JP2004312819A - 発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷ピークを改善して契約電力を低減すること。
【解決手段】自家発電源301の発電による交流電力を熱負荷305、動力負荷307に供給するとともに、商用系統303からの交流電力をAC/DC変換器300で直流電力に変換して蓄電池302に蓄積し、蓄電池302の直流電力をI/C変換器304で交流電力に変換して動力負荷307や熱負荷305に供給したり、あるいは自家発電源301からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池302に蓄積したりする過程で、負荷のピーク発生時には、制御装置306により、蓄電池302の出力による直流電力と発電機の出力による交流電力を共に増大させる。
【選択図】 図1
【解決手段】自家発電源301の発電による交流電力を熱負荷305、動力負荷307に供給するとともに、商用系統303からの交流電力をAC/DC変換器300で直流電力に変換して蓄電池302に蓄積し、蓄電池302の直流電力をI/C変換器304で交流電力に変換して動力負荷307や熱負荷305に供給したり、あるいは自家発電源301からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池302に蓄積したりする過程で、負荷のピーク発生時には、制御装置306により、蓄電池302の出力による直流電力と発電機の出力による交流電力を共に増大させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電システムに係り、特に、交流系統と連系しながら自家発電源を用いて発電し、動力負荷や熱負荷などに電力を供給するに好適な発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電システムとして、負荷ピーク発生時に蓄電池より電力を出力させる自家発システムが提案されている。ところがこの種の自家発システムでは、蓄電池の容量以内に抑えられる負荷ピークを想定したケースのものが多い。すなわち、蓄電池で負荷ピークを吸収し、自家発システムで緩やかな負荷変動に対応する構成が採用されている。しかし、この種のシステムでは、頻繁に負荷ピークが発生する対象において、十分に蓄電池への充電が完了できず、契約電力を大きくしなければならない。
【0003】
例えば、図2に示すように、従来の発電システムでは、自家発電源301と、急峻な負荷上昇発生時に電力を出力させる蓄電池302と、商用系統303からの交流を直流に変換するAC/DC変換器と、AC/DC変換器からの直流を自家発系統側の定格に合った交流に変換したり、自家発電源301からの交流を直流に変換したりするI/C変換器と、蓄電池302の出力を制御する制御装置306を備えて構成されている。
【0004】
この種のシステムでは、動力および熱からなる負荷310全体の消費量のみを監視し、蓄電池302の充放電を制御装置306を用いて制御しているため、蓄電池302の容量が十分大きなときには問題はないが、負荷が頻繁に変動する対象では、蓄電池302が負荷変動をカバーできない場合がある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−69675号公報(第1頁〜第3頁、図1参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
家庭などの小規模な施設や不定期に稼働する大型の工作機械などを有するプラントでは、電力の負荷変動が激しく、平均負荷に対する最大負荷の比は3倍から4倍あるいはそれ以上になる。電力料金は契約形態により様々な計算方法があるが、基本的には電力使用量によらず、一定の基本料金と電力使用量に応じて増減する電力料金の和からなる。ほとんどの場合、基本料金は最大負荷から決まる契約電力により計算される。例えば、平成14年8月26日現在の東京電力の高圧電力契約では、基本料金が1、175円/kW、電力量料金が9.52円/kWhとなっている。前記のようなケースで昼間(8:00〜20:00まで)の平均消費電力が500kW、夜間(20:00〜8:00まで)の平均消費電力が100kW、契約電力が2、000kWとすると、基本料金が1、175×2000=2、350、000円/月となり、電力料金が(500kW×12h+100kW×12h)×30日×9.52円/kWh=2、056、320円/月となり、合計4、406、320円/月となる。ただし、休日および燃料調整費などの割引オプションは無視する。ここで、電力使用量が全く同じでも、負荷ピークを改善させ、契約電力が半分の1、000kWになると、電力料金は1、175、000円/月に抑えられ、合計電力料金3、231、320円/月となり、約4分の3まで削減可能である。つまり、前記の家庭などの小規模な施設や不定期に稼動する大型な工作機械などを有するプラントでは、電力の負荷変動が激しく、平均負荷に対する最大負荷との比は3倍から4倍あるいはそれ以上になるような設備では、月当たりの電力使用量が同じでもより多くの電力料金を支払う必要があった。
【0007】
こうした負荷変動の激しい対象に対しては、従来、蓄電設備を設置し、負荷ピーク発生時に電力を出力させることによるピークカットが提案されていた。ただし、ピークが頻繁に発生する対象については、それに対応できるだけの蓄電設備が必要であり、不経済であった。
【0008】
またこうしたプラントに自家発システムを適用する場合、負荷が急激に低下したときには、発電機の出力を前記低下に追従させることができずに、電力が自家発から商用系統側に流れる、いわゆる逆潮流状態となる可能性があり、通常は自家発システムで発電する電力は、プラントで消費する電力の半分以下とし、残りを商用系統から購入しており、メリットが低下していた。
【0009】
本発明の課題は、負荷ピークを改善して契約電力を低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、直流電力を蓄積する蓄電池と、交流系統からの交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に出力する第1の電力変換器と、発電機の出力による交流電力を負荷に供給する自家発電源と、前記第1の電力変換器の出力による直流電力または前記蓄電池の出力による直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するための電力変換または前記自家発電源からの交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に供給するための電力変換を行なう第2の電力変換器と、前記負荷の状態を監視して前記蓄電池と前記発電機の出力を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷のピーク発生時に前記蓄電池の出力による直流電力と前記発電機の出力による交流電力を共に増大させてなる発電システムを構成したものである。
【0011】
前記発電システムを構成するに際しては、前記制御装置に以下のような機能を付加することができる。
【0012】
前記制御装置は、前記負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには前記負荷のうち熱負荷による消費電力を増大させてなる。
【0013】
前記した手段によれば、負荷のピーク発生時には、蓄電池と発電機の出力を共に増大させるようにしたため、負荷ピークを改善し、契約電力量を低減することができ、ランニングコストの低減に寄与することができる。また負荷のピーク発生時に蓄電池と発電機の出力を共に増大させる過程で、負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには、負荷のうち熱負荷による消費電力を増大させることで、逆潮流が生じるのを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す発電システムのブロック構成図である。なお、図1では、最大負荷が平均負荷の約4倍であるプラントに本発明を適用したときの発電システムの構成図を示す。図1において、発電システムは発電機(図示省略)の出力による交流電力を熱負荷305と動力負荷307に供給する自家発電源301と、直流電力を蓄積する蓄電池302と、交流系統である商用系統303からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池302に出力する第1の電力変換器としてのAC/DC変換器300と、AC/DC変換器300の出力による直流電力または蓄電池302の出力による直流電力を交流電力に変換して熱負荷305と動力負荷307に供給するための電力変換または自家発電源301からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池302に供給するための電力変換を行う第2の電力変換器としてのI/C変換器304と、熱負荷305と動力負荷307の状態を監視して、蓄電池302の出力による直流電力と自家発電源302内の発電機の出力による交流電力を制御するとともに、熱負荷305の消費電力を制御する制御装置306を備えて構成されている。
【0015】
制御装置306は、負荷のピーク発生時に、蓄電池302の出力による直流電力と自家発電源301内の発電機の出力による交流電力をa、bにより監視し、共に増大させる制御をc、dにより行うとともに、負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには、負荷のうち熱負荷305による消費電力を増大させる制御を行うように構成されている。
【0016】
負荷のうち動力負荷307はモータなど構成され、熱負荷305は冷暖房器で構成されている。そして動力負荷307は変動が激しいもの緩やかなものと多様にあり、ピークが発生する主な原因は動力負荷307である。熱負荷305は、短時間で見れば、変動は少ないが季節の負荷変動がある。特に、食品加工工業や一部の事務所などでは冷房や商品の冷蔵冷凍のための熱(冷凍)負荷が夏季に集中する。
【0017】
一方、自家発システムを設計する際、最大限自家発システムの稼動率を上げるように設計する。つまり、負荷の少ない春秋についても稼動させることを考慮に入れて設計する。したがって、必然的に夏季については、負荷に対して自家発電力の比率が下がり、商用系統303からの購入電力が増大する。この場合、契約電力は、1年を通してデマンド最大値(各30分に消費した電力量を1時間平均して換算した最大値)で決定されるため、春秋冬季のデマンドは少なくても夏季の大きなデマンド最大値となる。したがって、夏季、熱負荷305が大きい時期にいくらデマンドを下げられるかで、契約電量をいくら下げるかが決定される。
【0018】
ここで、従来のように、蓄電池で負荷ピークを吸収する方法を採用した場合には、図4に示すような特性を示す。図4は、縦軸が負荷、横軸が時間を示し、太線が負荷の変動を示す。p1からp5は負荷ピークを示す。q1は負荷の急峻な降下を示す。発電機の出力は負荷変動に比べ緩やかにしか変化させることができない場合がある。すなわち従来の方法では、p1からp5およびq1は全て発電機が追従できない負荷変動となっている。そして逆潮流なしの契約で商用系統303と系統連系する場合、自家発電源301で発電する量は逆潮流を発生させないようにするため、太線より若干少なめの図の下部の斜線部分とされている。例えば、急峻な負荷ピークを除いた通常の負荷変動が100kW程度なら、余裕を見て実際の負荷より200kW程度少なめに発電する。そして、急峻なピークp1からp5については、蓄電池302で対応する。負荷ピークの間隔がp1とp2、あるいはp2とp3程十分に離れていれば、その間に蓄電池302が充電され問題はない。しかし、ピークp3、p4、p5のように互いに接近し、且つ蓄電池302の容量が十分でない場合、全てのピークp3、p4、p5を蓄電池302で吸収するのは不可能となり、契約電力を大きくせざるを得ないくなる。例えば、ピークp4までに蓄電池302を使い切った場合、ピークp5のためにだけに、契約電力を2、000kWとすることが余儀なくされる。
【0019】
これに対して、本発明では、負荷のピーク発生時に蓄電池302と発電機の出力を共に増大させるようにしているため、図3に示すように、ピークp1、p2、p3、p4、p5が発生したときには、a、b、cに示すように、発電機302の出力とともに発電機の出力が増大し、負荷ピークを改善することができる。この結果、契約電力を、例えば1、000kWに低減することができ、ランニングコストを低減することが可能になる。
【0020】
一方、このように発電量を多くした場合、cに見られるように、そのままでは、発電量より負荷の方が小さくなり、逆潮流になる可能性がある。そこで、本実施形態では、逆潮流が発生するのを避けるために、発電量を増加させる過程で、負荷降下が起きた場合には、熱負荷305を運転し、熱負荷305による消費電力を増大させて、逆潮流が発生するのを防止することとしている。
【0021】
また、熱負荷305は、外気温・運用条件により、ある程度正確な消費量が予測できるし、一部商品の温度管理などには厳しい制約がある場合もあるが、一般的に、時間遅れも大きく、負荷制御は可能である。そこで、前述のように、自家発システムと熱負荷305とを連動して制御することが可能になる。熱負荷305は、複数のユニットを消費電力のスケジュール制御とピークカット制御に加え、逆潮流制御の集中管理を行うことができる。
【0022】
このように、本実施形態においては、頻繁に負荷ピークが発生する対象についても、蓄電池302の容量を小さくすることができるとともに、蓄電池302本体の価格、設置するための工事費が高いという問題を解決できる。
【0023】
また、本実施形態によれば、発電量を増大させるときに、負荷降下が起きたときには熱負荷305の消費電力を大きくするようにしているため、逆潮流の発生に伴って、プラントを系統から遮断して停電となったり、あるいはダミー負荷などで電力を無駄に消費したりするという問題を解決できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、負荷ピークを改善し、契約電力を低減することができるため、ランニングコストの低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す発電システムのブロック構成図である。
【図2】従来の発電システムのブロック構成図である。
【図3】本発明に係る発電システムの発電量を説明するための特性図である。
【図4】従来の発電システムの発電量を説明するための特性図である。
【符号の説明】
300 AC/DC変換器
301 自家発電源
302 蓄電池
303 商用系統
304 I/C変換器
305 熱負荷
306 制御装置
307 動力負荷
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電システムに係り、特に、交流系統と連系しながら自家発電源を用いて発電し、動力負荷や熱負荷などに電力を供給するに好適な発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電システムとして、負荷ピーク発生時に蓄電池より電力を出力させる自家発システムが提案されている。ところがこの種の自家発システムでは、蓄電池の容量以内に抑えられる負荷ピークを想定したケースのものが多い。すなわち、蓄電池で負荷ピークを吸収し、自家発システムで緩やかな負荷変動に対応する構成が採用されている。しかし、この種のシステムでは、頻繁に負荷ピークが発生する対象において、十分に蓄電池への充電が完了できず、契約電力を大きくしなければならない。
【0003】
例えば、図2に示すように、従来の発電システムでは、自家発電源301と、急峻な負荷上昇発生時に電力を出力させる蓄電池302と、商用系統303からの交流を直流に変換するAC/DC変換器と、AC/DC変換器からの直流を自家発系統側の定格に合った交流に変換したり、自家発電源301からの交流を直流に変換したりするI/C変換器と、蓄電池302の出力を制御する制御装置306を備えて構成されている。
【0004】
この種のシステムでは、動力および熱からなる負荷310全体の消費量のみを監視し、蓄電池302の充放電を制御装置306を用いて制御しているため、蓄電池302の容量が十分大きなときには問題はないが、負荷が頻繁に変動する対象では、蓄電池302が負荷変動をカバーできない場合がある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−69675号公報(第1頁〜第3頁、図1参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
家庭などの小規模な施設や不定期に稼働する大型の工作機械などを有するプラントでは、電力の負荷変動が激しく、平均負荷に対する最大負荷の比は3倍から4倍あるいはそれ以上になる。電力料金は契約形態により様々な計算方法があるが、基本的には電力使用量によらず、一定の基本料金と電力使用量に応じて増減する電力料金の和からなる。ほとんどの場合、基本料金は最大負荷から決まる契約電力により計算される。例えば、平成14年8月26日現在の東京電力の高圧電力契約では、基本料金が1、175円/kW、電力量料金が9.52円/kWhとなっている。前記のようなケースで昼間(8:00〜20:00まで)の平均消費電力が500kW、夜間(20:00〜8:00まで)の平均消費電力が100kW、契約電力が2、000kWとすると、基本料金が1、175×2000=2、350、000円/月となり、電力料金が(500kW×12h+100kW×12h)×30日×9.52円/kWh=2、056、320円/月となり、合計4、406、320円/月となる。ただし、休日および燃料調整費などの割引オプションは無視する。ここで、電力使用量が全く同じでも、負荷ピークを改善させ、契約電力が半分の1、000kWになると、電力料金は1、175、000円/月に抑えられ、合計電力料金3、231、320円/月となり、約4分の3まで削減可能である。つまり、前記の家庭などの小規模な施設や不定期に稼動する大型な工作機械などを有するプラントでは、電力の負荷変動が激しく、平均負荷に対する最大負荷との比は3倍から4倍あるいはそれ以上になるような設備では、月当たりの電力使用量が同じでもより多くの電力料金を支払う必要があった。
【0007】
こうした負荷変動の激しい対象に対しては、従来、蓄電設備を設置し、負荷ピーク発生時に電力を出力させることによるピークカットが提案されていた。ただし、ピークが頻繁に発生する対象については、それに対応できるだけの蓄電設備が必要であり、不経済であった。
【0008】
またこうしたプラントに自家発システムを適用する場合、負荷が急激に低下したときには、発電機の出力を前記低下に追従させることができずに、電力が自家発から商用系統側に流れる、いわゆる逆潮流状態となる可能性があり、通常は自家発システムで発電する電力は、プラントで消費する電力の半分以下とし、残りを商用系統から購入しており、メリットが低下していた。
【0009】
本発明の課題は、負荷ピークを改善して契約電力を低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、直流電力を蓄積する蓄電池と、交流系統からの交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に出力する第1の電力変換器と、発電機の出力による交流電力を負荷に供給する自家発電源と、前記第1の電力変換器の出力による直流電力または前記蓄電池の出力による直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するための電力変換または前記自家発電源からの交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に供給するための電力変換を行なう第2の電力変換器と、前記負荷の状態を監視して前記蓄電池と前記発電機の出力を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷のピーク発生時に前記蓄電池の出力による直流電力と前記発電機の出力による交流電力を共に増大させてなる発電システムを構成したものである。
【0011】
前記発電システムを構成するに際しては、前記制御装置に以下のような機能を付加することができる。
【0012】
前記制御装置は、前記負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには前記負荷のうち熱負荷による消費電力を増大させてなる。
【0013】
前記した手段によれば、負荷のピーク発生時には、蓄電池と発電機の出力を共に増大させるようにしたため、負荷ピークを改善し、契約電力量を低減することができ、ランニングコストの低減に寄与することができる。また負荷のピーク発生時に蓄電池と発電機の出力を共に増大させる過程で、負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには、負荷のうち熱負荷による消費電力を増大させることで、逆潮流が生じるのを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す発電システムのブロック構成図である。なお、図1では、最大負荷が平均負荷の約4倍であるプラントに本発明を適用したときの発電システムの構成図を示す。図1において、発電システムは発電機(図示省略)の出力による交流電力を熱負荷305と動力負荷307に供給する自家発電源301と、直流電力を蓄積する蓄電池302と、交流系統である商用系統303からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池302に出力する第1の電力変換器としてのAC/DC変換器300と、AC/DC変換器300の出力による直流電力または蓄電池302の出力による直流電力を交流電力に変換して熱負荷305と動力負荷307に供給するための電力変換または自家発電源301からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池302に供給するための電力変換を行う第2の電力変換器としてのI/C変換器304と、熱負荷305と動力負荷307の状態を監視して、蓄電池302の出力による直流電力と自家発電源302内の発電機の出力による交流電力を制御するとともに、熱負荷305の消費電力を制御する制御装置306を備えて構成されている。
【0015】
制御装置306は、負荷のピーク発生時に、蓄電池302の出力による直流電力と自家発電源301内の発電機の出力による交流電力をa、bにより監視し、共に増大させる制御をc、dにより行うとともに、負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには、負荷のうち熱負荷305による消費電力を増大させる制御を行うように構成されている。
【0016】
負荷のうち動力負荷307はモータなど構成され、熱負荷305は冷暖房器で構成されている。そして動力負荷307は変動が激しいもの緩やかなものと多様にあり、ピークが発生する主な原因は動力負荷307である。熱負荷305は、短時間で見れば、変動は少ないが季節の負荷変動がある。特に、食品加工工業や一部の事務所などでは冷房や商品の冷蔵冷凍のための熱(冷凍)負荷が夏季に集中する。
【0017】
一方、自家発システムを設計する際、最大限自家発システムの稼動率を上げるように設計する。つまり、負荷の少ない春秋についても稼動させることを考慮に入れて設計する。したがって、必然的に夏季については、負荷に対して自家発電力の比率が下がり、商用系統303からの購入電力が増大する。この場合、契約電力は、1年を通してデマンド最大値(各30分に消費した電力量を1時間平均して換算した最大値)で決定されるため、春秋冬季のデマンドは少なくても夏季の大きなデマンド最大値となる。したがって、夏季、熱負荷305が大きい時期にいくらデマンドを下げられるかで、契約電量をいくら下げるかが決定される。
【0018】
ここで、従来のように、蓄電池で負荷ピークを吸収する方法を採用した場合には、図4に示すような特性を示す。図4は、縦軸が負荷、横軸が時間を示し、太線が負荷の変動を示す。p1からp5は負荷ピークを示す。q1は負荷の急峻な降下を示す。発電機の出力は負荷変動に比べ緩やかにしか変化させることができない場合がある。すなわち従来の方法では、p1からp5およびq1は全て発電機が追従できない負荷変動となっている。そして逆潮流なしの契約で商用系統303と系統連系する場合、自家発電源301で発電する量は逆潮流を発生させないようにするため、太線より若干少なめの図の下部の斜線部分とされている。例えば、急峻な負荷ピークを除いた通常の負荷変動が100kW程度なら、余裕を見て実際の負荷より200kW程度少なめに発電する。そして、急峻なピークp1からp5については、蓄電池302で対応する。負荷ピークの間隔がp1とp2、あるいはp2とp3程十分に離れていれば、その間に蓄電池302が充電され問題はない。しかし、ピークp3、p4、p5のように互いに接近し、且つ蓄電池302の容量が十分でない場合、全てのピークp3、p4、p5を蓄電池302で吸収するのは不可能となり、契約電力を大きくせざるを得ないくなる。例えば、ピークp4までに蓄電池302を使い切った場合、ピークp5のためにだけに、契約電力を2、000kWとすることが余儀なくされる。
【0019】
これに対して、本発明では、負荷のピーク発生時に蓄電池302と発電機の出力を共に増大させるようにしているため、図3に示すように、ピークp1、p2、p3、p4、p5が発生したときには、a、b、cに示すように、発電機302の出力とともに発電機の出力が増大し、負荷ピークを改善することができる。この結果、契約電力を、例えば1、000kWに低減することができ、ランニングコストを低減することが可能になる。
【0020】
一方、このように発電量を多くした場合、cに見られるように、そのままでは、発電量より負荷の方が小さくなり、逆潮流になる可能性がある。そこで、本実施形態では、逆潮流が発生するのを避けるために、発電量を増加させる過程で、負荷降下が起きた場合には、熱負荷305を運転し、熱負荷305による消費電力を増大させて、逆潮流が発生するのを防止することとしている。
【0021】
また、熱負荷305は、外気温・運用条件により、ある程度正確な消費量が予測できるし、一部商品の温度管理などには厳しい制約がある場合もあるが、一般的に、時間遅れも大きく、負荷制御は可能である。そこで、前述のように、自家発システムと熱負荷305とを連動して制御することが可能になる。熱負荷305は、複数のユニットを消費電力のスケジュール制御とピークカット制御に加え、逆潮流制御の集中管理を行うことができる。
【0022】
このように、本実施形態においては、頻繁に負荷ピークが発生する対象についても、蓄電池302の容量を小さくすることができるとともに、蓄電池302本体の価格、設置するための工事費が高いという問題を解決できる。
【0023】
また、本実施形態によれば、発電量を増大させるときに、負荷降下が起きたときには熱負荷305の消費電力を大きくするようにしているため、逆潮流の発生に伴って、プラントを系統から遮断して停電となったり、あるいはダミー負荷などで電力を無駄に消費したりするという問題を解決できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、負荷ピークを改善し、契約電力を低減することができるため、ランニングコストの低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す発電システムのブロック構成図である。
【図2】従来の発電システムのブロック構成図である。
【図3】本発明に係る発電システムの発電量を説明するための特性図である。
【図4】従来の発電システムの発電量を説明するための特性図である。
【符号の説明】
300 AC/DC変換器
301 自家発電源
302 蓄電池
303 商用系統
304 I/C変換器
305 熱負荷
306 制御装置
307 動力負荷
Claims (2)
- 直流電力を蓄積する蓄電池と、交流系統からの交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に出力する第1の電力変換器と、発電機の出力による交流電力を負荷に供給する自家発電源と、前記第1の電力変換器の出力による直流電力または前記蓄電池の出力による直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するための電力変換または前記自家発電源からの交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に供給するための電力変換を行なう第2の電力変換器と、前記負荷の状態を監視して前記蓄電池と前記発電機の出力を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記負荷のピーク発生時に前記蓄電池の出力による直流電力と前記発電機の出力による交流電力を共に増大させてなる発電システム。
- 請求項1に記載の発電システムにおいて、前記制御装置は、前記負荷の状態が急峻な負荷降下を示すときには前記負荷のうち熱負荷による消費電力を増大させてなることを特徴とする発電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100450A JP2004312819A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 発電システム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003100450A JP2004312819A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 発電システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004312819A true JP2004312819A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33464582
Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008263706A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | マイクログリッドにおける電力の需給調整を行う制御装置 |
CN106684928A (zh) * | 2016-11-26 | 2017-05-17 | 国网河南省电力公司电力科学研究院 | 一种基于调峰成本的电网调峰裕度计算方法 |
-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003100450A patent/JP2004312819A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN106684928B (zh) * | 2016-11-26 | 2020-03-10 | 国网河南省电力公司电力科学研究院 | 一种基于调峰成本的电网调峰裕度计算方法 |
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