JP2004325329A - 分注方法及び分注装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンプルを非接触で精度よく分注する。
【解決手段】分注ピン12の先端に保持されたタンパク質16のZ方向における位置関係が以下のようになっている。すなわち、保持部材21上に弾性体15を介して分注対象物であるプロテインチップ14が置かれており、プロテインチップ14上に略平面が形成されている。保持部材21は、プロテインチップ14を直接的又は間接的に保持している。分注ピン12は、上記略平面の略法線方向であるZ方向に移動でき、その先端に液滴16を保持できる。この分注ピン12と直接的又は間接的に接続され、Z方向におけるその先端位置が分注ピン12の先端位置12aの位置P1より近く、かつ、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の位置P3より短い位置のその先端P2がある位置決め部材13が設けられている。すなわち、分注ピン12の先端位置12aと、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の下端位置との間に、位置決め部材13の先端が位置するように設定されている。
【選択図】 図3
【解決手段】分注ピン12の先端に保持されたタンパク質16のZ方向における位置関係が以下のようになっている。すなわち、保持部材21上に弾性体15を介して分注対象物であるプロテインチップ14が置かれており、プロテインチップ14上に略平面が形成されている。保持部材21は、プロテインチップ14を直接的又は間接的に保持している。分注ピン12は、上記略平面の略法線方向であるZ方向に移動でき、その先端に液滴16を保持できる。この分注ピン12と直接的又は間接的に接続され、Z方向におけるその先端位置が分注ピン12の先端位置12aの位置P1より近く、かつ、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の位置P3より短い位置のその先端P2がある位置決め部材13が設けられている。すなわち、分注ピン12の先端位置12aと、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の下端位置との間に、位置決め部材13の先端が位置するように設定されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量分注技術に関する。例えば、遺伝子診断、遺伝子発現情報解析、遺伝子多型解析、蛋白質相互作用解析などの大量処理用スクリーニングツールであるプロテインチップに、タンパク質を含むサンプルを、分注用ピンを用いて分注する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAチップやプロテインチップは、分注対象物やシリコン等の基板上に1平方センチメートル当たり数百から数十万の密度でDNAや蛋白質を整列させ、固定化したものが一般的である。ある生物種の全ての遺伝子配列が解明されている場合、その情報を元にDNAチップを作成することにより、1回のハイブリダイゼーションでサンプルの全発現情報を得る技術が発展してきた。つまり配列が既知のDNAをアレイ状態に整列・固定化させ、そこに未知のサンプルを加えてハイブリダイゼーションを起こさせることにより、DNAチップには数千種類の異なるDNAプローブが含まれているために、同時に数千個の遺伝子を同定することができる。基礎研究の分野では、DNAチップは、既知遺伝子の発現パターンと比較することにより新たに発見された遺伝子の機能を推定する研究やシグナル伝達経路における重要物質を特定する研究や新種の遺伝子を同定する研究に利用されている。また治療薬にとっての新たな標的分子の発見、病気の診断やゲノム毒物学、疾病関連遺伝子の探索などの高いスループットが要求される分野においても重要な技術となっている。
【0003】
プロテインチップは、現状では抗体を固定化した抗体アレイを用い、ELISA法をチップ上で行うものが主流である。ELISA法は既に確立された技術であり、高感度分析が可能なためである。将来的には、プロテインチップは臨床診断、健康のモニター、環境、食品検査などの役割を担うと期待されている。
【0004】
DNAチップやプロテインチップの作成方法としては、例えばシリコン基板上においてDNAを合成していくオンチップ合成法と、DNA溶液やタンパク質溶液などの液体を分注する分注対象物(例えばシリコン基板)にDNAやタンパク質を微量分注(「スポット」とも称される)していく分注法の2通りの方法が知られており、分注法が広く利用されている。分注法には、ピン方式(接触型)とインクジェット方式(非接触型)の2種類がある。
【0005】
分注法のうちピン方式は、ピンを用いて分注対象物の表面に再現性良くDNAまたはタンパク質を分注し、固定化してチップを作成する方式である。スポッター若しくはアレイヤーと称されるチップ作成装置が市販されているが、再現性の良い分注を行うために、分注方法やピン先形状などに工夫を凝らしたものがある(例えば特許文献1及び2参照)。一方、インクジェット方式は、ピン方式と比較して処理速度が高く分注形状もより均質に仕上がるが、コストが高いために、現在はピン方式のアレイヤーが広く普及している。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5807522号明細書
【特許文献2】
米国特許第6101946号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ピン方式アレイヤーを使用する上で、以下に説明する2つの点について考慮する必要があると、本発明者は考えた。第1点目は、ピン方式では、分注対象物に直接にピンを接触させて分注するために、分注対象物の表面精度が悪い場合(例えば凸凹が大きい場合)には、分注対象物上の異なる位置における接触時間が異なり、分注量にも違いが生じる点である。分注量がピンの接触時間に対して比例する関係にあるためである。
【0008】
また、分注対象物の精度は高くても、分注対象物をセットする部分(アレイヤーステージ)が傾いている場合には、同様に分注量のばらつきが発生する。アレイヤーステージの傾きや分注対象物の精度を考慮した機械的制御によるμm単位の分注は、以上の理由により非常に困難である。従ってサンプルを精度良く分注するためには、ピンと分注予定位置との距離を常に一定になるように保持することが非常に重要である。
【0009】
2点目は、タンパク質相互作用解析やELISA法などを、プロテインチップを用いてピンタイプアレイヤーのみで行う場合には、ピンとプロテインチップとの接触によってプロテインチップに固定化されていたタンパク質が物理的接触により剥離したり、或いは、変性を受けたりしてしまうために、非接触での分注が要求される。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分注用ピンと分注対象物との距離が一定になるように保持するための位置決めピンを設けることにより、サンプルを精度よく分注する方法に関する。例えば、まず分注予定位置の周りを、例えば分注用ピン以外のピン(以下「位置決めピン」と称する。)により分注対象物を固定化し、分注用ピンと分注対象物との距離を一定に保持する。この際に分注対象物の下に伸縮性のある素材を敷き、その上から位置決めピンで分注対象物を押さえ付けることにより、分注対象物の表面精度に関係なく一定距離を保持することが可能である。その後、分注用ピンが位置決めピンの先端に達しない距離まで近づけることにより、サンプルの表面張力により非接触でサンプルを分注対象物に分注する。この2つの機構は一体としたものであっても良い。
【0011】
この方法は、遺伝子診断、遺伝子発現情報解析、遺伝子多型解析に有用であり、タンパク質の変性無しにサンプルを分注できるため、特にタンパク質の定量解析、発現解析や生体分子間相互作用解析に有用である。
【0012】
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図面を参酌して説明する。尚、以下の図において、同じ機能部分には同じ符号をつけて説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による微量分注技術について説明する。図1は、ピン方式アレイヤーステージの概観図(一例)であり、サンプル設置ユニット1と、分注対象物設置ユニット2と、洗浄ユニット3と、乾燥ユニット4と、スポットヘッド(ピン)5とを有して構成されている。サンプルは、例えば、96または384ウエルプレートに分注されたものである。
【0014】
装置自体は、例えば、X−Y−Zの自動搬送機構を有しており、スポットヘッド5がX−Y−Z方向に移動可能であり、ピンがサンプルを持ち上げて分注対象物に打ち込み、ピン先を洗浄し乾燥する工程を自動的に行う。この装置では、分注する位置をμm単位で制御できるため、上記の工程を繰り返すことにより高密度にDNAやタンパク質が整列したチップを作成することが出来る。分注量はpリットルからnリットルのオーダーであり、分注サイズは、直径100μmから300μm程度である。スポットヘッド5に搭載するピンの個数は1ピンから64ピン程度のものがある。
【0015】
図2は、本実施の形態による微量分注装置の原理の概略を示す図である。図2に示す装置は、タンパク質が保持された略平面を有するプロテインチップ14に、タンパク質を含む液体を分注する装置である。ゴム等の弾性体15を介してプロテインチップ14を保持部材(図示せず)に保持し、位置決め部材13を略平面に接触させ、プロテインチップ14を保持部材に押さえつけ、その先端12aにタンパク質を含む液滴16を保持する分注ピン12を略平面に接触しない位置まで近づけ、分注ピン12の先端に保持されたタンパク質を含む液滴16を略平面に保持されたタンパク質(図示せず)と接触させる。
【0016】
図3は、分注ピン12の先端に保持されたタンパク質16のZ方向における位置関係の詳細を示す図である。図3に示すように、保持部材21上に例えば弾性体15を介して分注対象物であるプロテインチップ14を置く。このプロテインチップ14上に略平面が形成されている。保持部材21は、プロテインチップ14を直接的又は間接的に保持している。分注ピン12は、上記略平面の略法線方向であるZ方向に移動でき、その先端に液滴16を保持できる。この分注ピン12と直接的又は間接的に接続され、Z方向におけるその先端位置が分注ピン12の先端位置12aの位置P1より近く、かつ、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の位置P3よりプロテインチップ14と反対側の位置P2となる位置決め部材13が設けられている。すなわち、分注ピン12の先端位置12aと、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の下端位置との間に、位置決め部材13の先端が位置するように設定されている。
【0017】
本実施の形態による表面精度の高い分注対象物にサンプルを非接触に分注する際のアレイヤーステージ全体の構成を図1(上述)に、スポットヘッドに関する断面図を図4に、スポットヘッドの概略斜視図を図5に示す。本実施の形態においては、分注ピン12と位置決めピン13とが固定されている。位置決めピン13により固定された位置内部の表面精度を補正することは難しいが、分注対象物の表面精度が高い場合には、スポットヘッド5に搭載するピンの個数が1ピンから64ピン程度のものであっても、位置決めピン13による分注対象物自体の傾きの補正さえ行えば、非接触での分注が可能となる。
【0018】
ヘッド上下動用ボルト10が回転しベルト11が動くことによりスポットヘッド5が上下動し、分注に関する一連の動作が可能となっている。図6(a)〜図7(d)までにサンプル分取後からサンプル分注処理を経て分注用ピンの洗浄・乾燥処理に至るまでの手順の概略を示す。図6(a)は、サンプル分取後の状態を示す概略図であり、図3に対応する図である。図6(b)に示すように、図6(a)の状態からスポットヘッド5をプロテインチップ14側に近づけていくと、位置決めピン13と分注ピン12との先端のZ方向の位置関係が図3に示すようになっているため、位置決めピン13の先端がプロテインチップ14の略表面に当接する。この状態において、分注ピン12の先端は略表面からある距離(図3の点P1と点P2との間の距離)だけ離れている。すなわち、位置決めピン13が分注対象物14に接触することにより、アレイヤーステージの傾きを補正するとともに、位置決めピン13の先端と分注対象物体14の先端との距離を0よりも大きくすることにより非接触微量分注が可能となる。この状態において、分注ピン12の先端に保持された液滴16は、位置決めピン13によりプロテインチップ14上に接触しており、分注ピン12によるサンプルスポットが行われる。
【0019】
図7(c)に示すように、分注ピン12及び位置決めピン13を、分注対象物体14から離すことにより、液滴16がプロテインチップ14上にスポッティングされた状態で分注ピン12は上記略平面から離れる。次に、分注ピン12を洗浄・乾燥した後に、図7(d)に示すように新たなサンプル16の分取が可能であり、従来型のアレイヤーにおいてスポットヘッド5以外の機構を変更することなく非接触な分注処理が可能である。尚、サンプル16を収容する第1の凹部18aを備えたサンプルホルダー18において、位置決めピン13の先端位置に対応するサンプルホルダーの表面に第2の凹部18bを設けておくことにより、後述の洗浄において、位置決めピン13の先端がサンプルホルダー18の表面に当らずに分注が可能なように構成されている。
【0020】
本実施の形態による方法を用いることにより、分注ピンがプロテインチップ14に非接触の状態で分注が可能であり、タンパク質を精度良くプロテインチップ14に分注することができる。加えて、ゴム等の弾性体15を介してプロテインチップ14を保持部材(図示せず)に保持し、位置決め部材13を略平面に接触させ、プロテインチップ14を保持部材に押さえ付け、タンパク質を含む液滴16を略平面に保持されたタンパク質と接触させるようにしたため、プロテインチップが全体的に傾いていた場合でも、その傾きを上記弾性体15により吸収することができ、精度良く分注することができる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態によるプロテインチップ分注技術について説明する。上記第1の実施の形態による方法に比べ、分注ピン12と分注対象物体14との接触時間を一定とすることが容易である。
【0022】
図8は、本発明の第2の実施の形態による微量分注装置の概略構成を示す図であり、表面精度の高い分注対象物にサンプルを非接触かつ精度よく分注する際のスポットヘッド機構に関する簡略断面図である。アレイヤーステージ全体の構成は図4と同様であるため、その説明は省略する。図8に示すように、本実施の形態による微量分注装置は、分注用ピン固定用ヘッド6と、位置決めピンロック用ヘッド7と、位置決めピン固定用ヘッド8とを有しており、位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8とは、ボルト9により固定されている。一方、ボルト9により固定された位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8と、液体分注ピン固定用ヘッド6とは、Z方向に相対移動可能になっている。
【0023】
すなわち、ヘッド上下動用ボルト10が回転することにより、分注用ピン固定用ヘッド6を上下動させるためのベルト11a、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8を上下動させるためのベルト11bにより、分注用ピン固定用ヘッド6が、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8に対してZ方向に移動し分注動作が可能となっている。
【0024】
位置決めピンロック用ヘッド7には、凹部7aが形成されており、この凹部7a中に分注用ピン固定用ヘッド6が収容可能になっている。
尚、分注用ピン固定用ヘッド6、位置決めピンロック用ヘッド7と、位置決めピン固定用ヘッド8の水平面は、全て略平行を保つように調整されている。
【0025】
また、分注用ピン固定用ヘッド6は、これを動かすためのベルト11a・11bのいずれによって上下動させることも可能であるが、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8は、分注用ピン固定用ヘッド6のベルト11aのみが回転した場合には上下動させることが出来ないようになっている。
【0026】
位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9は、位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8との距離を一定に保つための機構である。位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9は、非接触にサンプルの分注を可能にするだけではなく、分注用ピン12のみを従来のアレイヤーの機構で洗浄・乾燥、サンプル分取するために必要である。
【0027】
以下に、装置の動作について説明する。まず、位置決めピン固定用ヘッド8に位置決めピン13をセットした後に、位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9により位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8とを固定化する。
【0028】
図9は、スポットヘッドの概略斜視図であり、図10は、スポットヘッドの概略上視図である。ここで、位置決めピンロック用ヘッド7〜ピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9の上下動の機構に関する詳細な説明は省略する。符号14は、プロテインチップ、符号15は、伸縮性平板、例えばゴム、スポンジなど伸縮性のある素材であり、これらは、保持部材であるアレイヤーステージ(図示せず)上に配置されているものとする。分注方法としては、まず位置決めピン13によりプロテインチップ14を押さえ付けることにより固定する。この際、プロテインチップ14の下に弾性体15を敷いておくと、保持部材に傾きがあった場合でも、弾性体15の伸縮により分注用ピン固定用ヘッド6、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8と、プロテインチップ14との距離を略一定に保つことができる。位置決めピン13によりプロテインチップ14を押さえ付けた後に、分注ピン12の先端がプロテインチップ14の略平面に対して非接触で分注できる距離まで移動させ、実際に分注処理を行う。
【0029】
尚、図10に示すように、多数の分注ピンを備えた分注用ピン固定用ヘッド6の外側であって、位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9の内側の位置に、位置決めピン13が接触するように配置されるのが好ましい。この点については後述する。
【0030】
図11(a)から図14(g)までに、サンプル分取後からサンプル分注、分注用ピンの洗浄・乾燥までの詳細な手順を示す。図11(a)は、サンプル分取後の様子を示す概略図である。この状態では、分注用ピン固定用ヘッド6は、分注ピン12の先端側と反対方向に移動し、位置決めピンロック用ヘッド7に形成された凹部7aから出た状態になっている。ここで、符号17aは、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差を示す。図11(b)は、位置決めピン13とプロテインチップ14の略平面とが接触した状態を示す図である。この状態においては、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差は17bに示すように、上記距離17aよりも小さくなっている。図12(c)に示すように、図11(b)の状態から、分注用ピン固定用ヘッド6を下降させることにより、位置決めピン13がプロテインチップ14の略平面に当接してこれを押さえて固定化する。この際、弾性体15が伸縮することにより、プロテインチップ14の傾きを補正し、分注用ピン固定用ヘッド6〜位置決めピン固定用ヘッド8の水平面とプロテインチップ14とが平行に保たれる。
【0031】
プロテインチップ14と位置決めピン13との接点は、この場合、位置決めピン13の断面積(円)に相当する。図12(c)は、分注ピン12によるサンプル分注時の様子を示す図である。分注ピン12の先端が、プロテインチップ14の略表面に非接触で分注できる位置まで近づくと、液滴16がプロテインチップに分注される。この際、後述するサンプル分取、洗浄・乾燥の機能を分注ピン12に行わせるためには、分注用ピン固定用ヘッド6は、位置決めピンロック用ヘッド7に対して最近接距離まで接近して分注しないように構成するのが好ましい。分注の際における、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差17cは、図3を参照して説明したように、0.5から0.0001mmの範囲内が好ましく、分注ピン12とプロテインチップ14との接触時間は、0.05秒から0.5秒の範囲内であることが望ましい。
【0032】
図12(d)は、分注ピン12のプロテインチップ14からの離隔動作の概略を示す図である。この場合に、分注用ピン固定用ヘッド6のみが上方へ移動して分注が完了する。この際、位置決めピン13は、プロテインチップ14を固定化したままである。もし、分注用ピン固定用ヘッド6〜位置決めピン固定用ヘッド8までが、一体で上方へ移動すると、分注ピン12とプロテインチップ14との接触時間を一定に保つことが困難になり、分注量が一定とならないからである。この際、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差は図11(b)の17bとほぼ同じになる。
【0033】
図13(e)は、位置決めピン13がプロテインチップ14から離隔する様子を示す図である。分注用ピン固定用ヘッド6〜位置決めピン固定用ヘッド8までが上方へ移動することにより、位置決めピン13がプロテインチップ14の略表面から外れ、分注処理が終了する。上記の図11(a)〜図13(e)までの操作を繰り返すことにより、連続分注が可能である。この際、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差は図11(a)の17aとほぼ同じになる。
【0034】
次に、分注ピン12を洗浄・乾燥、サンプル分取する処理について図13(f)と図14(g)とを参照して説明する。図13(f)は、分注ピン12の洗浄・乾燥前の様子を示す概略図であり、図11(a)と同様の状態を示す図である。図14(g)は分注ピン12の洗浄・乾燥後の状態を示す概略図である。図14(g)に示すように、分注用ピン固定用ヘッド6が位置決めピンロック用ヘッド7に対して図12(c)の時の位置(距離17c)よりも近づくか、又は、最近接距離に位置することにより、位置決めピン13の先端は分注ピン12の先端よりも低い停止位置に来る。例えば、分注用ピン固定用ヘッド6が、凹部7a内に収容された状態を上記停止位置としても良く、このようにすれば、分注ピン12の洗浄の際のZ方向の位置を常にある位置に保つことができ、その状態において分注ピン12の洗浄・乾燥、サンプル分取が可能となる。
【0035】
図10に示されるように、プロテインチップ14の表面精度が悪い場合には、分注ピン12の外周に位置決めピン13のプロテインチップ14への当接位置を配置し、1ピンで分注することにより非接触の分注が可能となる。位置決めピン13がプロテインチップ14と接触する部分は、タンパク質相互作用解析などに利用できない部分であるため、分注していく際に位置決めピン13が分注位置と重ならないようにするのが好ましい。分注における位置決めピン13と分注ピン12との関係を調べるためのパラメータについて図15を参照して説明する。図15において、aはスポット径(mm)であり、bはスポット間隔(mm)であり、cは位置決めピンの直径(mm)であり、dは位置決めピン間隔(mm)である。分注ピン12による分注と位置決めピン13によるプロテインチップ14への接触領域が重ならないような、cとdの許容範囲は下記(1)から(4)までの式により導かれる。
(a+c)/2<20.5d/2<20.5b−(a+c)/2 (1)
c<d (2)
c>0 (3)
d>0 (4)
【0036】
上記(1)から(4)式により導かれる位置決めピンの直径と位置決めピンの間隔の許容範囲を、図16、図17に黒塗りで示す。通常のプロテインチップ(25mm×75mm)に分注することが可能なスポット数は、b=1の時に1875スポット、b=2の時に494スポット、b=2.5の時に341スポットである。このように位置決めピンを使用した場合でも、数百以上のサンプルを分注したチップを作成可能であり、プロテインチップではDNAチップほどの高密度が要求されないことからも、実用に耐え得るものであることがわかる。このように、位置決めピンの直径(縦軸)と位置決めピン間隔(横軸)の許容範囲を満たす領域を位置決めピンとして使用することができる。すなわち、スポット領域以外の領域内であれば、いかなる形状であっても位置決めピンの役割を持たせることが可能であることがわかる。すなわち、上記で説明した位置決めピンの形状はあくまで一例である。位置決めピンの強度が弱い場合には、プロテインチップ14を面で固定化するのが好ましい。
【0037】
次に、本発明の第3の実施の形態による分注装置について図18(a),(b)を参照して説明する。図18(a)に示すプロテインチップ分注装置は、略平面を有する分注対象物であるプロテインチップ14と、これを直接的又は間接的に保持する保持部材(図示せず)と、略平面の略法線方法であるZ方向に移動できる分注用ピン固定用ヘッド6と、分注用ピン固定用ヘッド6に保持されていると分注ピン12とを有している。分注ピン12の先端12aに液滴16を保持できる。分注用ピン固定用ヘッド6の下面(プロテインチップ14側)に位置決めピン13が設けられている。例えば、分注用ピン固定用ヘッド6と、分注ピン12と、位置決めピン13とが一体化されていても良い。
【0038】
図18(b)に示すように、本実施の形態による分注装置は、位置決めピン13を4本使用しており、4本の位置決めピンの内側に分注ピン12が配置されている。尚、プロテインチップ(図示せず)を固定するためには、位置決めピン13は、線で固定する場合には少なくとも2本以上の位置決めピンが必要であり、面として固定するために少なくとも3本以上必要であり、3本以上の位置決めピンを使用することが好ましい。また位置決めピン13に使用するピンの材質は硬くて展性が少ないものが望ましい。
本実施の形態による分注装置のように、上記各部材を一体化することにより、構造がシンプルになり、装置自体の製造コストを低減することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、サンプルを精度よく分注できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピン方式アレイヤーステージの構成例を示す概観図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による分注装置の原理を示す図である。
【図3】分注ピンの先端に保持されたタンパク質のz方向における位置関係を示す図である。
【図4】スポットヘッドの構成例を示す図である。
【図5】スポットヘッドの概略的な斜視図である。
【図6】図6(a),(b)は、サンプル分取後からサンプル分注までの処理の概要を示す図である。
【図7】図7(a),(b)は、位置決めピンと分注ピンの微量分注対象物からの隔離処理と、分注ピンの洗浄・乾燥処理を示す図である。
【図8】位置決めピンと分注ピンとを一体化したスポットヘッドの構造例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による微量分注装置におけるスポットヘッドの概略斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による微量分注装置におけるスポットヘッドの概略的な図である。
【図11】図11(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図である。
【図12】図12(c)、(d)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図であり、図11(b)に続く図である。
【図13】図13(e)、(f)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図であり、図12(d)に続く図である。
【図14】図14(g)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図であり、図13(f)に続く図である。
【図15】分注ピンと位置決めピンとの位置関係の例を示す図である。
【図16】図15で定義した例における位置決めピンの直径と間隔の許容範囲との関係を示す図である。
(i)スポット径0.1mm, スポット間隔1mm
(ii)スポット径0.2mm, スポット間隔1mm
(iii)スポット径0.3mm, スポット間隔1mm
(iv)スポット径0.5mm, スポット間隔1mm
(v)スポット径0.1mm, スポット間隔2mm
(vi)スポット径0.1mm, スポット間隔2.5mm
【図17】位置決めピンの直径と間隔の許容範囲との関係を示す図である。
(vii)スポット径0.2mm, スポット間隔2mm
(viii)スポット径0.2mm, スポット間隔2.5mm
(ix)スポット径0.3mm, スポット間隔2mm
(x)スポット径0.3mm, スポット間隔2.5mm
【図18】本発明の第3の実施の形態による分注装置のスポットヘッドの構成例を示す図であり、図18(a)は側面図、図18(b)は分注ピンと位置決めピンの平面的な配置例を示す図である。
【符号の説明】
1:サンプル(96または384ウエルプレートに分注されたもの)設置ユニット、2:分注対象物設置ユニット、3:洗浄ユニット、4:乾燥ユニット、5:スポットヘッド(ピン)、6:分注用ピン固定用ヘッド、7:位置決めピンロック用ヘッド、8:位置決めピン固定用ヘッド、9:7〜8ヘッド上下動用ボルト、11:ベルト、12:分注用ピン、13:位置決めピン、14:分注対象物、15:伸縮性平板、16:サンプル、17:12と13の先端の差。
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量分注技術に関する。例えば、遺伝子診断、遺伝子発現情報解析、遺伝子多型解析、蛋白質相互作用解析などの大量処理用スクリーニングツールであるプロテインチップに、タンパク質を含むサンプルを、分注用ピンを用いて分注する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAチップやプロテインチップは、分注対象物やシリコン等の基板上に1平方センチメートル当たり数百から数十万の密度でDNAや蛋白質を整列させ、固定化したものが一般的である。ある生物種の全ての遺伝子配列が解明されている場合、その情報を元にDNAチップを作成することにより、1回のハイブリダイゼーションでサンプルの全発現情報を得る技術が発展してきた。つまり配列が既知のDNAをアレイ状態に整列・固定化させ、そこに未知のサンプルを加えてハイブリダイゼーションを起こさせることにより、DNAチップには数千種類の異なるDNAプローブが含まれているために、同時に数千個の遺伝子を同定することができる。基礎研究の分野では、DNAチップは、既知遺伝子の発現パターンと比較することにより新たに発見された遺伝子の機能を推定する研究やシグナル伝達経路における重要物質を特定する研究や新種の遺伝子を同定する研究に利用されている。また治療薬にとっての新たな標的分子の発見、病気の診断やゲノム毒物学、疾病関連遺伝子の探索などの高いスループットが要求される分野においても重要な技術となっている。
【0003】
プロテインチップは、現状では抗体を固定化した抗体アレイを用い、ELISA法をチップ上で行うものが主流である。ELISA法は既に確立された技術であり、高感度分析が可能なためである。将来的には、プロテインチップは臨床診断、健康のモニター、環境、食品検査などの役割を担うと期待されている。
【0004】
DNAチップやプロテインチップの作成方法としては、例えばシリコン基板上においてDNAを合成していくオンチップ合成法と、DNA溶液やタンパク質溶液などの液体を分注する分注対象物(例えばシリコン基板)にDNAやタンパク質を微量分注(「スポット」とも称される)していく分注法の2通りの方法が知られており、分注法が広く利用されている。分注法には、ピン方式(接触型)とインクジェット方式(非接触型)の2種類がある。
【0005】
分注法のうちピン方式は、ピンを用いて分注対象物の表面に再現性良くDNAまたはタンパク質を分注し、固定化してチップを作成する方式である。スポッター若しくはアレイヤーと称されるチップ作成装置が市販されているが、再現性の良い分注を行うために、分注方法やピン先形状などに工夫を凝らしたものがある(例えば特許文献1及び2参照)。一方、インクジェット方式は、ピン方式と比較して処理速度が高く分注形状もより均質に仕上がるが、コストが高いために、現在はピン方式のアレイヤーが広く普及している。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5807522号明細書
【特許文献2】
米国特許第6101946号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ピン方式アレイヤーを使用する上で、以下に説明する2つの点について考慮する必要があると、本発明者は考えた。第1点目は、ピン方式では、分注対象物に直接にピンを接触させて分注するために、分注対象物の表面精度が悪い場合(例えば凸凹が大きい場合)には、分注対象物上の異なる位置における接触時間が異なり、分注量にも違いが生じる点である。分注量がピンの接触時間に対して比例する関係にあるためである。
【0008】
また、分注対象物の精度は高くても、分注対象物をセットする部分(アレイヤーステージ)が傾いている場合には、同様に分注量のばらつきが発生する。アレイヤーステージの傾きや分注対象物の精度を考慮した機械的制御によるμm単位の分注は、以上の理由により非常に困難である。従ってサンプルを精度良く分注するためには、ピンと分注予定位置との距離を常に一定になるように保持することが非常に重要である。
【0009】
2点目は、タンパク質相互作用解析やELISA法などを、プロテインチップを用いてピンタイプアレイヤーのみで行う場合には、ピンとプロテインチップとの接触によってプロテインチップに固定化されていたタンパク質が物理的接触により剥離したり、或いは、変性を受けたりしてしまうために、非接触での分注が要求される。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分注用ピンと分注対象物との距離が一定になるように保持するための位置決めピンを設けることにより、サンプルを精度よく分注する方法に関する。例えば、まず分注予定位置の周りを、例えば分注用ピン以外のピン(以下「位置決めピン」と称する。)により分注対象物を固定化し、分注用ピンと分注対象物との距離を一定に保持する。この際に分注対象物の下に伸縮性のある素材を敷き、その上から位置決めピンで分注対象物を押さえ付けることにより、分注対象物の表面精度に関係なく一定距離を保持することが可能である。その後、分注用ピンが位置決めピンの先端に達しない距離まで近づけることにより、サンプルの表面張力により非接触でサンプルを分注対象物に分注する。この2つの機構は一体としたものであっても良い。
【0011】
この方法は、遺伝子診断、遺伝子発現情報解析、遺伝子多型解析に有用であり、タンパク質の変性無しにサンプルを分注できるため、特にタンパク質の定量解析、発現解析や生体分子間相互作用解析に有用である。
【0012】
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図面を参酌して説明する。尚、以下の図において、同じ機能部分には同じ符号をつけて説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による微量分注技術について説明する。図1は、ピン方式アレイヤーステージの概観図(一例)であり、サンプル設置ユニット1と、分注対象物設置ユニット2と、洗浄ユニット3と、乾燥ユニット4と、スポットヘッド(ピン)5とを有して構成されている。サンプルは、例えば、96または384ウエルプレートに分注されたものである。
【0014】
装置自体は、例えば、X−Y−Zの自動搬送機構を有しており、スポットヘッド5がX−Y−Z方向に移動可能であり、ピンがサンプルを持ち上げて分注対象物に打ち込み、ピン先を洗浄し乾燥する工程を自動的に行う。この装置では、分注する位置をμm単位で制御できるため、上記の工程を繰り返すことにより高密度にDNAやタンパク質が整列したチップを作成することが出来る。分注量はpリットルからnリットルのオーダーであり、分注サイズは、直径100μmから300μm程度である。スポットヘッド5に搭載するピンの個数は1ピンから64ピン程度のものがある。
【0015】
図2は、本実施の形態による微量分注装置の原理の概略を示す図である。図2に示す装置は、タンパク質が保持された略平面を有するプロテインチップ14に、タンパク質を含む液体を分注する装置である。ゴム等の弾性体15を介してプロテインチップ14を保持部材(図示せず)に保持し、位置決め部材13を略平面に接触させ、プロテインチップ14を保持部材に押さえつけ、その先端12aにタンパク質を含む液滴16を保持する分注ピン12を略平面に接触しない位置まで近づけ、分注ピン12の先端に保持されたタンパク質を含む液滴16を略平面に保持されたタンパク質(図示せず)と接触させる。
【0016】
図3は、分注ピン12の先端に保持されたタンパク質16のZ方向における位置関係の詳細を示す図である。図3に示すように、保持部材21上に例えば弾性体15を介して分注対象物であるプロテインチップ14を置く。このプロテインチップ14上に略平面が形成されている。保持部材21は、プロテインチップ14を直接的又は間接的に保持している。分注ピン12は、上記略平面の略法線方向であるZ方向に移動でき、その先端に液滴16を保持できる。この分注ピン12と直接的又は間接的に接続され、Z方向におけるその先端位置が分注ピン12の先端位置12aの位置P1より近く、かつ、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の位置P3よりプロテインチップ14と反対側の位置P2となる位置決め部材13が設けられている。すなわち、分注ピン12の先端位置12aと、分注ピン12の先端12aに保持される液滴16の下端位置との間に、位置決め部材13の先端が位置するように設定されている。
【0017】
本実施の形態による表面精度の高い分注対象物にサンプルを非接触に分注する際のアレイヤーステージ全体の構成を図1(上述)に、スポットヘッドに関する断面図を図4に、スポットヘッドの概略斜視図を図5に示す。本実施の形態においては、分注ピン12と位置決めピン13とが固定されている。位置決めピン13により固定された位置内部の表面精度を補正することは難しいが、分注対象物の表面精度が高い場合には、スポットヘッド5に搭載するピンの個数が1ピンから64ピン程度のものであっても、位置決めピン13による分注対象物自体の傾きの補正さえ行えば、非接触での分注が可能となる。
【0018】
ヘッド上下動用ボルト10が回転しベルト11が動くことによりスポットヘッド5が上下動し、分注に関する一連の動作が可能となっている。図6(a)〜図7(d)までにサンプル分取後からサンプル分注処理を経て分注用ピンの洗浄・乾燥処理に至るまでの手順の概略を示す。図6(a)は、サンプル分取後の状態を示す概略図であり、図3に対応する図である。図6(b)に示すように、図6(a)の状態からスポットヘッド5をプロテインチップ14側に近づけていくと、位置決めピン13と分注ピン12との先端のZ方向の位置関係が図3に示すようになっているため、位置決めピン13の先端がプロテインチップ14の略表面に当接する。この状態において、分注ピン12の先端は略表面からある距離(図3の点P1と点P2との間の距離)だけ離れている。すなわち、位置決めピン13が分注対象物14に接触することにより、アレイヤーステージの傾きを補正するとともに、位置決めピン13の先端と分注対象物体14の先端との距離を0よりも大きくすることにより非接触微量分注が可能となる。この状態において、分注ピン12の先端に保持された液滴16は、位置決めピン13によりプロテインチップ14上に接触しており、分注ピン12によるサンプルスポットが行われる。
【0019】
図7(c)に示すように、分注ピン12及び位置決めピン13を、分注対象物体14から離すことにより、液滴16がプロテインチップ14上にスポッティングされた状態で分注ピン12は上記略平面から離れる。次に、分注ピン12を洗浄・乾燥した後に、図7(d)に示すように新たなサンプル16の分取が可能であり、従来型のアレイヤーにおいてスポットヘッド5以外の機構を変更することなく非接触な分注処理が可能である。尚、サンプル16を収容する第1の凹部18aを備えたサンプルホルダー18において、位置決めピン13の先端位置に対応するサンプルホルダーの表面に第2の凹部18bを設けておくことにより、後述の洗浄において、位置決めピン13の先端がサンプルホルダー18の表面に当らずに分注が可能なように構成されている。
【0020】
本実施の形態による方法を用いることにより、分注ピンがプロテインチップ14に非接触の状態で分注が可能であり、タンパク質を精度良くプロテインチップ14に分注することができる。加えて、ゴム等の弾性体15を介してプロテインチップ14を保持部材(図示せず)に保持し、位置決め部材13を略平面に接触させ、プロテインチップ14を保持部材に押さえ付け、タンパク質を含む液滴16を略平面に保持されたタンパク質と接触させるようにしたため、プロテインチップが全体的に傾いていた場合でも、その傾きを上記弾性体15により吸収することができ、精度良く分注することができる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態によるプロテインチップ分注技術について説明する。上記第1の実施の形態による方法に比べ、分注ピン12と分注対象物体14との接触時間を一定とすることが容易である。
【0022】
図8は、本発明の第2の実施の形態による微量分注装置の概略構成を示す図であり、表面精度の高い分注対象物にサンプルを非接触かつ精度よく分注する際のスポットヘッド機構に関する簡略断面図である。アレイヤーステージ全体の構成は図4と同様であるため、その説明は省略する。図8に示すように、本実施の形態による微量分注装置は、分注用ピン固定用ヘッド6と、位置決めピンロック用ヘッド7と、位置決めピン固定用ヘッド8とを有しており、位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8とは、ボルト9により固定されている。一方、ボルト9により固定された位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8と、液体分注ピン固定用ヘッド6とは、Z方向に相対移動可能になっている。
【0023】
すなわち、ヘッド上下動用ボルト10が回転することにより、分注用ピン固定用ヘッド6を上下動させるためのベルト11a、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8を上下動させるためのベルト11bにより、分注用ピン固定用ヘッド6が、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8に対してZ方向に移動し分注動作が可能となっている。
【0024】
位置決めピンロック用ヘッド7には、凹部7aが形成されており、この凹部7a中に分注用ピン固定用ヘッド6が収容可能になっている。
尚、分注用ピン固定用ヘッド6、位置決めピンロック用ヘッド7と、位置決めピン固定用ヘッド8の水平面は、全て略平行を保つように調整されている。
【0025】
また、分注用ピン固定用ヘッド6は、これを動かすためのベルト11a・11bのいずれによって上下動させることも可能であるが、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8は、分注用ピン固定用ヘッド6のベルト11aのみが回転した場合には上下動させることが出来ないようになっている。
【0026】
位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9は、位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8との距離を一定に保つための機構である。位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9は、非接触にサンプルの分注を可能にするだけではなく、分注用ピン12のみを従来のアレイヤーの機構で洗浄・乾燥、サンプル分取するために必要である。
【0027】
以下に、装置の動作について説明する。まず、位置決めピン固定用ヘッド8に位置決めピン13をセットした後に、位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9により位置決めピンロック用ヘッド7と位置決めピン固定用ヘッド8とを固定化する。
【0028】
図9は、スポットヘッドの概略斜視図であり、図10は、スポットヘッドの概略上視図である。ここで、位置決めピンロック用ヘッド7〜ピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9の上下動の機構に関する詳細な説明は省略する。符号14は、プロテインチップ、符号15は、伸縮性平板、例えばゴム、スポンジなど伸縮性のある素材であり、これらは、保持部材であるアレイヤーステージ(図示せず)上に配置されているものとする。分注方法としては、まず位置決めピン13によりプロテインチップ14を押さえ付けることにより固定する。この際、プロテインチップ14の下に弾性体15を敷いておくと、保持部材に傾きがあった場合でも、弾性体15の伸縮により分注用ピン固定用ヘッド6、位置決めピンロック用ヘッド7及び位置決めピン固定用ヘッド8と、プロテインチップ14との距離を略一定に保つことができる。位置決めピン13によりプロテインチップ14を押さえ付けた後に、分注ピン12の先端がプロテインチップ14の略平面に対して非接触で分注できる距離まで移動させ、実際に分注処理を行う。
【0029】
尚、図10に示すように、多数の分注ピンを備えた分注用ピン固定用ヘッド6の外側であって、位置決めピン固定用ヘッド繋ぎ用ボルト9の内側の位置に、位置決めピン13が接触するように配置されるのが好ましい。この点については後述する。
【0030】
図11(a)から図14(g)までに、サンプル分取後からサンプル分注、分注用ピンの洗浄・乾燥までの詳細な手順を示す。図11(a)は、サンプル分取後の様子を示す概略図である。この状態では、分注用ピン固定用ヘッド6は、分注ピン12の先端側と反対方向に移動し、位置決めピンロック用ヘッド7に形成された凹部7aから出た状態になっている。ここで、符号17aは、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差を示す。図11(b)は、位置決めピン13とプロテインチップ14の略平面とが接触した状態を示す図である。この状態においては、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差は17bに示すように、上記距離17aよりも小さくなっている。図12(c)に示すように、図11(b)の状態から、分注用ピン固定用ヘッド6を下降させることにより、位置決めピン13がプロテインチップ14の略平面に当接してこれを押さえて固定化する。この際、弾性体15が伸縮することにより、プロテインチップ14の傾きを補正し、分注用ピン固定用ヘッド6〜位置決めピン固定用ヘッド8の水平面とプロテインチップ14とが平行に保たれる。
【0031】
プロテインチップ14と位置決めピン13との接点は、この場合、位置決めピン13の断面積(円)に相当する。図12(c)は、分注ピン12によるサンプル分注時の様子を示す図である。分注ピン12の先端が、プロテインチップ14の略表面に非接触で分注できる位置まで近づくと、液滴16がプロテインチップに分注される。この際、後述するサンプル分取、洗浄・乾燥の機能を分注ピン12に行わせるためには、分注用ピン固定用ヘッド6は、位置決めピンロック用ヘッド7に対して最近接距離まで接近して分注しないように構成するのが好ましい。分注の際における、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差17cは、図3を参照して説明したように、0.5から0.0001mmの範囲内が好ましく、分注ピン12とプロテインチップ14との接触時間は、0.05秒から0.5秒の範囲内であることが望ましい。
【0032】
図12(d)は、分注ピン12のプロテインチップ14からの離隔動作の概略を示す図である。この場合に、分注用ピン固定用ヘッド6のみが上方へ移動して分注が完了する。この際、位置決めピン13は、プロテインチップ14を固定化したままである。もし、分注用ピン固定用ヘッド6〜位置決めピン固定用ヘッド8までが、一体で上方へ移動すると、分注ピン12とプロテインチップ14との接触時間を一定に保つことが困難になり、分注量が一定とならないからである。この際、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差は図11(b)の17bとほぼ同じになる。
【0033】
図13(e)は、位置決めピン13がプロテインチップ14から離隔する様子を示す図である。分注用ピン固定用ヘッド6〜位置決めピン固定用ヘッド8までが上方へ移動することにより、位置決めピン13がプロテインチップ14の略表面から外れ、分注処理が終了する。上記の図11(a)〜図13(e)までの操作を繰り返すことにより、連続分注が可能である。この際、サンプル16のZ方向の略中心と位置決めピン13の先端との位置の差は図11(a)の17aとほぼ同じになる。
【0034】
次に、分注ピン12を洗浄・乾燥、サンプル分取する処理について図13(f)と図14(g)とを参照して説明する。図13(f)は、分注ピン12の洗浄・乾燥前の様子を示す概略図であり、図11(a)と同様の状態を示す図である。図14(g)は分注ピン12の洗浄・乾燥後の状態を示す概略図である。図14(g)に示すように、分注用ピン固定用ヘッド6が位置決めピンロック用ヘッド7に対して図12(c)の時の位置(距離17c)よりも近づくか、又は、最近接距離に位置することにより、位置決めピン13の先端は分注ピン12の先端よりも低い停止位置に来る。例えば、分注用ピン固定用ヘッド6が、凹部7a内に収容された状態を上記停止位置としても良く、このようにすれば、分注ピン12の洗浄の際のZ方向の位置を常にある位置に保つことができ、その状態において分注ピン12の洗浄・乾燥、サンプル分取が可能となる。
【0035】
図10に示されるように、プロテインチップ14の表面精度が悪い場合には、分注ピン12の外周に位置決めピン13のプロテインチップ14への当接位置を配置し、1ピンで分注することにより非接触の分注が可能となる。位置決めピン13がプロテインチップ14と接触する部分は、タンパク質相互作用解析などに利用できない部分であるため、分注していく際に位置決めピン13が分注位置と重ならないようにするのが好ましい。分注における位置決めピン13と分注ピン12との関係を調べるためのパラメータについて図15を参照して説明する。図15において、aはスポット径(mm)であり、bはスポット間隔(mm)であり、cは位置決めピンの直径(mm)であり、dは位置決めピン間隔(mm)である。分注ピン12による分注と位置決めピン13によるプロテインチップ14への接触領域が重ならないような、cとdの許容範囲は下記(1)から(4)までの式により導かれる。
(a+c)/2<20.5d/2<20.5b−(a+c)/2 (1)
c<d (2)
c>0 (3)
d>0 (4)
【0036】
上記(1)から(4)式により導かれる位置決めピンの直径と位置決めピンの間隔の許容範囲を、図16、図17に黒塗りで示す。通常のプロテインチップ(25mm×75mm)に分注することが可能なスポット数は、b=1の時に1875スポット、b=2の時に494スポット、b=2.5の時に341スポットである。このように位置決めピンを使用した場合でも、数百以上のサンプルを分注したチップを作成可能であり、プロテインチップではDNAチップほどの高密度が要求されないことからも、実用に耐え得るものであることがわかる。このように、位置決めピンの直径(縦軸)と位置決めピン間隔(横軸)の許容範囲を満たす領域を位置決めピンとして使用することができる。すなわち、スポット領域以外の領域内であれば、いかなる形状であっても位置決めピンの役割を持たせることが可能であることがわかる。すなわち、上記で説明した位置決めピンの形状はあくまで一例である。位置決めピンの強度が弱い場合には、プロテインチップ14を面で固定化するのが好ましい。
【0037】
次に、本発明の第3の実施の形態による分注装置について図18(a),(b)を参照して説明する。図18(a)に示すプロテインチップ分注装置は、略平面を有する分注対象物であるプロテインチップ14と、これを直接的又は間接的に保持する保持部材(図示せず)と、略平面の略法線方法であるZ方向に移動できる分注用ピン固定用ヘッド6と、分注用ピン固定用ヘッド6に保持されていると分注ピン12とを有している。分注ピン12の先端12aに液滴16を保持できる。分注用ピン固定用ヘッド6の下面(プロテインチップ14側)に位置決めピン13が設けられている。例えば、分注用ピン固定用ヘッド6と、分注ピン12と、位置決めピン13とが一体化されていても良い。
【0038】
図18(b)に示すように、本実施の形態による分注装置は、位置決めピン13を4本使用しており、4本の位置決めピンの内側に分注ピン12が配置されている。尚、プロテインチップ(図示せず)を固定するためには、位置決めピン13は、線で固定する場合には少なくとも2本以上の位置決めピンが必要であり、面として固定するために少なくとも3本以上必要であり、3本以上の位置決めピンを使用することが好ましい。また位置決めピン13に使用するピンの材質は硬くて展性が少ないものが望ましい。
本実施の形態による分注装置のように、上記各部材を一体化することにより、構造がシンプルになり、装置自体の製造コストを低減することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、サンプルを精度よく分注できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピン方式アレイヤーステージの構成例を示す概観図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による分注装置の原理を示す図である。
【図3】分注ピンの先端に保持されたタンパク質のz方向における位置関係を示す図である。
【図4】スポットヘッドの構成例を示す図である。
【図5】スポットヘッドの概略的な斜視図である。
【図6】図6(a),(b)は、サンプル分取後からサンプル分注までの処理の概要を示す図である。
【図7】図7(a),(b)は、位置決めピンと分注ピンの微量分注対象物からの隔離処理と、分注ピンの洗浄・乾燥処理を示す図である。
【図8】位置決めピンと分注ピンとを一体化したスポットヘッドの構造例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による微量分注装置におけるスポットヘッドの概略斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による微量分注装置におけるスポットヘッドの概略的な図である。
【図11】図11(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図である。
【図12】図12(c)、(d)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図であり、図11(b)に続く図である。
【図13】図13(e)、(f)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図であり、図12(d)に続く図である。
【図14】図14(g)は、本発明の第2の実施の形態による微量分注方法の処理手順を示す図であり、図13(f)に続く図である。
【図15】分注ピンと位置決めピンとの位置関係の例を示す図である。
【図16】図15で定義した例における位置決めピンの直径と間隔の許容範囲との関係を示す図である。
(i)スポット径0.1mm, スポット間隔1mm
(ii)スポット径0.2mm, スポット間隔1mm
(iii)スポット径0.3mm, スポット間隔1mm
(iv)スポット径0.5mm, スポット間隔1mm
(v)スポット径0.1mm, スポット間隔2mm
(vi)スポット径0.1mm, スポット間隔2.5mm
【図17】位置決めピンの直径と間隔の許容範囲との関係を示す図である。
(vii)スポット径0.2mm, スポット間隔2mm
(viii)スポット径0.2mm, スポット間隔2.5mm
(ix)スポット径0.3mm, スポット間隔2mm
(x)スポット径0.3mm, スポット間隔2.5mm
【図18】本発明の第3の実施の形態による分注装置のスポットヘッドの構成例を示す図であり、図18(a)は側面図、図18(b)は分注ピンと位置決めピンの平面的な配置例を示す図である。
【符号の説明】
1:サンプル(96または384ウエルプレートに分注されたもの)設置ユニット、2:分注対象物設置ユニット、3:洗浄ユニット、4:乾燥ユニット、5:スポットヘッド(ピン)、6:分注用ピン固定用ヘッド、7:位置決めピンロック用ヘッド、8:位置決めピン固定用ヘッド、9:7〜8ヘッド上下動用ボルト、11:ベルト、12:分注用ピン、13:位置決めピン、14:分注対象物、15:伸縮性平板、16:サンプル、17:12と13の先端の差。
Claims (13)
- タンパク質が保持された略平面を有するプロテインチップにタンパク質を含む液体を分注する分注方法であって、
弾性体を介して前記プロテインチップを保持部材に保持し、
位置決め部材を略平面に接触させ、プロテインチップを保持部材に押さえつけ、
その先端にタンパク質を含む液体を保持する分注ピンを前記略平面に接触しない位置まで近づけ、分注ピンの先端に保持されたタンパク質を含む液滴を前記略平面に保持されたタンパク質と接触させる分注方法。 - 請求項1記載の分注方法であって、
前記位置決め部材と前記分注ピンとが直接的又は間接的に接続されており、
前記位置決め部材と前記略平面を接触させることにより前記分注ピンの先端が前記略平面へ接触することを防ぐ分注方法。 - 請求項1記載の分注方法であって、
前記位置決め部材と前記分注ピンを直接的又は間接的に接触させ、かつ前記位置決め部材を前記略平面に接触させることにより前記分注ピンの先端が前記略平面へ接近することを防ぐ分注方法。 - 略平面を有する分注対象物を直接的又は間接的に保持する保持部材と、
前記略平面の略法線方向であるZ方向に移動でき、その先端に液滴を保持できる分注ピンと、
該分注ピンと直接的又は間接的に接続され、前記Z方向におけるその先端位置が前記分注ピンの先端位置より近く、かつ、前記分注ピンの先端に保持される液滴より短い位置決め部材と
を有する分注装置。 - 請求項4記載の分注装置であって、
タンパク質を含む液体を分注する分注装置。 - 請求項4記載の分注装置であって、
前記略平面にタンパク質が保持され、該タンパク質を含む領域に液体を分注する分注装置。 - 請求項4記載の分注装置であって、
前記分注ピンの先端が前記略平面に最も接近した時の、前記分注ピンの先端と前記略平面の距離が0.5mmから0.0001mmである分注装置。 - 請求項4記載の分注装置であって、
前記保持部材が、弾性体を介して分注対象物を保持する分注装置。 - 略平面を有する分注対象物を直接的又は間接的に保持する保持部材と、
前記略平面の略法線方法であるZ方向に移動でき、その先端に液滴を保持できる分注ピンと、
分注ピンの先端が前記略平面に接触せず、かつ前記液滴が前記略平面に接触した際に、分注ピンと前記略平面の双方に直接的又は間接的に接する位置決め部材とを有する分注装置。 - タンパク質を含む液体を分注する請求項9記載の分注装置。
- 前記略平面にタンパク質が保持され、該タンパク質を含む領域に液体を分注する請求項9記載の分注装置。
- 前記分注ピンの先端が前記略平面に最も接近した時の前記分注ピンの先端と前記略平面の距離が0.5mmから0.0001mmである請求項9記載の分注装置。
- 前記保持部材が、弾性体を介して分注対象物を保持する請求項9記載の分注装置。
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