JP2004320825A - 電源装置 - Google Patents

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Shigeki Banba
重輝 番場
Nobuyoshi Okochi
信賀 大河内
Tatsuya Matsumoto
達也 松本
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Abstract

【課題】出力端子間が短絡した状態であるか否かを第1および第2の表示器の各表示形態により明確に判別する。
【解決手段】アラーム表示用LED18は、例えば過電圧保護動作が働いて、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止した場合に、出力表示用LED15と共に消灯する。しかし、出力端子7,8間が短絡した状態では、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止していないので、出力電圧Voutが低下して零になった後も点灯し続ける。これを見分けることで、出力端子7,8間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主電源部の動作状態を監視して、その結果を第1および第2の表示器で表示する電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の表示器を備えた電源装置の一例として、例えば特許文献1に示すスイッチング電源の異常検知回路が知られている。ここでは、整流平滑回路を介して入力される直流電圧をスイッチング電源回路により変換して、負荷と表示器である発光ダイオード(以下、LEDという)との直列回路間に出力電圧を供給すると共に、整流平滑回路の入力側にあるヒューズ間に時定数回路である限流要素を並列接続した構成が開示されており、前記LEDは、出力電圧が正常に出力されている正常時の出力オン状態で継続的に点灯し、出力電圧が正常にオフする正常時の出力オフ状態で消灯し、過電流によりヒューズが切れた回路異常時には、限流要素により決められた間隔で間欠的に点灯するようになっており、それぞれの動作状態をLEDにより区別できるようにしている。
【0003】
しかし、上記特許文献1に示す構成では、単独の表示器により異なる3つの動作状態を表示させる関係で、表示器を点滅させるための時定数回路を組み込まなければならない。しかも、表示器の点滅状態が何を意味するのかわかりにくいという不満もあった。
【0004】
このような問題に対処するために提案されたのが、図7に示す回路例である。先ず主電源部9の構成から説明すると、1,2は一対の入力端子で、この入力端子1,2間にはトランス3の一次巻線3aとスイッチング素子であるMOSFET4との直列回路が接続され、制御回路(図示しない)からの駆動パルス信号によりMOSFET4をスイッチング動作することで、入力端子1,2間の直流入力電圧Vinがトランス3の1次巻線3aに断続的に印加される。
【0005】
一方、トランス3の二次巻線3bには、整流ダイオード5と平滑コンデンサ6とにより構成される整流平滑回路が接続される。そして、前記MOSFET4のスイッチング動作に伴ない、トランス3の二次巻線3bに誘起された電圧が整流平滑され、平滑コンデンサ6の両端間に接続する出力端子7,8に出力電圧Vout(例えば直流24V)が発生するようになっている。
【0006】
次に、この主電源部9に組み込まれた動作状態表示装置の構成について説明すると、11は出力電圧Voutを監視するための電圧監視回路で、これは出力端子7,8間にツェナーダイオード12と抵抗13との直列回路を接続して構成される。またこれとは別に、出力端子7,8間には、抵抗14と、第1の表示器である出力表示用LED15と、ベースを前記ツェナーダイオード12と抵抗13との接続点に接続したトランジスタ16との直列回路が接続される。さらに、出力表示用LED15とトランジスタ16との間には、ダイオード17と第2の表示器であるアラーム表示用LED18とからなる直列回路が接続される。抵抗14およびダイオード17も、前記電圧監視回路11と同様に、出力電圧Voutひいては電源装置の動作状態を監視する電圧監視回路19を構成している。
【0007】
そして上記構成において、出力端子7,8間に発生する出力電圧Voutが正常で、電圧監視回路11で定めた第1の閾値を超えている場合は、この電圧監視回路11を構成するツェナーダイオード12が導通して、トランジスタ16のベースに電圧が印加される。そのためトランジスタ16がオンし、抵抗14を介して出力表示用LED15へ駆動電流が流れ込んで、出力表示用LED15が点灯する。一方、ダイオード17およびアラーム表示LED18からなる直列回路は、トランジスタ16がオンしている関係で駆動電流が流れ込まず、アラーム表示用LED18は消灯する。
【0008】
これに対して、電源装置への入力電圧Vinが不足するなどして、出力電圧Voutが前記第1の閾値以下になると、ツェナーダイオード12が非導通となり、このツェナーダイオード12からトランジスタ16のベースへの電圧印加が遮断される。こうなると、トランジスタ16ひいては出力表示用LED15がオフし、代わりに抵抗14からダイオード17およびアラーム表示用LED18の直列回路に駆動電流が流れ込む。このとき、出力電圧Voutがダイオード17をオンするに十分な電圧レベルであれば、アラーム表示用LED18に駆動電流が流れて、アラーム表示用LED18だけが点灯する。
【0009】
さらに出力電圧Voutが低下して、電圧監視回路19で定めた設定値以下になると、今度はダイオード17がオフしてアラーム表示用LED18への駆動電流も遮断され、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18は共に消灯する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−50619号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記図4に示す従来の電源装置では、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18への駆動電流が、いずれも主電源部9を構成するトランス3の二次巻線3bから供給されているため、出力端子7,8間が短絡したいわゆる出力短絡時に、出力電圧Voutが急激に低下すると、主電源部9からの駆動電流の供給が途絶えて、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18が共に消灯する。しかし、出力電圧Voutが異常に上昇して過電圧保護動作が働いた場合にも、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止して、主電源部9からの駆動電流の供給が途絶えるので、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18が共に消灯しているときに、その原因が出力短絡によるものなのか、過電圧保護動作によるものなのかを明確に判別できない不満があった。
【0012】
更には、前記出力電圧Voutや出力電流を目視できるようにデジタル式またはアナログ式のメータを付加して、その電圧値や電流値を表示させることも可能ではあるが、コストの面から電源装置が高額になってしまい、LED15,18のような安価な表示器に代わり独自の計測装置を備えることは難しかった。
【0013】
本願発明は上記問題点に鑑み、出力端子間が短絡した状態であるか否かを第1および第2の表示器の各表示形態により明確に判別できる電源装置を提供することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1における電源装置は、上記目的を達成するために、スイッチング素子のスイッチング動作に伴ない、出力端子間に出力電圧を発生する主電源部と、前記主電源部の動作状態を表示する第1および第2の表示器とを備えた電源装置において、前記出力電圧が第1の閾値を超えていると前記第1の表示器を点灯させ、前記出力電圧が第1の閾値以下であると前記第1の表示器を消灯させる第1の監視手段と、前記出力電圧が第2の閾値を超えていると前記第2の表示器を消灯させ、前記出力電圧が第2の閾値以下であると前記第2の表示器を点灯させる第2の監視手段とを備え、前記第2の監視手段は、前記スイッチング素子のスイッチング動作が停止しない限り、前記出力電圧が零になっても前記第2の表示器を点灯させるものであることを特徴とする。
【0015】
この場合、第1の表示器は第1の監視手段により、出力電圧が第1の閾値を超えていれば点灯し、逆に出力電圧が第1の閾値以下であれば消灯する。また、第2の表示器は第2の監視手段により、出力電圧が第2の閾値を超えていれば消灯し、逆に出力電圧が第2の閾値以下であれば点灯する。第2の表示器は、例えば過電圧保護動作が働いて、スイッチング素子のスイッチング動作が停止した場合には、第1の表示器と共に消灯するが、出力端子間が短絡した状態では、スイッチング素子のスイッチング動作が停止していないので、出力電圧が低下して零になった後も点灯し続ける。すなわち、第2の表示器のみが点灯し続けるか、第1および第2の表示器が共に消灯しているかを見分けることで、出力端子間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【0016】
また、本発明の請求項2の電源装置は、前記第1の閾値よりも前記第2の閾値が高くなるように設定して構成される。
【0017】
こうすると、出力電圧が低下して先ず第2の閾値に達すると、第1の表示器と共に第2の表示器も点灯し、さらに出力電圧が低下して第2の閾値よりも低い第1の閾値に達すると、第2の表示器だけが点灯するようになる。第1の閾値と第2の閾値が同じであると、第1の表示器と第2の表示器が出力電圧の低下に伴ない瞬時に切り替わるため、第2の表示器だけの点灯が、負荷の取過ぎによる過電流保護動作によるものか、あるいは出力端子間の短絡によるものなのか明確に区別できない。しかし、この請求項2の発明のように、出力電圧が低下する途中で、第1および第2の表示器が共に点灯するように第1の閾値と第2の閾値をそれぞれ設定すれば、出力端子間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【0018】
また、本発明の請求項3の電源装置は、前記主電源部が、前記スイッチング素子のスイッチング動作に伴ない二次巻線に電圧を誘起させるトランスと、このトランスからの誘起電圧を整流平滑して前記出力電圧を得る整流平滑回路とを備え、前記第2の監視手段が、前記第2の表示器に駆動電流を供給するために、前記トランスに巻装される補助巻線と、前記出力電圧が第2の閾値を超えているときに前記第2の表示器への前記駆動電流を遮断する出力電圧監視回路とにより構成されることを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明は、第2の監視手段の構成をより具体化したものである。すなわち、第2の表示器への駆動電流供給手段は、主電源部を構成するトランスの二次巻線ではなく、このトランスに巻装された別の補助巻線で構成される。これにより、スイッチング素子のスイッチング動作が行なわれているか否かを直接的に監視しなくても、スイッチング素子がスイッチング動作している限り補助巻線から供給される駆動電流によって、出力電圧が零の状態でも第2の表示器を確実に点灯させ続けることができる。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明における好ましい電源装置の一実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。尚、図4に示す回路図と構成が重複するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
装置の全体構成を示す図1において、主電源部9の構成は従来の図4に示すものと共通している。すなわち、スイッチング素子4をスイッチング動作することにより、入力端子1,2間の直流入力電圧Vinがスイッチング素子4と直列回路をなすトランス3の一次巻線3aに断続的に印加され、このトランス3の二次巻線3bに誘起した電圧が、整流ダイオード5および平滑コンデンサ6からなる整流平滑回路により整流平滑されることで、出力端子7,8間に直流出力電圧Voutが発生するようになっている。
【0022】
次いで、主電源部9に組み込まれた動作状態表示装置の構成について説明すると、前記出力端子7,8間には、抵抗21と第1の表示器である出力表示用LED15との直列回路が第1の監視手段23として接続される。この第1の監視手段23は、出力電圧Voutが第1の閾値VTH1を超えているときに、主電源9からの駆動電流を抵抗21を介して出力表示用LED15に流すことで、出力表示用LED15を点灯させる一方で、出力電圧Voutが第1の閾値VTH1以下になると、抵抗21を介して出力表示用LED15に流れ込む駆動電流が著しく減少し、出力表示用LED15を消灯させるものである。
【0023】
一方、24は第1の監視手段23とは別に独立して設けられた第2の監視手段であり、これは前記トランス3に巻装された補助巻線3cと、補助巻線3cに誘起された電圧を整流平滑する整流ダイオード26および平滑コンデンサ27からなる整流平滑回路と、第2の表示器であるアラーム表示用LED18と共に、平滑コンデンサ27の両端間に接続される直列回路をなす抵抗28と、アラーム表示用LED18にコレクタ・エミッタ間を接続するトランジスタ29と、出力端子7,8間に接続されるツェナーダイオード30および抵抗31からなる直列回路とにより構成され、ツェナーダイオード30と抵抗31との接続点がトランジスタ29のベースに接続される。この第2の監視手段24は、出力電圧Voutが第2の閾値VTH2を超えているときに、前記トランジスタ29,ツェナーダイオード30および抵抗31からなる出力電圧監視回路33によって、アラーム表示用LED18の両端間をトランジスタ29により短絡して、アラーム表示用LED18を消灯させる一方で、出力電圧Voutが第2の閾値VTH2以下であるときには、前記トランジスタ29をオフにして、補助巻線3cからの駆動電流によりアラーム表示用LED18を点灯させると共に、出力電圧Voutが零になっても、スイッチング素子のスイッチング動作が停止せず、補助巻線3cから駆動電流が供給される限り、アラーム表示用LED18の点灯を継続させるものである。
【0024】
また本実施例では、第1の監視手段23で設定される第1の閾値VTH1よりも、第2の監視手段24で設定される第2の閾値VTH2が高くなるように、これらの監視手段23,24を構成する素子の定数を選定している。これにより、出力電圧Voutが第2の閾値VTH2以下で、かつ第1の閾値VTH1を超えている範囲内にあるときに、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18が共に点灯する。
【0025】
なお、上記第1の監視手段23や第2の監視手段24の回路構成は、図1に示すものに限定されず、同等の機能を有する他の回路構成でも実現可能である。また、主電源部9の構成も、フォワード型,フライバック型,ハーフブリッジ型,フルブリッジ型などのトランス3を備えた各種絶縁型コンバータに限らず、トランス3を介在させていない非絶縁型コンバータ(降圧型,昇圧型,昇降圧型など)にも適用できる。本実施例では、視覚的な効果を高めるために、緑色の発光色を有する出力表示用LED15と、赤色の発光色を有するアラーム表示用LED18を選定しているが、こうした色についても特に限定されない。
【0026】
次に上記構成について、その作用を図2に示すグラフと、図3〜図6に示す電源装置の正面図を参照しながら説明する。なお図2は、主電源部9における出力電圧Voutと出力電流Ioutの関係と、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18が点灯する出力電圧Voutの範囲R1,R2をそれぞれ示すものである。また、図中Iout’は、過電流保護の動作する出力電流値であり、本実施例では出力電流Ioutがこの動作点に達すると、出力電圧Voutが垂下する(図2参照)特性となるように、スイッチング素子4へのパルス導通幅を制御している。
【0027】
出力端子7,8間に発生する出力電圧Voutが、例えば定格電圧である直流24ボルト付近の正常値で、第1の監視手段23で定められる第1の閾値VTH1と、第2の監視手段で定められる第2の閾値VTH2をいずれも超えている場合は、抵抗21を経由して主電源部9からの駆動電流が出力表示用LED15に流れ込み、この出力表示用LED15が緑色に点灯する。また第2の監視手段24は、出力電圧監視回路33を構成するツェナーダイオード30が導通するため、このツェナーダイオード30を介してトランジスタ29のベースに電圧が印加し、トランジスタ29がオンしてアラーム表示用LED18の両端間を短絡する。これにより、スイッチング素子4のスイッチング動作に伴ない補助巻線3cに誘起した電圧は、整流ダイオード26と平滑コンデンサ27にて整流平滑されるものの、アラーム表示用LED18の両端間には印加されず、このアラーム表示用LED18は消灯した状態になる。
【0028】
図3は、この出力電圧Voutの正常時における表示状態を示したものである。なお、図中37は電源装置のケース、38は出力電圧Voutを可変するための摘みである。この状態では、緑色の出力表示用LED15だけが点灯して、出力電圧Voutが正常であることを知らせている。
【0029】
次に主電源部9が過負荷状態になり、過電流保護動作が働いたときの作用を説明する。この場合は、過電流保護動作により出力電圧Voutが低下するが、第1の監視手段23は引き続き主電源9からの駆動電流を、抵抗21を経由して出力表示用LED15に供給しているため、出力表示用LED15は点灯する。一方、第2の監視手段24は、ツェナーダイオード30により設定される第2の閾値VTH2(直流約20ボルト)よりも出力電圧Voutが低下した時点で、ツェナーダイオード30を非導通にしてトランジスタ29のベースへの印加電圧を遮断する。こうなると、補助巻線3cからの駆動電流が、整流ダイオード26および平滑コンデンサ27を経て、抵抗28およびアラーム表示用LED18からなる直列回路に流れ込み、出力表示用LED15のみならずアラーム表示用LED18も点灯する。なおこれは、入力電圧Vinが低下するのに伴ない、出力電圧Voutが低下したときにも同様の状態を呈する。
【0030】
図4は、過電流保護の動作が働いたり、入力電圧Vinが低下したのに起因して、出力電圧Voutが低下したときの表示状態を示したものである。この状態では、緑色の出力表示用LED15と、赤色のアラーム表示用LED18が共に点灯する。
【0031】
さらに、出力端子7,8間が短絡するなどして、出力電圧Voutが著しく低下した場合には、主電源9から抵抗21を介して出力表示用LED15に流れ込む駆動電流が極端に減少し、第1の監視手段23が設定した第1の閾値VTH1以下になると、出力表示用LED15は消灯する。一方、第2の監視手段24は、スイッチング素子4がスイッチング動作を継続している限り、補助巻線3cからアラーム表示用LED18を点灯させるに十分な駆動電流をこのアラーム表示用LED18に供給する。これにより、出力電圧Voutが第1の閾値VTH1よりもさらに低下して零ボルトになっても、アラーム表示用LED18は点灯し続ける。
【0032】
図5は、出力端子7,8間が短絡状態となったときの表示状態を示したものである。この状態では、緑色の出力表示用LED15と、赤色のアラーム表示用LED18が共に点灯する。
【0033】
さらに、出力電圧Voutが上昇したときに過電圧保護動作が働いて、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止すると、トランス3の二次巻線3bから出力表示用LED15への駆動電流と、補助巻線3cからアラーム表示用LED18への駆動電流はいずれも供給停止となる。これは入力電圧Vinが全く供給されず、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止した場合にも、同様の状態を呈する。こうなると、出力表示用LED15のみならず、アラーム表示用LED18も消灯する。
【0034】
図6は、過電圧保護動作が働いた場合、若しくは入力電圧Vinが供給されない場合の表示状態を示したものである。この状態では、緑色の出力表示用LED15と、赤色のアラーム表示用LED18が共に消灯する。
【0035】
こうして、主電源部の動作状態に応じて、出力表示用LED15とアラーム表示用LED18が点灯または消灯するので、外部から電源装置の状態を視覚で判別することが可能になる。
【0036】
以上のように本実施例では、スイッチング素子4のスイッチング動作に伴ない、出力端子7,8間に出力電圧Voutを発生する主電源部9と、主電源部9の動作状態を表示する第1の表示器である出力表示用LED15および第2の表示器であるアラーム表示用LED18とを備えた電源装置において、出力電圧Voutが第1の閾値VTH1を超えていると出力表示用LED15を点灯させ、出力電圧Voutが第1の閾値VTH1以下であると出力表示用LED15を消灯させる第1の監視手段23と、出力電圧Voutが第2の閾値VTH2を超えているとアラーム表示用LED18を消灯させ、出力電圧Voutが第2の閾値VTH2以下であるとアラーム表示用LED18を点灯させる第2の監視手段24とを備え、この第2の監視手段24は、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止しない限り、出力電圧Voutが零になってもアラーム表示用LED18を点灯させるように構成している。
【0037】
この場合、出力表示用LED15は第1の監視手段23により、出力電圧Voutが第1の閾値VTH1を超えていれば点灯し、逆に出力電圧Voutが第1の閾値VTH1以下であれば消灯する。また、アラーム表示用LED18は第2の監視手段24により、出力電圧Voutが第2の閾値を超えていれば消灯し、逆に出力電圧Voutが第2の閾値以下であれば点灯する。アラーム表示用LED18は、例えば過電圧保護動作が働いて、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止した場合には、出力表示用LED15と共に消灯するが、出力端子7,8間が短絡した状態では、スイッチング素子4のスイッチング動作が停止していないので、出力電圧Voutが低下して零になった後も点灯し続ける。すなわち、アラーム表示用LED18のみが点灯し続けるか、出力表示用LED15およびアラーム表示用LED18が共に消灯しているかを見分けることで、出力端子7,8間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【0038】
また、第1の閾値VTH1と第2の閾値VTH2が同じであると、出力表示用LED15と共にアラーム表示用LED18が出力電圧Voutの低下に伴ない瞬時に切り替わるため、第2の表示器だけの点灯が、負荷の取過ぎによる過電流保護動作によるものか、あるいは出力端子間の短絡によるものなのか明確に区別できない。この点を鑑み、本実施例では、第1の監視手段23による第1の閾値VTH1よりも第2の監視手段23による第2の閾値VTH2が高くなるように設定している。
【0039】
こうすると、出力電圧Voutが低下して先ず第2の閾値VTH2に達すると、出力表示用LED15と共にアラーム表示用LED18も点灯し、さらに出力電圧Voutが低下して第2の閾値VTH2よりも低い第1の閾値VTH1に達すると、アラーム表示用LED18だけが点灯するようになる。そのため、出力電圧Voutが低下する途中で、出力表示用LED15とアラーム表示用LED18が共に点灯するように第1の閾値VTH1と第2の閾値VTH2をそれぞれ設定すれば、出力端子7,8間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【0040】
また本実施例では、主電源部9が、スイッチング素子4のスイッチング動作に伴ない二次巻線3bに電圧を誘起させるトランス3と、このトランス3からの誘起電圧を整流平滑して前記出力電圧を得る整流平滑回路としての整流ダイオード5および平滑コンデンサ6を備え、第2の監視手段24が、アラーム表示用LED18に駆動電流を供給するために、トランス3に巻装される補助巻線3cと、アラーム表示用LED18が第2の閾値VTH2を超えているときにアラーム表示用LED18への駆動電流を遮断する出力電圧監視回路33とにより構成される。
【0041】
この場合、アラーム表示用LED18への駆動電流供給手段は、主電源部9を構成するトランス3の二次巻線3bではなく、このトランス3に巻装された別の補助巻線3cで構成される。これにより、スイッチング素子4のスイッチング動作が行なわれているか否かを直接的に監視しなくても、スイッチング素子4がスイッチング動作している限り補助巻線3cから供給される駆動電流によって、出力電圧Voutが零の状態でもアラーム表示用LED18を確実に点灯させ続けることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1の電源装置によれば、第2の表示器のみが点灯し続けるか、第1および第2の表示器が共に消灯しているかを見分けることで、出力端子間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【0044】
本発明の請求項2の電源装置によれば、第2の表示器のみが点灯しているか、第1および第2の表示器が共に点灯しているかを見分けることで、出力端子間が短絡した状態であるか否かを明確に判別できる。
【0045】
本発明の請求項3の電源装置によれば、トランスに補助巻線を巻装するだけで、スイッチング素子がスイッチング動作している限り、出力電圧が零の状態でも第2の表示器を確実に点灯させ続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における電源装置の一例を示す回路図である。
【図2】同上、主電源部の出力電圧対出力電流と各LEDの動作状態を示すグラフである。
【図3】同上、出力電圧が正常の状態における電源装置の要部正面図である。
【図4】同上、過電流保護動作が働いたり、入力電圧の不足に伴ない出力電圧が低下したときの電源装置の要部正面図である。
【図5】同上、出力短絡により出力電圧が極端に低下したときの電源装置の要部正面図である。
【図6】同上、スイッチング素子のスイッチング動作が停止した状態の電源装置の要部正面図である。
【図7】従来の電源装置の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
3 トランス
3b 二次巻線
3c 補助巻線
4 スイッチング素子
5 整流ダイオード
6 平滑コンデンサ
9 主電源部
15 出力表示用LED(第1の表示器)
18 アラーム表示用LED(第2の表示器)
23 第1の監視手段
24 第2の監視手段
33 出力電圧監視回路

Claims (3)

  1. スイッチング素子のスイッチング動作に伴ない、出力端子間に出力電圧を発生する主電源部と、前記主電源部の動作状態を表示する第1および第2の表示器とを備えた電源装置において、
    前記出力電圧が第1の閾値を超えていると前記第1の表示器を点灯させ、前記出力電圧が第1の閾値以下であると前記第1の表示器を消灯させる第1の監視手段と、
    前記出力電圧が第2の閾値を超えていると前記第2の表示器を消灯させ、前記出力電圧が第2の閾値以下であると前記第2の表示器を点灯させる第2の監視手段とを備え、
    前記第2の監視手段は、前記スイッチング素子のスイッチング動作が停止しない限り、前記出力電圧が零になっても前記第2の表示器を点灯させるものであることを特徴とする電源装置。
  2. 前記第1の閾値よりも前記第2の閾値が高くなるように設定したものであることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  3. 前記主電源部は、前記スイッチング素子のスイッチング動作に伴ない二次巻線に電圧を誘起させるトランスと、このトランスからの誘起電圧を整流平滑して前記出力電圧を得る整流平滑回路とを備え、
    前記第2の監視手段は、前記第2の表示器に駆動電流を供給するために、前記トランスに巻装される補助巻線と、前記出力電圧が第2の閾値を超えているときに前記第2の表示器への前記駆動電流を遮断する出力電圧監視回路とからなることを特徴とする請求項1または2記載の電源装置。
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