JP2004310830A - 情報再生装置、情報再生方法、情報読取装置、ディスクドライブおよびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体に情報を記録した後にディフェクトが形成された場合でも、その記録媒体に記録された情報をディフェクトリストに基づいて適正に再生できるようにする。
【解決手段】DVDに記録された記録情報を先読みし、先読みされた記録情報に基づいてDVDのディフェクトを検出し、この検出結果に基づいてディフェクトリストを更新し、この更新されたディフェクトリストを用いて、ディフェクトによってゆがめられた記録情報に対し再生適正化処理を行う。
【選択図】 図9
【解決手段】DVDに記録された記録情報を先読みし、先読みされた記録情報に基づいてDVDのディフェクトを検出し、この検出結果に基づいてディフェクトリストを更新し、この更新されたディフェクトリストを用いて、ディフェクトによってゆがめられた記録情報に対し再生適正化処理を行う。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ディスク等の記録媒体に記録された情報を読み取る情報読取装置およびこの情報読取装置を実現するためのコンピュータプログラム、並びに記録媒体に記録された情報を再生する情報再生装置、この情報再生装置を実現するためのコンピュータプログラムおよび情報再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、書換可能な光ディスク等の記録媒体の記録面にひっかき傷等が形成され、または指紋による汚れ、塵、埃等が付着する場合がある。また、記録媒体の製造過程において記録層内に塵等が混入する場合もあり得る。さらに、情報の書換を繰り返し行うことによって記録媒体が部分的に劣化する場合がある。このような傷、塵埃、劣化等(以下、これらを「ディフェクト」という。)が存在すると、情報を記録媒体に確実に記録することができなくなる場合があり、記録媒体の情報記録の信頼性が低下するおそれがある。
【0003】
このような弊害を防止するため、記録媒体にディフェクトが存在していても、その場所を避けて情報を記録することにより、情報の記録を確実に行う技術が開発され、普及している。このような技術は一般に「ディフェクト管理」と呼ばれている。以下、従来のディフェクト管理の典型的な例をいくつか挙げる。
【0004】
例えば、コンピュータプログラム、画像データ、音声データ、文書データなどの情報を記録するための記録媒体としてDVD−RAMを使用する場合、一般に、DVD−RAMにこれらの情報を記録する前にDVD−RAMをフォーマットする。そして、DVD−RAMをフォーマットするときには、一般に初期検査(サーティファイ)を行う。この初期検査の実行時に、DVD−RAMの記録面等に存在するディフェクトを検出し、そのディフェクトの存在するDVD−RAM上の位置(例えばアドレス)を特定し、その位置を示す情報をメモリ等に記憶する。このようなディフェクト検出およびディフェクト位置情報の収集をDVD−RAMの記録面全体にわたって行い、ディフェクトの位置を示すリスト(以下、これを「ディフェクトリスト」と呼ぶ。)を作成する。そして、フォーマットが済んだDVD−RAMに情報を記録するときには、ディフェクトリストを参照しながら情報の記録を行う。これにより、DVD−RAM上においてディフェクトが存在する場所を避けるようにして情報の記録を行うことができ、情報記録の確実性を高めることができる。
【0005】
また、例えばDVD−RAM上に情報を記録するときには、一般に照合(ベリファイ)を行う。照合の実行時に、記録が正常に行われなかったことを認識したときには、その照合の対象となった部分の情報を、記録媒体の代替領域に記録する。さらに、このとき、その照合の対象となった情報を本来記録すべきDVD−RAM上の場所にディフェクトが存在すると判定し、この位置をディフェクトリストに記録して、ディフェクトリストを新たに作成し、または既存のディフェクトリストを更新する。これにより、情報記録の確実性をより一層高めることができる。
【0006】
なお、初期検査時または照合時に作成・更新されたディフェクトリストは、ディフェクト検出の対象となった記録媒体の特定の領域に記録され、保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のディフェクト管理の例のうち、記録媒体の初期検査時に行うディフェクト検出およびディフェクトリスト作成は、記録媒体の製造過程において記録層内に塵等が混入するといった初期的なディフェクトを管理するのに役立つ。一方、記録情報の照合時に行うディフェクト検出およびディフェクトリスト作成・更新は、ひっかき傷や塵埃の付着といった記録媒体の搬送や使用等により事後的に形成されたディフェクトを管理するのに役立つ。
【0008】
しかし、かかる従来のディフェクト管理では、記録媒体に記録された情報を再生するとき、記録媒体に事後的に形成されたディフェクトに対処することができないという問題がある。例えば、記録媒体に情報を記録した後、当該記録媒体に新たなディフェクトが形成され、その結果、記録時には正常に記録された情報が、その新たなディフェクトによって正常に読み取ることができない状態になってしまう場合がある。このような場合、その新たなディフェクトに関する情報は、ディフェクトリストに記録されていないので、当該記録媒体に記録された情報を、ディフェクトリストに基づいて正常に再生することができない場合がある。
【0009】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、記録媒体に情報を記録した後にディフェクトが形成された場合でも、その記録媒体に記録された情報を、ディフェクトリストに基づいて適正に再生することができる情報再生装置、情報読取装置、ディスクドライブ、コンピュータプログラムおよび情報再生方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の情報再生装置は、記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた情報を再生する再生手段と、再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取りこれを前記再生手段に供給するように前記読取手段を制御する読取制御手段と、前記読取制御手段により指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みするように前記読取手段を制御する先読み制御手段と、前記先読み制御手段により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、前記ディフェクト検出手段による検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成手段と、前記リスト作成手段により作成または更新されたリストに基づいて、前記ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行い、前記再生手段による当該情報の再生を適正化する再生適正化手段とを備えている。
【0011】
上記課題を解決するために請求項7に記載の情報読取装置は、記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた情報を出力する情報出力手段と、再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取りこれを前記情報出力手段に供給するように前記読取手段を制御する読取制御手段と、前記読取制御手段により指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みするように前記読取手段を制御する先読み制御手段と、前記先読み制御手段により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、前記ディフェクト検出手段による検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成手段と、前記リスト作成手段により作成または更新されたリストを出力するリスト出力手段とを備えている。
【0012】
上記課題を解決するために請求項14に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項1ないし6のいずれかに記載の情報再生装置として機能させる。
【0013】
上記課題を解決するために請求項15に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項7ないし13のいずれかに記載の情報読取装置として機能させる。
【0014】
上記課題を解決するために請求項16に記載の情報再生方法は、記録媒体に記録された情報を読み取って再生する情報再生方法であって、再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取る読取工程と、前記読取工程において指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みする先読み工程と、前記先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出工程と、前記ディフェクト検出工程における検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成工程と、前記リスト作成工程において作成または更新されたリストに基づいて、前記先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理を行う再生適正化工程と、前記再生適正化工程において再生適正化処理が行われた後、前記先読みされたまたは先読みすべき情報を再生する再生工程とを備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(情報再生装置の実施形態)
本発明の情報再生装置の実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は本発明の情報再生装置の実施形態を示している。なお、図1は、本発明の実施形態の構成要素等を、その技術思想を説明する限りにおいて具体化したものであり、各構成要素等の形状、大きさ、位置、接続関係などは、これに限定されるものではない。このことは、本実施例の説明で用いる図2ないし図4および本発明の他の実施形態の説明で用いる図5についても同様である。
【0017】
図1中の情報再生装置10は、本発明の情報再生装置の実施形態であり、これはヘッド、ピックアップ、プローブなどの読取手段を介して、記録媒体に記録された情報を読み取り、これを再生する装置である。一般に、記録媒体には、光記録媒体、光磁気記録媒体、相変化記録媒体、誘電体記録媒体など様々あるが、情報再生装置10における記録媒体は、これらの記録媒体のいずれであってもよい。もっとも、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク、誘電体ディスク、誘電体カード状記録媒体のような比較的記録面に傷が形成される可能性が高く、また記録面に塵、埃、汚れなどが付着する可能性が高い記録媒体、すなわちディフェクトの存在が想定される記録媒体に対し、情報再生装置10の有利な効果が顕著に得られる場合が多い。また、記録媒体に記録され、情報再生装置10の読取・再生の対象となる情報は、コンピュータプログラム、画像データ、音声データ、文書データ、数値データ、制御データなどが典型的であるが、これらに限られない。
【0018】
情報再生装置10は、図1に示すように、読取手段11、再生手段12、読取制御手段13、先読み制御手段14、ディフェクト検出手段15、リスト作成手段16および再生適正化手段17を備えている。
【0019】
読取手段11は、記録媒体に記録された情報を読み取る手段である。読取手段11は、例えば、ヘッド、ピックアップ、プローブなどであり、記録媒体の種類に応じて任意に選択することができる。例えば、記録媒体が光ディスクである場合には、読取手段11は光ピックアップであることが好ましい。
【0020】
再生手段12は、読取手段11により読み取られた情報を再生する手段である。再生手段12の具体的な構成は、再生の対象となる情報の種類に応じて異なる。例えば、再生の対象となる情報が画像情報または音声情報である場合には、再生手段12は、デコーダ、デジタル−アナログコンバータなどにより構成される。より具体的には、再生の対象となる情報がDVD規格に基づく画像情報または音声情報である場合には、再生手段12は、MPEG(Moving Picture Expert Group)デコーダ等を備える。一方、再生の対象となる情報がコンピュータプログラムである場合には、再生手段12は、そのコンピュータプログラムを実行するための演算処理回路などから構成される。
【0021】
読取制御手段13は、再生すべき情報の範囲を指定し、記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取り、これを再生手段12に供給するように読取手段11を制御する手段である。すなわち、再生手段12による情報の再生処理は、通常、一定の長さを有する情報の区分ごとに行われる。この場合には、読取制御手段13は、再生すべき情報の範囲として、当該一定の長さを有する情報の1区分を指定する。続いて、読取制御手段13は、当該区分に含まれる情報を読み取ってこれを再生手段12に供給するように、読取手段11を制御する。なお、「再生すべき情報の範囲」は、再生処理に基づいて定められる区分に限られず、記録媒体から情報を読み取りこれを再生して出力するまでの過程におけるエラー訂正処理、バッファリング処理、デコード処理などといった種々の情報処理の都合により定められる区分であってもよい。
【0022】
先読み制御手段14は、読取制御手段13により指定された再生すべき情報の範囲を超えて記録媒体から情報を先読みするように読取手段11を制御する手段である。例えば、図2に示すように、記録媒体に記録された情報が一定の長さを有するブロックBに分割されており、再生手段12による再生処理が、n+1個のブロックBから構成される区分Rごとに行われると仮定する。この場合において、現在、読取制御手段13が再生すべき情報の範囲として区分R#1を指定し、記録媒体から区分R#1内に含まれる情報を読み取ってこれを再生手段12に供給するように読取手段11を制御したとする。このとき、先読み制御手段14は、区分R#1に続く区分R#2内に含まれる情報をも続けて読み取るように読取手段11を制御する。これにより、読取手段11は、区分R#1に含まれる情報と区分R#2に含まれる情報とを連続的に読み取る。そして、区分R#1に含まれる情報は再生手段12に直ちに供給され、一方、区分R#2に含まれる情報はバッファメモリ等に蓄えられる。バッファメモリ等に蓄えられた情報は、将来再生する必要が生じたときに、当該バッファメモリ等から読み出され、再生手段12に供給される。一般に、記録媒体の記録面上に連続的に配列された情報は、連続的に再生される場合が多いので、このような情報の先読みを行うことで、情報の再生を効率的に行うことが可能となる。なお、情報を先読みする範囲は、例えば、先読みによる情報再生の効率、先読みバッファリング処理の効率、バッファメモリの容量等を考慮して設定することが望ましい。例えば、上述したように、先読みする情報の範囲を、区分1個に相当する範囲に設定してもよいし、区分2個に相当する範囲に設定してもよいし、それ以上の広い範囲に設定してもよい。
【0023】
ディフェクト検出手段15は、先読み制御手段14により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出する手段である。例えば、図2に示すように、先読み制御手段14により、区分R#2に含まれる情報が先読みされた場合、ディフェクト検出手段15は、この区分R#2に含まれる情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出する。ディフェクトとは、記録媒体上または記録媒体中に存在する傷、汚れ、塵埃などである。記録媒体が書換可能な記録媒体である場合には、記録面の同じ部分に何度も書換を繰り返すことによってその部分が劣化して記録能力が低下ないし喪失することがあるが、このような劣化もディフェクトに含まれる。
【0024】
ディフェクト検出手段15によるディフェクト検出の方法には様々あり、特に限定されるものではない。しかし、ディフェクト検出手段15は、先読み制御手段14により先読みされた情報に基づいてディフェクト検出を行うことが望ましい。記録面上にディフェクトが存在すると、読取手段11により情報を正常に読み取ることができない場合が多い。したがって、先読みされた情報に基づいて、当該情報が正常に読み取られているか否かを判定することにより、ディフェクトの存在を検出することができる。
【0025】
より具体的な一例をあげると、情報再生装置10が、読取手段11により読み取られた情報に対してエラー訂正を行うエラー訂正手段を備えている場合には、エラー訂正手段のエラー訂正処理の結果に基づいてディフェクト検出を行うことができる。例えば、エラー訂正手段が先読みされた情報に対してエラー訂正を行い、ディフェクト検出手段15が、この先読みされた情報に対するエラー訂正結果に基づいてディフェクト検出を行う。これにより、ディフェクト検出を効率的にかつ高精度に行うことができる。
【0026】
リスト作成手段16は、ディフェクト検出手段15による検出結果に基づいて、ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新する手段である。例えば、リスト作成手段16は、ディフェクト検出手段15による検出結果に基づいて、ディフェクトが存在する記録面上の位置を示す情報を取得し、これをメモリ等の記憶手段に記憶する。記録面上の複数の場所にディフェクトが存在し、それら複数のディフェクトがディフェクト検出手段15により検出されたときには、リスト作成手段16は、それら複数のディフェクトの位置を示す情報を収集し、それらをリストアップする。この結果、記憶手段内には、記録媒体のディフェクトリストが作成される。
【0027】
なお、当該記憶手段内に過去に作成したディフェクトリストがすでに存在している場合には、リスト作成手段16は、新たに検出されたディフェクトの位置を示す情報をディフェクトリストに追加し、ディフェクトリストを更新する構成としてもよい。また、当該記憶手段内に過去に作成したディフェクトリストがすでに存在している場合であっても、リスト作成手段16は、既存のディフェクトリストとは別に、テンポラリーディフェクトリストを作成してもよい。例えば、既存のディフェクトリストの更新処理に時間がかかるときには、とりあえずテンポラリーディフェクトリストを作成しておき、後述する再生適正化処理をこのテンポラリーディフェクトリストに基づいて行う構成としてもよい。そして、空き時間が生じたときや、再生処理の終了時に、テンポラリーディフェクトリスト中の情報を用いて既存のディフェクトリストを更新する構成としてもよい。
【0028】
再生適正化手段17は、リスト作成手段16により作成または更新されたリストに基づいて、ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行い、再生手段12による当該情報の再生を適正化する手段である。先読み制御手段14により先読みされた情報が記録された場所にディフェクトが存在すると、その先読みされた情報の一部が変形し、再生処理に支障を生じさせる場合がある。例えば、画像情報であるはずの情報がディフェクトによりゆがめられ、偶然にも同期信号に似た情報に変形したときには、単に当該画像情報を再生できないだけでなく、再生処理の同期が乱され、以降の再生処理に悪影響を与える場合も考えられる。そこで、再生適正化手段17は、ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行う。
【0029】
また、再生適正化手段17は、再生適正化処理をディフェクトリストに基づいて行う。上述したように、ディフェクト検出手段15は、先読み制御手段14により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出し、リスト作成手段16は、このディフェクト検出の結果に基づいてディフェクトリストを作成または更新する。再生適正化手段17は、このような先読みされた情報について作成・更新された最新のディフェクトリストに基づいて再生適正化処理を行う。
【0030】
再生の適正化の方法には、ディフェクトによりゆがめられた情報を再生処理の対象から除外する方法や、ディフェクトによりゆがめられた情報を再生処理に支障のない他の情報に置換する方法など様々考えられ、特に限定されるものではない。しかし、以下に述べる構成によれば、再生の適正化を効果的に実現することができる。
【0031】
再生適正化手段17は、具体的には以下のように構成することができる。すなわち、再生適正化手段17を、ディフェクトが存在する場所に記録された情報を再生手段12に供給するのを禁止することによって再生手段12による当該情報の再生を適正化する構成としてもよい。このような構成を有する再生適正化手段17の動作について、図3を参照して説明する。例えば、図3に示すように、先読み制御手段14により区分R#2に含まれる情報が読み取られたが、その中には、ディフェクトによりゆがめられた情報を含むブロックDBが含まれていたとする。この場合、ディフェクト検出手段15により、ブロックDBに含まれる情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトが検出され、リスト作成手段16により、当該ディフェクトの位置を示す情報がディフェクトリストに記録されている。再生適正化手段17は、このディフェクトリストから、当該ディフェクトの位置を示す情報を参照し、当該ディフェクトにゆがめられたブロックDBを認識する。そして、再生適正化手段17は、このブロックDBに含まれる情報を再生手段12の再生処理から除外する。このような情報の加工は、例えば区分R#2に含まれる情報を一旦バッファに蓄積し、情報加工を行い、加工された情報をバッファから再生手段12へ供給するという構成により実現することができる。また、上記情報加工は、読取手段11と再生手段12との間を接続する経路の途中にスイッチを設け、ブロックDBが経路を通過する時に、スイッチを開いて経路を遮断するようにする構成でも実現することができる。さらに、上記情報加工は、読取手段11と再生手段12との間に入出力制御手段を設け、必要な情報のみを読取手段11から再生手段12に送出するといった構成でも実現することができる。
【0032】
また、このような構成に代えて、再生適正化手段17を以下のように構成してもよい。すなわち、再生適正化手段14を、ディフェクトが存在する場所に記録された情報を他の特定値に置き換えることによって再生手段12による当該情報の再生を適正化する構成としてもよい。このような構成を有する再生適正化手段17の動作について、図4を参照して説明する。例えば、図4に示すように、先読み制御手段14により区分R#2に含まれる情報が読み取られたが、その中には、ディフェクトによりゆがめられた情報を含むブロックDBが含まれていたとする。この場合、ディフェクト検出手段15により、ブロックDBに含まれる情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトが検出され、リスト作成手段16により、当該ディフェクトの位置を示す情報がディフェクトリストに記録されている。再生適正化手段17は、このディフェクトリストから、当該ディフェクトの位置を示す情報を参照し、当該ディフェクトにゆがめられたブロックDBを認識する。そして、再生適正化手段17は、このブロックDBをブロックRBに置き換える。ブロックRBは、再生手段12による再生処理に支障が生じないように工夫された情報により充たされている。より具体的には、ブロックRBを再生処理に支障の生じない特定値(例えば「0」)により構成することが望ましい。これにより、再生手段12による再生処理がディフェクトによる悪い影響を受けるのを防止することができる。なお、このようなブロックの置換は、例えば、区分R#2に含まれる情報を一旦バッファに蓄積し、置換を行い、置換された情報をバッファから再生手段12へ供給するという構成により実現することができる。
【0033】
なお、再生適正化手段17が再生適正化処理を行う時期は、特に限定されない。もっとも、先読みされた情報が再生手段12によって再生処理に付される前に再生適正化処理を行う必要がある。例えば、再生適正化処理は、先読みされた情報が再生手段12による再生処理に付されることが決定されてから、実際にその情報が再生処理に付されるまでの間に再生適正化処理を実行することが望ましい。これにより、実際に再生される情報のみに対して再生適正化処理を行うことができるので、処理の効率を上げることができる。
【0034】
このように、情報再生装置10は、記録媒体に記録された情報を先読みし、先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出し、このディフェクト検出結果に基づいてディフェクトリストを作成または更新し、このように作成または更新された最新のディフェクトリストに基づいて再生適正化処理を行う。これにより、記録媒体に記録された情報を再生する以前にディフェクトが形成されても、情報の再生処理を適正に行うことができる。例えば、予め情報が記録された読取専用の記録媒体が製造過程における検査をパスして出荷されたが、その記録媒体が販売経路を流通してユーザの手元に届き、再生されるまでの間に、当該記録媒体にディフェクトが形成されたとする。この場合でも、情報再生装置10によれば、情報の先読み時に当該ディフェクトが検出可能である以上、当該ディフェクトを検出し、それに基づいてディフェクトリストを作成・更新し、このリストに基づいて再生適正化処理を行うことができる。したがって、当該ディフェクトにより再生処理に支障が生じるのを防止することができる。また、記録可能または書換可能な記録媒体に情報が記録され、このときの照合処理(ベリファイ処理)により、ディフェクトリストが作成され、このディフェクトリストが当該記録媒体に記録されたとする。さらに、その後、この記録媒体の使用・搬送途中でこの記録媒体にディフェクトが形成されたとする。このような場合でも、情報再生装置10によれば、情報の先読み時に当該ディフェクトが検出可能である以上、当該ディフェクトを検出し、これに基づいてディフェクトリストを更新し、この最新のリストに基づいて再生適正化処理を行うことができる。したがって、この場合でも、当該ディフェクトにより再生処理に支障が生じるのを防止することができる。
【0035】
(情報読取装置の実施形態)
本発明の情報読取装置の実施形態について図5を参照して説明する。図5中の情報読取装置20は、本発明の情報読取装置の実施形態であり、これはヘッド、ピックアップ、プローブなどの読取手段を介して、記録媒体に記録された情報を読み取り、これを、再生処理機能を有する他の装置に出力する装置である。情報読取装置20は、例えば記録媒体が記録ディスクである場合には、ディスクドライブに適用することができる。
【0036】
情報読取装置20は、図5に示すように、読取手段11、読取制御手段13、先読み制御手段14、ディフェクト検出手段15およびリスト作成手段16を備えている。これらの点については、上述した情報再生装置10と同様である。
【0037】
ところが、上述した情報再生装置10は、記録媒体から読み取られた情報を再生する再生手段12および再生適正化処理を行う再生適正化手段17を備えていたが、情報読取装置20は、再生機能自体を有していないので、これら再生手段および再生適正化手段を備えていない。その代わり、情報読取装置20は、情報出力手段21およびリスト出力手段22を備えている。
【0038】
情報出力手段21は、読取手段11により読み取られた情報を出力する手段である。例えば、情報読取手段20をディスクドライブに適用し、これを、情報再生機能を有するホストコンピュータに接続した場合には、情報出力手段21は、読取手段11により読み取られた情報をホストコンピュータに出力する手段であり、例えば、入出力制御回路またはインターフェースである。
【0039】
リスト出力手段22は、リスト作成手段16により作成または更新されたリストを出力する手段である。例えば、情報読取手段20をディスクドライブに適用し、これを、情報再生機能を有するホストコンピュータに接続した場合には、リスト出力手段21は、ディフェクトリストの全部または一部をホストコンピュータに出力する手段であり、例えば、入出力制御回路またはインターフェースである。リスト出力手段22と情報出力手段21とを単一の回路ないしインターフェースで一体的に構成してもよい。
【0040】
情報読取装置20は、読取手段11および読取制御手段13により記録媒体に記録された情報を読み取り、情報出力手段21により、これを例えばホストコンピュータ等に出力する。さらに、情報読取装置20は、先読み制御手段14により記録媒体に記録された情報を先読みし、ディフェクト検出手段15により、先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出し、このディフェクト検出の結果に基づき、リスト作成手段16により、ディフェクトリストを作成または更新し、リスト出力手段17により、ただいま作成または更新された最新のディフェクトリストを、例えばホストコンピュータ等に出力する。そしてホストコンピュータ等は、情報出力手段21から供給された情報に対して再生処理を行い、その情報を再生する(情報がコンピュータプログラムの場合には実行する)。このとき、ホストコンピュータ等は、リスト出力手段22から供給されたディフェクトリスト、またはディフェクトリストに記録されたディフェクトの位置を示す情報に基づいて、再生処理の適正化を行うことができる。したがって、ディフェクトがホストコンピュータの再生処理に悪影響を及ぼすのを防止することができる。特に、情報読取装置20によれば、記録媒体の出荷時から再生直前までに形成されたディフェクト、さらには記録媒体に情報を記録し終えてから、その情報を再生するまでの間に形成されたディフェクトなど、再生直前までに形成されたディフェクトを検出し、このディフェクトの情報をディフェクトリストとしてホストコンピュータ等に提供することができるので、ホストコンピュータ等による再生処理の適正化を支援することができると共に、再生処理ないし再生適正化処理の負担を大幅に軽減することができる。
【0041】
なお、以上のような情報再生装置および情報読取装置の実施形態は、それぞれ、専用の装置としてハードウェアと一体的に構成する形態で実現してもよいし、コンピュータにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
【0042】
(情報再生方法の実施形態)
本発明の情報再生方法の実施形態について説明する。本発明の実施形態である情報再生方法は、記録媒体に記録された情報を読み取って再生する方法であって、再生すべき情報の範囲を指定し、記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取る読取工程と、読取工程において指定された再生すべき情報の範囲を超えて記録媒体から情報を先読みする先読み工程と、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出工程と、ディフェクト検出工程における検出結果に基づいて、ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成工程と、リスト作成工程において作成または更新されたリストに基づいて、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理を行う再生適正化工程と、再生適正化工程において再生適正化処理が行われた後、先読みされたまたは先読みすべき情報を再生する再生工程とを備えている。
【0043】
この情報再生方法において、ディフェクト検出工程では、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトが検出される。リスト作成工程では、このディフェクト検出の結果に基づいて、ディフェクトが存在する場所を示すディフェクトリストが作成または更新される。再生適正化工程では、この新たに作成または更新されたディフェクトリストに基づいて、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理が行われる。これにより、再生直前までに記録媒体に形成されたディフェクトを検出し、当該ディフェクトが再生処理に悪影響を及ぼすのを未然に防ぐことができる。
【0044】
なお、先読みの方法、ディフェクト検出の方法、リスト作成・更新の方法、再生適正化処理の方法等は、上述した情報再生装置10において採用したものと同様のものを採用すればよい。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例は、本発明の情報再生装置を、DVDレコーダとDVDプレーヤとの双方の機能を備えたDVD再生記録装置に適用した例である。
【0046】
まず、DVD記録再生装置100の構成について説明する。図6は本発明の実施例であるDVD記録再生装置100を示している。DVD記録再生装置100は、DVDに記録情報を記録する機能と、DVDに記録された記録情報を再生する機能とを備えている。具体的には、DVD記録再生装置100は、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW等の記録再生用ディスクを再生でき、かつこれらのディスクに情報を記録することができる。なお、DVD記録再生装置100は、DVD−ROM、DVDビデオ、DVDオーディオ等の再生専用ディスクを再生することもできる。
【0047】
DVD記録再生装置100は、ディスクドライブ200と、バックエンド300とを備えている。
【0048】
図7はディスクドライブ200の内部構成を示している。ディスクドライブ200は、DVD50に情報を記録すると共に、DVD50に記録された情報を読み取る装置である。DVD50は、上述した記録再生用ディスクのいずれかである。さらに、ディスクドライブ200は、DVD50に記録された記録情報の先読みをする機能を有している。
【0049】
ディスクドライブ200は、図7に示すように、スピンドルモータ51、光ピックアップ52、RFアンプ53およびサーボ回路54を備えている。これらの要素は、主としてディスクドライブ200の駆動機構およびその駆動制御手段を構成するものである。
【0050】
スピンドルモータ51はDVD50を回転させるモータである。
【0051】
光ピックアップ52は、DVD50の記録面に対して光ビームを照射することによって記録情報を記録面上に記録すると共に、光ビームの反射光を受け取ることによって記録面上に記録された記録情報を読み取る装置である。
【0052】
光ピックアップ52は、記録時および読取時のいずれにおいても、光ビームの反射光に対応するRF信号を出力する。DVD50がウォブルランドグルーブ方式を採用している場合には、DVD50の記録面上にはウォブルの付いたランドおよびグルーブ並びにプリピットなどが予め形成されているので、RF信号の中にはウォブル、ランド、グルーブ、プリピット等の制御情報が含まれている。さらに、DVD50に記録情報がすでに記録されている場合には、この記録情報もRF信号の中に取り込まれる。
【0053】
RFアンプ53は、光ピックアップ52から出力されたRF信号を増幅して、そのRF信号を変調復調部55に出力する。図7中の符号「RF」は、RFアンプ53により増幅されて出力されたRF信号を示している。さらに、RFアンプ53は、RF信号から、ウォブル周波数信号WF、トラックエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEを作り出し、これらを出力する。
【0054】
サーボ回路54は、トラックエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEその他のサーボ制御信号に基づいて光ピックアップ52およびスピンドルモータ51の駆動を制御するサーボ制御回路である。具体的には、サーボ回路54は、トラックエラー信号TEに基づいて、光ピックアップ52とDVD50との間の位置関係を制御する。また、サーボ回路54は、フォーカスエラー信号FEに基づいて、光ピックアップ52の光ビームのフォーカシングを制御する。
【0055】
さらに、ディスクドライブ200は、図7に示すように、変調復調部55、バッファ56、インターフェース57および光ビーム駆動部58を備えている。これらの要素は、主としてDVD50から読み取られた記録情報の復調および出力を担うと共に、DVD50に記録すべき記録情報の受取および変調を担う。
【0056】
変調復調部55は、読取時において記録情報に対してエラー訂正を行う機能と、記録時において記録情報にエラー訂正符号を付加してこれを変調する機能とを備えた回路である。具体的には、変調復調部57は、読取時においては、RFアンプ53から出力されるRF信号を復調し、これに対してエラー訂正を行った後、これをバッファ56に出力する。さらに、変調復調部55は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるときには、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号を生成し、これをディフェクト検出部59に出力する。また、変調復調部57は、記録時においては、バッファ56から出力される記録情報にエラー訂正符号を付加した後、これを、DVD50の光学的特定等に適合する符号となるように変調し、変調された記録情報を光ビーム駆動部58に出力する。
【0057】
バッファ56は、記録情報を一時的に蓄える記憶回路である。ディスクドライブ200は先読み機能を有する。読取時に先読みした記録情報は、バッファ56に蓄えられる。なお、先読み機能については後述する。
【0058】
インターフェース57は、ディスクドライブ200とバックエンド300との間の記録情報等の入出力制御ないし通信制御を行う回路である。具体的には、インターフェース55は、再生時においては、バックエンド300からの要求命令に応じて、バッファ56から出力される記録情報(すなわちDVD50から読み取られた記録情報)をバックエンド300へ出力する。また、インターフェース55は、記録時においては、バックエンド300からディスクドライブ200に入力される記録情報を受け取り、これをバッファ56に出力する。さらに、インターフェース57は、バックエンド300からの要求命令に応じて、リスト作成保持部60に保持されているディフェクトリストの全部または一部をバックエンド300に出力する。
【0059】
光ビーム駆動部58は、記録時において、変調復調部55から出力された記録情報に対応する光ビーム駆動信号を生成し、これを光ピックアップ52に出力する。光ピックアップ52は、光ビーム駆動信号に基づいて光ビームを変調し、DVD50の記録面に照射する。これにより、記録情報が記録面上に記録される。
【0060】
さらに、ディスクドライブ200は、図7に示すように、ディフェクト検出部59およびリスト作成保持部60を備えている。これらの要素は、主としてDVD50の記録面上ないし記録層内に存在するディフェクトを検出し、その検出結果に基づいてディフェクトリストの作成・更新を行う。
【0061】
ディフェクトとは、DVD50の記録面上または記録層内に形成された傷、またはこれらの場所に付着した塵埃、汚れ等である。また、DVD50の同じ場所に記録情報の記録を何度も繰り返し行うと、その場所が劣化し、記録機能が低下する場合がある。このような劣化もディフェクトに含まれる。
【0062】
ディフェクト検出部59は、DVD50のディフェクトを検出する回路である。そして、ディフェクト検出部59は、ディフェクトの存否を示すディフェクト検出信号を生成し、これを出力する。ディフェクト検出部59は、情報の読取時(再生時および照合時)における記録情報のエラー訂正の結果に基づいて、ディフェクト検出を行う。上述したように、変調復調部55は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるときには、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号を生成し、これをディフェクト検出部59に出力する。ディフェクト検出部59は、このエラー訂正不能信号を受け取ったときに、ディフェクトが存在していることを示すディフェクト検出信号を出力する。
【0063】
リスト作成保持部60は、ディフェクト検出部59から出力されたディフェクト検出信号に基づいて、ディフェクトリストを作成し、または更新する回路である。ディフェクトリストとは、図11または図12に示すように、DVD50の記録面上に存在するディフェクトの位置を示す位置情報を記録したリストである。ディフェクトリストは、リスト作成保持部60内に設けられた記憶回路に書換可能な状態で記憶される。さらに、リスト作成保持部60は、バックエンド300からの要求命令に応じて、ディフェクトリストをインタ−フェース57を介してバックエンド300に出力する。
【0064】
さらに、図7に示すように、ディスクドライブ200はCPU61を有している。CPU61は、ディスクドライブ200の全体的な制御および上述したディスクドライブ200内の各要素間の情報のやり取りを制御・管理する。さらに、CPU61は、バックエンド300から送られる要求命令に応じて、光ヒップアップ52の読取動作の制御、およびバッファ56に蓄えられた記録情報のバックエンド300への出力制御を行い、これにより、記録情報の通常の読取制御および先読み制御を行う。さらに、CPU61は、バックエンド300からの要求命令に応じて、リスト作成保持部60に保持されたディフェクトリストのバックエンド300への出力制御を行う。これにより、バックエンド300において行われる再生適正化処理を支援する。
【0065】
次に、図8はバックエンド300の内部構成を示している。バックエンド300は、ディスクドライブ200によってDVD50から読み取られた記録情報に対して再生処理を行うと共に、DVD50に記録する目的で外部から供給された記録情報を受け取り、これを圧縮(エンコード)してディスクドライブ200に送り出す装置である。
【0066】
バックエンド300は、ドライブ制御部71、ビデオデコーダ72、オーディオデコーダ73、ビデオエンコーダ74、オーディオエンコーダ75、システム制御部76およびディフェクト管理部77を備えている。
【0067】
ドライブ制御部71は、ディスクドライブ200の読取処理および記録処理を制御する回路である。記録情報をDVD50から読み取ってそれを再生する作業、および記録情報を外部から受け取ってそれをDVD50に記録する作業は、バックエンド300とディスクドライブ200とが協働して行う。ドライブ制御部71は、ディスクドライブ200の読取処理および記録処理を制御することにより、バックエンド300とディスクドライブ200との協働を実現する。具体的には、ドライブ制御部71は、ディスクドライブ200に対して、読取、記録、バッファ56から記録情報の出力、リスト作成保持部60からのディフェクトリストの出力などに関する要求命令を出力する。さらに、ドライブ制御部71は、記録情報およびディフェクトリストその他各種情報の入力・出力を制御する入出力制御を行う。
【0068】
ビデオデコーダ72およびオーディオデコーダ73は、それぞれ、ディスクドライブ200によりDVD50から読み取られ、ドライブ制御部71を介して供給された記録情報を復調し、記録情報をディスプレイ、スピーカなどにより再生可能な状態に変換する回路である。例えば、記録情報が画像情報である場合には、ビデオデコーダ72は、画像情報を復調することによって、これをディスプレイ等により再生可能な映像信号に変換し、これをディスプレイ等に出力する。また、記録情報が音声情報である場合には、オーディオデコーダ73は、音声情報を復調することによって、これをスピーカ等により再生可能な音声信号に変換し、これをスピーカ等に出力する。
【0069】
ビデオエンコーダ74およびオーディオエンコーダ75は、それぞれ、DVD50に記録する目的で外部から入力された映像信号、音声信号等を受け取り、これを例えばMPEG圧縮方式等により圧縮し、これを、ドライブ制御部71を介してディスクドライブ200に供給する回路である。
【0070】
システム制御部76は、再生時には、ドライブ制御部71、ビデオデコーダ72、オーディオデコーダ73、ディフェクト管理部77を制御し、これらと協働して記録情報の再生適正化処理および再生処理を行う回路である。また、記録時には、システム制御部76は、ドライブ制御部71、ビデオエンコーダ74、オーディオエンコーダ75、ディフェクト管理部77を制御し、これらと協働して記録情報の記録処理を行う。また、システム制御部76は、再生時および記録時において、ディスクドライブ200とバックエンド300との協働を実現するために、ドライブ制御71と共に、ディスクドライブ200に対する制御(例えば各種要求命令の生成・送信、応答信号の受信など)を行う。
【0071】
ディフェクト管理部77は、その内部に記憶回路を有しており、ディスクドライブ200のリスト作成保持部60により作成・更新されたディフェクトリストの全部または一部を受け取り、これを保持する機能を備えている。そして、ディフェクト管理部77はシステム制御部76と共に、ディフェクト管理を行う。
【0072】
次に、記録情報をDVD50に記録するときに行われるディフェクト管理について説明する。通常、DVD50をフォーマットするときの初期検査(サーティファイ)のときに、その時点におけるDVD50のディフェクトが検出され、その検出結果に基づいて、ディフェクトリストが作成される。この初期のディフェクトリストは、DVD50の特定な領域に記録保持される。次に、DVD50に記録情報を記録するときには、実際の記録動作を開始する前に、DVD50に記録されたディフェクトリストが読み取られ、これがリスト管理保持部60に記憶されると共に、バックエンド300にも供給され、バックエンド300内のディフェクト管理部77に記憶される。そして、記録情報がビデオエンコーダ74またはオーディオエンコーダ75からのドライブ制御部71を介してディスクドライブ200に供給され、ディスクドライブ200において実際の記録動作が開始されると、バックエンド300のシステム制御部76は、ディフェクト管理部77内に記憶されたディフェクトリストを参照し、記録面上のディフェクトの存在する場所を認識し、この場所を避けて記録情報の記録を行うように、ディスクドライブ200を制御する。これにより、予め形成されていたディフェクトが存在する場所以外の場所に記録情報が記録されるため、記録情報をDVD50に確実に記録することができる。また、このように記録情報をDVD50へ記録するとき、実際には記録動作と照合動作(ベリファイ)とが所定の時間単位ごとに交互に行われる。この照合動作において記録情報の記録が正常に行われなかったことが確認されたときには、その正常に行われなかった情報を記録すべきであった記録面上の領域にディフェクトが存在するものと判断される。そして、この領域の位置を示す情報がリスト管理保持部60に記憶されたディフェクトリストに追記され、ディフェクトリストが更新される。更新されたディフェクトリストは、記録情報の記録処理が完了したときなどに、DVD50の特定の領域に記録される。これにより、次回の記録処理において、更新されたディフェクトリストを参照することができるので、記録情報のDVD50への記録をより一層確実に行うことが可能となる。
【0073】
次に、DVD50に記録された記録情報を再生するときに行われるディフェクト管理について説明する。DVD記録再生装置100は、DVD50に記録された記録情報を再生するときにも、ディフェクト管理を行う。すなわち、DVD記録再生装置100は、DVD50に記録された記録情報を読み取るときに、記録情報を先読みし、この先読みされた記録情報に基づいてDVD50のディフェクトを検出し、この検出結果に基づいてディフェクトリストを更新し、この更新されたディフェクトリストを用いて、ディフェクトによってゆがめられた記録情報に対し再生適正化処理を行う。
【0074】
図9は、記録情報の再生時に行われるディフェクト管理の動作を示すタイミングチャートである。図10は、記録情報の構造を示している。記録情報の読取処理および再生処理は、一定の長さを有する区分Sごとに行われる。このため、記録情報は、図10に示すように、区分Sに分かれていると考えることができる。さらに、記録情報の再生処理等は、区分Sをさらに細かく分割した単位であるブロックBLごとに行われる場合もある。このため、記録情報の区分Sは、図10に示すように、ブロックBLに分かれていると考えることができる。
【0075】
例えば、DVD50に記録された記録情報を再生するために、ユーザがDVD50をディスクドライブ200に装着すると、ディスクドライブ200およびバックエンド300は協働して初期設定動作を行う。すなわち、DVD50に記録されたTOC(テーブルオブコンテンツ)等の管理情報ないし制御情報が読み取られ、これらの情報に基づいて読取処理および再生処理に必要な種々の初期設定が行われる。このとき、DVD50に記録されたディフェクトリストが読み取られる。このディフェクトリストは、ディスクドライブ200のリスト作成保持部60に記憶される。
【0076】
続いて、ユーザがDVD記録再生装置100の筐体に設けられた再生開始ボタンを押すと、記録情報の再生が開始される。ここで、DVD50に記録された記録情報のうち、区分S#1に含まれる記録情報の再生が開始されると仮定する。
【0077】
図9に示すように、区分S#1に含まれる記録情報を再生するために、まず、バックエンド300のシステム制御部76の制御のもと、ドライブ制御部71からディスクドライブ200へ区分S#1に含まれる記録情報を要求する要求命令が出力される(A1)。ディスクドライブ200のCPU61はこの要求命令を受け取り、これに応じて、光ピックアップ52の移動等を制御し(A2)、区分S#1に含まれる記録情報を読み取る。区分S#1に含まれる記録情報は、変調復調部55によってエラー訂正が施され、バッファ56およびインターフェース57を介して、直ちにバックエンド300に出力される(A3)。そして、この記録情報は、バックエンド300のビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73によって再生される。このとき、ディスクドライブ200のCPU61は、光ピックアップ52を制御し、記録情報の先読みを行う。すなわち、バックエンド300側からの要求は、区分S#1に含まれる記録情報だけであるが、CPU61は、さらに区分S#1に続く、区分S#2に含まれる記録情報、さらにこれに続く区分S#3に含まれる記録情報をも連続的に読み取る(A4、A5)。そして、変調復調部55は、これら先読みされた記録情報に対してエラー訂正を行う。その後、これら先読みされた記録情報は、バッファ56に入力され、バックエンド300側から区分S#2または区分S#3に含まれる記録情報の要求があるまで、バッファ56に保持される。
【0078】
さらに、区分S#2に含まれる記録情報および区分S#3に含まれる記録情報が先読みされたとき、CPU61の制御のもと、ディフェクト検出部59およびリスト作成保持部60は、先読みされた記録情報に対してディフェクト検出を行い、その検出結果に基づいてディフェクトリストを更新する(A6、A7)。これについて具体的に説明すると、区分S#2に含まれる記録情報が光ピックアップ52から読み取られ、RFアンプ53を介して変調復調部55に供給されると、変調復調部55は、ブロックBLごとに記録情報(RF信号)を復調し、さらにブロックBLごとにエラー訂正を行う。エラー訂正の結果、エラー訂正が不能であるときには、変調復調部55は、ブロックBLごとに、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号をディフェクト検出部59に出力する。エラー訂正不能信号が出力されたとき、ディフェクト検出部59は、エラー訂正の対象となったブロックBLが記録された記録面上の領域にディフェクトが存在することを示すディフェクト検出信号を出力する。リスト作成保持部60は、このようなディフェクト検出信号を受け取ったとき、当該ブロックBLが記録された記録面上の領域にはディフェクトが存在し、そのため当該ブロックBLは当該ディフェクトによりゆがめられたブロック(以下、これを「ディフェクトブロック」と呼ぶ)であると判定する。続いて、リスト作成保持部60は、当該ディフェクトブロックのアドレス(具体的には当該ディフェクトブロックが記録された記録面上の領域の先頭アドレス)をCPU61から取得する。なお、記録情報が記録されたアドレスは、DVD50の記録面に形成されたプリピットなどに基づいて認識することができ、CPU61は読取、エラー訂正、リスト作成等に必要な記録情報のアドレスを認識している。さらに、リスト作成保持部60は、当該ディフェクトブロックのアドレスをディフェクトリストに記録し、ディフェクトリストを更新する。
【0079】
以下、先読みされた記録情報に基づくディフェクトリストの更新について図10ないし図12を用いてさらに具体的に説明する。図10の下段は区分S#2に含まれるブロックBLの配列を拡大して示している。図11は更新前のディフェクトリストの一例を示している。図12は図11に示すディフェクトリストを更新した後の状態を示している。図10下段に示すように、DVD50の再生を行っている現時点において、区分S#2にはディフェクトブロックDB1、DB2、DB3が含まれていると仮定する。これら3個のディフェクトブロックのうち、ディフェクトブロックDB3は、ディフェクトリストが初めて作成された時点、またはディフェクトリストが前回更新された時点においてすでに存在していたものであるとする。一方、ディフェクトブロックDB1およびDB2は、ディフェクトリストが初めて作成された時点およびディフェクトリストが前回更新された時点においては存在しておらず、ディフェクトリストが前回更新された時点から現時点までの間に形成されたものであるとする。この場合、図11に示すように、ディフェクトブロックDB3のアドレスは、更新前のディフェクトリストDL、すなわち今回の再生処理を開始するときに、DVD50から読み取られてリスト作成保持部60に記憶されたディフェクトリストDLにすでに記録されている。一方、図11に示すように、ディフェクトブロックDB1およびDB2は、更新前のディフェクトリストDLには記録されていない。
【0080】
このような状態で、区分S#2に含まれる記録情報が先読みされ、この記録情報に対してブロックBLごとにディフェクト検出が行われ、その結果に基づき、リスト管理保持部60は、ディフェクトブロックDB1およびDB2が存在することを判定し、それらのアドレスを取得する。そして、リスト管理保持部60は、ディフェクトブロックDB1およびDB2のそれぞれのアドレスをディフェクトリストDLに追記する。この結果、図12に示すように、ディフェクトリストDLが更新される(図9中のA6)。
【0081】
図9に戻り、区分S#2についてディフェクト検出およびディフェクトリスト更新が終了すると、続いて、区分S#3についてディフェクト検出およびディフェクトリスト更新が行われる(A7)。
【0082】
その後、区分S#2に含まれる記録情報を再生する時期が接近したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディスクドライブ200に対し、区分S#2に含まれる記録情報に対応するディフェクトリストを要求する旨の要求命令を送る(A8)。ディスクドライブ200のCPU61はこれを受け取り、リスト作成保持部60は、CPU61の制御のもと、ディフェクトリストを、インターフェース57を介してバックエンド300に出力する(A9)。このディフェクトリストはバックエンド300のディフェクト管理部77に記憶される。
【0083】
その後、区分S#2に含まれる記録情報を再生する時期が到来したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディフェクト管理部77に記憶されたディフェクトリストに基づき、区分S#2に含まれる記録情報に関して再生適正化処理を実行する。そして、システム制御部76は、この再生適正化処理に基づいて、ディスクドライブ200に対し、区分S#2に含まれる記録情報を要求する旨の要求命令を送る(A10)。なお、要求命令が複数に分かれているのは、再生適正化処理の結果による。再生適正化処理については後述する。
【0084】
ディスクドライブ200のCPU61は、当該要求命令に応じて、区分S#2に含まれる記録情報をバックエンド300に出力する(A11)。区分S#2に含まれる記録情報は、すでに先読みされ、バッファ56に蓄えられているので、CPU61はバッファ56に区分S#2に含まれる記録情報を出力する旨の命令を送るだけで、区分S#2に含まれる記録情報をバックエンド300に迅速に出力することができる。
【0085】
区分S#2に含まれる記録情報は、バックエンド300のドライブ制御部71により受け取られ、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73によって再生される。
【0086】
その後、区分S#3に含まれる記録情報を再生する時期が接近したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディスクドライブ200に対し、区分S#3に含まれる記録情報に対応するディフェクトリストを要求する旨の要求命令を送る(A12)。ディスクドライブ200のCPU61はこれを受け取り、リスト作成保持部60は、CPU61の制御のもと、ディフェクトリストを、インターフェース57を介してバックエンド300に出力する(A13)。このディフェクトリストはバックエンド300のディフェクト管理部77に記憶される。
【0087】
その後、区分S#3に含まれる記録情報を再生する時期が到来したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディフェクト管理部77に記憶されたディフェクトリストに基づき、区分S#3に含まれる記録情報に関して再生適正化処理を実行する。そして、システム制御部76は、この再生適正化処理に基づいて、ディスクドライブ200に対し、区分S#3に含まれる記録情報を要求する旨の要求命令を送る(A14)。なお、区分S#3にはディフェクトブロックが含まれていなかったので、要求命令は複数に分かれていない。
【0088】
ディスクドライブ200のCPU61は、これに応じて、区分S#3に含まれる記録情報をバックエンド300に出力する(A15)。区分S#3に含まれる記録情報は、すでに先読みされ、バッファ56に蓄えられているので、CPU61はバッファ56に区分S#3に含まれる記録情報を出力する旨の命令を送るだけで、区分S#3に含まれる記録情報をバックエンド300に迅速に出力することができる。
【0089】
区分S#3に含まれる記録情報は、バックエンド300のドライブ制御部71により受け取られ、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73によって再生される。
【0090】
次に、再生適正化処理について説明する。図13は再生適正化処理の動作を示している。図14は図10中の区分S#2に含まれる記録情報に関して再生適正化処理を行った結果を示している。再生適正化処理は、ディフェクトによりゆがめられたブロック、すなわちディフェクトブロックに含まれる記録情報をビデオデコーダ72およびオーディオデコーダ73に供給することを禁止する処理である。再生適正化処理は、バックエンド300のシステム制御部76の制御のもとで、区分Sごとに実行される。
【0091】
すなわち、図13に示すように、ある区分Sに含まれる記録情報を再生する時期が接近すると、システム制御部76は、当該区分に含まれる記録情報に関するディフェクトリストを要求する旨の要求命令を向けてディスクドライブ200に送る(ステップS11)。これに応じてディスクドライブ200のリスト作成保持部60から当該ディフェクトリストがバックエンド300に向けて出力されるので、システム制御部76はこれを取得し、これをディフェクト管理部77に記憶する(ステップS12)。
【0092】
続いて、システム制御部76は、ステップS12で取得されたディフェクトリストを参照し、当該区分中にディフェクトブロックが含まれているか否かを判定する(ステップS13)。
【0093】
当該区分中にディフェクトブロックが含まれていないときには(ステップS13:NO)、システム制御部76は、当該区分に含まれるすべての記録情報を要求する旨の要求命令をディスクドライブ200に向けて送る(ステップS14)。これに応じてディスクドライブ200のバッファ56から当該区分に含まれる記録情報のすべてがバックエンド300に向けて出力されるので、システム制御部76はこれをビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に供給する(ステップS15)。
【0094】
一方、ステップS12で、当該区分中にディフェクトブロックが含まれているときには(ステップS13:YES)、システム制御部76は、ステップS12で取得されたディフェクトリストを参照し、当該区分に含まれるディフェクトブロックのアドレスを認識し、これに基づいて、当該区分に含まれるブロックのうち、ディフェクトブロック以外のブロックに含まれる記録情報を要求する旨の要求命令をディスクドライブ200に向けて送る(ステップS16)。これに応じてディスクドライブ200のバッファ56から、当該区分に含まれるブロックのうち、ディフェクトブロック以外のブロックに含まれる記録情報がバックエンド300に向けて出力されるので、システム制御部76はこれをビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に供給する(ステップS17)。
【0095】
そして、システム制御部76は、再生処理が終了するまで、ステップS11ないしS17までの処理を、区分ごとに実行する(ステップS18)。
【0096】
このような再生適正化処理を、例えば図10中の区分S#2について行うと、図14に示すように、区分S#2に含まれるブロックBL(m〜m+9)のうち、ディフェクトブロックDB1、DB2、DB3以外のブロックBL(m、m+1、m+4、m+5、m+6、m+8、m+9)に含まれる記録情報のみが、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に供給される。
【0097】
このようにディフェクトブロックに含まれる記録情報を、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に送るのを禁止することにより、これらデコーダの動作を正常に保つことができる。
【0098】
以上より、DVD記録再生装置100によれば、DVD50に記録された記録情報を読み取るときに、記録情報を先読みし、この先読みされた記録情報に基づいてDVD50のディフェクトを検出し、この検出結果に基づいてディフェクトリストを更新し、この更新されたディフェクトリストを用いて、ディフェクトによってゆがめられた記録情報に対し再生適正化処理を行う構成とした。これにより、ディフェクトによってゆがめられた記録情報によってビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73の動作に支障が生じることを防止することができ、記録情報の再生処理の確実性・信頼性を高めることできる。
【0099】
特に、先読みされた記録情報に基づいてディフェクトリストを更新し、その更新されたディフェクトリストに基づいて再生適正化処理を行うので、DVD50を再生する直前までに形成されたディフェクトによる悪影響を確実に除去することができる。
【0100】
なお、上述したDVD記録再生装置100では、再生時期が接近した区分に含まれる記録情報に関するディフェクトリストをディスクドライブ200からバックエンド300に取り込む構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、ディスクドライブ200側で、先読みした記録情報に基づいてディフェクトリストの更新が終了した時点で、更新終了した部分のディフェクトリストを、区分にかかわらず、すべてバックエンド300に取り込む構成としてもよい。
【0101】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報再生装置、情報読取装置、ディスクドライブ、情報再生方法並びにこれらの機能を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報再生装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態である情報再生装置により再生される記録情報を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態である情報再生装置により行われる再生適正化処理の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態である情報再生装置により行われる再生適正化処理の他の例を示す説明図である。
【図5】本発明の情報読取装置の実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例であるDVD記録再生装置を示すブロック図である。
【図7】図6中のDVD記録再生装置のディスクドライブを示すブロック図である。
【図8】図6中のDVD記録再生装置のバックエンドを示すブロック図である。
【図9】図6中のDVD記録再生装置における再生時のディフェクト管理の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】図6中のDVD記録再生装置により再生される記録情報を示す説明図である。
【図11】更新前のディフェクトリストを示す説明図である。
【図12】更新後のディフェクトリストを示す説明図である。
【図13】図6中のDVD記録再生装置における再生適正化処理を示すフローチャートである。
【図14】再生適正化処理により形成された記録情報を示す説明図である。
【符号の説明】
10…情報再生装置
11…読取手段
12…再生手段
13…読取制御手段
14…先読み制御手段
15…ディフェクト検出手段
16…リスト作成手段
17…再生適正化手段
21…情報出力手段
22…リスト作成手段
50…DVD(記録媒体)
52…光ピックアップ
55…変調復調部
56…バッファ
57…インターフェース
59…ディフェクト検出部
60…リスト作成保持部
61…CPU
72…ビデオデコーダ
73…オーディオデコーダ
76…システム制御部
77…ディフェクト管理部
100…DVD記録再生装置
200…ディスクドライブ
300…バックエンド
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ディスク等の記録媒体に記録された情報を読み取る情報読取装置およびこの情報読取装置を実現するためのコンピュータプログラム、並びに記録媒体に記録された情報を再生する情報再生装置、この情報再生装置を実現するためのコンピュータプログラムおよび情報再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、書換可能な光ディスク等の記録媒体の記録面にひっかき傷等が形成され、または指紋による汚れ、塵、埃等が付着する場合がある。また、記録媒体の製造過程において記録層内に塵等が混入する場合もあり得る。さらに、情報の書換を繰り返し行うことによって記録媒体が部分的に劣化する場合がある。このような傷、塵埃、劣化等(以下、これらを「ディフェクト」という。)が存在すると、情報を記録媒体に確実に記録することができなくなる場合があり、記録媒体の情報記録の信頼性が低下するおそれがある。
【0003】
このような弊害を防止するため、記録媒体にディフェクトが存在していても、その場所を避けて情報を記録することにより、情報の記録を確実に行う技術が開発され、普及している。このような技術は一般に「ディフェクト管理」と呼ばれている。以下、従来のディフェクト管理の典型的な例をいくつか挙げる。
【0004】
例えば、コンピュータプログラム、画像データ、音声データ、文書データなどの情報を記録するための記録媒体としてDVD−RAMを使用する場合、一般に、DVD−RAMにこれらの情報を記録する前にDVD−RAMをフォーマットする。そして、DVD−RAMをフォーマットするときには、一般に初期検査(サーティファイ)を行う。この初期検査の実行時に、DVD−RAMの記録面等に存在するディフェクトを検出し、そのディフェクトの存在するDVD−RAM上の位置(例えばアドレス)を特定し、その位置を示す情報をメモリ等に記憶する。このようなディフェクト検出およびディフェクト位置情報の収集をDVD−RAMの記録面全体にわたって行い、ディフェクトの位置を示すリスト(以下、これを「ディフェクトリスト」と呼ぶ。)を作成する。そして、フォーマットが済んだDVD−RAMに情報を記録するときには、ディフェクトリストを参照しながら情報の記録を行う。これにより、DVD−RAM上においてディフェクトが存在する場所を避けるようにして情報の記録を行うことができ、情報記録の確実性を高めることができる。
【0005】
また、例えばDVD−RAM上に情報を記録するときには、一般に照合(ベリファイ)を行う。照合の実行時に、記録が正常に行われなかったことを認識したときには、その照合の対象となった部分の情報を、記録媒体の代替領域に記録する。さらに、このとき、その照合の対象となった情報を本来記録すべきDVD−RAM上の場所にディフェクトが存在すると判定し、この位置をディフェクトリストに記録して、ディフェクトリストを新たに作成し、または既存のディフェクトリストを更新する。これにより、情報記録の確実性をより一層高めることができる。
【0006】
なお、初期検査時または照合時に作成・更新されたディフェクトリストは、ディフェクト検出の対象となった記録媒体の特定の領域に記録され、保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のディフェクト管理の例のうち、記録媒体の初期検査時に行うディフェクト検出およびディフェクトリスト作成は、記録媒体の製造過程において記録層内に塵等が混入するといった初期的なディフェクトを管理するのに役立つ。一方、記録情報の照合時に行うディフェクト検出およびディフェクトリスト作成・更新は、ひっかき傷や塵埃の付着といった記録媒体の搬送や使用等により事後的に形成されたディフェクトを管理するのに役立つ。
【0008】
しかし、かかる従来のディフェクト管理では、記録媒体に記録された情報を再生するとき、記録媒体に事後的に形成されたディフェクトに対処することができないという問題がある。例えば、記録媒体に情報を記録した後、当該記録媒体に新たなディフェクトが形成され、その結果、記録時には正常に記録された情報が、その新たなディフェクトによって正常に読み取ることができない状態になってしまう場合がある。このような場合、その新たなディフェクトに関する情報は、ディフェクトリストに記録されていないので、当該記録媒体に記録された情報を、ディフェクトリストに基づいて正常に再生することができない場合がある。
【0009】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、記録媒体に情報を記録した後にディフェクトが形成された場合でも、その記録媒体に記録された情報を、ディフェクトリストに基づいて適正に再生することができる情報再生装置、情報読取装置、ディスクドライブ、コンピュータプログラムおよび情報再生方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の情報再生装置は、記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた情報を再生する再生手段と、再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取りこれを前記再生手段に供給するように前記読取手段を制御する読取制御手段と、前記読取制御手段により指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みするように前記読取手段を制御する先読み制御手段と、前記先読み制御手段により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、前記ディフェクト検出手段による検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成手段と、前記リスト作成手段により作成または更新されたリストに基づいて、前記ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行い、前記再生手段による当該情報の再生を適正化する再生適正化手段とを備えている。
【0011】
上記課題を解決するために請求項7に記載の情報読取装置は、記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた情報を出力する情報出力手段と、再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取りこれを前記情報出力手段に供給するように前記読取手段を制御する読取制御手段と、前記読取制御手段により指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みするように前記読取手段を制御する先読み制御手段と、前記先読み制御手段により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、前記ディフェクト検出手段による検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成手段と、前記リスト作成手段により作成または更新されたリストを出力するリスト出力手段とを備えている。
【0012】
上記課題を解決するために請求項14に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項1ないし6のいずれかに記載の情報再生装置として機能させる。
【0013】
上記課題を解決するために請求項15に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項7ないし13のいずれかに記載の情報読取装置として機能させる。
【0014】
上記課題を解決するために請求項16に記載の情報再生方法は、記録媒体に記録された情報を読み取って再生する情報再生方法であって、再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取る読取工程と、前記読取工程において指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みする先読み工程と、前記先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出工程と、前記ディフェクト検出工程における検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成工程と、前記リスト作成工程において作成または更新されたリストに基づいて、前記先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理を行う再生適正化工程と、前記再生適正化工程において再生適正化処理が行われた後、前記先読みされたまたは先読みすべき情報を再生する再生工程とを備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(情報再生装置の実施形態)
本発明の情報再生装置の実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は本発明の情報再生装置の実施形態を示している。なお、図1は、本発明の実施形態の構成要素等を、その技術思想を説明する限りにおいて具体化したものであり、各構成要素等の形状、大きさ、位置、接続関係などは、これに限定されるものではない。このことは、本実施例の説明で用いる図2ないし図4および本発明の他の実施形態の説明で用いる図5についても同様である。
【0017】
図1中の情報再生装置10は、本発明の情報再生装置の実施形態であり、これはヘッド、ピックアップ、プローブなどの読取手段を介して、記録媒体に記録された情報を読み取り、これを再生する装置である。一般に、記録媒体には、光記録媒体、光磁気記録媒体、相変化記録媒体、誘電体記録媒体など様々あるが、情報再生装置10における記録媒体は、これらの記録媒体のいずれであってもよい。もっとも、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク、誘電体ディスク、誘電体カード状記録媒体のような比較的記録面に傷が形成される可能性が高く、また記録面に塵、埃、汚れなどが付着する可能性が高い記録媒体、すなわちディフェクトの存在が想定される記録媒体に対し、情報再生装置10の有利な効果が顕著に得られる場合が多い。また、記録媒体に記録され、情報再生装置10の読取・再生の対象となる情報は、コンピュータプログラム、画像データ、音声データ、文書データ、数値データ、制御データなどが典型的であるが、これらに限られない。
【0018】
情報再生装置10は、図1に示すように、読取手段11、再生手段12、読取制御手段13、先読み制御手段14、ディフェクト検出手段15、リスト作成手段16および再生適正化手段17を備えている。
【0019】
読取手段11は、記録媒体に記録された情報を読み取る手段である。読取手段11は、例えば、ヘッド、ピックアップ、プローブなどであり、記録媒体の種類に応じて任意に選択することができる。例えば、記録媒体が光ディスクである場合には、読取手段11は光ピックアップであることが好ましい。
【0020】
再生手段12は、読取手段11により読み取られた情報を再生する手段である。再生手段12の具体的な構成は、再生の対象となる情報の種類に応じて異なる。例えば、再生の対象となる情報が画像情報または音声情報である場合には、再生手段12は、デコーダ、デジタル−アナログコンバータなどにより構成される。より具体的には、再生の対象となる情報がDVD規格に基づく画像情報または音声情報である場合には、再生手段12は、MPEG(Moving Picture Expert Group)デコーダ等を備える。一方、再生の対象となる情報がコンピュータプログラムである場合には、再生手段12は、そのコンピュータプログラムを実行するための演算処理回路などから構成される。
【0021】
読取制御手段13は、再生すべき情報の範囲を指定し、記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取り、これを再生手段12に供給するように読取手段11を制御する手段である。すなわち、再生手段12による情報の再生処理は、通常、一定の長さを有する情報の区分ごとに行われる。この場合には、読取制御手段13は、再生すべき情報の範囲として、当該一定の長さを有する情報の1区分を指定する。続いて、読取制御手段13は、当該区分に含まれる情報を読み取ってこれを再生手段12に供給するように、読取手段11を制御する。なお、「再生すべき情報の範囲」は、再生処理に基づいて定められる区分に限られず、記録媒体から情報を読み取りこれを再生して出力するまでの過程におけるエラー訂正処理、バッファリング処理、デコード処理などといった種々の情報処理の都合により定められる区分であってもよい。
【0022】
先読み制御手段14は、読取制御手段13により指定された再生すべき情報の範囲を超えて記録媒体から情報を先読みするように読取手段11を制御する手段である。例えば、図2に示すように、記録媒体に記録された情報が一定の長さを有するブロックBに分割されており、再生手段12による再生処理が、n+1個のブロックBから構成される区分Rごとに行われると仮定する。この場合において、現在、読取制御手段13が再生すべき情報の範囲として区分R#1を指定し、記録媒体から区分R#1内に含まれる情報を読み取ってこれを再生手段12に供給するように読取手段11を制御したとする。このとき、先読み制御手段14は、区分R#1に続く区分R#2内に含まれる情報をも続けて読み取るように読取手段11を制御する。これにより、読取手段11は、区分R#1に含まれる情報と区分R#2に含まれる情報とを連続的に読み取る。そして、区分R#1に含まれる情報は再生手段12に直ちに供給され、一方、区分R#2に含まれる情報はバッファメモリ等に蓄えられる。バッファメモリ等に蓄えられた情報は、将来再生する必要が生じたときに、当該バッファメモリ等から読み出され、再生手段12に供給される。一般に、記録媒体の記録面上に連続的に配列された情報は、連続的に再生される場合が多いので、このような情報の先読みを行うことで、情報の再生を効率的に行うことが可能となる。なお、情報を先読みする範囲は、例えば、先読みによる情報再生の効率、先読みバッファリング処理の効率、バッファメモリの容量等を考慮して設定することが望ましい。例えば、上述したように、先読みする情報の範囲を、区分1個に相当する範囲に設定してもよいし、区分2個に相当する範囲に設定してもよいし、それ以上の広い範囲に設定してもよい。
【0023】
ディフェクト検出手段15は、先読み制御手段14により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出する手段である。例えば、図2に示すように、先読み制御手段14により、区分R#2に含まれる情報が先読みされた場合、ディフェクト検出手段15は、この区分R#2に含まれる情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出する。ディフェクトとは、記録媒体上または記録媒体中に存在する傷、汚れ、塵埃などである。記録媒体が書換可能な記録媒体である場合には、記録面の同じ部分に何度も書換を繰り返すことによってその部分が劣化して記録能力が低下ないし喪失することがあるが、このような劣化もディフェクトに含まれる。
【0024】
ディフェクト検出手段15によるディフェクト検出の方法には様々あり、特に限定されるものではない。しかし、ディフェクト検出手段15は、先読み制御手段14により先読みされた情報に基づいてディフェクト検出を行うことが望ましい。記録面上にディフェクトが存在すると、読取手段11により情報を正常に読み取ることができない場合が多い。したがって、先読みされた情報に基づいて、当該情報が正常に読み取られているか否かを判定することにより、ディフェクトの存在を検出することができる。
【0025】
より具体的な一例をあげると、情報再生装置10が、読取手段11により読み取られた情報に対してエラー訂正を行うエラー訂正手段を備えている場合には、エラー訂正手段のエラー訂正処理の結果に基づいてディフェクト検出を行うことができる。例えば、エラー訂正手段が先読みされた情報に対してエラー訂正を行い、ディフェクト検出手段15が、この先読みされた情報に対するエラー訂正結果に基づいてディフェクト検出を行う。これにより、ディフェクト検出を効率的にかつ高精度に行うことができる。
【0026】
リスト作成手段16は、ディフェクト検出手段15による検出結果に基づいて、ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新する手段である。例えば、リスト作成手段16は、ディフェクト検出手段15による検出結果に基づいて、ディフェクトが存在する記録面上の位置を示す情報を取得し、これをメモリ等の記憶手段に記憶する。記録面上の複数の場所にディフェクトが存在し、それら複数のディフェクトがディフェクト検出手段15により検出されたときには、リスト作成手段16は、それら複数のディフェクトの位置を示す情報を収集し、それらをリストアップする。この結果、記憶手段内には、記録媒体のディフェクトリストが作成される。
【0027】
なお、当該記憶手段内に過去に作成したディフェクトリストがすでに存在している場合には、リスト作成手段16は、新たに検出されたディフェクトの位置を示す情報をディフェクトリストに追加し、ディフェクトリストを更新する構成としてもよい。また、当該記憶手段内に過去に作成したディフェクトリストがすでに存在している場合であっても、リスト作成手段16は、既存のディフェクトリストとは別に、テンポラリーディフェクトリストを作成してもよい。例えば、既存のディフェクトリストの更新処理に時間がかかるときには、とりあえずテンポラリーディフェクトリストを作成しておき、後述する再生適正化処理をこのテンポラリーディフェクトリストに基づいて行う構成としてもよい。そして、空き時間が生じたときや、再生処理の終了時に、テンポラリーディフェクトリスト中の情報を用いて既存のディフェクトリストを更新する構成としてもよい。
【0028】
再生適正化手段17は、リスト作成手段16により作成または更新されたリストに基づいて、ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行い、再生手段12による当該情報の再生を適正化する手段である。先読み制御手段14により先読みされた情報が記録された場所にディフェクトが存在すると、その先読みされた情報の一部が変形し、再生処理に支障を生じさせる場合がある。例えば、画像情報であるはずの情報がディフェクトによりゆがめられ、偶然にも同期信号に似た情報に変形したときには、単に当該画像情報を再生できないだけでなく、再生処理の同期が乱され、以降の再生処理に悪影響を与える場合も考えられる。そこで、再生適正化手段17は、ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行う。
【0029】
また、再生適正化手段17は、再生適正化処理をディフェクトリストに基づいて行う。上述したように、ディフェクト検出手段15は、先読み制御手段14により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出し、リスト作成手段16は、このディフェクト検出の結果に基づいてディフェクトリストを作成または更新する。再生適正化手段17は、このような先読みされた情報について作成・更新された最新のディフェクトリストに基づいて再生適正化処理を行う。
【0030】
再生の適正化の方法には、ディフェクトによりゆがめられた情報を再生処理の対象から除外する方法や、ディフェクトによりゆがめられた情報を再生処理に支障のない他の情報に置換する方法など様々考えられ、特に限定されるものではない。しかし、以下に述べる構成によれば、再生の適正化を効果的に実現することができる。
【0031】
再生適正化手段17は、具体的には以下のように構成することができる。すなわち、再生適正化手段17を、ディフェクトが存在する場所に記録された情報を再生手段12に供給するのを禁止することによって再生手段12による当該情報の再生を適正化する構成としてもよい。このような構成を有する再生適正化手段17の動作について、図3を参照して説明する。例えば、図3に示すように、先読み制御手段14により区分R#2に含まれる情報が読み取られたが、その中には、ディフェクトによりゆがめられた情報を含むブロックDBが含まれていたとする。この場合、ディフェクト検出手段15により、ブロックDBに含まれる情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトが検出され、リスト作成手段16により、当該ディフェクトの位置を示す情報がディフェクトリストに記録されている。再生適正化手段17は、このディフェクトリストから、当該ディフェクトの位置を示す情報を参照し、当該ディフェクトにゆがめられたブロックDBを認識する。そして、再生適正化手段17は、このブロックDBに含まれる情報を再生手段12の再生処理から除外する。このような情報の加工は、例えば区分R#2に含まれる情報を一旦バッファに蓄積し、情報加工を行い、加工された情報をバッファから再生手段12へ供給するという構成により実現することができる。また、上記情報加工は、読取手段11と再生手段12との間を接続する経路の途中にスイッチを設け、ブロックDBが経路を通過する時に、スイッチを開いて経路を遮断するようにする構成でも実現することができる。さらに、上記情報加工は、読取手段11と再生手段12との間に入出力制御手段を設け、必要な情報のみを読取手段11から再生手段12に送出するといった構成でも実現することができる。
【0032】
また、このような構成に代えて、再生適正化手段17を以下のように構成してもよい。すなわち、再生適正化手段14を、ディフェクトが存在する場所に記録された情報を他の特定値に置き換えることによって再生手段12による当該情報の再生を適正化する構成としてもよい。このような構成を有する再生適正化手段17の動作について、図4を参照して説明する。例えば、図4に示すように、先読み制御手段14により区分R#2に含まれる情報が読み取られたが、その中には、ディフェクトによりゆがめられた情報を含むブロックDBが含まれていたとする。この場合、ディフェクト検出手段15により、ブロックDBに含まれる情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトが検出され、リスト作成手段16により、当該ディフェクトの位置を示す情報がディフェクトリストに記録されている。再生適正化手段17は、このディフェクトリストから、当該ディフェクトの位置を示す情報を参照し、当該ディフェクトにゆがめられたブロックDBを認識する。そして、再生適正化手段17は、このブロックDBをブロックRBに置き換える。ブロックRBは、再生手段12による再生処理に支障が生じないように工夫された情報により充たされている。より具体的には、ブロックRBを再生処理に支障の生じない特定値(例えば「0」)により構成することが望ましい。これにより、再生手段12による再生処理がディフェクトによる悪い影響を受けるのを防止することができる。なお、このようなブロックの置換は、例えば、区分R#2に含まれる情報を一旦バッファに蓄積し、置換を行い、置換された情報をバッファから再生手段12へ供給するという構成により実現することができる。
【0033】
なお、再生適正化手段17が再生適正化処理を行う時期は、特に限定されない。もっとも、先読みされた情報が再生手段12によって再生処理に付される前に再生適正化処理を行う必要がある。例えば、再生適正化処理は、先読みされた情報が再生手段12による再生処理に付されることが決定されてから、実際にその情報が再生処理に付されるまでの間に再生適正化処理を実行することが望ましい。これにより、実際に再生される情報のみに対して再生適正化処理を行うことができるので、処理の効率を上げることができる。
【0034】
このように、情報再生装置10は、記録媒体に記録された情報を先読みし、先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出し、このディフェクト検出結果に基づいてディフェクトリストを作成または更新し、このように作成または更新された最新のディフェクトリストに基づいて再生適正化処理を行う。これにより、記録媒体に記録された情報を再生する以前にディフェクトが形成されても、情報の再生処理を適正に行うことができる。例えば、予め情報が記録された読取専用の記録媒体が製造過程における検査をパスして出荷されたが、その記録媒体が販売経路を流通してユーザの手元に届き、再生されるまでの間に、当該記録媒体にディフェクトが形成されたとする。この場合でも、情報再生装置10によれば、情報の先読み時に当該ディフェクトが検出可能である以上、当該ディフェクトを検出し、それに基づいてディフェクトリストを作成・更新し、このリストに基づいて再生適正化処理を行うことができる。したがって、当該ディフェクトにより再生処理に支障が生じるのを防止することができる。また、記録可能または書換可能な記録媒体に情報が記録され、このときの照合処理(ベリファイ処理)により、ディフェクトリストが作成され、このディフェクトリストが当該記録媒体に記録されたとする。さらに、その後、この記録媒体の使用・搬送途中でこの記録媒体にディフェクトが形成されたとする。このような場合でも、情報再生装置10によれば、情報の先読み時に当該ディフェクトが検出可能である以上、当該ディフェクトを検出し、これに基づいてディフェクトリストを更新し、この最新のリストに基づいて再生適正化処理を行うことができる。したがって、この場合でも、当該ディフェクトにより再生処理に支障が生じるのを防止することができる。
【0035】
(情報読取装置の実施形態)
本発明の情報読取装置の実施形態について図5を参照して説明する。図5中の情報読取装置20は、本発明の情報読取装置の実施形態であり、これはヘッド、ピックアップ、プローブなどの読取手段を介して、記録媒体に記録された情報を読み取り、これを、再生処理機能を有する他の装置に出力する装置である。情報読取装置20は、例えば記録媒体が記録ディスクである場合には、ディスクドライブに適用することができる。
【0036】
情報読取装置20は、図5に示すように、読取手段11、読取制御手段13、先読み制御手段14、ディフェクト検出手段15およびリスト作成手段16を備えている。これらの点については、上述した情報再生装置10と同様である。
【0037】
ところが、上述した情報再生装置10は、記録媒体から読み取られた情報を再生する再生手段12および再生適正化処理を行う再生適正化手段17を備えていたが、情報読取装置20は、再生機能自体を有していないので、これら再生手段および再生適正化手段を備えていない。その代わり、情報読取装置20は、情報出力手段21およびリスト出力手段22を備えている。
【0038】
情報出力手段21は、読取手段11により読み取られた情報を出力する手段である。例えば、情報読取手段20をディスクドライブに適用し、これを、情報再生機能を有するホストコンピュータに接続した場合には、情報出力手段21は、読取手段11により読み取られた情報をホストコンピュータに出力する手段であり、例えば、入出力制御回路またはインターフェースである。
【0039】
リスト出力手段22は、リスト作成手段16により作成または更新されたリストを出力する手段である。例えば、情報読取手段20をディスクドライブに適用し、これを、情報再生機能を有するホストコンピュータに接続した場合には、リスト出力手段21は、ディフェクトリストの全部または一部をホストコンピュータに出力する手段であり、例えば、入出力制御回路またはインターフェースである。リスト出力手段22と情報出力手段21とを単一の回路ないしインターフェースで一体的に構成してもよい。
【0040】
情報読取装置20は、読取手段11および読取制御手段13により記録媒体に記録された情報を読み取り、情報出力手段21により、これを例えばホストコンピュータ等に出力する。さらに、情報読取装置20は、先読み制御手段14により記録媒体に記録された情報を先読みし、ディフェクト検出手段15により、先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出し、このディフェクト検出の結果に基づき、リスト作成手段16により、ディフェクトリストを作成または更新し、リスト出力手段17により、ただいま作成または更新された最新のディフェクトリストを、例えばホストコンピュータ等に出力する。そしてホストコンピュータ等は、情報出力手段21から供給された情報に対して再生処理を行い、その情報を再生する(情報がコンピュータプログラムの場合には実行する)。このとき、ホストコンピュータ等は、リスト出力手段22から供給されたディフェクトリスト、またはディフェクトリストに記録されたディフェクトの位置を示す情報に基づいて、再生処理の適正化を行うことができる。したがって、ディフェクトがホストコンピュータの再生処理に悪影響を及ぼすのを防止することができる。特に、情報読取装置20によれば、記録媒体の出荷時から再生直前までに形成されたディフェクト、さらには記録媒体に情報を記録し終えてから、その情報を再生するまでの間に形成されたディフェクトなど、再生直前までに形成されたディフェクトを検出し、このディフェクトの情報をディフェクトリストとしてホストコンピュータ等に提供することができるので、ホストコンピュータ等による再生処理の適正化を支援することができると共に、再生処理ないし再生適正化処理の負担を大幅に軽減することができる。
【0041】
なお、以上のような情報再生装置および情報読取装置の実施形態は、それぞれ、専用の装置としてハードウェアと一体的に構成する形態で実現してもよいし、コンピュータにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
【0042】
(情報再生方法の実施形態)
本発明の情報再生方法の実施形態について説明する。本発明の実施形態である情報再生方法は、記録媒体に記録された情報を読み取って再生する方法であって、再生すべき情報の範囲を指定し、記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取る読取工程と、読取工程において指定された再生すべき情報の範囲を超えて記録媒体から情報を先読みする先読み工程と、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出工程と、ディフェクト検出工程における検出結果に基づいて、ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成工程と、リスト作成工程において作成または更新されたリストに基づいて、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理を行う再生適正化工程と、再生適正化工程において再生適正化処理が行われた後、先読みされたまたは先読みすべき情報を再生する再生工程とを備えている。
【0043】
この情報再生方法において、ディフェクト検出工程では、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された記録媒体上の場所に存在するディフェクトが検出される。リスト作成工程では、このディフェクト検出の結果に基づいて、ディフェクトが存在する場所を示すディフェクトリストが作成または更新される。再生適正化工程では、この新たに作成または更新されたディフェクトリストに基づいて、先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理が行われる。これにより、再生直前までに記録媒体に形成されたディフェクトを検出し、当該ディフェクトが再生処理に悪影響を及ぼすのを未然に防ぐことができる。
【0044】
なお、先読みの方法、ディフェクト検出の方法、リスト作成・更新の方法、再生適正化処理の方法等は、上述した情報再生装置10において採用したものと同様のものを採用すればよい。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例は、本発明の情報再生装置を、DVDレコーダとDVDプレーヤとの双方の機能を備えたDVD再生記録装置に適用した例である。
【0046】
まず、DVD記録再生装置100の構成について説明する。図6は本発明の実施例であるDVD記録再生装置100を示している。DVD記録再生装置100は、DVDに記録情報を記録する機能と、DVDに記録された記録情報を再生する機能とを備えている。具体的には、DVD記録再生装置100は、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW等の記録再生用ディスクを再生でき、かつこれらのディスクに情報を記録することができる。なお、DVD記録再生装置100は、DVD−ROM、DVDビデオ、DVDオーディオ等の再生専用ディスクを再生することもできる。
【0047】
DVD記録再生装置100は、ディスクドライブ200と、バックエンド300とを備えている。
【0048】
図7はディスクドライブ200の内部構成を示している。ディスクドライブ200は、DVD50に情報を記録すると共に、DVD50に記録された情報を読み取る装置である。DVD50は、上述した記録再生用ディスクのいずれかである。さらに、ディスクドライブ200は、DVD50に記録された記録情報の先読みをする機能を有している。
【0049】
ディスクドライブ200は、図7に示すように、スピンドルモータ51、光ピックアップ52、RFアンプ53およびサーボ回路54を備えている。これらの要素は、主としてディスクドライブ200の駆動機構およびその駆動制御手段を構成するものである。
【0050】
スピンドルモータ51はDVD50を回転させるモータである。
【0051】
光ピックアップ52は、DVD50の記録面に対して光ビームを照射することによって記録情報を記録面上に記録すると共に、光ビームの反射光を受け取ることによって記録面上に記録された記録情報を読み取る装置である。
【0052】
光ピックアップ52は、記録時および読取時のいずれにおいても、光ビームの反射光に対応するRF信号を出力する。DVD50がウォブルランドグルーブ方式を採用している場合には、DVD50の記録面上にはウォブルの付いたランドおよびグルーブ並びにプリピットなどが予め形成されているので、RF信号の中にはウォブル、ランド、グルーブ、プリピット等の制御情報が含まれている。さらに、DVD50に記録情報がすでに記録されている場合には、この記録情報もRF信号の中に取り込まれる。
【0053】
RFアンプ53は、光ピックアップ52から出力されたRF信号を増幅して、そのRF信号を変調復調部55に出力する。図7中の符号「RF」は、RFアンプ53により増幅されて出力されたRF信号を示している。さらに、RFアンプ53は、RF信号から、ウォブル周波数信号WF、トラックエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEを作り出し、これらを出力する。
【0054】
サーボ回路54は、トラックエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEその他のサーボ制御信号に基づいて光ピックアップ52およびスピンドルモータ51の駆動を制御するサーボ制御回路である。具体的には、サーボ回路54は、トラックエラー信号TEに基づいて、光ピックアップ52とDVD50との間の位置関係を制御する。また、サーボ回路54は、フォーカスエラー信号FEに基づいて、光ピックアップ52の光ビームのフォーカシングを制御する。
【0055】
さらに、ディスクドライブ200は、図7に示すように、変調復調部55、バッファ56、インターフェース57および光ビーム駆動部58を備えている。これらの要素は、主としてDVD50から読み取られた記録情報の復調および出力を担うと共に、DVD50に記録すべき記録情報の受取および変調を担う。
【0056】
変調復調部55は、読取時において記録情報に対してエラー訂正を行う機能と、記録時において記録情報にエラー訂正符号を付加してこれを変調する機能とを備えた回路である。具体的には、変調復調部57は、読取時においては、RFアンプ53から出力されるRF信号を復調し、これに対してエラー訂正を行った後、これをバッファ56に出力する。さらに、変調復調部55は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるときには、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号を生成し、これをディフェクト検出部59に出力する。また、変調復調部57は、記録時においては、バッファ56から出力される記録情報にエラー訂正符号を付加した後、これを、DVD50の光学的特定等に適合する符号となるように変調し、変調された記録情報を光ビーム駆動部58に出力する。
【0057】
バッファ56は、記録情報を一時的に蓄える記憶回路である。ディスクドライブ200は先読み機能を有する。読取時に先読みした記録情報は、バッファ56に蓄えられる。なお、先読み機能については後述する。
【0058】
インターフェース57は、ディスクドライブ200とバックエンド300との間の記録情報等の入出力制御ないし通信制御を行う回路である。具体的には、インターフェース55は、再生時においては、バックエンド300からの要求命令に応じて、バッファ56から出力される記録情報(すなわちDVD50から読み取られた記録情報)をバックエンド300へ出力する。また、インターフェース55は、記録時においては、バックエンド300からディスクドライブ200に入力される記録情報を受け取り、これをバッファ56に出力する。さらに、インターフェース57は、バックエンド300からの要求命令に応じて、リスト作成保持部60に保持されているディフェクトリストの全部または一部をバックエンド300に出力する。
【0059】
光ビーム駆動部58は、記録時において、変調復調部55から出力された記録情報に対応する光ビーム駆動信号を生成し、これを光ピックアップ52に出力する。光ピックアップ52は、光ビーム駆動信号に基づいて光ビームを変調し、DVD50の記録面に照射する。これにより、記録情報が記録面上に記録される。
【0060】
さらに、ディスクドライブ200は、図7に示すように、ディフェクト検出部59およびリスト作成保持部60を備えている。これらの要素は、主としてDVD50の記録面上ないし記録層内に存在するディフェクトを検出し、その検出結果に基づいてディフェクトリストの作成・更新を行う。
【0061】
ディフェクトとは、DVD50の記録面上または記録層内に形成された傷、またはこれらの場所に付着した塵埃、汚れ等である。また、DVD50の同じ場所に記録情報の記録を何度も繰り返し行うと、その場所が劣化し、記録機能が低下する場合がある。このような劣化もディフェクトに含まれる。
【0062】
ディフェクト検出部59は、DVD50のディフェクトを検出する回路である。そして、ディフェクト検出部59は、ディフェクトの存否を示すディフェクト検出信号を生成し、これを出力する。ディフェクト検出部59は、情報の読取時(再生時および照合時)における記録情報のエラー訂正の結果に基づいて、ディフェクト検出を行う。上述したように、変調復調部55は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるときには、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号を生成し、これをディフェクト検出部59に出力する。ディフェクト検出部59は、このエラー訂正不能信号を受け取ったときに、ディフェクトが存在していることを示すディフェクト検出信号を出力する。
【0063】
リスト作成保持部60は、ディフェクト検出部59から出力されたディフェクト検出信号に基づいて、ディフェクトリストを作成し、または更新する回路である。ディフェクトリストとは、図11または図12に示すように、DVD50の記録面上に存在するディフェクトの位置を示す位置情報を記録したリストである。ディフェクトリストは、リスト作成保持部60内に設けられた記憶回路に書換可能な状態で記憶される。さらに、リスト作成保持部60は、バックエンド300からの要求命令に応じて、ディフェクトリストをインタ−フェース57を介してバックエンド300に出力する。
【0064】
さらに、図7に示すように、ディスクドライブ200はCPU61を有している。CPU61は、ディスクドライブ200の全体的な制御および上述したディスクドライブ200内の各要素間の情報のやり取りを制御・管理する。さらに、CPU61は、バックエンド300から送られる要求命令に応じて、光ヒップアップ52の読取動作の制御、およびバッファ56に蓄えられた記録情報のバックエンド300への出力制御を行い、これにより、記録情報の通常の読取制御および先読み制御を行う。さらに、CPU61は、バックエンド300からの要求命令に応じて、リスト作成保持部60に保持されたディフェクトリストのバックエンド300への出力制御を行う。これにより、バックエンド300において行われる再生適正化処理を支援する。
【0065】
次に、図8はバックエンド300の内部構成を示している。バックエンド300は、ディスクドライブ200によってDVD50から読み取られた記録情報に対して再生処理を行うと共に、DVD50に記録する目的で外部から供給された記録情報を受け取り、これを圧縮(エンコード)してディスクドライブ200に送り出す装置である。
【0066】
バックエンド300は、ドライブ制御部71、ビデオデコーダ72、オーディオデコーダ73、ビデオエンコーダ74、オーディオエンコーダ75、システム制御部76およびディフェクト管理部77を備えている。
【0067】
ドライブ制御部71は、ディスクドライブ200の読取処理および記録処理を制御する回路である。記録情報をDVD50から読み取ってそれを再生する作業、および記録情報を外部から受け取ってそれをDVD50に記録する作業は、バックエンド300とディスクドライブ200とが協働して行う。ドライブ制御部71は、ディスクドライブ200の読取処理および記録処理を制御することにより、バックエンド300とディスクドライブ200との協働を実現する。具体的には、ドライブ制御部71は、ディスクドライブ200に対して、読取、記録、バッファ56から記録情報の出力、リスト作成保持部60からのディフェクトリストの出力などに関する要求命令を出力する。さらに、ドライブ制御部71は、記録情報およびディフェクトリストその他各種情報の入力・出力を制御する入出力制御を行う。
【0068】
ビデオデコーダ72およびオーディオデコーダ73は、それぞれ、ディスクドライブ200によりDVD50から読み取られ、ドライブ制御部71を介して供給された記録情報を復調し、記録情報をディスプレイ、スピーカなどにより再生可能な状態に変換する回路である。例えば、記録情報が画像情報である場合には、ビデオデコーダ72は、画像情報を復調することによって、これをディスプレイ等により再生可能な映像信号に変換し、これをディスプレイ等に出力する。また、記録情報が音声情報である場合には、オーディオデコーダ73は、音声情報を復調することによって、これをスピーカ等により再生可能な音声信号に変換し、これをスピーカ等に出力する。
【0069】
ビデオエンコーダ74およびオーディオエンコーダ75は、それぞれ、DVD50に記録する目的で外部から入力された映像信号、音声信号等を受け取り、これを例えばMPEG圧縮方式等により圧縮し、これを、ドライブ制御部71を介してディスクドライブ200に供給する回路である。
【0070】
システム制御部76は、再生時には、ドライブ制御部71、ビデオデコーダ72、オーディオデコーダ73、ディフェクト管理部77を制御し、これらと協働して記録情報の再生適正化処理および再生処理を行う回路である。また、記録時には、システム制御部76は、ドライブ制御部71、ビデオエンコーダ74、オーディオエンコーダ75、ディフェクト管理部77を制御し、これらと協働して記録情報の記録処理を行う。また、システム制御部76は、再生時および記録時において、ディスクドライブ200とバックエンド300との協働を実現するために、ドライブ制御71と共に、ディスクドライブ200に対する制御(例えば各種要求命令の生成・送信、応答信号の受信など)を行う。
【0071】
ディフェクト管理部77は、その内部に記憶回路を有しており、ディスクドライブ200のリスト作成保持部60により作成・更新されたディフェクトリストの全部または一部を受け取り、これを保持する機能を備えている。そして、ディフェクト管理部77はシステム制御部76と共に、ディフェクト管理を行う。
【0072】
次に、記録情報をDVD50に記録するときに行われるディフェクト管理について説明する。通常、DVD50をフォーマットするときの初期検査(サーティファイ)のときに、その時点におけるDVD50のディフェクトが検出され、その検出結果に基づいて、ディフェクトリストが作成される。この初期のディフェクトリストは、DVD50の特定な領域に記録保持される。次に、DVD50に記録情報を記録するときには、実際の記録動作を開始する前に、DVD50に記録されたディフェクトリストが読み取られ、これがリスト管理保持部60に記憶されると共に、バックエンド300にも供給され、バックエンド300内のディフェクト管理部77に記憶される。そして、記録情報がビデオエンコーダ74またはオーディオエンコーダ75からのドライブ制御部71を介してディスクドライブ200に供給され、ディスクドライブ200において実際の記録動作が開始されると、バックエンド300のシステム制御部76は、ディフェクト管理部77内に記憶されたディフェクトリストを参照し、記録面上のディフェクトの存在する場所を認識し、この場所を避けて記録情報の記録を行うように、ディスクドライブ200を制御する。これにより、予め形成されていたディフェクトが存在する場所以外の場所に記録情報が記録されるため、記録情報をDVD50に確実に記録することができる。また、このように記録情報をDVD50へ記録するとき、実際には記録動作と照合動作(ベリファイ)とが所定の時間単位ごとに交互に行われる。この照合動作において記録情報の記録が正常に行われなかったことが確認されたときには、その正常に行われなかった情報を記録すべきであった記録面上の領域にディフェクトが存在するものと判断される。そして、この領域の位置を示す情報がリスト管理保持部60に記憶されたディフェクトリストに追記され、ディフェクトリストが更新される。更新されたディフェクトリストは、記録情報の記録処理が完了したときなどに、DVD50の特定の領域に記録される。これにより、次回の記録処理において、更新されたディフェクトリストを参照することができるので、記録情報のDVD50への記録をより一層確実に行うことが可能となる。
【0073】
次に、DVD50に記録された記録情報を再生するときに行われるディフェクト管理について説明する。DVD記録再生装置100は、DVD50に記録された記録情報を再生するときにも、ディフェクト管理を行う。すなわち、DVD記録再生装置100は、DVD50に記録された記録情報を読み取るときに、記録情報を先読みし、この先読みされた記録情報に基づいてDVD50のディフェクトを検出し、この検出結果に基づいてディフェクトリストを更新し、この更新されたディフェクトリストを用いて、ディフェクトによってゆがめられた記録情報に対し再生適正化処理を行う。
【0074】
図9は、記録情報の再生時に行われるディフェクト管理の動作を示すタイミングチャートである。図10は、記録情報の構造を示している。記録情報の読取処理および再生処理は、一定の長さを有する区分Sごとに行われる。このため、記録情報は、図10に示すように、区分Sに分かれていると考えることができる。さらに、記録情報の再生処理等は、区分Sをさらに細かく分割した単位であるブロックBLごとに行われる場合もある。このため、記録情報の区分Sは、図10に示すように、ブロックBLに分かれていると考えることができる。
【0075】
例えば、DVD50に記録された記録情報を再生するために、ユーザがDVD50をディスクドライブ200に装着すると、ディスクドライブ200およびバックエンド300は協働して初期設定動作を行う。すなわち、DVD50に記録されたTOC(テーブルオブコンテンツ)等の管理情報ないし制御情報が読み取られ、これらの情報に基づいて読取処理および再生処理に必要な種々の初期設定が行われる。このとき、DVD50に記録されたディフェクトリストが読み取られる。このディフェクトリストは、ディスクドライブ200のリスト作成保持部60に記憶される。
【0076】
続いて、ユーザがDVD記録再生装置100の筐体に設けられた再生開始ボタンを押すと、記録情報の再生が開始される。ここで、DVD50に記録された記録情報のうち、区分S#1に含まれる記録情報の再生が開始されると仮定する。
【0077】
図9に示すように、区分S#1に含まれる記録情報を再生するために、まず、バックエンド300のシステム制御部76の制御のもと、ドライブ制御部71からディスクドライブ200へ区分S#1に含まれる記録情報を要求する要求命令が出力される(A1)。ディスクドライブ200のCPU61はこの要求命令を受け取り、これに応じて、光ピックアップ52の移動等を制御し(A2)、区分S#1に含まれる記録情報を読み取る。区分S#1に含まれる記録情報は、変調復調部55によってエラー訂正が施され、バッファ56およびインターフェース57を介して、直ちにバックエンド300に出力される(A3)。そして、この記録情報は、バックエンド300のビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73によって再生される。このとき、ディスクドライブ200のCPU61は、光ピックアップ52を制御し、記録情報の先読みを行う。すなわち、バックエンド300側からの要求は、区分S#1に含まれる記録情報だけであるが、CPU61は、さらに区分S#1に続く、区分S#2に含まれる記録情報、さらにこれに続く区分S#3に含まれる記録情報をも連続的に読み取る(A4、A5)。そして、変調復調部55は、これら先読みされた記録情報に対してエラー訂正を行う。その後、これら先読みされた記録情報は、バッファ56に入力され、バックエンド300側から区分S#2または区分S#3に含まれる記録情報の要求があるまで、バッファ56に保持される。
【0078】
さらに、区分S#2に含まれる記録情報および区分S#3に含まれる記録情報が先読みされたとき、CPU61の制御のもと、ディフェクト検出部59およびリスト作成保持部60は、先読みされた記録情報に対してディフェクト検出を行い、その検出結果に基づいてディフェクトリストを更新する(A6、A7)。これについて具体的に説明すると、区分S#2に含まれる記録情報が光ピックアップ52から読み取られ、RFアンプ53を介して変調復調部55に供給されると、変調復調部55は、ブロックBLごとに記録情報(RF信号)を復調し、さらにブロックBLごとにエラー訂正を行う。エラー訂正の結果、エラー訂正が不能であるときには、変調復調部55は、ブロックBLごとに、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号をディフェクト検出部59に出力する。エラー訂正不能信号が出力されたとき、ディフェクト検出部59は、エラー訂正の対象となったブロックBLが記録された記録面上の領域にディフェクトが存在することを示すディフェクト検出信号を出力する。リスト作成保持部60は、このようなディフェクト検出信号を受け取ったとき、当該ブロックBLが記録された記録面上の領域にはディフェクトが存在し、そのため当該ブロックBLは当該ディフェクトによりゆがめられたブロック(以下、これを「ディフェクトブロック」と呼ぶ)であると判定する。続いて、リスト作成保持部60は、当該ディフェクトブロックのアドレス(具体的には当該ディフェクトブロックが記録された記録面上の領域の先頭アドレス)をCPU61から取得する。なお、記録情報が記録されたアドレスは、DVD50の記録面に形成されたプリピットなどに基づいて認識することができ、CPU61は読取、エラー訂正、リスト作成等に必要な記録情報のアドレスを認識している。さらに、リスト作成保持部60は、当該ディフェクトブロックのアドレスをディフェクトリストに記録し、ディフェクトリストを更新する。
【0079】
以下、先読みされた記録情報に基づくディフェクトリストの更新について図10ないし図12を用いてさらに具体的に説明する。図10の下段は区分S#2に含まれるブロックBLの配列を拡大して示している。図11は更新前のディフェクトリストの一例を示している。図12は図11に示すディフェクトリストを更新した後の状態を示している。図10下段に示すように、DVD50の再生を行っている現時点において、区分S#2にはディフェクトブロックDB1、DB2、DB3が含まれていると仮定する。これら3個のディフェクトブロックのうち、ディフェクトブロックDB3は、ディフェクトリストが初めて作成された時点、またはディフェクトリストが前回更新された時点においてすでに存在していたものであるとする。一方、ディフェクトブロックDB1およびDB2は、ディフェクトリストが初めて作成された時点およびディフェクトリストが前回更新された時点においては存在しておらず、ディフェクトリストが前回更新された時点から現時点までの間に形成されたものであるとする。この場合、図11に示すように、ディフェクトブロックDB3のアドレスは、更新前のディフェクトリストDL、すなわち今回の再生処理を開始するときに、DVD50から読み取られてリスト作成保持部60に記憶されたディフェクトリストDLにすでに記録されている。一方、図11に示すように、ディフェクトブロックDB1およびDB2は、更新前のディフェクトリストDLには記録されていない。
【0080】
このような状態で、区分S#2に含まれる記録情報が先読みされ、この記録情報に対してブロックBLごとにディフェクト検出が行われ、その結果に基づき、リスト管理保持部60は、ディフェクトブロックDB1およびDB2が存在することを判定し、それらのアドレスを取得する。そして、リスト管理保持部60は、ディフェクトブロックDB1およびDB2のそれぞれのアドレスをディフェクトリストDLに追記する。この結果、図12に示すように、ディフェクトリストDLが更新される(図9中のA6)。
【0081】
図9に戻り、区分S#2についてディフェクト検出およびディフェクトリスト更新が終了すると、続いて、区分S#3についてディフェクト検出およびディフェクトリスト更新が行われる(A7)。
【0082】
その後、区分S#2に含まれる記録情報を再生する時期が接近したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディスクドライブ200に対し、区分S#2に含まれる記録情報に対応するディフェクトリストを要求する旨の要求命令を送る(A8)。ディスクドライブ200のCPU61はこれを受け取り、リスト作成保持部60は、CPU61の制御のもと、ディフェクトリストを、インターフェース57を介してバックエンド300に出力する(A9)。このディフェクトリストはバックエンド300のディフェクト管理部77に記憶される。
【0083】
その後、区分S#2に含まれる記録情報を再生する時期が到来したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディフェクト管理部77に記憶されたディフェクトリストに基づき、区分S#2に含まれる記録情報に関して再生適正化処理を実行する。そして、システム制御部76は、この再生適正化処理に基づいて、ディスクドライブ200に対し、区分S#2に含まれる記録情報を要求する旨の要求命令を送る(A10)。なお、要求命令が複数に分かれているのは、再生適正化処理の結果による。再生適正化処理については後述する。
【0084】
ディスクドライブ200のCPU61は、当該要求命令に応じて、区分S#2に含まれる記録情報をバックエンド300に出力する(A11)。区分S#2に含まれる記録情報は、すでに先読みされ、バッファ56に蓄えられているので、CPU61はバッファ56に区分S#2に含まれる記録情報を出力する旨の命令を送るだけで、区分S#2に含まれる記録情報をバックエンド300に迅速に出力することができる。
【0085】
区分S#2に含まれる記録情報は、バックエンド300のドライブ制御部71により受け取られ、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73によって再生される。
【0086】
その後、区分S#3に含まれる記録情報を再生する時期が接近したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディスクドライブ200に対し、区分S#3に含まれる記録情報に対応するディフェクトリストを要求する旨の要求命令を送る(A12)。ディスクドライブ200のCPU61はこれを受け取り、リスト作成保持部60は、CPU61の制御のもと、ディフェクトリストを、インターフェース57を介してバックエンド300に出力する(A13)。このディフェクトリストはバックエンド300のディフェクト管理部77に記憶される。
【0087】
その後、区分S#3に含まれる記録情報を再生する時期が到来したとき、バックエンド300のシステム制御部76は、ディフェクト管理部77に記憶されたディフェクトリストに基づき、区分S#3に含まれる記録情報に関して再生適正化処理を実行する。そして、システム制御部76は、この再生適正化処理に基づいて、ディスクドライブ200に対し、区分S#3に含まれる記録情報を要求する旨の要求命令を送る(A14)。なお、区分S#3にはディフェクトブロックが含まれていなかったので、要求命令は複数に分かれていない。
【0088】
ディスクドライブ200のCPU61は、これに応じて、区分S#3に含まれる記録情報をバックエンド300に出力する(A15)。区分S#3に含まれる記録情報は、すでに先読みされ、バッファ56に蓄えられているので、CPU61はバッファ56に区分S#3に含まれる記録情報を出力する旨の命令を送るだけで、区分S#3に含まれる記録情報をバックエンド300に迅速に出力することができる。
【0089】
区分S#3に含まれる記録情報は、バックエンド300のドライブ制御部71により受け取られ、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73によって再生される。
【0090】
次に、再生適正化処理について説明する。図13は再生適正化処理の動作を示している。図14は図10中の区分S#2に含まれる記録情報に関して再生適正化処理を行った結果を示している。再生適正化処理は、ディフェクトによりゆがめられたブロック、すなわちディフェクトブロックに含まれる記録情報をビデオデコーダ72およびオーディオデコーダ73に供給することを禁止する処理である。再生適正化処理は、バックエンド300のシステム制御部76の制御のもとで、区分Sごとに実行される。
【0091】
すなわち、図13に示すように、ある区分Sに含まれる記録情報を再生する時期が接近すると、システム制御部76は、当該区分に含まれる記録情報に関するディフェクトリストを要求する旨の要求命令を向けてディスクドライブ200に送る(ステップS11)。これに応じてディスクドライブ200のリスト作成保持部60から当該ディフェクトリストがバックエンド300に向けて出力されるので、システム制御部76はこれを取得し、これをディフェクト管理部77に記憶する(ステップS12)。
【0092】
続いて、システム制御部76は、ステップS12で取得されたディフェクトリストを参照し、当該区分中にディフェクトブロックが含まれているか否かを判定する(ステップS13)。
【0093】
当該区分中にディフェクトブロックが含まれていないときには(ステップS13:NO)、システム制御部76は、当該区分に含まれるすべての記録情報を要求する旨の要求命令をディスクドライブ200に向けて送る(ステップS14)。これに応じてディスクドライブ200のバッファ56から当該区分に含まれる記録情報のすべてがバックエンド300に向けて出力されるので、システム制御部76はこれをビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に供給する(ステップS15)。
【0094】
一方、ステップS12で、当該区分中にディフェクトブロックが含まれているときには(ステップS13:YES)、システム制御部76は、ステップS12で取得されたディフェクトリストを参照し、当該区分に含まれるディフェクトブロックのアドレスを認識し、これに基づいて、当該区分に含まれるブロックのうち、ディフェクトブロック以外のブロックに含まれる記録情報を要求する旨の要求命令をディスクドライブ200に向けて送る(ステップS16)。これに応じてディスクドライブ200のバッファ56から、当該区分に含まれるブロックのうち、ディフェクトブロック以外のブロックに含まれる記録情報がバックエンド300に向けて出力されるので、システム制御部76はこれをビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に供給する(ステップS17)。
【0095】
そして、システム制御部76は、再生処理が終了するまで、ステップS11ないしS17までの処理を、区分ごとに実行する(ステップS18)。
【0096】
このような再生適正化処理を、例えば図10中の区分S#2について行うと、図14に示すように、区分S#2に含まれるブロックBL(m〜m+9)のうち、ディフェクトブロックDB1、DB2、DB3以外のブロックBL(m、m+1、m+4、m+5、m+6、m+8、m+9)に含まれる記録情報のみが、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に供給される。
【0097】
このようにディフェクトブロックに含まれる記録情報を、ビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73に送るのを禁止することにより、これらデコーダの動作を正常に保つことができる。
【0098】
以上より、DVD記録再生装置100によれば、DVD50に記録された記録情報を読み取るときに、記録情報を先読みし、この先読みされた記録情報に基づいてDVD50のディフェクトを検出し、この検出結果に基づいてディフェクトリストを更新し、この更新されたディフェクトリストを用いて、ディフェクトによってゆがめられた記録情報に対し再生適正化処理を行う構成とした。これにより、ディフェクトによってゆがめられた記録情報によってビデオデコーダ72またはオーディオデコーダ73の動作に支障が生じることを防止することができ、記録情報の再生処理の確実性・信頼性を高めることできる。
【0099】
特に、先読みされた記録情報に基づいてディフェクトリストを更新し、その更新されたディフェクトリストに基づいて再生適正化処理を行うので、DVD50を再生する直前までに形成されたディフェクトによる悪影響を確実に除去することができる。
【0100】
なお、上述したDVD記録再生装置100では、再生時期が接近した区分に含まれる記録情報に関するディフェクトリストをディスクドライブ200からバックエンド300に取り込む構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、ディスクドライブ200側で、先読みした記録情報に基づいてディフェクトリストの更新が終了した時点で、更新終了した部分のディフェクトリストを、区分にかかわらず、すべてバックエンド300に取り込む構成としてもよい。
【0101】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報再生装置、情報読取装置、ディスクドライブ、情報再生方法並びにこれらの機能を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報再生装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態である情報再生装置により再生される記録情報を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態である情報再生装置により行われる再生適正化処理の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態である情報再生装置により行われる再生適正化処理の他の例を示す説明図である。
【図5】本発明の情報読取装置の実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例であるDVD記録再生装置を示すブロック図である。
【図7】図6中のDVD記録再生装置のディスクドライブを示すブロック図である。
【図8】図6中のDVD記録再生装置のバックエンドを示すブロック図である。
【図9】図6中のDVD記録再生装置における再生時のディフェクト管理の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】図6中のDVD記録再生装置により再生される記録情報を示す説明図である。
【図11】更新前のディフェクトリストを示す説明図である。
【図12】更新後のディフェクトリストを示す説明図である。
【図13】図6中のDVD記録再生装置における再生適正化処理を示すフローチャートである。
【図14】再生適正化処理により形成された記録情報を示す説明図である。
【符号の説明】
10…情報再生装置
11…読取手段
12…再生手段
13…読取制御手段
14…先読み制御手段
15…ディフェクト検出手段
16…リスト作成手段
17…再生適正化手段
21…情報出力手段
22…リスト作成手段
50…DVD(記録媒体)
52…光ピックアップ
55…変調復調部
56…バッファ
57…インターフェース
59…ディフェクト検出部
60…リスト作成保持部
61…CPU
72…ビデオデコーダ
73…オーディオデコーダ
76…システム制御部
77…ディフェクト管理部
100…DVD記録再生装置
200…ディスクドライブ
300…バックエンド
Claims (16)
- 記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた情報を再生する再生手段と、
再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取りこれを前記再生手段に供給するように前記読取手段を制御する読取制御手段と、
前記読取制御手段により指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みするように前記読取手段を制御する先読み制御手段と、
前記先読み制御手段により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、
前記ディフェクト検出手段による検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成手段と、
前記リスト作成手段により作成または更新されたリストに基づいて、前記ディフェクトが存在する場所に記録された情報に対して再生適正化処理を行い、前記再生手段による当該情報の再生を適正化する再生適正化手段と
を備えていることを特徴とする情報再生装置。 - 前記再生適正化手段は、前記先読みされた情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトの検出結果に基づいて作成または更新された最新のリストに基づいて、前記先読みされた情報に対して再生適正化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
- 前記ディフェクト検出手段は、前記先読み制御手段により先読みされた情報に基づいて前記ディフェクトを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
- 前記読取手段により読み取られた情報に対してエラー訂正を行うエラー訂正手段を備え、
前記エラー訂正手段は、前記先読み制御手段により先読みされた情報に対してエラー訂正を行い、
前記ディフェクト検出手段は、前記先読みされた情報に対するエラー訂正結果に基づいて前記ディフェクトを検出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情報再生装置。 - 前記再生適正化手段は、前記ディフェクトが存在する場所に記録された情報を前記再生手段に供給するのを禁止することによって前記再生手段による当該情報の再生を適正化することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報再生装置。
- 前記再生適正化手段は、前記ディフェクトが存在する場所に記録された情報を他の特定値に置き換えることによって前記再生手段による当該情報の再生を適正化することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の情報再生装置。
- 記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた情報を出力する情報出力手段と、
再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取りこれを前記情報出力手段に供給するように前記読取手段を制御する読取制御手段と、
前記読取制御手段により指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みするように前記読取手段を制御する先読み制御手段と、
前記先読み制御手段により先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出手段と、
前記ディフェクト検出手段による検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成手段と、
前記リスト作成手段により作成または更新されたリストを出力するリスト出力手段と
を備えていることを特徴とする情報読取装置。 - 前記情報出力手段が前記先読み制御手段により先読みされた情報を出力する前に、前記リスト出力手段は、前記先読みされた情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトの検出結果に基づいて作成または更新された最新のリストを出力することを特徴とする請求項7に記載の情報読取装置。
- 前記リスト出力手段は、前記先読みされた情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトの検出結果に基づいて作成または更新された最新のリストを、前記先読みされた情報といっしょに出力することを特徴とする請求項7に記載の情報読取装置。
- 前記ディフェクト検出手段は、前記先読み制御手段により先読みされた情報に基づいて前記ディフェクトを検出することを特徴とする請求項7または9に記載の情報読取装置。
- 前記読取手段により読み取られた情報に対してエラー訂正を行うエラー訂正手段を備え、
前記エラー訂正手段は、前記先読み制御手段により先読みされた情報に対してエラー訂正を行い、
前記ディフェクト検出手段は、前記先読みされた情報に対するエラー訂正結果に基づいて前記ディフェクトを検出することを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の情報読取装置。 - 前記先読み制御手段により先読みされた情報を保持する情報保持手段を備えていることを特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の情報読取装置。
- 前記リスト作成手段により作成または更新されたリストを保持するリスト保持手段を備えていることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載の情報読取装置。
- コンピュータを請求項1ないし6のいずれかに記載の情報再生装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- コンピュータを請求項7ないし13のいずれかに記載の情報読取装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 記録媒体に記録された情報を読み取って再生する情報再生方法であって、
再生すべき情報の範囲を指定し、前記記録媒体からその範囲内に含まれる情報を読み取る読取工程と、
前記読取工程において指定された再生すべき情報の範囲を超えて前記記録媒体から情報を先読みする先読み工程と、
前記先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報が記録された前記記録媒体上の場所に存在するディフェクトを検出するディフェクト検出工程と、
前記ディフェクト検出工程における検出結果に基づいて、前記ディフェクトが存在する場所を示すリストを作成または更新するリスト作成工程と、
前記リスト作成工程において作成または更新されたリストに基づいて、前記先読み工程において先読みされたまたは先読みすべき情報に対して再生適正化処理を行う再生適正化工程と、
前記再生適正化工程において再生適正化処理が行われた後、前記先読みされたまたは先読みすべき情報を再生する再生工程と、
を備えていることを特徴とする情報再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100206A JP2004310830A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 情報再生装置、情報再生方法、情報読取装置、ディスクドライブおよびコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003100206A JP2004310830A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 情報再生装置、情報再生方法、情報読取装置、ディスクドライブおよびコンピュータプログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004310830A true JP2004310830A (ja) | 2004-11-04 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003100206A Pending JP2004310830A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 情報再生装置、情報再生方法、情報読取装置、ディスクドライブおよびコンピュータプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004310830A (ja) |
-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003100206A patent/JP2004310830A/ja active Pending
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