JP2004324857A - 多球殻型の圧力流体用高圧タンク - Google Patents
多球殻型の圧力流体用高圧タンク Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004324857A JP2004324857A JP2003124141A JP2003124141A JP2004324857A JP 2004324857 A JP2004324857 A JP 2004324857A JP 2003124141 A JP2003124141 A JP 2003124141A JP 2003124141 A JP2003124141 A JP 2003124141A JP 2004324857 A JP2004324857 A JP 2004324857A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spherical shell
- tank
- fluid
- high pressure
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
Abstract
【課題】水素ガスで代表される高圧気体や化学薬品で代表される高圧液体などの流体を収容(貯蔵)する圧力タンクにおいて、低コスト材料を用いて軽量化・コンパクト化が可能で、貯蔵容量の減少も抑制でき、特に300〜700気圧程度の高圧レベルにおいても充分に耐えられる耐圧構造とすることも可能な圧力流体用高圧タンクを提供する。
【解決手段】複数の球殻貯蔵室を連設してなり、隣接する球殻貯蔵室の内部を連通させたタンク胴体に流体出入口を形成して密閉したことを特徴とする多殻型の圧力流体用高圧タンクで、球殻貯蔵室間の連設部の板厚を厚くしたり、この連設部の外周部を、胴巻状(リング状)に配した高張力補強材で拘束して必要強度を確保することも考慮する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の球殻貯蔵室を連設してなり、隣接する球殻貯蔵室の内部を連通させたタンク胴体に流体出入口を形成して密閉したことを特徴とする多殻型の圧力流体用高圧タンクで、球殻貯蔵室間の連設部の板厚を厚くしたり、この連設部の外周部を、胴巻状(リング状)に配した高張力補強材で拘束して必要強度を確保することも考慮する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
例えば、近年、自動車に高圧気体燃料や高圧液体燃料などの高圧流体燃料が用いられるようになってきており、航続距離を延長するために、これらの流体燃料をより高圧にして大容量の貯蔵を可能にする、軽量でコンパクトであり低コストで得られる圧力流体用のタンクが要請されている。
本発明は、これら等に要請に応えるための圧力流体用高圧タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば高圧ガスを貯蔵する高圧タンクとして、ガスボンベや酸素ボンベなど円筒状のものが広く用いられており、貯蔵能力を上げるためにガス圧力を高くする場合には、内圧に耐えるために、外殻を形成する材料の板厚を厚くする必要があり、タンクの大型化や重量増大等の問題を抱えている。
特に自動車に搭載する高圧タンクの場合には、燃費を軽減するという観点で軽量化の要請が強いことから、この高圧タンク材の強度を高め軽量化に寄与する材料および構造の開発が進められてきている。
【0003】
例えば特許文献1、2には対策例が記載されているが、これらは特にコンパクト化、低コスト化の観点で、さらなる改善が求められるものである。
上記特許文献1、2に記載のタンクの他には、例えばアルミニウム合金を薄肉化加工して得た胴部全面にカーボンFRPを巻き付け、胴部を補強した構造の圧力タンクも知られている。しかし、胴部を比較的高価なアルミニウム合金で形成し、全面にカーボンFRPを用いることからコスト負担も大きくなると推定される。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−339932号公報
【特許文献2】
特開2000−317689号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水素ガスで代表される高圧気体や化学薬品で代表される高圧液体などの流体を収容(貯蔵)する圧力タンクにおいて、上記従来のタンクのような問題点を有利に解決できる圧力流体用のタンクを提供する。
より具体的には、低コスト材料を用いて軽量化・コンパクト化が可能で、貯蔵容量の減少も抑制でき、特に300〜700気圧程度の高圧レベルにおいても充分に耐えられる耐圧構造とすることも可能な圧力流体用高圧タンクを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため以下の(1)〜(3)を要旨とする。
(1) 複数の球殻貯蔵室を連設して連通させた構造を有し、隣接する球殻貯蔵室間の連設部に、内部の圧力流体による応力に耐えられる強度を付与し、球殻貯蔵室に圧力流体の出入口を設けたことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
(2) 前記(1)において、隣接する球殻貯蔵室間の連設部を、外部から高張力補強材で拘束して、連設部に内部の圧力流体による応力に耐えられる強度を付与したことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
(3) 前記(1)または(2)において、連設部に平行外周部を設けたことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、球殻部を有しその内部に貯蔵空間を形成した球殻貯蔵室を2以上連設して隣接する球殻貯蔵室を連通させた、球殻貯蔵室に流体の出入口を形成して密閉した多球殻型の圧力流体用高圧タンクであり、応力が集中する球殻貯蔵室間の連設部を、外周部に胴巻状(リング状)に配した高張力補強材により、あるいは連設部の板厚を厚くすることにより、応力に耐えられる強度を付与したものである。
本発明でいう多球殻型とは、球殻貯蔵室を2以上連設した胴体を有することを意味するもので、以下「多球殻型」という。
本発明でいう「球殻貯蔵室」とは、球殻の片側または両側を切断したような形状からなり、この球殻貯蔵室を切断部で結合させたような状態を「連設」といい、この連設部分(くびれ部)を連設部という。
【0008】
一般的に言って、高圧タンク設計においては、貯蔵する流体の内圧を高める場合、タンクの板厚を厚くすることが必要になるが、本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、
(1)同一直径・同一使用圧力下においては、必要な殻の厚みは、円筒殻より球殻の方が薄くできるという自然法則を活用する。
すなわち、複数の球殻貯蔵室を連設してタンク胴体を形成することにより、板厚を薄くして、貯蔵能力を確保するとともにタンク胴体を軽量化するものである。また、板厚を若干厚めにして低コスト材料の使用も可能にしてコスト低減も可能とするものである。
(2)球殻貯蔵室間の連設部は応力が集中しやすく、構造的に弱い部位になるので、連設部の外周部に高張力補強材を配したり、あるいは連設部の板厚を厚くして、この連設部に作用する応力(圧力流体による半径方向の張り出し力)に耐えられるような強度を付与し強度を向上させる。
なお、貯蔵対象が例えば500〜700気圧の超高圧流体の場合には、球殻貯蔵室を、高張力に耐え加工性に優れた比較的安価に得られる鋼材で形成し、連設部に高張力補強材を配する場合には、この高張力補強材を例えば鋼材やカーボンFRPで形成することを考慮する。
【0009】
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、前記(1)、(2)に示すように、胴体を複数の球殻貯蔵室を連設して形成し、球殻貯蔵室間の連設部の外周部を高張力補強材で補強した構造にすることにより、球殻貯蔵室の板厚を薄くし、タンク全体として材料負担増を抑え軽量化することができる。例えば円筒形のタンクと同一貯蔵量に換算したときの重量で比較した場合、重量を20〜40%程度軽くすることができ、軽量、コンパクトで安価なタンクを得ることができる。
【0010】
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、板厚を薄くして充分な耐圧性能を確保できることから、材料と板厚の選択幅が広くなり、低圧流体用タンクはもとより、300〜700気圧の超高圧レベルにおいても充分に耐えられる圧力流体用高圧タンクを実現することも容易になる。
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクを形成する、複数の球殻貯蔵室を有する胴体は、例えば管材を水圧で膨らませて成形するハイドロフォームにより一体形成することもでき、またプレス成形・溶接加工などによって成形板を張り合わせ接合して形成することもできる。
胴体を形成する球殻貯蔵室間の連設部の最小外径は、球殻効果の確保、連設部の強度確保、無駄空間の排除およびタンク長の短縮などの観点から、球殻部の外直径の1/3〜2/3程度が好ましい。
【0011】
球殻貯蔵室間の連設部に高張力補強材を配する場合、球殻貯蔵室間の連設部の外周部に平行外周部(緩やかな曲面外周部を含む)を形成し、応力の集中を低減して高張力補強材を安定的に胴巻きできるようにすることも好ましい。
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、通常の場合、上記胴体部に例えば椀形の蓋部を接合により形成して密閉する。
この蓋部の形状は胴体の端部形状に応じて決めるものであり、基本形状は椀形であるが、平板状と椀形の組み合わせた形状としてもよい。蓋部を接合して形成する場合で椀形に形成する場合にはリブで補強することも考慮することができる。
【0012】
なお、多球殻型の圧力流体用高圧タンクにおいては、胴体は複数の球殻貯蔵室を一方向に連設して形成するのが基本であるが、胴体をプレス成形・接合加工により形成する場合には、球殻貯蔵室を複数方向(複列を含む)に連設して形成することも可能である。
また、連設して連通させる球殻貯蔵室の配置、蓋部、流体出入口の形成単位を選択することによって、例えば2つのタンク機能を持たせることも可能である。
【0013】
胴体、蓋部を形成する材料としては、鋼、アルミ、チタン、各種合金、合成樹脂、カーボンFRP、金属同士の複合材料、金属と合成樹脂やカーボンFRPとの複合材などが主体に用いられる。
例えばプレス成形加工した板を接合して胴体を形成する場合、胴体に蓋部を接合して形成する場合などの接合手段としては、材料と必要耐力に応じて選択するものであるが、金属同士の接合には溶接、ろう付けが主体になり、非金属同士を接合する場合、あるいは金属と非金属を接合する場合には、接着が主体になる。
【0014】
球殻貯蔵室の連設部に胴巻状に配置して固着する高張力補強材は、胴体の形成条件に応じて、極力軽量でかつ薄厚にして連設部を充分に補強可能な材料を選択するものであり、例えばカーボンFRPで代表される高張力軽量繊維が適性が高いと言えるが、鋼、チタン、アルミ、各種合金などの金属板(線)、金属同士の複合材料、金属と合成樹脂との複合材なども用いることができる。
これらの高張力補強材は、溶接、ろう付け、接着、巻き付け、はめ込みなどによって球殻貯蔵室の連設部に固着する。
上記の各条件は、タンクの用途、配置スペース、流体圧、タンクの各部に要求される強度、重量などの条件に応じて選択設計されるものである。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの実施例1について、図1(a)、(b)、(c)に基づき説明する。
この実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、管材(鋼管)を素材としてハイドロフォームにより一体成形して、図1(a)、(b)に示すように、複数(4室)の球殻貯蔵室2を連通させて連設した胴体1を有し、球殻貯蔵室間の連設部1aの外周部に、高張力補強材として高張力軽量繊維(ここではカーボンFRP)6を胴巻きして固着し、この胴体1の両端の開口部に、椀形の蓋部3a、3bを、溶接4により接合して密閉し、一方の蓋部3aに流体出入口5を設けたものである。
【0016】
この実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、応力が集中する球殻貯蔵室2間の連設部1aの外周部に、高張力補強材として高張力軽量繊維6を胴巻きして固着し、この部位を強化した構造を有する。
なお、高張力補強材として、高張力軽量繊維6に代えて高張力鋼(板)リングを配して固着することにより、さらに、この部位での半径方向の張り出し力に対する強度を大きくして、貯蔵能力を減じることなく、300気圧以上の高圧流体を貯蔵するタンクとしても適用できる。
【0017】
(実施例2)
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの実施例2について、図2に基づき説明する。
この実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、図2(a)、(b)に示すように、隣接する球殻貯蔵室間の連設部1aの外周部を平行外周部1fに形成し、この平行外周部1fに、高張力補強材として高張力軽量繊維(ここではカーボンFRP)6aを胴巻きして固着した点において実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクと異なるものである。その他の部分については共通する構成を有するので、詳細説明は省略する。
【0018】
この実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、連設部の急激な形状変化を低減し応力を緩和させると共に、球殻貯蔵室2間の連設部の平行外周部1fに、高張力補強材として高張力軽量繊維6aを胴巻きして接着しているため、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合と同様、この部位での半径方向の張り出し力に対する強度を大きくすることができる。
【0019】
この実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、球殻貯蔵室2間の連設部1aの外周部に平行外周部1fを形成しているため、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合に比較して、例えばハイドロフォームにより一体成形する場合に、より安定した成形ができるとともに、応力が集中する球殻貯蔵室2間の連設部1aの強度低下を抑制することもできる。
【0020】
また、連設部の外周部に平行外周部1fを形成しているので、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合より、高張力補強材、配置条件の選択幅が広く配置施工が容易である。
したがって、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合より、より幅広い高圧流体を貯蔵するタンクとして適用できる。
なお、高張力補強材として、高張力軽量繊維6aに代えて高張力鋼(板)リングを配して固着することにより、300〜700気圧程度の高圧の流体を貯蔵するタンクとしても適用可能にできる。
【0021】
(実施例3)
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの実施例3について、図3(a)、(b)に基づいて説明する。
この実施例3の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、図3(a)、(b)に示すように、薄鋼板をプレス成形加工した一対の成形板を張り合わせ溶接4により接合して、複数(4室)の球殻貯蔵室2を連通させて連設した胴体7を形成し、球殻貯蔵室2間の連設部7aの外周部には、高張力補強材として高張力軽量繊維(ここではカーボンFRP)6を胴巻きして固着し、この部位の耐力を強化した構造を有するものである。
胴体7には、実施例1、2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクと同様に椀形の蓋部3a、3bが形成される。
【0022】
この実施例3の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、複数(4室)の球殻貯蔵室2を連通させて連設した胴体7を、プレス成形加工した一対の成形板を張り合わせ溶接4して形成しており、タンクを容易にかつ低コストで製造できる点で実施例1、2と異なるが、実施例1、2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合と同様、複数の球殻貯蔵室を連設して形成しているため、半径方向の張り出し力に対する耐力が大きく、板厚を薄くして貯蔵能力を減じることなくタンクを軽量化することができる。
【0023】
なお、高張力補強材として、高張力軽量繊維6に代えて高張力鋼(板)リングを配して固着することにより、さらに、この部位での半径方向の張り出し力に対する耐力を強化して、300〜700気圧の高圧の流体を貯蔵するタンクとしても適用可能にできる。
なお、球殻貯蔵室2間の連設部7aの外周部に、実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合のように、平行外周部を形成して、実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクと同様の効果を得るようにしてもよい。
【0024】
なお、本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、上記の各実施例の内容にのみに限定されるものではなく、用途、配置スペース、圧力流体の圧力および貯蔵量、タンクの各部に要求される強度などの条件に応じて、構造(形状)、サイズ、材料、厚さなど、上記請求項の範囲内で設計変更されるものであり、例えば700気圧程度までの幅広い圧力流体を貯蔵する圧力流体用タンクとして適用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、複数の球殻貯蔵室を連設してタンク胴体を形成し、応力が集中する球殻貯蔵室間の連設部に、例えば高張力補強材を配して、この連設部に作用する半径方向の張り出し力に対する強度を強化する構造を有するものであり、球殻貯蔵室とすることにより、タンク胴体の必要板厚を小さくできることから、全体として材料負担増を抑え軽量化することができる。
例えば円筒形のタンクと同一貯蔵量に換算したときの重量で比較した場合、20〜40%程度軽くすることができる。
したがって、単一円筒タンクや矩形単板タンクのように極端に板厚を厚くすることなく、貯蔵能力の減少を抑えながら軽量化・コンパクト化を実現可能で、かつ板厚をやや厚くすることにより、より高圧の流体の貯蔵も可能にできる圧力流体用のタンクを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の多球殻型の圧力流体タンクの実施例1の構造例を示す一部切欠断面正面説明図、(b)図は(a)図の側面説明図。
【図2】本発明の多球殻型の圧力流体タンクの実施例2の構造例を示す一部切欠断面正面説明図。
【図3】本発明の多球殻型の圧力流体タンクの実施例3の構造例を示す一部切欠断面正面説明図。
【符号の説明】
1 :胴体
1a:連設部
1f:連設部の平行外周部
2 :球殻貯蔵室
3a、3b:蓋部
4 :溶接
5 :流体出入口
6、6a:高張力軽量繊維
7 :胴体
7a:連設部
【発明の属する技術分野】
例えば、近年、自動車に高圧気体燃料や高圧液体燃料などの高圧流体燃料が用いられるようになってきており、航続距離を延長するために、これらの流体燃料をより高圧にして大容量の貯蔵を可能にする、軽量でコンパクトであり低コストで得られる圧力流体用のタンクが要請されている。
本発明は、これら等に要請に応えるための圧力流体用高圧タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば高圧ガスを貯蔵する高圧タンクとして、ガスボンベや酸素ボンベなど円筒状のものが広く用いられており、貯蔵能力を上げるためにガス圧力を高くする場合には、内圧に耐えるために、外殻を形成する材料の板厚を厚くする必要があり、タンクの大型化や重量増大等の問題を抱えている。
特に自動車に搭載する高圧タンクの場合には、燃費を軽減するという観点で軽量化の要請が強いことから、この高圧タンク材の強度を高め軽量化に寄与する材料および構造の開発が進められてきている。
【0003】
例えば特許文献1、2には対策例が記載されているが、これらは特にコンパクト化、低コスト化の観点で、さらなる改善が求められるものである。
上記特許文献1、2に記載のタンクの他には、例えばアルミニウム合金を薄肉化加工して得た胴部全面にカーボンFRPを巻き付け、胴部を補強した構造の圧力タンクも知られている。しかし、胴部を比較的高価なアルミニウム合金で形成し、全面にカーボンFRPを用いることからコスト負担も大きくなると推定される。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−339932号公報
【特許文献2】
特開2000−317689号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水素ガスで代表される高圧気体や化学薬品で代表される高圧液体などの流体を収容(貯蔵)する圧力タンクにおいて、上記従来のタンクのような問題点を有利に解決できる圧力流体用のタンクを提供する。
より具体的には、低コスト材料を用いて軽量化・コンパクト化が可能で、貯蔵容量の減少も抑制でき、特に300〜700気圧程度の高圧レベルにおいても充分に耐えられる耐圧構造とすることも可能な圧力流体用高圧タンクを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため以下の(1)〜(3)を要旨とする。
(1) 複数の球殻貯蔵室を連設して連通させた構造を有し、隣接する球殻貯蔵室間の連設部に、内部の圧力流体による応力に耐えられる強度を付与し、球殻貯蔵室に圧力流体の出入口を設けたことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
(2) 前記(1)において、隣接する球殻貯蔵室間の連設部を、外部から高張力補強材で拘束して、連設部に内部の圧力流体による応力に耐えられる強度を付与したことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
(3) 前記(1)または(2)において、連設部に平行外周部を設けたことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、球殻部を有しその内部に貯蔵空間を形成した球殻貯蔵室を2以上連設して隣接する球殻貯蔵室を連通させた、球殻貯蔵室に流体の出入口を形成して密閉した多球殻型の圧力流体用高圧タンクであり、応力が集中する球殻貯蔵室間の連設部を、外周部に胴巻状(リング状)に配した高張力補強材により、あるいは連設部の板厚を厚くすることにより、応力に耐えられる強度を付与したものである。
本発明でいう多球殻型とは、球殻貯蔵室を2以上連設した胴体を有することを意味するもので、以下「多球殻型」という。
本発明でいう「球殻貯蔵室」とは、球殻の片側または両側を切断したような形状からなり、この球殻貯蔵室を切断部で結合させたような状態を「連設」といい、この連設部分(くびれ部)を連設部という。
【0008】
一般的に言って、高圧タンク設計においては、貯蔵する流体の内圧を高める場合、タンクの板厚を厚くすることが必要になるが、本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、
(1)同一直径・同一使用圧力下においては、必要な殻の厚みは、円筒殻より球殻の方が薄くできるという自然法則を活用する。
すなわち、複数の球殻貯蔵室を連設してタンク胴体を形成することにより、板厚を薄くして、貯蔵能力を確保するとともにタンク胴体を軽量化するものである。また、板厚を若干厚めにして低コスト材料の使用も可能にしてコスト低減も可能とするものである。
(2)球殻貯蔵室間の連設部は応力が集中しやすく、構造的に弱い部位になるので、連設部の外周部に高張力補強材を配したり、あるいは連設部の板厚を厚くして、この連設部に作用する応力(圧力流体による半径方向の張り出し力)に耐えられるような強度を付与し強度を向上させる。
なお、貯蔵対象が例えば500〜700気圧の超高圧流体の場合には、球殻貯蔵室を、高張力に耐え加工性に優れた比較的安価に得られる鋼材で形成し、連設部に高張力補強材を配する場合には、この高張力補強材を例えば鋼材やカーボンFRPで形成することを考慮する。
【0009】
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、前記(1)、(2)に示すように、胴体を複数の球殻貯蔵室を連設して形成し、球殻貯蔵室間の連設部の外周部を高張力補強材で補強した構造にすることにより、球殻貯蔵室の板厚を薄くし、タンク全体として材料負担増を抑え軽量化することができる。例えば円筒形のタンクと同一貯蔵量に換算したときの重量で比較した場合、重量を20〜40%程度軽くすることができ、軽量、コンパクトで安価なタンクを得ることができる。
【0010】
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、板厚を薄くして充分な耐圧性能を確保できることから、材料と板厚の選択幅が広くなり、低圧流体用タンクはもとより、300〜700気圧の超高圧レベルにおいても充分に耐えられる圧力流体用高圧タンクを実現することも容易になる。
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクを形成する、複数の球殻貯蔵室を有する胴体は、例えば管材を水圧で膨らませて成形するハイドロフォームにより一体形成することもでき、またプレス成形・溶接加工などによって成形板を張り合わせ接合して形成することもできる。
胴体を形成する球殻貯蔵室間の連設部の最小外径は、球殻効果の確保、連設部の強度確保、無駄空間の排除およびタンク長の短縮などの観点から、球殻部の外直径の1/3〜2/3程度が好ましい。
【0011】
球殻貯蔵室間の連設部に高張力補強材を配する場合、球殻貯蔵室間の連設部の外周部に平行外周部(緩やかな曲面外周部を含む)を形成し、応力の集中を低減して高張力補強材を安定的に胴巻きできるようにすることも好ましい。
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、通常の場合、上記胴体部に例えば椀形の蓋部を接合により形成して密閉する。
この蓋部の形状は胴体の端部形状に応じて決めるものであり、基本形状は椀形であるが、平板状と椀形の組み合わせた形状としてもよい。蓋部を接合して形成する場合で椀形に形成する場合にはリブで補強することも考慮することができる。
【0012】
なお、多球殻型の圧力流体用高圧タンクにおいては、胴体は複数の球殻貯蔵室を一方向に連設して形成するのが基本であるが、胴体をプレス成形・接合加工により形成する場合には、球殻貯蔵室を複数方向(複列を含む)に連設して形成することも可能である。
また、連設して連通させる球殻貯蔵室の配置、蓋部、流体出入口の形成単位を選択することによって、例えば2つのタンク機能を持たせることも可能である。
【0013】
胴体、蓋部を形成する材料としては、鋼、アルミ、チタン、各種合金、合成樹脂、カーボンFRP、金属同士の複合材料、金属と合成樹脂やカーボンFRPとの複合材などが主体に用いられる。
例えばプレス成形加工した板を接合して胴体を形成する場合、胴体に蓋部を接合して形成する場合などの接合手段としては、材料と必要耐力に応じて選択するものであるが、金属同士の接合には溶接、ろう付けが主体になり、非金属同士を接合する場合、あるいは金属と非金属を接合する場合には、接着が主体になる。
【0014】
球殻貯蔵室の連設部に胴巻状に配置して固着する高張力補強材は、胴体の形成条件に応じて、極力軽量でかつ薄厚にして連設部を充分に補強可能な材料を選択するものであり、例えばカーボンFRPで代表される高張力軽量繊維が適性が高いと言えるが、鋼、チタン、アルミ、各種合金などの金属板(線)、金属同士の複合材料、金属と合成樹脂との複合材なども用いることができる。
これらの高張力補強材は、溶接、ろう付け、接着、巻き付け、はめ込みなどによって球殻貯蔵室の連設部に固着する。
上記の各条件は、タンクの用途、配置スペース、流体圧、タンクの各部に要求される強度、重量などの条件に応じて選択設計されるものである。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの実施例1について、図1(a)、(b)、(c)に基づき説明する。
この実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、管材(鋼管)を素材としてハイドロフォームにより一体成形して、図1(a)、(b)に示すように、複数(4室)の球殻貯蔵室2を連通させて連設した胴体1を有し、球殻貯蔵室間の連設部1aの外周部に、高張力補強材として高張力軽量繊維(ここではカーボンFRP)6を胴巻きして固着し、この胴体1の両端の開口部に、椀形の蓋部3a、3bを、溶接4により接合して密閉し、一方の蓋部3aに流体出入口5を設けたものである。
【0016】
この実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、応力が集中する球殻貯蔵室2間の連設部1aの外周部に、高張力補強材として高張力軽量繊維6を胴巻きして固着し、この部位を強化した構造を有する。
なお、高張力補強材として、高張力軽量繊維6に代えて高張力鋼(板)リングを配して固着することにより、さらに、この部位での半径方向の張り出し力に対する強度を大きくして、貯蔵能力を減じることなく、300気圧以上の高圧流体を貯蔵するタンクとしても適用できる。
【0017】
(実施例2)
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの実施例2について、図2に基づき説明する。
この実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、図2(a)、(b)に示すように、隣接する球殻貯蔵室間の連設部1aの外周部を平行外周部1fに形成し、この平行外周部1fに、高張力補強材として高張力軽量繊維(ここではカーボンFRP)6aを胴巻きして固着した点において実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクと異なるものである。その他の部分については共通する構成を有するので、詳細説明は省略する。
【0018】
この実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、連設部の急激な形状変化を低減し応力を緩和させると共に、球殻貯蔵室2間の連設部の平行外周部1fに、高張力補強材として高張力軽量繊維6aを胴巻きして接着しているため、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合と同様、この部位での半径方向の張り出し力に対する強度を大きくすることができる。
【0019】
この実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、球殻貯蔵室2間の連設部1aの外周部に平行外周部1fを形成しているため、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合に比較して、例えばハイドロフォームにより一体成形する場合に、より安定した成形ができるとともに、応力が集中する球殻貯蔵室2間の連設部1aの強度低下を抑制することもできる。
【0020】
また、連設部の外周部に平行外周部1fを形成しているので、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合より、高張力補強材、配置条件の選択幅が広く配置施工が容易である。
したがって、実施例1の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合より、より幅広い高圧流体を貯蔵するタンクとして適用できる。
なお、高張力補強材として、高張力軽量繊維6aに代えて高張力鋼(板)リングを配して固着することにより、300〜700気圧程度の高圧の流体を貯蔵するタンクとしても適用可能にできる。
【0021】
(実施例3)
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの実施例3について、図3(a)、(b)に基づいて説明する。
この実施例3の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、図3(a)、(b)に示すように、薄鋼板をプレス成形加工した一対の成形板を張り合わせ溶接4により接合して、複数(4室)の球殻貯蔵室2を連通させて連設した胴体7を形成し、球殻貯蔵室2間の連設部7aの外周部には、高張力補強材として高張力軽量繊維(ここではカーボンFRP)6を胴巻きして固着し、この部位の耐力を強化した構造を有するものである。
胴体7には、実施例1、2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクと同様に椀形の蓋部3a、3bが形成される。
【0022】
この実施例3の多球殻型の圧力流体用高圧タンクでは、複数(4室)の球殻貯蔵室2を連通させて連設した胴体7を、プレス成形加工した一対の成形板を張り合わせ溶接4して形成しており、タンクを容易にかつ低コストで製造できる点で実施例1、2と異なるが、実施例1、2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合と同様、複数の球殻貯蔵室を連設して形成しているため、半径方向の張り出し力に対する耐力が大きく、板厚を薄くして貯蔵能力を減じることなくタンクを軽量化することができる。
【0023】
なお、高張力補強材として、高張力軽量繊維6に代えて高張力鋼(板)リングを配して固着することにより、さらに、この部位での半径方向の張り出し力に対する耐力を強化して、300〜700気圧の高圧の流体を貯蔵するタンクとしても適用可能にできる。
なお、球殻貯蔵室2間の連設部7aの外周部に、実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクの場合のように、平行外周部を形成して、実施例2の多球殻型の圧力流体用高圧タンクと同様の効果を得るようにしてもよい。
【0024】
なお、本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、上記の各実施例の内容にのみに限定されるものではなく、用途、配置スペース、圧力流体の圧力および貯蔵量、タンクの各部に要求される強度などの条件に応じて、構造(形状)、サイズ、材料、厚さなど、上記請求項の範囲内で設計変更されるものであり、例えば700気圧程度までの幅広い圧力流体を貯蔵する圧力流体用タンクとして適用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の多球殻型の圧力流体用高圧タンクは、複数の球殻貯蔵室を連設してタンク胴体を形成し、応力が集中する球殻貯蔵室間の連設部に、例えば高張力補強材を配して、この連設部に作用する半径方向の張り出し力に対する強度を強化する構造を有するものであり、球殻貯蔵室とすることにより、タンク胴体の必要板厚を小さくできることから、全体として材料負担増を抑え軽量化することができる。
例えば円筒形のタンクと同一貯蔵量に換算したときの重量で比較した場合、20〜40%程度軽くすることができる。
したがって、単一円筒タンクや矩形単板タンクのように極端に板厚を厚くすることなく、貯蔵能力の減少を抑えながら軽量化・コンパクト化を実現可能で、かつ板厚をやや厚くすることにより、より高圧の流体の貯蔵も可能にできる圧力流体用のタンクを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の多球殻型の圧力流体タンクの実施例1の構造例を示す一部切欠断面正面説明図、(b)図は(a)図の側面説明図。
【図2】本発明の多球殻型の圧力流体タンクの実施例2の構造例を示す一部切欠断面正面説明図。
【図3】本発明の多球殻型の圧力流体タンクの実施例3の構造例を示す一部切欠断面正面説明図。
【符号の説明】
1 :胴体
1a:連設部
1f:連設部の平行外周部
2 :球殻貯蔵室
3a、3b:蓋部
4 :溶接
5 :流体出入口
6、6a:高張力軽量繊維
7 :胴体
7a:連設部
Claims (3)
- 複数の球殻貯蔵室を連設して連通させた構造を有し、隣接する球殻貯蔵室間の連設部に、内部の圧力流体による応力に耐えられる強度を付与し、球殻貯蔵室に圧力流体の出入口を設けたことを特徴とする多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
- 隣接する球殻貯蔵室間の連設部を、外部から高張力補強材で拘束して、連設部に内部の圧力流体による応力に耐えられる強度を付与したことを特徴とする請求項1に記載の多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
- 連設部に平行外周部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の多球殻型の圧力流体用高圧タンク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124141A JP2004324857A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | 多球殻型の圧力流体用高圧タンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003124141A JP2004324857A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | 多球殻型の圧力流体用高圧タンク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004324857A true JP2004324857A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33501825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003124141A Withdrawn JP2004324857A (ja) | 2003-04-28 | 2003-04-28 | 多球殻型の圧力流体用高圧タンク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004324857A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101147051B1 (ko) | 2010-04-19 | 2012-05-17 | 주식회사 대유에스이 | 가스 차량용 듀오 탱크 제조 방법 |
RU2451234C1 (ru) * | 2010-10-19 | 2012-05-20 | Государственный научный центр Российской Федерации - федеральное государственное унитарное предприятие "Исследовательский центр имени М.В. Келдыша" (ГНЦ ФГУП "Центр Келдыша") | Многополостной баллон высокого давления |
KR101155874B1 (ko) * | 2010-04-19 | 2012-06-20 | 주식회사 대유에스이 | 가스 차량용 듀오 탱크 |
CN114383034A (zh) * | 2022-01-17 | 2022-04-22 | 光年探索(江苏)空间技术有限公司 | 一种纤维缠绕相交球壳压力容器 |
-
2003
- 2003-04-28 JP JP2003124141A patent/JP2004324857A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101147051B1 (ko) | 2010-04-19 | 2012-05-17 | 주식회사 대유에스이 | 가스 차량용 듀오 탱크 제조 방법 |
KR101155874B1 (ko) * | 2010-04-19 | 2012-06-20 | 주식회사 대유에스이 | 가스 차량용 듀오 탱크 |
RU2451234C1 (ru) * | 2010-10-19 | 2012-05-20 | Государственный научный центр Российской Федерации - федеральное государственное унитарное предприятие "Исследовательский центр имени М.В. Келдыша" (ГНЦ ФГУП "Центр Келдыша") | Многополостной баллон высокого давления |
CN114383034A (zh) * | 2022-01-17 | 2022-04-22 | 光年探索(江苏)空间技术有限公司 | 一种纤维缠绕相交球壳压力容器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3911015B2 (ja) | 順応可能な複合型圧力容器 | |
US5865923A (en) | Method of fabricating a dual chamber composite pressure vessel | |
US20070181199A1 (en) | Hydraulic accumulator | |
US20070246461A1 (en) | Pressure Vessel | |
EP3066380B1 (en) | High conformal pressure vessel | |
US9618157B2 (en) | Concentric shells for compressed gas storage | |
US7984731B2 (en) | Lightweight high pressure repairable piston tie rod composite accumulator | |
US10619794B2 (en) | Pressurized-fluid storage device | |
KR101846733B1 (ko) | 섬유강화 복합재 압력 용기 및 그 제조 방법 | |
JP5305198B2 (ja) | 低温燃料用外側タンク | |
CN200985915Y (zh) | 缠绕加固活塞式蓄能器 | |
KR102322371B1 (ko) | 실린더부가 보강된 압력 용기 | |
JP2004324857A (ja) | 多球殻型の圧力流体用高圧タンク | |
US9194401B2 (en) | Ultra lightweight and compact accumulator | |
US20090014452A1 (en) | Storage tank | |
EP3964745B1 (en) | Composite gas storage tank | |
JP2011017379A (ja) | ガスタンク | |
RU2302582C1 (ru) | Газовый баллон высокого давления | |
JP2006046645A (ja) | 圧力容器 | |
KR102440677B1 (ko) | 버클링 방지형 고압 용기 | |
WO2014026651A1 (zh) | 一种异型压力容器 | |
JP2006038154A (ja) | 圧力容器 | |
US20230408042A1 (en) | Modular pressurized gas tank | |
AU710621B2 (en) | Dual chamber fluid storage vessel | |
WO2007106035A1 (en) | Pressure vessel |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |