JP2004311027A - 光記録媒体及び情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の記録層を有する多層構造において、本来の光ピックアップ動作で各々の記録層に適した記録条件を認識でき、良好なる記録動作に供することができる光記録媒体を提供する。
【解決手段】 記録光を案内するトラック11,12を各々有する多層構造の記録層3,4を備え、各々の記録層3,4に対してユーザデータの記録が可能な光記録媒体であって、各記録層3,4を識別する層情報をトラック(誘導ピット或いは案内溝)11,12上の情報信号として備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、記録光を案内するトラックを各々有する多層構造の記録層を備え、各々の記録層に対してユーザデータの記録が可能な光記録媒体及び情報記録方法に関する。
記録型DVDディスクとして追記型DVDディスクであるDVD+Rや書換え型DVDディスクであるDVD+RWなどがあり、これらのディスクは片面1層の再生専用DVDディスクと高い再生互換性を持つ記録型DVDディスクである。このような記録型ディスクは高速化、大容量化のための研究開発が盛んに行われている。
このように、積層された複数の記録層を有する光記録媒体において、光入射面に対して奥に配されている記録層への記録再生光は手前の記録層を経ている。そのため、記録光の強度の変化により記録層の光学的特性を変化させる光記録媒体においては、記録光の波形条件、強度条件が異なる。また、複数の記録層へ順次記録を行う場合、記録情報の記録中に発生した熱などにより記録光の波形条件、強度条件は記録開始時から変動していく。そのため単層の記録層を持つ光記録媒体とは異なる波形条件、強度条件が必要になる。
このようなことから、例えば、特許文献1によれば、データ層に、データ層固有の情報として、そのデータ層を特定する情報やそのデータ層の記録条件を、記録トラック延在方向において低反射率領域と高反射率領域とが交互に存在するバーコード状に設けるようにした提案例がある。
特開2002−50053公報
ところが、特許文献1に記載された提案例は、データ層固有情報をトラッキングサーボを行わずに読み出せるようにすることを基本とするものであり、光ピックアップとしては本来の動作ではデータ層固有情報を読み出せないばかりでなく、データ層固有情報領域=バーコード情報領域が占める部分を情報記録に活用できないため、記録情報密度が極端に少なくなってしまうものである。
本発明の目的は、複数の記録層を有する多層構造において、本来の光ピックアップ動作で各々の記録層に適した記録条件を認識させることができ、良好なる記録動作に供することができる光記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の目的は、加えて、データ領域の記録信号に影響されずに記録条件を読み出せるようにすることである。
本発明の目的は、加えて、光ピックアップの余計な移動動作を極力なくして記録条件を読み出せるようにすることである。
請求項1記載の発明は、記録光を案内するトラックを各々有する多層構造の記録層を備え、各々の記録層に対してユーザデータの記録が可能な光記録媒体であって、各記録層を識別する層情報を前記トラック上の情報信号として備える。
従って、各記録層を識別する層情報をトラック(誘導ピット或いは案内溝)上の情報信号として備えることにより、各々の記録層に適した記録条件等を、トラックに追従させる本来の光ピックアップ動作で認識させることができ、良好なる記録動作に供することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報がトラック上の情報信号としてトラック自体にプリフォーマットされている。
従って、各記録層を識別する層情報としては、例えば、通常のピットや記録マーク等により記録するようにしてもよいが、トラック上の情報信号としてトラック自体にプリフォーマットさせておくことにより、データ領域を減らすことなく、必要な情報を埋め込んでおくことができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の光記録媒体において、多層構造の前記記録層は、奇数番層と偶数番層とでその記録位置としてグルーブトラックとランドトラックとが交互に設定されている。
従って、多層構造の記録層に記録する上で、トラックとしては、通常通り、何れの記録層に対してもグルーブ上のみに記録する、ランド上のみに記録する、或いは、グルーブ上及びランド上の双方に記録する、等の方式を採ってもよいが、奇数番層と偶数番層とでその記録位置がグルーブトラックとランドトラックとが交互に設定されている場合にも何ら支障なく適用できる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報がトラックを構成するピット又はグルーブとしてプリフォーマットされている。
従って、各記録層を識別する層情報を透明基板に形成されてトラックを構成するピット又はグルーブとしてプリフォーマットしておくことにより、低コストで容易に媒体を作ることができる。
請求項5記載の発明は、請求項2ないし4の何れか一記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報がトラック上の情報信号としてトラック自体に位相変調によりプリフォーマットされている。
従って、トラック自体に情報をプリフォーマットするための方法として、周期変調、振幅変調等の方法もあるが、記録媒体の状態により反射光の強度変動が大きく、かつ、同期信号が100kHzのような高周期となるDVD+R/RW型を想定した場合には、位相変調が好適となる。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報は、データ領域外の前記トラック上に有する。
従って、トラック上の信号は記録層に情報が記録させる前と後とでは信号のSNが変化するため、トラック上に各記録層を識別する層情報を記録する位置としては、データ領域を避けることが好適であり、同心円状又は螺旋状のトラックの場合であれば、中周領域にデータ領域が設けられることが多いので、一般的には、内周部や外周部の一方又は両方に設けることが好ましい。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の光記録媒体において、前記トラックが各記録層毎に螺旋状に形成された光記録媒体であって、各記録層を識別する層情報は、当該光記録媒体に対する記録再生時において前記螺旋方向が内周側から外周側に向かう場合には内周部、外周側から内周側に向かう場合には外周部に有する。
従って、トラックとしては螺旋状に形成されることが多いが、そのトラックの螺旋方向が内周側から外周側に向かう場合には内周部、外周側から内周側に向かう場合には外周部に各々記録条件等に関する情報を有することで、その記録層に対する記録動作開始に際して光ピックアップが最初にアクセスする側に一致することとなり、当該光ピックアップの余計な移動を要せず、各記録層を識別する層情報を読出すことができ、そのまま記録動作に移行することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一記載の光記録媒体において、前記トラックが各記録層毎に螺旋状に形成された光記録媒体であって、記録条件を決定するための試し書き領域を、当該光記録媒体に対する記録再生時において前記螺旋方向が内周側から外周側に向かう場合には内周部、外周側から内周側に向かう場合には外周部に有する。
従って、記録条件を決定するために試し書き領域に試し書きを行なうことは一般に行われているが、このような試し書き領域を各々の記録層に設け、かつ、螺旋方向に合わせて内周部又は外周部に設定することにより、当該光ピックアップの余計な移動を要せず、試し書き処理を行なわせて、そのまま記録動作に移行することができる。
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報は、各記録層毎に個別に有する。
従って、各記録層を識別する層情報を記録層毎に個別に有することにより、各記録層の記録条件等の設定を適正に行うことができる上に、各記録層毎に記録条件等の条件を設定できるため、記録層の増加等に対しても記録条件のフォーマットを変更せずに拡張適用することができ、既に普及している単層構造の光記録媒体の場合との互換性もとりやすいものとなる。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一記載の光記録媒体において、複数の記録層のうち、最初に記録を行う第1記録層は、記録光の入射側から見て最も手前側に位置する記録層である。
従って、最初に記録を行う第1記録層を、他の記録層の影響を最も受けない記録光の入射側から見て最も手前側に位置する記録層とすることにより、記録条件等の読出しを良好に行うことができる。
請求項11記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一記載の光記録媒体において、複数の記録層のうち、最初に記録を行う第1記録層は、記録光の入射側から見て最も奥側に位置する記録層である。
従って、最初に記録を行う第1記録層を、記録光の入射面側から見て、最も奥に位置する記録層とすることにより、それ以降の手前側の記録層に対する記録時に、第1記録層を含む先行記録層の影響を受けずに記録できるため、安定した記録が行なえる。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか一記載の発明において、各記録層は記録光の波長に対して透明であり、前記記録層毎の前記トラックを形成した基板上に積層されている。
従って、請求項1ないし11の何れか一記載の光記録媒体を簡便かつ安価に提供することができる。
請求項13記載の発明は、請求項1ないし12の何れか一記載の発明において、DVD+R規格に準拠し、片面2層の記録層を有する。
従って、DVD+R規格に準拠し、片面2層の記録層を有する追記型の光記録媒体を対象とする場合に好適に適用することができる。
請求項14記載の発明は、請求項1ないし12の何れか一記載の光記録媒体において、DVD+RW規格に準拠し、片面2層の記録層を有する。
従って、DVD+RW規格に準拠し、片面2層の記録層を有する書換え型の光記録媒体を対象とする場合に好適に適用することができる。
請求項15記載の発明の情報記録方法は、光情報記録装置に装填された請求項1ないし14の何れか一記載の光記録媒体に対する記録動作に先立ち当該光記録媒体がトラック上の情報として備える各記録層を識別する層情報を読出す条件読出しステップと、読出された各記録層を識別する層情報に基づき記録対象となる記録層に対する記録条件を設定する記録条件設定ステップと、設定された記録条件に従い記録対象となる記録層に対して記録動作を行う記録動作実行ステップと、を備える。
従って、複数の記録層を有する多層構造の光記録媒体の場合にも、当該トラック上の情報として備える各記録層を識別する層情報を読出して、当該記録層に対する記録条件を設定して記録動作を実行させることにより、各記録層に適した記録条件で最適な記録を行なわせることができる。
請求項1記載の発明によれば、各記録層を識別する層情報をトラック上の情報信号として備えるので、各々の記録層に適した記録条件等を、トラックに追従させる本来の光ピックアップ動作で認識させることができ、良好なる記録動作に供することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報としては、例えば、通常のピットや記録マーク等により記録するようにしてもよいが、トラック上の情報信号としてトラック自体にプリフォーマットさせておくようにしたので、データ領域を減らすことなく、必要な情報を埋め込んでおくことができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の光記録媒体において、多層構造の記録層に記録する上で、トラックとしては、通常通り、何れの記録層に対してもグルーブ上のみに記録する、ランド上のみに記録する、或いは、グルーブ上及びランド上の双方に記録する、等の方式を採ってもよいが、奇数番層と偶数番層とでその記録位置がグルーブトラックとランドトラックとが交互に設定されている場合にも何ら支障なく適用することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項2又は3記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報を透明基板におけるピット又はグルーブ情報としてプリフォーマットしておくことにより、低コストで容易に媒体を作ることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項2ないし4の何れか一記載の光記録媒体において、トラック自体に情報をプリフォーマットするための方法として、周期変調、振幅変調等の方法もあるが、位相変調方式としたので、記録媒体の状態により反射光の強度変動が大きく、かつ、同期信号が100kHzのような高周期となるDVD+R/RW型の場合に好適に適用することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一記載の光記録媒体において、トラック上の信号は記録層に情報が記録させる前と後とでは信号のSNが変化するため、トラック上に記録条件に関する情報等を記録する位置としては、データ領域を避けることが好適であり、同心円状又は螺旋状のトラックの場合であれば、中周領域にデータ領域が設けられることが多いので、一般的には、内周部や外周部の一方又は両方に設けることが好ましい。
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一記載の光記録媒体において、トラックとしては螺旋状に形成されることが多いが、そのトラックの螺旋方向が内周側から外周側に向かう場合には内周部、外周側から内周側に向かう場合には外周部に各々記録条件等に関する情報を有するので、その記録層に対する記録動作開始に際して光ピックアップが最初にアクセスする側に一致することとなり、当該光ピックアップの余計な移動を要せず、記録条件等の条件を読出すことができ、そのまま記録動作に移行することができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項1ないし7の何れか一記載の光記録媒体において、記録条件を決定するために試し書き領域に試し書きを行なうことは一般に行われているが、このような試し書き領域を各々の記録層に設け、かつ、螺旋方向に合わせて内周部又は外周部に設定することにより、当該光ピックアップの余計な移動を要せず、試し書き処理を行なわせて、そのまま記録動作に移行することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし8の何れか一記載の光記録媒体において、各記録層を識別する層情報を記録層毎に個別に有することにより、各記録層の記録条件等の設定を適正に行うことができる上に、各記録層毎に記録条件等の条件を設定できるため、記録層の増加等に対しても記録条件のフォーマットを変更せずに拡張適用することができ、既に普及している単層構造の光記録媒体の場合との互換性もとりやすくすることができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし9の何れか一記載の光記録媒体において、最初に記録を行う第1記録層を、他の記録層の影響を最も受けない記録光の入射側から見て最も手前側に位置する記録層とすることにより、記録条件等の読出しを良好に行うことができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項1ないし9の何れか一記載の光記録媒体において、最初に記録を行う第1記録層を、記録光の入射面側から見て、最も奥に位置する記録層とすることにより、それ以降の手前側の記録層に対する記録時に、第1記録層を含む先行記録層の影響を受けずに記録できるため、安定した記録を行うことができる。
請求項12記載の発明によれば、各記録層は記録光の波長に対して透明であり、前記記録層毎の前記トラックを形成した基板上に積層されているので、請求項1ないし11の何れか一記載の光記録媒体を簡便かつ安価に提供することができる。
請求項13記載の発明によれば、請求項1ないし12の何れか一記載の発明において、DVD+R規格に準拠し、片面2層の記録層を有する追記型の光記録媒体を対象とする場合に好適に適用することができる。
請求項14記載の発明によれば、請求項1ないし12の何れか一記載の光記録媒体において、DVD+RW規格に準拠し、片面2層の記録層を有する書換え型の光記録媒体を対象とする場合に好適に適用することができる。
請求項15記載の発明の情報記録方法によれば、複数の記録層を有する多層構造の光記録媒体の場合にも、当該トラック上の情報として備える各記録層を識別する層情報を読出して、当該記録層に対する記録条件を設定して記録動作を実行させることにより、各記録層に適した記録条件で最適な記録を行なわせることができる。
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
[光記録媒体の基本構成]
本実施の形態では、記録再生光の入射方向に対して複数の記録層が積層された多層構造の光記録媒体を適用対象とする。図1は、本実施の形態で用いる光記録媒体1の断面構造図であり、例えば、記録再生光が一つの記録面側からのみ入射する片面2層型の例であって、透明基板2、第1記録層3、第2記録層4、透明基板5を順次積層させてなる。第1記録層3は、透明基板2上に形成された記録膜6と反射膜7との積層構造からなり、第2記録層4は透明基板5上に形成された反射膜8と記録膜9との積層構造よりなり、これらを接着膜10で一体化してなる。
次に、各層の詳細について以下に述べる。
まず、記録膜6,9には記録光の入射による熱的及び又は光学的な影響により物理的形状又は光学的性質が変化する材料であるものが望ましい。例えば、DVD+R規格に準ずる追記型用片側2層の光記録媒体1の場合であれば、有機色素材料の場合、アゾ系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni,Cr等の金属錯塩系色素、ナフトキノン系、アントラキノン系色素インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系、ジインモニウム系色素及びニトロゾ化合物、ホルマザン金属キレートを挙げることが出きる。中でも、特に耐光性に優れるアゾ系色素、スクワリリウム系色素、ホルマザン金属キレートが望ましい。さらに必要に応じ、他の第3成分、例えばバインダー、安定剤等を含有させることができる。形成方法は有機色素を溶媒に展開しスピンコートにより塗布する方法、真空中でスパッタリングにより成膜させる方法がある。記録膜6,9の膜厚は通常300Åから5000Å、好ましくは700Åから2000Åとするのが望ましい。スピンコート法を用いた場合、残留溶媒を除去するために高温でアニールを行う方が望ましい。アニールする温度は通常80℃から110℃が好適である。さらに、100℃近辺が好適である。アニール時間は15分から30分が好適である。
上記の有機材料の他、原子配列を変化し情報の記録ができるDVD+RW規格に準ずる書換え型用片側2層の光記録媒体1の場合であれば、相変化材料も使用可能である。この場合、記録膜6,9とは、相変化材料の膜及び相変化材料の熱を保持するための断熱保護膜を含めるものとする。具体的にはA−B−C−Ge−Teで代表される合金である。ここでA=Cu、Ag、Au、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Hf、Ta、W、Ir、Pt、Hg、B、C、N、P、O、S、Se、ランタニド元素、アクチニド元素、アルカリ土類金属元素、不活性ガス元素、などのうち少なくとも1つの元素を表す。BはTl、Iなどハロゲン元素、及びNaなどのアルカリ金属元素のうち少なくとも1元素。CはSb、SN、As、Pb、Bi、Zn、Cd、Si、Al、Ga及びInのうち少なくとも1元素。また、光磁気材料に使用される金属材料、例えば上記金属元素のTb、Fe、Coなども記録膜6,9として使用可能である。保護膜は、同一或いは個別の材料により構成される。各々の材料として、SiO、SiO2、ZnO、SNO2、Al23、TiO2、In23、MgO、ZrO2などの酸化物、Si34、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物又はダイヤモンド状炭素、或いはこれらの2種以上の混合物が用いられる。また、成形方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着法、プラズマCVD法など後用いられる。
反射膜7,8は、例えば、スパッタ法により形成された銀膜が用いられる。この他に反射膜7,8の材料としては、アルミニウム、銀、銅などの金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を使用することができる。特に金を主体とする金属又は合金を用いることが好適である。銀を主体とするときは、銀の含有率が80〜100原子%、特に90〜100%であることが好ましい。また、これらの反射膜7,8材料のうちでは、安価でありかつコンパクトディスクにおいて使用されて実績が有ることから、アルミニウムを使用することもできる。金属膜材料として金属材料又は合金材料を用いる場合には、スパッタリングや真空蒸着などの真空成膜方法によって、反射膜7,8を形成することができる。この場合、真空槽内の真空度を変えて(例えば、10−5torr程度)スパッタリングを行い、密度又は結晶化の状態の違う膜を形成して金属反射膜の反射率を高くする技術を適用することもできる。本実施の形態のように、記録再生光の入射方向に対して少なくとも奥に1層以上記録層を有する反射膜7,8では反射光を通すため半透明の反射膜を形成する必要がある。そのための反射膜7,8の厚さとしては300Å以上1000Å以下が好適である。
記録膜6,9を形成する土台となる透明基板3,5としては、記録再生光の波長に対して透明である材質が望ましい。例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂などのプラスチック又はガラスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に成形の容易さ、材質の安価さ、軽量差などからポリカーボネートやアクリル樹脂が望ましい。1つの対になる記録膜6,反射膜7、記録膜9,反射膜8は記録再生光の入射方向に対して記録膜6,9が手前にならなければいけない。そのため、透明基板2,5に対する記録膜と反射膜の積層順は、入射光が透明基板を経て記録層に達する場合は透明基板2、記録膜6、反射膜7の順に積層させ、入射光が該透明基板を経ずに記録層に達する場合は透明基板5、反射膜8、記録膜9の順に積層させることが望ましい。
反射膜7,8上に記録光案内用のトラックとなる案内溝(又は、誘導ピット=プリピット)11,12を形成する方法として、透明基板2,5上に案内溝(又は、誘導ピット)11,12を形成し、その上に反射膜7,8を形成する方法が製造の簡便さ、価格から好適である。案内溝(又は、誘導ピット)11,12は案内溝(又は、誘導ピット)11,12の領域とその他の領域との記録再生光の経路差による干渉を用いて判別を行う場合、深さは透明基板2,5の屈折率をn、記録光の波長をλとしたときに、λ/8nの深さが最適である。
記録光誘導用の案内溝(又は、誘導ピット)11,12は、記録光が光記録媒体1上の記録領域に正確に走査するために誘導するとともに、記録光が光記録媒体1上を規定の線速にて走査するための同期信号を有することが一般的である。このとき、同期信号を発生させるため案内溝11,12を一定周期にて蛇行(ウォブル)させる方法が一般的である。ここに、本実施の形態のように、記録条件などの情報を記録光の案内溝(又は、誘導ピット)11,12上に記録させるためには案内溝(又は、誘導ピット)11,12から発生する同期信号に周期変調、振幅変調、位相変調などを行うことが好ましい。光記録媒体1の場合、当該光記録媒体1の状態により反射光の強度変動が大きく大きいため、振幅変調よりも周期変調、位相変調が好適である。さらにDVD+R/RW型ディスクのように、同期信号が100kHzと高周期の場合は位相変調が好適である。
記録膜6,9の積層構造の作製方法としては、透明基板2,5上に記録膜6,9と反射膜7,8を積層させ、透明基板2,5ごと接着させる方法が好適である。その際の接着膜10として、粘着シート、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、カチオン系紫外線硬化型接着剤が好適である。さらに、平滑性、均一性から粘着シートがとくに望ましい。
このような条件で作製された記録層3,4を複数有する多層構造の光記録媒体1において、各々の記録層3,4では、入射される記録光の光学的条件、熱的条件等の環境条件が異なるため、同一の記録条件で高品質な記録は行えない。この場合の「光学的条件」とは、記録光の入射面からみて奥に配されている記録層(第2記録層4)では手前に配されている記録層(第1記録層3)を経ることによる強度変化、複数の透明基板2を経ることによる光路長の差と透明基板2の複屈折の影響による位相変動等である。また、「熱的条件」とは記録膜6,9近傍の反射膜7,8、透明基板2,5、接着膜10などの順列や厚さの差から起因される記録層3,4への蓄熱、放熱条件である。
これらの環境条件の差を考慮した各記録層3,4に最適な記録条件を選択することで複数の記録層3,4への高品質な記録が行える。このときの記録条件は、記録光の強度、波長、位相、波面、発光波形などがあるが、単一の発光素子で簡便に調整できる強度条件と発光波形条件とを用いるのが最適である。
記録条件の内容としては、記録光の強度や波形を数値化した直接的なもの、或いは、光記録媒体1に対する試し書きや光記録媒体1の反射率変動などから間接的に記録条件を導出するための設定条件である。記録条件を導出する方法としては、記録光の強度条件を導出方法として、CD−R、DVD±Rで用いられるβ法、CD−RW、DVD±RWで用いられるγ法が知られている。この場合、ターゲットとなるβやγ、さらに条件導出に用いられるおおよその記録強度などが記録条件に含まれる。また、波形条件を変更しながら試し書きを行い好適な波形条件を導出することも可能である。また、反射率の変動から記録膜厚さや透明基板の透過率などを推測し、それに適した記録条件を導出する方法も可能である。これらの記録条件を導出する方法を用いることにより、光記録媒体1の個体差に対応することができ、さらに記録条件としてトラックとしての案内溝(又は誘導ピット)11,12上に記録する情報量が少なくすることができる。
複数の記録層3,4を持つ光記録媒体1において、試し書きを行い記録条件を最適化する場合、各記録層3,4に試し書き領域を設けることが好適である。また、記録開始時に全ての記録層3,4について試し書きを行い、記録条件を最適化することにより記録時の試し書きの時間を削減し連続記録を行うことができる。ただし、記録中の温度などの環境変動により発光素子の波長、効率など光学条件が変動し記録条件の最適化時と実際の記録時で記録条件が変動してしまう。そのため、各記録膜6,9の波長、温度に対する感度変動の情報を記録条件に含むことにより、記録開始時に最適化された記録条件に温度などの環境条件の変動による記録膜6,9の感度変動等から算出される条件を加えることにより記録開始時の試し書きのみで各記録層3,4に最適な記録条件が得られる。
トラックとしての案内溝(又は誘導ピット)11,12の信号は、記録層3,4に情報が記録される前と後では信号のSNが変化するため、光記録媒体1上で案内溝(又は誘導ピット)11,12に記録条件を記録する位置としては、使用者が任意の情報を記録するデータ領域を避ける方法が好適である。案内溝(又は誘導ピット)11,12が同心円状又は螺旋状に配されている場合、中周領域にデータ領域が設けられることが多いことから内周部、外周部の少なくとも一方に記録条件を記録することが好適である。
さらに、案内溝(又は誘導ピット)11,12が螺旋状に配されている場合、記録再生時に光記録媒体1が回転することにより連続的に光記録媒体1全面を走査することができる。この場合、記録開始時において光ピックアップの余計な移動を省くために記録開始を行う内周部又は外周部、螺旋方向が光記録媒体1の記録再生時の回転方向に対し外周に向かう場合は内周部に、内周に向かう場合は外周部に記録条件を有する方が好適である。
また、記録条件を光記録媒体1上に試し書きを行って決定することにより、温度、湿度などの環境条件も加味した好適な記録条件を導出できる。この場合も記録開始時において良好な記録品質を得るために記録開始を行う内周部又は外周部、螺旋方向が光記録媒体1の記録再生時の回転方向に対し外周に向かう場合は内周部に、内周に向かう場合は外周部に試し書き領域を有する方が好適である。この場合、光ピックアップの余計な移動を省くとともに、試し書きから記録までの時間を短縮することで好適な記録条件の経時的な変動を抑えることができる。
各記録層3,4への記録条件の記録方法として、各記録層3,4に同仕様の記録条件を記録する方法が挙げられる。この場合、各記録層3,4毎に記録条件の設定及び又は記録条件を導出する設定することができるため、後々の記録層の数の増加に対して記録条件のフォーマットを変更せず拡張することができる。そのため、DVD±R/RWやCD−R/RWなどのように既に単一記録層の光記録媒体として普及している光記録媒体においても適用することが容易である。
また、各記録層3,4への記録条件の記録方法として、各記録層3,4のうち最初に記録を行う記録層(即ち、第1記録層3)に対して記録条件を記録し、さらに当該記録層3を識別する情報を対になる反射膜7を有し、他の記録層4に対しては第1記録層3の記録条件から当該記録層4用の記録条件を導出するための情報を記録する方法が挙げられる。この方法では前述の記録方法に比べ、第2記録層4以降の記録層について記録条件に必要な情報量が削減できる。そのため、余剰信号を付加することで誤り訂正能力を向上させれば、第1記録層3を記録により信号のSN比が低下しても十分な読出し能力を維持することができる。
さらに、各記録層3,4への記録条件の記録方法として、第1記録層3に全ての記録層3,4の記録条件を記録する方法がある。この場合、単一記録層との互換性は維持しづらくなるが、第2記録層4以降の記録条件の読取りを行う必要がないため、第2記録層4以降は当該記録層4の識別信号のみ読出せるだけの信号品質でよい。最初に記録を行う第1記録層3は最も他の記録層4などの要因を受けずに読出せる記録光入射面に対し最も手前の記録層であることが望ましい。或いは、逆に、最初に記録を行う第1記録層3を、記録光の入射側から見て最も奥側に位置する記録層としてもよい。即ち、最初に記録を行う第1記録層3を、記録光の入射面側から見て、最も奥に位置する記録層とすれば、それ以降の手前側の第2記録層に対する記録時に、第1記録層を含む先行記録層の影響を受けずに記録できるため、安定した記録が行なえることとなる。
さらに、複数の記録層3,4を持つ光記録媒体1の場合、各記録層3,4を続けて記録した場合と全ての記録層3,4を連続した場合で記録装置内の発熱の蓄積量が変わるため温度等の環境条件が大きく異なる。特に、半導体レーザを光源とした場合、温度による波長変動が顕著である。そのため、光記録媒体1上の記録条件に温度や波長による記録条件の変動を設ける方法が望ましい。これにより、光記録媒体1のどの位置から記録を開始しても好適な記録が可能となる。
[信号フォーマットの構成例]
上述した各種構成例に基づく、本実施の形態の具体的な構成例(信号フォーマット例)を構成例1〜4として図2ないし5を参照して説明する。
図2ないし図5は構成例1〜4の記録用案内溝(トラック)11,12上に記録された信号フォーマット例を模式的に示す。また、図6は単層構造例を示す比較例である。これらの図中、「対応規格情報」とは、光記録媒体1の対応規格バージョンのことである。「ディスク構造」とは、光記録媒体1の大きさ、案内溝11,12のトラックピッチ等の物理的形状情報、記録膜の材料、データ領域の開始アドレス、終了アドレス情報、光記録媒体1の使用目的などの情報である。「記録層番号」は各々記録層3,4により異なる値を入れることにより記録層3,4の識別に用いる層情報である。「ベンダー情報」、「バージョン情報」は光記録媒体1のベンダー情報(メーカ識別情報)、光記録媒体1の製造バージョン情報である。「波長条件」は波長による記録膜の感度変動を表したものである。
[構成例1]
図2に示す構成例1は、第1記録層3、第2記録層4とも媒体内周側から外周側に向けた螺旋状の案内溝11,12を有するパラレルトラックパス(PTP)方式の光記録媒体1の例である。この例では、第1記録層3、第2記録層4の各々の案内溝11,12上において内周部に各々記録条件に関する情報、層情報がプリフォーマットされている例を示している。
従って、第1記録層3に対しては第1記録層3の案内溝11上にプリフォーマットされた記録条件を用いて、第1記録層3上に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、直接的な記録条件に従い直接記録を行う。第2記録層4に記録する場合は光記録媒体1内周部まで光ピックアップが移動し第2記録層4の案内溝11上にプリフォーマットされた記録条件を用いて、第2記録層4上に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、直接的な記録条件に従い直接記録を行う。よって、このような光記録媒体1を用いることにより各々の記録層3,4において最適な記録条件の基に記録を行なわせることができる。
[構成例2]
図3に示す構成例1は、第1記録層3は媒体内周側から外周側に向けた螺旋状の案内溝11を有するが、第2記録層4は媒体外周側から内周側に向けた螺旋状の案内溝12を有するオポジットトラックパス(OTP)方式の光記録媒体1の例である。この例では、第1記録層3の案内溝11上においては内周部に記録条件に関する情報、層情報がプリフォーマットされ、第2記録層4の案内溝12上においては外周部に記録条件に関する情報、層情報がプリフォーマットされている例を示している。
従って、第1記録層3に対しては構成例1の場合と同様に第1記録層3上の記録条件を用いて、第1記録層3上に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、直接的な記録条件に従い直接記録を行う。続けて、第2記録層4に記録する場合は外周部まで行っている光ピックアップで第2記録層4上の記録条件を用いて、第2記録層4の外周部に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、直接的な記録条件に従い直接記録を行う。
よって、このような光記録媒体1を用いることにより、第1記録層3から第2記録層4への光ピックアップの移動は最短になるためほぼ連続した記録が可能であり、かつ、各々の記録層3,4において最適な記録条件の基に記録を行なわせることができる。また、第1記録層3の案内溝11に記録された信号フォーマットは図6に示す比較例1の単層記録層のものとほぼ同等であり、光記録媒体1としての下位互換性が高いものとなる。
[構成例3]
図4に示す構成例3は、構成例2の場合と同様なオポジットトラックパス(OTP)方式の光記録媒体1の例であるが、構成例2の場合と異なり、第2記録層4の案内溝12上においては、当該第2記録層4の記録条件に関する情報としては、第1記録層3の記録条件から当該第2記録層4用の記録条件を導出するための間接的な記録条件の情報が記録されており、記録条件に必要な情報量が構成例2の場合よりも少なくなっている。
従って、第1記録層3に対しては構成例1,2の場合と同様に第1記録層3上の記録条件を用いて、第1記録層3上に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、直接的な記録条件に従い直接記録を行う。続けて、第2記録層4に記録する場合は外周部まで行っている光ピックアップで第2記録層4上の記録条件を用いて、第2記録層4の外周部に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、第1記録層3の記録条件に基づく導出情報に従い当該第2記録層4用の記録条件を導出してその条件に従い記録を行う。
よって、このような光記録媒体1を用いることにより、第1記録層3から第2記録層4への光ピックアップの移動は最短になるためほぼ連続した記録が可能であり、かつ、各々の記録層3,4において最適な記録条件の基に記録を行なわせることができる。また、第1記録層3の案内溝11に記録された信号フォーマットは図6に示す比較例1の単層記録層のものとほぼ同等であり、光記録媒体1としての下位互換性が高いものとなる。さらに、第2記録層4の記録条件は第1記録層3からの変更する条件のみを用いるため記録条件に必要な情報量を少なくすることができる。
[構成例4]
図5に示す構成例4は、構成例2,3の場合と同様なオポジットトラックパス(OTP)方式の光記録媒体1の例であるが、構成例2,3の場合と異なり、記録条件に関する情報は、全て第1記録層3の案内溝11上に記録され、層情報のみが各々の記録層3,4に各々記録されている。
従って、第1記録層3に対しては構成例1〜3の場合と同様に第1記録層3上の記録条件を用いて、第1記録層3上に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、直接的な記録条件に従い直接記録を行う。続けて、第2記録層4に記録する場合は外周部まで行っている光ピックアップで第2記録層4上の層情報のみ認識し、記録条件に関しては第1記録層3で取得した第2記録層4用の記録条件を用いて、第2記録層4の外周部に試し書きを行い最適記録条件を導出し、かつ、記録条件に従い記録を行う。
よって、このような光記録媒体1を用いることにより、第1記録層3から第2記録層4への光ピックアップの移動は最短になるためほぼ連続した記録が可能であり、かつ、各々の記録層3,4において最適な記録条件の基に記録を行なわせることができる。また、第2記録層4の記録条件は第1記録層3において記録されているので、第2記録層4を識別するための層情報のみの認識で済ませることができる。
[情報記録方法]
従って、これらの構成例1〜4に例示されるような本発明の光記録媒体1が光情報記録装置に装填された場合の情報記録方法としては、概略的には、図7に示す処理を採ればよい。まず、光記録媒体1の装填の有無を監視し(ステップS1)、装填された場合には、当該光記録媒体1に対する記録動作に先立ち、当該光記録媒体1の案内溝11,12上から記録条件に関する情報及び記録層3,4を識別する層情報を読出す(S2;条件読出しステップ。引き続き、読出された記録条件に関する情報及び記録層3,4を識別する層情報に基づき記録対象となる記録層3又は4に対する記録条件を設定する(S3;記録条件設定ステップ)。そして、設定された記録条件に従い記録対象となる記録層3又は4に対する記録動作を実行する(S4;記録動作実行ステップ)。
このようにして、本実施の形態によれば、複数の記録層3,4を有する多層構造の光記録媒体1の場合にも、当該案内溝11,12上の情報として備える記録条件に関する情報及び各記録層を識別する層情報を読出して、当該記録層3又は4に対する記録条件を設定して記録動作を実行させることにより、各記録層3,4に適した記録条件で最適な記録を行なわせることができる。
[変形例]
なお、前述した説明では、多層構造の記録層3,4に記録する上で、トラックとしては、通常通り、何れの記録層3,4に対してもグルーブ(案内溝11,12)上のみに記録する方式(ランド上のみに記録する、或いは、グルーブ上及びランド上の双方に記録する方式であっても同様)への適用例として説明したが、多層構造の記録層が、奇数番層と偶数番層とでその記録位置としてグルーブトラックとランドトラックとが交互に設定されている光記録媒体の場合でも同様に適用できる。例えば、第1記録層とそのウォブルは、従来通りグルーブトラック(案内溝)上に配置させるが、第2記録層とそのウォブルはランドトラック上に配置させる、という新たな方式である。これは、主に有機色素系の材料が用いられている2層ディスクの第2記録層に記録を行う際に、第2記録層をある程度層方向に深くマークを行う必要があるが、この深さのマークを第2記録層のグルーブ上に形成しようとすると、構造的に記録を行う際の熱がランド側まで伝わってしまい、記録品質の悪化が生じてしまうことから、このような不具合を避けるためのトラック方式である。
図8を参照してこのトラック方式について説明する。まず、第1記録層3は反射層7に対してレーザ照射方向に溝構造を持つ記録膜6が形成され、第2記録層4も反射層8に対してレーザ照射方向に溝構造を持つ記録膜9が形成されている。この溝は、ディスクの中心方向から外周に向かって螺旋状に形成されており、情報記録再生装置は、この溝に添って再生及び記録を行う。一般的にレーザの照射面側に近い方の溝をグルーブトラック11、遠い方の溝をランドトラック13と呼んでおり、第1記録層3ではグルーブトラック11上に記録膜6が形成され、第2記録層4ではランドトラック13上に記録膜9が形成されている。即ち、第1記録層3と第2記録層4とで、異なる形態のトラック上に記録膜が形成されている。
より詳細には、第1記録層3の溝構造は、グルーブトラック11が記録膜6によって形成されている。グルーブトラック11には、図9(a)に示すように、ウォブリングが施されており、このウォブル信号にはディスク面内における位置情報や、OPCを行う際の記録パワー及び記録パルス形状などが記録されている。第1記録層3の奥には、接着層10や無機保護層14を挟んで第2記録層4が形成されている。第2記録層4は第1記録層3とは異なり、ランドトラック13に記録膜9が形成されており、ウォブル信号もランドトラック13に記録されている(図9(b)参照)。このウォブル信号には、第2記録層4の位置情報や、OPCを行う際の記録パワー及び記録パルス形状などが記録されている。
このようなトラック方式を採る光ディスクの場合であっても、図2ないし図5で説明したような、各記録層3,4への記録条件の記録方法を採用することができる。
本発明の一実施の形態を示す光記録媒体の断面構造図である。 構成例1の場合の案内溝上の信号フォーマット例を示す模式図である。 構成例2の場合の案内溝上の信号フォーマット例を示す模式図である。 構成例3の場合の案内溝上の信号フォーマット例を示す模式図である。 構成例4の場合の案内溝上の信号フォーマット例を示す模式図である。 比較例の場合の案内溝上の信号フォーマット例を示す模式図である。 情報記録方法を示す概略フローチャートである。 トラック方式の異なる変形例を示す光記録媒体の断面構造図である。 その各トラック上のウォブル信号例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 光記録媒体
3 第1記録層
4 第2記録層
11,12 トラック

Claims (15)

  1. 記録光を案内するトラックを各々有する多層構造の記録層を備え、各々の記録層に対してユーザデータの記録が可能な光記録媒体であって、
    各記録層を識別する層情報を前記トラック上の情報信号として備える光記録媒体。
  2. 各記録層を識別する層情報がトラック上の情報信号としてトラック自体にプリフォーマットされている請求項1記載の光記録媒体。
  3. 多層構造の前記記録層は、奇数番層と偶数番層とでその記録位置としてグルーブトラックとランドトラックとが交互に設定されている請求項2記載の光記録媒体。
  4. 各記録層を識別する層情報がトラックを構成するピット又はグルーブとしてプリフォーマットされている請求項2又は3記載の光記録媒体。
  5. 各記録層を識別する層情報がトラック上の情報信号としてトラック自体に位相変調によりプリフォーマットされている請求項2ないし4の何れか一記載の光記録媒体。
  6. 各記録層を識別する層情報は、データ領域外の前記トラック上に有する、請求項1ないし5の何れか一記載の光記録媒体。
  7. 前記トラックが各記録層毎に螺旋状に形成された光記録媒体であって、
    各記録層を識別する層情報は、当該光記録媒体に対する記録再生時において前記螺旋方向が内周側から外周側に向かう場合には内周部、外周側から内周側に向かう場合には外周部に有する、請求項1ないし6の何れか一記載の光記録媒体。
  8. 前記トラックが各記録層毎に螺旋状に形成された光記録媒体であって、
    記録条件を決定するための試し書き領域を、当該光記録媒体に対する記録再生時において前記螺旋方向が内周側から外周側に向かう場合には内周部、外周側から内周側に向かう場合には外周部に有する、請求項1ないし7の何れか一記載の光記録媒体。
  9. 各記録層を識別する層情報は、各記録層毎に個別に有する、請求項1ないし8の何れか一記載の光記録媒体。
  10. 複数の記録層のうち、最初に記録を行う第1記録層は、記録光の入射側から見て最も手前側に位置する記録層である、請求項1ないし9の何れか一記載の光記録媒体。
  11. 複数の記録層のうち、最初に記録を行う第1記録層は、記録光の入射側から見て最も奥側に位置する記録層である、請求項1ないし9の何れか一記載の光記録媒体。
  12. 各記録層は記録光の波長に対して透明であり、前記記録層毎の前記トラックを形成した基板上に積層されている、請求項1ないし11の何れか一記載の光記録媒体。
  13. DVD+R規格に準拠し、片面2層の記録層を有する、請求項1ないし12の何れか一記載の光記録媒体。
  14. DVD+RW規格に準拠し、片面2層の記録層を有する、請求項1ないし12の何れか一記載の光記録媒体。
  15. 光情報記録装置に装填された請求項1ないし14の何れか一記載の光記録媒体に対する記録動作に先立ち当該光記録媒体がトラック上の情報として備える各記録層を識別する層情報を読出す条件読出しステップと、
    読出された各記録層を識別する層情報に基づき記録対象となる記録層に対する記録条件を設定する記録条件設定ステップと、
    設定された記録条件に従い記録対象となる記録層に対して記録動作を行う記録動作実行ステップと、
    を備える情報記録方法。
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