JP2004330141A - 白色化木質チップ及びその製造方法 - Google Patents

白色化木質チップ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚水、汚泥等を浄化した後の処理水が着色しない白色化木質チップ及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】白色化木質チップは、水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップであって、木の色素の除去率を75〜95%とする。また、白色化木質チップの製造方法は、水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップを、0.5〜3重量%の界面活性剤溶液で、100℃以下、30分以上洗浄する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物によって水を浄化するための、その培養基材となる白色化木質チップ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、汚水、汚泥等を浄化する方法として、微生物の活性を利用した生物学的処理方法が実用化されている。
【0003】
この種の技術としては、木質チップを微生物培養基材としての処理媒質として用い、この木質チップを充填した処理槽内に、汚泥を含む処理水を流入し、木質チップに繁殖する微生物による好気性処理及び嫌気性処理を交替反復して行うことによって、汚泥を分解すること(例えば、特許文献1、2参照)や、同様にトイレの処理槽に木質チップを充填し、汚水を浄化すること(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特公平2−30760号公報(第1頁)
【特許文献2】
特公平2−34679号公報(第1頁)
【特許文献3】
実公平3−22385号公報(第1頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の木質チップを微生物培養基材として用いる方法は、汚水、汚泥を浄化するのに優れた方法ではあるものの、浄化後の水に木質チップ自身の色素が溶け込み、着色するため使用できる用途が限られるという問題がある。すなわち、例えば、浄化した水を再利用し、外部に排出しない循環型トイレ等には使用できるものの、観賞魚の水槽の水を浄化する場合には、水槽の水が着色して見た目が悪くなり、また、海・湖・川等に設けられた養殖場の水を浄化すると、着色した水がそのまま、海・湖・川等に流出してしまうため使用し難いという問題がある。
【0006】
また、一方で、着色した水を脱色するため活性炭による脱色槽を処理槽に併設する場合もあるが、この場合には装置が大掛りになるため、広いスペースが必要となり、また、脱色槽の活性炭の定期的な交換が必要になるため、手間がかかり、コストも高くなる。
【0007】
通常、木材には木質を構成するために数十%のリグニンが含まれている。木質チップを用いて前記好気性処理あるいは嫌気性処理を行う場合には、これら処理を行う好気性微生物と嫌気性微生物とが適度な割合で存在していることが望ましい。そして、この存在割合は木質チップ中のリグニンの量に影響を受けると考えられる。しかしながら、従来の木質チップに含まれるリグニンの量であると嫌気性の微生物が過剰に増殖する傾向がある。この過剰に存在する嫌気性の微生物は、木質チップそのものを食害する。このため、従来の木質チップを用いた場合には、その消費量が多く、メンテナンスあるいは経済性の面で改善の余地があった。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み案出されたものであり、汚水、汚泥等を浄化した後の処理水が着色しない白色化木質チップ及び、その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の白色化木質チップは、請求項1に記載されているように、水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップであって、木の色素の除去率が75〜95%のものである。この構成の白色化木質チップを使用すれば、浄化後の水に木質チップ自身の色素が溶け込むことがないので、着色するのを防ぐことができる。このため、これまで使用し難かった観賞魚の水槽の水や、海・湖・川等に設けられた養殖場の水の浄化にも適用できる。また、脱色槽を設ける必要がないので、浄化スペースを小さくでき、コストも低くすることができる。本発明において白色化とは、色素除去前の木質チップに対し、明度が高く、彩度が低くなることをいい、実質的に白色になるか否かは問題とならない。
【0010】
また、色素の除去率は、色素除去後の白色化木質チップに色素がどれだけ残っているかを示す指標であり、色素除去前の木質チップから除去された割合をいうものではない。すなわち、色素除去後の木質チップの100μm四方の中に、縦横に10μm間隔で格子点を設け、その格子点上に、色素が存在する点と、存在しない点をそれぞれ数え、色素が存在しない点の割合を算出し、これを3箇所で行って、その平均値を除去率とした。具体的には、800倍で撮影した顕微鏡写真の8cm四方の中に、縦横に8mm間隔で格子点を設けて除去率を算出した。
【0011】
本発明の白色化木質チップは、請求項2に記載されているように、前記木質チップ中のリグニン含有率が3〜10重量%であることが好ましい。リグニンは、通常、色素の中に多く含まれている。よって、リグニンを当該範囲に設定することで、木質チップの白色化を規定することができる。さらに、当該構成の白色化木質チップであれば、色素を除去したあとの空間が好気性の微生物と嫌気性の微生物とが同時に培養できる環境を提供することになり、リグニンの総量が低下する結果、木質チップそのものを食害する過剰な嫌気性の微生物の増殖を抑制することができる。
【0012】
本発明の白色化木質チップは、請求項3に記載されているように、前記木質チップの粒径が0.1〜30mmであることが好ましい。粒径を0.1〜30mmとすることにより、木質チップの比表面積を大きくすることができるため、微生物による浄化能力が高まる。
【0013】
また、本発明の浄化バッグは、請求項4に記載されているように、上記の白色化木質チップを、網目の大きさが0.2〜3mmのネットに収めてなるものである。この構成の浄化バッグを使用すれば、浄化の際、ネットは、水は通すが、木質チップは通さないため、処理槽自体にフィルターを設ける必要がなく、目詰まりの心配もない。
【0014】
さらに、木質チップの粒径が網目よりも小さい場合には、最も外側のネットと接するところに存在するものは流れ出てしまうものの、実際上は、ネットの内部に存在するものについては、粒径が網目よりも大きなものに囲まれているため、飛び出すことはない。
【0015】
本発明の白色化木質チップの製造方法は、請求項5に記載されているように、水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップを、0.5〜3重量%の界面活性剤溶液で、100℃以下、30分以上洗浄するものである。この手段のごとく、木質チップを界面活性剤溶液で洗浄することにより、本来の木質チップとしての浄化能力を維持しつつ、木の色素を除去することができるため、本発明の白色化木質チップを得ることができる。また、洗浄の条件を任意に選択することにより、色素の除去率を調整することができる。
【0016】
本発明の白色化木質チップの製造方法は、請求項6に記載されているように、界面活性剤溶液で洗浄後、漂白剤で漂白処理することが好ましい。界面活性剤溶液で洗浄後、さらに漂白処理することにより、より白色化した木質チップを得ることができる。
【0017】
本発明の白色化木質チップの製造方法は、請求項7に記載されているように、前記界面活性剤溶液が、脂肪酸ナトリウムを水に溶解させたものであることが好ましい。脂肪酸ナトリウムは自然界で分解し易いため、洗浄後の白色化木質チップに脂肪酸ナトリウムが残存し、浄化の際に、水に混入した場合でも、無害となるため安心して使用できる。
【0018】
本発明の白色化木質チップの製造方法は、請求項8に記載されているように、前記漂白剤が、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。上記漂白剤は、優れた漂白力を有するため、より白色化した木質チップを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の白色化木質チップは、水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップであって、木の色素の除去率が75〜95%であり、所定の方法によって製造することができるものである。これにより、本発明の白色化木質チップは、従来の微生物培養基材としての浄化能力を高めつつ、これまで課題となっていた浄化に際しての水の着色を防止することができる。予め木質チップ自身の色素を除去しておくことで、水に色素が溶け込むことを防ぐことができる。
【0020】
本発明の白色化木質チップは、微生物の培養基材として用い、培養した微生物によって、汚水・汚泥等を浄化するものであるが、具体的には、木質チップには、多くの孔を有しており、この孔の中で、微生物を培養・増殖させ、これらの微生物によって、汚水・汚泥等を浄化させる。この際、木質チップは、その孔の中に好気性の微生物と嫌気性の微生物を共存させることができ、好気性処理と嫌気性処理と同時または交互に行うことで、通常の有機物分解過程で発生する悪臭をも抑制することができる。
【0021】
通常の木材は、前記リグニンを10〜30重量%程度含んでいる。しかし、本構成の白色化木質チップでは、リグニンの含有率を3〜10重量%に低減してある。これにより、本発明の白色化木質チップの主成分は、セルロース60〜85重量%、リグニン3〜10重量%、ぺントザン5〜15重量%程度を有するものとなっている。当該構成の白色化木質チップであれば、木質チップの白色化を高めつつ、前記好気性の微生物と嫌気性の微生物とを適度に共存させる環境を作ることができる。
【0022】
尚、前記木質チップの白色化と微生物の共存条件をより良く満たすためには、前記リグニンの含有量を3〜8重量%とするのが好ましい。
【0023】
本発明の木質チップが孔の中で、どのように好気性の微生物と嫌気性の微生物を共存させているかは鋭意研究中であり、依然として不明であるが、孔の中の微生物によって浄化されているのは事実である。このため、浄化能力を高めるためには、微生物と浄化すべき汚水等とが接触し易い環境を作ってやればよく、木質チップの単位重量当たりの比表面積を大きくすることが好ましい。
【0024】
具体的には、木質チップの粒径は0.1〜30mmが好ましく、0.1〜10mmがより好ましい。但し、木質チップの粒径が小さくなり過ぎる場合には、前記嫌気性の微生物の食害による木質チップの消滅程度が早まり、却って、浄化効率が低くなる。
【0025】
また、木質チップの材質は、樹木であれば特に制限はなく、針葉樹・広葉樹・落葉樹・常緑樹等を用いることができるが、スギ・ヒノキ・ヒバ・松等の針葉樹を用いる方が、その効果は未だ明らかではないが、より悪臭を抑えて浄化できるため好ましい。
【0026】
さて、本発明の白色化木質チップは、上述のごとく、従来の木質チップとしての能力を維持しつつ、木質チップ自身の色素を除去し、白色化したものであるため、これまでと比べ、適用できる範囲が格段に広がるものである。以下には、まず、本発明の白色化木質チップの製造方法を示す。さらに、本発明の白色化チップの適用例を述べる。
【0027】
本発明に使用する木質チップは、例えば、特開昭60−101002号公報に開示されている木質細片製造装置を用いることによって、任意の大きさに作製することができる。さらに、木質チップの孔の数を増やすために、圧縮、加熱等の処理を行うことができる。また、遠赤外線が発生する炉の中で、燻煙処理してもよい。勿論、市販されている木質チップを使用することもできる。
【0028】
得られた木質チップを、0.5〜3重量%の界面活性剤溶液と共に、洗浄槽に入れ、100℃以下で30分以上洗浄することによって、本発明の白色化木質チップを製造することができる。使用する界面活性剤溶液は、濃度が低いと洗浄力が低下してしまい、木質チップの色素を十分に除去できない。また一方で、濃度を一定以上高くしても色素除去効果は変わらないようであり、製造コストを考慮すれば、界面活性剤溶液の濃度は0.5〜3重量%が適しており、1〜2重量%がより好ましい。
【0029】
使用する界面活性剤溶液は、天然界面活性剤を溶解させたものでも、合成界面活性剤を溶解させたものでも、問題なく優れた色素除去効果を発揮することができるが、界面活性剤が洗浄後の白色化木質チップに残存する場合があることや、使用後の排水処理を考慮すれば、天然界面活性剤を溶解させた界面活性剤溶液を使用することが好ましい。天然界面活性剤としては、自然界での分解のし易さや、入手し易さから、脂肪酸ナトリウムを用いることが好ましく、特にオリーブ油・ローレル油・パーム油・ヤシ油・牛脂等の蒸留脂肪酸からなるものが好ましい。また、界面活性剤溶液には、さらに炭酸ナトリウムを加えてもよい。
【0030】
洗浄時の温度は、高い方が色素を除去し易くなるが、洗浄液が沸騰するほど温度を高くすると、洗浄槽内の木質チップ同士が激しくぶつかり合い、砕けて粒径が小さくなったり、孔が潰れたりするため、木質チップ自身の浄化能力が低下してしまう。このような観点からは、洗浄の際の温度は、100℃以下が好ましく、50〜98℃がより好ましい。また、洗浄時間は、十分に洗浄し、色素を除去するためには30分以上とすることが好ましい。ただし、洗浄に際しては、木質チップを長時間、高温状態にすることや、水流を作用させることで、多孔質が損なわれる可能性もあるため、洗浄時間は3時間程度に留めるのが好ましい。
【0031】
洗浄に使用する洗浄液の量は、特に制限はないが、洗浄効率及び製造コストの観点からは、木質チップ1kgに対して、0.8〜1.5リットルの洗浄液を使用するのが好ましい。また、洗浄時には、攪拌することで、さらに洗浄効率を高めることもできる。
【0032】
また、白色化を高めるためには、上記洗浄後に、さらに漂白剤によって漂白処理するのがよい。即ち、木質チップの色素の除去率を向上させて、より白色化したい場合や、使用する木質チップの材質によって、上記洗浄のみでは色素が除去し難い場合などに効果的である。漂白剤としては、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤など特に制限なく使用できるが、中でもその優れた漂白力から、次亜塩素酸ナトリウム・過炭酸ナトリウム・過酸化水素のうち少なくとも一つを使用することが好ましい。
【0033】
漂白処理は、漂白剤の水溶液を調製し、上述の洗浄方法と同様に処理することができる。但し、漂白剤の濃度は高くなると、漂白力が強くなり過ぎて木質チップの孔を潰してしまうため、濃度は0.1〜2重量%が好ましい。
また、前述のごとく、液の沸騰による衝撃が作用するのを防止するために漂白処理温度は100℃以下とし、処理時間も3時間程度に留めるのが好ましい。漂白処理を行うか否か、あるいは、漂白処理を行う場合の処理条件は目的に合わせて任意に選択することができる。
【0034】
また、洗浄後や漂白処理後に水洗することもできる。水洗条件は任意に選択でき、例えば、水の温度・水洗時間・水洗回数など、その目的に応じて決定することができる。その後、必要に応じて脱水処理を行うことも可能である。
【0035】
以下、本発明の白色化木質チップを製造する具体例について、図面を参照して説明する。
【0036】
(第一の実施形態)
本発明の白色化木質チップを製造する第一の実施形態について図1を参照しつつ説明する。第一の実施形態で使用する製造装置は、主に、洗浄槽1と、液を循環させる循環ポンプ2と、循環ポンプ2のノズルの一方に連結する循環連絡パイプ3とを備えている。
【0037】
洗浄槽1は、仕切り板4aによって、木質チップを入れて洗浄する洗浄部と、循環ポンプ2が位置するポンプ部とに分けられている。前記洗浄部の上部には蓋部材4bを設けてあり、後述のごとく水流方向を逆転した際でも木質チップが安定するように構成してある。洗浄槽1のポンプ部には、スチーム配管5が連結されており、スチームの量を調整することにより槽内の液の温度を任意に制御できるようになっている。また、ポンプ部には排水管6も連結されており、液量の調整や液の入れ替えを容易にできるようになっている。前記仕切り板4aおよび前記蓋部材4bには複数の孔が設けられており、洗浄部とポンプ部とを液が行き来できるようになっている。
【0038】
循環ポンプ2は、二つのノズルを有し、図2(イ)に示すように、一方のノズルから液を吸って他方のノズルから液を排出することや、(ロ)に示すように他方のノズルから液を吸って、一方のノズルから液を排出することもでき、これによって液を循環させるものである。循環の方向は、自動又は手動によって任意に切り替えることができる。
【0039】
循環連絡パイプ3は、循環ポンプ2のノズルから排出する液を洗浄槽1の全体に拡散させるためのものである。すなわち、循環ポンプ2のノズルから洗浄部の上方まで延びた循環連絡パイプ3は、その上方先端に設けられた複数の孔から液を吸って、循環ポンプ3の他方のノズルから排出し、また、他方のノズルから吸った液は、循環ポンプ2の一方のノズルを通して循環連絡パイプ3の孔から排出することができるため、洗浄槽全体を攪拌することができ、ばらつきなく色素を除去することができる。
【0040】
また、木質チップ7は網目0.2〜3mmのネット8に入れたものを用いることが好ましい。木質チップをそのまま洗浄槽に入れて洗浄すると、洗浄の際、木質チップ同士が激しくぶつかり合って、孔が潰れたり、木質チップ自身の粒径が小さいため循環ポンプ2に詰まって故障する可能性があるため好ましくない。ネット8の網目の大きさは、特に制限はないが、液は通しながら、木質チップは抜けないものが好ましい。
【0041】
以上のように構成された第一の実施形態の製造装置により、本発明の白色化木質チップを製造するためには、まず、木質チップ7の入ったネット8を洗浄槽1の中の洗浄部に入れる。次いで、0.5〜3重量%の濃度に調整した界面活性剤溶液を投入したのち前記蓋部材をセットし、循環ポンプ2を稼動させる。
【0042】
その後、スチーム配管5から洗浄槽1内にスチームを流し、所定の温度まで液を昇温させ、その温度に保ったまま、30分以上洗浄する。その間、循環ポンプ2は、稼動させたままで、一定間隔で、循環の方向を切り替えることで、全体を攪拌することができる。洗浄後は、排水管6により排水し、ネット8を取出すことにより、本発明の白色化木質チップを得ることができる。
【0043】
具体的な一例を示すと、木質チップ7の材質としてスギを用い、このスギチップを20kg入れたネット8を洗浄槽1に50袋入れ、約1%程度の脂肪酸ナトリウム溶液を1トン入れる。次いで、循環ポンプ2を稼動させて、約0.4トン/分の流水速度で液を循環させる。その後、スチームを入れて、液を約80℃まで昇温し、そのままの温度で1時間洗浄する。その間、循環ポンプ2は、20分に1回の間隔で、循環方向を切り替える。この方法により色素除去率が80%程度の白色化木質チップを得ることができる。尚、当初は約20重量%含まれていたリグニンは、本処理によって8重量%程度に低減していた。
【0044】
また、洗浄後、引続き漂白処理を行うこともできる。すなわち、液を排水後、木質チップ7の入ったネット8を入れたまま、洗浄槽1に所定量の水を入れ、循環ポンプ2を稼動させながら、所定量の水と漂白剤を投入し、所定の濃度になるように調製する。そして、そのまま洗浄の場合と同様に、循環ポンプ2の循環方向を切り替えながら漂白処理を行う。
【0045】
尚、洗浄後、漂白剤として過酸化水素を用い、1重量%の濃度の液で80℃下で60分処理することで、色素除去率95%の白色化木質チップを得ることができる。リグニンは5%に低減していた。
【0046】
洗浄後や、漂白処理後には、さらに水洗することもできる。すなわち、液を排水後、再び洗浄槽1に水を充填し、循環ポンプ2を稼動させ、一定時間水洗する。例えば、常温で、1時間の洗浄を3回繰り返せば、界面活性剤や漂白剤の残留のない白色化木質チップを得ることができる。
【0047】
上記方法で得た木質チップを用いて汚泥の浄化実験を行った。具体的には、5gの汚泥に対して本発明の木質チップと、従来の色素を除去していない木質チップとを用いた。木質チップは、それぞれ150ml用意した。これに、500mlの水を投入し20日間維持した。
【0048】
実験開始後、特に10日以降に浄化効果の差が見られた。本発明の木質チップを用いたものでは、20日後においても水の着色が見られず、臭気も略完全に消失していた。これは、当該白色化木質チップでは、リグニンの量、即ち、色素が適度に低減されているため、色素が抜けた分、各種菌の存在空間が増加し、また、前記嫌気性の微生物の過剰な増殖を抑えることができ、この結果、汚泥の処理効果が向上したためと考えられる。
【0049】
(第二の実施形態)
本発明の白色化木質チップを製造する第二の実施形態について、図3に示す。第二の実施形態で使用する製造装置は、洗浄槽1と、洗浄槽1内の液を攪拌するスクリュー9を有するものである。
【0050】
洗浄槽1には、排水管6が連結されており、液量の調整や液の入れ替えを容易にできるようになっている。また、洗浄槽1と排水管6の連結部には、フィルター10が設けられており、液を排水する際に木質チップ7が流れ出ないようになっている。スクリュー9は任意速度で回転させることができ、正逆どちらの方法にも回転可能である。
【0051】
以上のように構成された第二の実施形態の製造装置により、本発明の白色化木質チップを製造するためには、まず、洗浄槽1内に木質チップ7を入れる。この際、第一の実施形態の製造装置の場合と同様にネット8を使用しても何ら問題はないが、スクリュー9によって、木質チップ7同士がぶつかって砕けないように回転速度を調節できることや循環ポンプ使用しないため、木質チップ7を直接入れて洗浄することができる。
【0052】
次いで、洗浄槽1に一定濃度に調整した界面活性剤溶液を所定量投入し、スクリュー9を回転させながら、第一の実施形態の製造装置による場合と同様に、一定温度、一定時間洗浄する。例えば、スクリュー9の回転数を50回/分にすることで、木質チップ7を破壊せずに洗浄することができる。また、本製造装置であっても、洗浄後に漂白処理や水洗を行うことができる。
【0053】
(第三の実施形態)
さらに、本発明の白色化木質チップは、別の製造方法でも製造することができる。すなわち、界面活性剤溶液による洗浄ではなく、木質チップに紫外線を照射することによっても色素を除去することができる。
【0054】
第三の実施形態で使用する製造装置は、図4に示すように洗浄槽1と、洗浄槽1内の液を攪拌するスクリュー9と、洗浄槽1の中央部に位置する紫外線ランプ11を有するものである。洗浄槽1に連結されている排水管6や、その間に設けられているフィルター10、スクリュー9は、第二の実施形態の製造装置と同様のものである。紫外線ランプ11は、紫外線と同時にオゾンも発生するものが好ましい。紫外線と同時にオゾンを照射することにより、色素の除去率が高まる。具体的には、洗浄槽1に木質チップ7と水を入れて、スクリュー9によって攪拌しながら紫外線ランプ11で、紫外線を照射することによって、本発明の白色化木質チップを得る。なお、図4では、水中で木質チップ7に紫外線を照射する方法を示したが、空気中であっても同様に製造することができる。
【0055】
上述のごとく、得られた本発明の白色化木質チップは、さまざまな用途に適用でき、例えば、図5に示すように観賞魚の水槽12の水の浄化に適用することができる。すなわち、水槽12に連結する処理槽13を設け、その中に本発明の白色化木質チップ7を入れる。次いで、ポンプ14で、水槽12の水を処理槽13に送り込み、一定時間後、処理槽13に送り込んだ水が浄化されたら、コック15を開いて水を水槽12に戻す。もちろん、水槽12の水に着色はない。これによって、低コスト、省スペースの浄化システムが実現できる。また、この際、木質チップ7は、網目の大きさが0.2〜3mmのネット8に収めた浄化バッグ16として用いることが好ましい。ネット8は、水は通すが、木質チップ7は通さないため、処理槽自体にフィルターを設ける必要がなく、目詰まりや、観賞魚の水槽に流入する心配もない。
【0056】
なお、上述した製造装置、適用例は、本発明を実施するための一例であり、添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の製造装置を説明する図
【図2】循環ポンプの動きを説明する図
【図3】第二実施形態の製造装置を説明する図
【図4】第三実施形態の製造装置を説明する図
【図5】本発明の白色化木質チップの使用例を説明する図
【符号の説明】
1 洗浄槽
2 循環ポンプ
3 循環連絡パイプ
4a 仕切り版
4b 蓋部材
5 スチーム管
6 排水管
7 木質チップ
8 ネット
9 スクリュー
10 フィルター
11 紫外線ランプ
12 水槽
13 処理槽
14 ポンプ
15 コック
16 浄化バッグ

Claims (8)

  1. 水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップであって、木の色素の除去率が75〜95%である白色化木質チップ。
  2. 前記木質チップ中のリグニン含有率が3〜10重量%である請求項1に記載の白色化木質チップ。
  3. 前記木質チップの粒径が0.1〜30mmである請求項1又は2に記載の白色化木質チップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の白色化木質チップを、網目の大きさが0.2〜3mmのネットに収めてなる浄化バッグ。
  5. 水を浄化する微生物の培養基材となる木質チップを、0.5〜3重量%の界面活性剤溶液で、100℃以下、30分以上洗浄する白色化木質チップの製造方法。
  6. 界面活性剤溶液で洗浄後、漂白剤で漂白処理する請求項5に記載の白色化木質チップの製造方法。
  7. 前記界面活性剤溶液が、脂肪酸ナトリウムを水に溶解させたものである請求項5又は6に記載の白色化木質チップの製造方法。
  8. 前記漂白剤が、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素から選ばれる少なくとも一つである請求項6に記載の白色化木質チップの製造方法。
JP2003131860A 2003-05-09 2003-05-09 白色化木質チップ及びその製造方法 Pending JP2004330141A (ja)

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