JP2004312932A - 電動機 - Google Patents

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Yasuharu Terada
康晴 寺田
Yuji Kanfu
勇治 関冨
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ハウジング内に固定された際の放熱特性を向上させ、小型化を可能にするインナーロータ型電動機を提供すること。
【解決手段】ステータコアの外周面がハウジング内周面と接触するように筒状のハウジング内に挿入されるインナーロータ型の電動機において、ステータコアに絶縁体を介して巻線を施すと共に、該絶縁体を本電動機がハウジング内に挿入されたときに該ハウジングの内周面と接触するように設計する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、インナーロータ型の電動機に係り、特に、ハウジング内に固定された際の放熱特性を向上させ、小型化を可能にするインナーロータ型電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インナーロータ型の電動機においては、樹脂性のインシュレータによってステータコアと巻線との間を絶縁すると共に、ステータコアを焼きばめで筒状のハウジング内へ挿入・固定していたため、コイルで発生した熱は、インシュレータ→ステータコア→ハウジングと順に伝達されて放熱されていた。
【0003】
図1に上記のような従来の電動機の一構成例を示す。図1は、インナーロータ型電動機が筒状のハウジング内に挿入・固定された状態の部分断面図である。
【0004】
インナーロータ型電動機100は、矢印の方向にハウジング101内に挿入される。巻線(コイル)102は、絶縁体であるインシュレータ103を介してステータコア104周りに巻かれている。
【0005】
また、図示するように、ステータコア104を焼きばめする際、ステータコア104の挿入方向前端がハウジング101の内周面上に略垂直に設けられた面(段差)と当接することによって位置決めされる。
【0006】
複数の板が積層されてなるステータコア104は、ハウジング101内周面と接触しながら挿入され、固定されるため、通常、組み付けを容易にするために巻線102やインシュレータ103はハウジング101と接触しないようにエアーギャップが設けられる。
【0007】
よって、巻線102で発生した熱は、インシュレータ103及びステータコア104を通じてハウジング101へ放熱される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電動機構造では、巻線からハウジングまでの熱の伝達経路が長く、放熱効率が悪い。
【0009】
また、電動機の体格は、ステータ側の主要因の1つとして、電動機に投入できる電流で決まるが、発熱に制限があると一定電流以上は流せないため、電動機の小型化が困難となる。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ハウジング内に固定された際の放熱特性を向上させ、小型化を可能にするインナーロータ型電動機を提供することを主たる目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、ステータコアの外周面がハウジング内周面と接触するように筒状のハウジング内に挿入されるインナーロータ型の電動機であって、上記ステータコアには絶縁体を介して巻線が施され、上記絶縁体は本電動機が上記ハウジング内に挿入されたときに該ハウジングの内周面と接触するように設計される、ことを特徴とする電動機である。
【0012】
この態様において、上記絶縁体は絶縁性を有するものであればいかなる材料でもよいが、巻線で発生した熱を効率良くハウジングへ放熱するために、良好な絶縁性と共に良好な熱伝導性を兼ね備える材料であることが好ましい。
【0013】
このような材料の例として、例えば絶縁被膜を施した金属部材が考えられる。より具体的には、例えば、表面をアルマイト処理することで絶縁被膜を施した高熱伝導性のアルミニウム材などが好ましい例として考えられる。
【0014】
この態様によれば、巻線で発生した熱をすみやかにハウジングへ伝達することができるため、ハウジング内での電動機の放熱特性が向上する。また、これに伴い、電動機により多くの電流を流すことができるようになるため、電動機の小型化も可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。同じ符号は同じ構成要素を指す。
【0016】
本実施形態では、巻線(コイル)とステータコアとを絶縁する部材として、図2に示すようなインシュレータ部材201を用いる。このインシュレータ部材201は、巻線とステータコアとを絶縁するものであるから、当然、絶縁性を備えていなければならない。また、後述するように、巻線で発生した熱を逃がす経路にもなるため、熱伝導性が良好であることが望ましい。
【0017】
本実施形態では、インシュレータ部材201を熱伝導性が良好なアルミニウム材から作るものとする。また、絶縁性の方は、アルミニウムの表面層を電解により酸化させるいわゆるアルマイト処理を行うことによって、その表面に絶縁被膜を形成し確保する。
【0018】
インシュレータ部材201は、ステータコアのスロットの2倍の数が用意される。インシュレータ部材201は、主として、筒部分201aと、フランジ部分201bとからなる。筒部分201aは、ステータコアのスロット内に差し込まれる部分であり、フランジ部分201bは、ステータコアの上に積層方向に載せられる部分である。
【0019】
フランジ部分201bの一部201cは、後述するように電動機がハウジング内に挿入・固定された際にハウジングと接触する部分である。部分201cは、絶縁体の一部ではあるが、巻線とステータコアとの間に挟まれず、放熱のために延長された部分である。
【0020】
インシュレータ部材201を貫通する穴は巻線が通る穴であり、この穴の内部及び上面には巻線を安定させるための溝201dが設けられる。図2では、模式的に4つしか描かれていないが、当業者には明らかなように、溝の数は4に限られない。
【0021】
このような形状のインシュレータ部材201は、ステータコア301の各スロットに上下から挿入される。これにより、巻線が通るスロット内壁及びステータコア上面及び下面がインシュレータ部材201によって覆われるため、巻線(コイル)とステータコア301との間の絶縁が実現される。
【0022】
ステータコア301にインシュレータ部材201を介して巻線402が施され、電動機400が形成された上で筒状のハウジング401(例えば、アルミ製)内に挿入・固定された状態を図4に示す。
【0023】
矢印で示した挿入方向に対してステータコア前端に位置するインシュレータ部材201の部分201cは、ハウジング401の内周面上に略垂直に設けられた面(段差)と当接することによって位置決めされる。
【0024】
また、挿入方向後端に位置するインシュレータ部材201の部分201cは、ハウジング401の内周面上に刻まれた溝403に、例えばかしめによる塑性変形によって密着する。
【0025】
図から明らかなように、本実施形態に係る電動機400では、インシュレータ部材201が前後2ヶ所でハウジング401と密着している。また、インシュレータ部材201には熱伝導性の高い材料が使われている。
【0026】
したがって、本実施形態においては、巻線402において発生した熱がインシュレータ部材201を介してすみやかにハウジング401へ伝達されるため、電動機400の放熱効果が大幅に高められる。
【0027】
なお、本実施形態に係る構造においても、巻線からインシュレータ→ステータコア→ハウジングと伝達する経路での放熱もあり得る。すなわち、本実施形態は、従来の熱の伝達経路を完全に置き換えるものではなく、ハウジングとの接触面積を増やし、伝達のしやすさを向上させるものである。
【0028】
このように、本実施形態によれば、電動機がハウジング内に固定された際の放熱特性が改善されるため、より多くの電流を流しても巻線(コイル)の耐熱温度を越えにくくなり、電動機の小型化が可能となる。
【0029】
また、インシュレータ部分をかしめなどにより塑性変形させることによって、電動機をハウジングへ強固に固定することができ、ステータコアが受ける電動機磁力による反力に対して抗することが可能となり、信頼性も向上する。
【0030】
なお、上記一実施形態においては、インシュレータ部材をアルミニウム材から作るものとしたが、本発明はアルミに限られず、好ましくは熱伝導性が高く、絶縁被膜の形成が可能な金属であれば任意の金属を使用することができる。
【0031】
また、インシュレータ部材は金属に限られず、絶縁性と熱伝導性が確保される限り、非金属(例えば、樹脂)であってもよい。
【0032】
また、当業者には明らかなように、インシュレータ部材の形状・サイズはステータコアに合わせて任意に設計できるものであり、図2に示す概略図の形状・サイズに限られない。
【0033】
さらに、上記一実施形態の説明では、一例として、電動機が図3に示すような一体ティース構造を採用する場合について例に挙げたが、本発明は分割ティース構造を採用する電動機であっても同様に適用できるものである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハウジング内に固定された際の放熱特性を向上させ、小型化を可能にするインナーロータ型電動機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のインナーロータ型電動機が筒状のハウジング内に挿入・固定された状態の部分断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るインシュレータ部材の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るインシュレータ部材をステータコアに組み付ける様子を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るインナーロータ型電動機が筒状のハウジング内に挿入・固定された状態の部分断面図である。
【符号の説明】
201 インシュレータ部材
301 ステータコア
400 電動機
401 ハウジング
402 巻線(コイル)

Claims (3)

  1. ステータコアの外周面がハウジング内周面と接触するように筒状のハウジング内に挿入されるインナーロータ型の電動機であって、
    前記ステータコアには絶縁体を介して巻線が施され、
    前記絶縁体は本電動機が前記ハウジング内に挿入されたときに該ハウジングの内周面と接触するように設計される、ことを特徴とする電動機。
  2. 請求項1記載の電動機であって、
    前記絶縁体は、絶縁被膜を施した金属部材であることを特徴とする電動機。
  3. 請求項2記載の電動機であって、
    前記絶縁体は、表面をアルマイト処理したアルミニウム材であることを特徴とする電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007074857A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Toyota Motor Corp モータ
WO2018016026A1 (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 三菱電機株式会社 モータ及び空気調和機

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