JP2004324132A - 分割式平ツース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分割式平ツースは、各ツース1,1’がバケットA前端に固着された複数の支持部材7にそれぞれ嵌合する接合部材2を有し、かつ、各ツースの平板部4のバケット側基端縁から延出してバケット前端底面に面接する被覆片3が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は土木建設機械のパワーショベルに取付けられるバケット工具に関するものであり、詳しくはバケット底部前端に複数個装着されて地均し板を形成するためのツースに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブルドーザー、ショベルローダーなどの土木建設機械は、パワーショベルで地面を掘削する用途とともに、作業面を平面化する地均し作業にも用いられる。
この地均し作業を行なう場合には、ショベルの前端に地均し板が連設されるが、この地均し板の形成は、通常作業現場での手作業で行なわれるため、保守作業効率などの観点から、複数のツースをバケットに装着して全体として地均し板とすることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照。)。
【0003】
そして、このツースの装着は、バケット側の支持部材と、これに対応する形状とされたツース側の接合部材を例えばロックピンにより固定して、全体として地均し板としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、隣接するツースは互いに連結固定されているものではなく、側縁部どうしが重なり合うものはあるものの(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照。)、主にバケット側の支持部材の取付け間隔にかかわらず隙間なく地均し板を形成するためのものであり、地均し作業における各ツースに対する負荷は、そのツースの支持嵌合部位のみで負担しており、ツースへの負荷を平板部から直接にバケットに伝える構造のものはなかった。
【0005】
ところで、地均し前の凹凸のある地面から受ける負荷は各ツースによって異なるものとなるため、従来のツースの構造では、ある一のツースに対して大きな負荷が掛るとそのツースの支持接合部位には過度の負荷となる場合があり、また、各ツースはツース幅のほぼ中央でバケットに装着されているため、負荷が支持接合部位に対して捩じれ力となる場合もあり、結果として、ツースや支持部材の耐久性が低下し、またバケット側の支持部材が磨耗することにより、たとえ破損したツースを交換したとしても形成された地均し板の平面性が損なわれ、地均し作業の質の低下を招いていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−158238号公報
【特許文献2】
特開2001−254383号公報
【特許文献3】
特開2002−121777号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、以下の構成を有する分割式平ツースを提供するものである。
【0008】
(1)本発明に係る分割式平ツースは、土木建設機械のパワーショベルに取付けられたバケットの前端に連設して装着される分割式平ツースであって、このツースは前記バケット前端に固着された複数の支持部材にそれぞれ嵌合する接合部材を有し、かつ、このツースの平板部のバケット側基端縁から延出してバケット前端底面に面接する被覆片が設けられていることを特徴とする。
この構成を採用することにより、各ツースが受ける地面からの負荷が、支持接合部位だけでなく、バケット前縁下面と被覆片が面接する部位においても負担されることとなり、支持接合部位に対する負荷が軽減されるとともに、上記した捩じれ力がこの面接支持部位において負担吸収されるためバケット側支持部材やツース側接合部材の磨耗変形を防止低減できるものである。
【0009】
(2)本発明に係る分割式平ツースは、上記した平板部のバケット側基端縁から延出する被覆片が設けられたツースにおいて、バケット前端上面に面接する係合片が平板部の上面側に設けられていることを特徴とする上記(1)記載のものである。
この構造は、被覆片によるバケット前端底面への面接だけでなく、バケット前端上面に面接する係合片を平板部の上面に設けることにより、ツースのバケットによる面接支持をより確実にし、また、ツースの装着状態を適性に維持することもできるものである。
【0010】
(3)本発明に係る分割式平ツースは、ツースがバケットに装着された状態において、隣接するツースの側縁が互いに重なり合うように、ツースの平板部の少なくとも一方の側縁部に段差が設けられていることを特徴とする上記(1)または(2)記載のものである。
【0011】
バケット前端において面接する部位においても負荷を分担する構造を有する本発明ツースにおいては、互いに重なり合う平板部において負担すべき負荷は少なく、したがって重り合う段差の幅を広くとり、あるいは、段差部分の部材を薄肉とするなどの設計が自由にできるという利点を有するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
実施の形態1
図1は、パワーショベルに取付けられるバケットAに本発明ツースが五枚装着されて地均し板Bとされた状態を示す斜視図であり、1は地均し板Bの中間部を形成するツースであり(以下、このツースを中間ツースと呼ぶ。)、1’は地均し板Bの両端を形成するツースである(以下、このツースを端部ツースと呼ぶ。)。
【0013】
各ツースには地均し板面を形成する平板部4と接合部材2が設けられており、バケットA前端に固着された支持部材7が接合部材2に嵌合してロックピンPによって固定されてバケットAに装着され、全体として地均し板Bが形成される。この嵌合固定された部位を支持接合部位という。
ツース1,1’には、平板部4のバケット側基端縁から延出してバケット前端底面に面接する被覆片3が設けられており、この被覆片3にバケット前端底面が面接してツースが支持される。この支持部位を面接支持部位という。
【0014】
図2は本実施例のツース1,1’がバケットAに装着されて地均し板Bとされた状態を示す要部の拡大平面図であり、ツース1、1’の平板部4の全幅から延出する被覆片3が設けられている。
【0015】
この構成により、各ツースは支持接合部位と面接支持部位の両部位でバケットに支持されることとなり、従来、支持接合部位のみで負担していた負荷を分散することができ、二つの異なる部位で支持することにより支持接合部位に対する捩じれ力を低減することができ、これら作用によりツースおよび支持部材の耐久性を向上することができるものである。
【0016】
また、この実施例においては平板部4の全幅にわたって設けられた被覆片3はバケットA端縁を被覆することとなるため、バケット端縁の地均し作業による磨耗を完全に防止することができる。
なお、被覆片3の幅はこの実施例に限るものではなく、例えば、ツースの両端近傍のみに設けることもできる。
【0017】
図3は、本実施例における支持接合部位の状態を示す側面図であり、バケットAの前端に溶接により固着された支持部材7の先端に対して接合部材2の凹部を嵌合して、支持部材7および接合部材2の双方に設けられている固定用孔にロックピンPを貫通することにより、ツース1がバケットAに固定装着される。
【0018】
図4は、面接支持部位の状態を示す図2におけるx−x線矢視断面図であり、平板部4のバケット側基端縁から直線的に延出する被覆片3にバケットA前端底面が隙間なく面接して面接部位を形成している。
なお、被覆片3の形状はこの実施例に限られるものではなく、例えば図5の断面図に示すように、平板部4がバケット端面に突合わさる形状とされ、その下部から被覆片3が延出してバケット端縁底面と面接する構造としてもよい。
【0019】
図6は、本実施例において平板部4の側縁部に設けられた段差5,5が互いに重なり合う状態を示す図2におけるy−y線矢視断面図であり、中間ツース1の一方の平板部4には上面に段差5が設けられ、他方の平板部4には下面に段差5が設けられて、隣接するツースの段差部分と互いに重なり合うものである。
この段差5は、平板部4の肉厚のほぼ半分を厚さを有したものであるため、地均し板として形成された場合に突出部分のない略面一の面を形成することができる。
【0020】
また、この段差が設けられていることにより、バケット側の支持部材の間隔がある程度変動しても隙間のない地均し板を形成することができる。
なお、端部ツースには隣接するツースは一つであるため、この段差は一方の側縁にのみ形成すればよい。
【0021】
実施の形態2
図7は、本発明ツースの他の実施例を示す要部拡大断面図であり、対応する同等の部分は、第一の実施例と同じ符号が付けられている。
図7において、6は平板部4のバケットA側基端縁に設けられた係合片であり、バケット端縁の上面に面接して、バケット下面に面接する被覆片3と相俟ってツースのバケットへの支持をより安定確実なものとするとともに、ツースの装着状態におけるぶれを規制して、地均し板の端縁の直線性を確保するためのものである。
【0022】
図8は、図7におけるz−z線矢視断面図であり、平板部4のバケット側基端縁の上面にバケットA端縁が隙間なく嵌まり込む間隔となるように係合片6が立設された状態を示すものである。
なお、本実施例において係合片6は、接合部材2の左右の平板部4,4のそれぞれの中央部分に被覆片3より狭幅に設けられているが、これに限るものではなく、例えば平板部4の側縁に設けてもよく、また被覆片3と同じく平板部4の全幅に設けられてもよい。
【0023】
図9は、被覆片3および係合片6が設けられる平板部4基端縁の他の形状を示す断面図であって、(ア)は平板部4とバケットA端縁が突合わせ位置となり、その上下に被覆片3と係合片6が延出立設されたものである。(イ)は、係合片6が平板部4と面一となり、被覆片3が下面から突出して延出した形状を有したものである。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上述したように、ツースがバケットに対して二つの部位で結合支持されるため、それぞれの部位における負荷を軽減でき、ツースおよびバケットの耐久性を向上することができる。
【0025】
また、バケットの端縁や支持部材の磨耗による変形を可及的に防止できるため、ツースの適正な装着状態を維持できるので、破損したツースを交換した後においても平面性のある地均し板が形成されて、地均し作業の質を高く保つことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のツースが装着されたバケットを示す斜視図である。
【図2】バケット前端にツースが装着されて地均し板が形成された状態を示す要部拡大平面図である。
【図3】バケットとツースの支持接合部位の状態を示す側面図である。
【図4】バケットとツースの面接支持部位を示す図2x−x線矢視断面図である。
【図5】面接支持部位の他の例を示す断面図である。
【図6】ツースが連設されて地均し板とされた状態を示す図2y−y線矢視断面図である。
【図7】他の実施例を示す要部拡大断面図である。
【図8】面接支持部位を示す図7におけるz−z線矢視断面図である。
【図9】他の面接支持部位を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中間ツース
1’ 端部ツース
2 接合部材
3 被覆片
4 平板部
5 段差
6 係合片
7 支持部材
A バケット
B 地均し板
Claims (3)
- 土木建設機械のパワーショベルに取付けられたバケットの前端に連設して装着される分割式平ツースであって、該ツースは前記バケット前端に固着された複数の支持部材にそれぞれ嵌合する接合部材を有し、かつ、該ツースの平板部のバケット側基端縁から延出してバケット前端底面に面接する被覆片が設けられていることを特徴とする分割式平ツース。
- 平板部のバケット側基端縁から延出する被覆片が設けられたツースにおいて、バケット前端上面に面接する係合片が平板部の上面側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の分割式平ツース。
- バケットに装着された状態において、隣接するツースの側縁が互いに重なり合うように、ツースの平板部の少なくとも一方の側縁部に段差が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の分割式平ツース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003117849A JP2004324132A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 分割式平ツース |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004324132A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110468903A (zh) * | 2019-08-28 | 2019-11-19 | 上海三一重机股份有限公司 | 铲斗结构及挖掘机 |
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003117849A patent/JP2004324132A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20220381003A1 (en) * | 2021-05-27 | 2022-12-01 | Caterpillar Inc. | Overlapping cutting edge tip system |
US11976439B2 (en) * | 2021-05-27 | 2024-05-07 | Caterpillar Inc. | Overlapping cutting edge tip system |
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