JP2004320569A - データ伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信側のバッファの残量に応じて、リードクロックの周波数の制御を行なうための音声IP変換装置を提供する。
【解決手段】音声IP変換装置300であって、デジタルデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのバッファと、バッファに含まれるデジタルデータのデータ量に応じて、読み出しクロックの周波数を可変とするための周波数可変部と、デジタルデータを読み出し周波数に基づいて、読み出したデジタルデータをアナログデータに変換して出力するためのデジタル/アナログ変換部とを備えることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】音声IP変換装置300であって、デジタルデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのバッファと、バッファに含まれるデジタルデータのデータ量に応じて、読み出しクロックの周波数を可変とするための周波数可変部と、デジタルデータを読み出し周波数に基づいて、読み出したデジタルデータをアナログデータに変換して出力するためのデジタル/アナログ変換部とを備えることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークから伝送されるインターネットプロトコル(以下、IP)パケットをアナログ信号に変換し、または、アナログ信号をデジタル信号に変換してネットワークに送出するためのデータ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネットワークを介して接続される機器において、音声や映像などのアナログ情報を所定の周波数でサンプリングしたデータを送信側の機器から伝送する場合、少なくとも受信側の機器および送信側の機器の内部の基準クロックの比を一定にする必要がある。すなわち、送信側の機器からの送り出しおよび受信側の機器からの読み出しの速度が同じでない場合、伝送されたデータの取りこぼし、または、データの溢れが発生する。
【0003】
たとえば、音声データを伝送する場合、受信側での音声の再生が途切れる等の問題が生じる。この問題を解決するために、サンプリング周波数が変化した場合に、音声の再生が途切れる等の不具合が生じない高品位な音声の再生ができる受信装置およびそのフロー制御方法と送信装置およびそのフロー制御方法について、以下のような構成が公知である(特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、従来例では、送信側から受信したデータをバッファに蓄積し、基準クロックに基づき、バッファ内のデータを読み出すように構成された受信装置であって、受信装置は、データのサンプリング周波数の変化を検出する検出手段と、検出手段の出力に応答して、バッファへのデータの書き込みおよびバッファからのデータの読み出しを停止制御する第1の制御手段と、検出手段の出力に応答して、バッファ内のデータをクリアするクリア手段と、検出手段の出力に応答して、基準クロックの周波数を切り換えるクロック切換手段と、検出手段の出力に応答して、バッファへのデータの書き込みおよびバッファからのデータの読み出しを再開制御する第2の制御手段とを有する構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−344561号公報明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、音声等のアナログ情報がデジタル信号に変換され、IPプロトコルにしたがってデータがネットワークを介して伝送される場合、波形が変歪する問題がある。あるいは、モデムから出力される音声信号がデジタル信号に変換され、IPプロトコルにしたがってデータがネットワークを介して伝送される場合には、データエラーが発生するという問題がある。
【0007】
これは、IPネットワークにおいてデータは、パケット化されるためである。すなわち、データはパケットと呼ばれる単位に分割されて伝送されるため、データとクロック成分を符号化・混合して伝送することができない。その結果、送信側において、アナログ信号をデジタル信号に変換するときのアナログ/デジタル(以下、A/Dとする。)変換クロックと、受信側において、デジタル信号をアナログ信号に変換するときのデジタル/アナログ(以下、D/Aとする。)変換クロックを同期することができない。このため、受信側における伝送されるデータの読み出しにおいて、A/D変換クロックに対応する周波数がD/A変換クロックに対応する周波数より小さいときは、データが「歯抜け」の現象が発生してしまう。また、D/A変換クロックに対応する周波数がA/D変換クロックに対応する周波数よりも小さいときは、データに「データ詰まり」の現象が発生してしまう。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するために、受信側に含まれるバッファの残量に応じて、受信側のD/A変換クロックを制御することにより、送信側のA/D変換クロックと平均的に同期させるデータ伝送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面に係るデータ伝送装置は、ネットワークから伝送されるIPパケットを受け、デジタルデータを抽出するためのデジタルデータ入力手段と、デジタルデータをバッファ処理するために、デジタルデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのバッファ手段と、所定の書き込みクロックに基づいて、バッファ手段にデジタルデータを書き込むためのデータ書き込み手段と、バッファ手段に含まれるデジタルデータのデータ量に応じて、制御信号を出力するための制御信号出力手段と、制御信号に応じた可変の周波数を有する読み出しクロックを生成するための可変周波数クロック生成手段と、読み出しクロックに基づいて、バッファ手段からデジタルデータを読み出すためのデータ読み出し手段と、読み出しクロックに基づいて、読み出したデジタルデータをアナログデータに変換して出力するためのデジタル/アナログ変換手段とを備える。
【0010】
好ましくは、アナログデータをネットワークに送出するときに、所定の変換クロックに基づいて、デジタルデータに変換するためのアナログ/デジタル変換手段をさらに備える。
【0011】
好ましくは、制御信号出力手段は、出力ノードを有し、データ伝送装置は、出力ノードと可変周波数クロック生成手段との間に設けられる蓄電手段をさらに備える。
【0012】
好ましくは、制御信号出力手段は、データ量を検知するためのデータ量検知手段を含み、データ量検知手段は、データ書き込み手段により書き込まれたデータ量とデータ読み出し手段により読み出されたデータ量との差分により、格納されているデータ量を検知して、検知されたデータ量が所定の残量となるに応じて、制御信号を出力する。
【0013】
好ましくは、バッファ手段は、データ量が所定の残量となるときに、制御信号出力手段に残量信号を出力するための残量信号出力手段を含み、制御信号出力手段は、残量信号に応じて、制御信号を出力する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明では、同一の構成部分には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについて詳細な説明は繰り返さない。
【0015】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1において、IPネットワーク200を介してアナログ音声信号を伝送するためのデータ伝送システム100について説明するための概略図である。
【0016】
以下の説明では、特に、アナログ信号である音声信号をIPネットワーク上に送出するためにデジタルデータに変換するためのデータ伝送装置を例にとって説明する。
【0017】
図1を参照して、データ伝送システム100は、送信側の端末2と、送信側の端末2と接続される送信側のモデム4と、音声をアナログ音声信号として出力するための送信側の電話機6と、送信側のモデム4または、送信側の電話機6からのアナログ音声信号をデジタルデータに変換して、IPパケット(音声パケット)に分割して、出力するための送信側のデータ伝送装置400と、出力されたIPパケットを伝送するためのIPネットワーク200と、IPネットワーク200を介して、IPパケットを受けるための受信側のデータ伝送装置300、受信側のデータ伝送装置300から出力されるアナログ音声信号を受けるための受信側のモデム10および受信側の電話機12と、受信側のモデム10と接続される受信側の端末8とを備える。
【0018】
送信側のデータ伝送装置400は、受信側のデータ伝送装置300と同じ構成を含む。また、受信側のデータ伝送装置300は、送信側のデータ伝送装置400と同じ構成を含む。すなわち、データ伝送装置300および400は、送信時は、アナログ音声信号をデジタルデータに変換し、IPパケットに分割して、IPネットワーク200にデータを送出する動作を行なう。一方、データ伝送装置300および400は、受信時は、伝送されてくるIPパケットからデジタルデータを抽出して、アナログ音声信号に変換する動作を行なう。
【0019】
送信側のモデム4、あるいは、送信側の電話機6から出力されたアナログ音声信号は、送信側のデータ伝送装置400において、所定のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックに基づいて、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、IPパケットに分割される。そして、IPパケットに分割されたデータは、IPネットワーク200において、データ伝送装置400が直接IPパケットを送出する相手先の機器に対して、データ伝送用にタイミングに関する情報が付加された上で出力される。相手先の機器では、この伝送データに付加されたタイミングに関する情報から受信タイミングを検出して、データを受信する。以後は、同様にして、IPネットワーク200に存在する機器間を順次バケツリレーのようにIPパケットを受け渡しながら、データ伝送装置400から送り出されたIPパケットは、最終的に、受信側のデータ伝送装置300にて受信される。
【0020】
受信側のデータ伝送装置300では、IPネットワーク200において、直接IPパケットを送りつけてくる機器で伝送データに付加されたタイミングに関する情報を再生して、送られてきたIPパケットの受信処理を行ない、IPパケットからデジタルデータを抽出する。抽出されたデジタルデータは、再生されたタイミングに関する情報に基づく書き込みクロックに基づいて、受信側のデータ伝送装置300の内部バッファ(図示せず)に逐次書き込まれる。
【0021】
したがって、受信側のデータ伝送装置300において、受信処理および内部バッファへの書き込み等を制御するためのクロックは、データ伝送装置400がIPパケットを送出するときに、データをサンプリングしたクロックとは、直接の関係がなく、また、同期もしていない。
【0022】
バッファ内に書き込みを開始してから、バッファ内のデータが読み出し開始データ量となるに応じて、バッファからのデータの読み出しが開始される。このとき、バッファからデータを読み出すときには、受信側のデータ伝送装置300に含まれる可変周波数クロック生成部(図示せず)により生成される読み出しクロックに基づいて、デジタルデータが読み出される。そして、読み出されたデータは、デジタル/アナログ変換クロックに基づいて、アナログ音声信号へと変換される。デジタルデータをアナログ音声信号に変換するときのデジタル/アナログ変換クロックは、上述の読み出しクロックに相当する。変換されたアナログ音声信号は、受信側のモデム10または、受信側の電話機12に出力される。
【0023】
以上のようなわけで、送信側における所定のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックの成分を受信側に伝送することは、難しい。すなわち、送信側におけるアナログ/デジタル変換クロック成分を伝送することができないために、受信側の読み出しクロックとの同期が行なえない。そのため、バッファ内でデータの取りこぼし、または、データの溢れが発生する。
【0024】
たとえば、音声データをIPネットワーク200を介して伝送する場合、音切れ等の不具合が発生する。また、モデムのように音声帯域信号でデータ伝送する場合にはデータエラーが発生する。
【0025】
そこで、本発明において、受信側の読み出しクロックに対応し、可変とした周波数を生成することにより、音切れ等の不具合を防止する。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【0027】
図2を参照して、送信側のデータ伝送装置400は、アナログ音声信号をデジタルデータに変換するためのアナログ/デジタル変換部40と、デジタルデータをIPパケットに分割して伝送するためのLANコントローラ38とを備える。
【0028】
受信側のデータ伝送装置300は、IPパケット化されたデジタルデータを受けるためのLANコントローラ32と、IPパケット化されたデジタルデータのバッファ処理を行なうためのバッファ22と、バッファ22にデジタルデータが書き込まれるときの書き込みクロックをカウントするためのライトクロックカウンタ30と、バッファ22からデジタルデータが読み出されるときの読み出しクロックをカウントするためのリードクロックカウンタ20と、デジタル信号をアナログ音声信号に変換して出力するためのデジタル/アナログ変換部14と、制御電圧信号を出力するための制御部34と、制御電圧信号に応じて、可変とした読み出し周波数に基づく読み出しクロックを生成するための可変周波数クロック生成部16と、制御部34と可変周波数クロック生成部16との間に設けられる蓄電部18とを備える。
【0029】
制御部34は、制御電圧信号を出力するための制御信号出力部28と、ライトクロックカウンタ30およびリードクロックカウンタ20のカウント数を記憶するための記憶部36とを含む。
【0030】
制御信号出力部28は、出力ノードを有しており、出力ノードと可変周波数クロック生成部16との間に蓄電部18が設けられる。
【0031】
バッファ22は、データを格納するためのFIFO(First−In First−Out)24を含む。FIFO24は、データを格納するためのメモリアレイ24bと、メモリアレイ24bにデータを書き込むためのデータ書き込み回路24aと、メモリアレイ24bからデータを読み出すためのデータ読み出し回路24cとを有する。
【0032】
送信側のデータ伝送装置400に、音声等のアナログ音声信号が入力されると、アナログ音声信号は、アナログ/デジタル変換部40において、所定のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックが重畳されて、デジタルデータに変換される。そして、生成されたデジタルデータは、IPパケットに分割されて、データ伝送用にタイミングに関する情報が付加されて、IPネットワーク200に送出される。IPネットワーク200から伝送されるIPパケットから、受信側のデータ伝送装置300に備わるLANコントローラ32において、受信側のデータ伝送装置300に直接データを送りつける機器が付加したタイミングに関する情報に基づいて、デジタルデータが抽出される。抽出されたデジタルデータは、FIFO24に含まれるメモリアレイ24bにデータ書き込み回路24aにより書き込みクロックに基づいて、書き込まれる。このとき、書き込みクロックは、受信側のデータ伝送装置300に直接データを送りつける機器が付加したタイミングに関する情報に基づく。そして、メモリアレイ24b内のデータ量が読み出し開始データ量となるに応じて、分割されたデータは、FIFO24に含まれるデータ読み出し回路24cにより読み出しが開始される。このとき、データ読み出し回路24cによるメモリアレイ24bからのデータの読み出しは、可変周波数クロック生成部16により生成される読み出しクロックに基づいて行なわれる。読み出されたデジタルデータは、デジタル/アナログ変換部14において、可変周波数クロック生成部16により生成される読み出しクロックに基づいて、アナログ音声信号に変換されて出力される。
【0033】
メモリアレイ24bに書き込まれるときの書き込みクロックのカウント数は、ライトクロックカウンタ30によりカウントされる。制御部34は、カウントされた書き込みクロックのカウント数を記憶部36に記憶させる。FIFO24において、処理の開始当初は、外部から予め設定される読み出し開始データ量となるまでデータ書き込み回路24aは、メモリアレイ24bへの書き込みを行なう。読み出し開始データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24のデータの許容量の半分である。データ量が許容量の半分を超えたか否かは、制御部34により、ライトクロックカウンタ30のカウント数の積算値から算出される。制御部34は、書き込みクロックのカウント数の積算値により、メモリアレイ24b内に書き込まれるデータ量を算出する。そして、書き込まれたデータ量がFIFO24の許容量の半分以上となるときに、データ読み出し回路24cは、読み出しを開始する。
【0034】
メモリアレイ24bからデータが読み出されるときの読み出しクロックのカウント数は、リードクロックカウンタ20によりカウントされる。このとき、制御部34は、カウントされた読み出しクロックのカウント数を記憶部36に記憶させる。制御部34は、記憶部36に記憶される書き込みクロックのカウント数および読み出しクロックのカウント数に基づいて、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値をそれぞれ算出する。そして、制御部34は、書き込みクロックのカウント数の積算値と、読み出しクロックのカウント数の積算値の差分をとる。書き込みクロックのカウント数の積算値と読み出しクロックのカウント数の積算値との差分がメモリアレイ24b内に格納されているデータ量を示す。そして、メモリアレイ24b内のデータ量が外部から予め設定される第1の設定データ量以上となるに応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。第1の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の3/4である。FIFO24において、メモリアレイ24b内のデータ量が許容量の3/4以上となるときに、制御信号出力部28は、周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。または、メモリアレイ24b内のデータ量が外部から予め設定される第2の設定データ量以下となるに応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。第2の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の1/4である。FIFO24において、メモリアレイ24b内のデータ量が許容量の1/4以下となるときに、制御信号出力部28は、周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。
【0035】
メモリアレイ24bへの書き込みクロックと読み出しクロックのそれぞれに対応する周波数の差によって、メモリアレイ24b内のデータ量は減少、もしくは増加のいずれかの状態に変化する。
【0036】
本発明において、FIFO24に含まれるメモリアレイ24b内のデータ量が第2の設定データ量以下となるとき、読み出しクロックに対応する周波数を下げる制御が行なわれる。一方、メモリアレイ24b内のデータ量が第1の設定データ量以上となるとき読み出しクロックに対応する周波数を上げる制御が行なわれる。
【0037】
制御信号出力部28は、ライトクロックカウンタ30およびリードクロックカウンタ20のカウント数より算出したFIFO24内に含まれるデータ量に応じて、制御電圧信号を出力する。制御信号出力部28は、たとえば、2種類の電圧のうちのいずれか一方を選択して出力する。
【0038】
可変周波数クロック生成部16においては、読み出しクロックの生成が行なわれる。可変周波数クロック生成部16は、たとえば、制御信号出力部28から出力された電圧に基づいて、可変とした周波数を生成するためのVCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator)を含む。可変周波数クロック生成部16において、周波数を可変させて、対応する読み出しクロックを生成することにより、FIFO24内のデータが空、または、溢れることもない。すなわち、「歯抜け」・「データ詰まり」の状態を防ぐことができる。
【0039】
蓄電部18は、制御信号出力部28の出力ノードと可変周波数クロック生成部16との間に設けられる。蓄電部18は、制御信号出力部28から出力される電圧の変化を緩やかにする。制御信号出力部28から出力される電圧は、2種類であり、選択される電圧が変化するとき、電圧は急激に変化する。電圧の急激な変化により、可変周波数クロック生成部16において、エラーが起こりやすくなる。そこで、制御信号出力部28の出力ノードと可変周波数クロック生成部16との間に蓄電部18を設けることにより、電圧の上下の変化を緩やかにできる。そのため、エラーの発生を防ぐことができる。蓄電部18は、特に限定されないが、たとえば、コンデンサである。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態1における制御部34により、FIFO24内のデータ量の検知に応じて、制御電圧信号を出力するフローチャートである。
【0041】
図3を参照して、まず、データ伝送装置300において、受け取ったIPパケットからデジタルデータが抽出される。そして、抽出されたデジタルデータをFIFO24に書き込む動作が行なわれる。このとき、制御部34は、FIFO24に含まれるデータ書き込み回路24aがメモリアレイ24bにデータを書き込むときの書き込みクロックのカウント数をライトクロックカウンタ30より取得して、記憶部36に記憶させる(ステップS01)。
【0042】
つづいて、制御部34は、記憶された書き込みクロックのカウント数に基づいて、積算値を算出する(ステップS02)。
【0043】
そして、制御部34は、書き込みクロックのカウント数の積算値に基づいて、FIFO24内のデータ量が読み出し開始データ量となるか否かの判断を行なう(ステップS03)。ここで、読み出し開始データ量とは、上述のとおり、たとえば、FIFO24の許容量の半分である。
【0044】
ステップS03において、FIFO24内のデータ量が読み出し開始データ量となっていない場合、制御部34は、処理をステップS01に戻す。
【0045】
一方、ステップS03において、FIFO24内のデータ量が読み出し開始データ量となる場合、制御部34は、FIFO24からのデータの読み出しを開始する(ステップS04)。
【0046】
ステップS04において、データの読み出しが開始された後、制御部34は、FIFO24に含まれるデータ書き込み回路24aがメモリアレイ24bにデータを書き込むときの書き込みクロックのカウント数をライトクロックカウンタ30より取得して、記憶部36に記憶させる(ステップS05)。
【0047】
つづいて、制御部34は、記憶された書き込みクロックのカウント数に基づいて、積算値を算出する(ステップS06)。
【0048】
そして、書き込みクロックのカウント数の取得と同時に制御部34は、FIFO24に含まれるデータ読み出し回路24cがメモリアレイ24bからデータを読み出すときの読み出しクロックのカウント数をリードクロックカウンタ20より取得して、記憶部36に記憶させる(ステップS07)。
【0049】
次に、制御部34は、記憶された読み出しクロックのカウント数に基づいて、積算値を算出する(ステップS08)。
【0050】
このとき、ステップS06およびステップS08において、算出された書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値の差分がFIFO24内に含まれるデータ量に相当する。
【0051】
制御部34は、ステップS06およびステップS08において、算出された書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第1の設定データ量以上となるか否かの判断を行なう(ステップS09)。第1の設定データ量は、上述のとおり、たとえば、FIFO24の許容量の3/4である。
【0052】
ステップS09において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第1の設定データ量に達していない場合、制御部34は、ステップS06およびステップS08において算出された書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第2の設定データ量以下となるか否かの判断を行なう(ステップS11)。ここで、第2の設定データ量とは、上述のとおり、たとえば、FIFO24の許容量の1/4である。
【0053】
一方、ステップS09において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第1の設定データ量以上となる場合、制御部34に含まれる制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。そして、制御電圧信号に応じて、可変周波数クロック生成部16により周波数を上げて、読み出しクロックを生成する(ステップS10)。そして、制御部34は、処理をステップS03に戻す。
【0054】
ステップS11において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第2の設定データ量以下となる場合、制御部34に含まれる制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。そして、制御電圧信号に応じて、可変周波数クロック生成部16により周波数を上げて、読み出しクロックを生成する(ステップS12)。そして、制御部34は、処理をステップS03に戻す。
【0055】
一方、ステップS11において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第2の設定データ量以上となる場合、処理をステップS05およびステップS07に戻す。
【0056】
以上、説明したとおり、IPネットワークを介して伝送されるデータを受信するときに、バッファ内の残量に基づいて、バッファから読み出しクロックに対応する周波数を可変として、送信側のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックに平均的に同期させることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【0057】
また、たとえば、入力電圧に応じた周波数を生成するためのVCXOを用いてバッファからデータを読み出すときの読み出し周波数を可変とする場合、コンデンサの充放電特性を利用することにより、VCXOに入力される電圧を緩やかに電圧を変化させることができる。その結果、読み出しクロックに対応する周波数を滑らかに変化させることが可能となる。そのため、クロック変化時の再生波形のひずみを抑えることができるので、結果的にエラーの起きない信頼性の高い再生が可能となる。
【0058】
あるいは、バッファへの書き込みクロックのカウント数の積算値およびバッファからの読み出しクロックのカウント数の積算値の差分をとり、バッファ内データ残量を検出することにより、データ残量に応じて、周波数を可変させて、対応する読み出しクロックの生成を確実に行なうことが可能となる。
【0059】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2におけるデータ伝送システムの基本構成と各構成の機能は、図1に示した実施の形態1におけるデータ伝送システム100の基本構成と各構成の機能と同じである。そのため、データ伝送システム100の基本構成および各構成の機能の説明は繰り返さない。
【0060】
図4は、本発明の実施の形態2における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【0061】
本発明の実施の形態2において、実施の形態1におけるデータ伝送装置300の構成と異なる点は、以下のとおりである。
【0062】
図4を参照して、受信側のデータ伝送装置300は、データを格納するためのFIFO(First−In First−Out)24と、FIFO24内のデータ量が外部から設定される所定の残量となるに応じて、残量信号を出力するための残量信号出力部26を含むバッファ22を備える。
【0063】
本発明の実施の形態2において、FIFO24内のデータ量に応じて、FIFO24に含まれる残量信号出力部26により残量信号を出力することにより、可変周波数クロック生成部16において生成されるデータの読み出しクロックに対応する周波数を制御する。
【0064】
FIFO24において、処理の開始当初は、外部から予め設定される読み出し開始データ量となるまで、データ書き込み回路24aは、メモリアレイ24bへの書き込みを行なう。読み出し開始データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の半分である。書き込まれたデータ量が読み出し開始データ量となるときに、残量信号出力部26は、読み出しを開始するための残量信号を出力して、FIFO24に含まれるデータ読み出し回路24cは、読み出しを開始する。
【0065】
残量信号出力部26は、FIFO24内のデータ量が外部から予め設定される第1の設定データ量となるに応じて、FIFO24内のデータ量が第1の設定データ量以上となることを示す残量信号を制御信号出力部28に出力する。第1の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の3/4である。FIFO24において、FIFO24内のデータ量が許容量の3/4以上となるときに残量信号出力部26により、残量信号が出力される。第1の設定データ量以上となることを示す残量信号に応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。
【0066】
また、残量信号出力部26は、FIFO24内のデータ量が外部から予め設定される第2の設定データ量となるに応じて、制御信号出力部28に、FIFO24内のデータ量が第2の設定データ量以下となることを示す残量信号を出力する。第2の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の1/4である。FIFO24において、たとえば、FIFO24内のデータ量が許容量の1/4以下となるときに残量信号出力部26により、残量信号が出力される。第2の設定データ量以下となることを示す残量信号に応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。
【0067】
以上、説明したとおり、IPネットワークを介して伝送されるデータを受信するときに、バッファ内の残量に基づいて、バッファからの読み出しクロックに対応する周波数を可変して、送信側のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックに平均的に同期させることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【0068】
また、たとえば、入力電圧に応じた周波数を生成するためのVCXOを用いてバッファからデータを読み出すときの読み出し周波数を可変とする場合、コンデンサの充放電特性を利用することにより、VCXOに入力される電圧を緩やかに電圧を変化させることができる。その結果、読み出しクロックに対応する周波数を滑らかに変化させることが可能となる。そのため、クロック変化時の再生波形のひずみを抑えることができるので、結果的にエラーの起きない信頼性の高い再生が可能となる。
【0069】
バッファ内データ残量の状態を外部出力できるバッファを使用することにより、バッファ内データ残量を検出することにより、データ残量に応じて、周波数を可変させて、対応する読み出しクロックの生成を確実に行なうことができる。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
【発明の効果】
以上を説明したとおり、本発明によれば、伝送されるデータを受信する場合、バッファ手段に含まれるデータの量に応じて、バッファ手段からデータを読み出すときの読み出しクロックに対応する周波数を可変とすることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1において、IPネットワーク200を介してアナログ信号を伝送するためのデータ伝送システム100について説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における制御部34により、FIFO24内のデータ量の検知に応じて、制御電圧信号を出力するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
2 端末、4 モデム、6 電話機、8 端末、10 モデム、12 電話機、14 デジタル/アナログ変換部、16 可変周波数クロック生成部、18 蓄電部、20 リードクロックカウンタ、22 バッファ、24 FIFO、24a データ書き込み回路、24b メモリアレイ、24c データ読み出し回路、26 残量信号出力部、28 制御信号出力部、30 ライトクロックカウンタ、32 LANコントローラ、34 制御部、36 記憶部、38 LANコントローラ、40 アナログ/デジタル変換部、100 データ伝送システム、200 IPネットワーク、300、400 データ伝送装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークから伝送されるインターネットプロトコル(以下、IP)パケットをアナログ信号に変換し、または、アナログ信号をデジタル信号に変換してネットワークに送出するためのデータ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ネットワークを介して接続される機器において、音声や映像などのアナログ情報を所定の周波数でサンプリングしたデータを送信側の機器から伝送する場合、少なくとも受信側の機器および送信側の機器の内部の基準クロックの比を一定にする必要がある。すなわち、送信側の機器からの送り出しおよび受信側の機器からの読み出しの速度が同じでない場合、伝送されたデータの取りこぼし、または、データの溢れが発生する。
【0003】
たとえば、音声データを伝送する場合、受信側での音声の再生が途切れる等の問題が生じる。この問題を解決するために、サンプリング周波数が変化した場合に、音声の再生が途切れる等の不具合が生じない高品位な音声の再生ができる受信装置およびそのフロー制御方法と送信装置およびそのフロー制御方法について、以下のような構成が公知である(特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、従来例では、送信側から受信したデータをバッファに蓄積し、基準クロックに基づき、バッファ内のデータを読み出すように構成された受信装置であって、受信装置は、データのサンプリング周波数の変化を検出する検出手段と、検出手段の出力に応答して、バッファへのデータの書き込みおよびバッファからのデータの読み出しを停止制御する第1の制御手段と、検出手段の出力に応答して、バッファ内のデータをクリアするクリア手段と、検出手段の出力に応答して、基準クロックの周波数を切り換えるクロック切換手段と、検出手段の出力に応答して、バッファへのデータの書き込みおよびバッファからのデータの読み出しを再開制御する第2の制御手段とを有する構成が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−344561号公報明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、音声等のアナログ情報がデジタル信号に変換され、IPプロトコルにしたがってデータがネットワークを介して伝送される場合、波形が変歪する問題がある。あるいは、モデムから出力される音声信号がデジタル信号に変換され、IPプロトコルにしたがってデータがネットワークを介して伝送される場合には、データエラーが発生するという問題がある。
【0007】
これは、IPネットワークにおいてデータは、パケット化されるためである。すなわち、データはパケットと呼ばれる単位に分割されて伝送されるため、データとクロック成分を符号化・混合して伝送することができない。その結果、送信側において、アナログ信号をデジタル信号に変換するときのアナログ/デジタル(以下、A/Dとする。)変換クロックと、受信側において、デジタル信号をアナログ信号に変換するときのデジタル/アナログ(以下、D/Aとする。)変換クロックを同期することができない。このため、受信側における伝送されるデータの読み出しにおいて、A/D変換クロックに対応する周波数がD/A変換クロックに対応する周波数より小さいときは、データが「歯抜け」の現象が発生してしまう。また、D/A変換クロックに対応する周波数がA/D変換クロックに対応する周波数よりも小さいときは、データに「データ詰まり」の現象が発生してしまう。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するために、受信側に含まれるバッファの残量に応じて、受信側のD/A変換クロックを制御することにより、送信側のA/D変換クロックと平均的に同期させるデータ伝送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面に係るデータ伝送装置は、ネットワークから伝送されるIPパケットを受け、デジタルデータを抽出するためのデジタルデータ入力手段と、デジタルデータをバッファ処理するために、デジタルデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのバッファ手段と、所定の書き込みクロックに基づいて、バッファ手段にデジタルデータを書き込むためのデータ書き込み手段と、バッファ手段に含まれるデジタルデータのデータ量に応じて、制御信号を出力するための制御信号出力手段と、制御信号に応じた可変の周波数を有する読み出しクロックを生成するための可変周波数クロック生成手段と、読み出しクロックに基づいて、バッファ手段からデジタルデータを読み出すためのデータ読み出し手段と、読み出しクロックに基づいて、読み出したデジタルデータをアナログデータに変換して出力するためのデジタル/アナログ変換手段とを備える。
【0010】
好ましくは、アナログデータをネットワークに送出するときに、所定の変換クロックに基づいて、デジタルデータに変換するためのアナログ/デジタル変換手段をさらに備える。
【0011】
好ましくは、制御信号出力手段は、出力ノードを有し、データ伝送装置は、出力ノードと可変周波数クロック生成手段との間に設けられる蓄電手段をさらに備える。
【0012】
好ましくは、制御信号出力手段は、データ量を検知するためのデータ量検知手段を含み、データ量検知手段は、データ書き込み手段により書き込まれたデータ量とデータ読み出し手段により読み出されたデータ量との差分により、格納されているデータ量を検知して、検知されたデータ量が所定の残量となるに応じて、制御信号を出力する。
【0013】
好ましくは、バッファ手段は、データ量が所定の残量となるときに、制御信号出力手段に残量信号を出力するための残量信号出力手段を含み、制御信号出力手段は、残量信号に応じて、制御信号を出力する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明では、同一の構成部分には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについて詳細な説明は繰り返さない。
【0015】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1において、IPネットワーク200を介してアナログ音声信号を伝送するためのデータ伝送システム100について説明するための概略図である。
【0016】
以下の説明では、特に、アナログ信号である音声信号をIPネットワーク上に送出するためにデジタルデータに変換するためのデータ伝送装置を例にとって説明する。
【0017】
図1を参照して、データ伝送システム100は、送信側の端末2と、送信側の端末2と接続される送信側のモデム4と、音声をアナログ音声信号として出力するための送信側の電話機6と、送信側のモデム4または、送信側の電話機6からのアナログ音声信号をデジタルデータに変換して、IPパケット(音声パケット)に分割して、出力するための送信側のデータ伝送装置400と、出力されたIPパケットを伝送するためのIPネットワーク200と、IPネットワーク200を介して、IPパケットを受けるための受信側のデータ伝送装置300、受信側のデータ伝送装置300から出力されるアナログ音声信号を受けるための受信側のモデム10および受信側の電話機12と、受信側のモデム10と接続される受信側の端末8とを備える。
【0018】
送信側のデータ伝送装置400は、受信側のデータ伝送装置300と同じ構成を含む。また、受信側のデータ伝送装置300は、送信側のデータ伝送装置400と同じ構成を含む。すなわち、データ伝送装置300および400は、送信時は、アナログ音声信号をデジタルデータに変換し、IPパケットに分割して、IPネットワーク200にデータを送出する動作を行なう。一方、データ伝送装置300および400は、受信時は、伝送されてくるIPパケットからデジタルデータを抽出して、アナログ音声信号に変換する動作を行なう。
【0019】
送信側のモデム4、あるいは、送信側の電話機6から出力されたアナログ音声信号は、送信側のデータ伝送装置400において、所定のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックに基づいて、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、IPパケットに分割される。そして、IPパケットに分割されたデータは、IPネットワーク200において、データ伝送装置400が直接IPパケットを送出する相手先の機器に対して、データ伝送用にタイミングに関する情報が付加された上で出力される。相手先の機器では、この伝送データに付加されたタイミングに関する情報から受信タイミングを検出して、データを受信する。以後は、同様にして、IPネットワーク200に存在する機器間を順次バケツリレーのようにIPパケットを受け渡しながら、データ伝送装置400から送り出されたIPパケットは、最終的に、受信側のデータ伝送装置300にて受信される。
【0020】
受信側のデータ伝送装置300では、IPネットワーク200において、直接IPパケットを送りつけてくる機器で伝送データに付加されたタイミングに関する情報を再生して、送られてきたIPパケットの受信処理を行ない、IPパケットからデジタルデータを抽出する。抽出されたデジタルデータは、再生されたタイミングに関する情報に基づく書き込みクロックに基づいて、受信側のデータ伝送装置300の内部バッファ(図示せず)に逐次書き込まれる。
【0021】
したがって、受信側のデータ伝送装置300において、受信処理および内部バッファへの書き込み等を制御するためのクロックは、データ伝送装置400がIPパケットを送出するときに、データをサンプリングしたクロックとは、直接の関係がなく、また、同期もしていない。
【0022】
バッファ内に書き込みを開始してから、バッファ内のデータが読み出し開始データ量となるに応じて、バッファからのデータの読み出しが開始される。このとき、バッファからデータを読み出すときには、受信側のデータ伝送装置300に含まれる可変周波数クロック生成部(図示せず)により生成される読み出しクロックに基づいて、デジタルデータが読み出される。そして、読み出されたデータは、デジタル/アナログ変換クロックに基づいて、アナログ音声信号へと変換される。デジタルデータをアナログ音声信号に変換するときのデジタル/アナログ変換クロックは、上述の読み出しクロックに相当する。変換されたアナログ音声信号は、受信側のモデム10または、受信側の電話機12に出力される。
【0023】
以上のようなわけで、送信側における所定のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックの成分を受信側に伝送することは、難しい。すなわち、送信側におけるアナログ/デジタル変換クロック成分を伝送することができないために、受信側の読み出しクロックとの同期が行なえない。そのため、バッファ内でデータの取りこぼし、または、データの溢れが発生する。
【0024】
たとえば、音声データをIPネットワーク200を介して伝送する場合、音切れ等の不具合が発生する。また、モデムのように音声帯域信号でデータ伝送する場合にはデータエラーが発生する。
【0025】
そこで、本発明において、受信側の読み出しクロックに対応し、可変とした周波数を生成することにより、音切れ等の不具合を防止する。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【0027】
図2を参照して、送信側のデータ伝送装置400は、アナログ音声信号をデジタルデータに変換するためのアナログ/デジタル変換部40と、デジタルデータをIPパケットに分割して伝送するためのLANコントローラ38とを備える。
【0028】
受信側のデータ伝送装置300は、IPパケット化されたデジタルデータを受けるためのLANコントローラ32と、IPパケット化されたデジタルデータのバッファ処理を行なうためのバッファ22と、バッファ22にデジタルデータが書き込まれるときの書き込みクロックをカウントするためのライトクロックカウンタ30と、バッファ22からデジタルデータが読み出されるときの読み出しクロックをカウントするためのリードクロックカウンタ20と、デジタル信号をアナログ音声信号に変換して出力するためのデジタル/アナログ変換部14と、制御電圧信号を出力するための制御部34と、制御電圧信号に応じて、可変とした読み出し周波数に基づく読み出しクロックを生成するための可変周波数クロック生成部16と、制御部34と可変周波数クロック生成部16との間に設けられる蓄電部18とを備える。
【0029】
制御部34は、制御電圧信号を出力するための制御信号出力部28と、ライトクロックカウンタ30およびリードクロックカウンタ20のカウント数を記憶するための記憶部36とを含む。
【0030】
制御信号出力部28は、出力ノードを有しており、出力ノードと可変周波数クロック生成部16との間に蓄電部18が設けられる。
【0031】
バッファ22は、データを格納するためのFIFO(First−In First−Out)24を含む。FIFO24は、データを格納するためのメモリアレイ24bと、メモリアレイ24bにデータを書き込むためのデータ書き込み回路24aと、メモリアレイ24bからデータを読み出すためのデータ読み出し回路24cとを有する。
【0032】
送信側のデータ伝送装置400に、音声等のアナログ音声信号が入力されると、アナログ音声信号は、アナログ/デジタル変換部40において、所定のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックが重畳されて、デジタルデータに変換される。そして、生成されたデジタルデータは、IPパケットに分割されて、データ伝送用にタイミングに関する情報が付加されて、IPネットワーク200に送出される。IPネットワーク200から伝送されるIPパケットから、受信側のデータ伝送装置300に備わるLANコントローラ32において、受信側のデータ伝送装置300に直接データを送りつける機器が付加したタイミングに関する情報に基づいて、デジタルデータが抽出される。抽出されたデジタルデータは、FIFO24に含まれるメモリアレイ24bにデータ書き込み回路24aにより書き込みクロックに基づいて、書き込まれる。このとき、書き込みクロックは、受信側のデータ伝送装置300に直接データを送りつける機器が付加したタイミングに関する情報に基づく。そして、メモリアレイ24b内のデータ量が読み出し開始データ量となるに応じて、分割されたデータは、FIFO24に含まれるデータ読み出し回路24cにより読み出しが開始される。このとき、データ読み出し回路24cによるメモリアレイ24bからのデータの読み出しは、可変周波数クロック生成部16により生成される読み出しクロックに基づいて行なわれる。読み出されたデジタルデータは、デジタル/アナログ変換部14において、可変周波数クロック生成部16により生成される読み出しクロックに基づいて、アナログ音声信号に変換されて出力される。
【0033】
メモリアレイ24bに書き込まれるときの書き込みクロックのカウント数は、ライトクロックカウンタ30によりカウントされる。制御部34は、カウントされた書き込みクロックのカウント数を記憶部36に記憶させる。FIFO24において、処理の開始当初は、外部から予め設定される読み出し開始データ量となるまでデータ書き込み回路24aは、メモリアレイ24bへの書き込みを行なう。読み出し開始データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24のデータの許容量の半分である。データ量が許容量の半分を超えたか否かは、制御部34により、ライトクロックカウンタ30のカウント数の積算値から算出される。制御部34は、書き込みクロックのカウント数の積算値により、メモリアレイ24b内に書き込まれるデータ量を算出する。そして、書き込まれたデータ量がFIFO24の許容量の半分以上となるときに、データ読み出し回路24cは、読み出しを開始する。
【0034】
メモリアレイ24bからデータが読み出されるときの読み出しクロックのカウント数は、リードクロックカウンタ20によりカウントされる。このとき、制御部34は、カウントされた読み出しクロックのカウント数を記憶部36に記憶させる。制御部34は、記憶部36に記憶される書き込みクロックのカウント数および読み出しクロックのカウント数に基づいて、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値をそれぞれ算出する。そして、制御部34は、書き込みクロックのカウント数の積算値と、読み出しクロックのカウント数の積算値の差分をとる。書き込みクロックのカウント数の積算値と読み出しクロックのカウント数の積算値との差分がメモリアレイ24b内に格納されているデータ量を示す。そして、メモリアレイ24b内のデータ量が外部から予め設定される第1の設定データ量以上となるに応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。第1の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の3/4である。FIFO24において、メモリアレイ24b内のデータ量が許容量の3/4以上となるときに、制御信号出力部28は、周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。または、メモリアレイ24b内のデータ量が外部から予め設定される第2の設定データ量以下となるに応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。第2の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の1/4である。FIFO24において、メモリアレイ24b内のデータ量が許容量の1/4以下となるときに、制御信号出力部28は、周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。
【0035】
メモリアレイ24bへの書き込みクロックと読み出しクロックのそれぞれに対応する周波数の差によって、メモリアレイ24b内のデータ量は減少、もしくは増加のいずれかの状態に変化する。
【0036】
本発明において、FIFO24に含まれるメモリアレイ24b内のデータ量が第2の設定データ量以下となるとき、読み出しクロックに対応する周波数を下げる制御が行なわれる。一方、メモリアレイ24b内のデータ量が第1の設定データ量以上となるとき読み出しクロックに対応する周波数を上げる制御が行なわれる。
【0037】
制御信号出力部28は、ライトクロックカウンタ30およびリードクロックカウンタ20のカウント数より算出したFIFO24内に含まれるデータ量に応じて、制御電圧信号を出力する。制御信号出力部28は、たとえば、2種類の電圧のうちのいずれか一方を選択して出力する。
【0038】
可変周波数クロック生成部16においては、読み出しクロックの生成が行なわれる。可変周波数クロック生成部16は、たとえば、制御信号出力部28から出力された電圧に基づいて、可変とした周波数を生成するためのVCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator)を含む。可変周波数クロック生成部16において、周波数を可変させて、対応する読み出しクロックを生成することにより、FIFO24内のデータが空、または、溢れることもない。すなわち、「歯抜け」・「データ詰まり」の状態を防ぐことができる。
【0039】
蓄電部18は、制御信号出力部28の出力ノードと可変周波数クロック生成部16との間に設けられる。蓄電部18は、制御信号出力部28から出力される電圧の変化を緩やかにする。制御信号出力部28から出力される電圧は、2種類であり、選択される電圧が変化するとき、電圧は急激に変化する。電圧の急激な変化により、可変周波数クロック生成部16において、エラーが起こりやすくなる。そこで、制御信号出力部28の出力ノードと可変周波数クロック生成部16との間に蓄電部18を設けることにより、電圧の上下の変化を緩やかにできる。そのため、エラーの発生を防ぐことができる。蓄電部18は、特に限定されないが、たとえば、コンデンサである。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態1における制御部34により、FIFO24内のデータ量の検知に応じて、制御電圧信号を出力するフローチャートである。
【0041】
図3を参照して、まず、データ伝送装置300において、受け取ったIPパケットからデジタルデータが抽出される。そして、抽出されたデジタルデータをFIFO24に書き込む動作が行なわれる。このとき、制御部34は、FIFO24に含まれるデータ書き込み回路24aがメモリアレイ24bにデータを書き込むときの書き込みクロックのカウント数をライトクロックカウンタ30より取得して、記憶部36に記憶させる(ステップS01)。
【0042】
つづいて、制御部34は、記憶された書き込みクロックのカウント数に基づいて、積算値を算出する(ステップS02)。
【0043】
そして、制御部34は、書き込みクロックのカウント数の積算値に基づいて、FIFO24内のデータ量が読み出し開始データ量となるか否かの判断を行なう(ステップS03)。ここで、読み出し開始データ量とは、上述のとおり、たとえば、FIFO24の許容量の半分である。
【0044】
ステップS03において、FIFO24内のデータ量が読み出し開始データ量となっていない場合、制御部34は、処理をステップS01に戻す。
【0045】
一方、ステップS03において、FIFO24内のデータ量が読み出し開始データ量となる場合、制御部34は、FIFO24からのデータの読み出しを開始する(ステップS04)。
【0046】
ステップS04において、データの読み出しが開始された後、制御部34は、FIFO24に含まれるデータ書き込み回路24aがメモリアレイ24bにデータを書き込むときの書き込みクロックのカウント数をライトクロックカウンタ30より取得して、記憶部36に記憶させる(ステップS05)。
【0047】
つづいて、制御部34は、記憶された書き込みクロックのカウント数に基づいて、積算値を算出する(ステップS06)。
【0048】
そして、書き込みクロックのカウント数の取得と同時に制御部34は、FIFO24に含まれるデータ読み出し回路24cがメモリアレイ24bからデータを読み出すときの読み出しクロックのカウント数をリードクロックカウンタ20より取得して、記憶部36に記憶させる(ステップS07)。
【0049】
次に、制御部34は、記憶された読み出しクロックのカウント数に基づいて、積算値を算出する(ステップS08)。
【0050】
このとき、ステップS06およびステップS08において、算出された書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値の差分がFIFO24内に含まれるデータ量に相当する。
【0051】
制御部34は、ステップS06およびステップS08において、算出された書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第1の設定データ量以上となるか否かの判断を行なう(ステップS09)。第1の設定データ量は、上述のとおり、たとえば、FIFO24の許容量の3/4である。
【0052】
ステップS09において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第1の設定データ量に達していない場合、制御部34は、ステップS06およびステップS08において算出された書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第2の設定データ量以下となるか否かの判断を行なう(ステップS11)。ここで、第2の設定データ量とは、上述のとおり、たとえば、FIFO24の許容量の1/4である。
【0053】
一方、ステップS09において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第1の設定データ量以上となる場合、制御部34に含まれる制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。そして、制御電圧信号に応じて、可変周波数クロック生成部16により周波数を上げて、読み出しクロックを生成する(ステップS10)。そして、制御部34は、処理をステップS03に戻す。
【0054】
ステップS11において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第2の設定データ量以下となる場合、制御部34に含まれる制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。そして、制御電圧信号に応じて、可変周波数クロック生成部16により周波数を上げて、読み出しクロックを生成する(ステップS12)。そして、制御部34は、処理をステップS03に戻す。
【0055】
一方、ステップS11において、書き込みクロックのカウント数の積算値および読み出しクロックのカウント数の積算値との差分が第2の設定データ量以上となる場合、処理をステップS05およびステップS07に戻す。
【0056】
以上、説明したとおり、IPネットワークを介して伝送されるデータを受信するときに、バッファ内の残量に基づいて、バッファから読み出しクロックに対応する周波数を可変として、送信側のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックに平均的に同期させることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【0057】
また、たとえば、入力電圧に応じた周波数を生成するためのVCXOを用いてバッファからデータを読み出すときの読み出し周波数を可変とする場合、コンデンサの充放電特性を利用することにより、VCXOに入力される電圧を緩やかに電圧を変化させることができる。その結果、読み出しクロックに対応する周波数を滑らかに変化させることが可能となる。そのため、クロック変化時の再生波形のひずみを抑えることができるので、結果的にエラーの起きない信頼性の高い再生が可能となる。
【0058】
あるいは、バッファへの書き込みクロックのカウント数の積算値およびバッファからの読み出しクロックのカウント数の積算値の差分をとり、バッファ内データ残量を検出することにより、データ残量に応じて、周波数を可変させて、対応する読み出しクロックの生成を確実に行なうことが可能となる。
【0059】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2におけるデータ伝送システムの基本構成と各構成の機能は、図1に示した実施の形態1におけるデータ伝送システム100の基本構成と各構成の機能と同じである。そのため、データ伝送システム100の基本構成および各構成の機能の説明は繰り返さない。
【0060】
図4は、本発明の実施の形態2における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【0061】
本発明の実施の形態2において、実施の形態1におけるデータ伝送装置300の構成と異なる点は、以下のとおりである。
【0062】
図4を参照して、受信側のデータ伝送装置300は、データを格納するためのFIFO(First−In First−Out)24と、FIFO24内のデータ量が外部から設定される所定の残量となるに応じて、残量信号を出力するための残量信号出力部26を含むバッファ22を備える。
【0063】
本発明の実施の形態2において、FIFO24内のデータ量に応じて、FIFO24に含まれる残量信号出力部26により残量信号を出力することにより、可変周波数クロック生成部16において生成されるデータの読み出しクロックに対応する周波数を制御する。
【0064】
FIFO24において、処理の開始当初は、外部から予め設定される読み出し開始データ量となるまで、データ書き込み回路24aは、メモリアレイ24bへの書き込みを行なう。読み出し開始データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の半分である。書き込まれたデータ量が読み出し開始データ量となるときに、残量信号出力部26は、読み出しを開始するための残量信号を出力して、FIFO24に含まれるデータ読み出し回路24cは、読み出しを開始する。
【0065】
残量信号出力部26は、FIFO24内のデータ量が外部から予め設定される第1の設定データ量となるに応じて、FIFO24内のデータ量が第1の設定データ量以上となることを示す残量信号を制御信号出力部28に出力する。第1の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の3/4である。FIFO24において、FIFO24内のデータ量が許容量の3/4以上となるときに残量信号出力部26により、残量信号が出力される。第1の設定データ量以上となることを示す残量信号に応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を上げるための制御電圧信号を出力する。
【0066】
また、残量信号出力部26は、FIFO24内のデータ量が外部から予め設定される第2の設定データ量となるに応じて、制御信号出力部28に、FIFO24内のデータ量が第2の設定データ量以下となることを示す残量信号を出力する。第2の設定データ量は、特に限定されないが、たとえば、FIFO24の許容量の1/4である。FIFO24において、たとえば、FIFO24内のデータ量が許容量の1/4以下となるときに残量信号出力部26により、残量信号が出力される。第2の設定データ量以下となることを示す残量信号に応じて、制御信号出力部28は、可変周波数クロック生成部16において、生成される読み出しクロックに対応する周波数を下げるための制御電圧信号を出力する。
【0067】
以上、説明したとおり、IPネットワークを介して伝送されるデータを受信するときに、バッファ内の残量に基づいて、バッファからの読み出しクロックに対応する周波数を可変して、送信側のサンプリング周波数に基づくアナログ/デジタル変換クロックに平均的に同期させることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【0068】
また、たとえば、入力電圧に応じた周波数を生成するためのVCXOを用いてバッファからデータを読み出すときの読み出し周波数を可変とする場合、コンデンサの充放電特性を利用することにより、VCXOに入力される電圧を緩やかに電圧を変化させることができる。その結果、読み出しクロックに対応する周波数を滑らかに変化させることが可能となる。そのため、クロック変化時の再生波形のひずみを抑えることができるので、結果的にエラーの起きない信頼性の高い再生が可能となる。
【0069】
バッファ内データ残量の状態を外部出力できるバッファを使用することにより、バッファ内データ残量を検出することにより、データ残量に応じて、周波数を可変させて、対応する読み出しクロックの生成を確実に行なうことができる。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
【発明の効果】
以上を説明したとおり、本発明によれば、伝送されるデータを受信する場合、バッファ手段に含まれるデータの量に応じて、バッファ手段からデータを読み出すときの読み出しクロックに対応する周波数を可変とすることにより、データの抜け、たとえば、音声の場合、音切れ等の不具合を防止して、エラーの起きない再生を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1において、IPネットワーク200を介してアナログ信号を伝送するためのデータ伝送システム100について説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における制御部34により、FIFO24内のデータ量の検知に応じて、制御電圧信号を出力するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2における送信側のデータ伝送装置400および受信側のデータ伝送装置300の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
2 端末、4 モデム、6 電話機、8 端末、10 モデム、12 電話機、14 デジタル/アナログ変換部、16 可変周波数クロック生成部、18 蓄電部、20 リードクロックカウンタ、22 バッファ、24 FIFO、24a データ書き込み回路、24b メモリアレイ、24c データ読み出し回路、26 残量信号出力部、28 制御信号出力部、30 ライトクロックカウンタ、32 LANコントローラ、34 制御部、36 記憶部、38 LANコントローラ、40 アナログ/デジタル変換部、100 データ伝送システム、200 IPネットワーク、300、400 データ伝送装置。
Claims (5)
- ネットワークから伝送されるIPパケットを受け、デジタルデータを抽出するためのデジタルデータ入力手段と、
前記デジタルデータをバッファ処理するために、前記デジタルデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのバッファ手段と、
所定の書き込みクロックに基づいて、前記バッファ手段に前記デジタルデータを書き込むためのデータ書き込み手段と、
前記バッファ手段に含まれる前記デジタルデータのデータ量に応じて、制御信号を出力するための制御信号出力手段と、
前記制御信号に応じた可変の周波数を有する読み出しクロックを生成するための可変周波数クロック生成手段と、
前記読み出しクロックに基づいて、前記バッファ手段から前記デジタルデータを読み出すためのデータ読み出し手段と、
前記読み出しクロックに基づいて、読み出した前記デジタルデータをアナログデータに変換して出力するためのデジタル/アナログ変換手段とを備える、データ伝送装置。 - 前記アナログデータを前記ネットワークに送出するときに、所定のアナログ/デジタル変換クロックに基づいて、前記デジタルデータに変換するためのアナログ/デジタル変換手段をさらに備える、請求項1記載のデータ伝送装置。
- 前記制御信号出力手段は、出力ノードを有し、
前記データ伝送装置は、前記出力ノードと前記可変周波数クロック生成手段との間に設けられる蓄電手段をさらに備える、請求項1記載のデータ伝送装置。 - 前記制御信号出力手段は、前記データ量を検知するためのデータ量検知手段を含み、
前記データ量検知手段は、前記データ書き込み手段により書き込まれた前記データ量と前記データ読み出し手段により読み出された前記データ量との差分により、格納されている前記データ量を検知して、検知された前記データ量が所定の残量となるに応じて、前記制御信号を出力する、請求項1記載のデータ伝送装置。 - 前記バッファ手段は、前記データ量が所定の残量となるときに、前記制御信号出力手段に残量信号を出力するための残量信号出力手段を含み、
前記制御信号出力手段は、前記残量信号に応じて、前記制御信号を出力する、請求項1記載のデータ伝送装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003113533A patent/JP2004320569A/ja not_active Withdrawn
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