JP2004317231A - 水晶振動子用測定プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化を得ることができ、化学プラントなどのライン等における圧力下においても、その流体の性状を正確に測定し得るようにする。
【解決手段】ケーシング21にOリング27を介して水晶振動子31を載せ、蓋22をボルト28締めして水晶振動子31を支持固定する。水晶振動子31には、ATカットした水晶振動子素板の周縁を面取り、又は同コンベックス形状としたものとして、Oリングで囲まれた内部に振動エネルギーが閉じ込められるようにする。これら形状の水晶振動子31は、主振動モードが、電荷分布に小さな波状変動の重畳がなくなって周縁では減衰し、きれいなsinカーブ状電荷分布となる。このため、この水晶振動子素板の周縁を強い力で挟持しても、その振動特性に大きな影響を与えず、圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ケーシング21にOリング27を介して水晶振動子31を載せ、蓋22をボルト28締めして水晶振動子31を支持固定する。水晶振動子31には、ATカットした水晶振動子素板の周縁を面取り、又は同コンベックス形状としたものとして、Oリングで囲まれた内部に振動エネルギーが閉じ込められるようにする。これら形状の水晶振動子31は、主振動モードが、電荷分布に小さな波状変動の重畳がなくなって周縁では減衰し、きれいなsinカーブ状電荷分布となる。このため、この水晶振動子素板の周縁を強い力で挟持しても、その振動特性に大きな影響を与えず、圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、物理化学分野における、物質の吸着量、密度、粘度等あるいはそれらの変化の計測に用いられる水晶振動子用測定プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、液体、気体などの物質の物理化学的特性を検出する手法として、水晶振動子の共振現象をもとに、その共振周波数等の測定によって被測定物の特性を検出する水晶振動子マイクロバランス法(QCM)があり、この手法に用いる水晶振動子用測定プローブとして、図8に示すものがある。
【0003】
この測定プローブ1は、ケーシング10の開口11に水晶振動子2を取り付けたものである。そのケーシング10は、下面が開口し上面が閉塞した筒状本体12と、その本体12の下部にOリング13を介してねじ込まれてその下面開口を閉じる底蓋14と、本体上部にねじ込まれる上蓋15からなる。本体12の上面には、Oリング13を介して前記水晶振動子2が取り付けられ、その上にさらにOリング13を介して上蓋15をねじ込むことにより、水晶振動子2が本体12に固定される。その上蓋15中央には、水晶振動子2を開放するように前記開口11が形成されている。ケーシング10内には、検出回路(基板)3が固定され、この検出回路3には、外部に導かれたケーブル4が接続されているとともに、ケーシング10内の電極5が接続され、この電極5がスプリング状端子6により水晶振動子2に接続されている。
【0004】
この測定プローブ1による測定は、例えば、被測定物が液体である場合、その液中に測定プローブ1を浸すと、被測定物が開口11から水晶振動子2の外面(表面)に接触する。この接触により、被測定物の特性(性状)に応じて水晶振動子2を含む検出回路の共振周波数等が変化し、その変化を検出回路3により信号として検出する。その検出信号は増幅されて、ケーブル4を通じて外部インピーダンス計測装置に送られ、被測定物の密度や粘度のほか汚れなどといった物理化学的特性が解析される(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−139413号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この測定プローブ1は、従来、大気圧下などの低圧力下、例えば、ビーカーに被測定物を入れ、その被測定物中に浸して測定している。このため、例えば、化学プラントにおいて、そのライン中の流体の物理化学的特性を解析する場合には、そのラインから流体をビーカーに取出し、そのビーカー内で測定している。このビーカーへの取出作業は煩雑である。
【0007】
また、例えば、 化学プラントにおいて、そのラインを流れる流体の流通状態における物理化学的特性を得たいなどの要望がある。このラインに、例えば反応缶にこの測定プローブ1を付設すると、水晶振動子2の表面には高圧力が印加し、その裏面に被測定物が漏れ出る恐れがある。このため、図8に示す従来の測定プローブ1を高圧流体が流れるパイプラインに付設するには、ケーシング本体12に上蓋15を強く締め付けてOリング13を介したシール性を高めることとなる。
【0008】
このとき、従来の水晶振動子2は、図9に示すように全面に亘ってフラットなものであり、 周縁を強く締め付けすぎると、振動しなくなって使用不能となったり、使用できても、圧力変化に対する共振周波数変化の幅が小さかったりして、安定性に欠ける(後述の実施形態と従来例の比較参照)。水晶振動子の共振周波数変化の幅が小さかったりして、安定性に欠ければ、測定プローブ1としての信頼性が劣ることとなる。
【0009】
因みに、QCMなどにおいて高い測定精度を得るには、でき得る限り自由な状態で振動させることが重要とされ、水晶振動子を挟持して拘束することは好ましくない、とされている。しかし、液体などと接触する場合には、その液体を水晶振動子の取付部から漏れないようにする必要があり、水晶振動子の挟持は避けられない。
【0010】
この発明は、水晶振動子が、圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化等を行い得るようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明は、水晶振動子に、その中央部に振動エネルギーが閉じ込められるものを採用することとしたのである。その振動エネルギーが閉じ込められるものとししては、ATカットした水晶振動子素板の周縁を面取りしたもの(図3参照)、同コンベックス形状としたもの(図4参照)などが考えられる。コンベックス形状には、一面のみコンベックス形状(片面コンベックス)のものと、両面がコンベックス形状(両面コンベックス)のものを使用し得る。
【0012】
それら形状の水晶振動子素板は、図5(a)に示すように、中央部が振動領域(斜線部分)となり、同(b)に示すように、径方向中央に向かって振動幅が大きくなっている。すなわち、主振動モードは、電荷分布に小さな波状変動の重畳がなくなって周縁では減衰し、きれいなsinカーブ状電荷分布となる。このため、この水晶振動子素板の周縁を強い力で挟持しても、その振動特性に大きな影響を与えないことが分る。このことは、 図5で示す円形、図3、4で示す角形などの水晶振動子の外形形状は影響しない。
【0013】
この考えに基づいた具体的な構成は、ケーシングに水晶振動子を設け、その水晶振動子に蓋を被せ、その蓋を前記ケーシングに固定することにより、前記水晶振動子をケーシングと蓋の間に支持固定した水晶振動子用測定プローブにおいて、前記水晶振動子を、その周縁を面取りしたものとしたり、コンベックス形状のものとして、蓋の開口で囲まれた(水晶振動子が挟持された)内部に振動エネルギーが閉じ込められるようにしたのである。
【0014】
水晶振動子の締め付け力(挟持力、押圧力)は、液漏れが生じることなく、かつ水晶振動子が十分に振動して測定が行い得るように、実験等により適宜に決定する。その締め付け力は、例えば水晶振動子の電気的等価回路の共振抵抗でもって一定の値を得るようにし得る。
【0015】
すなわち、水晶振動子を用いた測定プローブは、ケーシングとその蓋などによって支持された構造になっているため、その水晶振動子の等価直列インダクタンス:L1 (H)、同等価直列容量:C1 (F1 )、同等価直列抵抗:R1 (Ω)、(支持構造の容量(F)+電極容量の実効並列容量(F)):C0 (F)とすると、その水晶振動子は図6に示す等価回路で表わされる。この回路において、水晶振動子に対する締め付け力は、その共振抵抗と相関関係があるため、その締め付け力を、所要の共振抵抗となるようにすれば、その共振抵抗での水晶振動子の特性を得ることができる。
【0016】
なお、水晶振動子取付部のシール性は、その水晶振動子と蓋及びケーシングの間にOリング等を介在することにより担保する。
【0017】
【実施の形態】
一実施形態を図1及び図2に示し、この実施形態に係わる水晶振動子用測定装置は、被測定物に浸される水晶振動子用測定プローブ20と圧力調整器40及び検出回路30とからなる。
【0018】
水晶振動子用測定プローブ20は、ケーシング21、その蓋22及びケーシング取付用フランジ23で構成され、そのケーシング21内は密封空間24と回路用空間25及び被測定物空間26の3つの空間を有し、それぞれ一端に開口24a,25a,26aを、他端にはフランジ23を貫通する水密な孔24b,25b,26bを有している。前記密封空間24の開口24aには、水晶振動子31が耐水密性、耐薬品性のあるOリング27を表裏面に介して蓋22で固定され、この固定により、水晶振動子31はその周りを両Oリング27、27で挟持された状態で開口24aに水密に取り付けられて、その内側に水密な空間が形成される。水晶振動子31には図3又は図4で示した、周縁面取り又はコンベックス形状のものを使用する。
【0019】
上記被測定物空間26は、その開口26aが圧力取入用に開放されており、この測定プローブ20を被測定物に浸すと、その開口26aから被測定物空間26に被測定物が入り込む。
【0020】
上記蓋22は周壁22aを有してその周壁22aの周方向等間隔にボルト28が挿通可能となっており、ケーシング21に蓋22をステンレスなどの金属製アジャスタ29を介して嵌めてボルト28をねじ込むことにより固定する。この固定により、水晶振動子31はその周りに均一かつ所定の締め付け力(押圧力)でもって取付けられる。このとき、周壁端面22bがケーシング端面21bに当接してケーシング21に対し蓋22が位置決めされ、上記Oリング27の装填溝27aの大きさ(スペース)が決定される(不変となる)。このため、その当接度合を、周壁22aの高さ、アジャスタ29の厚みを適宜に選択することにより、装填溝27aの大きさを調整することができ、これにより、Oリング27の押圧力、すなわち水晶振動子31への押圧力(挟持力)が決定される。その押圧力により、水晶振動子31の振動特性が決定されるため、上述の等価回路の共振抵抗を測定することにより、所要の振動特性となるようにその押圧力を設定する。図中、28aはボルト28と蓋22間に介在されるガスケット、29aはケーシング21と蓋22の間をシールするOリングである。
【0021】
上記水晶振動子31には電極(図示せず)が蒸着され、その電極には信号ケーブル32が接続されている。その信号ケーブル32は、回路用空間25を通って前記孔25bからケーシング21外に引き出され、検出回路30へ接続されている。その検出回路30はさらに、外部インピーダンス計測装置に接続される。
【0022】
圧力調整器40は、その内部に3つの空間41,42,43を有し、その中程の空間42にピストン44が嵌入され、その両側が液室42aと液室42bとなって複動式シリンダーを構成している。その一方の液室42aは、前記密封空間24の孔24bから引き出されたチューブからなる密封空間加圧ライン33が接続されて、このライン33により密封空間24の圧力P(この圧力Pは、圧力計52で見ることができる。)が液室42aに印加する。他方の液室42bには、前記被測定物空間26の孔26bから引き出されたチューブからなる被測定物加圧ライン34が接続されて、このライン34により被測定物の圧力Q(この圧力Qは、圧力計51で見ることができる。)が液室42bに印加する。
【0023】
このため、前記被測定物の圧力が上昇し、その被測定物空間26の圧力が増大すると、液室42bにその被測定物の圧力Qが加わり(Q>P)、ピストン44が上に押されるので、スプリング46の弾性力に抗して弁45a,45bが図1の破線のごとく押し上げられる。この押し上げにより、弁45aが開放され、圧縮空気ボンベ47から供給された空間41内の圧縮空気が液室42aに流入する。液室42aは、密封空間加圧ライン33を介して前記密封空間24に連通しているため、この流入した圧縮空気により密封空間24が加圧され、密封空間圧力Pが被測定物圧力Qと平衡する。
【0024】
逆に、前記被測定物の圧力が減少し、その被測定物空間26の圧力が減少すると、液室42bの被測定物圧力Qが下がり(Q<P)、ピストン44が下に押されるので、弁45bが開放され、液室42a内の空気が導管42cを通って空間43に流れて外部に排出される。この空気の排出により、液室42aと密封空間加圧ライン33を介して連通している密封空間24が減圧され、被測定物圧力Qが密封空間圧力Pと平衡する。このようにして、被測定物圧力Qと密封空間圧力Pが平衡するので、前記水晶振動子31の表裏面には常に同じ圧力が加わる。この密封空間24や液室42aに封入する気体は、空気に代えて、窒素等の不活性ガスを用いてもよい。
【0025】
この実施形態は、上記のように構成されており、水晶振動子用測定プローブ20を、例えば化学プラントのライン中に浸し、その壁Hにフランジ23でもって取付けると、水晶振動子31の外表面が蓋22の開口22cを介してそのライン中の被測定物たる流体に触れるとともに、前記被測定物空間26に被測定物が流入する。
【0026】
この状態で水晶振動子31を振動させて測定する際、この圧力調整器40により被測定物の圧力に応じて、前記密封空間24側の圧力が調整され、水晶振動子31の表裏面の圧力の平衡が保たれる。これにより、どのような圧力下の被測定物であっても、前記圧力調整器40の機能の範囲内であれば正確に計測することができる。例えば、特に、化学プラントの反応缶での使用の場合には、おおむね10kgf/cm2 (9800hPa)以上の圧力下での使用が必要となるが、この水晶振動子用測定装置は、水晶振動子31の押圧力を調整してその表裏面の圧力を調整することができるとともに、Oリング27でしっかり水晶振動子31を挟持することにより、 この反応缶の圧力下においても使用可能である。もちろん、圧力調整機能を有しているので、高圧の被測定物のみならず、低圧の被測定物でも計測可能であり、圧力が変動する被測定物も計測可能である。
【0027】
一方、上記密封空間24と被測定物の圧力差がそれほど大きくない場合には、上記の圧力調整器40を用いずに、前記密封空間24に予め前記水晶振動子31が耐え得る圧力を印加しておくことができる。例えば、この水晶振動子用測定プローブ20において、予め密封空間24に圧力Bを印加すれば、この水晶振動子31の強度が耐え得る表裏面の圧力差がAであるとき、この水晶振動子用測定プローブ20は、被測定物の圧力がB−AからB+Aの範囲にある場合に計測できる。この範囲内であれば、外面に接する被測定物の圧力が増大した場合でもそのまま圧力調整をせずに計測が可能であり、水晶振動子用測定プローブ20の構造を簡略化できる。
【0028】
このように圧力調整器40の機能を用いない場合、水晶振動子31の表裏面に圧力差が生じると、共振周波数等の測定値に変化が生じるため、そのままでは被測定物の特性の解析が不正確となる場合がある。このため、前記圧力差と測定値の変化には相関関係があるため、前記両圧力の差に基づき、検出回路30の測定値を補正して、被測定物の特性を解析する。この手法により、前記圧力差が水晶振動子31の強度の範囲内にある場合は、敢えて密封空間24の圧力調整を行わなくとも被測定物の計測によって被測定物の特性の解析が可能であり、測定が容易になる。
【0029】
この実施形態に係わる水晶振動子31が各特性において優れていることを確認するため、まず、付着による共振周波数変化の度合を確認すべく、塩化銅水溶液中で、図3の形状の実施例1,図4の形状の実施例2及び図9で示した従来例1〜4を発振させたときの周波数変化と付着量を表1及び図7に示す。
【0030】
この結果から、実施例のものは、従来例のものに比べ、付着量当たりの周波数変化はほぼ同じであり、精度の高い付着量の測定ができることが分る。
【0031】
つぎに、常温(約20℃付近)下の水中で圧力を変化させたときの共振周波数の変化を確認した。その圧力変化は、実施例1−1,1−2,2−1,2−2:0,2,4,6,8,9(kg/cm2G)、従来例1〜3:0,2,5,9(kg/cm2G)とし、この圧力変動下での,共振周波数, 共振抵抗の変化幅を共振周波数の最大値と最小値の差(範囲又はレンジ)で比較した。その結果を表2, 表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
この結果から、実施例は、従来例に比べ、共振周波数及び共振抵抗の両変化幅(最大値と最小値の差)が小さく、水晶振動子全体に加わる圧力の影響も少ないこととなるため、 信頼性が高いこととなり、 はるかに優れていることが分る。
【0036】
このように、この発明は、 圧力下で正確な測定ができることにより、圧力下のナノグラム、ピコ−グラムなどの極小粒子の測定にも十分な効果を発揮し得るものとなる。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、以上のようにして、水晶振動子にその中央部に振動エネルギーが閉じ込められるものを採用したので、圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化を得ることができ、化学プラントなどのライン等における圧力下においても、正確な測定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の概略図
【図2】同実施形態の水晶振動子用測定プローブの部分分解斜視図
【図3】同実施形態の水晶振動子の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図
【図4】同水晶振動子の他例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図
【図5】同実施形態に係わる水晶振動子の作用説明図
【図6】水晶振動子用測定プローブの等価回路図
【図7】水晶振動子の累積付着量と共振周波数の関係図
【図8】従来例の概略図
【図9】従来の水晶振動子を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図
【符号の説明】
20 測定用プローブ
21 ケーシング
21a ケーシング端面
22 蓋
22a 蓋周壁
22b 蓋周壁端面
22c 被測定物印加用開口
27 Oリング
31 水晶振動子
【発明の属する技術分野】
この発明は、物理化学分野における、物質の吸着量、密度、粘度等あるいはそれらの変化の計測に用いられる水晶振動子用測定プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、液体、気体などの物質の物理化学的特性を検出する手法として、水晶振動子の共振現象をもとに、その共振周波数等の測定によって被測定物の特性を検出する水晶振動子マイクロバランス法(QCM)があり、この手法に用いる水晶振動子用測定プローブとして、図8に示すものがある。
【0003】
この測定プローブ1は、ケーシング10の開口11に水晶振動子2を取り付けたものである。そのケーシング10は、下面が開口し上面が閉塞した筒状本体12と、その本体12の下部にOリング13を介してねじ込まれてその下面開口を閉じる底蓋14と、本体上部にねじ込まれる上蓋15からなる。本体12の上面には、Oリング13を介して前記水晶振動子2が取り付けられ、その上にさらにOリング13を介して上蓋15をねじ込むことにより、水晶振動子2が本体12に固定される。その上蓋15中央には、水晶振動子2を開放するように前記開口11が形成されている。ケーシング10内には、検出回路(基板)3が固定され、この検出回路3には、外部に導かれたケーブル4が接続されているとともに、ケーシング10内の電極5が接続され、この電極5がスプリング状端子6により水晶振動子2に接続されている。
【0004】
この測定プローブ1による測定は、例えば、被測定物が液体である場合、その液中に測定プローブ1を浸すと、被測定物が開口11から水晶振動子2の外面(表面)に接触する。この接触により、被測定物の特性(性状)に応じて水晶振動子2を含む検出回路の共振周波数等が変化し、その変化を検出回路3により信号として検出する。その検出信号は増幅されて、ケーブル4を通じて外部インピーダンス計測装置に送られ、被測定物の密度や粘度のほか汚れなどといった物理化学的特性が解析される(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−139413号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この測定プローブ1は、従来、大気圧下などの低圧力下、例えば、ビーカーに被測定物を入れ、その被測定物中に浸して測定している。このため、例えば、化学プラントにおいて、そのライン中の流体の物理化学的特性を解析する場合には、そのラインから流体をビーカーに取出し、そのビーカー内で測定している。このビーカーへの取出作業は煩雑である。
【0007】
また、例えば、 化学プラントにおいて、そのラインを流れる流体の流通状態における物理化学的特性を得たいなどの要望がある。このラインに、例えば反応缶にこの測定プローブ1を付設すると、水晶振動子2の表面には高圧力が印加し、その裏面に被測定物が漏れ出る恐れがある。このため、図8に示す従来の測定プローブ1を高圧流体が流れるパイプラインに付設するには、ケーシング本体12に上蓋15を強く締め付けてOリング13を介したシール性を高めることとなる。
【0008】
このとき、従来の水晶振動子2は、図9に示すように全面に亘ってフラットなものであり、 周縁を強く締め付けすぎると、振動しなくなって使用不能となったり、使用できても、圧力変化に対する共振周波数変化の幅が小さかったりして、安定性に欠ける(後述の実施形態と従来例の比較参照)。水晶振動子の共振周波数変化の幅が小さかったりして、安定性に欠ければ、測定プローブ1としての信頼性が劣ることとなる。
【0009】
因みに、QCMなどにおいて高い測定精度を得るには、でき得る限り自由な状態で振動させることが重要とされ、水晶振動子を挟持して拘束することは好ましくない、とされている。しかし、液体などと接触する場合には、その液体を水晶振動子の取付部から漏れないようにする必要があり、水晶振動子の挟持は避けられない。
【0010】
この発明は、水晶振動子が、圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化等を行い得るようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明は、水晶振動子に、その中央部に振動エネルギーが閉じ込められるものを採用することとしたのである。その振動エネルギーが閉じ込められるものとししては、ATカットした水晶振動子素板の周縁を面取りしたもの(図3参照)、同コンベックス形状としたもの(図4参照)などが考えられる。コンベックス形状には、一面のみコンベックス形状(片面コンベックス)のものと、両面がコンベックス形状(両面コンベックス)のものを使用し得る。
【0012】
それら形状の水晶振動子素板は、図5(a)に示すように、中央部が振動領域(斜線部分)となり、同(b)に示すように、径方向中央に向かって振動幅が大きくなっている。すなわち、主振動モードは、電荷分布に小さな波状変動の重畳がなくなって周縁では減衰し、きれいなsinカーブ状電荷分布となる。このため、この水晶振動子素板の周縁を強い力で挟持しても、その振動特性に大きな影響を与えないことが分る。このことは、 図5で示す円形、図3、4で示す角形などの水晶振動子の外形形状は影響しない。
【0013】
この考えに基づいた具体的な構成は、ケーシングに水晶振動子を設け、その水晶振動子に蓋を被せ、その蓋を前記ケーシングに固定することにより、前記水晶振動子をケーシングと蓋の間に支持固定した水晶振動子用測定プローブにおいて、前記水晶振動子を、その周縁を面取りしたものとしたり、コンベックス形状のものとして、蓋の開口で囲まれた(水晶振動子が挟持された)内部に振動エネルギーが閉じ込められるようにしたのである。
【0014】
水晶振動子の締め付け力(挟持力、押圧力)は、液漏れが生じることなく、かつ水晶振動子が十分に振動して測定が行い得るように、実験等により適宜に決定する。その締め付け力は、例えば水晶振動子の電気的等価回路の共振抵抗でもって一定の値を得るようにし得る。
【0015】
すなわち、水晶振動子を用いた測定プローブは、ケーシングとその蓋などによって支持された構造になっているため、その水晶振動子の等価直列インダクタンス:L1 (H)、同等価直列容量:C1 (F1 )、同等価直列抵抗:R1 (Ω)、(支持構造の容量(F)+電極容量の実効並列容量(F)):C0 (F)とすると、その水晶振動子は図6に示す等価回路で表わされる。この回路において、水晶振動子に対する締め付け力は、その共振抵抗と相関関係があるため、その締め付け力を、所要の共振抵抗となるようにすれば、その共振抵抗での水晶振動子の特性を得ることができる。
【0016】
なお、水晶振動子取付部のシール性は、その水晶振動子と蓋及びケーシングの間にOリング等を介在することにより担保する。
【0017】
【実施の形態】
一実施形態を図1及び図2に示し、この実施形態に係わる水晶振動子用測定装置は、被測定物に浸される水晶振動子用測定プローブ20と圧力調整器40及び検出回路30とからなる。
【0018】
水晶振動子用測定プローブ20は、ケーシング21、その蓋22及びケーシング取付用フランジ23で構成され、そのケーシング21内は密封空間24と回路用空間25及び被測定物空間26の3つの空間を有し、それぞれ一端に開口24a,25a,26aを、他端にはフランジ23を貫通する水密な孔24b,25b,26bを有している。前記密封空間24の開口24aには、水晶振動子31が耐水密性、耐薬品性のあるOリング27を表裏面に介して蓋22で固定され、この固定により、水晶振動子31はその周りを両Oリング27、27で挟持された状態で開口24aに水密に取り付けられて、その内側に水密な空間が形成される。水晶振動子31には図3又は図4で示した、周縁面取り又はコンベックス形状のものを使用する。
【0019】
上記被測定物空間26は、その開口26aが圧力取入用に開放されており、この測定プローブ20を被測定物に浸すと、その開口26aから被測定物空間26に被測定物が入り込む。
【0020】
上記蓋22は周壁22aを有してその周壁22aの周方向等間隔にボルト28が挿通可能となっており、ケーシング21に蓋22をステンレスなどの金属製アジャスタ29を介して嵌めてボルト28をねじ込むことにより固定する。この固定により、水晶振動子31はその周りに均一かつ所定の締め付け力(押圧力)でもって取付けられる。このとき、周壁端面22bがケーシング端面21bに当接してケーシング21に対し蓋22が位置決めされ、上記Oリング27の装填溝27aの大きさ(スペース)が決定される(不変となる)。このため、その当接度合を、周壁22aの高さ、アジャスタ29の厚みを適宜に選択することにより、装填溝27aの大きさを調整することができ、これにより、Oリング27の押圧力、すなわち水晶振動子31への押圧力(挟持力)が決定される。その押圧力により、水晶振動子31の振動特性が決定されるため、上述の等価回路の共振抵抗を測定することにより、所要の振動特性となるようにその押圧力を設定する。図中、28aはボルト28と蓋22間に介在されるガスケット、29aはケーシング21と蓋22の間をシールするOリングである。
【0021】
上記水晶振動子31には電極(図示せず)が蒸着され、その電極には信号ケーブル32が接続されている。その信号ケーブル32は、回路用空間25を通って前記孔25bからケーシング21外に引き出され、検出回路30へ接続されている。その検出回路30はさらに、外部インピーダンス計測装置に接続される。
【0022】
圧力調整器40は、その内部に3つの空間41,42,43を有し、その中程の空間42にピストン44が嵌入され、その両側が液室42aと液室42bとなって複動式シリンダーを構成している。その一方の液室42aは、前記密封空間24の孔24bから引き出されたチューブからなる密封空間加圧ライン33が接続されて、このライン33により密封空間24の圧力P(この圧力Pは、圧力計52で見ることができる。)が液室42aに印加する。他方の液室42bには、前記被測定物空間26の孔26bから引き出されたチューブからなる被測定物加圧ライン34が接続されて、このライン34により被測定物の圧力Q(この圧力Qは、圧力計51で見ることができる。)が液室42bに印加する。
【0023】
このため、前記被測定物の圧力が上昇し、その被測定物空間26の圧力が増大すると、液室42bにその被測定物の圧力Qが加わり(Q>P)、ピストン44が上に押されるので、スプリング46の弾性力に抗して弁45a,45bが図1の破線のごとく押し上げられる。この押し上げにより、弁45aが開放され、圧縮空気ボンベ47から供給された空間41内の圧縮空気が液室42aに流入する。液室42aは、密封空間加圧ライン33を介して前記密封空間24に連通しているため、この流入した圧縮空気により密封空間24が加圧され、密封空間圧力Pが被測定物圧力Qと平衡する。
【0024】
逆に、前記被測定物の圧力が減少し、その被測定物空間26の圧力が減少すると、液室42bの被測定物圧力Qが下がり(Q<P)、ピストン44が下に押されるので、弁45bが開放され、液室42a内の空気が導管42cを通って空間43に流れて外部に排出される。この空気の排出により、液室42aと密封空間加圧ライン33を介して連通している密封空間24が減圧され、被測定物圧力Qが密封空間圧力Pと平衡する。このようにして、被測定物圧力Qと密封空間圧力Pが平衡するので、前記水晶振動子31の表裏面には常に同じ圧力が加わる。この密封空間24や液室42aに封入する気体は、空気に代えて、窒素等の不活性ガスを用いてもよい。
【0025】
この実施形態は、上記のように構成されており、水晶振動子用測定プローブ20を、例えば化学プラントのライン中に浸し、その壁Hにフランジ23でもって取付けると、水晶振動子31の外表面が蓋22の開口22cを介してそのライン中の被測定物たる流体に触れるとともに、前記被測定物空間26に被測定物が流入する。
【0026】
この状態で水晶振動子31を振動させて測定する際、この圧力調整器40により被測定物の圧力に応じて、前記密封空間24側の圧力が調整され、水晶振動子31の表裏面の圧力の平衡が保たれる。これにより、どのような圧力下の被測定物であっても、前記圧力調整器40の機能の範囲内であれば正確に計測することができる。例えば、特に、化学プラントの反応缶での使用の場合には、おおむね10kgf/cm2 (9800hPa)以上の圧力下での使用が必要となるが、この水晶振動子用測定装置は、水晶振動子31の押圧力を調整してその表裏面の圧力を調整することができるとともに、Oリング27でしっかり水晶振動子31を挟持することにより、 この反応缶の圧力下においても使用可能である。もちろん、圧力調整機能を有しているので、高圧の被測定物のみならず、低圧の被測定物でも計測可能であり、圧力が変動する被測定物も計測可能である。
【0027】
一方、上記密封空間24と被測定物の圧力差がそれほど大きくない場合には、上記の圧力調整器40を用いずに、前記密封空間24に予め前記水晶振動子31が耐え得る圧力を印加しておくことができる。例えば、この水晶振動子用測定プローブ20において、予め密封空間24に圧力Bを印加すれば、この水晶振動子31の強度が耐え得る表裏面の圧力差がAであるとき、この水晶振動子用測定プローブ20は、被測定物の圧力がB−AからB+Aの範囲にある場合に計測できる。この範囲内であれば、外面に接する被測定物の圧力が増大した場合でもそのまま圧力調整をせずに計測が可能であり、水晶振動子用測定プローブ20の構造を簡略化できる。
【0028】
このように圧力調整器40の機能を用いない場合、水晶振動子31の表裏面に圧力差が生じると、共振周波数等の測定値に変化が生じるため、そのままでは被測定物の特性の解析が不正確となる場合がある。このため、前記圧力差と測定値の変化には相関関係があるため、前記両圧力の差に基づき、検出回路30の測定値を補正して、被測定物の特性を解析する。この手法により、前記圧力差が水晶振動子31の強度の範囲内にある場合は、敢えて密封空間24の圧力調整を行わなくとも被測定物の計測によって被測定物の特性の解析が可能であり、測定が容易になる。
【0029】
この実施形態に係わる水晶振動子31が各特性において優れていることを確認するため、まず、付着による共振周波数変化の度合を確認すべく、塩化銅水溶液中で、図3の形状の実施例1,図4の形状の実施例2及び図9で示した従来例1〜4を発振させたときの周波数変化と付着量を表1及び図7に示す。
【0030】
この結果から、実施例のものは、従来例のものに比べ、付着量当たりの周波数変化はほぼ同じであり、精度の高い付着量の測定ができることが分る。
【0031】
つぎに、常温(約20℃付近)下の水中で圧力を変化させたときの共振周波数の変化を確認した。その圧力変化は、実施例1−1,1−2,2−1,2−2:0,2,4,6,8,9(kg/cm2G)、従来例1〜3:0,2,5,9(kg/cm2G)とし、この圧力変動下での,共振周波数, 共振抵抗の変化幅を共振周波数の最大値と最小値の差(範囲又はレンジ)で比較した。その結果を表2, 表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
この結果から、実施例は、従来例に比べ、共振周波数及び共振抵抗の両変化幅(最大値と最小値の差)が小さく、水晶振動子全体に加わる圧力の影響も少ないこととなるため、 信頼性が高いこととなり、 はるかに優れていることが分る。
【0036】
このように、この発明は、 圧力下で正確な測定ができることにより、圧力下のナノグラム、ピコ−グラムなどの極小粒子の測定にも十分な効果を発揮し得るものとなる。
【0037】
【発明の効果】
この発明は、以上のようにして、水晶振動子にその中央部に振動エネルギーが閉じ込められるものを採用したので、圧力下でもその圧力変化に応じて十分かつ安定した共振周波数変化を得ることができ、化学プラントなどのライン等における圧力下においても、正確な測定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の概略図
【図2】同実施形態の水晶振動子用測定プローブの部分分解斜視図
【図3】同実施形態の水晶振動子の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図
【図4】同水晶振動子の他例を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図
【図5】同実施形態に係わる水晶振動子の作用説明図
【図6】水晶振動子用測定プローブの等価回路図
【図7】水晶振動子の累積付着量と共振周波数の関係図
【図8】従来例の概略図
【図9】従来の水晶振動子を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図
【符号の説明】
20 測定用プローブ
21 ケーシング
21a ケーシング端面
22 蓋
22a 蓋周壁
22b 蓋周壁端面
22c 被測定物印加用開口
27 Oリング
31 水晶振動子
Claims (3)
- ケーシング21に水晶振動子31を設け、その水晶振動子31に蓋22を被せ、その蓋22を前記ケーシング21に固定することにより、前記水晶振動子31をケーシング21と蓋22の間に支持固定し、前記蓋22の開口22cを介し被測定物を前記水晶振動子31に接触させてその性状を測定する水晶振動子用測定プローブ20において、
上記水晶振動子31を、上記蓋22の開口22cで囲まれた内部に振動エネルギーが閉じ込められるものとしたことを特徴とする水晶振動子用測定プローブ。 - 上記水晶振動子31の周縁を面取りして上記蓋22の開口22cで囲まれた内部に振動エネルギーが閉じ込められるものとしたことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子用測定プローブ。
- 上記水晶振動子31をコンベックス形状として上記蓋22の開口22cで囲まれた内部に振動エネルギーが閉じ込められるものとしたことを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子用測定プローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110044A JP2004317231A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 水晶振動子用測定プローブ |
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JP2003110044A JP2004317231A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 水晶振動子用測定プローブ |
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ID=33471006
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JP (1) | JP2004317231A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112629790A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-09 | 北京无线电计量测试研究所 | 一种晶体振荡器振动工装夹具 |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110044A patent/JP2004317231A/ja active Pending
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