JP2004320266A - 受信装置および受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上すること。
【解決手段】受信装置100は、受信キャリブレーション系高周波切換部106の複数の入力端子の中の1入力端子を終端することで、受信キャリブレーション系受信部107及び受信キャリブレーション系復調部108に対して受信信号を入力させないようにして、受信キャリブレーション系復調部108からベースバンド部105の間で、各部を構成する部品性能にばらつきがあり、観測値が部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまり復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットがあったとしても、それを0としてベースバンド部105内のDC電圧オフセット調整機能部110に記憶することで、I信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】受信装置100は、受信キャリブレーション系高周波切換部106の複数の入力端子の中の1入力端子を終端することで、受信キャリブレーション系受信部107及び受信キャリブレーション系復調部108に対して受信信号を入力させないようにして、受信キャリブレーション系復調部108からベースバンド部105の間で、各部を構成する部品性能にばらつきがあり、観測値が部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまり復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットがあったとしても、それを0としてベースバンド部105内のDC電圧オフセット調整機能部110に記憶することで、I信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アダプティブアレイアンテナ方式を採用する受信装置及び受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ方式を採用する受信装置としては、図14に示すものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置10は、複数のアンテナ1−1〜1−nと、複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nと、複数の通信系受信部3−1〜3−nと、複数の通信系復調部4−1〜4−nと、ベースバンド部8と、受信キャリブレーション系高周波切換部6と、受信キャリブレーション系受信部7と、受信キャリブレーション系復調部8とを具備している。
【0004】
複数のアンテナ1−1〜1−nは、それぞれ電波を受信して受信信号を生成して複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nに出力する。
【0005】
複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nは、それぞれ複数のアンテナ1−1〜1−nから入力された各受信信号の一部を取り出して、受信キャリブレーション系高周波切換部6に出力する。
【0006】
受信キャリブレーション系高周波切換部6は、複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nから入力された複数の高周波信号から任意の1つの信号を切換えて選択して受信キャリブレーション系受信部7に出力する。
【0007】
受信キャリブレーション系受信部7は、受信キャリブレーション系高周波切換部6から入力された高周波信号を所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、変調信号を受信キャリブレーション系復調部8に出力する。
【0008】
受信キャリブレーション系復調部8は、受信キャリブレーション系受信部7から入力された変調信号を復調し、復調信号をベースバンド部5に出力する。
【0009】
複数の通信系受信部3−1〜3−nは、それぞれ複数のアンテナ1−1〜1−nから出力される各受信信号を複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nを介して受信し、所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、各変調信号を複数の通信系復調部4−1〜4−nに出力する。
【0010】
複数の通信系復調部4−1〜4−nは、それぞれ複数の通信系受信部3−1〜3−nから入力された各変調信号をそれぞれ復調し、各復調信号をベースバンド部5に出力する。
【0011】
ベースバンド部5は、複数の通信系復調部4−1〜4−nから入力された複数の復調信号と受信キャリブレーション系復調部8から入力された復調信号とを、それぞれ受信処理する。
【0012】
この従来のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置10においては、アダプティブアレイアンテナ性能を向上させる為に、以下の様な工夫を行っている。
【0013】
実際の機器においては、受信装置内の各機能ブロックを構成するアナログ部品が、部品特性である利得及び遅延特性、即ち、処理対象の信号に対して振幅及び位相のばらつきを持つため、受信装置内のアナログ部品による振幅及び位相特性を、複数の通信系ブランチが同一となるように補償する必要がある。
【0014】
なぜなら、アダプティブアレイアンテナ方式とは、複数の通信系ブランチのアンテナから送受信する各信号の振幅及び位相成分を完全に把握、管理してこそ始めて実現できる無線通信方式だからである。
【0015】
その為、複数の通信系ブランチの無線回路特性、即ち振幅及び位相成分をそれぞれ測定し、その誤差をベースバンド部において補償するという無線回路校正(キャリブレーション:Calibration )を行っていた。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−53527号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置においては、復調部及びベースバンド部を構成するアナログ部品の特性のばらつき等の影響で、最終的に受信処理を行うベースバンド部においてI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分やゲイン差成分、即ち振幅及び位相成分に誤差が発生するため、受信アダプティブアレイアンテナ性能に悪影響を及ぼすだけでなく受信精度を劣化させるという問題があった。
【0018】
また、I信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分の誤差を調整するため、ベースバンド部において復調部から受信するI信号とQ信号を監視しながら、復調部におけるI信号及びQ信号のゲインを手動にて調整する調整方法が考えられるが、調整時間に長時間を要するため、この調整方法は非現実的である。
【0019】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上することができる受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の受信装置は、複数のアンテナと、前記複数のアンテナから出力された各受信信号から一部の信号を取り出す方向性結合手段と、前記方向性結合手段から出力された複数の出力信号から任意の出力信号を択一的に選択する複数の入力端子を有する信号切換手段と、前記信号切換手段の複数の入力端子のうち一つの入力端子を終端する終端手段と、前記信号切換手段により選択された出力信号を増幅する受信手段と、前記受信手段から出力された増幅信号からI信号とQ信号を復調する復調手段と、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間の誤差を調整する調整手段と、を具備する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、復調されたI信号及びQ信号間の誤差を短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0022】
本発明の受信装置は、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するための基準信号を発生する基準信号発生手段を具備し、前記信号切換手段は、前記複数の入力端子のうちの一つの入力端子から前記基準信号発生手段から発生される基準信号を入力し、前記調整手段は、前記信号切換手段により入力された基準信号に基づいて、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0024】
本発明の受信装置は、前記復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分の調整と、DC電圧オフセットの調整とを行うため基準信号を発生する基準信号発生手段を具備し、前記信号切換手段は、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子から基準信号を入力し、前記調整手段は、前記信号切換手段により入力された基準信号に基づいて、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するとともに、I信号とQ信号間のゲイン差成分を調整する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセットとを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0026】
本発明の受信方法は、複数のアンテナから出力された各受信信号から一部の信号を取り出すステップと、前記取り出された複数の出力信号から任意の出力信号を複数の入力端子を用いて択一的に選択するステップと、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子を終端するステップと、前記選択された出力信号を増幅するステップと、前記増幅信号からI信号とQ信号を復調するステップと、前記復調されたI信号とQ信号間の誤差を調整するステップと、を有するようにした。
【0027】
この受信方法によれば、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0028】
本発明の受信方法は、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するための基準信号を発生するステップと、前記複数の入力端子のうちの一つの入力端子から前記基準信号を入力するステップと、前記入力された基準信号に基づいて、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するステップと、を有するようにした。
【0029】
この受信方法によれば、復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0030】
本発明の受信方法は、前記復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分の調整と、DC電圧オフセットの調整とを行うための基準信号を発生するステップと、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子から前記基準信号を入力するステップと、前記入力された基準信号に基づいて、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するとともに、I信号とQ信号間のゲイン差成分を調整するステップと、を有するようにした。
【0031】
この受信方法によれば、復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセットとを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上することである。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0035】
受信装置100は、複数のアンテナ101−1〜101−nと、複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nと、複数の通信系受信部103−1〜103−nと、複数の通信系復調部104−1〜104−nと、ベースバンド部105と、受信キャリブレーション系高周波切換部106と、受信キャリブレーション系受信部107と、受信キャリブレーション系復調部108と、終端抵抗器109と、DCオフセット調整機能部110とを具備している。
【0036】
なお、キャリブレーションとは、複数の通信系ブランチの無線回路特性、即ち振幅及び位相情報をそれぞれ測定し、その誤差をベースバンド部105において補償する機能のことであり、複数の通信系復調部103−1〜103−nでそれぞれ復調されたI信号とQ信号の振幅値と位相値を調整し、複数の受信ブランチとして振幅値と位相値を合わせる機能のことである。
【0037】
複数のアンテナ101−1〜101−nは、それぞれ電波を受信して受信信号を生成して複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nに出力する。
【0038】
複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nは、それぞれ複数のアンテナ101−1〜101−nから入力された各受信信号の一部を取り出して、受信キャリブレーション系高周波切換部106に出力する。
【0039】
受信キャリブレーション系高周波切換部106は、複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nから入力された複数の高周波信号から任意の1つの信号を選択して受信キャリブレーション系受信部107に出力する。
【0040】
受信キャリブレーション系受信部107は、受信キャリブレーション系高周波切換部106から入力された高周波信号を所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、変調信号を受信キャリブレーション系復調部108に出力する。
【0041】
受信キャリブレーション系復調部108は、受信キャリブレーション系受信部107から入力された変調信号を復調し、復調信号をベースバンド部105に出力する。
【0042】
複数の通信系受信部103−1〜103−nは、それぞれ複数のアンテナ101−101〜1−nから出力される各受信信号を複数の受信系方向性結合手段102−1〜102−nを介して受信し、所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、各変調信号を複数の通信系復調部104−1〜104−nに出力する。
【0043】
複数の通信系復調部104−1〜104−nは、それぞれ複数の通信系受信部103−1〜103−nから入力された各変調信号をそれぞれ復調し、各復調信号をベースバンド部105に出力する。
【0044】
ベースバンド部105は、複数の通信系復調部104−1〜104−nから入力された複数の復調信号と受信キャリブレーション系復調部108から入力された復調信号とを、それぞれ受信処理する。
【0045】
次に、本実施の形態1の受信装置100と従来の受信装置とを比較して説明する。
【0046】
従来は、図14に示したように、複数の通信系ブランチの通信系受信部3−1〜3−nの無線回路特性、即ち振幅及び位相情報をそれぞれ測定し、その誤差をベースバンド部5において補償する構成になっていた。
【0047】
しかしながら、複数の通信系復調部4−1〜4n及び受信キャリブレーション系復調部8からベースバンド部5までの各部を構成する部品性能のばらつき等の影響で、最終的に受信処理を行うベースバンド部5においてI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分やゲイン差成分、即ち、振幅及び位相情報に誤差が生じていたため、受信アダプティブアレイアンテナ性能に悪影響を及ぼすだけでなく受信精度を劣化さていた。
【0048】
ここで復調部及び変調部で発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分とゲイン差成分について説明する。
【0049】
I信号及びQ信号のようなベースバンド信号は、ある電圧を基準として各信号がそれぞれ振動しており、このI信号及びQ信号の基準電圧の差をDC電圧オフセット成分と呼ぶ。
【0050】
このI信号及びQ信号間のDC電圧オフセット成分はゼロであることが好ましく、アダプティブアレイアンテナ性能を向上させ、更に受信及び送信性能を向上させる要因の一つである。
【0051】
また、I信号及びQ信号は、ある振幅をもって各信号がそれぞれ振動しており、このI信号及びQ信号の振幅の差をゲイン差成分と呼ぶ。
【0052】
このI信号及びQ信号間のゲイン差成分はゼロ、即ちI信号及びQ信号が同じ振幅であることが好ましく、受信及び送信性能を向上させる要因の一つである。
【0053】
次に、受信アダプティブアレイアンテナ性能について説明する。複数のアンテナにより受信する電波の位相成分を制御して、アンテナに指向性をもたせ希望波だけを受信する受信性能のことである。
【0054】
また、従来の受信装置10により測定した「アンテナ受信入力レベル対位相変動量の特性」を図2に示す。
【0055】
図2の特性により、従来の受信装置10では、弱電界になるにつれて位相変動が大きいことがわかる。即ち、この特性は受信アダプティブアレイアンテナ性能が弱電界において劣化傾向になることを示している。
【0056】
本実施の形態1の受信装置100において同様に「アンテナ受信入力レベル対位相変動量の特性」を測定した結果を図3に示す。
【0057】
図3の特性より、本実施の形態の受信装置100では、弱電界においても位相変動が少ないことがわかる。即ち、この特性より受信アダプティブアレイアンテナ性能が向上していることを示している。
【0058】
本実施の形態の受信装置100によれば、受信キャリブレーション系高周波切換部106の複数の入力端子の中の1入力端子を終端することで、受信キャリブレーション系受信部107及び受信キャリブレーション系復調部108に対して受信信号を入力させないようにすることができる。
【0059】
例えば、受信キャリブレーション系復調部108からベースバンド部105の間で、各部を構成する部品性能にばらつきがあり、ベースバンド部105における観測値が部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまり復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットが0.1[V]であったとしても、それを0[V]としてベースバンド部105内のDC電圧オフセット調整機能部110に記憶し、即ち、オフセットを持たせてベースバンド部105に記憶することで、部品性能のばらつきの影響をキャンセルすることができる。
【0060】
したがって、復調されたI信号及びQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で高精度に調整することができるため、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0061】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0062】
受信装置200は、複数のアンテナ201−1〜201−nと、複数の受信系方向性結合部202−1〜202−nと、複数の通信系受信部203−1〜203−nと、複数の通信系復調部204−1〜204−nと、ベースバンド部205と、受信キャリブレーション系高周波切換部206と、受信キャリブレーション系受信部207と、受信キャリブレーション系復調部208と、受信キャリブレーション系基準信号発生部209と、ゲイン差調整機能部210とを具備している。
【0063】
本実施の形態2の受信装置200は、受信キャリブレーション系基準信号発生部209と、ベースバンド部205内に設けたゲイン差調整機能部210が、実施の形態1の図1で示した受信装置100と異なる構成部分であり、その他の構成は受信装置100の構成と同一であるため説明を省略する。
【0064】
受信キャリブレーション系基準信号発生部209は、受信キャリブレーション系高周波切換部206の複数の入力端子の中の1入力端子に接続されている。
【0065】
複数の通信系復調部204−1〜204−nの出力と、受信キャリブレーション系復調部208の出力を受信処理するベースバンド部205内には、受信キャリブレーション系復調部208のI信号とQ信号間のゲイン差を調整するゲイン差調整機能部210を設けている。
【0066】
受信キャリブレーション系基準信号発生部209は、高周波信号を発生するものであり、例えば、信号発生器で構成される。
【0067】
次に、本発実施の形態2に係る受信装置200の動作について、実施の形態1と異なる動作を説明する。
【0068】
受信キャリブレーション系高周波切換部206は、複数の入力端子の中から受信キャリブレーション系基準信号発生部209が接続された入力端子に切換えることで、受信キャリブレーション系基準信号発生部209から発生される基準信号を受信キャリブレーション系高周波切換部206を介して受信キャリブレーション系受信部207に入力させる。
【0069】
受信キャリブレーション系受信部207は、受信キャリブレーション系高周波切換部206から入力された基準信号である高周波信号を、所要レベルまで増幅するとともに周波数変換して、変調信号を受信キャリブレーション系復調部208に出力する。
【0070】
受信キャリブレーション系復調部208は、受信キャリブレーション系受信部207から入力された変調信号を復調して、復調信号をベースバンド部205に出力する。
【0071】
ベースバンド部205は、受信キャリブレーション系復調部208から入力された基準信号に基づく復調信号の振幅を監視し、I信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてゲイン差調整機能部210に記憶して、受信キャリブレーション系復調部208で発生するI信号とQ信号のゲイン差を調整する。
【0072】
以上のように、本実施の形態2の受信装置200によれば、ベースバンド部205に入力される基準信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてベースバンド部205内のゲイン差調整機能部210に記憶するため、受信キャリブレーション系復調部208で発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分を短時間で調整することができ、即ちI信号とQ信号間のゲイン差を無くすことができ、受信性能を向上することができる。
【0073】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0074】
受信装置300は、複数のアンテナ301−1〜301−nと、複数の受信系方向性結合部302−1〜302−nと、複数の通信系受信部303−1〜303−nと、複数の通信系復調部304−1〜304−nと、ベースバンド部305と、受信キャリブレーション系高周波切換部306と、受信キャリブレーション系受信部307と、受信キャリブレーション系復調部308と、受信キャリブレーション系基準信号発生部309と、DCオフセット調整機能部310と、ゲイン差調整機能部311とを具備している。
【0075】
本実施の形態3の受信装置300は、ベースバンド部305内に設けたDCオフセット調整機能部310が、実施の形態2の図4で示した受信装置200と異なる構成部分であり、その他の構成要素は受信装置200の構成と同一であるため説明を省略する。
【0076】
本実施の形態3の受信装置300は、複数の通信系復調部304−1〜304−nの出力と、受信キャリブレーション系復調部308の出力を受信処理するベースバンド部305と、ベースバンド部305内に受信キャリブレーション系復調部308から入力されるI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するDC電圧オフセット調整機能部310と、そのI信号とQ信号間のゲイン差を調整するゲイン差調整機能部311とを具備している。
【0077】
次に、本実施の形態3の受信装置300の動作について説明する。
【0078】
受信キャリブレーション系高周波切換部306は、複数の入力端子の中から受信キャリブレーション系基準信号発生部309が接続された入力端子に切換えることで、受信キャリブレーション系基準信号発生部309から発生される基準信号を受信キャリブレーション系高周波切換部306を介して受信キャリブレーション系受信部307に入力させる。
【0079】
受信キャリブレーション系受信部307は、受信キャリブレーション系高周波切換部306から入力される基準信号である高周波信号を所要レベルまで増幅するとともに周波数変換を行って、変調信号を受信キャリブレーション系復調部308に出力する。
【0080】
受信キャリブレーション系復調部308は、受信キャリブレーション系受信部307から入力された変調信号を復調して、復調信号をベースバンド部305に出力する。
【0081】
ベースバンド部305は、受信キャリブレーション系復調部308から入力された基準信号に基づく復調信号の振幅を監視し、I信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてゲイン差調整機能部311に記憶して、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号のゲイン差を調整する。
【0082】
また、ベースバンド部305は、受信キャリブレーション系復調部308から入力された基準信号に基づく復調信号の中間値を監視し、I信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてDCオフセット調整機能部310に記憶して、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を調整する。
【0083】
以上のように、本実施の形態3の受信装置300によれば、ベースバンド部305に入力される基準信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてゲイン差調整機能部311に記憶することができるため、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分を短時間で調整することができ、即ちI信号とQ信号間のゲイン差を無くすことができる。
【0084】
また、ベースバンド部305に入力される基準信号の振幅の中間値を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてDCオフセット調整機能部310に記憶することができるため、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を短時間で調整することができ、即ちI信号とQ信号間のDC電圧差を無くすことができる。
【0085】
したがって、I信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を同時に行うことができるため、受信性能を向上することができるとともに、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0086】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0087】
受信装置400は、複数のアンテナ401−1〜401−nと、複数の受信系方向性結合部402−1〜402−nと、複数の通信系受信部403−1〜403−nと、複数の通信系復調部404−1〜404−nと、ベースバンド部405と、受信キャリブレーション系高周波切換部406と、受信キャリブレーション系受信部407と、受信キャリブレーション系復調部408と、終端抵抗器409と、DCオフセット調整機能部410と、複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nと、複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nの入力端子の一つを終端する複数の通信系終端部412−1〜412−nとを具備している。
【0088】
本実施の形態4の受信装置400は、複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nと複数の通信系終端部412−1〜412−nとが、実施の形態1の図1で示した受信装置100と異なる構成部分であり、その他の構成は受信装置100の構成と同一であるため説明を省略する。
【0089】
複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nは、複数の入力端子の中の任意の1つの入力端子を選択できるようなスイッチであり、例えば高周波スイッチが利用でき、それぞれ受信系方向性結合部402−1〜402−nの出力を切り換える。
【0090】
次に、本実施の形態4の受信装置400の動作について、実施の形態1と異なる動作を説明する。
【0091】
図4に示すように、キャリブレーション系ブランチだけでなく複数の通信系ブランチに複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nと、複数の通信系終端部412−1〜412−nをそれぞれ設けている。
【0092】
これらは、複数の通信系受信部403−1〜403−nの手前に、即ち、複数の受信系方向性結合部402−1〜402−nと、複数の通信系受信部403−1〜403−nとの間にそれぞれ配置されている。
【0093】
この配置により複数の通信系受信部403−1〜403−nの歪み分も含めて複数の通信系復調部404−1〜404−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整することができる。
【0094】
複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nの複数の入力端子のうち1つの入力端子を終端することで、複数の通信系受信部403−1〜403−n及び複数の通信系復調部404−1〜404−nに対しては、受信信号を無入力にすることができる。
【0095】
例えば、複数の通信系受信部403−1〜403−nの出力に歪み分が発生した場合、複数の通信系復調部404−1〜404−nからベースバンド部405の各部を構成する部品性能にばらつきがあり、ベースバンド部405における観測値が受信部の歪み分や部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまりI信号とQ信号間のDC電圧オフセットが0.2[V]であったとしても、それを0[V]としてベースバンド部405内のDCオフセット調整機能部410に記憶し、即ちオフセットを持たせてDCオフセット調整機能部410に記憶することで、各通信系受信部403−1〜403−nで発生する歪み分や部品性能のばらつきの影響をキャンセルすることができる。
【0096】
以上のように、本実施の形態4の受信装置400によれば、キャリブレーション系ブランチだけでなく通信系ブランチにも、複数の通信系復調部404−1〜404−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整する通信系高周波切換部411−1〜411−nと、複数の通信系終端部412−1〜412−nを設けることで、キャリブレーション系ブランチだけでなく通信系ブランチで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で高精度に調整することができる。
【0097】
更に、各通信系受信部403−1〜403−nで発生する歪み分や部品性能のばらつきの影響もオフセットを持たせてベースバンド部405内のDCオフセット調整機能部410に記憶するので、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0098】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0099】
受信装置500は、複数のアンテナ501−1〜501−nと、複数の受信系方向性結合部502−1〜502−nと、複数の通信系受信部503−1〜503−nと、複数の通信系復調部504−1〜504−nと、ベースバンド部505と、受信キャリブレーション系高周波切換部506と、受信キャリブレーション系受信部507と、受信キャリブレーション系復調部508と、終端抵抗器509と、DCオフセット調整機能部510と、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nと、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの入力端子の一つを終端する複数の通信系終端部512−1〜512−nとを具備している。
【0100】
本実施の形態5の受信装置500は、実施の形態4の図6に示した受信装置400の構成と同一の構成要素を有するが、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nと、複数の通信系終端部512−1〜512−nを、それぞれ複数の通信系受信部503−1〜503−nと複数の通信系復調部504−1〜504−nとの間に配置したことが異なっている。
【0101】
次に、本実施の形態5の受信装置500の動作について、実施の形態4と異なる動作を説明する。
【0102】
複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの入力側が複数の通信系受信部503−1〜503−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ501−1〜501−nにより受信した電波は、複数の方向性結合部502−1〜502−n及び複数の通信系受信部503−1〜503−n及び複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nを介して複数の通信系復調部504−1〜504−nに入力されて、最終的に複数の通信系復調部504−1〜504−nから出力される復調信号がベースバンド部505において受信処理される。
【0103】
また、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの入力側が複数の通信系終端部512−1〜512−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ501−1〜501−nにより受信した電波は、複数の通信系受信部503−1〜503−nの出力端以降には高周波信号として伝送されない。
【0104】
また、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの出力端は、複数の通信系終端部512−1〜512−n側に切換えられているので、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの出力端以降は、受信信号が無入力状態となる。
【0105】
例えば、複数の通信系復調部504−1〜504−nからベースバンド部505の間で、各部を構成する部品性能にばらつきがあり、ベースバンド部505における観測値が部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまりI信号とQ信号間のDC電圧オフセットが0.1[V]であったとしても、それを0[V]としてベースバンド部505内のDCオフセット調整機能部510に記憶し、即ちオフセットを持たせてDCオフセット調整機能部510に記憶することで、部品性能のばらつきの影響をキャンセルすることができる。
【0106】
以上のように、本実施の形態5の受信装置500によれば、通過損失をもつ複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nを、受信NF特性に比較的影響の少ない配置場所、即ち、複数の通信系復調部504−1〜504−nの手前に配置することで通信系受信部503−1〜503−nのNF特性を改善することができる。
【0107】
また、キャリブレーション系ブランチだけでなく通信系ブランチの複数の通信系復調部504−1〜504−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整することができるので、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0108】
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0109】
受信装置600は、複数のアンテナ601−1〜601−nと、複数の受信系方向性結合部602−1〜602−nと、複数の通信系受信部603−1〜603−nと、複数の通信系復調部604−1〜604−nと、ベースバンド部605と、受信キャリブレーション系高周波切換部606と、受信キャリブレーション系受信部607と、受信キャリブレーション系復調部608と、受信キャリブレーション系基準信号発生部609と、DCオフセット調整機能部610と、ゲイン差調整機能部611と、複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nと、複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nとを具備している。
【0110】
本実施の形態6の受信装置600では、複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nが切り換える入力端の1つに複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nを配置したことと、ベースバンド部605内にゲイン差調整機能部611を配置したことが、実施の形態5の受信装置500と異なる構成要素であり、その他の構成要素は実施の形態5の受信装置500と同一であるため説明は省略する。
【0111】
次に、本実施の形た態6の受信装置600の動作について、実施の形態5と異なる動作を説明する。
【0112】
複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nの入力側が複数の通信系受信部603−1〜603−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ601−1〜601−nにより受信した電波は、複数の方向性結合部602−1〜602−n及び複数の通信系受信部603−1〜603−n及び複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nを介して複数の通信系復調部604−1〜604−nに入力されて、最終的に複数の通信系復調部604−1〜604−nから出力される復調信号がベースバンド部605において受信処理される。
【0113】
また、複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nの入力側が複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ601−1〜601−nにより受信した電波は、複数の通信系受信部603−1〜603−nの出力端以降には高周波信号として伝送されない。
【0114】
また、複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nから発生される基準信号が、複数の通信系復調部604−1〜604−nに入力されて復調され、I信号とQ信号、即ちベースバンド信号としてベースバンド部605に入力される。
【0115】
ベースバンド部605は、複数の通信系復調部604−1〜604−nから入力されたI信号及びQ信号のベースバンド信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてベースバンド部605内のゲイン調整機能部610に記憶して、通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号のゲイン差を調整する。
【0116】
また、ベースバンド部605は、複数の通信系復調部604−1〜604−nから入力された基準信号に基づく復調信号の中間値を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてベースバンド部605内のDCオフセット調整機能部610に記憶して、複数の通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を調整する。
【0117】
以上のように、本実施の形態6の受信装置600によれば、ベースバンド部605に入力されたI信号とQ信号のベースバンド信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてベースバンド部605内のゲイン調整機能部611に記憶することができるため、複数の通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分を調整することができ、即ちI信号とQ信号間のゲイン差を無くすことができる。
【0118】
また、本実施の形態6の受信装置600によれば、ベースバンド部605に入力される基準信号の振幅の中間値を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてベースバンド部605内のDCオフセット調整機能部610に記憶することができるため、複数の通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を調整することができ、即ちI信号とQ信号間のDC電圧差を無くすことができる。
【0119】
したがって、本実施の形態6の受信装置600は、複数の通信ブランチで各々発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を同時に短時間で行うことができ、キャリブレーションブランチだけでなく複数の通信系ブランチの受信性能及び受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0120】
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0121】
受信装置700は、複数のアンテナ701−1〜701−nと、複数の受信系方向性結合部702−1〜702−nと、複数の通信系受信部703−1〜703−nと、複数の通信系復調部704−1〜704−nと、ベースバンド部705と、受信キャリブレーション系高周波切換部706と、受信キャリブレーション系受信部707と、受信キャリブレーション系復調部708と、全体基準信号発生部709と、DCオフセット調整機能部710と、ゲイン差調整機能部711と、複数の通信系高周波切換部712−1〜712−nとを具備している。
【0122】
本実施の形態7の受信装置700では、実施の形態6の受信装置600に示したキャリブレーション系ブランチの受信キャリブレーション系基準信号発生部609と複数の通信系基準信号発生部612−1〜612−nとを、一つの全体基準信号発生部709にまとめており、その他の構成要素は実施の形態6の受信装置600と同一であるため説明は省略する。
【0123】
全体基準信号発生部709から基準信号を発振する。この時、複数の通信系高周波切換部712−1〜712−nの入力側が全体基準信号発生部709に切換えられている場合には、複数の通信系復調部704−1〜704−nで発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を、ベースバンド部705内のDCオフセット調整機能部710とゲイン差調整機能部711で行うことができる。
【0124】
同様に、受信キャリブレーション系高周波切換部706の入力側が全体基準信号発生部709に切換えられている場合には、受信キャリブレーション系復調部708で発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を、ベースバンド部705内のDCオフセット調整機能部710とゲイン差調整機能部711で行うことができる。
【0125】
以上のように、本実施の形態7の受信装置700によれば、通信系ブランチの通信系基準信号発生部とキャリブレーション系ブランチの受信キャリブレーション系基準信号発生部を一つにまとめることで構成を簡易化することができるので、キャリブレーション機能付き受信装置の小型化及び軽量化を実現することができる。
【0126】
(実施の形態8)
図10は、本発明の実施の形態8に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0127】
受信装置800は、複数のアンテナ801−1〜801−nと、複数の受信系方向性結合部802−1〜802−nと、複数の通信系受信部803−1〜803−nと、複数の通信系復調部804−1〜804−nと、ベースバンド部805と、受信キャリブレーション系高周波切換部806と、受信キャリブレーション系受信部807と、受信キャリブレーション系復調部808と、全体基準信号発生部809と、DCオフセット調整機能部810と、ゲイン差調整機能部811と、複数の通信系高周波切換部812−1〜812−nとを具備している。
【0128】
本実施の形態8の受信装置800は、実施の形態7に示した受信装置700の構成と同一であるため説明は省略する。
【0129】
図10に示す受信装置800では、複数の通信ブランチの中の1ブランチでもキャリブレーションを実施している時や、I信号とQ信号間のゲイン差成分及びDC電圧オフセット成分の調整を行なっている間は、通信ブランチの代理としてキャリブレーション系ブランチを用いる。
【0130】
本実施の形態8の受信装置800によれば、実施の形態4から7のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置における受信処理おいて、通信系ブランチの代理としてキャリブレーション系ブランチを通信として利用することができるようになるので、受信ブランチ数を減らさずに、通信系ブランチのキャリブレーションを実施したり、複数の通信系復調部804−1〜804−nで発生するI信号とQ信号間のゲイン差調整及びDCオフセット電圧調整を行なうことができ、即ち、実際の通信時の受信アダプティブアレイアンテナ性能の劣化を最小限に抑えながら、I信号とQ信号間のゲイン差の調整及びDCオフセット電圧の調整を短時間で行なうことができる。
【0131】
(実施の形態9)
図11は、本発明の実施の形態9に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)に具備されるベースバンド部の構成を示すブロック図である。
【0132】
本実施の形態9の受信装置においては、ベースバンド部905に実施の形態1〜8までのいずれかの機能を実現させるためのプログラム910がベースバンド部905に記憶された構成である。
【0133】
プログラム910とは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものをいう。
【0134】
プログラム910は、上記実施の形態1〜8までのいずれかの受信装置の機能を実行させるためにベースバンド部905に記憶されており、実施の形態1〜8の機能を実行するために必要に応じて利用される。
【0135】
本実施の形態9のベースバンド部905を実施の形態1〜8までのいずれかの受信装置に適用すれば、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置のアダプティブアレイアンテナ性能及び受信性能を向上にすることができる。
【0136】
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
【0137】
図12に示す無線基地局装置120は、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)50と、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ送信装置(以下、送信装置という)60と、複数のアンテナ71−1〜71−nと、複数の共用器72−1〜72−nとを具備する。
【0138】
共用器72−1〜72−nは、アンテナ71−1〜71−nにより受信した電波を送信系に影響させずに受信系に高周波信号を伝えたり、送信系からの高周波信号を受信系に影響しないようにアンテナ71−1〜71−nから電波として発射させるためのフィルタを備えたものであり、例えば、デュプレクサ等が利用できる。
【0139】
複数のアンテナ71−1〜71−nにより受信した電波は、複数の共用器72−1〜72−nを介して受信装置50により受信される。
【0140】
また、送信装置60により生成される高周波信号は複数の共用器72−1〜72−nを介して複数のアンテナ71−1〜71−nから電波として発射される。
【0141】
以上のように、本実施の形態10の無線基地局装置120によれば、実施の形態1から9のいずれかの機能を有する無線基地装置を容易に構成することができる。
【0142】
(実施の形態11)
図13は、本発明の実施の形態11に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【0143】
図13に示す無線通信システム140は、実施の形態10の無線基地局装置130と、無線携帯機80とを具備する。無線基地局装置130は、互いに同一周波数の電波を使用して接続される無線携帯機80と通信を行なう。
【0144】
以上のように、本実施の形態11の無線通信システム140によれば、実施の形態1から9のいずれかの機能を有する無線基地局装置130によりアダプティブアレイアンテナ性能を向上させているので、無線基地局装置130と無線携帯機80との間で行う送受信を高精度に行うことができ、ある特定地域内での無線通信システムの加入者容量を増大することができる。
【0145】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図2】従来の受信装置の受信特性を示す図
【図3】実施の形態1に係る受信装置の受信特性を示す図
【図4】本発明の実施の形態2に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態4に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態5に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態6に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態7に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態8に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態9に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置内のベースバンド部の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態10に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態11に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
【図14】従来のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、200、300、400、500、600、700 受信装置
101−1〜101−n アンテナ
102−1〜102−n 受信系方向性結合部
103−1〜103−n 通信系受信部
104−1〜104−n 通信系復調部
105、205、305、405、505、605、705 ベースバンド部106、206、306、406、506、606、706 受信キャリブレーション系高周波切換部
107、207、307、407、507、607、707 受信キャリブレーション系受信部
108、208、308、408、508、608、708 受信キャリブレーション系復調部
109、409、509 終端抵抗器
209、309、609 受信キャリブレーション系基準信号発生部
110、310、410、510、610、710 DCオフセット調整機能部
210、311、611、711 ゲイン差調整機能部
411−1〜411−n、511−1〜511−n、612−1〜612−n、712−1〜712−n 通信系高周波切換部
412−1〜412−n、512−1〜512−n 通信系終端部
613−1〜613n 通信系基準信号発生部
709 全体基準信号発生部
【発明の属する技術分野】
本発明は、アダプティブアレイアンテナ方式を採用する受信装置及び受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ方式を採用する受信装置としては、図14に示すものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置10は、複数のアンテナ1−1〜1−nと、複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nと、複数の通信系受信部3−1〜3−nと、複数の通信系復調部4−1〜4−nと、ベースバンド部8と、受信キャリブレーション系高周波切換部6と、受信キャリブレーション系受信部7と、受信キャリブレーション系復調部8とを具備している。
【0004】
複数のアンテナ1−1〜1−nは、それぞれ電波を受信して受信信号を生成して複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nに出力する。
【0005】
複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nは、それぞれ複数のアンテナ1−1〜1−nから入力された各受信信号の一部を取り出して、受信キャリブレーション系高周波切換部6に出力する。
【0006】
受信キャリブレーション系高周波切換部6は、複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nから入力された複数の高周波信号から任意の1つの信号を切換えて選択して受信キャリブレーション系受信部7に出力する。
【0007】
受信キャリブレーション系受信部7は、受信キャリブレーション系高周波切換部6から入力された高周波信号を所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、変調信号を受信キャリブレーション系復調部8に出力する。
【0008】
受信キャリブレーション系復調部8は、受信キャリブレーション系受信部7から入力された変調信号を復調し、復調信号をベースバンド部5に出力する。
【0009】
複数の通信系受信部3−1〜3−nは、それぞれ複数のアンテナ1−1〜1−nから出力される各受信信号を複数の受信系方向性結合部2−1〜2−nを介して受信し、所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、各変調信号を複数の通信系復調部4−1〜4−nに出力する。
【0010】
複数の通信系復調部4−1〜4−nは、それぞれ複数の通信系受信部3−1〜3−nから入力された各変調信号をそれぞれ復調し、各復調信号をベースバンド部5に出力する。
【0011】
ベースバンド部5は、複数の通信系復調部4−1〜4−nから入力された複数の復調信号と受信キャリブレーション系復調部8から入力された復調信号とを、それぞれ受信処理する。
【0012】
この従来のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置10においては、アダプティブアレイアンテナ性能を向上させる為に、以下の様な工夫を行っている。
【0013】
実際の機器においては、受信装置内の各機能ブロックを構成するアナログ部品が、部品特性である利得及び遅延特性、即ち、処理対象の信号に対して振幅及び位相のばらつきを持つため、受信装置内のアナログ部品による振幅及び位相特性を、複数の通信系ブランチが同一となるように補償する必要がある。
【0014】
なぜなら、アダプティブアレイアンテナ方式とは、複数の通信系ブランチのアンテナから送受信する各信号の振幅及び位相成分を完全に把握、管理してこそ始めて実現できる無線通信方式だからである。
【0015】
その為、複数の通信系ブランチの無線回路特性、即ち振幅及び位相成分をそれぞれ測定し、その誤差をベースバンド部において補償するという無線回路校正(キャリブレーション:Calibration )を行っていた。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−53527号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置においては、復調部及びベースバンド部を構成するアナログ部品の特性のばらつき等の影響で、最終的に受信処理を行うベースバンド部においてI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分やゲイン差成分、即ち振幅及び位相成分に誤差が発生するため、受信アダプティブアレイアンテナ性能に悪影響を及ぼすだけでなく受信精度を劣化させるという問題があった。
【0018】
また、I信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分の誤差を調整するため、ベースバンド部において復調部から受信するI信号とQ信号を監視しながら、復調部におけるI信号及びQ信号のゲインを手動にて調整する調整方法が考えられるが、調整時間に長時間を要するため、この調整方法は非現実的である。
【0019】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上することができる受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の受信装置は、複数のアンテナと、前記複数のアンテナから出力された各受信信号から一部の信号を取り出す方向性結合手段と、前記方向性結合手段から出力された複数の出力信号から任意の出力信号を択一的に選択する複数の入力端子を有する信号切換手段と、前記信号切換手段の複数の入力端子のうち一つの入力端子を終端する終端手段と、前記信号切換手段により選択された出力信号を増幅する受信手段と、前記受信手段から出力された増幅信号からI信号とQ信号を復調する復調手段と、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間の誤差を調整する調整手段と、を具備する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、復調されたI信号及びQ信号間の誤差を短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0022】
本発明の受信装置は、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するための基準信号を発生する基準信号発生手段を具備し、前記信号切換手段は、前記複数の入力端子のうちの一つの入力端子から前記基準信号発生手段から発生される基準信号を入力し、前記調整手段は、前記信号切換手段により入力された基準信号に基づいて、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0024】
本発明の受信装置は、前記復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分の調整と、DC電圧オフセットの調整とを行うため基準信号を発生する基準信号発生手段を具備し、前記信号切換手段は、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子から基準信号を入力し、前記調整手段は、前記信号切換手段により入力された基準信号に基づいて、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するとともに、I信号とQ信号間のゲイン差成分を調整する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセットとを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0026】
本発明の受信方法は、複数のアンテナから出力された各受信信号から一部の信号を取り出すステップと、前記取り出された複数の出力信号から任意の出力信号を複数の入力端子を用いて択一的に選択するステップと、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子を終端するステップと、前記選択された出力信号を増幅するステップと、前記増幅信号からI信号とQ信号を復調するステップと、前記復調されたI信号とQ信号間の誤差を調整するステップと、を有するようにした。
【0027】
この受信方法によれば、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0028】
本発明の受信方法は、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するための基準信号を発生するステップと、前記複数の入力端子のうちの一つの入力端子から前記基準信号を入力するステップと、前記入力された基準信号に基づいて、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するステップと、を有するようにした。
【0029】
この受信方法によれば、復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0030】
本発明の受信方法は、前記復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分の調整と、DC電圧オフセットの調整とを行うための基準信号を発生するステップと、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子から前記基準信号を入力するステップと、前記入力された基準信号に基づいて、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するとともに、I信号とQ信号間のゲイン差成分を調整するステップと、を有するようにした。
【0031】
この受信方法によれば、復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセットとを短時間で調整するため、受信性能を向上することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上することである。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0035】
受信装置100は、複数のアンテナ101−1〜101−nと、複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nと、複数の通信系受信部103−1〜103−nと、複数の通信系復調部104−1〜104−nと、ベースバンド部105と、受信キャリブレーション系高周波切換部106と、受信キャリブレーション系受信部107と、受信キャリブレーション系復調部108と、終端抵抗器109と、DCオフセット調整機能部110とを具備している。
【0036】
なお、キャリブレーションとは、複数の通信系ブランチの無線回路特性、即ち振幅及び位相情報をそれぞれ測定し、その誤差をベースバンド部105において補償する機能のことであり、複数の通信系復調部103−1〜103−nでそれぞれ復調されたI信号とQ信号の振幅値と位相値を調整し、複数の受信ブランチとして振幅値と位相値を合わせる機能のことである。
【0037】
複数のアンテナ101−1〜101−nは、それぞれ電波を受信して受信信号を生成して複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nに出力する。
【0038】
複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nは、それぞれ複数のアンテナ101−1〜101−nから入力された各受信信号の一部を取り出して、受信キャリブレーション系高周波切換部106に出力する。
【0039】
受信キャリブレーション系高周波切換部106は、複数の受信系方向性結合部102−1〜102−nから入力された複数の高周波信号から任意の1つの信号を選択して受信キャリブレーション系受信部107に出力する。
【0040】
受信キャリブレーション系受信部107は、受信キャリブレーション系高周波切換部106から入力された高周波信号を所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、変調信号を受信キャリブレーション系復調部108に出力する。
【0041】
受信キャリブレーション系復調部108は、受信キャリブレーション系受信部107から入力された変調信号を復調し、復調信号をベースバンド部105に出力する。
【0042】
複数の通信系受信部103−1〜103−nは、それぞれ複数のアンテナ101−101〜1−nから出力される各受信信号を複数の受信系方向性結合手段102−1〜102−nを介して受信し、所要レベルまで増幅及び周波数変換を行って、各変調信号を複数の通信系復調部104−1〜104−nに出力する。
【0043】
複数の通信系復調部104−1〜104−nは、それぞれ複数の通信系受信部103−1〜103−nから入力された各変調信号をそれぞれ復調し、各復調信号をベースバンド部105に出力する。
【0044】
ベースバンド部105は、複数の通信系復調部104−1〜104−nから入力された複数の復調信号と受信キャリブレーション系復調部108から入力された復調信号とを、それぞれ受信処理する。
【0045】
次に、本実施の形態1の受信装置100と従来の受信装置とを比較して説明する。
【0046】
従来は、図14に示したように、複数の通信系ブランチの通信系受信部3−1〜3−nの無線回路特性、即ち振幅及び位相情報をそれぞれ測定し、その誤差をベースバンド部5において補償する構成になっていた。
【0047】
しかしながら、複数の通信系復調部4−1〜4n及び受信キャリブレーション系復調部8からベースバンド部5までの各部を構成する部品性能のばらつき等の影響で、最終的に受信処理を行うベースバンド部5においてI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分やゲイン差成分、即ち、振幅及び位相情報に誤差が生じていたため、受信アダプティブアレイアンテナ性能に悪影響を及ぼすだけでなく受信精度を劣化さていた。
【0048】
ここで復調部及び変調部で発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分とゲイン差成分について説明する。
【0049】
I信号及びQ信号のようなベースバンド信号は、ある電圧を基準として各信号がそれぞれ振動しており、このI信号及びQ信号の基準電圧の差をDC電圧オフセット成分と呼ぶ。
【0050】
このI信号及びQ信号間のDC電圧オフセット成分はゼロであることが好ましく、アダプティブアレイアンテナ性能を向上させ、更に受信及び送信性能を向上させる要因の一つである。
【0051】
また、I信号及びQ信号は、ある振幅をもって各信号がそれぞれ振動しており、このI信号及びQ信号の振幅の差をゲイン差成分と呼ぶ。
【0052】
このI信号及びQ信号間のゲイン差成分はゼロ、即ちI信号及びQ信号が同じ振幅であることが好ましく、受信及び送信性能を向上させる要因の一つである。
【0053】
次に、受信アダプティブアレイアンテナ性能について説明する。複数のアンテナにより受信する電波の位相成分を制御して、アンテナに指向性をもたせ希望波だけを受信する受信性能のことである。
【0054】
また、従来の受信装置10により測定した「アンテナ受信入力レベル対位相変動量の特性」を図2に示す。
【0055】
図2の特性により、従来の受信装置10では、弱電界になるにつれて位相変動が大きいことがわかる。即ち、この特性は受信アダプティブアレイアンテナ性能が弱電界において劣化傾向になることを示している。
【0056】
本実施の形態1の受信装置100において同様に「アンテナ受信入力レベル対位相変動量の特性」を測定した結果を図3に示す。
【0057】
図3の特性より、本実施の形態の受信装置100では、弱電界においても位相変動が少ないことがわかる。即ち、この特性より受信アダプティブアレイアンテナ性能が向上していることを示している。
【0058】
本実施の形態の受信装置100によれば、受信キャリブレーション系高周波切換部106の複数の入力端子の中の1入力端子を終端することで、受信キャリブレーション系受信部107及び受信キャリブレーション系復調部108に対して受信信号を入力させないようにすることができる。
【0059】
例えば、受信キャリブレーション系復調部108からベースバンド部105の間で、各部を構成する部品性能にばらつきがあり、ベースバンド部105における観測値が部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまり復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットが0.1[V]であったとしても、それを0[V]としてベースバンド部105内のDC電圧オフセット調整機能部110に記憶し、即ち、オフセットを持たせてベースバンド部105に記憶することで、部品性能のばらつきの影響をキャンセルすることができる。
【0060】
したがって、復調されたI信号及びQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で高精度に調整することができるため、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0061】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0062】
受信装置200は、複数のアンテナ201−1〜201−nと、複数の受信系方向性結合部202−1〜202−nと、複数の通信系受信部203−1〜203−nと、複数の通信系復調部204−1〜204−nと、ベースバンド部205と、受信キャリブレーション系高周波切換部206と、受信キャリブレーション系受信部207と、受信キャリブレーション系復調部208と、受信キャリブレーション系基準信号発生部209と、ゲイン差調整機能部210とを具備している。
【0063】
本実施の形態2の受信装置200は、受信キャリブレーション系基準信号発生部209と、ベースバンド部205内に設けたゲイン差調整機能部210が、実施の形態1の図1で示した受信装置100と異なる構成部分であり、その他の構成は受信装置100の構成と同一であるため説明を省略する。
【0064】
受信キャリブレーション系基準信号発生部209は、受信キャリブレーション系高周波切換部206の複数の入力端子の中の1入力端子に接続されている。
【0065】
複数の通信系復調部204−1〜204−nの出力と、受信キャリブレーション系復調部208の出力を受信処理するベースバンド部205内には、受信キャリブレーション系復調部208のI信号とQ信号間のゲイン差を調整するゲイン差調整機能部210を設けている。
【0066】
受信キャリブレーション系基準信号発生部209は、高周波信号を発生するものであり、例えば、信号発生器で構成される。
【0067】
次に、本発実施の形態2に係る受信装置200の動作について、実施の形態1と異なる動作を説明する。
【0068】
受信キャリブレーション系高周波切換部206は、複数の入力端子の中から受信キャリブレーション系基準信号発生部209が接続された入力端子に切換えることで、受信キャリブレーション系基準信号発生部209から発生される基準信号を受信キャリブレーション系高周波切換部206を介して受信キャリブレーション系受信部207に入力させる。
【0069】
受信キャリブレーション系受信部207は、受信キャリブレーション系高周波切換部206から入力された基準信号である高周波信号を、所要レベルまで増幅するとともに周波数変換して、変調信号を受信キャリブレーション系復調部208に出力する。
【0070】
受信キャリブレーション系復調部208は、受信キャリブレーション系受信部207から入力された変調信号を復調して、復調信号をベースバンド部205に出力する。
【0071】
ベースバンド部205は、受信キャリブレーション系復調部208から入力された基準信号に基づく復調信号の振幅を監視し、I信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてゲイン差調整機能部210に記憶して、受信キャリブレーション系復調部208で発生するI信号とQ信号のゲイン差を調整する。
【0072】
以上のように、本実施の形態2の受信装置200によれば、ベースバンド部205に入力される基準信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてベースバンド部205内のゲイン差調整機能部210に記憶するため、受信キャリブレーション系復調部208で発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分を短時間で調整することができ、即ちI信号とQ信号間のゲイン差を無くすことができ、受信性能を向上することができる。
【0073】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0074】
受信装置300は、複数のアンテナ301−1〜301−nと、複数の受信系方向性結合部302−1〜302−nと、複数の通信系受信部303−1〜303−nと、複数の通信系復調部304−1〜304−nと、ベースバンド部305と、受信キャリブレーション系高周波切換部306と、受信キャリブレーション系受信部307と、受信キャリブレーション系復調部308と、受信キャリブレーション系基準信号発生部309と、DCオフセット調整機能部310と、ゲイン差調整機能部311とを具備している。
【0075】
本実施の形態3の受信装置300は、ベースバンド部305内に設けたDCオフセット調整機能部310が、実施の形態2の図4で示した受信装置200と異なる構成部分であり、その他の構成要素は受信装置200の構成と同一であるため説明を省略する。
【0076】
本実施の形態3の受信装置300は、複数の通信系復調部304−1〜304−nの出力と、受信キャリブレーション系復調部308の出力を受信処理するベースバンド部305と、ベースバンド部305内に受信キャリブレーション系復調部308から入力されるI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するDC電圧オフセット調整機能部310と、そのI信号とQ信号間のゲイン差を調整するゲイン差調整機能部311とを具備している。
【0077】
次に、本実施の形態3の受信装置300の動作について説明する。
【0078】
受信キャリブレーション系高周波切換部306は、複数の入力端子の中から受信キャリブレーション系基準信号発生部309が接続された入力端子に切換えることで、受信キャリブレーション系基準信号発生部309から発生される基準信号を受信キャリブレーション系高周波切換部306を介して受信キャリブレーション系受信部307に入力させる。
【0079】
受信キャリブレーション系受信部307は、受信キャリブレーション系高周波切換部306から入力される基準信号である高周波信号を所要レベルまで増幅するとともに周波数変換を行って、変調信号を受信キャリブレーション系復調部308に出力する。
【0080】
受信キャリブレーション系復調部308は、受信キャリブレーション系受信部307から入力された変調信号を復調して、復調信号をベースバンド部305に出力する。
【0081】
ベースバンド部305は、受信キャリブレーション系復調部308から入力された基準信号に基づく復調信号の振幅を監視し、I信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてゲイン差調整機能部311に記憶して、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号のゲイン差を調整する。
【0082】
また、ベースバンド部305は、受信キャリブレーション系復調部308から入力された基準信号に基づく復調信号の中間値を監視し、I信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてDCオフセット調整機能部310に記憶して、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を調整する。
【0083】
以上のように、本実施の形態3の受信装置300によれば、ベースバンド部305に入力される基準信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてゲイン差調整機能部311に記憶することができるため、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分を短時間で調整することができ、即ちI信号とQ信号間のゲイン差を無くすことができる。
【0084】
また、ベースバンド部305に入力される基準信号の振幅の中間値を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてDCオフセット調整機能部310に記憶することができるため、受信キャリブレーション系復調部308で発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を短時間で調整することができ、即ちI信号とQ信号間のDC電圧差を無くすことができる。
【0085】
したがって、I信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を同時に行うことができるため、受信性能を向上することができるとともに、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0086】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0087】
受信装置400は、複数のアンテナ401−1〜401−nと、複数の受信系方向性結合部402−1〜402−nと、複数の通信系受信部403−1〜403−nと、複数の通信系復調部404−1〜404−nと、ベースバンド部405と、受信キャリブレーション系高周波切換部406と、受信キャリブレーション系受信部407と、受信キャリブレーション系復調部408と、終端抵抗器409と、DCオフセット調整機能部410と、複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nと、複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nの入力端子の一つを終端する複数の通信系終端部412−1〜412−nとを具備している。
【0088】
本実施の形態4の受信装置400は、複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nと複数の通信系終端部412−1〜412−nとが、実施の形態1の図1で示した受信装置100と異なる構成部分であり、その他の構成は受信装置100の構成と同一であるため説明を省略する。
【0089】
複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nは、複数の入力端子の中の任意の1つの入力端子を選択できるようなスイッチであり、例えば高周波スイッチが利用でき、それぞれ受信系方向性結合部402−1〜402−nの出力を切り換える。
【0090】
次に、本実施の形態4の受信装置400の動作について、実施の形態1と異なる動作を説明する。
【0091】
図4に示すように、キャリブレーション系ブランチだけでなく複数の通信系ブランチに複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nと、複数の通信系終端部412−1〜412−nをそれぞれ設けている。
【0092】
これらは、複数の通信系受信部403−1〜403−nの手前に、即ち、複数の受信系方向性結合部402−1〜402−nと、複数の通信系受信部403−1〜403−nとの間にそれぞれ配置されている。
【0093】
この配置により複数の通信系受信部403−1〜403−nの歪み分も含めて複数の通信系復調部404−1〜404−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整することができる。
【0094】
複数の通信系高周波切換部411−1〜411−nの複数の入力端子のうち1つの入力端子を終端することで、複数の通信系受信部403−1〜403−n及び複数の通信系復調部404−1〜404−nに対しては、受信信号を無入力にすることができる。
【0095】
例えば、複数の通信系受信部403−1〜403−nの出力に歪み分が発生した場合、複数の通信系復調部404−1〜404−nからベースバンド部405の各部を構成する部品性能にばらつきがあり、ベースバンド部405における観測値が受信部の歪み分や部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまりI信号とQ信号間のDC電圧オフセットが0.2[V]であったとしても、それを0[V]としてベースバンド部405内のDCオフセット調整機能部410に記憶し、即ちオフセットを持たせてDCオフセット調整機能部410に記憶することで、各通信系受信部403−1〜403−nで発生する歪み分や部品性能のばらつきの影響をキャンセルすることができる。
【0096】
以上のように、本実施の形態4の受信装置400によれば、キャリブレーション系ブランチだけでなく通信系ブランチにも、複数の通信系復調部404−1〜404−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整する通信系高周波切換部411−1〜411−nと、複数の通信系終端部412−1〜412−nを設けることで、キャリブレーション系ブランチだけでなく通信系ブランチで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で高精度に調整することができる。
【0097】
更に、各通信系受信部403−1〜403−nで発生する歪み分や部品性能のばらつきの影響もオフセットを持たせてベースバンド部405内のDCオフセット調整機能部410に記憶するので、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0098】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0099】
受信装置500は、複数のアンテナ501−1〜501−nと、複数の受信系方向性結合部502−1〜502−nと、複数の通信系受信部503−1〜503−nと、複数の通信系復調部504−1〜504−nと、ベースバンド部505と、受信キャリブレーション系高周波切換部506と、受信キャリブレーション系受信部507と、受信キャリブレーション系復調部508と、終端抵抗器509と、DCオフセット調整機能部510と、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nと、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの入力端子の一つを終端する複数の通信系終端部512−1〜512−nとを具備している。
【0100】
本実施の形態5の受信装置500は、実施の形態4の図6に示した受信装置400の構成と同一の構成要素を有するが、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nと、複数の通信系終端部512−1〜512−nを、それぞれ複数の通信系受信部503−1〜503−nと複数の通信系復調部504−1〜504−nとの間に配置したことが異なっている。
【0101】
次に、本実施の形態5の受信装置500の動作について、実施の形態4と異なる動作を説明する。
【0102】
複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの入力側が複数の通信系受信部503−1〜503−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ501−1〜501−nにより受信した電波は、複数の方向性結合部502−1〜502−n及び複数の通信系受信部503−1〜503−n及び複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nを介して複数の通信系復調部504−1〜504−nに入力されて、最終的に複数の通信系復調部504−1〜504−nから出力される復調信号がベースバンド部505において受信処理される。
【0103】
また、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの入力側が複数の通信系終端部512−1〜512−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ501−1〜501−nにより受信した電波は、複数の通信系受信部503−1〜503−nの出力端以降には高周波信号として伝送されない。
【0104】
また、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの出力端は、複数の通信系終端部512−1〜512−n側に切換えられているので、複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nの出力端以降は、受信信号が無入力状態となる。
【0105】
例えば、複数の通信系復調部504−1〜504−nからベースバンド部505の間で、各部を構成する部品性能にばらつきがあり、ベースバンド部505における観測値が部品性能のばらつきの影響を受けた値、つまりI信号とQ信号間のDC電圧オフセットが0.1[V]であったとしても、それを0[V]としてベースバンド部505内のDCオフセット調整機能部510に記憶し、即ちオフセットを持たせてDCオフセット調整機能部510に記憶することで、部品性能のばらつきの影響をキャンセルすることができる。
【0106】
以上のように、本実施の形態5の受信装置500によれば、通過損失をもつ複数の通信系高周波切換部511−1〜511−nを、受信NF特性に比較的影響の少ない配置場所、即ち、複数の通信系復調部504−1〜504−nの手前に配置することで通信系受信部503−1〜503−nのNF特性を改善することができる。
【0107】
また、キャリブレーション系ブランチだけでなく通信系ブランチの複数の通信系復調部504−1〜504−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを短時間で調整することができるので、受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0108】
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0109】
受信装置600は、複数のアンテナ601−1〜601−nと、複数の受信系方向性結合部602−1〜602−nと、複数の通信系受信部603−1〜603−nと、複数の通信系復調部604−1〜604−nと、ベースバンド部605と、受信キャリブレーション系高周波切換部606と、受信キャリブレーション系受信部607と、受信キャリブレーション系復調部608と、受信キャリブレーション系基準信号発生部609と、DCオフセット調整機能部610と、ゲイン差調整機能部611と、複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nと、複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nとを具備している。
【0110】
本実施の形態6の受信装置600では、複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nが切り換える入力端の1つに複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nを配置したことと、ベースバンド部605内にゲイン差調整機能部611を配置したことが、実施の形態5の受信装置500と異なる構成要素であり、その他の構成要素は実施の形態5の受信装置500と同一であるため説明は省略する。
【0111】
次に、本実施の形た態6の受信装置600の動作について、実施の形態5と異なる動作を説明する。
【0112】
複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nの入力側が複数の通信系受信部603−1〜603−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ601−1〜601−nにより受信した電波は、複数の方向性結合部602−1〜602−n及び複数の通信系受信部603−1〜603−n及び複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nを介して複数の通信系復調部604−1〜604−nに入力されて、最終的に複数の通信系復調部604−1〜604−nから出力される復調信号がベースバンド部605において受信処理される。
【0113】
また、複数の通信系高周波切換部612−1〜612−nの入力側が複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nに切換えられている場合には、複数のアンテナ601−1〜601−nにより受信した電波は、複数の通信系受信部603−1〜603−nの出力端以降には高周波信号として伝送されない。
【0114】
また、複数の通信系基準信号発生部613−1〜613−nから発生される基準信号が、複数の通信系復調部604−1〜604−nに入力されて復調され、I信号とQ信号、即ちベースバンド信号としてベースバンド部605に入力される。
【0115】
ベースバンド部605は、複数の通信系復調部604−1〜604−nから入力されたI信号及びQ信号のベースバンド信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてベースバンド部605内のゲイン調整機能部610に記憶して、通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号のゲイン差を調整する。
【0116】
また、ベースバンド部605は、複数の通信系復調部604−1〜604−nから入力された基準信号に基づく復調信号の中間値を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてベースバンド部605内のDCオフセット調整機能部610に記憶して、複数の通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を調整する。
【0117】
以上のように、本実施の形態6の受信装置600によれば、ベースバンド部605に入力されたI信号とQ信号のベースバンド信号の振幅を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅が同一であるものとしてベースバンド部605内のゲイン調整機能部611に記憶することができるため、複数の通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分を調整することができ、即ちI信号とQ信号間のゲイン差を無くすことができる。
【0118】
また、本実施の形態6の受信装置600によれば、ベースバンド部605に入力される基準信号の振幅の中間値を監視し、このときのI信号とQ信号の振幅の中間値が同一であるものとしてベースバンド部605内のDCオフセット調整機能部610に記憶することができるため、複数の通信系復調部604−1〜604−nで発生するI信号とQ信号間のDC電圧オフセット成分を調整することができ、即ちI信号とQ信号間のDC電圧差を無くすことができる。
【0119】
したがって、本実施の形態6の受信装置600は、複数の通信ブランチで各々発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を同時に短時間で行うことができ、キャリブレーションブランチだけでなく複数の通信系ブランチの受信性能及び受信アダプティブアレイアンテナ性能を向上することができる。
【0120】
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0121】
受信装置700は、複数のアンテナ701−1〜701−nと、複数の受信系方向性結合部702−1〜702−nと、複数の通信系受信部703−1〜703−nと、複数の通信系復調部704−1〜704−nと、ベースバンド部705と、受信キャリブレーション系高周波切換部706と、受信キャリブレーション系受信部707と、受信キャリブレーション系復調部708と、全体基準信号発生部709と、DCオフセット調整機能部710と、ゲイン差調整機能部711と、複数の通信系高周波切換部712−1〜712−nとを具備している。
【0122】
本実施の形態7の受信装置700では、実施の形態6の受信装置600に示したキャリブレーション系ブランチの受信キャリブレーション系基準信号発生部609と複数の通信系基準信号発生部612−1〜612−nとを、一つの全体基準信号発生部709にまとめており、その他の構成要素は実施の形態6の受信装置600と同一であるため説明は省略する。
【0123】
全体基準信号発生部709から基準信号を発振する。この時、複数の通信系高周波切換部712−1〜712−nの入力側が全体基準信号発生部709に切換えられている場合には、複数の通信系復調部704−1〜704−nで発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を、ベースバンド部705内のDCオフセット調整機能部710とゲイン差調整機能部711で行うことができる。
【0124】
同様に、受信キャリブレーション系高周波切換部706の入力側が全体基準信号発生部709に切換えられている場合には、受信キャリブレーション系復調部708で発生するI信号とQ信号間のゲイン差成分とDC電圧オフセット成分の調整を、ベースバンド部705内のDCオフセット調整機能部710とゲイン差調整機能部711で行うことができる。
【0125】
以上のように、本実施の形態7の受信装置700によれば、通信系ブランチの通信系基準信号発生部とキャリブレーション系ブランチの受信キャリブレーション系基準信号発生部を一つにまとめることで構成を簡易化することができるので、キャリブレーション機能付き受信装置の小型化及び軽量化を実現することができる。
【0126】
(実施の形態8)
図10は、本発明の実施の形態8に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)の構成を示すブロック図である。
【0127】
受信装置800は、複数のアンテナ801−1〜801−nと、複数の受信系方向性結合部802−1〜802−nと、複数の通信系受信部803−1〜803−nと、複数の通信系復調部804−1〜804−nと、ベースバンド部805と、受信キャリブレーション系高周波切換部806と、受信キャリブレーション系受信部807と、受信キャリブレーション系復調部808と、全体基準信号発生部809と、DCオフセット調整機能部810と、ゲイン差調整機能部811と、複数の通信系高周波切換部812−1〜812−nとを具備している。
【0128】
本実施の形態8の受信装置800は、実施の形態7に示した受信装置700の構成と同一であるため説明は省略する。
【0129】
図10に示す受信装置800では、複数の通信ブランチの中の1ブランチでもキャリブレーションを実施している時や、I信号とQ信号間のゲイン差成分及びDC電圧オフセット成分の調整を行なっている間は、通信ブランチの代理としてキャリブレーション系ブランチを用いる。
【0130】
本実施の形態8の受信装置800によれば、実施の形態4から7のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置における受信処理おいて、通信系ブランチの代理としてキャリブレーション系ブランチを通信として利用することができるようになるので、受信ブランチ数を減らさずに、通信系ブランチのキャリブレーションを実施したり、複数の通信系復調部804−1〜804−nで発生するI信号とQ信号間のゲイン差調整及びDCオフセット電圧調整を行なうことができ、即ち、実際の通信時の受信アダプティブアレイアンテナ性能の劣化を最小限に抑えながら、I信号とQ信号間のゲイン差の調整及びDCオフセット電圧の調整を短時間で行なうことができる。
【0131】
(実施の形態9)
図11は、本発明の実施の形態9に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)に具備されるベースバンド部の構成を示すブロック図である。
【0132】
本実施の形態9の受信装置においては、ベースバンド部905に実施の形態1〜8までのいずれかの機能を実現させるためのプログラム910がベースバンド部905に記憶された構成である。
【0133】
プログラム910とは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものをいう。
【0134】
プログラム910は、上記実施の形態1〜8までのいずれかの受信装置の機能を実行させるためにベースバンド部905に記憶されており、実施の形態1〜8の機能を実行するために必要に応じて利用される。
【0135】
本実施の形態9のベースバンド部905を実施の形態1〜8までのいずれかの受信装置に適用すれば、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置のアダプティブアレイアンテナ性能及び受信性能を向上にすることができる。
【0136】
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
【0137】
図12に示す無線基地局装置120は、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置(以下、受信装置という)50と、キャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ送信装置(以下、送信装置という)60と、複数のアンテナ71−1〜71−nと、複数の共用器72−1〜72−nとを具備する。
【0138】
共用器72−1〜72−nは、アンテナ71−1〜71−nにより受信した電波を送信系に影響させずに受信系に高周波信号を伝えたり、送信系からの高周波信号を受信系に影響しないようにアンテナ71−1〜71−nから電波として発射させるためのフィルタを備えたものであり、例えば、デュプレクサ等が利用できる。
【0139】
複数のアンテナ71−1〜71−nにより受信した電波は、複数の共用器72−1〜72−nを介して受信装置50により受信される。
【0140】
また、送信装置60により生成される高周波信号は複数の共用器72−1〜72−nを介して複数のアンテナ71−1〜71−nから電波として発射される。
【0141】
以上のように、本実施の形態10の無線基地局装置120によれば、実施の形態1から9のいずれかの機能を有する無線基地装置を容易に構成することができる。
【0142】
(実施の形態11)
図13は、本発明の実施の形態11に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【0143】
図13に示す無線通信システム140は、実施の形態10の無線基地局装置130と、無線携帯機80とを具備する。無線基地局装置130は、互いに同一周波数の電波を使用して接続される無線携帯機80と通信を行なう。
【0144】
以上のように、本実施の形態11の無線通信システム140によれば、実施の形態1から9のいずれかの機能を有する無線基地局装置130によりアダプティブアレイアンテナ性能を向上させているので、無線基地局装置130と無線携帯機80との間で行う送受信を高精度に行うことができ、ある特定地域内での無線通信システムの加入者容量を増大することができる。
【0145】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、復調されたI信号とQ信号間の誤差を短時間で調整して、受信性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図2】従来の受信装置の受信特性を示す図
【図3】実施の形態1に係る受信装置の受信特性を示す図
【図4】本発明の実施の形態2に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態4に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態5に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態6に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態7に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態8に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態9に係るキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置内のベースバンド部の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態10に係る無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態11に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
【図14】従来のキャリブレーション機能付きアダプティブアレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、200、300、400、500、600、700 受信装置
101−1〜101−n アンテナ
102−1〜102−n 受信系方向性結合部
103−1〜103−n 通信系受信部
104−1〜104−n 通信系復調部
105、205、305、405、505、605、705 ベースバンド部106、206、306、406、506、606、706 受信キャリブレーション系高周波切換部
107、207、307、407、507、607、707 受信キャリブレーション系受信部
108、208、308、408、508、608、708 受信キャリブレーション系復調部
109、409、509 終端抵抗器
209、309、609 受信キャリブレーション系基準信号発生部
110、310、410、510、610、710 DCオフセット調整機能部
210、311、611、711 ゲイン差調整機能部
411−1〜411−n、511−1〜511−n、612−1〜612−n、712−1〜712−n 通信系高周波切換部
412−1〜412−n、512−1〜512−n 通信系終端部
613−1〜613n 通信系基準信号発生部
709 全体基準信号発生部
Claims (6)
- 複数のアンテナと、
前記複数のアンテナから出力された各受信信号から一部の信号を取り出す方向性結合手段と、
前記方向性結合手段から出力された複数の出力信号から任意の出力信号を択一的に選択する複数の入力端子を有する信号切換手段と、
前記信号切換手段の複数の入力端子のうち一つの入力端子を終端する終端手段と、
前記信号切換手段により選択された出力信号を増幅する受信手段と、
前記受信手段から出力された増幅信号からI信号とQ信号を復調する復調手段と、
前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間の誤差を調整する調整手段と、を具備することを特徴とする受信装置。 - 前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するための基準信号を発生する基準信号発生手段を具備し、
前記信号切換手段は、前記複数の入力端子のうちの一つの入力端子から前記基準信号発生手段から発生される基準信号を入力し、
前記調整手段は、前記信号切換手段により入力された基準信号に基づいて、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整することを特徴とする請求項1記載の受信装置。 - 前記復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分の調整と、DC電圧オフセットの調整とを行うため基準信号を発生する基準信号発生手段を具備し、
前記信号切換手段は、前記複数の入力端子のうち一つの入力端子から基準信号を入力し、
前記調整手段は、前記信号切換手段により入力された基準信号に基づいて、前記復調手段において復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するとともに、I信号とQ信号間のゲイン差成分を調整することを特徴とする請求項1記載の受信装置。 - 複数のアンテナから出力された各受信信号から一部の信号を取り出すステップと、
前記取り出された複数の出力信号から任意の出力信号を複数の入力端子を用いて択一的に選択するステップと、
前記複数の入力端子のうち一つの入力端子を終端するステップと、
前記選択された出力信号を増幅するステップと、
前記増幅信号からI信号とQ信号を復調するステップと、
前記復調されたI信号とQ信号間の誤差を調整するステップと、を有することを特徴とする受信方法。 - 前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するための基準信号を発生するステップと、
前記複数の入力端子のうちの一つの入力端子から前記基準信号を入力するステップと、
前記入力された基準信号に基づいて、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するステップと、を有することを特徴とする請求項4記載の受信方法。 - 前記復調されたI信号とQ信号間のゲイン差成分の調整と、DC電圧オフセットの調整とを行うための基準信号を発生するステップと、
前記複数の入力端子のうち一つの入力端子から前記基準信号を入力するステップと、
前記入力された基準信号に基づいて、前記復調されたI信号とQ信号間のDC電圧オフセットを調整するとともに、I信号とQ信号間のゲイン差成分を調整するステップと、を有することを特徴とする請求項4記載の受信方法。
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JP2003109644A JP2004320266A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 受信装置および受信方法 |
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JP2003109644A JP2004320266A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 受信装置および受信方法 |
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JP (1) | JP2004320266A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230184889A1 (en) * | 2021-12-14 | 2023-06-15 | Infineon Technologies Ag | Receiver down-converter architecture including an hybrid coupler, a quadrature down-converter and a baseband signal linear combiner |
-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003109644A patent/JP2004320266A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20230184889A1 (en) * | 2021-12-14 | 2023-06-15 | Infineon Technologies Ag | Receiver down-converter architecture including an hybrid coupler, a quadrature down-converter and a baseband signal linear combiner |
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