以下、本発明を実施するための最良の形態について実施形態毎に順に図面に基づいて説明する。 (追記型記録媒体の実施形態)
本発明の追記型記録媒体の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態の説明に用いる図面は、本発明の記録媒体、記録装置および再生装置の構成要素等を、その技術思想を説明する限りにおいて具体化したものであり、各構成要素等の形状、大きさ、位置、接続関係などは、これに限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態である追記型記録媒体の記録構造を示している。図1に示す追記型記録媒体10は、ディスク状の記録媒体である。図1中の左側が記録媒体10の内周側であり、右側が記録媒体10の外周側である。なお、本発明の追記型記録媒体の形状はディスク状に限られない。本発明は、例えばカード状の記録媒体など、他の形状の記録媒体にも適用することができる。また、本発明の追記型記録媒体の記録方式は限定されない。本発明は、例えば、光、磁気、光磁気、相変化、誘電体の分極方向または近接場光などを利用した記録媒体に適用することができる。
記録媒体10は、データないし情報を各位置に1度のみ記録可能な追記型(ライトワンス型)の記録媒体である。
記録媒体10は、図1に示すように、データエリア11および管理エリア14A、14B、14Cを備えている。
データエリア11は、記録データを記録するためのエリアである。記録データは、主として再生または実行の対象となるデータであり、例えば画像データ、音声データ、文書データ、コンテンツデータまたはコンピュータプログラムなどが含まれる。
管理エリア14A、14B、14Cは、少なくとも複数種類の管理情報21Aから21D及び指標情報23を記録するためのエリアである。管理エリア14A、14B、14Cは、記録媒体10の記録面上に3個存在する。管理エリア14A、14B、14Cは、記録面上に分散して配置されている。なお、管理エリアの個数は限定されない。また、管理エリアの配置および配置の態様も限定されない。
管理情報とは、記録媒体10上に記録される記録データの管理のために用いられる情報である。この管理情報の具体例として、例えばディフェクト管理に用いられるディフェクト管理情報21A(以降、適宜“管理情報21A”と称する)や記録媒体10上に記録される記録データの分布を示すスペースビットマップ情報21B(以降、適宜“管理情報21B”と称する)や記録媒体10に設けられる記録トラック上の記録データのシーケンシャルな分布の状態(例えば、記録データが記録済みか或いは未記録か)を示すシーケンシャル記録管理情報21C(以降、適宜“管理情報21C”と称する)やその他の各種管理情報21D(以降、適宜“管理情報21D”と称する)が挙げられる。
ここで、データ管理の一具体例たるディフェクト管理について更に詳細に説明すると、ディフェクト管理とは、記録媒体10内または記録媒体10上に傷、塵埃または劣化等のディフェクトが存在するときに、そのディフェクトが存在する場所を避けて記録データを記録すると共に、本来そのディフェクトが存在する場所に記録すべきであった記録データ、またはその場所に記録された記録データを図示しないスペアエリアに代替的に記録するといったものである。また、記録媒体10上に記録された記録データを再生するときに、ディフェクトの存在する位置を認識し、ディフェクトの存在する位置に本来記録されるべきであったまたは記録されていた記録データを、図示しないスペアエリアから読み取るといった処理もディフェクト管理の一環として行われるものである。
ディフェクト管理情報21Aにはディフェクトリストが含まれている。ディフェクトリストには、データエリア11におけるディフェクトが存在する位置を示す情報(以下、これを「ディフェクト位置情報」という。)と、当該ディフェクトが存在する場所に記録すべきであった記録データまたはその場所に記録された記録データを記録したスペアエリア内の位置を示す情報(以下、これを「代替記録位置情報」という。)とが記録されている。例えば、ディフェクト位置情報はディフェクト位置を示すアドレス情報であり、代替記録位置情報はスペアエリア内の記録位置を示すアドレス情報である。ディフェクトリストを参照することにより、ディフェクトの存在する位置を認識することが可能となり、ディフェクトの存在する位置に本来記録されるべきであったまたは記録されていた記録データを、スペアエリアから読み取ることが可能となる。
ディフェクトリストは、複数の部分ディフェクトリストに分割されていてもよい。更にこの場合、スペアエリアも複数の部分スペアエリアに分割されていてもよい。 指標情報23とは、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報を特定するための情報である。ここに、「最新の管理情報」とは、必要に応じて適宜更新される管理情報のうち、管理情報の種類毎の最新の管理情報の全体を示す趣旨である。例えば、最後に記録された管理情報21A、最後に記録された管理情報21B、最後に記録された管理情報21C及び最後に記録された管理情報21Dを含む情報が最新の管理情報を示す趣旨である。
指標情報23は、1個の管理エリアに連続的に並んで記録された複数の管理情報21Aから21Dのうち、最後に配置された管理情報に続けて記録されることが望ましい。これにより、最新の管理情報の読取を効率よく行うことが可能となる。例えば、図1において、管理エリア14Aには、管理情報21A、21B、21C、21Dが連続的に並んで記録されており、管理情報21Dが最後に配置されている。この場合には、管理情報21Dに続けて指標情報23が記録されることが望ましい。以下、個々の管理エリア内において最後に記録された管理情報を「ラスト管理情報」という。
指標情報23の内容は、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報を特定することができる情報であれば何でもよい。例えば、各管理情報に識別子が付されている場合には、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報に付された識別子の内容を示す情報を指標情報23として用いてもよい。
各管理エリアには、管理情報21Aから21Dや指標情報23以外の情報を含んでいてもよい。本実施形態では、各管理エリアには、定義情報22が記録されている。定義情報22は、例えば、データエリア等の配置またはサイズに関する情報である。また、本実施形態では、指標情報23には、定義情報22を特定するための情報も含まれているものとする。
そして、この最新の管理情報21と指標情報23を含めて、管理情報ブロックが構成される。もちろん、更に定義情報22を含めて管理情報ブロックを構成するようにしてもよい。
管理エリア14A、14B、14Cのそれぞれには、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21D及び該最新の管理情報を指し示す指標情報23(即ち、管理情報ブロック)を記録するためのセットアップエリア24A、24B、24Cが用意されている。セットアップエリア24A、24B、24Cは、それぞれ管理エリア14A、14B、14Cの先頭部分或いは先頭部分の近傍に配置することが望ましい。ここでいう「先頭」とは、記録データを記録する方向を基準とする先頭であることが好ましい。またここでいう「先頭部分の近傍」とは、各管理エリアの先頭部分と同視することができるような領域を示す趣旨であり、より具体的には、当該領域に最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報21Aから21Dを記録すれば、先頭部分に当該管理情報21Aから21Dを記録した場合と同等程度に管理情報の読取処理の効率が向上するような領域を示す趣旨である。これにより、シーケンシャルに管理エリアを使用することができると共に、各管理情報21Aから21D(或いは、最新の管理情報)の読取処理の効率が向上する。しかし、セットアップエリア24A、24B、24Cの配置は限定されない。また、各管理エリア内において、セットアップエリアの配置は必ずしも予め決めておく必要はなく、記録処理の都合に応じて即時に決定してもよい。また、各管理エリア内において、セットアップエリアを、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報21A、21B、21C、21Dごとに分離して配置してもよい。なお、セットアップエリア24A、24B、24Cの機能については、図6および図7を用いた後述の説明により明らかになる。
追記型記録媒体10は、管理情報の分割記録機能と、管理情報のセットアップ機能とを有する。
まず、管理情報の分割記録機能について説明する。管理情報の分割記録機能とは、各管理情報21Aから21Dを1個の管理エリアに分割して(即ち、各管理情報毎に個別的に)記録する機能である。即ち、各管理情報21Aから21Dのうち更新される管理情報のみを管理エリアに記録する機能であり、全ての管理情報21Aから21Dを管理エリアに記録する必要はない。図2ないし図5は、管理情報の分割記録機能に従って管理情報が分割記録されていく様子を示している。
はじめに、ユーザが未記録の記録媒体10を記録装置に装着し、記録媒体10をイニシャライズ(フォーマット)すべき旨の指示を入力すると、記録装置により、記録媒体10のイニシャライズないしフォーマットが行われる。このとき、複数の管理情報が作成される。具体的には、管理情報21A、21B、21C、21Dと、定義情報22が作成される。さらに、管理情報21Dに続けて記録される、指標情報23が作成される。
作成された管理情報21Aから21Dは、図2に示すように、記録装置により、記録媒体10の管理エリア14Aの先頭に記録される。そして、ラスト管理情報たる管理情報21Dに続けて、作成された指標情報23が記録される。なお、各管理情報21Aから21Dの記録に用いる管理エリア14A、14B、14Cの順番などは限定されない。本実施形態では、管理情報21Aから21Dを、まず、管理エリア14Aの先頭から記録し、これがいっぱいになったら、次に管理エリア14Bの先頭から記録し、これがいっぱいになったら、次に管理エリア14Cの先頭から記録するといった方法を採用している。
次に、ユーザが、記録装置に装着された記録媒体10に対し記録データの1度目の記録を行うべく、その旨の指示を入力すると、記録媒体10に対し記録データの1度目の記録が開始される。記録データの記録に伴い、ベリファイ処理等が行われる。ベリファイ処理等の結果、記録データの記録不全(即ち、ディフェクトの発生)が判明したときには、その記録データはスペアエリアに記録される。
記録データがスペアエリアに記録されたとき、そのときのディフェクト位置を示すディフェクト位置情報と、代替記録位置情報とが取得され、これらが記録装置のメモリ内に記憶されている管理情報21A(即ち、ディフェクト管理情報21A)に記録される。これにより、管理情報21Aが更新される。
一連の記録データの記録が完了した後、記録装置のメモリに記憶されている更新された管理情報21Aに続けて記録される指標情報23が作成される。指標情報23は、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報21Aから21Dを特定するための情報、および定義情報22を特定するための情報である。
続いて、図3に示すように、更新された管理情報21Aのみが、指標情報23と共に、記録媒体10の管理エリア14Aに追記される。管理エリア14A内において、管理情報21Aは、すでに記録された指標情報23の隣に連続的に記録される。なお、このとき、記録装置のメモリに記憶された管理情報21B、21C、21Dおよび定義情報22については、記録媒体10への追記は行われない。
後日、ユーザが記録媒体10に対し記録データの2度目の記録を行うべく、記録媒体10を記録装置に再び装着すると、記録装置により、準備処理が行われる。準備処理において、記録媒体10の管理エリア14Aに記録された最新の管理情報が読み取られる。現段階において、記録媒体10に記録された最新の管理情報は、図3に示すように、管理エリア14Aに記録された定義情報22、管理情報21B、21C、21D、およびラスト管理情報21Aによって組み立てられる。なお、図3において、ラスト管理情報21A、すなわち、管理エリア14A内において最後に配置されている管理情報21Aは、図3中の右側に位置する管理情報21Aである。
そこで、最新の管理情報を読み取るために、まず、ラスト管理情報21Aに続けて記録されている指標情報23が参照され、指標情報23に基づいて定義情報22および最新の管理情報を構成する各管理情報21A、21B、21C、21Dが特定される。即ち、図3中の矢印が指し示す定義情報22および各管理情報21A、21B、21C、21Dが読み取られる。そして、読み取られた定義情報22、管理情報21A、21B、21C、21Dにより、最新の管理情報が組み立てられ、記録装置のメモリ内に記憶される。これにより準備作業が完了する。
尚、指標情報23は、指標情報23が続けて記録されている管理情報を指し示す情報を有さないように構成してもよい。即ち、図3における場合には、ラスト管理情報21Aを指し示す情報を有さないように構成してもよい。このように構成しても、当該指標情報23が続けて記録されている管理情報(例えば、図3のラスト管理情報21A)は最新の管理情報を組み立てる管理情報であると判断すれば足りる。そして、この場合の指標情報23には、当該指標情報23が続けて記録される管理情報以外の管理情報のうち最新の管理情報を組み立てるために必要な管理情報(例えば、図3の管理情報21B、21C、21D)を指し示す情報を有していれば足りる。
続いて、ユーザが記録媒体10に対し記録データの2度目の記録をすべく、その旨の指示を入力すると、記録媒体10に対し記録データの記録が2度目の開始される。例えば、1度目の記録から2度目の記録までの間に記録媒体10の記録面に指紋等が付着した場合には、その指紋の付着が記録データの記録不全を生じる可能性がある。ベリファイ処理の結果、記録データの記録不全が判明したときには、その記録データはスペアエリアに記録される。
この結果、1度目の記録の場合と同様に、管理情報21A(即ち、ディフェクト管理情報21A)が更新される。そして、記録装置のメモリに記憶されている更新された管理情報21Aに続けて記録される指標情報23が作成される。続いて、図4に示すように、更新された管理情報21Aのみが、指標情報23と共に、記録媒体10の管理エリア14Aに追記される。
さらに、記録媒体10に対し記録データの記録が何度も行われ、記録媒体10上に新たに形成されたディフェクトにより、記録データがスペアエリアに次々に記録されると、これに伴って、管理情報21Aも更新される。また、記録媒体10に対し記録データの記録が何度も行われ、記録媒体10上における記録データの分布の様子が変化した場合には、これに伴って、管理情報21Bも更新される。この結果、図5に示すように、管理エリア14Aには、数個の管理情報21A、数個の管理情報21B及び数個の指標情報23が追記される。もちろん、このとき、他の管理情報21C、21Dが更新された場合には、当該他の管理情報21C、21Dも夫々数個記録されている。
図5において、ラスト管理情報21Bに続けて記録された指標情報23は、現段階において、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報21Aから21Dを特定するための情報、および定義情報22を特定するための情報である。具体的には、図5中の矢印が指し示す定義情報22および管理情報21C、21D、21A、21Bを特定するための情報である。次回、記録媒体10に対し記録データの記録が行われるときには、その準備処理において、ラスト管理情報21Bに続けて記録された指標情報23が参照され、図5中の矢印が指し示す定義情報22および管理情報21C、21D、21A、21Bが読み取られ、これらを用いて最新の管理情報が組み立てられる。
このように、追記型記録媒体10における管理情報の分割記録機能によれば、更新された管理情報のみを管理エリア14A、14B、14Cのいずれかに追記することとしたから、管理エリア14A、14B、14Cのサイズを小さくすることができる。したがって、データエリア11のサイズを大きくすることができる。よって、例えばディフェクト管理により記録データの記録・読取の信頼性を高めながら、或いは他の管理情報を用いて記録データの適切な管理を行いながら、記録データの記録容量を増加させることができる。
また、ラスト管理情報に続けて指標情報23を記録することにより、当該指標情報23を例えばRFサーチ等により迅速に読み取ることができる。すなわち、個々の管理エリア内における指標情報23の記録位置は、当該指標情報23が記録された部分と、それに続く未記録の部分との境界を認識することにより容易に検出できる。そして、ラスト管理情報に続けて記録された指標情報23が特定できれば、その指標情報23に基づいて、最新の管理情報を組み立てるための最小限必要な各管理情報21Aから21D等を迅速に特定できる。したがって、最新の管理情報を容易かつ迅速に読み取ることができるのである。
次に、管理情報のセットアップ機能について説明する。管理情報のセットアップ機能とは、管理情報21Aから21Dの記録に用いる管理エリアが新たな管理エリアに変更されたときに、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22(更には、指標情報23)を、新たな管理エリアのセットアップエリアに記録する機能である。図6および図7は、管理情報のセットアップ機能に従って管理情報が管理エリア14A、14B、14Cに記録されていく様子を示している。
記録媒体10に対し記録データの記録が何度も行われ、各管理情報21Aから21Dが管理エリア14Aに次々に記録されると、やがて管理エリア14Aがいっぱいになる。本実施形態では、管理エリア14Aがいっぱいになると、管理情報の記録に用いられる管理エリアは、管理エリア14Aから管理エリア14Bに変更される。このとき、図6に示すように、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22(更には、指標情報23)が、管理エリア14Bのセットアップエリア24Bに記録される。最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22は、管理エリア14Aのラスト管理情報に続けて記録された指標情報23によって特定することができる。最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22等がすでに記録装置のメモリ内に記憶されている場合には、それらが管理エリア14Bのセットアップエリア24Bに記録される。最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22が記録装置のメモリ内に記憶されていない場合には、記録装置により、指標情報23に基づいてこれらの情報が読み取られ、管理エリア14Bのセットアップエリア24Bに記録される。
同様に、管理エリア14Bがいっぱいになったときには、図7に示すように、その時点での最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22(更には、指標情報23)が、次の管理エリア14Cのセットアップエリア24Cに記録される。
このように、追記型記録媒体10における管理情報のセットアップ機能によれば、1個の管理エリア内に、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dおよび定義情報22(更には。指標情報23)が記録されるので、最新の管理情報を迅速に読み取ることができる。すなわち、最新の管理情報を組み立てるのに必要な各管理情報21Aから21D等を取得するために、1個の管理エリアをサーチすれば足り、複数の管理エリアをサーチする必要はない。したがって、ピックアップのシーク時間を短くでき、迅速な読取が可能となる。
仮に図8に示す比較例に係る追記型記録媒体のように、セットアップエリアを設けていなければ、最新の管理情報を組み立てるために最小限必要なすべての管理情報21A、21B、21C、21Dを読み取るために、複数の管理エリアをサーチする必要がある。極端に言えば、内周側に設けられた管理エリアと外周側に設けられた管理エリアとの双方をサーチする必要があり、ピックアップのシーク時間が長くなってしまう。しかるに、本実施形態に係る追記型記録媒体の如き構成を採れば、ピックアップのシーク時間を短くできるため、このような問題点を解消することができ、結果として最新の管理情報の迅速な読取ができるという大きな利点を有している。
尚、追記型記録媒体10上に設けられる管理エリアの数をn(但し、nは2以上の整数)とすると、セットアップエリアは、少なくともn−1個設けられることが好ましい。例えば、図1に示す追記型記録媒体10であれば、少なくとも2個のセットアップエリアが、例えば管理エリア14B及び14Cに設けられていれば、上述した各種利益を享受することができる。
(追記型記録媒体の実施形態の各種態様)
本発明の追記型記録媒体の実施形態の各種態様について説明する。本発明の追記型記録媒体において、管理エリアの配置は限定されない。しかし、管理エリアの配置を以下のように設定すると、追記型記録媒体と一般の書換型記録媒体との互換性をとることができる。
まず、記録媒体上に、データエリアへの記録・読取を制御する情報を記録する制御情報記録エリアがある場合には、複数の管理エリアのうちの少なくとも1個を、制御情報記録エリア内に配置してもよい。制御情報記録エリアは、例えばリードインエリアまたはリードアウトエリアである。
一般の書換型記録媒体には、制御情報記録エリアが設けられており、その中に管理エリアが設けられている。したがって、追記型記録媒体の制御情報記録エリアにも管理エリアを配置すれば、管理エリアの配置について、追記型記録媒体と一般の書換型記録媒体とで共通の構造が実現する。したがって、追記型記録媒体と一般の書換型記録媒体との互換性をとることができる。
もっとも、追記型記録媒体の場合、管理情報が更新される度に、更新された管理情報を管理エリアに追記する必要があり、書換型記録媒体のように上書きすることができない。その結果、追記型記録媒体の管理エリアは、書換型記録媒体の管理エリアよりも、サイズが大きくなる。したがって、追記型記録媒体において、すべての管理エリアを制御情報記録エリアに配置するとすれば、制御情報記録エリアを拡張しなければならない。制御情報記録エリアを拡張すると、追記型記録媒体と一般の書換型記録媒体との互換性をとることが困難ないし不可能となってしまう。そこで、管理エリアを複数設け、そのうち1個または2個を制御情報記録エリア内に配置するのが望ましい。
また、複数の管理エリアのうちの少なくとも1個を、制御情報記録エリアとデータエリアとの間に配置してもよい。
上述したように、すべての管理エリアを制御情報記録エリアに配置するとすれば、制御情報記録エリアを拡張しなければならず、追記型記録媒体と一般の書換型記録媒体との互換性をとることが困難ないし不可能となる。一方、管理エリアをデータエリア内に配置するのは好ましくない。なぜなら、記録データを記録すべき場所に当該記録データとは異なる種類の情報である管理情報を混入させると、情報管理が複雑になるからである。そこで、管理エリアを制御情報記録エリアとデータエリアとの間に配置すれば、このような不都合を解消することができる。例えば、管理エリアを複数設け、そのうちの1個または2個は制御情報記録エリア内に配置し、残りの管理エリアを制御情報記録エリアとデータエリアとの間に記録することが望ましい。
(記録装置の実施形態)
本発明の記録装置の実施形態について説明する。図9は本発明の記録装置の実施形態を示している。図9に示す記録装置50は、記録データを1度のみ記録可能であって、(i)記録データを記録するデータエリアと、(ii)記録データを管理するための複数の管理情報及び複数の管理情報のうち最新の管理情報を指し示すための指標情報の夫々を記録するための複数の管理エリアとを備える追記型記録媒体に記録データを記録する装置である。例えば、記録装置50は上述した追記型記録媒体10に記録データを記録する装置として好適である。
記録装置50は、図9に示すように、第1の記録手段51、更新手段52、検出手段53、第2の記録手段54および第3の記録手段55を備えている。
第1の記録手段51は、記録データをデータエリアに記録する手段である。第1の記録手段51は、例えば記録媒体が光ディスクである場合には、光ピックアップとそれを制御するためのコントローラ等によって実現することができる。なお、第1の記録手段の具体的なハードウェア構造は、記録媒体が採用する記録方式(光、磁気、光磁気、相変化、誘電体の分極方向または近接場光など)に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ヘッドまたはプローブでもよい。
更新手段52は、複数の管理情報のうち少なくとも1個を更新する手段である。例えば検出されたディフェクトが存在する位置、および当該ディフェクトが存在する場所に記録すべきであった記録データを記録したスペアエリア内の位置を示す情報(例えばアドレス情報)をディフェクトリストに記録することにより、ディフェクト管理情報を更新する手段である。その他の管理情報(例えば、スペースビットマップ情報やシーケンシャル記録管理情報等)についても、同様に更新することが可能である。
検出手段53は、複数の管理エリアのうち一の管理エリア(具体的には、現時点で管理情報を記録するために使用されている一の管理エリア)に、更新手段により更新される少なくとも1個の管理情報及び指標情報を記録するのに必要な空き領域があるか否かを検出する手段である。
第2の記録手段54は、更新手段52により更新された管理情報を、複数の管理エリアのうち一の管理エリアに記録する手段である。特に、検出手段53により空き領域があると検出された場合に、更新される少なくとも1個の管理情報を一の管理エリアに記録する手段である。
第3の記録手段55は、最新の管理情報及び当該最新の管理情報(具体的には、複数の管理情報のうち最新の管理情報を組み立てるために最小限必要なすべての管理情報の夫々)を指し示す指標情報を複数の管理エリアのうち他の管理エリアに記録する手段である。特に、検出手段53により空き領域がないと検出された場合に、更新される少なくとも1個の管理情報を含む最新の管理情報及び指標情報を一の管理エリアとは異なる他の管理エリア(具体的には、一の管理エリアの次に使用される他の管理エリア)に記録する手段である。
なお、第1ないし第3の記録手段51、54、55を構成するハードウェアは、それぞれ別個に複数セット設けてもよいが、通常は1セットあれば足りる。例えば、1個の光ピックアップとコントローラを設け、コントローラを制御するためのソフトウェアを各記録手段に対応して3通り設ければよい。
以下、記録装置50の動作について説明する。追記型記録媒体に記録データを記録するとき、ユーザはこの記録媒体を記録装置50に装着する。記録媒体の管理エリアに管理情報が記録されているときには、記録装置50はこれを読み取る。このとき、読み取られた管理情報を例えばメモリ等に保持するように構成してもよい。また、記録媒体がイニシャライズまたはフォーマットされていないときには、記録装置50は記録媒体をイニシャライズまたはフォーマットし、そのときに管理情報を作成し、これを記録媒体の管理エリアに記録する。このときも、この作成された管理情報を例えばメモリ等に保持するように構成してもよい。
続いて、第1の記録手段51は、記録データを記録媒体のデータエリアに記録する。記録データの記録の際にはベリファイが行われる。続いて、更新手段52は、必要に応じて、複数の管理情報のうち少なくとも1個の管理情報を更新する。例えば、記録媒体上においてディフェクトを検出した場合には、当該ディフェクトが存在する位置、および当該ディフェクトが存在する場所に記録すべきであった記録データを記録したスペアエリア内の位置を示す情報を作成し、これにより、管理情報(具体的には、上述のディフェクト管理情報21A)を更新する。或いは、例えば記録媒体に対し記録データの記録が何度も行われ、記録媒体上における記録データの分布の様子が変化した場合には、これに伴って、管理情報(具体的には、上述のスペースビットマップ情報21B)が更新される。その他の管理情報についても同様に、必要に応じて適宜更新される。
ここで、記録媒体に対し記録データの記録が何度も行われ、管理情報が1個の管理エリアに次々に記録され、やがて、その管理エリアがいっぱいになると、管理情報を記録するのに用いる管理エリアを変更しなければならない。この管理エリアを変更するか否かを判断するために、例えば第1の記録手段51による記録データの記録が終了したとき等に、検出手段53は、更新手段52により更新された少なくとも1個の管理情報及び指標情報を記録するための空き領域が一の管理エリアにあるか否かを検出する。言い換えれば、当該少なくとも1個の管理情報を記録することで、最新の管理情報及び当該最新の管理情報を指し示す指標情報(更には、上述の定義情報)を含む管理情報ブロックが2以上の複数の管理エリアに跨って記録されることになるか否かが検出される。
この検出手段53による検出結果に基づき、空き領域がある(即ち、管理情報ブロックが2以上の複数の管理エリアに跨って記録されない)と判定されたとき、第2の記録手段54は、更新手段52により更新された少なくとも1個の管理情報を一の管理エリアに記録する。
他方、空き領域がない(即ち、最新の管理情報ブロックが2以上の複数の管理エリアに跨って記録される)と判定されたとき、第3の記録手段55は、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報及び当該最新の管理情報を指し示す指標情報を含む管理情報ブロックを次の新しい管理エリア(即ち、他の管理エリア)に記録する。
以上より、記録装置50によれば、更新された管理情報のみを選択し、これを管理エリアに記録する構成としたから、管理エリアに記録する情報量を小さくすることができる。これにより、記録媒体に管理エリアを広く設ける必要がなくなり、上述したように、記録データの記録容量を増加させることができる。
また、管理情報を記録するのに用いる管理エリアを変更するときには、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報を、次に用いる管理エリアに記録する構成としたから、使用中の1個の管理エリアの中には、常に、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報が存在する。言い換えれば、複数の管理エリアに跨って最新の管理情報が記録される状態を回避することが可能となる。したがって、使用中の当該1個の管理エリアの中だけをサーチすれば、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報を読み取ることができる。よって、最新の管理情報を迅速に取得することができる。
(記録装置の実施形態の各種態様)
本発明の記録装置の実施形態の各種態様について説明する。図10は本発明の記録装置の実施形態の各種態様を示している。
図10に示す記録装置60のように、記録装置50の各構成要素に加え、取得手段61をさらに追加してもよい。取得手段61は、複数の管理エリアのいずれかに記録された複数の管理情報の中から、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報を指標情報に基づいて特定し、これら特定された複数の管理情報を読み取り、これら読み取った複数の管理情報を結合して、最新の管理情報を取得する手段である。
取得手段61によれば、例えば図5に示すように、各管理情報の更新が数度行われたことによって管理エリア内に、最新の管理情報を構成するのに必要のない管理情報が存在している場合でも、最新の管理情報を構成するのに必要な管理情報を確実に選択することができ、選択した管理情報を結合して最新の管理情報を組み立てることが可能となる。
(再生装置の実施形態)
本発明の再生装置の実施形態について説明する。図11は本発明の再生装置の実施形態を示している。図11に示す再生装置70は、記録データを1度のみ記録可能であって、(i)記録データを記録するデータエリアと、(ii)記録データを管理するための複数の管理情報及び複数の管理情報のうち最新の管理情報を指し示すための指標情報の夫々を記録するための複数の管理エリアとを備える追記型記録媒体に記録された記録データを再生する装置である。例えば、再生装置70は、上述した追記型記録媒体10に記録された記録データを再生する装置である。
再生装置70は、図11に示すように、取得手段71および再生手段72を備えている。
取得手段71は、複数の管理エリアのいずれかに記録された複数の管理情報(即ち、上述の複数の管理情報21Aから21D)の中から、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報を指標情報に基づいて特定し、これら特定された複数の管理情報を読み取り、これら読み取った複数の管理情報を結合して、最新の管理情報を組み立てる手段であり、上述した記録装置60における取得手段61と実質的に同じである。
再生手段72は、取得手段71により組み立てられた最新の管理情報に基づいて、データエリアに記録された記録データを再生する手段である。再生手段72は、例えば記録データが画像データの場合には、画像データを、ディスプレイで再生できるような画像信号に変換するデコーダ等を備えている。
以上より、再生装置70によれば、記録媒体の管理エリアに記録された複数の管理情報の中から、最新の管理情報を組み立てるのに必要な管理情報を読み取り、読み取った管理情報を用いて最新の管理情報を組み立てることができる。そして、最新の管理情報に基づいて例えばディフェクト管理等の各種データ管理を行いつつ、記録データの再生を行うことができる。したがって、記録データの再生の信頼性を高めることができる。
なお、以上のような実施形態は、専用の装置としてハードウェアと一体的に構成する形態で実現してもよいし、コンピュータにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
(記録方法の実施形態)
本発明の記録方法の実施形態について説明する。この記録方法は、記録データを1度のみ記録可能であって、(i)記録データを記録するデータエリアと、(ii)記録データを管理するための複数の管理情報及び複数の管理情報のうち最新の管理情報を指し示すための指標情報の夫々を記録するための複数の管理エリアとを備える追記型記録媒体に記録データを記録する方法である。
この記録方法は、記録データをデータエリアに記録する第1の記録工程と、複数の管理情報のうち少なくとも1個の管理情報を更新する更新工程と、複数の管理エリアのうち一の管理エリアに、更新される少なくとも1個の管理情報を記録するのに必要な空き領域があるか否かを検出する検出工程と、検出工程における検出結果に基づき、空き領域があるとき、更新される少なくとも1個の管理情報を一の管理エリアに記録する第2の記録工程と、検出工程における検出結果に基づき、空き領域がないとき、管理情報ブロックを複数の管理エリアのうち他の管理エリアに記録する第3の記録工程とを備えている。
この記録方法によれば、更新された管理情報のみを管理エリアに追記する構成としたから、管理エリアに記録する情報量を小さくすることができる。したがって、記録媒体に管理エリアを広く設ける必要がなくなり、上述したように、記録データの記録容量を増加させることができる。
また、この記録方法によれば、一の管理エリアに空き領域がないときには、次に使用する管理エリア(即ち、他の管理エリア)に、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報及び該最新の管理情報を指し示す指標情報を含む管理情報ブロックを記録する構成としたから、次に管理情報を読み取るときには、当該1個の管理エリアの中だけをサーチすれば、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報を読み取ることが可能となり、最新の管理情報を迅速に取得することが可能となる。
(再生方法の実施形態)
本発明の再生方法の実施形態について説明する。この再生方法は、記録データを1度のみ記録可能であって、(i)記録データを記録するデータエリアと、(ii)記録データを管理するための複数の管理情報及び複数の管理情報のうち最新の管理情報を指し示すための指標情報の夫々を記録するための複数の管理エリアとを備える追記型記録媒体に記録された記録データを再生する方法である。
この再生方法は、複数の管理エリアのいずれかに記録された複数の管理情報の中から、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報を指標情報に基づいて特定し、これら特定された複数の管理情報を読み取り、これら読み取った複数の管理情報を結合して、最新の管理情報を取得する取得工程と、取得工程において組み立てられた最新の管理情報に基づいて、データエリアに記録された前記記録データを再生する再生工程とを備えている。
この再生方法によれば、記録媒体の管理エリアに記録された複数の管理情報の中から、最新の管理情報を組み立てるのに必要な管理情報を読み取り、読み取った管理情報を用いて最新の管理情報を組み立てることができる。そして、最新の管理情報に基づいてディフェクト管理等の各種データ管理を行いつつ、記録データの再生を行うことができる。したがって、記録データの再生の信頼性を高めることができる。
(実施例)
(追記型記録媒体の第1実施例)
本発明の追記型記録媒体の第1実施例について説明する。第1実施例は、本発明の追記型記録媒体を1層の追記型光ディスクに適用した例である。図12は当該追記型光ディスク100の記録構造を示している。図12中の上段左側が光ディスク100の内周側であり、下段右側が光ディスク100の外周側である。
光ディスク100は、図12に示すように、ユーザデータエリア101、リードインエリア104、リードアウトエリア105および管理エリア107A、107B、107Cを備えている。
ユーザデータエリア101は、記録データを記録するための主たるエリアである。ユーザデータエリア101によりデータゾーン108が形成される。
リードインエリア104およびリードアウトエリア105は、制御情報を記録するためのエリアである。リードインエリア104は光ディスク100の最内周側に配置されている。リードアウトエリア105は光ディスク100の最外周側に配置されている。
管理エリア107A、107B、107Cは、後述する各種管理情報を記録するためのエリアである。管理エリアは、光ディスク100上に3個存在する。第1の管理エリア107Aは、リードインエリア104内に配置されている。第2の管理エリア107Bは、リードインエリア104とデータゾーン108との間に配置されている。第3の管理エリア107Cは、データゾーン108とリードアウトエリア105との間に配置されている。
管理エリア107A、107B、107Cのそれぞれには、セットアップエリア109A、109B、109Cが用意されている。管理情報を記録するために管理エリア107Aの使用が開始されるときには、その時点で最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報および設定情報(更には、指標情報)がセットアップエリア109Aに記録される。管理情報を記録するために管理エリア107Bの使用が開始されるときには、その時点で最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報および設定情報(更には、指標情報)がセットアップエリア109Bに記録される。管理情報を記録するために管理エリア107Cの使用が開始されるときには、その時点で最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報および設定情報(更には、指標情報)がセットアップエリア109Cに記録される。
以上より、光ディスク100によれば、管理エリア107Bをリードインエリア104とデータゾーン108との間に配置し、管理エリア107Cをデータゾーン108とリードアウトエリア105との間に配置したことにより、光ディスク100と一般の書換型光ディスクとの間の互換性をとりつつ、比較的大きなサイズの管理エリアを設けることができる。これにより、管理情報の更新可能回数を増加させることができる。もちろん、上述のように配置しなくとも、本実施例において説明する各種利益を享受することはできる。
また、管理エリアを、3個の管理エリア107A、107B、107Cに分割し、これらを光ディスク100上に分散させて配置したことにより、光ディスクに関する既存の記録構造を大きく変更せずに、比較的大きなサイズを有する管理エリアを設けることができる。これにより、管理情報の更新可能回数を増加させることができる。
さらに、管理エリア107A、107B、107Cのそれぞれには、セットアップエリア109A、109B、109Cを用意し、管理エリア107A、107B、107Cのそれぞれの使用が開始されるときには、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報および設定情報(更には、指標情報)をセットアップエリア109A、109B、109Cに記録することにより、光ディスク100から最新の管理情報および設定情報を迅速に読み取ることが可能となる。
(追記型記録媒体の第2実施例)
本発明の追記型記録媒体の第2実施例について説明する。第2実施例は、本発明の追記型記録媒体を2層の追記型光ディスクに適用した例である。図13は当該追記型光ディスク120の記録構造を示している。図13中の左側が光ディスク120の内周側であり、右側が光ディスク120の外周側である。
図13に示すように、光ディスク120の第1層には、ユーザデータエリア121、リードインエリア124、リードアウトエリア125および管理エリア127A、127Bが設けられている。ユーザデータエリア121によりデータゾーン128が形成される。光ディスク120の第2層には、ユーザデータエリア131および管理エリア137A、137B、137Cが設けられている。ユーザデータエリア131によりデータゾーン138が形成される。また、図示していないが光ディスク100と同様に、各管理エリア内にはセットアップエリアが用意されている。
このような構成を有する光ディスク120によっても、光ディスク100と同様の作用効果を得ることができる。
特に2層以上の複数の記録層を有する光ディスクにおいては、複数の管理エリアに跨って最新の管理情報が記録されると、当該最新の管理情報を読み取るために、読み取りの対象となる記録層を切り替える必要(即ち、層間ジャンプ処理を行う必要)があり、1層の記録層を有する光ディスク以上に最新の管理情報の読取に手間がかかる。従って、本実施例に係る光ディスクの如き構成を採れば、2層以上の複数の記録層を有する光ディスクであっても、最新の管理情報を迅速に読み取ることが可能という大きな利点を有する。
(管理情報の実施例)
本発明の追記型記録媒体における管理エリアに記録される複数種類の管理情報(或いは、各種類の管理情報中における最新の管理情報を指し示す指標情報や設定情報)の実施例について説明する。図14は光ディスク100用の管理情報を示している。
図14に示すように、管理エリアに記録される情報としては、設定情報141、複数種類の個別的な管理情報142Aないし142C及び最新の管理情報を指し示す指標情報143(例えば、TDDS:Temporary Disc Definition Structure)が含まれている。個別的な管理情報として具体的には、ディフェクト管理情報(TDFL:Temporary Defect List)142A(以降、適宜“管理情報142A”と称する)、スペースビットマップ情報(SBM:Space Bit Map information)142B(以降、適宜“管理情報142B”と称する)、及びシーケンシャル記録管理情報(SRRI:Sequential Recording Range Information)142C(以降、適宜“管理情報142C”と称する)が含まれている。もちろんその他の情報が個別的な管理情報として含まれていてもよい。設定情報141には、ユーザデータエリア101の開始アドレス、ユーザデータエリア101の終了アドレスが含まれている。或いはディフェクト管理に用いられるスペアエリアサイズおよびその他の情報が含まれていてもよい。
光ディスク100上のユーザデータエリア101の位置およびサイズは設定情報141に基づいて決まる。そして、設定情報141は、光ディスク100のイニシャライズ時に、記録再生装置によって生成され、光ディスク100に記録されてもよい。したがって、データゾーン108の位置およびサイズは、記録再生装置によって任意に設定することができる。例えば、ユーザデータエリア101の開始アドレス等を調整すれば、リードインエリア104とデータゾーン108との間にエリアを形成することができ、そのエリアを管理エリア107Bとして用いることができる。
ディフェクト管理情報142Aには、図15に示すように、ユーザデータエリア101内におけるディフェクトが存在する位置を示すアドレス(以下、これを「ディフェクトアドレス」と呼ぶ。)と、そのディフェクトが存在する場所に記録すべき記録データまたはその場所に記録された記録データのスペアエリア内における記録位置を示すアドレス(以下、これを「代替記録アドレス」と呼ぶ。)と、その他の情報とが記録される。
スペースビットマップ情報142Bには、光ディスク100上における記録データの分布の様子を示す情報が記録される。
シーケンシャル記録管理情報142Cには、光ディスク100上に設けられる記録トラック(例えば、グルーブトラックやランドトラック等)上における記録データのシーケンシャルな分布の様子を、当該記録トラック単位で示す情報が記録される。即ち、シーケンシャル記録管理情報142Cは、主として記録トラックの管理のために用いられる。
尚、各管理情報142Aないし142Cには、自らを特定するための識別子が例えばヘッダとして付されていてもよい。
指標情報143には、各管理情報142Aないし142Cの識別子の内容を示す情報が含まれている。また、指標情報143には、設定情報141を特定するための情報(例えば、識別子やアドレス値等)が含まれている。この指標情報143は、光ディスク100のイニシャライズ時に作成された管理情報のうちラスト管理情報に相当する管理情報(図14では、管理情報142C)に続けて記録されるほか、その後、更新された管理情報にも続けて記録される(図3ないし図5参照)。
これらの管理情報の更新記録について、具体的に図16参照しながら説明する。
図16(a)に示すように、例えば光ディスク100のイニシャライズ時等に作成された各管理情報142Aないし142C、設定情報141及び指標情報143が、一の管理エリア(例えば、管理エリア107A)に記録される。
続いて、光ディスク100上にディフェクトが発生することによって、管理情報142Aが更新された場合には、図16(b)に示すように、当該更新された管理情報142Aと最新の管理情報を指し示す新たな指標情報(TDDS)143が一の管理エリアに記録される。
更に、光ディスク100上に新たなディフェクトが発生することによって、管理情報142Aが更新された場合には、図16(c)に示すように、当該更新された管理情報142Aと最新の管理情報を指し示す新たな指標情報143が一の管理エリアに記録される。
続いて、記録トラック上における記録データの分布の様子が変化することによって、管理情報142Cが更新された場合には、図16(d)に示すように、当該更新された管理情報142Cと最新の管理情報を指し示す新たな指標情報143が一の管理エリアに記録される。
この動作(即ち、管理情報の分割記録動作)が繰り返され、一の管理エリアにおいて、更新された管理情報を記録するための空き領域がなくなったときには、最新の管理情報を組み立てるために最小限必要な管理情報142Aないし142C、設定情報141及び最新の管理情報を組み立てるために最小限必要な管理情報142Aないし142Cを特定する指標情報143が他の管理エリア(例えば、管理エリア107B)のセットアップエリアに記録される。即ち、管理情報のセットアップ動作が行なわれる。その後は、上に述べた分割記録動作が繰り返される。
尚、これらの管理情報142Aないし142C、設定情報141及び指標情報143の夫々は、例えば夫々の情報量が少なければ1つのECCクラスタに複数記録してもよいし、或いは夫々の情報量が多ければ数ECCクラスタに跨って記録してもよい。
以上より、本実施例に係る光ディスクによれば、管理情報142Aないし142Cをそれぞれ個別に更新記録することが可能となる。即ち、管理情報のうち管理情報142Aのみが更新された場合には、当該管理情報142Aのみをいずれかの管理エリアに記録すればよく、更新されていない管理情報142Bや142Cをいずれかの管理エリアに改めて記録する必要がない。これにより、管理エリア107A、107B、107Cに記録する情報量を少なくでき、管理エリア107A、107B、107Cのサイズを小さくすることができる。
また、ラスト管理情報に続けて指標情報143を記録することにより、指標情報143に基づいて、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての個別的な管理情報142Aないし142Cを迅速に特定し、読み取ることが可能となる。
(記録装置・再生装置の実施例)
本発明の記録装置および再生装置の実施例について説明する。図17は本発明の記録装置および再生装置の実施例を示している。図17に示す記録再生装置200は、光ディスク100に記録データを記録する記録装置としての機能と、光ディスク100に記録された記録データを再生する再生装置としての機能とを備えている。
まず、記録再生装置200の構成について説明する。記録再生装置200は、図17に示すように、ディスクドライブ300と、バックエンド400とを備えている。
図18はディスクドライブ300の内部構成を示している。ディスクドライブ300は、光ディスク100に情報を記録すると共に、光ディスク100に記録された情報を読み取る装置である。
ディスクドライブ300は、図18に示すように、スピンドルモータ351、光ピックアップ352、RFアンプ353およびサーボ回路354を備えている。
スピンドルモータ351は光ディスク100を回転させるモータである。
光ピックアップ352は、光ディスク100の記録面に対して光ビームを照射することによって記録データ等を記録面上に記録すると共に、光ビームの反射光を受け取ることによって記録面上に記録された記録データ等を読み取る装置である。光ピックアップ352は、光ビームの反射光に対応するRF信号を出力する。
RFアンプ353は、光ピックアップ352から出力されたRF信号を増幅して、そのRF信号を変調復調部355に出力する。さらに、RFアンプ353は、RF信号から、ウォブル周波数信号WF、トラックエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEを作り出し、これらを出力する。
サーボ回路354は、トラックエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEその他のサーボ制御信号に基づいて光ピックアップ352およびスピンドルモータ351の駆動を制御するサーボ制御回路である。
さらに、ディスクドライブ300は、図18に示すように、変調復調部355、バッファ356、インターフェース357および光ビーム駆動部358を備えている。
変調復調部355は、読取時において記録データに対してエラー訂正を行う機能と、記録時において記録データにエラー訂正符号を付加してこれを変調する機能とを備えた回路である。具体的には、変調復調部355は、読取時においては、RFアンプ353から出力されるRF信号を復調し、これに対してエラー訂正を行った後、これをバッファ356に出力する。さらに、変調復調部355は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるときには、その旨を示すエラー訂正不能信号を生成し、これをディフェクト検出部359に出力する。また、変調復調部355は、記録時においては、バッファ356から出力される記録データにエラー訂正符号を付加した後、これを、光ディスク100の光学的特性等に適合する符号となるように変調し、変調された記録データを光ビーム駆動部358に出力する。
バッファ356は、記録データを一時的に蓄える記憶回路である。
インターフェース357は、ディスクドライブ300とバックエンド400との間の記録データ等の入出力制御ないし通信制御を行う回路である。具体的には、インターフェース357は、再生時においては、バックエンド400からの要求命令に応じて、バッファ356から出力される記録データ(すなわち光ディスク100から読み取られた記録データ)をバックエンド400へ出力する。また、インターフェース357は、記録時においては、バックエンド400からディスクドライブ300に入力される記録データを受け取り、これをバッファ356に出力する。さらに、インターフェース357は、バックエンド400からの要求命令に応じて、管理情報作成部360に保持されている各管理情報142Aないし142C等(即ち、各管理情報142Aないし142Cや設定情報141や指標情報143等)の全部または一部をバックエンド400に出力する。
光ビーム駆動部358は、記録時において、変調復調部355から出力された記録データ等に対応する光ビーム駆動信号を生成し、これを光ピックアップ352に出力する。光ピックアップ352は、光ビーム駆動信号に基づいて光ビームを変調し、光ディスク100の記録面に照射する。これにより、記録データ等が記録面上に記録される。
さらに、ディスクドライブ300は、図18に示すように、ディフェクト検出部359および管理情報作成部360を備えている。
ディフェクト検出部359は、光ディスク100のディフェクトを検出する回路である。そして、ディフェクト検出部359は、ディフェクトの存否を示すディフェクト検出信号を生成し、これを出力する。ディフェクト検出部359は、情報の読取時(ベリファイ時または再生時)における記録データのエラー訂正の結果に基づいて、ディフェクト検出を行う。上述したように、変調復調部355は、復調されたRF信号に対してエラー訂正を行った結果、エラー訂正が不能であるときには、その旨を実質的に示すエラー訂正不能信号を生成し、これをディフェクト検出部359に出力する。ディフェクト検出部359は、このエラー訂正不能信号を受け取ったときに、ディフェクトが存在していることを示すディフェクト検出信号を出力する。
管理情報作成部360は、上述した各種管理情報142Aから142C等を作成し、または更新する回路である。例えば、ディフェクト検出部359から出力されたディフェクト検出信号に基づいて、管理情報142A(即ち、ディフェクト管理情報142A)を作成し、または更新可能に構成されており、或いは後述のCPU361の制御の下に、管理情報142B(即ち、スペースビットマップ情報142B)や管理情報142C(即ち、シーケンシャル記録管理情報142C)を作成し、または更新可能に構成されている。更に、管理情報作成部260は、上述した設定情報141や指標情報143等を作成可能に構成されていることが好ましい。管理情報142Aないし142C等は、管理情報作成部360内に設けられた記憶回路に書換可能な状態で記憶される。さらに、管理情報作成部360は、バックエンド400からの要求命令に応じて、管理情報142Aないし142C等をインタ−フェース357を介してバックエンド400に出力する。
さらに、図18に示すように、ディスクドライブ300はCPU361を有している。CPU361は、ディスクドライブ300の全体的な制御および上述したディスクドライブ300内の各要素間の情報のやり取りを制御する。さらに、CPU361は、記録データおよび各管理情報142Aないし142C等の記録動作および読取動作を制御する。さらに、CPU361は、バックエンド400から送られる制御命令ないし要求命令に応じて、ディスクドライブ300とバックエンド400との間のデータのやり取りを制御する。
次に、図19はバックエンド400の内部構成を示している。バックエンド400は、ディスクドライブ300によって光ディスク100から読み取られた記録データに対して再生処理を行うと共に、光ディスク100に記録する目的で外部から供給された記録データを受け取り、これを圧縮(エンコード)してディスクドライブ300に送り出す装置である。
バックエンド400は、ドライブ制御部471、ビデオデコーダ472、オーディオデコーダ473、ビデオエンコーダ474、オーディオエンコーダ475、システム制御部476および管理情報管理部477を備えている。
ドライブ制御部471は、ディスクドライブ300の読取処理および記録処理を制御する回路である。記録データを光ディスク100から読み取ってそれを再生する作業、および記録データを外部から受け取ってそれを光ディスク100に記録する作業は、バックエンド400とディスクドライブ300とが協働して行う。ドライブ制御部471は、ディスクドライブ300の読取処理および記録処理を制御することにより、バックエンド400とディスクドライブ300との協働を実現する。具体的には、ドライブ制御部471は、ディスクドライブ300に対して、読取、記録、バッファ356から記録データの出力、各管理情報142Aないし142C等の出力などに関する要求命令を出力する。さらに、ドライブ制御部371は、記録データおよび各管理情報142Aないし142C等その他各種情報の入力・出力を制御する入出力制御を行う。
ビデオデコーダ472およびオーディオデコーダ473は、それぞれ、ディスクドライブ300により光ディスク100から読み取られ、ドライブ制御部471を介して供給された記録データを復調し、記録データをディスプレイ、スピーカなどにより再生可能な状態に変換する回路である。
ビデオエンコーダ474およびオーディオエンコーダ475は、それぞれ、光ディスク100に記録する目的で外部から入力された映像信号、音声信号等を受け取り、これを例えばMPEG圧縮方式等により圧縮し、これを、ドライブ制御部471を介してディスクドライブ300に供給する回路である。
システム制御部476は、再生時には、ドライブ制御部471、ビデオデコーダ472、オーディオデコーダ473、管理情報管理部477を制御し、これらと協働して記録データの再生処理を行う回路である。また、記録時には、システム制御部476は、ドライブ制御部471、ビデオエンコーダ474、オーディオエンコーダ475、管理情報管理部477を制御し、これらと協働して記録データの記録処理を行う。また、システム制御部476は、再生時および記録時において、ディスクドライブ300とバックエンド400との協働を実現するために、ドライブ制御471と共に、ディスクドライブ300に対する制御(例えば各種要求命令の生成・送信、応答信号の受信など)を行う。
管理情報管理部477は、その内部に記憶回路を有しており、ディスクドライブ300の管理情報作成部360により作成・更新された管理情報142Aから142C等の全部または一部を受け取り、これを保持する機能を備えている。そして、管理情報管理部477はシステム制御部476と共に、ディフェクト管理を行ったり、或いはその他の各種データ管理を行う。
次に、記録再生装置200における初期設定処理について説明する。図20は記録再生装置200の初期設定処理を示している。記録再生装置200は、光ディスク100がドライブユニット300に装着されてから、記録データの記録または再生を行うまでの間(記録・再生の準備段階)において、初期設定処理を行う。初期設定処理は、記録データの記録または再生の準備をするための処理であり、様々な処理を含んでいるが、以下、これらの処理のうち、光ディスク100のイニシャライズ、管理情報142Aないし142C等の作成・記録および管理情報142Aないし142C等のバックエンドへの送出等について説明する。これらの処理は、主としてドライブユニット300のCPU361の制御のもとに行われる。
図20に示すように、光ディスク100がドライブユニット300に装着されると、ドライブユニット300のCPU361は、光ディスク100が未記録ディスク(ブランクディスク)であるか否かを判定する(ステップS11)。
光ディスク100が未記録ディスクであるときには(ステップS11:YES)、CPU361は、光ディスク100に対してイニシャライズ処理を行う(ステップS12)。このイニシャライズ処理において、管理情報作成部360は、管理情報142Aないし142Cを作成する(ステップS13)。なお、ここで作成される管理情報142Aは、外枠のみであり、内実はない。すなわち、ディフェクトアドレスは記録されておらず、具体的な代替記録アドレスも記録されていない。さらに、各管理情報には自らを特定するための識別子が例えばヘッダとして記録される。作成された管理情報142Aから142Cは管理情報作成部360内に記憶保持される。
尚、このとき、管理情報作成部360は、イニシャライズ処理の中で設定されたユーザデータエリア101の開始アドレスおよび終了アドレス等を取得し、設定情報141を作成することが好ましい。設定情報141にも、自らを特定するための識別子が例えばヘッダとして記録されることが好ましい。更に、管理情報作成部360は、これらの管理情報142Aないし142C及び設定情報141を指し示す指標情報143を作成することが好ましい。
続いて、管理情報作成部360は、指標情報143を作成する(ステップS14)。ここで作成される指標情報143は、後に光ディスク100上に記録される際に、ラスト管理情報(具体的には、例えば図14に示すように管理情報142C)に続けて記録される。
続いて、CPU361は、管理情報作成部360内に記憶された管理情報142Aないし142C等をバックエンド400に送る(ステップS15)。管理情報142Aないし142C等はバックエンド400の管理情報管理部477に記憶される。
続いて、CPU361は、管理情報作成部360内に記憶された管理情報142Aないし142C等を光ディスク100の管理エリア107Aに記録する(ステップS16)。
一方、光ディスク100が未記録ディスクでない場合には(ステップS11:NO)、続いてCPU361は、最新の管理情報を光ディスク100の管理エリア107A、107B、107Cのいずれかから読み取る(ステップS18)。
すなわち、光ディスク100が未記録ディスクでない場合には、すでに過去に作成された管理情報142Aないし142C等、すなわち1個または数個の設定情報141、数個の管理情報142Aないし142Cが管理エリア107A、107B、107Cの一部または全部に記録されている。そこで、CPU361は、まず、管理情報を記録するために現在使用されている1個の管理エリアを選択し、その管理エリア内に最後に記録されている指標情報143を特定する。次に、CPU361は、当該特定された指標情報143を参照し、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要な管理情報142Aから142Cおよび設定情報141を特定する。続いて、CPU361は、これら最新の管理情報および設定情報141を読み取る。
続いて、CPU361は、これら最新の管理情報および設定情報141を管理情報作成部360に記憶し、かつ、これをバックエンド400に送る(ステップS19)。バックエンド400において、最新の管理情報等は管理情報管理部477に記憶される。
以上の初期設定処理により、最新の管理情報がディスクドライブ300の管理情報作成部360に記憶され、かつ、バックエンド400の管理情報管理部477に記憶される。これにより、管理情報作成部360において、最新の管理情報の更新処理の準備が完了する。一方、管理情報管理部477において、各種データ管理の準備が完了する。
次に、記録再生装置200の記録処理について説明する。図21は主に記録再生装置200の記録処理を示している。記録再生装置200は、記録データを光ディスク100のユーザデータエリア101に記録する記録処理を行う。記録再生装置200は、記録処理の中でベリファイ処理を行い、このベリファイ処理の結果に基づいて管理情報142Aを更新したり、或いはその他の管理情報142Bや142C等)を更新する。記録処理は、ドライブユニット300のCPU361とバックエンド400のシステム制御部476の協働によって実現する。
図21に示すように、ユーザが記録開始の指示を入力すると(ステップS33:YES)、これに応じて、記録再生装置200は記録データを記録する(ステップS34)。記録データの記録は所定のブロックごとに行われる。
記録再生装置200は、1ブロックの記録を行う度に、ベリファイを行い(ステップS35)、ベリファイの結果に基づいて、管理情報作成部360内に記憶された管理情報142Aを更新するか否かを判定する。或いは、その他の管理情報142Bや142Cを更新するか否かを判定する(ステップS36)。
具体的には、ベリファイの結果、記録データの記録に失敗したことを認識したときには、CPU361は、当該記録に失敗した記録データをスペアエリアに記録する。続いて、CPU361は、当該記録データの記録すべきであった場所にディフェクトが存在すると推測し、その場所を示すディフェクトアドレスとそれに対応する代替記録アドレスを管理情報142Aに記録する。或いは、記録動作を行なうことで、光ディスク100上における記録データの分布の様子が変化していると判定されれば、CPU361は、当該記録データの分布の様子を反映した管理情報142Bに更新する。或いは、記録動作を行なうことで、光ディスク100に設けられている記録トラック上における記録データの分布の様子が変化していると判定されれば、CPU361は、当該記録データの分布の様子を反映した管理情報142Cに更新する。
尚、必ずしも1ブロックの記録を行なう毎にベリファイ処理を行わなくとも、例えば数ブロックの記録を行なう毎にベリファイ処理を行うように構成してもよいし、或いは例えば一定時間毎にベリファイ処理を行なうように構成してもよい。また、管理情報142Bや管理情報142Cの更新処理は、必ずしもベリファイ処理と共に行わなくとも、記録動作中に適宜行われるように構成してもよい。
今回記録すべき記録データの一連のブロックについて上記ステップS34ないしS38の処理が終了したとき(ステップS39:YES)、続いて、CPU361は、図22に示すように、管理情報142Aから142C等を記録するために現在使用されている1個の管理エリア内に、更新された管理情報142Aないし142C及び当該更新された管理情報142Aないし142Cを含む最新の管理情報及び設定情報141を指し示す指標情報143を記録するための空き領域があるか否かを調べる(ステップS41)。
現在使用されている1個の管理エリア内に空き領域があるときには(ステップS41:YES)、CPU361は、最新の管理情報及び設定情報141を指し示す指標情報143を作成し(ステップS42)、当該更新された管理情報142Aないし142Cを、現在使用されている1個の管理エリアに追記する(ステップS43)。このとき、指標情報143は、更新された各管理情報142Aないし142Cの少なくとも1つに続けて、現在使用されている1個の管理エリアに追記される。
一方、現在使用されている1個の管理エリア内に空き領域がないときには(ステップS41:NO)、CPU361は、光ディスク100上に未使用の管理エリアがあるか否かを調べる(ステップS44)。
光ディスク10上に未使用の管理エリアが存在するときには(ステップS44:YES)、CPU361は、その未使用の管理エリアを、次に使用すべき1個の管理エリアに指定する。なお、光ディスク100上に未使用の管理エリアが複数ある場合には、CPU361は、それらのうちの1個を、次に使用すべき1個の管理エリアに指定する。そして、CPU361は、最新の管理情報を、指定した1個の管理エリアのセットアップエリアに記録する(ステップS45)。具体的には、最新の管理情報は、管理情報作成部360内に記憶されているので、CPU361は、管理情報作成部360内に記憶されている各管理情報142Aないし142C、設定情報141、並びにこれらの管理情報142Aないし142C及び設定情報141を指し示す指標情報143からなる1セットの管理情報ブロック140を、次に使用すべき1個の管理エリアのセットアップエリアに記録する(図6および図7参照)。
一方、光ディスク10上に未使用の管理エリアが存在しないときには(ステップS44:NO)、CPU361は、記録再生装置200の表示パネルにエラーメッセージを表示するなどのエラー処理を行う(ステップS46)。以上で、記録処理は完了する。
次に、記録再生装置200におけるファイナライズ処理について説明する。図23はファイナライズ処理を示している。例えばユーザがファイナライズ処理を行う旨の指示を入力すると(図21中のステップS31:YES)、記録再生装置200は、光ディスクがファイナライズ済みでないことを確認した上で(ステップS51:YES)、その光ディスク100に対してファイナライズ処理を行う(ステップS52)。ファイナライズ処理の際に、記録再生装置200は、管理情報作成部360内に記憶された管理情報142Aを光ディスク100の図示しない確定的ディフェクト管理エリアに記録することが好ましい。以上で、ファイナライズ処理は完了する。
次に、記録再生装置200の再生処理について説明する。図24は記録再生装置200の再生処理を示している。
ユーザが再生開始の指示を入力すると(図21中のステップS32:YES)、記録再生装置200は、光ディスク100が未記録ディスクでないことを確認した上で(ステップS61:NO)、光ディスク100のユーザデータエリア101に記録された記録データを再生する(ステップS62)。記録再生装置200は、バックエンド400の管理情報管理477に記憶された最新の管理情報に基づいて各種データ管理(例えば、ディフェクト管理等)を行いながら、記録データの再生を行う。
以上より、記録再生装置200によれば、更新された管理情報のみを選択し、これを管理エリアに記録する構成としたから、管理エリアに記録する情報量を小さくすることができる。これにより、記録媒体に管理エリアを広く設ける必要がなくなり、記録データの記録容量を増加させることができる。
また、管理情報142Aないし142C等を記録するのに用いる管理エリアを変更するときには、設定情報141、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報142Aないし142C及び指標情報143を、次に使用すべき管理エリア(特に、そのセットアップエリア)に記録する構成としたから、使用中の1個の管理エリアの中には、常に、設定情報141、最新の管理情報を組み立てるのに最小限必要なすべての管理情報142Aないし142C及び指標情報143が存在する。したがって、次回、最新の管理情報および設定情報141を読み取るときには、当該1個の管理エリアの中だけをサーチすれば、最新の管理情報を構成する管理情報142Aないし142Cおよび設定情報141を読み取ることができる。よって、最新の管理情報を迅速に取得することができる。
なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う追記型記録媒体、記録装置、記録方法、再生装置および再生方法並びに記録装置および再生装置を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。