JP2004324917A - 物品貯蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、冷蔵庫内の野菜容器は前面扉と共に水平方向へ引き出し自在であり、ペットボトルなどの比較的背の高い物を収納する背高貯蔵物収納部を野菜容器の前面に設け、この収納部も前面扉と共に引き出される。しかし、野菜容器とこの収納部の物の取り出し収納は共に上方開口の真上から行うこととなり依然として作業がし難い。本発明は、前面扉の裏側にペットボトル等の収納部を設け、この収納部とその奥の野菜容器に対する物の取り出しと収納をし易く前面扉を回動式とし、前面扉を回動してペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴って前面扉が前方へ移動しないように制限する構成を提供する。
【解決手段】前面扉とペットボトル等の収納部は、主物品収納部(又は野菜容器)と共に前後方向引き出し状態と主物品収納部とは別個に前方へ回動する状態とに作動可能とし、前面扉を回動したとき前方への移動を制限する構成。
【選択図】 図7
【解決手段】前面扉とペットボトル等の収納部は、主物品収納部(又は野菜容器)と共に前後方向引き出し状態と主物品収納部とは別個に前方へ回動する状態とに作動可能とし、前面扉を回動したとき前方への移動を制限する構成。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉と共に物品収納容器を前記貯蔵室内に引き出し自在に設けた物品貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
野菜室の前面開口を開閉する前面扉と共に野菜容器を野菜室に引き出し自在に設けた冷蔵庫がある(例えば、特許文献1参照)。この冷蔵庫は、野菜容器の前面と前面扉の内面との間に、ペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い貯蔵物を収納する背高貯蔵物収納部を設けた構成である。この背高貯蔵物収納部は、野菜容器と別体形成でもよく、また一体形成でもよいと記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002‐156183号公報(第3〜5頁、図1〜10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のものは、前面扉と共に野菜容器が前方へ引き出されるとき背高貯蔵物収納部も一緒に引き出されるが、前面扉と共に野菜容器が前方へ引き出されるとき、野菜容器の奥行きが大きい場合は野菜容器全体が冷蔵庫本体の前方へ引き出されず、そのために野菜室の前面開口周縁部によって野菜容器に対する野菜の収納と取り出し作業は制限される。そして、野菜容器と背高貯蔵物収納部に貯蔵された物の取り出しとそこへの収納は、従来どおり野菜容器と背高貯蔵物収納部の上方開口の真上から行うこととなり、依然としてこの制限は存在する。また背高貯蔵物収納部に貯蔵されたペットボトル、ビール瓶、牛乳パックなど重量が大きなものは、真上に持ち取り出す場合はその全体の重量を持ち上げることになるため、収納と取り出し作業上からして好ましくない。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みて、野菜容器の前面と前面扉の内側面との間に、ペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い貯蔵物を収納する収納部を設けた場合にも、この収納部とその奥の野菜容器に対する物の取り出しと収納をし易い構成を提供するものである。
【0006】
また、前記前面扉を回動可能に構成し、特に、前記前面扉が野菜室の前面開口を閉じた状態において、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるようにして、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える物品貯蔵庫を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に引き出し支持装置で前後方向引き出し自在に支持された主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。
【0008】
これによって、補助物品収納部にペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い比較的重い物品を収納する場合にも、前面扉と共に補助物品収納部を回動させることにより、重いペットボトル等でも斜め状態で取り扱いができるため、この補助物品収納部に対する物品の取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。そして、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0009】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に設けたローラに支持されて前後方向引き出し自在に主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記前面扉が前記貯蔵室の前面開口を閉じた状態において前記連結装置が解除されて回動したとき、前記ローラに係止して前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。
【0010】
これによって、補助物品収納部にペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い比較的重い物品を収納する場合にも、前面扉と共に補助物品収納部を回動させることにより、重いペットボトル等でも斜め状態で取り扱いができるため、この補助物品収納部に対する物品の取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。そして、前記前面扉が前記貯蔵室の前面開口を閉じた状態において、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0011】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉と共に物品収納容器を前記貯蔵室内に設けたローラに支持されて前記貯蔵室内に引き出し自在に設けた物品貯蔵庫において、前記物品収納容器は前記貯蔵室の左右側壁に対して前後方向に引き出し収納自在に支持され、前記前面扉は軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持され、前記前面扉と前記物品収納容器が共に前後方向へ引き出される結合状態と前記結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記前面扉の裏側には前記物品収納容器の前方位置で前記前面扉の回動と共に回動する補助物品収納部を設け、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記ローラに係止して前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
このため、連結装置の解除によって前面扉の回動が可能となるため、補助物品収納部への物品の収納及び取り出しの必要時に連結装置を解除操作すれば、前傾状態においての補助物品収納部への物品の収納及び取り出しが可能となり、取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。また、前面扉と補助物品収納部の回動によって、補助物品収納部の奥側の物品収納容器への物品の収納及び取り出しもし易くなる効果がある。また、連結装置の解除操作を前面扉の取っ手部に設けることによって、扉の引き出し操作と連結装置の解除操作を片手で行うことができるため便利である。そして、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0013】
また本発明の物品貯蔵庫は、前記貯蔵室を冷蔵温度室とし、前記物品補助収納部をペットボトル等の如き飲料容器の収納部としたことを特徴とする。また、前記貯蔵室を野菜室とし、前記物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とし、前記補助物品収納部をペットボトル等の如き縦長物品を収納する上面開口の収納部としたことを特徴とする。
【0014】
これによって、貯蔵室が冷蔵温度室であることにより、前面扉の回動部分が凍結する心配もなく、常時安定した回動が得られる。そして、物品補助収納部に収納したペットボトル等の如き飲料容器の冷却に適すると共に、前面扉の回動によって前記のようにその飲料容器の取り出しと収納の容易さが達成できる。また、奥側の物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とする場合にも、前面扉の回動によって物品補助収納部も回動して前傾状態となるため、野菜収納容器への野菜や根菜の収納及び取り出しもし易くなる。そして、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の冷蔵庫について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は本発明の冷蔵庫の縦断側面図、図2は本発明の扉側と物品収納容器側との関係を示す分解斜視図、図3は本発明の扉を閉じた状態を示す側面図、図4は本発明の扉を引き出して回動した状態を示す側面図、図5は貯蔵室の前面開口を本発明の扉を閉じた状態における貯蔵室右前側部分の平面図、図6は連結装置の一例の説明図、図7は貯蔵室の前面開口を本発明の扉で閉じた状態において本発明の扉を回動した状態を示す側面図、図8は本発明扉の回動軸部の分解斜視図、図9は本発明扉の回動軸部の他の形態を示す分解斜視図である。
【0016】
これらの図において、1は物品貯蔵庫の一つである冷蔵庫であり、前面開口の本体2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷蔵庫本体2は、外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に発泡断熱材を充填した断熱構造である。冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、野菜室4、上冷凍室5、下冷凍室6が区画して設けられ、冷蔵室3内の底部にはその上方の冷蔵室3と区画板(区画壁)8にて区画された特定低温室9が設けられている。上冷凍室5は冷気量調節装置を手動操作して冷蔵室とすることもできるので、切り替え室と称することもできる。
【0017】
冷蔵室3の前面開口は、冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置にて横方向に回動して開閉される回動式の冷蔵室扉10にて閉塞される。冷蔵室扉10の内側面には複数段の棚37を配置している。野菜室4の前面開口は、野菜室4内に設けた左右のレールとローラを含む引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能に支持した野菜容器15と共に前方へ引き出される引き出し式扉11にて閉塞されている。上冷凍室5と下冷凍室6はそれぞれ野菜室4と同様に、冷凍室内に設けた左右のレールとローラを含む引き出し支持装置によって、それぞれ前後方向へ引き出し可能に支持した容器16、17と共に前方へ引き出される引き出し式扉12、13にて閉塞されている。
【0018】
24は冷凍システムの冷媒の圧縮機、25は冷凍システムの冷媒の凝縮器である。26は凝縮器25の熱によって後述の除霜水を蒸発させるための蒸発皿であり、凝縮器25上に載置して冷凍冷蔵庫本体2の前面下部から引き出し自在である。圧縮機24、凝縮器25、蒸発皿26は、冷蔵庫本体2の下部に設けた機械室28に設置されている。29、30は冷凍システムの冷媒の蒸発器(冷却器)である。31は第1蒸発器(冷却器)29で冷却した冷気を上冷凍室5及び下冷凍室6へ循環する第1送風機、32は第2蒸発器(冷却器)30で冷却した冷気を冷蔵室3、野菜室4及び特定低温室9へ循環する第2送風機である。33は第1蒸発器(冷却器)29の除霜用ガラス管ヒータ、34は、第2蒸発器(冷却器)30の除霜用ガラス管ヒータである。第1蒸発器(冷却器)29及び第2蒸発器(冷却器)30の除霜水は排水管を通って蒸発皿26へ導かれてそこで蒸発する。
【0019】
35は第2蒸発器(冷却器)30で冷却された冷気が第2送風機32から導かれる冷気ダクトであり、冷蔵室3の上壁に幅広く配置されその前端は冷蔵室3の前面開口部の上面に形成した冷気吹き出し口36へ連通している。冷気吹き出し口36は、冷蔵室3の前面開口部の上面にこの前面開口部の略横幅に渡る長さの冷気吹き出し口カバーが、冷気ダクト35の前端開口を覆い、この冷気吹き出し口カバーに多数の冷気吹き出し小孔が形成された構成である。この冷気吹き出し口36から吹き出す冷気は、冷蔵室3の前面開口部を矢印のように上から下へ流れる冷気カーテンを形成する。39は冷蔵室3の背壁に形成した冷気吹き出し口である。第1蒸発器(冷却器)29で冷却した冷気と第2蒸発器(冷却器)30で冷却した冷気は、夫々第1送風機31及び第2送風機32によって矢印のように循環して各室を所定温度に冷却する。
【0020】
このような構成において、各室の温度は、冷蔵室3が約3〜4℃、野菜室4が約4〜6℃に保たれ、上冷凍室8と下冷凍室9が約−18℃〜−20℃である。また、冷蔵室扉10の内側に設けた貯蔵棚上は5〜8℃である。特定低温室9は、0℃よりも高い約1℃のチルド室であったり、0℃よりも低く食品の凍結温度よりも高い約0〜−1℃の氷温室であったり、また、食品の表面に薄い氷の層が形成される程度の約−4℃の部分凍結室であったりする。このように特定低温室9は、食品を特定の温度領域内で冷却保存するためのものであり、他の室に比して厳しい温度制御が要求される。
【0021】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に引き出し支持装置で支持されて前後方向引き出し自在に主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。以下、本発明の貯蔵室を上記野菜室4とした実施形態について説明する。
【0022】
本発明における貯蔵室は野菜室4に相当し、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉は引き出し式扉11に相当する。また、本発明の主物品収納部及び物品収納容器が上面開口の野菜容器15に相当する。前面扉11の裏側には上面開口の補助物品収納部40を設けており、主物品収納部の野菜容器15はこの補助物品収納部40の後方に位置する。野菜容器15は野菜室4内に設けた左右のレールとローラを含む引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能である。補助物品収納部40は、ドアポケットとも称するものであり、ペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背が高く比較的重い物品41を立てた状態で収納するために、扉11の裏側周縁に配置したマグネット入りパッキン42の内側領域において横方向に長く設けられている。そして、前面扉11は引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能に支持され、その引き出しに伴って裏側の補助物品収納部40が引き出される。また、前面扉11は引き出し支持装置38に軸支持装置90によって回動可能に支持されている。
【0023】
引き出し支持装置38について説明する。野菜容器15は野菜室4内に引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能であり、引き出し支持装置38に取り外し自在に載置した構成である。その引き出し支持装置38の構成は、左右辺と後辺を持つコ字状枠形状のレール部材43を設け、レール部材43の左右辺の前端が前面扉11に連結され、このレール部材43の下側面は野菜室4の左右側壁面の前端寄りに取り付けたローラ44に載置されている。また、レール部材43の左右辺の後部にはそれぞれローラ45が取り付けられ、このローラ45が野菜室4の左右側壁面に前後方向に水平状態に形成したレール46に載置される。このような構成の引き出し支持装置38において、野菜容器15は、その左右及び後側の上部に形成した載置部80が、レール部材43の左右辺と後辺に着脱自在に載置された状態であり、野菜室4内で引き出し支持装置38によって前後水平方向に引き出し収納自在に支持された構成である。
【0024】
野菜容器15は、その前面壁48は野菜容器15の底壁からの高さが低く、野菜容器15の前面上部には前面開口47が形成された形態をなす。この形状に合わせるように補助物品収納部40の後壁49もこの前面壁48と略同じ程度の高さに形成され、補助物品収納部40の左右側壁50は後壁49からなだらかに扉11の裏面に向けて高く傾斜した形状をなす。また、野菜容器15の左右側壁の前端部51は、補助物品収納部40の左右側壁50の上方へ向けて左右側壁50と間隔を保つ位置まで延びている。
【0025】
前面扉11は引き出し支持装置38に軸支持装置90によって回動可能に支持されている。この軸支持装置90は以下の構成である。即ち、レール部材43の左右辺の前部には、補助物品収納部40の左右側壁50の外側位置において扉11の裏側まで延びた支持板52が取り付けられている。図8に示すように、支持板52の下部には、補助物品収納部40の左右両側に延びる腕部53を形成し、この腕部53に軸孔56を形成している。扉11の裏側の下部、即ちパッキン42で囲まれた内側領域の下部には、左右水平方向に延びた軸受けパイプ54が、螺子55によって扉11に締め付けられる固定部材57によって取り付けられている。58は軸孔56に嵌め合わされる軸部材であり、軸部材58は、先端部に軸受けパイプ54内の螺子部に螺合する螺子部59を形成している。図8には右側の構成を示しているが、左側もこれと同様の構成である。このように軸孔56と軸部材58との嵌め合いによって、前面扉11は引き出し支持装置38に軸支持装置90によって回動可能に支持され、前面扉11は補助物品収納部40と共に上部が前方へ傾斜するように回動可能である。
【0026】
図9には、軸支持装置90の他の形態を示す。これにおいて、軸受けパイプ54に代わって軸受けパイプ54と同様に軸部材91が、扉11の裏側の下部、即ちパッキン42で囲まれた内側領域の下部に取り付けられている。軸部材91はその左右両端部に軸孔56に嵌め合わされる軸部92と、その先に軸部92より小径の螺子部93を形成しており、螺子部93には支持板52の腕部53の外側からナット94が螺合して、軸孔56と軸部92との嵌め合いによって、前面扉11は引き出し支持装置38に回動可能に支持され、前面扉11は補助物品収納部40と共にその上部が前方へ傾斜するように回動可能である。
【0027】
前面扉11の回動範囲を規制する構成は如何なる構成でもよいが、その一つの構成として、左右の支持板52の両方又は一方の前端部には外方向へ略90°の角度で屈曲した略垂直方向の固定側係止部95を形成し、一方、前面扉11の裏側には、左右の支持板52の外側において左右の支持板52に略平行に延びた係止腕96を設け、この係止腕96の中間部に上部が後方へ傾斜する状態で内側方向へ突出した可動側係止部97を形成している。
【0028】
前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた状態では、図3に示すように、固定側係止部95と可動側係止部97は離れた状態である。軸支持装置90の軸支持部を中心として前面扉11の上部が前方へ回動して固定側係止部95へ可動側係止部97が当接したとき、前面扉11の前方への回動が規制され、前面扉11は前傾状態となる。固定側係止部95へ可動側係止部97が当接した状態において、補助物品収納部40の物品が収納された状態でも前面扉11が前傾状態を保持するように、軸支持装置90の軸支持部の位置を設定しておくこともできる。
【0029】
補助物品収納部40を備えた扉11は、野菜容器15と共に引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能である。このために、野菜容器15側と扉11側とが着脱自在に連結される連結装置60が設けられている。この連結装置60の一つの形態としては、野菜容器15側にはレール部材43の前端から突出したフック61が設けられ、扉11側には、このフック61の鉤状部に着脱自在に係止する係止部62と、この係止部62とフック61との係止を解除させる操作部63とを設けた構成である。フック61は、レール部材43と一体形成でもよく又はレール部材43に別個のフックを取り付けた構成のいずれでもよい。
【0030】
係止部62の一つの形態としては、常時フック61との係止位置へ向けてバネ64によって電磁石65本体から突出した可動部材で構成することができる。そして操作部63は、前面扉11の前面に突出した取っ手66内に設けたスイッチ67を取っ手66の裏側に突出した操作部63を操作することによりONさせる構成であり、スイッチ67のON状態中は電磁石65に通電して係止部62を矢印Y方向へ吸引して引っ込め、それによって係止部62をフック61との係止位置から退避させ、前面扉11は軸支持装置90の軸支持部を中心にして前方へ回動可能である。スイッチ67のOFFによって係止部62はバネ64によって電磁石65本体から突出する。前面扉11が前方へ回動した状態で係止部62が突出していても、前面扉11を垂直状態に復帰すべく扉11を後方へ回動させることによって、係止部62はバネ64に抗してフック61に係止することとなる。この係止状態において前面扉11を後方へ押し込むことによって、前面扉11と共に野菜容器15は引き出し支持装置38によって野菜室4内へ水平に収納移動される。
【0031】
70は野菜容器15の左右側壁の上端に形成した凹所71に載置した小物入れ容器である。扉11の前方への回動に伴って補助物品収納部40が回動することにより、野菜容器15の前面には空間が形成されため、野菜容器15への物の出し入れがし易くなる。また、野菜容器15は、上面に開口し、更に前面上部も開口しているため、扉11の前方への回動に伴って補助物品収納部40が回動することにより、野菜容器15の前面の空間が広くなり、野菜容器15への物の出し入れがし易くなる。
【0032】
また、前面扉11が物品収納容器(野菜室)15を支持するレール部材43に取り付けた支持板52対して下部の軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持される構成は、上記に限定されず他の構成でもよい。
【0033】
上記のように、物品収納容器15は引き出し支持装置38にて貯蔵室4に前後方向に引き出し収納自在に支持され、前面扉11も引き出し支持装置38にて前後方向に引き出し自在に支持されている。そして、前面扉11は軸支持装置90の軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持されるように構成され、前面扉11と物品収納容器15が共に前後方向へ引き出される結合状態と、この結合状態が解除されて前面扉11が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置60を備え、前面扉11の裏側には、物品収納容器15の前方位置で前面扉11の回動と共に回動する補助物品収納部40を設けている。
【0034】
このような構成において、図3のように前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた略垂直状態では、連結装置60によって前面扉11と物品収納容器15が結合状態である。この結合状態において、前面扉11の取っ手66を前方へ引くことにより、前面扉11は略垂直状態のまま物品収納容器15と共に水平方向へ引き出される。この引き出された位置で、取っ手66の裏側に突出した操作部63を操作して連結装置60による前記結合状態を解除することにより、前面扉11は、図4に示すように、軸支持装置90の軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能となる。前面扉11は前方へ回動した状態では、補助物品収納部40のペットボトル等の物品41を前傾した前面扉11方向に沿って、斜め上方へ取り出すことができる。
【0035】
このように、連結装置60の解除によって前面扉11の回動が可能となるため、補助物品収納部40への物品の収納及び取り出しの必要時に連結装置60を解除操作すれば、前面扉11の前傾状態においての補助物品収納部40への物品の収納及び取り出しが可能となり、取り出しと収納がし易く、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。また、前面扉11と補助物品収納部40の回動によって、補助物品収納部40の奥側の物品収納容器15への物品の収納及び取り出しがし易くなる効果がある。また、連結装置60の解除操作を前面扉11の取っ手部66によって行えるため、扉11の引き出し操作と連結装置60の解除操作を片手で行うことができ便利である。
【0036】
上記のように、連結装置60の解除によって前面扉11の回動が可能となるため、図3に示すように、前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた状態において、連結装置60を解除すると前面扉11は前方へ回動可能となる。図3に示す状態において、連結装置60を解除して、図7に示すように補助物品収納部40の物品41を取り出せるように前面扉11を前方へ回動し、補助物品収納部40の物品41を斜め前方へ引き上げると、物品41の重量によって前面扉11を前方へ押す作用力が働き、前面扉11が前方へ移動する場合がある。このように物品41の引き上げ途中に前面扉11が前方へ移動すると、物品41の引き上げが不安定となり、物品41の引き上げを難くすると共に、物品41を引き上げ途中で落とすことにも繋がり、重い物品41の場合には危険である。
【0037】
本発明では、このような支障が生じないように、連結装置60が解除されて前面扉11が前傾状態に回動したとき、前面扉11の引き出しが制限される係止装置100を設けたことを特徴とする。即ち、図3に示す状態において連結装置60を解除して、補助物品収納部40の物品41を取り出せる位置まで前面扉11を前方へ回動すると、図7に示すように係止腕96の後端部の係止部98が固定側ローラ44の後側に当接する。この当接によって、前面扉11は引き出し支持装置38による前方への引き出しが規制される。この係止腕96の係止部98と固定側ローラ44とで係止装置100を構成する。この構成によって、前傾した前面扉11に沿って補助物品収納部40の物品41を引き上げ、その引き上げに伴って物品41が前面扉11を前方へ押しても、その作用力によって前面扉11が前方へ移動することは阻止される。このため、物品41の引き上げ操作が安定し、重い物品41の場合にも落下の危険も少なくなる。
【0038】
係止装置100の構成は上記の他に、係止腕96の一部が野菜室4の左右側壁に一部分に当接する構成としてもよく、又は他の構成でもよい。
【0039】
上記の構成では、前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた状態において、連結装置60を解除して前面扉11を前方へ回動させたとき、引き出し支持装置38による前面扉11の前方への引き出しが係止装置100によって規制される構成である。しかし、前面扉11を引き出し支持装置38によってある程度前方へ引き出した状態で、連結装置60を解除して前面扉11を前方へ回動させたとき係止装置100によって前面扉11の前方への引き出しが規制される構成とすることもできる。この場合には、係止腕96の長さを長くして、前面扉11をある程度前方へ引き出した状態で係止部98が固定側ローラ44に係止すればよい。
【0040】
上記実施形態では、連結装置60が電気式であるが、これに限定されず機械式とすることもできる。例えば、扉11の取っ手66の裏側に突出した操作部であるレバーがバネ力によって復帰位置を保ち、取っ手66を握った手でこのバネ力に抗してこのレバーをスライドさせることにより、連結部材を介してこれと連結した係止部62がフック61との係止位置から退避して扉11が回動可能となり、レバーをスライドさせる操作から手を離すことにより前記バネ力によってレバーが復帰位置に復帰すると共に係止部62がフックとの係止位置へ突出するように機械式構成とするものでもよい。
【0041】
上記実施形態では貯蔵室が野菜室の形態を示しているが、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の変更が考えられ、それに係る種種の実施形態を包含するものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、補助物品収納部にペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い比較的重い物品を収納する場合にも、前面扉と共に補助物品収納部を前方へ引き出した状態で回動させることにより、重いペットボトル等でも斜め状態で取り扱いができるため、この補助物品収納部に対する物品の取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。そして、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定し、重い物品の場合にも落下の危険も少なくなる。
【0043】
また、連結装置の解除によって前面扉の回動が可能となるため、補助物品収納部への物品の収納及び取り出しの必要時に連結装置を解除操作すれば、前傾状態においての補助物品収納部への物品の収納及び取り出しが可能となり、取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。また、前面扉と補助物品収納部の回動によって、補助物品収納部の奥側の物品収納容器への物品の収納及び取り出しもし易くなる効果がある。また、連結装置の解除操作を前面扉の取っ手部によって行えるため、扉の引き出し操作と連結装置の解除操作を片手で行うことができ、便利である。そして、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0044】
また、貯蔵室が冷蔵温度室であることにより、前面扉の回動部分が凍結する心配もなく、常時安定した回動が得られる。そして、物品補助収納部に収納したペットボトル等の如き飲料容器の冷却に適すると共に、前面扉の回動によって前記のようにその飲料容器の取り出しと収納の容易さが達成できる。また、奥側の物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とする場合にも、前面扉の回動によって物品補助収納部も回動して前傾状態となるため、野菜収納容器への野菜や根菜の収納及び取り出しもし易くなる。そして、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷蔵庫の縦断側面図である。
【図2】本発明の扉側と物品収納容器側との関係を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の扉を閉じた状態を示す側面図である。
【図4】本発明の扉を引き出して回動した状態を示す側面図である。
【図5】貯蔵室の前面開口を本発明の扉を閉じた状態における貯蔵室右前側部分の平面図である。
【図6】本発明の連結装置の説明図である。
【図7】貯蔵室の前面開口を本発明の扉で閉じた状態において本発明の扉を回動した状態を示す側面図である。
【図8】本発明扉の回動軸部の分解斜視図である。
【図9】本発明扉の回動軸部の他の形態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・貯蔵庫(冷蔵庫)
2・・・貯蔵庫本体(冷蔵庫本体)
4・・・貯蔵室(野菜室)
11・・・前面扉
15・・・主物品収納部・物品収納容器(野菜容器)
40・・・補助物品収納部
43・・レール
44・・固定側ローラ
46・・レール
60・・連結装置
61・・フック
62・・係止部
63・・操作部
65・・電磁石
66・・取っ手
67・・スイッチ
96・・係止腕
98・・係止部
100・・係止装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉と共に物品収納容器を前記貯蔵室内に引き出し自在に設けた物品貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
野菜室の前面開口を開閉する前面扉と共に野菜容器を野菜室に引き出し自在に設けた冷蔵庫がある(例えば、特許文献1参照)。この冷蔵庫は、野菜容器の前面と前面扉の内面との間に、ペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い貯蔵物を収納する背高貯蔵物収納部を設けた構成である。この背高貯蔵物収納部は、野菜容器と別体形成でもよく、また一体形成でもよいと記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002‐156183号公報(第3〜5頁、図1〜10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のものは、前面扉と共に野菜容器が前方へ引き出されるとき背高貯蔵物収納部も一緒に引き出されるが、前面扉と共に野菜容器が前方へ引き出されるとき、野菜容器の奥行きが大きい場合は野菜容器全体が冷蔵庫本体の前方へ引き出されず、そのために野菜室の前面開口周縁部によって野菜容器に対する野菜の収納と取り出し作業は制限される。そして、野菜容器と背高貯蔵物収納部に貯蔵された物の取り出しとそこへの収納は、従来どおり野菜容器と背高貯蔵物収納部の上方開口の真上から行うこととなり、依然としてこの制限は存在する。また背高貯蔵物収納部に貯蔵されたペットボトル、ビール瓶、牛乳パックなど重量が大きなものは、真上に持ち取り出す場合はその全体の重量を持ち上げることになるため、収納と取り出し作業上からして好ましくない。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みて、野菜容器の前面と前面扉の内側面との間に、ペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い貯蔵物を収納する収納部を設けた場合にも、この収納部とその奥の野菜容器に対する物の取り出しと収納をし易い構成を提供するものである。
【0006】
また、前記前面扉を回動可能に構成し、特に、前記前面扉が野菜室の前面開口を閉じた状態において、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるようにして、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える物品貯蔵庫を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に引き出し支持装置で前後方向引き出し自在に支持された主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。
【0008】
これによって、補助物品収納部にペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い比較的重い物品を収納する場合にも、前面扉と共に補助物品収納部を回動させることにより、重いペットボトル等でも斜め状態で取り扱いができるため、この補助物品収納部に対する物品の取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。そして、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0009】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に設けたローラに支持されて前後方向引き出し自在に主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記前面扉が前記貯蔵室の前面開口を閉じた状態において前記連結装置が解除されて回動したとき、前記ローラに係止して前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。
【0010】
これによって、補助物品収納部にペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い比較的重い物品を収納する場合にも、前面扉と共に補助物品収納部を回動させることにより、重いペットボトル等でも斜め状態で取り扱いができるため、この補助物品収納部に対する物品の取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。そして、前記前面扉が前記貯蔵室の前面開口を閉じた状態において、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0011】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉と共に物品収納容器を前記貯蔵室内に設けたローラに支持されて前記貯蔵室内に引き出し自在に設けた物品貯蔵庫において、前記物品収納容器は前記貯蔵室の左右側壁に対して前後方向に引き出し収納自在に支持され、前記前面扉は軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持され、前記前面扉と前記物品収納容器が共に前後方向へ引き出される結合状態と前記結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記前面扉の裏側には前記物品収納容器の前方位置で前記前面扉の回動と共に回動する補助物品収納部を設け、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記ローラに係止して前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
このため、連結装置の解除によって前面扉の回動が可能となるため、補助物品収納部への物品の収納及び取り出しの必要時に連結装置を解除操作すれば、前傾状態においての補助物品収納部への物品の収納及び取り出しが可能となり、取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。また、前面扉と補助物品収納部の回動によって、補助物品収納部の奥側の物品収納容器への物品の収納及び取り出しもし易くなる効果がある。また、連結装置の解除操作を前面扉の取っ手部に設けることによって、扉の引き出し操作と連結装置の解除操作を片手で行うことができるため便利である。そして、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0013】
また本発明の物品貯蔵庫は、前記貯蔵室を冷蔵温度室とし、前記物品補助収納部をペットボトル等の如き飲料容器の収納部としたことを特徴とする。また、前記貯蔵室を野菜室とし、前記物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とし、前記補助物品収納部をペットボトル等の如き縦長物品を収納する上面開口の収納部としたことを特徴とする。
【0014】
これによって、貯蔵室が冷蔵温度室であることにより、前面扉の回動部分が凍結する心配もなく、常時安定した回動が得られる。そして、物品補助収納部に収納したペットボトル等の如き飲料容器の冷却に適すると共に、前面扉の回動によって前記のようにその飲料容器の取り出しと収納の容易さが達成できる。また、奥側の物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とする場合にも、前面扉の回動によって物品補助収納部も回動して前傾状態となるため、野菜収納容器への野菜や根菜の収納及び取り出しもし易くなる。そして、前面扉を前傾状態に回動させて補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、係止装置によってその取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の冷蔵庫について説明する。各図は本発明の実施形態を示しており、図1は本発明の冷蔵庫の縦断側面図、図2は本発明の扉側と物品収納容器側との関係を示す分解斜視図、図3は本発明の扉を閉じた状態を示す側面図、図4は本発明の扉を引き出して回動した状態を示す側面図、図5は貯蔵室の前面開口を本発明の扉を閉じた状態における貯蔵室右前側部分の平面図、図6は連結装置の一例の説明図、図7は貯蔵室の前面開口を本発明の扉で閉じた状態において本発明の扉を回動した状態を示す側面図、図8は本発明扉の回動軸部の分解斜視図、図9は本発明扉の回動軸部の他の形態を示す分解斜視図である。
【0016】
これらの図において、1は物品貯蔵庫の一つである冷蔵庫であり、前面開口の本体2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷蔵庫本体2は、外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に発泡断熱材を充填した断熱構造である。冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、野菜室4、上冷凍室5、下冷凍室6が区画して設けられ、冷蔵室3内の底部にはその上方の冷蔵室3と区画板(区画壁)8にて区画された特定低温室9が設けられている。上冷凍室5は冷気量調節装置を手動操作して冷蔵室とすることもできるので、切り替え室と称することもできる。
【0017】
冷蔵室3の前面開口は、冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置にて横方向に回動して開閉される回動式の冷蔵室扉10にて閉塞される。冷蔵室扉10の内側面には複数段の棚37を配置している。野菜室4の前面開口は、野菜室4内に設けた左右のレールとローラを含む引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能に支持した野菜容器15と共に前方へ引き出される引き出し式扉11にて閉塞されている。上冷凍室5と下冷凍室6はそれぞれ野菜室4と同様に、冷凍室内に設けた左右のレールとローラを含む引き出し支持装置によって、それぞれ前後方向へ引き出し可能に支持した容器16、17と共に前方へ引き出される引き出し式扉12、13にて閉塞されている。
【0018】
24は冷凍システムの冷媒の圧縮機、25は冷凍システムの冷媒の凝縮器である。26は凝縮器25の熱によって後述の除霜水を蒸発させるための蒸発皿であり、凝縮器25上に載置して冷凍冷蔵庫本体2の前面下部から引き出し自在である。圧縮機24、凝縮器25、蒸発皿26は、冷蔵庫本体2の下部に設けた機械室28に設置されている。29、30は冷凍システムの冷媒の蒸発器(冷却器)である。31は第1蒸発器(冷却器)29で冷却した冷気を上冷凍室5及び下冷凍室6へ循環する第1送風機、32は第2蒸発器(冷却器)30で冷却した冷気を冷蔵室3、野菜室4及び特定低温室9へ循環する第2送風機である。33は第1蒸発器(冷却器)29の除霜用ガラス管ヒータ、34は、第2蒸発器(冷却器)30の除霜用ガラス管ヒータである。第1蒸発器(冷却器)29及び第2蒸発器(冷却器)30の除霜水は排水管を通って蒸発皿26へ導かれてそこで蒸発する。
【0019】
35は第2蒸発器(冷却器)30で冷却された冷気が第2送風機32から導かれる冷気ダクトであり、冷蔵室3の上壁に幅広く配置されその前端は冷蔵室3の前面開口部の上面に形成した冷気吹き出し口36へ連通している。冷気吹き出し口36は、冷蔵室3の前面開口部の上面にこの前面開口部の略横幅に渡る長さの冷気吹き出し口カバーが、冷気ダクト35の前端開口を覆い、この冷気吹き出し口カバーに多数の冷気吹き出し小孔が形成された構成である。この冷気吹き出し口36から吹き出す冷気は、冷蔵室3の前面開口部を矢印のように上から下へ流れる冷気カーテンを形成する。39は冷蔵室3の背壁に形成した冷気吹き出し口である。第1蒸発器(冷却器)29で冷却した冷気と第2蒸発器(冷却器)30で冷却した冷気は、夫々第1送風機31及び第2送風機32によって矢印のように循環して各室を所定温度に冷却する。
【0020】
このような構成において、各室の温度は、冷蔵室3が約3〜4℃、野菜室4が約4〜6℃に保たれ、上冷凍室8と下冷凍室9が約−18℃〜−20℃である。また、冷蔵室扉10の内側に設けた貯蔵棚上は5〜8℃である。特定低温室9は、0℃よりも高い約1℃のチルド室であったり、0℃よりも低く食品の凍結温度よりも高い約0〜−1℃の氷温室であったり、また、食品の表面に薄い氷の層が形成される程度の約−4℃の部分凍結室であったりする。このように特定低温室9は、食品を特定の温度領域内で冷却保存するためのものであり、他の室に比して厳しい温度制御が要求される。
【0021】
本発明の物品貯蔵庫は、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に引き出し支持装置で支持されて前後方向引き出し自在に主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする。以下、本発明の貯蔵室を上記野菜室4とした実施形態について説明する。
【0022】
本発明における貯蔵室は野菜室4に相当し、貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉は引き出し式扉11に相当する。また、本発明の主物品収納部及び物品収納容器が上面開口の野菜容器15に相当する。前面扉11の裏側には上面開口の補助物品収納部40を設けており、主物品収納部の野菜容器15はこの補助物品収納部40の後方に位置する。野菜容器15は野菜室4内に設けた左右のレールとローラを含む引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能である。補助物品収納部40は、ドアポケットとも称するものであり、ペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背が高く比較的重い物品41を立てた状態で収納するために、扉11の裏側周縁に配置したマグネット入りパッキン42の内側領域において横方向に長く設けられている。そして、前面扉11は引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能に支持され、その引き出しに伴って裏側の補助物品収納部40が引き出される。また、前面扉11は引き出し支持装置38に軸支持装置90によって回動可能に支持されている。
【0023】
引き出し支持装置38について説明する。野菜容器15は野菜室4内に引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能であり、引き出し支持装置38に取り外し自在に載置した構成である。その引き出し支持装置38の構成は、左右辺と後辺を持つコ字状枠形状のレール部材43を設け、レール部材43の左右辺の前端が前面扉11に連結され、このレール部材43の下側面は野菜室4の左右側壁面の前端寄りに取り付けたローラ44に載置されている。また、レール部材43の左右辺の後部にはそれぞれローラ45が取り付けられ、このローラ45が野菜室4の左右側壁面に前後方向に水平状態に形成したレール46に載置される。このような構成の引き出し支持装置38において、野菜容器15は、その左右及び後側の上部に形成した載置部80が、レール部材43の左右辺と後辺に着脱自在に載置された状態であり、野菜室4内で引き出し支持装置38によって前後水平方向に引き出し収納自在に支持された構成である。
【0024】
野菜容器15は、その前面壁48は野菜容器15の底壁からの高さが低く、野菜容器15の前面上部には前面開口47が形成された形態をなす。この形状に合わせるように補助物品収納部40の後壁49もこの前面壁48と略同じ程度の高さに形成され、補助物品収納部40の左右側壁50は後壁49からなだらかに扉11の裏面に向けて高く傾斜した形状をなす。また、野菜容器15の左右側壁の前端部51は、補助物品収納部40の左右側壁50の上方へ向けて左右側壁50と間隔を保つ位置まで延びている。
【0025】
前面扉11は引き出し支持装置38に軸支持装置90によって回動可能に支持されている。この軸支持装置90は以下の構成である。即ち、レール部材43の左右辺の前部には、補助物品収納部40の左右側壁50の外側位置において扉11の裏側まで延びた支持板52が取り付けられている。図8に示すように、支持板52の下部には、補助物品収納部40の左右両側に延びる腕部53を形成し、この腕部53に軸孔56を形成している。扉11の裏側の下部、即ちパッキン42で囲まれた内側領域の下部には、左右水平方向に延びた軸受けパイプ54が、螺子55によって扉11に締め付けられる固定部材57によって取り付けられている。58は軸孔56に嵌め合わされる軸部材であり、軸部材58は、先端部に軸受けパイプ54内の螺子部に螺合する螺子部59を形成している。図8には右側の構成を示しているが、左側もこれと同様の構成である。このように軸孔56と軸部材58との嵌め合いによって、前面扉11は引き出し支持装置38に軸支持装置90によって回動可能に支持され、前面扉11は補助物品収納部40と共に上部が前方へ傾斜するように回動可能である。
【0026】
図9には、軸支持装置90の他の形態を示す。これにおいて、軸受けパイプ54に代わって軸受けパイプ54と同様に軸部材91が、扉11の裏側の下部、即ちパッキン42で囲まれた内側領域の下部に取り付けられている。軸部材91はその左右両端部に軸孔56に嵌め合わされる軸部92と、その先に軸部92より小径の螺子部93を形成しており、螺子部93には支持板52の腕部53の外側からナット94が螺合して、軸孔56と軸部92との嵌め合いによって、前面扉11は引き出し支持装置38に回動可能に支持され、前面扉11は補助物品収納部40と共にその上部が前方へ傾斜するように回動可能である。
【0027】
前面扉11の回動範囲を規制する構成は如何なる構成でもよいが、その一つの構成として、左右の支持板52の両方又は一方の前端部には外方向へ略90°の角度で屈曲した略垂直方向の固定側係止部95を形成し、一方、前面扉11の裏側には、左右の支持板52の外側において左右の支持板52に略平行に延びた係止腕96を設け、この係止腕96の中間部に上部が後方へ傾斜する状態で内側方向へ突出した可動側係止部97を形成している。
【0028】
前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた状態では、図3に示すように、固定側係止部95と可動側係止部97は離れた状態である。軸支持装置90の軸支持部を中心として前面扉11の上部が前方へ回動して固定側係止部95へ可動側係止部97が当接したとき、前面扉11の前方への回動が規制され、前面扉11は前傾状態となる。固定側係止部95へ可動側係止部97が当接した状態において、補助物品収納部40の物品が収納された状態でも前面扉11が前傾状態を保持するように、軸支持装置90の軸支持部の位置を設定しておくこともできる。
【0029】
補助物品収納部40を備えた扉11は、野菜容器15と共に引き出し支持装置38によって前後方向へ引き出し可能である。このために、野菜容器15側と扉11側とが着脱自在に連結される連結装置60が設けられている。この連結装置60の一つの形態としては、野菜容器15側にはレール部材43の前端から突出したフック61が設けられ、扉11側には、このフック61の鉤状部に着脱自在に係止する係止部62と、この係止部62とフック61との係止を解除させる操作部63とを設けた構成である。フック61は、レール部材43と一体形成でもよく又はレール部材43に別個のフックを取り付けた構成のいずれでもよい。
【0030】
係止部62の一つの形態としては、常時フック61との係止位置へ向けてバネ64によって電磁石65本体から突出した可動部材で構成することができる。そして操作部63は、前面扉11の前面に突出した取っ手66内に設けたスイッチ67を取っ手66の裏側に突出した操作部63を操作することによりONさせる構成であり、スイッチ67のON状態中は電磁石65に通電して係止部62を矢印Y方向へ吸引して引っ込め、それによって係止部62をフック61との係止位置から退避させ、前面扉11は軸支持装置90の軸支持部を中心にして前方へ回動可能である。スイッチ67のOFFによって係止部62はバネ64によって電磁石65本体から突出する。前面扉11が前方へ回動した状態で係止部62が突出していても、前面扉11を垂直状態に復帰すべく扉11を後方へ回動させることによって、係止部62はバネ64に抗してフック61に係止することとなる。この係止状態において前面扉11を後方へ押し込むことによって、前面扉11と共に野菜容器15は引き出し支持装置38によって野菜室4内へ水平に収納移動される。
【0031】
70は野菜容器15の左右側壁の上端に形成した凹所71に載置した小物入れ容器である。扉11の前方への回動に伴って補助物品収納部40が回動することにより、野菜容器15の前面には空間が形成されため、野菜容器15への物の出し入れがし易くなる。また、野菜容器15は、上面に開口し、更に前面上部も開口しているため、扉11の前方への回動に伴って補助物品収納部40が回動することにより、野菜容器15の前面の空間が広くなり、野菜容器15への物の出し入れがし易くなる。
【0032】
また、前面扉11が物品収納容器(野菜室)15を支持するレール部材43に取り付けた支持板52対して下部の軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持される構成は、上記に限定されず他の構成でもよい。
【0033】
上記のように、物品収納容器15は引き出し支持装置38にて貯蔵室4に前後方向に引き出し収納自在に支持され、前面扉11も引き出し支持装置38にて前後方向に引き出し自在に支持されている。そして、前面扉11は軸支持装置90の軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持されるように構成され、前面扉11と物品収納容器15が共に前後方向へ引き出される結合状態と、この結合状態が解除されて前面扉11が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置60を備え、前面扉11の裏側には、物品収納容器15の前方位置で前面扉11の回動と共に回動する補助物品収納部40を設けている。
【0034】
このような構成において、図3のように前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた略垂直状態では、連結装置60によって前面扉11と物品収納容器15が結合状態である。この結合状態において、前面扉11の取っ手66を前方へ引くことにより、前面扉11は略垂直状態のまま物品収納容器15と共に水平方向へ引き出される。この引き出された位置で、取っ手66の裏側に突出した操作部63を操作して連結装置60による前記結合状態を解除することにより、前面扉11は、図4に示すように、軸支持装置90の軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能となる。前面扉11は前方へ回動した状態では、補助物品収納部40のペットボトル等の物品41を前傾した前面扉11方向に沿って、斜め上方へ取り出すことができる。
【0035】
このように、連結装置60の解除によって前面扉11の回動が可能となるため、補助物品収納部40への物品の収納及び取り出しの必要時に連結装置60を解除操作すれば、前面扉11の前傾状態においての補助物品収納部40への物品の収納及び取り出しが可能となり、取り出しと収納がし易く、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。また、前面扉11と補助物品収納部40の回動によって、補助物品収納部40の奥側の物品収納容器15への物品の収納及び取り出しがし易くなる効果がある。また、連結装置60の解除操作を前面扉11の取っ手部66によって行えるため、扉11の引き出し操作と連結装置60の解除操作を片手で行うことができ便利である。
【0036】
上記のように、連結装置60の解除によって前面扉11の回動が可能となるため、図3に示すように、前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた状態において、連結装置60を解除すると前面扉11は前方へ回動可能となる。図3に示す状態において、連結装置60を解除して、図7に示すように補助物品収納部40の物品41を取り出せるように前面扉11を前方へ回動し、補助物品収納部40の物品41を斜め前方へ引き上げると、物品41の重量によって前面扉11を前方へ押す作用力が働き、前面扉11が前方へ移動する場合がある。このように物品41の引き上げ途中に前面扉11が前方へ移動すると、物品41の引き上げが不安定となり、物品41の引き上げを難くすると共に、物品41を引き上げ途中で落とすことにも繋がり、重い物品41の場合には危険である。
【0037】
本発明では、このような支障が生じないように、連結装置60が解除されて前面扉11が前傾状態に回動したとき、前面扉11の引き出しが制限される係止装置100を設けたことを特徴とする。即ち、図3に示す状態において連結装置60を解除して、補助物品収納部40の物品41を取り出せる位置まで前面扉11を前方へ回動すると、図7に示すように係止腕96の後端部の係止部98が固定側ローラ44の後側に当接する。この当接によって、前面扉11は引き出し支持装置38による前方への引き出しが規制される。この係止腕96の係止部98と固定側ローラ44とで係止装置100を構成する。この構成によって、前傾した前面扉11に沿って補助物品収納部40の物品41を引き上げ、その引き上げに伴って物品41が前面扉11を前方へ押しても、その作用力によって前面扉11が前方へ移動することは阻止される。このため、物品41の引き上げ操作が安定し、重い物品41の場合にも落下の危険も少なくなる。
【0038】
係止装置100の構成は上記の他に、係止腕96の一部が野菜室4の左右側壁に一部分に当接する構成としてもよく、又は他の構成でもよい。
【0039】
上記の構成では、前面扉11が貯蔵室(野菜室)4の前面開口を閉じた状態において、連結装置60を解除して前面扉11を前方へ回動させたとき、引き出し支持装置38による前面扉11の前方への引き出しが係止装置100によって規制される構成である。しかし、前面扉11を引き出し支持装置38によってある程度前方へ引き出した状態で、連結装置60を解除して前面扉11を前方へ回動させたとき係止装置100によって前面扉11の前方への引き出しが規制される構成とすることもできる。この場合には、係止腕96の長さを長くして、前面扉11をある程度前方へ引き出した状態で係止部98が固定側ローラ44に係止すればよい。
【0040】
上記実施形態では、連結装置60が電気式であるが、これに限定されず機械式とすることもできる。例えば、扉11の取っ手66の裏側に突出した操作部であるレバーがバネ力によって復帰位置を保ち、取っ手66を握った手でこのバネ力に抗してこのレバーをスライドさせることにより、連結部材を介してこれと連結した係止部62がフック61との係止位置から退避して扉11が回動可能となり、レバーをスライドさせる操作から手を離すことにより前記バネ力によってレバーが復帰位置に復帰すると共に係止部62がフックとの係止位置へ突出するように機械式構成とするものでもよい。
【0041】
上記実施形態では貯蔵室が野菜室の形態を示しているが、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の変更が考えられ、それに係る種種の実施形態を包含するものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、補助物品収納部にペットボトル、ビール瓶及び牛乳パックなどの比較的背の高い比較的重い物品を収納する場合にも、前面扉と共に補助物品収納部を前方へ引き出した状態で回動させることにより、重いペットボトル等でも斜め状態で取り扱いができるため、この補助物品収納部に対する物品の取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。そして、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定し、重い物品の場合にも落下の危険も少なくなる。
【0043】
また、連結装置の解除によって前面扉の回動が可能となるため、補助物品収納部への物品の収納及び取り出しの必要時に連結装置を解除操作すれば、前傾状態においての補助物品収納部への物品の収納及び取り出しが可能となり、取り出しと収納がし易くなり、従来に比して労力が少なく使用性に富む貯蔵庫が提供できる。また、前面扉と補助物品収納部の回動によって、補助物品収納部の奥側の物品収納容器への物品の収納及び取り出しもし易くなる効果がある。また、連結装置の解除操作を前面扉の取っ手部によって行えるため、扉の引き出し操作と連結装置の解除操作を片手で行うことができ、便利である。そして、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【0044】
また、貯蔵室が冷蔵温度室であることにより、前面扉の回動部分が凍結する心配もなく、常時安定した回動が得られる。そして、物品補助収納部に収納したペットボトル等の如き飲料容器の冷却に適すると共に、前面扉の回動によって前記のようにその飲料容器の取り出しと収納の容易さが達成できる。また、奥側の物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とする場合にも、前面扉の回動によって物品補助収納部も回動して前傾状態となるため、野菜収納容器への野菜や根菜の収納及び取り出しもし易くなる。そして、前記前面扉を回動して補助物品収納部からペットボトル等を斜め上方に取り出すとき、その取り出しに伴う前面扉の前方への移動が制限されるため、ペットボトル等の取り出し操作が安定に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷蔵庫の縦断側面図である。
【図2】本発明の扉側と物品収納容器側との関係を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の扉を閉じた状態を示す側面図である。
【図4】本発明の扉を引き出して回動した状態を示す側面図である。
【図5】貯蔵室の前面開口を本発明の扉を閉じた状態における貯蔵室右前側部分の平面図である。
【図6】本発明の連結装置の説明図である。
【図7】貯蔵室の前面開口を本発明の扉で閉じた状態において本発明の扉を回動した状態を示す側面図である。
【図8】本発明扉の回動軸部の分解斜視図である。
【図9】本発明扉の回動軸部の他の形態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・貯蔵庫(冷蔵庫)
2・・・貯蔵庫本体(冷蔵庫本体)
4・・・貯蔵室(野菜室)
11・・・前面扉
15・・・主物品収納部・物品収納容器(野菜容器)
40・・・補助物品収納部
43・・レール
44・・固定側ローラ
46・・レール
60・・連結装置
61・・フック
62・・係止部
63・・操作部
65・・電磁石
66・・取っ手
67・・スイッチ
96・・係止腕
98・・係止部
100・・係止装置
Claims (6)
- 貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に引き出し支持装置で前後方向引き出し自在に支持された主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする物品貯蔵庫。
- 貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉はその裏側に補助物品収納部を備え、前記補助物品収納部の後方位置には前記前面扉と共に前記貯蔵室内に引き出し支持装置で支持されて前後方向引き出し自在に主物品収納部が設けられ、前記前面扉と主物品収納部が共に前後方向へ引き出される結合状態とこの結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記前面扉が前記貯蔵室の前面開口を閉じた状態において、前記連結装置が解除されて回動したとき、前記引き出し支持装置の固定側ローラに係止して前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする物品貯蔵庫。
- 貯蔵室の前面開口を開閉する前面扉と共に物品収納容器を前記貯蔵室内に設けた引き出し支持装置に支持されて前記貯蔵室内に引き出し自在に設けた物品貯蔵庫において、前記物品収納容器は前記貯蔵室の左右側壁に対して前後方向に引き出し収納自在に支持され、前記前面扉は軸支持部を中心として上部が前方へ回動可能に支持され、前記前面扉と前記物品収納容器が共に前後方向へ引き出される結合状態と前記結合状態が解除されて前記前面扉が回動可能となる解除状態とに切り替えられる連結装置を備え、前記前面扉の裏側には前記物品収納容器の前方位置で前記前面扉の回動と共に回動する補助物品収納部を設け、前記連結装置が解除されて前記前面扉が回動したとき、前記引き出し支持装置の固定側ローラに係止して前記前面扉の引き出しを制限する係止装置を設けたことを特徴とする物品貯蔵庫。
- 前記連結装置の操作部を前記前面扉の取っ手に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品貯蔵庫。
- 前記貯蔵室を冷蔵温度室とし、前記補助物品収納部をペットボトル等の如き飲料容器の収納部としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品貯蔵庫。
- 前記貯蔵室を野菜室とし、前記主物品収納部又は前記物品収納容器を上面開口の野菜収納容器とし、前記補助物品収納部をペットボトル等の如き縦長物品を収納する上面開口の収納部としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物品貯蔵庫。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100436983C (zh) * | 2005-04-11 | 2008-11-26 | Lg电子株式会社 | 门组件以及使用该门组件的冰箱 |
CN105783405A (zh) * | 2016-04-20 | 2016-07-20 | 合肥华凌股份有限公司 | 一种冰箱 |
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2003
- 2003-04-22 JP JP2003116623A patent/JP2004324917A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100436983C (zh) * | 2005-04-11 | 2008-11-26 | Lg电子株式会社 | 门组件以及使用该门组件的冰箱 |
CN105783405A (zh) * | 2016-04-20 | 2016-07-20 | 合肥华凌股份有限公司 | 一种冰箱 |
CN105783405B (zh) * | 2016-04-20 | 2019-01-04 | 合肥华凌股份有限公司 | 一种冰箱 |
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