JP2004313370A - 血液透析装置用表示・設定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】装置使用者に応じた操作が可能な、実際の使用に極めて便利な血液透析装置用表示・設定システムを提供する。
【解決手段】血液透析装置において表示が要求される情報または/および設定が要求される条件を表示・設定可能な画面を有し、該画面上に表示すべき情報または/および条件を、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能に構成されていることを特徴とする血液透析装置用表示・設定システム。
【選択図】 図4
【解決手段】血液透析装置において表示が要求される情報または/および設定が要求される条件を表示・設定可能な画面を有し、該画面上に表示すべき情報または/および条件を、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能に構成されていることを特徴とする血液透析装置用表示・設定システム。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液透析装置用表示・設定システムに関し、とくに、血液透析のための各工程における状態を、システム使用者の都合に合わせて適切に監視、設定できるようにするための表示・設定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
血液透析装置は、既に知られ、広く実用化されており、その代表的なものとして、たとえば図9に示すような本出願人により製造、販売されている装置が知られている。図9に示す血液透析装置1において、2は血液流路2aと透析液流路2bとの間に透析膜2cを有し、両流路2a、2b間で血液透析を行う血液透析要素(ダイアライザとも呼ばれる)を示している。血液流路2aには、患者の動脈6からの血液が血液回路7中に設けられた定量ポンプからなる血液ポンプ8を介して供給され、透析済の血液が静脈9に戻される。
【0003】
血液回路7には,シリンジポンプ3により血液の凝固作用を防ぐために、必要に応じてヘリパン等の抗凝固剤を微量注入可能となっている。また、血液透析要素2の前後には、動脈側の圧力を検知する動脈圧センサー4aと静脈側の圧力を検知する静脈圧センサー4bが設けられている。とくに、静脈圧センサー4bは、患者の突刺部の異常や送血回路部の異常等を検知可能な監視計として機能する。さらに、この静脈側の血液回路7には,気泡検知器5aが設けられており、体内への空気の誤入を防止するための監視計として機能し、気泡検知時には血液ポンプ8が停止されるとともに、クランプ5bを閉じることにより、気泡の体内への流入が瞬時に阻止できるようになっている。
【0004】
上記血液透析要素2の透析液流路2bには、実質的に閉回路からなる透析液循環路10が接続され、連通されている。透析液循環路10に設けられた循環ポンプ11により、透析液循環路10の透析液往路10aから透析前の透析液が透析液流路2bに供給され、透析済の透析液が透析液復路10bにより戻される。この透析液循環路10は、上述の如く実質的に閉回路に構成されているが、この閉回路から後述の除水ポンプにより定量的に少量の透析液が排出されるので、それに見合う少量の水分が血液中から透析膜2cを通して患者の血液中から透析液循環路10中に抜き取られることになる。
【0005】
透析液循環路10の往路10aには、透析液供給・受入要素12aの透析液供給室13aが接続され、ここから往路10aに透析前の透析液が供給される。透析液循環路10の復路10bには、透析液供給・受入要素12aの透析液受入室14aが接続され、透析済の透析液がここに戻される。透析液供給室13aと透析液受入室14aとは弾性膜15aによって隔離されており、透析液供給により透析液供給室13aが縮小した分、透析液受入室14aが膨張できるようになっている。
【0006】
上記透析液供給・受入要素12aに加え、もう一つの透析液供給・受入要素12bが設けられており、該透析液供給・受入要素12bも同一の構成を有し、透析液供給室13b、透析液受入室14b、弾性膜15bを有している。
【0007】
透析液循環路10の透析液供給・受入要素12a、12bの入出口には、往路10a側に開閉弁(二方弁)からなる切替弁16a、16bが、復路10b側に開閉弁(二方弁)からなる切替弁17a、17bが、それぞれ設けられており、これら切替弁による切り替えにより、透析のために各透析液供給・受入要素を交互に切り替え使用できるようになっている。
【0008】
切り替え使用される透析液供給・受入要素12a、12bのうちいずれか一方は透析のために使用されて透析液循環路10と連通されるが、他方は、透析液循環路10と遮断され、その間に新しい未使用の透析液が供給されるとともに使用済みの透析液が排出される。
【0009】
新しい未使用の透析液の供給は、透析休止中の透析液供給・受入要素の透析液供給室に対し、切替弁18a、18bを備えた透析液供給経路19を通して行われ、使用済みの透析液の排出は、透析休止中の透析液供給・受入要素の透析液受入室に対し、切替弁20a、20bを備えた使用済透析液排出経路21を通して行われる。
【0010】
透析液循環路10の復路10bには、除水経路22が接続されており、除水経路22に設けられた定量ポンプからなる除水ポンプ23により、定量的に少量の透析液が排出される。透析液循環路10は実質的に閉回路からなっているので、排出された透析液に見合う少量の水分が血液中から透析膜2cを通して患者の血液中から透析液循環路10中に抜き取られることになり、抜き取られた水分と同量の、該水分を含有する透析液が除水経路22を介して排出されることになる。この除水経路22は、上述の使用済透析液排出経路21へと合流されており、抜き取られた水分を含有する透析液が適当な場所へと排出されるようになっている。
【0011】
透析液循環路10の血液透析要素2の入出口には開閉弁24、25が設けられており、血液透析要素2の交換や洗浄の際に入出口を遮断できるようになっている。透析液循環路10の往路10aには、透析液の流量を調整する流量調整弁26、流量を検知する流量計27、透析液の濃度を検知する濃度計28a、透析液の温度を検知する温度センサー28bが設けられており、所定の条件に設定して透析液を供給できるようになっている。透析液循環路10の往路10aと復路10bとの間はバイパス弁29を備えたバイパス路30で接続されており、通常時にはバイパス弁29は閉じられているが、透析液循環路10の洗浄時や血液透析要素2の交換時等に、必要に応じてバイパス弁29を開としてバイパス路30を開くことができるようになっている。
【0012】
また、透析液循環路10の復路10bに設けられた循環ポンプ11の運転により、とくにその上流側は陰圧となるが、この透析液圧を透析液圧センサー31aで検出できるようになっている。また、循環ポンプ11のバイパス路には、リリーフ弁31cを介して漏血センサー31bが設けられており、血液透析要素2から透析液側に漏れた血液を光学的な方法(ダイオード、赤外線等)で検知し、異常時には血液ポンプ8を停止させ血液回路7を遮断するとともに警報等で知らせることができるようになっている。また、循環ポンプ11の下流側には、気泡分離器32が設けられており、透析液循環路10からエア抜きできるようになっている。この気泡分離器32のエア抜きライン33も、大気放出弁34を介して、前述の使用済透析液排出経路21に合流されている。
【0013】
さらに、透析液循環路10の復路10bには、陰圧開放弁35を備えた分岐路36が接続されており、分岐路36の他端は使用済透析液排出経路21に合流されている。必要に応じてこの陰圧開放弁35を開くことにより、気泡分離器32により追い出した気泡分、復路10b内が過陰圧となることを防ぐことができるよう、使用済透析液排出経路21から透析液を補充できるようになっている。
【0014】
なお、透析液供給経路19には、フィルター37、圧力スイッチ38、減圧弁39、遮断弁40、脱気ポンプ41、ヒーター42、温度センサー43、脱気槽44が設けられており、これら機器によって適切な条件に整えられた透析液が待機中の透析液供給・受入要素12aまたは12bの透析液供給室13aまたは13bに供給されるようになっている。脱気槽44からのエア抜きライン45も前述の使用済透析液排出経路21に合流されている。
【0015】
このように構成された血液透析装置1においては、各種操作スイッチ類とともに、通常、各工程における状態を表示、監視するためのモニター装置が設けられている。モニター装置では、たとえば、現在の工程やその状態が分かるように必要な事項が表示されるようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
病院等において血液透析を行う場合、必ず表示が要求される事項については、上記のようなモニター装置にそれらの事項が常時表示可能とされるが、その都度知りたい情報を表示させることや、設定等を変更したい場合等、上記のようなモニター装置は必ずしもこれら要求に沿った構成にはなっていない。とくに、医師や看護士、技士等の装置使用者によって知りたい情報や設定等を変更したい事項が異なるとき、あるいは、モニター装置に表示させようとする事項や表示させたい順序が異なるとき、従来のモニター装置は必ずしもこのような要求に沿った構成にはなっていない。このような要求が満たされれば、装置使用者にとって極めて便利であるばかりか、血液透析をより効率よく行うことが可能になる。
【0017】
そこで本発明の課題は、上記のような要求を満たすべく、装置使用者に応じた操作が可能な、実際の使用に極めて便利な血液透析装置用表示・設定システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムは、血液透析装置において表示が要求される情報または/および設定が要求される条件を表示・設定可能な画面を有し、該画面上に表示すべき情報または/および条件を、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能に構成されていることを特徴とするものからなる。
【0019】
画面上に表示すべき情報または/および条件は、たとえば、各フォルダに収納されており、画面上に表示すべきフォルダを、システム使用者ごとに、画面上にアイコン設定可能になっていることが好ましい。また、画面上に表示すべき情報または/および条件が各フォルダに収納されており、各フォルダにおける情報または/および条件がシステム使用者ごとに設定可能となっていることが好ましい。このような構成により、画面上に表示すべき情報や条件を、容易にシステム使用者ごとに選択することができ、かつ、設定や設定変更操作を行いたい場合にも、容易にシステム使用者ごとに操作することが可能になる。
【0020】
また、画面上に表示されたフォルダの表示内容から、その表示内容の中の特定の項目へのショートカット表示が可能に構成されていることが好ましい。このようなショートカット機能を持たせれば、知りたい情報を効率よく迅速に知ることができるとともに、設定や設定変更操作も短時間で効率よく行うことができるようになる。
【0021】
このようなシステム使用者ごとのシステム操作においては、システム使用者ごとに表示すべき必要な事項や表示順序等が異なってもよく、その使用者にとって最も便利で効率のよい方法に選択、設定できる。つまり、設定された表示方法は、個々のシステム使用者ごとの固有の方法として扱うことが可能になる。したがって、一旦設定された表示方法を変更する場合には、その表示方法を設定した特定のシステム使用者が関わる必要があるので、システム使用者ごとのパスワード入力により、設定変更が可能に構成されていることが好ましい。
【0022】
また、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムにおける上記画面としては、たとえば、血液透析に関して実質的に常時表示を要求される情報を表示するメイン情報エリアと、必要に応じて表示が要求されるサブ情報エリアとを有する構成とすることができる。このうちメイン情報エリアについては、システム使用者に関わらず、必ず所定の情報を表示する構成とすることができ、サブ情報エリアについては、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能なエリアに設定することができる。ただし、後述の実施態様に示すように、システム使用者ごとに選択された事項を画面に表示させる場合には、ウインドウ形式で画面上の適当な大きさの領域にわたって(たとえば、画面の半分程度の領域、あるいは画面全体にわたって)、表示できるようにすることが好ましい。
【0023】
また、サブ情報エリア自体についても、画面上に表示される際、必要に応じて意図的に拡大表示可能に構成されていることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムにおける上記画面は、表示のみならず、画面上で操作もできるようにしておくと便利である。たとえば、画面が、タッチパネルに構成されており、該タッチパネルの操作により(つまり、画面上で直接)、少なくとも、画面に表示すべき項目の設定、変更、および該表示項目の設定値の変更が可能に構成されていることが好ましい。
【0025】
本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムが適用される血液透析装置自体としてはとくに限定されないが、たとえば前述の図9に示したような血液透析装置を用いることができる。すなわち、血液透析装置として、血液流路と透析液流路との間に透析膜を有する血液透析要素と、実質的に閉回路からなり、前記血液透析要素の透析液流路に連通する透析液循環路と、該透析液循環路の前記透析液流路への透析液往路に接続された透析液供給室と透析液循環路の前記透析液流路からの透析液復路に接続された透析液受入室とを有する、透析液循環路に設けられた切替弁を介して交互に透析のために切り替え使用が可能な少なくとも2つの透析液供給・受入要素と、前記透析液循環路に設けられた循環ポンプと、各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に交互に未使用透析液を供給する透析液供給経路と、各透析液供給・受入要素の各透析液受入室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液受入室から交互に使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路と、前記透析液循環路の前記透析液復路に接続され、該透析液復路から除水可能な除水ポンプを備えた除水経路とを有する血液透析装置からなるものである。
【0026】
上記のような本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムにおいては、システム使用者ごとに画面に表示すべき情報を設定でき、また、条件設定や条件変更に対してもそれを画面上で行うに際しシステム使用者ごとに画面に表示させることができる。したがって、装置使用者に応じてシステム操作方法を、最も便利で効率のよい方法に設定することができ、現場での実際の使用に極めて便利なシステムを実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る表示・設定システムを含む血液透析装置全体の外観を示している。血液透析装置自体の機器系統は、図9に示したものと実質的に同じである。図1に示す、表示・設定システムを含む血液透析装置51においては、その正面に、前述のシリンジポンプ3、血液ポンプ8、気泡検知器5a、クランプ5bが設けられており、血液透析要素2への透析液循環路10の往路10aへの接続口52と血液透析要素2からの復路10bへの接続口53が配置されている。また、側面にはアーム54が取り付けられており、このアーム54に取り付けられたホルダ55に、血液透析要素2(ダイアライザ)が交換可能に保持されるようになっている。頂面には、支柱56が立設されており、この支柱56に、現在動作中の工程を工程ごとに異なる色で表示可能な表示ランプ57(LED等からなるパトロールランプ)と、生理食塩液等を架けるトップハンガ58と鉗子等を架ける中間ハンガ59が設けられている。そして、この装置51に正面上部には、操作パネル60が設けられており、この中に、血液透析装置における各工程の内容を表示したり、設定値を変更することが可能な画面61が設けられている。画面61は、本実施態様では液晶表示画面からなり、タッチパネルに構成されて、各種表示に加え、画面タッチにより各種入力、設定、設定変更、さらには特定の運転操作まで可能となっている。操作パネル60の画面61以外の領域には、装置運転に必要な各種スイッチ62が配置されている。
【0028】
上記画面61は、本実施態様では、図2(A)に示すように、血液透析に関して実質的に常時表示を要求される情報を表示するメイン情報エリア63と、必要に応じて表示が要求されるサブ情報エリア64とに区画されている。また、図2(B)に実際の表示例を示すように、メイン情報エリア63およびその上部には、現在の工程の表示、警報や注意事項、年月日、除水経過時刻(たとえば、除水残時間)、目標除水量、除水速度、除水経過(たとえば、目標除水量に対して減算した量表示による経過)、静脈圧、透析液圧、TMP、透析液の濃度や温度、シリンジ流量、血液流量等が表示され、表示される文字や数値の大きさが重要度に応じて相対的に大小に設定可能となっている。なお、上記TMPとは、血液透析要素2における膜間圧力差で、透析膜(たとえば、中空糸膜)2cの血液側と透析液側との圧力差を表しており、血液入口側圧力、血液出口側圧力、透析液入口側圧力、透析液出口側圧力から演算される。TMPは、血液透析要素2の性能の指標として用いられている。
【0029】
画面61はタッチパネルに構成されているので、上記表示値のうち、少なくとも目標除水量や除水速度、シリンジ流量、血液流量等は、それらの表示部をタッチし、設定画面を表示させることにより、それぞれの設定値を変更できるようになっている。また、後述の如く、サブ情報エリア64から特定のフォルダを選んで画面上にウインドウ形式で開き、その中においても各種設定値を変更できるようになっている。
【0030】
サブ情報エリア64の下部には、タブエリア65が設けられており、ここに、たとえば、メニュースイッチタブ66、各種操作スイッチ類の一覧を表示させるスイッチタブ67、この装置全体を操作する使用者ごとに設定値や表示の仕方を設定可能な使用者選択スイッチタブ68が設けられている。メニュースイッチタブ66にタッチすると、たとえば図3に示すように、予め設定されているフォルダ69の一覧と選択されたフォルダ内のタブ70とが表示され、その一覧の中から選択することにより、各種の設定や設定変更に必要な画面がウインドウ形式で表示できるようになっている。表示させた必要画面中での操作により、実際の各種設定や設定変更が可能である。また、設定範囲を外れて異常状態になったときに発する警報の種類や、特定の処理終了時に発するメロディ音の選択も可能になっている。
【0031】
本実施態様では、図4に示すように、上記サブ情報エリア64に、たとえば図3に示したような各種フォルダを選択してアイコン71の形態で表示できるようになっている。この表示すべきアイコン71については、システム使用者ごとに設定することができるようになっている。表示すべきアイコン71は、メニュースイッチタブ66からのフォルダ内から選択できるとともに、スイッチタブ67からのフォルダ内からも選択でき、さらには使用者選択スイッチタブ68からのフォルダ内からも選択できるようになっている。表示されたアイコンをタッチすることにより、該アイコンに対応するフォルダ内のメニュー(フォルダ内タブ70)を、たとえば拡大された形態で表示できるようになっている。スイッチタブ67からのフォルダ内から選択されたアイコンの場合には、そのアイコンに対応するフォルダ内メニューを開くことにより、操作条件、タイミングや設定値の変更等まで可能となっている。
【0032】
メニュースイッチタブ66からのアイコンとしては、たとえば図5に示すようなアイコンが予め入力されており、各アイコンと各フォルダおよびフォルダ内メニュー(フォルダ内タブ70)はたとえば図5のように対応している。
【0033】
サブ情報エリア64へのアイコンの登録(表示)は、たとえば図6に示すように行われる。たとえば、メニュースイッチタブ66にタッチしてメニュー中から初期設定画面を呼び出し、次いでサブ画面1にタッチしフォルダ登録にタッチしてフォルダ登録画面72を表示させる。このフォルダ登録画面72では、看護士や技士等の使用者に応じて、サブ情報エリア64に表示すべきアイコンの登録、または解除を行うことができるようになっている。図6に示すように、看護士に設定フォルダを登録して、「設定」フォルダについて「登録」を選択すると、その看護士について、サブ情報エリア64に「設定」のアイコン71が表示(登録)される。このような操作を、システム使用者ごとに、フォルダごとに行うことにより、サブ情報エリア64に表示したいアイコンが使用者ごとに登録され、その使用者は、自分で設定したアイコンの操作により、効率よく必要な表示、操作、設定等を行うことができるようになる。
【0034】
また、本実施態様では、図7に示すように、初期設定画面においてサブ画面2にタッチし各フォルダ内に入力設定されている、より具体的な操作、設定、表示項目を表示させることができる。そして、この具体的な表示項目73の中の特定の項目を選択し、それをショートカット用アイコン74としてサブ情報エリア64に登録(表示)することができるようになっている。図示例では、「設定」フォルダ中の「圧力設定」がショートカット用アイコン74として登録されている。このショートカット用アイコン74についても、使用者ごとに選択、設定が可能となっている。このようにショートカット用アイコン74を登録設定しておくと、フォルダを開くまでの所定の操作手順を経ることなく、いきなり目的とするアイコンに対応する項目の内容をウインドウ形式で開いて表示させることが可能になるので、使用者にとって頻繁に開く必要がある項目等については、このようなショートカット機能は効率のよい操作を可能にするものであり、実際の使用においては極めて便利な機能となる。
【0035】
このように、画面上で各種の条件表示や、運転条件設定やその設定変更のための表示や表示順序が、システム使用者ごとに選択的に設定可能となっているので、その設定変更は、設定者あるいはその設定者の許可を受けた者以外にはできないようにしておく必要がある。そのため、本実施態様では、パスワード機能が設けられており、図8に示すように、たとえば「初期設定」のフォルダ内において設定された条件等を変更する場合には、「パスワード入力」表示75において、設定者のパスワードと一致するパスワードを入力しなければ、変更できないようになっている。これによって、使用者ごとに入力設定された画面表示方法が保証され、ひいては、その使用者がシステムや血液透析を操作する際の安全性、信頼性が保証される。
【0036】
このように上記本実施態様に係る血液透析装置用表示・設定システムにおいては、画面に表示すべきそのときの状態に関する情報、運転条件や透析条件の設定のために画面に表示すべき項目等を、システム使用者ごとに選択的に設定、表示させることができるので、現場で実際の使用する際には、使用者にとって最も便利で効率のよい操作方法が使用者ごとに画面設定できることになる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムによれば、使用者ごとに最も便利で効率のよい操作方法を画面に表示できるようになり、それによって迅速で効率のよい血液透析装置の操作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るシステムを適用した血液透析装置の正面図である。
【図2】図1の装置の画面部の拡大正面図である。
【図3】図1の装置にフォルダ表示させた場合の画面の拡大正面図である。
【図4】図1の装置にアイコンを登録した場合の画面の拡大正面図である。
【図5】アイコンの種類の例を示す説明図である。
【図6】アイコン登録の例を示す図1の装置の画面の拡大正面図である。
【図7】ショートカット用アイコン登録の例を示す図1の装置の画面の拡大正面図である。
【図8】パスワード入力の例を示す図1の装置の画面の拡大正面図である。
【図9】本発明に係るシステムが適用可能な血液透析装置の一例を示す機器系統図である。
【符号の説明】
1 血液透析装置
2 血液透析要素
2a 血液流路
2b 透析液流路
2c 透析膜
3 シリンジポンプ
4a 動脈圧センサー
4b 静脈圧センサー
5a 気泡検知器
5b クランプ
6 動脈
7 血液回路
8 血液ポンプ
9 静脈
10 透析液循環路
10a 透析液往路
10b 透析液復路
11 循環ポンプ
12a、12b 透析液供給・受入要素
13a、13b 透析液供給室
14a、14b 透析液受入室
15a、15b 弾性膜
16a、16b、17a、17b、18a、18b 切替弁
19 透析液供給経路
20a、20b 切替弁
21 使用済透析液排出経路
22 除水経路
23 除水ポンプ
24、25 開閉弁
26 流量調整弁
27 流量計
28a 濃度センサー
28b 温度センサー
29 バイパス弁
30 バイパス路
31a 透析液圧センサー
31b 漏血センサー
31c リリーフ弁
32 気泡分離器
33 エア抜きライン
34 大気放出弁
35 陰圧開放弁
36 分岐路
37 フィルター
38 圧力スイッチ
39 減圧弁
40 遮断弁
41 脱気ポンプ
42 ヒーター
43 温度センサー
44 脱気槽
45 エア抜きライン
51 表示・設定システムを含む血液透析装置
52 透析液循環路の往路への接続口
53 透析液循環路の復路への接続口
54 アーム
55 血液透析要素保持用のホルダ
56 支柱
57 表示ランプ
58 トップハンガ
59 中間ハンガ
60 操作パネル
61 画面
62 各種スイッチ
63 メイン情報エリア
64 サブ情報エリア
65 タブエリア
66 メニュースイッチタブ
67 スイッチタブ
68 使用者選択スイッチタブ
69 フォルダ
70 フォルダ内のタブ
71 アイコン
72 フォルダ登録画面
73 フォルダ内の具体的な表示項目
74 ショートカット用アイコン
75 パスワード入力表示
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液透析装置用表示・設定システムに関し、とくに、血液透析のための各工程における状態を、システム使用者の都合に合わせて適切に監視、設定できるようにするための表示・設定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
血液透析装置は、既に知られ、広く実用化されており、その代表的なものとして、たとえば図9に示すような本出願人により製造、販売されている装置が知られている。図9に示す血液透析装置1において、2は血液流路2aと透析液流路2bとの間に透析膜2cを有し、両流路2a、2b間で血液透析を行う血液透析要素(ダイアライザとも呼ばれる)を示している。血液流路2aには、患者の動脈6からの血液が血液回路7中に設けられた定量ポンプからなる血液ポンプ8を介して供給され、透析済の血液が静脈9に戻される。
【0003】
血液回路7には,シリンジポンプ3により血液の凝固作用を防ぐために、必要に応じてヘリパン等の抗凝固剤を微量注入可能となっている。また、血液透析要素2の前後には、動脈側の圧力を検知する動脈圧センサー4aと静脈側の圧力を検知する静脈圧センサー4bが設けられている。とくに、静脈圧センサー4bは、患者の突刺部の異常や送血回路部の異常等を検知可能な監視計として機能する。さらに、この静脈側の血液回路7には,気泡検知器5aが設けられており、体内への空気の誤入を防止するための監視計として機能し、気泡検知時には血液ポンプ8が停止されるとともに、クランプ5bを閉じることにより、気泡の体内への流入が瞬時に阻止できるようになっている。
【0004】
上記血液透析要素2の透析液流路2bには、実質的に閉回路からなる透析液循環路10が接続され、連通されている。透析液循環路10に設けられた循環ポンプ11により、透析液循環路10の透析液往路10aから透析前の透析液が透析液流路2bに供給され、透析済の透析液が透析液復路10bにより戻される。この透析液循環路10は、上述の如く実質的に閉回路に構成されているが、この閉回路から後述の除水ポンプにより定量的に少量の透析液が排出されるので、それに見合う少量の水分が血液中から透析膜2cを通して患者の血液中から透析液循環路10中に抜き取られることになる。
【0005】
透析液循環路10の往路10aには、透析液供給・受入要素12aの透析液供給室13aが接続され、ここから往路10aに透析前の透析液が供給される。透析液循環路10の復路10bには、透析液供給・受入要素12aの透析液受入室14aが接続され、透析済の透析液がここに戻される。透析液供給室13aと透析液受入室14aとは弾性膜15aによって隔離されており、透析液供給により透析液供給室13aが縮小した分、透析液受入室14aが膨張できるようになっている。
【0006】
上記透析液供給・受入要素12aに加え、もう一つの透析液供給・受入要素12bが設けられており、該透析液供給・受入要素12bも同一の構成を有し、透析液供給室13b、透析液受入室14b、弾性膜15bを有している。
【0007】
透析液循環路10の透析液供給・受入要素12a、12bの入出口には、往路10a側に開閉弁(二方弁)からなる切替弁16a、16bが、復路10b側に開閉弁(二方弁)からなる切替弁17a、17bが、それぞれ設けられており、これら切替弁による切り替えにより、透析のために各透析液供給・受入要素を交互に切り替え使用できるようになっている。
【0008】
切り替え使用される透析液供給・受入要素12a、12bのうちいずれか一方は透析のために使用されて透析液循環路10と連通されるが、他方は、透析液循環路10と遮断され、その間に新しい未使用の透析液が供給されるとともに使用済みの透析液が排出される。
【0009】
新しい未使用の透析液の供給は、透析休止中の透析液供給・受入要素の透析液供給室に対し、切替弁18a、18bを備えた透析液供給経路19を通して行われ、使用済みの透析液の排出は、透析休止中の透析液供給・受入要素の透析液受入室に対し、切替弁20a、20bを備えた使用済透析液排出経路21を通して行われる。
【0010】
透析液循環路10の復路10bには、除水経路22が接続されており、除水経路22に設けられた定量ポンプからなる除水ポンプ23により、定量的に少量の透析液が排出される。透析液循環路10は実質的に閉回路からなっているので、排出された透析液に見合う少量の水分が血液中から透析膜2cを通して患者の血液中から透析液循環路10中に抜き取られることになり、抜き取られた水分と同量の、該水分を含有する透析液が除水経路22を介して排出されることになる。この除水経路22は、上述の使用済透析液排出経路21へと合流されており、抜き取られた水分を含有する透析液が適当な場所へと排出されるようになっている。
【0011】
透析液循環路10の血液透析要素2の入出口には開閉弁24、25が設けられており、血液透析要素2の交換や洗浄の際に入出口を遮断できるようになっている。透析液循環路10の往路10aには、透析液の流量を調整する流量調整弁26、流量を検知する流量計27、透析液の濃度を検知する濃度計28a、透析液の温度を検知する温度センサー28bが設けられており、所定の条件に設定して透析液を供給できるようになっている。透析液循環路10の往路10aと復路10bとの間はバイパス弁29を備えたバイパス路30で接続されており、通常時にはバイパス弁29は閉じられているが、透析液循環路10の洗浄時や血液透析要素2の交換時等に、必要に応じてバイパス弁29を開としてバイパス路30を開くことができるようになっている。
【0012】
また、透析液循環路10の復路10bに設けられた循環ポンプ11の運転により、とくにその上流側は陰圧となるが、この透析液圧を透析液圧センサー31aで検出できるようになっている。また、循環ポンプ11のバイパス路には、リリーフ弁31cを介して漏血センサー31bが設けられており、血液透析要素2から透析液側に漏れた血液を光学的な方法(ダイオード、赤外線等)で検知し、異常時には血液ポンプ8を停止させ血液回路7を遮断するとともに警報等で知らせることができるようになっている。また、循環ポンプ11の下流側には、気泡分離器32が設けられており、透析液循環路10からエア抜きできるようになっている。この気泡分離器32のエア抜きライン33も、大気放出弁34を介して、前述の使用済透析液排出経路21に合流されている。
【0013】
さらに、透析液循環路10の復路10bには、陰圧開放弁35を備えた分岐路36が接続されており、分岐路36の他端は使用済透析液排出経路21に合流されている。必要に応じてこの陰圧開放弁35を開くことにより、気泡分離器32により追い出した気泡分、復路10b内が過陰圧となることを防ぐことができるよう、使用済透析液排出経路21から透析液を補充できるようになっている。
【0014】
なお、透析液供給経路19には、フィルター37、圧力スイッチ38、減圧弁39、遮断弁40、脱気ポンプ41、ヒーター42、温度センサー43、脱気槽44が設けられており、これら機器によって適切な条件に整えられた透析液が待機中の透析液供給・受入要素12aまたは12bの透析液供給室13aまたは13bに供給されるようになっている。脱気槽44からのエア抜きライン45も前述の使用済透析液排出経路21に合流されている。
【0015】
このように構成された血液透析装置1においては、各種操作スイッチ類とともに、通常、各工程における状態を表示、監視するためのモニター装置が設けられている。モニター装置では、たとえば、現在の工程やその状態が分かるように必要な事項が表示されるようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
病院等において血液透析を行う場合、必ず表示が要求される事項については、上記のようなモニター装置にそれらの事項が常時表示可能とされるが、その都度知りたい情報を表示させることや、設定等を変更したい場合等、上記のようなモニター装置は必ずしもこれら要求に沿った構成にはなっていない。とくに、医師や看護士、技士等の装置使用者によって知りたい情報や設定等を変更したい事項が異なるとき、あるいは、モニター装置に表示させようとする事項や表示させたい順序が異なるとき、従来のモニター装置は必ずしもこのような要求に沿った構成にはなっていない。このような要求が満たされれば、装置使用者にとって極めて便利であるばかりか、血液透析をより効率よく行うことが可能になる。
【0017】
そこで本発明の課題は、上記のような要求を満たすべく、装置使用者に応じた操作が可能な、実際の使用に極めて便利な血液透析装置用表示・設定システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムは、血液透析装置において表示が要求される情報または/および設定が要求される条件を表示・設定可能な画面を有し、該画面上に表示すべき情報または/および条件を、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能に構成されていることを特徴とするものからなる。
【0019】
画面上に表示すべき情報または/および条件は、たとえば、各フォルダに収納されており、画面上に表示すべきフォルダを、システム使用者ごとに、画面上にアイコン設定可能になっていることが好ましい。また、画面上に表示すべき情報または/および条件が各フォルダに収納されており、各フォルダにおける情報または/および条件がシステム使用者ごとに設定可能となっていることが好ましい。このような構成により、画面上に表示すべき情報や条件を、容易にシステム使用者ごとに選択することができ、かつ、設定や設定変更操作を行いたい場合にも、容易にシステム使用者ごとに操作することが可能になる。
【0020】
また、画面上に表示されたフォルダの表示内容から、その表示内容の中の特定の項目へのショートカット表示が可能に構成されていることが好ましい。このようなショートカット機能を持たせれば、知りたい情報を効率よく迅速に知ることができるとともに、設定や設定変更操作も短時間で効率よく行うことができるようになる。
【0021】
このようなシステム使用者ごとのシステム操作においては、システム使用者ごとに表示すべき必要な事項や表示順序等が異なってもよく、その使用者にとって最も便利で効率のよい方法に選択、設定できる。つまり、設定された表示方法は、個々のシステム使用者ごとの固有の方法として扱うことが可能になる。したがって、一旦設定された表示方法を変更する場合には、その表示方法を設定した特定のシステム使用者が関わる必要があるので、システム使用者ごとのパスワード入力により、設定変更が可能に構成されていることが好ましい。
【0022】
また、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムにおける上記画面としては、たとえば、血液透析に関して実質的に常時表示を要求される情報を表示するメイン情報エリアと、必要に応じて表示が要求されるサブ情報エリアとを有する構成とすることができる。このうちメイン情報エリアについては、システム使用者に関わらず、必ず所定の情報を表示する構成とすることができ、サブ情報エリアについては、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能なエリアに設定することができる。ただし、後述の実施態様に示すように、システム使用者ごとに選択された事項を画面に表示させる場合には、ウインドウ形式で画面上の適当な大きさの領域にわたって(たとえば、画面の半分程度の領域、あるいは画面全体にわたって)、表示できるようにすることが好ましい。
【0023】
また、サブ情報エリア自体についても、画面上に表示される際、必要に応じて意図的に拡大表示可能に構成されていることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムにおける上記画面は、表示のみならず、画面上で操作もできるようにしておくと便利である。たとえば、画面が、タッチパネルに構成されており、該タッチパネルの操作により(つまり、画面上で直接)、少なくとも、画面に表示すべき項目の設定、変更、および該表示項目の設定値の変更が可能に構成されていることが好ましい。
【0025】
本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムが適用される血液透析装置自体としてはとくに限定されないが、たとえば前述の図9に示したような血液透析装置を用いることができる。すなわち、血液透析装置として、血液流路と透析液流路との間に透析膜を有する血液透析要素と、実質的に閉回路からなり、前記血液透析要素の透析液流路に連通する透析液循環路と、該透析液循環路の前記透析液流路への透析液往路に接続された透析液供給室と透析液循環路の前記透析液流路からの透析液復路に接続された透析液受入室とを有する、透析液循環路に設けられた切替弁を介して交互に透析のために切り替え使用が可能な少なくとも2つの透析液供給・受入要素と、前記透析液循環路に設けられた循環ポンプと、各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に交互に未使用透析液を供給する透析液供給経路と、各透析液供給・受入要素の各透析液受入室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液受入室から交互に使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路と、前記透析液循環路の前記透析液復路に接続され、該透析液復路から除水可能な除水ポンプを備えた除水経路とを有する血液透析装置からなるものである。
【0026】
上記のような本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムにおいては、システム使用者ごとに画面に表示すべき情報を設定でき、また、条件設定や条件変更に対してもそれを画面上で行うに際しシステム使用者ごとに画面に表示させることができる。したがって、装置使用者に応じてシステム操作方法を、最も便利で効率のよい方法に設定することができ、現場での実際の使用に極めて便利なシステムを実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る表示・設定システムを含む血液透析装置全体の外観を示している。血液透析装置自体の機器系統は、図9に示したものと実質的に同じである。図1に示す、表示・設定システムを含む血液透析装置51においては、その正面に、前述のシリンジポンプ3、血液ポンプ8、気泡検知器5a、クランプ5bが設けられており、血液透析要素2への透析液循環路10の往路10aへの接続口52と血液透析要素2からの復路10bへの接続口53が配置されている。また、側面にはアーム54が取り付けられており、このアーム54に取り付けられたホルダ55に、血液透析要素2(ダイアライザ)が交換可能に保持されるようになっている。頂面には、支柱56が立設されており、この支柱56に、現在動作中の工程を工程ごとに異なる色で表示可能な表示ランプ57(LED等からなるパトロールランプ)と、生理食塩液等を架けるトップハンガ58と鉗子等を架ける中間ハンガ59が設けられている。そして、この装置51に正面上部には、操作パネル60が設けられており、この中に、血液透析装置における各工程の内容を表示したり、設定値を変更することが可能な画面61が設けられている。画面61は、本実施態様では液晶表示画面からなり、タッチパネルに構成されて、各種表示に加え、画面タッチにより各種入力、設定、設定変更、さらには特定の運転操作まで可能となっている。操作パネル60の画面61以外の領域には、装置運転に必要な各種スイッチ62が配置されている。
【0028】
上記画面61は、本実施態様では、図2(A)に示すように、血液透析に関して実質的に常時表示を要求される情報を表示するメイン情報エリア63と、必要に応じて表示が要求されるサブ情報エリア64とに区画されている。また、図2(B)に実際の表示例を示すように、メイン情報エリア63およびその上部には、現在の工程の表示、警報や注意事項、年月日、除水経過時刻(たとえば、除水残時間)、目標除水量、除水速度、除水経過(たとえば、目標除水量に対して減算した量表示による経過)、静脈圧、透析液圧、TMP、透析液の濃度や温度、シリンジ流量、血液流量等が表示され、表示される文字や数値の大きさが重要度に応じて相対的に大小に設定可能となっている。なお、上記TMPとは、血液透析要素2における膜間圧力差で、透析膜(たとえば、中空糸膜)2cの血液側と透析液側との圧力差を表しており、血液入口側圧力、血液出口側圧力、透析液入口側圧力、透析液出口側圧力から演算される。TMPは、血液透析要素2の性能の指標として用いられている。
【0029】
画面61はタッチパネルに構成されているので、上記表示値のうち、少なくとも目標除水量や除水速度、シリンジ流量、血液流量等は、それらの表示部をタッチし、設定画面を表示させることにより、それぞれの設定値を変更できるようになっている。また、後述の如く、サブ情報エリア64から特定のフォルダを選んで画面上にウインドウ形式で開き、その中においても各種設定値を変更できるようになっている。
【0030】
サブ情報エリア64の下部には、タブエリア65が設けられており、ここに、たとえば、メニュースイッチタブ66、各種操作スイッチ類の一覧を表示させるスイッチタブ67、この装置全体を操作する使用者ごとに設定値や表示の仕方を設定可能な使用者選択スイッチタブ68が設けられている。メニュースイッチタブ66にタッチすると、たとえば図3に示すように、予め設定されているフォルダ69の一覧と選択されたフォルダ内のタブ70とが表示され、その一覧の中から選択することにより、各種の設定や設定変更に必要な画面がウインドウ形式で表示できるようになっている。表示させた必要画面中での操作により、実際の各種設定や設定変更が可能である。また、設定範囲を外れて異常状態になったときに発する警報の種類や、特定の処理終了時に発するメロディ音の選択も可能になっている。
【0031】
本実施態様では、図4に示すように、上記サブ情報エリア64に、たとえば図3に示したような各種フォルダを選択してアイコン71の形態で表示できるようになっている。この表示すべきアイコン71については、システム使用者ごとに設定することができるようになっている。表示すべきアイコン71は、メニュースイッチタブ66からのフォルダ内から選択できるとともに、スイッチタブ67からのフォルダ内からも選択でき、さらには使用者選択スイッチタブ68からのフォルダ内からも選択できるようになっている。表示されたアイコンをタッチすることにより、該アイコンに対応するフォルダ内のメニュー(フォルダ内タブ70)を、たとえば拡大された形態で表示できるようになっている。スイッチタブ67からのフォルダ内から選択されたアイコンの場合には、そのアイコンに対応するフォルダ内メニューを開くことにより、操作条件、タイミングや設定値の変更等まで可能となっている。
【0032】
メニュースイッチタブ66からのアイコンとしては、たとえば図5に示すようなアイコンが予め入力されており、各アイコンと各フォルダおよびフォルダ内メニュー(フォルダ内タブ70)はたとえば図5のように対応している。
【0033】
サブ情報エリア64へのアイコンの登録(表示)は、たとえば図6に示すように行われる。たとえば、メニュースイッチタブ66にタッチしてメニュー中から初期設定画面を呼び出し、次いでサブ画面1にタッチしフォルダ登録にタッチしてフォルダ登録画面72を表示させる。このフォルダ登録画面72では、看護士や技士等の使用者に応じて、サブ情報エリア64に表示すべきアイコンの登録、または解除を行うことができるようになっている。図6に示すように、看護士に設定フォルダを登録して、「設定」フォルダについて「登録」を選択すると、その看護士について、サブ情報エリア64に「設定」のアイコン71が表示(登録)される。このような操作を、システム使用者ごとに、フォルダごとに行うことにより、サブ情報エリア64に表示したいアイコンが使用者ごとに登録され、その使用者は、自分で設定したアイコンの操作により、効率よく必要な表示、操作、設定等を行うことができるようになる。
【0034】
また、本実施態様では、図7に示すように、初期設定画面においてサブ画面2にタッチし各フォルダ内に入力設定されている、より具体的な操作、設定、表示項目を表示させることができる。そして、この具体的な表示項目73の中の特定の項目を選択し、それをショートカット用アイコン74としてサブ情報エリア64に登録(表示)することができるようになっている。図示例では、「設定」フォルダ中の「圧力設定」がショートカット用アイコン74として登録されている。このショートカット用アイコン74についても、使用者ごとに選択、設定が可能となっている。このようにショートカット用アイコン74を登録設定しておくと、フォルダを開くまでの所定の操作手順を経ることなく、いきなり目的とするアイコンに対応する項目の内容をウインドウ形式で開いて表示させることが可能になるので、使用者にとって頻繁に開く必要がある項目等については、このようなショートカット機能は効率のよい操作を可能にするものであり、実際の使用においては極めて便利な機能となる。
【0035】
このように、画面上で各種の条件表示や、運転条件設定やその設定変更のための表示や表示順序が、システム使用者ごとに選択的に設定可能となっているので、その設定変更は、設定者あるいはその設定者の許可を受けた者以外にはできないようにしておく必要がある。そのため、本実施態様では、パスワード機能が設けられており、図8に示すように、たとえば「初期設定」のフォルダ内において設定された条件等を変更する場合には、「パスワード入力」表示75において、設定者のパスワードと一致するパスワードを入力しなければ、変更できないようになっている。これによって、使用者ごとに入力設定された画面表示方法が保証され、ひいては、その使用者がシステムや血液透析を操作する際の安全性、信頼性が保証される。
【0036】
このように上記本実施態様に係る血液透析装置用表示・設定システムにおいては、画面に表示すべきそのときの状態に関する情報、運転条件や透析条件の設定のために画面に表示すべき項目等を、システム使用者ごとに選択的に設定、表示させることができるので、現場で実際の使用する際には、使用者にとって最も便利で効率のよい操作方法が使用者ごとに画面設定できることになる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る血液透析装置用表示・設定システムによれば、使用者ごとに最も便利で効率のよい操作方法を画面に表示できるようになり、それによって迅速で効率のよい血液透析装置の操作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るシステムを適用した血液透析装置の正面図である。
【図2】図1の装置の画面部の拡大正面図である。
【図3】図1の装置にフォルダ表示させた場合の画面の拡大正面図である。
【図4】図1の装置にアイコンを登録した場合の画面の拡大正面図である。
【図5】アイコンの種類の例を示す説明図である。
【図6】アイコン登録の例を示す図1の装置の画面の拡大正面図である。
【図7】ショートカット用アイコン登録の例を示す図1の装置の画面の拡大正面図である。
【図8】パスワード入力の例を示す図1の装置の画面の拡大正面図である。
【図9】本発明に係るシステムが適用可能な血液透析装置の一例を示す機器系統図である。
【符号の説明】
1 血液透析装置
2 血液透析要素
2a 血液流路
2b 透析液流路
2c 透析膜
3 シリンジポンプ
4a 動脈圧センサー
4b 静脈圧センサー
5a 気泡検知器
5b クランプ
6 動脈
7 血液回路
8 血液ポンプ
9 静脈
10 透析液循環路
10a 透析液往路
10b 透析液復路
11 循環ポンプ
12a、12b 透析液供給・受入要素
13a、13b 透析液供給室
14a、14b 透析液受入室
15a、15b 弾性膜
16a、16b、17a、17b、18a、18b 切替弁
19 透析液供給経路
20a、20b 切替弁
21 使用済透析液排出経路
22 除水経路
23 除水ポンプ
24、25 開閉弁
26 流量調整弁
27 流量計
28a 濃度センサー
28b 温度センサー
29 バイパス弁
30 バイパス路
31a 透析液圧センサー
31b 漏血センサー
31c リリーフ弁
32 気泡分離器
33 エア抜きライン
34 大気放出弁
35 陰圧開放弁
36 分岐路
37 フィルター
38 圧力スイッチ
39 減圧弁
40 遮断弁
41 脱気ポンプ
42 ヒーター
43 温度センサー
44 脱気槽
45 エア抜きライン
51 表示・設定システムを含む血液透析装置
52 透析液循環路の往路への接続口
53 透析液循環路の復路への接続口
54 アーム
55 血液透析要素保持用のホルダ
56 支柱
57 表示ランプ
58 トップハンガ
59 中間ハンガ
60 操作パネル
61 画面
62 各種スイッチ
63 メイン情報エリア
64 サブ情報エリア
65 タブエリア
66 メニュースイッチタブ
67 スイッチタブ
68 使用者選択スイッチタブ
69 フォルダ
70 フォルダ内のタブ
71 アイコン
72 フォルダ登録画面
73 フォルダ内の具体的な表示項目
74 ショートカット用アイコン
75 パスワード入力表示
Claims (9)
- 血液透析装置において表示が要求される情報または/および設定が要求される条件を表示・設定可能な画面を有し、該画面上に表示すべき情報または/および条件を、システム使用者ごとに選択的に設定することが可能に構成されていることを特徴とする血液透析装置用表示・設定システム。
- 画面上に表示すべき情報または/および条件が各フォルダに収納されており、画面上に表示すべきフォルダを、システム使用者ごとに、画面上にアイコン設定可能となっている、請求項1の血液透析装置用表示・設定システム。
- 画面上に表示すべき情報または/および条件が各フォルダに収納されており、各フォルダにおける情報または/および条件がシステム使用者ごとに設定可能となっている、請求項1または2の血液透析装置用表示・設定システム。
- 画面上に表示されたフォルダの表示内容から、その表示内容の中の特定の項目へのショートカット表示が可能に構成されている、請求項2または3の血液透析装置用表示・設定システム。
- システム使用者ごとのパスワード入力により、設定変更が可能に構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の血液透析装置用表示・設定システム。
- 画面が、血液透析に関して実質的に常時表示を要求される情報を表示するメイン情報エリアと、必要に応じて表示が要求されるサブ情報エリアとを有し、該サブ情報エリアが、前記システム使用者ごとに選択的に設定することが可能なエリアに設定されている、請求項1〜5のいずれかに記載の血液透析装置用表示・設定システム。
- サブ情報エリアは、画面上に表示される際、拡大表示可能に構成されている、請求項6の血液透析装置用表示・設定システム。
- 画面がタッチパネルに構成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の血液透析装置用表示・設定システム。
- 血液透析装置が、血液流路と透析液流路との間に透析膜を有する血液透析要素と、実質的に閉回路からなり、前記血液透析要素の透析液流路に連通する透析液循環路と、該透析液循環路の前記透析液流路への透析液往路に接続された透析液供給室と透析液循環路の前記透析液流路からの透析液復路に接続された透析液受入室とを有する、透析液循環路に設けられた切替弁を介して交互に透析のために切り替え使用が可能な少なくとも2つの透析液供給・受入要素と、前記透析液循環路に設けられた循環ポンプと、各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液供給室に交互に未使用透析液を供給する透析液供給経路と、各透析液供給・受入要素の各透析液受入室に接続され、切替弁を介して各透析液供給・受入要素の各透析液受入室から交互に使用済透析液を排出する使用済透析液排出経路と、前記透析液循環路の前記透析液復路に接続され、該透析液復路から除水可能な除水ポンプを備えた除水経路とを有する血液透析装置からなる、請求項1〜8のいずれかに記載の血液透析装置用表示・設定システム。
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JP2008000318A (ja) * | 2006-06-22 | 2008-01-10 | Nikkiso Co Ltd | 補液バッグ用ハンガー |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070810 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071106 |