JP2004329022A - 空気清浄機能付き灰皿 - Google Patents
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Abstract
【課題】タバコの煙に含まれる有害な成分を確実に回収し、しかも、室内の空気を効率的に浄化できる空気清浄機能付き灰皿を提供することにある。
【解決手段】本体1の上部には、吸殻27の投入口2とタバコの煙24の吸込口3とを備え、本体1内部における前記吸込口3の下方に、上方側から下方側に向けて空気の流れをつくる吸引ファン5を配置し、前記吸込口3と吸引ファン5との間には、光反応性半導体23を固着した多孔質体7を備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本体1の上部には、吸殻27の投入口2とタバコの煙24の吸込口3とを備え、本体1内部における前記吸込口3の下方に、上方側から下方側に向けて空気の流れをつくる吸引ファン5を配置し、前記吸込口3と吸引ファン5との間には、光反応性半導体23を固着した多孔質体7を備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、タバコの吸殻を回収するとともに、喫煙者から吐き出されるタバコの煙を吸引し、該煙の中に含有する有害な成分をフィルターで除去した後、浄化した空気を室内に循環する空気清浄機能付きの灰皿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスや店舗或いは公共施設等においては、喫煙を自粛する傾向にあり、このことから前述の各施設では、メインの空間から隔てた一区画に灰皿を設置し、そこを喫煙スペースとするものであった。
【0003】
しかしながら、タバコの煙の成分中には、有害な成分が多量に含まれており、仮に施設内に喫煙スペースを設けて分煙を心掛けた場合であっても、禁煙スペース側に煙が流れていき、このことから確実な効果を得られない不都合があった。そこで、灰皿に空気清浄機能を付加した製品が登場し、この製品は、灰皿の周囲に電気集塵フィルターを取り付け、このフィルターを介して本体内に備えた吸引ファンによって室内に漂う煙を吸気するものであった。このような製品の場合、煙の中に含まれる有害成分がフィルターの目よりも大きいことが条件となり、従って、それよりも小さな成分は前記フィルターの目を通過し、そのまま室内に送り出されることから、室内における確実な空気の浄化はなされなかった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−55425号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、タバコの煙に含まれる有害な成分を確実に回収し、しかも、室内の空気を効率的に浄化できる空気清浄機能付き灰皿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、本体の上部には、吸殻の投入口とタバコの煙の吸込口とを備え、本体内部における前記吸込口の下方に、上方側から下方側に向けて空気の流れをつくる吸引ファンを配置し、前記吸込口と吸引ファンとの間には、光反応性半導体を固着した多孔質体を備えていることを特徴とする。
【0007】
光反応性半導体とは、光の照射により活性化する物質であり、具体的には酸化チタン等が挙げられる。また光反応性半導体は、本体の外から差し込む自然光、或いは蛍光灯等の光で充分に活性化されるものであるが、万一、充分な照度が得られない場合には、該本体内にブラックライト等の補助的な光源を設置してもよい。また多孔質体は、化学的に安定した素材であり且つ多数の空隙が形成されるものであれば特に限定するものではなく、具体的には、セラミックやアルミニウムの繊維状物質を板状に固めたもの等が挙げられる。さらに本体内に、光反応性半導体を固着した多孔質体を設置するだけでも、タバコの煙中に含有するほぼ全ての有害成分の除去は可能であるが、例えば、吸込口の近傍に電気集塵フィルター等を取り付ければ、さしあたって、煙の中に含まれるニコチンやタール等の比較的大きな成分が取り除かれるため、一層効率的な有害成分の除去効果が期待できる。
【0008】
このように形成すると、室内に漂うタバコの煙を本体内の吸引ファンによって吸込口から吸気した際に、光反応性半導体を固着した多孔質体の各孔を通過する。この際、多孔質体の各孔を通過途中にある煙中の有害成分(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等)は、光反応性半導体の活性化によって酸化され、人体に無害な二酸化炭素や水等となって多孔質体に吸着し、さらに、前記多孔質体を通過した煙は浄化された後、前記吸引ファンから再び室内に循環される。
【0009】
また本発明のうち請求項2記載の発明は、前記投入口の下側には、消火装置を備えているので、万一、投入口において吸殻の火種が燻ったままの状態で捨てられた場合でも確実な消火がなされ、吸殻から室内への二次的な有害成分の排出を防止できる。
【0010】
消火装置は、投入口から捨てられた吸殻の火種を確実に消火できるものであればよく、具体的には、投入口の下側において水を満たした受け皿を設置したものでもよいし、或いは、投入口から捨てられた吸殻を下側で受け止めた後、並列に配置した二つの回転ローラー間において前記吸殻を巻き込みながら潰す作用を行なう構成のものでもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて以下に説明する。
本空気清浄機能付き灰皿は図1と図2のように、縦長で且つ箱形をなすと共に一側面が開閉する本体1と、該本体1の上部中央に備え且つ上面全体に目皿を具備した吸殻27の投入口2と、該投入口2の周りに設ける電気集塵フィルター4付きのタバコの煙24の吸込口3と、本体1内の該電気集塵フィルター4の下側に備えると共に酸化チタン23を塗工・焼成して得た多孔質セラミック板7と、該多孔質セラミック板7の下側に備え且つ酸化チタン23の塗工面を照らすブラックライト8と、該ブラックライト8の下側に備える風量調節の可能な吸引ファン5と、前記投入口2から落下した吸殻27を回収する消火装置9と、からなっている。
尚、符号18は、本灰皿の起動と停止の切り替えを手動又は自動で行うのかを選択するスイッチ。また符号19は吸引ファン5の風量調節ツマミ。また符号30は本体1の側面側を開閉する際に使用する把持部。そして符号31は本灰皿の電源ボタンである。
【0012】
本空気清浄機能付き灰皿の各構成部位について更に説明すると、本体1の上面側には、その中央に円形をなす目皿14付きの吸殻27の投入口2を備え、さらに投入口2の周りを囲むように、タバコの煙24を吸気するための吸込口3を設けている。次に本体1内の説明に移ると、該本体1内の中央には、前記投入口2から通じる吸殻27の排出路10が上下方向に連通しており、この排出路10の下側には、後で詳細に説明を行なうが、該排出路10を通って落下した吸殻27を受け止め、これを消火・回収する消火装置9を備えている。さらに、本体1内における吸込口3の下側に重なるように、ステンレス製のメッシュ板12が備えられており、さらにメッシュ板12と上下に間隔をあけた箇所には、電気集塵フィルター4を備えている。
尚、電気集塵フィルター4、メッシュ板12の本体1内への取り付けに際しては、該本体1の差込側以外の三方の内壁面に沿って、断面L字型の受金具17が上下に間隔をあけた2箇所に固定してあり、上側の受金具17にはメッシュ板12、下側には電気集塵フィルター4をそれぞれ出し入れ可能な状態で載置している。
【0013】
次に、本発明の要部となる多孔質セラミック板7及びブラックライト8の構成について、以下に説明する。
まず、多孔質セラミック板7について説明すると、この多孔質セラミック板7は、本体1内への出し入れを可能とするために、一方側に切欠を設け、これにより、投入口2が置かれた箇所の三方を囲むようなコ字型をなしている。一方の本体1内には、前述した電気集塵フィルター4やメッシュ板12と同様に、該メッシュ板12の差込側、つまり開閉部のある側以外の三方の周壁内面側に沿って、断面がL字型をなす受金具13が固定してあり、この受金具13の上に前記多孔質セラミック板7が出し入れ可能な状態で載置される。さらに前記多孔質セラミック板7は、該セラミック板7の全体、つまり多孔質の孔の細部に至るまでフッ素コーティングを施しており、これによって多孔質セラミック板7の抗菌作用が飛躍的に向上し、例えば、前記セラミック板7を取り出した後に定期的に水で濯ぐだけでも容易に清掃が行なえるものとなっている。
【0014】
次に、酸化チタン23を多孔質セラミック板7に固着する工程を説明すると、この工程は、二酸化チタン含有ゾル液を多孔質セラミック板7に塗工した後、これを乾燥凝固して被膜を形成し、さらにセラミック板7を焼成することで、多孔質セラミック板7の全体に亘り微細孔性の酸化チタンによる被膜を形成したものである。
【0015】
さらに、補助光源として使用するブラックライト8は、多孔質セラミック板7と同様に、一方側に排出路10用の切欠を有するコ字型をなしている。詳しくは、樹脂製の透明ケース内に、やや紫色を呈する光を発光する複数本の蛍光灯を配置したものである。そして、前記ブラックライト8を点灯した場合には、本体1内からの照り返しが極めて少なくなり、例えば、夜間や暗い室内で本灰皿を使用する場合であっても、喫煙者が眩しさを感じないように配慮できる。
尚、ブラックライト8は必ずしも設置するものではなく、本体1外から酸化チタン23の活性がなされる範囲内の波長の光が得られない場合を想定したものであり、あくまでも補助的な光源としての役割を果たすものである。
【0016】
ここで実際に、本発明の空気清浄機能付き灰皿の近くで喫煙した場合の作用について説明すると図3のように、喫煙者から吐き出されたタバコの煙24は、まず、吸引ファン5の起動によって、本体1内において上側から下側に向かう空気の流れを形成することで、前記煙24が吸込口3から吸い込まれた後、その下側に取り付けた電気集塵フィルター4を通る。この際、煙24の中に含有する成分のうちの比較的大きなものは、前記電気集塵フィルター4に吸着する。そして、前記電気集塵フィルター4を通過した煙24は多孔質セラミック板7に到達するが、この際には図4に示すように、前記多孔質セラミック板7に固着した酸化チタン23が、本体1から差し込む光、及びブラックライト8から照らされることで活性化し、ここで起こる酸化チタン23による光触媒作用によって、前記煙24中のホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等に代表される極めて微少な有害成分22を酸化し、この結果、反応後は二酸化炭素や水に変化する。そして、水等の気化物以外の反応後の成分は多孔質セラミック板7の各孔に吸着し、最終的に、煙24の中の有害成分を除去した状態で吸引ファン5側へ送り出すことになる。そして、吸引ファン5から送り出された空気は既に有害成分がほとんどなく浄化されており、人体に無害な状態で再び本体1底部側の開放部分Rから室内に放出される。
【0017】
以下に、本体1外から差し込む光、及びブラックライト8のからの光による酸化チタン23の触媒作用によって、多孔質セラミック板7において起こるタバコの煙24の各成分22の化学反応について示す。また(1)式に示すものは「ホルムアルデヒドの酸化反応」であり、(2)式は「アセトアルデヒドの酸化反応」、(3)式は「アンモニアガスの酸化反応」、(4)式は「エチレンの酸化反応」、(5)式は「トルエンの酸化反応」である。
尚、式中に示すh+は正孔、またe−は電子である。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
また本発明の空気清浄機能付き灰皿には、本体1内の底部側において、投入された吸殻27の消火装置9を具備しており、この消火装置9は図5のように、表面が凹凸面をなし且つ横置きした4本のローラー15a,15b,15c,15dをスクエア状をなす4箇所に配置している。そして前記4本の各ローラー15a,15b,15c,15dのうち、上下各2本のローラー15a,15b間には、当該各ローラー15a,15bに備えたプーリー28a,28b間においてターンベルト29が架け渡してあり、さらに前記ターンベルト29は、図示は省くが駆動モーターによって回転力を付与され、これにより、前記各ローラー15a,15bと凹凸面同士が噛み合っている他方側の各ローラー15c、15dも連動して、左右の各ローラー15a,15b及び15c,15dがそれぞれ内向きに回転する。そして、このように回転する各ローラー15a,15c間に吸殻27が落下した場合には、前記各ローラー15a,15c間に落下した前記吸殻27が巻き込まれるような状態で下方側に入り込み、この結果、当該各ローラー15a,15c間に押し潰される形となった吸殻27の火種は次第に揉み消されていき、前記吸殻27は確実に消火される。また消火後の吸殻27は、本体1底部側に引き出しのように出し入れ可能に備えられた受け皿16から取り出される。
【0024】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1記載の発明は、光触媒を利用してタバコの煙に含まれる有害な成分を酸化して無害なものとするので、汎用の電気集塵フィルターを通過するような微少な有害成分であっても確実に除去され、この結果、室内に浄化された空気を循環できる。
【0025】
本発明のうち請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、吸殻に残存する火種を確実に消火できるので、本体内での不意な火災の心配もなく、しかも、投入された吸殻が燻り続けることがないので、室内への二次的な有害成分の排出を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気清浄機能付き灰皿の全体を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線縦断面図である。
【図3】本発明の空気清浄機能付き灰皿の実際の作動状態を示す説明図である。
【図4】本発明の光反応性半導体と多孔質体の光触媒の作用を示す、図3中Bを拡大した説明図である。
【図5】本発明の消火装置の作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 投入口
3 吸込口
5 吸引ファン
7 多孔質セラミック板(多孔質体)
23 酸化チタン(光反応性半導体)
24 タバコの煙
27 吸殻
【産業上の利用分野】
本発明は、タバコの吸殻を回収するとともに、喫煙者から吐き出されるタバコの煙を吸引し、該煙の中に含有する有害な成分をフィルターで除去した後、浄化した空気を室内に循環する空気清浄機能付きの灰皿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスや店舗或いは公共施設等においては、喫煙を自粛する傾向にあり、このことから前述の各施設では、メインの空間から隔てた一区画に灰皿を設置し、そこを喫煙スペースとするものであった。
【0003】
しかしながら、タバコの煙の成分中には、有害な成分が多量に含まれており、仮に施設内に喫煙スペースを設けて分煙を心掛けた場合であっても、禁煙スペース側に煙が流れていき、このことから確実な効果を得られない不都合があった。そこで、灰皿に空気清浄機能を付加した製品が登場し、この製品は、灰皿の周囲に電気集塵フィルターを取り付け、このフィルターを介して本体内に備えた吸引ファンによって室内に漂う煙を吸気するものであった。このような製品の場合、煙の中に含まれる有害成分がフィルターの目よりも大きいことが条件となり、従って、それよりも小さな成分は前記フィルターの目を通過し、そのまま室内に送り出されることから、室内における確実な空気の浄化はなされなかった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−55425号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、タバコの煙に含まれる有害な成分を確実に回収し、しかも、室内の空気を効率的に浄化できる空気清浄機能付き灰皿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、本体の上部には、吸殻の投入口とタバコの煙の吸込口とを備え、本体内部における前記吸込口の下方に、上方側から下方側に向けて空気の流れをつくる吸引ファンを配置し、前記吸込口と吸引ファンとの間には、光反応性半導体を固着した多孔質体を備えていることを特徴とする。
【0007】
光反応性半導体とは、光の照射により活性化する物質であり、具体的には酸化チタン等が挙げられる。また光反応性半導体は、本体の外から差し込む自然光、或いは蛍光灯等の光で充分に活性化されるものであるが、万一、充分な照度が得られない場合には、該本体内にブラックライト等の補助的な光源を設置してもよい。また多孔質体は、化学的に安定した素材であり且つ多数の空隙が形成されるものであれば特に限定するものではなく、具体的には、セラミックやアルミニウムの繊維状物質を板状に固めたもの等が挙げられる。さらに本体内に、光反応性半導体を固着した多孔質体を設置するだけでも、タバコの煙中に含有するほぼ全ての有害成分の除去は可能であるが、例えば、吸込口の近傍に電気集塵フィルター等を取り付ければ、さしあたって、煙の中に含まれるニコチンやタール等の比較的大きな成分が取り除かれるため、一層効率的な有害成分の除去効果が期待できる。
【0008】
このように形成すると、室内に漂うタバコの煙を本体内の吸引ファンによって吸込口から吸気した際に、光反応性半導体を固着した多孔質体の各孔を通過する。この際、多孔質体の各孔を通過途中にある煙中の有害成分(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等)は、光反応性半導体の活性化によって酸化され、人体に無害な二酸化炭素や水等となって多孔質体に吸着し、さらに、前記多孔質体を通過した煙は浄化された後、前記吸引ファンから再び室内に循環される。
【0009】
また本発明のうち請求項2記載の発明は、前記投入口の下側には、消火装置を備えているので、万一、投入口において吸殻の火種が燻ったままの状態で捨てられた場合でも確実な消火がなされ、吸殻から室内への二次的な有害成分の排出を防止できる。
【0010】
消火装置は、投入口から捨てられた吸殻の火種を確実に消火できるものであればよく、具体的には、投入口の下側において水を満たした受け皿を設置したものでもよいし、或いは、投入口から捨てられた吸殻を下側で受け止めた後、並列に配置した二つの回転ローラー間において前記吸殻を巻き込みながら潰す作用を行なう構成のものでもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて以下に説明する。
本空気清浄機能付き灰皿は図1と図2のように、縦長で且つ箱形をなすと共に一側面が開閉する本体1と、該本体1の上部中央に備え且つ上面全体に目皿を具備した吸殻27の投入口2と、該投入口2の周りに設ける電気集塵フィルター4付きのタバコの煙24の吸込口3と、本体1内の該電気集塵フィルター4の下側に備えると共に酸化チタン23を塗工・焼成して得た多孔質セラミック板7と、該多孔質セラミック板7の下側に備え且つ酸化チタン23の塗工面を照らすブラックライト8と、該ブラックライト8の下側に備える風量調節の可能な吸引ファン5と、前記投入口2から落下した吸殻27を回収する消火装置9と、からなっている。
尚、符号18は、本灰皿の起動と停止の切り替えを手動又は自動で行うのかを選択するスイッチ。また符号19は吸引ファン5の風量調節ツマミ。また符号30は本体1の側面側を開閉する際に使用する把持部。そして符号31は本灰皿の電源ボタンである。
【0012】
本空気清浄機能付き灰皿の各構成部位について更に説明すると、本体1の上面側には、その中央に円形をなす目皿14付きの吸殻27の投入口2を備え、さらに投入口2の周りを囲むように、タバコの煙24を吸気するための吸込口3を設けている。次に本体1内の説明に移ると、該本体1内の中央には、前記投入口2から通じる吸殻27の排出路10が上下方向に連通しており、この排出路10の下側には、後で詳細に説明を行なうが、該排出路10を通って落下した吸殻27を受け止め、これを消火・回収する消火装置9を備えている。さらに、本体1内における吸込口3の下側に重なるように、ステンレス製のメッシュ板12が備えられており、さらにメッシュ板12と上下に間隔をあけた箇所には、電気集塵フィルター4を備えている。
尚、電気集塵フィルター4、メッシュ板12の本体1内への取り付けに際しては、該本体1の差込側以外の三方の内壁面に沿って、断面L字型の受金具17が上下に間隔をあけた2箇所に固定してあり、上側の受金具17にはメッシュ板12、下側には電気集塵フィルター4をそれぞれ出し入れ可能な状態で載置している。
【0013】
次に、本発明の要部となる多孔質セラミック板7及びブラックライト8の構成について、以下に説明する。
まず、多孔質セラミック板7について説明すると、この多孔質セラミック板7は、本体1内への出し入れを可能とするために、一方側に切欠を設け、これにより、投入口2が置かれた箇所の三方を囲むようなコ字型をなしている。一方の本体1内には、前述した電気集塵フィルター4やメッシュ板12と同様に、該メッシュ板12の差込側、つまり開閉部のある側以外の三方の周壁内面側に沿って、断面がL字型をなす受金具13が固定してあり、この受金具13の上に前記多孔質セラミック板7が出し入れ可能な状態で載置される。さらに前記多孔質セラミック板7は、該セラミック板7の全体、つまり多孔質の孔の細部に至るまでフッ素コーティングを施しており、これによって多孔質セラミック板7の抗菌作用が飛躍的に向上し、例えば、前記セラミック板7を取り出した後に定期的に水で濯ぐだけでも容易に清掃が行なえるものとなっている。
【0014】
次に、酸化チタン23を多孔質セラミック板7に固着する工程を説明すると、この工程は、二酸化チタン含有ゾル液を多孔質セラミック板7に塗工した後、これを乾燥凝固して被膜を形成し、さらにセラミック板7を焼成することで、多孔質セラミック板7の全体に亘り微細孔性の酸化チタンによる被膜を形成したものである。
【0015】
さらに、補助光源として使用するブラックライト8は、多孔質セラミック板7と同様に、一方側に排出路10用の切欠を有するコ字型をなしている。詳しくは、樹脂製の透明ケース内に、やや紫色を呈する光を発光する複数本の蛍光灯を配置したものである。そして、前記ブラックライト8を点灯した場合には、本体1内からの照り返しが極めて少なくなり、例えば、夜間や暗い室内で本灰皿を使用する場合であっても、喫煙者が眩しさを感じないように配慮できる。
尚、ブラックライト8は必ずしも設置するものではなく、本体1外から酸化チタン23の活性がなされる範囲内の波長の光が得られない場合を想定したものであり、あくまでも補助的な光源としての役割を果たすものである。
【0016】
ここで実際に、本発明の空気清浄機能付き灰皿の近くで喫煙した場合の作用について説明すると図3のように、喫煙者から吐き出されたタバコの煙24は、まず、吸引ファン5の起動によって、本体1内において上側から下側に向かう空気の流れを形成することで、前記煙24が吸込口3から吸い込まれた後、その下側に取り付けた電気集塵フィルター4を通る。この際、煙24の中に含有する成分のうちの比較的大きなものは、前記電気集塵フィルター4に吸着する。そして、前記電気集塵フィルター4を通過した煙24は多孔質セラミック板7に到達するが、この際には図4に示すように、前記多孔質セラミック板7に固着した酸化チタン23が、本体1から差し込む光、及びブラックライト8から照らされることで活性化し、ここで起こる酸化チタン23による光触媒作用によって、前記煙24中のホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等に代表される極めて微少な有害成分22を酸化し、この結果、反応後は二酸化炭素や水に変化する。そして、水等の気化物以外の反応後の成分は多孔質セラミック板7の各孔に吸着し、最終的に、煙24の中の有害成分を除去した状態で吸引ファン5側へ送り出すことになる。そして、吸引ファン5から送り出された空気は既に有害成分がほとんどなく浄化されており、人体に無害な状態で再び本体1底部側の開放部分Rから室内に放出される。
【0017】
以下に、本体1外から差し込む光、及びブラックライト8のからの光による酸化チタン23の触媒作用によって、多孔質セラミック板7において起こるタバコの煙24の各成分22の化学反応について示す。また(1)式に示すものは「ホルムアルデヒドの酸化反応」であり、(2)式は「アセトアルデヒドの酸化反応」、(3)式は「アンモニアガスの酸化反応」、(4)式は「エチレンの酸化反応」、(5)式は「トルエンの酸化反応」である。
尚、式中に示すh+は正孔、またe−は電子である。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
また本発明の空気清浄機能付き灰皿には、本体1内の底部側において、投入された吸殻27の消火装置9を具備しており、この消火装置9は図5のように、表面が凹凸面をなし且つ横置きした4本のローラー15a,15b,15c,15dをスクエア状をなす4箇所に配置している。そして前記4本の各ローラー15a,15b,15c,15dのうち、上下各2本のローラー15a,15b間には、当該各ローラー15a,15bに備えたプーリー28a,28b間においてターンベルト29が架け渡してあり、さらに前記ターンベルト29は、図示は省くが駆動モーターによって回転力を付与され、これにより、前記各ローラー15a,15bと凹凸面同士が噛み合っている他方側の各ローラー15c、15dも連動して、左右の各ローラー15a,15b及び15c,15dがそれぞれ内向きに回転する。そして、このように回転する各ローラー15a,15c間に吸殻27が落下した場合には、前記各ローラー15a,15c間に落下した前記吸殻27が巻き込まれるような状態で下方側に入り込み、この結果、当該各ローラー15a,15c間に押し潰される形となった吸殻27の火種は次第に揉み消されていき、前記吸殻27は確実に消火される。また消火後の吸殻27は、本体1底部側に引き出しのように出し入れ可能に備えられた受け皿16から取り出される。
【0024】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1記載の発明は、光触媒を利用してタバコの煙に含まれる有害な成分を酸化して無害なものとするので、汎用の電気集塵フィルターを通過するような微少な有害成分であっても確実に除去され、この結果、室内に浄化された空気を循環できる。
【0025】
本発明のうち請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、吸殻に残存する火種を確実に消火できるので、本体内での不意な火災の心配もなく、しかも、投入された吸殻が燻り続けることがないので、室内への二次的な有害成分の排出を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気清浄機能付き灰皿の全体を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線縦断面図である。
【図3】本発明の空気清浄機能付き灰皿の実際の作動状態を示す説明図である。
【図4】本発明の光反応性半導体と多孔質体の光触媒の作用を示す、図3中Bを拡大した説明図である。
【図5】本発明の消火装置の作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 投入口
3 吸込口
5 吸引ファン
7 多孔質セラミック板(多孔質体)
23 酸化チタン(光反応性半導体)
24 タバコの煙
27 吸殻
Claims (2)
- 本体(1)の上部には、吸殻(27)の投入口(2)とタバコの煙(24)の吸込口(3)とを備え、
本体(1)内部における前記吸込口(3)の下方に、上方側から下方側に向けて空気の流れをつくる吸引ファン(5)を配置し、
前記吸込口(3)と吸引ファン(5)との間には、光反応性半導体(23)を固着した多孔質体(7)を備えていることを特徴とする空気清浄機能付き灰皿。 - 前記投入口(2)の下側には、吸殻(27)の消火装置(9)を備えていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機能付き灰皿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003125588A JP2004329022A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 空気清浄機能付き灰皿 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003125588A JP2004329022A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 空気清浄機能付き灰皿 |
Publications (1)
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JP2004329022A true JP2004329022A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33502809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003125588A Pending JP2004329022A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 空気清浄機能付き灰皿 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004329022A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202005005739U1 (de) * | 2005-04-11 | 2006-08-24 | Thielemann, Frank | Nichtraucherschutzvorrichtung |
KR101590067B1 (ko) * | 2015-06-11 | 2016-01-29 | 이동학 | 냄새 제거 가능한 담배꽁초 처리장치 |
KR101588553B1 (ko) * | 2015-03-19 | 2016-01-29 | 채승석 | 자동 소화식 위생 재떨이 |
CN108323809A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-07-27 | 王步熬 | 一种智能烟灰缸 |
CN108634381A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-10-12 | 王步熬 | 一种烟灰缸 |
KR102560017B1 (ko) * | 2022-11-21 | 2023-07-26 | 주식회사 바이오숨 | 미생물 발효담체를 활용한 담배꽁초처리장치 |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003125588A patent/JP2004329022A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108634381A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-10-12 | 王步熬 | 一种烟灰缸 |
CN108323809B (zh) * | 2018-03-27 | 2020-11-17 | 王步熬 | 一种智能烟灰缸 |
CN108634381B (zh) * | 2018-03-27 | 2020-11-17 | 王步熬 | 一种烟灰缸 |
KR102560017B1 (ko) * | 2022-11-21 | 2023-07-26 | 주식회사 바이오숨 | 미생물 발효담체를 활용한 담배꽁초처리장치 |
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