JP2004311710A - 電子部品の実装確認方法および評価用の電子部品およびそれを有する回路モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品の底面に形成された電極と回路基板との間のはんだ材料の状態を容易に目視により観察できて電子部品の実装状態を正確に評価できる電子部品の実装確認方法および評価用の電子部品およびそれを備えた回路モジュールを提供する。
【解決手段】透明部材から成るブロック体2の少なくとも底面に電極3を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品1を用意する。そして、その評価用の透明部品1をはんだ材料17を介して回路基板18に載置し、その後、はんだ材料17を加熱し当該はんだ材料17によって評価用の透明部品1を回路基板18に実装する。この実装工程の加熱中に、評価用の透明部品1を通して当該透明部品1の底面側における電極3と回路基板18間のはんだ材料17の挙動を目視により観察する。冷却後のはんだ材料17の状態を同様に目視により観察する。
【選択図】 図1
【解決手段】透明部材から成るブロック体2の少なくとも底面に電極3を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品1を用意する。そして、その評価用の透明部品1をはんだ材料17を介して回路基板18に載置し、その後、はんだ材料17を加熱し当該はんだ材料17によって評価用の透明部品1を回路基板18に実装する。この実装工程の加熱中に、評価用の透明部品1を通して当該透明部品1の底面側における電極3と回路基板18間のはんだ材料17の挙動を目視により観察する。冷却後のはんだ材料17の状態を同様に目視により観察する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、はんだ材料による電子部品の回路基板への接合状態(実装状態)を評価・確認するための電子部品の実装確認方法および評価用の電子部品およびそれを有する回路モジュールに関するものである。
【0002】
【背景技術】
電子部品の一つとして、図4(a)、(b)に示されるような電子部品がある。この電子部品15は、その底面に電極16が形成されており、当該電極16をはんだ材料17によって回路基板18の電極19に接合することで電子部品15は回路基板18に実装される。このような電子部品15としては、例えば、BGA(Ball Grid Array)部品と呼ばれるもの等がある。
【0003】
このような電子部品15を回路基板18に実装する工程では、例えば、まず、電子部品15の電極16と回路基板18の電極19とが対向するように電子部品15の位置合わせを行い、電子部品15の電極16と回路基板18の電極19との間にはんだ材料17を介設した状態で電子部品15を回路基板18上に載置する。その後、例えば、その電子部品15が載置された回路基板18をリフロー炉内に通す等の加熱手法によって、はんだ材料17を加熱・溶融させ当該はんだ材料17を電極16,19に接合させる。これにより、電子部品15ははんだ材料17によって回路基板18に実装される。
【0004】
ところで、上記のような実装工程における加熱中の電子部品15やはんだ材料17や回路基板18の挙動を観察したい場合がある。このため、その実装工程における加熱中の電子部品15やはんだ材料17や回路基板18を観察するための高温観察装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−107317号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4(a)に示されるような電子部品15においては、当該電子部品15を回路基板18に実装するためのはんだ材料17は電子部品15の陰となる部分に配置されるので、高温観察装置を利用しても、その電子部品15の底面側のはんだ材料17の加熱中の挙動を確認することができない。
【0007】
また、はんだ材料17により電子部品15を回路基板18に実装した際に、その電子部品15の実装状態を評価することがある。しかしながら、電極16が底面に形成されている電子部品15では、はんだ材料17は電子部品15の底面側に、つまり、電子部品15の陰となる部分に配置されているので、はんだ材料17による電子部品15の実装状態を目視することができない。
【0008】
そこで、電子部品15をはんだ材料17によって回路基板18に実装した後に、X線を利用して電子部品15と回路基板18との間のはんだ材料17の状態を調べて、電子部品15の実装状態を評価する手法がある。しかし、そのようにX線を利用して電子部品15と回路基板18間のはんだ材料17の状態を調べることができる装置は高額なものである。また、電子部品15と回路基板18間のはんだ材料17のX線による画像は電子部品15に形成されている導体パターン等の像が邪魔して分かり難く、その画像に基づいて、はんだ材料17の状態(電子部品15の実装状態)を正確に評価することは難しいという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、電子部品の底面に形成された電極と回路基板との間のはんだ材料の状態を容易に目視により観察できて電子部品の実装状態を正確に評価できる電子部品の実装確認方法および評価用の電子部品およびそれを備えた回路モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の電子部品の実装確認方法は、透明部材から成るブロック体の少なくとも底面に電極を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品を用意し、その評価用の透明部品をはんだ材料を介して回路基板に載置し、その後、はんだ材料により評価用の透明部品の電極を回路基板に接合させる実装工程の加熱中に、評価用の透明部品を通して当該透明部品の底面側における電極と回路基板との間のはんだ材料の挙動を目視により観察・評価することを特徴としている。
【0011】
また、この発明の評価用の電子部品は、回路基板と電子部品とのはんだ材料による接合状態を評価するための評価用の電子部品であって、この電子部品はブロック体を有し当該ブロック体の少なくとも底面には電極が形成され評価用の電子部品はその電極と回路基板間に介設したはんだ材料によって回路基板に実装される構成と成しており、この評価用の電子部品はそのブロック体が透明部材により形成されていて当該部品を通し当該部品の底面側を目視できて、前記電極と回路基板をはんだ材料により接合させる実装工程での加熱中のはんだ材料の挙動を可視できることを特徴としている。
【0012】
さらに、この発明は、回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、回路基板には、回路を構成する実の電子部品に加えて、回路基板と表面実装タイプの電子部品とのはんだ材料による接合状態の良否を評価するための本発明の評価用の電子部品が搭載されていることを特徴としている。さらにまた、この発明は、回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、回路基板に搭載されて回路を構成する少なくとも一つの表面実装タイプの電子部品が、回路を構成する実の電子部品としての機能を備えた本発明の評価用の電子部品であることも特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0014】
第1実施形態例では、電子部品の実装確認手法およびそれに用いる評価用の電子部品に関して述べる。この第1実施形態例における電子部品の実装確認手法では、まず、次に示すような評価用の電子部品を用意する。その評価用の電子部品は、図1に示すように、評価対象の実の電子部品(この第1実施形態例では説明を容易にするために図4(a)に示す電子部品15とする)に擬似させて作製されたものであるが、この評価用の電子部品1が実の電子部品15と大きく異なる特徴的なことは、その評価用の電子部品1のブロック体2が、ガラスや透光性セラミックス等の透明部材により形成されていることである。つまり、評価用の電子部品1は透明部品となっている。この評価用の電子部品1のブロック体2の底面には電極3が形成されている。
【0015】
上記のように評価用の電子部品1は透明部品となっていることから、当該部品1を通して当該部品1の底面側を目視できる。このことから、第1実施形態例では、実の電子部品15に代えて評価用の電子部品(透明部品)1を利用し次に示すようにはんだ材料17による電子部品の実装状態を評価・確認する。例えば、まず、評価用の透明部品1を回路基板(プリント基板)18上に載置する。このとき、評価用の透明部品1は、電極3が回路基板18の電極19と対向するように位置合わせが成され、評価用の透明部品1の電極3と、回路基板18の電極19との間にはんだ材料17を介設した状態で評価用の透明部品1が回路基板18上に載置される。
【0016】
その後、加熱によりはんだ材料17を溶融させて、はんだ材料17を電極3,19に接合させて評価用の透明部品1を回路基板18に実装させる。その加熱中に、評価用の透明部品1を通して当該部品1の底面側を可視し、評価用の透明部品1と回路基板18との間のはんだ材料17の挙動を目視により観察する。また、冷却後にも評価用の透明部品1を通して当該部品1の底面側を可視し、評価用の透明部品1の底面側のはんだ材料17を目視して当該はんだ材料17による評価用の透明部品1と回路基板18の接合状態(実装状態)を目視により観察して、その接合状態の良否を評価する。
【0017】
なお、加熱中のはんだ材料17の観察は、例えば高温観察装置などを利用して行ってもよいし、簡易的に例えばホットプレートを利用してはんだ材料17を加熱し机上で加熱中のはんだ材料17の観察を行ってもよく、はんだ材料17の加熱手段や加熱中のはんだ材料17を観察する場所は特に限定されるものではない。ただ、はんだ材料17を加熱する際には、その加熱中のはんだ材料17の挙動が実の電子部品15を回路基板18に実装する場合と同様になるように、はんだ材料17の加熱制御を行うことが好ましい。
【0018】
上記のような加熱中のはんだ材料17の挙動の観察や、冷却後の評価用の透明部品1と回路基板18のはんだ材料17による接合状態の評価に基づいて、例えば、はんだ材料17により実の電子部品15を回路基板18に実装する際の加熱条件(例えばリフロー炉内の温度プロファイル)の見直しや、はんだ材料17の形成量の検討や、回路基板18の電極パターンや配線パターン等の導体パターンの設計が行われる。
【0019】
この第1実施形態例の評価用の透明部品1は、実の電子部品15に代えて、回路基板18との実装状態を観察・評価するものであることから、評価用の透明部品1は実の電子部品15にできるだけ擬似していることが好ましい。このことから、この第1実施形態例では、評価用の透明部品1は、次に示す条件(1)〜(4)のうちの少なくとも1つの条件を満たしているものとする。
(1)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15と同じサイズを有し、また、その実の電子部品15に形成されている電極16と同じ形状および同じ位置に電極3が形成されていること。
(2)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15の重量と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内(例えば、評価対象の実の電子部品15の重量の1/10〜3倍の範囲内の幅を持つ許容範囲内)に収まる重量を有していること。
(3)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15の線膨張係数と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内(例えば、評価対象の実の電子部品15の線膨張係数の1/5〜2.5倍の範囲内の幅を持つ許容範囲内)に収まる線膨張係数を有していること。
(4)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15の熱容量と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内(例えば、評価対象の実の電子部品15の熱容量の1/10〜3倍の範囲内の幅を持つ許容範囲内)に収まる熱容量を有していること。
【0020】
このような条件(1)〜(4)の中で、評価用の透明部品1が満たしている条件の数が多くなる程、評価用の透明部品1は実の電子部品15に、より近づくので、より正確な観察・評価を行うことが可能となる。
【0021】
また、評価用の透明部品1は、はんだ材料17によって回路基板18に実装する工程において、はんだ材料17を溶融させる温度(例えば200℃〜260℃程度)に加熱されるので、その加熱温度に耐え得るものであることは必須の条件である。さらに、評価用の透明部品1のブロック体2への電極3の形成工程において、電極3の焼き付け加工が行われる場合がある。この場合には、評価用の透明部品1は、例えば500℃〜1000℃というような高温に加熱されることから、電極3の焼き付け加工が成される場合には、評価用の透明部品1は、その焼き付け加工時の高温加熱に耐え得るものであることが必須の条件となる。
【0022】
上記のような条件を満たすためのブロック体2の構成材料(透明部材)としては、例えば高い耐熱性を持つ石英ガラスを挙げることができる。また、例えば、実の電子部品15のブロック体を構成している材料がセラミックス(例えばアルミナ)である場合には、評価用の透明部品1のブロック体2を構成する透明部材として、透光性セラミックス(例えば透光性アルミナ)を用いることが考えられる。この場合には、評価用の透明部品1のブロック体2を構成する透明部材は実の電子部品15の構成材料とほぼ同様な性質を持つものであることから、評価用の透明部品1と実の電子部品15とをほぼ同じものとすることができる。このため、評価用の透明部品1と回路基板18間の加熱中のはんだ材料17の挙動は、評価対象の実の電子部品15を用いる実際の場合に非常に近くなる。
【0023】
また、例えば、石英ガラス等の透明な材料に、熱容量と線膨張係数と重さのうちの少なくとも一つを調整するための微細な物質を含有させた透明部材によって、評価用の透明部品1のブロック体2を構成してもよい。この場合には、そのブロック体2の熱容量あるいは線膨張係数あるいは重さが、実の電子部品15の熱容量あるいは線膨張係数あるいは重さと等しく、又は、予め定めた許容範囲内に収まるように、ブロック体2を構成する透明部材中の前記調整用の微細な物質の含有量を調整することで、評価用の透明部品1を実の電子部品15とほぼ同じ部品とすることができる。
【0024】
さらに、実の電子部品15の重さと等しい、又は、予め定めた許容範囲内に収まる重さとなるように評価用の透明部品1の重さを調整するためにブロック体2に重りを設けてもよい。この場合には、その重りは、例えばブロック体2の上面の角部のように、はんだ材料17の観察に邪魔にならない部分に設けることが好ましい。さらにまた、重さや熱容量や線膨張係数を調整するために、例えばブロック体2の表面に1つ以上の凹部を形成してもよい。
【0025】
なお、この第1実施形態例では、評価用の透明部品1は、図4(a)に示される実の電子部品15に擬似して作製されたものであり、当該評価用の透明部品1のブロック体2にはBGA部品のように底面に電極3が形成されているものであったが、評価用の透明部品1は評価対象の電子部品に擬似して作製されるものであることから、例えば、評価対象の電子部品が図2に示される例えばコンデンサ部品のような二極部品5であった場合には、評価用の透明部品1はその二極部品5に擬似させて作製されることになる。このように、評価用の透明部品1の形状や、電極3の形成位置や形成数や形状は図1に示した例に限定されるものではない。なお、図2中の符号6は、二極部品5の両側の端部に形成された電極を示している。
【0026】
以下に、第2実施形態例を説明する。この第2実施形態例では回路モジュールに関して説明する。図3に示されるように、回路モジュール7は、回路基板18に表面実装タイプの電子部品8が搭載されて成るものである。この第2実施形態例の回路モジュール7では、表面実装タイプの実の電子部品8に加えて、電子部品8の実装状態を評価するための評価用の電子部品9が搭載されている。その評価用の電子部品9は、第1実施形態例に示した評価用の透明部品1の構成を備えている。なお、その評価用の透明部品1に関しては、第1実施形態例で述べたので、ここでは、その重複説明は省略する。
【0027】
この第2実施形態例の回路モジュール7では、実の電子部品8に加えて、評価用の透明部品1を回路基板18に実装するので、その評価用の透明部品1を用いて、電子部品8の実装状態を簡単に次に示すように評価することができる。例えば、リフロー炉内を通す等の加熱手法によって実の電子部品8および評価用の透明部品1をはんだ材料により回路基板18に実装した後に、評価用の透明部品1を通して当該部品1の底面側のはんだ材料を可視する。そして、評価用の透明部品1と回路基板18とのはんだ材料による接合状態(実装状態)を目視により観察して、その接合状態の良否を評価する。その評価用の透明部品1と回路基板18との接合状態の良否は、実の電子部品8と回路基板18との接合状態の良否と同じと見なせるので、評価用の透明部品1と回路基板18との接合状態の評価によって回路モジュール7全体の電子部品8の実装状態の評価を行うことができる。このように電子部品8の実装状態の良否評価を目視により行うことができるので、その実装状態の評価が非常に簡単になる。
【0028】
なお、回路基板18における評価用の透明部品1の実装位置は特に限定されるものではないが、回路基板18の端縁部分は回路基板18の他の部分に比べて製造上の問題からはんだ材料の厚みが薄くなり易く、このために、電子部品8の実装状態が他の部分に実装したものに比べて悪くなり易い部分である。このことから、評価用の透明部品1を用いた電子部品8の実装状態の評価の信頼性を高めるためには、評価用の透明部品1を回路基板18の端縁部分に実装することが好ましい。つまり、例えば、評価用の透明部品1を利用して電子部品の実装状態の評価を行ったところ、その評価の結果が良好であったので、これに基づいた条件で製造することにより回路モジュール7全体の電子部品8の実装状態を良好にできると判断したが、実際には、回路基板18の端縁部分に形成されていた電子部品8が回路基板18から剥がれ易い状態であり、評価用の透明部品1に基づいた評価は誤ったものであったという事態が発生する虞がある。そこで、回路基板18の端縁部分に評価用の透明部品1を実装することにより、その評価用の透明部品1の実装状態を、不良となりやすい回路基板18の端縁部分における電子部品8の実装状態と同様にすることが可能である。このことから、評価用の透明部品1の実装状態から、回路基板18の端縁部分における電子部品8の実装状態の不良を想定することができて、実装状態の評価の信頼性を高めることができる。
【0029】
以下に、第3実施形態例を説明する。この第3実施形態例では、第1実施形態例に示した評価用の透明部品1に実の電子部品しての機能を持たせたことを特徴としている。それ以外の評価用の透明部品1の構成は、第1実施形態例と同様であり、この第3実施形態例の説明では、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0030】
例えば、この第3実施形態例では、評価用の透明部品1に実の電子部品としての機能を持たせるために、例えば、ブロック体2の内部と表面の一方又は両方に、回路を構成するコンデンサパターンとインダクタパターンと抵抗パターンのうちの少なくとも1つの導体パターンが形成されている。このように、ブロック体2の内部又は表面に導体パターンを形成しても、その導体パターンが少し邪魔をするものの、そのブロック体2を通して当該ブロック体2の底面側を可視できる。
【0031】
このため、この第3実施形態例の評価用の透明部品1は、第1や第2の各実施形態例と同様に、はんだ材料による電子部品8と回路基板18との接合状態(実装状態)を目視により評価することができる。その上、回路を構成する実の電子部品として機能することが可能である。
【0032】
このことから、例えば、この第3実施形態例の評価用の透明部品1は、図3に示すような回路モジュール7の回路を構成する実の電子部品8として、回路基板18に実装することができる。このように、回路モジュール7の回路基板18に搭載されて回路を構成する少なくとも一つの実の電子部品8が、この第3実施形態例の評価用の透明部品1である場合には、その実の電子部品である透明部品1によって、電子部品の実装状態の評価を行うことができる。このため、その実の電子部品である透明部品1とは別に、評価専用の透明部品1を設けなくとも済むことになる。換言すれば、回路モジュール7の回路動作に関係無い部品を回路基板18に実装しなくとも、電子部品8の実装状態の評価を目視により簡単かつ正確に行うことが可能となる。なお、もちろん、第3実施形態例の評価用の透明部品1を実の電子部品8として回路基板18に実装して回路モジュール7を構成する際に、その透明な実の電子部品8(1)とは別に、第1や第2の各実施形態例に示した評価用の透明部品1を設けてもよいものである。
【0033】
なお、この発明は第1〜第3の各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第3の各実施形態例では、評価用の透明部品1のブロック体2は、直方体状であったが、評価用の透明部品1は、評価対象の電子部品に擬似させて作製されるものであることから、例えば、評価対象の電子部品のブロック体の形状が円柱や多角柱状であった場合には、評価用の透明部品1のブロック体2も、その評価対象の電子部品に合わせた形状と成すものであり、ブロック体2は直方体状に限定されるものではない。また、ブロック体2は中空であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、透明部材から成るブロック体の少なくとも底面に電極を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品を用いて、電子部品の実装状態の観察・評価を行うこととした。このため、例えば、電子部品を回路基板に実装させるための実装工程において、評価用の透明部品を通して当該透明部品の底面側における電極と回路基板間のはんだ材料の加熱中の挙動を、目視によって、観察・評価することが可能となる。また、電子部品の実装が成された後に、評価用の透明部品を通して透明部品の底面側の電極と回路基板間のはんだ材料による接合状態を目視によって評価することが可能となる。
【0035】
このように、目視によって、加熱中のはんだ材料の挙動や、はんだ材料による電子部品と回路基板間の接合状態(実装状態)を観察することができるので、高額な装置を用いなくとも、簡単かつ正確に、加熱中のはんだ材料の挙動や、電子部品の実装状態を調べることができる。
【0036】
また、透明部材から成る評価用の電子部品が、評価対象の実の電子部品の線膨張係数と等しい、又は、予め定めた許容範囲内に収まる線膨張係数を有している場合には、加熱中における回路基板と評価用の電子部品との相対的な熱膨張による挙動が、評価対象の実の電子部品を回路基板に実装する場合と同じ、あるいは、非常に近い状態となるので、加熱中のはんだ材料の挙動や、電子部品の実装状態を、より一層、評価対象の実の電子部品を実装する場合に近づけることができて、実装状態の評価をより正確に行うことができる。
【0037】
また、透明部材から成る評価用の電子部品が、評価対象の実の電子部品の熱容量と等しい、又は、予め定めた許容範囲内に収まる熱容量を有している場合には、加熱中における評価用の透明部品や回路基板やはんだ材料の熱伝達の様子が、評価対象の実の電子部品を回路基板に実装する場合と同じ、又は、非常に近い状態となる。このため、加熱中のはんだ材料の挙動や、電子部品の実装状態を、より一層、評価対象の実の電子部品を実装する場合に近づけることができて、実装状態の評価をより正確に行うことができる。
【0038】
さらに、評価対象の実の電子部品と同じサイズを有すると共に評価対象の実の電子部品に形成されている電極と同じ形状および同じ位置に電極が形成されている評価用の透明部品とすることや、評価対象の実の電子部品と等しい、又は、予め定めた許容範囲内の重量を持つ評価用の透明部品とすることによっても、加熱中における評価用の透明部品や回路基板やはんだ材料の挙動が、評価対象の実の電子部品を回路基板に実装する場合と同じ、又は、非常に近い状態となるため、より正確な評価を行うことが可能となる。
【0039】
回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、実の電子部品に加えて、この発明において特徴的な評価用の透明部品を回路基板に搭載したものにあっては、例えば、製造工程の検査工程において電子部品の実装状態の良否を判定する際に、その評価用の透明部品を利用して目視により電子部品の実装状態の評価を行うことで、簡単かつ正確に、電子部品の実装状態の良否判定を行うことができる。このため、回路モジュールの製造工程の簡略化を図ることができる。また、検査の精度が向上するので、不良品が見落とされて出荷されてしまうという問題を防止することができて、回路モジュールの信頼性を高めることができる。
【0040】
さらに、評価用の透明部品に実の電子部品としての機能を持たせることによって、例えば、その評価用の透明部品を実の電子部品として回路基板に実装して回路モジュールを構成することができる。その回路モジュールでは、その実の電子部品としての透明部品を利用して、電子部品の実装状態の評価を行うことができるので、簡単かつ正確に電子部品の実装状態を評価することができる上に、評価専用の電子部品を実の電子部品とは別個に設けなくて済むので、評価専用の電子部品を設ける手間や部品点数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る評価用の電子部品の一実施形態例を説明するための図である。
【図2】評価用の透明部品のその他の形態例を示すモデル図である。
【図3】回路モジュールの一例を説明するための図である。
【図4】電子部品の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1,9 評価用の電子部品
2 ブロック体
3 電極
7 回路モジュール
8,15 電子部品
17 はんだ材料
18 回路基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、はんだ材料による電子部品の回路基板への接合状態(実装状態)を評価・確認するための電子部品の実装確認方法および評価用の電子部品およびそれを有する回路モジュールに関するものである。
【0002】
【背景技術】
電子部品の一つとして、図4(a)、(b)に示されるような電子部品がある。この電子部品15は、その底面に電極16が形成されており、当該電極16をはんだ材料17によって回路基板18の電極19に接合することで電子部品15は回路基板18に実装される。このような電子部品15としては、例えば、BGA(Ball Grid Array)部品と呼ばれるもの等がある。
【0003】
このような電子部品15を回路基板18に実装する工程では、例えば、まず、電子部品15の電極16と回路基板18の電極19とが対向するように電子部品15の位置合わせを行い、電子部品15の電極16と回路基板18の電極19との間にはんだ材料17を介設した状態で電子部品15を回路基板18上に載置する。その後、例えば、その電子部品15が載置された回路基板18をリフロー炉内に通す等の加熱手法によって、はんだ材料17を加熱・溶融させ当該はんだ材料17を電極16,19に接合させる。これにより、電子部品15ははんだ材料17によって回路基板18に実装される。
【0004】
ところで、上記のような実装工程における加熱中の電子部品15やはんだ材料17や回路基板18の挙動を観察したい場合がある。このため、その実装工程における加熱中の電子部品15やはんだ材料17や回路基板18を観察するための高温観察装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−107317号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4(a)に示されるような電子部品15においては、当該電子部品15を回路基板18に実装するためのはんだ材料17は電子部品15の陰となる部分に配置されるので、高温観察装置を利用しても、その電子部品15の底面側のはんだ材料17の加熱中の挙動を確認することができない。
【0007】
また、はんだ材料17により電子部品15を回路基板18に実装した際に、その電子部品15の実装状態を評価することがある。しかしながら、電極16が底面に形成されている電子部品15では、はんだ材料17は電子部品15の底面側に、つまり、電子部品15の陰となる部分に配置されているので、はんだ材料17による電子部品15の実装状態を目視することができない。
【0008】
そこで、電子部品15をはんだ材料17によって回路基板18に実装した後に、X線を利用して電子部品15と回路基板18との間のはんだ材料17の状態を調べて、電子部品15の実装状態を評価する手法がある。しかし、そのようにX線を利用して電子部品15と回路基板18間のはんだ材料17の状態を調べることができる装置は高額なものである。また、電子部品15と回路基板18間のはんだ材料17のX線による画像は電子部品15に形成されている導体パターン等の像が邪魔して分かり難く、その画像に基づいて、はんだ材料17の状態(電子部品15の実装状態)を正確に評価することは難しいという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、電子部品の底面に形成された電極と回路基板との間のはんだ材料の状態を容易に目視により観察できて電子部品の実装状態を正確に評価できる電子部品の実装確認方法および評価用の電子部品およびそれを備えた回路モジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の電子部品の実装確認方法は、透明部材から成るブロック体の少なくとも底面に電極を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品を用意し、その評価用の透明部品をはんだ材料を介して回路基板に載置し、その後、はんだ材料により評価用の透明部品の電極を回路基板に接合させる実装工程の加熱中に、評価用の透明部品を通して当該透明部品の底面側における電極と回路基板との間のはんだ材料の挙動を目視により観察・評価することを特徴としている。
【0011】
また、この発明の評価用の電子部品は、回路基板と電子部品とのはんだ材料による接合状態を評価するための評価用の電子部品であって、この電子部品はブロック体を有し当該ブロック体の少なくとも底面には電極が形成され評価用の電子部品はその電極と回路基板間に介設したはんだ材料によって回路基板に実装される構成と成しており、この評価用の電子部品はそのブロック体が透明部材により形成されていて当該部品を通し当該部品の底面側を目視できて、前記電極と回路基板をはんだ材料により接合させる実装工程での加熱中のはんだ材料の挙動を可視できることを特徴としている。
【0012】
さらに、この発明は、回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、回路基板には、回路を構成する実の電子部品に加えて、回路基板と表面実装タイプの電子部品とのはんだ材料による接合状態の良否を評価するための本発明の評価用の電子部品が搭載されていることを特徴としている。さらにまた、この発明は、回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、回路基板に搭載されて回路を構成する少なくとも一つの表面実装タイプの電子部品が、回路を構成する実の電子部品としての機能を備えた本発明の評価用の電子部品であることも特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0014】
第1実施形態例では、電子部品の実装確認手法およびそれに用いる評価用の電子部品に関して述べる。この第1実施形態例における電子部品の実装確認手法では、まず、次に示すような評価用の電子部品を用意する。その評価用の電子部品は、図1に示すように、評価対象の実の電子部品(この第1実施形態例では説明を容易にするために図4(a)に示す電子部品15とする)に擬似させて作製されたものであるが、この評価用の電子部品1が実の電子部品15と大きく異なる特徴的なことは、その評価用の電子部品1のブロック体2が、ガラスや透光性セラミックス等の透明部材により形成されていることである。つまり、評価用の電子部品1は透明部品となっている。この評価用の電子部品1のブロック体2の底面には電極3が形成されている。
【0015】
上記のように評価用の電子部品1は透明部品となっていることから、当該部品1を通して当該部品1の底面側を目視できる。このことから、第1実施形態例では、実の電子部品15に代えて評価用の電子部品(透明部品)1を利用し次に示すようにはんだ材料17による電子部品の実装状態を評価・確認する。例えば、まず、評価用の透明部品1を回路基板(プリント基板)18上に載置する。このとき、評価用の透明部品1は、電極3が回路基板18の電極19と対向するように位置合わせが成され、評価用の透明部品1の電極3と、回路基板18の電極19との間にはんだ材料17を介設した状態で評価用の透明部品1が回路基板18上に載置される。
【0016】
その後、加熱によりはんだ材料17を溶融させて、はんだ材料17を電極3,19に接合させて評価用の透明部品1を回路基板18に実装させる。その加熱中に、評価用の透明部品1を通して当該部品1の底面側を可視し、評価用の透明部品1と回路基板18との間のはんだ材料17の挙動を目視により観察する。また、冷却後にも評価用の透明部品1を通して当該部品1の底面側を可視し、評価用の透明部品1の底面側のはんだ材料17を目視して当該はんだ材料17による評価用の透明部品1と回路基板18の接合状態(実装状態)を目視により観察して、その接合状態の良否を評価する。
【0017】
なお、加熱中のはんだ材料17の観察は、例えば高温観察装置などを利用して行ってもよいし、簡易的に例えばホットプレートを利用してはんだ材料17を加熱し机上で加熱中のはんだ材料17の観察を行ってもよく、はんだ材料17の加熱手段や加熱中のはんだ材料17を観察する場所は特に限定されるものではない。ただ、はんだ材料17を加熱する際には、その加熱中のはんだ材料17の挙動が実の電子部品15を回路基板18に実装する場合と同様になるように、はんだ材料17の加熱制御を行うことが好ましい。
【0018】
上記のような加熱中のはんだ材料17の挙動の観察や、冷却後の評価用の透明部品1と回路基板18のはんだ材料17による接合状態の評価に基づいて、例えば、はんだ材料17により実の電子部品15を回路基板18に実装する際の加熱条件(例えばリフロー炉内の温度プロファイル)の見直しや、はんだ材料17の形成量の検討や、回路基板18の電極パターンや配線パターン等の導体パターンの設計が行われる。
【0019】
この第1実施形態例の評価用の透明部品1は、実の電子部品15に代えて、回路基板18との実装状態を観察・評価するものであることから、評価用の透明部品1は実の電子部品15にできるだけ擬似していることが好ましい。このことから、この第1実施形態例では、評価用の透明部品1は、次に示す条件(1)〜(4)のうちの少なくとも1つの条件を満たしているものとする。
(1)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15と同じサイズを有し、また、その実の電子部品15に形成されている電極16と同じ形状および同じ位置に電極3が形成されていること。
(2)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15の重量と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内(例えば、評価対象の実の電子部品15の重量の1/10〜3倍の範囲内の幅を持つ許容範囲内)に収まる重量を有していること。
(3)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15の線膨張係数と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内(例えば、評価対象の実の電子部品15の線膨張係数の1/5〜2.5倍の範囲内の幅を持つ許容範囲内)に収まる線膨張係数を有していること。
(4)評価用の透明部品1は、評価対象の実の電子部品15の熱容量と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内(例えば、評価対象の実の電子部品15の熱容量の1/10〜3倍の範囲内の幅を持つ許容範囲内)に収まる熱容量を有していること。
【0020】
このような条件(1)〜(4)の中で、評価用の透明部品1が満たしている条件の数が多くなる程、評価用の透明部品1は実の電子部品15に、より近づくので、より正確な観察・評価を行うことが可能となる。
【0021】
また、評価用の透明部品1は、はんだ材料17によって回路基板18に実装する工程において、はんだ材料17を溶融させる温度(例えば200℃〜260℃程度)に加熱されるので、その加熱温度に耐え得るものであることは必須の条件である。さらに、評価用の透明部品1のブロック体2への電極3の形成工程において、電極3の焼き付け加工が行われる場合がある。この場合には、評価用の透明部品1は、例えば500℃〜1000℃というような高温に加熱されることから、電極3の焼き付け加工が成される場合には、評価用の透明部品1は、その焼き付け加工時の高温加熱に耐え得るものであることが必須の条件となる。
【0022】
上記のような条件を満たすためのブロック体2の構成材料(透明部材)としては、例えば高い耐熱性を持つ石英ガラスを挙げることができる。また、例えば、実の電子部品15のブロック体を構成している材料がセラミックス(例えばアルミナ)である場合には、評価用の透明部品1のブロック体2を構成する透明部材として、透光性セラミックス(例えば透光性アルミナ)を用いることが考えられる。この場合には、評価用の透明部品1のブロック体2を構成する透明部材は実の電子部品15の構成材料とほぼ同様な性質を持つものであることから、評価用の透明部品1と実の電子部品15とをほぼ同じものとすることができる。このため、評価用の透明部品1と回路基板18間の加熱中のはんだ材料17の挙動は、評価対象の実の電子部品15を用いる実際の場合に非常に近くなる。
【0023】
また、例えば、石英ガラス等の透明な材料に、熱容量と線膨張係数と重さのうちの少なくとも一つを調整するための微細な物質を含有させた透明部材によって、評価用の透明部品1のブロック体2を構成してもよい。この場合には、そのブロック体2の熱容量あるいは線膨張係数あるいは重さが、実の電子部品15の熱容量あるいは線膨張係数あるいは重さと等しく、又は、予め定めた許容範囲内に収まるように、ブロック体2を構成する透明部材中の前記調整用の微細な物質の含有量を調整することで、評価用の透明部品1を実の電子部品15とほぼ同じ部品とすることができる。
【0024】
さらに、実の電子部品15の重さと等しい、又は、予め定めた許容範囲内に収まる重さとなるように評価用の透明部品1の重さを調整するためにブロック体2に重りを設けてもよい。この場合には、その重りは、例えばブロック体2の上面の角部のように、はんだ材料17の観察に邪魔にならない部分に設けることが好ましい。さらにまた、重さや熱容量や線膨張係数を調整するために、例えばブロック体2の表面に1つ以上の凹部を形成してもよい。
【0025】
なお、この第1実施形態例では、評価用の透明部品1は、図4(a)に示される実の電子部品15に擬似して作製されたものであり、当該評価用の透明部品1のブロック体2にはBGA部品のように底面に電極3が形成されているものであったが、評価用の透明部品1は評価対象の電子部品に擬似して作製されるものであることから、例えば、評価対象の電子部品が図2に示される例えばコンデンサ部品のような二極部品5であった場合には、評価用の透明部品1はその二極部品5に擬似させて作製されることになる。このように、評価用の透明部品1の形状や、電極3の形成位置や形成数や形状は図1に示した例に限定されるものではない。なお、図2中の符号6は、二極部品5の両側の端部に形成された電極を示している。
【0026】
以下に、第2実施形態例を説明する。この第2実施形態例では回路モジュールに関して説明する。図3に示されるように、回路モジュール7は、回路基板18に表面実装タイプの電子部品8が搭載されて成るものである。この第2実施形態例の回路モジュール7では、表面実装タイプの実の電子部品8に加えて、電子部品8の実装状態を評価するための評価用の電子部品9が搭載されている。その評価用の電子部品9は、第1実施形態例に示した評価用の透明部品1の構成を備えている。なお、その評価用の透明部品1に関しては、第1実施形態例で述べたので、ここでは、その重複説明は省略する。
【0027】
この第2実施形態例の回路モジュール7では、実の電子部品8に加えて、評価用の透明部品1を回路基板18に実装するので、その評価用の透明部品1を用いて、電子部品8の実装状態を簡単に次に示すように評価することができる。例えば、リフロー炉内を通す等の加熱手法によって実の電子部品8および評価用の透明部品1をはんだ材料により回路基板18に実装した後に、評価用の透明部品1を通して当該部品1の底面側のはんだ材料を可視する。そして、評価用の透明部品1と回路基板18とのはんだ材料による接合状態(実装状態)を目視により観察して、その接合状態の良否を評価する。その評価用の透明部品1と回路基板18との接合状態の良否は、実の電子部品8と回路基板18との接合状態の良否と同じと見なせるので、評価用の透明部品1と回路基板18との接合状態の評価によって回路モジュール7全体の電子部品8の実装状態の評価を行うことができる。このように電子部品8の実装状態の良否評価を目視により行うことができるので、その実装状態の評価が非常に簡単になる。
【0028】
なお、回路基板18における評価用の透明部品1の実装位置は特に限定されるものではないが、回路基板18の端縁部分は回路基板18の他の部分に比べて製造上の問題からはんだ材料の厚みが薄くなり易く、このために、電子部品8の実装状態が他の部分に実装したものに比べて悪くなり易い部分である。このことから、評価用の透明部品1を用いた電子部品8の実装状態の評価の信頼性を高めるためには、評価用の透明部品1を回路基板18の端縁部分に実装することが好ましい。つまり、例えば、評価用の透明部品1を利用して電子部品の実装状態の評価を行ったところ、その評価の結果が良好であったので、これに基づいた条件で製造することにより回路モジュール7全体の電子部品8の実装状態を良好にできると判断したが、実際には、回路基板18の端縁部分に形成されていた電子部品8が回路基板18から剥がれ易い状態であり、評価用の透明部品1に基づいた評価は誤ったものであったという事態が発生する虞がある。そこで、回路基板18の端縁部分に評価用の透明部品1を実装することにより、その評価用の透明部品1の実装状態を、不良となりやすい回路基板18の端縁部分における電子部品8の実装状態と同様にすることが可能である。このことから、評価用の透明部品1の実装状態から、回路基板18の端縁部分における電子部品8の実装状態の不良を想定することができて、実装状態の評価の信頼性を高めることができる。
【0029】
以下に、第3実施形態例を説明する。この第3実施形態例では、第1実施形態例に示した評価用の透明部品1に実の電子部品しての機能を持たせたことを特徴としている。それ以外の評価用の透明部品1の構成は、第1実施形態例と同様であり、この第3実施形態例の説明では、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0030】
例えば、この第3実施形態例では、評価用の透明部品1に実の電子部品としての機能を持たせるために、例えば、ブロック体2の内部と表面の一方又は両方に、回路を構成するコンデンサパターンとインダクタパターンと抵抗パターンのうちの少なくとも1つの導体パターンが形成されている。このように、ブロック体2の内部又は表面に導体パターンを形成しても、その導体パターンが少し邪魔をするものの、そのブロック体2を通して当該ブロック体2の底面側を可視できる。
【0031】
このため、この第3実施形態例の評価用の透明部品1は、第1や第2の各実施形態例と同様に、はんだ材料による電子部品8と回路基板18との接合状態(実装状態)を目視により評価することができる。その上、回路を構成する実の電子部品として機能することが可能である。
【0032】
このことから、例えば、この第3実施形態例の評価用の透明部品1は、図3に示すような回路モジュール7の回路を構成する実の電子部品8として、回路基板18に実装することができる。このように、回路モジュール7の回路基板18に搭載されて回路を構成する少なくとも一つの実の電子部品8が、この第3実施形態例の評価用の透明部品1である場合には、その実の電子部品である透明部品1によって、電子部品の実装状態の評価を行うことができる。このため、その実の電子部品である透明部品1とは別に、評価専用の透明部品1を設けなくとも済むことになる。換言すれば、回路モジュール7の回路動作に関係無い部品を回路基板18に実装しなくとも、電子部品8の実装状態の評価を目視により簡単かつ正確に行うことが可能となる。なお、もちろん、第3実施形態例の評価用の透明部品1を実の電子部品8として回路基板18に実装して回路モジュール7を構成する際に、その透明な実の電子部品8(1)とは別に、第1や第2の各実施形態例に示した評価用の透明部品1を設けてもよいものである。
【0033】
なお、この発明は第1〜第3の各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第3の各実施形態例では、評価用の透明部品1のブロック体2は、直方体状であったが、評価用の透明部品1は、評価対象の電子部品に擬似させて作製されるものであることから、例えば、評価対象の電子部品のブロック体の形状が円柱や多角柱状であった場合には、評価用の透明部品1のブロック体2も、その評価対象の電子部品に合わせた形状と成すものであり、ブロック体2は直方体状に限定されるものではない。また、ブロック体2は中空であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、透明部材から成るブロック体の少なくとも底面に電極を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品を用いて、電子部品の実装状態の観察・評価を行うこととした。このため、例えば、電子部品を回路基板に実装させるための実装工程において、評価用の透明部品を通して当該透明部品の底面側における電極と回路基板間のはんだ材料の加熱中の挙動を、目視によって、観察・評価することが可能となる。また、電子部品の実装が成された後に、評価用の透明部品を通して透明部品の底面側の電極と回路基板間のはんだ材料による接合状態を目視によって評価することが可能となる。
【0035】
このように、目視によって、加熱中のはんだ材料の挙動や、はんだ材料による電子部品と回路基板間の接合状態(実装状態)を観察することができるので、高額な装置を用いなくとも、簡単かつ正確に、加熱中のはんだ材料の挙動や、電子部品の実装状態を調べることができる。
【0036】
また、透明部材から成る評価用の電子部品が、評価対象の実の電子部品の線膨張係数と等しい、又は、予め定めた許容範囲内に収まる線膨張係数を有している場合には、加熱中における回路基板と評価用の電子部品との相対的な熱膨張による挙動が、評価対象の実の電子部品を回路基板に実装する場合と同じ、あるいは、非常に近い状態となるので、加熱中のはんだ材料の挙動や、電子部品の実装状態を、より一層、評価対象の実の電子部品を実装する場合に近づけることができて、実装状態の評価をより正確に行うことができる。
【0037】
また、透明部材から成る評価用の電子部品が、評価対象の実の電子部品の熱容量と等しい、又は、予め定めた許容範囲内に収まる熱容量を有している場合には、加熱中における評価用の透明部品や回路基板やはんだ材料の熱伝達の様子が、評価対象の実の電子部品を回路基板に実装する場合と同じ、又は、非常に近い状態となる。このため、加熱中のはんだ材料の挙動や、電子部品の実装状態を、より一層、評価対象の実の電子部品を実装する場合に近づけることができて、実装状態の評価をより正確に行うことができる。
【0038】
さらに、評価対象の実の電子部品と同じサイズを有すると共に評価対象の実の電子部品に形成されている電極と同じ形状および同じ位置に電極が形成されている評価用の透明部品とすることや、評価対象の実の電子部品と等しい、又は、予め定めた許容範囲内の重量を持つ評価用の透明部品とすることによっても、加熱中における評価用の透明部品や回路基板やはんだ材料の挙動が、評価対象の実の電子部品を回路基板に実装する場合と同じ、又は、非常に近い状態となるため、より正確な評価を行うことが可能となる。
【0039】
回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、実の電子部品に加えて、この発明において特徴的な評価用の透明部品を回路基板に搭載したものにあっては、例えば、製造工程の検査工程において電子部品の実装状態の良否を判定する際に、その評価用の透明部品を利用して目視により電子部品の実装状態の評価を行うことで、簡単かつ正確に、電子部品の実装状態の良否判定を行うことができる。このため、回路モジュールの製造工程の簡略化を図ることができる。また、検査の精度が向上するので、不良品が見落とされて出荷されてしまうという問題を防止することができて、回路モジュールの信頼性を高めることができる。
【0040】
さらに、評価用の透明部品に実の電子部品としての機能を持たせることによって、例えば、その評価用の透明部品を実の電子部品として回路基板に実装して回路モジュールを構成することができる。その回路モジュールでは、その実の電子部品としての透明部品を利用して、電子部品の実装状態の評価を行うことができるので、簡単かつ正確に電子部品の実装状態を評価することができる上に、評価専用の電子部品を実の電子部品とは別個に設けなくて済むので、評価専用の電子部品を設ける手間や部品点数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る評価用の電子部品の一実施形態例を説明するための図である。
【図2】評価用の透明部品のその他の形態例を示すモデル図である。
【図3】回路モジュールの一例を説明するための図である。
【図4】電子部品の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1,9 評価用の電子部品
2 ブロック体
3 電極
7 回路モジュール
8,15 電子部品
17 はんだ材料
18 回路基板
Claims (9)
- 透明部材から成るブロック体の少なくとも底面に電極を形成して評価対象の実の電子部品に擬似させた評価用の透明部品を用意し、その評価用の透明部品をはんだ材料を介して回路基板に載置し、その後、はんだ材料により評価用の透明部品の電極を回路基板に接合させる実装工程の加熱中に、評価用の透明部品を通して当該透明部品の底面側における電極と回路基板との間のはんだ材料の挙動を目視により観察・評価することを特徴とする電子部品の実装確認方法。
- 回路基板と電子部品とのはんだ材料による接合状態を評価するための評価用の電子部品であって、この電子部品はブロック体を有し当該ブロック体の少なくとも底面には電極が形成され評価用の電子部品はその電極と回路基板間に介設したはんだ材料によって回路基板に実装される構成と成しており、この評価用の電子部品はそのブロック体が透明部材により形成されていて当該部品を通し当該部品の底面側を目視できて、前記電極と回路基板をはんだ材料により接合させる実装工程での加熱中のはんだ材料の挙動を可視できることを特徴とする評価用の電子部品。
- 透明部材から成る評価用の電子部品は、評価対象の実の電子部品と同じサイズを有し、また、評価対象の実の電子部品に形成されている電極と同じ形状および同じ位置に電極が形成されていることを特徴とする請求項2記載の評価用の電子部品。
- 透明部材から成る評価用の電子部品は、評価対象の実の電子部品の線膨張係数と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内に収まる線膨張係数を有していることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の評価用の電子部品。
- 透明部材から成る評価用の電子部品は、評価対象の実の電子部品の熱容量と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内に収まる熱容量を有していることを特徴とする請求項2又は請求項3又は請求項4記載の評価用の電子部品。
- 透明部材から成る評価用の電子部品は、評価対象の実の電子部品の重量と等しいか、又は、予め定めた許容範囲内に収まる重量を有していることを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1つに記載の評価用の電子部品。
- 透明部材から成る評価用の電子部品は、その内部と表面とのうちの一方又は両方に、回路を構成するコンデンサパターンとインダクタパターンと抵抗パターンのうちの少なくとも1つの導体パターンが形成されて回路を構成する実の電子部品として機能できることを特徴とする請求項2記載の評価用の電子部品。
- 回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、回路基板には、回路を構成する実の電子部品に加えて、回路基板と表面実装タイプの電子部品とのはんだ材料による接合状態の良否を評価するための請求項2乃至請求項7の何れか1つに記載の評価用の電子部品が搭載されていることを特徴とする回路モジュール。
- 回路基板に表面実装タイプの電子部品が搭載されて成る回路モジュールにおいて、回路基板に搭載されて回路を構成する少なくとも一つの表面実装タイプの電子部品は、請求項7記載の評価用の電子部品であることを特徴とする回路モジュール。
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