JP2004313002A - Method for producing nucleoside - Google Patents

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JP2004313002A JP2001315992A JP2001315992A JP2004313002A JP 2004313002 A JP2004313002 A JP 2004313002A JP 2001315992 A JP2001315992 A JP 2001315992A JP 2001315992 A JP2001315992 A JP 2001315992A JP 2004313002 A JP2004313002 A JP 2004313002A
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Junya Fujiwara
純也 藤原
Hironori Komatsu
小松  弘典
Hiroichi Awano
博一 粟野
Nobuyuki Fukazawa
信幸 深澤
Tomoyuki Ando
知行 安藤
Katsutoshi Tsuchiya
土屋  克敏
Kyoko Chiba
恭子 千葉
Hidetake Umetani
豪毅 梅谷
Tadashi Araki
安楽城  正
Takahiro Yamauchi
山内  孝弘
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for producing a nucleoside having high general-purpose properties using a 1-phosphated saccharide which is an anomeric mixture readily synthesizable at a low cost as a reaction substrate. <P>SOLUTION: An exchange reaction of a phosphate group of the 1-phosphated saccharide with a base is anomer-selectively carried out when a reaction of the anomeric mixture of a nonnatural type 1-phosphated saccharide with the base is conducted by actions of a phosphorylase activity. Furthermore, metal cations forming a sparingly water-soluble salt with phosphate ions are made to exist in a reaction liquid to thereby precipitate the phosphate ions which are by-products of the reaction as the sparingly water-soluble salt. As a result, yield of reaction is improved by shifting the equilibrium of the reaction in the direction of nucleoside synthesis. A mixture containing a large amount of one of optical isomers of the nucleoside can be obtained by utilizing a difference in rate of the exchange reaction. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗ウイルス医薬品、抗ガン医薬品やアンチセンス医薬品などの原料または原体として使用されるヌクレオシド化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヌクレオシドは、抗ウイルス医薬品、抗ガン医薬品やアンチセンス医薬品などの原料または原体として重要な化合物であり、数々の合成法が知られている。
【0003】
ヌクレオシドの合成法としては、例えばOrganic Reactions VOLUME55(2000,John Wiley & Sons)が総説としてあげられる。また、近年、抗ウイルス薬として非天然型ヌクレオシドが注目されており、例えばチオキソラン構造を有する化合物が、EP382526、Drugs of the Future 2000,25(8),855−857、WO 0009494、ジオキソラン構造を有する化合物が、特表平8−501086号公報、Drugs of the Future 2000,25(5),454−461、WO 0039143等で知られている。
【0004】
一方、ヌクレオシドホスホリラーゼはリン酸存在下でヌクレオシドのN−グリコシド結合を加リン酸分解できる酵素の総称であり、次式で示される反応を触媒する。
【0005】
ヌクレオシド + リン酸(塩) → 塩基 +1−リン酸化糖
この酵素反応は可逆的であり、逆反応を利用した各種ヌクレオシドの合成が以前より知られている。例えば、2’−デオキシリボース1−リン酸と核酸塩基(チミン、アデニンまたはグアニン)からチミジン(特開平01−104190号公報)、2’−デオキシアデノシン(特開平11−137290号公報)または2’−デオキシグアノシン(特開平11−137290号公報)を製造する方法が開示されている。
【0006】
更に、Agric.Biol.Chem.,Vol.50(1),PP.121〜126,(1986)では、イノシンをリン酸存在下で、Enterobacter aerogenes由来のプリンヌクレオシドホスホリラーゼを用いた反応により、リボース1−リン酸とヒポキサンチンに分解した後、イオン交換樹脂で単離したリボース1−リン酸と1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドより、同じくEnterobacter aerogenes由来のプリンヌクレオシドホスホリラーゼにより、抗ウイルス剤であるリバビリンを製造する技術が報告されている。
【0007】
さらに、L体のヌクレオシドの合成に関しては、NUCLEOSIDES & NUCLEOTIDES,13(8),1679〜1693(1994)において化学合成により合成したα−L−ピリミジンヌクレオシドから、酵素によるα−L−プリンヌクレオシドの合成が報告されているが、D/Lラセミ体からの光学活性なヌクレオシドの合成例は未だ報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1−リン酸化糖の工業的な製造方法が未確立であるため、ヌクレオシドホスホリラーゼの逆反応を利用した汎用性の高いヌクレオシドの工業的な製造方法についても未確立であった。さらに、原料となる糖の光学活性体が天然から容易に得られる場合を除き、非天然糖の多くが、1)多工程の不斉合成、2)高価な光学活性体の原料より合成、3)光学活性体の混合物の煩雑な分離精製などの方法により製造されている。従って、容易かつ低コストで得られるアノマー混合物からなる非天然糖からの簡便な光学活性ヌクレオシドの製造法が望まれていた。また、該酵素の逆反応を利用して、1−リン酸化糖誘導体と塩基よりヌクレオシドを生成させる反応は平衡反応であるため、転化率が向上しないという技術的欠点も存在していた。
【0009】
本発明の課題は、容易かつ低コストで合成可能なアノマー混合物である1−リン酸化糖を反応基質とする汎用性の高いヌクレオシドの製法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、非天然型の1−リン酸化糖のアノマー混合物(D/Lラセミ体もしくはD体もしくはL体)と塩基をホスホリラーゼ活性の作用により反応させて1−リン酸化糖のリン酸基と塩基との交換反応を行うことにより、アノマー選択的に該交換反応が進行し、効率的にヌクレオシドを製造し得ることを見出した。また、反応液にリン酸イオンと難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンを存在させることにより、反応の副生成物であるリン酸イオンが難水溶性の塩として沈殿し、反応の平衡がヌクレオシド合成方向へ移動するために反応収率が向上することも見出した。更に、D/Lラセミ体のアノマー混合物が、α−D−体とβ−L−体とを含む場合に、α−D−体における交換反応速度がβ−L−体における交換反応速度よりも大きいこと、更には、この反応速度差を利用してβ−D−ヌクレオシドがα−L−ヌクレオシドよりも多量に含まれる混合物が得られる点を見出した。
【0011】
これらの知見により、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
本発明には、以下の各態様が含まれる。
(1) 不斉炭素に起因する異性体以外の構造的特徴ゆえに非天然である1−リン酸化糖のアノマー混合物にヌクレオシドホスホリラーゼの作用によりリン酸残基と塩基との交換反応を行い、アノマー選択的にヌクレオシドを製造する方法であって、
前記アノマー混合物がD体のアノマーを含み、該D体アノマーのα−D−体のリン酸基を選択的に塩基と交換し、β−D−ヌクレオシドを得る工程と、
前記アノマー混合物がL体のアノマーを含み、該L体アノマーのβ−L−体のリン酸基を選択的に塩基と交換し、α−L−ヌクレオシドを得る工程と、
の少なくとも一方の工程を有することを特徴とするヌクレオシドを製造する方法。
【0013】
(2) 前記アノマー混合物がD/Lラセミ体のアノマー混合物である上記(1)項に記載のヌクレオシド製造法。
【0014】
(3) 前記D/Lラセミ体のアノマー混合物に含まれるα−D−体における前記交換反応の反応速度がβ−L−体の前記交換反応における反応速度よりも大きいことを利用して、β−D−ヌクレオシドがα−L−ヌクレオシドよりも多い反応混合物を得る上記(2)項に記載の製造方法。
【0015】
(4) 前記アノマー混合物がD体のアノマー混合物である上記(1)項に記載のヌクレオシド製造法。
【0016】
(5) 前記アノマー混合物がL体のアノマー混合物である上記(1)項に記載のヌクレオシド製造法。
【0017】
(6) 前記1−リン酸化糖が式(1):
【0018】
【化5】

Figure 2004313002
【0019】
(式中、R1およびR2は、独立してそれぞれ水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、保護されたヒドロキシメチル基、カルボキシル基または保護されたカルボキシル基を表し、Xはハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、−(NHR4)を表し、Wは酸素原子またはイオウ原子を表し、Zは酸素原子、イオウ原子または置換されてもよい炭素原子を表し、R4はアシル基を表わし、nは0または1を表し、m及びqは、それぞれ独立してZが酸素原子またはイオウ原子の場合は0から3の整数を表し、Zが炭素原子の場合は0から4の整数のいずれかを表わし、qが2以上の場合における複数のXはそれぞれ独立に上記の基のいずれかを表わす。)
で示される上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の製造法。
【0020】
(7) 前記1−リン酸化糖が式(2):
【0021】
【化6】
Figure 2004313002
【0022】
(式中、W、Zは、前記と同義。R3は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよいアルキルチオ基を表す。)で示される上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の製造法。
【0023】
(8) 前記1−リン酸化糖が式(3):
【0024】
【化7】
Figure 2004313002
【0025】
で示される上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の製造法。
【0026】
(9) 前記塩基がピリミジン、プリン、アザプリンまたはデアザプリンである上記(1)〜(8)項のいずれかに記載の製造法。
【0027】
(10) 前記塩基が、プリン、6−アミノプリン(アデニン)、6−ヒドロキシプリン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メチルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−トリフルオロメチルアミノプリン、6−ベンゾイルアミノプリン、6−アセチルアミノプリン、6−ヒドロキシアミノプリン、6−アミノオキシプリン、6−メトキシプリン、6−アセトキシプリン、6−ベンゾイルオキシプリン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリフルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−オキシド、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン(グアニン)、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨ−ドプリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオキシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノメチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノプリン、2−アミノ−6−フェニルプリン、2−アミノ−8−ブロモプリン、6−シアノプリン、6−アミノ−2−クロロプリン(2−クロロアデニン)または6−アミノ−2−フルオロプリン(2−フルオロアデニン)である上記(1)〜(8)項のいずれかに記載の製造法。
【0028】
(11) 前記塩基が式(4):
【0029】
【化8】
Figure 2004313002
【0030】
で示される上記(1)〜(8)項のいずれかに記載のヌクレオシド製造法。
【0031】
(12) 前記記交換反応を水性媒体中で行い、該水性媒体中にリン酸イオンと難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンを存在させる上記(1)〜(11)項のいずれかに記載の製造方法。
【0032】
(13) 前記金属カチオンが、カルシウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる1種類以上の金属カチオンである上記(12)項に記載の製造方法。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0034】
本発明で用いられる1−リン酸化糖を得るための糖類は、天然型に対して不斉炭素に起因する異性体としての非天然型以外の構造的特徴において非天然型のもの、すなわち、人工的な構造変更、例えば人工的な置換基の導入などによる修飾に起因する非天然型のものである。従って、この構造変更による非天然型には、天然型に対する不斉炭素に起因する異性体としての非天然型そのものは含まれない。
【0035】
このような非天然型の糖類としては、例えば、ピラノース型あるいはフラノース型の糖類に対して人工的な修飾加えたもの、例えば、これらにカルボキシル基などを導入した糖誘導体、これらの有するアミノ基や水酸基などを保護基で保護した糖誘導体、これらが有する水酸基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化糖誘導体、2,3−ジデオキシリボースやジオキソラン糖、チオキソラン糖などの非天然型糖類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本発明において規定される非天然型の糖類を得る場合に用いることのできる天然型の糖類としては、D−アラビノース、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−リボースのようなアルドペントース;D−キシロース、L−キシロース、D−リブロースのようなケトペントース;D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−グルコース、D−タロース、D−マンノースのようなアルドヘキソース;D−タガトース、L−ソルボース、D−プシコース、D−フルクトースのようなケトヘキソース;D−2−デオキシリボース、D−2,3−ジデオキシリボース;D−フコース、L−フコース、D−ラムノース、L−ラムノース、D−フコピラノース、L−フコピラノース、D−ラムノフラノース、L−ラムノフラノース、D−アロメチロース、D−キノボース、D−アンチアロース、D−タロメチロース、L−タロメチロース、D−ジキタロース、D−ジギトキソース、D−シマロース、チベロース、アベコース、パラトース、コリトース、アスカリロースのようなデオキシ糖類;グルコサミン、ダウノサミンのようなアミノ糖類;及びグルクロン酸、ガラクツロン酸のようなウロン酸類などを挙げることができる。
【0037】
これらの天然の糖類に対して、上述したような人工的な修飾を施して得られる本発明で定義する非天然型の糖類を1−リン酸化糖の製造に用いることができる。また、これらの天然型の糖類に対する不斉炭素に基づく非天然型の異性体についても、上記したような人工的な修飾を加えることで本発明に規定する非天然型の糖類を得ることができる。
【0038】
上記のハロゲン化糖誘導体を得るためのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を挙げることができ、必要に応じてこれらの2種以上を糖に置換することができる。
【0039】
上記の保護基とは、加水素分解、加水分解、光分解のような化学的方法によって除去される保護基を指し、アミノ酸、ペプチド、核酸などの合成において利用されているものを用いることができる。そのような基としては、ホルミル基、アシル基、シリル基、アルキル基、アラルキル基、カルボニル基があり、中でも好ましくは、ホルミル基、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、シリル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基及びアラルキルオキシカルボニル基が挙げられ、必要に応じてこれらの2種以上を糖の修飾に用いることができる。
【0040】
芳香族アシル基としては置換ベンゾイル基を挙げることができ、その具体例としては、2−フルオロベンゾイル基、3−フルオロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、2−ブロモベンゾイル基、3−ブロモベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、2,4−ジクロロベンゾイル基、2,6−ジクロロベンゾイル基、3,4−ジクロロベンゾイル基、3,5−ジクロロベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基などを例示することができる。
【0041】
このような非天然型の糖を用いて得られる1−リン酸化糖としては、先に示した式(1)で表わされる化合物を好適なものとして挙げることができる。
【0042】
更に好適に用い得る1−リン酸化糖としては、下記の化合物を挙げることができる。
(1)Xが、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアルキルチオ基であり、mは0から3の整数を表わし、nは0または1を表わし、qは0から4の整数を表す式(1)の化合物(R1、R2、W及びZは式(1)と同義である。)
(2)下記式(a):
【0043】
【化9】
Figure 2004313002
【0044】
〔式中、R1およびR2は、独立してそれぞれ水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、保護されたヒドロキシメチル基または保護されたカルボキシル基を表し、R4はアシル基を表し、Xはハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよいアルキルチオ基を表し、Wは酸素原子またはイオウ原子を表し、Zは酸素原子、イオウ原子または置換されてもよい炭素原子を表し、nは0または1を表し、mおよびqは0から4の整数を表し、rは0または1を表す。(ただし、m、q、r、nは、Zが酸素原子、イオウ原子の場合には、m+r≦n+1、q≦2×(n+1)−2×(m+r)を、Zが炭素原子の場合はm+r≦n+2、q≦2×(n+2)−2×(m+r)を満たす。)〕で示される化合物。
(3)下記式(b)
【0045】
【化10】
Figure 2004313002
【0046】
(式中、R2は、独立してそれぞれ水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、保護されたヒドロキシメチル基、保護されたカルボキシル基またはカルボキシル基を表し、Xはハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基、または置換されていてもよいアルキルチオ基を表し、Wは酸素原子またはイオウ原子を表し、Zは酸素原子、イオウ原子または置換されてもよい炭素原子を表し、mは0から3の整数を表し、nは0または1を表し、qは0から4の整数を表す。)で示される化合物。
(4)上記式(2)で表わされる化合物。
(5)上記式(3)で表わされる化合物。
【0047】
上記各式における保護基としては、先に挙げた保護基を用いることができる。
【0048】
上記各式中におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜7の低級アルキル基が酸素原子と結合したアルコキシ基を挙げることができる。このアルコキシ基の有するアルキル基は、更に、アルキル基、アラルキル基及びアルコキシ基からなる群から選択された基の1以上で更に置換されていてもよい。これらの置換基の有するアルキル基としても炭素数1〜7の低級アルキル基を挙げることができる。
【0049】
この置換されていてもよいアルコキシ基の好ましい具体例としては、メトキシ基及びメトキシエトキシ基などを挙げることができる。
【0050】
上記各式におけるアルキルチオ基としては、炭素数1〜7の低級アルキル基がイオウ原子と結合したアルキルチオ基を挙げることができる。このアルキルチオ基の有するアルキル基は、上記のアルコキシ基の場合と同様に、更に、アルキル基、アラルキル基及びアルコキシ基からなる群から選択された基の1以上で更に置換されていてもよい。これらの置換基の有するアルキル基としても炭素数1〜7の低級アルキル基を挙げることができる。
【0051】
この置換されていてもよいアルキルチオ基の好ましい具体例としては、メチルチオ基を挙げることができる。
【0052】
上記のアルコシキ基及びアルキルチオ基に置換してもよいアラルキル基としては、ベンジル基などの無置換のアラルキル基;2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基などの低級アルキル基で置換されたアラルキル基;2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基などの低級アルコキシ基で置換されたアラルキル基;2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基などのニトロ基で置換されたアラルキル基;2−クロロベンジル基、3−ブロモベンジル基、4−フルオロベンジル基などのハロゲン置換されたアラルキル基;2−シアノベンジル基、3−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基などのシアノ基で置換されたアラルキル基;などを挙げることができる。
【0053】
上記各式中におけるZとしての置換されてよい炭素原子とは、置換基が1つないし2つ置換した炭素原子を表し、置換していない場合には、水素原子で置換されている炭素原子を指す。
【0054】
この炭素原子を置換し得る置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基及びアルキルチオ基を挙げることができ、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基としては、例えば炭素数が1〜7の低級アルキル基、低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基を挙げることができる。
【0055】
上記式におけるR4であるアシル基としては、例えば、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、さらに、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基のような低級アルカンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基のようなアリールスルホニル基を挙げることができる。
【0056】
脂肪族アシル基としては、アルキルカルボニル基またはハロゲン置換された低級アルキルカルボニル基が挙げられる。芳香族アシル基としては、アリールカルボニル基、ハロゲン置換されたアリールカルボニル基、低級アルキル化アリールカルボニル基、低級アルコキシアリールカルボニル基、ニトロ化アリールカルボニル基、低級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基、アリール化アリールカルボニル基を挙げることができる。好ましくは、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、低級アルカンスルホニル基であり、好ましい具体例としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、メタンスルホニル基を挙げることができる。
【0057】
本発明における1−リン酸化糖は塩の形で供給することができ、この塩とは、化合物が分子内に有するリン酸基が形成する塩を示す。塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウムのようなアルカリ金属の塩、マグネシウム、カルシウム、バリウムのようなアルカリ土類金属の塩、アルミニウム、鉄のような金属の塩、アンモニウム塩、1級、2級、3級のアルキルアミンの塩が挙げられる。
【0058】
上記の1級アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミンのようなアルキルアミン類、シクロヘキシルアミンのようなシクロアルキルアミン類、ベンジルアミンなどを挙げることができる。
【0059】
また、2級アルキルアミンとしては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミンのようなジアルキルアミン類、ジシクロヘキシルアミンのようなジシクロアルキルアミン類、ピペリジン、モルフォリン、N−メチルピペラジンのような環状アミンを例示できる。
【0060】
3級アルキルアミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルフォリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのような3級のアルキルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジオクチルアニリンのようなアニリン類、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−ルチジン、ニコチンアミドのようなピリジン類の塩、グリシン、アラニン、プロリン、リジン、アルギニン、グルタミンのようなアミノ酸類、シンコニジン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、1−フェニルエチルアミンのような光学活性アミンを挙げることができ、何れも1価あるいは2価の塩を包含する。
【0061】
なお、本発明で用いる1−リン酸化糖の塩は、大気中に放置することにより水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があるが、そのような塩も本発明において用いることができる。
【0062】
本発明に用いられる塩基は、ピリミジン、プリン、アザプリンおよびデアザプリンからなる群から選択された天然または非天然型の塩基を示し、それらはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオキシ基またはシアノ基によって置換されていてもよい。
【0063】
置換基としてのハロゲン原子としては、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素が例示される。
【0064】
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピルなどの炭素数1〜7の低級アルキル基が例示される。
【0065】
ハロアルキル基としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、ブロモエチルなどの炭素数1〜7のアルキル基を有するハロアルキル基が例示される。
【0066】
アルケニル基としては、ビニル、アリルなどの炭素数2〜7のアルケニル基が例示される。
【0067】
ハロアルケニル基としては、ブロモビニル、クロロビニルなどの炭素数2〜7のアルケニルを有するハロアルケニル基が例示される。
【0068】
アルキニル基としては、エチニル、プロピニルなどの炭素数2〜7のアルキニル基が例示される。
【0069】
アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノなどの炭素数1〜7のアルキルを有するアルキルアミノ基が例示される。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシなどの炭素数1〜7のアルコキシ基が例示される。
【0070】
アルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト、エチルメルカプトなどの炭素数1〜7のアルキルを有するアルキルメルカプト基が例示される。
【0071】
アリール基としては、フェニル基;メチルフェニル、エチルフェニルなどの炭素数1〜5のアルキルを有するアルキルフェニル基;メトキシフェニル、エトキシフェニルなどの炭素数1〜5のアルコキシを有するアルコキシフェニル基;ジメチルアミノフェニル、ジエチルアミノフェニルなどの炭素数1〜5のアルキルアミノを有するアルキルアミノフェニル基;クロロフェニル、ブロモフェニルなどのハロゲノフェニル基などが例示される。
【0072】
ピリミジン塩基を具体的に例示すれば、シトシン、ウラシル、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、5−クロロシトシン、5−クロロウラシル、5−ブロモシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨ−ドシトシン、5−ヨ−ドウラシル、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル(チミン)、5−エチルシトシン、5−エチルウラシル、5−フルオロメチルシトシン、5−フルオロウラシル、5−トリフルオロシトシン、5−トリフルオロウラシル、5−ビニルウラシル、5−ブロモビニルウラシル、5−クロロビニルウラシル、5−エチニルシトシン、5−エチニルウラシル、5−プロピニルウラシル、ピリミジン−2−オン、4−ヒドロキシアミノピリミジン−2−オン、4−アミノオキシピリミジン−2−オン、4−メトキシピリミジン−2−オン、4−アセトキシピリミジン−2−オン、4−フルオロピリミジン−2−オン、5−フルオロピリミジン−2−オンなどが挙げられる。
【0073】
プリン塩基を具体的に例示すれば、プリン、6−アミノプリン(アデニン)、6−ヒドロキシプリン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メチルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−トリフルオロメチルアミノプリン、6−ベンゾイルアミノプリン、6−アセチルアミノプリン、6−ヒドロキシアミノプリン、6−アミノオキシプリン、6−メトキシプリン、6−アセトキシプリン、6−ベンゾイルオキシプリン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリフルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−オキシド、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン(グアニン)、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨ−ドプリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオキシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノメチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノプリン、2−アミノ−6−フェニルプリン、2−アミノ−8−ブロモプリン、6−シアノプリン、6−アミノ−2−クロロプリン(2−クロロアデニン)、6−アミノ−2−フルオロプリン(2−フルオロアデニン)などが挙げられる。
【0074】
アザプリン塩基およびデアザプリン塩基を具体的に例示すれば、6−アミノ−3−デアザプリン、6−アミノ−8−アザプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−8−アザプリン、6−アミノ−7−デアザプリン、6−アミノ−1−デアザプリン、6−アミノ−2−アザプリンなどが挙げられる。
【0075】
更に、好ましい塩基としては先に式(4)で示した塩基を挙げることができる。
【0076】
本発明におけるヌクレオシドホスホリラーゼとは、リン酸存在下でヌクレオシドのN−グリコシド結合を分解する酵素の総称であり、本発明においては逆反応を利用することができる。反応に使用する酵素は、相当する1−リン酸化糖誘導体と塩基から目的とするヌクレオシドを生成し得る活性を有していればいかなる種類及び起源のものでもかまわない。該酵素はプリン型とピリミジン型に大別され、例えば、プリン型としてプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1)、グアノシンホスホリラーゼ(EC2.4.2.15)、ピリミジン型としてピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.2)、ウリジンホスホリラーゼ(EC2.4.2.3)、チミジンホスホリラーゼ(EC2.4.2.4)、デオキシウリジンホスホリラーゼ(EC2.4.2.23)などが挙げられる。
【0077】
本発明におけるヌクレオシドホスホリラーゼを発現している微生物とは、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1)、グアノシンホスホリラーゼ(EC2.4.2.15)、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.2)、ウリジンホスホリラーゼ(EC2.4.2.3)、チミジンホスホリラーゼ(EC2.4.2.4)、デオキシウリジンホスホリラーゼ(EC2.4.2.23)からなる群から選択される一種類以上のヌクレオシドホスホリラーゼを発現している微生物であれば特に限定はされない。
【0078】
このような微生物の具体例としては、ノカルディア(Nocardia)属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)属、セルロモナス(Cellulomonas)属、フラボバクテリウム(Flabobacterium)属、クルイヘラ(Kluyvere)属、ミコバクテリウム(Micobacterium)属、ヘモフィラス(Haemophilus)属、ミコプラナ(Micoplana)属、プロタミノバクター(Protaminobacter)属、キャンディダ(Candida)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、バチルス(Bacillus)属、好熱性のバチルス属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ハフニア(Hafnia)属、プロテウス(Proteus)属、ビブリオ(Vibrio)属、スタフィロコッカス(Staphyrococcus)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属、ザルチナ(Sartina)属、プラノコッカス(Planococcus)属、エシェリシア(Escherichia)属、クルチア(Kurthia)属、ロドコッッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、サルモネラ(Salmonella)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アースロバクター属(Arthrobacter)属またはシュードノカルディア(Pseudonocardia)属に含まれる微生物株を好適な例として挙げることができる。
【0079】
近年の分子生物学および遺伝子工学の進歩により、上述の微生物株のヌクレオシドホスホリラーゼの分子生物学的な性質やアミノ酸配列等を解析することにより、該蛋白質の遺伝子を該微生物株より取得し、該遺伝子および発現に必要な制御領域が挿入された組換えプラスミドを構築し、これを任意の宿主に導入し、該蛋白質を発現させた遺伝子組換え菌を作出することが可能となり、かつ、比較的容易にもなった。かかる技術水準に鑑み、このようなヌクレオシドホスホリラーゼの遺伝子を任意の宿主に導入した遺伝子組換え菌も本発明のヌクレオシドホスホリラーゼを発現している微生物に包含されるものとする。
【0080】
ここでいう発現に必要な制御領域とは、プロモーター配列(転写を制御するオペレーター配列を含む)・リボゾーム結合配列(SD配列)・転写終結配列等を示している。プロモーター配列の具体例としては、大腸菌由来のトリプトファンオペロンのtrpプロモーター・ラクトースオペロンのlacプロモーター・ラムダファージ由来のPLプロモーター及びPRプロモーターや、枯草菌由来のグルコン酸合成酵素プロモーター(gnt)・アルカリプロテアーゼプロモーター(apr)・中性プロテアーゼプロモーター(npr)・α−アミラーゼプロモーター(amy)等が挙げられる。また、tacプロモーターのように独自に改変・設計された配列も利用できる。リボゾーム結合配列としては、大腸菌由来または枯草菌由来の配列が挙げられるが、大腸菌や枯草菌等の所望の宿主内で機能する配列であれば特に限定されるものではない。たとえば、16SリボゾームRNAの3’末端領域に相補的な配列が4塩基以上連続したコンセンサス配列をDNA合成により作成してこれを利用してもよい。転写終結配列は必ずしも必要ではないが、ρ因子非依存性のもの、例えばリポプロテインターミネーター・trpオペロンターミネーター等が利用できる。これら制御領域の組換えプラスミド上での配列順序は、5’末端側上流からプロモーター配列、リボゾーム結合配列、ヌクレオシドホスホリラーゼをコードする遺伝子、転写終結配列の順に並ぶことが望ましい。
【0081】
ここでいうプラスミドの具体例としては、大腸菌中での自律複製可能な領域を有しているpBR322、pUC18、Bluescript II SK(+)、pKK223−3、pSC101や、枯草菌中での自律複製可能な領域を有しているpUB110、pTZ4、pC194、ρ11、φ1、φ105等をベクターとして利用することができる。また、2種類以上の宿主内での自律複製が可能なプラスミドの例として、pHV14、TRp7、YEp7及びpBS7をベクターとして利用することができる。
【0082】
ここでいう任意の宿主には、後述の実施例のように大腸菌(Escherichia coli)が代表例として挙げられるが、とくに大腸菌に限定されるのものではなく枯草菌(Bacillus subtilis)等のバチルス属菌、酵母や放線菌等の他の微生物菌株も含まれる。
【0083】
また、本発明におけるヌクレオシドホスホリラーゼ活性とは、上述の該酵素活性を有する微生物菌体のみならず、該酵素活性を有する微生物菌体の菌体処理物またはそれらの固定化物なども使用できる。菌体処理物とは、例えばアセトン乾燥菌体や機械的破壊、超音波破砕、凍結融解処理、加圧減圧処理、浸透圧処理、自己消化、細胞壁分解処理、界面活性剤処理などにより調製した菌体破砕物などであり、また、必要に応じて硫安沈殿やアセトン沈殿、カラムクロマトグラフィーにより精製を重ねたものを用いても良い。
【0084】
本発明における1−リン酸化糖のアノマー混合物に対するリン酸残基と塩基との交換反応においては、先に記載したとおり、アノマー混合物にD体のアノマーが含まれる場合には、D体アノマーのα−D−体のリン酸基が選択的に塩基と交換され、β−D−ヌクレオシドが得られる。また、アノマー混合物にL体のアノマーが含まれる場合には、L体アノマーのβ−L−体のリン酸基が選択的に塩基と交換され、α−L−ヌクレオシドが得られる。これらの混合物がD体とL体の両方を含む場合はこれらの両方の交換反応が選択的に行われる。
【0085】
アノマー混合物の態様としては、以下のものを挙げることができる。
(1)D体のアノマー混合物
(2)L体のアノマー混合物
(3)D体のアノマーとL体のアノマーの両方の混合物
(4)D/Lラセミ体のアノマー混合物
本発明の方法におけるリン酸基と塩基との交換反応において、α−D−体における交換反応の反応速度はβ−L−体の交換反応における反応速度よりも大きい。そこで、D/Lラセミ体のアノマー混合物に対して本発明の方法を適用することで、β−D−ヌクレオシドがα−L−ヌクレオシドよりも多い反応混合物を得ることができ、これらの混合比を変化させて、その後の分離精製操作を容易とするという効果を得ることができる。
【0086】
本発明の方法においては、反応媒体中にリン酸イオンと難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンを存在させることで、反応媒体中に副生したリン酸イオンを塩として沈殿させることで、ヌクレオシドの製造効率を向上させることができる。
【0087】
本発明において、リン酸イオンと難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンとは、反応において副生したリン酸イオンと難水溶性の塩を形成し、反応液中に沈殿し得るものであれば限定されない。そのようなものとして、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、モリブデン、鉛、亜鉛、リチウムなどの金属カチオンが挙げられる。それらのうち工業的に汎用性や安全性が高く、反応に影響を与えない金属塩が特に好ましく、そのようなものの例としてカルシウムイオン、バリウムイオン、または、アルミニウムイオンが挙げられる。
【0088】
本発明におけるリン酸イオンと難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンとは、リン酸と難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンを、塩素イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン及び水酸イオンの中から選ばれる1種類以上のアニオンとの金属塩として反応液中に添加すればよい。具体的には、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酢酸バリウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウムなどが例示される。
【0089】
また、該金属カチオンは、ペントース−1−リン酸の塩として反応液中に存在させてもよい。一例を挙げると、リボース−1−リン酸・カルシウム塩、2−デオキシリボース−1−リン酸・カルシウム塩、2,3−ジデオキシリボース−1−リン酸・カルシウム塩、アラビノース−1−リン酸・カルシム塩、リボース−1−リン酸・バリウム塩、2−デオキシリボース−1−リン酸・バリウム塩、2,3−ジデオキシリボース−1−リン酸・バリウム塩、アラビノース−1−リン酸・バリウム塩、リボース−1−リン酸・アルミニウム塩、2−デオキシリボース−1−リン酸・アルミニウム塩、2,3−ジデオキシリボース−1−リン酸・アルミニウム塩、アラビノース−1−リン酸・アルミニウム塩、などが挙げられる。
【0090】
本発明におけるヌクレオシド化合物の合成反応は、目的とするヌクレオシド、基質である1−リン酸化糖誘導体と塩基、反応触媒であるヌクレオシドホスホリラーゼ又は該酵素活性を有する微生物、そしてリン酸を反応系より除外させるために添加する金属塩の種類とその特性により、適切なpHや温度などの反応条件ならびに管理幅を選べばよいが、通常はpH5〜10、温度10〜60℃の範囲で行うことができる。pHに関して、その管理幅を外れた場合、目的物や基質の安定性、酵素活性の低下、リン酸との難水溶性塩の未形成などが原因で反応転化率の低下を招く可能性がある。反応途中、pHの変化が生じるようであれば必要に応じて塩酸、硫酸などの酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリを適時添加すればよい。反応に使用する1−リン酸化糖誘導体と塩基の濃度は0.1〜1000mM程度が適当であり、両者のモル比は添加する塩基の比率を1−リン酸化糖誘導体又はその塩に対して0.1〜10倍モル量で行える。反応転化率を考えれば0.95倍モル量以下が好ましい。
【0091】
また、添加するリン酸と難水溶性の塩を形成し得る金属塩は、反応に使用する1−リン酸化糖誘導体に対して0.1〜10倍モル量、より好ましくは0.5〜5倍モル量添加するのが良い。その添加方法について制限は無く、一括添加や反応中に逐次添加しても良い。また、本反応は基本的に水を溶媒としているが、必要に応じ反応系にアルコールやジメチルスルホキシドなど通常の酵素反応に用いられる有機溶媒を適量添加しても良い。なお、高濃度の反応においては、基質の塩基や生成物のヌクレオシド化合物が溶解しきれずに反応液中に存在する場合もあるが、このような場合にも本発明を適用することができる。
【0092】
また、添加するリン酸と難水溶性の塩を形成し得る金属塩は、反応に使用する1−リン酸化糖誘導体に対して0.1〜10倍モル量、より好ましくは0.5〜5倍モル量添加するのが良い。その添加方法について制限は無く、一括添加や反応中に逐次添加しても良い。また、本反応は基本的に水を溶媒としているが、必要に応じ反応系にアルコールやジメチルスルホキシドなど通常の酵素反応に用いられる有機溶媒を適量添加しても良い。なお、高濃度の反応においては、基質の塩基や生成物のヌクレオシド化合物が溶解しきれずに反応液中に存在する場合もあるが、このような場合にも本発明を適用することができる。
【0093】
このようにして製造したヌクレオシド化合物は、濃縮、晶析、溶解、電気透析処理、イオン交換樹脂や活性炭による吸脱着処理どの常法を適用することにより単離することができる。
【0094】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】
実施例1 2−(R)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(R,S)−リン酸 シクロヘキシルアミン塩の合成
反応式(1)
【0096】
【化11】
Figure 2004313002
【0097】
2−(R)−ベンジルオキシメチル−4−(R,S)−アセトキシ−1,3−ジオキソラン[Tetrahedron Lett.,33,6949−6952(1992)、Nucleosides Nucleotides,14,627−636(1995)、Tetrahedron Lett.,33,6263−6266(1992)、WO9218517(Cheng.Yung.Chiら)などで公知。]化合物1(1.06g, 4.2mmole)のエーテル(12ml)溶液に、氷冷下4N塩酸−ジオキサン(4ml)を加え、3.5時間攪拌後、室温まで昇温した。溶媒を濃縮後、さらにトルエンにて共沸し、無色透明の油状物(500mg)を得た。
【0098】
アセトニトリル1.1mlに、オルトリン酸0.27g、トリ−n−ブチルアミン0.66ml、モレキュラーシーブ4A(0.23g)を順次加え1.5時間攪拌した。このけんだく液中に、氷冷下先に得た油状物(0.27g)を加え、氷冷下5.5時間攪拌した。トリ−n−ブチルアミン0.6mlを加え30分攪拌後、トルエンで希釈して水抽出を行った。水層をn−ブタノールで抽出し、濃縮した。濃縮物をトルエンに溶解後、シクロヘキシルアミンを加え濃縮して、化合物2を白色固体として得た。
【0099】
H−NMR(DO) δppm: 0.98−1.10(2H, m), 1.14−1.23(6H,m), 1.47−1.51(2H,m), 1.61−1.64(4H,m), 1.78−1.83(4H,m), 2.94−3.00(2H,m), 3.46−3.60(2H,m), 3.72−3.79(1H,m), 3.92−4.00(1H,m), 4.41−4.51(2H,m), 5.01−5.03 and 5.22−5.24(total 1H, m), 5.64−5.72(total 1H,m), 7.24−7.30(5H,m)。
【0100】
実施例2 2−(R)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(R,S)−リン酸 シクロヘキシルアミン塩の合成
反応式(2)
【0101】
【化12】
Figure 2004313002
【0102】
反応式(2)
実施例1で得た化合物2(0.2g)をメタノール10mlに溶解し、10%Pd/C0.11gを触媒として常圧水素添加を行った。触媒をろ過後、ろ液を濃縮し化合物3のシクロヘキシルアミン塩を得た。
【0103】
H−NMR(DO) δppm: 0.99−1.06(2H,m), 1.10−1.24(6H,m), 1.47−1.50(2H,m), 1.62−1.66(4H,m), 1.80−1.85(4H,m), 1.96−3.02(2H,m), 3.51−3.57(2H,m), 3.72−3.79(1H,m), 3.93−4.00(1H,m), 4.99−5.01 and 5.13−5.15(total 1H, m), 5.64−5.67 and 5.70−5.73(total 1H,m).
APCI−MS(negative): m/z199(MH−)。
【0104】
実施例3 (2R,4R)−2−ヒドロキシメチル−4−(2’−アミノ−6’−シクロプロピルアミノ−プリン−9’−イル)−1,3−ジオキソランの合成
反応式(3)
【0105】
【化13】
Figure 2004313002
【0106】
エシェリヒア・コリK−12/XL−10株(Stratagene社)を50mlのLB培地に接種し、37℃で一夜培養した後集菌し、リゾチーム1mg/mlを含む溶菌液で溶菌した。溶菌液をフェノール処理した後、通常の方法によりエタノール沈殿によりDNAを沈殿させた。生じたDNAの沈殿は、ガラス棒に巻き付けて回収した後、洗浄し、大腸菌染色体DNAを調製した。
【0107】
PCR用のプライマーには、エシェリヒア・コリの既知のdeoD遺伝子の塩基配列(GenBank accession No. AE000508(コード領域は塩基番号11531−12250)に基づいて設計した配列番号1及び2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを用いた。これらのプライマーの5’末端付近及び3’末端付近には、それぞれEcoRI及びHindIIIの制限酵素認識配列を有する。
配列番号1:
gtgaattcac aaaaaggata aaacaatggc 30
配列番号:2
tcgaagcttg cgaaacacaa ttactcttt 29
制限酵素HindIIIで完全に消化した前記大腸菌染色体DNA6ng/μl及びプライマー各3μMを含む0.1mlのPCR反応液を用いて、変性:96℃、1分、アニーリング:55℃、1分、伸長反応:74℃、1分からなる反応サイクルを、30サイクルの条件でPCRを行なった。
【0108】
上記反応産物及びプラスミドpUC18(宝酒造(株))を、EcoRI及びHindIII消化し、ライゲーション・ハイ(東洋紡(株))を用いて連結した後、得られた組換えプラスミドを用いて、エシェリヒア・コリDH5αを形質転換した。形質転換株を、アンピシリン(Am)50μg/ml及びX−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)を含むLB寒天培地で培養し、Am耐性で且つ白色コロニーとなった形質転換株を得た。このようにして得られた形質転換株よりプラスミドを抽出し、目的のDNA断片が挿入されたプラスミドを、pUC−PNP73と命名した。こうして得られた形質転換体を、エシェリヒア・コリ MT−10905と名づけた。
【0109】
エシェリヒア・コリ MT−10905株をAm50μg/mlを含むLB培地100mLで37℃・1晩振とう培養した。得られた培養液を13000rpmで10min遠心分離し、菌体を集めた。菌体を10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)10mLに懸濁し、超音波により破砕したものを酵素源として用いた。
【0110】
10mMの化合物3、10mMの2−アミノ−6−シクロプロピルアミノ−プリン、上記のように調整した0.1mlのプリンヌクレオシドホスホリラーゼ生産菌の超音波破砕酵素液、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に20mM塩化カルシウムを添加した反応液1mlを50℃、92時間反応させた。
【0111】
反応終了後、遠心分離(1800rpm,20min)で菌体を除去後、濃縮乾固した。メタノールに溶解して、不溶物をろ過後、Sephadex LH−20(溶媒MeOH)、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒CHCl3:MeOH:アンモニア水=100:10:1)により順次精製を行い反応生成物を単離した。生成物の分析値は、文献(WO0039143)記載の分析値と一致した。
実施例4 (2R,4R)−2−ヒドロキシメチル−4−(2’−アミノ−6’−アミノ−プリン−9’−イル)−1,3−ジオキソランの合成
反応式(4)
【0112】
【化14】
Figure 2004313002
【0113】
実施例3と同様に反応を行い、化合物5を得た。
生成物の分析値は、文献(特表平8−501086、Drugs of theFuture2000,25(5)454−461)記載の分析値と一致した。
【0114】
実施例5 2−(R,S)−ベンジルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(R,S)−リン酸 シクロヘキシルアミン塩の合成
反応式(5)
【0115】
【化15】
Figure 2004313002
【0116】
2−(R,S)−ベンジルオキシメチル−4−(R,S)−アセトキシ−1,3−ジオキソラン[Tetrahedron Lett.,33,6949−6952(1992)、Nucleosides Nucleotides,14,627−636(1995)、Tetrahedron Lett.,33,6263−6266(1992)、WO9218517(Cheng.Yung.Chiら)などで公知。]化合物6(2.55g,10mmol,D−トランス、D−シス、L−シス、L−トランスの4種の光学異性体混合物)のジエチルエーテル(50ml)溶液に氷冷下4N塩酸−ジオキサン(20ml)を加え、氷冷で1時間攪拌後、室温で4.5時間攪拌した。溶媒を濃縮後、さらにトルエンにて共沸し、無色透明の油状物を得た。
【0117】
アセトニトリル10mlにオルトリン酸2.94g(30mmol)、トリ−n−ブチルアミン2.5ml、モレキュラーシーブ4A(3.2g)を加え4.5時間室温で攪拌した。氷冷下先に得た油状物のアセトニトリル(2ml)溶液を加え、一晩攪拌した。トリ−n−ブチルアミン7.5mlを加えた後1時間氷冷下攪拌した。混合物に水を加え、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去して、得られた油状物をトルエンに溶解した後、シクロヘキシルアミン(3.5ml)を加えた。水で抽出を行い、水層を濃縮乾固することにより化合物7のジシクロヘキシルアミン塩3.43g(70%収率)を白色固体として得た。
【0118】
H−NMR(DO) δppm: 0.98−1.10(2H, m), 1.14−1.23(6H,m), 1.47−1.51(2H,m), 1.61−1.64(4H,m), 1.78−1.83(4H,m), 2.94−3.00(2H,m), 3.46−3.60(2H,m), 3.72−3.79(1H,m), 3.92−4.00(1H,m), 4.41−4.51(2H,m), 5.01−5.03 and 5.22−5.24(total 1H, m), 5.64−5.72(total 1H,m), 7.24−7.30(5H,m)。
【0119】
実施例6 2−(R,S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(R,S)−リン酸 シクロヘキシルアミン塩の合成
反応式(6)
【0120】
【化16】
Figure 2004313002
【0121】
化合物7(3.2g,D−トランス、D−シス、L−シス、L−トランスの4種の光学異性体混合物)のメタノール(150ml)溶液に、窒素気流下10%Pd/C(50%wet. 1.08g)を加え、水素気流下室温で24時間攪拌した。Pd/Cを濾別後、溶媒を留去しえられた残渣にメタノールとジイソプロピルエーテルを加え、析出した固体を濾取、乾燥することにより化合物8のシクロヘキシルアミン塩2.47gを得た。以下に生成物中の4種の異性体比率を示す。
【0122】
【化17】
Figure 2004313002
【0123】
H−NMR(DO) δppm: 0.99−1.06(2H,m), 1.10−1.24(6H,m), 1.47−1.50(2H,m), 1.62−1.66(4H,m), 1.80−1.85(4H,m), 1.96−3.02(2H,m), 3.51−3.57(2H,m), 3.72−3.79(1H,m), 3.93−4.00(1H,m), 4.99−5.01 and 5.13−5.15(total 1H, m), 5.64−5.67 and 5.70−5.73(total 1H,m)。
【0124】
実施例7
実施例6で得た2−(R,S)−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−(R,S)−リン酸 ジシクロヘキシルアミン塩500mg(DL−ラセミ体。4種の異性体比は実施例6記載の通り)、2−アミノ−6−N−シクロプロピルアミノプリン85.9mgを、1MTris・HCl緩衝液(pH7.5)4.52mlと水で溶解し、全量を45.2mlとした。実施例3で得た集菌体452mgを加え、撹拌しながら50℃で100時間反応を行った。
【0125】
反応終了液を下記のHPLC条件で分析した結果、原料の4種の異性体(D−トランス、D−シス、L−シス、L−トランス)のうち2種の異性体(D−トランスおよびL−シス)が反応し、2種の異性体(D−シス体およびL−トランス体)の2−ヒドロキシメチル−4−(2’−アミノ−6’−シクロプロピルアミノプリン−9’−イル)−1,3−ジオキソランが生成していることが判明した。生成物のD−シス体:L−トランス体の比率は64:1であり、D−トランスおよびL−シス体の反応速度に14倍の差があることが明らかとなった。
HPLC分析条件
Figure 2004313002
HPLC分析結果
2−アミノ−6−N−シクロプロピルアミノプリン
保持時間:7.3分 面積相対値:20.1
2−ヒドロキシメチル−4−(2’−アミノ−6’−シクロプロピルアミノプリン−9’−イル)−1,3−ジオキソラン
D−シス体 保持時間:13.7分 面積相対値:78.7
L−トランス体 保持時間:16.1分 面積相対値: 1.2
【0126】
【発明の効果】
本願発明により、容易かつ低コストで合成可能なアノマー混合物である1−リン酸化糖を反応基質とする汎用性の高いヌクレオシドの製法を提供することができる。また、リン酸基と塩基との交換反応の差を利用して、ヌクレオシドの光学異性体の一方が多く合成されるヌクレオシドの合成方法を提供することができる。
【0127】
【配列表】
Figure 2004313002
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a nucleoside compound used as a raw material or a drug substance of an antiviral drug, an anticancer drug, an antisense drug, and the like.
[0002]
[Prior art]
Nucleosides are important compounds as raw materials or active substances for antiviral drugs, anticancer drugs and antisense drugs, and various synthetic methods are known.
[0003]
As a method for synthesizing a nucleoside, for example, Organic Reactions VOLUME55 (2000, John Wiley & Sons) can be mentioned as a review. In recent years, unnatural nucleosides have attracted attention as antiviral drugs. For example, compounds having a thioxolan structure have EP382526, Drugs of the Future 2000, 25 (8), 855-857, WO0009494, and a dioxolane structure. The compound is known from Japanese Patent Publication No. Hei 8-501086, Drugs of the Future 2000, 25 (5), 454-461, WO 0039143, and the like.
[0004]
On the other hand, nucleoside phosphorylase is a general term for enzymes capable of phosphorolytically decomposing N-glycoside bonds of nucleosides in the presence of phosphoric acid, and catalyzes a reaction represented by the following formula.
[0005]
Nucleoside + phosphoric acid (salt) → base + 1-phosphorylated sugar
This enzymatic reaction is reversible, and the synthesis of various nucleosides using the reverse reaction has been known for some time. For example, 2′-deoxyribose 1-phosphate and a nucleic acid base (thymine, adenine or guanine) to thymidine (JP-A-01-104190), 2′-deoxyadenosine (JP-A-11-137290) or 2 ′ A method for producing deoxyguanosine (Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-137290) is disclosed.
[0006]
Further, Agric. Biol. Chem. , Vol. 50 (1), PP. 121-126, (1986), inosine was decomposed into ribose 1-phosphate and hypoxanthine by a reaction using a purine nucleoside phosphorylase derived from Enterobacter aerogenes in the presence of phosphoric acid, and then isolated with an ion exchange resin. A technique for producing ribavirin, an antiviral agent, from ribose 1-phosphate and 1,2,4-triazole-3-carboxamide using a purine nucleoside phosphorylase also derived from Enterobacter aerogenes has been reported.
[0007]
Furthermore, regarding the synthesis of L-form nucleosides, enzymatic synthesis of α-L-purine nucleosides from α-L-pyrimidine nucleosides synthesized by chemical synthesis in NUCLEOSIDES & NUCLEOTIDES, 13 (8), 1679-1693 (1994). However, no example of synthesis of an optically active nucleoside from a D / L racemate has been reported.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, since an industrial method for producing 1-phosphorylated saccharide has not been established, a highly versatile industrial method for producing nucleosides utilizing the reverse reaction of nucleoside phosphorylase has not been established yet. In addition, many non-natural sugars are 1) multi-step asymmetrically synthesized, 2) synthesized from expensive optically active materials, unless the optically active form of the raw sugar is easily obtained from nature. ) It is produced by a method such as complicated separation and purification of a mixture of optically active substances. Therefore, a simple method for producing an optically active nucleoside from a non-natural sugar comprising an anomeric mixture obtained easily and at low cost has been desired. In addition, there is also a technical disadvantage that the conversion of the 1-phosphorylated saccharide derivative and the base to produce a nucleoside by utilizing the reverse reaction of the enzyme is an equilibrium reaction, and the conversion is not improved.
[0009]
An object of the present invention is to provide a highly versatile nucleoside production method using 1-phosphorylated sugar, which is an anomeric mixture that can be synthesized easily and at low cost, as a reaction substrate.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above-mentioned problems, and determined that an anomeric mixture (D / L racemate or D-form or L-form) of a non-natural type 1-phosphorylated saccharide and a base were formed by the action of phosphorylase activity. It has been found that, by reacting and performing an exchange reaction between a phosphate group of a 1-phosphorylated sugar and a base, the exchange reaction proceeds anomeric-selectively, and a nucleoside can be efficiently produced. In addition, the presence of a metal cation capable of forming a sparingly water-soluble salt with phosphate ions in the reaction solution causes phosphate ions, which are by-products of the reaction, to precipitate as a sparingly water-soluble salt, thereby increasing the equilibrium of the reaction. It has also been found that the reaction yield is improved by moving in the direction of nucleoside synthesis. Furthermore, when the D / L racemic anomeric mixture contains an α-D-form and a β-L-form, the exchange reaction rate in the α-D-form is higher than the exchange reaction rate in the β-L-form. It has been found that a mixture containing β-D-nucleoside in a larger amount than α-L-nucleoside can be obtained by utilizing this difference in reaction rate.
[0011]
Based on these findings, the present invention has been completed.
[0012]
The present invention includes the following embodiments.
(1) An anoside mixture of 1-phosphorylated sugars, which is unnatural due to structural characteristics other than isomers caused by asymmetric carbon, is subjected to an exchange reaction between a phosphate residue and a base by the action of nucleoside phosphorylase to select an anomer. A method for producing nucleosides,
A step of obtaining a β-D-nucleoside, wherein the anomer mixture contains a D-form anomer, and selectively exchanges a phosphate group of an α-D-form of the D-form anomer with a base;
A step of obtaining the α-L-nucleoside, wherein the anomeric mixture contains an L-form anomer, and selectively exchanges a phosphate group of a β-L-form of the L-form anomer with a base;
A method for producing a nucleoside, comprising at least one step of:
[0013]
(2) The method for producing a nucleoside according to the above (1), wherein the anomeric mixture is a D / L racemic anomeric mixture.
[0014]
(3) By utilizing the fact that the reaction rate of the exchange reaction in the α-D- form contained in the anomeric mixture of the D / L racemate is higher than the reaction rate in the exchange reaction of the β-L- form, β The production method according to the above item (2), wherein a reaction mixture in which -D-nucleosides are more than α-L-nucleosides is obtained.
[0015]
(4) The method for producing a nucleoside according to the above (1), wherein the anomeric mixture is a D-form anomeric mixture.
[0016]
(5) The method for producing a nucleoside according to the above (1), wherein the anomeric mixture is an L-form anomeric mixture.
[0017]
(6) The 1-phosphorylated saccharide is represented by the formula (1):
[0018]
Embedded image
Figure 2004313002
[0019]
(Wherein R1 and R2 each independently represent a hydrogen atom, a methyl group, a hydroxymethyl group, a protected hydroxymethyl group, a carboxyl group or a protected carboxyl group, and X represents a halogen atom, Represents an optionally substituted alkoxy group, an optionally substituted alkylthio group,-(NHR4), W represents an oxygen atom or a sulfur atom, Z represents an oxygen atom, a sulfur atom or an optionally substituted carbon atom, Represents an acyl group, n represents 0 or 1, m and q each independently represents an integer of 0 to 3 when Z is an oxygen atom or a sulfur atom, and 0 to 3 when Z is a carbon atom. Represents any of the integers of 4, and a plurality of Xs when q is 2 or more independently represent any of the above groups.)
The method according to any one of (1) to (5) above.
[0020]
(7) The 1-phosphorylated saccharide is represented by the formula (2):
[0021]
Embedded image
Figure 2004313002
[0022]
(Wherein, W and Z have the same meanings as described above. R3 represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, a halogen atom, an optionally substituted alkoxy group or an optionally substituted alkylthio group.) ) To (5).
[0023]
(8) The 1-phosphorylated saccharide is represented by the formula (3):
[0024]
Embedded image
Figure 2004313002
[0025]
The method according to any one of (1) to (5) above.
[0026]
(9) The method according to any one of the above (1) to (8), wherein the base is pyrimidine, purine, azapurine or deazapurine.
[0027]
(10) The base is purine, 6-aminopurine (adenine), 6-hydroxypurine, 6-fluoropurine, 6-chloropurine, 6-methylaminopurine, 6-dimethylaminopurine, 6-trifluoromethylamino Purine, 6-benzoylaminopurine, 6-acetylaminopurine, 6-hydroxyaminopurine, 6-aminooxypurine, 6-methoxypurine, 6-acetoxypurine, 6-benzoyloxypurine, 6-methylpurine, 6-ethyl Purine, 6-trifluoromethylpurine, 6-phenylpurine, 6-mercaptopurine, 6-methylmercaptopurine, 6-aminopurine-1-oxide, 6-hydroxypurine-1-oxide, 2-amino-6-hydroxy Purine (guanine), 2,6-diaminopurine, 2-amino- 6-chloropurine, 2-amino-6-iodopurine, 2-aminopurine, 2-amino-6-mercaptopurine, 2-amino-6-methylmercaptopurine, 2-amino-6-hydroxyaminopurine, 2 -Amino-6-methoxypurine, 2-amino-6-benzoyloxypurine, 2-amino-6-acetoxypurine, 2-amino-6-methylpurine, 2-amino-6-cyclopropylaminomethylpurine, 2- Amino-6-cyclopropylaminopurine, 2-amino-6-phenylpurine, 2-amino-8-bromopurine, 6-cyanopurine, 6-amino-2-chloropurine (2-chloroadenine) or 6-amino The process according to any one of the above (1) to (8), wherein the process is -2-fluoropurine (2-fluoroadenine).
[0028]
(11) The base is represented by the formula (4):
[0029]
Embedded image
Figure 2004313002
[0030]
The method for producing a nucleoside according to any one of the above (1) to (8), wherein
[0031]
(12) The method according to any one of (1) to (11) above, wherein the exchange reaction is performed in an aqueous medium, and a metal cation capable of forming a poorly water-soluble salt with a phosphate ion is present in the aqueous medium. The manufacturing method as described.
[0032]
(13) The production method according to the above (12), wherein the metal cation is one or more metal cations selected from a calcium ion, a barium ion, an aluminum ion, and a magnesium ion.
[0033]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0034]
The saccharide for obtaining the 1-phosphorylated saccharide used in the present invention is a non-natural saccharide having structural characteristics other than the non-natural as an isomer due to an asymmetric carbon with respect to the natural, that is, an artificial saccharide. Is a non-natural type caused by a structural change, for example, modification by introducing an artificial substituent. Therefore, the non-natural type due to this structural change does not include the non-natural type itself as an isomer resulting from an asymmetric carbon with respect to the natural type.
[0035]
Such non-natural saccharides include, for example, those obtained by artificially modifying pyranose-type or furanose-type saccharides, such as saccharide derivatives having a carboxyl group or the like introduced therein, amino groups possessed by these, Examples thereof include sugar derivatives in which a hydroxyl group or the like is protected with a protecting group, halogenated sugar derivatives in which the hydroxyl group of these is substituted with a halogen atom, and non-natural saccharides such as 2,3-dideoxyribose, dioxolane sugar, and thioxolane sugar. However, the present invention is not limited to these.
[0036]
Examples of natural saccharides that can be used when obtaining the non-natural saccharides defined in the present invention include aldopentoses such as D-arabinose, L-arabinose, D-xylose, L-lyxose, and D-ribose. Ketopentoses such as D-xylose, L-xylose, D-ribulose; aldohexoses such as D-galactose, L-galactose, D-glucose, D-talose, D-mannose; D-tagatose, L-sorbose; Ketohexoses such as D-psicose and D-fructose; D-2-deoxyribose, D-2,3-dideoxyribose; D-fucose, L-fucose, D-rhamnose, L-rhamnose, D-fucopyranose, L -Fucopyranose, D-rhamnofuranose, L-rhamnofuranose, D- Deoxy sugars such as rometilose, D-quinobose, D-antiallose, D-talomylose, L-talomylose, D-dikitalose, D-digitoxose, D-simarose, tiberose, avecose, paratose, coritolose, ascalulose; glucosamine, daunosamine And uronic acids such as glucuronic acid and galacturonic acid.
[0037]
Non-natural saccharides defined in the present invention obtained by subjecting these natural saccharides to artificial modification as described above can be used for the production of 1-phosphorylated saccharides. In addition, the unnatural isomers defined in the present invention can also be obtained by applying the above-mentioned artificial modification to the unnatural isomers based on the asymmetric carbon of these natural saccharides. .
[0038]
Examples of the halogen atom for obtaining the above-mentioned halogenated sugar derivative include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom. If necessary, two or more of these can be substituted with a sugar.
[0039]
The above protecting group refers to a protecting group that is removed by a chemical method such as hydrogenolysis, hydrolysis, or photolysis, and those used in the synthesis of amino acids, peptides, nucleic acids, and the like can be used. . Examples of such a group include a formyl group, an acyl group, a silyl group, an alkyl group, an aralkyl group, and a carbonyl group. Among them, a formyl group, an aliphatic acyl group, an aromatic acyl group, a silyl group, and an alkoxyalkyl group are preferable. And a halogenated alkyl group, an aralkyl group, an alkoxycarbonyl group and an aralkyloxycarbonyl group. If necessary, two or more of these can be used for modifying a sugar.
[0040]
Examples of the aromatic acyl group include a substituted benzoyl group, and specific examples thereof include a 2-fluorobenzoyl group, a 3-fluorobenzoyl group, a 4-fluorobenzoyl group, a 2-chlorobenzoyl group, and a 3-chlorobenzoyl group. , 4-chlorobenzoyl, 2-bromobenzoyl, 3-bromobenzoyl, 4-bromobenzoyl, 2,4-dichlorobenzoyl, 2,6-dichlorobenzoyl, 3,4-dichlorobenzoyl, 3, , 5-dichlorobenzoyl group, 4-phenylbenzoyl group and the like.
[0041]
As the 1-phosphorylated saccharide obtained using such a non-natural type saccharide, the compound represented by the formula (1) shown above can be preferably mentioned.
[0042]
The following compounds can be mentioned as 1-phosphorylated sugars that can be used more preferably.
(1) A compound of the formula (1) in which X is a halogen atom, an alkoxy group or an alkylthio group, m represents an integer of 0 to 3, n represents 0 or 1, and q represents an integer of 0 to 4. (R1, R2, W and Z have the same meanings as in formula (1).)
(2) The following formula (a):
[0043]
Embedded image
Figure 2004313002
[0044]
[Wherein, R1 and R2 independently represent a hydrogen atom, a methyl group, a hydroxymethyl group, a protected hydroxymethyl group or a protected carboxyl group, R4 represents an acyl group, X represents a halogen atom, Represents an optionally substituted alkoxy group or an optionally substituted alkylthio group; W represents an oxygen atom or a sulfur atom; Z represents an oxygen atom, a sulfur atom or an optionally substituted carbon atom; Represents 0 or 1, m and q represent an integer of 0 to 4, and r represents 0 or 1. (However, m, q, r, and n are m + r ≦ n + 1, q ≦ 2 × (n + 1) −2 × (m + r) when Z is an oxygen atom or a sulfur atom, and when Z is a carbon atom, m + r ≦ n + 2, q ≦ 2 × (n + 2) −2 × (m + r))].
(3) The following formula (b)
[0045]
Embedded image
Figure 2004313002
[0046]
(Wherein, R2 independently represents a hydrogen atom, a methyl group, a hydroxymethyl group, a protected hydroxymethyl group, a protected carboxyl group or a carboxyl group, X represents a halogen atom, and may be substituted. Represents an alkoxy group or an optionally substituted alkylthio group, W represents an oxygen atom or a sulfur atom, Z represents an oxygen atom, a sulfur atom or an optionally substituted carbon atom, and m is an integer of 0 to 3 Wherein n represents 0 or 1, and q represents an integer of 0 to 4.)
(4) A compound represented by the above formula (2).
(5) A compound represented by the above formula (3).
[0047]
As the protecting group in each of the above formulas, the above-mentioned protecting groups can be used.
[0048]
Examples of the alkoxy group in each of the above formulas include an alkoxy group in which a lower alkyl group having 1 to 7 carbon atoms is bonded to an oxygen atom. The alkyl group of the alkoxy group may be further substituted with one or more groups selected from the group consisting of an alkyl group, an aralkyl group and an alkoxy group. Examples of the alkyl group of these substituents also include lower alkyl groups having 1 to 7 carbon atoms.
[0049]
Preferred specific examples of the optionally substituted alkoxy group include a methoxy group and a methoxyethoxy group.
[0050]
Examples of the alkylthio group in each of the above formulas include an alkylthio group in which a lower alkyl group having 1 to 7 carbon atoms is bonded to a sulfur atom. The alkyl group of the alkylthio group may be further substituted with one or more groups selected from the group consisting of an alkyl group, an aralkyl group and an alkoxy group, as in the case of the alkoxy group described above. Examples of the alkyl group of these substituents also include lower alkyl groups having 1 to 7 carbon atoms.
[0051]
Preferred specific examples of the optionally substituted alkylthio group include a methylthio group.
[0052]
Examples of the aralkyl group which may be substituted with the above-mentioned alkoxy group or alkylthio group include unsubstituted aralkyl groups such as a benzyl group; lower alkyl groups such as a 2-methylbenzyl group, a 3-methylbenzyl group and a 4-methylbenzyl group. An aralkyl group substituted with a lower alkoxy group such as a 2-methoxybenzyl group, a 3-methoxybenzyl group or a 4-methoxybenzyl group; a 2-nitrobenzyl group, a 3-nitrobenzyl group, Aralkyl groups substituted with nitro groups such as nitrobenzyl groups; aralkyl groups substituted with halogens such as 2-chlorobenzyl group, 3-bromobenzyl group, 4-fluorobenzyl group; 2-cyanobenzyl group, 3-cyanobenzyl An aralkyl group substituted with a cyano group such as a 4-cyanobenzyl group; Can.
[0053]
The carbon atom which may be substituted as Z in each of the above formulas represents a carbon atom in which one or two substituents are substituted, and when not substituted, a carbon atom substituted by a hydrogen atom Point.
[0054]
Examples of the substituent capable of substituting the carbon atom include an alkyl group, a halogen atom, an alkoxy group and an alkylthio group. Examples of the alkyl group, the alkoxy group and the alkylthio group include lower alkyl having 1 to 7 carbon atoms. Groups, lower alkoxy groups and lower alkylthio groups.
[0055]
As the acyl group represented by R4 in the above formula, for example, an aliphatic acyl group, an aromatic acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aralkyloxycarbonyl group, a methanesulfonyl group, a lower alkanesulfonyl group such as a trifluoromethanesulfonyl group, An arylsulfonyl group such as a benzenesulfonyl group and a p-toluenesulfonyl group can be exemplified.
[0056]
Examples of the aliphatic acyl group include an alkylcarbonyl group and a halogen-substituted lower alkylcarbonyl group. Examples of the aromatic acyl group include an arylcarbonyl group, a halogen-substituted arylcarbonyl group, a lower alkylated arylcarbonyl group, a lower alkoxyarylcarbonyl group, a nitrated arylcarbonyl group, a lower alkoxycarbonylated arylcarbonyl group, and an arylated arylcarbonyl. Groups can be mentioned. Preferred are an aliphatic acyl group, an aromatic acyl group and a lower alkanesulfonyl group, and specific preferred examples include an acetyl group, a trifluoroacetyl group, a benzoyl group, and a methanesulfonyl group.
[0057]
The 1-phosphorylated saccharide in the present invention can be supplied in the form of a salt, and the salt refers to a salt formed by a phosphate group of the compound in the molecule. Examples of the salt include salts of alkali metals such as sodium, potassium and lithium, salts of alkaline earth metals such as magnesium, calcium and barium, salts of metals such as aluminum and iron, ammonium salts, primary and secondary. And tertiary alkylamine salts.
[0058]
Examples of the primary alkylamine include alkylamines such as methylamine, ethylamine, propylamine, isopropylamine, butylamine, hexylamine, and octylamine; cycloalkylamines such as cyclohexylamine; and benzylamine. Can be.
[0059]
Examples of the secondary alkylamine include dialkylamines such as diethylamine, diisopropylamine, dibutylamine, dihexylamine and dioctylamine, dicycloalkylamines such as dicyclohexylamine, piperidine, morpholine, and N-methylpiperazine. Such cyclic amines can be exemplified.
[0060]
Examples of the tertiary alkylamine include trimethylamine, triethylamine, tripropylamine, N-ethyldiisopropylamine, tributylamine, trihexylamine, trioctylamine, N-ethyldicyclohexylamine, N-methylpiperidine, N-methylmorpholine, Tertiary alkylamines such as N, N, N ', N'-tetramethylethylenediamine, aniline, N, N-dimethylaniline, N, N-diethylaniline, N, N-dibutylaniline, N, N-dioctylaniline Anilines such as pyridine, 2,6-dimethylpyridine, 2,4,6-lutidine, salts of pyridines such as nicotinamide, glycine, alanine, proline, lysine, arginine, amino acids such as glutamine; Cinchonidine, 1- (1-na Chill) ethylamine, can be mentioned optically active amine such as 1-phenylethylamine, it encompasses both monovalent or divalent salts.
[0061]
In addition, the salt of 1-phosphorylated saccharide used in the present invention absorbs water when left in the air, and sometimes adsorbs water or forms a hydrate. Can be used.
[0062]
The base used in the present invention refers to a natural or unnatural base selected from the group consisting of pyrimidine, purine, azapurine and deazapurine, and includes a halogen atom, an alkyl group, a haloalkyl group, an alkenyl group, a haloalkenyl group, It may be substituted by an alkynyl group, amino group, alkylamino group, hydroxyl group, hydroxyamino group, aminoxy group, alkoxy group, mercapto group, alkylmercapto group, aryl group, aryloxy group or cyano group.
[0063]
Examples of the halogen atom as a substituent include chlorine, fluorine, iodine, and bromine.
[0064]
Examples of the alkyl group include lower alkyl groups having 1 to 7 carbon atoms such as methyl, ethyl and propyl.
[0065]
Examples of the haloalkyl group include a haloalkyl group having an alkyl group having 1 to 7 carbon atoms, such as fluoromethyl, difluoromethyl, trifluoromethyl, bromomethyl, and bromoethyl.
[0066]
Examples of the alkenyl group include alkenyl groups having 2 to 7 carbon atoms such as vinyl and allyl.
[0067]
Examples of the haloalkenyl group include haloalkenyl groups having 2 to 7 carbon atoms, such as bromovinyl and chlorovinyl.
[0068]
Examples of the alkynyl group include alkynyl groups having 2 to 7 carbon atoms, such as ethynyl and propynyl.
[0069]
Examples of the alkylamino group include alkylamino groups having 1 to 7 carbon atoms such as methylamino and ethylamino. Examples of the alkoxy group include an alkoxy group having 1 to 7 carbon atoms such as methoxy and ethoxy.
[0070]
Examples of the alkyl mercapto group include alkyl mercapto groups having alkyl having 1 to 7 carbon atoms, such as methyl mercapto and ethyl mercapto.
[0071]
Examples of the aryl group include a phenyl group; an alkylphenyl group having 1 to 5 carbon atoms such as methylphenyl and ethylphenyl; an alkoxyphenyl group having 1 to 5 carbon atoms such as methoxyphenyl and ethoxyphenyl; Examples thereof include an alkylaminophenyl group having an alkylamino having 1 to 5 carbon atoms such as phenyl and diethylaminophenyl; and a halogenophenyl group such as chlorophenyl and bromophenyl.
[0072]
Specific examples of pyrimidine bases include cytosine, uracil, 5-fluorocytosine, 5-fluorouracil, 5-chlorocytosine, 5-chlorouracil, 5-bromocytosine, 5-bromouracil, 5-iodocytosine, and 5-iodocytosine. -Iodouracil, 5-methylcytosine, 5-methyluracil (thymine), 5-ethylcytosine, 5-ethyluracil, 5-fluoromethylcytosine, 5-fluorouracil, 5-trifluorocytosine, 5-trifluorouracil, 5 -Vinyluracil, 5-bromovinyluracil, 5-chlorovinyluracil, 5-ethynylcytosine, 5-ethynyluracil, 5-propynyluracil, pyrimidin-2-one, 4-hydroxyaminopyrimidin-2-one, 4-amino Oxypyrimidin-2-one, 4-methoxy Rimijin 2-one, 4-acetoxy-2-one, 4-fluoro-2-one, and 5-fluoro-pyrimidin-2-one and the like.
[0073]
Specific examples of the purine base include purine, 6-aminopurine (adenine), 6-hydroxypurine, 6-fluoropurine, 6-chloropurine, 6-methylaminopurine, 6-dimethylaminopurine, and 6-tripurine. Fluoromethylaminopurine, 6-benzoylaminopurine, 6-acetylaminopurine, 6-hydroxyaminopurine, 6-aminooxypurine, 6-methoxypurine, 6-acetoxypurine, 6-benzoyloxypurine, 6-methylpurine, 6-ethylpurine, 6-trifluoromethylpurine, 6-phenylpurine, 6-mercaptopurine, 6-methylmercaptopurine, 6-aminopurine-1-oxide, 6-hydroxypurine-1-oxide, 2-amino- 6-hydroxypurine (guanine), 2,6-diaminopurine, -Amino-6-chloropurine, 2-amino-6-iodopurine, 2-aminopurine, 2-amino-6-mercaptopurine, 2-amino-6-methylmercaptopurine, 2-amino-6-hydroxyamino Purine, 2-amino-6-methoxypurine, 2-amino-6-benzoyloxypurine, 2-amino-6-acetoxypurine, 2-amino-6-methylpurine, 2-amino-6-cyclopropylaminomethylpurine 2-amino-6-cyclopropylaminopurine, 2-amino-6-phenylpurine, 2-amino-8-bromopurine, 6-cyanopurine, 6-amino-2-chloropurine (2-chloroadenine), 6-amino-2-fluoropurine (2-fluoroadenine) and the like.
[0074]
Specific examples of azapurine base and deazapurine base include 6-amino-3-deazapurine, 6-amino-8-azapurine, 2-amino-6-hydroxy-8-azapurine, 6-amino-7-deazapurine, 6 -Amino-1-deazapurine, 6-amino-2-azapurine and the like.
[0075]
Further, preferred bases include the bases represented by the formula (4).
[0076]
The term "nucleoside phosphorylase" in the present invention is a general term for enzymes that degrade N-glycoside bonds of nucleosides in the presence of phosphoric acid. In the present invention, a reverse reaction can be used. The enzyme used in the reaction may be of any type and origin as long as it has an activity capable of producing a target nucleoside from the corresponding 1-phosphorylated saccharide derivative and a base. The enzymes are roughly classified into purine type and pyrimidine type. For example, purine nucleoside phosphorylase (EC 2.4.2.1) and guanosine phosphorylase (EC 2.4.2.15) as purine type, and pyrimidine nucleoside phosphorylase (EC) as pyrimidine type. EC 2.4.2.2), uridine phosphorylase (EC 2.4.2.3), thymidine phosphorylase (EC 2.4.2.4), deoxyuridine phosphorylase (EC 2.4.2.23) and the like.
[0077]
The microorganism expressing the nucleoside phosphorylase in the present invention includes purine nucleoside phosphorylase (EC 2.4.2.1), guanosine phosphorylase (EC 2.4.2.15), and pyrimidine nucleoside phosphorylase (EC 2.4.2.2). ), Uridine phosphorylase (EC 2.4.2.3), thymidine phosphorylase (EC 2.4.2.4), deoxyuridine phosphorylase (EC 2.4.2.23) and one or more nucleosides selected from the group consisting of The microorganism is not particularly limited as long as it is a microorganism expressing phosphorylase.
[0078]
Specific examples of such microorganisms include the genus Nocardia, the genus Microbacterium, the genus Corynebacterium, the genus Brevibacterium, the genus Cellulomonas, and the flavobacteria. Genus Flabobacterium, genus Kluyvere, genus Mycobacterium, genus Haemophilus, genus Mycoplana, genus Protaminobacterium, Candida, Candida, Candida, Candida Saccharomyces, Bacillus Thermophilic Bacillus, Pseudomonas, Micrococcus, Hafnia, Proteus, Vibrio, Staphylococcus, Propionibacterium, Propionibacterium Propionobacterium, Sartina, Planococcus, Escherichia, Kurthia, Rhodococcus, Rhodococcus, Acinetobacter, Acintobacto, Xacion bacterium, Acinetobacter Myces (Streptomyces) genus, Rhizobium ( genus hizobium, genus Salmonella, genus Klebsiella, genus Enterobacter, genus Erwinia, genus Aeromonas, genus Citrobacter, acrobacta, acrobacter, acrobacta Microorganism strains contained in the genus Agrobacterium, the genus Arthrobacter or the genus Pseudonocardia can be mentioned as preferred examples.
[0079]
Due to recent advances in molecular biology and genetic engineering, by analyzing the molecular biological properties and amino acid sequence of the nucleoside phosphorylase of the above-mentioned microorganism strain, the gene for the protein is obtained from the microorganism strain, And constructing a recombinant plasmid into which a control region required for expression has been inserted, introducing the recombinant plasmid into an arbitrary host, and producing a genetically modified bacterium expressing the protein. It also became. In view of the state of the art, genetically modified bacteria in which such a nucleoside phosphorylase gene has been introduced into an arbitrary host are also included in the microorganism expressing the nucleoside phosphorylase of the present invention.
[0080]
The control region required for expression herein includes a promoter sequence (including an operator sequence for controlling transcription), a ribosome binding sequence (SD sequence), a transcription termination sequence, and the like. Specific examples of the promoter sequence include trp promoter of tryptophan operon derived from Escherichia coli, lac promoter of lactose operon, PL promoter and PR promoter derived from lambda phage, gluconate synthase promoter (gnt) derived from Bacillus subtilis, and alkaline protease promoter. (Apr), neutral protease promoter (npr), α-amylase promoter (amy), and the like. In addition, sequences that have been independently modified and designed, such as the tac promoter, can also be used. The ribosome binding sequence includes a sequence derived from Escherichia coli or Bacillus subtilis, but is not particularly limited as long as it functions in a desired host such as Escherichia coli or Bacillus subtilis. For example, a consensus sequence in which a sequence complementary to the 3 ′ terminal region of 16S ribosomal RNA is continuous for 4 bases or more may be created by DNA synthesis and used. Although a transcription termination sequence is not necessarily required, a p-factor-independent one such as a lipoprotein terminator or a trp operon terminator can be used. The sequence of these control regions on the recombinant plasmid is preferably arranged in the order of the promoter sequence, the ribosome binding sequence, the gene encoding nucleoside phosphorylase, and the transcription termination sequence from the 5 'terminal side upstream.
[0081]
Specific examples of the plasmid referred to herein include pBR322, pUC18, Bluescript II SK (+), pKK223-3, and pSC101 having an autonomously replicable region in Escherichia coli, and autonomously replicable in Bacillus subtilis. PUB110, pTZ4, pC194, ρ11, φ1, φ105, etc., having various regions can be used as vectors. Further, as examples of plasmids capable of autonomous replication in two or more types of hosts, pHV14, TRp7, YEp7, and pBS7 can be used as vectors.
[0082]
Examples of the optional host include Escherichia coli as a representative example as described in Examples below, but are not particularly limited to Escherichia coli and include Bacillus subtilis such as Bacillus subtilis. And other microbial strains such as yeasts and actinomycetes.
[0083]
The nucleoside phosphorylase activity in the present invention includes not only the above-mentioned microbial cells having the enzymatic activity, but also the processed cells of the microbial cells having the enzymatic activity or their immobilized products. The treated bacterial cells are, for example, acetone-dried bacterial cells and bacteria prepared by mechanical disruption, ultrasonic crushing, freeze-thawing, pressurized and reduced pressure treatment, osmotic pressure treatment, autolysis, cell wall decomposition treatment, surfactant treatment, etc. It may be a crushed body or the like, and may be used after repeated purification by ammonium sulfate precipitation, acetone precipitation or column chromatography, if necessary.
[0084]
In the exchange reaction between the phosphoric acid residue and the base for the anomeric mixture of 1-phosphorylated saccharide in the present invention, as described above, when the anomeric mixture contains the D-form anomer, the α-form of the D-form anomer is used. The phosphate group of the -D- form is selectively exchanged with a base to obtain a β-D-nucleoside. Further, when the L-form anomer is contained in the anomeric mixture, the phosphate group of the β-L-form of the L-form anomer is selectively exchanged with a base to obtain an α-L-nucleoside. When the mixture contains both the D-form and the L-form, both of these exchange reactions are selectively performed.
[0085]
Examples of the anomeric mixture include the following.
(1) D-form anomeric mixture
(2) L-form anomeric mixture
(3) A mixture of both the D-form anomer and the L-form anomer
(4) D / L racemic anomeric mixture
In the exchange reaction between the phosphate group and the base in the method of the present invention, the reaction rate of the exchange reaction in the α-D-form is higher than the reaction rate in the exchange reaction of the β-L-form. Thus, by applying the method of the present invention to a D / L racemic anomeric mixture, a reaction mixture in which β-D-nucleosides are larger than α-L-nucleosides can be obtained, and the mixing ratio of these can be reduced. By changing it, the effect of facilitating the subsequent separation and purification operation can be obtained.
[0086]
In the method of the present invention, the presence of a metal cation capable of forming a sparingly water-soluble salt with phosphate ions in the reaction medium causes phosphate ions by-produced in the reaction medium to precipitate as salts. Nucleoside production efficiency can be improved.
[0087]
In the present invention, the metal cation capable of forming a poorly water-soluble salt with a phosphate ion is one that forms a poorly water-soluble salt with a phosphate ion by-produced in the reaction and can precipitate in a reaction solution. It is not limited. Such include metal cations such as calcium, magnesium, barium, iron, cobalt, nickel, copper, silver, molybdenum, lead, zinc, lithium, and the like. Among them, metal salts which are industrially highly versatile and highly safe and do not affect the reaction are particularly preferable. Examples of such metal salts include calcium ions, barium ions and aluminum ions.
[0088]
The metal cation capable of forming a sparingly water-soluble salt with phosphate ion in the present invention is a metal cation capable of forming a sparingly water-soluble salt with phosphoric acid, chloride ion, nitrate ion, carbonate ion, sulfate ion, acetic acid. It may be added to the reaction solution as a metal salt with one or more anions selected from ions and hydroxyl ions. Specifically, calcium chloride, calcium nitrate, calcium carbonate, calcium sulfate, calcium acetate, magnesium hydroxide, barium chloride, barium nitrate, barium carbonate, barium sulfate, barium acetate, aluminum chloride, aluminum nitrate, aluminum carbonate, aluminum sulfate , Aluminum acetate and the like.
[0089]
The metal cation may be present in the reaction solution as a salt of pentose-1-phosphate. For example, ribose-1-phosphate-calcium salt, 2-deoxyribose-1-phosphate-calcium salt, 2,3-dideoxyribose-1-phosphate-calcium salt, arabinose-1-phosphate- Calcium salt, ribose-1-phosphate / barium salt, 2-deoxyribose-1-phosphate / barium salt, 2,3-dideoxyribose-1-phosphate / barium salt, arabinose-1-phosphate / barium salt , Ribose-1-phosphate aluminum salt, 2-deoxyribose-1-phosphate aluminum salt, 2,3-dideoxyribose-1-phosphate aluminum salt, arabinose-1-phosphate aluminum salt, etc. Is mentioned.
[0090]
In the synthesis reaction of the nucleoside compound in the present invention, the target nucleoside, a 1-phosphorylated sugar derivative and a base as a substrate, a nucleoside phosphorylase or a microorganism having the enzyme activity as a reaction catalyst, and phosphoric acid are excluded from the reaction system. For this purpose, appropriate reaction conditions such as pH and temperature and a control range may be selected depending on the type of metal salt to be added and its characteristics, but the reaction can usually be performed at a pH of 5 to 10 and a temperature of 10 to 60 ° C. If the pH is out of the control range, the reaction conversion rate may decrease due to the stability of the target substance or the substrate, a decrease in enzyme activity, or the formation of a poorly water-soluble salt with phosphoric acid. . If the pH changes during the reaction, an acid such as hydrochloric acid or sulfuric acid or an alkali such as sodium hydroxide or potassium hydroxide may be added as needed. The concentration of the 1-phosphorylated saccharide derivative and the base used in the reaction is suitably about 0.1 to 1000 mM, and the molar ratio of the two is such that the ratio of the base to be added is 0 relative to the 1-phosphorylated saccharide derivative or a salt thereof. It can be performed in a molar amount of 1 to 10 times. Considering the reaction conversion, the molar amount is preferably 0.95 times or less.
[0091]
The metal salt capable of forming a sparingly water-soluble salt with phosphoric acid to be added is 0.1 to 10 times, more preferably 0.5 to 5 times, the molar amount of the 1-phosphorylated saccharide derivative used in the reaction. It is better to add twice the molar amount. There is no limitation on the method of addition, and it may be added all at once or sequentially during the reaction. In addition, although this reaction basically uses water as a solvent, an appropriate amount of an organic solvent such as alcohol and dimethyl sulfoxide used for a usual enzyme reaction may be added to the reaction system as needed. In a high-concentration reaction, the base of the substrate or the nucleoside compound of the product may be present in the reaction solution without being completely dissolved, but the present invention can be applied to such a case.
[0092]
The metal salt capable of forming a sparingly water-soluble salt with phosphoric acid to be added is 0.1 to 10 times, more preferably 0.5 to 5 times, the molar amount of the 1-phosphorylated saccharide derivative used in the reaction. It is better to add twice the molar amount. There is no limitation on the method of addition, and it may be added all at once or sequentially during the reaction. In addition, although this reaction basically uses water as a solvent, an appropriate amount of an organic solvent such as alcohol and dimethyl sulfoxide used for a usual enzyme reaction may be added to the reaction system as needed. In a high-concentration reaction, the base of the substrate or the nucleoside compound of the product may be present in the reaction solution without being completely dissolved, but the present invention can be applied to such a case.
[0093]
The nucleoside compound thus produced can be isolated by applying any conventional method such as concentration, crystallization, dissolution, electrodialysis, adsorption / desorption with an ion exchange resin or activated carbon.
[0094]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0095]
Example 1 Synthesis of 2- (R) -benzyloxymethyl-1,3-dioxolan-4- (R, S) -cyclohexylamine phosphate
Reaction formula (1)
[0096]
Embedded image
Figure 2004313002
[0097]
2- (R) -benzyloxymethyl-4- (R, S) -acetoxy-1,3-dioxolane [Tetrahedron Lett. , 33, 6949-6952 (1992), Nucleosides Nucleotides, 14, 627-636 (1995), Tetrahedron Lett. , 33, 6263-6266 (1992), WO 9218517 (Cheng. Yung. Chi et al.). To a solution of compound 1 (1.06 g, 4.2 mmole) in ether (12 ml) was added 4N hydrochloric acid-dioxane (4 ml) under ice cooling, and the mixture was stirred for 3.5 hours and then heated to room temperature. After the solvent was concentrated, the residue was azeotropically distilled with toluene to obtain a colorless transparent oil (500 mg).
[0098]
To 1.1 ml of acetonitrile, 0.27 g of orthophosphoric acid, 0.66 ml of tri-n-butylamine, and molecular sieve 4A (0.23 g) were sequentially added, followed by stirring for 1.5 hours. The oil (0.27 g) previously obtained was added to the suspension under ice cooling, and the mixture was stirred for 5.5 hours under ice cooling. After adding 0.6 ml of tri-n-butylamine and stirring for 30 minutes, the mixture was diluted with toluene and extracted with water. The aqueous layer was extracted with n-butanol and concentrated. After dissolving the concentrate in toluene, cyclohexylamine was added and concentrated to obtain Compound 2 as a white solid.
[0099]
1 H-NMR (D 2 O) [delta] ppm: 0.98-1.10 (2H, m), 1.14-1.23 (6H, m), 1.47-1.51 (2H, m), 1.61-1.64 (4H, m), 1.78-1.83 (4H, m), 2.94-3.00 (2H, m), 3.46-3.60 (2H, m), 3.72-3 .79 (1H, m), 3.92-4.00 (1H, m), 4.41-4.51 (2H, m), 5.01-5.03 and 5.22-5.24 ( total 1H, m), 5.64-5.72 (total 1H, m), 7.24-7.30 (5H, m).
[0100]
Example 2 Synthesis of 2- (R) -hydroxymethyl-1,3-dioxolan-4- (R, S) -cyclohexylamine phosphate
Reaction formula (2)
[0101]
Embedded image
Figure 2004313002
[0102]
Reaction formula (2)
Compound 2 (0.2 g) obtained in Example 1 was dissolved in 10 ml of methanol, and hydrogenation was performed at normal pressure using 0.11 g of 10% Pd / C as a catalyst. After filtering the catalyst, the filtrate was concentrated to obtain a cyclohexylamine salt of Compound 3.
[0103]
1 H-NMR (D 2 O) δ ppm: 0.99-1.06 (2H, m), 1.10-1.24 (6H, m), 1.47-1.50 (2H, m), 1.62-1.66 (4H, m), 1.80-1.85 (4H, m), 1.96-3.02 (2H, m), 3.51-3.57 (2H, m), 3.72-3 .79 (1H, m), 3.93-4.00 (1H, m), 4.99-5.01 and 5.13-5.15 (total 1H, m), 5.64-5.67 and 5.70-5.73 (total 1H, m).
APCI-MS (negative): m / z 199 (MH-).
[0104]
Example 3 Synthesis of (2R, 4R) -2-hydroxymethyl-4- (2'-amino-6'-cyclopropylamino-purine-9'-yl) -1,3-dioxolan
Reaction formula (3)
[0105]
Embedded image
Figure 2004313002
[0106]
Escherichia coli K-12 / XL-10 strain (Stratagene) was inoculated into 50 ml of LB medium, cultured at 37 ° C. overnight, collected, and lysed with a lysate containing 1 mg / ml of lysozyme. After the lysate was treated with phenol, DNA was precipitated by ethanol precipitation according to a conventional method. The resulting precipitate of DNA was collected by winding it around a glass rod, and then washed to prepare Escherichia coli chromosomal DNA.
[0107]
The primers for PCR have the nucleotide sequences shown in SEQ ID NOS: 1 and 2 designed based on the nucleotide sequence of the known deoD gene of Escherichia coli (GenBank accession No. AE000508 (coding region is nucleotide numbers 11531-12250)). These primers had EcoRI and HindIII restriction enzyme recognition sequences near the 5 ′ end and near the 3 ′ end, respectively.
SEQ ID NO: 1:
gtgaattcac aaaaaaggata aaaacaatggc 30
SEQ ID NO: 2
tcgaagctttg cgaaacacaa ttactctttt 29
Using a 0.1 ml PCR reaction solution containing 6 ng / μl of the aforementioned Escherichia coli chromosomal DNA and 3 μM of each primer completely digested with the restriction enzyme HindIII, denaturation: 96 ° C., 1 minute, annealing: 55 ° C., 1 minute, extension reaction: PCR was performed under the conditions of 30 cycles of a reaction cycle consisting of 74 ° C. for 1 minute.
[0108]
The above reaction product and plasmid pUC18 (Takara Shuzo Co., Ltd.) were digested with EcoRI and HindIII, ligated using Ligation High (Toyobo Co., Ltd.), and Escherichia coli DH5α Was transformed. The transformant was cultured on an LB agar medium containing 50 μg / ml of ampicillin (Am) and X-Gal (5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-galactoside), and was resistant to Am and a white colony. Was obtained. A plasmid was extracted from the thus obtained transformant, and the plasmid into which the target DNA fragment was inserted was named pUC-PNP73. The transformant thus obtained was named Escherichia coli MT-10905.
[0109]
The Escherichia coli MT-10905 strain was cultured with shaking in 100 mL of an LB medium containing 50 μg / ml of Am at 37 ° C. overnight. The obtained culture solution was centrifuged at 13000 rpm for 10 minutes to collect cells. The cells were suspended in 10 mL of 10 mM Tris-HCl buffer (pH 8.0) and disrupted by ultrasonic waves, and used as an enzyme source.
[0110]
10 mM of compound 3, 10 mM of 2-amino-6-cyclopropylamino-purine, 0.1 ml of the sonication enzyme solution of purine nucleoside phosphorylase producing bacterium prepared as described above, 10 mM of Tris-HCl buffer (pH 7.5) ) Was reacted at 50 ° C for 92 hours.
[0111]
After completion of the reaction, the cells were removed by centrifugation (1800 rpm, 20 min), and then concentrated to dryness. After dissolving in methanol and filtering off insolubles, the reaction product is sequentially purified by Sephadex LH-20 (solvent MeOH) and silica gel column chromatography (solvent CHCl3: MeOH: aqueous ammonia = 100: 10: 1) to give a reaction product. Isolated. The analytical value of the product was consistent with the analytical value described in the literature (WO0039143).
Example 4 Synthesis of (2R, 4R) -2-hydroxymethyl-4- (2'-amino-6'-amino-purine-9'-yl) -1,3-dioxolan
Reaction formula (4)
[0112]
Embedded image
Figure 2004313002
[0113]
The reaction was carried out in the same manner as in Example 3 to obtain Compound 5.
The analytical value of the product was consistent with the analytical value described in the literature (Tokuhyo Hei 8-50186, Drugs of the Future 2000, 25 (5) 454-461).
[0114]
Example 5 Synthesis of 2- (R, S) -benzyloxymethyl-1,3-dioxolan-4- (R, S) -cyclohexylamine phosphate
Reaction formula (5)
[0115]
Embedded image
Figure 2004313002
[0116]
2- (R, S) -benzyloxymethyl-4- (R, S) -acetoxy-1,3-dioxolane [Tetrahedron Lett. , 33, 6949-6952 (1992), Nucleosides Nucleotides, 14, 627-636 (1995), Tetrahedron Lett. , 33, 6263-6266 (1992), WO 9218517 (Cheng. Yung. Chi et al.). A solution of compound 6 (2.55 g, 10 mmol, a mixture of four optical isomers of D-trans, D-cis, L-cis and L-trans) in diethyl ether (50 ml) was added 4N hydrochloric acid-dioxane (50 ml) under ice-cooling. 20 ml), and the mixture was stirred under ice-cooling for 1 hour and then at room temperature for 4.5 hours. After the solvent was concentrated, the residue was azeotropically distilled with toluene to obtain a colorless and transparent oil.
[0117]
2.94 g (30 mmol) of orthophosphoric acid, 2.5 ml of tri-n-butylamine, and molecular sieve 4A (3.2 g) were added to 10 ml of acetonitrile, and the mixture was stirred at room temperature for 4.5 hours. Under ice cooling, a solution of the obtained oil in acetonitrile (2 ml) was added, and the mixture was stirred overnight. After adding 7.5 ml of tri-n-butylamine, the mixture was stirred under ice cooling for 1 hour. Water was added to the mixture and extracted with chloroform. The solvent was distilled off, the obtained oil was dissolved in toluene, and cyclohexylamine (3.5 ml) was added. Extraction was performed with water, and the aqueous layer was concentrated to dryness to obtain 3.43 g (70% yield) of dicyclohexylamine salt of Compound 7 as a white solid.
[0118]
1 H-NMR (D 2 O) [delta] ppm: 0.98-1.10 (2H, m), 1.14-1.23 (6H, m), 1.47-1.51 (2H, m), 1.61-1.64 (4H, m), 1.78-1.83 (4H, m), 2.94-3.00 (2H, m), 3.46-3.60 (2H, m), 3.72-3 .79 (1H, m), 3.92-4.00 (1H, m), 4.41-4.51 (2H, m), 5.01-5.03 and 5.22-5.24 ( total 1H, m), 5.64-5.72 (total 1H, m), 7.24-7.30 (5H, m).
[0119]
Example 6 Synthesis of 2- (R, S) -hydroxymethyl-1,3-dioxolan-4- (R, S) -cyclohexylamine phosphate
Reaction formula (6)
[0120]
Embedded image
Figure 2004313002
[0121]
A solution of compound 7 (3.2 g, a mixture of four optical isomers of D-trans, D-cis, L-cis and L-trans) in methanol (150 ml) was mixed with 10% Pd / C (50% 1.08 g) and stirred at room temperature for 24 hours under a hydrogen stream. After filtering off Pd / C, methanol and diisopropyl ether were added to the residue obtained by evaporating the solvent, and the precipitated solid was collected by filtration and dried to obtain 2.47 g of a cyclohexylamine salt of compound 8. The following shows the ratio of the four isomers in the product.
[0122]
Embedded image
Figure 2004313002
[0123]
1 H-NMR (D 2 O) δ ppm: 0.99-1.06 (2H, m), 1.10-1.24 (6H, m), 1.47-1.50 (2H, m), 1.62-1.66 (4H, m), 1.80-1.85 (4H, m), 1.96-3.02 (2H, m), 3.51-3.57 (2H, m), 3.72-3 .79 (1H, m), 3.93-4.00 (1H, m), 4.99-5.01 and 5.13-5.15 (total 1H, m), 5.64-5.67 and 5.70-5.73 (total 1H, m).
[0124]
Example 7
2- (R, S) -hydroxymethyl-1,3-dioxolan-4- (R, S) -phosphate dicyclohexylamine phosphate 500 mg (DL-racemate obtained in Example 6; the ratio of the four isomers is 85.9 mg of 2-amino-6-N-cyclopropylaminopurine was dissolved in 4.52 ml of 1M Tris · HCl buffer (pH 7.5) and water, and the total amount was 45.2 ml. did. 452 mg of the collected cells obtained in Example 3 was added, and the mixture was reacted at 50 ° C. for 100 hours with stirring.
[0125]
The reaction-terminated liquid was analyzed under the following HPLC conditions. As a result, two of the four isomers (D-trans, D-cis, L-cis, and L-trans) were used (D-trans and L-trans). -Cis) reacts, and the two isomers (D-cis and L-trans) of 2-hydroxymethyl-4- (2'-amino-6'-cyclopropylaminopurine-9'-yl) It was found that -1,3-dioxolane was produced. The ratio of D-cis-form: L-trans-form of the product was 64: 1, which revealed that there was a 14-fold difference in the reaction rate between the D-trans-form and the L-cis-form.
HPLC analysis conditions
Figure 2004313002
HPLC analysis results
2-amino-6-N-cyclopropylaminopurine
Retention time: 7.3 minutes Area relative value: 20.1
2-hydroxymethyl-4- (2'-amino-6'-cyclopropylaminopurine-9'-yl) -1,3-dioxolan
D-cis isomer Retention time: 13.7 minutes Area relative value: 78.7
L-trans form Retention time: 16.1 minutes Area relative value: 1.2
[0126]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a highly versatile nucleoside production method using 1-phosphorylated sugar, which is an anomeric mixture that can be synthesized easily and at low cost, as a reaction substrate. Further, it is possible to provide a method for synthesizing a nucleoside in which one of the optical isomers of the nucleoside is synthesized in a large amount by utilizing the difference in the exchange reaction between the phosphate group and the base.
[0127]
[Sequence list]
Figure 2004313002

Claims (13)

不斉炭素に起因する異性体以外の構造的特徴ゆえに非天然である1−リン酸化糖のアノマー混合物にヌクレオシドホスホリラーゼの作用によりリン酸残基と塩基との交換反応を行い、アノマー選択的にヌクレオシドを製造する方法であって、
前記アノマー混合物がD体のアノマーを含み、該D体アノマーのα−D−体のリン酸基を選択的に塩基と交換し、β−D−ヌクレオシドを得る工程と、
前記アノマー混合物がL体のアノマーを含み、該L体アノマーのβ−L−体のリン酸基を選択的に塩基と交換し、α−L−ヌクレオシドを得る工程と、
の少なくとも一方の工程を有することを特徴とするヌクレオシドを製造する方法。
An anoside mixture of 1-phosphorylated sugars, which is unnatural due to structural characteristics other than isomers caused by asymmetric carbon, undergoes an exchange reaction between a phosphate residue and a base by the action of nucleoside phosphorylase, resulting in anomeric selective nucleosides. A method of manufacturing
A step of obtaining a β-D-nucleoside, wherein the anomer mixture contains a D-form anomer, and selectively exchanges a phosphate group of an α-D-form of the D-form anomer with a base;
A step of obtaining the α-L-nucleoside, wherein the anomeric mixture contains an L-form anomer, and selectively exchanges a phosphate group of a β-L-form of the L-form anomer with a base;
A method for producing a nucleoside, comprising at least one step of:
前記アノマー混合物がD/Lラセミ体のアノマー混合物である請求項1記載のヌクレオシド製造法。The method for producing a nucleoside according to claim 1, wherein the anomeric mixture is a D / L racemic anomeric mixture. 前記D/Lラセミ体のアノマー混合物に含まれるα−D−体における前記交換反応の反応速度がβ−L−体の前記交換反応における反応速度よりも大きいことを利用して、β−D−ヌクレオシドがα−L−ヌクレオシドよりも多い反応混合物を得る請求項2に記載の製造方法。Using the fact that the reaction rate of the exchange reaction in the α-D-form included in the anomeric mixture of the D / L racemate is higher than the reaction rate in the exchange reaction of the β-L-form, β-D- The method according to claim 2, wherein a reaction mixture is obtained in which the number of nucleosides is larger than that of α-L-nucleoside. 前記アノマー混合物がD体のアノマー混合物である請求項1記載のヌクレオシド製造法。The method for producing a nucleoside according to claim 1, wherein the anomeric mixture is a D-form anomeric mixture. 前記アノマー混合物がL体のアノマー混合物である請求項1記載のヌクレオシド製造法。The method for producing a nucleoside according to claim 1, wherein the anomeric mixture is an L-form anomeric mixture. 前記1−リン酸化糖が式(1):
Figure 2004313002
(式中、R1およびR2は、独立してそれぞれ水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、保護されたヒドロキシメチル基、カルボキシル基または保護されたカルボキシル基を表し、Xはハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、−(NHR4)を表し、Wは酸素原子またはイオウ原子を表し、Zは酸素原子、イオウ原子または置換されてもよい炭素原子を表し、R4はアシル基を表わし、nは0または1を表し、m及びqは、それぞれ独立してZが酸素原子またはイオウ原子の場合は0から3の整数を表し、Zが炭素原子の場合は0から4の整数のいずれかを表わし、qが2以上の場合における複数のXはそれぞれ独立に上記の基のいずれかを表わす。)
で示される請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
The 1-phosphorylated saccharide has the formula (1):
Figure 2004313002
(Wherein R1 and R2 each independently represent a hydrogen atom, a methyl group, a hydroxymethyl group, a protected hydroxymethyl group, a carboxyl group or a protected carboxyl group, and X represents a halogen atom, Represents an optionally substituted alkoxy group, an optionally substituted alkylthio group,-(NHR4), W represents an oxygen atom or a sulfur atom, Z represents an oxygen atom, a sulfur atom or an optionally substituted carbon atom, Represents an acyl group, n represents 0 or 1, m and q each independently represents an integer of 0 to 3 when Z is an oxygen atom or a sulfur atom, and 0 to 3 when Z is a carbon atom. Represents any of the integers of 4, and a plurality of Xs when q is 2 or more independently represent any of the above groups.)
The method according to claim 1, wherein
前記1−リン酸化糖が式(2):
Figure 2004313002
(式中、W、Zは、前記と同義。R3は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよいアルキルチオ基を表す。)で示される請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
The 1-phosphorylated saccharide is represented by the formula (2):
Figure 2004313002
(Wherein W and Z have the same meanings as described above; R3 represents a hydrogen atom, a hydroxyl group, a halogen atom, an optionally substituted alkoxy group or an optionally substituted alkylthio group). The method according to any one of claims 1 to 5, wherein
前記1−リン酸化糖が式(3):
Figure 2004313002
で示される請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
The 1-phosphorylated saccharide is represented by the formula (3):
Figure 2004313002
The method according to claim 1, wherein
前記塩基がピリミジン、プリン、アザプリンまたはデアザプリンである請求項1〜8のいずれかに記載の製造法。The method according to any one of claims 1 to 8, wherein the base is pyrimidine, purine, azapurine or deazapurine. 前記塩基が、プリン、6−アミノプリン(アデニン)、6−ヒドロキシプリン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メチルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−トリフルオロメチルアミノプリン、6−ベンゾイルアミノプリン、6−アセチルアミノプリン、6−ヒドロキシアミノプリン、6−アミノオキシプリン、6−メトキシプリン、6−アセトキシプリン、6−ベンゾイルオキシプリン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリフルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−オキシド、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン(グアニン)、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨ−ドプリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオキシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノメチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノプリン、2−アミノ−6−フェニルプリン、2−アミノ−8−ブロモプリン、6−シアノプリン、6−アミノ−2−クロロプリン(2−クロロアデニン)または6−アミノ−2−フルオロプリン(2−フルオロアデニン)である請求項1〜8のいずれかに記載の製造法。The base is purine, 6-aminopurine (adenine), 6-hydroxypurine, 6-fluoropurine, 6-chloropurine, 6-methylaminopurine, 6-dimethylaminopurine, 6-trifluoromethylaminopurine, 6 -Benzoylaminopurine, 6-acetylaminopurine, 6-hydroxyaminopurine, 6-aminooxypurine, 6-methoxypurine, 6-acetoxypurine, 6-benzoyloxypurine, 6-methylpurine, 6-ethylpurine, 6 -Trifluoromethylpurine, 6-phenylpurine, 6-mercaptopurine, 6-methylmercaptopurine, 6-aminopurine-1-oxide, 6-hydroxypurine-1-oxide, 2-amino-6-hydroxypurine (guanine ), 2,6-diaminopurine, 2-amino-6-chloro Purine, 2-amino-6-iodopurine, 2-aminopurine, 2-amino-6-mercaptopurine, 2-amino-6-methylmercaptopurine, 2-amino-6-hydroxyaminopurine, 2-amino- 6-methoxypurine, 2-amino-6-benzoyloxypurine, 2-amino-6-acetoxypurine, 2-amino-6-methylpurine, 2-amino-6-cyclopropylaminomethylpurine, 2-amino-6 -Cyclopropylaminopurine, 2-amino-6-phenylpurine, 2-amino-8-bromopurine, 6-cyanopurine, 6-amino-2-chloropurine (2-chloroadenine) or 6-amino-2- The production method according to any one of claims 1 to 8, wherein the production method is fluoropurine (2-fluoroadenine). 前記塩基が式(4):
Figure 2004313002
で示される請求項1から8のいずれかに記載のヌクレオシド製造法。
The base is of the formula (4):
Figure 2004313002
The method for producing a nucleoside according to any one of claims 1 to 8, wherein
前記交換反応を水性媒体中で行い、該水性媒体中にリン酸イオンと難水溶性の塩を形成し得る金属カチオンを存在させる請求項1から11のいずれかに記載の製造方法。The method according to any one of claims 1 to 11, wherein the exchange reaction is performed in an aqueous medium, and a metal cation capable of forming a poorly water-soluble salt with phosphate ions is present in the aqueous medium. 前記金属カチオンが、カルシウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる1種類以上の金属カチオンである請求項12記載の製造方法。The method according to claim 12, wherein the metal cation is one or more metal cations selected from calcium ions, barium ions, aluminum ions, and magnesium ions.
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