JP2004321573A - グルコース濃度測定装置 - Google Patents

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勲 青木
Masahiko Hamano
雅彦 浜野
Yasushi Takahashi
裕史 高橋
Yasuhiro Uehara
靖弘 上原
Wataru Ono
渉 大野
Kazuhiro Yoshida
和博 吉田
Kiyoshi Arifuku
潔 有福
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Abstract

【課題】非侵襲的なグルコース濃度測定において、測定条件の変動を抑えて、測定精度を向上する。
【解決手段】生体A表面に配置されて、生体A内に光を照射し、生体A内で拡散あるいは透過した光を生体A外部において検出する検出ヘッド7を備え、検出された光のスペクトルに基づいて生体A内のグルコース濃度を算出するグルコース濃度測定装置1であって、検出ヘッド7の近傍に、検出時の生体A表面の温度を調節する温度調節部8を備えるグルコース濃度測定装置1を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、グルコース濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、糖尿病の判断のために血中グルコース濃度測定が行われており、特に、糖尿病患者のインシュリン投与量を決定する血糖値を検査するために、グルコース濃度の測定が行われている。グルコース濃度の測定は、一般に、指や腕から採取した血液を直接分析することにより行われている。患者の体内における血液中のグルコース濃度は、食事の前後や運動後などの測定条件によって変化するため、正確な血糖値を得るためには、頻繁なグルコース濃度測定が必要である。しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法では、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、指、腕、耳朶などの生体組織に対し、外部から近赤外光を照射して生体内で拡散させ、生体外に出射された光を検出する非侵襲的なグルコース濃度測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1の方法は、複数本の発光ファイバと複数本の受光ファイバとを束ねて構成した光ファイババンドルを用意し、該光ファイババンドルを構成する各光ファイバの先端面を生体表面に接触状態に配置する。そして、複数の発光ファイバの先端面から近赤外光を照射することにより、生体内に入射させ、生体内において拡散されて生体表面から生体外に戻る光を複数の受光ファイバにおいて受光するとともに、受光された光のスペクトルを分析することによりグルコースの濃度を算出するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−131322号公報(図3等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一旦体内において拡散あるいは透過させられて体外に出射されることにより、受光ファイバに受光される光は、極めて微細であり、しかも、測定部位や生体表面の状態、あるいは、光ファイバと生体表面との関係等の測定条件によって変動しやすいという不都合がある。したがって、特許文献1に示される方法により、実際にグルコース濃度を測定しようとする場合には、これらの測定条件の変動等を考慮した測定装置が必要である。
【0006】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、測定条件の変動を抑えて、測定精度を向上し得るグルコース濃度測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、生体表面に配置されて、生体内に光を照射し、生体内で拡散あるいは透過した光を生体外部において検出する検出ヘッドを備え、検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を算出するグルコース濃度測定装置であって、前記検出ヘッドの近傍に、検出時の生体表面の温度を調節する温度調節部を備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
【0008】
この発明によれば、検出ヘッドを生体表面に配置して生体内に光を照射し、生体外部に発せられた散乱光または透過光を検出してグルコース濃度が求められる。この場合において、検出ヘッドの近傍に配置された温度調節部を作動させることにより、検出時に検出ヘッドが接触させられる生体表面の温度が調節される。したがって、温度条件に関して測定条件を一定に保持し、測定値の変動を防止して測定精度を向上することが可能となる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のグルコース濃度測定装置において、前記温度調節部が、前記検出ヘッドの周囲を取り囲む形状に形成されているグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、検出ヘッドの周囲を取り囲む形状、例えば、リング状の温度調節部により検出ヘッドの周囲を取り囲むので、検出ヘッドの周囲から検出ヘッドが接触させられている生体表面の温度を一定に調節することが可能となる。したがって、外気温が変動しても測定条件の変動を抑制することが可能となる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のグルコース濃度測定装置において、前記温度調節部が、温度調節された流体を内部に流通可能な流路形成部材により構成されているグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、流路形成部材に流通させられる温度調節された流体により、生体表面を温度調節される。流体を用いることにより、生体表面を広く覆えるので、生体表面を安定して温度調節することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のグルコース濃度測定装置において、前記流路形成部材が、弾性材料により構成されているグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、生体表面と流路形成部材の接触圧力に応じて流路形成部材を弾性変形させ、両者を密着させることが可能となる。その結果、流路形成部材内を流通する流体からの伝熱を効率的に行って、測定部位近傍の生体表面を精度よく所望の温度に調節することが可能となる。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のグルコース濃度測定装置において、前記温度調節部が、発熱体を備える発熱部材からなるグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、発熱体を備える発熱部材、例えば、電気ヒータにより、簡易に生体表面を温度調節することが可能となる。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項2から請求項5のいずれかに記載のグルコース濃度測定装置において、前記検出ヘッドが、前記生体表面に接触させられる先端面を備えるとともに、該先端面に直交する方向に移動可能に設けられ、該先端面が前記温度調節部の表面から突出する方向に、前記検出ヘッドを付勢する付勢手段を備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
【0014】
この発明によれば、検出ヘッドの先端面を生体表面に接触させると、先端面が生体表面によってその先端面に直交する方向に移動させられる。検出ヘッドは付勢手段によって温度調節部の表面から突出する方向に付勢されているので、その付勢力に抗して移動させられる結果、生体表面と検出ヘッドの先端面とが、所定範囲の接触圧力によって接触させられることになる。そして、検出ヘッドの先端面が、温度調節部の表面に概略一致する位置まで変位させられることにより、生体表面が温度調節部に接触させられ生体表面の温度調節が行われることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、被検者の前腕に光を照射して測定を行う装置であり、図1に示されるように、被検者の前腕Aを固定して検出を行う検出部2と、該検出部2に接続され、検出部2に光を供給し、検出部2において検出された光に基づいてグルコース濃度を演算する装置本体3(図2参照)とを備えている。
【0016】
前記検出部2は、図1に示されるように、被検者の前腕Aを載置するための載置台4と、該載置台4の一端に配置され、載置台4に載置された手によって把持されるグリップ5と、載置台4に載置された前腕を載置台4に固定する2本のベルト6と、これらベルト6の間に配置された検出ヘッド7と、該検出ヘッド7の周囲に配置されたリング状の温度調節部8とを備えている。
【0017】
前記載置台4は、手によってグリップ5を把持したときに、肘を載せることができる程度の長さ寸法を有しており、肘が接触する領域には、ゴムのような弾性材料からなるパッド9が配置されている。また、載置台4には、長さ方向に延びる2本の長孔10が形成されており、該長孔10内に、前記グリップ5を支持するグリップ支持部材11が移動可能に取り付けられている。
【0018】
グリップ支持部材11は、載置台4の上面に直立するように配置される部材であってネジ12(図3参照)のような固定手段により、長孔10の長さ方向の任意の位置に固定できるようになっている。すなわち、被検者は、ネジ12を緩めてグリップ支持部材11を長孔10に沿って移動させ、その前腕Aの長さに合わせた任意の位置でネジ12を締結することにより、グリップ5の位置を調節できるようになっている。なお、長孔10が載置台4の2カ所に設けられているのは、グリップ支持部材11を取り付ける長孔10を入れ替えることで、測定する腕として右腕または左腕を選択できるようにするためである。
【0019】
前記グリップ支持部材11には、載置台4に直立状態に取り付けられた状態で上下方向に延びる長孔13が設けられている。前記グリップ5は、ネジ14のような固定部材によってこの長孔に沿って上下方向に移動可能にグリップ支持部材11に取り付けられている。すなわち、被検者の前腕Aの太さや手の大きさに適した上下方向位置にグリップ5を配置できるようになっている。
【0020】
また、グリップ5は、該グリップ5をグリップ支持部材11に取り付ける取付部材15を備えている。グリップ5は、グリップ支持部材11に取り付けられた状態で取付部材に水平な軸線回りに揺動可能に取り付けられている(図2参照)。これにより、被検者がグリップ5を把持するときに、前腕Aに無理な力が加わらない安静な状態で把持できるように、グリップ5の角度を調節できるようになっている。
【0021】
前記ベルト6は、載置台4の中央に配置された検出ヘッド7を載置台4の長さ方向に挟む位置に2本配置されている。ベルト6が取り付けられている部分の載置台4には、ベルト6とともに前腕Aを取り囲んで、載置台4の長さ方向に交差する方向への前腕Aの移動を禁止する曲面を備えた台座部16が設けられている。台座部16には、前腕Aの表面形状に合わせて変形し、前腕Aの表面に密着させられるウレタンゴムシート17が接着されている。前記ベルト6は、図示しない長さ調節機構によって、被検者の前腕Aの太さに合わせて長さ調節できるようになっている。
【0022】
前記検出ヘッド7は、複数の発光ファイバ18(図6参照)と複数の受光ファイバ19(図6参照)とを束ねたファイババンドル20の端部を内部に固定した筒状部材21と、この筒状部材21をファイババンドル20とともに載置台4の上面から出没する方向に移動可能に支持する支持部材22とを備えている。筒状部材21の先端面7aには前記ファイババンドル20を構成する各光ファイバ18,19の端面が平坦に揃えられた状態で露出している。筒状部材21の先端面7aは、外力が作用しない自由状態においては、載置台4の上面から若干突出した状態に保持されている。
【0023】
ファイババンドル20は、図6に示されるように、各1本の発光ファイバ18を6本の受光ファイバ19によって取り囲むように、複数の発光ファイバ18および受光ファイバ19を配列することにより構成されている。各光ファイバ18,19の直径は、400μmであり、各光ファイバ18,19は、内径400μm、厚さ200μmのカラー23内に嵌合されている。そして、隣接する光ファイバ18,19を嵌合させた隣接するカラー23の外周面を接触状態に配置することにより、隣接する受光ファイバ18と発光ファイバ19との間隔寸法が0.8mmとなるように位置決めされている。
【0024】
また、これらの光ファイバ18,19およびカラー23は、四角筒状のフレーム24内に挿入された状態で、接着剤25により隙間なく相互に一体的に固定されている。これにより、発光ファイバ18から発せられ、生体内において拡散された光が0.8mmの間隔をあけた受光ファイバ19によって受光されるように構成され、生体の真皮領域において拡散された光を効率よく受光することができるようになっている。
【0025】
ファイババンドル20の接着剤25による一体的な固定は、光ファイバ18,19の先端部の所定長さ部分のみに限られ、他の部分は、接着剤25により固定されていない。これにより、接着されていない部分においては、光ファイバ18,19相互間にある程度の相対変位を許容して、配線時のファイババンドル20の曲げや、筒状部材21の変位に伴うファイババンドル20の変位の自由度が確保されている。
【0026】
前記カラー23は、例えば、ステンレス鋼のような、生体適合性の材料により製造されている。ステンレス鋼に代えて、チタン等任意の生体適合性材料により製造してもよい。また、接着剤25も生体適合性の材料により構成されている。なお、接着剤25に代えて、ハンダのような他の固定材あるいは充填材を用いてもよい。
【0027】
前記支持部材22は、前記載置台4の下部に固定されたブラケット26と、該ブラケット26に固定され、前記筒状部材21を上下方向に摺動自在に嵌合させた支持スリーブ27と、該支持スリーブ27の外面に半径方向外方に突出する下鍔部27aと前記筒状部材21の外面に半径方向外方に突出する上鍔部21aとの間に挟まれるコイルスプリング28(付勢手段)とを備えている。図中符号29は、コイルスプリング28内に配置され、コイルスプリング28を支持するロッドである。
【0028】
前記ブラケット26は、前記支持スリーブ27、コイルスプリング28、ロッド29等を覆う箱状に形成されている。前記ブラケット26には絶縁材料からなるリブ部材30を介して取付フランジ31が固定されている。これにより、ブラケット26と取付フランジ31とは、リブ部材30によって電気的に絶縁されている。取付フランジ31は、ボルト32等の任意の締結具により、後述する装置本体3に着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0029】
前記コイルスプリング28は、下鍔部27aに対して上鍔部21aを押し上げる方向に常に付勢している。これにより、検出ヘッド7の先端面7aが下方に押圧されると、ファイババンドル20を支持している筒状部材21が、支持スリーブ27内によって案内されながら、コイルスプリング28の付勢力に抗して押し下げられるようになっている。
【0030】
前記温度調節部8は、前記載置台4の上面とほぼ同等の位置に上面を有するリング状のチューブ33を備えている。チューブ33は、例えば、シリコーン樹脂のような弾性材料により構成されており、内部に密閉されたリング状の流路を形成している。チューブ33には、図7に示されるように、内部に流体、例えば、温水を流通させるように、流入口34と流出口35に配管36,37が接続されており、検出部2の外部に配置された温水制御装置(図示略)に接続されている。温水制御装置においては、チューブ33内を流通する温水の流量、圧力、温度が自動調節されるようになっている。特に、温水の温度は、所定の温度範囲、例えば、20℃〜40℃の範囲の一定値に温度調節されるようになっている。
【0031】
また、温水調節装置は、図8に示されるように、前記チューブ33の上面が上に凸に膨らむように、温水の圧力および流量を調節するようになっている。これにより、温水調節装置により流量、圧力、温度が調節された温水がチューブ33内に流入させられると、温度調節部8を構成するチューブ33が検出ヘッド7の周囲に隆起させられるようになっている。
【0032】
前記装置本体3は、ハロゲンランプからなる光源(図示略)と、該光源から発せられた光を分光して近赤外光を発光ファイバ18に入射させる一方、受光ファイバ19に入力された光を検出するセンサを備える光学装置(図示略)と、検出された光のスペクトルに基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1.5μm近傍の領域における検出信号からグルコース濃度を演算する演算回路(図示略)と、演算結果を表示するディスプレイ(図示略)とを備えている。光源から発せられた光から近赤外光を分光する手段としては、例えば、音響光学可変波長フィルタ(AOTF:Acoust−Optic Tunable Filter)が用いられる。また、センサは、例えば、PbSセンサである。
装置本体3には、前記検出部2の取付フランジ31を取り付けるために、取付フランジ31のボルト孔31aと同じ取り合いでネジ孔(図示略)が設けられている。
【0033】
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いてグルコース濃度を測定するのに先だって、測定のための準備を行う。測定準備は、まず、温水制御装置を作動させ、所定の温度に制御された温水を、温度調節部8を構成する検出部2のチューブ33内に流通させる。チューブ33は温水の圧力に応じて膨張しその上面を隆起させられる。
【0034】
この状態で、被検者の前腕A(図1では右手)を載置台4に載置し、手でグリップ5を把持させる。グリップ5は、グリップ支持部材11を載置台4上で移動させることにより、被検者の肘が載置台4のパッド9上に配置される位置に調節される。また、グリップを取付部材15に対して水平軸線回りに揺動させることにより、被検者が前腕Aに無理な力を入れることなく測定できる長さ方向の位置に前腕Aが位置決めされる。
【0035】
次いで、被検者が前腕Aを下降させると、前腕Aのほぼ中央部に、検出ヘッド7の先端面7aが接触し、該検出ヘッド7の周囲に配置されているチューブ33の上面が接触する。そして、さらに前腕Aを下降させると、コイルスプリング28の付勢力に抗して検出ヘッド7のファイババンドル20を支持している筒状部材21が下降させられる。これにより、検出ヘッド7は、コイルスプリング28の付勢力により、その先端面7aを一定の接触圧力によって接触させられる。
【0036】
また、前腕Aが下降されると、温水の圧力により膨らんでいるチューブ33の上面が前腕Aの表面に倣うように弾性変形させられる。これにより、チューブ33の上面が前腕Aの表面に広い面積で密着させられる。そして、被検者の肘が載置台4のパッド9上に接触するまで前腕Aを下降させることにより、前腕Aが載置台4上の台座部16に保持される。この状態でベルト6を締めることによって、検出ヘッド7に対して前腕Aが長さ方向とその交差方向に移動しないように位置決めされる。このとき、台座部16に設けられたウレタンゴムシート17が前腕Aの表面形状に合わせて変形することにより、被検者の前腕Aが広い面積でしっかりと保持されることになる。
これにより、グルコース濃度を測定するための準備が完了する。
【0037】
次に、グルコース濃度を測定する場合には、光源を作動させ、光学装置において光源からの光から近赤外光を分光し、発光ファイバ18に入射させる。発光ファイバ18の端面は、被検者の前腕Aの表面に密着しているので、発光ファイバ18の端面から発せられた近赤外光は、前腕Aの表面から生体内に入射させられる。そして、生体内において散乱された光が前腕Aの表面に戻って受光ファイバ19に入射される。
【0038】
発光ファイバ18と受光ファイバ19との間隔は、ステンレス製のカラー23によって芯間で0.8mmに設定されているので、発光ファイバ18から発せられて生体内に入射した近赤外光の内、真皮領域まで達したものが効率的に受光ファイバ19によって受光される。したがって、受光された光には真皮領域に存在している体液内のグルコース濃度の情報が多く含まれていることになる。受光ファイバ19に受光された近赤外光は、受光ファイバ19を通じて光学装置に戻り、光学装置に配置されているセンサによって検出される。
そして、装置本体3の演算回路によって、検出された光のスペクトルに基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1.5μm近傍の領域における検出信号からグルコース濃度が演算され、ディスプレイに表示される。
【0039】
この場合において、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、検出ヘッド7の先端面7aが密着させられている前腕Aの表面が、温度調節部8の作動により、所定の温度に調節される。その結果、外気温が変化しても、温度に関する測定条件を一定に維持することができる。
【0040】
特に、温度調節部8が検出ヘッド7の周囲を取り囲むリング状に形成されているので、検出ヘッド7の先端面7aが接触する前腕A表面部分を周囲から十分に加温することができる。また、温度調節部8を構成するチューブ33が前腕A表面との接触により弾性変形させられて前腕A表面に広い面積で密着するので、温水からの伝熱が効率的に行われ、前腕A表面の温度を安定して維持することが可能となる。また、熱容量の比較的大きな温水により前腕A表面の温度調節が行われるので、温度変動が抑制され、安定した測定を行うことができる。
【0041】
さらに、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、検出ヘッド7の先端面7aがコイルスプリング28の付勢力によって一定の接触圧力で前腕Aの表面に接触させられる。したがって、検出ヘッド7と前腕A表面との間の接触状態の変化による測定値の変動を防止することができる。
【0042】
また、被検者の前腕Aを載置台4に固定するので、一旦調節された位置にグリップ5を固定しておけば、複数回にわたって測定する場合においても、被検者の前腕Aのほぼ同一位置を検出ヘッド7の先端面7aに接触させることができる。これにより、測定の再現性を高めることができる。
また、被験者の前腕Aに合わせてグリップ5の角度および位置を調節でき、また、載置台4に設けたパッド9に肘をおくことができるので、測定に際して被験者にかかる負担が軽減される。したがって、長時間にわたる測定も無理なく行うことができる。
【0043】
特に、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、載置台4が装置本体3から取り外し可能に設けられているので、装置本体3以外の構造物に同じ取り合いのネジ孔を設けておくことにより、その測定場所を任意に選択することができる。例えば、図9に示されるように、ベッド38の側壁に載置台4を固定すれば、被験者が寝たままの状態で測定を行うことが可能となる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態に係るグルコース濃度測定装置1に限定されるものではなく、以下の種々の形態を採用することが可能である。
すなわち、まず第1に、温度調節部8として、温度調節された温水を流動させるチューブ33を採用したが、これに代えて、図10に示されるように、リング板状の電気ヒータ(発熱部材)39を載置台4上の検出ヘッド7の周囲に配置することにしてもよい。電気ヒータ39に代えて、化学反応により発熱する発熱体を内部に有するものでもよい。
また、図11および図12に示されるように、前腕Aに巻き付けられるように装着される圧迫帯(カフ)のような流路形成部材40を採用してもよい。このようにすることで、測定部位の近傍における前腕Aの周囲に温水W等を流動させて、前腕Aを全周から温度調節することが可能となる。
【0045】
また、温度調節部8に流動させる流体として、温水を用いたが、これに代えて、温風を流動させることにしてもよい。この場合に、図13に示されるように、載置台4の上の検出ヘッド7を取り囲む位置に、前腕Aを貫通配置させる恒温室41を設け、該恒温室41内に温風Pを流通させることにすればよい。図中、符号42は、前腕Aの周囲に密着させられて恒温室41内を密封するためのシール部材である。また、図14に示されるように、載置台4の検出ヘッド7の周囲に温風噴射口43を設けて、検出ヘッド7の周囲から温風Pを吹き付けることにより前腕A表面を加温することにしてもよい。
【0046】
また、載置台4をボルト32によって装置本体3に着脱可能に取り付けることとしたが、これに代えて、図15に示されるように、装置本体3に設けた断面T字状のレール44と、載置台4側に設けたクランプ45とから着脱機構を構成し、クランプ45によってレール44を把持することにより、載置台4を装置本体3に着脱可能に取り付けてもよい。また、レール44をベッド38等の他の構造物に設けておくことにより、測定場所を容易に変更することができる。図15中、符号46は、クランプ45を開閉するための締結ネジである。
また、載置台4を装置本体3から取り外して自由に持ち運びできるように、ファイババンドル20は、図16に示すようなコネクタ47によって接続可能にしておくにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、被験者の前腕Aの表面に接触するカラー23を生体適合性の材料であるステンレス製にしたが、これに代えて、図17に示されるように、カラー23に勘合させた各光ファイバ18,19の先端部をカラー23の端面23aから突出させてもよい。この場合に、光ファイバ18,19の先端部どうしの隙間には生体適合性の接着剤25等の充填材を充填することにより、カラー23の端面23aが検出ヘッド7の先端面7aに露出しないようにするのが好ましい。これにより、カラー23が被験者の前腕Aの表面に接触しなくてすむので、カラー23を任意の材質により構成することができる。
【0048】
また、各光ファイバ18,19の先端部に取り付けたカラー23を相互に接触させることにより光ファイバ18,19どうしを位置決めしたが、図18に示されるように、光ファイバ18,19を貫通可能な複数の貫通孔48を有する多穴プレート49,50を間隔をあけて配置し、両多穴プレート49,50に貫通させることで光ファイバ18,19どうしを位置決めし、接着剤25により接着してもよい。これにより、多穴プレート49,50間において光ファイバ18,19を平行状態に保持し、光の入射方向を精度よく揃えることが可能となる。
【0049】
また、上記実施形態においては、載置台4をブラケット26、リブ部材30および取付フランジ31を介して装置本体3に固定することとしたが、これに代えて、装置本体3には支持台51を固定し、載置台4は、支持台51に対して傾斜角度を変更可能に支持されていてもよい。例えば、図19に示されるように、支持台51と載置台4との間にボールジョイント52のような連結部材を配置し、かつ、支持台51と載置台4との間に、ゴム、空気袋のような弾性体53を挟んでおくことにしてもよい。
【0050】
これにより、載置台4は、ボールジョイント52のボールの中心点を中心として任意の方向に傾斜可能となり、その際に、弾性体53を収縮させることにより、急激な角度変化を生じないようにすることができる。
したがって、前腕Aを載置台4に固定される被検者が、載置台4を傾斜させることで、測定時の姿勢を自由に変更でき、測定中に被検者に加わる負担をさらに軽減することが可能となる。
【0051】
また、上記実施形態においては、被験者がグリップ5を把持し、ベルト6で固定することにより、測定部位である前腕Aを検出ヘッド7に対して位置決めしたが、さらに、前腕Aの測定部位に、図20に示されるようなリング状部材54を貼り付けてもよい。リング状部材54は、前記検出ヘッド7の筒状部材21の外径寸法より若干大きな内径寸法の嵌合孔55を備えている。そして、検出ヘッド7の筒状部材21の先端を嵌合孔55内に嵌合させることで、前腕Aの測定部位と検出ヘッド7とをさらに精度よく位置決めすることができる。また、図20に示されるように、リング状部材54に熱伝対のような温度センサ56を設けておき、検出される温度に基づいて、温度調節部8の温度調節を行うことにしてもよい。なお、前腕Aの表面にテープ57等で貼り付けられるリング状部材54に代えて、図21に示されるように、同様の嵌合孔55を有し前腕Aに嵌められる腕輪58のように構成してもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るグルコース濃度測定装置によれば、検出ヘッドの周囲に設けた温度調節部の作動により、検出時に検出ヘッドが接触させられる生体表面の温度を調節するので、温度条件に関して測定条件を一定に保持し、測定値の変動を防止して、測定精度を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置を示す斜視図である。
【図2】図1のグルコース濃度測定装置の検出部を示す正面図である。
【図3】図1のグルコース濃度測定装置の検出部を示す側面図である。
【図4】図1のグルコース濃度測定装置の検出部を示す正面方向からみた縦断面図である。
【図5】図1のグルコース濃度測定装置の検出部を示す側面方向からみた縦断面図である。
【図6】図1のグルコース濃度測定装置の検出ヘッドの先端に配置される光ファイバの配列を示す斜視図である。
【図7】図1のグルコース濃度測定装置の温度調節部であるチューブの温水の流れを示す模式図である。
【図8】図7の温度調節部を示す縦断面図である。
【図9】図1のグルコース濃度測定装置の検出部をベッドに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図10】温度調節部の変形例を示す縦断面図である。
【図11】温度調節部の他の変形例を示す平面図である。
【図12】図11の温度調節部を示す横断面図である。
【図13】温度調節部の他の変形例を示す縦断面図である。
【図14】温度調節部の他の変形例を示す縦断面図である。
【図15】検出部の装置本体への取付構造の変形例を示す斜視図である。
【図16】ファイババンドルの接続の変形例を示す斜視図である。
【図17】図1のグルコース濃度測定装置の検出ヘッドの先端部におけるカラーの配置の変形例を示す縦断面図である。
【図18】図1のグルコース濃度測定装置の検出ヘッドの先端部における光ファイバの固定方法の変形例を示す斜視図である。
【図19】図1のグルコース濃度測定装置の検出部の傾動構造の一例を示す縦断面図である。
【図20】図1のグルコース濃度測定装置の検出ヘッドに嵌め合わされるリング状部材を前腕に取り付けた状態を示す平面図である。
【図21】図1のグルコース濃度測定装置の検出ヘッドに嵌め合わされる腕輪を前腕に取り付けた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 グルコース濃度測定装置
7 検出ヘッド
7a 先端面
8 温度調節部
28 コイルスプリング(付勢手段)
33 チューブ(流路形成部材)
39 電気ヒータ(発熱部材)
41 恒温室(流路形成部材)
A 前腕(生体)
S 温水(流体)
P 温風(流体)

Claims (6)

  1. 生体表面に配置されて、生体内に光を照射し、生体内で拡散あるいは透過した光を生体外部において検出する検出ヘッドを備え、検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を算出するグルコース濃度測定装置であって、
    前記検出ヘッドの近傍に、検出時の生体表面の温度を調節する温度調節部を備えるグルコース濃度測定装置。
  2. 前記温度調節部が、前記検出ヘッドの周囲を取り囲む形状に形成されている請求項1に記載のグルコース濃度測定装置。
  3. 前記温度調節部が、温度調節された流体を内部に流通可能な流路形成部材により構成されている請求項1または請求項2に記載のグルコース濃度測定装置。
  4. 前記流路形成部材が、弾性材料により構成されている請求項3に記載のグルコース濃度測定装置。
  5. 前記温度調節部が、発熱体を備える発熱部材からなる請求項1または請求項2に記載のグルコース濃度測定装置。
  6. 前記検出ヘッドが、前記生体表面に接触させられる先端面を備えるとともに、該先端面に直交する方向に移動可能に設けられ、
    該先端面が前記温度調節部の表面から突出する方向に、前記検出ヘッドを付勢する付勢手段を備える請求項2から請求項5のいずれかに記載のグルコース濃度測定装置。
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