JP2004309823A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネルに入力するクロック信号の位相を外部で調整可能とした表示装置の検査工程を合理化する。
【解決手段】水平駆動回路17は、外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチを順に駆動し、もって選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。フィードバック回路50は、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出し、遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル33内部から外部にフィードバックする。フィードバック回路50の動作を診断するための検査回路90をパネル33に内蔵している。
【選択図】 図1
【解決手段】水平駆動回路17は、外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチを順に駆動し、もって選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。フィードバック回路50は、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出し、遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル33内部から外部にフィードバックする。フィードバック回路50の動作を診断するための検査回路90をパネル33に内蔵している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は点順次駆動方式のアクティブマトリクス型表示装置に関する。詳しくは、映像信号のサンプリング用パルスの経時的な遅延を検出し補償する為のフィードバック回路をパネルに搭載した表示装置に関する。更に詳しくは、フィードバック回路が正常に動作しているか否かを診断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−005377号公報
【特許文献2】特開平11−119746号公報
【特許文献3】特開2000−298459公報
【特許文献4】特開2002−072987公報
【0003】
図23は、従来の表示装置の典型的な構成を示すブロック図である。図示する様に、従来の表示装置は画素アレイ部15、垂直駆動回路16及び水平駆動回路17などを集積的に形成したパネル33で構成されている。画素アレイ部15は、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12及び両者が交差する部分に行列状に配された画素11とで構成されている。垂直駆動回路16は左右に分かれて配されており、ゲートライン13の両端に接続して、順次画素11の行を選択する。水平駆動回路17は信号ライン12に接続するとともに所定の周期のクロック信号に基づいて動作し、選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。従来の表示装置は更に外部のクロック生成回路(図示省略)18を備えており、水平駆動回路17の動作基準となるクロック信号HCK,HCKXと、これらのクロック信号HCK,HCKXに対して周期が同じで且つデューティ比が小さいクロック信号DCK1,DCK2を生成する。尚、HCKXはHCKの反転信号である。又、本明細書では特に明示しないが、必要に応じクロック信号DCK1,DCK2の反転信号DCK1X,DCK2Xも供給される。外部クロック生成回路は、これらのクロック信号に加え、水平スタートパルスHSTもパネル33側に供給する。尚、各信号ライン12にはプリチャージ回路20が接続しており、映像信号の書き込みに先立ってプリチャージを行い、画質を改善する。
【0004】
図23に示した従来の表示装置は、フィードバック回路50を備えており、水平駆動回路17に接続されている。水平駆動回路17は映像信号を画素11に書き込む為に順次サンプリングパルスを発生している。このサンプリングパルスの位相は必ずしも安定しておらず、経時的に変化する傾向がある。フィードバック回路50は、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出し、遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、ゴーストフィードバック端子60を介しパネル内部から外部にフィードバックする。従来の表示装置は、フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネル33に入力するクロック信号の位相を外部で調整可能としている。
【0005】
図24は、図23に示した表示装置の構成例を示すブロック図である。但し、フィードバック回路の部分は除いてある。図示する様に、表示装置は、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素11及び映像信号を供給する映像ライン25を有するパネルで構成されている。表示装置は、上述したパネルに加え垂直駆動回路16、水平駆動回路17及びクロック生成回路18を含んでいる。典型的には、垂直駆動回路16及び水平駆動回路17はパネルに内蔵されている。又、パネルにはサンプリングスイッチ群23も形成されている。サンプリングスイッチ群23の各スイッチ(HSW)は各信号ライン12に対応して配されており、映像ライン25を各信号ライン12に接続する役割を果たす。
【0006】
垂直駆動回路16は各ゲートライン13に接続し、順次行単位で画素11を選択する。水平駆動回路17は所定の周期のクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスA’,B’,C’,D’・・・を順次発生して各スイッチHSWを順に駆動し、以って選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。
【0007】
クロック生成回路18は、水平駆動回路17の動作基準となるクロック信号HCKを生成するとともに、このクロック信号HCKに対してパルス幅が短いクロック信号DCK1,DCK2を生成する。一方、水平駆動回路17は、シフトレジスタ21と抜取スイッチ群22とで構成されている。尚、シフトレジスタ21の各段をS/Rで表わしてある。シフトレジスタ21は、クロック信号HCKに同期して水平スタートパルスHSTのシフト動作を行い、各シフト段S/RからシフトパルスA,B,C,D・・・を順次出力する。抜取スイッチ群22の各スイッチは、シフトレジスタ21から順次出力されるシフトパルスA,B,C,D・・・に応答してクロック信号DCK1,DCK2を抜き取り、前述したサンプリングパルスA’,B’,C’,D’・・・を順次生成する。
【0008】
図25を参照して、図24に示した表示装置の動作を簡潔に説明する。水平駆動回路17はクロック信号HCK(以下、HCKパルスと呼ぶ場合がある)及びその反転信号HCKXに応じて動作し、スタートパルスHSTを順次転送することで、シフトパルスA,B,Cを生成している。クロック生成回路18はHCKパルスの他、クロック信号DCK1,DCK2(以下、DCKパルスと呼ぶ場合がある)を水平駆動回路17に供給している。図25のタイミングチャートから明らかな様に、DCKパルスはHCKパルスと同一の周期を有するが、パルス幅が小さくなっている。又、DCK1とDCK2は互いに位相が180度ずれている。
【0009】
水平駆動回路17は各シフトパルスA,B,Cで抜取スイッチ群22を開閉駆動し、DCKパルスを抜き取っている。これにより、サンプリングパルスA’,B’,C’を生成している。具体的には、DCK1のパルスをシフトパルスAで抜き取ることにより、サンプリングパルスA’を生成している。同様に、DCK2のパルスをシフトパルスBで抜き取ることにより、サンプリングパルスB’を得ている。この様なクロックドライブ方式を導入することで、隣り合うサンプリングパルス同士が互いにノンオーバーラップとなる様にしている。すなわち、サンプリングパルスA’とB’は時間的に隔てられており、互いに重なることはない。同様に、サンプリングパルスB’とC’も互いに時間的に隔てられており、重なることがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に、水平駆動回路は映像信号を順次画素に書き込む為、ノンオーバーラップのサンプリングパルスを順次出力する。しかしながら、パネルは長時間連続駆動すると薄膜トランジスタ(TFT)のホットキャリアによるVthシフトが起こり、サンプリングパルスは経時的に遅延する傾向にある。これに対し、映像信号はTFTなどで構成された回路を通らない為遅延が生じない。サンプリングパルスの遅延を放置すると、当該段の信号ラインにサンプルホールドすべき映像信号を、前段の信号ラインにサンプルホールドしてしまう。これにより、映像欠陥の一種であるゴーストが発生する。
【0011】
このゴーストを抑制する為、図23に示した従来の表示装置はフィードバック回路50を備えている。フィードバック回路50は定期的にサンプリングパルスの遅延を検出し、遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル内部から外部にフィードバックする。従来の表示装置は、フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネルに入力するクロック信号の位相を外部で調整する。これにより、ゴーストを防ぐことができる。
【0012】
しかしながら、フィードバック回路自体に不具合が生じた場合には、サンプリングパルスの遅延を補償してゴーストを取り除くことができなくなる。フィードバック回路が正常に動作しない場合、逆に誤動作の原因になったり、画質が悪化する恐れもある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の技術の課題を解決するために以下の手段を講じた。即ち、行状のゲートライン、列状の信号ライン、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素、及び映像信号を供給する映像ラインを有するパネルと、外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、行状の該ゲートラインを介して順次画素の行を選択するパネル内の垂直駆動回路と、列状の該信号ラインを該映像ラインに接続するためパネル内に配された複数のサンプリングスイッチと、外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチを順に駆動し、もって選択された行の画素に順次映像信号を書き込むパネル内の水平駆動回路と、経時的に変化する該サンプリングパルスの遅延量を検出し、該遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル内部から外部にフィードバックするフィードバック回路とからなり、該フィードバックパルスに基づき、該サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、該パネルに入力するクロック信号の位相を外部で調整可能とした表示装置であって、該フィードバック回路の動作を診断するための検査回路を該パネルに内蔵させたことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記パネルは、外部から入力されるクロック信号をレベル変換して該垂直駆動回路及び水平駆動回路に供給するレベルシフタを内蔵しており、
前記検査回路は、該レベルシフタの診断と該フィードバック回路の診断を切り替え可能であり、診断結果を共通の出力端子に出力する。又、前記検査回路は、該フィードバック回路の診断と同時に該垂直駆動回路及び水平駆動回路の診断を行い、診断結果を一つに合成された信号波形として出力する。
【0015】
本発明によれば、フィードバック回路の動作を確認する検査回路をパネルに組み込んでいる。好ましくは、既存のパネル内部動作確認回路にこのゴーストフィードバック検査回路を組み込んでいる。これにより、新たに検査工程を増やすことなく、現状のパネル検査工程にてゴーストフィードバック回路の動作確認を行うことができる。ゴーストフィードバック回路を搭載したパネルを製造する場合、本発明によってパネル出荷前にゴーストフィードバック部分の回路が正常に動作しているか否かを検査することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る表示装置の実施形態を示すブロック図である。図示する様に、本表示装置は一枚のパネル33で構成されている。パネル33には、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12、両ライン13,12が交差する部分に行列状に配された画素11、及び映像信号を供給する映像ラインが配されている。尚、図示を簡略化する為、映像ラインは省略してある。ゲートライン13、信号ライン12及び画素11は、中央の画素アレイ部15に集積形成されている。その周辺に垂直駆動回路16及び水平駆動回路17が配されている。図示しないが、水平駆動回路17のブロックの中に、複数のサンプリングスイッチが含まれている。垂直駆動回路16は外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、行状のゲートライン13を介して、順次画素11の行を選択する。本実施形態では、垂直駆動回路16はパネル33内で画素アレイ部15の左右両側に分かれて一対配されている。但し、本発明はこれに限られるものではなく、ゲートライン13の片側のみに垂直駆動回路16を接続する様にしてもよい。複数のサンプリングスイッチは、列状の信号ライン12を映像ラインに接続する為パネル33内に配されている。図示を簡略化する為、映像ライン及び複数のサンプリングスイッチは水平駆動回路17のブロック内に収めてある。水平駆動回路17は、外部から入力されるクロック信号HCK,HCKX,DCK1,DCK2に基づいて動作し、同じく外部から入力される水平スタートパルスHSTを順次転送することでサンプリングパルスを発生し、前述したサンプリングスイッチを順に駆動する。これにより選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。尚本実施形態では各信号ライン12の一端にプリチャージ回路20が接続されている。プリチャージ回路20は水平駆動回路17により映像信号を画素11に書き込む前、あらかじめ信号ライン12をプリチャージして、表示される映像のユニフォーミティを改善している。但し、本発明はこのプリチャージ回路20を必須の構成要素とするものではない。又、本表示装置は外部から入力される切換信号RGTに応じて画面表示を左右反転可能である。
【0017】
本表示装置は更にフィードバック(FB)回路50と検査回路80を備えている。フィードバック回路50は水平駆動回路17に接続されており、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出し、該遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、ゴーストフィードバック端子60を介しパネル33内部から外部にフィードバックする。本表示装置は、フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネル33に入力するクロック信号DCK1,DCK2の位相を外部で調整可能としている。検査回路80は、パネル33の製造段階もしくは出荷段階でフィードバック回路50の動作を診断する為、パネル33に内蔵されている。
【0018】
場合によっては、本表示装置はレベルシフタを内蔵する場合もある。このレベルシフタは外部から入力されるクロック信号HCK,HCKX,DCK1,DCK2などをレベル変換して水平駆動回路17に入力する。垂直駆動回路16用のレベルシフタも内蔵されている場合がある。この様な場合、検査回路80は、レベルシフタの診断とフィードバック回路50の診断を切り替え可能とすることができ、診断結果を共通の出力端子であるパネル内部動作確認端子99に出力する様にしてもよい。尚、レベルシフタ診断用の検査回路は、既存の構成が知られている。場合により、検査回路80は、フィードバック回路50の診断と同時に垂直駆動回路16及び水平駆動回路17の診断を行い、診断結果を一つに合成された信号波形として出力する。
【0019】
図2は、検査回路80の構成例を示す模式図である。この検査回路80は既存の構成に、フィードバック回路50の診断機能を組み込んだものである。この検査回路は外部からの切替電位入力によって、レベルシフタ側のチェックと水平駆動回路及び垂直駆動回路(スキャナ)側のチェックを切り替えることができる様になっている。図示する様に、スキャナチェック側は3入力1出力のナンドゲート素子NAND1で構成されている。一方、レベルシフタチェック側は3個のインバータIV1,IV2,IV3と3個のナンドゲート素子NAND2,NAND3,NAND4で構成されている。スキャナチェック側では、FB回路50の診断用出力FBout、水平駆動回路17の診断用出力Hout及び垂直駆動回路16の診断用出力VLout,VRoutが、NAND1に入力されている。NAND1はこれら3つの診断用信号を合成して出力する。尚、VLout,VRoutは左右Vスキャナ選択回路によって何れか一方が選択される。レベルシフタチェック側は、パネル内部のレベルシフタチェック回路から出力された信号がNAND3に入力される。切替電位によりレベルシフタチェックが選択されている場合には、NAND3の出力がNAND4,IV2,IV3を介してパネル内部動作確認端子99に出力される。一方切替電位によりスキャナチェック側が選択されている場合には、NAND1の出力がNAND2を介してNAND4側に伝達される。本発明によれば、ゴーストフィードバック機能を搭載したパネルにおいて、パネル出荷前にゴーストフィードバック部分の回路が正常に動作しているか否か検査を行うことができる。その場合、現状のパネル内部回路動作確認検査工程をそのまま用いることができ、検査工程を増やす必要がない。図2に示した構成は切替電位によりスキャナ動作確認とレベルシフタ動作確認が行える。本実施形態ではスキャナ動作確認時にゴーストフィードバック回路の確認を合わせて行っている。
【0020】
図3は、図2に示した検査回路80に入力される信号波形及び検査回路80から出力される信号波形を表わしたものである。特に、スキャナチェックが選択されている場合の出力波形を表わしている。Voutは垂直走査回路の診断用入力波形である。一フィールド(1F)期間に一回垂直スタートパルスVSTの二倍幅の負極性パルスを含む。水平駆動回路の診断用入力波形Houtは、一水平期間(1H)に一回水平スタートパルスHSTの二倍幅の負極性パルスを含んでいる。尚、実際にはVoutとHoutでは時間軸のレンジが合わないが、図3では簡易的に各レンジを合わせ同一時間軸内で示している。図示する様に、Voutは1F周期に一回、Houtは1H周期に一回それぞれパルスを出す回路構成となっており、これにより転送スキャナチェックを行っている。本検査回路は、上述したVout及びHoutに加え、フィードバック回路側から診断用出力FBoutを受け入れている。このFBoutも、Houtと同様に1H周期で一回パルスが発生する波形となっている。本検査回路は、Vout,Hout及びFBoutを合成した出力波形を、パネル内部動作確認端子99に出力する。この合成波形を外部で確認することにより、水平駆動回路及び垂直駆動回路のスキャナチェックと同時に、ゴーストフィードバック回路が正常に動作しているか否かを診断することができる。
【0021】
図4は、図1に示した表示装置の具体的な構成例を示す回路図である。但し、検査回路及び垂直駆動回路の部分は除いてある。図示する様に、本表示装置は、一枚のパネルで構成されており、画素アレイ部15、垂直駆動回路(図示省略)、水平駆動回路17、水平サンプリングスイッチ23、フィードバック回路50などを内蔵している。画素アレイ部15は、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素11などで構成されている。本実施形態の場合、画素11は液晶セルLCと薄膜トランジスタTFTとで構成されている。液晶セルLCは対向電極と画素電極との間に液晶を挟持した構成となっている。薄膜トランジスタTFTのドレイン電極は画素電極に接続し、ソース電極は信号ライン12に接続し、ゲート電極はゲートライン13に接続している。垂直駆動回路は、行状のゲートライン13に接続して順次画素11の行を選択する。具体的には、順次選択パルスを出力して薄膜トランジスタTFTを導通させ、以って液晶セルLCと信号ライン12を電気的に接続することで、画素11の選択を行っている。複数のサンプリングスイッチ(HSW)23は、列状の信号ライン12を映像ライン25に接続する為、パネル内に配されている。尚映像ライン25は、映像信号videoを外部からパネル内部に供給する配線である。水平駆動回路17は、外部から入力されるクロック信号HCK,HCKXに基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチHSWを順に駆動し、以って選択された行の画素11に順次映像信号videoを書き込む。フィードバック回路50は、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出する為、該遅延量を反映したフィードバックパルスFBを生成して、端子(PAD)60を介しパネル内部から外部のゴースト補正IC70にフィードバックする。外部のゴースト補正IC70は、フィードバックパルスFBに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネルに入力するクロック信号DCK1,DCK2の位相を外部で調整する。
【0022】
水平駆動回路17は、シフト段(S/R)を多段接続したシフトレジスタ21と、抜取スイッチ群22とで構成されている。シフトレジスタ21は、外部からスタートパルスHSTとクロック信号HCK,HCKXを受け入れ、スタートパルスHSTのシフト動作を行い、各シフト段(S/R)からシフトパルス▲1▼〜▲3▼を順次出力する。抜取スイッチ群22は、シフトレジスタ21から順次出力されるシフトパルス(転送パルス)に応答してクロック信号DCK1又はDCK2を抜き取ってサンプリングパルス▲1▼〜▲3▼を順次生成する。尚、このサンプリングパルスは位相調整回路(PAC)29を介して各サンプリングスイッチHSWに印加される。PACは、各抜取スイッチ群22で抜き取られたクロック信号DCK1,DCK2の位相調整を行うものである。DCK1とDCK2は基本的に位相が互いに180度シフトしたクロック信号となっている。PACはDCK1とDCK2の間に生じる可能性のある誤差を吸収している。
【0023】
シフトレジスタ21は左右反転機能付であり、外部から供給される切替信号RGTに応じてスタートパルスHSTを順方向に転送する順転送と逆方向に転送する逆転送を切替可能である。これに対応して、フィードバック回路50は順転送と逆転送とで、それぞれ別系統のフィードバック回路構成となっている。すなわち、順転送に対応してS/Rと同一構成の処理回路51−1と、同じく水平駆動回路側の抜取スイッチ22と同一構成の抜取スイッチ52−1を設けている。これとは別に逆転送側でも処理回路51−2と抜取スイッチ52−2を設けている。両系統から出力されたパルスはPAC59を介してスイッチ53のゲートを叩く。スイッチ53は配線27から接地電位をサンプリングしてフィードバックパルスFBを生成する。スイッチ53により最終的に形成されたフィードバックパルスFBはPAD60に送られる。
【0024】
このゴーストフィードバック機能により、通常30nsec程度必要としていたサンプリングパルスのノンオーバーラップ時間は、ゴーストフィードバック機能が作用する程度のノンオーバーラップ時間である15nsec程度にすることができる。これは、ICのマスタークロック(MCK)の1ドットクロック分に相当する。フィードバック機能をパネルに搭載することで、サンプリングパルス幅も従来に比べ15nsec程度広くすることができる。これにより、ゴーストの改善に加え、サンプリングパルス周期で現われる縦筋状の画像欠陥の改善も行える。
【0025】
図5は、順転送時における表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。順転送時切替信号RGTはそのレベルがHIGHに設定されている。これによりHSTとHCKの位相関係があらかじめ決められる。尚、HCKとHCKXは位相が180度シフトしている。HCKの周期はHSTのパルス幅と一致している。一方DCK1はHCKと同一周期であるがパルス幅は狭くなっている。DCK2はDCK1に対して位相が180度ずれている。水平駆動回路のシフトレジスタは、HCK及びHCKXに応じて動作しHSTを順次転送してシフトパルス(転送パルス)▲1▼,▲2▼,▲3▼を順次出力する。水平駆動回路側で一番目の抜取スイッチは転送パルス▲1▼に応答してDCK2を抜き取りサンプリングパルス▲1▼を生成する。同様に二番目の抜取スイッチは転送パルス▲2▼に応じてDCK1を抜き取りサンプリングパルス▲2▼を生成する。更に三番目の抜取スイッチは転送パルス▲3▼に応じてDCK2を抜き取りサンプリングパルス▲3▼を生成する。この様にして順次サンプリングパルス▲1▼▲2▼▲3▼を出力する。
【0026】
一方フィードバック回路側ではRGT=HIGHの時、フィードバック回路50の抜取スイッチ52−1は、処理回路51−1を通過したHSTに応じてHCKを抜き取り、FBパルスを出力する。尚、図5に示したFBパルスはパッド60から出力される最終波形ではなく、スイッチ53のゲートに印加される中間波形を表わしている。
【0027】
図6は、逆転送時の動作説明に供するタイミングチャートである。図5と対応する部分には対応する参照符号を付して理解を容易にしている。逆転送時切替信号RGTはLOWに設定される。これに応じHSTとHCKの位相関係があらかじめ設定される。図5と図6を比較すれば明らかな様に、HSTに対するHCKの位相関係が逆転している。これに応じ、フィードバック回路50は順転送と逆転送とで、それぞれ別系統のフィードバック回路構成となっている。すなわち、RGT=LOWの時、フィードバック回路50の抜取スイッチ52−2は、処理回路51−2を通過したHSTに応じてHCKXを抜き取り、FBパルスを出力する。順転送に対応して処理回路51−1と抜取スイッチ52−1を設けている。これとは別に逆転送側でも処理回路51−2と抜取回路52−2を設けている。別系統とすることで、順転送時と逆転送時の何れもFBパルスの出力タイミングが一致する。
【0028】
図7は、フィードバック回路と水平駆動回路とで信号の流れを比較した模式図である。右側のフィードバック回路は左側の水平駆動回路の動作をモニタして、経時的なサンプリングタイミングの遅延を検出するものである。この為、基本的にフィードバック回路のモニタ部分は、水平駆動回路と同一の回路構成とする必要がある。水平駆動回路側は、シフトレジスタ21でHSTを転送し、抜取スイッチ22でDCK1,DCK2を抜き取りサンプリングパルスとしている。サンプリングパルスはPAC29を介してHSW23を開閉駆動し、映像信号を信号ラインにサンプリングする。これと対応する様に、フィードバック回路側では処理回路51を通過したHSTに応じ、抜取スイッチ52がHCK,HCKXを抜き取る。抜き取られたパルスはPAC59を介し抜取スイッチ53のゲートを叩くことで、FBパルスを出力している。ここで、シフトレジスタ21及びDCK1,DCK2抜き回路22と処理回路51及びHCK,HCKX抜き回路52は同一の回路構成とする必要がある。又PAC29とPAC59も同じ回路構成とする必要がある。HSW23とHSW53もそれぞれの仕様に合ったトランジスタサイズとする必要がある。
【0029】
図8は、垂直駆動回路側の一段分に相当する具体的な回路構成を示す回路図である。前段から転送されてきたスタートパルスは当該段に入力され、HCK,HCKXにより次段に転送される。当該段のシフトレジスタ段(S/R)21は、図示する様にHCK,HCKXによってクロックドライブされるフリップフロップ構成となっている。又シフト段(S/R)21に接続された抜取スイッチ22はトランスミッションゲートで構成されている。この例では、スタートパルスがインバータ1、インバータ2、インバータ3及びインバータ4を通過し、トランスミッションゲート5のゲートを叩いている。これにより導通したトランスミッションゲート22がDCKを抜き取る。抜き取られたDCKはPACに送られる。
【0030】
フィードバック回路の構成は、図8に示した水平駆動回路側の構成を模擬し且つ各回路要素のトランジスタサイズを水平駆動回路側と同じにすることが、特性を合わせる上で重要となる。図9は、この様に対応付けされたフィードバック回路の実施例を示す回路図である。対応関係を明確にする為、図8と図9で同一構成の回路要素には同一の参照符号を付してある。順転送側でS/Rと同一構成の処理回路51−1とトランスミッションゲート5からなるCLK抜き回路(抜取スイッチ)52−1が設けてある。これと対称的な関係で逆転送側の処理回路51−2とCLK抜き回路52−2が設けられている。処理回路51−1,51−2はインバータ1,2,3及び4からなり、水平駆動回路側のシフト段(S/R)と等価である。更にCLK抜き回路(抜取スイッチ)52−1,52−2はトランスミッションゲート5で構成され、水平駆動回路側の抜取スイッチ22と同一である。CLK抜き回路52−1,52−2で抜き取られたHCK又はHCKXはPAC59を通過する。尚、CLK抜き回路52−1、52−2の出力端子には出力電位の不確定性を防止する為に不確定防止回路56が接続されている。
【0031】
図10は、ゴーストフィードバック回路の内、特にフィードバックパルスFBから診断用出力FBoutを形成する回路部分を示している。図4に示した様に、フィードバック回路の本体部分50から出力されたパルスはPAC59を介しスイッチ53を叩く。これによりパネル内部の接地電位がサンプリングされ、FBパルスとして外部に出力される。図10の例では、スイッチ53がTG1で構成されている。PACから出力されたパルスはIV5,IV6を介してTG1の両ゲートに印加され、これによりTG1を導通させてFBパルスを形成している。TG1の入力側はパネル内部の接地電位に接続されている。
【0032】
本実施例では、IV5から出力されたPch側のサンプリングパルス及びIV6から出力されたNch側サンプリングパルスを選択してFBoutとしている。この為に、TG2,TG3,TR1,TR2,IV7,NAND5,IV8,IV9を結線した回路構成としている。本実施例は、RGT=HIGH,LOWによりサンプリングパルスのNch側、Pch側どちらのパルスも同一タイミングで1Hに一回LOWのパルスがFBoutとして出力する回路構成となっている。
【0033】
図11は、図10に示したフィードバック回路の診断用出力形成部分の他の実施例を示す回路図である。理解を容易にする為、図10に示した先の実施例と対応する部分には対応する参照符号を用いている。異なる点は、出力段のNAND5に代え、ノアゲート素子NORを用いていることである。この関係で、周囲の回路要素の結線関係も多少変更してある。
【0034】
図12は、既存のパネル内蔵検査回路を示す参考図である。理解を容易にする為、図2に示した本発明に係る検査回路と対応する部分には対応する参照番号を付してある。図2と図12を比較すれば明らかな様に、本発明は既存のパネル内蔵検査回路を利用しており、スキャナチェック側にフィードバック回路からFBoutを入力する構成となっている。そこで、本発明を一層明らかにする為既存の検査回路の概要を以下に説明する。
【0035】
図13は、図12に示した既存の検査回路の入力波形及び出力波形を示すタイミングチャートである。理解を容易にする為、図3に示した本発明のタイミングチャートと対応する部分には対応する参照番号を付してある。図示する様に、既存の検査回路は入力として垂直駆動回路からVoutを受け入れ、水平駆動回路からHoutを受け入れる。Vout及びHoutを合成して出力波形としている。
【0036】
図14は、図12に示した既存の検査回路を内蔵したパネルの一例を示す模式図である。図示する様に、表示装置は所定の間隙を介して互いに接合した駆動基板36と対向基板34とからなるパネル構造を有している。両基板36,34の間隙には液晶などの電気光学物質が保持されている。対向基板34の内表面には対向電極が形成されている。
【0037】
これに対し駆動基板36の内表面には行状のゲートライン13と列状の信号ライン12とが形成されている。両ライン13,12の交差部には行列状に配された画素電極11と、個々の画素電極11に映像信号を書き込むスイッチング素子とが集積形成されている。スイッチング素子は薄膜トランジスタ(TFT)からなり、そのソース電極は対応する信号ライン12に接続し、ドレイン電極は対応する画素電極11に接続し、ゲート電極は対応するゲートライン13に接続している。この駆動基板36は更に垂直駆動回路16、水平駆動回路17、レベル変換回路90なども内蔵しており、いわゆるアクティブマトリクス型表示装置を構成する。上述した各回路16、17、90も薄膜トランジスタで構成されている。垂直駆動回路16は垂直スタートパルスVST及び互いに逆相の垂直クロック信号VCK,VCKXなどの制御信号に応じて動作し、ゲートライン13を介してスイッチング素子を行毎に選択する。具体的には、垂直駆動回路16はシフトレジスタからなりVCK,VCKXに応じてVSTを順次転送して、ゲートライン13に線順次で選択パルスを出力する。一方水平駆動回路17は映像信号供給ゲート23を順次開閉制御して、選択されたスイッチング素子に映像信号R,G,Bを供給する。具体的には、この水平駆動回路17もシフトレジスタからなり、HCK,HCKXに応じてHSTを順次転送することで、映像信号供給ゲート23の開閉制御を行う。レベル変換回路90は外部のタイミングジェネレータIC(図示せず)などにより外部から入力された制御信号VST,VCK,VCKX,HST,HCK,HCKXなどを低レベル(例えば3V)から高レベル(例えば15V)に変換して、垂直駆動回路16及び水平駆動回路17に供給する。尚、駆動基板36の露出した上端部表面には、VST,VCK,VCKX,HST,HCK,HCKX,R,G,Bなどを入力する為の端子35が複数個設けられている。
【0038】
検査回路80が駆動基板36に内蔵されており、レベル変換回路90の動作を診断する。この検査回路80は個々の制御信号毎に設けられた複数のレベル変換回路90の動作を総合的に診断する論理回路を含んでいる。検査回路80は、レベル変換回路(レベルシフタ)90に直流電圧を印加し且つそのレベルを走査して診断を行い、レベル変換回路(レベルシフタ)90の動作範囲(閾電圧)を選別可能にする。この検査回路80はレベル変換回路90の診断と垂直駆動回路16及び水平駆動回路17の診断を切り替える手段を有し、診断結果を共通の出力端子OUTに出力する。尚切替制御の為、特定の入力端子VSSGを用いている。
【0039】
図15はレベル変換回路90の具体的な構成例を示す。図示する様に、このレベル変換回路90はNチャネル型薄膜トランジスタ及びPチャネル型薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS構造を採用している。入力信号VINのレベルが閾電圧Vthを超えると、出力信号VOUTのレベルはローからハイに切り替わる。この出力信号VOUTは端子A又はBから取り出される。
【0040】
図16は、図14に示した検査回路80の具体例を示す模式的な回路図である。この検査回路は例えば9個のレベル変換回路1〜レベル変換回路9の診断を総合的に行う論理回路構成となっている。個々のレベル変換回路は図15に示した構成を有している。従って、レベル変換回路1〜レベル変換回路9からの出力信号は図15に示した端子A又はBから取る。レベル変換回路1〜レベル変換回路9の内の一部については二段のインバータ81,82を介してその出力信号を取り出している。この様にインバータ81,82を組み込んだのは、負荷が重くなった為に個々のレベル変換回路の出力信号が鈍り、水平駆動回路や垂直駆動回路などのスキャナに正常な制御信号(クロック信号)が入力できないという危険性を避ける為である。レベル変換回路1〜レベル変換回路9からの出力信号は前段のナンドゲート83に供給される。レベル変換回路1〜レベル変換回路9の出力信号はノアゲート84にも供給される。ナンドゲート83の出力端子は後段のナンドゲート85の入力端子に接続される。ノアゲート84の出力端子はインバータ86を介して後段のナンドゲート85の他方の入力端子に接続される。ナンドゲート85は診断結果を出力端子OUTに出力する。
【0041】
引続き図16を参照して検査回路80のレベルシフタ側の診断動作を説明する。まず、各レベル変換回路1〜9の入力信号に直流信号VINを印加する。例えばこの直流信号VINのレベルを走査して、3Vに設定した時各レベル変換回路の出力がハイ(15V)になる一方、VINを0Vとした時各レベル変換回路の出力がロー(0V)となれば、正常なレベル変換動作が行われたことになる。ここで、全てのレベル変換回路1〜9に3VのVINを入力した時、全てのレベル変換回路1〜9の出力がハイと動作するならば、ナンドゲート85の出力端子にはハイレベルが現われる。逆に、0VのVINを各レベル変換回路1〜9に一斉に入力した時、全てのレベル変換回路1〜9の出力がローと動作するならば、ナンドゲート85の出力端子はハイになる。
【0042】
ところが、例えばレベル変換回路3に動作異常があり、3VのVINを入力した時ローに誤動作したとする。すなわち、レベル変換回路3の出力レベルはローとなり、その他のレベル変換回路の出力レベルはハイとなる。従って、ナンドゲート85の出力端子OUTはローになる。同様に、0VのVINを入力した時、複数のレベル変換回路1〜9の内の何れか一つでも出力レベルがハイになる誤動作をすると、出力端子OUTはローになる。つまり、全てのレベル変換回路1〜9が正常に動作する時に限りOUTはハイとなり、何れか一つでも異常動作するとOUTはローになる。この様にして、図16に示した検査回路80は複数のレベル変換回路の動作を総合的に診断する論理回路構成となっている。
【0043】
本検査回路は、レベル変換回路1〜9の診断と垂直駆動回路16及び水平駆動回路17(スキャナ部)の診断を切り替える手段としてゲート回路88を含んでおり、診断結果を共通の出力端子OUTに出力する。切替モードでレベルシフタとスキャナのチェックを可能としている。切替モードのスイッチ入力として端子VSSGを用いている。この端子VSSGはゲートラインに接地レベル(0V)を供給する端子であり、スキャナ部とは全く接続されていない。つまり、スキャナ部の動作には無関係な端子であるので、切替モードのスイッチ入力に用いても動作上問題ない。尚スキャナ部に含まれるブロックHoutは水平駆動回路17のチェック用出力信号ノードを表わしている。又ブロックVLoutは左側の垂直駆動回路16に設けた出力信号チェック用ノードを表わしている。更にブロックVRoutは右側の垂直駆動回路16の出力信号のチェック用ノードを表わしている。更に、二段のインバータを介してVRoutに接続した三段のVS/Rは右側垂直駆動回路と左側垂直駆動回路の出力タイミングをずらして、個々に診断可能とする為に設けられている。係る回路構成において、端子VSSGにローレベルのスイッチ入力を印加すると、通常モードでの診断が行われ、OUTにはスキャナ部から出力される信号波形が得られる。一方VSSGにハイレベルのスイッチ入力を印加するとレベル変換回路のVth診断モードに切り替わる。本発明は、係る構成を有する既存の検査回路のスキャナ側にフィードバック診断機能を加えたものである。
【0044】
ところで、現在SVGA規格との互換性及びシステムのコスト削減の為、従来12相駆動であったXGAパネルを6相で駆動する方式が主流になりつつある。6相駆動XGAでは従来の12相駆動XGAに対し二倍の速さで駆動を行う必要があり、ゴースト対策が急務となっている。以下、XGA規格の映像信号をアクティブマトリクス型の表示装置で表示する場合に焦点を当てて、具体的な説明を行う。図17は、従来の方式を模式的に表わしたものであり、いわゆる12ドット同時サンプリング方式である。(A)に示す様に、シフトレジスタの各段(S/R)から順次出力された転送パルスにより、HCK,HCKXを抜き取ってHSW用のサンプリングパルスとしている。このサンプリングパルスは、順次N段,N+1段,N+2段,N+3段の各HSWに印加される。
【0045】
(B)は、N段のHSWに印加されるサンプリングパルスとN+1段のHSWに印加されるサンプリングパルスを表わしている。パルス幅は何れもtである。XGA規格の映像信号は12相(SIG1〜SIG12)に分かれて、外部から映像ラインを介して供給されてくる。従来は12相の映像信号が一系統の映像ラインで送られてくる。従って、12相の映像信号は、それぞれ各水平サンプリングスイッチHSWを介して、12本一組の信号ラインにサンプリングされる。パルス幅がtのサンプリングパルスがN段のHSWに印加されると、SIG1〜SIG12が同時にサンプリングされ、12個の画素(ドット)に同時に書き込まれる。従って、この方式を12ドット同時サンプリングと呼んでいる。XGA規格はSVGA規格に比べ画素数が多い。その分同時書込ドット数を増やすことで、サンプリング周波数を低減化し、以ってサンプリングパルス幅を確保している。従来のXGA12ドット同時サンプリング駆動においては、ノンオーバーラップ方式を採用しても、サンプリングパルス幅tは150nsec程度確保できる。その為、隣り合う段でHSWサンプリングパルス幅がポリシリコンTFTの実力値程度ずれたとしても(例えば2nsec程度のずれ)、この程度ではサンプリングホールド電位に大きな差は現われず、画面にはサンプリング周期に対応した縦筋(サンプリング周期帯筋)は現われない。又、ユニフォミティの改善の為に、プリチャージ回路から供給されるプリチャージ信号のマージンも、縦筋に対しては1.0V程度と大きく、問題はない。
【0046】
液晶表示パネル(LCDパネル)の種類の増加に連れ、SVGAとXGAの駆動ICの共通化が進んでいる。そこで、従来12ドット同時サンプリング方式により駆動していたXGAパネルを、SVGAと同じ6ドット同時サンプリング方式により駆動する技術の開発が進んでいる。これにより、12ドット同時サンプリング方式ではRGBそれぞれのパネルに2個ずつ必要であった映像信号のサンプルホールドICが、6ドット同時サンプリング方式にすることで半分の1個ずつとなり、コスト低減にもつながる。図18は、XGAパネルの6ドット同時サンプリング方式を模式的に表わしたものである。理解を容易にする為、図17に示した12ドット同時サンプリング方式の模式図と対応する部分には対応する参照番号を付してある。(A)はサンプリング回路を模式的に表わしたものであり、(B)は6ドット同時サンプリングのタイミングチャートである。図17に示した12ドット同時サンプリングと対比すれば明らかな様に、6ドット同時サンプリング駆動のサンプリングパルスは、12ドット同時サンプリング駆動の半分のパルス幅となる。更に、縦筋対策やゴーストマージンを拡大する為に、ノンオーバーラップサンプリング駆動を採用すると、サンプリングパルス幅を更に狭める必要がある。実際には、サンプリングパルス幅は30〜45nsec程度の狭パルスとなる。
【0047】
図19は、6ドット同時サンプリング方式でノンオーバーラップ駆動を採用した場合の回路及びタイミングチャートを模式的に表わしている。理解を容易にする為、図18に示したノンオーバーラップ方式を採用しない場合の6ドット同時サンプリングと対応する部分には対応する参照番号を付してある。(A)に示す様に、ノンオーバーラップ駆動では、シフトレジスタの各段(S/R)から順次出力される転送パルスでDCK1,DCK2を抜き取り、サンプリングパルス▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼を生成している。各サンプリングスイッチHSWは、サンプリングパルスに応答して開閉動作し、6相の映像信号sig1〜sig6を同時サンプリングし、対応する画素に書き込んでいる。
【0048】
(B)はサンプリングパルス▲1▼,▲2▼,▲3▼を表わしたタイミングチャートである。サンプリングパルス▲1▼はDCK1を抜き取って生成されたものである。そのパルス幅はT1で与えられる。又サンプリングパルス▲2▼はDCK2を抜き取って生成されたものであり、そのパルス幅はT2で与えられる。DCK1,DCK2は位相が互いに180度ずれているだけで、パルス幅は基本的に同一である。従って、サンプリングパルス▲1▼,▲2▼のパルス幅はT1=T2となる。尚両サンプリングパルス▲1▼,▲2▼の間に所定のノンオーバーラップ時間が介在している。(B)に示す安定した状態では、T1=T2である為、映像信号のホールド電位に差は生じない。従って(C)に示す様に画素アレイ15には縦筋(サンプリング周期帯筋)は現われない。
【0049】
図20は、DCK1とDCK2との間でデューティ比のずれが生じた場合を表わしている。理解を容易にする為、図19に示したデューティ比のずれがない場合と対応する部分には対応する参照番号を付してある。(B)に示す様に、DCK1とDCK2との間でデューティ比のずれがあると、サンプリングパルス▲1▼のパルス幅T1とサンプリングパルス▲2▼のパルス幅T2との間で誤差が生じる。これにより、両サンプリングパルス▲1▼,▲2▼でサンプルホールドされる映像信号の電位(ホールド電位)に差が生じる。(C)に示す様に、画素アレイ15にはサンプリング周期幅(6ドット)で帯筋が現われる。前述した様に、6ドット同時駆動方式でノンオーバーラップ時間を取ると、サンプリングパルスは30〜45nsec程度の狭パルスとなる。パルス幅が短い為、2nsec程度のデューティずれが、顕著にホールド電位のずれになって現われる。その為、プリチャージ信号のマージンは0.2V程度に減り、サンプリング周期帯筋が発生し易くなる。
【0050】
次にゴーストについて説明を続ける。図21は、ゴーストの発生原因を模式的に表わしている。ビデオ信号に含まれる黒レベルのピークを、N段の画素列に書き込む場合を模式的に表わしている。初期段階(エージング前)では、サンプリングパルスの遅延は生じていない為、正確にN段のサンプリングパルスでビデオ信号の黒レベルをサンプリングできる。従って、前ゴーストは発生しない。これに対しエージング後では、サンプリングパルス(ドライブパルス)に遅延が生じる為、場合によっては前段(N−1段)のドライブパルスでビデオ信号の黒レベルのピークを一部サンプリングしてしまうことがある。これにより前ゴーストが生じる。このエージング効果は、例えばTFTのホットキャリアによるVthシフトにより生じる。このエージング効果によるドライブパルスの遅延幅は30nsec程度である。初期設定でゴーストが出ない状態からサンプリングパルス(ドライブパルス)が遅延してゴーストが出る状態になる前までのドライブパルスに許容される遅延量時間をゴーストマージンと定義すると、前ゴーストのマージンは30nsec程度となる。従来のXGA12ドット同時サンプリング駆動においては、ノンオーバーラップ時間をエージングによるパルス変動量分である30nsec以上にしても、サンプリングパルス幅は150nsec程度確保できる。しかしながら、6ドット同時サンプリング駆動においては、ノンオーバーラップ時間をゴーストマージンを超える30nsec程度以上とすると、サンプリングパルス幅は30〜45nsec程度の狭パルスにしかできない。この30〜45nsec程度のパルス幅は、前述した様にサンプリング周期帯筋が発生し易い領域でもある。
【0051】
ゴーストマージンを考える場合、図21に示した前ゴーストの他ゴースト帯についても考慮する必要がある。図22にゴースト帯の発生原因を模式的に示す。(A)は、信号ラインとゲートライン間の容量カップリングを表わしている。(B)は、このカップリングによるゴースト帯の発生原因を模式的に表わしている。ゴースト帯は、例えばブラックのウィンドウ表示により生じた揺れがゲートラインに乗り、その揺れが隣接段の信号ラインに乗り、その揺れにより変動した信号ライン電位をホールドする為に生じる。サンプリングパルスが遅延すると、ビデオの揺れとホールドする時間が狭くなっていく為、ゴースト帯が発生する。サンプリングパルス幅が広いと、揺れが治まった後にホールドする為、ゴースト帯の発生は遅くなる。逆にサンプリングパルス幅が狭いと、揺れが治まる前にホールドする為、ゴースト帯の発生が早まる。サンプリングパルス幅が30〜45nsec程度の狭い領域では、ゴーストマージンは前述の前ゴーストよりもむしろ図22に示したゴースト帯律速となり、ノンオーバーラップ時間の影響よりもパルス幅の影響の方が強くなる。従って、ノンオーバーラップ時間を増やしてもゴーストマージンは増えない。
【0052】
以上の説明から明らかな様に、6相駆動XGAでは、隣接段とのノンオーバーラップ時間を十分に確保することはできず、又多少ノンオーバーラップ時間を増やしてもゴーストマージンは極めて狭い。以上の理由により、XGA6相駆動において、パネル内部のサンプリングパルスの遅延量を検出し、それを基に外部ICによりサンプリングパルスにフィードバックをかけるゴーストフィードバック回路を搭載したパネルが主流になりつつある。本発明は、このゴーストフィードバックの動作を確認する検査回路を新たにパネル内に搭載したものである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、点順次アクティブマトリクス型の表示装置において、ゴーストフィードバック回路の動作診断用検査回路をパネル内に搭載している。これにより、ゴーストフィードバック回路の誤動作を防止し、以って表示品質を維持することができる。既存の検査回路にゴーストフィードバック回路の診断機能を組み込むことで、検査工程を増やすことなくスキャナやレベルシフタに加えてフィードバック回路の検査も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した表示装置に組み込まれる検査回路の実施形態を示す回路図である。
【図3】図2に示した検査回路の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図4】図1に示した表示装置の具体的な構成例を示す回路図である。
【図5】図4に示した表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図6】図4に示した表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図7】図4に示した表示装置に組み込まれるフィードバック回路の概念を示す模式図である。
【図8】シフトレジスタの構成例を示す回路図である。
【図9】フィードバック回路の構成例を示す回路図である。
【図10】フィードバック回路の構成例を示す回路図である。
【図11】フィードバック回路の構成例を示す回路図である。
【図12】既存の検査回路の一例を示す参考図である。
【図13】図12に示した検査回路の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図14】図12に示した検査回路を搭載した表示装置の一例を示すブロック図である。
【図15】図14に示した表示装置に組み込まれるレベル変換回路の一例を示す回路図である。
【図16】図14に示した表示装置に組み込まれる検査回路の具体的な構成例を示す回路図である。
【図17】12相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図18】6相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図19】6相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図20】6相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図21】ゴーストの発生原因を示す模式図である。
【図22】ゴーストの発生原因を説明する模式図である。
【図23】従来の表示装置の一例を示すブロック図である。
【図24】図23に示した表示装置の具体的な構成例を示す回路図である。
【図25】図24に示した表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【符号の説明】
11・・・画素、12・・・信号ライン、13・・・ゲートライン、16・・・垂直駆動回路、17・・・水平駆動回路、50・・・フィードバック回路、80・・・検査回路
【発明の属する技術分野】
本発明は点順次駆動方式のアクティブマトリクス型表示装置に関する。詳しくは、映像信号のサンプリング用パルスの経時的な遅延を検出し補償する為のフィードバック回路をパネルに搭載した表示装置に関する。更に詳しくは、フィードバック回路が正常に動作しているか否かを診断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−005377号公報
【特許文献2】特開平11−119746号公報
【特許文献3】特開2000−298459公報
【特許文献4】特開2002−072987公報
【0003】
図23は、従来の表示装置の典型的な構成を示すブロック図である。図示する様に、従来の表示装置は画素アレイ部15、垂直駆動回路16及び水平駆動回路17などを集積的に形成したパネル33で構成されている。画素アレイ部15は、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12及び両者が交差する部分に行列状に配された画素11とで構成されている。垂直駆動回路16は左右に分かれて配されており、ゲートライン13の両端に接続して、順次画素11の行を選択する。水平駆動回路17は信号ライン12に接続するとともに所定の周期のクロック信号に基づいて動作し、選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。従来の表示装置は更に外部のクロック生成回路(図示省略)18を備えており、水平駆動回路17の動作基準となるクロック信号HCK,HCKXと、これらのクロック信号HCK,HCKXに対して周期が同じで且つデューティ比が小さいクロック信号DCK1,DCK2を生成する。尚、HCKXはHCKの反転信号である。又、本明細書では特に明示しないが、必要に応じクロック信号DCK1,DCK2の反転信号DCK1X,DCK2Xも供給される。外部クロック生成回路は、これらのクロック信号に加え、水平スタートパルスHSTもパネル33側に供給する。尚、各信号ライン12にはプリチャージ回路20が接続しており、映像信号の書き込みに先立ってプリチャージを行い、画質を改善する。
【0004】
図23に示した従来の表示装置は、フィードバック回路50を備えており、水平駆動回路17に接続されている。水平駆動回路17は映像信号を画素11に書き込む為に順次サンプリングパルスを発生している。このサンプリングパルスの位相は必ずしも安定しておらず、経時的に変化する傾向がある。フィードバック回路50は、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出し、遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、ゴーストフィードバック端子60を介しパネル内部から外部にフィードバックする。従来の表示装置は、フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネル33に入力するクロック信号の位相を外部で調整可能としている。
【0005】
図24は、図23に示した表示装置の構成例を示すブロック図である。但し、フィードバック回路の部分は除いてある。図示する様に、表示装置は、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素11及び映像信号を供給する映像ライン25を有するパネルで構成されている。表示装置は、上述したパネルに加え垂直駆動回路16、水平駆動回路17及びクロック生成回路18を含んでいる。典型的には、垂直駆動回路16及び水平駆動回路17はパネルに内蔵されている。又、パネルにはサンプリングスイッチ群23も形成されている。サンプリングスイッチ群23の各スイッチ(HSW)は各信号ライン12に対応して配されており、映像ライン25を各信号ライン12に接続する役割を果たす。
【0006】
垂直駆動回路16は各ゲートライン13に接続し、順次行単位で画素11を選択する。水平駆動回路17は所定の周期のクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスA’,B’,C’,D’・・・を順次発生して各スイッチHSWを順に駆動し、以って選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。
【0007】
クロック生成回路18は、水平駆動回路17の動作基準となるクロック信号HCKを生成するとともに、このクロック信号HCKに対してパルス幅が短いクロック信号DCK1,DCK2を生成する。一方、水平駆動回路17は、シフトレジスタ21と抜取スイッチ群22とで構成されている。尚、シフトレジスタ21の各段をS/Rで表わしてある。シフトレジスタ21は、クロック信号HCKに同期して水平スタートパルスHSTのシフト動作を行い、各シフト段S/RからシフトパルスA,B,C,D・・・を順次出力する。抜取スイッチ群22の各スイッチは、シフトレジスタ21から順次出力されるシフトパルスA,B,C,D・・・に応答してクロック信号DCK1,DCK2を抜き取り、前述したサンプリングパルスA’,B’,C’,D’・・・を順次生成する。
【0008】
図25を参照して、図24に示した表示装置の動作を簡潔に説明する。水平駆動回路17はクロック信号HCK(以下、HCKパルスと呼ぶ場合がある)及びその反転信号HCKXに応じて動作し、スタートパルスHSTを順次転送することで、シフトパルスA,B,Cを生成している。クロック生成回路18はHCKパルスの他、クロック信号DCK1,DCK2(以下、DCKパルスと呼ぶ場合がある)を水平駆動回路17に供給している。図25のタイミングチャートから明らかな様に、DCKパルスはHCKパルスと同一の周期を有するが、パルス幅が小さくなっている。又、DCK1とDCK2は互いに位相が180度ずれている。
【0009】
水平駆動回路17は各シフトパルスA,B,Cで抜取スイッチ群22を開閉駆動し、DCKパルスを抜き取っている。これにより、サンプリングパルスA’,B’,C’を生成している。具体的には、DCK1のパルスをシフトパルスAで抜き取ることにより、サンプリングパルスA’を生成している。同様に、DCK2のパルスをシフトパルスBで抜き取ることにより、サンプリングパルスB’を得ている。この様なクロックドライブ方式を導入することで、隣り合うサンプリングパルス同士が互いにノンオーバーラップとなる様にしている。すなわち、サンプリングパルスA’とB’は時間的に隔てられており、互いに重なることはない。同様に、サンプリングパルスB’とC’も互いに時間的に隔てられており、重なることがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に、水平駆動回路は映像信号を順次画素に書き込む為、ノンオーバーラップのサンプリングパルスを順次出力する。しかしながら、パネルは長時間連続駆動すると薄膜トランジスタ(TFT)のホットキャリアによるVthシフトが起こり、サンプリングパルスは経時的に遅延する傾向にある。これに対し、映像信号はTFTなどで構成された回路を通らない為遅延が生じない。サンプリングパルスの遅延を放置すると、当該段の信号ラインにサンプルホールドすべき映像信号を、前段の信号ラインにサンプルホールドしてしまう。これにより、映像欠陥の一種であるゴーストが発生する。
【0011】
このゴーストを抑制する為、図23に示した従来の表示装置はフィードバック回路50を備えている。フィードバック回路50は定期的にサンプリングパルスの遅延を検出し、遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル内部から外部にフィードバックする。従来の表示装置は、フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネルに入力するクロック信号の位相を外部で調整する。これにより、ゴーストを防ぐことができる。
【0012】
しかしながら、フィードバック回路自体に不具合が生じた場合には、サンプリングパルスの遅延を補償してゴーストを取り除くことができなくなる。フィードバック回路が正常に動作しない場合、逆に誤動作の原因になったり、画質が悪化する恐れもある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の技術の課題を解決するために以下の手段を講じた。即ち、行状のゲートライン、列状の信号ライン、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素、及び映像信号を供給する映像ラインを有するパネルと、外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、行状の該ゲートラインを介して順次画素の行を選択するパネル内の垂直駆動回路と、列状の該信号ラインを該映像ラインに接続するためパネル内に配された複数のサンプリングスイッチと、外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチを順に駆動し、もって選択された行の画素に順次映像信号を書き込むパネル内の水平駆動回路と、経時的に変化する該サンプリングパルスの遅延量を検出し、該遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル内部から外部にフィードバックするフィードバック回路とからなり、該フィードバックパルスに基づき、該サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、該パネルに入力するクロック信号の位相を外部で調整可能とした表示装置であって、該フィードバック回路の動作を診断するための検査回路を該パネルに内蔵させたことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記パネルは、外部から入力されるクロック信号をレベル変換して該垂直駆動回路及び水平駆動回路に供給するレベルシフタを内蔵しており、
前記検査回路は、該レベルシフタの診断と該フィードバック回路の診断を切り替え可能であり、診断結果を共通の出力端子に出力する。又、前記検査回路は、該フィードバック回路の診断と同時に該垂直駆動回路及び水平駆動回路の診断を行い、診断結果を一つに合成された信号波形として出力する。
【0015】
本発明によれば、フィードバック回路の動作を確認する検査回路をパネルに組み込んでいる。好ましくは、既存のパネル内部動作確認回路にこのゴーストフィードバック検査回路を組み込んでいる。これにより、新たに検査工程を増やすことなく、現状のパネル検査工程にてゴーストフィードバック回路の動作確認を行うことができる。ゴーストフィードバック回路を搭載したパネルを製造する場合、本発明によってパネル出荷前にゴーストフィードバック部分の回路が正常に動作しているか否かを検査することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る表示装置の実施形態を示すブロック図である。図示する様に、本表示装置は一枚のパネル33で構成されている。パネル33には、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12、両ライン13,12が交差する部分に行列状に配された画素11、及び映像信号を供給する映像ラインが配されている。尚、図示を簡略化する為、映像ラインは省略してある。ゲートライン13、信号ライン12及び画素11は、中央の画素アレイ部15に集積形成されている。その周辺に垂直駆動回路16及び水平駆動回路17が配されている。図示しないが、水平駆動回路17のブロックの中に、複数のサンプリングスイッチが含まれている。垂直駆動回路16は外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、行状のゲートライン13を介して、順次画素11の行を選択する。本実施形態では、垂直駆動回路16はパネル33内で画素アレイ部15の左右両側に分かれて一対配されている。但し、本発明はこれに限られるものではなく、ゲートライン13の片側のみに垂直駆動回路16を接続する様にしてもよい。複数のサンプリングスイッチは、列状の信号ライン12を映像ラインに接続する為パネル33内に配されている。図示を簡略化する為、映像ライン及び複数のサンプリングスイッチは水平駆動回路17のブロック内に収めてある。水平駆動回路17は、外部から入力されるクロック信号HCK,HCKX,DCK1,DCK2に基づいて動作し、同じく外部から入力される水平スタートパルスHSTを順次転送することでサンプリングパルスを発生し、前述したサンプリングスイッチを順に駆動する。これにより選択された行の画素11に順次映像信号を書き込む。尚本実施形態では各信号ライン12の一端にプリチャージ回路20が接続されている。プリチャージ回路20は水平駆動回路17により映像信号を画素11に書き込む前、あらかじめ信号ライン12をプリチャージして、表示される映像のユニフォーミティを改善している。但し、本発明はこのプリチャージ回路20を必須の構成要素とするものではない。又、本表示装置は外部から入力される切換信号RGTに応じて画面表示を左右反転可能である。
【0017】
本表示装置は更にフィードバック(FB)回路50と検査回路80を備えている。フィードバック回路50は水平駆動回路17に接続されており、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出し、該遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、ゴーストフィードバック端子60を介しパネル33内部から外部にフィードバックする。本表示装置は、フィードバックパルスに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネル33に入力するクロック信号DCK1,DCK2の位相を外部で調整可能としている。検査回路80は、パネル33の製造段階もしくは出荷段階でフィードバック回路50の動作を診断する為、パネル33に内蔵されている。
【0018】
場合によっては、本表示装置はレベルシフタを内蔵する場合もある。このレベルシフタは外部から入力されるクロック信号HCK,HCKX,DCK1,DCK2などをレベル変換して水平駆動回路17に入力する。垂直駆動回路16用のレベルシフタも内蔵されている場合がある。この様な場合、検査回路80は、レベルシフタの診断とフィードバック回路50の診断を切り替え可能とすることができ、診断結果を共通の出力端子であるパネル内部動作確認端子99に出力する様にしてもよい。尚、レベルシフタ診断用の検査回路は、既存の構成が知られている。場合により、検査回路80は、フィードバック回路50の診断と同時に垂直駆動回路16及び水平駆動回路17の診断を行い、診断結果を一つに合成された信号波形として出力する。
【0019】
図2は、検査回路80の構成例を示す模式図である。この検査回路80は既存の構成に、フィードバック回路50の診断機能を組み込んだものである。この検査回路は外部からの切替電位入力によって、レベルシフタ側のチェックと水平駆動回路及び垂直駆動回路(スキャナ)側のチェックを切り替えることができる様になっている。図示する様に、スキャナチェック側は3入力1出力のナンドゲート素子NAND1で構成されている。一方、レベルシフタチェック側は3個のインバータIV1,IV2,IV3と3個のナンドゲート素子NAND2,NAND3,NAND4で構成されている。スキャナチェック側では、FB回路50の診断用出力FBout、水平駆動回路17の診断用出力Hout及び垂直駆動回路16の診断用出力VLout,VRoutが、NAND1に入力されている。NAND1はこれら3つの診断用信号を合成して出力する。尚、VLout,VRoutは左右Vスキャナ選択回路によって何れか一方が選択される。レベルシフタチェック側は、パネル内部のレベルシフタチェック回路から出力された信号がNAND3に入力される。切替電位によりレベルシフタチェックが選択されている場合には、NAND3の出力がNAND4,IV2,IV3を介してパネル内部動作確認端子99に出力される。一方切替電位によりスキャナチェック側が選択されている場合には、NAND1の出力がNAND2を介してNAND4側に伝達される。本発明によれば、ゴーストフィードバック機能を搭載したパネルにおいて、パネル出荷前にゴーストフィードバック部分の回路が正常に動作しているか否か検査を行うことができる。その場合、現状のパネル内部回路動作確認検査工程をそのまま用いることができ、検査工程を増やす必要がない。図2に示した構成は切替電位によりスキャナ動作確認とレベルシフタ動作確認が行える。本実施形態ではスキャナ動作確認時にゴーストフィードバック回路の確認を合わせて行っている。
【0020】
図3は、図2に示した検査回路80に入力される信号波形及び検査回路80から出力される信号波形を表わしたものである。特に、スキャナチェックが選択されている場合の出力波形を表わしている。Voutは垂直走査回路の診断用入力波形である。一フィールド(1F)期間に一回垂直スタートパルスVSTの二倍幅の負極性パルスを含む。水平駆動回路の診断用入力波形Houtは、一水平期間(1H)に一回水平スタートパルスHSTの二倍幅の負極性パルスを含んでいる。尚、実際にはVoutとHoutでは時間軸のレンジが合わないが、図3では簡易的に各レンジを合わせ同一時間軸内で示している。図示する様に、Voutは1F周期に一回、Houtは1H周期に一回それぞれパルスを出す回路構成となっており、これにより転送スキャナチェックを行っている。本検査回路は、上述したVout及びHoutに加え、フィードバック回路側から診断用出力FBoutを受け入れている。このFBoutも、Houtと同様に1H周期で一回パルスが発生する波形となっている。本検査回路は、Vout,Hout及びFBoutを合成した出力波形を、パネル内部動作確認端子99に出力する。この合成波形を外部で確認することにより、水平駆動回路及び垂直駆動回路のスキャナチェックと同時に、ゴーストフィードバック回路が正常に動作しているか否かを診断することができる。
【0021】
図4は、図1に示した表示装置の具体的な構成例を示す回路図である。但し、検査回路及び垂直駆動回路の部分は除いてある。図示する様に、本表示装置は、一枚のパネルで構成されており、画素アレイ部15、垂直駆動回路(図示省略)、水平駆動回路17、水平サンプリングスイッチ23、フィードバック回路50などを内蔵している。画素アレイ部15は、行状のゲートライン13、列状の信号ライン12、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素11などで構成されている。本実施形態の場合、画素11は液晶セルLCと薄膜トランジスタTFTとで構成されている。液晶セルLCは対向電極と画素電極との間に液晶を挟持した構成となっている。薄膜トランジスタTFTのドレイン電極は画素電極に接続し、ソース電極は信号ライン12に接続し、ゲート電極はゲートライン13に接続している。垂直駆動回路は、行状のゲートライン13に接続して順次画素11の行を選択する。具体的には、順次選択パルスを出力して薄膜トランジスタTFTを導通させ、以って液晶セルLCと信号ライン12を電気的に接続することで、画素11の選択を行っている。複数のサンプリングスイッチ(HSW)23は、列状の信号ライン12を映像ライン25に接続する為、パネル内に配されている。尚映像ライン25は、映像信号videoを外部からパネル内部に供給する配線である。水平駆動回路17は、外部から入力されるクロック信号HCK,HCKXに基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチHSWを順に駆動し、以って選択された行の画素11に順次映像信号videoを書き込む。フィードバック回路50は、経時的に変化するサンプリングパルスの遅延量を検出する為、該遅延量を反映したフィードバックパルスFBを生成して、端子(PAD)60を介しパネル内部から外部のゴースト補正IC70にフィードバックする。外部のゴースト補正IC70は、フィードバックパルスFBに基づき、サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、パネルに入力するクロック信号DCK1,DCK2の位相を外部で調整する。
【0022】
水平駆動回路17は、シフト段(S/R)を多段接続したシフトレジスタ21と、抜取スイッチ群22とで構成されている。シフトレジスタ21は、外部からスタートパルスHSTとクロック信号HCK,HCKXを受け入れ、スタートパルスHSTのシフト動作を行い、各シフト段(S/R)からシフトパルス▲1▼〜▲3▼を順次出力する。抜取スイッチ群22は、シフトレジスタ21から順次出力されるシフトパルス(転送パルス)に応答してクロック信号DCK1又はDCK2を抜き取ってサンプリングパルス▲1▼〜▲3▼を順次生成する。尚、このサンプリングパルスは位相調整回路(PAC)29を介して各サンプリングスイッチHSWに印加される。PACは、各抜取スイッチ群22で抜き取られたクロック信号DCK1,DCK2の位相調整を行うものである。DCK1とDCK2は基本的に位相が互いに180度シフトしたクロック信号となっている。PACはDCK1とDCK2の間に生じる可能性のある誤差を吸収している。
【0023】
シフトレジスタ21は左右反転機能付であり、外部から供給される切替信号RGTに応じてスタートパルスHSTを順方向に転送する順転送と逆方向に転送する逆転送を切替可能である。これに対応して、フィードバック回路50は順転送と逆転送とで、それぞれ別系統のフィードバック回路構成となっている。すなわち、順転送に対応してS/Rと同一構成の処理回路51−1と、同じく水平駆動回路側の抜取スイッチ22と同一構成の抜取スイッチ52−1を設けている。これとは別に逆転送側でも処理回路51−2と抜取スイッチ52−2を設けている。両系統から出力されたパルスはPAC59を介してスイッチ53のゲートを叩く。スイッチ53は配線27から接地電位をサンプリングしてフィードバックパルスFBを生成する。スイッチ53により最終的に形成されたフィードバックパルスFBはPAD60に送られる。
【0024】
このゴーストフィードバック機能により、通常30nsec程度必要としていたサンプリングパルスのノンオーバーラップ時間は、ゴーストフィードバック機能が作用する程度のノンオーバーラップ時間である15nsec程度にすることができる。これは、ICのマスタークロック(MCK)の1ドットクロック分に相当する。フィードバック機能をパネルに搭載することで、サンプリングパルス幅も従来に比べ15nsec程度広くすることができる。これにより、ゴーストの改善に加え、サンプリングパルス周期で現われる縦筋状の画像欠陥の改善も行える。
【0025】
図5は、順転送時における表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。順転送時切替信号RGTはそのレベルがHIGHに設定されている。これによりHSTとHCKの位相関係があらかじめ決められる。尚、HCKとHCKXは位相が180度シフトしている。HCKの周期はHSTのパルス幅と一致している。一方DCK1はHCKと同一周期であるがパルス幅は狭くなっている。DCK2はDCK1に対して位相が180度ずれている。水平駆動回路のシフトレジスタは、HCK及びHCKXに応じて動作しHSTを順次転送してシフトパルス(転送パルス)▲1▼,▲2▼,▲3▼を順次出力する。水平駆動回路側で一番目の抜取スイッチは転送パルス▲1▼に応答してDCK2を抜き取りサンプリングパルス▲1▼を生成する。同様に二番目の抜取スイッチは転送パルス▲2▼に応じてDCK1を抜き取りサンプリングパルス▲2▼を生成する。更に三番目の抜取スイッチは転送パルス▲3▼に応じてDCK2を抜き取りサンプリングパルス▲3▼を生成する。この様にして順次サンプリングパルス▲1▼▲2▼▲3▼を出力する。
【0026】
一方フィードバック回路側ではRGT=HIGHの時、フィードバック回路50の抜取スイッチ52−1は、処理回路51−1を通過したHSTに応じてHCKを抜き取り、FBパルスを出力する。尚、図5に示したFBパルスはパッド60から出力される最終波形ではなく、スイッチ53のゲートに印加される中間波形を表わしている。
【0027】
図6は、逆転送時の動作説明に供するタイミングチャートである。図5と対応する部分には対応する参照符号を付して理解を容易にしている。逆転送時切替信号RGTはLOWに設定される。これに応じHSTとHCKの位相関係があらかじめ設定される。図5と図6を比較すれば明らかな様に、HSTに対するHCKの位相関係が逆転している。これに応じ、フィードバック回路50は順転送と逆転送とで、それぞれ別系統のフィードバック回路構成となっている。すなわち、RGT=LOWの時、フィードバック回路50の抜取スイッチ52−2は、処理回路51−2を通過したHSTに応じてHCKXを抜き取り、FBパルスを出力する。順転送に対応して処理回路51−1と抜取スイッチ52−1を設けている。これとは別に逆転送側でも処理回路51−2と抜取回路52−2を設けている。別系統とすることで、順転送時と逆転送時の何れもFBパルスの出力タイミングが一致する。
【0028】
図7は、フィードバック回路と水平駆動回路とで信号の流れを比較した模式図である。右側のフィードバック回路は左側の水平駆動回路の動作をモニタして、経時的なサンプリングタイミングの遅延を検出するものである。この為、基本的にフィードバック回路のモニタ部分は、水平駆動回路と同一の回路構成とする必要がある。水平駆動回路側は、シフトレジスタ21でHSTを転送し、抜取スイッチ22でDCK1,DCK2を抜き取りサンプリングパルスとしている。サンプリングパルスはPAC29を介してHSW23を開閉駆動し、映像信号を信号ラインにサンプリングする。これと対応する様に、フィードバック回路側では処理回路51を通過したHSTに応じ、抜取スイッチ52がHCK,HCKXを抜き取る。抜き取られたパルスはPAC59を介し抜取スイッチ53のゲートを叩くことで、FBパルスを出力している。ここで、シフトレジスタ21及びDCK1,DCK2抜き回路22と処理回路51及びHCK,HCKX抜き回路52は同一の回路構成とする必要がある。又PAC29とPAC59も同じ回路構成とする必要がある。HSW23とHSW53もそれぞれの仕様に合ったトランジスタサイズとする必要がある。
【0029】
図8は、垂直駆動回路側の一段分に相当する具体的な回路構成を示す回路図である。前段から転送されてきたスタートパルスは当該段に入力され、HCK,HCKXにより次段に転送される。当該段のシフトレジスタ段(S/R)21は、図示する様にHCK,HCKXによってクロックドライブされるフリップフロップ構成となっている。又シフト段(S/R)21に接続された抜取スイッチ22はトランスミッションゲートで構成されている。この例では、スタートパルスがインバータ1、インバータ2、インバータ3及びインバータ4を通過し、トランスミッションゲート5のゲートを叩いている。これにより導通したトランスミッションゲート22がDCKを抜き取る。抜き取られたDCKはPACに送られる。
【0030】
フィードバック回路の構成は、図8に示した水平駆動回路側の構成を模擬し且つ各回路要素のトランジスタサイズを水平駆動回路側と同じにすることが、特性を合わせる上で重要となる。図9は、この様に対応付けされたフィードバック回路の実施例を示す回路図である。対応関係を明確にする為、図8と図9で同一構成の回路要素には同一の参照符号を付してある。順転送側でS/Rと同一構成の処理回路51−1とトランスミッションゲート5からなるCLK抜き回路(抜取スイッチ)52−1が設けてある。これと対称的な関係で逆転送側の処理回路51−2とCLK抜き回路52−2が設けられている。処理回路51−1,51−2はインバータ1,2,3及び4からなり、水平駆動回路側のシフト段(S/R)と等価である。更にCLK抜き回路(抜取スイッチ)52−1,52−2はトランスミッションゲート5で構成され、水平駆動回路側の抜取スイッチ22と同一である。CLK抜き回路52−1,52−2で抜き取られたHCK又はHCKXはPAC59を通過する。尚、CLK抜き回路52−1、52−2の出力端子には出力電位の不確定性を防止する為に不確定防止回路56が接続されている。
【0031】
図10は、ゴーストフィードバック回路の内、特にフィードバックパルスFBから診断用出力FBoutを形成する回路部分を示している。図4に示した様に、フィードバック回路の本体部分50から出力されたパルスはPAC59を介しスイッチ53を叩く。これによりパネル内部の接地電位がサンプリングされ、FBパルスとして外部に出力される。図10の例では、スイッチ53がTG1で構成されている。PACから出力されたパルスはIV5,IV6を介してTG1の両ゲートに印加され、これによりTG1を導通させてFBパルスを形成している。TG1の入力側はパネル内部の接地電位に接続されている。
【0032】
本実施例では、IV5から出力されたPch側のサンプリングパルス及びIV6から出力されたNch側サンプリングパルスを選択してFBoutとしている。この為に、TG2,TG3,TR1,TR2,IV7,NAND5,IV8,IV9を結線した回路構成としている。本実施例は、RGT=HIGH,LOWによりサンプリングパルスのNch側、Pch側どちらのパルスも同一タイミングで1Hに一回LOWのパルスがFBoutとして出力する回路構成となっている。
【0033】
図11は、図10に示したフィードバック回路の診断用出力形成部分の他の実施例を示す回路図である。理解を容易にする為、図10に示した先の実施例と対応する部分には対応する参照符号を用いている。異なる点は、出力段のNAND5に代え、ノアゲート素子NORを用いていることである。この関係で、周囲の回路要素の結線関係も多少変更してある。
【0034】
図12は、既存のパネル内蔵検査回路を示す参考図である。理解を容易にする為、図2に示した本発明に係る検査回路と対応する部分には対応する参照番号を付してある。図2と図12を比較すれば明らかな様に、本発明は既存のパネル内蔵検査回路を利用しており、スキャナチェック側にフィードバック回路からFBoutを入力する構成となっている。そこで、本発明を一層明らかにする為既存の検査回路の概要を以下に説明する。
【0035】
図13は、図12に示した既存の検査回路の入力波形及び出力波形を示すタイミングチャートである。理解を容易にする為、図3に示した本発明のタイミングチャートと対応する部分には対応する参照番号を付してある。図示する様に、既存の検査回路は入力として垂直駆動回路からVoutを受け入れ、水平駆動回路からHoutを受け入れる。Vout及びHoutを合成して出力波形としている。
【0036】
図14は、図12に示した既存の検査回路を内蔵したパネルの一例を示す模式図である。図示する様に、表示装置は所定の間隙を介して互いに接合した駆動基板36と対向基板34とからなるパネル構造を有している。両基板36,34の間隙には液晶などの電気光学物質が保持されている。対向基板34の内表面には対向電極が形成されている。
【0037】
これに対し駆動基板36の内表面には行状のゲートライン13と列状の信号ライン12とが形成されている。両ライン13,12の交差部には行列状に配された画素電極11と、個々の画素電極11に映像信号を書き込むスイッチング素子とが集積形成されている。スイッチング素子は薄膜トランジスタ(TFT)からなり、そのソース電極は対応する信号ライン12に接続し、ドレイン電極は対応する画素電極11に接続し、ゲート電極は対応するゲートライン13に接続している。この駆動基板36は更に垂直駆動回路16、水平駆動回路17、レベル変換回路90なども内蔵しており、いわゆるアクティブマトリクス型表示装置を構成する。上述した各回路16、17、90も薄膜トランジスタで構成されている。垂直駆動回路16は垂直スタートパルスVST及び互いに逆相の垂直クロック信号VCK,VCKXなどの制御信号に応じて動作し、ゲートライン13を介してスイッチング素子を行毎に選択する。具体的には、垂直駆動回路16はシフトレジスタからなりVCK,VCKXに応じてVSTを順次転送して、ゲートライン13に線順次で選択パルスを出力する。一方水平駆動回路17は映像信号供給ゲート23を順次開閉制御して、選択されたスイッチング素子に映像信号R,G,Bを供給する。具体的には、この水平駆動回路17もシフトレジスタからなり、HCK,HCKXに応じてHSTを順次転送することで、映像信号供給ゲート23の開閉制御を行う。レベル変換回路90は外部のタイミングジェネレータIC(図示せず)などにより外部から入力された制御信号VST,VCK,VCKX,HST,HCK,HCKXなどを低レベル(例えば3V)から高レベル(例えば15V)に変換して、垂直駆動回路16及び水平駆動回路17に供給する。尚、駆動基板36の露出した上端部表面には、VST,VCK,VCKX,HST,HCK,HCKX,R,G,Bなどを入力する為の端子35が複数個設けられている。
【0038】
検査回路80が駆動基板36に内蔵されており、レベル変換回路90の動作を診断する。この検査回路80は個々の制御信号毎に設けられた複数のレベル変換回路90の動作を総合的に診断する論理回路を含んでいる。検査回路80は、レベル変換回路(レベルシフタ)90に直流電圧を印加し且つそのレベルを走査して診断を行い、レベル変換回路(レベルシフタ)90の動作範囲(閾電圧)を選別可能にする。この検査回路80はレベル変換回路90の診断と垂直駆動回路16及び水平駆動回路17の診断を切り替える手段を有し、診断結果を共通の出力端子OUTに出力する。尚切替制御の為、特定の入力端子VSSGを用いている。
【0039】
図15はレベル変換回路90の具体的な構成例を示す。図示する様に、このレベル変換回路90はNチャネル型薄膜トランジスタ及びPチャネル型薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS構造を採用している。入力信号VINのレベルが閾電圧Vthを超えると、出力信号VOUTのレベルはローからハイに切り替わる。この出力信号VOUTは端子A又はBから取り出される。
【0040】
図16は、図14に示した検査回路80の具体例を示す模式的な回路図である。この検査回路は例えば9個のレベル変換回路1〜レベル変換回路9の診断を総合的に行う論理回路構成となっている。個々のレベル変換回路は図15に示した構成を有している。従って、レベル変換回路1〜レベル変換回路9からの出力信号は図15に示した端子A又はBから取る。レベル変換回路1〜レベル変換回路9の内の一部については二段のインバータ81,82を介してその出力信号を取り出している。この様にインバータ81,82を組み込んだのは、負荷が重くなった為に個々のレベル変換回路の出力信号が鈍り、水平駆動回路や垂直駆動回路などのスキャナに正常な制御信号(クロック信号)が入力できないという危険性を避ける為である。レベル変換回路1〜レベル変換回路9からの出力信号は前段のナンドゲート83に供給される。レベル変換回路1〜レベル変換回路9の出力信号はノアゲート84にも供給される。ナンドゲート83の出力端子は後段のナンドゲート85の入力端子に接続される。ノアゲート84の出力端子はインバータ86を介して後段のナンドゲート85の他方の入力端子に接続される。ナンドゲート85は診断結果を出力端子OUTに出力する。
【0041】
引続き図16を参照して検査回路80のレベルシフタ側の診断動作を説明する。まず、各レベル変換回路1〜9の入力信号に直流信号VINを印加する。例えばこの直流信号VINのレベルを走査して、3Vに設定した時各レベル変換回路の出力がハイ(15V)になる一方、VINを0Vとした時各レベル変換回路の出力がロー(0V)となれば、正常なレベル変換動作が行われたことになる。ここで、全てのレベル変換回路1〜9に3VのVINを入力した時、全てのレベル変換回路1〜9の出力がハイと動作するならば、ナンドゲート85の出力端子にはハイレベルが現われる。逆に、0VのVINを各レベル変換回路1〜9に一斉に入力した時、全てのレベル変換回路1〜9の出力がローと動作するならば、ナンドゲート85の出力端子はハイになる。
【0042】
ところが、例えばレベル変換回路3に動作異常があり、3VのVINを入力した時ローに誤動作したとする。すなわち、レベル変換回路3の出力レベルはローとなり、その他のレベル変換回路の出力レベルはハイとなる。従って、ナンドゲート85の出力端子OUTはローになる。同様に、0VのVINを入力した時、複数のレベル変換回路1〜9の内の何れか一つでも出力レベルがハイになる誤動作をすると、出力端子OUTはローになる。つまり、全てのレベル変換回路1〜9が正常に動作する時に限りOUTはハイとなり、何れか一つでも異常動作するとOUTはローになる。この様にして、図16に示した検査回路80は複数のレベル変換回路の動作を総合的に診断する論理回路構成となっている。
【0043】
本検査回路は、レベル変換回路1〜9の診断と垂直駆動回路16及び水平駆動回路17(スキャナ部)の診断を切り替える手段としてゲート回路88を含んでおり、診断結果を共通の出力端子OUTに出力する。切替モードでレベルシフタとスキャナのチェックを可能としている。切替モードのスイッチ入力として端子VSSGを用いている。この端子VSSGはゲートラインに接地レベル(0V)を供給する端子であり、スキャナ部とは全く接続されていない。つまり、スキャナ部の動作には無関係な端子であるので、切替モードのスイッチ入力に用いても動作上問題ない。尚スキャナ部に含まれるブロックHoutは水平駆動回路17のチェック用出力信号ノードを表わしている。又ブロックVLoutは左側の垂直駆動回路16に設けた出力信号チェック用ノードを表わしている。更にブロックVRoutは右側の垂直駆動回路16の出力信号のチェック用ノードを表わしている。更に、二段のインバータを介してVRoutに接続した三段のVS/Rは右側垂直駆動回路と左側垂直駆動回路の出力タイミングをずらして、個々に診断可能とする為に設けられている。係る回路構成において、端子VSSGにローレベルのスイッチ入力を印加すると、通常モードでの診断が行われ、OUTにはスキャナ部から出力される信号波形が得られる。一方VSSGにハイレベルのスイッチ入力を印加するとレベル変換回路のVth診断モードに切り替わる。本発明は、係る構成を有する既存の検査回路のスキャナ側にフィードバック診断機能を加えたものである。
【0044】
ところで、現在SVGA規格との互換性及びシステムのコスト削減の為、従来12相駆動であったXGAパネルを6相で駆動する方式が主流になりつつある。6相駆動XGAでは従来の12相駆動XGAに対し二倍の速さで駆動を行う必要があり、ゴースト対策が急務となっている。以下、XGA規格の映像信号をアクティブマトリクス型の表示装置で表示する場合に焦点を当てて、具体的な説明を行う。図17は、従来の方式を模式的に表わしたものであり、いわゆる12ドット同時サンプリング方式である。(A)に示す様に、シフトレジスタの各段(S/R)から順次出力された転送パルスにより、HCK,HCKXを抜き取ってHSW用のサンプリングパルスとしている。このサンプリングパルスは、順次N段,N+1段,N+2段,N+3段の各HSWに印加される。
【0045】
(B)は、N段のHSWに印加されるサンプリングパルスとN+1段のHSWに印加されるサンプリングパルスを表わしている。パルス幅は何れもtである。XGA規格の映像信号は12相(SIG1〜SIG12)に分かれて、外部から映像ラインを介して供給されてくる。従来は12相の映像信号が一系統の映像ラインで送られてくる。従って、12相の映像信号は、それぞれ各水平サンプリングスイッチHSWを介して、12本一組の信号ラインにサンプリングされる。パルス幅がtのサンプリングパルスがN段のHSWに印加されると、SIG1〜SIG12が同時にサンプリングされ、12個の画素(ドット)に同時に書き込まれる。従って、この方式を12ドット同時サンプリングと呼んでいる。XGA規格はSVGA規格に比べ画素数が多い。その分同時書込ドット数を増やすことで、サンプリング周波数を低減化し、以ってサンプリングパルス幅を確保している。従来のXGA12ドット同時サンプリング駆動においては、ノンオーバーラップ方式を採用しても、サンプリングパルス幅tは150nsec程度確保できる。その為、隣り合う段でHSWサンプリングパルス幅がポリシリコンTFTの実力値程度ずれたとしても(例えば2nsec程度のずれ)、この程度ではサンプリングホールド電位に大きな差は現われず、画面にはサンプリング周期に対応した縦筋(サンプリング周期帯筋)は現われない。又、ユニフォミティの改善の為に、プリチャージ回路から供給されるプリチャージ信号のマージンも、縦筋に対しては1.0V程度と大きく、問題はない。
【0046】
液晶表示パネル(LCDパネル)の種類の増加に連れ、SVGAとXGAの駆動ICの共通化が進んでいる。そこで、従来12ドット同時サンプリング方式により駆動していたXGAパネルを、SVGAと同じ6ドット同時サンプリング方式により駆動する技術の開発が進んでいる。これにより、12ドット同時サンプリング方式ではRGBそれぞれのパネルに2個ずつ必要であった映像信号のサンプルホールドICが、6ドット同時サンプリング方式にすることで半分の1個ずつとなり、コスト低減にもつながる。図18は、XGAパネルの6ドット同時サンプリング方式を模式的に表わしたものである。理解を容易にする為、図17に示した12ドット同時サンプリング方式の模式図と対応する部分には対応する参照番号を付してある。(A)はサンプリング回路を模式的に表わしたものであり、(B)は6ドット同時サンプリングのタイミングチャートである。図17に示した12ドット同時サンプリングと対比すれば明らかな様に、6ドット同時サンプリング駆動のサンプリングパルスは、12ドット同時サンプリング駆動の半分のパルス幅となる。更に、縦筋対策やゴーストマージンを拡大する為に、ノンオーバーラップサンプリング駆動を採用すると、サンプリングパルス幅を更に狭める必要がある。実際には、サンプリングパルス幅は30〜45nsec程度の狭パルスとなる。
【0047】
図19は、6ドット同時サンプリング方式でノンオーバーラップ駆動を採用した場合の回路及びタイミングチャートを模式的に表わしている。理解を容易にする為、図18に示したノンオーバーラップ方式を採用しない場合の6ドット同時サンプリングと対応する部分には対応する参照番号を付してある。(A)に示す様に、ノンオーバーラップ駆動では、シフトレジスタの各段(S/R)から順次出力される転送パルスでDCK1,DCK2を抜き取り、サンプリングパルス▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼を生成している。各サンプリングスイッチHSWは、サンプリングパルスに応答して開閉動作し、6相の映像信号sig1〜sig6を同時サンプリングし、対応する画素に書き込んでいる。
【0048】
(B)はサンプリングパルス▲1▼,▲2▼,▲3▼を表わしたタイミングチャートである。サンプリングパルス▲1▼はDCK1を抜き取って生成されたものである。そのパルス幅はT1で与えられる。又サンプリングパルス▲2▼はDCK2を抜き取って生成されたものであり、そのパルス幅はT2で与えられる。DCK1,DCK2は位相が互いに180度ずれているだけで、パルス幅は基本的に同一である。従って、サンプリングパルス▲1▼,▲2▼のパルス幅はT1=T2となる。尚両サンプリングパルス▲1▼,▲2▼の間に所定のノンオーバーラップ時間が介在している。(B)に示す安定した状態では、T1=T2である為、映像信号のホールド電位に差は生じない。従って(C)に示す様に画素アレイ15には縦筋(サンプリング周期帯筋)は現われない。
【0049】
図20は、DCK1とDCK2との間でデューティ比のずれが生じた場合を表わしている。理解を容易にする為、図19に示したデューティ比のずれがない場合と対応する部分には対応する参照番号を付してある。(B)に示す様に、DCK1とDCK2との間でデューティ比のずれがあると、サンプリングパルス▲1▼のパルス幅T1とサンプリングパルス▲2▼のパルス幅T2との間で誤差が生じる。これにより、両サンプリングパルス▲1▼,▲2▼でサンプルホールドされる映像信号の電位(ホールド電位)に差が生じる。(C)に示す様に、画素アレイ15にはサンプリング周期幅(6ドット)で帯筋が現われる。前述した様に、6ドット同時駆動方式でノンオーバーラップ時間を取ると、サンプリングパルスは30〜45nsec程度の狭パルスとなる。パルス幅が短い為、2nsec程度のデューティずれが、顕著にホールド電位のずれになって現われる。その為、プリチャージ信号のマージンは0.2V程度に減り、サンプリング周期帯筋が発生し易くなる。
【0050】
次にゴーストについて説明を続ける。図21は、ゴーストの発生原因を模式的に表わしている。ビデオ信号に含まれる黒レベルのピークを、N段の画素列に書き込む場合を模式的に表わしている。初期段階(エージング前)では、サンプリングパルスの遅延は生じていない為、正確にN段のサンプリングパルスでビデオ信号の黒レベルをサンプリングできる。従って、前ゴーストは発生しない。これに対しエージング後では、サンプリングパルス(ドライブパルス)に遅延が生じる為、場合によっては前段(N−1段)のドライブパルスでビデオ信号の黒レベルのピークを一部サンプリングしてしまうことがある。これにより前ゴーストが生じる。このエージング効果は、例えばTFTのホットキャリアによるVthシフトにより生じる。このエージング効果によるドライブパルスの遅延幅は30nsec程度である。初期設定でゴーストが出ない状態からサンプリングパルス(ドライブパルス)が遅延してゴーストが出る状態になる前までのドライブパルスに許容される遅延量時間をゴーストマージンと定義すると、前ゴーストのマージンは30nsec程度となる。従来のXGA12ドット同時サンプリング駆動においては、ノンオーバーラップ時間をエージングによるパルス変動量分である30nsec以上にしても、サンプリングパルス幅は150nsec程度確保できる。しかしながら、6ドット同時サンプリング駆動においては、ノンオーバーラップ時間をゴーストマージンを超える30nsec程度以上とすると、サンプリングパルス幅は30〜45nsec程度の狭パルスにしかできない。この30〜45nsec程度のパルス幅は、前述した様にサンプリング周期帯筋が発生し易い領域でもある。
【0051】
ゴーストマージンを考える場合、図21に示した前ゴーストの他ゴースト帯についても考慮する必要がある。図22にゴースト帯の発生原因を模式的に示す。(A)は、信号ラインとゲートライン間の容量カップリングを表わしている。(B)は、このカップリングによるゴースト帯の発生原因を模式的に表わしている。ゴースト帯は、例えばブラックのウィンドウ表示により生じた揺れがゲートラインに乗り、その揺れが隣接段の信号ラインに乗り、その揺れにより変動した信号ライン電位をホールドする為に生じる。サンプリングパルスが遅延すると、ビデオの揺れとホールドする時間が狭くなっていく為、ゴースト帯が発生する。サンプリングパルス幅が広いと、揺れが治まった後にホールドする為、ゴースト帯の発生は遅くなる。逆にサンプリングパルス幅が狭いと、揺れが治まる前にホールドする為、ゴースト帯の発生が早まる。サンプリングパルス幅が30〜45nsec程度の狭い領域では、ゴーストマージンは前述の前ゴーストよりもむしろ図22に示したゴースト帯律速となり、ノンオーバーラップ時間の影響よりもパルス幅の影響の方が強くなる。従って、ノンオーバーラップ時間を増やしてもゴーストマージンは増えない。
【0052】
以上の説明から明らかな様に、6相駆動XGAでは、隣接段とのノンオーバーラップ時間を十分に確保することはできず、又多少ノンオーバーラップ時間を増やしてもゴーストマージンは極めて狭い。以上の理由により、XGA6相駆動において、パネル内部のサンプリングパルスの遅延量を検出し、それを基に外部ICによりサンプリングパルスにフィードバックをかけるゴーストフィードバック回路を搭載したパネルが主流になりつつある。本発明は、このゴーストフィードバックの動作を確認する検査回路を新たにパネル内に搭載したものである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、点順次アクティブマトリクス型の表示装置において、ゴーストフィードバック回路の動作診断用検査回路をパネル内に搭載している。これにより、ゴーストフィードバック回路の誤動作を防止し、以って表示品質を維持することができる。既存の検査回路にゴーストフィードバック回路の診断機能を組み込むことで、検査工程を増やすことなくスキャナやレベルシフタに加えてフィードバック回路の検査も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した表示装置に組み込まれる検査回路の実施形態を示す回路図である。
【図3】図2に示した検査回路の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図4】図1に示した表示装置の具体的な構成例を示す回路図である。
【図5】図4に示した表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図6】図4に示した表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図7】図4に示した表示装置に組み込まれるフィードバック回路の概念を示す模式図である。
【図8】シフトレジスタの構成例を示す回路図である。
【図9】フィードバック回路の構成例を示す回路図である。
【図10】フィードバック回路の構成例を示す回路図である。
【図11】フィードバック回路の構成例を示す回路図である。
【図12】既存の検査回路の一例を示す参考図である。
【図13】図12に示した検査回路の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図14】図12に示した検査回路を搭載した表示装置の一例を示すブロック図である。
【図15】図14に示した表示装置に組み込まれるレベル変換回路の一例を示す回路図である。
【図16】図14に示した表示装置に組み込まれる検査回路の具体的な構成例を示す回路図である。
【図17】12相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図18】6相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図19】6相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図20】6相XGA規格の駆動方式を示す模式図である。
【図21】ゴーストの発生原因を示す模式図である。
【図22】ゴーストの発生原因を説明する模式図である。
【図23】従来の表示装置の一例を示すブロック図である。
【図24】図23に示した表示装置の具体的な構成例を示す回路図である。
【図25】図24に示した表示装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【符号の説明】
11・・・画素、12・・・信号ライン、13・・・ゲートライン、16・・・垂直駆動回路、17・・・水平駆動回路、50・・・フィードバック回路、80・・・検査回路
Claims (3)
- 行状のゲートライン、列状の信号ライン、両ラインが交差する部分に行列状に配された画素、及び映像信号を供給する映像ラインを有するパネルと、
外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、行状の該ゲートラインを介して順次画素の行を選択するパネル内の垂直駆動回路と、
列状の該信号ラインを該映像ラインに接続するためパネル内に配された複数のサンプリングスイッチと、
外部から入力されるクロック信号に基づいて動作し、サンプリングパルスを順次発生して複数のサンプリングスイッチを順に駆動し、もって選択された行の画素に順次映像信号を書き込むパネル内の水平駆動回路と、
経時的に変化する該サンプリングパルスの遅延量を検出し、該遅延量を反映したフィードバックパルスを生成して、パネル内部から外部にフィードバックするフィードバック回路とからなり、
該フィードバックパルスに基づき、該サンプリングパルスの遅延量を補償する様に、該パネルに入力するクロック信号の位相を外部で調整可能とした表示装置であって、
該フィードバック回路の動作を診断するための検査回路を該パネルに内蔵させたことを特徴とする表示装置。 - 前記パネルは、外部から入力されるクロック信号をレベル変換して該垂直駆動回路及び水平駆動回路に供給するレベルシフタを内蔵しており、
前記検査回路は、該レベルシフタの診断と該フィードバック回路の診断を切り替え可能であり、診断結果を共通の出力端子に出力することを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記検査回路は、該フィードバック回路の診断と同時に該垂直駆動回路及び水平駆動回路の診断を行い、診断結果を一つに合成された信号波形として出力することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007279171A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Sony Corp | 表示装置及び映像表示装置 |
JP2009075507A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-09 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置の検査方法及び電気光学装置の製造方法 |
JP7423990B2 (ja) | 2019-11-11 | 2024-01-30 | セイコーエプソン株式会社 | 電気光学装置および電子機器 |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003103765A patent/JP2004309823A/ja active Pending
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