JP2004328193A - 電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラム - Google Patents
電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ディジタル画像データの信頼性証明におけるデータ改竄の有無を検出するための、電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムを提供する。
【解決手段】第1のエリアに前記第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報を第1の電子透かし情報として埋め込み、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報を第2の電子透かし情報とし埋め込む。改竄の検出は、埋め込んだ2つの情報を検出して比較し、前記2つの情報の値が一致した場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄なしと判定し、前記2つの情報の値が一致しない場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄ありと判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のエリアに前記第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報を第1の電子透かし情報として埋め込み、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報を第2の電子透かし情報とし埋め込む。改竄の検出は、埋め込んだ2つの情報を検出して比較し、前記2つの情報の値が一致した場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄なしと判定し、前記2つの情報の値が一致しない場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄ありと判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル画像データの信頼性証明におけるデータ改竄の有無を検出するための、電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル技術の普及によって、ディジタルコンテンツが多く流通するようになってきた。CD(コンパクト・ディスク)やMD(ミニ・ディスク)やDVD(ディジタル多用途ディスク)等のパッケージメディアは、その代表的な例である。
【0003】
一方、パッケージメディア以外にもネットワーク上で、ディジタルの動画や静止画が流通するようになってきた。同時に、ディジタル形式という理由及びネットワーク経路を利用するという理由で、伝送中に第三者によるデータの改竄も行われてきた。
【0004】
それらのディジタルデータの改竄を検出する方法としては、次の方法が一般的に使われている。まずディジタルデータのハッシュ値を計算して、その計算結果を別データとして保持しておく。「ハッシュ値」とは、「ハッシュ関数」と呼ばれるものによって計算された結果である。「ハッシュ関数」とは、関数値yが与えられたときにh_K(x)=yとなるようなxを求めることが困難な関数h_Kのことである。
【0005】
改竄検出にハッシュ関数を利用する場合は、xは任意の長さでyは固定長である。この際、h_Kは送信者と受信者のみが知っている秘密鍵Kによって変化するものであり、K及びxが与えられたとき、h_K(x)は容易に計算出来るように設計しておく必要がある。そして、データにハッシュ値を添付して受信者側に送る。万全を期す場合は、データとハッシュ値を暗号化して送信することもある。
【0006】
受信者側は、送信者と同じ秘密鍵を用いてハッシュ値を計算して、送られてきたハッシュ値と等しいかどうかを検証する。等しければ「改竄なし」で、等しくなければ「改竄あり」と判断する。
【0007】
以上の手段は一般的に「メッセージ認証」、またh_Kの計算結果は「メッセージ認証子」と言われている。
【0008】
【非特許文献1】
岡本龍明・山本博資、「シリーズ/情報科学の数学 現代暗号」、産業図書株式会社、1997年6月30日、P178〜P180、11.5 ElGamal 11.6 DSA署名(ISBN4−7828−5353−X C3355)
この文献での署名が上記のメッセージ認証子に相当する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のメッセージ認証子を使った改竄検出とは、改竄検出を行う画像とは別に「メッセージ認証子」という別の情報を付属させておく必要があった。しかしながら、画像をネットワーク流通させる際には、画像信号本体だけ存在すれば再生可能なので、付属情報と共に流通させるのは不便である。また、画像信号のヘッダなどに「メッセージ認証子」の情報を書き込んでも、再符号化が行われてしまえば、そのデータは消失してしまう。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、画像単体でその画像の改竄の有無を判定出来る電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために本発明は、下記の電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムを提供するものである。
(1) 入力された画像信号に設定される第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報を、第1の電子透かし情報として前記第1のエリアに埋め込むステップと、
前記画像信号に設定される前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報を、第2の電子透かし情報として埋め込むステップと、
をコンピュータに実行させるための電子透かし埋め込みプログラム。
(2) 入力された画像信号から2つの電子透かし情報を検出して、画像信号の改竄を判定する機能をコンピュータに実現させるための電子透かし検出・改竄判定プログラムであって、
前記画像信号は、第1のエリアに前記第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報が第1の電子透かし情報として埋め込まれ、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報が第2の電子透かし情報として埋め込まれた信号であり、
前記第1のエリアから前記第1の電子透かし情報に相当する第3の電子透かし情報を検出するステップと、
前記第2のエリアから前記第2の電子透かし情報に相当する第4の電子透かし情報を検出するステップと、
前記第3の電子透かし情報の値と前記第4の電子透かし情報の値とを比較し、前記2つの値が一致した場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄なしと判定し、前記2つの値が一致しない場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄ありと判定するステップと、
をコンピュータに実行させるための電子透かし検出・改竄判定プログラム。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。まず改竄検出用データの埋め込みについて説明する。図1は、本発明に係る電子透かし埋め込みプログラムの一実施例を示すフローチャートである。このプログラムは、記録媒体から読みとられてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0013】
図2のように横720画素×縦480画素のディジタル画像が入力された場合について説明する。まず、このディジタル画像に対して図1に示す領域分割ステップS1を行う。初めに改竄検出を行う領域エリア1(横720画素×縦464画素)とそれ以外の領域エリア2(横720画素×縦16画素)に分割する。
【0014】
その次に、図3のようにさらにエリア1に対して所定の単位(横360画素×縦232画素)で画像をエリア11〜エリア14に4分割する。同様に図4のようにエリア2に対しても所定の単位(横128画素×縦16画素)で画像をエリア21〜エリア24に4分割する。さらに各エリア21〜エリア24を所定の単位(横8画素×縦16画素)で画像を8分割する。例えばエリア21に対しては、図5のようにエリア211〜エリア218に8分割する。
【0015】
次に、各分割領域の平均輝度値算出ステップS2を行う。まず、エリア11の平均輝度値を求める。エリア11の各画素の輝度値をY1、Y2、Y3、・・・、Y83520(0≦Yi≦255、1≦i≦83520)、さらにSUM1を、
SUM1=Y1+Y2+Y3+・・・+Y83520
(以下、各分割領域の画素数83520=360×232をN1と置く)
とすると、平均輝度値AVG1は、
AVG1=SUM1//N1
で求まる。(演算子//は除算後小数点以下の四捨五入を表す)
この平均輝度値AVG1が、後述するように第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報である第1の電子透かし情報となる。
【0016】
次に、各分割領域の加減算量算出ステップS3を行う。加減算量DELTA1は以下のようにして求まる。
【0017】
DELTA1=|SUM1−AVG1×N1|
次に、上記のDELTA1に応じて各分割領域の画素操作ステップS4を行う。まず、SUM1−AVG1×N1が正か負かを計算する。正ならば、各画素の輝度値の合計SUM1がAVG1×N1になるように、DELTA1だけ画素値を減算する。逆に負ならば、加算する。
【0018】
ここで、輝度値の合計をDELTA1だけ加減算する理由を以下に説明する。電子透かし改竄検出データ埋め込み後にMPEG等に符号化される場合に、基本的には各DCTブロックの平均輝度値は保存される、つまりエリア11のAVG1は保存される。しかしながら、MPEGの各計算ステップで行われる整数演算やプリ・ポストフィルタ等の画像処理によって、多少の計算誤差が出てくる。それによって、MPEG符号化前のAVG1と符号化後に計算したAVG1は、異なる値になる可能性がある。この事とAVG1が四捨五入演算である事を考慮して、AVG1が整数になるようにDELTA1だけ加減算する。
【0019】
また、上記のAVG1、SUM1、N1の関係より、
DELTA1<N1
が成り立つ。したがって減算の方法は、画質劣化を防ぐために一定のエリアに集中しないように、かつ大きな値を減算しないように行うことにする。例えば、図6のように3画素ごとに輝度値を1減算して、DELTA1が0になるまで同様の作業を続ける。もしくは、画像の輝度変化の目立ちにくい部分を予め計算で選んでから、減算を行ってもよい。
【0020】
このようにして、結果的にエリア11に平均輝度値AVG1が、第1の電子透かし情報として埋め込まれる。
【0021】
次に、エリア11に対応するエリア2内の領域エリア21に対する電子透かし埋め込みステップS5を行う。図7は、電子透かし埋め込みステップS5の手順を示すフローチャートである。まず、エリア11の平均輝度値AVG1を2進数表現(b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8)で表すステップS51を行う。b1が最上位ビット、b8が最下位ビットとする。この2進数表現された平均輝度値AVG1が、後述するように第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報である第2の電子透かし情報となる。
【0022】
次に、図5に示すエリア211の平均輝度値AVG2を求めるステップS54を行う。AVG1と同様にエリア211の全画素の輝度値の合計をSUM2、全画素数をN2とすると、
AVG2=SUM2//N2
で求まる。
【0023】
次に、最上位ビットb1の値によってエリア211の画素操作を行うステップS56またはS57を行う。もし2進数の値b1が0ならば、AVG2を偶数にするための加減算を行う。加減算量DELTA2は、もしAVG2が偶数の場合は、以下のようにして求まる。
【0024】
DELTA2=|SUM2−AVG2×N2|
また、AVG2が奇数の場合は、
d1=|SUM2−(AVG2+1)×N2|
d2=|SUM2−(AVG2−1)×N2|
のうち小さい方をDELTA2とする。
【0025】
ここで、ここで絶対値差分が小さくなる方選択するようにしたのは、以下のステップにて差分値DELTA2が画素ブロック内の画素の加減算に反映されることによる画質劣化を極力抑える為である。そして、エリア11のときと同様に、SUM2、AVG2、N2の関係を見て、DELTA2だけ輝度値の加算もしくは減算を画質劣化のないように行う。
【0026】
一方、b1が1の場合もAVG2を奇数にするために同様の操作を行う。次に、b2の値に応じてエリア212に対して操作を行い、さらに同様の操作をエリア218まで行う。
【0027】
このようにして、結果的にエリア21に2進数表現された平均輝度値AVG1が、第2の電子透かし情報として埋め込まれる。(2進数表現されたビットb1がエリア211に、b2がエリア212というように、結果的にb1〜b8の各ビットがそれぞれエリア211〜エリア218に電子透かし情報として埋め込まれる。)
以上述べてきたステップが、エリア11に対する電子透かし埋め込みの説明である。これを、エリア14まで行えば入力画像に対する改竄検出用データ埋め込みの作業は終了である。
【0028】
次に、改竄検出について説明する。図8は、本発明に係る電子透かし検出・改竄判定プログラムの一実施例を示すフローチャートである。このプログラムは、記録媒体から読みとられてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0029】
まず、画像の領域分割ステップS7を埋め込み時と同様の手順で行う。次にエリア11の平均輝度値を算出するステップS8を行う。これも埋め込み時と同様に、
AVG1=SUM1//N1
で求める。(この算出されたAVG1が前記第1の電子透かし情報に相当する第3の電子透かし情報である。)
次にエリア21に埋め込まれている電子透かしWMを検出するステップS9を行う。まず、エリア211の平均値AVG2を埋め込み時と同様に、
AVG2=SUM2//N2
で求める。AVG2が偶数ならばb1=0、奇数ならばb1=1とする。同様の作業をエリア218まで行う。そして、b1を最上位ビット、b8を最下位ビットとして2進数表現(b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8)を10進法の数値WMに変換する。(この算出された2進数表現の電子透かしWMが前記第2の電子透かし情報に相当する第4の電子透かし情報である。)ここで、
AVG1=WM (1)
が成立すれば改竄なし、成立しなければエリア11で改竄ありと判定する。
【0030】
ここで、式(1)を改竄判定の基準にしたのは、ユーザがエリア11の一部分を別の画像で置き換えた場合にエリア11の平均輝度値が変化することによって、改竄前の平均値WMとの比較によって改竄の有無が判るという理由からである。
【0031】
以上述べてきたステップが、エリア11に対する電子透かし改竄検出の説明である。これを、エリア14までもしくは改竄ありの判定が出るまで行えば入力画像に対する改竄検出の作業は終了である。また、図8では1度でも改竄ありの判定が出たら、ユーザに伝えて終了するようにしてあるが、必ず最後のエリアまでS8〜S10のステップを行うことによって、改竄されているエリアが複数あった場合にその全てをユーザに伝えることが出来るので、そのようにしても良い。
【0032】
なお、上述の実施例では第1の電子透かし情報として平均輝度値を用いたが、他の統計的情報である、平均色差値、合計輝度値、合計色差値等を用いてもよい。また、上述の実施例では第2の電子透かし情報の表現形式として2進表現(バイナリ表現)を用いたが、10進表現、16進表現(ヘキサ表現)等を用いてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明を用いれば、画像信号に、第1のエリアと等価な画像信号に関する統計的情報を第2のエリアに埋め込むことによって、メッセージ認証子や付属情報を必要とせず画像信号単体で、その画像信号の改竄の有無を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子透かし埋め込みプログラムの一実施例を示すフローチャートである。
【図2】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図3】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図4】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図5】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図6】輝度値の減算方法の一例を示した図である。
【図7】図1に示す実施例におけるステップ5の詳細なフローチャートである。
【図8】本発明に係る電子透かし検出・改竄判定プログラムの一実施例を示すフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル画像データの信頼性証明におけるデータ改竄の有無を検出するための、電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル技術の普及によって、ディジタルコンテンツが多く流通するようになってきた。CD(コンパクト・ディスク)やMD(ミニ・ディスク)やDVD(ディジタル多用途ディスク)等のパッケージメディアは、その代表的な例である。
【0003】
一方、パッケージメディア以外にもネットワーク上で、ディジタルの動画や静止画が流通するようになってきた。同時に、ディジタル形式という理由及びネットワーク経路を利用するという理由で、伝送中に第三者によるデータの改竄も行われてきた。
【0004】
それらのディジタルデータの改竄を検出する方法としては、次の方法が一般的に使われている。まずディジタルデータのハッシュ値を計算して、その計算結果を別データとして保持しておく。「ハッシュ値」とは、「ハッシュ関数」と呼ばれるものによって計算された結果である。「ハッシュ関数」とは、関数値yが与えられたときにh_K(x)=yとなるようなxを求めることが困難な関数h_Kのことである。
【0005】
改竄検出にハッシュ関数を利用する場合は、xは任意の長さでyは固定長である。この際、h_Kは送信者と受信者のみが知っている秘密鍵Kによって変化するものであり、K及びxが与えられたとき、h_K(x)は容易に計算出来るように設計しておく必要がある。そして、データにハッシュ値を添付して受信者側に送る。万全を期す場合は、データとハッシュ値を暗号化して送信することもある。
【0006】
受信者側は、送信者と同じ秘密鍵を用いてハッシュ値を計算して、送られてきたハッシュ値と等しいかどうかを検証する。等しければ「改竄なし」で、等しくなければ「改竄あり」と判断する。
【0007】
以上の手段は一般的に「メッセージ認証」、またh_Kの計算結果は「メッセージ認証子」と言われている。
【0008】
【非特許文献1】
岡本龍明・山本博資、「シリーズ/情報科学の数学 現代暗号」、産業図書株式会社、1997年6月30日、P178〜P180、11.5 ElGamal 11.6 DSA署名(ISBN4−7828−5353−X C3355)
この文献での署名が上記のメッセージ認証子に相当する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のメッセージ認証子を使った改竄検出とは、改竄検出を行う画像とは別に「メッセージ認証子」という別の情報を付属させておく必要があった。しかしながら、画像をネットワーク流通させる際には、画像信号本体だけ存在すれば再生可能なので、付属情報と共に流通させるのは不便である。また、画像信号のヘッダなどに「メッセージ認証子」の情報を書き込んでも、再符号化が行われてしまえば、そのデータは消失してしまう。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、画像単体でその画像の改竄の有無を判定出来る電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために本発明は、下記の電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラムを提供するものである。
(1) 入力された画像信号に設定される第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報を、第1の電子透かし情報として前記第1のエリアに埋め込むステップと、
前記画像信号に設定される前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報を、第2の電子透かし情報として埋め込むステップと、
をコンピュータに実行させるための電子透かし埋め込みプログラム。
(2) 入力された画像信号から2つの電子透かし情報を検出して、画像信号の改竄を判定する機能をコンピュータに実現させるための電子透かし検出・改竄判定プログラムであって、
前記画像信号は、第1のエリアに前記第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報が第1の電子透かし情報として埋め込まれ、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報が第2の電子透かし情報として埋め込まれた信号であり、
前記第1のエリアから前記第1の電子透かし情報に相当する第3の電子透かし情報を検出するステップと、
前記第2のエリアから前記第2の電子透かし情報に相当する第4の電子透かし情報を検出するステップと、
前記第3の電子透かし情報の値と前記第4の電子透かし情報の値とを比較し、前記2つの値が一致した場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄なしと判定し、前記2つの値が一致しない場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄ありと判定するステップと、
をコンピュータに実行させるための電子透かし検出・改竄判定プログラム。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。まず改竄検出用データの埋め込みについて説明する。図1は、本発明に係る電子透かし埋め込みプログラムの一実施例を示すフローチャートである。このプログラムは、記録媒体から読みとられてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0013】
図2のように横720画素×縦480画素のディジタル画像が入力された場合について説明する。まず、このディジタル画像に対して図1に示す領域分割ステップS1を行う。初めに改竄検出を行う領域エリア1(横720画素×縦464画素)とそれ以外の領域エリア2(横720画素×縦16画素)に分割する。
【0014】
その次に、図3のようにさらにエリア1に対して所定の単位(横360画素×縦232画素)で画像をエリア11〜エリア14に4分割する。同様に図4のようにエリア2に対しても所定の単位(横128画素×縦16画素)で画像をエリア21〜エリア24に4分割する。さらに各エリア21〜エリア24を所定の単位(横8画素×縦16画素)で画像を8分割する。例えばエリア21に対しては、図5のようにエリア211〜エリア218に8分割する。
【0015】
次に、各分割領域の平均輝度値算出ステップS2を行う。まず、エリア11の平均輝度値を求める。エリア11の各画素の輝度値をY1、Y2、Y3、・・・、Y83520(0≦Yi≦255、1≦i≦83520)、さらにSUM1を、
SUM1=Y1+Y2+Y3+・・・+Y83520
(以下、各分割領域の画素数83520=360×232をN1と置く)
とすると、平均輝度値AVG1は、
AVG1=SUM1//N1
で求まる。(演算子//は除算後小数点以下の四捨五入を表す)
この平均輝度値AVG1が、後述するように第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報である第1の電子透かし情報となる。
【0016】
次に、各分割領域の加減算量算出ステップS3を行う。加減算量DELTA1は以下のようにして求まる。
【0017】
DELTA1=|SUM1−AVG1×N1|
次に、上記のDELTA1に応じて各分割領域の画素操作ステップS4を行う。まず、SUM1−AVG1×N1が正か負かを計算する。正ならば、各画素の輝度値の合計SUM1がAVG1×N1になるように、DELTA1だけ画素値を減算する。逆に負ならば、加算する。
【0018】
ここで、輝度値の合計をDELTA1だけ加減算する理由を以下に説明する。電子透かし改竄検出データ埋め込み後にMPEG等に符号化される場合に、基本的には各DCTブロックの平均輝度値は保存される、つまりエリア11のAVG1は保存される。しかしながら、MPEGの各計算ステップで行われる整数演算やプリ・ポストフィルタ等の画像処理によって、多少の計算誤差が出てくる。それによって、MPEG符号化前のAVG1と符号化後に計算したAVG1は、異なる値になる可能性がある。この事とAVG1が四捨五入演算である事を考慮して、AVG1が整数になるようにDELTA1だけ加減算する。
【0019】
また、上記のAVG1、SUM1、N1の関係より、
DELTA1<N1
が成り立つ。したがって減算の方法は、画質劣化を防ぐために一定のエリアに集中しないように、かつ大きな値を減算しないように行うことにする。例えば、図6のように3画素ごとに輝度値を1減算して、DELTA1が0になるまで同様の作業を続ける。もしくは、画像の輝度変化の目立ちにくい部分を予め計算で選んでから、減算を行ってもよい。
【0020】
このようにして、結果的にエリア11に平均輝度値AVG1が、第1の電子透かし情報として埋め込まれる。
【0021】
次に、エリア11に対応するエリア2内の領域エリア21に対する電子透かし埋め込みステップS5を行う。図7は、電子透かし埋め込みステップS5の手順を示すフローチャートである。まず、エリア11の平均輝度値AVG1を2進数表現(b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8)で表すステップS51を行う。b1が最上位ビット、b8が最下位ビットとする。この2進数表現された平均輝度値AVG1が、後述するように第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報である第2の電子透かし情報となる。
【0022】
次に、図5に示すエリア211の平均輝度値AVG2を求めるステップS54を行う。AVG1と同様にエリア211の全画素の輝度値の合計をSUM2、全画素数をN2とすると、
AVG2=SUM2//N2
で求まる。
【0023】
次に、最上位ビットb1の値によってエリア211の画素操作を行うステップS56またはS57を行う。もし2進数の値b1が0ならば、AVG2を偶数にするための加減算を行う。加減算量DELTA2は、もしAVG2が偶数の場合は、以下のようにして求まる。
【0024】
DELTA2=|SUM2−AVG2×N2|
また、AVG2が奇数の場合は、
d1=|SUM2−(AVG2+1)×N2|
d2=|SUM2−(AVG2−1)×N2|
のうち小さい方をDELTA2とする。
【0025】
ここで、ここで絶対値差分が小さくなる方選択するようにしたのは、以下のステップにて差分値DELTA2が画素ブロック内の画素の加減算に反映されることによる画質劣化を極力抑える為である。そして、エリア11のときと同様に、SUM2、AVG2、N2の関係を見て、DELTA2だけ輝度値の加算もしくは減算を画質劣化のないように行う。
【0026】
一方、b1が1の場合もAVG2を奇数にするために同様の操作を行う。次に、b2の値に応じてエリア212に対して操作を行い、さらに同様の操作をエリア218まで行う。
【0027】
このようにして、結果的にエリア21に2進数表現された平均輝度値AVG1が、第2の電子透かし情報として埋め込まれる。(2進数表現されたビットb1がエリア211に、b2がエリア212というように、結果的にb1〜b8の各ビットがそれぞれエリア211〜エリア218に電子透かし情報として埋め込まれる。)
以上述べてきたステップが、エリア11に対する電子透かし埋め込みの説明である。これを、エリア14まで行えば入力画像に対する改竄検出用データ埋め込みの作業は終了である。
【0028】
次に、改竄検出について説明する。図8は、本発明に係る電子透かし検出・改竄判定プログラムの一実施例を示すフローチャートである。このプログラムは、記録媒体から読みとられてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0029】
まず、画像の領域分割ステップS7を埋め込み時と同様の手順で行う。次にエリア11の平均輝度値を算出するステップS8を行う。これも埋め込み時と同様に、
AVG1=SUM1//N1
で求める。(この算出されたAVG1が前記第1の電子透かし情報に相当する第3の電子透かし情報である。)
次にエリア21に埋め込まれている電子透かしWMを検出するステップS9を行う。まず、エリア211の平均値AVG2を埋め込み時と同様に、
AVG2=SUM2//N2
で求める。AVG2が偶数ならばb1=0、奇数ならばb1=1とする。同様の作業をエリア218まで行う。そして、b1を最上位ビット、b8を最下位ビットとして2進数表現(b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8)を10進法の数値WMに変換する。(この算出された2進数表現の電子透かしWMが前記第2の電子透かし情報に相当する第4の電子透かし情報である。)ここで、
AVG1=WM (1)
が成立すれば改竄なし、成立しなければエリア11で改竄ありと判定する。
【0030】
ここで、式(1)を改竄判定の基準にしたのは、ユーザがエリア11の一部分を別の画像で置き換えた場合にエリア11の平均輝度値が変化することによって、改竄前の平均値WMとの比較によって改竄の有無が判るという理由からである。
【0031】
以上述べてきたステップが、エリア11に対する電子透かし改竄検出の説明である。これを、エリア14までもしくは改竄ありの判定が出るまで行えば入力画像に対する改竄検出の作業は終了である。また、図8では1度でも改竄ありの判定が出たら、ユーザに伝えて終了するようにしてあるが、必ず最後のエリアまでS8〜S10のステップを行うことによって、改竄されているエリアが複数あった場合にその全てをユーザに伝えることが出来るので、そのようにしても良い。
【0032】
なお、上述の実施例では第1の電子透かし情報として平均輝度値を用いたが、他の統計的情報である、平均色差値、合計輝度値、合計色差値等を用いてもよい。また、上述の実施例では第2の電子透かし情報の表現形式として2進表現(バイナリ表現)を用いたが、10進表現、16進表現(ヘキサ表現)等を用いてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明を用いれば、画像信号に、第1のエリアと等価な画像信号に関する統計的情報を第2のエリアに埋め込むことによって、メッセージ認証子や付属情報を必要とせず画像信号単体で、その画像信号の改竄の有無を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子透かし埋め込みプログラムの一実施例を示すフローチャートである。
【図2】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図3】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図4】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図5】画像の領域分割方法の一例を示す図である。
【図6】輝度値の減算方法の一例を示した図である。
【図7】図1に示す実施例におけるステップ5の詳細なフローチャートである。
【図8】本発明に係る電子透かし検出・改竄判定プログラムの一実施例を示すフローチャートである。
Claims (2)
- 入力された画像信号に設定される第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報を、第1の電子透かし情報として前記第1のエリアに埋め込むステップと、
前記画像信号に設定される前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報を、第2の電子透かし情報として埋め込むステップと、
をコンピュータに実行させるための電子透かし埋め込みプログラム。 - 入力された画像信号から2つの電子透かし情報を検出して、画像信号の改竄を判定する機能をコンピュータに実現させるための電子透かし検出・改竄判定プログラムであって、
前記画像信号は、第1のエリアに前記第1のエリアから得られる画像信号に関する統計的情報が第1の電子透かし情報として埋め込まれ、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアに、前記第1の電子透かし情報とは表現形式の異なる前記第1の電子透かし情報と等価の情報が第2の電子透かし情報として埋め込まれた信号であり、
前記第1のエリアから前記第1の電子透かし情報に相当する第3の電子透かし情報を検出するステップと、
前記第2のエリアから前記第2の電子透かし情報に相当する第4の電子透かし情報を検出するステップと、
前記第3の電子透かし情報の値と前記第4の電子透かし情報の値とを比較し、前記2つの値が一致した場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄なしと判定し、前記2つの値が一致しない場合には、前記画像信号の第1のエリアに対して改竄ありと判定するステップと、
をコンピュータに実行させるための電子透かし検出・改竄判定プログラム。
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---|---|---|---|
JP2003118033A JP2004328193A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003118033A JP2004328193A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004328193A true JP2004328193A (ja) | 2004-11-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003118033A Withdrawn JP2004328193A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 電子透かし埋め込みプログラム、及び電子透かし検出・改竄判定プログラム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004328193A (ja) |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118033A patent/JP2004328193A/ja not_active Withdrawn
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