JP2004315792A - ビニルアミン系共重合体、並びに、ビニルアミン系消臭剤及び抗菌剤 - Google Patents

ビニルアミン系共重合体、並びに、ビニルアミン系消臭剤及び抗菌剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンモニア等のアミン化合物、硫化水素等の硫黄化合物、及び、アルデヒド系化合物等の種々の物質の吸収性に優れ、かつ各種微生物に対する優れた抗菌性を同時に奏する新規なビニルアミン系共重合体、並びに、ビニルアミン系消臭剤及び抗菌剤を提供する。
【解決手段】 ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体であって、該共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させてなるビニルアミン系共重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なビニルアミン系共重合体、並びに、ビニルアミン系消臭剤及び抗菌剤に関するものであり、より詳細にはアンモニア等のアミン化合物、硫化水素等の硫黄化合物、及び、アルデヒド系化合物等の種々の物質の吸収性に優れ、かつ各種微生物に対して抗菌作用を有する新規なビニルアルコール系共重合体、並びに、ビニルアミン系消臭剤及び抗菌剤に関する。
従来、悪臭を除去するために、活性炭、シリカ、ゼオライト等の無機材料を使用することはよく知られている。しかしながら、これらを用いた消臭剤は、アンモニア、硫化水素には効果があるものの、アルデヒド系化合物に対しては、効果が充分ではないという問題があった。また、繊維や布等の基材に悪臭除去、 消臭能を付与しようとしたとき、このような無機材料のみでは、基材に密着させて長期間使用することが難しいという欠点があった。
この問題を解決するために、消臭剤として皮膜形成能を有する有機高分子を用いる方法が提案されており、例えばアミノ糖を用いた消臭・抗菌フィルムと、銀を用いてその能力を持続させる方法がある(特許文献1参照)。アミノ糖は、1分子中に1級アミノ基と水酸基の双方を有する化合物であり、天然物由来の化合物の中には消臭作用と抗菌作用の双方を示す物があることが知られている。例えば、アミノ糖のひとつであるD−グルコサミンがβ−1,4結合により直鎖状に結合したものはキトサンとして知られており、一般的には海老や蟹などの甲殻類に含まれるキチンを脱アセチル化して製造される。
しかしキトサンは天然物であり、出発のキチンの品質や脱アセチル化反応条件によって得られる品質にばらつきがあり、一定の消臭, 抗菌能を期待することが出来ないと言う問題があった。またキトサンの中でも、扱いの容易な低分子量品は、溶解性、消臭効果が不十分であり、これらの問題点を改良する方法も提案されている(特許文献2参照)。
しかし未だ充分な性能を有するものが得られていない。よって天然物由来ではなくとも、キトサンと同様の消臭、抗菌能を奏する合成高分子が求められていた。
例えばこのような合成高分子として、1分子中にビニルアミン単位のみを有する合成高分子を用いた建築用アルデヒド系化合物の吸収剤が提案されている(特許文献3参照)。しかしこの合成高分子は、アルデヒド系化合物の吸着には効果があるものの、アンモニア及び硫化水素等の有害ガスに対しては効果がないという問題があった。そしてこの合成高分子については吸収剤用途の検討しかなされておらず、抗菌効果については全く不明であった。
また1分子中に水酸基のみを有する合成高分子を用いた例としては、380nm〜780nmに於ける可視光線透過率が5%以上である銀系抗菌剤を含有したポリビニルアルコールシートよりなる創傷被覆材が知られている(特許文献4参照)。しかしこの合成高分子については抗菌剤用途の検討しかなされておらず、消臭効果については全く不明であった。
特許2594496号公報 特開平5−49684号公報 特開2002−119852号公報 特開平8‐294527号公報
本発明は、上記問題点を解決するものであり、アンモニア等のアミン化合物、硫化水素等の硫黄化合物、及び、アルデヒド系化合物等の種々の悪臭原因物質を吸収することができ、かつ、各種微生物に対する抗菌作用を同時に奏する、新規なビニルアルコール−ビニルアミン共重合体、並びにビニルアミン系消臭剤及び抗菌剤を提供することを目的とする。
上記課題について本発明者等が鋭意検討した結果、1分子中にアミノ基と水酸基の両方を有する合成高分子、即ちビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有するビニルアミン系共重合体が、種々の有害ガスに対する優れた吸収性と、種々の細菌に対する優れた抗菌性とを同時に奏する事を見出した。更に、このビニルアミン共重合体に特定の金属又はその化合物を反応させて得られるビニルアミン系共重合体においては、これらの効果が同時に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記(1)〜(5)に存する。
(1) ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体であって、該共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させてなるビニルアミン系共重合体。
(2) 該金属が、銀又は亜鉛であることを特徴とする、上記(1)に記載の重合体。
(3) ビニルアミン構造単位を0.1〜60モル%、ビニルアルコール構造単位を重合体中に99.9〜40モル%含有することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の重合体。
(4) ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有するビニルアミン系共重合体を含む消臭剤。
(5) ビニルアミン系共重合体が、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させて得られたものであることを特徴とする上記(4)に記載の消臭剤。
(6) ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有するビニルアミン系共重合体を含む抗菌剤。
(7) ビニルアミン系共重合体が、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させて得られたものであることを特徴とする上記(6)に記載の抗菌剤。
本発明の、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する新規な共重合体は、アンモニア、硫化水素、及び、アルデヒド系化合物等の種々の物質を吸収することができ、また各種微生物に対する抗菌作用を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合体は、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する。
本発明の共重合体は、限定されるものではないが、ビニルアミン構造単位を全構成単位中、0.1〜60モル%、ビニルアルコール構造単位を99.9〜40モル%含有するのが好ましい。より好ましくは、ビニルアミン構造単位を0.5〜50モル%、ビニルアルコール構造単位を99.5〜50モル%含有する。最も好ましくは、ビニルアミン構造単位を全構成単位中、1〜50モル%、ビニルアルコール構造単位を99〜50モル%含有する。
ビニルアルコール構造単位が40モル%未満となるとバインダー能やフィルム形成能が低下する傾向があり、また金属の反応率も低下する傾向にある。逆に99.9モル%を越えるとアンモニア、アルデヒド系化合物等の吸収能が発現しにくくなる。
本発明において、ビニルアミン系共重合体の分子量は、吸収性能及び抗菌性能に依存しないので、特に限定されるものではないが、取り扱いやすさを考慮すると1000〜1000000であるのが好ましい。
本発明の新規なビニルアミン系共重合体は、上記したビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体に、第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させて得られるものである。反応させる金属またはその化合物は、第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物である。第8族〜第12族の金属としては、銀、亜鉛、銅、鉄等が挙げられる。これら反応させる金属またはその化合物としては、第8族〜第12族の金属からなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物が好ましく、中でも第11族または第12族の金属またはその化合物が好ましく、特に銀または亜鉛またはそれらの化合物が、得られるビニルアミン系共重合体の吸収能と抗菌能が高いので好ましい。
本発明においては、これら金属は金属のままやハロゲン化物、酸化物等、任意の形状の化合物としてビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体と反応させればよい。中でも塩化物、臭化物等のハロゲン化物や、酸化物等の化合物として反応させることが好ましく、特に塩化物として反応させることが好ましい。
本発明において、上記金属とビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体との反応方法は、限定されるものではないが、通常適当な溶媒中で両者を添加・混合し、攪拌する方法が挙げられる。使用し得る溶媒としては、共重合体を溶解または部分溶解できる溶媒であれば良いが、溶解性の点から水が好ましい。
金属またはその化合物の反応量に関しては、求める性能、物性により適宜、制御することができるが、通常、適当な溶媒中で、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体のアミノ基とアルコール基の合計に対して、金属に換算して0.1〜300モル%程度なるように混合するのが特に好ましい。また、反応温度も、限定されるものではないが、高分子の溶解性を考慮して、通常室温〜40℃程度で行われる。反応時間は、通常1分〜100時間、好ましくは50時間以内である。
本発明においては、上記した様に、金属またはその化合物と共重合体を反応させることによって、優れた消臭効果及び抗菌効果を有する新規な共重合体が得られるが、限定されるものではないが、金属またはその化合物は、共重合体と何らかの反応が生じ、金属錯体の形式をとっているものと推測される。
新規なビニルアミン系共重合体中、アミノ基とアルコール基の合計に対して、金属は、通常 0.1〜100モル%存在している。
上記の共重合体は、通常、N−ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミドとカルボン酸ビニルエステルとの共重合体を加水分解することによって得られる。原料の入手の容易さと加水分解の容易さの観点から、N−ビニルホルムアミドと酢酸ビニルとの共重合体を加水分解するのが好ましい。
共重合方法としては、公知の塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法によって行うことができる。反応の制御の容易さを考えると、溶液重合、懸濁重合、乳化重合が好ましい。重合反応は一般的に不活性ガス気流下、通常30〜100℃の温度条件下で行われる。溶媒としては、通常メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が好ましく用いられる。アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類, テトラヒドロフラン, 1,4-ジオキサン等の環状エーテル類も条件によっては可能である。なお、油中水滴型のエマルジョンを形成し、エマルジョン重合ないし懸濁重合を行ってもよい。
本発明の共重合体は、重合体の性質を損なわない範囲で、更に1種または2種以上の他の単量体を共重合させることができる。例えば(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルエステル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、スルホアルキル(メタ)アクリルアミド、スルホアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルスルホン酸、及びその塩等のアニオン性単量体、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン及びその塩または第4級アンモニウム化物等のカチオン性単量体が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
加水分解は、酸性加水分解、塩基性加水分解のいずれの方法でもよい。
酸性加水分解に使用される変性剤としては、強酸性に作用する化合物いずれも使用される。例えば、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、等が挙げられるが、加水分解物の水に対する溶解性の点で1価の酸が好ましい。
塩基性加水分解に使用される変性剤としては、強塩基性に作用する化合物いずれも使用される。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、等が例示される。
変性剤の使用量は、N−ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミド部分の重合体中のホルミル基及びカルボン酸ビニルエステル部分のエステル基の合計に対して、通常0.05〜5倍モルの範囲で目的の変性率に応じて適宜使用される。反応温度は通常50〜110℃の範囲で、反応時間は通常1〜8時間の範囲で実施される。
必要に応じて、加水分解はカルボン酸ビニルエステル部分、それに引き続くN−ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミド部分の2段階で行うこともできる。このような方法は、特公平6-51741号公報に例示されている。このようにして目的とするビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体が得られる。
続いて、本発明の吸収剤、及び抗菌剤について述べる。本発明の吸収剤、及び抗菌剤は、ビニルアミン系共重合体を含有するものである。特に、ビニルアミン系共重合体が、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させて得られたものが、アンモニア、硫化水素、及び、アルデヒド系化合物等、種々の物質の吸収性に優れ、且つ抗菌性に優れるので好ましい。
この様なビニルアミン系共重合体は、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、エアゾールヘアスプレー、ポンプ式ヘアスプレー、ヘアフォーム、ジェル、ヘアクリーム等の毛髪化粧料や制汗剤等の身体用消臭剤、抗菌剤の他、建材の基材や衣料等に配合または塗布して用いることが出来る。
本発明の吸収剤、抗菌剤において用いるビニルアミン系共重合体は、通常1〜20重量%の溶液、好ましくは5〜15重量%の溶液の形で使用する。重合体溶液の濃度が1重量%以下では、塗布の用途に使用する場合には効率が低下する場合があり、また20重量%以上では溶液の粘度が高く、塗布適性が低下する場合がある。
また建材に使用する場合には、通常、建材の基材の片面、若しくは両面に塗工し、乾燥する。また建材が多層に渡る場合、その間の層に上記の溶液を塗布してもよく、また基材中に配合してもよい。建材の基材がパーティクルボードやMDFである場合は、接着剤中に直接、本発明の吸収剤、抗菌剤やこれらを含む添加剤を混ぜ込んでもよい。接着剤中に本発明の吸収剤、抗菌剤を混ぜ込んだ場合、接着剤中の未反応のアルデヒド化合物と本発明の吸収剤、抗菌剤に含まれるビニルアミン系共重合体が接着剤中で反応するので、その結果、建材の機械的強度、例えば、はく離強さ、曲げ強さ等が向上するという副次的効果が予想される。アルデヒド系化合物を建材の外部に漏らさない為には、建材の基材の表面に重合体水溶液を塗工する方法が好ましい。
以下に実施例を示し、本発明をより更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<ポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体1の製造例>
・重合
攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた2lの4つ口フラスコに脱塩水642g、分散安定剤としてラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(花王(株)、商品名:アンヒトール20BS)4.48g、ポリエチレングリコール(分子量20000)4.48g、ピロリン酸ソーダ1.48g、N−ビニルホルムアミド7.9g、酢酸ビニル38.3g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)、商品名:V−65)0.098gを加え攪拌下65℃に加温した。白濁が始まると共にN−ビニルホルムアミド71.1g、酢酸ビニル344.4gの混合物、およびV−65 0.88gの5%アルコール溶液を3時間かけて滴下した。さらに75℃2時間攪拌後N,N’−アゾビスイソブチロニトリルの5%メタノール溶液4g及び脱塩水270gを加えさらに3時間攪拌後、さらにN,N’−アゾビスイソブチロニトリルの5%メタノール溶液4gを添加し98℃で1時間攪拌し、白色ペースト状物を得た。液体クロマトグラフィーにより転化率を測定したところ、N−ビニルホルムアミドが99.6%、酢酸ビニルが99.4%であった。
・加水分解
白色ペースト状重合体組成物1050gに硫酸ヒドロキシルアミン30%水溶液16.45gを添加し、60℃で2時間攪拌した。続いて急速攪拌下苛性ソーダ48%水溶液367.4gを20℃1時間かけて添加し75℃で6時間攪拌、続いて80℃で2時間攪拌した。反応物は白色スラリー状となった。反応後、冷却しスラリー状反応物を得た。グラスフィルターを用いて濾過し、粗ポリビニルアミン−ポリビニルアルコール重合体を得た。
・重合体の精製
粗ポリビニルアミン-ポリビニルアルコール共重合体を、メタノール1800gを用いて洗浄し、乾燥御白色重合体粉末223gを得た。収率は93%であった。さらにNMRにより分析した結果、酢酸ビニル単位、ビニルホルムアミド単位とも95%以上加水分解していることが確認された。コロイド滴定法により求めた重合体のカチオン当量は4.7meq/g、4%水溶液の粘度は26.2mPa・sであった。カチオン当量から計算するとこの重合体はビニルアミン単位を約20mol%含有する。こうして得られた重合体を共重合体1として用いた。
<ポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体2及び3の製造例>
上記ポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体1の製造方法において、N−ビニルホルムアミド及び酢酸ビニルの仕込み量を下記表1に記載の量に変更した以外は、同様にしてポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体2及び3を製造した。尚、液体クロマトグラフィーにより転化率を測定したところ、いずれの共重合体も、N−ビニルホルムアミドが99.6%、酢酸ビニルが99.4%であった。
Figure 2004315792
<ポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体の製造例4>
<ビニルアルコール−N−ビニルホルムアミド共重合体の合成>還流冷却管、窒素導入口、滴下ロートを装備した四つ口フラスコ内を窒素置換した後、メタノール317g、酢酸ビニル(日本合成化学工業製)952gを仕込み、さらに窒素置換を行った。系中に50mL/分の流量で窒素を流しながら、撹拌を行い、加熱を開始し、系の温度が58℃となったらメタノール50gに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル(和光純薬製V−65))1.1gを溶解したものを加えた。それに伴い、N−ビニルホルムアミド(三菱化学製)128gとメタノール424gの混合物を4.5時間かけて徐々に滴下した。その間メタノール280gとV−65 5.7gの混合物を5回に分けて添加して総計10時間重合を行った。その後、フラスコと還流冷却管との間にH字型脱水管を挿入して還流を続け、抜き出した液と同重量のメタノールを系内に添加することにより、未反応の酢酸ビニルを重合体溶液から除去した。このようにして得られた、重合体溶液に19gの水酸化カリウムを198gのメタノールに溶解したものを徐々に加えて、1時間加熱を続けたところ、加水分解が進行するに従いポリマーが析出して系はスラリー状となった。室温に戻し、生成したポリマーの濾過を行い得られた固体を1853gのメタノールで1回洗浄し、さらに1523gの2−プロパノールで2回洗浄を行った。懸濁液の上澄みのガスクロマトグラフィー測定を行ったところ、メタノールは検出されなかった。この後、得られた重合体を60℃で8時間真空乾燥して、ビニルアルコール−N−ビニルホルムアミド共重合体粉末を得た。
このようにして得られたビニルアルコール−N−ビニルホルムアミド共重合体粉末30gを、還流冷却管、窒素導入口を備えた四つ口フラスコに、12.5gの水、173.6gの2−プロパノールに7.38gの水酸化カリウムを溶解した溶液に懸濁させ、窒素置換を行った。その後、撹拌を加えながら、系が還流するまで加熱を行い、4時間反応を行った。系は懸濁状態のままで反応は進行し、反応終了後室温に戻した後、固形分を濾別した。固形分はメタノールで充分に洗浄し、60℃に保った真空乾燥機で8時間乾燥して目的のアミン含有共重合体を得た。収率は86.8%であった。
得られた共重合体を重水に溶解させて 1H−NMRを測定し、ホルミル基由来のプロトンよりNVFセグメントの加水分解率を測定したところ、この時のホルムアミド部分の加水分解反応率は98.0%であった。こうして得られた共重合体を共重合体4として用いた。
<共重合体5の製造例>
共重合体4の製造途中で得られたビニルアルコール−N−ビニルホルムアミド共重合体粉末を共重合体5とした。
表2に、共重合体1〜5の性質を纏める。尚、カチオン当量は、コロイド滴定法にてポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルーをそれぞれ滴定剤、指示薬としてとして求め、4%水溶液粘度はB型粘度計で測定して求め、アミノ基含有量は、1H−NMRにおけるヒドロキシル基及びアミノ基の付け根のメチンプロトン(それぞれδ4及び3付近)の面積比から求めた。
Figure 2004315792
実施例1〜12(消臭試験)
水30ml中に、上記にて製造された各ポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体を1g添加し、60℃で攪拌しながら溶解させ、これをそのまま、またはZnCl2を0.01g、0.03g、0.07g及び0.1g添加し、再び攪拌し溶解させたものを透析チューブによって二日間透析して、各共重合体溶液を得た。
<消臭試験方法>
各共重合体溶液10mlを蒸留水で希釈して500mlとし、希釈溶液を得た。濾紙をこの希釈溶液50mlに30分間浸漬させ、それを日陰で24時間天日干しして、試験片を作成した。該試験片をテドラーパック内に置き、テドラーパック内に30ppmのアンモニア、硫化水素、ホルムアルデヒドを入れて、1時間後の濃度を検知管により調べた。結果を表3〜5に示す。
比較例1〜3(消臭試験)
未処理濾紙をテドラーパック内に置き、その他は実施例1と同様にして消臭試験を行った。結果を表3〜5に示す。
Figure 2004315792
Figure 2004315792
Figure 2004315792
表3〜5に記載した通り、いずれのビニルアミン系共重合体、及びビニルアミン系共重合体と金属化合物との反応物を用いても、未加工の濾紙に比べてガス濃度が低下しており、消臭効果が高いことが明白である。
実施例13〜17(抗菌試験)
水30ml中に、上記にて製造された各ポリビニルアミン/ポリビニルアルコール共重合体1を1g添加し、60℃で攪拌しながら溶解させ、これをそのまま、もしくは硝酸銀(AgNO3)または塩化亜鉛(ZnCl2)を0.1g添加し、再び攪拌しながら溶解させたものを透析チューブによって二日間透析して、各共重合体溶液を得た。
<抗菌試験方法>
綿製布に各共重合体溶液を染み込ませ、JIS L 1902に準拠し抗菌試験統一試験法を3週間行った。試験終了時(試験開始から3週間後)の菌数を測定した。結果を表6に示す。尚、表6における菌数の初期値とは試験開始時の菌数(植菌数)を意味する。
比較例4(抗菌試験)
ビニルアミン系共重合体として共重合体5を用いた他は実施例1と同様に抗菌試験を行った。結果を表6に示す。
比較例5(抗菌試験)
未処理の布を用いた他は、実施例1と同様に抗菌試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2004315792
表6に記載した通り、いずれのビニルアミン系共重合体、及びビニルアミン系共重合体と金属化合物との反応物を用いても、未加工の布に比べて菌数が低下しており、抗菌効果が高いことが明白である。例えば比較例4に示す様に、アミノ基を持たない共重合体5に硝酸銀を反応させてえられた共重合体を用いても、本発明の抗菌剤に比べて抗菌効果が低いことは明白である。
本発明の新規なビニルアミン系共重合体、及びビニルアミン系共重合体吸収剤及び抗菌剤は、アンモニア、硫化水素、及び、アルデヒド系化合物等の種々の物質の吸収性に優れ、且つ各種微生物に対する抗菌性にも優れているので、洗浄剤、化粧料等の各種身体用吸収剤及び抗菌剤として、また建材用、衣料用吸収剤及び抗菌剤として優れた効果を奏する。

Claims (7)

  1. ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体であって、該共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属またはその化合物を反応させてなるビニルアミン系共重合体。
  2. 該金属が、銀又は亜鉛であることを特徴とする、請求項1に記載の重合体。
  3. ビニルアミン構造単位を0.1〜60モル%、ビニルアルコール構造単位を重合体中に99.9〜40モル%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の重合体。
  4. ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有するビニルアミン系共重合体を含む消臭剤。
  5. ビニルアミン系共重合体が、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属又はその化合物を反応させて得られたものであることを特徴とする請求項4に記載の消臭剤。
  6. ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有するビニルアミン系共重合体を含む抗菌剤。
  7. ビニルアミン系共重合体が、ビニルアミン及びビニルアルコールを構造単位として有する共重合体と第8族〜第12族の金属、及び、カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属又はその化合物を反応させて得られたものであることを特徴とする請求項6に記載の抗菌剤。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011036459A (ja) * 2009-08-12 2011-02-24 Nitto Boseki Co Ltd 液状脱臭剤
JP2012077099A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Daiyanitorikkusu Kk ポリビニルアミン又はポリアミジンの製造方法
JP2012513997A (ja) * 2008-12-29 2012-06-21 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ビニルアミン−ビニルアルコールコポリマーの誘導体化により得られる、表面コーティングのための抗菌コポリマー
US20140017190A1 (en) * 2012-07-16 2014-01-16 The Procter & Gamble Company Deodorant Methods

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