JP2004321412A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となる旨を、遊技者が気づき易いように、意外性を伴って事前に報知する遊技機を提供する。
【解決手段】複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示を、他に遅れて停止させる。複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、特定の識別情報の組合せが表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様と、特定の識別情報の組合せが表示されないように可変表示する第2の可変表示態様とがある。事前判定手段(S54〜S58、S64〜S66、S124a〜S131a、S124b〜S131b)によって可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択して(S132〜S137,S71〜S77)可変表示を実行する。
【選択図】 図17
【解決手段】複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示を、他に遅れて停止させる。複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、特定の識別情報の組合せが表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様と、特定の識別情報の組合せが表示されないように可変表示する第2の可変表示態様とがある。事前判定手段(S54〜S58、S64〜S66、S124a〜S131a、S124b〜S131b)によって可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択して(S132〜S137,S71〜S77)可変表示を実行する。
【選択図】 図17
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を可変表示する可変表示手段を含み、可変表示が停止したときの表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、複数種類の識別情報(例えば「1」〜「9」の数字)が可変表示(又は変動表示)される等により表示状態が変化する可変表示手段が設けられ、可変表示の停止時に識別情報の組合せを表示結果として導出表示し、その表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(例えば777)となった場合に所定の遊技価値が付与可能となるように構成されたものがあった。
【0003】
この種の遊技機において、可変表示の最中であって、表示結果が未だに導出表示されていない段階でも、その可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せになることを遊技者が事前に知ることができれば、遊技者は大きな期待をもって表示結果の導出を待つことができ、遊技の興趣が高まる。
【0004】
そのため、表示結果が未だに導出表示されていない段階に、その可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せになることを遊技者に事前に報知するため、すなわち予告報知をするために、特殊な態様の可変表示を可変表示手段で実行させる技術が従来から知られている(例えば特許文献1)。このように、予告報知を可変表示手段における特殊な態様の可変表示で実行すれば、遊技者は可変表示の様子を特別に注視していれば、その予告報知に気づくことができるため、遊技者が予告報知に気づかないまま遊技を進行してしまうという不都合を、ある程度は回避することができた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−304313号公報(第6頁、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、予告報知の態様自体が、遊技者が気づき難い態様であったり、予告報知が可変表示の行われている全体の時間に対して短すぎたりすると、遊技者が予告報知に気づかないまま遊技を進行してしまうという虞があった。
【0007】
また、遊技者が高い集中力をもって可変表示を注視するのは、可変表示が停止しようとする時期からである。なぜなら、遊技者にとって有利となるか否かは可変表示の停止結果で決せられるため、遊技者は可変表示が開始して間もない時期よりも、可変表示が停止しようとする時期から緊張感をもって可変表示の様子を見るようになるからである。すなわち、可変表示が開始して間もない時期には、遊技者が高い集中力を持って可変表示の様子を注視していることは多くはないため、この時期だけに予告報知を行ったとしても、遊技者が予告報知に気づかないまま遊技を進行してしまうという虞があった。
【0008】
また、予告報知の態様が遊技者に必ずしも関心を抱かせるような態様でない場合や、単調な場合等には、予告報知の意外性に欠け、遊技の興趣を低下させる虞があった。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、その目的は、可変表示手段の表示結果が特定の表示態様となる旨を、遊技者が気づき易いように事前に報知するとともに、意外性のある報知を行うようにする遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の遊技機は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する複数の可変表示領域を有する可変表示手段を備え、予め定められている始動条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示を開始し、前記複数の可変表示領域における可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に対する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする事前判定手段と、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示の表示態様を複数の可変表示態様のうちから選択する可変表示態様選択手段と、前記可変表示態様選択手段によって選択された可変表示態様を用いた可変表示を実行するとともに、前記複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の前記可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させる可変表示制御手段と、を備え、前記複数の可変表示態様は、前記識別情報の可変表示を開始した後、前記複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、当該可変表示の開始前の可変表示の表示結果に関係なく、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様と、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されないように可変表示する第2の可変表示態様と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0011】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる旨の予告報知を、遊技者が可変表示に注目しているときに行うことができ、遊技者が予告報知に気づき易くなる。しかも、特定遊技状態が発生する条件となる特定の識別情報の組合せと同様の表示を用いた報知を行うため、遊技者にとって興味深い、意外性のある予告報知を実行することができる。
【0012】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定をしたときに、可変表示の表示態様としてリーチが実行されるか否かを判定し、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によってリーチが実行される旨の判定がされたときに、所定の割合で前記第1の可変表示態様を選択するリーチ時選択手段を含むことを特徴とする。
【0013】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるとき以外にも、リーチの可変表示を実行する場合に、第1の可変表示態様による可変表示を実行することができるので、遊技者の期待感を向上させることができ、また、リーチの可変表示を実行する可能性があることを報知することができる。
【0014】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特定選択手段を含むことを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができ、期待感を持続させることができる。
【0016】
請求項4に記載の遊技機は、請求項3に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特別選択手段を含み、前記特定選択手段は、前記特別選択手段よりも高い割合で前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0017】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとならないときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができる。
【0018】
請求項5に記載の遊技機は、請求項4に記載の遊技機において、前記第1の可変表示態様は、前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が予め定められた数である第1同期表示態様と、該第1同期表示態様に比べて前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が少ない第2同期表示態様と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記特定選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときに、前記特別選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときよりも高い割合で前記第1同期表示態様を選択することを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、予告報知を様々な態様で行うことができ、予告報知により意外性を持たせることができ、遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0020】
請求項6に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つに記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様以外の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには前記可変表示領域において所定の順序で前記識別情報を可変表示するとともに、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには少なくとも1つの前記可変表示領域において前記所定の順序と異なる順序で前記識別情報を可変表示する差替え制御を実行することを特徴とする。
【0021】
このように構成することで、容易な制御で第1の可変表示態様による可変表示を実行させることができる。
【0022】
請求項7に記載の遊技機は、請求項6に記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには、当該可変表示を開始するときに前記差替え制御を実行することを特徴とする。
【0023】
このように構成することで、第1の可変表示態様で可変表示を行うことができる期間を長く確保できるので、遊技者が予告報知に気づき易くなり、意外性をより向上できる。
【0024】
請求項8に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項7のうちいずれか1つに記載の遊技機において、前記始動条件が成立したが前記開始条件が成立していない始動条件の成立を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を備え、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする保留判定手段を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記保留判定手段によって前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、当該判定された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の可変表示において前記第1の可変表示態様を選択する連続選択制御を実行する連続選択制御手段を含むことを特徴とする。
【0025】
このように構成することで、複数回の可変表示に亘って連続的に第1の可変表示態様による可変表示を行うことができるので、予告報知が実行されていることが分かりやすくなるとともに、遊技者の期待感をより向上させることができる。
【0026】
請求項9に記載の遊技機は、請求項8に記載の遊技機において、前記連続選択制御手段による連続選択制御の実行中は、前記保留判定手段による判定を規制する規制手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
このように構成することで、複数回の可変表示に亘って連続的に予告報知が実行されるときに、遊技機を制御する負担が軽減できる。
【0028】
請求項10に記載の遊技機は、請求項8又は請求項9に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立する度に、当該開始条件の成立に基づいて実行する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする開始時判定手段を含み、該開始時判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定と、前記保留判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定とを共通のプログラムモジュールで実行することを特徴とする。
【0029】
このように構成することで、表示結果を確実に判定できるとともに、遊技機で用いられる制御プログラムを簡略化してプログラムの量を増大させることがない。また、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定を行うプログラムの内容を、容易に変更することができるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施例においては遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機やスロットマシン等でもよく、識別情報を可変表示領域において次々に切替えて表示することで複数種類の識別情報の可変表示を行う可変表示手段を含み、可変表示が停止したときに可変表示領域に表示される表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなった場合に遊技者にとって有利な状態となる遊技機であればすべて対象となる。また、以下に説明する部材、配置等の構成は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って改変することができることは勿論である。
【0031】
まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0032】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0033】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0034】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示領域9a,9b,9cを含む可変表示手段としての可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」,「中」,「右」の3つの可変表示領域9a,9b,9cが設けられている。可変表示領域9a,9b,9cでは、識別情報としての「図柄」が可変表示される。可変表示装置9の可変表示領域9a,9b,9cで可変表示される図柄を「特別図柄」と呼ぶ。本実施の形態では、可変表示装置9における特別図柄等の表示を液晶表示で行う。なお、可変表示装置9における特別図柄等の表示を液晶表示で行う代わりに、セグメント表示器、LEDドットマトリックス表示器、CRT、有機EL,PDP等の各種表示器によって表示してもよい。
【0035】
なお、可変表示領域9a,9b,9cは固定的な領域であってもよいが、遊技進行中に、可変表示装置9の表示領域において移動するものであったり、大きさが変化するものであったりしてもよい。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から赤色表示に変化させる)ことによって始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
【0036】
なお、可変表示領域と始動記憶表示エリア18とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリア18を可変表示領域の一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリア18を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
【0037】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0038】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。大入賞口には、V入賞領域が形成されている。V入賞領域から遊技盤6の背面に導かれた入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切替えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0039】
ゲート32に遊技球が入賞してゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器(普通可変表示部)10において可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10で可変表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶ。普通図柄表示器10において可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
【0040】
この実施の形態では、普通図柄表示器10における左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数(後述のランダム6)の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示が停止したときの表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0041】
さらに、パチンコ遊技機1が特別遊技状態としての高確率状態にあると、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、高確率状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0042】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
【0043】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0044】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0045】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を開始する。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0046】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。可変表示が停止した時に可変表示装置9の可変表示領域9a,9b,9cに表示された表示結果が特定の図柄(識別情報)の組合せとなると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。本実施の形態では、可変表示が停止した時に表示された特別図柄の組合せが、3つの可変表示領域9a,9b,9cで全て一致する大当り図柄の組合せ(例えば111や、777)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞してV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0047】
可変表示が停止した時の可変表示装置9における特別図柄(停止図柄)の組合せが予め定められた確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確変図柄の組合せ;例えば777)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。高確率状態以外の状態を低確率状態と呼ぶ。
【0048】
なお、本実施の形態では、特別図柄の可変表示は、左の可変表示領域9a、右の可変表示領域9c、中の可変表示領域9bの順に停止するものであり、所謂「リーチ」という状態も形成される。
【0049】
本実施の形態におけるリーチとは、停止した特別図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示が行われている状態、一部の可変表示領域において図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。
【0050】
具体的には、予め定められた複数の可変表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の可変表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに、未だ停止していない有効ライン上の可変表示領域において可変表示が行われている状態(例えば可変表示領域9a,9b,9cのうち左,右の可変表示領域9a,9cには大当り図柄の組合せの一部となる図柄(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の可変表示領域9bでは未だ可変表示が行われている状態)、有効ライン上の可変表示領域の一部の図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば左,中,右の可変表示領域の全てで可変表示が行われて、どの状態が表示されても、左,右の可変表示領域で同一の図柄が表示され、中の可変表示領域で左,右の可変表示領域と異なる図柄が表示されている状態)である。
【0051】
またリーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。
またリーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0052】
本実施の形態では、可変表示装置9に表示結果として大当り図柄の組合せが表示されるときには、大当り図柄の組合せが表示結果として導出される可能性があることを、リーチの可変表示が実行されるときには、リーチの可変表示が実行される可能性があることを、所定の割合で遊技者に「予告」する。本実施の形態における「予告」は、特別図柄の表示表示結果が大当り図柄となる当該可変表示、又はそれより前の可変表示において、特殊な態様で可変表示することで実行される。
【0053】
すなわち、特別図柄の可変表示の態様である可変表示態様(「変動パターン」という)が、ある特殊な態様(後述の「予告A」,「予告B」,「予告C」)となることで、遊技者は大当り遊技状態の発生を期待することになる。なお、本実施の形態では「予告」は、あくまでも大当り図柄の組合せが表示結果として導出される可能性、又はリーチの可変表示が実行される可能性があることを示すに過ぎず、「予告」が実行されても、大当り図柄の組合せが表示結果として導出されない場合や、リーチの可変表示が実行されない場合もある。
【0054】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、ランプドライバ基板35、および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切替えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
【0055】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0056】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0057】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラムや各種のテーブル等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がROMに格納されたプログラムに従ってRAM等の周辺回路を用いながら情報処理を行い各種機器,遊技の状態などの制御を実行することである。
【0058】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0059】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、可変表示装置9の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。演出制御用CPU101は、それらの発光体の制御も行う。
【0060】
ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、遊技機に演出手段としての可動部材が設置されている場合には、可動部材を駆動するためのモータやソレノイド等の演出用駆動手段61を駆動するための駆動信号も、ランプドライバ基板35において作成される。
【0061】
さらに、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御、スピーカ27からの音声出力の制御も行う。
【0062】
図4は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104およびLCD駆動回路106を介してLCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行うとともに、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。以下、演出制御用CPU101が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、演出制御用CPU101がROMに格納されたプログラムに従ってRAM等の周辺回路を用いながら情報処理を行い各種機器の制御を実行することである。
【0063】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介してスピーカ27に対して音声信号を出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
【0064】
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。そして、演出用駆動手段61を駆動する信号は、駆動回路356で増幅され各ランプに供給される。
【0065】
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101を含む演出制御用CPU101によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10、スピーカ27およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10、スピーカ27およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う場合に、演出制御基板80を新たな機種のものに交換すれば、ランプドライバ基板35を交換せずに機種変更を実現することができる。
【0066】
なお、演出制御基板80とランプドライバ基板35は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。演出用の可動部材等が存在しない場合には駆動回路356は設けられなくてもよいが、機種変更を行う場合に、演出用の可動部材等が設置された場合を考慮すると、演出用の可動部材等が存在しない場合にも設けられていることが好ましい。
【0067】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定(ステップS1)を行う。
【0068】
初期設定(ステップS1)では、割込に関する設定、RAMクリア等の初期化処理を行う。また、初期設定では、電力供給が復旧したときのRAM55のデータチェック処理等や、各種設定も行う。なお、本実施形態では、この初期設定で、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかる設定が行われる。
【0069】
初期設定(ステップS1)が完了すると、表示用乱数更新処理(ステップS3)および初期値用乱数更新処理(ステップS4)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。ここで、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、後述の「ランダム2−1」,「ランダム2−2」,「ランダム2−3」,「ランダム4」,「ランダム5」が相当する。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。ここで、初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数であり、後述の「ランダム7」,「ランダム8」が相当する。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0070】
CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS2)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS5)。これは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理とステップS3,ステップS4とが競合するのを避けるためである。
【0071】
図6は、タイマ割込で、主基板31におけるCPU56が実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。なお、ステップS21以降の処理を開始する前に、CPU56は、電力供給が停止したかを確認して、電力供給が停止したときには、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータをRAM55(バックアップRAM領域)に保存する処理を行う。ステップS21以降の処理では、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0072】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理として判定用乱数更新処理を行う(ステップS22)。ここで、判定用乱数とは、大当りとするか否か等を決定するための乱数や、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、本実施の形態では、後述の「ランダム1」,「ランダム3」,「ランダム6」,「ランダム9」が相当する。
【0073】
CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理として初期値用乱数更新処理(ステップS23)、および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理として表示用乱数更新処理(ステップS24)を行う。
【0074】
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。ランダム1〜ランダム9までの各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)。
(2)ランダム2(ランダム2−1,ランダム2−3,ランダム2−2):可変表示が停止したときの可変表示領域9a,9b,9cにおける特別図柄の図柄を決定する(特別図柄決定用)。
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)。
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)。
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチの可変表示を実行するか否かを決定する(リーチ判定用)。
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)。
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)。
(9)ランダム9:「予告」を実行するか否かを決定する(予告判定用)。
【0075】
表示用乱数更新処理(ステップS3,ステップS24)、初期値用乱数更新処理(ステップS4,ステップS23)、判定用乱数更新処理(ステップS22)で、CPU56は各乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(加算)を行う。具体的には、判定用乱数更新処理(ステップS22)が行われることでランダム1,ランダム3,ランダム6,ランダム9を生成するためのカウンタが、初期値用乱数更新処理(ステップS23)が行われることでランダム7,ランダム8を生成するためのカウンタが、表示用乱数更新処理(ステップS24)が行われることでランダム2−1,ランダム2−2,ランダム2−3,ランダム4,ランダム5を生成するためのカウンタが、2ms毎に「1」ずつ加算される。
【0076】
また、表示用乱数更新処理(ステップS3)、初期値用乱数更新処理(ステップS4)が行われることでも、ランダム2−1,ランダム4,ランダム5,ランダム7,ランダム8を生成するためのカウンタが、ランダム2−1の桁上げごとにランダム2−2を生成するためのカウンタが、ランダム2−2の桁上げごとにランダム2−3を生成するためのカウンタが、「1」ずつ加算される。
【0077】
図6のステップS24に続いて、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグの値に応じた処理が選び出されて実行される。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。ステップS25に続いて、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0078】
ステップS26に続いて、CPU56は、特別図柄に関して演出制御基板80に対して送信することが決定されている演出制御コマンドを、演出制御基板80に対して送信する処理として、特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS27)。なお、演出制御基板80に送信する各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されていて、CPU56はポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドを送信する。ステップS27に続いて、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理として普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。
【0079】
さらに、CPU56は、ステップS28に続いて、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理として情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0080】
また、CPU56は、ステップS29に続いて、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う処理として賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0081】
そして、CPU56は、ステップS30に続いて、始動入賞記憶数の増減をチェックする処理として記憶処理を実行する(ステップS31)。さらに、その後、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を送ることで、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球の経路を切替えたりするためにソレノイド16,21,21Aを駆動したりする。そして、レジスタの内容を復帰させて、割込許可状態に設定する。
【0082】
以上の遊技制御処理は、この実施の形態では2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0083】
図8は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生して、本発明の始動条件が成立すると(ステップS311;Yes)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。なお、電源投入後の初期の特別図柄プロセスフラグは、特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値になっている。
【0084】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示が開始できる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値となっている状態)になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か、予告を実行するか否かを決定する。そして、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示す値に更新する。
【0085】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):可変表示領域9a,可変表示領域9b,可変表示領域9cにおける可変表示後の停止図柄(以下「左停止図柄」,「中停止図柄」,「右停止図柄」という)を決定する。また、演出制御基板80に対して送信するための、左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を指定する演出制御コマンドを決定する。そして、特別図柄プロセスフラグを、変動パターン設定処理(ステップS302)を示す値に更新する。
【0086】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。また、演出制御基板80に対して送信するための、変動態様(変動パターン)を指定する演出制御コマンドを決定する。そして、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄変動処理(ステップS303)を示す値に更新する。
【0087】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄停止処理(ステップS304)を示す値に更新する。
【0088】
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、可変表示を停止する演出制御コマンドを演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドとして決定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放開始処理(ステップS305)を示す値に更新する。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値に更新する。
【0089】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放中処理(ステップS306)を示す値に更新する。
【0090】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、特別図柄プロセスフラグを、特定領域有効時間処理(ステップS307)を示す値に更新する。
【0091】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態が継続する条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放開始処理(ステップS305)を示す値に更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態が継続する条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセスフラグを、大当り終了処理(ステップS308)を示す値に更新する。
【0092】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU101に行わせるための制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値に更新する。
【0093】
図9,図10は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図9において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(可変表示を行う期間)を示す。
【0094】
図10に示すように、本実施の形態では、特別図柄の変動パターンは、「通常変動」,「予告A」,「予告B」,「予告C」の4種類に分類される。「通常変動」は、本発明の第2の可変表示態様に相当し、「予告A」,「予告B」,「予告C」は、本発明の第1の可変表示態様に相当する。また、「予告C」が本発明の第1同期表示態様に相当し、「予告A」が本発明の第2同期表示態様に相当する。
【0095】
図10の(D)は、本実施の形態における「通常変動」の変動パターンを説明する図である。「通常変動」は、「予告」を実行しない場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「通常変動」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字がこの順序で変化しながら表示される。そして、本実施の形態における「通常変動」では、可変表示領域9a,9b,9cすべてで可変表示が行われて、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同じタイミングで数字が次々に変化している(「同期」している)ときには、3つの可変表示領域9a,9b,9cに同一種類の数字が同時に表示されることはない。
【0096】
図10の(A)は、本実施の形態における「予告A」の変動パターンを説明する図である。「予告A」は、「予告」を実行する場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「予告A」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字が変化しながら表示される。ただし、本実施の形態では、可変表示の際中に表示される数字の順序が、3つの可変表示領域9a,9b,9cのうち少なくとも1つにおいて、他の可変表示領域と異なる。本実施の形態では、左の可変表示領域9aと右の可変表示領域9cでは「1」〜「9」の数字がこの順序で変化しながら表示されるのに対して、中の可変表示領域9bでは「1」〜「9」の数字がこの順序とは逆の順序で変化しながら表示される。そして、本実施の形態における「予告A」では、各可変表示領域9a,9b,9cで可変表示が行われて、3つの各可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときには、1種類の数字(例えば7)だけが同時に(同じタイミングで)表示されるように同期して表示される。
【0097】
図10の(B)は、本実施の形態における「予告B」の変動パターンを説明する図である。「予告B」は、「予告」を実行する場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「予告B」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字が変化しながら表示される。ただし、本実施の形態では、可変表示の際中に表示される数字の順序が、3つの各可変表示領域9a,9b,9cのうち少なくとも1つにおいて、他の可変表示領域と異なる。本実施の形態では、左の可変表示領域9aと右の可変表示領域9cでは「1」〜「9」の数字がこの順序で変化しながら表示されるのに対して、中の可変表示領域9bでは「1」「3」「2」「4」「6」「5」「7」「9」「8」の順序で変化しながら表示される。そして、本実施の形態における「予告B」では、すべての可変表示領域9a,9b,9cで可変表示が行われて、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときには、3種類の数字だけが同時に(同じタイミングで)表示されるように同期して表示される。
【0098】
図10の(C)は、本実施の形態における「予告C」の変動パターンを説明する図である。「予告C」は、「予告」を実行する場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「予告C」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字が変化しながら表示される。可変表示の際中に表示される数字の順序は、「通常変動」と同じである。そして、本実施の形態における「予告C」では、すべての可変表示領域9a,9b,9cで可変表示が行われて、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときには、全9種類の数字が同時に(同じタイミングで)表示されるように同期して表示される。
【0099】
なお、上記の「予告A」や「予告B」の変動パターンでは、中の可変表示領域9bで可変表示される図柄の種類は、「通常変動」と同じ9種類である場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、「予告A」では1種類の図柄(例えば「7」)だけを表示し、「予告B」では3種類の図柄(例えば「1」,「4」,「7」)だけを可変表示するようにしてもよい。要は、「予告A」では1種類の数字だけ、「予告B」では3種類の数字だけ、「予告C」では9種類と行った具合に、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときに、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同時に表示されることがある数字の種類の数が異なるようになればよい。
【0100】
図11は、図8における始動口スイッチ通過処理(ステップS312)の詳細を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞カウンタの値(始動入賞記憶数)が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が最大値である4に達している場合には処理を終了する。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞カウンタの値を「1」増やす(ステップS112)。続いて、大当り判定用乱数等の各乱数(ランダム1〜ランダム5、ランダム9)の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。このように、本実施の形態では、各乱数が保存領域に保存されることにより、最大4回までの始動条件の成立が保留され、可変表示が最大4回まで保留されることになる。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
【0101】
図12は、大当り判定テーブル,リーチ判定テーブル,予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
図12(A)は、詳細を後述する大当り判定処理(大当り判定モジュール)で用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図12(B)は、詳細を後述するリーチ判定処理(リーチ判定モジュール)で用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。さらに、図12(C)は、詳細を後述する予告設定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【0102】
図12(A)に示すように、本実施の形態では、大当り判定テーブルが2種類用意されている。低確率状態の大当り判定テーブルでは大当り判定値は「3」であり、高確率状態の大当り判定テーブルでは大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。大当り判定値は、抽出したランダム1がこの大当り判定値に含まれるときに、大当りを発生させることを決定するための値である。
【0103】
また、図12(B)に示すように、本実施の形態では、リーチ判定テーブルが2種類用意されている。低確率状態のリーチ判定テーブルではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率状態のリーチ判定テーブルではリーチ判定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。リーチ判定値は、抽出したランダム5がこのリーチ判定値に含まれるときに、リーチの可変表示を実行することを決定するための値である。
【0104】
さらに、図12(C)に示すように、本実施の形態では、大当り不存在時(S113で格納されたランダム1の全てが大当り判定値に含まれるものではないとき)の予告判定テーブルと、大当り存在時(S113で格納されたランダム1に大当り判定値に含まれるものがあるとき)の予告判定テーブルとの2種類の予告判定テーブルが用意されている。予告判定テーブルは、予告を実行するか否かを所定の割合で選択するためのもので、大当り存在時の予告判定テーブルの方が、大当り不存在時の予告判定テーブルよりも高い割合で予告を実行することを選択するようになっている。
【0105】
本実施の形態では、大当り不存在時の予告判定テーブルの予告判定値は「0」、「1」、「11」であり、大当り存在時の予告判定テーブルの予告判定値は「0」〜「30」、「70」〜「99」である。予告判定値とは、抽出したランダム9がこの予告判定値に含まれるときに、予告を実行すること、すなわち「予告A」,「予告B」,「予告C」のうちいずれかの変動パターンを選択することを決定するための値である。本実施の形態では、ランダム9のとり得る値が0〜149であるため、大当り不存在時の予告判定テーブルによれば3/150の確率で、大当り存在時の予告判定テーブルによれば61/150の確率で、予告を実行することを選択する。
【0106】
図13は、詳細を後述する変動パターン設定処理で用いられる変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。変動パターン選択テーブルでは、予告を実行する場合の各変動パターン(本実施の形態では「予告A」,「予告B」,「予告C」)に対して、比較値が対応付けられている。抽出したランダム4が、各変動パターンに対応付けられた比較値に含まれるか否かで、その変動パターンを選択するか否かを決定するものである。図13(A)と図13(B)とで示すように、本実施の形態では、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルと、同期数が多くなり難い変動パターンとの2種類の変動パターン選択テーブルが用意されている。同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルによれば、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルによる場合よりも高い割合で「予告C」や、「予告B」を選択するようになっている。
【0107】
図13(A)は、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルを示している。同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルでは、「予告A」に比較値0〜14が対応し、「予告B」に比較値15〜44が対応し、「予告C」に比較値45〜149が対応している。本実施の形態では、ランダム4のとり得る値が0〜149であるため、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルによれば15/150の確率で「予告A」が、30/150の確率で「予告B」が、105/150の確率で「予告C」が選択され、可変表示で実行する変動パターンとして決定することになる。したがって、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルでは、「予告A」よりも「予告B」、「予告B」よりも「予告C」が選択され易くなっている。
【0108】
図13(B)は、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルを示している。同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルでは、「予告A」に比較値0〜129が対応し、「予告B」に比較値130〜144が対応し、「予告C」に比較値145〜149が対応している。本実施の形態では、ランダム4のとり得る値が0〜149であるため、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルによれば130/150の確率で「予告A」が、15/150の確率で「予告B」が、5/150の確率で「予告C」が選択され、可変表示で実行する変動パターンとして決定することになる。したがって、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルでは、「予告C」よりも「予告B」、「予告B」よりも「予告A」が選択され易くなっている。
【0109】
図14は、大当り判定処理(大当り判定モジュール)を示すフローチャートである。大当り判定処理では、可変表示の表示結果が特定の図柄の組合せとなるか否かの判定を行う。本実施の形態では、後述のS57やS128aにおいて、図14に示す共通の大当り判定モジュールを用いて大当り判定処理を実行する。大当り判定モジュールでは、CPU56は、まず、そのときの状態が高確率状態であるか否か判定し(ステップS141)、高確率状態であれば、図12(A)に示された高確率状態の大当り判定テーブルを使用することに決定する(ステップS142)。高確率状態でなければ、低確率状態の大当り判定テーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0110】
ステップS142,ステップS143に次いで、大当り判定処理を行うために読み出したランダム1に一致する値が、大当り判定テーブル中の大当り判定値にあるか否かを判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0111】
図15は、リーチ判定処理(リーチ判定モジュール)を示すフローチャートである。リーチ判定処理では、リーチの可変表示を実行するか否かの判定を行う。本実施の形態では、後述のS65やS128bにおいて、図15に示す共通のリーチ判定モジュールを用いてリーチ判定処理を実行する。リーチ判定モジュールでは、CPU56は、まず、そのときの状態が高確率状態であるか否か判定し(ステップS151)、高確率状態であれば、図12(B)に示された高確率状態のリーチ判定テーブルを使用することに決定する(ステップS152)。高確率状態でなければ、低確率状態のリーチ判定テーブルを使用することに決定する(ステップS153)。
【0112】
ステップS152,ステップS153に次いで、リーチ判定処理を行うために読み出したランダム5の値に一致する値が、リーチ判定テーブル中のリーチ判定値にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチの可変表示を実行することにして(ステップS156)、一致する値がなければリーチの可変表示を実行しないことに決定する(ステップS157)。
【0113】
図14や図15に示すように、大当り判定処理やリーチ判定処理のためのプログラムモジュールとして、大当り判定モジュールやリーチ判定モジュールを用意している。このため、可変表示の表示結果が特定の図柄の組合せとなるか否かの判定や、リーチの可変表示を実行するか否かの判定を行うための処理(プログラム)の内容を変更する必要が生じたときに、大当り判定処理やリーチ判定処理のためのプログラムモジュールだけを変更すればよいので、パチンコ遊技機のプログラム開発の省力化することができる。なお、プログラムモジュールとは、サブルーチンと呼ばれることもあるもので、パチンコ遊技機のプログラム全体の中で、ある目的をもった一かたまりの処理を実行するために、論理的に完結している部分をいう。
【0114】
図16は、図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)の詳細を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の可変表示を開始することができる状態(例えば、特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値となっている場合)であるかを判断することで、本発明の開始条件が成立したかを判断する(ステップS51)。特別図柄の可変表示を開始することができる状態ではないと判断すると、処理を終了する。一方、特別図柄の可変表示を開始することができる状態であると判断すると、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において特別図柄の可変表示の最中ではなく、かつ、大当り遊技状態でもない場合である。
【0115】
ステップS52で始動入賞記憶数が0であると判断すれば、処理を終了する。一方、ステップS52で始動入賞記憶数が0でないと判断すれば、予告設定処理を実行する(ステップS53)。予告処理の詳細は後述する。次いで、S113で格納された、始動入賞記憶数=1に対応する各乱数値を読み出してRAM55の乱数値バッファに格納するとともに(ステップS54)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、保存領域(特別図柄判定用バッファ)の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応して保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。このように、保存領域(特別図柄判定用バッファ)の内容をシフトして、ステップS54で始動入賞記憶数=1に対応する各乱数値を読み出し、ステップS55で保存領域(特別図柄判定用バッファ)の内容をシフトすれば、保留中の個々の可変表示を、開始条件が成立する度に、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に順番に格納された各乱数に基づいて順次実行させることができる。
【0116】
次いで、CPU56は、乱数値バッファから、ステップS54で格納した大当り判定用乱数を読み出して(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。次いで、S57で実行した大当たり判定処理で大当りとすることに決定したかを判断する(ステップS58)。大当たり判定処理で大当りとすることに決定したと判断した場合には、CPU56は、大当りフラグをセット(ステップS59)して、ステップS60へ進む。なお、セットされた大当りフラグは、大当り終了処理(ステップS308)を終了する際にリセットされる。
【0117】
一方、ステップS58で、S57で実行した大当たり判定処理で大当りとすることに決定していないと判断した場合には、そのままステップS60へ進む。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄停止図柄設定処理を示す値に更新して(ステップS60)、処理を終了する。
【0118】
図17は、図16の特別図柄通常処理における予告設定処理(ステップS53)の詳細を示すフローチャートである。予告設定処理は、これから実行される1又は複数回の可変表示において、予告を実行するか否かを決定するための処理である。予告設定処理において、CPU56は、確変状態か否かを確認する(ステップS121)。高確率状態であることが確認されると、処理を終了する。ステップS121の処理によって、高確率状態では予告の実行を規制することになる。
【0119】
S121で高確率状態ではないと確認されると、予告回数カウンタを読み出す(ステップS122)。なお、予告回数カウンタとは、複数回の連続した可変表示のぞれぞれで予告を実行するという「連続予告」を行うことを決定した場合において、未だ予告が実行されていない残りの回数を記憶するためのカウンタである。次いで、ステップS122で読み出した予告回数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する(ステップS123)。予告回数カウンタのカウント値が0でなければ、処理を終了する。ステップS123の処理によって、連続予告で未だ実行されていない予告が存在する場合には、予告を行うかを決定するための以降の処理(ステップS124a〜ステップS131a、ステップS124b〜ステップS131b、ステップS132〜ステップS137)を実行することを規制する。
【0120】
ステップS123で予告回数カウンタのカウント値が0と判断すれば、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS124a)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS125a)。なお、ステップS125aで初期値を設定した検査回数カウンタは、次のステップS126a〜ステップS129aのループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタとなる。
【0121】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS126a)、始動入賞記憶数の値(=検査回数カウンタのカウント値)に対応する保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されている大当り判定用乱数値(ランダム1)を読み出して(ステップS127a)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS128a)。次いで、ステップS128aの大当り判定モジュールにおいて大当りとなると判定されたかを確認し(ステップS129a)、大当りとならない場合には、CPU56は、処理数を1減算する(ステップS130a)。次いで、処理数が0であるかを確認(ステップS131a)し、処理数が0になっていなければステップS126aの処理に移行する。
【0122】
すなわち、この実施の形態では、ステップS126a〜ステップS131aの処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS126a〜ステップS131aのループ処理におけるステップS129aにて、大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS126a〜ステップS131aでは、始動入賞カウンタでカウントされて始動条件が成立して、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域にそれぞれ格納された大当り判定用乱数値の中に大当り判定値に含まれる値が存在し、表示結果が大当り図柄の組合せとなる保留中の可変表示があると判定されるまで、または、保留中の可変表示についての判定を全て終えて、処理数が0となるまで、ステップS126a〜ステップS131aの処理が繰り返される。この際に、始動入賞記憶数(検査回数カウンタのカウント値=1〜4)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
【0123】
ステップS131aで処理数が0であると判断すると、CPU56は、再度、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS124b)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS125b)。なお、ステップS125bで初期値を設定した検査回数カウンタは、次のステップS126b〜ステップS129bのループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタとなる。
【0124】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS126b)、始動入賞記憶数の値(=検査回数カウンタのカウント値)に対応する保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されているリーチ判定用乱数値(ランダム5)を読み出して(ステップS127b)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS128b)。次いで、ステップS128bのリーチ判定モジュールにおいてリーチの可変表示を実行する旨が判定されたかを確認し(ステップS129b)、リーチの可変表示を実行しない場合には、CPU56は、処理数を1減算する(ステップS130b)。次いで、処理数が0であるかを確認(ステップS131b)し、処理数が0になっていなければステップS126bの処理に移行する。
【0125】
すなわち、この実施の形態では、ステップS126b〜ステップS131bの処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS126b〜ステップS131bのループ処理におけるステップS129bにて、リーチの可変表示を実行する旨の判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS126b〜ステップS131bでは、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域に格納されされているリーチ判定用乱数値がリーチ判定値に含まれ、保留中の可変表示の中にリーチとなるものがあると判定されるまで、または、保留中の可変表示についての判定を全て終えて、処理数が0となるまで、ステップS126b〜ステップS131bの処理が繰り返される。この際に、始動入賞記憶数(検査回数カウンタのカウント値=1〜4)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各リーチ判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、リーチとなるか否かの判定が実行される。
【0126】
ステップS129aにおいて大当りとなると判定した場合には、CPU56は、大当り存在時の予告判定テーブル(図12(C)の右側)をステップS136において使用する予告判定テーブルとして設定する(ステップS132)とともに、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあることを示すための大当り存在フラグをセットする(ステップS133)。なお、セットされた大当り存在フラグは、大当り終了処理(ステップS308)を終了する際にリセットされる。また、ステップS129bにおいてリーチとなると判定した場合には、CPU56は、大当り不存在時の予告判定テーブル(図12(C)の左側)をステップS136において使用する予告判定テーブルとして設定する(ステップS134)。ステップS131bで処理数が0であると判断すると、予告は行わないこととして、処理を終了する。
【0127】
ステップS133やステップS134に次いで、CPU56は、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されている予告判定用乱数(ランダム9)を読出し(ステップS135)、ステップS132又はステップS134で設定された予告判定テーブルを用いて予告を行うことにするか否か、すなわち、「予告A」,「予告B」,「予告C」による可変表示か、「通常変動」による可変表示か、いずれかを所定の割合で選択する(ステップS136)。なお、ステップS135では、始動入賞記憶数=Kに対応する保存領域に格納されている予告判定用乱数を読出してもよい。また、ステップS135では、予告判定用乱数を保存領域から読出すのではなく、予告判定用乱数をカウンタから抽出して、S135で抽出した予告判定用乱数の値を用いてS136の判定を行ってもよい。
【0128】
ステップS136で予告を行うと判定した場合には、予告の実行回数の残数をカウントするための予告回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値Kを設定して(ステップS137)、処理を終了する。すなわち、ステップS137で、予告回数カウンタに2以上が設定したときに、連続予告を行うことが決定されることになる。一方、ステップS136で予告を行わないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0129】
なお、リーチが発生しない場合に用いるための予告判定テーブルとして完全ハズレ時の予告判定テーブルを用意しておき、ステップS131bで処理数が0であると判断した後に、完全ハズレ時の予告判定テーブルをステップS136において使用する予告判定テーブルとして設定して、S135に進むようにしてもよい。
【0130】
本実施の形態は、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定したときに(ステップS129a:Yes)予告を実行するとともに、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しないときでも(ステップS129a:No)予告を実行するという特徴を備える。さらに、最終的に予告を実行するか否かを予告判定用乱数と予告判定テーブルに基づく抽選の結果で決定する(ステップS135,ステップS136)という特徴も備える。さらに、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあるか否かで、使用する予告判定テーブルを異ならせているため(ステップS132、ステップS134)、最終的に予告を実行することを決定する確率が保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあるか否かで異なるという特徴も備える。
【0131】
また、本実施の形態は、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあると判定したときに(ステップS129b:Yes)予告を実行するという特徴を備える。さらに、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあると判定しても、最終的に予告を実行するか否かを予告判定用乱数と予告判定テーブルに基づく抽選の結果で決定する(ステップS135,ステップS136)という特徴も備える。
【0132】
図18は、図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の詳細を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、ステップS54で乱数値バッファに格納された始動入賞記憶数=1に対応する大当り図柄決定用乱数(ランダム3)に従って大当り図柄を決定して(ステップS62)、ステップS63へ移行する。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組合せのそれぞれに対応した左中右の図柄番号が設定されている。
【0133】
ステップS61で、大当りフラグがセットされていないと判断した場合には、CPU56は、保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されているリーチ判定用乱数値(ランダム5)を読み出して(ステップS64)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS65)。次いで、ステップS65でリーチの可変表示を実行することが決定されたかを確認する(ステップS66)。リーチの可変表示を実行することに決定された場合には、ステップS54で乱数値バッファに格納されたランダム2−1の値に従って左停止図柄,右停止図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中停止図柄を決定して(ステップS67)、ステップS63に移行する。なお、決定された中停止図柄が左停止図柄,右停止図柄と一致した場合には、ランダム2−2の値に1加算した値に対応する図柄を中停止図柄とすることで、大当り図柄の組合せと一致しないようにする。
【0134】
ステップS66においてリーチの可変表示を実行しないことに決定された場合には、はずれの場合の図柄の決定を行い(ステップS68)、ステップS63に移行する。具体的には、ステップS54で乱数値バッファに格納されたランダム2−1の値に従って左停止図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中停止図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右停止図柄を決定する。なお、ここでは、「左」と「右」の図柄が一致した場合には「右」の図柄を1図柄ずらし、リーチにならないようにする。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0135】
ステップS62,ステップS67,ステップS68で左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を決定すると、決定した左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を指定する演出制御コマンドに対応するコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドを決定する。その後、ステップS63では、特別図柄プロセスフラグを、変動パターン設定処理を示す値に更新する(ステップS63)。
【0136】
図19は、図8の特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)の詳細を示すフローチャートである。変動パターン設定処理は、変動パターンを決定するための処理である。変動パターン設定処理において、CPU56は、予告回数カウンタを読み出す(ステップS71)。次いで、読み出した予告回数カウンタのカウント値が0であるか否かを判定する(ステップS72)。ステップS72で予告回数カウンタのカウント値が0であれば、変動パターンとして「通常変動」を実行することを決定して(ステップS77)、ステップS76へ移行する。一方、ステップS72で予告回数カウンタのカウント値が0でなければ、変動パターン選択テーブル決定処理を行う(ステップS73)。
【0137】
次いで、CPU56は、乱数値バッファから変動パターン決定用乱数(ランダム4)を読出す(ステップS74)。次いで、S74で読出した変動パターン決定用乱数と、ステップS73で決定した変動パターン選択テーブルとを用いて変動パターンの種類を所定の割合で決定して(ステップS75)、ステップS76へ移行する。すなわち、ステップS75では、ステップS73にて決定した変動パターン選択テーブルを用いて、ステップS74で読出した変動パターン決定用乱数の値が含まれる比較値が対応付けされている変動パターンを選択して、可変表示で実行する変動パターンとして決定する。
【0138】
ステップS77や、ステップS75で変動パターンを決定すると、ステップS76では、CPU56は、決定した変動パターンで可変表示するのに要する変動時間を特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間タイマをスタートさせる(ステップS76)。そして、CPU56は、決定した変動パターンを指定する演出制御コマンドに対応するコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドを決定する。
【0139】
図20は、図19の変動パターン設定処理における変動パターン選択テーブル決定処理(ステップS73)の詳細を示すフローチャートである。変動パターン選択テーブル決定処理は、何れの変動パターンによって予告を実行するかを決定するための変動パターン選択テーブルを決定するための処理である。変動パターン選択テーブル決定処理において、CPU56は、予告回数カウンタを読み出して(ステップS73a)、その予告回数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS73b)。
【0140】
次いで、CPU56は、大当り存在フラグがセットされているか否かの確認を行う(ステップS73c)。大当り存在フラグがセットされていれば、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブル(図13(A)参照)を、ステップS75において使用する変動パターン選択テーブルとして決定して(ステップS73d)、処理を終了する。一方、ステップS73cで、大当り存在フラグがセットされていないと判断された場合には、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブル(図13(B)参照)を、ステップS75において使用する変動パターン選択テーブルとして決定して(ステップS73e)、処理を終了する。
【0141】
上記のように、可変表示装置9において可変表示を開始できる条件(開始条件)が成立したとき(ステップS51:Yes)には、大当りとするか否か、また、リーチの可変表示を実行するか否かが決定される(ステップS57,S65参照)。そして、その決定結果にもとづいて実際の可変表示の表示結果(可変表示停止時の図柄)が導出されるように(ステップS62,S67,S68参照)、演出制御基板に対して可変表示を実行するための演出制御コマンドを送信する(ステップS27)。
【0142】
ここで、当該可変表示で大当り・リーチの可変表示を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値(ランダム1,ランダム5)や、当該可変表示の表示結果を決定するために用いられる乱数値(ランダム2,ランダム3)は、始動入賞記憶数1に対応して格納され(ステップS113,ステップS55)、その後に乱数値バッファに格納された値(ステップS54)である。したがって、本実施の形態によれば、開始条件が成立する度に、始動入賞記憶数の値に対応して保存領域(特別図柄判定用バッファ)に順番に格納された各乱数に基づく保留中の個々の可変表示を、順次演出制御基板に対して実行させることができる。
【0143】
次に、遊技制御手段から演出制御用CPU101に対する制御コマンドの送出方式について説明する。本実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
【0144】
本実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0145】
演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用CPU101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0146】
演出制御コマンドは、演出制御用CPU101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
【0147】
次に、主基板31からの演出制御コマンドの受信方式について説明する。本実施形態では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。
【0148】
主基板31からの演出制御INT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からの演出制御INT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する。
【0149】
演出制御基板80の演出制御用CPU101は、主基板31の遊技制御手段から演出制御コマンドを受信すると、演出制御コマンドの内容を解析して、演出制御コマンドで示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する等の制御を行う。
【0150】
演出制御用CPU101は、変動パターンを指定する演出制御コマンドにしたがって、可変表示の開始と変動パターンを特定し、左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を指定する演出制御コマンドにしたがって、左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を特定し、可変表示を停止する演出制御コマンドにしたがって、可変表示の停止を特定し、これらの各演出制御コマンドに応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する等の制御を実行する。演出制御用CPU101は、この他にも各種の演出制御コマンドを受信して、可変表示装置9等の制御を行う。なお、可変表示の開始と、変動パターンの特定とを別々の演出制御コマンドで特定するようにしてもよい。
【0151】
演出制御用CPU101の動作を説明する。
図21は、演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていると判断したら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0152】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0153】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する処理としてコマンド解析実行処理を実行する(ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0154】
図21の演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されている演出制御コマンドの内容を確認する。
【0155】
受信した演出制御コマンドが左停止図柄を指定する演出制御コマンドであれば、左停止図柄を示すデータをRAMにおける左停止図柄格納領域に格納する。また、中停止図柄を指定する演出制御コマンドであれば、中停止図柄を示すデータをRAMにおける中停止図柄格納領域に格納する。そして、右停止図柄を指定する演出制御コマンドであれば、右停止図柄を示すデータをRAMにおける右停止図柄格納領域に格納する。
【0156】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターンを指定する演出制御コマンドであれば、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し、変動パターンを指定するコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグをセットする。
さらに、読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする。
【0157】
図22は、図21に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)の詳細を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS801〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。なお、電源投入後の初期の演出制御プロセスフラグは、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値になっている。
【0158】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801):変動パターンを指定する演出制御コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、変動パターン受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターンを指定する演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。そして、変動パターン受信フラグがセットされていることを確認すると、演出制御プロセスフラグを、全図柄変動開始処理(ステップS802)を示す値に更新する。
【0159】
全図柄変動開始処理(ステップS802):可変表示領域9a,9b,9cにおける特別図柄の可変表示を開始する。そして、演出制御プロセスフラグを、図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新する。
【0160】
図柄変動中処理(ステップS803):変動時間の終了を監視する。そして、変動時間の終了を確認すると、演出制御プロセスフラグを、全図柄停止待ち設定処理(ステップS804)を示す値に更新する。
【0161】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間が終了して、可変表示を停止する演出制御コマンドを受信していたら、図柄の可変表示を停止して表示結果(左停止図柄,右停止図柄,中停止図柄)を表示する制御を行う。そして、表示結果が大当り図柄の組合せである場合には、演出制御プロセスフラグを、大当り表示処理(ステップS805)を示す値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグを変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値に更新する。
【0162】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグを、大当たり遊技中処理(ステップS806)を示す値に更新する。
【0163】
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、受信した演出制御コマンドに基づいて、大入賞口を開放する前や、大入賞口を開放した時に、ラウンド数の表示を行う。そして、演出制御プロセスフラグを変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値に更新する。
【0164】
図23は、図22の演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)の詳細を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンを指定する演出制御コマンドで、予告変動パターン(「予告A」,「予告B」,「予告C」)のいずれかが指定されているか否かを確認する(ステップS821)。
【0165】
本実施の形態では、「通常変動」,「予告A」,「予告B」,「予告C」の各変動パターンに応じて、各可変表示領域9a,9b,9cにおける特別図柄の表示順序、各図柄の表示時間(変動速度)の切替えタイミングがROMに記憶されている。例えば、「通常変動」と「予告C」に対しては、各可変表示領域9a,9b,9cで「1」〜「9」の数字がこの順に順次表示されるように図柄の表示順序が記憶されている。また、「予告A」に対しては、可変表示領域9a,9cの表示順序は「通常変動」と同じで、可変表示領域9bでは「1」〜「9」の数字がこの順序とは逆の順序に順次表示されるように図柄の表示順序が記憶されている。また、「予告B」に対しては、可変表示領域9a,9cの表示順序は「通常変動」と同じで、可変表示領域9bでは「1」「3」「2」「4」「6」「5」「7」「9」「8」の順序に順次表示されるように図柄の表示順序が記憶されている。
【0166】
ステップS821で、予告変動パターンが指定されていないと判断した場合には、「通常変動」の表示順序で可変表示することに決定する。一方、ステップS821で予告変動パターンが指定されていると判断した場合には、図柄の差替え(ステップS822)を行う。
【0167】
ステップS822の図柄の差替えでは、可変表示開始前に各可変表示領域9a,9b,9cに表示されている図柄(前回の可変表示の表示結果等)にかかわらず、全ての可変表示領域9a,9b,9cに同一種類の図柄(例えば「7」)を表示するように図柄を差替えて表示するとともに、演出制御コマンドで指定されている変動パターンに対応する表示順序で今回の可変表示を実行することに決定する。
【0168】
その後、可変表示中の時間を計測するためのタイマである変動時間タイマをスタートするとともに、S821やS822で決定した変動パターンの表示順序に従った可変表示を開始する(ステップS823)。このとき、ステップS822で差替えが行われた場合には、全ての可変表示領域9a,9b,9cで同時に可変表示を開始し、特別図柄が同じタイミングで順次切り替わって表示されるように、全ての可変表示領域9a,9b,9cで同期した可変表示を行う。
【0169】
すなわち、変動パターンを指定する演出制御コマンドで「予告A」が指定され、ステップS822で、全ての可変表示領域9a,9b,9cに「7」を切替えて表示した場合には、可変表示開始当初から可変表示領域9a(最初に可変表示が停止する可変表示領域)の可変表示が停止するまでに亘って、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて「7」だけが同じタイミングで表示されるように同期して可変表示されることになる(図10(A)参照)。同様に、「予告B」が指定された場合には、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて「1」,「4」,「7」が同じタイミングで表示されるように同期して可変表示されることになり(図10(B)参照)、「予告C」が指定された場合には、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて「1」〜「9」全ての図柄が同じタイミングで表示されるように同期して可変表示されることになる(図10(C)参照)。
【0170】
なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドで「通常変動」が指定されている場合には、前回の可変表示の表示結果等から可変表示を開始することになるが、この際に、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて同じタイミングで可変表示を開始しても、各可変表示領域9a,9b,9cにおける可変表示の開示のタイミングをずらしてもよい。
【0171】
但し、「通常変動」の場合には、当該可変表示で予告が実行されているとの遊技者に対する誤解を避けるために、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて同一種類の図柄が同じタイミングで表示されるように同期して可変表示することのないような制御を行う。例えば、可変表示を開始しようとする可変表示領域に表示されている図柄が、他の可変表示領域に表示されている図柄と一致しているかを可変表示の開始時に判定し、一致していると判定した場合には、いずれか一方の可変表示領域における可変表示を先に開始する。また、例えば、既に可変表示を開始した可変表示領域に同じ図柄が表示されているタイミングでは、残りの可変表示領域における可変表示の開始を規制する。
【0172】
ステップS823に次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを、図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新して(ステップS824)、処理を終了する。
【0173】
図24は、図22の演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)の詳細を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS831)。変動時間タイマがタイムアウトしてなかったら処理を終了する。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていたら、可変表示を停止する演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせる(ステップS832)。次いで、演出制御プロセスフラグを、全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示す値に更新して(ステップS833)、処理を終了する。
【0174】
図25は、図22の演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS804)の詳細を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU101は、可変表示を停止する演出制御コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS841)。可変表示を停止する演出制御コマンドを受信していれば、上述のコマンド解析処理(ステップS704)で記憶した左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を各可変表示領域に表示して可変表示を停止させる制御を行い(ステップS842)、ステップS843へ移行する。
【0175】
ステップS842における可変表示を停止させる制御は、可変表示領域9a、可変表示領域9c、可変表示領域9bの順に時間をずらして行う。すなわち、可変表示領域9cの表示結果である右停止図柄を、可変表示領域9aの表示結果である左停止図柄よりも遅れて導出表示し、可変表示領域9bの表示結果である中停止図柄を、可変表示領域9cの表示結果である右停止図柄よりも遅れて導出表示する。
【0176】
このため、本実施の形態では、予告を行った場合でも、表示結果で大当り図柄の組合せを導出することも、導出しないことも可能となる。例えば、可変表示を全ての可変表示領域9a,9b,9cで同時に停止するように構成すると、「予告C」で可変表示が行われていた場合には必ず表示結果で大当り図柄の組合せを導出することになるが、本実施の形態のように、少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示することで、表示結果で大当り図柄の組合せを導出することも、導出しないことも可能となる。
【0177】
また、本実施の形態で、予告が実行される場合には、「予告A」,「予告B」,「予告C」何れの変動パターンの場合でも、左の可変表示領域9aで可変表示が停止するまでは、全ての可変表示領域9a,9b,9cで同期した可変表示を行い、可変表示領域9cで可変表示が停止するまでは、2つの可変表示領域9b,9cで同期した可変表示を行う。したがって、可変表示を開始した後、左の可変表示領域9aの可変表示が停止されるに至るまでと、右の可変表示領域9cの可変表示が停止されるに至るまでまでの期間は、少なくとも1種類の図柄が同時に2以上の可変表示領域で表示されるように同期して可変表示が行われるため、遊技者は、「通常変動」と異なる態様で可変表示されていることに気づき易くなる。
【0178】
言い換えるなら、予告が実行される場合には、可変表示を開始した後、複数の可変表示領域のうち最初に可変表示が停止する可変表示領域における可変表示が停止するに至るまでの期間や、複数の可変表示領域のうち最後から2番目に可変表示が停止する可変表示領域における可変表示が停止するに至るまでの期間は、少なくとも1種類の図柄が同時に2以上の可変表示領域で表示されるように同期して可変表示が行われるため、遊技者は、「通常変動」と異なる態様で可変表示されていることに気づき易くなる。
【0179】
なお、本明細書中で「可変表示が停止されるに至るまで」との表現は、“可変表示が完全に停止されるに至るまで”を意味することは勿論であるが、この意味に限られる表現ではない。すなわち、「可変表示が停止されるに至るまで」との表現は、“それまで一定の時間間隔で順次図柄が切り替わって表示されていた可変表示において、可変表示を停止するために、当該時間間隔が長くなるように変更されるに至るまで”との意味も含む表現である。
【0180】
ステップS842で可変表示を停止した後、大当り図柄の組合せが可変表示領域9a,9b,9cに表示されたか否かを判定する(ステップS843)。大当り図柄の組合せが表示されていない場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値に更新する(ステップS844)、処理を終了する。一方、大当り図柄の組合せが表示されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを、大当り表示処理(ステップS805)を示す値に更新して(ステップS845)、処理を終了する。
【0181】
ステップS841において、可変表示を停止する演出制御コマンドを受信していないと判断した場合には、演出制御用CPU101は、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS846)。タイムアウトしていなければ処理を終了する。一方、タイムアウトしていると判断した場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置9にエラー画面を表示する制御を行い(ステップS847)、ステップS843へ進む。
【0182】
以上に説明した実施の形態における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
事前判定手段(図16,図17,図18参照):S54〜S58、S64〜S66、S124a〜S131a、S124b〜S131bの処理を実行するCPU56。
可変表示態様選択手段(図17,図19参照):S132〜S137,S71〜S77の処理を実行するCPU56。
可変表示制御手段(図22参照):S801〜S804の処理を実行する演出制御用CPU101。
リーチ時選択手段(図17参照):S134〜S136の処理を実行するCPU56。
特定選択手段(図17参照):S132,S135,S136の処理を実行するCPU56。
特別選択手段(図17参照):S134〜S136の処理を実行するCPU56。
【0183】
保留記憶手段(図8,図11参照):図3のRAM55,S312の処理を実行するCPU56。
保留判定手段(図17参照):S124a〜S131aの処理を実行するCPU56。
連続選択制御手段(図17,図19,図20参照):S137,S71,S72,S73(S73b)の処理を実行するCPU56。
規制手段(図17参照):S121〜S123の処理を実行するCPU56。開始時判定手段(図16参照):S54〜S58の処理を実行するCPU56。
【0184】
本発明の請求項1の遊技機では、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する複数の可変表示領域(可変表示領域9a,9b,9c)を有する可変表示手段(可変表示手段9)を備え、予め定められている始動条件(遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生すること;ステップS311)が成立した後、開始条件(特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値となっていること)の成立に基づいて前記識別情報の可変表示を開始し、前記複数の可変表示領域における可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せ(例えば777)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に対する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする事前判定手段(S54〜S58、S64〜S66、S124a〜S131a、S124b〜S131b)と、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示の表示態様を複数の可変表示態様のうちから選択する可変表示態様選択手段(S132〜S137,S71〜S77)と、前記可変表示態様選択手段によって選択された可変表示態様を用いた可変表示を実行するとともに、前記複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の前記可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させる可変表示制御手段(S801〜S804)と、を備え、前記複数の可変表示態様は、前記識別情報の可変表示を開始した後、前記複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、当該可変表示の開始前の可変表示の表示結果に関係なく、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様(「予告A」,「予告B」,「予告C」)と、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されないように可変表示する第2の可変表示態様(「通常変動」)と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0185】
本発明の請求項2の遊技機では、請求項1に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定をしたときに、可変表示の表示態様としてリーチが実行されるか否かを判定し(S124b〜S131b)、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によってリーチが実行される旨の判定がされたときに、所定の割合で前記第1の可変表示態様を選択するリーチ時選択手段(S134〜S136)を含むことを特徴とする。
【0186】
本発明の請求項3の遊技機では、する請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特定選択手段(S132,S135,S136)を含むことを特徴とする。
【0187】
本発明の請求項4の遊技機では、請求項3に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特別選択手段(S134〜S136)を含み、前記特定選択手段は、前記特別選択手段よりも高い割合で前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0188】
本発明の請求項5の遊技機では、請求項4に記載の遊技機において、前記第1の可変表示態様は、前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が予め定められた数である第1同期表示態様(「予告C」)と、該第1同期表示態様に比べて前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が少ない第2同期表示態様(「予告A」)と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記特定選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときに、前記特別選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときよりも高い割合で前記第1同期表示態様を選択する(S133,S73c,S73d,S73e)ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【0189】
本発明の請求項6の遊技機では、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つに記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様以外の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには前記可変表示領域において所定の順序で前記識別情報を可変表示するとともに、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには少なくとも1つの前記可変表示領域において前記所定の順序と異なる順序で前記識別情報を可変表示する差替え制御(S821,S822)を実行することを特徴とする。
【0190】
本発明の請求項7の遊技機では、請求項6に記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには、当該可変表示を開始するときに前記差替え制御を実行する(S881,S882)ことを特徴とする。
【0191】
本発明の請求項8の遊技機では、請求項1乃至請求項7いずれか1つに記載の遊技機において、前記始動条件が成立したが前記開始条件が成立していない始動条件の成立を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段(S312)を備え、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする保留判定手段(S124a〜S131a)を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記保留判定手段によって前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、当該判定された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の可変表示において前記第1の可変表示態様を選択する連続選択制御を実行する連続選択制御手段(S137,S71,S72,S73(S73b))を含むことを特徴とする。
【0192】
本発明の請求項9の遊技機では、請求項8に記載の遊技機において、前記連続選択制御手段による連続選択制御の実行中は、前記保留判定手段による判定を規制する規制手段(S121〜S123)を備えたことを特徴とする。
【0193】
本発明の請求項10の遊技機では、請求項8又は請求項9に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立する度に、当該開始条件の成立に基づいて実行する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする開始時判定手段(S54〜S58)を含み、該開始時判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定(S57)と、前記保留判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定(S128a)とを共通のプログラムモジュール(S141〜S147)で実行することを特徴とする。
【0194】
以上に説明した、実施の形態は、次の(1)〜(8)に説明するように改変することができる。
【0195】
(1) 上記実施の形態では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(図17のステップS129aでNo)ときでも、リーチの可変表示を実行すると判定した(図17のステップS129bでYes)ときに、予告を実行するものを示したが、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(図17のステップS129aでNo)ときは、予告を一切実行しないようにすることもできる。例えば、ステップS129aで保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(ステップS129aでNo)ときには、ステップS131aに続いてステップS124b〜ステップS131bを行わずに、そのまま予告設定処理を終了させるように改変できる。このように改変した場合には、「予告」は、保留中の可変表示で必ず大当り図柄が表示結果として導出されることを示すものとなる。
【0196】
(2) 上記実施の形態(図17参照)では、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあると判定した(ステップS129bでYes)ときに予告を実行するとともに、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがないと判定した(ステップS129bでNo)ときは予告を実行しないものを示したが、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあるか否かにかかわらず、予告を実行するようにすることもできる。例えば、ステップS129aで保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(ステップS129aでNo)ときには、ステップS131aに続いてステップS124b〜ステップS131bを行わずに、そのままステップS134へ進むように改変できる。このように改変した場合には、「予告」を実行するか否かの判断にリーチの発生の有無が直接関係しないようになるため、「予告」は、大当り図柄が表示結果として導出される可能性があるかを示すだけのものとなり、リーチの可変表示を実行する可能性があることは示さないものとなる。
【0197】
(3) 上記実施の形態では、全図柄変動開始処理(図23参照)において図柄の差替えを行ったが、図柄変動中処理で図柄の差替えを行うようにしてもよい。例えば、全図柄変動開始処理(図23参照)と、図柄変動中処理(図24参照)の内容を以下のように改変する。全図柄変動開始処理で、ステップS821,ステップS822を行わずに、ステップS823で「通常変動」と同様の変動パターンで可変表示を開始する。そして、可変表示の開始から所定時間が経過したことを条件に、図柄変動中処理のステップS831の前にステップS821,ステップS822を行う。このとき、S822では、各可変表示領域9a,9b,9cに表示されている図柄にかかわらず、全ての可変表示領域9a,9b,9cに同一種類の図柄(例えば「7」)を表示するように図柄を差替えて表示するとともに、演出制御コマンドで指定されている変動パターンに対応する表示順序で可変表示することに決定する。次いで、可変表示を開始したときの変動パターンに替えて、S821やS822で決定した変動パターンの表示順序に従った可変表示を実行して、ステップS831へ移行する。このように改変することにより、予告を、可変表示が開始してから所定時間経過したときに開始することができる。
【0198】
(4) 上記実施の形態では、「予告A」,「予告B」,「予告C」のように特別図柄の可変表示の態様を特殊な態様で行うことで予告を実行したが、すべり演出(低速変動状態において数図柄分高速変動させる演出)や、もどり演出(図柄の停止位置を通り過ぎたあと逆向きに変動させる演出)などのような特殊な態様を、「予告A」,「予告B」,「予告C」と併用することで予告を実行してもよい。また、可変表示装置9に表示される背景、キャラクタを変化させることを併用したり、音声の出力、ランプの点灯等を併用したりしてもよい。このように改変することで、予告の態様にさらにバリエーションを持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0199】
(5) 上記実施の形態では、ステップS72(図19参照)で予告回数カウンタが0であればステップS73〜ステップS75を実行し、0でなければステップS77を実行する構成であったが、ステップS72での予告回数カウンタの値を、予告を実行するか否かの判断に用いる構成としてもよい。例えば、ステップS72で予告回数カウンタが偶数であればステップS73〜ステップS75を実行し、奇数であればステップS77を実行する構成とする等としてもよい。このように改変することで、乱数(ランダム9)による偶然性(図17のステップS135,S136)に加えて、保留中の可変表示の数によっても予告を実行するか否かを決定することとなり、予告の発生の有無と、大当り図柄が導出されるか否かとの関係を複雑にすることができ、遊技の興趣をより高めることができる。
【0200】
(6) 上記実施の形態では、左の可変表示領域9a、右の可変表示領域9c、中の可変表示領域9cの順に時間をずらして可変表示の停止を行ったが、少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させればよい。すなわち、可変表示領域9a,9cの可変表示を同時に停止して、最後に中の可変表示領域9bの可変表示だけを時間をずらして停止するようにしてもよい。このように改変することで、可変表示に要する時間を調整することができる。
【0201】
(7) 上記実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞に基づく可変表示装置9の可変表示の表示結果が特定の表示結果になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになったときに所定の電動役物を開放し、所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0202】
(8) 上述した実施の形態において、「特別遊技状態」の一例として高確率状態を示したが、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。したがって、「特別遊技状態」は、高確率状態の他、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態などでもよい。なお、時短状態は、可変入賞球装置15の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態といえる。
【0203】
【発明の効果】
本発明は次の(a)〜(j)の効果を備える。
【0204】
(a) 請求項1に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる旨の予告報知を、遊技者が可変表示に注目しているときに行うことができ、遊技者が予告報知に気づき易くなる。しかも、特定遊技状態が発生する条件となる特定の識別情報の組合せと同様の表示を用いた報知を行うため、遊技者にとって興味深い、意外性のある予告報知を実行することができる。
【0205】
(b) 請求項2に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるとき以外にも、リーチの可変表示を実行する場合に、第1の可変表示態様による可変表示を実行することができるので、遊技者の期待感を向上させることができ、また、リーチの可変表示を実行する可能性があることを報知することができる。
【0206】
(c) 請求項3に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができ、期待感を持続させることができる。
【0207】
(d) 請求項4に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとならないときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができる。
【0208】
(e) 請求項5に記載の発明によれば、予告報知を様々な態様で行うことができ、予告報知により意外性を持たせることができ、遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0209】
(f) 請求項6に記載の発明によれば、容易な制御で第1の可変表示態様による可変表示を実行させることができる。
【0210】
(g) 請求項7に記載の発明によれば、第1の可変表示態様で可変表示を行うことができる期間を長く確保できるので、遊技者が予告報知に気づき易くなり、意外性をより向上できる。
【0211】
(h) 請求項8に記載の発明によれば、複数回の可変表示に亘って連続的に第1の可変表示態様による可変表示を行うことができるので、予告報知が実行されていることが分かりやすくなるとともに、遊技者の期待感をより向上させることができる。
【0212】
(i) 請求項9に記載の発明によれば、複数回の可変表示に亘って連続的に予告報知が実行されるときに、遊技機を制御する負担が軽減できる。
【0213】
(j) 請求項10に記載の発明によれば、表示結果を確実に判定できるとともに、遊技機で用いられる制御プログラムを簡略化してプログラムの量を増大させることがない。また、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定を行うプログラムの内容を、容易に変更することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板、ランプドライバ基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】メイン処理を示すフローチャートである。
【図6】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】各乱数を示す説明図である。
【図8】特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図9】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図10】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図11】図8における始動口スイッチ通過処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】大当り判定テーブル,リーチ判定テーブル,予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図13】変動パターン設定処理で用いられる変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。
【図14】大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図15】リーチ判定処理を示すフローチャートである。
【図16】図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図16の特別図柄通常処理における予告設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図8の特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】図19の変動パターン設定処理における変動パターン選択テーブル決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図21】演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図22】図21に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理の詳細を示すフローチャートである。
【図23】図22の演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
【図24】図22の演出制御プロセス処理における図柄変動中処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図22の演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 可変表示装置
9a,9b,9c 可変表示領域
14 始動入賞口
14a 始動口スイッチ
18 始動記憶表示エリア
31 主基板
53 基本回路
56 CPU
80 演出制御基板
101 演出制御用CPU
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を可変表示する可変表示手段を含み、可変表示が停止したときの表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、複数種類の識別情報(例えば「1」〜「9」の数字)が可変表示(又は変動表示)される等により表示状態が変化する可変表示手段が設けられ、可変表示の停止時に識別情報の組合せを表示結果として導出表示し、その表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(例えば777)となった場合に所定の遊技価値が付与可能となるように構成されたものがあった。
【0003】
この種の遊技機において、可変表示の最中であって、表示結果が未だに導出表示されていない段階でも、その可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せになることを遊技者が事前に知ることができれば、遊技者は大きな期待をもって表示結果の導出を待つことができ、遊技の興趣が高まる。
【0004】
そのため、表示結果が未だに導出表示されていない段階に、その可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せになることを遊技者に事前に報知するため、すなわち予告報知をするために、特殊な態様の可変表示を可変表示手段で実行させる技術が従来から知られている(例えば特許文献1)。このように、予告報知を可変表示手段における特殊な態様の可変表示で実行すれば、遊技者は可変表示の様子を特別に注視していれば、その予告報知に気づくことができるため、遊技者が予告報知に気づかないまま遊技を進行してしまうという不都合を、ある程度は回避することができた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−304313号公報(第6頁、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、予告報知の態様自体が、遊技者が気づき難い態様であったり、予告報知が可変表示の行われている全体の時間に対して短すぎたりすると、遊技者が予告報知に気づかないまま遊技を進行してしまうという虞があった。
【0007】
また、遊技者が高い集中力をもって可変表示を注視するのは、可変表示が停止しようとする時期からである。なぜなら、遊技者にとって有利となるか否かは可変表示の停止結果で決せられるため、遊技者は可変表示が開始して間もない時期よりも、可変表示が停止しようとする時期から緊張感をもって可変表示の様子を見るようになるからである。すなわち、可変表示が開始して間もない時期には、遊技者が高い集中力を持って可変表示の様子を注視していることは多くはないため、この時期だけに予告報知を行ったとしても、遊技者が予告報知に気づかないまま遊技を進行してしまうという虞があった。
【0008】
また、予告報知の態様が遊技者に必ずしも関心を抱かせるような態様でない場合や、単調な場合等には、予告報知の意外性に欠け、遊技の興趣を低下させる虞があった。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、その目的は、可変表示手段の表示結果が特定の表示態様となる旨を、遊技者が気づき易いように事前に報知するとともに、意外性のある報知を行うようにする遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の遊技機は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する複数の可変表示領域を有する可変表示手段を備え、予め定められている始動条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示を開始し、前記複数の可変表示領域における可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に対する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする事前判定手段と、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示の表示態様を複数の可変表示態様のうちから選択する可変表示態様選択手段と、前記可変表示態様選択手段によって選択された可変表示態様を用いた可変表示を実行するとともに、前記複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の前記可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させる可変表示制御手段と、を備え、前記複数の可変表示態様は、前記識別情報の可変表示を開始した後、前記複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、当該可変表示の開始前の可変表示の表示結果に関係なく、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様と、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されないように可変表示する第2の可変表示態様と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0011】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる旨の予告報知を、遊技者が可変表示に注目しているときに行うことができ、遊技者が予告報知に気づき易くなる。しかも、特定遊技状態が発生する条件となる特定の識別情報の組合せと同様の表示を用いた報知を行うため、遊技者にとって興味深い、意外性のある予告報知を実行することができる。
【0012】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定をしたときに、可変表示の表示態様としてリーチが実行されるか否かを判定し、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によってリーチが実行される旨の判定がされたときに、所定の割合で前記第1の可変表示態様を選択するリーチ時選択手段を含むことを特徴とする。
【0013】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるとき以外にも、リーチの可変表示を実行する場合に、第1の可変表示態様による可変表示を実行することができるので、遊技者の期待感を向上させることができ、また、リーチの可変表示を実行する可能性があることを報知することができる。
【0014】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特定選択手段を含むことを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができ、期待感を持続させることができる。
【0016】
請求項4に記載の遊技機は、請求項3に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特別選択手段を含み、前記特定選択手段は、前記特別選択手段よりも高い割合で前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0017】
このように構成することで、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとならないときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができる。
【0018】
請求項5に記載の遊技機は、請求項4に記載の遊技機において、前記第1の可変表示態様は、前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が予め定められた数である第1同期表示態様と、該第1同期表示態様に比べて前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が少ない第2同期表示態様と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記特定選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときに、前記特別選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときよりも高い割合で前記第1同期表示態様を選択することを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、予告報知を様々な態様で行うことができ、予告報知により意外性を持たせることができ、遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0020】
請求項6に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つに記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様以外の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには前記可変表示領域において所定の順序で前記識別情報を可変表示するとともに、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには少なくとも1つの前記可変表示領域において前記所定の順序と異なる順序で前記識別情報を可変表示する差替え制御を実行することを特徴とする。
【0021】
このように構成することで、容易な制御で第1の可変表示態様による可変表示を実行させることができる。
【0022】
請求項7に記載の遊技機は、請求項6に記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには、当該可変表示を開始するときに前記差替え制御を実行することを特徴とする。
【0023】
このように構成することで、第1の可変表示態様で可変表示を行うことができる期間を長く確保できるので、遊技者が予告報知に気づき易くなり、意外性をより向上できる。
【0024】
請求項8に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項7のうちいずれか1つに記載の遊技機において、前記始動条件が成立したが前記開始条件が成立していない始動条件の成立を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を備え、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする保留判定手段を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記保留判定手段によって前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、当該判定された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の可変表示において前記第1の可変表示態様を選択する連続選択制御を実行する連続選択制御手段を含むことを特徴とする。
【0025】
このように構成することで、複数回の可変表示に亘って連続的に第1の可変表示態様による可変表示を行うことができるので、予告報知が実行されていることが分かりやすくなるとともに、遊技者の期待感をより向上させることができる。
【0026】
請求項9に記載の遊技機は、請求項8に記載の遊技機において、前記連続選択制御手段による連続選択制御の実行中は、前記保留判定手段による判定を規制する規制手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
このように構成することで、複数回の可変表示に亘って連続的に予告報知が実行されるときに、遊技機を制御する負担が軽減できる。
【0028】
請求項10に記載の遊技機は、請求項8又は請求項9に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立する度に、当該開始条件の成立に基づいて実行する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする開始時判定手段を含み、該開始時判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定と、前記保留判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定とを共通のプログラムモジュールで実行することを特徴とする。
【0029】
このように構成することで、表示結果を確実に判定できるとともに、遊技機で用いられる制御プログラムを簡略化してプログラムの量を増大させることがない。また、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定を行うプログラムの内容を、容易に変更することができるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施例においては遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機やスロットマシン等でもよく、識別情報を可変表示領域において次々に切替えて表示することで複数種類の識別情報の可変表示を行う可変表示手段を含み、可変表示が停止したときに可変表示領域に表示される表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなった場合に遊技者にとって有利な状態となる遊技機であればすべて対象となる。また、以下に説明する部材、配置等の構成は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って改変することができることは勿論である。
【0031】
まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0032】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0033】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0034】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示領域9a,9b,9cを含む可変表示手段としての可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」,「中」,「右」の3つの可変表示領域9a,9b,9cが設けられている。可変表示領域9a,9b,9cでは、識別情報としての「図柄」が可変表示される。可変表示装置9の可変表示領域9a,9b,9cで可変表示される図柄を「特別図柄」と呼ぶ。本実施の形態では、可変表示装置9における特別図柄等の表示を液晶表示で行う。なお、可変表示装置9における特別図柄等の表示を液晶表示で行う代わりに、セグメント表示器、LEDドットマトリックス表示器、CRT、有機EL,PDP等の各種表示器によって表示してもよい。
【0035】
なお、可変表示領域9a,9b,9cは固定的な領域であってもよいが、遊技進行中に、可変表示装置9の表示領域において移動するものであったり、大きさが変化するものであったりしてもよい。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から赤色表示に変化させる)ことによって始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
【0036】
なお、可変表示領域と始動記憶表示エリア18とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリア18を可変表示領域の一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリア18を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
【0037】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0038】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。大入賞口には、V入賞領域が形成されている。V入賞領域から遊技盤6の背面に導かれた入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切替えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0039】
ゲート32に遊技球が入賞してゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数が抽出される。そして、普通図柄表示器(普通可変表示部)10において可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10で可変表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶ。普通図柄表示器10において可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
【0040】
この実施の形態では、普通図柄表示器10における左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数(後述のランダム6)の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示が停止したときの表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0041】
さらに、パチンコ遊技機1が特別遊技状態としての高確率状態にあると、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、高確率状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0042】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
【0043】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0044】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0045】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を開始する。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0046】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。可変表示が停止した時に可変表示装置9の可変表示領域9a,9b,9cに表示された表示結果が特定の図柄(識別情報)の組合せとなると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。本実施の形態では、可変表示が停止した時に表示された特別図柄の組合せが、3つの可変表示領域9a,9b,9cで全て一致する大当り図柄の組合せ(例えば111や、777)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞してV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0047】
可変表示が停止した時の可変表示装置9における特別図柄(停止図柄)の組合せが予め定められた確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確変図柄の組合せ;例えば777)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。高確率状態以外の状態を低確率状態と呼ぶ。
【0048】
なお、本実施の形態では、特別図柄の可変表示は、左の可変表示領域9a、右の可変表示領域9c、中の可変表示領域9bの順に停止するものであり、所謂「リーチ」という状態も形成される。
【0049】
本実施の形態におけるリーチとは、停止した特別図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示が行われている状態、一部の可変表示領域において図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。
【0050】
具体的には、予め定められた複数の可変表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の可変表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに、未だ停止していない有効ライン上の可変表示領域において可変表示が行われている状態(例えば可変表示領域9a,9b,9cのうち左,右の可変表示領域9a,9cには大当り図柄の組合せの一部となる図柄(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の可変表示領域9bでは未だ可変表示が行われている状態)、有効ライン上の可変表示領域の一部の図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば左,中,右の可変表示領域の全てで可変表示が行われて、どの状態が表示されても、左,右の可変表示領域で同一の図柄が表示され、中の可変表示領域で左,右の可変表示領域と異なる図柄が表示されている状態)である。
【0051】
またリーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。
またリーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0052】
本実施の形態では、可変表示装置9に表示結果として大当り図柄の組合せが表示されるときには、大当り図柄の組合せが表示結果として導出される可能性があることを、リーチの可変表示が実行されるときには、リーチの可変表示が実行される可能性があることを、所定の割合で遊技者に「予告」する。本実施の形態における「予告」は、特別図柄の表示表示結果が大当り図柄となる当該可変表示、又はそれより前の可変表示において、特殊な態様で可変表示することで実行される。
【0053】
すなわち、特別図柄の可変表示の態様である可変表示態様(「変動パターン」という)が、ある特殊な態様(後述の「予告A」,「予告B」,「予告C」)となることで、遊技者は大当り遊技状態の発生を期待することになる。なお、本実施の形態では「予告」は、あくまでも大当り図柄の組合せが表示結果として導出される可能性、又はリーチの可変表示が実行される可能性があることを示すに過ぎず、「予告」が実行されても、大当り図柄の組合せが表示結果として導出されない場合や、リーチの可変表示が実行されない場合もある。
【0054】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、ランプドライバ基板35、および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切替えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
【0055】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0056】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0057】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラムや各種のテーブル等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がROMに格納されたプログラムに従ってRAM等の周辺回路を用いながら情報処理を行い各種機器,遊技の状態などの制御を実行することである。
【0058】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0059】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、可変表示装置9の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。演出制御用CPU101は、それらの発光体の制御も行う。
【0060】
ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、遊技機に演出手段としての可動部材が設置されている場合には、可動部材を駆動するためのモータやソレノイド等の演出用駆動手段61を駆動するための駆動信号も、ランプドライバ基板35において作成される。
【0061】
さらに、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御、スピーカ27からの音声出力の制御も行う。
【0062】
図4は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104およびLCD駆動回路106を介してLCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行うとともに、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。以下、演出制御用CPU101が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、演出制御用CPU101がROMに格納されたプログラムに従ってRAM等の周辺回路を用いながら情報処理を行い各種機器の制御を実行することである。
【0063】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介してスピーカ27に対して音声信号を出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
【0064】
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。そして、演出用駆動手段61を駆動する信号は、駆動回路356で増幅され各ランプに供給される。
【0065】
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101を含む演出制御用CPU101によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10、スピーカ27およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10、スピーカ27およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う場合に、演出制御基板80を新たな機種のものに交換すれば、ランプドライバ基板35を交換せずに機種変更を実現することができる。
【0066】
なお、演出制御基板80とランプドライバ基板35は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。演出用の可動部材等が存在しない場合には駆動回路356は設けられなくてもよいが、機種変更を行う場合に、演出用の可動部材等が設置された場合を考慮すると、演出用の可動部材等が存在しない場合にも設けられていることが好ましい。
【0067】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31におけるCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定(ステップS1)を行う。
【0068】
初期設定(ステップS1)では、割込に関する設定、RAMクリア等の初期化処理を行う。また、初期設定では、電力供給が復旧したときのRAM55のデータチェック処理等や、各種設定も行う。なお、本実施形態では、この初期設定で、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかる設定が行われる。
【0069】
初期設定(ステップS1)が完了すると、表示用乱数更新処理(ステップS3)および初期値用乱数更新処理(ステップS4)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。ここで、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、後述の「ランダム2−1」,「ランダム2−2」,「ランダム2−3」,「ランダム4」,「ランダム5」が相当する。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。ここで、初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数であり、後述の「ランダム7」,「ランダム8」が相当する。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0070】
CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS2)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS5)。これは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理とステップS3,ステップS4とが競合するのを避けるためである。
【0071】
図6は、タイマ割込で、主基板31におけるCPU56が実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。なお、ステップS21以降の処理を開始する前に、CPU56は、電力供給が停止したかを確認して、電力供給が停止したときには、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータをRAM55(バックアップRAM領域)に保存する処理を行う。ステップS21以降の処理では、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0072】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理として判定用乱数更新処理を行う(ステップS22)。ここで、判定用乱数とは、大当りとするか否か等を決定するための乱数や、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数等であり、本実施の形態では、後述の「ランダム1」,「ランダム3」,「ランダム6」,「ランダム9」が相当する。
【0073】
CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理として初期値用乱数更新処理(ステップS23)、および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理として表示用乱数更新処理(ステップS24)を行う。
【0074】
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。ランダム1〜ランダム9までの各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)。
(2)ランダム2(ランダム2−1,ランダム2−3,ランダム2−2):可変表示が停止したときの可変表示領域9a,9b,9cにおける特別図柄の図柄を決定する(特別図柄決定用)。
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)。
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)。
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチの可変表示を実行するか否かを決定する(リーチ判定用)。
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)。
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)。
(9)ランダム9:「予告」を実行するか否かを決定する(予告判定用)。
【0075】
表示用乱数更新処理(ステップS3,ステップS24)、初期値用乱数更新処理(ステップS4,ステップS23)、判定用乱数更新処理(ステップS22)で、CPU56は各乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(加算)を行う。具体的には、判定用乱数更新処理(ステップS22)が行われることでランダム1,ランダム3,ランダム6,ランダム9を生成するためのカウンタが、初期値用乱数更新処理(ステップS23)が行われることでランダム7,ランダム8を生成するためのカウンタが、表示用乱数更新処理(ステップS24)が行われることでランダム2−1,ランダム2−2,ランダム2−3,ランダム4,ランダム5を生成するためのカウンタが、2ms毎に「1」ずつ加算される。
【0076】
また、表示用乱数更新処理(ステップS3)、初期値用乱数更新処理(ステップS4)が行われることでも、ランダム2−1,ランダム4,ランダム5,ランダム7,ランダム8を生成するためのカウンタが、ランダム2−1の桁上げごとにランダム2−2を生成するためのカウンタが、ランダム2−2の桁上げごとにランダム2−3を生成するためのカウンタが、「1」ずつ加算される。
【0077】
図6のステップS24に続いて、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグの値に応じた処理が選び出されて実行される。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。ステップS25に続いて、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0078】
ステップS26に続いて、CPU56は、特別図柄に関して演出制御基板80に対して送信することが決定されている演出制御コマンドを、演出制御基板80に対して送信する処理として、特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS27)。なお、演出制御基板80に送信する各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されていて、CPU56はポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドを送信する。ステップS27に続いて、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理として普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。
【0079】
さらに、CPU56は、ステップS28に続いて、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理として情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0080】
また、CPU56は、ステップS29に続いて、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う処理として賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0081】
そして、CPU56は、ステップS30に続いて、始動入賞記憶数の増減をチェックする処理として記憶処理を実行する(ステップS31)。さらに、その後、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を送ることで、可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球の経路を切替えたりするためにソレノイド16,21,21Aを駆動したりする。そして、レジスタの内容を復帰させて、割込許可状態に設定する。
【0082】
以上の遊技制御処理は、この実施の形態では2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0083】
図8は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生して、本発明の始動条件が成立すると(ステップS311;Yes)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。なお、電源投入後の初期の特別図柄プロセスフラグは、特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値になっている。
【0084】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示が開始できる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値となっている状態)になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か、予告を実行するか否かを決定する。そして、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示す値に更新する。
【0085】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):可変表示領域9a,可変表示領域9b,可変表示領域9cにおける可変表示後の停止図柄(以下「左停止図柄」,「中停止図柄」,「右停止図柄」という)を決定する。また、演出制御基板80に対して送信するための、左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を指定する演出制御コマンドを決定する。そして、特別図柄プロセスフラグを、変動パターン設定処理(ステップS302)を示す値に更新する。
【0086】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の変動パターンを、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。また、演出制御基板80に対して送信するための、変動態様(変動パターン)を指定する演出制御コマンドを決定する。そして、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄変動処理(ステップS303)を示す値に更新する。
【0087】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄停止処理(ステップS304)を示す値に更新する。
【0088】
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、可変表示を停止する演出制御コマンドを演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドとして決定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放開始処理(ステップS305)を示す値に更新する。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値に更新する。
【0089】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放中処理(ステップS306)を示す値に更新する。
【0090】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、特別図柄プロセスフラグを、特定領域有効時間処理(ステップS307)を示す値に更新する。
【0091】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態が継続する条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、特別図柄プロセスフラグを、大入賞口開放開始処理(ステップS305)を示す値に更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態が継続する条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセスフラグを、大当り終了処理(ステップS308)を示す値に更新する。
【0092】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU101に行わせるための制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグを、特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値に更新する。
【0093】
図9,図10は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図9において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(可変表示を行う期間)を示す。
【0094】
図10に示すように、本実施の形態では、特別図柄の変動パターンは、「通常変動」,「予告A」,「予告B」,「予告C」の4種類に分類される。「通常変動」は、本発明の第2の可変表示態様に相当し、「予告A」,「予告B」,「予告C」は、本発明の第1の可変表示態様に相当する。また、「予告C」が本発明の第1同期表示態様に相当し、「予告A」が本発明の第2同期表示態様に相当する。
【0095】
図10の(D)は、本実施の形態における「通常変動」の変動パターンを説明する図である。「通常変動」は、「予告」を実行しない場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「通常変動」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字がこの順序で変化しながら表示される。そして、本実施の形態における「通常変動」では、可変表示領域9a,9b,9cすべてで可変表示が行われて、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同じタイミングで数字が次々に変化している(「同期」している)ときには、3つの可変表示領域9a,9b,9cに同一種類の数字が同時に表示されることはない。
【0096】
図10の(A)は、本実施の形態における「予告A」の変動パターンを説明する図である。「予告A」は、「予告」を実行する場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「予告A」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字が変化しながら表示される。ただし、本実施の形態では、可変表示の際中に表示される数字の順序が、3つの可変表示領域9a,9b,9cのうち少なくとも1つにおいて、他の可変表示領域と異なる。本実施の形態では、左の可変表示領域9aと右の可変表示領域9cでは「1」〜「9」の数字がこの順序で変化しながら表示されるのに対して、中の可変表示領域9bでは「1」〜「9」の数字がこの順序とは逆の順序で変化しながら表示される。そして、本実施の形態における「予告A」では、各可変表示領域9a,9b,9cで可変表示が行われて、3つの各可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときには、1種類の数字(例えば7)だけが同時に(同じタイミングで)表示されるように同期して表示される。
【0097】
図10の(B)は、本実施の形態における「予告B」の変動パターンを説明する図である。「予告B」は、「予告」を実行する場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「予告B」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字が変化しながら表示される。ただし、本実施の形態では、可変表示の際中に表示される数字の順序が、3つの各可変表示領域9a,9b,9cのうち少なくとも1つにおいて、他の可変表示領域と異なる。本実施の形態では、左の可変表示領域9aと右の可変表示領域9cでは「1」〜「9」の数字がこの順序で変化しながら表示されるのに対して、中の可変表示領域9bでは「1」「3」「2」「4」「6」「5」「7」「9」「8」の順序で変化しながら表示される。そして、本実施の形態における「予告B」では、すべての可変表示領域9a,9b,9cで可変表示が行われて、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときには、3種類の数字だけが同時に(同じタイミングで)表示されるように同期して表示される。
【0098】
図10の(C)は、本実施の形態における「予告C」の変動パターンを説明する図である。「予告C」は、「予告」を実行する場合の変動パターンの一種である。本実施の形態における「予告C」では、各可変表示領域9a,9b,9cで、全9種類「1」〜「9」の数字が変化しながら表示される。可変表示の際中に表示される数字の順序は、「通常変動」と同じである。そして、本実施の形態における「予告C」では、すべての可変表示領域9a,9b,9cで可変表示が行われて、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときには、全9種類の数字が同時に(同じタイミングで)表示されるように同期して表示される。
【0099】
なお、上記の「予告A」や「予告B」の変動パターンでは、中の可変表示領域9bで可変表示される図柄の種類は、「通常変動」と同じ9種類である場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、「予告A」では1種類の図柄(例えば「7」)だけを表示し、「予告B」では3種類の図柄(例えば「1」,「4」,「7」)だけを可変表示するようにしてもよい。要は、「予告A」では1種類の数字だけ、「予告B」では3種類の数字だけ、「予告C」では9種類と行った具合に、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同期して数字が次々に変化しているときに、3つの可変表示領域9a,9b,9cで同時に表示されることがある数字の種類の数が異なるようになればよい。
【0100】
図11は、図8における始動口スイッチ通過処理(ステップS312)の詳細を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞カウンタの値(始動入賞記憶数)が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が最大値である4に達している場合には処理を終了する。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞カウンタの値を「1」増やす(ステップS112)。続いて、大当り判定用乱数等の各乱数(ランダム1〜ランダム5、ランダム9)の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。このように、本実施の形態では、各乱数が保存領域に保存されることにより、最大4回までの始動条件の成立が保留され、可変表示が最大4回まで保留されることになる。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
【0101】
図12は、大当り判定テーブル,リーチ判定テーブル,予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
図12(A)は、詳細を後述する大当り判定処理(大当り判定モジュール)で用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図12(B)は、詳細を後述するリーチ判定処理(リーチ判定モジュール)で用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。さらに、図12(C)は、詳細を後述する予告設定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【0102】
図12(A)に示すように、本実施の形態では、大当り判定テーブルが2種類用意されている。低確率状態の大当り判定テーブルでは大当り判定値は「3」であり、高確率状態の大当り判定テーブルでは大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。大当り判定値は、抽出したランダム1がこの大当り判定値に含まれるときに、大当りを発生させることを決定するための値である。
【0103】
また、図12(B)に示すように、本実施の形態では、リーチ判定テーブルが2種類用意されている。低確率状態のリーチ判定テーブルではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率状態のリーチ判定テーブルではリーチ判定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。リーチ判定値は、抽出したランダム5がこのリーチ判定値に含まれるときに、リーチの可変表示を実行することを決定するための値である。
【0104】
さらに、図12(C)に示すように、本実施の形態では、大当り不存在時(S113で格納されたランダム1の全てが大当り判定値に含まれるものではないとき)の予告判定テーブルと、大当り存在時(S113で格納されたランダム1に大当り判定値に含まれるものがあるとき)の予告判定テーブルとの2種類の予告判定テーブルが用意されている。予告判定テーブルは、予告を実行するか否かを所定の割合で選択するためのもので、大当り存在時の予告判定テーブルの方が、大当り不存在時の予告判定テーブルよりも高い割合で予告を実行することを選択するようになっている。
【0105】
本実施の形態では、大当り不存在時の予告判定テーブルの予告判定値は「0」、「1」、「11」であり、大当り存在時の予告判定テーブルの予告判定値は「0」〜「30」、「70」〜「99」である。予告判定値とは、抽出したランダム9がこの予告判定値に含まれるときに、予告を実行すること、すなわち「予告A」,「予告B」,「予告C」のうちいずれかの変動パターンを選択することを決定するための値である。本実施の形態では、ランダム9のとり得る値が0〜149であるため、大当り不存在時の予告判定テーブルによれば3/150の確率で、大当り存在時の予告判定テーブルによれば61/150の確率で、予告を実行することを選択する。
【0106】
図13は、詳細を後述する変動パターン設定処理で用いられる変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。変動パターン選択テーブルでは、予告を実行する場合の各変動パターン(本実施の形態では「予告A」,「予告B」,「予告C」)に対して、比較値が対応付けられている。抽出したランダム4が、各変動パターンに対応付けられた比較値に含まれるか否かで、その変動パターンを選択するか否かを決定するものである。図13(A)と図13(B)とで示すように、本実施の形態では、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルと、同期数が多くなり難い変動パターンとの2種類の変動パターン選択テーブルが用意されている。同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルによれば、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルによる場合よりも高い割合で「予告C」や、「予告B」を選択するようになっている。
【0107】
図13(A)は、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルを示している。同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルでは、「予告A」に比較値0〜14が対応し、「予告B」に比較値15〜44が対応し、「予告C」に比較値45〜149が対応している。本実施の形態では、ランダム4のとり得る値が0〜149であるため、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルによれば15/150の確率で「予告A」が、30/150の確率で「予告B」が、105/150の確率で「予告C」が選択され、可変表示で実行する変動パターンとして決定することになる。したがって、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルでは、「予告A」よりも「予告B」、「予告B」よりも「予告C」が選択され易くなっている。
【0108】
図13(B)は、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルを示している。同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルでは、「予告A」に比較値0〜129が対応し、「予告B」に比較値130〜144が対応し、「予告C」に比較値145〜149が対応している。本実施の形態では、ランダム4のとり得る値が0〜149であるため、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブルによれば130/150の確率で「予告A」が、15/150の確率で「予告B」が、5/150の確率で「予告C」が選択され、可変表示で実行する変動パターンとして決定することになる。したがって、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブルでは、「予告C」よりも「予告B」、「予告B」よりも「予告A」が選択され易くなっている。
【0109】
図14は、大当り判定処理(大当り判定モジュール)を示すフローチャートである。大当り判定処理では、可変表示の表示結果が特定の図柄の組合せとなるか否かの判定を行う。本実施の形態では、後述のS57やS128aにおいて、図14に示す共通の大当り判定モジュールを用いて大当り判定処理を実行する。大当り判定モジュールでは、CPU56は、まず、そのときの状態が高確率状態であるか否か判定し(ステップS141)、高確率状態であれば、図12(A)に示された高確率状態の大当り判定テーブルを使用することに決定する(ステップS142)。高確率状態でなければ、低確率状態の大当り判定テーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0110】
ステップS142,ステップS143に次いで、大当り判定処理を行うために読み出したランダム1に一致する値が、大当り判定テーブル中の大当り判定値にあるか否かを判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0111】
図15は、リーチ判定処理(リーチ判定モジュール)を示すフローチャートである。リーチ判定処理では、リーチの可変表示を実行するか否かの判定を行う。本実施の形態では、後述のS65やS128bにおいて、図15に示す共通のリーチ判定モジュールを用いてリーチ判定処理を実行する。リーチ判定モジュールでは、CPU56は、まず、そのときの状態が高確率状態であるか否か判定し(ステップS151)、高確率状態であれば、図12(B)に示された高確率状態のリーチ判定テーブルを使用することに決定する(ステップS152)。高確率状態でなければ、低確率状態のリーチ判定テーブルを使用することに決定する(ステップS153)。
【0112】
ステップS152,ステップS153に次いで、リーチ判定処理を行うために読み出したランダム5の値に一致する値が、リーチ判定テーブル中のリーチ判定値にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチの可変表示を実行することにして(ステップS156)、一致する値がなければリーチの可変表示を実行しないことに決定する(ステップS157)。
【0113】
図14や図15に示すように、大当り判定処理やリーチ判定処理のためのプログラムモジュールとして、大当り判定モジュールやリーチ判定モジュールを用意している。このため、可変表示の表示結果が特定の図柄の組合せとなるか否かの判定や、リーチの可変表示を実行するか否かの判定を行うための処理(プログラム)の内容を変更する必要が生じたときに、大当り判定処理やリーチ判定処理のためのプログラムモジュールだけを変更すればよいので、パチンコ遊技機のプログラム開発の省力化することができる。なお、プログラムモジュールとは、サブルーチンと呼ばれることもあるもので、パチンコ遊技機のプログラム全体の中で、ある目的をもった一かたまりの処理を実行するために、論理的に完結している部分をいう。
【0114】
図16は、図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)の詳細を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の可変表示を開始することができる状態(例えば、特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値となっている場合)であるかを判断することで、本発明の開始条件が成立したかを判断する(ステップS51)。特別図柄の可変表示を開始することができる状態ではないと判断すると、処理を終了する。一方、特別図柄の可変表示を開始することができる状態であると判断すると、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において特別図柄の可変表示の最中ではなく、かつ、大当り遊技状態でもない場合である。
【0115】
ステップS52で始動入賞記憶数が0であると判断すれば、処理を終了する。一方、ステップS52で始動入賞記憶数が0でないと判断すれば、予告設定処理を実行する(ステップS53)。予告処理の詳細は後述する。次いで、S113で格納された、始動入賞記憶数=1に対応する各乱数値を読み出してRAM55の乱数値バッファに格納するとともに(ステップS54)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、保存領域(特別図柄判定用バッファ)の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応して保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。このように、保存領域(特別図柄判定用バッファ)の内容をシフトして、ステップS54で始動入賞記憶数=1に対応する各乱数値を読み出し、ステップS55で保存領域(特別図柄判定用バッファ)の内容をシフトすれば、保留中の個々の可変表示を、開始条件が成立する度に、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に順番に格納された各乱数に基づいて順次実行させることができる。
【0116】
次いで、CPU56は、乱数値バッファから、ステップS54で格納した大当り判定用乱数を読み出して(ステップS56)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。次いで、S57で実行した大当たり判定処理で大当りとすることに決定したかを判断する(ステップS58)。大当たり判定処理で大当りとすることに決定したと判断した場合には、CPU56は、大当りフラグをセット(ステップS59)して、ステップS60へ進む。なお、セットされた大当りフラグは、大当り終了処理(ステップS308)を終了する際にリセットされる。
【0117】
一方、ステップS58で、S57で実行した大当たり判定処理で大当りとすることに決定していないと判断した場合には、そのままステップS60へ進む。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄停止図柄設定処理を示す値に更新して(ステップS60)、処理を終了する。
【0118】
図17は、図16の特別図柄通常処理における予告設定処理(ステップS53)の詳細を示すフローチャートである。予告設定処理は、これから実行される1又は複数回の可変表示において、予告を実行するか否かを決定するための処理である。予告設定処理において、CPU56は、確変状態か否かを確認する(ステップS121)。高確率状態であることが確認されると、処理を終了する。ステップS121の処理によって、高確率状態では予告の実行を規制することになる。
【0119】
S121で高確率状態ではないと確認されると、予告回数カウンタを読み出す(ステップS122)。なお、予告回数カウンタとは、複数回の連続した可変表示のぞれぞれで予告を実行するという「連続予告」を行うことを決定した場合において、未だ予告が実行されていない残りの回数を記憶するためのカウンタである。次いで、ステップS122で読み出した予告回数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する(ステップS123)。予告回数カウンタのカウント値が0でなければ、処理を終了する。ステップS123の処理によって、連続予告で未だ実行されていない予告が存在する場合には、予告を行うかを決定するための以降の処理(ステップS124a〜ステップS131a、ステップS124b〜ステップS131b、ステップS132〜ステップS137)を実行することを規制する。
【0120】
ステップS123で予告回数カウンタのカウント値が0と判断すれば、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS124a)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS125a)。なお、ステップS125aで初期値を設定した検査回数カウンタは、次のステップS126a〜ステップS129aのループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタとなる。
【0121】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS126a)、始動入賞記憶数の値(=検査回数カウンタのカウント値)に対応する保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されている大当り判定用乱数値(ランダム1)を読み出して(ステップS127a)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS128a)。次いで、ステップS128aの大当り判定モジュールにおいて大当りとなると判定されたかを確認し(ステップS129a)、大当りとならない場合には、CPU56は、処理数を1減算する(ステップS130a)。次いで、処理数が0であるかを確認(ステップS131a)し、処理数が0になっていなければステップS126aの処理に移行する。
【0122】
すなわち、この実施の形態では、ステップS126a〜ステップS131aの処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS126a〜ステップS131aのループ処理におけるステップS129aにて、大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS126a〜ステップS131aでは、始動入賞カウンタでカウントされて始動条件が成立して、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域にそれぞれ格納された大当り判定用乱数値の中に大当り判定値に含まれる値が存在し、表示結果が大当り図柄の組合せとなる保留中の可変表示があると判定されるまで、または、保留中の可変表示についての判定を全て終えて、処理数が0となるまで、ステップS126a〜ステップS131aの処理が繰り返される。この際に、始動入賞記憶数(検査回数カウンタのカウント値=1〜4)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
【0123】
ステップS131aで処理数が0であると判断すると、CPU56は、再度、始動入賞カウンタのカウント値を処理数に設定するとともに(ステップS124b)、検査回数カウンタのカウント値を初期値である0に設定する(ステップS125b)。なお、ステップS125bで初期値を設定した検査回数カウンタは、次のステップS126b〜ステップS129bのループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタとなる。
【0124】
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS126b)、始動入賞記憶数の値(=検査回数カウンタのカウント値)に対応する保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されているリーチ判定用乱数値(ランダム5)を読み出して(ステップS127b)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS128b)。次いで、ステップS128bのリーチ判定モジュールにおいてリーチの可変表示を実行する旨が判定されたかを確認し(ステップS129b)、リーチの可変表示を実行しない場合には、CPU56は、処理数を1減算する(ステップS130b)。次いで、処理数が0であるかを確認(ステップS131b)し、処理数が0になっていなければステップS126bの処理に移行する。
【0125】
すなわち、この実施の形態では、ステップS126b〜ステップS131bの処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。ただし、ステップS126b〜ステップS131bのループ処理におけるステップS129bにて、リーチの可変表示を実行する旨の判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS126b〜ステップS131bでは、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域に格納されされているリーチ判定用乱数値がリーチ判定値に含まれ、保留中の可変表示の中にリーチとなるものがあると判定されるまで、または、保留中の可変表示についての判定を全て終えて、処理数が0となるまで、ステップS126b〜ステップS131bの処理が繰り返される。この際に、始動入賞記憶数(検査回数カウンタのカウント値=1〜4)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各リーチ判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、リーチとなるか否かの判定が実行される。
【0126】
ステップS129aにおいて大当りとなると判定した場合には、CPU56は、大当り存在時の予告判定テーブル(図12(C)の右側)をステップS136において使用する予告判定テーブルとして設定する(ステップS132)とともに、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあることを示すための大当り存在フラグをセットする(ステップS133)。なお、セットされた大当り存在フラグは、大当り終了処理(ステップS308)を終了する際にリセットされる。また、ステップS129bにおいてリーチとなると判定した場合には、CPU56は、大当り不存在時の予告判定テーブル(図12(C)の左側)をステップS136において使用する予告判定テーブルとして設定する(ステップS134)。ステップS131bで処理数が0であると判断すると、予告は行わないこととして、処理を終了する。
【0127】
ステップS133やステップS134に次いで、CPU56は、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されている予告判定用乱数(ランダム9)を読出し(ステップS135)、ステップS132又はステップS134で設定された予告判定テーブルを用いて予告を行うことにするか否か、すなわち、「予告A」,「予告B」,「予告C」による可変表示か、「通常変動」による可変表示か、いずれかを所定の割合で選択する(ステップS136)。なお、ステップS135では、始動入賞記憶数=Kに対応する保存領域に格納されている予告判定用乱数を読出してもよい。また、ステップS135では、予告判定用乱数を保存領域から読出すのではなく、予告判定用乱数をカウンタから抽出して、S135で抽出した予告判定用乱数の値を用いてS136の判定を行ってもよい。
【0128】
ステップS136で予告を行うと判定した場合には、予告の実行回数の残数をカウントするための予告回数カウンタに、検査回数カウンタのカウント値Kを設定して(ステップS137)、処理を終了する。すなわち、ステップS137で、予告回数カウンタに2以上が設定したときに、連続予告を行うことが決定されることになる。一方、ステップS136で予告を行わないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0129】
なお、リーチが発生しない場合に用いるための予告判定テーブルとして完全ハズレ時の予告判定テーブルを用意しておき、ステップS131bで処理数が0であると判断した後に、完全ハズレ時の予告判定テーブルをステップS136において使用する予告判定テーブルとして設定して、S135に進むようにしてもよい。
【0130】
本実施の形態は、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定したときに(ステップS129a:Yes)予告を実行するとともに、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しないときでも(ステップS129a:No)予告を実行するという特徴を備える。さらに、最終的に予告を実行するか否かを予告判定用乱数と予告判定テーブルに基づく抽選の結果で決定する(ステップS135,ステップS136)という特徴も備える。さらに、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあるか否かで、使用する予告判定テーブルを異ならせているため(ステップS132、ステップS134)、最終的に予告を実行することを決定する確率が保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあるか否かで異なるという特徴も備える。
【0131】
また、本実施の形態は、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあると判定したときに(ステップS129b:Yes)予告を実行するという特徴を備える。さらに、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあると判定しても、最終的に予告を実行するか否かを予告判定用乱数と予告判定テーブルに基づく抽選の結果で決定する(ステップS135,ステップS136)という特徴も備える。
【0132】
図18は、図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の詳細を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、ステップS54で乱数値バッファに格納された始動入賞記憶数=1に対応する大当り図柄決定用乱数(ランダム3)に従って大当り図柄を決定して(ステップS62)、ステップS63へ移行する。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組合せのそれぞれに対応した左中右の図柄番号が設定されている。
【0133】
ステップS61で、大当りフラグがセットされていないと判断した場合には、CPU56は、保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納されているリーチ判定用乱数値(ランダム5)を読み出して(ステップS64)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS65)。次いで、ステップS65でリーチの可変表示を実行することが決定されたかを確認する(ステップS66)。リーチの可変表示を実行することに決定された場合には、ステップS54で乱数値バッファに格納されたランダム2−1の値に従って左停止図柄,右停止図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中停止図柄を決定して(ステップS67)、ステップS63に移行する。なお、決定された中停止図柄が左停止図柄,右停止図柄と一致した場合には、ランダム2−2の値に1加算した値に対応する図柄を中停止図柄とすることで、大当り図柄の組合せと一致しないようにする。
【0134】
ステップS66においてリーチの可変表示を実行しないことに決定された場合には、はずれの場合の図柄の決定を行い(ステップS68)、ステップS63に移行する。具体的には、ステップS54で乱数値バッファに格納されたランダム2−1の値に従って左停止図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中停止図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右停止図柄を決定する。なお、ここでは、「左」と「右」の図柄が一致した場合には「右」の図柄を1図柄ずらし、リーチにならないようにする。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0135】
ステップS62,ステップS67,ステップS68で左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を決定すると、決定した左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を指定する演出制御コマンドに対応するコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドを決定する。その後、ステップS63では、特別図柄プロセスフラグを、変動パターン設定処理を示す値に更新する(ステップS63)。
【0136】
図19は、図8の特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)の詳細を示すフローチャートである。変動パターン設定処理は、変動パターンを決定するための処理である。変動パターン設定処理において、CPU56は、予告回数カウンタを読み出す(ステップS71)。次いで、読み出した予告回数カウンタのカウント値が0であるか否かを判定する(ステップS72)。ステップS72で予告回数カウンタのカウント値が0であれば、変動パターンとして「通常変動」を実行することを決定して(ステップS77)、ステップS76へ移行する。一方、ステップS72で予告回数カウンタのカウント値が0でなければ、変動パターン選択テーブル決定処理を行う(ステップS73)。
【0137】
次いで、CPU56は、乱数値バッファから変動パターン決定用乱数(ランダム4)を読出す(ステップS74)。次いで、S74で読出した変動パターン決定用乱数と、ステップS73で決定した変動パターン選択テーブルとを用いて変動パターンの種類を所定の割合で決定して(ステップS75)、ステップS76へ移行する。すなわち、ステップS75では、ステップS73にて決定した変動パターン選択テーブルを用いて、ステップS74で読出した変動パターン決定用乱数の値が含まれる比較値が対応付けされている変動パターンを選択して、可変表示で実行する変動パターンとして決定する。
【0138】
ステップS77や、ステップS75で変動パターンを決定すると、ステップS76では、CPU56は、決定した変動パターンで可変表示するのに要する変動時間を特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間タイマをスタートさせる(ステップS76)。そして、CPU56は、決定した変動パターンを指定する演出制御コマンドに対応するコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドを決定する。
【0139】
図20は、図19の変動パターン設定処理における変動パターン選択テーブル決定処理(ステップS73)の詳細を示すフローチャートである。変動パターン選択テーブル決定処理は、何れの変動パターンによって予告を実行するかを決定するための変動パターン選択テーブルを決定するための処理である。変動パターン選択テーブル決定処理において、CPU56は、予告回数カウンタを読み出して(ステップS73a)、その予告回数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS73b)。
【0140】
次いで、CPU56は、大当り存在フラグがセットされているか否かの確認を行う(ステップS73c)。大当り存在フラグがセットされていれば、同期数が多くなり易い変動パターン選択テーブル(図13(A)参照)を、ステップS75において使用する変動パターン選択テーブルとして決定して(ステップS73d)、処理を終了する。一方、ステップS73cで、大当り存在フラグがセットされていないと判断された場合には、同期数が多くなり難い変動パターン選択テーブル(図13(B)参照)を、ステップS75において使用する変動パターン選択テーブルとして決定して(ステップS73e)、処理を終了する。
【0141】
上記のように、可変表示装置9において可変表示を開始できる条件(開始条件)が成立したとき(ステップS51:Yes)には、大当りとするか否か、また、リーチの可変表示を実行するか否かが決定される(ステップS57,S65参照)。そして、その決定結果にもとづいて実際の可変表示の表示結果(可変表示停止時の図柄)が導出されるように(ステップS62,S67,S68参照)、演出制御基板に対して可変表示を実行するための演出制御コマンドを送信する(ステップS27)。
【0142】
ここで、当該可変表示で大当り・リーチの可変表示を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値(ランダム1,ランダム5)や、当該可変表示の表示結果を決定するために用いられる乱数値(ランダム2,ランダム3)は、始動入賞記憶数1に対応して格納され(ステップS113,ステップS55)、その後に乱数値バッファに格納された値(ステップS54)である。したがって、本実施の形態によれば、開始条件が成立する度に、始動入賞記憶数の値に対応して保存領域(特別図柄判定用バッファ)に順番に格納された各乱数に基づく保留中の個々の可変表示を、順次演出制御基板に対して実行させることができる。
【0143】
次に、遊技制御手段から演出制御用CPU101に対する制御コマンドの送出方式について説明する。本実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
【0144】
本実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0145】
演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用CPU101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0146】
演出制御コマンドは、演出制御用CPU101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
【0147】
次に、主基板31からの演出制御コマンドの受信方式について説明する。本実施形態では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。
【0148】
主基板31からの演出制御INT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からの演出制御INT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する。
【0149】
演出制御基板80の演出制御用CPU101は、主基板31の遊技制御手段から演出制御コマンドを受信すると、演出制御コマンドの内容を解析して、演出制御コマンドで示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する等の制御を行う。
【0150】
演出制御用CPU101は、変動パターンを指定する演出制御コマンドにしたがって、可変表示の開始と変動パターンを特定し、左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を指定する演出制御コマンドにしたがって、左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を特定し、可変表示を停止する演出制御コマンドにしたがって、可変表示の停止を特定し、これらの各演出制御コマンドに応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する等の制御を実行する。演出制御用CPU101は、この他にも各種の演出制御コマンドを受信して、可変表示装置9等の制御を行う。なお、可変表示の開始と、変動パターンの特定とを別々の演出制御コマンドで特定するようにしてもよい。
【0151】
演出制御用CPU101の動作を説明する。
図21は、演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていると判断したら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0152】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0153】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する処理としてコマンド解析実行処理を実行する(ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0154】
図21の演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されている演出制御コマンドの内容を確認する。
【0155】
受信した演出制御コマンドが左停止図柄を指定する演出制御コマンドであれば、左停止図柄を示すデータをRAMにおける左停止図柄格納領域に格納する。また、中停止図柄を指定する演出制御コマンドであれば、中停止図柄を示すデータをRAMにおける中停止図柄格納領域に格納する。そして、右停止図柄を指定する演出制御コマンドであれば、右停止図柄を示すデータをRAMにおける右停止図柄格納領域に格納する。
【0156】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターンを指定する演出制御コマンドであれば、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し、変動パターンを指定するコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグをセットする。
さらに、読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする。
【0157】
図22は、図21に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)の詳細を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS801〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。なお、電源投入後の初期の演出制御プロセスフラグは、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値になっている。
【0158】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801):変動パターンを指定する演出制御コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、変動パターン受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターンを指定する演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。そして、変動パターン受信フラグがセットされていることを確認すると、演出制御プロセスフラグを、全図柄変動開始処理(ステップS802)を示す値に更新する。
【0159】
全図柄変動開始処理(ステップS802):可変表示領域9a,9b,9cにおける特別図柄の可変表示を開始する。そして、演出制御プロセスフラグを、図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新する。
【0160】
図柄変動中処理(ステップS803):変動時間の終了を監視する。そして、変動時間の終了を確認すると、演出制御プロセスフラグを、全図柄停止待ち設定処理(ステップS804)を示す値に更新する。
【0161】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間が終了して、可変表示を停止する演出制御コマンドを受信していたら、図柄の可変表示を停止して表示結果(左停止図柄,右停止図柄,中停止図柄)を表示する制御を行う。そして、表示結果が大当り図柄の組合せである場合には、演出制御プロセスフラグを、大当り表示処理(ステップS805)を示す値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグを変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値に更新する。
【0162】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグを、大当たり遊技中処理(ステップS806)を示す値に更新する。
【0163】
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、受信した演出制御コマンドに基づいて、大入賞口を開放する前や、大入賞口を開放した時に、ラウンド数の表示を行う。そして、演出制御プロセスフラグを変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値に更新する。
【0164】
図23は、図22の演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)の詳細を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンを指定する演出制御コマンドで、予告変動パターン(「予告A」,「予告B」,「予告C」)のいずれかが指定されているか否かを確認する(ステップS821)。
【0165】
本実施の形態では、「通常変動」,「予告A」,「予告B」,「予告C」の各変動パターンに応じて、各可変表示領域9a,9b,9cにおける特別図柄の表示順序、各図柄の表示時間(変動速度)の切替えタイミングがROMに記憶されている。例えば、「通常変動」と「予告C」に対しては、各可変表示領域9a,9b,9cで「1」〜「9」の数字がこの順に順次表示されるように図柄の表示順序が記憶されている。また、「予告A」に対しては、可変表示領域9a,9cの表示順序は「通常変動」と同じで、可変表示領域9bでは「1」〜「9」の数字がこの順序とは逆の順序に順次表示されるように図柄の表示順序が記憶されている。また、「予告B」に対しては、可変表示領域9a,9cの表示順序は「通常変動」と同じで、可変表示領域9bでは「1」「3」「2」「4」「6」「5」「7」「9」「8」の順序に順次表示されるように図柄の表示順序が記憶されている。
【0166】
ステップS821で、予告変動パターンが指定されていないと判断した場合には、「通常変動」の表示順序で可変表示することに決定する。一方、ステップS821で予告変動パターンが指定されていると判断した場合には、図柄の差替え(ステップS822)を行う。
【0167】
ステップS822の図柄の差替えでは、可変表示開始前に各可変表示領域9a,9b,9cに表示されている図柄(前回の可変表示の表示結果等)にかかわらず、全ての可変表示領域9a,9b,9cに同一種類の図柄(例えば「7」)を表示するように図柄を差替えて表示するとともに、演出制御コマンドで指定されている変動パターンに対応する表示順序で今回の可変表示を実行することに決定する。
【0168】
その後、可変表示中の時間を計測するためのタイマである変動時間タイマをスタートするとともに、S821やS822で決定した変動パターンの表示順序に従った可変表示を開始する(ステップS823)。このとき、ステップS822で差替えが行われた場合には、全ての可変表示領域9a,9b,9cで同時に可変表示を開始し、特別図柄が同じタイミングで順次切り替わって表示されるように、全ての可変表示領域9a,9b,9cで同期した可変表示を行う。
【0169】
すなわち、変動パターンを指定する演出制御コマンドで「予告A」が指定され、ステップS822で、全ての可変表示領域9a,9b,9cに「7」を切替えて表示した場合には、可変表示開始当初から可変表示領域9a(最初に可変表示が停止する可変表示領域)の可変表示が停止するまでに亘って、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて「7」だけが同じタイミングで表示されるように同期して可変表示されることになる(図10(A)参照)。同様に、「予告B」が指定された場合には、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて「1」,「4」,「7」が同じタイミングで表示されるように同期して可変表示されることになり(図10(B)参照)、「予告C」が指定された場合には、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて「1」〜「9」全ての図柄が同じタイミングで表示されるように同期して可変表示されることになる(図10(C)参照)。
【0170】
なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドで「通常変動」が指定されている場合には、前回の可変表示の表示結果等から可変表示を開始することになるが、この際に、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて同じタイミングで可変表示を開始しても、各可変表示領域9a,9b,9cにおける可変表示の開示のタイミングをずらしてもよい。
【0171】
但し、「通常変動」の場合には、当該可変表示で予告が実行されているとの遊技者に対する誤解を避けるために、全ての可変表示領域9a,9b,9cにおいて同一種類の図柄が同じタイミングで表示されるように同期して可変表示することのないような制御を行う。例えば、可変表示を開始しようとする可変表示領域に表示されている図柄が、他の可変表示領域に表示されている図柄と一致しているかを可変表示の開始時に判定し、一致していると判定した場合には、いずれか一方の可変表示領域における可変表示を先に開始する。また、例えば、既に可変表示を開始した可変表示領域に同じ図柄が表示されているタイミングでは、残りの可変表示領域における可変表示の開始を規制する。
【0172】
ステップS823に次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを、図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新して(ステップS824)、処理を終了する。
【0173】
図24は、図22の演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)の詳細を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS831)。変動時間タイマがタイムアウトしてなかったら処理を終了する。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていたら、可変表示を停止する演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせる(ステップS832)。次いで、演出制御プロセスフラグを、全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示す値に更新して(ステップS833)、処理を終了する。
【0174】
図25は、図22の演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS804)の詳細を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU101は、可変表示を停止する演出制御コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS841)。可変表示を停止する演出制御コマンドを受信していれば、上述のコマンド解析処理(ステップS704)で記憶した左停止図柄,中停止図柄,右停止図柄を各可変表示領域に表示して可変表示を停止させる制御を行い(ステップS842)、ステップS843へ移行する。
【0175】
ステップS842における可変表示を停止させる制御は、可変表示領域9a、可変表示領域9c、可変表示領域9bの順に時間をずらして行う。すなわち、可変表示領域9cの表示結果である右停止図柄を、可変表示領域9aの表示結果である左停止図柄よりも遅れて導出表示し、可変表示領域9bの表示結果である中停止図柄を、可変表示領域9cの表示結果である右停止図柄よりも遅れて導出表示する。
【0176】
このため、本実施の形態では、予告を行った場合でも、表示結果で大当り図柄の組合せを導出することも、導出しないことも可能となる。例えば、可変表示を全ての可変表示領域9a,9b,9cで同時に停止するように構成すると、「予告C」で可変表示が行われていた場合には必ず表示結果で大当り図柄の組合せを導出することになるが、本実施の形態のように、少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示することで、表示結果で大当り図柄の組合せを導出することも、導出しないことも可能となる。
【0177】
また、本実施の形態で、予告が実行される場合には、「予告A」,「予告B」,「予告C」何れの変動パターンの場合でも、左の可変表示領域9aで可変表示が停止するまでは、全ての可変表示領域9a,9b,9cで同期した可変表示を行い、可変表示領域9cで可変表示が停止するまでは、2つの可変表示領域9b,9cで同期した可変表示を行う。したがって、可変表示を開始した後、左の可変表示領域9aの可変表示が停止されるに至るまでと、右の可変表示領域9cの可変表示が停止されるに至るまでまでの期間は、少なくとも1種類の図柄が同時に2以上の可変表示領域で表示されるように同期して可変表示が行われるため、遊技者は、「通常変動」と異なる態様で可変表示されていることに気づき易くなる。
【0178】
言い換えるなら、予告が実行される場合には、可変表示を開始した後、複数の可変表示領域のうち最初に可変表示が停止する可変表示領域における可変表示が停止するに至るまでの期間や、複数の可変表示領域のうち最後から2番目に可変表示が停止する可変表示領域における可変表示が停止するに至るまでの期間は、少なくとも1種類の図柄が同時に2以上の可変表示領域で表示されるように同期して可変表示が行われるため、遊技者は、「通常変動」と異なる態様で可変表示されていることに気づき易くなる。
【0179】
なお、本明細書中で「可変表示が停止されるに至るまで」との表現は、“可変表示が完全に停止されるに至るまで”を意味することは勿論であるが、この意味に限られる表現ではない。すなわち、「可変表示が停止されるに至るまで」との表現は、“それまで一定の時間間隔で順次図柄が切り替わって表示されていた可変表示において、可変表示を停止するために、当該時間間隔が長くなるように変更されるに至るまで”との意味も含む表現である。
【0180】
ステップS842で可変表示を停止した後、大当り図柄の組合せが可変表示領域9a,9b,9cに表示されたか否かを判定する(ステップS843)。大当り図柄の組合せが表示されていない場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS801)を示す値に更新する(ステップS844)、処理を終了する。一方、大当り図柄の組合せが表示されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを、大当り表示処理(ステップS805)を示す値に更新して(ステップS845)、処理を終了する。
【0181】
ステップS841において、可変表示を停止する演出制御コマンドを受信していないと判断した場合には、演出制御用CPU101は、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS846)。タイムアウトしていなければ処理を終了する。一方、タイムアウトしていると判断した場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置9にエラー画面を表示する制御を行い(ステップS847)、ステップS843へ進む。
【0182】
以上に説明した実施の形態における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
事前判定手段(図16,図17,図18参照):S54〜S58、S64〜S66、S124a〜S131a、S124b〜S131bの処理を実行するCPU56。
可変表示態様選択手段(図17,図19参照):S132〜S137,S71〜S77の処理を実行するCPU56。
可変表示制御手段(図22参照):S801〜S804の処理を実行する演出制御用CPU101。
リーチ時選択手段(図17参照):S134〜S136の処理を実行するCPU56。
特定選択手段(図17参照):S132,S135,S136の処理を実行するCPU56。
特別選択手段(図17参照):S134〜S136の処理を実行するCPU56。
【0183】
保留記憶手段(図8,図11参照):図3のRAM55,S312の処理を実行するCPU56。
保留判定手段(図17参照):S124a〜S131aの処理を実行するCPU56。
連続選択制御手段(図17,図19,図20参照):S137,S71,S72,S73(S73b)の処理を実行するCPU56。
規制手段(図17参照):S121〜S123の処理を実行するCPU56。開始時判定手段(図16参照):S54〜S58の処理を実行するCPU56。
【0184】
本発明の請求項1の遊技機では、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する複数の可変表示領域(可変表示領域9a,9b,9c)を有する可変表示手段(可変表示手段9)を備え、予め定められている始動条件(遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生すること;ステップS311)が成立した後、開始条件(特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理(ステップS300)を示す値となっていること)の成立に基づいて前記識別情報の可変表示を開始し、前記複数の可変表示領域における可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せ(例えば777)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に対する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする事前判定手段(S54〜S58、S64〜S66、S124a〜S131a、S124b〜S131b)と、前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示の表示態様を複数の可変表示態様のうちから選択する可変表示態様選択手段(S132〜S137,S71〜S77)と、前記可変表示態様選択手段によって選択された可変表示態様を用いた可変表示を実行するとともに、前記複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の前記可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させる可変表示制御手段(S801〜S804)と、を備え、前記複数の可変表示態様は、前記識別情報の可変表示を開始した後、前記複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、当該可変表示の開始前の可変表示の表示結果に関係なく、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様(「予告A」,「予告B」,「予告C」)と、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されないように可変表示する第2の可変表示態様(「通常変動」)と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0185】
本発明の請求項2の遊技機では、請求項1に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定をしたときに、可変表示の表示態様としてリーチが実行されるか否かを判定し(S124b〜S131b)、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によってリーチが実行される旨の判定がされたときに、所定の割合で前記第1の可変表示態様を選択するリーチ時選択手段(S134〜S136)を含むことを特徴とする。
【0186】
本発明の請求項3の遊技機では、する請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特定選択手段(S132,S135,S136)を含むことを特徴とする。
【0187】
本発明の請求項4の遊技機では、請求項3に記載の遊技機において、前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特別選択手段(S134〜S136)を含み、前記特定選択手段は、前記特別選択手段よりも高い割合で前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする。
【0188】
本発明の請求項5の遊技機では、請求項4に記載の遊技機において、前記第1の可変表示態様は、前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が予め定められた数である第1同期表示態様(「予告C」)と、該第1同期表示態様に比べて前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が少ない第2同期表示態様(「予告A」)と、を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記特定選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときに、前記特別選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときよりも高い割合で前記第1同期表示態様を選択する(S133,S73c,S73d,S73e)ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【0189】
本発明の請求項6の遊技機では、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つに記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様以外の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには前記可変表示領域において所定の順序で前記識別情報を可変表示するとともに、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには少なくとも1つの前記可変表示領域において前記所定の順序と異なる順序で前記識別情報を可変表示する差替え制御(S821,S822)を実行することを特徴とする。
【0190】
本発明の請求項7の遊技機では、請求項6に記載の遊技機において、前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには、当該可変表示を開始するときに前記差替え制御を実行する(S881,S882)ことを特徴とする。
【0191】
本発明の請求項8の遊技機では、請求項1乃至請求項7いずれか1つに記載の遊技機において、前記始動条件が成立したが前記開始条件が成立していない始動条件の成立を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段(S312)を備え、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする保留判定手段(S124a〜S131a)を含み、前記可変表示態様選択手段は、前記保留判定手段によって前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、当該判定された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の可変表示において前記第1の可変表示態様を選択する連続選択制御を実行する連続選択制御手段(S137,S71,S72,S73(S73b))を含むことを特徴とする。
【0192】
本発明の請求項9の遊技機では、請求項8に記載の遊技機において、前記連続選択制御手段による連続選択制御の実行中は、前記保留判定手段による判定を規制する規制手段(S121〜S123)を備えたことを特徴とする。
【0193】
本発明の請求項10の遊技機では、請求項8又は請求項9に記載の遊技機において、前記事前判定手段は、前記開始条件が成立する度に、当該開始条件の成立に基づいて実行する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする開始時判定手段(S54〜S58)を含み、該開始時判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定(S57)と、前記保留判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定(S128a)とを共通のプログラムモジュール(S141〜S147)で実行することを特徴とする。
【0194】
以上に説明した、実施の形態は、次の(1)〜(8)に説明するように改変することができる。
【0195】
(1) 上記実施の形態では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(図17のステップS129aでNo)ときでも、リーチの可変表示を実行すると判定した(図17のステップS129bでYes)ときに、予告を実行するものを示したが、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(図17のステップS129aでNo)ときは、予告を一切実行しないようにすることもできる。例えば、ステップS129aで保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(ステップS129aでNo)ときには、ステップS131aに続いてステップS124b〜ステップS131bを行わずに、そのまま予告設定処理を終了させるように改変できる。このように改変した場合には、「予告」は、保留中の可変表示で必ず大当り図柄が表示結果として導出されることを示すものとなる。
【0196】
(2) 上記実施の形態(図17参照)では、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあると判定した(ステップS129bでYes)ときに予告を実行するとともに、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがないと判定した(ステップS129bでNo)ときは予告を実行しないものを示したが、保留中の可変表示の中にリーチの可変表示を実行するものがあるか否かにかかわらず、予告を実行するようにすることもできる。例えば、ステップS129aで保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定しない(ステップS129aでNo)ときには、ステップS131aに続いてステップS124b〜ステップS131bを行わずに、そのままステップS134へ進むように改変できる。このように改変した場合には、「予告」を実行するか否かの判断にリーチの発生の有無が直接関係しないようになるため、「予告」は、大当り図柄が表示結果として導出される可能性があるかを示すだけのものとなり、リーチの可変表示を実行する可能性があることは示さないものとなる。
【0197】
(3) 上記実施の形態では、全図柄変動開始処理(図23参照)において図柄の差替えを行ったが、図柄変動中処理で図柄の差替えを行うようにしてもよい。例えば、全図柄変動開始処理(図23参照)と、図柄変動中処理(図24参照)の内容を以下のように改変する。全図柄変動開始処理で、ステップS821,ステップS822を行わずに、ステップS823で「通常変動」と同様の変動パターンで可変表示を開始する。そして、可変表示の開始から所定時間が経過したことを条件に、図柄変動中処理のステップS831の前にステップS821,ステップS822を行う。このとき、S822では、各可変表示領域9a,9b,9cに表示されている図柄にかかわらず、全ての可変表示領域9a,9b,9cに同一種類の図柄(例えば「7」)を表示するように図柄を差替えて表示するとともに、演出制御コマンドで指定されている変動パターンに対応する表示順序で可変表示することに決定する。次いで、可変表示を開始したときの変動パターンに替えて、S821やS822で決定した変動パターンの表示順序に従った可変表示を実行して、ステップS831へ移行する。このように改変することにより、予告を、可変表示が開始してから所定時間経過したときに開始することができる。
【0198】
(4) 上記実施の形態では、「予告A」,「予告B」,「予告C」のように特別図柄の可変表示の態様を特殊な態様で行うことで予告を実行したが、すべり演出(低速変動状態において数図柄分高速変動させる演出)や、もどり演出(図柄の停止位置を通り過ぎたあと逆向きに変動させる演出)などのような特殊な態様を、「予告A」,「予告B」,「予告C」と併用することで予告を実行してもよい。また、可変表示装置9に表示される背景、キャラクタを変化させることを併用したり、音声の出力、ランプの点灯等を併用したりしてもよい。このように改変することで、予告の態様にさらにバリエーションを持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0199】
(5) 上記実施の形態では、ステップS72(図19参照)で予告回数カウンタが0であればステップS73〜ステップS75を実行し、0でなければステップS77を実行する構成であったが、ステップS72での予告回数カウンタの値を、予告を実行するか否かの判断に用いる構成としてもよい。例えば、ステップS72で予告回数カウンタが偶数であればステップS73〜ステップS75を実行し、奇数であればステップS77を実行する構成とする等としてもよい。このように改変することで、乱数(ランダム9)による偶然性(図17のステップS135,S136)に加えて、保留中の可変表示の数によっても予告を実行するか否かを決定することとなり、予告の発生の有無と、大当り図柄が導出されるか否かとの関係を複雑にすることができ、遊技の興趣をより高めることができる。
【0200】
(6) 上記実施の形態では、左の可変表示領域9a、右の可変表示領域9c、中の可変表示領域9cの順に時間をずらして可変表示の停止を行ったが、少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させればよい。すなわち、可変表示領域9a,9cの可変表示を同時に停止して、最後に中の可変表示領域9bの可変表示だけを時間をずらして停止するようにしてもよい。このように改変することで、可変表示に要する時間を調整することができる。
【0201】
(7) 上記実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞に基づく可変表示装置9の可変表示の表示結果が特定の表示結果になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになったときに所定の電動役物を開放し、所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0202】
(8) 上述した実施の形態において、「特別遊技状態」の一例として高確率状態を示したが、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。したがって、「特別遊技状態」は、高確率状態の他、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態などでもよい。なお、時短状態は、可変入賞球装置15の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態といえる。
【0203】
【発明の効果】
本発明は次の(a)〜(j)の効果を備える。
【0204】
(a) 請求項1に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる旨の予告報知を、遊技者が可変表示に注目しているときに行うことができ、遊技者が予告報知に気づき易くなる。しかも、特定遊技状態が発生する条件となる特定の識別情報の組合せと同様の表示を用いた報知を行うため、遊技者にとって興味深い、意外性のある予告報知を実行することができる。
【0205】
(b) 請求項2に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるとき以外にも、リーチの可変表示を実行する場合に、第1の可変表示態様による可変表示を実行することができるので、遊技者の期待感を向上させることができ、また、リーチの可変表示を実行する可能性があることを報知することができる。
【0206】
(c) 請求項3に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができ、期待感を持続させることができる。
【0207】
(d) 請求項4に記載の発明によれば、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとならないときに、第1の可変表示態様による可変表示と、第2の可変表示態様による可変表示とのいずれかを所定の割合で実行することができるため、特定遊技状態が発生するであろうという遊技者の期待感に意外性を加えることができる。
【0208】
(e) 請求項5に記載の発明によれば、予告報知を様々な態様で行うことができ、予告報知により意外性を持たせることができ、遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0209】
(f) 請求項6に記載の発明によれば、容易な制御で第1の可変表示態様による可変表示を実行させることができる。
【0210】
(g) 請求項7に記載の発明によれば、第1の可変表示態様で可変表示を行うことができる期間を長く確保できるので、遊技者が予告報知に気づき易くなり、意外性をより向上できる。
【0211】
(h) 請求項8に記載の発明によれば、複数回の可変表示に亘って連続的に第1の可変表示態様による可変表示を行うことができるので、予告報知が実行されていることが分かりやすくなるとともに、遊技者の期待感をより向上させることができる。
【0212】
(i) 請求項9に記載の発明によれば、複数回の可変表示に亘って連続的に予告報知が実行されるときに、遊技機を制御する負担が軽減できる。
【0213】
(j) 請求項10に記載の発明によれば、表示結果を確実に判定できるとともに、遊技機で用いられる制御プログラムを簡略化してプログラムの量を増大させることがない。また、可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定を行うプログラムの内容を、容易に変更することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板、ランプドライバ基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】メイン処理を示すフローチャートである。
【図6】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】各乱数を示す説明図である。
【図8】特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図9】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図10】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図11】図8における始動口スイッチ通過処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】大当り判定テーブル,リーチ判定テーブル,予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図13】変動パターン設定処理で用いられる変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。
【図14】大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図15】リーチ判定処理を示すフローチャートである。
【図16】図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図16の特別図柄通常処理における予告設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図8の特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図8の特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】図19の変動パターン設定処理における変動パターン選択テーブル決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図21】演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図22】図21に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理の詳細を示すフローチャートである。
【図23】図22の演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
【図24】図22の演出制御プロセス処理における図柄変動中処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図22の演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 可変表示装置
9a,9b,9c 可変表示領域
14 始動入賞口
14a 始動口スイッチ
18 始動記憶表示エリア
31 主基板
53 基本回路
56 CPU
80 演出制御基板
101 演出制御用CPU
Claims (10)
- 各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示する複数の可変表示領域を有する可変表示手段を備え、予め定められている始動条件が成立した後、開始条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示を開始し、前記複数の可変表示領域における可変表示の表示結果が特定の識別情報の組合せとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に対する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする事前判定手段と、
前記始動条件が成立した後であって、前記開始条件が成立する以前に当該始動条件の成立に基づいて前記識別情報の可変表示の表示態様を複数の可変表示態様のうちから選択する可変表示態様選択手段と、
前記可変表示態様選択手段によって選択された可変表示態様を用いた可変表示を実行するとともに、前記複数の可変表示領域のうち少なくとも1つの可変表示領域における可変表示の表示結果を他の前記可変表示領域における可変表示の表示結果に比べて遅れて導出表示させる可変表示制御手段と、を備え、
前記複数の可変表示態様は、前記識別情報の可変表示を開始した後、前記複数の可変表示領域のうち何れか1つの可変表示領域の可変表示を停止させるに至るまでの期間は、当該可変表示の開始前の可変表示の表示結果に関係なく、前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されるように各々の可変表示領域の識別情報を同期させ可変表示する第1の可変表示態様と、
前記特定の識別情報の組合せが前記複数の可変表示領域で表示されないように可変表示する第2の可変表示態様と、を含み、
前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする遊技機。 - 前記事前判定手段は、可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定をしたときに、可変表示の表示態様としてリーチが実行されるか否かを判定し、
前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によってリーチが実行される旨の判定がされたときに、所定の割合で前記第1の可変表示態様を選択するリーチ時選択手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特定選択手段を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
- 前記可変表示態様選択手段は、前記事前判定手段によって可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとならない旨の判定がされたときに、前記第1の可変表示態様と前記第2の可変表示態様のいずれかを所定の割合で選択する特別選択手段を含み、
前記特定選択手段は、前記特別選択手段よりも高い割合で前記第1の可変表示態様を選択することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。 - 前記第1の可変表示態様は、前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が予め定められた数である第1同期表示態様と、
該第1同期表示態様に比べて前記可変表示領域に表示される前記特定の識別情報の組合せの種類の数が少ない第2同期表示態様と、を含み、
前記可変表示態様選択手段は、前記特定選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときに、前記特別選択手段によって前記第1の可変表示態様が選択されたときよりも高い割合で前記第1同期表示態様を選択することを特徴とする請求項4に記載の遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様以外の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには前記可変表示領域において所定の順序で前記識別情報を可変表示するとともに、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには少なくとも1つの前記可変表示領域において前記所定の順序と異なる順序で前記識別情報を可変表示する差替え制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1つに記載の遊技機。
- 前記可変表示制御手段は、前記第1の可変表示態様に基づいて可変表示を実行するときには、当該可変表示を開始するときに前記差替え制御を実行することを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
- 前記始動条件が成立したが前記開始条件が成立していない始動条件の成立を所定の上限数まで記憶する保留記憶手段を備え、
前記事前判定手段は、前記開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする保留判定手段を含み、
前記可変表示態様選択手段は、前記保留判定手段によって前記保留記憶手段に記憶された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなる旨の判定がされたときに、当該判定された始動条件の成立に対応する可変表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の可変表示において前記第1の可変表示態様を選択する連続選択制御を実行する連続選択制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか1つに記載の遊技機。 - 前記連続選択制御手段による連続選択制御の実行中は、前記保留判定手段による判定を規制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の遊技機。
- 前記事前判定手段は、前記開始条件が成立する度に、当該開始条件の成立に基づいて実行する可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定をする開始時判定手段を含み、
該開始時判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定と、前記保留判定手段における可変表示の表示結果が前記特定の識別情報の組合せとなるか否かの判定とを共通のプログラムモジュールで実行することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の遊技機。
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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