JP2004317959A - ブラシ式転写方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写に際して通紙領域外への電流リークが有効に回避された新規な接触方式による転写方法を提供する。
【解決手段】導電性ブラシ13を帯電トナー像が形成されている感光体ドラム10に接触せしめた状態で、該ドラム表面に沿って転写紙3を通過させ且つ該導電性ブラシ13に転写バイアス電位を印加させることにより、帯電トナー像を転写紙3表面に転写させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性ブラシ13を帯電トナー像が形成されている感光体ドラム10に接触せしめた状態で、該ドラム表面に沿って転写紙3を通過させ且つ該導電性ブラシ13に転写バイアス電位を印加させることにより、帯電トナー像を転写紙3表面に転写させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザプリンターなどの電子写真による画像形成装置において、帯電トナーを感光体表面から転写紙表面に転写させるために使用する転写方法に関するものであり、より詳細に、ブラシを利用した新規な転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンターなどに代表される電子写真法による画像形成装置においては、感光体を所定極性に一様に主帯電し、所定の画像情報に基づいての光照射により画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を、磁気ブラシ現像法等の現像方法によって現像し、感光体表面に帯電トナー像を形成する。このようにして感光体表面に形成された帯電トナー像を、静電力を利用して転写紙に転写し、トナー像が転写した転写紙は、定着装置に導入され、熱、圧力により、トナー像を転写紙表面に定着することにより、画像形成が行われる。一方、転写終了後においては、感光体表面に残存するトナーがクリーニング装置によってクリーニングされ、さらに必要により除電が行われ、これにより、画像形成行程の1サイクルが完了し、次の画像形成が行われる。
【0003】
上記のような画像形成装置において、感光体表面から転写紙表面に帯電トナー像を転写させる方法には、大きく分けて、非接触方式と接触方式とがある。非接触方式は、一般に、コロトロンやスコロトロンなどのコロナ帯電器を用い、転写紙の背面(転写面とは反対側の面)を帯電トナー像とは逆極性にコロナ帯電することにより、静電気力で帯電トナー像が転写紙表面に転写される。一方、接触方式では、導電性の発泡ローラやゴムローラ或いはゴムベルトなどの転写部材を感光体表面に接触させ、転写部材に転写バイアス電位を印加しながら両者の間に転写紙を通過せしめることにより、静電気力と物理的圧力とによって転写紙表面への帯電トナー像の転写が行われる。この接触方式は、コロナ帯電による非接触方式に比して、オゾン等の放電生成物の発生が少なく、環境に対する悪影響や感光体の劣化等を抑制できるという利点があり、最近では、接触方式の転写方法が広く採用されるようになってきた。
【0004】
接触方式での転写方法において、トナーの転写紙上への移動量は、例えば転写部材から感光体へ流れ込む電流量(転写電流)によるところが大きく、転写紙の種類(厚み、サイズ、通紙方向)や環境条件に応じて、転写電流を自動的に増減するように転写バイアス電位を制御し、常に、安定して良好な転写が行われるような方式が一般に採用されている。また、転写部材の導電特性の経時変化や異物付着などによる抵抗値の変化に対応するために、定電流制御が一般的に使用されている。
【0005】
ところで、接触方式での転写方法のメカニズムを説明するための図4を参照されたい。図4では、感光体1に対面して、転写部材である導電性ローラ(転写ローラ)2が配置されており、転写紙3を通過させるときに、転写ローラ2に転写バイアス電位を印加することにより、図4中、Iで示す電流が転写ローラ2から感光体1に流れ込む。尚、図4において、転写ローラ2と感光体1とは非接触で示されているが、実際は、両者は接触している。
【0006】
図4に示されているように、転写ローラ2よりも幅の狭い小サイズの転写紙3を通紙して転写を行う場合、この転写紙3の両サイドにおいて、転写ローラ2は感光体1と直接接触することとなる。図4において、通紙領域をXで示し通紙領域外の接触領域をYで示した。尚、転写紙3の通紙位置によっては、転写紙3の一方側のみが接触領域Yとなることもある。
【0007】
上記の接触領域Yでは、電気抵抗が低くなっているため、転写電流Iは、この接触領域Yに集中するようになり、転写紙3への転写電流Iは減少する。転写電流量の減少は、転写性能の低下をもたらすこととなるので、従来は、接触領域Y、即ち、通紙領域外にリークする電流量を考慮して、転写電流量を多めに設定して転写を行うことにより、一定の転写性能を確保していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように転写電流量を多めに設定したとしても、通紙領域外の接触領域Yに流れる電流量は、通紙領域(即ち転写領域)Xに流れる電流量よりも多い。この結果、接触領域Yに流れる過大電流によって、該接触領域Yに対応する部分で転写ローラ2の通電劣化(抵抗値の上昇)が発生する。
【0009】
したがって、小サイズの転写紙3を多用した場合、通紙領域外の接触領域Yでの抵抗値が集中的に上昇してしまい、その後、大サイズの転写紙を通紙して転写を行った場合、上記接触領域Yに対応する位置を通過する大サイズ転写紙の部分では、抵抗値が上昇している分だけ転写電流量が減少し、部分的な転写不良を生じてしまうこととなる。また、前述した接触領域Yでは転写メモリの増大や感光体劣化による黒点の発生などが生じるおそれもある。
【0010】
サイズの異なる転写紙を用いる場合に生じるこのような問題に対応する転写技術は、種々提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−138782号公報
【特許文献2】
特開平6−258921号公報
【0012】
しかるに、上記特許文献1及び2に開示されている転写技術は、何れも非接触型のコロナ帯電器に関するものであり、接触方式に特有の上記問題を解決するための方法は、何ら開示されていない。
【0013】
従って、本発明の目的は、転写に際して通紙領域外への電流リークが有効に回避された新規な接触方式による転写方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導電性ブラシを帯電トナー像が形成されている像担持体に接触せしめた状態で、該像担持体表面に沿って転写紙を通過させ且つ該導電性ブラシに転写バイアス電位を印加させることにより、帯電トナー像を転写紙表面に転写させることを特徴とするブラシ式転写方法が提供される。
【0015】
本発明においては、導電性ブラシを、帯電トナー像を有する像担持体(例えば感光体)に接触せしめ、この状態で通紙して転写を行う。従って、従来の接触方式では、通紙領域外での帯電部材(例えばローラ)と像担持体の接触を遮断することは事実上不可能であったが、本発明では、ブラシが帯電部材として使用されているため、ブラシと感光体との間に樹脂フィルム等の絶縁部材を挿入することにより、両者の接触を容易に遮断でき、通紙領域外への電流リークを有効に防止することが可能となり、それに伴う前述した種々の問題を有効に解決することができる。
【0016】
即ち、本発明においては、
1.前記転写紙が通過するに際して、該転写紙の非通過領域において導電性ブラシと像担持体表面との間に絶縁性部材を挿入し、両者の接触を遮断した状態で転写紙上への帯電トナーの転写を行うこと、
2.前記絶縁性部材として、樹脂フィルムを使用すること、
3.前記絶縁性部材として、一対の樹脂フィルムを使用し、各樹脂フィルムを転写紙の通過領域の外側に挿入することにより導電性ブラシと像担持体表面との接触を遮断すること、
4.前記樹脂フィルムは、転写紙のサイズに応じて、導電性ブラシと像担持体表面との接触を遮断する部分の大きさを変更し得るような形状を有していること、
が好適である。
【0017】
【発明の実施形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のブラシ式転写方法のメカニズムを説明するための図であり、図2は、本発明方法にしたがって行われる転写工程を示す側断面図であり、図3は、図2の転写工程の平面図である。
【0018】
図1において、像担持体である感光体ドラム10に対面するように、ブラシローラ12が配置されている。このブラシローラ12は、本発明方法における導電性ブラシを形成するものであり、その導体ローラ表面に、導電性のブラシ13が植毛されている。即ち、ブラシローラ12を回転させながら、導体ローラを介してブラシ13に所定の直流転写バイアス電位を印加することにより、その間を通過する転写紙3に帯電トナー像が転写されるというものである。このようなブラシを帯電部材として用いて転写を行う方法は、従来、全く知られておらず、本発明をもって嚆矢とする。
【0019】
本発明において、上記のブラシは、例えば鉄粉等の導電性の金属粉末やカーボンブラックを、ナイロンやポリエステルなどの各種の熱可塑性樹脂に配合して成形することにより得ることもできるし、銅などの金属製繊維から形成されていてもよいが、その植毛密度は、均一な接触帯電を行うために、一般的にいって、60,000本/inch2以上の範囲にあることが望ましく、また耐久性や直立性などの点で、そのブラシ径は10乃至50μm程度の範囲にあり、且つブラシ長さは3乃至5mm程度の範囲にあることが好ましい。
【0020】
本発明方法においては、図1に示されているように、転写紙3を通紙して転写を行う際、その通紙領域Xの両側の領域Yに、絶縁性部材、例えば樹脂フィルム15を挿入する。これにより、ブラシ13と感光体ドラム10との接触が遮断され、通紙領域外の領域に転写電流が流れるという接触方式の転写方法に特有の不都合を確実に回避することができる。ここで重要なことは、本発明においては、ブラシ13を用いて転写を行っているために、このような樹脂フィルム15の挿入が可能となるものである。即ち、通常の帯電ローラを用いての接触方式により転写を行う場合には、帯電ローラと感光体ドラムとの間に樹脂フィルム15を挿入することができず、無理やり挿入すると、感光体ドラム10を傷つけたりしてしまうこととなる。一方、ブラシ接触の場合には、その当りがソフトであり、しかもブラシ自体が容易に変形するものであるから、樹脂フィルム15の挿入を容易に行うことが可能となるものである。
【0021】
本発明において、上記の樹脂フィルム15を形成する樹脂は、転写紙3よりも高い電気絶縁性(例えば、体積抵抗が1017Ωcm以上)を有している限り、特に制限されるものではないが、通常、柔軟性を有する熱可塑性樹脂であることが好ましく、通常、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムが好適に使用される。また、その厚みは、一般的に100乃至250μm程度の範囲にあるのがよい。
【0022】
上記のような樹脂フィルム15の挿入は、例えば図2及び3で示されるような手段で行うことができる。
【0023】
即ち、図2及び図3において、樹脂フィルム15は、所定の駆動装置(例えばソレノイドやステッピングモータなど)20により駆動回転する駆動軸22に揺動可能に保持されたアーム24の先端部分に取り付けられている。このようなアーム24は、感光体ドラム10の両端部において、それぞれドラム軸10aを挟むようにして配置されている。即ち、転写に際しては、アーム24を揺動させてブラシローラ12のブラシ13と感光体ドラム10との間に挿入することにより、転写紙3の通紙領域Xを除く通紙外領域Yにおいて、ブラシ13と感光体ドラム10との接触が遮断されることとなる。転写終了後は、アーム24を初期位置に復帰させ、樹脂フィルム15をブラシ13と感光体ドラム10との間から引き出すようにすればよい。
【0024】
また、図3から明らかな通り、樹脂フィルム15の平面形状を、例えば広幅の部分15aと狭幅の部分15bとを有するような形状とすることが好ましく、このような形状とすることにより、通紙する転写紙3のサイズに応じて、ブラシ13と感光体ドラム10との接触を遮断することができる。即ち、転写紙3のサイズに応じた通紙外領域Yの大きさに対応するように広幅の部分15aや狭幅の部分15bの大きさを設定し、その大きさに応じてアームを揺動させ、広幅の部分15a或いは狭幅の部分15bでブラシ13と感光体ドラム10との接触を遮断すればよいわけである。因みに、図3の例では、狭幅の部分15bでブラシ13と感光体ドラム10との接触が遮断されている。勿論、通紙する転写紙3が最大幅の時において、通紙外領域Yが実質上存在しないような場合には、アーム24を駆動せず、樹脂フィルム15による遮断を行わないようにすればよい。
【0025】
尚、上記の例では、感光体ドラム10から転写紙への転写を例にとって本発明の転写方法を説明したが、本発明は、感光体ドラムからトナー像が一次転写された中間転写体を使用し、この中間転写体から転写紙にトナー像を二次転写する場合にも適用できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、導電性ブラシにより接触方式による転写を行うという新規な方法を採用することにより、通紙領域外での転写電流のリークを確実に防止することが可能となり、通紙領域外における転写電流のリークに起因する種々の不都合を、例えば抵抗値の増大による帯電部材の劣化、異なるサイズの転写紙の使用、特に小サイズの転写紙の多用による転写ムラの発生、或いは感光体ドラムの劣化を有効に回避することができる。また、通紙領域外への転写電流のリークが防止されるため、転写電流を必要以上に大きくする必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシ式転写方法のメカニズムを説明するための図。
【図2】本発明方法にしたがって行われる転写工程を示す側断面図。
【図3】図2の転写工程の平面図。
【図4】従来公知の接触方式による転写方法のメカニズムを説明するための図。
【符号の説明】
3:転写紙
10:感光体ドラム
12:ブラシローラ
13:導電性ブラシ
15:絶縁性部材(樹脂フィルム)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザプリンターなどの電子写真による画像形成装置において、帯電トナーを感光体表面から転写紙表面に転写させるために使用する転写方法に関するものであり、より詳細に、ブラシを利用した新規な転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンターなどに代表される電子写真法による画像形成装置においては、感光体を所定極性に一様に主帯電し、所定の画像情報に基づいての光照射により画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜像を、磁気ブラシ現像法等の現像方法によって現像し、感光体表面に帯電トナー像を形成する。このようにして感光体表面に形成された帯電トナー像を、静電力を利用して転写紙に転写し、トナー像が転写した転写紙は、定着装置に導入され、熱、圧力により、トナー像を転写紙表面に定着することにより、画像形成が行われる。一方、転写終了後においては、感光体表面に残存するトナーがクリーニング装置によってクリーニングされ、さらに必要により除電が行われ、これにより、画像形成行程の1サイクルが完了し、次の画像形成が行われる。
【0003】
上記のような画像形成装置において、感光体表面から転写紙表面に帯電トナー像を転写させる方法には、大きく分けて、非接触方式と接触方式とがある。非接触方式は、一般に、コロトロンやスコロトロンなどのコロナ帯電器を用い、転写紙の背面(転写面とは反対側の面)を帯電トナー像とは逆極性にコロナ帯電することにより、静電気力で帯電トナー像が転写紙表面に転写される。一方、接触方式では、導電性の発泡ローラやゴムローラ或いはゴムベルトなどの転写部材を感光体表面に接触させ、転写部材に転写バイアス電位を印加しながら両者の間に転写紙を通過せしめることにより、静電気力と物理的圧力とによって転写紙表面への帯電トナー像の転写が行われる。この接触方式は、コロナ帯電による非接触方式に比して、オゾン等の放電生成物の発生が少なく、環境に対する悪影響や感光体の劣化等を抑制できるという利点があり、最近では、接触方式の転写方法が広く採用されるようになってきた。
【0004】
接触方式での転写方法において、トナーの転写紙上への移動量は、例えば転写部材から感光体へ流れ込む電流量(転写電流)によるところが大きく、転写紙の種類(厚み、サイズ、通紙方向)や環境条件に応じて、転写電流を自動的に増減するように転写バイアス電位を制御し、常に、安定して良好な転写が行われるような方式が一般に採用されている。また、転写部材の導電特性の経時変化や異物付着などによる抵抗値の変化に対応するために、定電流制御が一般的に使用されている。
【0005】
ところで、接触方式での転写方法のメカニズムを説明するための図4を参照されたい。図4では、感光体1に対面して、転写部材である導電性ローラ(転写ローラ)2が配置されており、転写紙3を通過させるときに、転写ローラ2に転写バイアス電位を印加することにより、図4中、Iで示す電流が転写ローラ2から感光体1に流れ込む。尚、図4において、転写ローラ2と感光体1とは非接触で示されているが、実際は、両者は接触している。
【0006】
図4に示されているように、転写ローラ2よりも幅の狭い小サイズの転写紙3を通紙して転写を行う場合、この転写紙3の両サイドにおいて、転写ローラ2は感光体1と直接接触することとなる。図4において、通紙領域をXで示し通紙領域外の接触領域をYで示した。尚、転写紙3の通紙位置によっては、転写紙3の一方側のみが接触領域Yとなることもある。
【0007】
上記の接触領域Yでは、電気抵抗が低くなっているため、転写電流Iは、この接触領域Yに集中するようになり、転写紙3への転写電流Iは減少する。転写電流量の減少は、転写性能の低下をもたらすこととなるので、従来は、接触領域Y、即ち、通紙領域外にリークする電流量を考慮して、転写電流量を多めに設定して転写を行うことにより、一定の転写性能を確保していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように転写電流量を多めに設定したとしても、通紙領域外の接触領域Yに流れる電流量は、通紙領域(即ち転写領域)Xに流れる電流量よりも多い。この結果、接触領域Yに流れる過大電流によって、該接触領域Yに対応する部分で転写ローラ2の通電劣化(抵抗値の上昇)が発生する。
【0009】
したがって、小サイズの転写紙3を多用した場合、通紙領域外の接触領域Yでの抵抗値が集中的に上昇してしまい、その後、大サイズの転写紙を通紙して転写を行った場合、上記接触領域Yに対応する位置を通過する大サイズ転写紙の部分では、抵抗値が上昇している分だけ転写電流量が減少し、部分的な転写不良を生じてしまうこととなる。また、前述した接触領域Yでは転写メモリの増大や感光体劣化による黒点の発生などが生じるおそれもある。
【0010】
サイズの異なる転写紙を用いる場合に生じるこのような問題に対応する転写技術は、種々提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−138782号公報
【特許文献2】
特開平6−258921号公報
【0012】
しかるに、上記特許文献1及び2に開示されている転写技術は、何れも非接触型のコロナ帯電器に関するものであり、接触方式に特有の上記問題を解決するための方法は、何ら開示されていない。
【0013】
従って、本発明の目的は、転写に際して通紙領域外への電流リークが有効に回避された新規な接触方式による転写方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導電性ブラシを帯電トナー像が形成されている像担持体に接触せしめた状態で、該像担持体表面に沿って転写紙を通過させ且つ該導電性ブラシに転写バイアス電位を印加させることにより、帯電トナー像を転写紙表面に転写させることを特徴とするブラシ式転写方法が提供される。
【0015】
本発明においては、導電性ブラシを、帯電トナー像を有する像担持体(例えば感光体)に接触せしめ、この状態で通紙して転写を行う。従って、従来の接触方式では、通紙領域外での帯電部材(例えばローラ)と像担持体の接触を遮断することは事実上不可能であったが、本発明では、ブラシが帯電部材として使用されているため、ブラシと感光体との間に樹脂フィルム等の絶縁部材を挿入することにより、両者の接触を容易に遮断でき、通紙領域外への電流リークを有効に防止することが可能となり、それに伴う前述した種々の問題を有効に解決することができる。
【0016】
即ち、本発明においては、
1.前記転写紙が通過するに際して、該転写紙の非通過領域において導電性ブラシと像担持体表面との間に絶縁性部材を挿入し、両者の接触を遮断した状態で転写紙上への帯電トナーの転写を行うこと、
2.前記絶縁性部材として、樹脂フィルムを使用すること、
3.前記絶縁性部材として、一対の樹脂フィルムを使用し、各樹脂フィルムを転写紙の通過領域の外側に挿入することにより導電性ブラシと像担持体表面との接触を遮断すること、
4.前記樹脂フィルムは、転写紙のサイズに応じて、導電性ブラシと像担持体表面との接触を遮断する部分の大きさを変更し得るような形状を有していること、
が好適である。
【0017】
【発明の実施形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のブラシ式転写方法のメカニズムを説明するための図であり、図2は、本発明方法にしたがって行われる転写工程を示す側断面図であり、図3は、図2の転写工程の平面図である。
【0018】
図1において、像担持体である感光体ドラム10に対面するように、ブラシローラ12が配置されている。このブラシローラ12は、本発明方法における導電性ブラシを形成するものであり、その導体ローラ表面に、導電性のブラシ13が植毛されている。即ち、ブラシローラ12を回転させながら、導体ローラを介してブラシ13に所定の直流転写バイアス電位を印加することにより、その間を通過する転写紙3に帯電トナー像が転写されるというものである。このようなブラシを帯電部材として用いて転写を行う方法は、従来、全く知られておらず、本発明をもって嚆矢とする。
【0019】
本発明において、上記のブラシは、例えば鉄粉等の導電性の金属粉末やカーボンブラックを、ナイロンやポリエステルなどの各種の熱可塑性樹脂に配合して成形することにより得ることもできるし、銅などの金属製繊維から形成されていてもよいが、その植毛密度は、均一な接触帯電を行うために、一般的にいって、60,000本/inch2以上の範囲にあることが望ましく、また耐久性や直立性などの点で、そのブラシ径は10乃至50μm程度の範囲にあり、且つブラシ長さは3乃至5mm程度の範囲にあることが好ましい。
【0020】
本発明方法においては、図1に示されているように、転写紙3を通紙して転写を行う際、その通紙領域Xの両側の領域Yに、絶縁性部材、例えば樹脂フィルム15を挿入する。これにより、ブラシ13と感光体ドラム10との接触が遮断され、通紙領域外の領域に転写電流が流れるという接触方式の転写方法に特有の不都合を確実に回避することができる。ここで重要なことは、本発明においては、ブラシ13を用いて転写を行っているために、このような樹脂フィルム15の挿入が可能となるものである。即ち、通常の帯電ローラを用いての接触方式により転写を行う場合には、帯電ローラと感光体ドラムとの間に樹脂フィルム15を挿入することができず、無理やり挿入すると、感光体ドラム10を傷つけたりしてしまうこととなる。一方、ブラシ接触の場合には、その当りがソフトであり、しかもブラシ自体が容易に変形するものであるから、樹脂フィルム15の挿入を容易に行うことが可能となるものである。
【0021】
本発明において、上記の樹脂フィルム15を形成する樹脂は、転写紙3よりも高い電気絶縁性(例えば、体積抵抗が1017Ωcm以上)を有している限り、特に制限されるものではないが、通常、柔軟性を有する熱可塑性樹脂であることが好ましく、通常、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムが好適に使用される。また、その厚みは、一般的に100乃至250μm程度の範囲にあるのがよい。
【0022】
上記のような樹脂フィルム15の挿入は、例えば図2及び3で示されるような手段で行うことができる。
【0023】
即ち、図2及び図3において、樹脂フィルム15は、所定の駆動装置(例えばソレノイドやステッピングモータなど)20により駆動回転する駆動軸22に揺動可能に保持されたアーム24の先端部分に取り付けられている。このようなアーム24は、感光体ドラム10の両端部において、それぞれドラム軸10aを挟むようにして配置されている。即ち、転写に際しては、アーム24を揺動させてブラシローラ12のブラシ13と感光体ドラム10との間に挿入することにより、転写紙3の通紙領域Xを除く通紙外領域Yにおいて、ブラシ13と感光体ドラム10との接触が遮断されることとなる。転写終了後は、アーム24を初期位置に復帰させ、樹脂フィルム15をブラシ13と感光体ドラム10との間から引き出すようにすればよい。
【0024】
また、図3から明らかな通り、樹脂フィルム15の平面形状を、例えば広幅の部分15aと狭幅の部分15bとを有するような形状とすることが好ましく、このような形状とすることにより、通紙する転写紙3のサイズに応じて、ブラシ13と感光体ドラム10との接触を遮断することができる。即ち、転写紙3のサイズに応じた通紙外領域Yの大きさに対応するように広幅の部分15aや狭幅の部分15bの大きさを設定し、その大きさに応じてアームを揺動させ、広幅の部分15a或いは狭幅の部分15bでブラシ13と感光体ドラム10との接触を遮断すればよいわけである。因みに、図3の例では、狭幅の部分15bでブラシ13と感光体ドラム10との接触が遮断されている。勿論、通紙する転写紙3が最大幅の時において、通紙外領域Yが実質上存在しないような場合には、アーム24を駆動せず、樹脂フィルム15による遮断を行わないようにすればよい。
【0025】
尚、上記の例では、感光体ドラム10から転写紙への転写を例にとって本発明の転写方法を説明したが、本発明は、感光体ドラムからトナー像が一次転写された中間転写体を使用し、この中間転写体から転写紙にトナー像を二次転写する場合にも適用できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、導電性ブラシにより接触方式による転写を行うという新規な方法を採用することにより、通紙領域外での転写電流のリークを確実に防止することが可能となり、通紙領域外における転写電流のリークに起因する種々の不都合を、例えば抵抗値の増大による帯電部材の劣化、異なるサイズの転写紙の使用、特に小サイズの転写紙の多用による転写ムラの発生、或いは感光体ドラムの劣化を有効に回避することができる。また、通紙領域外への転写電流のリークが防止されるため、転写電流を必要以上に大きくする必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシ式転写方法のメカニズムを説明するための図。
【図2】本発明方法にしたがって行われる転写工程を示す側断面図。
【図3】図2の転写工程の平面図。
【図4】従来公知の接触方式による転写方法のメカニズムを説明するための図。
【符号の説明】
3:転写紙
10:感光体ドラム
12:ブラシローラ
13:導電性ブラシ
15:絶縁性部材(樹脂フィルム)
Claims (5)
- 導電性ブラシを帯電トナー像が形成されている像担持体に接触せしめた状態で、該像担持体表面に沿って転写紙を通過させ且つ該導電性ブラシに転写バイアス電位を印加させることにより、帯電トナー像を転写紙表面に転写させることを特徴とするブラシ式転写方法。
- 前記転写紙が通過するに際して、該転写紙の非通過領域において導電性ブラシと像担持体表面との間に絶縁性部材を挿入し、両者の接触を遮断した状態で転写紙上への帯電トナーの転写を行う請求項1に記載のブラシ式転写方法。
- 前記絶縁性部材として、樹脂フィルムを使用する請求項1または2に記載のブラシ式転写方法。
- 前記絶縁性部材として、一対の樹脂フィルムを使用し、各樹脂フィルムを転写紙の通過領域の外側に挿入することにより導電性ブラシと像担持体表面との接触を遮断する請求項3に記載のブラシ式転写方法。
- 前記樹脂フィルムは、転写紙のサイズに応じて、導電性ブラシと像担持体表面との接触を遮断する部分の大きさを変更し得るような形状を有している請求項4に記載のブラシ式転写方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003114621A JP2004317959A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ブラシ式転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003114621A JP2004317959A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ブラシ式転写方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004317959A true JP2004317959A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33474146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003114621A Withdrawn JP2004317959A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ブラシ式転写方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004317959A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009075356A (ja) * | 2007-09-20 | 2009-04-09 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2011075963A (ja) * | 2009-10-01 | 2011-04-14 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003114621A patent/JP2004317959A/ja not_active Withdrawn
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