JP2004325140A - Rotation angle sensor, and calibration device and calibration method therefor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転角度センサ、その較正装置及び較正方法に関し、より詳細には、回転体の回転角度を検出する回転角度センサ及びその較正方法と、較正を実現する信号処理方式及び信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転体の回転中心軸に対して所定の角度をなすように配置された2つの磁気センサと磁石とが作る磁場を用いて、非接触方式で回転角度を検出する方法が以前より知られており、例として特許文献1にその記述がある。2つの磁気センサを用いて回転角度を検出する場合、通常は磁気センサが持つ温度特性を補正する目的で、2つの磁気センサの出力信号の比を利用して回転角度の検出が行われる。
【0003】
上記の2つの磁気センサからの出力信号の比は回転角度θに対してtan(θ)またはcot(θ)に比例するため、回転角度を検出する過程では、メモリに記憶されたtan(θ)またはcot(θ)の値を参照する必要がある。しかし、上記のような温度補正に使用するメモリの量が多くなると、回転角度センサのコストの上昇につながる。このため、上記のメモリ量を削減する方法が検討されてきた。例えば特許文献2には、三角関数であるtan及びcotの周期性を利用して、回転角度範囲360度を複数の領域に分割し、各領域の内部を領域間で共通な参照データ(メモリ)を用いて内挿、補間するといった方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−95402号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平08−145719号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に磁石と2つの磁気センサとを用いて回転角度センサを実現する場合には、予め選別された磁気センサ、磁石等を用いて高精度な組み立て加工を行わない限り、2つの磁気センサからの出力信号を位相が互いに90度ずれた正弦波とみなして扱うことはできないという問題があった。これは、磁気センサのオフセット、2つの磁気センサ間の感度の相違といった原因に加えて、センサ組み立て時の取り付け誤差に起因する回転体の偏心、磁石の着磁ずれといった様々な誤差要因が存在するためである。
【0007】
本発明は、回転角度センサの高精度な角度検出を実現させるうえで障害となる上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転角度センサを高性能かつ安価に較正できる回転角度センサ及びその較正方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、回転体の回転中心軸に対して所定の角度をなすように配置され、磁界の強さに応じた信号を出力する2つの磁気センサと、前記磁気センサが配置された位置に、前記回転体の回転に応じた強さの磁界を発生させる磁石と、前記2つの磁気センサからの出力信号を処理して前記回転体の回転角度を求める信号処理回路であって、前記回転体を予め定められた回転角度ずつ回転させて測定した前記出力信号の出力値により表現されるベクトルを前記回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を記憶した記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたフーリエ係数を使用して前記回転角度を計算する計算手段とを有する信号処理回路とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転角度センサにおいて、前記記憶手段は、前記フーリエ係数を量子化した値を記憶することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の回転角度センサにおいて、前記計算手段は、前記記憶手段に記憶された前記フーリエ係数を使用して2次元の回転行列係数を計算する回転行列係数計算手段と、前記回転行列係数を持つ回転行列により前記出力信号の出力値により表現されるベクトルを回転させるベクトル回転計算手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の回転角度センサにおいて、前記回転行列係数計算手段は、前記回転行列係数のうち、前記回転角度に関して隣あう回転行列係数の間で線形補間を行うことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の回転角度センサにおいて、前記線形補間は、前記回転角度の正弦関数について行われることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転角度センサにおいて、前記ベクトル回転計算手段は、スイッチト・キャパシタ回路から構成されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転角度センサにおいて、前記回転行列係数計算手段及び前記ベクトル回転計算手段は、スイッチト・キャパシタ回路から構成されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の回転角度センサにおいて、前記回転行列係数計算手段による回転行列係数の計算及び前記ベクトル回転計算手段によるベクトルの回転は、同時に実行されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、回転体の回転中心軸に対して所定の角度をなすように配置され、磁界の強さに応じた信号を出力する2つの磁気センサと、前記磁気センサが配置された位置に、前記回転体の回転に応じた強さの磁界を発生させる磁石と、前記2つの磁気センサからの出力信号を処理して前記回転体の回転角度を求める信号処理回路とを有する回転角度センサの較正装置であって、前記回転体を複数の予め定められた回転角度ずつ回転させたときに前記出力信号を入力する入力手段と、前記入力手段から入力された出力信号の出力値により表現されるベクトルを前記回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を計算するフーリエ係数計算手段と、前記フーリエ係数計算手段により計算されたフーリエ係数を、前記回転角度を計算する際の補正値として前記回転角度センサに出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、回転体の回転中心軸に対して所定の角度をなすように配置され、磁界の強さに応じた信号を出力する2つの磁気センサと、前記磁気センサが配置された位置に、前記回転体の回転に応じた強さの磁界を発生させる磁石と、前記2つの磁気センサからの出力信号を処理して前記回転体の回転角度を求める信号処理回路とを有する回転角度センサの較正方法であって、前記回転体を複数の予め定められた回転角度ずつ回転させて前記出力信号の出力値を測定する工程と、前記測定された出力値により表現されるベクトルを前記回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を、前記回転角度を計算する際の補正値として前記回転角度センサの記憶装置に記憶させる工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
1.フーリエ係数による磁気センサ出力信号特性のモデル化
図1は、回転体の回転中心軸に対して、直角をなす位置に配置された2つの磁気センサからの出力信号(以下、「磁気センサ出力信号」という。)の出力値Vx及びVyにより表現されるベクトル(以下、「ホール起電力信号ベクトル」という場合がある。)a=(Vx, Vy)を示す。図2は、磁石の偏心、磁気センサの取り付け誤差等がなく理想的な場合に、回転体の回転角度に対してホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)のX成分、Y成分が変化する様子を示したものである。この場合、2つの磁気センサ出力信号は位相差が90度の正弦波となる。
【0020】
図3は着磁ずれのある磁石を使用し、かつ磁石の回転中心を2つの磁気センサから決まる正規の回転中心から意図的にずらしたときに得られた磁気センサ出力信号の一例を示す。図3を参照すると、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分は、お互いに振幅が異なり、またX成分及びY成分の間の位相差も90度ではなくなっている。このように、磁石の偏心、着磁ずれなどがある場合には、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分は位相差が90度の正弦波という理想的な状態とは異なったものとなる。このような場合において、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分が回転角度に対して90度の位相差を有する正弦波であるという前提で角度計算を行う限り、回転角度センサによって検出される角度は大きな誤差を持つものになる。
【0021】
そこで、2つの磁気センサ出力信号の正弦波が90度の位相差を有するという理想的な状態から外れた特性をモデル化する手段として、磁気センサ出力信号をフーリエ級数に展開したときのフーリエ係数を用いる。360度の範囲をL個の均等な区間に分割して各角度位置l(lは0≦l≦L−1を満たす整数)において実測された磁気センサ出力信号のホール起電力信号ベクトル(Vx(l), Vy(l))に対して、次式のようにフーリエ係数(FTVx(k), FTVy(k))を計算する。
【0022】
【数1】
【0023】
図4は上記のフーリエ係数の例として、図3に示した磁気センサ出力信号に対してフーリエ係数FTVx(k)を計算したものであり、図5は図3に示した磁気センサ出力信号に対してフーリエ係数FTVy(k)を計算したものである。この例においてはフーリエ級数の長さLを2のべき乗である64にしている。また、ここではフーリエ係数の値をN=8ビットに量子化している。
【0024】
磁気センサの組み立て誤差、磁石の着磁ずれ等がない理想的な状態では、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分は互いに90度位相がずれた正弦波になるため、フーリエ係数のうちゼロでない有限な値を持つものはk=1の係数だけになるはずである。また、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分がオフセットを持つ場合には、k=0に対するフーリエ係数もゼロでない有限な値を取ることになる。しかし磁気センサ出力信号はもともと正弦波に近い波形である。このため、フーリエ係数においてk=L/2付近の成分は極めて小さくなり、フーリエ係数が有限ビット数でデジタル表現された場合にはほとんどのフーリエ係数がゼロになる。
【0025】
図4及び図5に示す例において、X成分のフーリエ係数においてゼロでない有限な値を持つFTVx(k)は7個であり、Y成分のフーリエ係数においても有限な値を持つFTVy(k)は10個である。したがって、この例の場合、必要なメモリの量はフーリエ係数のX成分及びY成分それぞれ64個の計128個分ではなく、17個分で済むことになる。
【0026】
以上のことからわかるように、磁石が作る磁界中においてお互いに90度の位置に配置された磁気センサを用いて回転角度を検出する場合、磁気センサ出力信号の特性をモデル化するためにフーリエ係数を用いるとほとんどのフーリエ係数が量子化されてゼロになる。このため、不揮発性メモリに記憶すべき情報量を大幅に抑制できることがわかる。その結果、本発明の回転角度センサにおいては、不揮発性メモリの量が少なくなるため、高精度の回転角度センサを低コストで製造することができる。
【0027】
図6に本発明の回転角度センサを較正するシステムの構成図を示す。回転角度センサは、回転体の回転中心軸に対して所定の角度をなすように配置され、磁界の強さに応じた信号を出力する2つの磁気センサ601,602と、該磁気センサが配置された位置に、回転体の回転に応じた強さの磁界を発生させる磁石と、2つの磁気センサ出力信号を処理して前記回転体の回転角度を求める信号処理回路603とを含んでいる。
【0028】
回転角度センサ較正装置604は上記のように構成された回転角度センサの較正を行うものであり、図7に示すように、回転体を複数の予め定められた回転角度ずつ回転させたときに2つの磁気センサから出力される信号のX成分及びY成分を入力する入力部2004と、入力部2004から入力された信号の出力値により表現されるベクトルを回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を計算するフーリエ係数計算部2002と、フーリエ係数計算部2002により計算されたフーリエ係数を、回転角度を計算する際の補正値として回転角度センサに出力する出力部2006とを含んでいる。
【0029】
より具体的には、回転角度センサ較正装置604はパーソナルコンピュータなどで構成することができる。この場合、入力部2004及び出力部2006は周知の通信インタフェース及び通信プログラムの機能により実現される。また、フーリエ係数計算部2002の機能は、パーソナルコンピュータのROMやハードディスクなどに記憶されたコンピュータプログラムを、その中央処理装置(CPU)が読み出して実行することにより達成される。
【0030】
図8には、本発明の回転角度センサを較正する手順を示す。以下、図8を参照し、本実施形態に係る回転角度センサの較正方法について説明する。
【0031】
まず、磁石(不図示)と、回転体に配置した磁気センサ601,602と、回転角度センサ信号処理回路603とを用いて回転角度センサを組み立てる(S702)。ここで、磁気センサ601は磁場のX成分を検出するホール素子、磁気センサ602は磁場のY成分を検出するホール素子である。回転角度センサを回転体に取り付ける工程が終了した後、回転角度センサ信号処理回路603に、外部の回転角度センサ較正装置604を接続する(S704)。次いで、回転体を複数の予め定められた回転角度ずつ回転させて2つの磁気センサからの出力値を測定する(S706)。この処理は、回転体を1回転させながら回転角度360度の範囲における磁気センサ出力信号を回転角度センサ信号処理回路603から回転角度センサ較正装置604に読み出すことにより行う。これにより、回転角度センサ信号処理回路603外部の回転角度センサ較正装置604において、磁気センサ出力信号の特性をモデル化するためのフーリエ係数を計算することができる(S708)。
【0032】
次いで、測定された出力値により表現されるベクトルを回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を、回転角度を計算する際の補正値として回転角度センサの記憶装置に記憶させる(S710)。これにより、回転角度センサ較正装置604において計算されたフーリエ係数は、回転角度センサ信号処理回路603が内蔵する不揮発性メモリに書き込まれる。したがって、回転角度センサのシステムの組み立て時に生じた誤差、使用された磁石の着磁ずれによる誤差等の情報を回転角度センサに記憶させることができる。その後、回転角度センサ信号処理装置603から回転角度センサ較正装置604を切り離す(S712)。以上の処理が終了した後、この回転角度センサを用いて回転角度検出動作を開始することができる(S714)。
【0033】
2.回転角度の検出
2.1.フーリエ係数に基づく回転行列係数の計算
本発明の回転角度センサにおいては、回転角度センサ内部において2つの磁気センサ出力信号のホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)を回転角度のステップサイズであるθSTEPの整数倍だけ回転させ、回転後のホール起電力信号ベクトル(Vx’, Vy’)がx軸を横切るときの回転量をもって検出された回転角度とする。
【0034】
回転角度360度の範囲にわたって磁気センサ出力信号のX成分及びY成分が理想的に互いに90度位相がずれた正弦波である場合には、次のような回転行列で表現されるベクトル回転計算を行って、回転後のホール起電力信号ベクトルがx軸を横切るまでに要した回転角度を求めればよい。
【0035】
【数2】
【0036】
しかしながら実際には、回転角度センサの組み立て時の誤差、磁石の着磁ずれ等の理由により、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分が位相差90度の正弦波という理想的な状態から外れている。このため、上記のように正弦波を前提とした信号処理方法では正確な回転角度検出では回転角度検出に誤差が生じる。
【0037】
そこで、本発明の回転角度センサの不揮発性メモリに記憶されている磁気センサ出力信号の特性をモデル化する情報を用いて上記の誤差要因を補正する。そのために上記の回転行列を次のように変更する。
【0038】
【数3】
【0039】
ここで回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))は、回転角度センサの内部において不揮発性メモリに記憶されているフーリエ係数(FTVx(k), FTVy(k))を基に以下の様にして計算される。図9は、回転角度センサ信号処理回路内に含まれる回転行列係数の計算に関わる制御部分のブロック図を示す。この制御部分は、ROM801、不揮発性メモリ803、乗算器803及び加算器804からなる。これらの構成要素のうち、乗算器803及び加算器804は、回転行列係数計算回路(デジタル回路)を構成する。
【0040】
ROM801には、k及びlの値に応じたcos(2πkl/L)及びsin(2πkl/L)の値が記憶されている。また、不揮発性メモリ802には、kの値に応じたフーリエ係数FTVx(k)及びFTVy(k)が記憶される。ここで、フーリエ係数は、回転角度センサに要求される回転角度要求精度および不揮発性メモリの規模に応じて、適切なビット幅に量子化した値として記憶されることが好ましい。
【0041】
このように構成された制御部分において、不図示の制御装置により、l及びkの値に応じた値がROM801及び不揮発性メモリ802から読み出されて乗算器803に渡される。乗算器803では、以下の式のうち、三角関数とフーリエ係数との積に相当する部分の計算を実行する。次いで、加算器804が乗算器803によって計算された積を用いて加減算処理に相当する部分の計算を実行することにより、回転行列係数 (IFTVx(l), IFTVy(l))が求められる。
【0042】
【数4】
【0043】
上の式を実際に計算する際には、先に説明した理由によりk=0付近を除いてほとんどのkの値について(FTVx(k), FTVy(k))がゼロであるから、上の数式で表される信号処理の実際の処理量は、一般の場合に上の数式を計算する場合の処理量と比較して小さくなる。
【0044】
また、上の式にある(1/L)という正規化定数の乗算は、Lの値を2のべき乗となる値に設定することで、ビットのシフト操作に置き換えることができる。このように乗算操作をシフト操作に置き換えることによって、回転角度センサ信号処理回路をICで実現する場合に回路規模を抑制することができる。
【0045】
図10には図4、図5に示したフーリエ係数を基に計算した(IFTVx(l), IFTVy(l))を示した。図10を参照すると、不揮発性メモリの使用量としては情報量の少ない(FTVx(k), FTVy(k))を用いているにも関わらず、フーリエ係数を基に計算された(IFTVx(l), IFTVy(l))は磁気センサ出力信号の特性を精度よく再現することがわかる。
【0046】
式(3)に基づいて回転体の回転角度を計算する場合、2つの磁気センサから出力される信号のX成分及びY成分Vx, Vyの間の比を利用して回転角度を計算することになる。このため、たとえ温度変化があっても、2つの磁気センサの温度特性が揃っている限り、本発明の回転角度センサの出力は磁気センサ感度の温度特性及び磁石が持つ温度特性に影響されないことになる。ここで、本発明の回転角度センサにおいては、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分の間の比を利用していながら、磁気センサ出力信号のX成分及びY成分の間での除算は行っていない。一般に、除算を実現する回路は複雑になるが、本実施形態では除算を行うことなく磁気センサ出力信号のX成分及びY成分の間の比を利用することで回路を簡単化することができ、結果として回転角度センサの低コスト化を可能にしている。
【0047】
2.2.線形補間計算による回転角度検出分解能の向上
磁気センサ出力信号の特性をモデル化するためのフーリエ級数の長さLに対して式(4−1),(4−2)で与えられる係数を持つ回転行列を用いて回転角度検出を行った場合、回転角度を検出する分解能は360度/Lとなる。例えば図4、図5の例の場合にはL=64であるため、回転角度の検出分解能はθSTEP=360度/64=5.625度となる。
【0048】
磁気センサ出力信号の特性をモデル化するデータを記憶するための不揮発性メモリ量を削減するためには、できるだけLを小さい値にする必要がある。一方で、Lを小さい値にする程、角度分解能が低下する。そこで、本実施形態では不揮発性メモリ量を抑制しながら、同時に回転角度の検出分解能の向上を達成する目的で回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))の線形補間を行う。
【0049】
いま、回転角度位置θに関して隣あう回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))と(IFTVx(l+1), IFTVy(l+1))を考える。本実施形態では、回転角度θl=l×θSTEPとθl+ 1=(l+1)×θSTEPの間の角度を分解できるよう2つの角度に対応した回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))と(IFTVx(l+1), IFTVy(l+1))の間をα:(1−α)の比で線形補間する。線形補間によって得られる回転行列係数を用いて計算したVy’は次のようになる。
【0050】
【数5】
【0051】
ここで、2つの磁気センサ出力信号のX成分及びY成分が近似的に互いに位相が90度ずれた正弦波であることを考慮すると、回転角度センサが角度位置θの位置にあるときVx, Vyは、|V|を信号振幅として、それぞれ近似的に|V| cos(θ)、|V| sin(θ)である。このとき回転行列係数IFTVx(l)、IFTVy(l)は近似的にそれぞれcos(θl)、sin(θl)に比例すると考えることができる。したがって、線形補間計算された回転行列係数を用いて計算されるVy’は近似的に次のようになる。
【0052】
【数6】
【0053】
回転体の回転角度位置であるθがθlとθl+ 1の間に位置するときはθl<θ<θl+ 1であるからsin(θ−θl)>0、sin(θ−θl+ 1)<0となる。したがって、回転角度検出誤差に対するVy’の依存性は図11に示した様になる。
【0054】
本実施形態においては、ホール起電力信号ベクトルを予め定められた角度ずつ回転させ、x軸を横切るとき(即ち、回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度のとき)の角度を求めることにより、回転角度を検出する。図11において、lに対応した角度だけホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)を回転させた場合、回転後のホール起電力信号ベクトルのY成分Vy’は正であり、l+1に対応した角度だけホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)を回転させた場合、回転後のホール起電力信号ベクトルのY成分Vy’は負となる。一般的に、回転行列係数をnとn+1の間で線形補間する場合には、図11におけるVy’が補間比率αに対して線形に変化する程、線形補間の誤差が小さくなる。ここでは上の式を見てわかるように、Vy’は、回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点付近において、αに対する正弦関数として変化しているため線形性が高い。そのため回転行列係数を線形補間することによる角度検出誤差は、フーリエ係数を計算する際の角度ステップサイズθSTEPの範囲において正弦波を直線で近似するときの誤差と考えることができる。以上の理由によって、本発明の回転角度センサにおいては、線形近似という比較的簡単な操作を用いて、高い回転角度分解能を持つ回転行列係数を精度よく作れることがわかる。
【0055】
本実施形態において、線形補間は、回転角度の正弦波曲線に対して行われる。図12は、回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点を中心にしてθSTEP=360度/32=11.25度の範囲で線形補間を行って正弦波を近似した場合の角度検出誤差を示す。回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点付近において正弦波を線形補間する本発明の有効性は、従来技術において回転角度を検出するために利用されていた正接関数を線形補間した場合の誤差との比較によっても明確になる。図13には、回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点付近において正接関数を線形近似したときの角度誤差を示す。本発明の回転角度センサにおいては、正弦波の線形近似は必ず回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点付近で行われるが、正接関数を利用した従来技術の場合には、回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が45度となる点付近でも正接関数を線形近似する必要が出てくる。図14には、回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が45度となる点付近において、正接関数を線形近似したときの角度検出誤差を示す。図14を参照すると、図12と比較して大きな角度検出誤差が発生しており、本発明の線形補間が、従来技術の正接関数tanを利用した線形補間と比べて非常に高い精度を持つものであることがわかる。
【0056】
上記の線形近似においては、補間比率αを次の式のように設定してθSTEPを2M個の区間に分割することができる。この場合には、回転角度の分解能は360度/(L×2M)となる。
【0057】
【数7】
【0058】
3.回転角度センサの構成
3.1.デジタル回路による回転行列操作の実現方法
図15に回転行列操作をデジタル回路を用いて実現する場合の信号処理ブロック図を示す。ここでは回転角度センサとして、磁気センサX 1401及び磁気センサY 1402にホール素子を用いるものを例に挙げて説明する。図15における回転角度センサ信号処理回路1403はチョッパ駆動回路1404、信号増幅回路1405、チョッパ復調回路1406、サンプルアンドホールド回路1407、AD変換器1408、ベクトル回転計算回路1413、回転行列係数計算回路1414、不揮発性メモリ1410、デジタルインターフェイス回路1409などからなる。なお上記の回転角度センサ信号処理回路1403をIC化することにより回転角度センサの小型化、低価格化を図ることができる。
【0059】
チョッパ駆動回路1404は、磁場のX成分を検出する磁気センサX 1401、及び磁場のY成分を検出する磁気センサY 1402の持つオフセットを除去する目的で用意される。このチョッパ駆動回路1404は、4つの端子から成るホール素子を、互いに角度が90度異なった方向に交互に駆動することによって、ホール素子から出力されるホール起電力信号を交流信号に変調する。
【0060】
磁気センサX 1401及び磁気センサY 1402から出力されるホール起電力信号は信号増幅回路1405において増幅される。増幅された信号はチョッパ復調部1406において復調され、交流信号から直流信号へと変換される。この段階において磁気センサX 1401及び磁気センサY 1402の持つオフセットと信号増幅部のオペアンプの持つオフセットを除去することができる。
【0061】
上記の操作によってホール素子のオフセットを除去する技術は、R.S Popovic著, ”Hall Effect Devices”, Adam Hilger, 1991等に記載されている。また上記の方法によって増幅回路で使用されるオペアンプのオフセットを補正する方法は”Circuit Techniques for Reducing the Effects of Op−Amp Imperfections : Autozeroing, Correlated Double Sampling, and Chopper Stabilization”, PROCEEDINGS OF THE IEEE Vol.84, No.11 1996等に記載されている。デジタル回路によって回転行列操作を行う場合には、チョッパ復調された信号はサンプルアンドホールド回路1407によってサンプルされた後、AD変換器1408によってデジタル信号へと変換される。デジタル回路によって回転行列操作を実現する場合には、AD変換されたホール起電力信号のX成分及びY成分がそれぞれVx, Vyに相当する。
【0062】
ベクトル回転計算回路1413は回転行列係数を持つ回転行列により2つの磁気センサからの出力値により表現されるベクトルを回転させるデジタル回路である。このベクトル回転計算回路1413においては、式(3)に基づいてホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)の回転計算が行われ、回転後のホール起電力信号ベクトルがx軸を横切るときの回転量を以って検出角度とする。回転行列係数は回転行列係数計算回路1411において計算される。回転行列係数計算回路1411は不揮発性メモリ1410に記憶されたフーリエ係数を使用して2次元の回転行列係数を計算するものであり、ベクトル回転計算回路1413と同様デジタル回路である。この回転行列係数計算回路1411は、式(4−1)及び(4−2)に基づいて、不揮発性メモリ1410に記憶されたフーリエ係数(FTVx(k), FTVy(k))を基にして回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))を計算する。
【0063】
上記のベクトル回転計算回路1413と回転行列係数計算回路1411とが、不揮発性メモリ1410に記憶されたフーリエ係数を使用して回転角度を計算する機能を担う。
【0064】
回転行列係数計算回路1411においては上記の計算のためのcos(2πkl/L), sin(2πkl/L)の値を記憶したROM1412が用意される。ここで360度をL個の区間に分割することから、この余弦、正弦の値はそれぞれL個必要になる。しかし、先に述べた回転行列の線形補間を用いて回転角度の分割数を増やすため、Lの値は目標とする回転角度検出の分解能に対して比較的小さい値で済ませられる。更に正弦関数、余弦関数の対称性を利用することができるので、ここで必要となるROM1412のデータ量は回転角度センサを低コストで実現するうえであまり問題とならない。
【0065】
組み立てが完了して回転体に取り付けられた磁気センサを含む回転角度センサの較正を行う際には、回転角度センサ信号処理回路1403の内部においてAD変換されたホール起電力信号のX成分及びY成分(Vx, Vy)をデジタルインターフェイス回路1409を通じて回転角度センサ外部の回転角度センサ較正装置1415に出力する。回転角度センサ較正装置1415においては、回転角度センサから得られたホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)をフーリエ級数展開したときのフーリエ係数(FTVx(k), FTVy(k))が計算される。計算された(FTVx(k), FTVy(k))は回転角度センサのデジタルインターフェイス回路1409を通じて不揮発性メモリ1410に書き込まれる。回転角度センサ信号処理回路1403による不揮発メモリ1410への書き込み操作が終了した後は、回転角度センサ較正装置1415が回転角度センサのシステムから切り離されて、回転角度センサは回転角度を検出するための動作が可能な状態になる。
【0066】
回転角度センサは、回転体の回転角度を計算する際に、先に説明したホール起電力信号ベクトルの回転計算を行う。図15の回転角度検出回路1414においては、回転計算によって得られたホール起電力信号ベクトルがX軸を横切るまでに要した回転量が計算される。回転後のホール起電力信号ベクトルがX軸を横切るかどうかを判定するためには、回転後のホール起電力信号ベクトルのY成分Vy ’の符号を判定する。また回転後のホール起電力信号ベクトルがX軸を横切るまでの回転量を求めるために、バイナリ−サーチを用いて、角度分解能が360度/(L×2M)の場合に(log2L+M)回の回転計算を行えばよい。
【0067】
図15の例に示すようにデジタル回路を用いて回転行列計算を行う場合、回転角度センサの持つAD変換器1408から出力される(Vx, Vy)を使用して計算したフーリエ係数(FTVx(k), FTVy(k))は回転角度センサ内部のAD変換器1408のオフセット誤差、ゲイン誤差を反映したものになる。図15の信号処理回路をIC化する場合、IC内のAD変換器1408が持つ上記の誤差はICの個体ごとに異なる。本発明の回転角度センサにおいては、AD変換器1408が持つ上記の誤差情報を不揮発メモリ1410に記憶されたフーリエ係数に取り込んで扱うため、AD変換器1408のオフセット誤差、ゲイン誤差を個体によるばらつきを含めて補正することが可能になる。
【0068】
以上、AD変換器1408の誤差が不揮発性メモリ1410に記憶されたフーリエ係数を用いて補正されることを述べたが、本発明の回転角度センサにおいては信号増幅回路1405、チョッパ復調回路1406などAD変換器1408以外の回路が持つ誤差も同様にして補正される。
【0069】
3.2.スイッチト・キャパシタ回路による回転行列操作の実現方法
図16に回転行列操作をスイッチト・キャパシタ回路を用いて実現する場合の信号処理ブロック図を示す。ここでは磁気センサとしてホール素子を使用した例を挙げて説明する。図16における回転角度センサ信号処理回路1503は図15の場合と同様にチョッパ駆動回路1504、信号増幅回路1505、チョッパ復調回路1506、サンプルアンドホールド回路1507、回転行列係数計算回路1510、不揮発性メモリ1509、デジタルインターフェイス回路1508などを備えている。図16においてはベクトル回転計算回路1512がスイッチト・キャパシタ回路によって実現される点において図15の方式と異なっている。
【0070】
このスイッチト・キャパシタ回路においては、磁場のX成分を検出する磁気センサ1501及び磁場のY成分を検出する磁気センサ1502からの磁気センサ出力信号のホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)のうち一方の成分が回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))の一方の成分を線形補間した結果と乗算されるが、この乗算操作のために図17の例に示すようなスイッチト・キャパシタ回路を使用することができる。このスイッチト・キャパシタ回路は、X,Y切り替えスイッチ1601、乗算器1602、リセット機能付き加算器1603からなる。スイッチ1601は、乗算器1602への入力を切り替える。
【0071】
乗算器1602では、VxまたはVyのうち一方の成分が、IFTVx(l)またはIFTVy(l)の一方の成分を線形補間した結果と乗算される。そして、リセット機能付き加算器1603が、乗算器1602で求められた積の加減算を行うことにより、式(3)の計算を実行する。
【0072】
次に、図18及び図19を参照し、乗算器1602及びリセット機能付き加算器1603の具体的な回路構成についてそれぞれ説明する。
【0073】
図17の中に含まれる乗算回路の一例を図18に示す。図18の乗算回路は、以下の式に示されるように入力されたアナログ信号が2つのキャパシタの間の比で決まる値だけ増幅されて出力されるようになっている。そして、可変容量キャパシタを使用してキャパシタ間の比を変えることによって、増幅率を回転行列係数で与えられる値に設定できる。図18において、PHI1, PHI2は互いにオーバーラップしない2相クロックである。乗算器から出力された信号は図19の例に示すような加算回路において加算され、回転後のホール起電力信号ベクトルの成分が得られる。
【0074】
【数8】
【0075】
以上説明したスイッチト・キャパシタ回路を用いた方式においては、図16に示した様に回転行列係数計算回路1510というデジタル回路が必要である。この回転行列係数計算回路1510の機能をスイッチト・キャパシタ回路によるベクトル回転計算回路1512に取り込むことにより、回転角度センサ信号処理回路の回路規模を抑制し、回転角度センサの更なる低コスト化を図ることができる。以下では、この低コスト化の方法について説明する。
【0076】
回転行列係数計算回路の機能をスイッチト・キャパシタ回路に取り込むためには、(FTVx(k), FTVy(k))を不揮発性メモリ1509に記憶する際に、これらの値自体を不揮発性メモリ1509に記憶するのではなく、式(9−1) 及び(9−2)を近似的に満たす角度値αk,βkとして記憶する。ここでαk,βkはともに360度をL個の区間に分割したときに得られるL個の角度位置の1つである。式(9−1),(9−2)においてはαk,βkの余弦値を(FTVx(k), FTVy(k))に対応させて不揮発性メモリ1509に記憶させることにしたが、余弦の代わりに正弦を利用してもよい。
【0077】
【数9】
【0078】
不揮発性メモリにαk,βkが記憶されているときの回転角度センサ信号処理回路のブロック図を図20に示す。図20における回転角度センサ信号処理回路1903は図16の場合と同様にチョッパ駆動回路1904、信号増幅回路1905、チョッパ復調回路1906、サンプルアンドホールド回路1907、スイッチト・キャパシタ回路である回転行列係数・ベクトル回転計算回路1911、不揮発性メモリ1909、デジタルインターフェイス回路1908などを備えている。
【0079】
図20においては回転行列係数及びホール起電力信号ベクトルの回転計算をスイッチト・キャパシタ回路である回転行列係数・ベクトル回転計算回路1911が行う点において図16の方式と異なっている。
【0080】
回転角度センサ信号処理回路1903においては、図20に示すように不揮発性メモリ1909から読み出されたαk,βkに対応するcos(αk),cos(βk)がROM1910から読み出される。図20の回転行列係数・ベクトル回転計算回路1911においては、先に式(3),(4−1)及び(4−2)に示した操作を1つのスイッチト・キャパシタ回路によって実現することができる。
【0081】
式(4−1),(4−2)に示した操作が、三角関数の和、差の公式を利用して、以下の式(10−1),(10−2)に示すように変形されることに注意されたい。ここでαk,βkはともに360度をL個の角度位置に分割したときの角度位置の1つなので、2つの整数ak, bkを用いてαk=2πak/L,βk=2πbk/Lと表すことができる。式(10−1),(10−2)において、IFTVx(l)、IFTVy(l)はともに、ROMに格納されたcos,sinの値を加減算することによって得られる。
【0082】
【数10】
【0083】
このとき、回転後のホール起電力信号ベクトル(Vx ’, Vy ’)は、次の式で表されるようにROM1910から読み出したsin,cosに相当するデジタル信号とホール起電力信号ベクトル(Vx, Vy)のX成分及びY成分の積和となる。したがって、先に説明したスイッチト・キャパシタ回路を用いて、この積和計算を行うことにより、回転行列係数の計算とベクトル回転計算を同時に行うことができる。先に説明した図19の回路は、本来、スイッチト・キャパシタ積分器としてよく知られている回路であり、図18の乗算器とあわせて積和計算を行うために好適な回路である。回転行列係数・ベクトル回転計算回路1911において計算されたホール起電力信号ベクトル(Vx ’, Vy ’)がX軸を横切るときのlの値は回転角度検出回路1912において検出する。
【0084】
以上、説明した方法を用いることにより、離散フーリエ変換のためのデジタル回路を用いることなく、回転行列係数の計算とベクトル回転計算がスイッチト・キャパシタ回路のみで実行されるため、回転角度センサ信号処理回路を単純化することが可能になる。結果として、回転角度センサ信号処理回路をIC化する場合にICの低コスト化を図ることができる。
【0085】
【数11】
【0086】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限らず、他の種々の形態で実施できる。例えば、回転体の回転範囲に関しても、較正時に限って回転体を360度回転させてフーリエ係数を利用した較正を行い、実際に回転角度センサを使用して回転角度を検出する回転範囲は360度未満にするといったことも可能である。
【0087】
また、本発明の1つの実施形態として、2つの磁気センサが回転体の回転中心軸に対して、ほぼ90度の角度の位置に配置される場合について説明したが、2つの磁気センサがなす角度が90度でない場合にも、本発明は適用可能である。
【0088】
更に、本発明の実施形態として、磁気センサとしてホール素子を用いる例を説明したが、ここでの磁気センサはMR(Magnetic Resistance)素子、MI(Magnetic Impedance)素子、及びフラックスゲート等のホール素子以外の磁気センサも使用可能である。
【0089】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0090】
【実施例】
磁石として直径φが10mm、厚さtが2mmのネオジウム系磁石、磁気センサとして旭化成電子(会社名)製のホール素子HG−106Cを使用し、着磁ずれのある磁石の位置を意図的にずらした回転角度センサを作製して、2つのホール素子からの出力信号を測定した。
【0091】
図3は、本実施例によるホール起電力信号のX成分及びY成分の測定値を示す。この測定値に対して、X成分及びY成分それぞれを、長さL=64のフーリエ級数に展開したときの、8ビットに量子化されたフーリエ係数が図4、図5に示したものである。図3に示した信号のX成分及びY成分それぞれについて、10バイト(80ビット)程度の不揮発性メモリがあれば、図10に示したように、実測値を精度よく再現できることがわかる。
【0092】
角度の分解能を細分化するため360度をL=64個に分割した後、本発明の線形補間を用いて各区間を更に64個に分割したときの回転角度検出精度のシミュレーションを行った。このシミュレーション結果を図21に示す。
【0093】
図10に示したホール起電力信号は、X成分及びY成分それぞれが正弦波から大きくゆがんでおり、X成分及びY成分の振幅も互いに大きく異なっている。このように理想的な正弦波波形から大きくかけ離れたホール起電力信号に対しても、本発明の回転角度センサにおいては図21に示したような良好な回転角度検出性能が得られる。ここで、理想的な信号からかけ離れたホール起電力信号を補正できるということは、回転角度センサを製造するうえで、安価な磁石、組み立て工程を使用できるということを意味する。このため、本発明の回転角度センサにおいては回転角度センサのシステム全体の低コスト化が可能になる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回転角度センサにおいては、少ない不揮発性メモリ量を効率的に利用して回転角度センサの組み立て時の誤差、磁石の着磁ずれ等の影響を補正することが可能である。したがって、本発明によって高精度で安価な回転角度センサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転体の回転中心に対して互いに直角になる位置に配置された2つの磁気センサ出力信号を示す図である。
【図2】組み立て誤差等がなく理想的な場合の2つの磁気センサ出力信号を示す図である。
【図3】組み立て誤差等がある場合の2つの磁気センサ出力信号を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるフーリエ係数のX成分を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるフーリエ係数のY成分を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による回転角度センサを較正するシステムの構成図である。
【図7】本発明の一実施形態による回転角度センサ較正装置のブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態による回転角度センサの較正を行う処理のフロー図である。
【図9】本発明の一実施形態による回転角度センサにおける、回転行列係数を計算する回路のブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による回転角度センサにおいて、フーリエ係数を基に計算された回転行列係数(IFTVx(l), IFTVy(l))を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による回転角度センサにおいて、線形補間によって計算される回転行列係数を使用したときのVy’成分を示す図である。
【図12】回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点付近において正弦関数を線形補間で近似したときの回転角度検出誤差を示す図である。
【図13】回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が0度となる点付近において正接関数を線形補間で近似したときの回転角度検出誤差を示す図である。
【図14】回転後のホール起電力信号ベクトルとx軸とがなす角度が45度となる点付近において正接関数を線形補間で近似したときの回転角度検出誤差を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態において、ベクトル回転計算をデジタル回路で行う場合の信号処理ブロック図である。
【図16】本発明の一実施形態において、ベクトル回転計算をスイッチト・キャパシタ回路で行う場合の信号処理ブロック図である。
【図17】本発明の一実施形態において、ベクトル回転計算を行うスイッチト・キャパシタ回路の構成例を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態において、ベクトル回転計算を行うスイッチト・キャパシタ回路の中で用いられる乗算回路の構成例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態において、ベクトル回転計算を行うスイッチト・キャパシタ回路の中で用いられるリセット機能付き加算回路の構成例を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態において、回転行列係数の計算とベクトル回転計算をスイッチト・キャパシタ回路で行う場合の信号処理ブロック図である。
【図21】図3に示した磁気センサ出力信号の実測値に対して、本発明の方法を適用して角度検出誤差をシミュレーションした結果を示す図である。
【符号の説明】
601 磁場のX成分を検出するホール素子
602 磁場のY成分を検出するホール素子
603 回転角度センサ信号処理回路
604 回転角度センサ較正回路
801 ROM
802 不揮発性メモリ
803 乗算器
804 加算器
1401 磁場のX成分を検出するホール素子
1402 磁場のY成分を検出するホール素子
1403 回転角度センサ信号処理回路
1404 チョッパ駆動回路
1405 信号増幅回路
1406 チョッパ復調回路
1407 サンプルアンドホールド回路
1408 AD変換器
1409 デジタルインターフェイス回路
1410 不揮発性メモリ
1411 回転行列係数計算回路
1412 ROM
1413 ベクトル回転計算回路
1414 回転角度検出回路
1415 回転角度センサ較正装置
1501 磁場のX成分を検出するホール素子
1502 磁場のY成分を検出するホール素子
1503 回転角度センサ信号処理回路
1504 チョッパ駆動回路
1505 信号増幅回路
1506 チョッパ復調回路
1507 サンプルアンドホールド回路
1508 デジタルインターフェイス回路
1509 不揮発性メモリ
1510 回転行列係数計算回路
1511 ROM
1512 ベクトル回転計算回路
1513 回転角度検出回路
1514 回転角度センサ較正装置
1601 X,Y切り替えスイッチ
1602 スイッチト・キャパシタ回路による乗算器
1603 スイッチト・キャパシタ回路によるリセット付き加算器
1901 磁場のX成分を検出するホール素子
1902 磁場のY成分を検出するホール素子
1903 回転角度センサ信号処理回路
1904 チョッパ駆動回路
1905 信号増幅回路
1906 チョッパ復調回路
1907 サンプルアンドホールド回路
1908 デジタルインターフェイス回路
1909 不揮発性メモリ
1910 ROM
1911 回転行列係数・ベクトル回転計算回路
1912 回転角度検出回路
1913 回転角度センサ較正装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotation angle sensor, a calibration device thereof, and a calibration method, and more particularly, to a rotation angle sensor for detecting a rotation angle of a rotating body and a calibration method thereof, and a signal processing method and a signal processing circuit for realizing calibration. It is.
[0002]
[Prior art]
A method of detecting a rotation angle by a non-contact method using a magnetic field generated by two magnetic sensors and a magnet arranged at a predetermined angle with respect to a rotation center axis of a rotating body has been known for some time. For example,
[0003]
Since the ratio of the output signals from the two magnetic sensors is proportional to tan (θ) or cot (θ) with respect to the rotation angle θ, in the process of detecting the rotation angle, tan (θ) stored in the memory is used. Alternatively, it is necessary to refer to the value of cot (θ). However, an increase in the amount of memory used for temperature correction as described above leads to an increase in the cost of the rotation angle sensor. For this reason, methods for reducing the memory amount have been studied. For example,
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-62-95402
[0005]
[Patent Document 2]
JP 08-145719 A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a rotation angle sensor is actually realized using a magnet and two magnetic sensors, two magnetic sensors are used unless a high-precision assembly process is performed using a magnetic sensor, a magnet, or the like that has been selected in advance. There is a problem that the output signal cannot be treated as a sine wave whose phase is shifted by 90 degrees from each other. This is due to various error factors such as eccentricity of the rotating body and deviation of the magnetization of the magnet due to the mounting error at the time of assembling the sensor, in addition to the cause such as the offset of the magnetic sensor and the difference in sensitivity between the two magnetic sensors. That's why.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-mentioned problems that are an obstacle to realizing highly accurate angle detection of a rotation angle sensor, and an object thereof is to calibrate a rotation angle sensor with high performance and at low cost. And a method of calibrating the same.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, the invention according to
[0009]
According to a second aspect of the invention, in the rotation angle sensor according to the first aspect, the storage unit stores a value obtained by quantizing the Fourier coefficient.
[0010]
According to a third aspect of the present invention, in the rotation angle sensor according to the first aspect, the calculation means calculates a two-dimensional rotation matrix coefficient using the Fourier coefficients stored in the storage means. It has a rotation matrix coefficient calculating means and a vector rotation calculating means for rotating a vector represented by the output value of the output signal by a rotation matrix having the rotation matrix coefficient.
[0011]
According to a fourth aspect of the present invention, in the rotation angle sensor according to the third aspect, the rotation matrix coefficient calculating means includes a linear matrix between rotation matrix coefficients adjacent to the rotation angle among the rotation matrix coefficients. Interpolation is performed.
[0012]
According to a fifth aspect of the present invention, in the rotation angle sensor according to the fourth aspect, the linear interpolation is performed on a sine function of the rotation angle.
[0013]
According to a sixth aspect of the present invention, in the rotation angle sensor according to any one of the first to third aspects, the vector rotation calculating means includes a switched capacitor circuit. .
[0014]
According to a seventh aspect of the present invention, in the rotation angle sensor according to any one of the first to third aspects, the rotation matrix coefficient calculation means and the vector rotation calculation means comprise a switched capacitor circuit. It is characterized by being performed.
[0015]
According to an eighth aspect of the present invention, in the rotation angle sensor according to the seventh aspect, the calculation of the rotation matrix coefficient by the rotation matrix coefficient calculation unit and the rotation of the vector by the vector rotation calculation unit are performed simultaneously. It is characterized by the following.
[0016]
According to a ninth aspect of the present invention, there are provided two magnetic sensors which are arranged so as to form a predetermined angle with respect to a rotation center axis of a rotating body and output a signal according to the strength of a magnetic field; At a position where is disposed, a magnet for generating a magnetic field having a strength corresponding to the rotation of the rotator, a signal processing circuit for processing output signals from the two magnetic sensors to determine a rotation angle of the rotator, An input device for inputting the output signal when the rotating body is rotated by a plurality of predetermined rotation angles, and a calibration device for the output signal input from the input device. Fourier coefficient calculating means for calculating a Fourier coefficient when a vector represented by an output value is subjected to Fourier series expansion with respect to the rotation angle, and a Fourier coefficient calculated by the Fourier coefficient calculating means, That as a correction value in calculating the serial rotation angle and output means for outputting the rotation angle sensor and said.
[0017]
According to a tenth aspect of the present invention, there are provided two magnetic sensors which are arranged so as to form a predetermined angle with respect to the rotation center axis of the rotating body and output a signal corresponding to the strength of the magnetic field, At a position where is disposed, a magnet for generating a magnetic field having a strength corresponding to the rotation of the rotator, a signal processing circuit for processing output signals from the two magnetic sensors to determine a rotation angle of the rotator, A method of calibrating a rotation angle sensor having the steps of: rotating the rotating body by a plurality of predetermined rotation angles to measure an output value of the output signal; and expressing the output value by the measured output value. Storing a Fourier coefficient obtained when a vector is subjected to Fourier series expansion with respect to the rotation angle, as a correction value when calculating the rotation angle in a storage device of the rotation angle sensor.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0019]
1. Modeling of magnetic sensor output signal characteristics using Fourier coefficients
FIG. 1 shows an output value V of an output signal (hereinafter, referred to as a “magnetic sensor output signal”) from two magnetic sensors arranged at a right angle to the rotation center axis of the rotating body.xAnd Vy(Hereinafter, may be referred to as “Hall electromotive force signal vector”) a = (Vx, Vy). FIG. 2 shows the Hall electromotive force signal vector (Vx, Vy3) shows how the X and Y components change. In this case, the two magnetic sensor output signals are sine waves having a phase difference of 90 degrees.
[0020]
FIG. 3 shows an example of a magnetic sensor output signal obtained when a magnet having a magnetization deviation is used and the rotation center of the magnet is intentionally shifted from a normal rotation center determined by two magnetic sensors. Referring to FIG. 3, the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal have different amplitudes from each other, and the phase difference between the X component and the Y component is no longer 90 degrees. As described above, when the magnet is decentered or deviated, the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal are different from the ideal state of a sine wave having a phase difference of 90 degrees. In such a case, as long as the angle calculation is performed on the assumption that the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal are sine waves having a phase difference of 90 degrees with respect to the rotation angle, the angle detected by the rotation angle sensor Has a large error.
[0021]
Therefore, as means for modeling a characteristic deviating from an ideal state in which a sine wave of two magnetic sensor output signals has a phase difference of 90 degrees, a Fourier coefficient when the magnetic sensor output signal is expanded into a Fourier series is Used. The range of 360 degrees is divided into L equal sections, and a Hall electromotive force signal vector (V) of the magnetic sensor output signal actually measured at each angular position l (l is an integer satisfying 0 ≦ l ≦ L−1)x(L), Vy(L)), the Fourier coefficient (FTV)x(K), FTVy(K)) is calculated.
[0022]
(Equation 1)
[0023]
FIG. 4 shows, as an example of the above Fourier coefficients, a Fourier coefficient FTV for the magnetic sensor output signal shown in FIG.xFIG. 5 shows the calculated Fourier coefficient FTV for the magnetic sensor output signal shown in FIG.y(K) is calculated. In this example, the length L of the Fourier series is set to 64 which is a power of two. Here, the value of the Fourier coefficient is quantized to N = 8 bits.
[0024]
In an ideal state where there are no errors in assembling the magnetic sensor, no deviation in the magnetization of the magnet, etc., the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal are sine waves that are 90 degrees out of phase with each other. What has a finite value should be only k = 1 coefficients. When the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal have an offset, the Fourier coefficient for k = 0 also takes a finite nonzero value. However, the output signal of the magnetic sensor originally has a waveform close to a sine wave. For this reason, the component near k = L / 2 in the Fourier coefficient becomes extremely small, and when the Fourier coefficient is digitally represented by a finite number of bits, most of the Fourier coefficients become zero.
[0025]
In the example shown in FIGS. 4 and 5, the FTV having a finite nonzero value in the Fourier coefficient of the X componentx(K) is seven, and the FTV has a finite value in the Fourier coefficient of the Y component.y(K) is ten. Therefore, in the case of this example, the required amount of memory is not limited to 64 for each of the X component and the Y component of the Fourier coefficient, but is required to be 17 for the total.
[0026]
As can be seen from the above, when the rotation angle is detected using the magnetic sensors arranged at
[0027]
FIG. 6 shows a configuration diagram of a system for calibrating a rotation angle sensor according to the present invention. The rotation angle sensor is disposed so as to form a predetermined angle with respect to the rotation center axis of the rotating body, and includes two
[0028]
The rotation angle
[0029]
More specifically, the rotation angle
[0030]
FIG. 8 shows a procedure for calibrating the rotation angle sensor of the present invention. Hereinafter, a method of calibrating the rotation angle sensor according to the present embodiment will be described with reference to FIG.
[0031]
First, a rotation angle sensor is assembled using a magnet (not shown),
[0032]
Next, the storage device of the rotation angle sensor stores a Fourier coefficient obtained when the vector represented by the measured output value is subjected to Fourier series expansion with respect to the rotation angle as a correction value when calculating the rotation angle (S710). As a result, the Fourier coefficients calculated by the rotation angle
[0033]
2. Rotation angle detection
2.1. Calculation of rotation matrix coefficients based on Fourier coefficients
In the rotation angle sensor of the present invention, the Hall electromotive force signal vector (V) of the two magnetic sensor output signals inside the rotation angle sensor.x, Vy) Is the rotation angle step size θSTEPIs rotated by an integral multiple of the above, and the Hall electromotive force signal vector (Vx’, Vy′) Is the detected rotation angle when the rotation amount crosses the x-axis.
[0034]
If the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal are ideally sine waves having a phase shift of 90 degrees from each other over a range of a rotation angle of 360 degrees, a vector rotation calculation represented by the following rotation matrix is performed. Then, the rotation angle required until the Hall electromotive force signal vector after rotation crosses the x-axis may be obtained.
[0035]
(Equation 2)
[0036]
However, in practice, the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal deviate from the ideal state of a sine wave having a phase difference of 90 degrees due to an error in assembling the rotation angle sensor, a magnetization deviation of the magnet, and the like. I have. Therefore, in the signal processing method based on the sine wave as described above, an error occurs in the rotation angle detection in the accurate rotation angle detection.
[0037]
Therefore, the above-described error factor is corrected using information for modeling the characteristics of the magnetic sensor output signal stored in the nonvolatile memory of the rotation angle sensor of the present invention. Therefore, the above rotation matrix is changed as follows.
[0038]
(Equation 3)
[0039]
Here, the rotation matrix coefficient (IFTVx(L), IFTVy(L)) is a Fourier coefficient (FTV) stored in a non-volatile memory inside the rotation angle sensor.x(K), FTVyIt is calculated as follows based on (k)). FIG. 9 is a block diagram of a control portion related to calculation of a rotation matrix coefficient included in the rotation angle sensor signal processing circuit. The control unit includes a
[0040]
The
[0041]
In the control unit configured as described above, values corresponding to the values of l and k are read from the
[0042]
(Equation 4)
[0043]
When actually calculating the above equation, for most k values except for near k = 0 (FTVx(K), FTVySince (k)) is zero, the actual processing amount of the signal processing represented by the above equation is smaller than the processing amount when the above equation is calculated in a general case.
[0044]
The multiplication of the normalization constant (1 / L) in the above equation can be replaced with a bit shift operation by setting the value of L to a value that is a power of two. By replacing the multiplication operation with the shift operation as described above, the circuit size can be reduced when the rotation angle sensor signal processing circuit is implemented by an IC.
[0045]
FIG. 10 shows a calculation based on the Fourier coefficients shown in FIGS. 4 and 5 (IFTVx(L), IFTVy(L)). Referring to FIG. 10, the usage amount of the non-volatile memory is small (FTVx(K), FTVy(IF) was calculated based on the Fourier coefficient despite using (k)).x(L), IFTVy(L)) shows that the characteristics of the magnetic sensor output signal are accurately reproduced.
[0046]
When calculating the rotation angle of the rotating body based on equation (3), the X component and the Y component V of the signals output from the two magnetic sensorsx, VyThe rotation angle will be calculated using the ratio between. For this reason, even if there is a temperature change, the output of the rotation angle sensor of the present invention is not affected by the temperature characteristics of the magnetic sensor sensitivity and the temperature characteristics of the magnet as long as the temperature characteristics of the two magnetic sensors are uniform. Become. Here, in the rotation angle sensor of the present invention, the division between the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal is performed while utilizing the ratio between the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal. Absent. In general, a circuit for realizing division is complicated, but in the present embodiment, the circuit can be simplified by utilizing the ratio between the X component and the Y component of the magnetic sensor output signal without performing division, As a result, the cost of the rotation angle sensor can be reduced.
[0047]
2.2. Improvement of rotation angle detection resolution by linear interpolation calculation
Rotation angle detection was performed using a rotation matrix having coefficients given by equations (4-1) and (4-2) with respect to the length L of the Fourier series for modeling the characteristics of the magnetic sensor output signal. In this case, the resolution for detecting the rotation angle is 360 degrees / L. For example, in the case of FIGS. 4 and 5, since L = 64, the rotation angle detection resolution is θ.STEP= 360 degrees / 64 = 5.625 degrees.
[0048]
In order to reduce the amount of nonvolatile memory for storing data modeling the characteristics of the output signal of the magnetic sensor, it is necessary to make L as small as possible. On the other hand, as L becomes smaller, the angular resolution decreases. Therefore, in the present embodiment, a rotation matrix coefficient (IFTV) is used for the purpose of suppressing the amount of non-volatile memory and at the same time improving the rotation angle detection resolution.x(L), IFTVyThe linear interpolation of (l)) is performed.
[0049]
Now, the rotation matrix coefficients (IFTVx(L), IFTVy(L)) and (IFTVx(L + 1), IFTVy(L + 1)). In the present embodiment, the rotation angle θl= 1 x θSTEPAnd θl + 1= (L + 1) × θSTEPRotation matrix coefficients (IFTV) corresponding to the two angles so that the angle betweenx(L), IFTVy(L)) and (IFTVx(L + 1), IFTVy(1 + 1)) is linearly interpolated at a ratio of α: (1−α). V calculated using the rotation matrix coefficients obtained by linear interpolationy'Is as follows.
[0050]
(Equation 5)
[0051]
Here, considering that the X component and the Y component of the two magnetic sensor output signals are sine waves whose phases are approximately shifted from each other by 90 degrees, when the rotation angle sensor is at the angular position θ, Vx, VyAre approximately | V | cos (θ) and | V | sin (θ), respectively, where | V | is the signal amplitude. At this time, the rotation matrix coefficient IFTVx(L), IFTVy(L) is approximately cos (θl), Sin (θl). Therefore, V calculated using the rotation matrix coefficient calculated by linear interpolationy'Is approximately as follows:
[0052]
(Equation 6)
[0053]
Θ, which is the rotation angle position of the rotating body, is θlAnd θl + 1Θl<Θ <θl + 1Therefore, sin (θ−θl)> 0, sin (θ−θl + 1) <0. Therefore, V for the rotation angle detection errory'Is as shown in FIG.
[0054]
In the present embodiment, when the Hall electromotive force signal vector is rotated by a predetermined angle and crosses the x-axis (ie, when the angle between the rotated Hall electromotive force signal vector and the x-axis is 0 degrees). , The rotation angle is detected. In FIG. 11, the Hall electromotive force signal vector (Vx, Vy) Is rotated, the Y component Vy ′ of the rotated Hall electromotive force signal vector is positive, and the Hall electromotive force signal vector (Vx, Vy) Is rotated, the Y component Vy ′ of the rotated Hall electromotive force signal vector becomes negative. In general, when the rotation matrix coefficient is linearly interpolated between n and n + 1, Vy′ Changes linearly with respect to the interpolation ratio α, the error of the linear interpolation becomes smaller. Here, as can be seen from the above equation, Vy′ Has a high linearity because it changes as a sine function for α near the point where the angle between the rotated Hall electromotive force signal vector and the x-axis becomes 0 °. Therefore, the angle detection error caused by linearly interpolating the rotation matrix coefficients is the angle step size θ when calculating the Fourier coefficients.STEPCan be considered as an error when a sine wave is approximated by a straight line. For the above reasons, it is understood that the rotation angle sensor of the present invention can accurately produce a rotation matrix coefficient having a high rotation angle resolution by using a relatively simple operation of linear approximation.
[0055]
In the present embodiment, the linear interpolation is performed on a sinusoidal curve of the rotation angle. FIG. 12 shows θ around the point at which the angle formed between the Hall electromotive force signal vector after rotation and the x-axis is 0 °.STEPThe angle detection error when a sine wave is approximated by performing linear interpolation in the range of = 360 degrees / 32 = 11.25 degrees is shown. The effectiveness of the present invention of linearly interpolating a sine wave near the point where the angle between the Hall electromotive force signal vector after rotation and the x-axis becomes 0 degrees has been used for detecting the rotation angle in the related art. It becomes clearer by comparison with the error when the tangent function is linearly interpolated. FIG. 13 shows an angle error when the tangent function is linearly approximated near a point where the angle between the Hall electromotive force signal vector and the x-axis after rotation is 0 degrees. In the rotation angle sensor according to the present invention, the linear approximation of the sine wave is always performed near the point where the angle between the rotated Hall electromotive force signal vector and the x-axis becomes 0 degree. In the case of, it is necessary to linearly approximate the tangent function also near the point where the angle between the rotated Hall electromotive force signal vector and the x-axis is 45 degrees. FIG. 14 shows an angle detection error when the tangent function is linearly approximated near the point where the angle between the Hall electromotive force signal vector and the x-axis after rotation is 45 degrees. Referring to FIG. 14, a large angle detection error occurs as compared with FIG. 12, and the linear interpolation of the present invention has much higher accuracy than the linear interpolation using the tangent function tan of the related art. It can be seen that it is.
[0056]
In the above linear approximation, the interpolation ratio α is set asSTEP2MIt can be divided into a number of sections. In this case, the resolution of the rotation angle is 360 degrees / (L × 2M).
[0057]
(Equation 7)
[0058]
3. Configuration of rotation angle sensor
3.1. Realization method of rotation matrix operation by digital circuit
FIG. 15 shows a signal processing block diagram when the rotation matrix operation is realized using a digital circuit. Here, as the rotation angle sensor, a sensor using a Hall element for the magnetic sensor X 1401 and the
[0059]
The
[0060]
The Hall electromotive force signals output from the magnetic sensor X 1401 and the
[0061]
The technique for removing the offset of the Hall element by the above operation is disclosed in S Popovic, "Hall Effect Devices", Adam Hilger, 1991, and the like. The method for correcting the offset of the operational amplifier used in the amplifier circuit by the above method is described in "Circuit Technologies for Reducing the Effects of Op-AmpImplementedEmissionsPhase, EmploymentOperatingGol. 84, No. 11 1996 and the like. When the rotation matrix operation is performed by a digital circuit, the chopper-demodulated signal is sampled by a sample and hold
[0062]
The vector
[0063]
The above-described vector
[0064]
In the rotation matrix
[0065]
When the rotation angle sensor including the magnetic sensor attached to the rotating body is calibrated after the assembly is completed, the X component and the Y component of the Hall electromotive force signal AD-converted inside the rotation angle sensor
[0066]
The rotation angle sensor performs the rotation calculation of the Hall electromotive force signal vector described above when calculating the rotation angle of the rotating body. The rotation
[0067]
When a rotation matrix is calculated using a digital circuit as shown in the example of FIG. 15, an output is obtained from the
[0068]
As described above, the error of the
[0069]
3.2. Realization method of rotation matrix operation by switched capacitor circuit
FIG. 16 shows a signal processing block diagram in the case where the rotation matrix operation is realized using a switched capacitor circuit. Here, an example in which a Hall element is used as a magnetic sensor will be described. The rotation angle sensor
[0070]
In this switched capacitor circuit, the Hall electromotive force signal vector (V) of the magnetic sensor output signal from the
[0071]
In the
[0072]
Next, specific circuit configurations of the
[0073]
FIG. 18 shows an example of the multiplication circuit included in FIG. The multiplying circuit of FIG. 18 is configured to amplify and output an input analog signal by a value determined by a ratio between two capacitors as shown in the following equation. Then, by changing the ratio between the capacitors using the variable capacitance capacitor, the amplification factor can be set to a value given by the rotation matrix coefficient. In FIG. 18, PHI1 and PHI2 are two-phase clocks that do not overlap with each other. The signals output from the multipliers are added in an adder circuit as shown in the example of FIG. 19, and the component of the rotated Hall electromotive force signal vector is obtained.
[0074]
(Equation 8)
[0075]
In the system using the switched capacitor circuit described above, a digital circuit called a rotation matrix
[0076]
In order to incorporate the function of the rotation matrix coefficient calculation circuit into the switched capacitor circuit, (FTVx(K), FTVyWhen (k)) is stored in the
[0077]
(Equation 9)
[0078]
Α for non-volatile memoryk, ΒkFIG. 20 is a block diagram of the rotation angle sensor signal processing circuit when is stored. The rotation angle sensor
[0079]
20 is different from the method of FIG. 16 in that the rotation calculation of the rotation matrix coefficient and the Hall electromotive force signal vector is performed by a rotation matrix coefficient / vector
[0080]
In the rotation angle sensor
[0081]
The operations shown in the equations (4-1) and (4-2) are modified as shown in the following equations (10-1) and (10-2) by using the formulas of sum and difference of trigonometric functions. Note that this is done. Where αk, ΒkIs one of the angular positions when 360 degrees are divided into L angular positions, so two integers ak, BkUsing αk= 2πak/ L, βk= 2πbk/ L. In equations (10-1) and (10-2), IFTVx(L), IFTVy(L) is obtained by adding and subtracting the values of cos and sin stored in the ROM.
[0082]
(Equation 10)
[0083]
At this time, the Hall electromotive force signal vector (Vx ', Vy ') Is a digital signal corresponding to sin and cos read from the
[0084]
By using the method described above, the calculation of the rotation matrix coefficient and the vector rotation calculation are performed only by the switched capacitor circuit without using the digital circuit for the discrete Fourier transform. The circuit can be simplified. As a result, when the rotation angle sensor signal processing circuit is formed into an IC, the cost of the IC can be reduced.
[0085]
(Equation 11)
[0086]
Although the preferred embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be implemented in various other forms. For example, with respect to the rotation range of the rotating body, the calibration is performed using the Fourier coefficient by rotating the rotating body by 360 degrees only during calibration, and the rotation range in which the rotation angle is actually detected using the rotation angle sensor is 360 degrees. It is also possible to make it less than.
[0087]
Further, as one embodiment of the present invention, a case has been described where two magnetic sensors are disposed at a position at an angle of substantially 90 degrees with respect to the rotation center axis of the rotating body, but the angle formed by the two magnetic sensors is described. Is not 90 degrees, the present invention is applicable.
[0088]
Further, as an embodiment of the present invention, an example in which a Hall element is used as a magnetic sensor has been described. However, the magnetic sensor here is not a Hall element such as an MR (Magnetic Resistance) element, an MI (Magnetic Impedance) element, and a flux gate. Can be used.
[0089]
Hereinafter, examples of the present invention will be described.
[0090]
【Example】
A neodymium magnet having a diameter φ of 10 mm and a thickness t of 2 mm is used as a magnet, and a Hall element HG-106C manufactured by Asahi Kasei Electronics (company name) is used as a magnetic sensor. A rotation angle sensor was manufactured, and output signals from two Hall elements were measured.
[0091]
FIG. 3 shows measured values of the X component and the Y component of the Hall electromotive force signal according to the present embodiment. The Fourier coefficients quantized to 8 bits when the X component and the Y component are expanded into a Fourier series having a length L = 64 with respect to the measured values are shown in FIGS. 4 and 5. . It can be seen that if there is a nonvolatile memory of about 10 bytes (80 bits) for each of the X component and the Y component of the signal shown in FIG. 3, the measured values can be accurately reproduced as shown in FIG.
[0092]
After dividing 360 degrees into L = 64 in order to subdivide the angle resolution, a simulation of the rotation angle detection accuracy was performed when each section was further divided into 64 using the linear interpolation of the present invention. FIG. 21 shows the simulation result.
[0093]
In the Hall electromotive force signal shown in FIG. 10, each of the X component and the Y component is greatly distorted from the sine wave, and the amplitudes of the X component and the Y component are also greatly different from each other. As described above, the rotation angle sensor according to the present invention can obtain a satisfactory rotation angle detection performance as shown in FIG. 21 even for a Hall electromotive force signal that is far from the ideal sine wave waveform. Here, being able to correct the Hall electromotive force signal far from the ideal signal means that inexpensive magnets and assembling steps can be used in manufacturing the rotation angle sensor. For this reason, in the rotation angle sensor of the present invention, the cost of the entire rotation angle sensor system can be reduced.
[0094]
【The invention's effect】
As described above, in the rotation angle sensor according to the present invention, it is possible to effectively use the small amount of non-volatile memory to correct the error at the time of assembling the rotation angle sensor, the influence of the magnet magnetization deviation, and the like. It is. Therefore, a highly accurate and inexpensive rotation angle sensor can be realized by the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing two magnetic sensor output signals arranged at positions perpendicular to each other with respect to the rotation center of a rotating body.
FIG. 2 is a diagram showing two magnetic sensor output signals in an ideal case where there is no assembly error or the like;
FIG. 3 is a diagram showing two magnetic sensor output signals when there is an assembly error or the like.
FIG. 4 is a diagram illustrating an X component of a Fourier coefficient according to an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a diagram illustrating a Y component of a Fourier coefficient according to an embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a configuration diagram of a system for calibrating a rotation angle sensor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a block diagram of a rotation angle sensor calibration device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a flowchart of a process for calibrating a rotation angle sensor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a block diagram of a circuit for calculating a rotation matrix coefficient in the rotation angle sensor according to one embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram illustrating a rotation angle coefficient (IFTV) calculated based on a Fourier coefficient in a rotation angle sensor according to an embodiment of the present invention.x(L), IFTVyIt is a figure showing (l)).
FIG. 11 is a diagram illustrating a rotation angle sensor according to an embodiment of the present invention, in which a rotation matrix coefficient calculated by linear interpolation is used;yFIG.
FIG. 12 is a diagram illustrating a rotation angle detection error when a sine function is approximated by linear interpolation near a point where the angle between the Hall electromotive force signal vector and the x-axis after rotation is 0 degrees.
FIG. 13 is a diagram showing a rotation angle detection error when a tangent function is approximated by linear interpolation near a point where the angle formed between the Hall electromotive force signal vector and the x-axis after rotation is 0 degrees.
FIG. 14 is a diagram illustrating a rotation angle detection error when a tangent function is approximated by linear interpolation near a point where an angle between the Hall electromotive force signal vector and the x-axis after rotation is 45 degrees.
FIG. 15 is a signal processing block diagram in a case where vector rotation calculation is performed by a digital circuit in one embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a signal processing block diagram in a case where vector rotation calculation is performed by a switched capacitor circuit in one embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a diagram illustrating a configuration example of a switched capacitor circuit that performs vector rotation calculation according to an embodiment of the present invention.
FIG. 18 is a diagram illustrating a configuration example of a multiplication circuit used in a switched capacitor circuit that performs vector rotation calculation in one embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a diagram illustrating a configuration example of an addition circuit with a reset function used in a switched capacitor circuit that performs a vector rotation calculation in one embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a signal processing block diagram in a case where calculation of a rotation matrix coefficient and calculation of a vector rotation are performed by a switched capacitor circuit in one embodiment of the present invention.
21 is a diagram showing a result of simulating an angle detection error by applying the method of the present invention to the actually measured value of the magnetic sensor output signal shown in FIG. 3;
[Explanation of symbols]
601 Hall element for detecting X component of magnetic field
602 Hall element for detecting Y component of magnetic field
603 rotation angle sensor signal processing circuit
604 Rotation angle sensor calibration circuit
801 ROM
802 Non-volatile memory
803 multiplier
804 adder
1401 Hall element for detecting X component of magnetic field
1402 Hall element for detecting Y component of magnetic field
1403 Rotation angle sensor signal processing circuit
1404 Chopper drive circuit
1405 Signal amplification circuit
1406 Chopper demodulation circuit
1407 Sample and hold circuit
1408 AD converter
1409 Digital interface circuit
1410 Non-volatile memory
1411 Rotation matrix coefficient calculation circuit
1412 ROM
1413 Vector rotation calculation circuit
1414 Rotation angle detection circuit
1415 Rotation angle sensor calibration device
1501 Hall element for detecting X component of magnetic field
1502 Hall element for detecting Y component of magnetic field
1503 Rotation angle sensor signal processing circuit
1504 Chopper drive circuit
1505 Signal amplification circuit
1506 Chopper demodulation circuit
1507 Sample and hold circuit
1508 Digital interface circuit
1509 Non-volatile memory
1510 Rotation matrix coefficient calculation circuit
1511 ROM
1512 Vector rotation calculation circuit
1513 Rotation angle detection circuit
1514 Rotation angle sensor calibration device
1601 X, Y switch
1602 Multiplier with switched capacitor circuit
1603 Adder with reset by switched capacitor circuit
1901 Hall element for detecting X component of magnetic field
1902 Hall element for detecting Y component of magnetic field
1903 Rotation angle sensor signal processing circuit
1904 Chopper drive circuit
1905 Signal amplification circuit
1906 Chopper demodulation circuit
1907 Sample and hold circuit
1908 Digital interface circuit
1909 Non-volatile memory
1910 ROM
1911 Rotation matrix coefficient / vector rotation calculation circuit
1912 Rotation angle detection circuit
1913 Rotation angle sensor calibration device
Claims (10)
前記磁気センサが配置された位置に、前記回転体の回転に応じた強さの磁界を発生させる磁石と、
前記2つの磁気センサからの出力信号を処理して前記回転体の回転角度を求める信号処理回路であって、
前記回転体を予め定められた回転角度ずつ回転させて測定した前記出力信号の出力値により表現されるベクトルを前記回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたフーリエ係数を使用して前記回転角度を計算する計算手段とを有する信号処理回路とを備えることを特徴とする回転角度センサ。Two magnetic sensors arranged to form a predetermined angle with respect to the rotation center axis of the rotating body and outputting a signal corresponding to the strength of the magnetic field;
At a position where the magnetic sensor is disposed, a magnet that generates a magnetic field having a strength corresponding to the rotation of the rotating body,
A signal processing circuit that processes output signals from the two magnetic sensors to determine a rotation angle of the rotating body,
Storage means for storing a Fourier coefficient when a vector represented by the output value of the output signal measured by rotating the rotating body by a predetermined rotation angle is subjected to Fourier series expansion with respect to the rotation angle,
A signal processing circuit comprising: a calculation unit that calculates the rotation angle using a Fourier coefficient stored in the storage unit.
前記記憶手段に記憶された前記フーリエ係数を使用して2次元の回転行列係数を計算する回転行列係数計算手段と、
前記回転行列係数を持つ回転行列により前記出力信号の出力値により表現されるベクトルを回転させるベクトル回転計算手段とを有することを特徴とする回転角度センサ。The rotation angle sensor according to claim 1, wherein the calculating unit includes:
Rotation matrix coefficient calculation means for calculating a two-dimensional rotation matrix coefficient using the Fourier coefficients stored in the storage means;
Vector rotation calculating means for rotating a vector represented by the output value of the output signal by a rotation matrix having the rotation matrix coefficient.
前記回転体を複数の予め定められた回転角度ずつ回転させたときに前記出力信号を入力する入力手段と、
前記入力手段から入力された出力信号の出力値により表現されるベクトルを前記回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を計算するフーリエ係数計算手段と、
前記フーリエ係数計算手段により計算されたフーリエ係数を、前記回転角度を計算する際の補正値として前記回転角度センサに出力する出力手段とを備えることを特徴とする回転角度センサの較正装置。Two magnetic sensors arranged to form a predetermined angle with respect to the rotation center axis of the rotator and outputting a signal corresponding to the strength of the magnetic field, and a position of the rotator at the position where the magnetic sensor is arranged. A calibration device for a rotation angle sensor, comprising: a magnet that generates a magnetic field having a strength corresponding to the rotation; and a signal processing circuit that processes output signals from the two magnetic sensors to determine a rotation angle of the rotating body. ,
Input means for inputting the output signal when the rotating body is rotated by a plurality of predetermined rotation angles,
Fourier coefficient calculation means for calculating a Fourier coefficient when a vector represented by an output value of an output signal input from the input means is subjected to Fourier series expansion with respect to the rotation angle,
Output means for outputting the Fourier coefficient calculated by the Fourier coefficient calculation means to the rotation angle sensor as a correction value for calculating the rotation angle.
前記回転体を複数の予め定められた回転角度ずつ回転させて前記出力信号の出力値を測定する工程と、
前記測定された出力値により表現されるベクトルを前記回転角度に関してフーリエ級数展開したときのフーリエ係数を、前記回転角度を計算する際の補正値として前記回転角度センサの記憶装置に記憶させる工程とを備えることを特徴とする回転角度センサの較正方法。Two magnetic sensors arranged to form a predetermined angle with respect to the rotation center axis of the rotator and outputting a signal corresponding to the strength of the magnetic field, and a position of the rotator at the position where the magnetic sensor is arranged. A method for calibrating a rotation angle sensor, comprising: a magnet that generates a magnetic field having a strength corresponding to the rotation; and a signal processing circuit that processes output signals from the two magnetic sensors to determine a rotation angle of the rotator. ,
Measuring the output value of the output signal by rotating the rotating body by a plurality of predetermined rotation angles,
Storing a Fourier coefficient obtained when a vector represented by the measured output value is subjected to Fourier series expansion with respect to the rotation angle, as a correction value when calculating the rotation angle in a storage device of the rotation angle sensor. A method for calibrating a rotation angle sensor, comprising:
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