JP2004326476A - データとテキストを統合させた文書分析システム - Google Patents

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剛行 今津
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Abstract

【課題】時間データが付与された文書セットから、問い合わせ者が指定した二通りの時期間において、文書を特徴付ける分類を比較することによって、文書を効率的に分析する。
【解決手段】クライアント110より、ある事象に対する二つの時期を指定することにより、文書分類作成処理部101は文書テーブル103より指定された時期に相当する文書と、あらかじめ前処理部106によって作成された、文書テーブル103全体より、各文書をそれぞれが持つ特徴タームによって分類した、全体分類テーブル104を受け取り、指定した時期の前後に沿った、前比較分類テーブル107と後比較分類テーブル108を作成する。そして、前比較分類テーブル107と後比較分類テーブル108間にもとづき分類間の時期に対する差異を求めることによって、文書分類表示部102が問い合わせ者の指定した時期を特徴付ける分類、特徴タームを表示する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ある二通りの時期間における、特長の差や移り変わりを得るために、時間データを持った文書を分析するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
文書分析技術において、従来では、文書中の単語や複合語、構造などを基にして文書分析が行われていた。
【0003】
従来技術として、テーマが付与された時間データを持つ文書と、時系列データを対応付け、各文書のテーマや時系列データを用いて文書分析を行う技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、文書の確率的特徴付けの方法とそれに基づく文書分類の方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−251590号公報
【特許文献2】
特開平9−62693号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術のうち、文書中の単語や複合語、構造を用いた文書分析では、必要な情報を効率よく分析することができなかった。T特許文献1では、文書に付与されたテーマ情報を用いることにより効率性は上がったが、ある時系列に対応した文書の出現を元に分析しているため、ある事象が生じた際に無くなった文書などといった違った観点からの分析ができず、また抽出した分類同士を比較する方法が無かった。
【0006】
本発明の目的は、テーマ情報を持たせることなく、指定時期の前後における、分類中の文書数変化量により分類同士を比較し、時期に対する特徴を効率よく分析することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
分類テーブルにより自動分類された文書に対して、分析を行いたい二通りの時期(期間)を問い合わせ者が指定することにより、時間データを有する文書テーブルから時期前後に相当する文書を収集し、分類テーブルを用いて比較用の比較分類テーブルを作成する。
【0008】
その後に、問い合わせ者が指定した時期の前後において、指定時期中に存在する、各分類が持つ文書の変化量を分析することにより、時期を特徴付ける分類、特徴タームを抽出する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の全体構成を表す図である。図1において、問い合わせ者はクライアントシステム110より、分析システム100に比較を行いたい二通りの時期と、文書の属性を入力する。
【0010】
分析システム100中では、文書分類作成処理部101がクライアントシステム110からの入力を受け取る。
【0011】
文書分類作成処理部101では、入力された情報に従い、時間データを持つ文書データを保存する文書テーブル103から文書データを受け取る。また分析を行う前に前処理部106は、文書テーブル103中にある文書全体から、同じ特徴タームを持つ文書ごとに分類した全体分類テーブル104を作成しておく。ここで分類テーブル作成手段としては、特許文献2に記載された手段などの既存の手段を使用することができる。
【0012】
文書分類作成処理部101は全体分類テーブル104と先ほど文書テーブル103から受け取った文書データを用いて、二通りの指定時期に沿った、前比較分類テーブル107と後比較分類テーブル108を作成する。
【0013】
この後、前比較分類テーブルと後比較分類テーブル中における各分類を構成する文書数の増減、もしくは文書数比によって、比較を行い、結果を文書分類表示102へと送り、表示データを作成した後にクライアントシステム110へと返す。
【0014】
尚、部分分類テーブル105については、図9で説明する。
【0015】
図2は文書テーブル103において保存されている、文書セットテーブルのイメージ200を表す。文書セットにおいて、各文書は文書の種類を表す文書種201、一意に識別する値である文書ID202、文書の題名を表すタイトル203、文書に対応した顧客を表す顧客名204、文書を作成した人物を表す作成者名205、文書を作成した年月日を表す作成日付206、文書に対応した製品名を表す製品名207、文書中にて実際に書かれている本文情報を表す内容208、そして文書を特徴付ける特徴タームを表す文書別特徴ターム209から構成される。
【0016】
図3は文書テーブル103において保存されている、全文書より作成した全体分類テーブル104のイメージ300を表す。分類名301はこのテーブル中にて、各分類を一意に識別する名前を示し、文書ID302は文書テーブル103において、この分類に属する文書全ての文書IDを示し、特徴ターム303はこの分類を特徴づける特長ターム集合のうち、使用頻度が高いものを表す。各文書はこの全体分類テーブル中において、一つの分類にのみ属することができ、分類数、分類に属する文書数、特徴ターム数は1以上であることだけを制限とする。
【0017】
図4は問い合わせ者が指定した二通りの時期の内、時間的に昔に相当する時期(前比較期間)に作成された文書から構成される前比較分類テーブル400と、時間的に新しい時期(後比較期間)に作成された文書から構成される後比較分類テーブル410のイメージを表す。
ここでは、問い合わせ者が2003年1月1日から2003年1月31日までの文書と、2003年2月1日から2003年2月28日までの文書を比較、分析するとする。前比較分類テーブル400は2003年1月1日から2003年1月31日までに作成された文書がそれぞれどの分類に属しているかを示すもので、後比較分類テーブル410は2003年2月1日から2003年2月28日までに作成された文書がそれぞれどの分類に属しているかを示している。
【0018】
分類名401、411は各比較分類テーブルにて、各分類を一意に識別する名前を示し、文書ID402、412は文書テーブル103において、この分類に属する文書の内、前比較期間、もしくは後比較期間に属する文書のみ各時期に沿った文書IDを示す。各比較分類テーブルでは、分類数は1以上、分類に属する文書数が0以上であるとし、各比較分類テーブルを構成する分類は同じものが作成される。各比較分類テーブルの作成処理は図7にて示す。
【0019】
図5は文書分類作成処理部101における、文書分類比較のイメージを表す図である。文書分類作成処理部101は、各比較分類テーブルを作成後、前比較分類テーブル107を構成する前比較期間分類500と、後比較分類テーブル108を構成する後比較期間分類510を作成する。
【0020】
前比較期間分類500、後比較期間分類510はその分類を示す分類名401に便宜上、それぞれP,Aを付けた分類名501と、分類に属する文書数502と、各比較分類テーブル中における、その分類に属する文書数の割合である文書比503を属性として持ち、同じ分類の文書数502、文書比503を事象の前後において比較することにより、変化量の大きい、情報量が高いと考えられる分類情報を求めることができる。
【0021】
図6はクライアントシステム110における、分析システム100への入力例と、文書分類表示部102から送られてきた分析結果の出力例から構成される画面600のイメージを表す図である。図中において条件入力部620は入力部を、結果出力部630は出力部を表す。文書分類作成処理部101にて取り扱う文書を絞り込むための絞込み条件として、次の様な属性がある。顧客名601を指定することによって、文書テーブル103において顧客名204が等しい文書のみを扱う。また、何も入力しない場合は全ての顧客名を対象とする。作成者名602を指定することによって、文書テーブル103において作成者名205が等しい文書のみを扱う。
【0022】
また、何も入力しない場合は全ての作成者名を対象とする。製品名607を指定することによって、文書テーブル103において製品名207が等しい文書のみを扱い、文書種608を指定することによって、文書テーブル103において文書種201が等しい文書のみを扱う。前比較期間は603から604の期間として入力し、後比較期間は605から606の期間として入力する。603、604、605、606は必須となる入力値である。以上の条件を入力した後に、検索ボタン609を押すことによって、条件を文書分類作成処理部101へと渡し、返ってきた分析結果を結果出力部630に出力する。
【0023】
結果出力部630において、分類一覧632では文書分類作成処理部101にて比較した分類と、各分類中における前比較期間、後比較期間での文書数、文書比の内訳を表示する。また、各分類の横にあるアイコン633を選択することにより、その分類中における前比較期間の文書ファイル一覧634、後比較期間の文書ファイル一覧635、分類の特徴ターム一覧636が表示される。文書ファイル一覧では、文書テーブル103に保存されている、各文書のタイトル637と文書別特徴ターム638が表示され、ファイルアイコン639を選択することにより、選択した文書データの内容を確認することができる。
【0024】
例として、先月(2003年1月)と比べて今月(2003年2月)は顧客がどのようなことに興味を持っているかを調べるために、文書分析を行った結果、分類一覧632を見てみると、分類「事故」と分類「環境」の期間に対する変化量が大きいことがわかり、この分類中にある文書を調べることにより、最近の顧客の興味がわかるのではないかと予想できる。続いて、分類「環境」に注目してみると、特徴ターム一覧636にある通り、「環境」、「表彰」、「法律」、「世論」といった特徴タームを持った文書が今月になって大幅に増加していることが確認できる。そして、後比較期間の文書ファイル一覧635中にあるように、文書のタイトル637と文書別特徴ターム638を確認することにより、容易に文書の分析を行うことができる。
【0025】
図7は文書分類作成処理部にて行われる、問い合わせ者が指定した二通りの時期に対する、前比較分類テーブル107と後比較分類テーブル108の作成処理を表す。
【0026】
まず、文書テーブル103から、図6にて入力された、文書取得条件に合致した文書を取得し文書リストを作成する(701)。次に文書リストから1件ずつ文書データを取得しながら(702)、文書テーブル103に保存されている文書全体から前処理部106に作成された全体分類テーブル104より、文書データに対応する分類を取得する(703)。続いて、文書の作成日付206と問い合わせ者が入力した前比較期間、後比較期間を比較し(704)、前比較期間中に作成された文書であれば、前比較分類テーブルの、後比較期間に作成された文書であれば、後比較分類テーブルの相当する分類に文書を付加する(705,706)。
【0027】
もし、付加しようとする文書の分類がまだ比較分類テーブルに存在していなければ、前比較分類テーブル、後比較分類テーブル両方に分類を追加し、両比較分類テーブル中には常に同じ分類が存在するとする。この処理を文書テーブル中にある全ての文書を取得するまで繰り返し(707)、その後に文書分類比較処理(708)を行う。
【0028】
図8は前比較分類テーブル107と後比較分類テーブル108から分類間を比較するために、各比較期間分類500,510を作成する処理を表す。
【0029】
まず比較分類テーブル(107、108)から1件ずつ分類情報を取得し、比較期間分類500として保存する(801)。次に、その分類に属している文書の数を求め、比較期間分類に対する文書数502として保存する(802)。この処理を、比較分類テーブル中の全ての分類に対して行ったあと(803)、各比較期間分類に属している文書数の、比較分類テーブル中にある全ての文書数に対する割合を求め、各比較期間分類の文書比503として保存する(804)。
【0030】
もう一つの実施例として、全体分類テーブルを使用した分析を行った結果として分類間の差が小さかった場合に、部分分類テーブル105を使用することによって違う視点から文書分析を行う。このとき、文書テーブル103全体から作成した全体分類テーブル104を使用せずに、問い合わせ者が指定した二通りの時期中に作成された文書から、文書分類作成処理部101が作成した部分分類テーブル105使用する。
【0031】
図9は部分分類テーブルのイメージを表し、分類名901はこのテーブル中にて、各分類を一意に識別する名前を示し、文書ID902は文書テーブル103において、この分類に属する文書のうち問い合わせ者が指定した二通りの時期中に作成された文書の文書IDを示し、特徴ターム903はこの分類を特徴づける特長ターム集合を表す。各文書はこの部分分類テーブル中において、一つの分類にのみ属することができ、分類数、分類に属する文書数、特徴ターム数は1以上であることだけを制限とする。
【0032】
全体分類テーブル104を文書分析に使用する場合は、文書テーブル全体における分類を分類分析に適用することによって、大局的な視点で分類の差異を分析することができる。一方、部分分類テーブル105を使用する場合は、指定時期に作成された文書による分類のみを分類分析に適用することによって、局所的な視点で分類の差異を分析することができ、全体分類テーブルを使用した分析では出現しなかった分類間の差が出現する可能性がある。
【0033】
もう一つの実施例として、図10は図7の別のやり方を表し、文書分析を行う際に最も文書分析を行うに値する、文書種を求める処理について説明を行う。
【0034】
適用度はある一つ文書種において、その文書種を属性として持つ文書における、分類間の文書数差を表し、この値が大きければ大きいほど文書分析に適していると考える。
【0035】
まず、文書テーブル103に保存されている文書のうち一種類の文書種201に注目し、図6における検索条件に合致した文書のうち、同じ文書種201を持つ文書のみを抽出した文書リストを作成する(1001)。その後に、図7と同様に、文書リストと文書テーブル103に保存されている文書全体から前処理部106に作成された全体分類テーブル104より、文書データを1件ずつ取得する。
【0036】
そして、文書の作成日付206と問い合わせ者が入力した前比較期間、後比較期間を比較し、前比較期間中に作成された文書であれば、前比較分類テーブルの、後比較期間に作成された文書であれば、後比較分類テーブルの相当する分類に文書を付加する。もし、付加しようとする文書の分類がまだ比較分類テーブルに存在していなければ、前比較分類テーブル、後比較分類テーブル両方に分類を追加し、両比較分類テーブル中には常に同じ分類が存在するとする。
【0037】
この処理を文書リスト中にある全ての文書を取得するまで繰り返す(1002)。続いて今処理を行った文書種に対する適用度を求める前に、先ほど作成した前、後比較分類テーブル中における各分類に属する文書数を求め(1003)、適用度の計算を行う(1004)。
【0038】
適用度Aは文書種別ごとに、全分類に対する前比較期間と後比較期間の間での文書数差の総和を分類数で割ったものであり、下記の数1によって表される。
【0039】
【数1】
Figure 2004326476
【0040】
【数2】
Figure 2004326476
【0041】
この文書種に対する分類数がN個であることを示す。
【0042】
【数3】
Figure 2004326476
【0043】
数2で示した分類Cに対して、数3で示した文書CDijは、前比較期間中に作成された文書をj=1〜M、後比較期間中に作成された文書をM+1〜Lと示す。
【0044】
一つの文書種に対する適用度を計算すると、続いて、次の文書種に対する適用度の計算を行う。この処理を全ての文書種に対して行い(1005)、最後に各文書種の適用度を比較し、最大の適用度を持つ文書種を求める(1006)。
【0045】
図6において、実際に文書種の適用度計算を、文書種検索ボタン610を押すことによって実行すると、文書種表示部621に最も適用度の高い文書種が優先して、設定され、分類一覧の表示される分類や文書等は文書種表示部に表示された文書種のみとなる。又、文書種表示部621に隣接するカーソルを押す事によって、他の種類の文書種を表示することができる。
【0046】
このように、指定時期(期間、時間情報)における文書を抽出し、抽出した文書の分類中の文書数変化量を比較することで、時間データと対応づけて記憶装置に格納された文書データに対する特徴を効率よく分析することができる。
【0047】
本発明における分析システムにより、時間データが付与された文書に対して、指定時期の前後における変化量を分析することにより、サインが顕著であるキーワードを求める事ができ、結果として、効率よく有益な文書分析を行うことができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明における分析システムにより、時間データが付与された文書に対して、指定時期の前後における変化量を分析することにより、効率よく文書分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体構成図
【図2】文書テーブルのイメージ
【図3】文書テーブル全体から作成した全体分類テーブルのイメージ
【図4】指定した時期に沿った前比較分類テーブルと後比較分類テーブル作成処理のイメージ
【図5】指定時期前後の文書分類比較処理のイメージ
【図6】情報分析システム画面例
【図7】指定時期前後の比較分類テーブル作成処理
【図8】比較期間分類作成処理
【図9】指定時期中にある文書から作成した部分分類テーブルのイメージ
【図10】文書種適用度計算処理
【符号の説明】
100・・・分析システム
101・・・文書分類作成処理部
102・・・文書分類表示部
103・・・文書テーブル
104・・・全体分類テーブル
105・・・部分分類テーブル
106・・・前処理部
107・・・前比較分類テーブル
108・・・後比較分類テーブル
110・・・クライアントシステム

Claims (4)

  1. 計算機を用いた文書を分析する方法であって、
    前記計算機は、第一の期間のデータと第二の期間のデータを受け付け、
    記憶装置に格納された時間データと文書データとを対応づけたデータを読み出し、
    前記第一の期間のデータにもとづいて前記文書データから第一の分析対象の文書データを抽出し、
    前記第二の期間のデータにもとづいて前記文書データから第二の分析対象の文書データを抽出し、
    前記第一の分析対象の文書データと前記第二の分析対象の文書データとの差分を求めることを特徴とする文書を分析する方法。
  2. 時間データを有する文書セットを分析するシステムにおいて、分類テーブルにより自動分類された文書に対して、二通りの時期を問い合わせ者が指定することにより、分析する文書を抽出したあと、分類中における文書を問い合わせ者が指定した時期の前後に分割し、時期前、時期後における分類中の文書数の増減、もしくは文書数の割合を比較し、分類の差異を求めることによって、問い合わせ者が指定した時期を特徴付ける分類を求め、時期間における特徴タームの違いを抽出する分析処理手段と、分析処理の関連データ入力、分析結果出力を行う入出力手段とを兼ね備えることを特徴とする文書分析システム。
  3. 請求項2の文書分析システムにおいて、文書セット全体より作成した分類テーブルと、問い合わせ者が指定した二通りの時期に相当する文書セットから分類テーブルを作成し、二通りの分類テーブルを用いることにより、局所的な視点と大局的な視点両方による分析を行うことを特徴とする文書分析システム。
  4. 請求項2の文書分析システムにおいて、種類の違う複数の文書セットに対して請求項2の文書分析処理を行い、参照に値する文書数、分類数の差によって、分析に対する適用度を計算し、問い合わせ者に文書分析に値する文書種を提示することを特徴とする文書分析システム。
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