. it can.
[0028]
A coating solution containing no chromium is applied to a grain-oriented electrical steel sheet that has been subjected to final finish annealing and that has such a surface roughness. As components of the coating liquid, conventionally known ones, for example, a coating liquid composed of colloidal silica, aluminum phosphate, boric acid and sulfate described in Patent Document 3, and a boric acid compound described in Patent Document 4 can be used. Any of the coating liquids can be used, such as the one added, the one added with an oxide colloid described in Patent Document 5, and the one added with a metal organic acid salt described in Patent Document 6. In addition, it is also possible to further improve the sticking resistance by adding inorganic mineral particles such as silica and alumina. The basis weight of the coating is 4 to 15 g / m ^{2 on} both sides of the steel sheet. That is, when the amount is less than 4 g / m ² , the interlayer resistance decreases, while when the amount is more than 15 g / m ² , the space factor decreases.
[0029]
After applying and drying this coating liquid, flattening annealing is performed also as baking. If the steel sheet has a low surface roughness, when a coating solution containing no chromium is applied, a good coating can be obtained without generating cracks or blisters during the flattening annealing.
[0030]
The conditions for the flattening annealing are not particularly limited, but the temperature rising rate in a temperature range of 200 ° C. to 700 ° C. is desirably 10 to 60 ° C./s. If the rate of temperature rise is too slow, when gas such as water vapor is generated, it tends to remain as blisters. On the other hand, if the temperature rise rate exceeds 60 ° C./s, cracks tend to remain. The annealing temperature after the temperature rise is desirably set to a soaking time of about 2 to 120 seconds in a temperature range of 700 ° C to 950 ° C. If the temperature is too low and the time is too short, the yield is lowered due to insufficient planarization and shape defects, while if the temperature is too high and the time is too long, the effect of the flattening annealing is too strong. Since the magnetic properties are deteriorated due to the creep deformation, it is preferable to be within this range.
[0031]
【Example】
Example 1
mass%, C: 0.06%, Si: 3.3%, Mn: 0.06%, Al: 0.023%, N: 0.007%, Se: 0.020%, Sb: 0. A steel slab containing 026% and Cu: 0.08% is hot-rolled and cold-rolled, and then subjected to decarburizing annealing. Powder with the addition of 100 parts by mass of magnesia, 6 parts by mass of titanium oxide and 0.05 parts by mass of magnesium chloride with the aim of increasing the irregularities, and 100 masses with the aim of reducing the irregularities of the steel sheet surface Parts of magnesia, 6 parts by mass of titanium oxide, and powder to which 0.05 parts by mass of barium hydroxide were added, respectively, and the temperature was raised from 900 to 1050 ° C. at a rate of 20 ° C./h. final finish and 75% _{H 2} and 75% _{N 2} Performs a blunt, continue to 1150 ℃, the purification annealing of 10h were carried out. Thereafter, by removing the unreacted annealing separating agent, two types of steel plates having surface roughnesses of 0.32 μm Ra and 0.42 μm Ra were prepared. After this is pickled with phosphoric acid, the composition of the components is 50% by mass of colloidal silica, 40% by mass of magnesium phosphate, 9.5% by mass of manganese sulfate, and 0.5% by mass of finely divided silica particles in terms of the dry solid content. Was applied at 10 g / m ^{2 on} both sides of the steel sheet. Incidentally, the magnetic flux density of the final finish steel sheet after annealing was both at _{B 8} 1.92 (T). Thereafter, baking treatment was performed at 850 ° C. for 30 seconds at a rate of temperature increase from 200 to 700 ° C. at a rate of 5 to 100 ° C./s in a dry N ₂ atmosphere.
[0032]
Table 1 shows the results of investigation on various properties of the steel sheet obtained in this manner. According to the method described in Patent Document 3, only Mn sulfate was used without using boric acid, but good moisture absorption resistance and iron loss were obtained at a temperature rising rate of 10 to 60 ° C / s. In particular, when a steel sheet having a surface roughness of 0.32 μm Ra is used, excellent characteristics are obtained by baking in this heating rate range.
[0033]
[Table 1]

[0034]
Example 2
After finishing the final cold rolling in the same manner as in Example 1, the surface roughness of the steel sheet after the final finish annealing was changed to 0.27 μm Ra and 0.45 μm Ra by partially performing an etching treatment. Incidentally, the magnetic flux density of the final finish steel sheet after annealing were all also 1.89 (T) at _{B 8.} Then, after removing the unreacted annealing separating agent and performing a phosphoric acid pickling treatment, the composition of the components is 50 mass% of colloidal silica, 50 mass% of various first phosphate compounds, 40 mass% of inorganic compounds, in terms of solid content on a dry basis. : 9.5 mass% and fine powder silica particles: 0.5 mass%, a coating liquid was applied at 10 g / m ^{2 on} both sides of the steel plate. Thereafter, a baking treatment in a dry N ₂ atmosphere was performed at 850 ° C. for 30 seconds at a temperature rising rate of 200 to 700 ° C. at a rate of 8 ° C./s or 200 ° C./s. Table 2 shows the results of investigating various properties of the steel sheet obtained in this manner.
[0035]
[Table 2]

[0036]
For any of the chromium-free coating liquids described in Patent Documents 3, 4, 5, and 6, the surface roughness of the steel sheet is reduced, and more preferably, the heating rate during baking is kept within an appropriate range. As a result, excellent magnetic properties and coating properties are obtained.
[0037]
Embodiment 3
The final cold-rolled sheet having a thickness of 0.23 mm obtained in the same manner as in Example 1 was polished with sandpaper, decarburized and annealed, and 100 parts by weight of magnesia and 3 parts by weight of nickel chloride were used as an annealing separator. The added annealing separator was applied, the final finishing annealing was performed under the same conditions as in Example 1, and then the unreacted annealing separator was removed, so that the surface roughness was 0.30 μm Ra and 0.46 μm Ra. The two types of steel sheets having no undercoating were prepared. Incidentally, the magnetic flux density of the final finish steel sheet after annealing was both at _{B 8} 1.94 (T). A coating liquid containing 50 mass% of colloidal silica, 40 mass% of magnesium phosphate, 6 mass% of iron sulfate, and 4 mass% of boric acid was applied to both surfaces of the steel sheet at 10 g / m ² . Thereafter, a baking treatment was performed in which the temperature was raised from 200 to 700 ° C at a rate of 20 ° C / s at 850 ° C for 30 seconds in a dry N ₂ atmosphere.
[0038]
As shown in Table 3, the results of investigating various properties of the steel sheet obtained in this manner show that, even in a steel sheet without an undercoat, the surface roughness is reduced and the heating rate during baking is set within an appropriate range. It can be seen that excellent magnetic properties and coating properties were obtained by setting the values in.
[0039]
[Table 3]

[0040]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to stably provide an electromagnetic steel sheet having excellent magnetic properties and coating properties even when a coating containing no chromium is applied.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing the relationship between the surface roughness of a final finish-annealed sheet, iron loss after film formation, and moisture absorption resistance.
FIG. 2 is a photograph showing an SEM image of a steel sheet surface when a film containing no chromium is formed on final finish-annealed sheets having different surface roughnesses.

Claims

The grain-oriented electromagnetic steel sheet is characterized in that the surface of the grain-oriented electrical steel sheet after the final finish annealing has an arithmetic average roughness of 0.4 μm or less, and then a phosphate-based tension-imparting coating containing no chromium is formed on the steel sheet surface. Method of forming chromeless coating for steel sheet.

After the surface of the grain-oriented electrical steel sheet having been subjected to the final finish annealing is made to have an arithmetic average roughness of 0.4 μm or less, a chromium-free phosphate-based coating solution is applied to the steel sheet surface. A method for forming a chromeless coating for grain-oriented electrical steel sheets, comprising performing baking at a rate of temperature increase of 10 to 60 ° C / s.