【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期間地中に埋設された(老朽化した)既設配管内にポリエチレン等の熱可塑性樹脂管を引き込んで挿通させるために使用される牽引治具及びそれを用いたインサーション工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガスや水の配管の分野では、本管とそこから分岐される供給管及び両者を接続する継手を含む配管部材は、耐食性が大で、しかも伸び特性が良好で耐震性に優れている熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン)で形成されることが多い。
PE管を使用したガス配管の分野では、長期にわたって地下に埋設され老朽化した既設管を更新する場合は、工期短縮や工事費の低減を図るために、インサーション工法が提案されている(例えば特許文献1参照)。現在実用化が検討されているインサーション工法は、既設管の両端を掘削し、ガスを遮断後更正する既設管を切断し、既設管より1サイズ小さく(例えば口径150Aの既設管に対しては100A)かつ断面U字形に折り畳んだライナー管(PE管)をウインチで引き込み、次いでPE管を蒸気などで加熱することによりPE管を元の円形管に膨張復元し、その後PE管を非更新の既設管とバット融着で接続する工程を含む。
このインサーション工法においては、牽引治具にワイヤを掛けて大きな牽引力(口径50AのPE管で700〜800Kg程度)でライナー管を引き込むので、牽引治具の構造やその固定方法について種々の工夫が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献2には、断面U字形に形成された長尺パイプライナーの先端部の凹部内に、凹部側の側面がパイプライナーの先端に向かうにつれて次第に縮径するように傾斜面に形成された拡径防止板を挿入し、その外周にバンドを被せてパイプライナーの先端部の加熱時の熱膨張を拘束した後、パイプライナーの先端にアイボルト付椀状本体部の基端部に基板が設けられた牽引治具を融着することにより、パイプライナーを既設管路内に敷設した後、牽引治具を固定したまま形状回復・膨張を行うことが提案されている。また、特許文献3には、長尺パイプライナーの先端部を把持する固定リングに対してカッター保持具と、熱板保持具と牽引治具保持具とを順次進退自在に連結した固定装置が記載されている。この固定装置によれば、断面U字形に形成された長尺パイプライナーの端面をカッターにて平滑面に切削し、その端面を熱板にて溶融し、そこにアイボルト付椀状本体部の基端部を固定することにより、牽引治具が固定される。この他、更新管としてコルゲート管を使用したインサーション工法も検討され、特許文献4には、管長手方向に連続する凹凸形状を有する中空のコルゲート管における内周面側の凹部に嵌合自在で周方向に分割した複数の係止部材を設け、凹部の全周に亘って嵌合し、かつ、コルゲート管内を気密に保持するシール部材を設け、シール部材を、凹部に嵌合させた複数の係止部材と被牽引部材とで挟持して、それら全てを連結部材で連結固定することによりコルゲート管と一体化させ、牽引用ワイヤの牽引操作によりコルゲート管を移動可能に構成した牽引治具が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−118465号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−230473号公報(第3−4頁、図3)
【特許文献3】
特開平11−311370号公報(第3−4頁、図3〜11)
【特許文献4】
特開2002−188755号公報(第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら既設管は、途中で折り曲がっており、例えば8曲がり単純配管では、8箇所で直角に折れ曲がっているため、椀状に形成されかつ段差のある特許文献2に記載された牽引治具は、基端部が既設配管内面に引っ掛かり、このような単純配管(8曲がり管)の内部を円滑に通過できず、更新管の先端部に設けた案内部材が、曲り部内おいて案内部材の移動抵抗よりも大きな当接抵抗を生じるとそれ以上更新管を挿通移動させることができなくなり、引張り抵抗の荷重が極度に増加し、牽引治具の基端面の融着部が剥がれるといった問題がある。曲り部の数が多い場合にはさらに移動抵抗が増大し、牽引用ワイヤ又はライナー管が破断し、さらに大きな牽引力が印加されると破損に至るという問題がある。牽引治具は椀状に形成されているので、金属製カバーを被せてもこのような不具合を解消することはできない。また特許文献3に記載された固定装置によれば、パイプライナーと牽引治具との固定力は増加するが、固定具部で既設配管内面との摩擦抵抗が大幅に増加するため、既設管に曲り部があると途中で挿通できなくなるという不具合が発生する。さらに特許文献4に記載された牽引治具は、連結部材の部品点数が多いので、コルゲート管と牽引治具との接続に長時間を要し、また8曲り既設配管に適用すると途中で挿通できなくなるという不具合が発生する。この他引張り抵抗が過大になり、コルゲート管の凹部の係止部材がコルゲート管の凹部を塑性変形させ、牽引治具とコルゲート管との接合部が破壊するという不具合がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、曲がり部を有する既設配管内を円滑に通過することができる牽引治具を提供することである。
本発明の他の目的は、上記問題点を解消し、簡単な構造を有する牽引治具を使用して曲がり部を有する既設配管を新たな熱可塑性樹脂管に速やかに更新することができるインサーション工法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の牽引治具は、牽引手段が係止されるフック部を有しかつ自由端側が固定部材で束ねられた牽引ワイヤと、前記牽引ワイヤの自由端側を保持する熱可塑性樹脂からなる平板状挟着部材とを備え、前記挟着部材は既設管路の中にインサートされる断面U字形に折り畳まれた熱可塑性樹脂管の先端に熱融着されるものである。この牽引治具によれば、牽引ワイヤの自由端側には平板状挟着部材が固着され、全体が扁平形状に形成されているので、曲がり部を有する既設配管を円滑に通過することができる。
【0008】
本発明の牽引治具は、自由端側が簡単に束ねられるようにするために、前記固定部材は、アルミニウム合金製スリーブからなることが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のインサーション工法は、既設管路の両端を掘削し、断面U字形に折り畳まれた熱可塑性樹脂管の先端に上記牽引治具を熱融着し、前記牽引治具のフック部に牽引ワイヤを係止し、この牽引ワイヤを巻き上げることにより、熱可塑性樹脂管を既設管内に挿通させ、次いで前記熱可塑性樹脂管を加熱・復元することを特徴とする。このインサーション工法によれば、牽引治具を更新管に容易に接続することができ、しかも牽引治具は既設管を速やかに通過できるので、短い工期で既設管を更新することができる。
【0010】
本発明のインサーション工法においては、既設管に挿通された後の更新管を復元する際の環境汚染を防止するために、熱可塑性樹脂管の内部に加熱空気を吹き込むことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は本発明の牽引治具の正面図、図1(b)は図1(a)をA方向から見た矢視図、図2(a)は図1の牽引治具を構成する部品を示す平面図、図2(b)は図2(a)をB方向から見た矢視図、図3(a)は図2の部品を組み立てる途中の状態を示す平面図、図3(b)は図3(a)をC方向から見た矢視図、図4(a)は図2の部品を組み立てた状態を示す平面図、図4(b)は図4(a)をD方向から見た矢視図、図5(a)は牽引治具に熱可塑性樹脂管を接続する状態を示す正面図、図5(b)は図5(a)をE方向から見た矢視図である。
【0012】
図1に示す牽引治具5は、牽引手段(不図示)が係止されるフック部を有する牽引ワイヤ5aと、その自由端側を束ねる断面O字形に形成された複数の圧着スリーブ5bと、その外周を挟み付ける断面U字形に形成された板状挟着部材5cで構成され、板状挟着部材5cの端面には断面U字形に折り畳まれた熱可塑性樹脂からなる更新管10が固着されている。この牽引治具5は、例えば図2〜図5に示す手順で組立てられる。まず図2に示すようにワイヤロープ5aの自由端にアルミニュウム合金などの軟質金属で形成されたスリーブ5bを複数個装着し、各スリーブをかしめることにより、ワイヤロープ5aの自由端をロック加工する。次いで図3に示すように断面U字型に折り曲げられた熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン)からなる板状挟着部材5cでロック加工部を挟み付けた後、図3に示すように{図3(b)に矢印で示す方向に}板状挟着部材5cの接合端面を熱融着することにより、あるいは、ワイヤロープ5aと板状挟着部材5cとをインサート成形により一体化することにより、図4に示すように牽引治具5が組み立てられる。そして図5に示すように牽引治具5の板状挟着部材5cの端面を断面U字形に折り畳まれた熱可塑性樹脂からなる更新管10の先端と突合せて、例えばバット融着の手法により両者を熱融着することにより、更新管10の先端に全体が扁平形状に形成された牽引治具5が固着される。
【0013】
上記牽引治具を使用するインサーション工法を図6〜図9により説明する。図6は本発明の実施の形態に係わるインサーション工法における更新管が既設管に挿通される前の状態を示す概略断面図、図7は加熱装置の正面図、図8は本発明の実施の形態に係わるインサーション工法における更新管が既設管に挿通された後の状態を示す概略断面図、図9は更新管が挿通された既設管の断面図である。まず図6に示すように、既設管路の更新を行う工事区間の両端側に、立て坑H1とH2を開削して既設管路の両端部を露出させる。しかる後、一方の立て坑H1側に、ドラム状に巻回された更新管10を保持する受け台1を設置し、その前方に更新管10を加熱する加熱装置20とデフォーマ2を配設し、デフォーマ2と既設管4との間に接続ガイド管3を配置する。他方の立て坑H2側には、更新管10を巻き取るために案内ローラ7a、7b及びウインチ8を配置する。
【0014】
加熱装置20は、図7に示すように、更新管10を取り囲む加熱炉20aと、ヒータ26が装着された送風ダクト21と、加熱炉20aの内部に熱風を供給するブロアー22と、その温度と風量を制御するコントローラ27と、加熱炉20aより排出した熱を回収する吸引ダクト23とを備えている。コントローラ27は、給気ダクト21の出口側に設けられた温度センサ25により検出された加熱炉20に入る前の熱風温度を基準値と比較してヒータ26の発熱量を制御し、加熱炉20a内を均一な温度に維持するように構成されている。この加熱装置20によれば、加熱炉20aから排出された熱風は、廃熱回収ダンパー24で外気と混合しながら吸引ダクト23に吸い込まれてブロアー22により再び加熱炉20aに供給されるので、加熱装置2のエネルギー損失を低減することができる。
【0015】
次に、立て抗H1に露出する牽引治具5の先端(フック部)に牽引用ワイヤ6を連結し、この牽引用ワイヤ6を既設管4の内部に配置してから、例えば立て抗H1から立て抗H2に向って圧縮空気を送り込むことにより、牽引用ワイヤ6を立て抗H2から引き出しておく。しかる後図8に示すように更新管10の先端に接続された牽引治具5に係止された牽引用ワイヤ6をガイドローラ7a、7bに懸架した状態でウインチ8に接続し、ウインチ8を巻き上げることにより、更新管10を接続ガイド管3及び既設管4の内部に挿通させることができる。この時、更新管10の先端に熱融着された板状挟着部材に先導されて牽引治具5が挿通されるので、挿通時の摩擦抵抗が低減され、更新管10の既設管4内への誘導を円滑に行うことができる。
【0016】
このインサーション工法においては、架台1から引き出された更新管10はデフォーマ2を通過することにより、図9に示すように断面U字形に変形した(折り畳まれた)状態で既設管4を通過するので、既設管内への挿通完了後は例えば次の手順で元の形状に復元される。まず、更新管の両端は溶着しているのでその部分を切断した後、更新管の引き入れ側(図6の立て抗H1側)においては、ガイド管3の端部に加熱空気(圧縮空気)を供給する手段を設け、更新管の引き出し側(図6の立て抗H2側)においては、加熱された更新管の冷却時に更新管の内部を加圧する手段を更新管の端部に設置する。次いで、更新管に加熱空気を供給しながら、更新管の両端部を暖めて既設管内を挿通した時に変形した管端を円形に復元した後、更新管にその材料の軟化点付近の温度に加熱された空気を供給し、更新管が充分に加熱された後には更新管の内面に圧力を加えて更新管が既設管の内面に当接するまで膨らませる。例えばガス配管用ポリエチレン管で使用される高密度ポリエチレンの軟化点は100℃〜120℃の範囲にある。更新管が元の形状に復元した後、更新管内に圧力を印加しながら冷却を行う。なお上記の加熱工程は更新管を挿通する時の余熱が在るうちに実施することが望ましい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の牽引治具によれば、牽引ロープの自由端側に固着された熱可塑性樹脂からなる板状部材が熱可塑性樹脂からなる更新管と熱融着されるため、全体が扁平形状に形成されているので、既設配管内との摩擦抵抗が小さくなり、複雑に折れ曲がった既設管内に熱可塑性樹脂管を円滑に挿通させることができると共に、大きな牽引力をかけても牽引治具が外れるのを防止することができる。また本発明のインサーション工法によれば、牽引治具を更新管に容易に接続することができ、しかも牽引治具は既設管を速やかに通過できるので、短い工期で既設管を更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる牽引治具の正面図(a)、図1(a)をA方向から見た矢視図(b)である。
【図2】図1の牽引治具を構成する部品を示す平面図(a)、図2(a)をB方向から見た矢視図(b)である。
【図3】図2の部品を組み立てる途中の状態を示す平面図(a)、図3(a)をC方向から見た矢視図(b)である。
【図4】図2の部品を組み立てた状態を示す平面図(a)、図4(a)をD方向から見た矢視図(b)である。
【図5】牽引治具に熱可塑性樹脂管を接続する状態を示す正面図(a)、図5(a)をE方向から見た矢視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わるインサーション工法の更新管を既設管に挿通する状態を示す概略断面図である。
【図7】加熱装置の概略正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係わるインサーション工法の更新管を既設管に挿通した後の状態を示す概略断面図である。
【図9】既設管内に熱可塑性樹脂管を挿通した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
H1:立て抗
H2:立て抗
1:架台
2:デフォーマ
3:接続ガイド管
4:既設管
5:牽引治具
5a:ワイヤロープ
5b:スリーブ
5c:板状挟着部材
6:牽引用ワイヤ
7a、7b:ガイドローラ
8:ウインチ
10:更新管
20:加熱装置
20a:加熱炉
21:送風ダクト
22:ブロアー
23:吸引ダクト
24:廃熱回収ダンパー
25:温度センサ
26:ヒータ
27:コントローラ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a traction jig used for drawing and inserting a thermoplastic resin pipe such as polyethylene into an existing pipe which has been buried (degraded) in the ground for a long time, and an insertion method using the same. .
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the field of gas and water piping, piping members including a main pipe, a supply pipe branched therefrom, and a joint connecting the two pipes have high corrosion resistance, good elongation characteristics, and excellent earthquake resistance. Often formed of a thermoplastic resin (eg, polyethylene).
In the field of gas pipes using PE pipes, when replacing existing pipes that are buried underground for a long period of time and are deteriorated, insertion methods have been proposed in order to shorten the construction period and reduce construction costs (for example, Patent Document 1). At present, the insertion method under consideration for commercialization is to excavate both ends of the existing pipe, cut off the existing pipe to be rehabilitated after shutting off gas, and cut the existing pipe one size smaller (for example, for an existing pipe with a diameter of 150A). 100A) The liner tube (PE tube) folded into a U-shaped cross section is drawn in with a winch, and then the PE tube is expanded and restored to the original circular tube by heating the PE tube with steam or the like. A step of connecting to an existing pipe by butt fusion is included.
In this insertion method, a wire is hung on a traction jig and a liner pipe is drawn in with a large traction force (about 700 to 800 kg for a PE pipe with a diameter of 50 A). Therefore, various measures have been taken for the structure of the traction jig and its fixing method. Proposed.
[0003]
For example, in Patent Document 2, an inclined surface is formed in a concave portion at the distal end portion of a long pipe liner formed in a U-shaped cross section so that the side surface on the concave side gradually decreases in diameter toward the distal end of the pipe liner. The diameter expansion prevention plate is inserted, and a band is put on the outer periphery to restrain the thermal expansion at the time of heating of the tip of the pipe liner, and then the substrate is placed at the base of the bowl-shaped main body with eyebolts at the tip of the pipe liner. It has been proposed that after the provided traction jig is fused, the pipe liner is laid in the existing pipeline, and then the shape recovery and expansion are performed with the traction jig fixed. Patent Document 3 describes a fixing device in which a cutter holder, a hot plate holder, and a traction jig holder are sequentially connected to a fixing ring that grips a distal end of a long pipe liner so as to be able to advance and retreat. Have been. According to this fixing device, the end surface of the long pipe liner formed into a U-shaped cross section is cut into a smooth surface by a cutter, and the end surface is melted by a hot plate. By fixing the end, the traction jig is fixed. In addition, an insertion method using a corrugated pipe as a renewal pipe has also been studied. Patent Document 4 discloses that the corrugated pipe can be freely fitted into a concave portion on the inner peripheral surface side of a hollow corrugated pipe having an irregular shape that is continuous in the pipe longitudinal direction. A plurality of locking members divided in the circumferential direction are provided, fitted over the entire circumference of the concave portion, and a seal member that keeps the inside of the corrugated pipe airtight is provided, and the plurality of seal members are fitted into the concave portion. A towing jig configured to hold the locking member and the towed member, connect and fix all of them with a connecting member to be integrated with the corrugated pipe, and to be able to move the corrugated pipe by towing operation of the towing wire. Proposed.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-8-118465 (page 4, FIG. 1)
[Patent Document 2]
JP-A-11-230473 (page 3-4, FIG. 3)
[Patent Document 3]
JP-A-11-31370 (pages 3-4, FIGS. 3-11)
[Patent Document 4]
JP-A-2002-188755 (page 3, FIG. 1)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the existing pipe is bent in the middle, for example, in the case of an 8-bend simple pipe, since it is bent at a right angle at 8 places, the towing jig described in Patent Document 2 which is formed in a bowl shape and has a step, The base end portion is caught on the inner surface of the existing pipe, and cannot pass through the inside of such a simple pipe (eight-bend pipe) smoothly, and the guide member provided at the distal end of the renewal pipe has a movement resistance of the guide member in the bend section. If a larger contact resistance is generated, the renewal pipe cannot be inserted and moved any more, and the load of the tensile resistance extremely increases, and there is a problem that the fused portion on the base end surface of the towing jig is peeled off. When the number of bent portions is large, there is a problem that the movement resistance is further increased, and the traction wire or the liner tube is broken. Since the towing jig is formed in a bowl shape, such a problem cannot be solved even by covering with a metal cover. Further, according to the fixing device described in Patent Document 3, although the fixing force between the pipe liner and the traction jig increases, the frictional resistance of the fixing portion with the inner surface of the existing pipe greatly increases. If there is a bent portion, a problem that the insertion cannot be performed halfway occurs. Further, the tow jig described in Patent Document 4 requires a long time to connect the corrugated pipe and the tow jig because the number of parts of the connecting member is large, and when it is applied to an existing pipe with eight bends, it can be inserted halfway. The problem of disappearing occurs. In addition, there is a problem that the tensile resistance becomes excessive, the locking member of the concave portion of the corrugated pipe causes the concave portion of the corrugated pipe to plastically deform, and the joint between the towing jig and the corrugated pipe is broken.
[0006]
Therefore, an object of the present invention is to solve the above-mentioned problems and to provide a traction jig that can smoothly pass through an existing pipe having a bent portion.
Another object of the present invention is to solve the above-mentioned problem, and to quickly replace an existing pipe having a bent portion with a new thermoplastic resin pipe by using a traction jig having a simple structure. It is to provide a construction method.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a traction jig of the present invention has a traction wire having a hook portion to which traction means is locked and a free end side of which is bundled by a fixing member, and a free end side of the traction wire. A holding member made of a thermoplastic resin to be held, wherein the holding member is heat-sealed to the tip of a thermoplastic resin tube folded into a U-shaped cross section to be inserted into an existing pipeline. It is. According to this pulling jig, the flat clamping member is fixed to the free end side of the pulling wire, and the whole is formed in a flat shape, so that it can pass through the existing pipe having the bent portion smoothly. .
[0008]
In the traction jig of the present invention, it is preferable that the fixing member is made of an aluminum alloy sleeve so that the free end side can be easily bundled.
[0009]
In order to achieve the above object, the insertion method of the present invention excavates both ends of an existing pipeline, heat-fuses the traction jig to the tip of a thermoplastic resin tube folded into a U-shaped cross section, The traction wire is engaged with the hook portion of the traction jig, and the traction wire is wound up, whereby the thermoplastic resin pipe is inserted into the existing pipe, and then the thermoplastic resin pipe is heated and restored. According to this insertion method, the towing jig can be easily connected to the renewal pipe, and the towing jig can quickly pass through the existing pipe, so that the existing pipe can be updated in a short construction period.
[0010]
In the insertion method of the present invention, it is preferable to blow heated air into the thermoplastic resin pipe in order to prevent environmental pollution when restoring the renewal pipe after being inserted into the existing pipe.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1A is a front view of the towing jig of the present invention, FIG. 1B is a view of FIG. 1A as viewed from the direction of arrow A, and FIG. 2A is a drawing of the towing jig of FIG. FIG. 2 (b) is a plan view showing the components in FIG. 2 (a) viewed from the direction B, and FIG. 3 (a) is a plan view showing a state in which the components in FIG. 2 are being assembled. 3 (b) is an arrow view of FIG. 3 (a) viewed from the direction C, FIG. 4 (a) is a plan view showing a state where the components of FIG. 2 are assembled, and FIG. 4 (b) is FIG. 4 (a). 5A is a front view showing a state in which a thermoplastic resin pipe is connected to a traction jig, and FIG. 5B is a view showing FIG. 5A from an E direction. It is an arrow view.
[0012]
The traction jig 5 shown in FIG. 1 includes a traction wire 5a having a hook portion to which traction means (not shown) is locked, a plurality of crimping sleeves 5b formed in an O-shaped cross section that bundle the free ends thereof, An updating pipe 10 made of a thermoplastic resin folded into a U-shaped cross section is fixed to an end surface of the plate-shaped holding member 5c formed to have a U-shaped cross section to sandwich the outer periphery thereof. ing. The traction jig 5 is assembled, for example, according to the procedure shown in FIGS. First, as shown in FIG. 2, a plurality of sleeves 5b made of a soft metal such as an aluminum alloy are mounted on the free end of the wire rope 5a, and each sleeve is swaged to lock the free end of the wire rope 5a. . Next, as shown in FIG. 3, after the locking portion is sandwiched by a plate-like sandwiching member 5c made of a thermoplastic resin (for example, polyethylene) bent into a U-shaped cross section, as shown in FIG. b) in the direction indicated by the arrow in FIG. 1 by heat-sealing the joint end surface of the plate-shaped holding member 5c, or by integrating the wire rope 5a and the plate-shaped holding member 5c by insert molding. As shown in FIG. 4, the traction jig 5 is assembled. Then, as shown in FIG. 5, the end face of the plate-shaped holding member 5c of the traction jig 5 is abutted with the tip of the renewal pipe 10 made of a thermoplastic resin folded in a U-shaped cross section, and the two are butt-fused together, for example. By heat-sealing, the pulling jig 5 having a flat shape as a whole is fixed to the tip of the update pipe 10.
[0013]
The insertion method using the above-mentioned traction jig will be described with reference to FIGS. 6 is a schematic cross-sectional view showing a state before an update pipe is inserted into an existing pipe in the insertion method according to the embodiment of the present invention, FIG. 7 is a front view of a heating device, and FIG. 8 is an embodiment of the present invention. FIG. 9 is a schematic cross-sectional view showing a state after the renewal pipe is inserted into the existing pipe in the insertion method according to the embodiment, and FIG. 9 is a cross-sectional view of the existing pipe having the renewal pipe inserted. First, as shown in FIG. 6, shafts H1 and H2 are excavated at both ends of a construction section in which an existing pipeline is to be updated to expose both ends of the existing pipeline. Thereafter, the pedestal 1 for holding the drum-shaped renewal pipe 10 is installed on one of the shafts H1, and a heating device 20 for heating the renewal pipe 10 and a deformer 2 are disposed in front of the pedestal 1. The connection guide tube 3 is arranged between the deformer 2 and the existing tube 4. On the other shaft H2 side, guide rollers 7a and 7b and a winch 8 are arranged to wind up the renewal pipe 10.
[0014]
As shown in FIG. 7, the heating device 20 includes a heating furnace 20 a surrounding the update pipe 10, a blowing duct 21 equipped with a heater 26, a blower 22 for supplying hot air to the inside of the heating furnace 20 a, The air conditioner includes a controller 27 for controlling the air volume and a suction duct 23 for recovering heat discharged from the heating furnace 20a. The controller 27 controls the calorific value of the heater 26 by comparing the hot air temperature before entering the heating furnace 20 detected by the temperature sensor 25 provided on the outlet side of the air supply duct 21 with a reference value, and controlling the heating value of the heater 26. It is configured to maintain the inside at a uniform temperature. According to the heating device 20, the hot air discharged from the heating furnace 20a is sucked into the suction duct 23 while being mixed with the outside air by the waste heat recovery damper 24, and is again supplied to the heating furnace 20a by the blower 22. Energy loss of the device 2 can be reduced.
[0015]
Next, the tow wire 6 is connected to the tip (hook portion) of the tow jig 5 exposed to the upright H1, and the tow wire 6 is arranged inside the existing pipe 4. By sending compressed air toward the upright H2, the tow wire 6 is pulled out of the upright H2. Thereafter, as shown in FIG. 8, the tow wire 6 locked by the tow jig 5 connected to the tip of the renewal pipe 10 is connected to the winch 8 while being suspended on the guide rollers 7a and 7b, and the winch 8 is connected. By winding up, the renewal pipe 10 can be inserted into the connection guide pipe 3 and the existing pipe 4. At this time, since the traction jig 5 is inserted by being led by the plate-shaped holding member that is heat-sealed to the tip of the update pipe 10, the frictional resistance at the time of insertion is reduced, and the existing pipe 4 of the update pipe 10 is removed. Can be smoothly guided.
[0016]
In this insertion method, the renewal pipe 10 drawn out of the gantry 1 passes through the existing pipe 4 in a state of being deformed (folded) into a U-shaped cross section as shown in FIG. Therefore, after the insertion into the existing pipe is completed, the original shape is restored by the following procedure, for example. First, since both ends of the renewal pipe are welded, the portion is cut off, and then, on the drawing-in side of the renewal pipe (the anti-H1 side in FIG. 6), heated air (compressed air) is applied to the end of the guide pipe 3. A supply means is provided, and a means for pressurizing the inside of the update pipe at the time of cooling the heated update pipe is provided at the end of the update pipe on the drawer side of the update pipe (the vertical anti-H2 side in FIG. 6). Then, while supplying heated air to the renewal pipe, both ends of the renewal pipe are heated to restore the pipe end deformed when inserted through the existing pipe to a circular shape, and then the renewal pipe is heated to a temperature near the softening point of the material. After the renewed pipe is sufficiently heated, pressure is applied to the inner surface of the renewed pipe to expand the renewed pipe until it comes into contact with the inner surface of the existing pipe. For example, the softening point of high-density polyethylene used in polyethylene pipes for gas piping is in the range of 100 ° C to 120 ° C. After the renewal pipe has been restored to its original shape, cooling is performed while applying pressure to the inside of the renewal pipe. It is desirable that the above-described heating step be performed while there is residual heat when the renewal pipe is inserted.
[0017]
【The invention's effect】
According to the tow jig of the present invention, the plate-shaped member made of thermoplastic resin fixed to the free end side of the tow rope is heat-fused with the renewal pipe made of thermoplastic resin, so that the whole is formed in a flat shape. As a result, the frictional resistance with the existing pipes is reduced, and the thermoplastic resin pipes can be smoothly inserted into the existing pipes that are bent complicatedly. Can be prevented. Further, according to the insertion method of the present invention, the towing jig can be easily connected to the renewal pipe, and the towing jig can quickly pass through the existing pipe, so that the existing pipe can be renewed in a short construction period. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a front view of a traction jig according to an embodiment of the present invention, and FIG. 1B is a view of FIG.
FIG. 2 is a plan view (a) showing components constituting the traction jig of FIG. 1, and an arrow view (b) of FIG. 2 (a) viewed from a B direction.
3A is a plan view showing a state in which the parts shown in FIG. 2 are being assembled, and FIG. 3B is a view of FIG.
4A is a plan view showing a state where the components of FIG. 2 are assembled, and FIG. 4B is an arrow view of FIG. 4A viewed from a direction D.
5A is a front view showing a state in which a thermoplastic resin tube is connected to a traction jig, and FIG. 5A is a view seen from an arrow E in FIG. 5A.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view showing a state in which an update pipe of the insertion method according to the embodiment of the present invention is inserted into an existing pipe.
FIG. 7 is a schematic front view of a heating device.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view showing a state after the update pipe of the insertion method according to the embodiment of the present invention has been inserted into the existing pipe.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a state where a thermoplastic resin pipe is inserted into an existing pipe.
[Explanation of symbols]
H1: Standing up H2: Standing up 1: Stand 2: Deformer 3: Connection guide tube 4: Existing tube 5: Pulling jig 5a: Wire rope 5b: Sleeve 5c: Plate-shaped clamping member 6: Pulling wires 7a, 7b : Guide roller 8: winch 10: update pipe 20: heating device 20 a: heating furnace 21: air duct 22: blower 23: suction duct 24: waste heat recovery damper 25: temperature sensor 26: heater 27: controller