JP2004330177A - 汚染土壌の簡易浄化工法 - Google Patents

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Abstract

【目的】重金層、有機塩素化合物或いは化学薬品等に汚染されてなる汚染土壌を、原位置で簡便且安価に浄化の図れる汚染土壌の浄化工法を提供する。
【構成】汚染土壌面より所要の口径及び深さ若しくは所要の幅と深さで、且その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と、汚染土壌面との交点相互の間隔以内で而もそれぞれが等間隔に掘削穴若しくは掘削溝を掘削形成させたうえ、汚染土壌の土質と同質の土砂が40乃至70%重量に、該土砂より粒径の大きな細砂若しくは中砂からなる透水材が15乃至30%重量、及び平均粒径が10乃至100μmで比表面積が80m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体が15乃至30%重量割合で混合分散された浄化充填材で掘削穴若しくは掘削溝内に充填埋戻しをなす、汚染土壌の浄化工法。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は重金属類や有機塩素化合物或いは化学薬品等に汚染された土壌を原位置で簡便且安価に浄化しえる汚染土壌の簡易浄化工法に関するものである。
【0002】
我が国の経済成長の背景には、産業規模の拡大と且化学工業の著しい発展とが大きく寄与してきており、これに伴い多量の煤煙の排出を初め化学物質を含む廃水や廃棄物が排出され続けられて来ており、更には農業における栽培促進のための化学肥料や農薬の多用、或いは自動車社会化による膨大量の排気ガスの排出等により土壌はもとより水、空気に至るまで極度に汚染化が進んでおり、既に多くの健康被害が惹起され環境汚染への対処は緊急の課題とされている。
【0003】
とりわけ土壌は一旦化学物質等で汚染された場合には長期に亘って蓄積されるため、特に化学物質を扱う生産工場の敷地や該生産工場に隣接する土地若しくは跡地では、長期に亘って化学物質が蓄積加重され強度に汚染がなされており、反面今日においては国際化や情報化或いは革新化に伴う産業構造が変化し、都市部からの生産工場の撤退とその跡地の有効利用の計画が推進されつつあるものの、これがためには該汚染された生産工場跡地や土地等の汚染された土地の浄化を図ることが不可欠の条件とされるに至っている。
【0004】
ところで汚染土壌の浄化方法は汚染状況によっても異なるが、汚染域が広い場合には原位置浄化処理が、更に汚染域が狭く高濃度の汚染の場合には掘削除去のうえ浄化処理することが好適とされており、且従来から提案されている浄化方法としてはボーリングにより地下水面より上の不飽和帯に吸引井戸を設置し、真空ポンプやブロワーで減圧にして汚染物の蒸気を吸引し且該化合物の蒸気を活性炭で吸着させ或いは紫外線で分解させる土壌ガス吸引法を初め、複数の円柱状にボーリング掘削のうえ、土壌中に特殊セメント等の不溶化・固化剤を注入する固化・不溶化方法、A重油等の汚染土壌を珪酸ナトリウム水溶液中に流動させて洗浄する土壌洗浄方法、鉱物類による六価クロムの還元安定化処理、及び還元剤として硫酸第一鉄(FeSO4)を用いて六価クロムを還元不溶化処理後にベントナイトを用いて土壌改良する還元処理方法、或いは土壌中に電極を挿入してイオン性の汚染物質を移動後分解する電気的分離方法等が公知されている。
【0005】
然るにこれら公知浄化方法は、その実施に際しては工事規模が大型となるばかりか、高度の専門技術が要請され且浄化費用も莫大となるため公共事業の如く特別な予算措置を講ぜぬ限り一般民間の汚染土壌には適用され難く、而も浄化の効果も十分に確認されるまでには至っていない。
【0006】
本発明はかかる問題に鑑み研究を重ねた結果、今日に至っては石炭焼却灰を初め鋳造廃砂或いは製紙焼却スラッジ等その残留成分が酸化珪素並びに酸化アルミニウムを主要成分とする産業廃棄物からは、アルカリ前処理と且高温高圧処理により膨大量の微細孔隙を有し吸着吸水容量が極めて大きく而も調湿機能を保持し、更にはその保持する触媒作用に加えて大きな塩基置換性を付与せしめることにより、重金属の吸着固定とともに有機塩素化合物や化学薬剤等に対して優れた吸着性と且分解消去性も発揮しえる人工ゼオライト粉体の量産化が可能となったこと、及び土壌の汚染は通常その土壌表面より地中に汚染物質が浸透拡散され蓄積されるもので、而も雨水による汚染物質の洗脱並びに浸透は同質の土壌においてはその浸透深さとともに拡散され、更にこの浸透拡散は透水性の高い土壌部分に積極的に透水され拡散されること、及び原位置における汚染土壌の浄化に際して掘削を施した場合には、該汚染土壌に近い土質で埋戻すことが浄化土壌の再利用のうえから好適であること等を究明し本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は汚染土壌を原位置において、所要間隔毎に掘削穴若しくは掘削溝を掘削のうえ、汚染土壌の土質に近く且浄化機能と透水性に優れた浄化充填材を充填埋戻しして、簡便且安価に汚染土壌を浄化しえる汚染土壌の浄化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、汚染された土壌を原位置において簡便で安価に浄化を図るうえから、重金属類や有機塩素化合物或いは化学薬品等で汚染されてなる汚染土壌面に、所要の口径と深さで且その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と汚染土壌面との交点相互の間隔以内で且それぞれが等間隔で適宜数の掘削穴を形成し、若しくは汚染土壌面より所要の幅と深さを以って且その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と汚染土壌面との交点相互の間隔以内で且それぞれが等間隔で適宜数の掘削溝を形成するとともに、この掘削穴若しくは掘削溝内に汚染土壌と同質の土砂が40乃至70%重量と該汚染土壌の土質に比べて粒径の大きな細砂若しくは中砂からなる透水材が15乃至30%重量と、及びその平均粒径が10乃至100μmで比表面積が少なくとも80m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体が15乃至30%重量割合で混合されてなる浄化充填材を、掘削穴若しくは掘削溝内に充填埋戻しさせてなる汚染土壌の簡易浄化工法に存するものである。
【0009】
加えて掘削穴若しくは掘削溝内に浄化充填材が充填埋戻しされたるうえ、汚染土壌全面に亘って水に対して15乃至30%重量割合で人工ゼオライト粉体が混合分散された浄化水を適宜重量割合で散水せしめることにより、汚染土壌面の高濃度の汚染物質並びに地中に浸透拡散された汚染物質を即時に吸着固定並びに吸着分解消去と且汚染物質の地中内への汚染拡散をも阻止させ、而も充填埋戻しに伴う埋戻し固締を図る浄化方法の構成、或いは掘削穴若しくは掘削溝内に充填埋戻しされる浄化充填材が生分解性素材で透水透気性を有する織物若しくは編物からなる充填袋に所要重量で充填させたうえ充填埋戻しをなす浄化工法の構成、及び掘削穴若しくは掘削溝内に浄化充填材が充填埋戻しされたる後若しくは充填埋戻しの後汚染土壌面に浄化水による散水がなされたる後、更に汚染土壌表面に浄化充填材が所要の厚さに覆土させてなる浄化工法の構成に存する。
【0010】
【作用】
本発明はかかる構成からなるため、以下の如き作用を有する。即ち汚染された土壌面に所要の口径と深さを以って掘削穴を形成させ、若しくは所要の幅と深さを以って掘削溝を形成させるものであるから、ボーリングのための掘削機所謂アースオーガーや掘削溝の掘削のためのバックホー等で容易に掘削しえ、且これらの土木機械は大型から小型に亘る多種多様のものが各種土木工事に実用使用されてなるため、都市部の狭少な汚染土壌でも或いは郊外の広大な汚染土壌においても、原位置において容易に掘削穴や掘削溝の形成がなしえる。
【0011】
そしてこの形成される掘削穴や掘削溝は、その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と汚染土壌面との交点相互の間隔以内で且それぞれが等間隔に適宜数が形成されるとともに、この掘削穴若しくは掘削溝内には汚染土壌の土質と同質の土砂が40乃至70%重量割合と該汚染土壌の土質に比べて粒経の大きな細砂若しくは中砂からなる透水材が15乃至30%重量、及びその平均粒径が10乃至100μmで比表面積が80m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体が15乃至30%重量割合で配合されてなる浄化充填材で充填埋戻しされるため、汚染土壌面の高濃度の汚染物質が雨水等の洗脱により地中内に浸透拡散される場合にも、その浸透拡散範囲内に透水性の高い浄化充填材の充填層が多数形成されるため、浸透拡散される汚染物質等が積極的に該浄化充填材の充填層に浸透し吸水吸着されて、重金属類の吸着固定はもとより、有機塩素化合物や化学薬品等も人工ゼオライトの触媒作用と且強い塩基置換性とにより分解消去されて浄化がなされるとともに、地中の内部深くへの汚染物質の浸透拡散も防止される。
【0012】
そしてこの掘削穴や掘削溝内への充填埋戻しされる浄化充填材は汚染土壌と同質の土砂を主体とし、且細砂若しくは中砂からなる透水材が15乃至30%重量に、その平均粒径が10乃至100μmの人工ゼオライト粉体が15乃至30%重量割合で混合されてなるから、大きな粒度較差や比重差もなく充填埋戻しに際しても強固な埋戻しがなされ土壌全体が安定した状態に復元される。
更に本発明においては掘削穴や掘削溝内に浄化充填材が充填埋戻しされたうえその汚染土壌表面に、水に対して人工ゼオライト粉体が15乃至30%重量割合で混合分散された浄化水を適宜重量割合で散水させることにより、汚染濃度の高い汚染土壌表面の汚染物質が即時に吸着固定並びに吸着分解消去されるとともに、人工ゼオライト粉体が水とともに汚染土壌内部に浸透拡散され地中に蓄積された汚染物質も吸着固定や或いは吸着分解消去が短時になされ、而も掘削穴や掘削溝内に充填埋戻しされた浄化充填材が十分に固締がなされる。
【0013】
加えて掘削穴や掘削溝内に充填埋戻しされる浄化充填材を、生分解性素材で透水透気性を有する織物や編物で形成してなる充填袋に所要重量で充填のうえ充填埋戻しをなすことにより、特に狭少な汚染土壌においても充填埋戻し作業が容易になしえ、且該充填袋が短時に崩壊滅失されるため安定した土壌が保持される。而も掘削穴や掘削溝内に浄化充填材が充填埋戻しされ、或いはその充填埋戻しされた汚染土壌表面に浄化水が散水されたうえ、該汚染土壌表面に浄化充填材が所要の厚さを以って覆土されることにより新たに汚染物質が飛散し落下して、該覆土内の人工ゼオライト粉体に汚染物質が吸着固定され若しくは吸着分解消去され汚染物質の浸透拡散も防止される。
【0014】
【実施例】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は掘削穴の施工説明図、図2は掘削穴の配位図、図3は掘削溝の配位図、本発明においては汚染土壌面1に所要の口径と深さで掘削穴2が掘削されるもので、この掘削穴2の掘削には一般的なボーリング土木機械であるアースオーガーの利用が至便である。
そしてこの掘削穴2の口径や深さは本発明浄化工法の実施に先立ってなされる汚染調査における汚染度合や汚染の範囲により具体的に決定されるもので、該汚染度合が高濃度である場合には、その吸着固定や吸着分解消去に係る浄化充填材3に配合される人工ゼオライト粉体3Cの総吸水吸着容量並びに総塩基置換容量(meq/100g)を大きく所謂多量の人工ゼオライト粉体3Cの使用が要求され、更に汚染の範囲が地中深くまで拡散されてなる場合には、その汚染されてなる深さまで掘削させることが望まれる。
【0015】
即ち掘削穴2の口径について更に詳細な説明をすれば、汚染土壌の汚染度合はその汚染土壌面1が一般的に最も高濃度に汚染されるもので且その汚染物質は雨水等に洗脱され地中深くまで浸透拡散がなされているため、これら汚染物質全体を積極的に浄化充填材3による充填層3Dに浸透移行させて吸着固化や吸着分解消去させるためには、これらを十分に吸着固定や吸着分解しえる量の人工ゼオライト粉体3Cを浄化充填材3に配合させる必要がある。
【0016】
而して汚染物質が雨水等の洗脱で地中に浸透拡散される場合には、略同一の透水性の状態では略45度程度の拡散範囲で浸透がなされると考えられており、従って汚染土壌面1や浸透拡散されてなる汚染物質を積極的に浸透移行させて充填層3Dに吸着せしむるうえからは、図1に示すように汚染土壌面1より掘削される掘削穴2の深さ先端中心2Aより45度の広がりを持つ傾斜線2B、2Bと汚染土壌面1との交点2C及び2Cとの間隔以内で且それぞれが等間隔を以って掘削穴2が形成される。
【0017】
そしてこの掘削穴2の口径及び深さは、汚染物質の浸透拡散がなされている深さ程度までの深さで且その口径は汚染物質の浸透拡散を捕捉し吸着固定並びに吸着分解消去しえる浄化充填材3の充填埋戻し容量に適合した内容積で決定される。即ち汚染範囲が地下5mにまで進行している場合には、掘削穴2の深さは5mに設定され、且この掘削穴2の深さ先端中央2Aより45度の広がりを持つ傾斜線2B、2Bで囲まれる汚染土壌の土壌容量は略22.2mであり、比重を1.6とした場合汚染土壌総重量としては略35.5tonとなる。
【0018】
而してこの汚染濃度を1000ppm/kgとすると汚染物質の総重量は35.5gとなり、他方汚染物質の吸着固定や吸着分解消去を果す人工ゼオライト粉体3Cの塩基置換容量は100g当り200mg以上のものを使用するため、人工ゼオライト粉体3Cの使用量としては略18kg必要となる。加えて浄化充填材3には該人工ゼオライト粉体3Cが15乃至30%重量割合で混合分散されてなるから、掘削穴2内に充填埋戻しされる浄化充填材3の充填量全体量としては略60乃至120kgとなり、混合割合等による見掛比重略1.6を考慮すると掘削穴2の内容積は略37,510乃至75,000cmとなり、口径としては略10乃至15cm以上で形成されれば良い。図2にはかかる掘削穴2が汚染土壌全体に亘って形成される場合の配位状態が示されている。
【0019】
図3は汚染土壌全体に亘って掘削溝20が形成される場合の配位状態が示されてなり、当然に該掘削溝20の場合もその掘削溝の深さ先端中心(図示せず)より45度の広がりを持つ傾斜線と汚染土壌面1との交点相互の間隔以内で且それぞれが等間隔を以って掘削溝20が形成されるものである。この掘削溝20の掘削形成の土木機械としてはバックホーの使用が好適である。
【0020】
かくして掘削形成された掘削穴2若しくは掘削溝20内には、その内部に充填し汚染土壌面1や地中に浸透拡散された汚染物質を積極的に浸透移行せしめて汚染物質の吸着固定や吸着分解消去しえる浄化充填材3が充填埋戻しされるもので、この浄化充填材3はその全体の性状が原初の汚染土壌に近く且透水性を高めて浸透拡散し若しくは既に浸透拡散されてなる汚染物質を、該浄化充填材3が充填されて形成される充填層3Dに積極的に浸透移行せしめ、且浸透移行された汚染物質を吸水吸着させて吸着固定若しくは吸着分解消去させて浄化が図られる。
【0021】
これがため、該浄化充填材3には汚染土壌と同質の土砂3Aが40乃至70%重量割合で使用され、且この土砂3Aに比べて粒径の大きな細砂若しくは中砂からなる透水材3Bが3乃至15%重量割合で混合されるとともに、更には浸透移行された汚染物質を効率良く吸着固定或いは吸着分解消去せしむるため、その平均粒径が10乃至100μmで比表面積が80m/g以上望ましくは120乃至160m/gで、且その塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上望ましくは280乃至330mgの人工ゼオライト粉体3Cが15乃至30%重量割合で混合分散されて形成されている。
【0022】
かかる場合に汚染土壌と同質の土砂3Aを40乃至70%重量割合で使用する理由は、浄化充填材3の充填埋戻しに伴う浄化土壌全体を十分に固締化させて安定化を図る理由によるものであり、且透水材3Bが15乃至30%重量割合で使用される所以は、充填埋戻しに伴う固締化を図ること及び過度の透水性を制限して、特に地中に浸透拡散されてなる汚染物質を雨水や湿気等により十分に洗脱させながら充填層3Dに浸透移行させて効果的に浄化を図ることにある。
加えて浸透移行された汚染物質を積極的に吸水吸着せしむるうえからは、その接触表面積率が大きいこと及び効率的に吸水吸着を図るうえから、その吸水吸着容量所謂比表面積率の大きなものが好適であり、而も確実な吸着固定若しくは吸着分解消去を図るうえからは、その塩基置換容量(meq/100g)が大きなものが望まれることによる。そして当然のことながら、該浄化充填材3に求められる汚染土壌と同質の土砂3Aには、掘削穴2若しくは掘削溝20の掘削で排出された汚染土壌の再利用も考慮される。
【0023】
かくして混合分散されて形成された浄化充填材3は、図4に示すように所要の口径及び深さに掘削された掘削穴2内に充填され埋戻しがなされるものである。かかる如く掘削穴2若しくは掘削溝20内に浄化充填材3を充填し埋戻しを施すことにより、雨水や湿気等により汚染土壌面1や地中に浸透拡散されてなる汚染物質が洗脱されつつ透水性の高い充填層3Dに積極的に浸透移行されたうえ吸着固定や吸着分解消去されて時間経過とともに浄化が図られることとなる。
然るにかかる浄化工法においては時間経過とともに自然浄化が図れるものの、汚染土壌によっては短時に浄化を図り再利用に供される場合も多々発生する。
【0024】
そこでかかる場合においては図5に示すように汚染土壌面1に所要の口径と深さ及びその深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線2B、2Bと汚染土壌面1との交点2C及び2Cとの間隔以内で且それぞれが等間隔に掘削穴2若しくは掘削溝20を掘削形成のうえ浄化充填材3で充填埋戻しをなしたるうえ、その汚染土壌面1の全体に亘って水に対して人工ゼオライト粉体3Cを15乃至30%重量割合で混合分散させて浄化水4となしたるうえ、該浄化水4を所要重量割合に散水させることにより、汚染土壌面1並びに地中に浸透拡散された汚染物質を強制的に洗脱させ透水性の高い充填層3Dに浸透移行させ、人工ゼオライト粉体3Cに積極的且効率的に吸着固定され若しくは吸着分解消去されて短時に浄化がなされる。かかる場合の浄化水4の散水量は汚染度合や汚染土壌量によっても異なるが、汚染土壌量1ton当り略70乃至150kg程度が好適である。
【0025】
更に土壌の汚染度合が大きく且地中深くまで汚染がなされている土壌の浄化には、掘削される掘削穴2の口径が大きく且極めて深い掘削穴2若しくは掘削溝20の幅が広く且極めて深く形成されることから、浄化充填材3の充填埋戻し重量も極めて多重量となる。そこでかかる場合には図6に示すように、予め所要重量の浄化充填材3を生分解性素材を用いて織成若しくは編成した透水性や透気性を有する織物或いは編物よりなる充填袋30に充填させたうえ、掘削穴2若しくは掘削溝20内に埋戻しすることにより、浄化充填材3の充填埋戻し作業を著しく能率化させることが提案される。
かかる場合に生分解性素材の具体的素材としては土壌菌や水、酸素等により腐蝕崩壊するものであれば良く、天然繊維の綿や麻或いはポリ乳酸合成繊維等が挙げられ且織物や編物には特段の制約はなく、充填される浄化充填材3が収納運搬及び埋戻しに耐えうる強力と、浄化充填材3が漏出せぬ目合で形成されたものであれば使用しえるもので、一般的には一袋当り5乃至20kg程度の充填のものが取扱い上有利である。
【0026】
更に本発明の浄化工法が施される汚染土壌も、その浄化に伴って再開発や再利用に供されるものであるから、浄化された汚染土壌の整地をなすことが土地取引上からも望まれる。
かかる問題への対処としては図7に示すように、汚染土壌に所要の口径及び深さ若しくは所要の幅及び深さで且所要の等間隔で掘削穴2若しくは掘削溝20が形成されたうえ、該掘削穴2若しくは掘削溝20内を浄化充填材3で充填埋戻ししたうえ、その汚染土壌面1に浄化充填材を所要の厚さで覆土5を施すことにより、汚染土壌全体が略均質に整地されることとなる。この覆土5の厚さは十分に厚く覆土5することが浄化のうえからも好ましいが、コスト的面の制約も発生するため、少なくとも15乃至30cm以上を目途とすることが望まれる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上の如き構成からなるもので汚染土壌の汚染度合及び汚染範囲を予め汚染調査することにより、原位置において所要の口径及び深さで或いは幅と深さで且その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と汚染土壌面との交点の相互の間隔以内で且それぞれが等間隔を以って適宜数の掘削穴若しくは掘削溝を形成するものであるから、狭少な汚染土壌でも広大な汚染土壌でもアースオーガーやバックホー等の土木機械で簡便に形成しえるとともに、この掘削穴や掘削溝内に汚染土壌と同質の土砂が40乃至70%重量に、該汚染土壌の土砂より粒径の大きな細砂若しくは中砂からなる透水材が15乃至30%重量割合、及びその平均粒径が10乃至100μmで比表面積が80m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体とが混合分散された浄化充填材が充填され埋戻しされるため、汚染土壌全体の地盤を軟弱化させることもなく且浄化充填材の充填により形成される充填層が、汚染土壌に比べて透水性が高いことから、汚染土壌面の汚染物質や地中に浸透拡散されてなる汚染物質が、雨水や湿気等により洗脱され浸透する場合にも該透水性の高い充填層に積極的に浸透移行されるとともに、該充填層内の人工ゼオライト粉体に汚染物質が積極的に且効率的に吸着固定され若しくは吸着分解消去されて浄化がなされる。
【0028】
加えて短時に浄化を図る必要の場合においては、水に対して15乃至30%重量割合で人工ゼオライト粉体が混合分散された浄化水を浄化工法が施された汚染土壌全体に亘って所要重量で散布させるため、汚染土壌面の汚染物質や地中に浸透拡散された汚染物質が浸透する該浄化水中の人工ゼオライト粉体に積極的且効率的に而も短時に吸着固定若しくは吸着分解消去されたうえ、充填層内に浸透移行され重ねて浄化が図られ、且充填層の固締化も図られる。
加えて多量の浄化充填材が充填埋戻しされる場合においても、生分解性素材よりなる透水透気性を有する織物若しくは編物からなる充填袋に所要重量が充填されたうえ充填埋戻しがなされるため充填埋戻し作業が簡便且能率的になしえ、且充填袋が使用経過とともに腐蝕崩壊し地盤と同化しえ、而も浄化工法が施された汚染土壌面に浄化充填材が所要の厚さに覆土させることにより、汚染度合の激しい汚染土壌も確実に浄化がなされ且汚染土壌全体が均等に整地されて土地評価が著しく高められる等、極めて多くの特長を有する汚染土壌の浄化工法といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】掘削穴の施工説明図である。
【図2】掘削穴の配位図である。
【図3】掘削溝の配位図である。
【図4】浄化充填材の充填埋戻し説明図である。
【図5】浄化水の散布を示す説明図である。
【図6】充填袋による充填埋戻しの説明図である。
【図7】覆土の状態を示す態様図である。
【符号の説明】
1 汚染土壌面
2 掘削穴
2A 深さ先端中心
2B 傾斜線
2C 交点
20 掘削溝
3 浄化充填材
3A 汚染土壌と同質の土砂
3B 透水材
3B 透水材
3C 人工ゼオライト粉体
3D 充填層
30 充填袋
4 浄化水
5 覆土

Claims (5)

  1. 重金属類、有機塩素系化合物、化学薬品等に汚染された土壌面に所要の口径と深さに且その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と土壌面との交点相互の間隔以内で且それぞれが等間隔に適宜数の掘削穴を掘削させ、この掘削穴内に汚染土壌と同質の土砂が40乃至70%重量と該汚染土壌の土質に比べて粒径の大きな細砂若しくは中砂からなる透水材が15乃至30%重量、及びその平均粒径が10乃至100μmで比表面積が80m/g以上及び塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体が15乃至30%重量割合で混合された浄化充填材を掘削穴内に充填埋戻しさせることを特徴とする汚染土壌の簡易浄化工法。
  2. 重金属類、有機塩素系化合物、化学薬品等に汚染された土壌面に所要の幅及び深さに、且その深さ先端中心より45度の広がりを持つ傾斜線と土壌面との交点相互の間隔以内で且それぞれが等間隔に掘削溝を掘削させ、この掘削除溝内に浄化充填材を充填埋戻しさせる請求項1記載の汚染土壌の簡易浄化工法。
  3. 掘削穴若しくは掘削溝内に浄化充填材が充填埋戻しがなされた汚染土壌全面に、水に対して15乃至30%重量割合で人工ゼオライト粉体が混合分散された浄化水を適宜重量割合で散水せしめ、浄化促進と埋戻し固締を図る、請求項1若しくは請求項2記載の汚染土壌の簡便浄化工法。
  4. 掘削穴、若しくは掘削溝に充填埋戻しされる浄化充填材が、生分解性素材で且透水透気性織物若しくは編物からなる充填袋に所要重量で充填されてなる、請求項1乃至請求項3記載の汚染土壌の簡易浄化工法。
  5. 浄化充填材が掘削穴若しくは掘削溝内に充填埋戻しされたうえ、更に汚染土壌表面に浄化充填材を所要の厚さに覆土させる請求項1乃至請求項4記載の汚染土壌の簡易浄化工法。
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