JP2004328627A - ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得システム及びプロジェクションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】フレアの影響を考慮することで、ガンマ特性の高精度化をはかることが可能な、ガンマ特性の取得方法を提供する。
【解決手段】画像投影部から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する工程S2と、撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成する工程S3と、画像投影手段から投影されたフレア影響低減パターンを撮影する工程S4と、撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、画像投影部のガンマ特性を算出する工程S5と、を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】画像投影部から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する工程S2と、撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成する工程S3と、画像投影手段から投影されたフレア影響低減パターンを撮影する工程S4と、撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、画像投影部のガンマ特性を算出する工程S5と、を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得装置及びプロジェクションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタからスクリーン上に画像を投影して表示を行うプロジェクションシステムでは、画像品質を高めるために各種の補正処理が必要である(例えば、特許文献1参照)。そのため、スクリーン上にキャリブレーション用の画像(キャリブレーションパターン)を投影し、それをキャリブレーションカメラで撮影して、得られた画像データに基づいて各種の補正を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−72359号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタのガンマ特性(γ特性)を測定する場合、測定対象の輝度分布が一様でないとフレアの影響を大きく受け、その結果、ガンマ特性の精度低下の要因となる。しかしながら、従来はフレアの影響について適切な対策がなされていなかった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に対してなされたものであり、フレアの影響を考慮することで、ガンマ特性の高精度化をはかることが可能な、ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得装置及びプロジェクションシステムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガンマ特性の取得方法は、画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する工程と、前記撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成する工程と、前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンを撮影する工程と、前記撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
前記発明の好ましい態様は、以下の通りである。
【0008】
・前記フレア影響低減パターンが所定の条件を満たしているか否かを判断する工程をさらに備え、前記フレア影響低減パターンが所定の条件を満たしていると判断されるまで、前記フレア影響低減パターンを前記キャリブレーションパターンとして、前記キャリブレーションパターンを撮影する工程から前記フレア影響低減パターンを撮影する工程までを繰り返す。
【0009】
・前記フレア影響低減パターンは、前記画像投影手段の画素毎又は複数の画素からなるブロック毎に階調が設定されたものである。
【0010】
・前記画像投影手段は複数のプロジェクタからなり、前記フレア影響低減パターンは、前記複数のプロジェクタから投影される画像のオーバーラップ領域では同一階調が設定される。
【0011】
本発明に係るガンマ特性の取得システムは、画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影手段と、前記画像撮影手段で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成するフレア影響低減パターン作成手段と、前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンの前記画像撮影手段による撮影画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出するガンマ特性算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプロジェクションシステムは、画像を投影する画像投影手段と、前記画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影手段と、前記画像撮影手段で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成するフレア影響低減パターン作成手段と、前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンの前記画像撮影手段による撮影画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出するガンマ特性算出手段と、前記ガンマ特性算出手段で算出されたガンマ特性を用いて、入力画像信号を前記画像投影手段に供給される出力画像信号に変換する画像変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を説明するための説明図である。
【0015】
図1に示すように、本プロジェクションシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)1、プロジェクタ2、スクリーン3及びキャリブレーション用のカメラ4によって構成されている。
【0016】
パーソナルコンピュータ1は、システム全体の制御を行う他、後述するような各種の演算及び処理機能を備えている。プロジェクタ2は、パーソナルコンピュータ1からの信号に基づき、通常の静止画や動画の他、キャリブレーション時にはキャリブレーション用の画像(キャリブレーションパターン)をスクリーン3に投影する。このプロジェクタ2には、LCDプロジェクタやDLPプロジェクタを用いることが可能である。キャリブレーションカメラ4は、プロジェクタ2からスクリーン3上に投影されたキャリブレーションパターンを撮影するものであり、撮影によって得られた画像データはパーソナルコンピュータ1に送られ、パーソナルコンピュータ1によって各種画像補正データが算出される。カメラ4には、デジタル式のカメラ、例えばマルチバンド型のキャリブレーションカメラ(特願2002−160475号明細書に詳述されている)を用いることが可能である。
【0017】
図2は、本発明の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。
【0018】
基本的な構成は通常のプロジェクションシステムと同様であり、システム全体の制御を行う制御部10、画像投影部21から画像を投影して表示を行う画像表示部20、キャリブレーションパターン(キャリブレーション用の画像)を生成するキャリブレーションパターン生成部30、画像表示部20で表示されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影部40、撮影されたキャリブレーションパターンに基づいて各種画像補正データを算出する画像補正データ算出部50、及び算出された画像補正データを用いて入力画像データを出力画像データに変換する画像変換部60を備えている。
【0019】
本実施形態では、キャリブレーションパターン生成部30がフレア影響低減パターン作成部31を備えており、フレア影響低減パターン作成部31では、画像撮影部40で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのパターン(フレア影響低減パターン)及びフレア影響低減パターンに関する情報(フレア影響低減パターン情報)を作成する。また、画像補正データ算出部50が、ガンマ特性(γ特性)データ算出部51を備えており、ガンマ特性データ算出部51では、フレア影響低減パターンの撮影画像及びフレア影響低減パターン情報に基づいて、ガンマ特性が算出される。画像変換部60では、画像補正データ算出部50からのガンマ特性データに基づき、入力画像信号を出力画像信号にガンマ変換して画像表示部20の画像投影部21に供給する。なお、フレアには、プロジェクタやキャリブレーションカメラ等に起因したフレアが含まれ、フレア影響低減パターンには、後述するように、スクリーンに投影したキャリブレーション用パターンをキャリブレーションカメラで撮影したときに、撮影画像の明るさが均一化されるようなパターンが含まれる。
【0020】
なお、本実施形態では、制御部10、キャリブレーションパターン生成部30、画像補正データ算出部50及び画像変換部60の機能が、図1に示したパーソナルコンピュータ1に含まれている。また、画像表示部20には図1に示したプロジェクタ2及びスクリーン3が含まれ、画像投影部21にプロジェクタ2が対応する。さらに、画像撮影部40は、図1に示したキャリブレーション用のカメラ4に対応する。また、図2に示した構成要素のうち、破線内に示した、制御部10、キャリブレーションパターン生成部30、画像撮影部40、画像補正データ算出部50及び画像変換部60が、ガンマ特性の取得システムに対応している。
【0021】
以下、上述したプロジェクションシステムを用いたガンマ特性取得方法の基本的なステップを、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0022】
まず、画像表示部20において基準パターンが表示される。具体的には、図1に示したプロジェクタ2からスクリーン3に基準パターン(基準のキャリブレーションパターン)が投影される(S1)。投影された基準パターンは、画像撮影部40(図1ではキャリブレーションカメラ4)によって撮影される(S2)。撮影された基準パターンの画像は、キャリブレーションパターン生成部30に送られ、フレア影響低減パターン作成部31によってフレア影響低減パターンが作成される(S3)。作成されたフレア影響低減パターンは、プロジェクタからスクリーンに投影され、投影されたフレア影響低減パターンは、画像撮影部40によって撮影される(S4)。画像補正データ算出部50では、撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、プロジェクタ2のガンマ特性を算出する(S5)。
【0023】
図4は、画像撮影部(キャリブレーションカメラ)40による基準パターンの撮影画像(図4(a))と、フレア影響低減パターン作成部31によって作成されたフレア影響低減パターン(図4(b))との関係を説明するための図である。
【0024】
通常のプロジェクタ特性は、中心部から周辺部に向かって、しだいに明るさが低下する傾向にある。そのため、キャリブレーションカメラで撮影したときの画像も、図4(a)に示すように、中心部Acから周辺部Apに向かって明るさがしだいに低下する。そこで、基準パターンの撮影画像に基づいて、キャリブレーションカメラで撮影したときの明るさが均一化されるようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成し、すなわち、図4(b)に示すように、中心部Bcから周辺部Bpに向かって信号強度がしだいに高くなる(階調がしだいに高くなる)ようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成し、このフレア影響低減パターンをプロジェクタからスクリーンに投影する。これにより、フレアの影響が低減され、精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。なお、キャリブレーションカメラやスクリーンのシェーディング特性を補正する場合には、予め補正処理を行っておいてもよいが、フレア影響低減パターンを作成する際にシェーディング特性を考慮するようにしてもよい。
【0025】
図5は、本実施形態のガンマ特性取得方法を、従来のガンマ特性取得方法と対比して示した図である。
【0026】
図5(a)に示すように、プロジェクタ内の座標位置P、Qが異なると、入力階調に対する明るさの関係も、座標位置P、Qに応じて異なったものとなる。従来の方法では、図5(b)に示すように、全ての座標位置(図では、代表してP、Qのみ示している)すなわち全ての測定対象位置で入力階調を同一にして明るさを測定していた。本実施形態の方法では、図5(c)に示すように、全ての測定対象位置で撮影画像の明るさが均一になるようにフレア影響低減パターンを作成している。具体的には、本実施形態では、測定対象位置を画素単位或いは複数の画素からなるブロック単位に設定し、測定対象位置毎に適切な測定階調を設定するようにしている。これにより、キャリブレーションカメラで撮影したときの明るさが均一化され、フレアの影響を低減することができる。各測定対象位置における測定階調及び測定階調数は、フレア影響低減パターン情報として保存され、ガンマ特性を算出する際に用いられる。
【0027】
図6は、図3に示したガンマ特性取得方法の基本的なステップの変更例を示したフローチャートである。
【0028】
図3に示した方法では、基準パターンの撮影画像から得られたフレア影響低減パターンを撮影した後、直ちにプロジェクタガンマ特性を算出するようにしたが、より高い精度が要求される場合には、フレア影響低減パターンの撮影画像から新たなフレア影響低減パターンを作成し、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件が満たされるまで、上述したのと同様の処理を繰り返すようにしてもよい。図6に示した例では、フレア影響低減パターンを撮影した後、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が所定の条件を満たしているか否かを判断し(S6)、所定の条件が満たされるまで、S2〜S4のステップを繰り返すようにしている。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、キャリブレーションパターンの撮影画像画像に基づいてフレア影響低減パターンを作成し、このフレア影響低減パターンの撮影画像を用いてガンマ特性を算出している。したがって、プロジェクタやキャリブレーションカメラのフレアの影響が低減された精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。これにより、カラー画像の色再現性の向上等、プロジェクションシステムの画質の向上をはかることができる。また、フレア影響低減パターンの撮影画像が所定の条件を満たすまで、フレア影響低減パターンの作成及び撮影を繰り返すことで、より精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。
【0030】
以下、本実施形態をより詳細に説明する。
【0031】
図7は、図2に示した画像表示部20、キャリブレーションパターン生成部30、画像撮影部40及び画像補正データ算出部50の機能をより詳細に示したブロック図である。
【0032】
キャリブレーションパターン生成部30は、制御部10(図2参照)から基準階調信号(例えば、第0階調、第16階調、第32階調、………、第255階調)を入力し、基準階調信号に基づいて生成された基準階調パターンの情報を画像表示部20に出力する。画像表示部20では、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影された基準階調パターンを撮影して保存し、基準階調パターンの撮影画像をキャリブレーションパターン生成部30内のフレア影響低減パターン作成部31に送出する。画像撮影部40で撮影された基準階調パターンの画像は、例えば図4(a)に示したように、フレアの影響が反映されたものとなっている。
【0033】
フレア影響低減パターン作成部31では、基準階調パターン撮影画像に基づいてフレア影響低減パターンを作成する。フレア影響低減パターンは、例えば図4(b)に示したように、基準階調パターン撮影画像の明るさが相対的に明るい部分では信号強度を相対的に弱く、基準階調パターン撮影画像の明るさが相対的に暗い部分では信号強度を相対的に強くしたものである。例えば、基準階調パターンの階調が第L階調である場合、撮影画像の明るさが明るい部分では第L階調よりも低い階調が設定され、撮影画像の明るさが暗い部分では第L階調よりも高い階調が設定される。また、フレア影響低減パターン作成部31には、フレア影響低減パターンに関する情報(例えば、プロジェクタ画面内の各座標位置と各座標位置に対して設定された階調との関係等)がフレア影響低減パターン情報として保存される。
【0034】
画像表示部20は、フレア影響低減パターン作成部31からフレア影響低減パターンを入力し、プロジェクタからスクリーンにフレア影響低減パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影されたフレア影響低減パターンを撮影して保存し、フレア影響低減パターンの撮影画像を画像補正データ算出部50内のガンマ特性データ算出部51に送出する。
【0035】
ガンマ特性データ算出部51では、画像撮影部40からのフレア影響低減パターン撮影画像及びフレア影響低減パターン作成部31からのフレア影響低減パターン情報に基づいてガンマ特性データを算出する。必要に応じて、ガンマ特性データに所定の補正処理を行うようにしてもよい。算出されたガンマ特性データは、画像変換部60(図2参照)に送出される。
【0036】
なお、図7に示した例は、プロジェクタの画素位置とキャリブレーションカメラの画素位置との関係が予めわかっている場合であるが、そのような関係が既知でない場合には、十字マーカー等を有するパターンを撮影し、パターンマッチング等の手法によって位置関係を算出し、算出された位置関係の情報をフレア影響低減パターンの作成時に用いるようにしてもよい。
【0037】
図8及び図9は、本実施形態の動作をより詳細に説明したフローチャートである。
【0038】
まず、プロジェクタのガンマ特性の測定ステップを、図8に示したフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、以下のループ処理を実行するために、本プロジェクションシステムで用いる原色(赤(R)、緑(G)及び青(B))の原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)を設定する(S101)。続いて、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)を設定する(S102)。
【0040】
次に、原色iの基準測定階調L(j)(L(j)=0、16、32、………、255)に対応した基準パターンを画像表示部20に表示する。すなわち、画像表示部20において、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する(S103)。続いて、投影された基準測定階調L(j)の基準パターンをキャリブレーションパターンとして、キャリブレーションカメラ(画像撮影部20)でプレ撮影する(S104)。
【0041】
次に、フレア影響低減パターン作成部31により、撮影されたキャリブレーションパターンの画像からフレア影響低減パターンを作成し(S105)、さらにフレア影響低減パターン情報を更新する(S106)。続いて、作成されたフレア影響低減パターンを画像表示部20のプロジェクタからスクリーンに投影し(S107)、投影されたフレア影響低減パターンをキャリブレーションカメラでプレ撮影する(S108)。さらに、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件を満たしているか否かを判断する(S109)。所定の条件を満たしていない場合には、現在のフレア影響低減パターンを新たなキャリブレーションパターンとして、S105のステップに戻り、再度S105〜S109までのステップを実行する。所定の条件を満たしていると判断された場合には、その時点で設定されているフレア影響低減パターンを再度キャリブレーションカメラで撮影し、撮影された画像のデータをファイルに保存する(S110)。
【0042】
測定階調番号jについての処理を終了した後、j=j+1として、S102のステップに戻り(S111)、上述した処理と同様にして、S102〜S110までのステップを実行する。さらに、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S101のステップに戻り(S112)、上述した処理と同様にして、S101〜S111までのステップを実行する。このようにして、全ての原色について上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性測定ステップが終了する。
【0043】
次に、プロジェクタのガンマ特性の算出ステップを、図9に示したフローチャートを参照して説明する。
【0044】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)を設定する(S121)。続いて、プロジェクタの画素数P(例えば、P=1280×1024=1310720)、画素番号k(k=1〜1310720)を設定する(S122)。さらに、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)を設定する(S123)。
【0045】
次に、測定階調番号jについて、図8に示したプロジェクタのガンマ特性測定ステップで設定されたフレア影響低減パターン情報を参照し(S124)、フレア影響低減パターン撮影画像の画像データを読み込む(S125)。さらに、j=j+1として、これらのS124及びS125の処理を繰り返す(S126)。続いて、得られた各階調の測定データに対して線形補間処理を行う(S127)。これにより、原色番号iのプロジェクタ画素番号kについてのガンマ特性データが算出される。さらに、算出されたガンマ特性データを保存する(S128)。
【0046】
プロジェクタ画素番号kについての処理を終了した後、k=k+1として、S122のステップに戻り(S129)、上述した処理と同様にして、S122〜S128までのステップを実行する。さらに、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S121のステップに戻り(S130)、上述した処理と同様にして、S121〜S129までのステップを実行する。このようにして、全ての原色について上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性算出ステップが終了する。
【0047】
なお、図8及び図9に示した処理では、測定対象位置を1画素単位で設定したが、すでに述べたように、複数の画素からなるブロック単位で測定対象位置を設定するようにしてもよい。
【0048】
(実施形態2)
図10は、本実施形態に係るプロジェクションシステム(マルチプロジェクションシステム)の概略構成を説明するための説明図である。基本的な構成は図1に示した第1の実施形態の構成と同様であり、図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の参照番号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0049】
本実施形態では、図10に示すように、画像投影手段として2台のプロジェクタ2a及び2bを用いている。プロジェクタ2a及び2bからスクリーン3に投影された各画像は、画像間で繋ぎ目を有するようにして(オーバーラップするようにして)、スクリーン3上で一つの画像として合成される。なお、図に示した例では、2台のプロジェクタを横方向に配置しているが、プロジェクタの台数や配置の仕方は種々変更可能である。また、パーソナルコンピュータ1とプロジェクタ2a及び2bとの間に画像出力装置5を設け、この画像出力装置5を介してパーソナルコンピュータ1からプロジェクタ2a及び2bに画像情報等が送られる。なお、画像出力装置5を用いる代わりに、複数台のパーソナルコンピュータを用いる、或いは、マルチチャンネル出力可能なグラフィックボードを有するパーソナルコンピュータを用いるようにしてもよい。
【0050】
図11は、本発明の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。基本的な構成は図2に示した第1の実施形態の構成と同様であり、図2に示した構成要素と対応する構成要素には同一の参照番号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、図11に示すように、図2に示した第1の実施形態の構成に加え、画像補正データ算出部50が幾何補正データ算出部52を備えている。この幾何補正データ算出部52では、プロジェクタ2a及び2bから投影される画像の投影位置を補正するための幾何補正処理が行われる。また、本実施形態では、主として画像変換部60の少なくとも一部の機能が、図10に示した画像出力装置5によって実現される。
【0052】
本実施形態の基本的なフレア低減方法は、第1の実施形態で述べた方法と同様であるが、本実施形態では、複数のプロジェクタから投影された画像にオーバーラップ領域が生じるため、このオーバーラップ領域に対して第1の実施形態にはない処理を行っている。
【0053】
図12は、画像撮影部(キャリブレーションカメラ)40による基準パターンの撮影画像(図12(a))と、フレア影響低減パターン作成部31によって作成されたフレア影響低減パターン(図12(b))との関係を説明するための図である。
【0054】
第1の実施形態でも説明したように、通常のプロジェクタ特性は、中心部から周辺部に向かってしだいに明るさが低下する傾向にあるため、プロジェクタ2a及び2bによってスクリーン3に投影された基準パターンの撮影画像も、図12(a)に示すように、中心部から周辺部に向かって明るさがしだいに低下する。また、同じ入力階調に基づく画像画像を投影した場合、一般的にプロジェクタ2aとプロジェクタ2bの明るさは異なり、またオーバーラップ領域での明るさはプロジェクタ2aとプロジェクタ2bの明るさを加算したものとなる(ただし、プロジェクタ2a及び2bとスクリーン3との間に光学的な遮光板が設けられている場合には、加算された明るさになるとは限らない)。
【0055】
本実施形態では、オーバーラップ領域以外の領域については、第1の実施形態と同様、基準パターンの撮影画像に基づいて、キャリブレーションカメラで撮影したときの明るさが均一化されるようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成する。すなわち、図4(b)に示すように、中心部から周辺部に向かって信号強度がしだいに高くなる(階調がしだいに高くなる)ようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成し、このフレア影響低減パターンをプロジェクタからスクリーンに投影する。
【0056】
ただし、オーバーラップ領域については、オーバーラップ領域を目立たなくする、すなわち繋ぎ目を目立たなくするための補正処理が必要である。そのため、オーバーラップ領域についてまでフレアの影響を低減するための処理を施そうとすると、オーバーラップ領域での演算処理が極めて複雑になり、フレアの影響を低減することを優先すると、繋ぎ目が目立って、かえって全体の表示品質の劣化を招くおそれがある。また、オーバーラップ領域の幅は一般的に狭く、フレアがあってもその影響は比較的少ない。そこで、本実施形態では、オーバーラップ領域以外の領域については、第1の実施形態と同様の方法によってフレアの影響が低減されたパターンを作成し、オーバーラップ領域については、プロジェクタ2a及びプロジェクタ2bに同じ信号を与え、オーバーラップ領域全体に同一の基準階調信号を設定している。
【0057】
以下、本実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップを、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
まず、画像表示部20において幾何補正パターンが表示される。具体的には、図10に示したプロジェクタ2a及び2bそれぞれから、スクリーン3に幾何補正パターンが投影される(S11)。投影されたそれぞれの幾何補正パターンは、画像撮影部40(図10ではキャリブレーションカメラ4)によって撮影される(S12)。撮影された幾何補正パターンの画像は、画像補正データ算出部50に送られ、幾何補正データ算出部52によって、プロジェクタ2a及び2bから投影された画像の投影位置を補正するための幾何補正データが算出される(S13)。
【0059】
次に、画像表示部20において基準パターンが表示される。具体的には、図10に示したプロジェクタ2a及び2bからスクリーン3に基準パターン(基準のキャリブレーションパターン)が投影される(S14)。投影された基準パターンは、画像撮影部40(図1ではキャリブレーションカメラ4)によって撮影される(S15)。撮影された基準パターンの画像は、キャリブレーションパターン生成部30に送られ、フレア影響低減パターン作成部31によってフレア影響低減パターンが作成される。このフレア影響低減パターン作成ステップについては、図14を用いて後述する(S16)。フレア影響低減パターンは、プロジェクタからスクリーンに投影され、投影されたフレア影響低減パターンは、画像撮影部40によって撮影される(S17)。
【0060】
次に、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件を満たしているか否かを判断する(S18)。所定の条件を満たしていない場合には、現在のフレア影響低減パターンを新たなキャリブレーションパターンとして、所定の条件が満たされるまで、S15〜S17のステップを繰り返す。所定の条件を満たしている場合には、画像補正データ算出部50により、撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、プロジェクタ2a及び2bのガンマ特性を算出する(S19)。
【0061】
次に、図13に示したフレア影響低減パターン作成ステップ(S16)の詳細を、図14に示したフローチャートを参照して説明する。
【0062】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの画素数P(例えば、P=1280×1024=1310720)、画素番号k(k=1〜1310720)を設定する(S21)。次に、幾何補正データ算出部52によって算出された幾何補正データを、キャリブレーションパターン生成部30に読み込む(S22)。
【0063】
次に、算出された幾何補正データに基づき、現在の画素(画素番号k)がオーバーラップ領域内の画素であるか否かが判断される(S23)。現在の画素がオーバーラップ領域内でない場合には、現在の画素に設定すべきパターン信号値(階調信号値)を、フレア影響低減パターンの撮影画像に基づいて算出する(S24)。現在の画素がオーバーラップ領域内である場合には、現在の画素に設定すべきパターン信号値を、基準階調の信号値とする(S25)。
【0064】
プロジェクタ画素番号kについての処理を終了した後、k=k+1として、S21のステップに戻り(S26)、上述した処理と同様にして、S21〜S25までのステップを実行する。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、オーバーラップ領域以外の領域については、第1の実施形態と同様、フレア影響低減パターンの撮影画像を用いてガンマ特性を算出しているため、プロジェクタやキャリブレーションカメラのフレアの影響が低減された精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。また、オーバーラップ領域については、フレアの影響を低減することを優先すると、オーバーラップ領域での適正な補正処理を阻害するおそれがあり、また、オーバーラップ領域は幅が狭いためフレアの影響は比較的少ないことから、同一の基準階調信号を与えるようにしている。したがって、本実施形態によれば、複数のプロジェクタを用いても、プロジェクションシステムの画質の向上をはかることが可能となる。
【0066】
以下、本実施形態をより詳細に説明する。
【0067】
図15は、図11に示した画像表示部20、キャリブレーションパターン生成部30、画像撮影部40及び画像補正データ算出部50の機能をより詳細に示したブロック図である。なお、多くの機能は、第1の実施形態の図7に示した機能と同様であるため、以下の説明ではそれらの詳細な説明は省略する。
【0068】
キャリブレーションパターン生成部30は、制御部10(図11参照)から幾何補正パターン情報を入力し、幾何補正パターン情報に基づいて生成された幾何補正パターンを画像表示部20に出力する。画像表示部20では、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影された幾何補正パターンを撮影して保存し、幾何補正パターンの撮影画像を画像補正データ算出部50内の幾何補正データ算出部52に送出する。幾何補正データ算出部52では、幾何補正パターン撮影画像に基づいて幾何補正データを算出して保存する。
【0069】
キャリブレーションパターン生成部30は、制御部10(図11参照)から基準階調信号を入力し、基準階調信号に基づいて生成された基準階調パターンの画像情報を画像表示部40に出力する。画像表示部20では、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影された基準階調パターンを撮影して保存し、基準階調パターンの撮影画像をキャリブレーションパターン生成部30内のフレア影響低減パターン作成部31に送出する。
【0070】
フレア影響低減パターン作成部31では、幾何補正データ算出部52からの幾何補正データ及び、画像撮影部40からの基準階調パターン撮影画像に基づいてフレア影響低減パターンを作成する。すなわち、オーバーラップ領域とオーバーラップ領域以外の領域について、すでに述べたような信号値を設定する。また、フレア影響低減パターン作成部31には、フレア影響低減パターンに関する情報がフレア影響低減パターン情報として保存される。
【0071】
画像表示部20は、フレア影響低減パターン作成部31からフレア影響低減パターン(オーバーラップ領域とオーバーラップ領域以外の領域の双方に設定されたパターン)を入力し、プロジェクタからスクリーンにフレア影響低減パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影されたフレア影響低減パターンを撮影して保存し、フレア影響低減パターンの撮影画像を画像補正データ算出部50内のガンマ特性データ算出部51に送出する。
【0072】
ガンマ特性データ算出部51では、画像撮影部40からのフレア影響低減パターン撮影画像及びフレア影響低減パターン作成部31からのフレア影響低減パターン情報に基づいてガンマ特性データを算出する。必要に応じて、ガンマ特性データに所定の補正処理を行うようにしてもよい。算出されたガンマ特性データは、画像変換部60(図11参照)に送出される。
【0073】
図16及び図17は、本実施形態の動作をより詳細に説明したフローチャートである。なお、多くのステップは、第1の実施形態の図8及び図9に示したステップと同様であるため、以下の説明ではそれらの詳細な説明は省略する。
【0074】
まず、プロジェクタのガンマ特性の測定ステップを、図16に示したフローチャートを参照して説明する。
【0075】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの台数Q(本実施形態では、Q=2)、プロジェクタ番号h(h=1、2)の初期値(h=1)を設定する(S201)。続いて、画像表示部20に幾何補正パターンを表示する。すなわち、画像表示部20において、プロジェクタからスクリーンに幾何補正パターンを投影する(S202)。投影された幾何補正パターンは、画像撮影部40によって撮影される(S203)。さらに、h=h+1として、S202及びS203のステップを同様に実行する(S204)。その後、各幾何補正パターンの撮影画像に基づき、幾何補正データ算出部52によって幾何補正データを算出する(S205)。
【0076】
次に、以下のループ処理を実行するために、原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)を設定する(S206)。続いて、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)を設定する(S207)。
【0077】
次に、原色iの基準測定階調L(j)(L(j)=0、16、32、………、255)に対応した基準パターンを画像表示部20に表示する。すなわち、画像表示部20において、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する(S208)。続いて、投影された基準測定階調L(j)の基準パターンをキャリブレーションパターンとして、キャリブレーションカメラ(画像撮影部20)でプレ撮影する(S209)。
【0078】
次に、幾何補正データ算出部52からフレア影響低減パターン作成部31に幾何補正データを読み込み(S210)、さらにフレア影響低減パターンを作成する(S211)。このフレア影響低減パターン作成ステップの詳細は、図14に示したフレア影響低減パターン作成ステップと同様である。さらに、フレア影響低減パターン情報を更新する(S212)。続いて、作成されたフレア影響低減パターンを画像表示部20のプロジェクタからスクリーンに投影し(S213)、投影されたフレア影響低減パターンをキャリブレーションカメラでプレ撮影する(S214)。
【0079】
次に、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件を満たしているか否かを判断する(S215)。所定の条件を満たしていない場合には、現在のフレア影響低減パターンを新たなキャリブレーションパターンとして、S210のステップに戻り、再度S210〜S214までのステップを実行する。所定の条件を満たしていると判断された場合には、その時点で設定されているフレア影響低減パターンを再度キャリブレーションカメラで撮影し、撮影された画像のデータをファイルに保存する(S216)。
【0080】
測定階調番号jについての処理を終了した後、j=j+1として、S207のステップに戻り(S217)、上述した処理と同様にして、S207〜S216までのステップを実行する。さらに、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S206のステップに戻り(S218)、上述した処理と同様にして、S206〜S217までのステップを実行する。このようにして、全ての原色について上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性測定ステップが終了する。
【0081】
次に、プロジェクタのガンマ特性の算出ステップを、図17に示したフローチャートを参照して説明する。
【0082】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの台数Q(Q=2)、プロジェクタ番号h(h=1、2)の初期値(h=1)を設定する(S221)。続いて、プロジェクタの原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)の設定(S222)、プロジェクタの画素数P(例えば、P=1280×1024=1310720)、画素番号k(k=1〜1310720)の設定(S223)、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)の設定を行う(S224)。
【0083】
次に、測定階調番号jについて、図16に示したプロジェクタのガンマ特性測定ステップで設定されたフレア影響低減パターン情報を参照し(S225)、フレア影響低減パターン撮影画像の画像データを読み込む(S226)。さらに、j=j+1として、これらのS225及びS226の処理を繰り返す(S227)。続いて、得られた各階調の測定データに対して線形補間処理を行う(S228)。これにより、原色番号iのプロジェクタ画素番号kについてのガンマ特性データが算出される。さらに、算出されたガンマ特性データを保存する(S229)。
【0084】
プロジェクタ画素番号kについての処理を終了した後、k=k+1として、S223のステップに戻り(S230)、上述した処理と同様にして、S223〜S229までのステップを実行する。続いて、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S222のステップに戻り(S231)、上述した処理と同様にして、S222〜S230までのステップを実行する。さらに、h=h+1として、S221〜S231までのステップを実行する(S232)。このようにして、全てのプロジェクタについて上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性算出ステップが終了する。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出され得る。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば発明として抽出され得る。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、フレアの影響が低減された精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。これにより、カラー画像の色再現性の向上等、プロジェクションシステムの画質の向上をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を説明するための説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップを示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の原理を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の原理を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップの変更例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成の詳細を示したブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性測定ステップを示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性算出ステップを示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性取得方法の原理を説明するための説明図である。
【図13】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップを示したフローチャートである。
【図14】図13に示したフレア影響低減パターン作成ステップの詳細を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成の詳細を示したブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性測定ステップを示したフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性算出ステップを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…パーソナルコンピュータ、 2、2a、2b…プロジェクタ、
3…スクリーン、 4…キャリブレーションカメラ、
5…外部出力装置、 10…制御部、
20…画像表示部、 21…画像投影部
30…キャリブレーションパターン生成部、
31…フレア影響低減パターン作成部、 40…画像撮影部、
50…画像補正データ算出部、 51…ガンマ特性データ算出部、
52…幾何補正データ算出部、 60…画像変換部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得装置及びプロジェクションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタからスクリーン上に画像を投影して表示を行うプロジェクションシステムでは、画像品質を高めるために各種の補正処理が必要である(例えば、特許文献1参照)。そのため、スクリーン上にキャリブレーション用の画像(キャリブレーションパターン)を投影し、それをキャリブレーションカメラで撮影して、得られた画像データに基づいて各種の補正を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−72359号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタのガンマ特性(γ特性)を測定する場合、測定対象の輝度分布が一様でないとフレアの影響を大きく受け、その結果、ガンマ特性の精度低下の要因となる。しかしながら、従来はフレアの影響について適切な対策がなされていなかった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に対してなされたものであり、フレアの影響を考慮することで、ガンマ特性の高精度化をはかることが可能な、ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得装置及びプロジェクションシステムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガンマ特性の取得方法は、画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する工程と、前記撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成する工程と、前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンを撮影する工程と、前記撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
前記発明の好ましい態様は、以下の通りである。
【0008】
・前記フレア影響低減パターンが所定の条件を満たしているか否かを判断する工程をさらに備え、前記フレア影響低減パターンが所定の条件を満たしていると判断されるまで、前記フレア影響低減パターンを前記キャリブレーションパターンとして、前記キャリブレーションパターンを撮影する工程から前記フレア影響低減パターンを撮影する工程までを繰り返す。
【0009】
・前記フレア影響低減パターンは、前記画像投影手段の画素毎又は複数の画素からなるブロック毎に階調が設定されたものである。
【0010】
・前記画像投影手段は複数のプロジェクタからなり、前記フレア影響低減パターンは、前記複数のプロジェクタから投影される画像のオーバーラップ領域では同一階調が設定される。
【0011】
本発明に係るガンマ特性の取得システムは、画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影手段と、前記画像撮影手段で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成するフレア影響低減パターン作成手段と、前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンの前記画像撮影手段による撮影画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出するガンマ特性算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプロジェクションシステムは、画像を投影する画像投影手段と、前記画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影手段と、前記画像撮影手段で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成するフレア影響低減パターン作成手段と、前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンの前記画像撮影手段による撮影画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出するガンマ特性算出手段と、前記ガンマ特性算出手段で算出されたガンマ特性を用いて、入力画像信号を前記画像投影手段に供給される出力画像信号に変換する画像変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を説明するための説明図である。
【0015】
図1に示すように、本プロジェクションシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)1、プロジェクタ2、スクリーン3及びキャリブレーション用のカメラ4によって構成されている。
【0016】
パーソナルコンピュータ1は、システム全体の制御を行う他、後述するような各種の演算及び処理機能を備えている。プロジェクタ2は、パーソナルコンピュータ1からの信号に基づき、通常の静止画や動画の他、キャリブレーション時にはキャリブレーション用の画像(キャリブレーションパターン)をスクリーン3に投影する。このプロジェクタ2には、LCDプロジェクタやDLPプロジェクタを用いることが可能である。キャリブレーションカメラ4は、プロジェクタ2からスクリーン3上に投影されたキャリブレーションパターンを撮影するものであり、撮影によって得られた画像データはパーソナルコンピュータ1に送られ、パーソナルコンピュータ1によって各種画像補正データが算出される。カメラ4には、デジタル式のカメラ、例えばマルチバンド型のキャリブレーションカメラ(特願2002−160475号明細書に詳述されている)を用いることが可能である。
【0017】
図2は、本発明の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。
【0018】
基本的な構成は通常のプロジェクションシステムと同様であり、システム全体の制御を行う制御部10、画像投影部21から画像を投影して表示を行う画像表示部20、キャリブレーションパターン(キャリブレーション用の画像)を生成するキャリブレーションパターン生成部30、画像表示部20で表示されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影部40、撮影されたキャリブレーションパターンに基づいて各種画像補正データを算出する画像補正データ算出部50、及び算出された画像補正データを用いて入力画像データを出力画像データに変換する画像変換部60を備えている。
【0019】
本実施形態では、キャリブレーションパターン生成部30がフレア影響低減パターン作成部31を備えており、フレア影響低減パターン作成部31では、画像撮影部40で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのパターン(フレア影響低減パターン)及びフレア影響低減パターンに関する情報(フレア影響低減パターン情報)を作成する。また、画像補正データ算出部50が、ガンマ特性(γ特性)データ算出部51を備えており、ガンマ特性データ算出部51では、フレア影響低減パターンの撮影画像及びフレア影響低減パターン情報に基づいて、ガンマ特性が算出される。画像変換部60では、画像補正データ算出部50からのガンマ特性データに基づき、入力画像信号を出力画像信号にガンマ変換して画像表示部20の画像投影部21に供給する。なお、フレアには、プロジェクタやキャリブレーションカメラ等に起因したフレアが含まれ、フレア影響低減パターンには、後述するように、スクリーンに投影したキャリブレーション用パターンをキャリブレーションカメラで撮影したときに、撮影画像の明るさが均一化されるようなパターンが含まれる。
【0020】
なお、本実施形態では、制御部10、キャリブレーションパターン生成部30、画像補正データ算出部50及び画像変換部60の機能が、図1に示したパーソナルコンピュータ1に含まれている。また、画像表示部20には図1に示したプロジェクタ2及びスクリーン3が含まれ、画像投影部21にプロジェクタ2が対応する。さらに、画像撮影部40は、図1に示したキャリブレーション用のカメラ4に対応する。また、図2に示した構成要素のうち、破線内に示した、制御部10、キャリブレーションパターン生成部30、画像撮影部40、画像補正データ算出部50及び画像変換部60が、ガンマ特性の取得システムに対応している。
【0021】
以下、上述したプロジェクションシステムを用いたガンマ特性取得方法の基本的なステップを、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0022】
まず、画像表示部20において基準パターンが表示される。具体的には、図1に示したプロジェクタ2からスクリーン3に基準パターン(基準のキャリブレーションパターン)が投影される(S1)。投影された基準パターンは、画像撮影部40(図1ではキャリブレーションカメラ4)によって撮影される(S2)。撮影された基準パターンの画像は、キャリブレーションパターン生成部30に送られ、フレア影響低減パターン作成部31によってフレア影響低減パターンが作成される(S3)。作成されたフレア影響低減パターンは、プロジェクタからスクリーンに投影され、投影されたフレア影響低減パターンは、画像撮影部40によって撮影される(S4)。画像補正データ算出部50では、撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、プロジェクタ2のガンマ特性を算出する(S5)。
【0023】
図4は、画像撮影部(キャリブレーションカメラ)40による基準パターンの撮影画像(図4(a))と、フレア影響低減パターン作成部31によって作成されたフレア影響低減パターン(図4(b))との関係を説明するための図である。
【0024】
通常のプロジェクタ特性は、中心部から周辺部に向かって、しだいに明るさが低下する傾向にある。そのため、キャリブレーションカメラで撮影したときの画像も、図4(a)に示すように、中心部Acから周辺部Apに向かって明るさがしだいに低下する。そこで、基準パターンの撮影画像に基づいて、キャリブレーションカメラで撮影したときの明るさが均一化されるようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成し、すなわち、図4(b)に示すように、中心部Bcから周辺部Bpに向かって信号強度がしだいに高くなる(階調がしだいに高くなる)ようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成し、このフレア影響低減パターンをプロジェクタからスクリーンに投影する。これにより、フレアの影響が低減され、精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。なお、キャリブレーションカメラやスクリーンのシェーディング特性を補正する場合には、予め補正処理を行っておいてもよいが、フレア影響低減パターンを作成する際にシェーディング特性を考慮するようにしてもよい。
【0025】
図5は、本実施形態のガンマ特性取得方法を、従来のガンマ特性取得方法と対比して示した図である。
【0026】
図5(a)に示すように、プロジェクタ内の座標位置P、Qが異なると、入力階調に対する明るさの関係も、座標位置P、Qに応じて異なったものとなる。従来の方法では、図5(b)に示すように、全ての座標位置(図では、代表してP、Qのみ示している)すなわち全ての測定対象位置で入力階調を同一にして明るさを測定していた。本実施形態の方法では、図5(c)に示すように、全ての測定対象位置で撮影画像の明るさが均一になるようにフレア影響低減パターンを作成している。具体的には、本実施形態では、測定対象位置を画素単位或いは複数の画素からなるブロック単位に設定し、測定対象位置毎に適切な測定階調を設定するようにしている。これにより、キャリブレーションカメラで撮影したときの明るさが均一化され、フレアの影響を低減することができる。各測定対象位置における測定階調及び測定階調数は、フレア影響低減パターン情報として保存され、ガンマ特性を算出する際に用いられる。
【0027】
図6は、図3に示したガンマ特性取得方法の基本的なステップの変更例を示したフローチャートである。
【0028】
図3に示した方法では、基準パターンの撮影画像から得られたフレア影響低減パターンを撮影した後、直ちにプロジェクタガンマ特性を算出するようにしたが、より高い精度が要求される場合には、フレア影響低減パターンの撮影画像から新たなフレア影響低減パターンを作成し、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件が満たされるまで、上述したのと同様の処理を繰り返すようにしてもよい。図6に示した例では、フレア影響低減パターンを撮影した後、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が所定の条件を満たしているか否かを判断し(S6)、所定の条件が満たされるまで、S2〜S4のステップを繰り返すようにしている。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、キャリブレーションパターンの撮影画像画像に基づいてフレア影響低減パターンを作成し、このフレア影響低減パターンの撮影画像を用いてガンマ特性を算出している。したがって、プロジェクタやキャリブレーションカメラのフレアの影響が低減された精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。これにより、カラー画像の色再現性の向上等、プロジェクションシステムの画質の向上をはかることができる。また、フレア影響低減パターンの撮影画像が所定の条件を満たすまで、フレア影響低減パターンの作成及び撮影を繰り返すことで、より精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。
【0030】
以下、本実施形態をより詳細に説明する。
【0031】
図7は、図2に示した画像表示部20、キャリブレーションパターン生成部30、画像撮影部40及び画像補正データ算出部50の機能をより詳細に示したブロック図である。
【0032】
キャリブレーションパターン生成部30は、制御部10(図2参照)から基準階調信号(例えば、第0階調、第16階調、第32階調、………、第255階調)を入力し、基準階調信号に基づいて生成された基準階調パターンの情報を画像表示部20に出力する。画像表示部20では、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影された基準階調パターンを撮影して保存し、基準階調パターンの撮影画像をキャリブレーションパターン生成部30内のフレア影響低減パターン作成部31に送出する。画像撮影部40で撮影された基準階調パターンの画像は、例えば図4(a)に示したように、フレアの影響が反映されたものとなっている。
【0033】
フレア影響低減パターン作成部31では、基準階調パターン撮影画像に基づいてフレア影響低減パターンを作成する。フレア影響低減パターンは、例えば図4(b)に示したように、基準階調パターン撮影画像の明るさが相対的に明るい部分では信号強度を相対的に弱く、基準階調パターン撮影画像の明るさが相対的に暗い部分では信号強度を相対的に強くしたものである。例えば、基準階調パターンの階調が第L階調である場合、撮影画像の明るさが明るい部分では第L階調よりも低い階調が設定され、撮影画像の明るさが暗い部分では第L階調よりも高い階調が設定される。また、フレア影響低減パターン作成部31には、フレア影響低減パターンに関する情報(例えば、プロジェクタ画面内の各座標位置と各座標位置に対して設定された階調との関係等)がフレア影響低減パターン情報として保存される。
【0034】
画像表示部20は、フレア影響低減パターン作成部31からフレア影響低減パターンを入力し、プロジェクタからスクリーンにフレア影響低減パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影されたフレア影響低減パターンを撮影して保存し、フレア影響低減パターンの撮影画像を画像補正データ算出部50内のガンマ特性データ算出部51に送出する。
【0035】
ガンマ特性データ算出部51では、画像撮影部40からのフレア影響低減パターン撮影画像及びフレア影響低減パターン作成部31からのフレア影響低減パターン情報に基づいてガンマ特性データを算出する。必要に応じて、ガンマ特性データに所定の補正処理を行うようにしてもよい。算出されたガンマ特性データは、画像変換部60(図2参照)に送出される。
【0036】
なお、図7に示した例は、プロジェクタの画素位置とキャリブレーションカメラの画素位置との関係が予めわかっている場合であるが、そのような関係が既知でない場合には、十字マーカー等を有するパターンを撮影し、パターンマッチング等の手法によって位置関係を算出し、算出された位置関係の情報をフレア影響低減パターンの作成時に用いるようにしてもよい。
【0037】
図8及び図9は、本実施形態の動作をより詳細に説明したフローチャートである。
【0038】
まず、プロジェクタのガンマ特性の測定ステップを、図8に示したフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、以下のループ処理を実行するために、本プロジェクションシステムで用いる原色(赤(R)、緑(G)及び青(B))の原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)を設定する(S101)。続いて、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)を設定する(S102)。
【0040】
次に、原色iの基準測定階調L(j)(L(j)=0、16、32、………、255)に対応した基準パターンを画像表示部20に表示する。すなわち、画像表示部20において、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する(S103)。続いて、投影された基準測定階調L(j)の基準パターンをキャリブレーションパターンとして、キャリブレーションカメラ(画像撮影部20)でプレ撮影する(S104)。
【0041】
次に、フレア影響低減パターン作成部31により、撮影されたキャリブレーションパターンの画像からフレア影響低減パターンを作成し(S105)、さらにフレア影響低減パターン情報を更新する(S106)。続いて、作成されたフレア影響低減パターンを画像表示部20のプロジェクタからスクリーンに投影し(S107)、投影されたフレア影響低減パターンをキャリブレーションカメラでプレ撮影する(S108)。さらに、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件を満たしているか否かを判断する(S109)。所定の条件を満たしていない場合には、現在のフレア影響低減パターンを新たなキャリブレーションパターンとして、S105のステップに戻り、再度S105〜S109までのステップを実行する。所定の条件を満たしていると判断された場合には、その時点で設定されているフレア影響低減パターンを再度キャリブレーションカメラで撮影し、撮影された画像のデータをファイルに保存する(S110)。
【0042】
測定階調番号jについての処理を終了した後、j=j+1として、S102のステップに戻り(S111)、上述した処理と同様にして、S102〜S110までのステップを実行する。さらに、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S101のステップに戻り(S112)、上述した処理と同様にして、S101〜S111までのステップを実行する。このようにして、全ての原色について上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性測定ステップが終了する。
【0043】
次に、プロジェクタのガンマ特性の算出ステップを、図9に示したフローチャートを参照して説明する。
【0044】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)を設定する(S121)。続いて、プロジェクタの画素数P(例えば、P=1280×1024=1310720)、画素番号k(k=1〜1310720)を設定する(S122)。さらに、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)を設定する(S123)。
【0045】
次に、測定階調番号jについて、図8に示したプロジェクタのガンマ特性測定ステップで設定されたフレア影響低減パターン情報を参照し(S124)、フレア影響低減パターン撮影画像の画像データを読み込む(S125)。さらに、j=j+1として、これらのS124及びS125の処理を繰り返す(S126)。続いて、得られた各階調の測定データに対して線形補間処理を行う(S127)。これにより、原色番号iのプロジェクタ画素番号kについてのガンマ特性データが算出される。さらに、算出されたガンマ特性データを保存する(S128)。
【0046】
プロジェクタ画素番号kについての処理を終了した後、k=k+1として、S122のステップに戻り(S129)、上述した処理と同様にして、S122〜S128までのステップを実行する。さらに、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S121のステップに戻り(S130)、上述した処理と同様にして、S121〜S129までのステップを実行する。このようにして、全ての原色について上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性算出ステップが終了する。
【0047】
なお、図8及び図9に示した処理では、測定対象位置を1画素単位で設定したが、すでに述べたように、複数の画素からなるブロック単位で測定対象位置を設定するようにしてもよい。
【0048】
(実施形態2)
図10は、本実施形態に係るプロジェクションシステム(マルチプロジェクションシステム)の概略構成を説明するための説明図である。基本的な構成は図1に示した第1の実施形態の構成と同様であり、図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の参照番号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0049】
本実施形態では、図10に示すように、画像投影手段として2台のプロジェクタ2a及び2bを用いている。プロジェクタ2a及び2bからスクリーン3に投影された各画像は、画像間で繋ぎ目を有するようにして(オーバーラップするようにして)、スクリーン3上で一つの画像として合成される。なお、図に示した例では、2台のプロジェクタを横方向に配置しているが、プロジェクタの台数や配置の仕方は種々変更可能である。また、パーソナルコンピュータ1とプロジェクタ2a及び2bとの間に画像出力装置5を設け、この画像出力装置5を介してパーソナルコンピュータ1からプロジェクタ2a及び2bに画像情報等が送られる。なお、画像出力装置5を用いる代わりに、複数台のパーソナルコンピュータを用いる、或いは、マルチチャンネル出力可能なグラフィックボードを有するパーソナルコンピュータを用いるようにしてもよい。
【0050】
図11は、本発明の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。基本的な構成は図2に示した第1の実施形態の構成と同様であり、図2に示した構成要素と対応する構成要素には同一の参照番号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、図11に示すように、図2に示した第1の実施形態の構成に加え、画像補正データ算出部50が幾何補正データ算出部52を備えている。この幾何補正データ算出部52では、プロジェクタ2a及び2bから投影される画像の投影位置を補正するための幾何補正処理が行われる。また、本実施形態では、主として画像変換部60の少なくとも一部の機能が、図10に示した画像出力装置5によって実現される。
【0052】
本実施形態の基本的なフレア低減方法は、第1の実施形態で述べた方法と同様であるが、本実施形態では、複数のプロジェクタから投影された画像にオーバーラップ領域が生じるため、このオーバーラップ領域に対して第1の実施形態にはない処理を行っている。
【0053】
図12は、画像撮影部(キャリブレーションカメラ)40による基準パターンの撮影画像(図12(a))と、フレア影響低減パターン作成部31によって作成されたフレア影響低減パターン(図12(b))との関係を説明するための図である。
【0054】
第1の実施形態でも説明したように、通常のプロジェクタ特性は、中心部から周辺部に向かってしだいに明るさが低下する傾向にあるため、プロジェクタ2a及び2bによってスクリーン3に投影された基準パターンの撮影画像も、図12(a)に示すように、中心部から周辺部に向かって明るさがしだいに低下する。また、同じ入力階調に基づく画像画像を投影した場合、一般的にプロジェクタ2aとプロジェクタ2bの明るさは異なり、またオーバーラップ領域での明るさはプロジェクタ2aとプロジェクタ2bの明るさを加算したものとなる(ただし、プロジェクタ2a及び2bとスクリーン3との間に光学的な遮光板が設けられている場合には、加算された明るさになるとは限らない)。
【0055】
本実施形態では、オーバーラップ領域以外の領域については、第1の実施形態と同様、基準パターンの撮影画像に基づいて、キャリブレーションカメラで撮影したときの明るさが均一化されるようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成する。すなわち、図4(b)に示すように、中心部から周辺部に向かって信号強度がしだいに高くなる(階調がしだいに高くなる)ようなパターンをフレア影響低減パターンとして作成し、このフレア影響低減パターンをプロジェクタからスクリーンに投影する。
【0056】
ただし、オーバーラップ領域については、オーバーラップ領域を目立たなくする、すなわち繋ぎ目を目立たなくするための補正処理が必要である。そのため、オーバーラップ領域についてまでフレアの影響を低減するための処理を施そうとすると、オーバーラップ領域での演算処理が極めて複雑になり、フレアの影響を低減することを優先すると、繋ぎ目が目立って、かえって全体の表示品質の劣化を招くおそれがある。また、オーバーラップ領域の幅は一般的に狭く、フレアがあってもその影響は比較的少ない。そこで、本実施形態では、オーバーラップ領域以外の領域については、第1の実施形態と同様の方法によってフレアの影響が低減されたパターンを作成し、オーバーラップ領域については、プロジェクタ2a及びプロジェクタ2bに同じ信号を与え、オーバーラップ領域全体に同一の基準階調信号を設定している。
【0057】
以下、本実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップを、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
まず、画像表示部20において幾何補正パターンが表示される。具体的には、図10に示したプロジェクタ2a及び2bそれぞれから、スクリーン3に幾何補正パターンが投影される(S11)。投影されたそれぞれの幾何補正パターンは、画像撮影部40(図10ではキャリブレーションカメラ4)によって撮影される(S12)。撮影された幾何補正パターンの画像は、画像補正データ算出部50に送られ、幾何補正データ算出部52によって、プロジェクタ2a及び2bから投影された画像の投影位置を補正するための幾何補正データが算出される(S13)。
【0059】
次に、画像表示部20において基準パターンが表示される。具体的には、図10に示したプロジェクタ2a及び2bからスクリーン3に基準パターン(基準のキャリブレーションパターン)が投影される(S14)。投影された基準パターンは、画像撮影部40(図1ではキャリブレーションカメラ4)によって撮影される(S15)。撮影された基準パターンの画像は、キャリブレーションパターン生成部30に送られ、フレア影響低減パターン作成部31によってフレア影響低減パターンが作成される。このフレア影響低減パターン作成ステップについては、図14を用いて後述する(S16)。フレア影響低減パターンは、プロジェクタからスクリーンに投影され、投影されたフレア影響低減パターンは、画像撮影部40によって撮影される(S17)。
【0060】
次に、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件を満たしているか否かを判断する(S18)。所定の条件を満たしていない場合には、現在のフレア影響低減パターンを新たなキャリブレーションパターンとして、所定の条件が満たされるまで、S15〜S17のステップを繰り返す。所定の条件を満たしている場合には、画像補正データ算出部50により、撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、プロジェクタ2a及び2bのガンマ特性を算出する(S19)。
【0061】
次に、図13に示したフレア影響低減パターン作成ステップ(S16)の詳細を、図14に示したフローチャートを参照して説明する。
【0062】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの画素数P(例えば、P=1280×1024=1310720)、画素番号k(k=1〜1310720)を設定する(S21)。次に、幾何補正データ算出部52によって算出された幾何補正データを、キャリブレーションパターン生成部30に読み込む(S22)。
【0063】
次に、算出された幾何補正データに基づき、現在の画素(画素番号k)がオーバーラップ領域内の画素であるか否かが判断される(S23)。現在の画素がオーバーラップ領域内でない場合には、現在の画素に設定すべきパターン信号値(階調信号値)を、フレア影響低減パターンの撮影画像に基づいて算出する(S24)。現在の画素がオーバーラップ領域内である場合には、現在の画素に設定すべきパターン信号値を、基準階調の信号値とする(S25)。
【0064】
プロジェクタ画素番号kについての処理を終了した後、k=k+1として、S21のステップに戻り(S26)、上述した処理と同様にして、S21〜S25までのステップを実行する。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、オーバーラップ領域以外の領域については、第1の実施形態と同様、フレア影響低減パターンの撮影画像を用いてガンマ特性を算出しているため、プロジェクタやキャリブレーションカメラのフレアの影響が低減された精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。また、オーバーラップ領域については、フレアの影響を低減することを優先すると、オーバーラップ領域での適正な補正処理を阻害するおそれがあり、また、オーバーラップ領域は幅が狭いためフレアの影響は比較的少ないことから、同一の基準階調信号を与えるようにしている。したがって、本実施形態によれば、複数のプロジェクタを用いても、プロジェクションシステムの画質の向上をはかることが可能となる。
【0066】
以下、本実施形態をより詳細に説明する。
【0067】
図15は、図11に示した画像表示部20、キャリブレーションパターン生成部30、画像撮影部40及び画像補正データ算出部50の機能をより詳細に示したブロック図である。なお、多くの機能は、第1の実施形態の図7に示した機能と同様であるため、以下の説明ではそれらの詳細な説明は省略する。
【0068】
キャリブレーションパターン生成部30は、制御部10(図11参照)から幾何補正パターン情報を入力し、幾何補正パターン情報に基づいて生成された幾何補正パターンを画像表示部20に出力する。画像表示部20では、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影された幾何補正パターンを撮影して保存し、幾何補正パターンの撮影画像を画像補正データ算出部50内の幾何補正データ算出部52に送出する。幾何補正データ算出部52では、幾何補正パターン撮影画像に基づいて幾何補正データを算出して保存する。
【0069】
キャリブレーションパターン生成部30は、制御部10(図11参照)から基準階調信号を入力し、基準階調信号に基づいて生成された基準階調パターンの画像情報を画像表示部40に出力する。画像表示部20では、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影された基準階調パターンを撮影して保存し、基準階調パターンの撮影画像をキャリブレーションパターン生成部30内のフレア影響低減パターン作成部31に送出する。
【0070】
フレア影響低減パターン作成部31では、幾何補正データ算出部52からの幾何補正データ及び、画像撮影部40からの基準階調パターン撮影画像に基づいてフレア影響低減パターンを作成する。すなわち、オーバーラップ領域とオーバーラップ領域以外の領域について、すでに述べたような信号値を設定する。また、フレア影響低減パターン作成部31には、フレア影響低減パターンに関する情報がフレア影響低減パターン情報として保存される。
【0071】
画像表示部20は、フレア影響低減パターン作成部31からフレア影響低減パターン(オーバーラップ領域とオーバーラップ領域以外の領域の双方に設定されたパターン)を入力し、プロジェクタからスクリーンにフレア影響低減パターンを投影する。画像撮影部40は、スクリーンに投影されたフレア影響低減パターンを撮影して保存し、フレア影響低減パターンの撮影画像を画像補正データ算出部50内のガンマ特性データ算出部51に送出する。
【0072】
ガンマ特性データ算出部51では、画像撮影部40からのフレア影響低減パターン撮影画像及びフレア影響低減パターン作成部31からのフレア影響低減パターン情報に基づいてガンマ特性データを算出する。必要に応じて、ガンマ特性データに所定の補正処理を行うようにしてもよい。算出されたガンマ特性データは、画像変換部60(図11参照)に送出される。
【0073】
図16及び図17は、本実施形態の動作をより詳細に説明したフローチャートである。なお、多くのステップは、第1の実施形態の図8及び図9に示したステップと同様であるため、以下の説明ではそれらの詳細な説明は省略する。
【0074】
まず、プロジェクタのガンマ特性の測定ステップを、図16に示したフローチャートを参照して説明する。
【0075】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの台数Q(本実施形態では、Q=2)、プロジェクタ番号h(h=1、2)の初期値(h=1)を設定する(S201)。続いて、画像表示部20に幾何補正パターンを表示する。すなわち、画像表示部20において、プロジェクタからスクリーンに幾何補正パターンを投影する(S202)。投影された幾何補正パターンは、画像撮影部40によって撮影される(S203)。さらに、h=h+1として、S202及びS203のステップを同様に実行する(S204)。その後、各幾何補正パターンの撮影画像に基づき、幾何補正データ算出部52によって幾何補正データを算出する(S205)。
【0076】
次に、以下のループ処理を実行するために、原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)を設定する(S206)。続いて、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)を設定する(S207)。
【0077】
次に、原色iの基準測定階調L(j)(L(j)=0、16、32、………、255)に対応した基準パターンを画像表示部20に表示する。すなわち、画像表示部20において、プロジェクタからスクリーンに基準階調パターンを投影する(S208)。続いて、投影された基準測定階調L(j)の基準パターンをキャリブレーションパターンとして、キャリブレーションカメラ(画像撮影部20)でプレ撮影する(S209)。
【0078】
次に、幾何補正データ算出部52からフレア影響低減パターン作成部31に幾何補正データを読み込み(S210)、さらにフレア影響低減パターンを作成する(S211)。このフレア影響低減パターン作成ステップの詳細は、図14に示したフレア影響低減パターン作成ステップと同様である。さらに、フレア影響低減パターン情報を更新する(S212)。続いて、作成されたフレア影響低減パターンを画像表示部20のプロジェクタからスクリーンに投影し(S213)、投影されたフレア影響低減パターンをキャリブレーションカメラでプレ撮影する(S214)。
【0079】
次に、撮影されたフレア影響低減パターンの画像が、フレアの影響が十分に小さくなるような所定の条件を満たしているか否かを判断する(S215)。所定の条件を満たしていない場合には、現在のフレア影響低減パターンを新たなキャリブレーションパターンとして、S210のステップに戻り、再度S210〜S214までのステップを実行する。所定の条件を満たしていると判断された場合には、その時点で設定されているフレア影響低減パターンを再度キャリブレーションカメラで撮影し、撮影された画像のデータをファイルに保存する(S216)。
【0080】
測定階調番号jについての処理を終了した後、j=j+1として、S207のステップに戻り(S217)、上述した処理と同様にして、S207〜S216までのステップを実行する。さらに、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S206のステップに戻り(S218)、上述した処理と同様にして、S206〜S217までのステップを実行する。このようにして、全ての原色について上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性測定ステップが終了する。
【0081】
次に、プロジェクタのガンマ特性の算出ステップを、図17に示したフローチャートを参照して説明する。
【0082】
まず、以下のループ処理を実行するために、プロジェクタの台数Q(Q=2)、プロジェクタ番号h(h=1、2)の初期値(h=1)を設定する(S221)。続いて、プロジェクタの原色数M(M=3)、原色番号i(i=1〜M)の初期値(i=1)の設定(S222)、プロジェクタの画素数P(例えば、P=1280×1024=1310720)、画素番号k(k=1〜1310720)の設定(S223)、測定階調数N(N=17)、測定階調番号j(j=1〜N)の初期値(j=1)の設定を行う(S224)。
【0083】
次に、測定階調番号jについて、図16に示したプロジェクタのガンマ特性測定ステップで設定されたフレア影響低減パターン情報を参照し(S225)、フレア影響低減パターン撮影画像の画像データを読み込む(S226)。さらに、j=j+1として、これらのS225及びS226の処理を繰り返す(S227)。続いて、得られた各階調の測定データに対して線形補間処理を行う(S228)。これにより、原色番号iのプロジェクタ画素番号kについてのガンマ特性データが算出される。さらに、算出されたガンマ特性データを保存する(S229)。
【0084】
プロジェクタ画素番号kについての処理を終了した後、k=k+1として、S223のステップに戻り(S230)、上述した処理と同様にして、S223〜S229までのステップを実行する。続いて、原色番号iについての処理を終了した後、i=i+1として、S222のステップに戻り(S231)、上述した処理と同様にして、S222〜S230までのステップを実行する。さらに、h=h+1として、S221〜S231までのステップを実行する(S232)。このようにして、全てのプロジェクタについて上述したような処理を実行することで、プロジェクタのガンマ特性算出ステップが終了する。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出され得る。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば発明として抽出され得る。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、フレアの影響が低減された精度の高いガンマ特性データを算出することが可能となる。これにより、カラー画像の色再現性の向上等、プロジェクションシステムの画質の向上をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を説明するための説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップを示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の原理を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の原理を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップの変更例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成の詳細を示したブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性測定ステップを示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態におけるガンマ特性算出ステップを示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成を示したブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性取得方法の原理を説明するための説明図である。
【図13】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性取得方法の基本的なステップを示したフローチャートである。
【図14】図13に示したフレア影響低減パターン作成ステップの詳細を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るプロジェクションシステムの機能的な構成の詳細を示したブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性測定ステップを示したフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態におけるガンマ特性算出ステップを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…パーソナルコンピュータ、 2、2a、2b…プロジェクタ、
3…スクリーン、 4…キャリブレーションカメラ、
5…外部出力装置、 10…制御部、
20…画像表示部、 21…画像投影部
30…キャリブレーションパターン生成部、
31…フレア影響低減パターン作成部、 40…画像撮影部、
50…画像補正データ算出部、 51…ガンマ特性データ算出部、
52…幾何補正データ算出部、 60…画像変換部
Claims (6)
- 画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する工程と、
前記撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成する工程と、
前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンを撮影する工程と、
前記撮影されたフレア影響低減パターンの画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出する工程と、
を備えたことを特徴とするガンマ特性の取得方法。 - 前記フレア影響低減パターンが所定の条件を満たしているか否かを判断する工程をさらに備え、
前記フレア影響低減パターンが所定の条件を満たしていると判断されるまで、前記フレア影響低減パターンを前記キャリブレーションパターンとして、前記キャリブレーションパターンを撮影する工程から前記フレア影響低減パターンを撮影する工程までを繰り返す
ことを特徴とする請求項1に記載のガンマ特性の取得方法。 - 前記フレア影響低減パターンは、前記画像投影手段の画素毎又は複数の画素からなるブロック毎に階調が設定されたものである
ことを特徴とする請求項1に記載のガンマ特性の取得方法。 - 前記画像投影手段は複数のプロジェクタからなり、
前記フレア影響低減パターンは、前記複数のプロジェクタから投影される画像のオーバーラップ領域では同一階調が設定される
ことを特徴とする請求項1に記載のガンマ特性の取得方法。 - 画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影手段と、
前記画像撮影手段で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成するフレア影響低減パターン作成手段と、
前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンの前記画像撮影手段による撮影画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出するガンマ特性算出手段と、
を備えたことを特徴とするガンマ特性の取得システム。 - 画像を投影する画像投影手段と、
前記画像投影手段から投影されたキャリブレーションパターンを撮影する画像撮影手段と、
前記画像撮影手段で撮影されたキャリブレーションパターンの画像に基づいて、フレアの影響を低減するためのフレア影響低減パターンを作成するフレア影響低減パターン作成手段と、
前記画像投影手段から投影された前記フレア影響低減パターンの前記画像撮影手段による撮影画像に基づいて、前記画像投影手段のガンマ特性を算出するガンマ特性算出手段と、
前記ガンマ特性算出手段で算出されたガンマ特性を用いて、入力画像信号を前記画像投影手段に供給される出力画像信号に変換する画像変換手段と、
を備えたことを特徴とするプロジェクションシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003123956A JP2004328627A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得システム及びプロジェクションシステム |
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JP2003123956A JP2004328627A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | ガンマ特性の取得方法、ガンマ特性の取得システム及びプロジェクションシステム |
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JP (1) | JP2004328627A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017032726A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | ラピスセミコンダクタ株式会社 | 表示ドライバ |
-
2003
- 2003-04-28 JP JP2003123956A patent/JP2004328627A/ja not_active Withdrawn
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